JP2012167522A - 扉用減速機構付き閉鎖装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本体装置と受け装置を所定角度位置で分離し、連結されている範囲のみ制動させる構成で、本体装置と受け装置両方に引き込み機構を設け、かつ細長くコンパクトな形状にてデザイン性を向上させた扉用の減速機構付き閉鎖装置を提供する。
【解決手段】 異型長孔を備えた本体ケースと左右スライド部材と軸受け凹部を有した移動軸受けと減速部材と引き込み用バネを設ける。左右スライド部材に移動軸受けを回転可能に配置し、両者と共に減速部材を本体ケース内に挿入し、引き込み用バネを左右スライド部材と本体ケース間に付勢して本体装置を構成する。また上部軸を備えた揺動アームを回動自在に受けケースに装着し、アーム用バネを付勢させて受け装置を構成する。扉の開閉動作での両装置が連結されている範囲において、上部軸が異型長孔内を移動し、左右スライド部材と減速装置の移動動作に連動して引き込み動作と共に減速動作を得る。
【選択図】 図1
【解決手段】 異型長孔を備えた本体ケースと左右スライド部材と軸受け凹部を有した移動軸受けと減速部材と引き込み用バネを設ける。左右スライド部材に移動軸受けを回転可能に配置し、両者と共に減速部材を本体ケース内に挿入し、引き込み用バネを左右スライド部材と本体ケース間に付勢して本体装置を構成する。また上部軸を備えた揺動アームを回動自在に受けケースに装着し、アーム用バネを付勢させて受け装置を構成する。扉の開閉動作での両装置が連結されている範囲において、上部軸が異型長孔内を移動し、左右スライド部材と減速装置の移動動作に連動して引き込み動作と共に減速動作を得る。
【選択図】 図1
Description
本発明は扉用の減速機構付き閉鎖装置に関するものである。
従来の扉用の制動閉鎖装置であるドアクローザーは、シリンダー内部にばねとピストンを挿入し、扉の開閉に連動するアームの回転動作によりピニオンが回転し、ピニオンと係合しているラックの移動動作でピストンを直線運動させ、ピストンにより区切られた2室間をシリンダー内に充填されたオイルがオリフィスを通して流動することにより負荷をかける構成のものが多く、基本機構に油圧を利用したものがほとんどである。この機構の特徴は扉を閉鎖したときに一旦確実に低速度にまで減速し、その後緩やかに最後まで閉じることができる点で、大きく扉を開けた状態からでも、僅かに扉を開けた状態からでも同様の閉鎖動作が得られる。また扉を開くときと閉じるときにオリフィスを流動する流量を変化させることにより、開くときには軽く、閉じるときには大きな負荷が得られるような機構も併せて有している。
しかしながら、油圧式のドアクローザーは優れた性能を有するものの、圧力の変わるオイルをシリンダー内に確実に密封する必要があり、どうしても構造が複雑になり部品点数も多く、コスト面で高価になるという問題点を有している。また閉鎖動作としては制動装置本体側のアーム端部に連結されたピニオンを支点位置で回転させるため非常に力の強いばねが必要になり、上記強度に対応できる高強度のラックやピニオン等をも内蔵させなければならない。したがって制動装置全体としてはかなり大きな形状になり、サイズ面でコンパクト性に欠け、デザイン面でもあまり好ましくないことが挙げられる。また扉や枠体に内蔵させ外部に露出させないコンシールドタイプには適応させにくい点も最近では懸念されている。
さらに油圧式のドアクローザーは扉の開閉時の制動動作に大きな力がかかるため、扉や枠体等のドアクローザーを取り付ける部分自体の強度が必要になり、取り付けカ所の材質が弱いとねじによる固定作業での確実性に問題が生じる恐れがある。特に室内ドアにおいては木製の扉や枠体がほとんどであり、比較的軽量で安価なドアにおいてはドアクローザーを取り付けるべき位置が十分な強度を保有していない場合も多い。
そこで、扉の約180度の全開閉範囲においてアームにて常に枠体と連結した構成ではなく、別の発想として扉と枠体を一定の開き角度範囲でのみ連結するように設定し、一定角度範囲外はフリーな状態にする構成の制動装置が特願平9−7673や特願2005−313771や特願2007−71712等に報告されている。これらの共通する点は、引き込み制動装置と受け装置を扉と枠体に振り分けて配置し、両者が連結している閉鎖状態から扉が一定角度範囲開放した所定角度位置に達すると両者が一旦分離する構成になっており、その後の角度範囲での動作は普通の扉の開閉動作と同じである。そして大きく開いた後の閉鎖動作においては、所定角度位置まで扉が閉じると再度両者が結合し、扉を制動させながら引き込んで完全に閉鎖するように設定されている。
この一旦分離させて一定角度範囲のみ制動させる構成の特徴としては、比較的アームが短くてよく、その分全体をコンパクトにできる点が挙げられる。さらに閉鎖最終段階の所定角度範囲のみを引き込む動作でよいため、引き込み力は比較的小さくてよく扉や枠体の取り付けカ所にそれほど大きな力がかかることもない。また従来のドアクローザーにおいては開放状態での停止位置が限定される(主に90度位置付近)のに対して、上記の所定角度位置にて分離する構成においてはその後の開放位置では全く閉鎖力も制動機能も働かないため、どの位置においてもそのままの状態で扉を停止させることができる点も挙げられる。
またこれらの所定角度位置で分離する構成においても、上記の先行物件等は扉を制動させながら引き込む一定角度範囲での機構は従来のクローザーと比較的類似しており、ばね部材による引き込み力とシリンダータイプの直管ダンパーの負荷を合わせて用い、その内部のオイル等の粘性流体の移動動作にて制御する機構はほぼ同じである。つまりオイル等の粘性流体の、急激な圧縮力に対しては負荷が大きくなり、ゆっくりとした圧縮に対しては負荷が小さくなる特性を用いて、低速度で扉が閉じた場合は負荷が小さく引き込みのばね力が勝ってそのまま閉鎖する動作を得、扉が急激に閉じたときには負荷が大きくなり一旦減速させ、その後一定の負荷まで減速されると引き込み力が勝って閉鎖する基本機構を用いているものが多い。
