JP2011523096A - 水なし印刷版を改良するための画像形成性要素 - Google Patents

水なし印刷版を改良するための画像形成性要素 Download PDF

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Abstract

画像形成性要素を、非アブレーション方法を使用して画像形成できる。この要素は、撥インク性の架橋シリコーンゴム層に隣接し、かつ、当該シリコーンゴム層の下方に位置する非シリコーンの架橋されていない層を有する。これらの要素は、水なし印刷(ファウンテン溶液なし)に有用な平版印刷版を提供するために使用できる。画像形成後の処理は比較的単純であり、画像形成領域における架橋シリコーンゴム層と非シリコーンの架橋されてない層のわずかな部分を除去するために、水もしくは基本的に界面活性剤から成る水溶液、あるいは機械的手段を用いる。

Description

本発明は、アブレーションなしで画像形成でき、次いで、単純な水溶液により現像でき、「水なし(waterless)」印刷に使用できる、改良された非アブレーション型画像形成性要素を提供する。本発明は、かかる非アブレーション型画像形成性要素を使用する方法も提供する。
コンベンショナルな又は「湿式」平版印刷において、画像領域として知られているインク受容性領域を親水性表面上に生成させる。その表面を水で濡らし、インクを適用すると、親水性領域は水を保持してインクを撥き、インク受容性領域はインクを受容して水を撥く。インクは、画像が再現されるべき材料の表面に転写される。例えば、インクをまず中間ブランケットに転写することができ、次に、このブランケットが、画像が再現されるべき材料の表面にインクを転写させるために使用される。
水なし印刷版は1970年から知られており使用されている。これらの印刷版は、印刷機上で湿し水(ファウンテン溶液)を必要とせずに印刷に使用できる。ほとんどの水なし印刷版は、よりインク受容性である輻射線感受性層および基材の上にシリコーン層などの撥インク性層を含む。水なし印刷についての詳細およびその利点は、例えばウォーターレス・プリンティング・アソシエーション(Waterless Printing Association)のウェブサイトであるwww.waterless.orgに掲載されている。
例えば、水なし印刷の利点の幾つかとして、画像におけるコンシステントな色(良好な色忠実性)、良好な色彩度、および低いドットゲイン(高精細)が挙げられる。さらに、ファウンテン溶液が印刷中に使用されないために、非コート紙などの非常に様々な種類の紙を印刷に使用できる。さらに、水なし印刷によればより速い起動準備を達成でき、小さくコンパクトな印刷機を使用できるため、より小さい設備(設備および建築物への投資がより少ない)で印刷作業を行うことができる。ファウンテン溶液の使用を避けることによって、水なし印刷は環境に対してより好ましい。印刷作業は、ファウンテン溶液と平版印刷インクとを慎重にバランスする必要はもはやなく、さほど訓練を必要とせずにそれらの作業を実施することができる。
ポジ型水なし印刷版は、ネガ型ジアゾ樹脂を含む画像形成性要素とおよび紫外線(UV)照射からこれまで作製されてきた。ネガ型水なし印刷版は、UV照射と、ジアゾナフトキノン含有画像形成性要素または酸により触媒される化学物質を使用してこれまで得られてきた。
初期の水なし印刷版の大部分は、写真フィルムを使用して作製された。かかるフィルムの使用は費用がかかり、冗長である。これらの利点は、近年、「コンピューター・トゥー・プレート(computer−to−plate)」(CTP)技術に向けられた。この技術によると、1または2以上のレーザーを使用して、水なし印刷版をコンピューター生成信号により直接画像形成する。例えば、これはCTPプレートセッターを使用して行うことができる。
