JP2011525518A - 置換ビフェニル類の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、式(I)の置換ビフェニル(R=ニトロまたはアミノであり、R=シアノ、ハライド、C−Cアルキルハライド、C−CアルコキシハライドまたはC−Cアルキルチオハライドであり、n=0〜3であり、R=水素、シアノまたはハライドである。)の製造方法であって、式(II)のハロベンゼン(Halは塩素または臭素を表す。)を、塩基ならびにパラジウムおよび式(III)の二座リン配位子(Arは置換されていても良いフェニルを表し、RおよびRはそれぞれC−CアルキルもしくはC−Cシクロアルキルを表すか、それらが一体となってC−Cアルキル置換基を有していても良い2〜7員架橋を形成している。)からなるパラジウム触媒の存在下に、溶媒もしくは希釈剤中にて、フェニルボロン酸(IVa)もしくはジフェニルボリン酸(IVb)または(IVa)および(IVb)の混合物と反応させることを特徴とする前記方法に関する。
Figure 2011525518

【選択図】なし

Description

本発明は、下記式Iの置換ビフェニル類:
Figure 2011525518
(式中、置換基はそれぞれ下記で定義の通りであり;
はニトロまたはアミノであり、
はシアノ、ハロゲン、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシまたはC−C−ハロアルキルチオであり、
nは、0、1、2または3であり、n=2または3である場合、R基は同一もしくは異なる定義を有することができ、
は、水素、シアノまたはハロゲンである。)
の製造方法であって、下記式IIのハロベンゼン:
Figure 2011525518
(式中、Halは塩素または臭素であり、RおよびRはそれぞれ上記で定義の通りである。)
を、塩基ならびにパラジウムおよび下記式IIIの二座リン配位子:
Figure 2011525518
(式中、Arはメチル、メトキシ、フッ素および塩素からなる群から選択される1〜3個の置換基を有していても良いフェニルであり、RおよびRはそれぞれC−C−アルキルもしくはC−C−シクロアルキルであり、またはRとRが一体となって、所望に応じてC−C−アルキル置換基を有していても良い2〜7員架橋を形成している。)
からなるパラジウム触媒の存在下に、溶媒または希釈剤中にて、フェニルボロン酸IVa:
Figure 2011525518
ジフェニルボリン酸IVb:
Figure 2011525518
またはIVaとIVbの混合物(Rおよびnは上記で定義の通りである。)と反応させる段階を有する前記製造方法に関する。
クロロ芳香族の芳香族ボロン酸およびボリン酸とのパラジウム触媒カップリング自体は公知である。例えば、2−ニトロクロロベンゼンのハロゲン置換芳香族ボロン酸とのカップリングによる、対応する形で置換されたニトロビフェニル類の形成が、WO97/33846に記載されている。トリフェニルホスフィンは、そのようなカップリング反応において、パラジウムに対し最も一般的に使用される配位子である。しかしながら、配位子としてトリフェニルホスフィンを使用することには、カップリング相手として使用される芳香族ボロン酸およびボリン酸が高い頻度でプロト脱ホウ素化(protodeboronated)され、その位置が非置換の芳香族化合物が望ましくない副産物として形成されるというリスクがある。選択性および収率を高めることを目的として、パラジウム源基準でかなりの過剰モル量でトリフェニルホスフィンを用いる場合にも、それが当てはまる。
二座1,3−ビス(ジフェニルホスフィニル)プロパン(dppp)配位子を使用した場合のクロロ芳香族のハロゲン置換芳香族ボロン酸およびボリン酸とのパラジウム触媒反応が、トリフェニルホスフィンの場合と比較して、かなり低い収率で進行することが今回見出された(実施例2aと比較して実施例2bを参照)。しかしながら、アルキル鎖において別の置換基によって若干修飾された二座配位子、例えば1,3−ビス(ジフェニルホスフィニル)−2,2−ジメチルプロパンまたは1,3−ビス(ジフェニルホスフィニル)−2−エチル−2−ブチルプロパンを用いると、驚くべきことに、所望のカップリング生成物が非常に良好な収率で得られ、同時にプロト脱ホウ素化副生成物のレベルが非常に低い。
Figure 2011525518
これら後者の配位子を使用する場合のさらに別の利点は、パラジウム源の必要量と配位子の量の両方を、トリフェニルホスフィンを用いる方法と比較して大幅に低減することができるというものである。使用されるパラジウム化合物は一般に非常に高価であることから、このパラジウム使用低減手段は、非常に経済的価値が高いものである。
現在までのところ、文献的には、カップリング反応での二座ビスホスフィン配位子の使用については、希にしか報告されていなかった。WO98/16486には、簡単なクロロ芳香族の反応における親油性脂肪族ビスホスフィン類の使用が報告されているが、実施例による裏付けはない。