しかしながら、制動装置と受け装置を一旦分離させて一定角度範囲のみ制動させる構成においては、大きく開放した状態から急激に扉を閉じると所定角度位置にて再度連結した段階で非常に大きな慣性力が加わり、その力に対しても適正な減速動作が必要とされる。しかしシリンダータイプの直管ダンパーを減速機構として用いた場合ではストロークにも限界があり比較的重い扉等での急激な閉鎖動作を受け止めるまでの減速量は得にくい。かつその後の引き込み閉鎖動作も確実に実施されなくてはならず、ますます強い力のばねが必要になり減速機構自体がやはり複雑で非常に大きな力を機能させる構成になり、その結果全体としてコスト高になることは避けられない。つまり扉が強風などに煽られた場合での急激な閉鎖力をも一旦止めるだけの減速量と、極ゆっくりと閉鎖しようとするだけの場合のばねによる引き込み力とを同じ構成の中で常時実施しようとすることが困難で、両方の力を拡大させなければならない原因とも想定される。その結果所定角度位置で本体装置と受け装置が分離する構成で、大きな減速量とその後の確実な閉鎖機能を兼ね備えたものはまだなく、この部分において改良の余地があると想定される。
そこで本発明者は特開2010−106655にて、本体装置と受け装置からなり減速部材に歯車が回転することにより負荷を得るロータリーダンパーを用い、扉の閉鎖時にアームと連動した減速部材であるロータリーダンパーが係合部材であるラックと係合し、その両者が係合した状態のまま移動する距離を適宜設定することにより必要とする減速量が得られる構成を報告した。
しかし前記先行技術においては本体装置と受け装置を連結するアームを本体装置に装着し、このアームの動き自体をダンパーやバネ部材にて制動する構成になっており、特開2010−106655においても一定以上の長さを必要とするアームを本体装置に連結配置し、開閉動作時に本体装置内部から出没する動作にてダンパーの直線移動距離を得る構成にしているため、その分本体装置の幅方向のサイズが大きくなり、移動軸受けも同様にアームと同等の長さが必要になり、どうしても本体装置自体がコンパクト性に欠け、デザイン性を損なうと言う点が問題点として残っている。また引き込みのためのバネ部材は常に減速部材との組み合わせのみで構成されており、負荷を受けながら引き込まなければならないため閉鎖最終段階での引き込み力が不足する場合も多い。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、扉と枠体に本体装置と受け装置を振り分けて配置し、完全に扉が閉鎖する前の所定角度範囲のみ制動させる構成で、減速部材には主として比較的構成が単純なロータリーダンパーを用い、急激な閉鎖時には大きな減速量が得られ、緩やかな閉鎖の場合は徐々に減速しながらも引き込み動作を継続し、扉が途中で停止することなく完全に引き込んで閉鎖する動作を可能とする扉の減速機構付き閉鎖装置を提供することを目的とする。そして本体装置と受け装置両方をコンパクトな形状にて構成しデザイン性を向上させることを次の目的とする。
本発明では上記問題点を解決するために次の技術手段を設けた。まず、本体ケースと左右スライド部材と移動軸受けと減速部材と引き込み用バネを設ける。そして本体ケースに異型長孔を形成し、さらに停止ローラーを設けておく。この異型長孔は直線部分とL型部分が連続した形状であり、本体ケースの下部面に位置し、さらに本体ケースの正面側にまで連続しているL型部分端部に上部軸挿入口を形成しておく。次に左右スライド部材に軸受け凹部を有した移動軸受けを回転可能に装着し、両者を本体ケース内に配置する。そして引き込み用バネを左右スライド部材と本体ケース間に付勢し、減速部材を本体ケース内に配置して本体装置を構成する。
次に上部軸を備えた揺動アームを受けケースにアーム回転軸にて回動自在に装着して受け装置を構成する。そして揺動アームの回転軸側端部に角度保持部を設ける。また押し込み面を有する押し込み部材とアーム用バネを設け、受けケース内でアーム用バネにより押し込み面が揺動アームの角度保持部に押し付けられるように構成しておく。すると揺動アームを受けケースに対する回転動作範囲内での任意の設定角度位置にて保持することや、任意の角度方向に揺動アームを付勢させることが可能になる。そして本体装置と受け装置を扉の上部と枠体の上部に振り分けて装着する。
また減速部材の機構に関しては特に限定はされないが、ハウジング内に粘性の高いオイルと羽根状の部材とを収容して密封されており、係合円周面が係合部材と係合して回転するとこの羽根状の部材が連動して回転し、オイルを押しのけながら回転することで負荷をかけるロータリーダンパーのような構成が適している。通常では係合円周面を歯車にて形成し、係合部材はラックを用いると噛み合わせとしては最も安定する。そして常に歯車とラックが係合した状態で移動動作する構成なら、片方向の回転時にのみ負荷が発生するワンウエイクラッチ付きのものを用いるとよい。
このロータリーダンパーを減速部材として用いる場合は、歯車を備えた減速部材を左右スライド部材に装着し、本体ケース内にラックを係合部材として装着し、左右スライド部材と共に減速部材が移動するときの歯車がラックと噛み合った係合距離の間において減速動作が得られることになる。したがってこの構成においての全体の減速量は、ロータリーダンパー自体の回転角度当たりの負荷と両者が係合する距離の積に近似することになる。そこでロータリーダンパーの特性としては、低速回転時は発生負荷が小さく高速回転になるほど大きな負荷が発生する機構のものを採用するとよい。
また減速部材にシリンダータイプのオイル式直管ダンパーを採用し、オイル式直管ダンパーを本体ケースに装着し、圧縮ピンの先端を左右スライド部材に当接させ、左右スライド部材の移動動作により減速動作を可能とする構成を用いてもよい。