水なし印刷版を製造する1つの方法は、輻射線感受性画像形成性要素上にコンタクトマスクを生成させることを含む。マスクは、例えば、インクジェットプリンター、電子写真プリンター、またはデジタル制御レーザーを含む任意の他の装置などのデジタル装置を使用して生成させることができる。マスクを生成させるために、レーザーアブレーション、レーザーアブレーション転写、またはレーザー誘導変色技術も使用できる。しかしながら、水なし印刷版を生成させるためのマスクの使用は、費用がかかり、複雑な処理方法を必要とする。
2種類の商用のサーマル(コンピューター・トゥー・プレートまたは「CTP」)水なし印刷システムが知られている。一方の水なし印刷システムは、画像形成された層(1または2層以上)中の物質を破壊的に除去または揮発および除去することを含むレーザーアブレーションにより画像形成することを含む。アブレーション画像形成は、非常に高い画像形成エネルギーを必要とし(画像形成性要素は比較的遅い画像形成スピードを有する)、かなりのデブリおよび気体状排出物を生じ、当該気体状排出物を捕獲して環境に放出させなければならない。米国特許第5,339,737号明細書(Lewis他)および米国特許第5,353,705号明細書(Lewis他)には、水なし印刷版を製造するための多層のアブレート可能な要素および画像形成システムが記載されている。
もう一方の水なし印刷システムは、例えば米国特許第4,342,820号明細書(Kinashi他)、米国特許第6,074,797号明細書(Suezawa他)、米国特許第6,284,433号明細書(Ichikawa他)および米国特許第6,964,841号明細書(Iihara他)に記載されているように、画像形成された層を可溶化するためにレーザーによる熱画像形成(場合によりマスクを通して)を必要とし、可溶化された画像形成された層は、次に、画像形成された領域において、往々にして有機溶剤を含む現像液を使用することにより、または前処理溶液を使用することにより、あるいは両方により除去される。さらに、米国特許第6,194,122号明細書(Ichikawa他)には、ラミネーションにより形成される水なし印刷版が記載されている。
米国特許第5,919,600号明細書(Huang他)には、可溶化された画像形成性層と上に重なるシリコーン層とを除去するために溶剤含有現像液を使用する、水なし印刷版を提供するために使用できる2層式非アブレーション画像形成性要素が記載されている。
同時係属の本願と同じ出願人による米国特許出願第12/060,609号明細書(Melamed,Huang,KonstantiniおよびMatznerにより2008年4月2日に出願)には、水なし印刷で有用な平版印刷版を提供するために使用できる3層式画像形成性要素が記載されている。
米国特許第5,339,737号明細書 米国特許第5,353,705号明細書 米国特許第4,342,820号明細書 米国特許第6,074,797号明細書 米国特許第6,284,433号明細書 米国特許第6,964,841号明細書 米国特許第6,194,122号明細書 米国特許第5,919,600号明細書
水なし印刷は、ファウンテン溶液を用いずに使用でき、かつ、幾つかの利点を提供する望ましい印刷技術である。環境に優しくない有機溶剤を主に含む現像液を使用するアブレーション画像形成または現像なしに、水なし印刷版を提供することに使用できるデジタル式画像形成性要素が求められている。アブレーション画像形成は、シリコーンゴム片がCTPプレートセッター中の搬送ローラーを汚染するという問題を往々にして生じる。かかる搬送ローラーの汚染は、1つの印刷版から別の印刷版に及ぶ画像形成上の問題を生じる。さらに、現像前に前処理なしに水なし印刷版を製造できる単純な画像形成性要素を提供することが必要とされている。現像中にシリコーンが要素から除去される場合に、処理機を目詰まりさせることもCTPプレートセッター汚染することもない小片でシリコーンデブリが除去されることも望ましい。
本発明は、水なし印刷に有用な、非アブレーション方法により画像形成可能な画像形成性要素であって、基材を含み、当該基材上に順に下記の隣接する必須の層:
第1のポリマーバインダーと赤外線吸収性化合物とを含む非シリコーンの架橋されていない層、および