DE−A4340490には、カップリング反応における1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィニル)エタンおよび1,2−ビス(ジエチルホスフィニル)エタンの使用が記載されている。その場合、電子豊富なクロロ芳香族を用いると良好な結果が得られたが、フッ素やトリフルオロメチルなどの電子吸引性置換基を有する芳香族では良好な結果は得られなかった。
しかしながら、完全に脂肪族置換されたホスフィンについては、空気感受性が非常に高く、一部のものは自然発火性であることから、それらの使用は非常に限られたものである。
WO97/33846 WO98/16486 DE−A4340490
従って本発明の目的は、低いパラジウム触媒濃度で進行する置換ビフェニルの位置選択的製造において、工業的規模で技術的に実行可能である経済的に存立し得る方法を提供することにあった。
冒頭で定義される方法は、詳細に説明した先行技術における欠点を克服するものである。
本方法によって製造される置換ビフェニルIは好ましくは、下記の置換基を有する。
すなわち、
は、ニトロまたはアミノ、より好ましくはニトロであり;
は、シアノ、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたはトリフルオロメチルチオ、より好ましくはフッ素、塩素またはトリフルオロメチルチオ、最も好ましくはフッ素または塩素であり;
nは、2または3、より好ましくは3であり;
は、水素またはハロゲン、特には水素またはフッ素である。
とりわけ好ましいものは、3,4,5−トリフルオロ−2′−ニトロビフェニルの製造である。
下記の均一触媒スズキビアリールクロスカップリングを、好ましくは下記のスキームに従って実施する。
Figure 2011525518
原料は好ましくは、式IVaのフェニルボロン酸もしくは式IVbのジフェニルボリン酸またはそれらの混合物であり、Rおよびnはそれぞれ上記で定義の通りである。
とりわけ好ましいものは、原料として3,4,5−トリフルオロフェニルボロン酸およびジ(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボリン酸(IVaおよびIVb)を用いるものである。
好ましくは、1個のニトロもしくはアミノ基を有する化合物(II)、特には2−ニトロクロロベンゼンまたは2−アミノクロロベンゼンまたは2−アミノブロモベンゼンから進行するものである。
フェニルボロン酸IVaまたはジフェニルボリン酸IVb基準で、化合物IIは通常、ほぼ等モル量で、好ましくは約30モル%以下の過剰量で使用する。モル比および過剰量の計算では、純粋な形態またはIVaとの混合物として使用されるジフェニルボリン酸IVbが、2個のフェニル基を移動させることが可能であることを考慮すべきである。
使用される塩基は好ましくは、混合物での、特には単独での、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ金属水素炭酸塩、アルカリ金属酢酸塩、アルカリ土類金属酢酸塩、アルカリ金属アルコキシドおよびアルカリ土類金属アルコキシドである。
特に好ましい塩基は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩およびアルカリ金属水素炭酸塩である。
特別に好ましい塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物、さらには炭酸リチウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩およびアルカリ金属水素炭酸塩である。
しかしながら、使用される塩基は、3級アミン類などの有機塩基であっても良い。好ましくは、例えばトリエチルアミンまたはジメチルシクロヘキシルアミンを用いる。
塩基は好ましくは、フェニルボロン酸IVaまたはジフェニルボリン酸IVbに基づいて100〜500モル%、より好ましくは150〜400モル%の割合で用いる。
好適なパラジウム源は、例えば塩化パラジウム(II)もしくは酢酸パラジウム(II)などのパラジウム(II)塩またはそれらの水溶液であり、ビスアセトニトリルパラジウム(II)クロリドまたは酸化状態「0」でのPdとのパラジウム錯体もある。
特に好ましくは、塩化パラジウム(II)の使用である。
アルキル鎖で置換された好適な二座リン配位子およびその製造は、先行出願のEP08154184.9から公知である。
好ましいものは、非置換のフェニル環を有する1,3−ビス(ジフェニルホスフィニル)プロパン類IIIであり、特別にはRがメチル、エチル、1−メチルエチル、n−ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチルおよび4−メチルペンチルもしくはシクロプロピルなどのC−C−アルキルであり、Rがメチル、エチル、1−メチルエチル、n−ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチルおよび4−メチルペンチルなどのC−C−アルキルである該化合物、