次に本体装置と受け装置の扉の開閉における動作としては、まず扉の閉鎖状態では受け装置の上部軸は左右スライド部材に回動自在に装着された移動軸受けの軸受け凹部に挿入されており、左右スライド部材は引き込み用バネに付勢された状態で本体ケースの異型長孔の直線部分の端部付近に配置されている。このとき受け装置の揺動アームは扉面と平行に近い角度にて配置されている。この閉鎖状態から扉を開放すると受け装置が本体装置から離れていくことになり、両者を連結している揺動アームは受けケースに対して回転し、同時に上部軸が引き込み用バネを撓ませつつ左右スライド部材及び移動軸受けと共に異型長孔の直線部分を移動し始める。そして異型長孔の直線部分とL型部分の交点付近からは上部軸は移動軸受けを回転動作させ、さらにL型部分を通過すると共に軸受け凹部が上部軸挿入口方向である手前側に向きを変えるまで回転移動し、さらなる扉の開放動作で上部軸が本体装置から離脱することになる。
ここで、移動軸受けがその回転後の位置を保持する手段を有している必要がある。その保持手段に関しては特に限定はされないが、移動軸受けの軸受け凹部の近辺に停止辺を設け、本体ケースの上部軸挿入口付近に停止ローラーを配置しておく構成が簡単である。すると上部軸が本体装置から離脱する段階での移動軸受けの回転動作により停止辺が停止ローラーに当接し、引き込み用バネの付勢力がかかっている状態でも元の方向に回転することなく、軸受け凹部を手前側に向けたままにてその位置を保持させることが出来る。
そしてこの本体装置と受け装置が分離した状態で、受け装置の受けケースに対する揺動アームの角度位置も保持されることが必要になる。そこで揺動アームのアーム回転軸周辺の所定の部分に角度保持部を設定しておくとよい。すると押し込み面を有する押し込み部材が受けケース内でアーム用バネにより付勢されているため、揺動アームを回転動作範囲内での設定角度位置にて保持することが出来る。
またこのアーム用バネと角度保持部により、揺動アームが設定角度位置に近づいた段階で設定角度位置に移動しようと付勢する動作や、閉鎖最終位置に近づいた段階でさらに閉鎖しようとする方向に付勢する動作が実現可能になる。したがって前者の設定角度位置は前述の上部軸が本体装置から離脱した状態での揺動アームの角度位置に設定しておくとよい。そして後者での付勢力を大きく設定しておくと、扉が完全に閉鎖する少し前の位置から揺動アームが閉鎖位置に移ろうとする動きになり、すなわち受け装置にて閉鎖最終段階で扉を閉鎖位置方向に引き込む動作を得ることができる。
次に扉が大きく開放され本体装置と受け装置が分離している状態から閉鎖させると、受け装置の上部軸が本体ケースの上部軸挿入口と移動軸受けの軸受け凹部とにほぼ同時に挿入することになる。すると軸受け凹部を奥側に押し込みながら移動軸受けを元の方向に回転させることになり、移動軸受けの停止辺が停止ローラーから外れる動作を得る。そして上部軸が本体ケースの異型長孔のL型部分を通過して直線部分に移動する動作になり、その後は引き込み用バネの付勢力により上部軸は左右スライド部材と移動軸受けと共に軸受け凹部に押された状態で直線長孔の端部付近にまで移動しようとすることになる。
そしてこの移動動作で減速部材の歯車の回転角度単位に発生する負荷と、ラックと係合した状態での移動距離に応じた減速量を得ることが出来る。ここで、扉の閉鎖速度が速い場合は左右スライド部材の急激な移動になるため初期段階は大きな負荷を発生させることになり、大きな減速量を得ることが出来る。そして移動速度が減少した段階においてもゆっくりと左右スライド部材が移動するように減速部材の負荷と引き込み用バネの力を設定しておくとよい。また低速度で扉が閉鎖した状態においてもそのまま確実に最終閉鎖状態にまで引き込むように両者の力を設定しておくとよい。
しかし一般的にばねの特性としては撓みに略比例して力が大きくなるため、減速部材と係合部材との係合距離を長くしようとすると非常に大きな撓み代が必要になり、さらには最大撓み状態と最小撓み状態での付勢力に大きな差が生じてしまう。しかし全体の減速量は減速部材と係合部材との係合距離に略比例し、こちらにおいては長い距離を係合させることが重要となる。そこで両方の用件を兼ね合わせる手段としては、左右スライド部材と減速部材の間にさらに移動距離変換部材を装着し、扉の開放により得られる左右スライド部材の移動距離に対して減速部材の移動距離を増幅させて、係合距離を長くすなわち全体の減速量を大きく出来るように構成するとよい。
また本体装置の引き込み用バネの強さを、初期撓み時の力が大きくなるように調整可能な構成を追加しておくと、扉の重量に合わせた減速引き込み動作を設定することが可能になる。同様に受け装置のアーム用バネにも同様の調整機構を設けておくと、より適正な設定角度位置での保持力が得られ、最終閉鎖段階での引き込み動作もより確実に実施することが出来る。したがって以上の構成により、扉の重量や閉鎖速度にかかわらず、一旦低速度にまで減速してからゆっくりと完全に閉鎖させる動作を実現可能とすることが出来る。
本体装置と受け装置を連結させるための揺動アームを受け装置側に装着し、本体装置の移動軸受けから上部軸が離脱する段階での移動軸受けの回転後の位置を保持する構成を用いたことにより、制動機構を有する本体装置自体を細長いコンパクトな形状にて構成することができ、受け装置自体も細長い揺動アームを回転自在に受けケースに配置するのみの構成が可能であり、両者共にデザイン性を向上させることができる。
移動軸受けが上部軸と共に直線移動する動作で減速部材により減速動作を得る構成であるため、本体装置の幅や厚みを大きくすることなく、長さ方向のみの増減で減速量を設定できることになり、さらに左右スライド部材と減速部材の間に係合距離変換機構を装着し、扉の開放により得られる左右スライド部材の係合距離に対して減速部材の移動距離を増幅させて、係合距離を長くすなわち全体の減速量を大きく設定することもでき、強風による扉のあおり等のより急激な閉鎖条件に対しても対応可能になる。