前記非シリコーンの架橋されていない層の上に直接配置された架橋シリコーンゴム層、
を有し、前記非シリコーンの架橋されていない層が、基材上に乾燥した前記非シリコーンの架橋されていない層のみを有するものを、室温の2−ブトキシエタノール:水80:20質量比溶液中に5分間浸すことにより検証した場合の乾燥コーティング質量の減少量が35%未満であるという耐薬品性を有する、画像形成性要素を提供する。
本発明は、水なし印刷に適する画像形成された要素を製造するための方法であって、アブレーションなしに、
A)非アブレーション方法により画像形成可能であり、かつ、水なし印刷に有用である画像形成性要素を、赤外線を使用して像様露光して、前記画像形成性要素中に露光領域および非露光領域をもたらす工程、ここで、当該非アブレーション型画像形成性要素は基材を含み、当該基材上に順に下記の隣接する必須の層:
第1のポリマーバインダーと赤外線吸収性化合物とを含む非シリコーンの架橋されていない層、および
前記非シリコーンの架橋されていない層の上に直接配置された架橋シリコーンゴム層、
を有する、
B)主に前記露光領域内だけの前記架橋シリコーンゴム層と前記非シリコーンの架橋されていない層の10%未満の上側部分を、たんに、
a)前記像様露光された画像形成性要素を水または8質量%未満の有機溶剤を含む水溶液に接触させること、
b)前記像様露光された画像形成性要素に機械的除去手段を適用すること、または
c)前記像様露光された画像形成性要素に水または8質量%未満の有機溶剤を含む水溶液を接触させて、機械的除去手段を適用すること、
によって除去して、画像形成された要素をもたらす工程、
を含む方法も提供する。
さらに、本発明は、水なし印刷により印刷画像を作製する方法であって、アブレーションなしに、
A)非アブレーション方法により画像形成可能であり、かつ、水なし印刷に有用である画像形成性要素を、赤外線を使用して像様露光して、前記画像形成性要素中に露光領域および非露光領域をもたらす工程、ここで、前記画像形成性要素は基材を含み、当該基材上に順に下記の隣接する必須の層:
第1のポリマーバインダーと赤外線吸収性化合物とを含む非シリコーンの架橋されていない層、および
前記非シリコーンの架橋されていない層の上に直接配置された架橋シリコーンゴム層、
を有する、
B)主に前記露光領域内だけの前記架橋シリコーンゴム層と前記非シリコーンの架橋されていない層の10%未満の上側部分を除去する工程、
C)前記画像形成された要素を印刷機上で平版印刷インクだけと接触させる工程、
を含む、印刷画像を作製する方法を提供する。
幾つかの実施態様において、架橋シリコーンゴム層は、下記のとおり定義される組成物Iまたは組成物IIから誘導される:
組成物Iは、
(a)主にジメチルシロキサン単位と下記構造(PSR):
Figure 2011523096
(式中、R1およびR2は、少なくとも1つがアルケニル基である限り、独立にアルキル、アリールおよびアルケニル基である)
により表されるシロキサン単位とを有するポリシロキサン材料、
(b)SiH基を有するシラン架橋剤、
(c)白金触媒、および
(d)任意選択的に、安定化剤、もしくは接着促進剤、またはこれらの両方、
を含み、
組成物IIは、
(a)SiOH、SiOR3、もしくはSiOCOR4末端基、またはこれらの任意の組み合わせ(R3およびR4は独立に置換または非置換のアルキル、アリールまたはアルケニル基である)を有するポリジメチルシロキサン、
(b)前記SiOH、SiOR3またはSiOCOR4基(R3およびR4は上記定義のとおり)のうちの少なくとも2つを有するシロキサン架橋剤、
(c)任意選択的に、触媒、接着促進剤、またはこれらの両方、
を含む。
本発明は、単純な非アブレーション画像形成方法で画像形成でき、次いで、水なし印刷用の印刷版を提供するために使用できる画像形成性要素を提供する。本発明の新規な要素は、インクを撥く性質を有する架橋シリコーンゴム層を含む連続(隣接)するわずかに2つだけの必須の層を有するという点で単純である。この層の下方に、非シリコーンの架橋されていない層が存在し、当該層の上側の僅かな部分(全体の10%未満)だけが画像形成中に除去され、現像中に上側の架橋シリコーンゴム層が除去される。