またはR+Rが一体となってエタン−1,2−ジイル、プロパン−1,3−ジイル、ブタン−1,4−ジイルまたはペンタン−1,5−ジイル鎖である該化合物である。
特に好ましいリン配位子IIIは、1,3−ビス(ジフェニルホスフィニル)−2−メチルプロパン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィニル)−2,2−ジメチルプロパン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィニル)−2−メチル−2−エチルプロパン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィニル)−2,2−ジエチルプロパン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィニル)−2−メチル−2−プロピルプロパン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィニル)−2−エチル−2−プロピルプロパン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィニル)−2,2−ジプロピルプロパン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィニル)−2−メチル−2−ブチルプロパン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィニル)−2−エチル−2−ブチルプロパン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィニル)−2−プロピル−2−ブチルプロパン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィニル)−2,2−ジブチルプロパン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィニル)−2−メチル−2−シクロプロピルプロパン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィニル)−2−メチル−2−シクロブチルプロパン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィニル)−2−メチル−2−シクロペンチル−プロパン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィニル)−2−メチル−2−シクロヘキシルプロパン、1,1−ビス(ジフェニルホスフィニル)シクロプロパン、1,1−ビス(ジフェニルホスフィニル)シクロブタン、1,1−ビス(ジフェニルホスフィニル)シクロペンタン、1,1−ビス(ジフェニルホスフィニル)シクロヘキサン、特別には1,3−ビス(ジフェニルホスフィニル)−2,2−ジメチルプロパンおよび1,3−ビス(ジフェニルホスフィニル)−2−エチル−2−ブチルプロパンである。
錯体配位子の反応性は、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム(TBAB)などの4級アンモニウム塩を加えることで高めることができる(例えばD. Zimら, Tetrahedron Lett. 2000年, 第41巻, p. 8199を参照)。
概して、0.5〜5モル当量の前記錯体配位子、特別には1,3−ビス(ジフェニルホスフィニル)−2,2−ジメチルプロパンおよび1,3−ビス(ジフェニルホスフィニル)−2−エチル−2−ブチルプロパンを、1当量のパラジウム(II)塩と組み合わせる。特に好ましくは、パラジウム(II)塩に基づいて、1モル当量の錯体配位子を用いる。
パラジウム源は、化合物IVaまたはIVbに基づき、0.001〜5.0モル%、好ましくは0.1〜1.0モル%、特別には0.1〜0.5モル%という低い割合で、本発明による方法で使用される。
本発明による方法に好適な有機溶媒は、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、tert−ブチルメチルエーテルおよびtert−ブチルエチルエーテルなどのエーテル類、n−ヘキサン、n−ヘプタン、ヘプタン異性体混合物、シクロヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの炭化水素類、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール、1−ブタノール、2−ブタノールおよびtert−ブタノールなどのアルコール類、アセトン、エチルメチルケトンおよびイソブチルメチルケトンなどのケトン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリドンなどのアミド類、ならびにジメチルスルホキシドであり、各場合で単独または混合物で使用される。