受け装置に配置している揺動アームに角度保持部を設けてアーム用バネにて付勢させたことで、揺動アームが所定角度位置に近づいた段階から所定角度位置に移動しようとする動作が可能になる。その結果扉が完全に閉鎖する前の位置から揺動アームが閉鎖位置に移ろうとする動きも可能になり、すなわち閉鎖最終段階で扉を閉鎖位置により引き込む動作を得ることができる。またこの引き込み動作は本体装置での減速制動動作とは全く別の受け装置側で実施できることが特徴であり、閉鎖最終段階では本体装置側の引き込み力はどうしても小さくなりがちであるため非常に有効である。
本体装置の引き込み用バネと受け装置のアーム用バネの両方に付勢力調整機構を取り付けることにより、幅広い引き込み動作の調整が実施できることになり、重量の異なる扉に対しても十分兼用可能であり、長期間使用後に扉の閉鎖力が変わってしまった場合などにも有効である。
全体としては比較的簡単な構成であり、部品点数も少なく安価に提供可能である。さらには減速部材のサイズを一定の負荷を確保した状態でさらに小さくできると、本体装置全体の幅や厚みを薄くすることが可能になり、上枠に本体装置を掘り込んで装着する内蔵タイプとしてや上部戸当たり内に挿入するタイプとしても適応させることも可能である。また、扉に面付けした場合においても全体としては比較的コンパクトなサイズにできるためデザイン性に優れた形態にて提供可能である。
以下図面に基づいて本発明に関する減速機構付き閉鎖装置の実施の形態を説明する。図1は本発明の減速機構付き閉鎖装置を扉34と上枠35に振り分けて装着し、扉34を所定角度位置付近にまで開放した状態の上面図である。実施形態では本体装置aを枠体の上部戸当たり部分の戸先側に装着し、受け装置bを閉鎖状態で本体装置aの下部に来るような扉34の面位置に装着する配置にて説明する。しかし両者の配置は特に限定されるものではなく、戸先に限らず中央部分等どのような位置に設けてもよい。
図2は本体装置aの上面図であり、図3は本体装置aの正面図である。図2と図3は共に閉鎖状態を示しており、本体装置aは本体ケース1と左右スライド部材2と移動軸受け3と減速部材4と引き込み用バネ19を有している。図4は本体ケース1の上面図であり、本体ケース1は細長い箱型で下部面に異型長孔5を形成しておく。この異型長孔5は直線部分6とL型部分7が連続した形状で、本体ケース1の正面側にまで連続しているL型部分7端部の上下方向に上部軸挿入口8を形成しておく。そして本体ケース1の異型長孔5のL型部分7の手前位置に停止ローラー9を設け、さらにラック10を本体ケース1内に配置しておく。
次に移動軸受け3の上面図を図5に、正面図を図6に示す。移動軸受け3は図5に示すように中央部分に軸受け凹部11を有しており、その片端部に回転軸12を配置し、逆側に停止辺13と上部軸案内用傾斜面14を設けておく。このとき軸受け凹部11の入り口に当たる最も狭い部分の幅を上部軸22の直径より僅かにのみ広く設定しておく。そして図6に示すように回転軸12の下方を上部軸没入用傾斜面15として形成しておく。
図7は左右スライド部材2の上面図であり、図8は正面図である。図8に示すように左右スライド部材2の中央部分はコの字型の形状をしており、片端側に回転軸挿入孔16を設け、その外面に上部軸没入用傾斜面15を設け、他端側に減速部材取り付け部17を形成しておく。そして左右スライド部材2の幅を本体ケース1の内幅よりも僅かに狭くしておく。また実施形態では減速部材4に歯車18の片方向の回転動作にのみ負荷が発生する構成の図9に示すようなロータリーダンパーを採用し、左右スライド部材2に連結しておく。そして左右スライド部材2の回転軸挿入孔16に移動軸受け3の回転軸12を差し込んで、左右スライド部材2に対して移動軸受け3が一定角度範囲のみ首振り回転可能なように構成する。また実施形態では引き込み用バネ19に圧縮バネを用いており、圧縮時に座屈しないように、引き込み用バネ19の内径に挿入させて案内するための丸棒状の部分を左右スライド部材2に配置しておく。
そして図2及び図3に示すように連結された左右スライド部材2と移動軸受け3と減速部材4を本体ケース1内に配置し、左右スライド部材2と本体ケース1間に引き込み用バネ19を組み込む。したがって左右スライド部材2は移動軸受け3と減速部材4と共に本体ケース1内をがたつき無しに直線移動できることになり、その動作により引き込み用バネ19が伸縮する動作が得られる。このとき、移動軸受け3の軸受け凹部11が本体ケース1の異型長孔5の直線部分6に沿って移動するように設定し、さらに減速部材4の歯車18が本体ケース1のラック10と係合しながら移動するように構成しておく。
次に上部軸22を備えた揺動アーム21を受けケース20にアーム回転軸23にて回動自在に装着して受け装置bを構成する。このとき揺動アーム21は受けケース20に対して一定角度範囲のみ回転可能になるようにアーム停止ピン28で規制しておく。図10は受け装置bの上面図であり、揺動アーム21のアーム回転軸23周辺端部に角度保持部24を形成し、さらに押し込み面26を有する押し込み部材25とアーム用バネ27を設け、受けケース20内でアーム用バネ27により押し込み面26が揺動アーム21の角度保持部24に押し付けられるように構成しておく。すると揺動アーム21を受けケース20内での回転動作範囲内での任意な角度位置にて保持することが可能になる。