この非シリコーンの架橋されていない層は、感熱性を提供するために赤外線吸収性化合物を含む唯一の層である。従って、非シリコーンの架橋されていない層の残りは、露光領域において基材上に残留する。例えば水または界面活性剤を含む水溶液などの単純な溶液を現像に使用できる。本発明の実施に当り、8%を超える有機溶剤を含む現像液を避けることができる。幾つかの実施態様において、現像液は、機械的除去手段(下記)と組み合わせて使用される。
本発明を実施する際に、非シリコーンの架橋されていない層とその上にある架橋シリコーンゴム層との間の界面が熱崩壊し、これらの2つの層の間で分離または不可逆的な離層が生じると考えられる。非アブレーション画像形成は、架橋シリコーンゴム層をアブレートせず、当該層は、現像前に前処理溶液を使用して非シリコーンの架橋されていない層の可溶化により除去されない。画像形成された要素を水で洗浄およびラビングすることによって、分離または離層した架橋シリコーンゴム層材料が、画像形成領域から除去される。水は滑剤として作用し、非画像形成領域の機械的ラビングおよび現像の間の擦過を防止する。水による化学的処理はなく、水が架橋シリコーンゴム層を通してその下方の層に浸透することもない。
従来技術、例えば米国特許第6,284,433号明細書(第19欄、第24〜52行)に記載されている水なし印刷要素では、シリコーンゴム層の下方の層を可溶化するために前処理工程が用いられる。従って、前処理溶液は、シリコーンゴム層から下方の層に浸透しなければならない。これは、シリコーンゴム層が前処理溶液中で膨潤し、かつ、特に前処理溶液中で特定の膨潤性を有するように設計された場合に可能である。この設計特徴は、本発明では、異なる画像形成および現像機構のために、必要でない。本発明の機構は、いかなる他のデジタル水なし印刷版の画像形成および現像にも似ていないと思われる。
米国特許第6,843,176号明細書(Ray他)および米国特許第7,723,689号明細書(Wieland他)には、ポジ型画像形成性要素における下層として有用な配合物が記載されている。記載されている画像形成性要素は、アルカリ現像を使用して層を崩壊させて除去するために、水なし印刷ように設計されていない。従って、これらに記載されている下層配合物は、本発明に係る水なし印刷用に設計されたネガ型画像形成性要素で使用できるであろう。
シリコーンデブリが現像中に比較的小さい塊で除去され、処理機の目詰まりおよび画像形成された要素の汚染が起こりにくくなることも我々は見出した。
我々は、さらに、本発明の画像形成性要素が高い画像形成感度を有し、アブレーション画像形成に通常使用されるエネルギーよりもかなり低い130mJ/cm2程度の低い画像形成エネルギーを使用して画像形成できることを見出した。
定義
特に断らない限り、本明細書で使用する場合、「画像形成性要素」、「非アブレーション型画像形成性要素」、および「平版印刷版前駆体」という用語は、本発明の実施態様を示すことを意図する。
さらに、特に断らない限り、本明細書中に記載された種々の成分、例えば、「第1のポリマーバインダー」、「輻射線吸収性化合物」、「IR染料」、「ポリシロキサン材料」、「シラン架橋剤」、「ポリジメチルシロキサン」、「触媒」、「接着促進剤」、および類似の用語は、各成分の混合物も指す。従って、単数を表す冠詞の使用は、単一の成分だけを必ずしも意味するものでない。
現像中の「主に前記露光領域だけ」という用語は、非シリコーンの架橋されていない層と架橋シリコーンゴム層の露光領域が選択的かつ優先的に処理中に除去されるが、非露光領域が有意な程度(非露光領域のごくわずかな除去があり得る)に除去されないことを意味する。