好ましい溶媒は、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル類、シクロヘキサン、トルエンおよびキシレンなどの炭化水素類、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールおよびtert−ブタノールなどのアルコール類であり、各場合で単独または混合物で使用される。
特に好ましい変法では、本発明による方法において、水、1以上の水不溶性および1以上の水溶性の溶媒を用いる。例えば水とジオキサン、または水とテトラヒドロフラン、または水、ジオキサンとエタノール、または水、テトラヒドロフランとメタノール、または水、トルエンとテトラヒドロフラン、好ましくは水とテトラヒドロフラン、または水、テトラヒドロフランとメタノールの混合物である。好ましくは、水およびテトラヒドロフラン中で反応を実施する。
溶媒の総量は、1モルの化合物II当たり、通常は3000〜100g、好ましくは2000〜150gである。
適切には、本方法を実施するため、化合物II、フェニルボロン酸IVaもしくはジフェニルボリン酸IVbまたはその二つの混合物、塩基および触媒量のパラジウム源を、水および1以上の不活性有機溶媒の混合物に加え、50℃〜140℃、好ましくは70℃〜110℃、より好ましくは90℃〜110℃の温度で1〜50時間、好ましくは2〜24時間にわたって撹拌する。
使用される溶媒および温度に従い、1バール〜6バール、または好ましくは1バール〜4バールの圧力が確立される。
そのような方法に好適な一般的な装置で、本方法を実施することができる。
反応が終了した後、固体形態で得られるパラジウム触媒を、例えば濾過によって除去することができ、粗生成物から溶媒または複数の溶媒を除去することができる。
その後、当業者には公知であり、特定の生成物に適切である方法、例えば再結晶、蒸留、昇華、帯溶融(zone melting)、溶融結晶化またはクロマトグラフィーによってさらに精製することが可能である。
本発明による方法によって、定量的収率までの非常に高い収率で、しかも非常に良好な純度で化合物Iが得られる。
ハロベンゼンIIは公知であるか、またはそれ自体公知の方法によって製造することができる。
フェニルボロン酸IVaおよびジフェニルボリン酸IVbも同様に公知であるか、またはそれ自体公知の方法で製造することができる(例えばWO2006/092429参照)。
本発明による方法によって得ることができるR=ニトロである置換ビフェニルI(ビフェニルIa)、例えば3,4−ジフルオロ−2′−ニトロビフェニル、2,4−ジクロロ−2′−ニトロビフェニル、3,4−ジクロロ−2′−ニトロビフェニルおよび3,4,5−トリフルオロ−2′−ニトロビフェニルを、水素化によるそれ自体公知の方法で、対応する形で置換されたビフェニルI(R=アミノである)(ビフェニルIb)に変換することができる。そして置換ビフェニルIbは、作物保護有効成分、例えば殺菌活性のピラゾールカルボキサミド類V:
Figure 2011525518
(式中、Rはメチルまたはジフルオロメチルもしくはトリフルオロメチルなどのハロメチルである。)
を得る上での重要な中間体である(例えばEP−A589301またはWO2006087343参照)。
製造例:3,4,5−トリフルオロ−2′−ニトロビフェニルの合成
a)3,4,5−トリフルオロフェニルボロン酸の製造
窒素またはアルゴンで不活性化したリアクターに、最初にマグネシウム削片83.2g(3.42mol)を入れ、次に安定剤を含まない乾燥テトラヒドロフラン1646.2gを加えた。3,4,5−トリフルオロブロモベンゼン30g(0.14mol)を、撹拌しながら25℃で滴下し、グリニャル反応の開始を待った。約32℃までの自然昇温によって、グリニャル反応の開始を知ることができた。次に、追加の3,4,5−トリフルオロブロモベンゼン571.9g(2.71mol)を、25〜35℃で5時間以内に計量して入れた。反応を完結させるため、混合物を25〜30℃でさらに2時間撹拌した。第2のリアクターに、予め−5℃まで冷却しておいたホウ酸トリメチル328.0g(3.16mol)および安定剤を含まない乾燥テトラヒドロフラン452gの溶液を最初に入れた。その後、グリニャル溶液を、第1のリアクターから2.5時間以内に計量して加えた。過剰のマグネシウムは第1のリアクターに残った。計量添加が終了した後、混合物を20〜25℃でさらに2時間撹拌した。加水分解を行うため、7.6%塩酸1326.1g(2.76mol)を25℃で計量して加え、その後、混合物をさらに1時間、25℃で撹拌した。混合物を加熱して50℃とし、相を分離した。その後、有機相を水603.9gで50℃にて再抽出し、洗浄水相を再度除去した。その後、テトラヒドロフラン/水混合物の留去によって有機相を濃縮した。これにより、40%の3,4,5−トリフルオロフェニルボロン酸のテトラヒドロフラン溶液1032.6g(82%)を得て、それを以降の反応に直接用いた。
b)3,4,5−トリフルオロフェニルボロン酸の2−ニトロクロロベンゼンとのスズキカップリングによる3,4,5−トリフルオロ−2′−ニトロビフェニルの製造