つまり、角度保持部24と押し込み面26との接点のアーム回転軸23に対する位置が重要であり、図10(a)に示すような両者を結んだ線がアーム用バネ27の押す方向と平行方向に近い場合はその位置を保持することになる。また図1に示す揺動アーム21の設定角度位置は図10(a)よりもさらに大きく回転した位置になっており、それ以上回転しないようにアーム停止ピン28で規制しておく。そして受けケース20と揺動アーム21の角度が平行に近づく方向に回転すると上記接点が移動して益々揺動アーム21を同じ方向に回転させようとすることになる。ここで図10(b)は受けケース20と揺動アーム21が一直線になった状態を示しており、実施形態における扉34の閉鎖位置ではこの状態である。しかしより確実に扉34を引き込む動作を得るために、図10(c)に示すように揺動アーム21がさらに少しだけ行き過ぎる位置でアーム停止ピン28により停止するように構成しておくと良い。
図11は本体装置aと受け装置bを扉34の上部と上枠35に振り分けて装着したときの閉鎖状態の正面図である。この状態では受け装置bの上部軸22は本体装置aの左右スライド部材2に回動自在に装着された移動軸受け3の軸受け凹部11に挿入されており、左右スライド部材2は引き込み用バネ19に付勢された状態で本体ケース1の異型長孔5の直線部分6の端部付近に配置されている。そして受け装置bの揺動アーム21は扉34面と平行に近い角度になっている。またこの閉鎖状態においては上面視で本体装置aの下側に受け装置bがほぼ並んだ状態に配置されている。
ここで、本体装置aに対して受け装置bを適正な位置に取り付けることが必要であり、特に左右方向と上下方向の配置が重要である。そこで実施形態では図11に示すように受けケース20の取り付け孔を左右方向の長孔に形成し、取り付け後に左右方向の位置調整ができるようにしておくとよい。また揺動アーム21の先端部に上下調整ピース30を設け、上下調整ピース30に上部軸22を配置しておき、揺動アーム21に対して上下調整ピース30を上下に調整できるように構成しておくことで上部軸22の上下位置調整が可能になるようにしておくとよい。
図12は閉鎖状態から扉34を開放する動作での本体装置aと受け装置bの動作の軌跡を示した上面軌跡図であり、図12(a)のみは下部に位置する受け装置bを分かりやすくするために引き込み用バネ19は省略しているが、実際には図2に示すように引き込み用バネ19が配置されている状態である。図12(a)は扉34の閉鎖状態を示しており、まず開放初期段階で図12(b)に示すように受け装置bが本体装置aから離れていく動作になる。すると両者を連結している揺動アーム21は受けケース20に対して回転し、同時に上部軸22が左右スライド部材2及び移動軸受け3と共に引き込み用バネ19を撓ませつつ異型長孔5の直線部分6を移動し始める。そして異型長孔5の直線部分6とL型部分7の交点付近を過ぎるとL型部分7に沿う動作になり、図12(c)に示すように上部軸22は移動軸受け3を回転動作させ、最終的には軸受け凹部11が上部軸挿入口8の方向である手前側に向きを変えるまで回転移動する。そしてさらなる扉34の開放動作で上部軸22が上部軸挿入口8を通過して本体装置aから離脱することになる。この図12(c)に示す扉34の開放位置を所定角度位置とする。
また、本体装置aから受け装置bの上部軸22が離脱した段階で、移動軸受け3の軸受け凹部11近辺に形成された停止辺13が、本体ケース1の上部軸挿入口8付近の停止ローラー9に当接して引き込み用バネ19の付勢力がかかっている状態でも元の方向に回転することなく、軸受け凹部11を手前側に向けたままその位置を保持するように構成しておく。すると所定角度位置以降の扉34の開閉動作中は常に軸受け凹部11が手前に向いたままの状態になっており、引き込み用バネ19は大きく撓んだ状態を保持していることになる。
さらに、このときの受けケース20に対する揺動アーム21の角度を設定角度位置とし、この位置で揺動アーム21が一定以上の力で保持されるように前述の角度保持部24と押し込み面26とアーム用バネ27を適宜設定しておくとよい。すると以降の扉34の開放動作で揺動アーム21が回転移動してしまう誤作動を防止することが出来る。またこの角度保持部24の位置により揺動アーム21が設定角度位置に近づいた段階で設定角度位置に移動しようと付勢する動作も実現可能になり、引き込み用バネ19を大きく撓ませた状態から上部軸22が離脱する段階で、扉34を開放させるために押す操作力が一気に無くなる際のショックの緩和にも有効である。
また図12(a)の閉鎖状態から図12(c)の所定角度位置までの全域で、常に減速部材4の歯車18と本体ケース1に装着されたラック10は係合した状態になっている。したがって扉34の開放動作の際に操作が重くならないように、減速部材4として使用するワンウエイクラッチ付きのロータリーダンパーでの負荷が発生しない回転方向とこの扉34の開放動作にて左右スライド部材2が移動する方向とを合わせておくとよい。
次に大きく開放され本体装置aと受け装置bが分離している状態から扉34を閉鎖させると、受け装置bの上部軸22が本体ケース1の上部軸挿入口8と移動軸受け3の軸受け凹部11とにほぼ同時に挿入する。このとき移動軸受け3の上部軸案内用傾斜面14が有効であり、揺動アーム21は設定角度位置付近に保持されながらも、僅かな角度範囲内ではスイング移動可能に設定しておくと、上部軸22の位置が上部軸挿入口8に対して左右に若干ずれていても上部軸案内用傾斜面14に案内されて適正な位置にて挿入されることになる。そして引き続き軸受け凹部11を奥側に押し込む動作になり、上部軸22が本体ケース1の異型長孔5のL型部分7を通過すると同時に移動軸受け3を回転させ、移動軸受け3の停止辺13が停止ローラー9から外れる動作を得る。その結果引き込み用バネ19の付勢力により上部軸22は左右スライド部材2と移動軸受け3と共に直線長孔6の端部付近にまで移動しようとし、受け装置bの揺動アーム21も受けケース20に対して戻る方向に回転し、全体としては図12(c)から図12(a)への逆の動きになる。