非シリコーンの架橋されていない層の「上側部分」という用語は、露光領域における当該層の10質量%未満が分解して現像中に非アブレーション的に除去され、上にある架橋シリコーンゴム層が露光領域において完全に除去されることを意味する。非シリコーン層の残留物が熱画像形成および現像後に残るため、現像後に、基材は、第1のポリマーバインダーにより全体的に覆われる。
「コンピューター・トゥー・プレート」(CTP)とは、マスキングまたは他の中間画像形成フィルムを使用せずに、コンピューター指示画像形成手段(例えばレーザー)を使用して、画像形成手段が画像形成性要素に対して直接実行されることを意味する。
「非アブレーション」という用語は、本発明の実施の際に、熱的に画像形成された領域が、たんに画像形成だけでは実質的に揮発も除去もされず、熱画像形成中にほとんど又は全く気体が発生しないことを意味する。
特に断らない限り、百分率は、画像形成性層配合物の乾燥固形分または層の乾燥被覆質量での、乾燥質量による百分率を指す。特に断らない限り、質量百分率の値は、層配合物または乾燥した層コーティングについての値として解釈できる。
ポリマーに関連するあらゆる用語の定義を明らかにするために、International Union of Pure and Applied Chemistry(「IUPAC」)によって発行された「Glossary of Basic Terms in Polymer Science」,Pure Appl.Chem.68,2287−2311(1996)を参照されたい。しかし、本明細書中のあらゆる定義が支配的なものと見なされるべきである。
用語「ポリマー」(例えばポリビニルアセタール)は、オリゴマーを包含する高および低分子量ポリマーを意味し、ホモポリマーおよびコポリマーの両方を包含する。
用語「コポリマー」は、2種または3種以上の異なるモノマーから誘導されたポリマーを意味する。すなわち、コポリマーは、少なくとも2種の異なる化学構造を有する反復単位を含む。
「主鎖」という用語は、複数のペンダント基が結合されていてもよいポリマー中の原子鎖を意味する。このような主鎖の例は、1種または2種以上のエチレン系不飽和重合性モノマーの重合から得られた「全炭素」主鎖である。しかしながら、他の主鎖は、ヘテロ原子を含んでいてもよく、その場合、ポリマーは、縮合反応または何らかの他の手段によって形成される。
用途
本明細書に記載の画像形成性要素は、例えば以下でより詳しく述べる平版印刷版(または「印刷版ブランク」として)の前駆体などの、多くの方法で使用できる。しかしながら、これが本発明の画像形成性要素の唯一の用途ではない。例えば、当該画像形成性要素は、熱パターニングシステムとして、および、マスキング要素および印刷回路板を形成することにも使用できる。
画像形成性要素
一般的に、画像形成性要素は、基材と、非シリコーンの架橋されていない層と上に重なる架橋シリコーンゴム層である2つの隣接する必須の層とを有する。しかしながら、架橋シリコーンゴム層の上に保護層が存在してもよい。基材に対して非シリコーンの架橋されていない層を接着させるためにプライマーまたは接着層が存在してもよい。
基材
画像形成性要素は、適切な基材上への非シリコーンの架橋されていない層配合物の適切な適用により形成される。この基材は、支持体原材料であることができるが、非シリコーン層組成物の適用に先立って、基材の反射性をより低くして品質目的のための画像検査をより容易にするため、および当該層に対する接着性を改善するために、様々な方法で処理または被覆されたものであってもよい。基材は、平版印刷版などの画像形成性要素を製造するために従来より使用されているいかなる寸法安定な材料から構成されたものであってもよい支持体を含む。接着性の改善のための「中間層」をもたらすように基材を処理することができ、中間層上に第1の層配合物が適用される。