十分に不活性化した圧力容器に、前段階a)から得た40%の3,4,5−トリフルオロフェニルボロン酸のテトラヒドロフラン溶液49.6g(0.113mol)と、10%水酸化ナトリウム溶液121.6g(0.304mol)および2−ニトロクロロベンゼン19.7g(0.124mol)との混合物を最初に入れた。次に、室温で特定の配位子を加え、混合物を撹拌し、最後に塩化パラジウム(II)を加えた。次に、反応混合物を105℃に加熱した。これによって、約3〜4バールの圧力が確立された。約12時間の反応時間後、圧力容器を除圧して標準気圧とし、30℃に冷却して、反応混合物を取り出した。後処理を行うため、反応混合物をtert−ブチルメチルエーテル中に入れ、相を分離し、水相をtert−ブチルメチルエーテルで2回再抽出した。溶媒を減圧下で完全に留去し、最終重量を測定し、定量的HPLCにより、粗3,4,5−トリフルオロ−2′−ニトロビフェニルの含有量を分析した。所望に応じて、粗3,4,5−トリフルオロ−2′−ニトロビフェニルは、例えばイソブタノールからの結晶化によってさらに精製することができる。
イソブタノールからの結晶化の後、融点79℃を有する純粋な3,4,5−トリフルオロ−2’−ニトロビフェニルが得られる。
Figure 2011525518
PdClおよび配位子のモルパーセントは、3,4,5−トリフルオロフェニルボロン酸に基づく。

Claims (15)

  1. 下記式Iの置換ビフェニル類:
    Figure 2011525518
    (式中、置換基はそれぞれ下記で定義の通りであり;
    はニトロまたはアミノであり、
    はシアノ、ハロゲン、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシまたはC−C−ハロアルキルチオであり、
    nは、0、1、2または3であり、n=2または3である場合、R基は同一もしくは異なる定義を有することができ、
    は、水素、シアノまたはハロゲンである。)
    の製造方法であって、下記式IIのハロベンゼン:
    Figure 2011525518
    (式中、Halは塩素または臭素であり、RおよびRはそれぞれ上記で定義の通りである。)
    を、塩基ならびにパラジウムおよび下記式IIIの二座リン配位子:
    Figure 2011525518
    (式中、Arはメチル、メトキシ、フッ素および塩素からなる群から選択される1〜3個の置換基を有していても良いフェニルであり、RおよびRはそれぞれC−C−アルキルもしくはC−C−シクロアルキルであり、またはRとRが一体となって、所望に応じてC−C−アルキル置換基を有していても良い2〜7員架橋を形成している。)
    からなるパラジウム触媒の存在下に、溶媒または希釈剤中にて、フェニルボロン酸IVa:
    Figure 2011525518
    ジフェニルボリン酸IVb:
    Figure 2011525518
    またはIVaとIVbの混合物(Rおよびnは上記で定義の通りである。)と反応させる段階を有する前記製造方法。
  2. がハロゲンであり、nが2または3であり、Rが水素またはハロゲンである請求項1に記載の方法。
  3. がフッ素または塩素である請求項1に記載の方法。
  4. が、Rを有するフェニル環に対してオルト位にある請求項1に記載の方法。
  5. およびRが互いに対してパラ位にある請求項1に記載の方法。
  6. Arがフェニルである請求項1に記載の方法。
  7. 前記反応を50〜140℃の温度で行う請求項1に記載の方法。
  8. 前記反応を水および有機溶媒の混合物中で行う請求項1に記載の方法。
  9. 前記有機溶媒としてエーテルを用いる請求項7に記載の方法。
  10. 前記反応を1〜6バールの圧力で行う請求項1に記載の方法。
  11. がニトロであり、Rがハロゲンであり、nが3であり、Rが水素またはハロゲンである請求項1に記載の式Iの化合物。
  12. 3,4−ジフルオロ−2′−ニトロビフェニル、2,4−ジクロロ−2′−ニトロビフェニル、3,4−ジクロロ−2′−ニトロビフェニル、3,4,5−トリフルオロ−2′−ニトロビフェニル、3′−クロロ−4′,5′−ジフルオロビフェニル−2−イルアミン、3′,4′−ジクロロ−5′−フルオロビフェニル−2−イルアミン、3′,5′−ジクロロ−4′−フルオロビフェニル−2−イルアミンおよび3′,4′,5′−トリクロロビフェニル−2−イルアミンからなる群から選択される請求項1に記載の式Iの化合物。
  13. がアミノであり、Rがハロゲンであり、nが3であり、Rがハロゲンである請求項1に記載の式Iの化合物。
  14. 3,4,5−トリフルオロ−2′−ニトロビフェニル。
  15. 得られた置換ビフェニルを次に、それ自体公知の方法で、ピラゾールカルボキサミドV:
    Figure 2011525518
    (式中、Rはメチルまたはハロメチルである。)
    に変換する請求項1に記載の方法。
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