そしてこの閉鎖段階では、ロータリーダンパーは片方向の回転にのみ負荷が発生するワンウエイクラッチ付きを採用しているため、閉鎖時の歯車18の回転方向ではラック10と係合して負荷が発生することになる。ここで減速引き込み動作としての最適な条件としては、低速で扉34が閉鎖した場合でもかろうじて発生する負荷よりも引き込み用バネ19の力が勝って、停止することなくそのまま扉34が最後まで閉じるように減速部材4と引き込み用バネ19の力関係を設定しておく必要がある。また急激に扉34が閉鎖した段階においては減速部材4の歯車18が急激に回転しようとするため、より大きな負荷が瞬時に発生して大きな減速量を得ることになり、その後減速された段階からはゆっくりと閉鎖する動作が得られることになる。したがってロータリーダンパーの特性としては、低速回転時は発生負荷が小さく高速回転になるほど大きな負荷が発生する機構のものを採用するとよい。
ここで、一般的にばねの特性としては撓みに略比例して力が大きくなるため、減速部材4の歯車18とラック10との係合距離を長くしようとすると、引き込み用バネ19は非常に大きな撓み代が必要になり、その結果動作中での最大撓み状態と最小撓み状態における付勢力に大きな差が生じてしまう。しかし全体の減速量は歯車18とラック10との係合距離に略比例し、こちらにおいては長い距離を係合させることが重要となる。つまり全体として大きな減速量を得ようとすると、どうしても引き込み用バネ19の最大撓み状態での力が大きくなってしまい、受け装置bが本体装置aから離脱する段階での扉34の開放操作が重くなることが問題として残る。
また、本体装置aに配置された引き込み用バネ19のみの力で閉鎖最終段階まで扉34の引き込み動作を得ようとすると、引き込み用バネ19の初期撓み時の力をも大きくする必要が生じ、前述の全体の減速量を大きくしたいことに対しては矛盾が生じる。そこで、図12(b)から図12(a)に移行する閉鎖最終段階での、揺動アーム21に設けた角度保持部24と押し込み部材25とアーム用バネ27による構成が有効である。つまりアーム用バネ27により閉鎖最終段階で揺動アーム21が扉34面に対して平行になろうと付勢する動作が得られ、より確実に扉34を閉鎖させることが可能になる。そしてこの揺動アーム21の動作は扉34が閉鎖する最終段階に近づくほど大きくなるため非常に有効であり、この本体装置aと受け装置b両方に引き込み力を持たせる構成が本発明の特徴である。
しかし、上記の受け装置bに引き込み動作を設けた構成だけでは減速度合いと引き込み力のバランスを取ることは可能であるが、やはり最終目的である全体の減速量自体を大幅に増すことは難しく、強風のあおり等による扉34の急激な閉鎖動作を確実に受け止めて減速させることは困難と想定される。そこでさらに大きな減速量を兼ね備える手段としては、図13に示すように左右スライド部材2と減速部材4の間にさらに係合距離変換機構を設け、扉34の開放により得られる左右スライド部材2の移動距離に対して減速部材4の移動距離を増幅させて、係合距離を長くすなわち全体の減速量を大きく設定するとよい。
この係合距離を変換させる手段は特に限定されるものではないが、図13に示すように歯数の違う2段の係合距離変換用歯車31と2個の係合距離変換用ラック32を本体ケース1内に配置し、左右スライド部材2に直結した片方の係合距離変換用ラック32を係合距離変換用歯車31の歯数の少ないほうに、減速部材4を装着した係合距離変換用ラック32を歯数の多いほうに係合させる方法が簡単であり、2段の歯の比率に比例して左右スライド部材2の移動距離に対する減速部材4の移動距離を増すことができる。この構成では引き込み用バネ19の力は同じでよいため、扉34の開放時に操作が重くなることなく、大きな減速量が得られることになり、非常に有効な構成である。
しかし、減速部材4として使用するロータリーダンパーの特徴としては、負荷を大きくしようとするとやはり粘性オイルとオイルを切りながら回転する羽根板のサイズが大きくなる傾向にあり、本体装置aのサイズに関しては図3に示すようにロータリーダンパーのサイズに左右されてしまうことが多い。そこで本体装置aをさらに細長いサイズに構成したい場合は図14に示すように直管シリンダータイプの減速装置4を用い、左右スライド部材2に圧縮ピンの先端を当接させ、左右スライド部材2の移動動作により減速動作を可能とする構成を用いてもよい。また図14(a)は閉鎖状態を、図14(b)は扉34が所定角度位置以上開放した状態を示しており、この構成では左右スライド部材2の移動距離以上の圧縮ピンのストロークを有する直管シリンダータイプの減速装置4が必要になる。
また、本体装置aの引き込み用バネ19の強さを施工後に調整できる構成を備えておくと、重量の異なった多種の扉への対応や、長期間使用中に扉34の丁番自体の開閉が重くなったりしたような後日のメンテナンスにおいても、引き込み強さを調整することが出来て有効である。実施形態では本体装置aにおいては図2及び図11に示すように、本体ケース1内に複数の傾斜面とバネ力調整ねじ29を配置して、引き込み用バネ19の端部の位置を移動させることで作動初期段階での強さを調整する機構を装着しておくとよい。さらに受け装置bにおいても図10及び図11に示すように、アーム用バネ27にもバネ力調整ねじ29を配置して強さを調整できる構成を設けておくとよい。
ここで所定角度位置より大きく開放した状態では、本体装置aの移動軸受け3は軸受け凹部11が正面を向いた状態のままある程度以上の力では保持されているが、何らかの物体が当たったような状況においては停止辺13が停止ローラー9から外れ、戻る方向に回転して異型長孔5の直線部分6端部にまで上部軸22を挿入しないまま移動してしまうことが想定される。すると扉34が閉鎖してきた段階で誤作動になってしまう。そこで図11に示すように、上部軸22の先端にC面を設け、さらに出没バネ33を配置して上部軸22自体が上下調整ピース30内で出没するように構成しておく。このとき上部軸22は常に突出しようとする方向に出没バネ33を装着しておくとよい。