基材は通常、シート、フィルムまたは箔の形態にあり、丈夫であり、安定であり、そして可撓性であり、また色記録がフルカラー画像を見当合わせするような使用条件下では耐寸法変化性である。典型的には、支持体は、ポリマーフィルム(例えばポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースエステルポリマー、およびポリスチレンフィルム)、ガラス、セラミック、金属シートまたは箔、または剛性紙(樹脂コート紙および金属化紙を含む)、またはこれらの材料のうちのいずれかの積層体(例えばポリエステルフィルム上へのアルミニウム箔の積層体)などのいかなる自立型材料であってもよい。金属支持体としては、アルミニウム、銅、亜鉛、チタンおよびこれらの合金のシートまたは箔が挙げられる。
ポリマーフィルム支持体の片面または両面を、接着または反射特性を高めるために「下引き」層で改質することができ、あるいは、平坦性を高めるために、紙支持体を同様にコーティングすることができる。下引き層材料の例としては、アルコキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、グリシジオキシプロピル−トリエトキシシラン、およびエポキシ官能性ポリマー、ならびに、コンベンショナルな親水性下引き材料が挙げられるが、これらに限定されない。
有用な基材は、物理的砂目立て、電気化学的砂目立て、化学的砂目立て、およびこれに続く陽極酸化を含む、当業者に知られた技術によってコーティングまたは処理することができるアルミニウム含有支持体から構成される。
例えばシリケート、デキストリン、フッ化カルシウムジルコニウム、ヘキサフルオロケイ酸、ホスフェート/フッ化物、ポリ(ビニルホスホン酸)(PVPA)、ビニルホスホン酸−アクリル酸コポリマー、ポリ(アクリル酸)、または(メタ)アクリル酸コポリマー溶液、あるいはこれらの混合物でアルミニウム支持体を処理することにより、任意選択的な中間層を形成することができる。
基材の厚さは様々な値を取り得るが、印刷に由来する摩耗に耐えるのに十分な厚さを有し、しかも印刷版の周りに巻き付けるのに十分に薄くあるべきである。かかる態様としては、厚さ100μm〜600μmの処理されたアルミニウム箔が挙げられる。
基材の裏側(非画像形成側)には、画像形成性要素の取り扱いおよび「感触」を改善するために、静電防止剤および/またはスリップ層または艶消し層をコーティングすることができる。
基材は、層組成物を上に有する円筒状表面であってもよく、ひいては印刷機の一体部分であってもよい。かかる画像形成されたシリンダーの使用は、例えば米国特許第5,713,287号明細書(Gelbart)に記載されている。
非シリコーンの架橋されていない層
非シリコーンの架橋されていない層は、架橋シリコーンゴム層と基材の間に配置される。典型的には、非シリコーンの架橋されていない層は、基材(上記の任意のプリマーコーティングを含む)上に直接配置される。非シリコーンの架橋されていない層は第1のポリマーバインダーを含み、現像中に層が一部だけ除去される。部分的な除去の量は、質量分析により求めることができる。
非シリコーンの架橋されていない層に使用されるポリマーバインダーが、現像で使用されうる化学溶剤および平版印刷インク並びに印刷版クリーニング流体に対して高い耐性を有することが有利である。かかる耐性は、要素を、特定の溶剤または化学物質中に様々な時間浸漬し、残留コーティングの質量を計ることにより求めることができる。残留コーティングの質量がより大きいほど、耐薬品性がより高いことを示す。
例えば、非シリコーンの架橋されていない層の耐溶剤性は、コーティングし乾燥させた層配合物(アルミニウム基材上)を、室温の2−ブトキシエタノール(ブチルセルソルブ)と水の80:20質量比混合物中に5分間浸漬し、層を再び乾燥させた後の層の質量%減少量を求めることにより評価できる。例えば、非シリコーンの架橋されていない層配合物は、コーティング質量の減少量が35%未満である場合に、望ましい耐溶剤性を有する。しかしながら、コーティング質量の減少量が既知の層配合物よりも少ない場合に、耐薬品性の改善があることは確かである。ブチルセルソルブは、UVウォッシュ(印刷機上で印刷版およびブランケットローラーからUVインクを除去するために使用される流体)に通常使用されている溶媒である。