次に、図6と図8に示すように移動軸受け3と左右スライド部材2にも上部軸没入用傾斜面15を設けておく。そして両者を組み付けた状態で図3および図11に示すように、両上部軸没入用傾斜面15が一直線になるように形成しておく。すると移動軸受け3が戻ってしまった状態において扉34が閉鎖しても、上部軸22は本体ケース1の上部軸挿入口8からそのまま挿入し、異型長孔5に沿って移動することになる。そして最終段階直前で左右スライド部材2と移動軸受け3の上部軸没入用傾斜面15に上部軸22のC面が当接して上部軸22が没する動作になり、没したまま両者を通り過ごして最終位置で移動軸受け3の軸受け凹部11位置で出没バネ33の付勢力により再度突出する動作が得られる。その結果通常での閉鎖状態に復帰することになり、特別な処置無しに使用途中での誤作動を回避することが可能になる。
a 本体装置
b 軸装置
1 本体ケース
2 左右スライド部材
3 移動軸受け
4 減速部材
5 異型長孔
6 直線部分
7 L型部分
8 上部軸挿入口
9 停止ローラー
10 ラック
11 軸受け凹部
12 回転軸
13 停止辺
14 上部軸案内用傾斜面
15 上部軸没入用傾斜面
16 回転軸挿入孔
17 減速部材取り付け部
18 歯車
19 引き込み用バネ
20 受けケース
21 揺動アーム
22 上部軸
23 アーム回転軸
24 角度保持部
25 押し込み部材
26 押し込み面
27 アーム用バネ
28 アーム停止ピン
29 バネ力調整ねじ
30 上下調整ピース
31 係合距離変換用歯車
32 係合距離変換用ラック
33 出没バネ
34 扉
35 上枠
b 軸装置
1 本体ケース
2 左右スライド部材
3 移動軸受け
4 減速部材
5 異型長孔
6 直線部分
7 L型部分
8 上部軸挿入口
9 停止ローラー
10 ラック
11 軸受け凹部
12 回転軸
13 停止辺
14 上部軸案内用傾斜面
15 上部軸没入用傾斜面
16 回転軸挿入孔
17 減速部材取り付け部
18 歯車
19 引き込み用バネ
20 受けケース
21 揺動アーム
22 上部軸
23 アーム回転軸
24 角度保持部
25 押し込み部材
26 押し込み面
27 アーム用バネ
28 アーム停止ピン
29 バネ力調整ねじ
30 上下調整ピース
31 係合距離変換用歯車
32 係合距離変換用ラック
33 出没バネ
34 扉
35 上枠
Claims (13)
- 閉鎖時に扉を減速させる減速機構と引き込み機構を有した減速機構付き閉鎖装置であって、本体ケースと左右スライド部材と移動軸受けと減速部材と引き込み用バネを有し、本体ケースは異型長孔を備え、左右スライド部材に軸受け凹部を有した移動軸受けを回転可能に配置し、両者を本体ケース内に移動可能に挿入し、引き込み用バネを左右スライド部材と本体ケース間に付勢し、引き込み用バネによる左右スライド部材の移動動作に連動して、本体ケース内に配置された減速部材による減速動作を得る構成の本体装置と、上部軸を備えた揺動アームを受けケースに回動自在に装着し、アーム用バネを配置して設定した角度位置に揺動アームを付勢可能とした構成の受け装置とを、扉と枠体に振り分けて配置したことを特徴とする扉の減速機構付き閉鎖装置。
- 前記異型長孔は直線部分とL型部分が連続した形状であり、本体ケースの下部面に形成され、L型部分が本体ケースの正面側にまで連続している位置に上部軸挿入口を設け、受け装置の上部軸が本体ケースの上部軸挿入口から本体装置内に出入りし、左右スライド部材と移動軸受けと共に異型長孔を移動する動作を可能とすることを特徴とする請求項1に記載の扉の減速機構付き閉鎖装置。
- 扉の閉鎖状態では、受け装置の上部軸は左右スライド部材に回動自在に装着された移動軸受けの軸受け凹部に挿入しており、左右スライド部材は引き込み用バネに付勢された状態で移動軸受けと上部軸と共に本体ケースの異型長孔の直線部分の端部付近に配置しており、扉の開放動作で上部軸が引き込み用バネを撓ませながら左右スライド部材及び移動軸受けと共に異型長孔の直線部分を移動し、L型部分を経て上部軸挿入口から脱出することで本体装置から受け装置が離脱する動作を得ることを特徴とする請求項1または2に記載の扉の減速機構付き閉鎖装置。
- 前記扉の開放段階での上部軸の移動動作で、異型長孔の直線部分とL型部分の交点付近からは上部軸は左右スライド部材に対して移動軸受けを回転動作させ始め、さらにL型部分を通過すると共に軸受け凹部が上部軸挿入口方向に向きを変えるまで回転し、上部軸が離脱すると同時に移動軸受けがその回転後の位置を保持する手段を有していることを特徴とする請求項1及至3いずれか1項に記載の扉の減速機構付き閉鎖装置。
- 前記移動軸受けの回転後の位置保持手段が、移動軸受けの軸受け凹部の近辺に停止辺を設け、本体ケースの上部軸挿入口付近に停止ローラーを設け、上部軸が本体装置から離脱する段階での移動軸受けの回転動作により停止辺が停止ローラーに当接し、引き込み用バネの付勢力がかかっている状態においても元の方向に回転することなくその位置を保持する構成であることを特徴とする請求項1及至4いずれか1項に記載の扉の減速機構付き閉鎖装置。
- 前記受けケースに押し込み面を有した押し込み部材とアーム用バネを配置し、揺動アームのアーム回転軸側の端部付近に角度保持部を設け、押し込み面が角度保持部を押すようにアーム用バネを配置し、揺動アームが扉面と平行に近い角度に位置する閉鎖時から扉を開放させると、揺動アームは受けケースに対して回転して角度保持部が押し込み面を押し込み、上部軸が本体装置から離脱するときの設定角度位置では揺動アームを保持するように構成したことを特徴とする請求項1及至5いずれか1項に記載の扉の減速機構付き閉鎖装置。
- 扉が大きく開放され本体装置と受け装置が分離している状態から閉鎖すると、上部軸が上部軸挿入口と移動軸受けの軸受け凹部とにほぼ同時に挿入して移動軸受けを元の位置に回転させ、移動軸受けの停止辺が停止ローラーから外れる動作を得、引き込み用バネの付勢力により上部軸は左右スライド部材と移動軸受けと共に軸受け凹部に押された状態で直線長孔の端部方向に移動し、この直線移動段階で減速部材による減速動作を得るように構成したことを特徴とする請求項1及至6いずれか1項に記載の扉の減速機構付き閉鎖装置。
- 扉の閉鎖段階での受け装置の動作では、最終閉鎖位置直前付近からはさらに扉が閉じる方向に揺動アームが付勢するように角度保持部と押し込み面とアーム用バネを配置し、本体装置での引き込み閉鎖動作に追加して受け装置の単独の機構として扉の最終段階での引き込み力を増加可能としたことを特徴とする請求項1及至7いずれか1項に記載の扉の減速機構付き閉鎖装置。
- 前記減速部材に、オイル式のロータリーダンパーで片方向の回転時にのみ負荷が発生する構成のもので、かつ低速回転時は発生負荷が小さく高速回転になるほど大きな負荷が発生する機構のものを採用し、歯車を備えたロータリーダンパーを左右スライド部材に連動移動させ、本体ケース内に歯車と噛み合うラックを装着し、ロータリーダンパーの移動動作で歯車とラックが噛み合った係合移動距離の間において減速動作を得ることを特徴とする請求項1及至8いずれか1項に記載の扉の減速機構付き閉鎖装置。
- 前記減速部材にロータリーダンパーを用いた構成で、左右スライド部材と減速部材の間にさらに係合距離変換機構を追加し、扉の開放により得られる左右スライド部材の移動距離に対して減速部材の移動距離を増幅させて、係合距離を長くすなわち全体の減速量を大きく設定可能としたことを特徴とする請求項1及至9いずれか1項に記載の扉の減速機構付き閉鎖装置。
- 前記減速部材に、シリンダータイプのオイル式直管ダンパーを採用し、オイル式直管ダンパーを本体ケースに装着し、圧縮ピンの先端を左右スライド部材に当接させ、左右スライド部材の移動動作により減速動作を可能としたことを特徴とする請求項1及至8いずれか1項に記載の扉の減速機構付き閉鎖装置。
- 本体装置の引き込み用バネと受け装置のアーム用バネのどちらか片方か若しくは両方にバネの付勢力を調整可能とする構成を設けたことを特徴とする請求項1及至11いずれか1項に記載の扉の減速機構付き閉鎖装置。
- 上部軸を上下方向に出没可能でかつ常に上方向に付勢された状態にて設定し、左右スライド部材と移動軸受けの片方もしくは両方に上部軸没入用傾斜面を設け、本体装置と受け装置が分離している扉の開放状態で上部軸が挿入されることなく移動軸受けが戻ってしまった誤作動状態においても、そのまま扉を閉鎖すると上部軸が上部軸挿入口から本体装置に入り、異型長孔を通って移動する最終段階で左右スライド部材もしくは移動軸受けの上部軸没入用傾斜面に当接して没し、両者を通り越した後に軸受け凹部に再度突出挿入されるように構成したことを特徴とする請求項1及至12いずれか1項に記載の扉の減速機構付き閉鎖装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011031325A JP2012167522A (ja) | 2011-02-16 | 2011-02-16 | 扉用減速機構付き閉鎖装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011031325A JP2012167522A (ja) | 2011-02-16 | 2011-02-16 | 扉用減速機構付き閉鎖装置 |
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JP2012167522A true JP2012167522A (ja) | 2012-09-06 |
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ID=46971915
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JP2011031325A Pending JP2012167522A (ja) | 2011-02-16 | 2011-02-16 | 扉用減速機構付き閉鎖装置 |
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JP (1) | JP2012167522A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101442922B1 (ko) | 2012-12-19 | 2014-09-23 | 재복 강 | 도어클로저 폐쇄장치 |
JP2021080812A (ja) * | 2019-11-23 | 2021-05-27 | 株式会社サヌキ | 緩衝装置 |
CN114439358A (zh) * | 2022-01-25 | 2022-05-06 | 中厦建设集团有限公司 | 一种便于组装连接的防护窗加固栏杆 |
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JPS53112156U (ja) * | 1977-02-15 | 1978-09-07 | ||
JPWO2008069248A1 (ja) * | 2006-12-08 | 2010-03-25 | 株式会社ニフコ | 引き込み機構及び取り付け構造 |
JP2010174506A (ja) * | 2009-01-29 | 2010-08-12 | Nifco Inc | 回動体の往動機構 |
-
2011
- 2011-02-16 JP JP2011031325A patent/JP2012167522A/ja active Pending
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