非シリコーンの架橋されていない層に有用な第1のポリマーバインダーは、(メタ)アクリロニトリルまたはN−置換環状イミド(例えばN−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−(4−カルボキシフェニル)マレイミド、N−ベンジルマレイミド又はこれらの混合物)のうちの1種または2種以上から誘導された反復単位を含み、任意選択的に、(メタ)アクリルアミド、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルコキシアルキルメタクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミドおよびN−ヒドロキシメチルメタクリルアミドなどから誘導された反復単位を含む。例えば、第1のポリマーは、少なくとも部分的に、N−置換環状イミド、(メタ)アクリロニトリルおよび(メタ)アクリルアミドから誘導することができる。例えば、(メタ)アクリロニトリルから誘導された反復単位の量は20〜50モル%であることができ、N−置換環状イミドから誘導された反復単位の量は20〜75モル%であることができ、他のモノマー、例えば(メタ)アクリルアミドなどから誘導された反復単位の量は0〜50モル%であることができる。
非シリコーンの架橋されていない層は、活性化メチロールおよび/または活性化アルキル化メチロール基を有する樹脂である1または2種以上の第2のポリマー材料を含んでもよい。
第2のポリマー材料としては、例えば、レゾール樹脂およびそれらのアルキル化類似体(例えばメラミン−ホルムアルデヒド樹脂)、メチロールグリコールウリル樹脂及びアルキル化類似体(例えばグリコールウリル−ホルムアルデヒド樹脂)、チオウレア−ホルムアルデヒド樹脂、グアナミン−ホルムアルデヒド樹脂、ならびにベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂が挙げられる。市販のメラミン−ホルムアルデヒド樹脂及びグルコールウリル−ホルムアルデヒド樹脂としては、例えば、CYMEL(登録商標)樹脂(Dyno Cyanamid)とNIKALAC(登録商標)樹脂(Sanwa Chemical)が挙げられる。
活性化メチロール及び/又は活性化アルキル化メチロール基を有する上記の樹脂は、好ましくは、レゾール樹脂又はレゾール樹脂の混合物である。レゾール樹脂は当業者にはよく知られている。それらは、過剰のフェノールを用いて、塩基性条件下、フェノール類とアルデヒド類との反応により調製される。市販のレゾール樹脂としては、例えば、GP649D99レゾール(Georgia Pacific)とBKS−5928レゾール樹脂(Union Carbide)が挙げられる。
有用なポリマー材料としては、N−フェニルマレイミドから誘導された反復単位を25〜75モル%と、メタクリルアミドから誘導された反復単位を10〜50モル%と、メタクリル酸から誘導された反復単位を5〜30モル%とを含むコポリマーも挙げられる。これらの第2のさらなるコポリマーは、米国特許第6,294,311号明細書(Shimazu他)及び米国特許第6,528,228号明細書(Savariar−Hauck他)に開示されている。
非シリコーンの架橋されていない層において有用な第1のポリマーバインダーおよび第2のポリマー材料は、当業者に周知である方法、例えば遊離基重合法など、例えばMacromolecules,Vol.2,2nd Ed.,H.G.Elias,Plenum,New York,1984の第20及び21章に記載されている方法により調製できる。上記の第1のポリマーバインダーは、一般的に、少なくとも50質量%、典型的には60〜90質量%を構成し、この量は、どのような他のポリマーおよび化学成分が存在するかに応じて変わりうる。いかなる第2のポリマー材料(例えば、上記のノボラック、レゾールまたはコポリマー)が5〜45質量%の量で存在してもよい。
非シリコーンの架橋されていない層は、600〜1500nm、典型的には700〜1200nmの輻射線を吸収し、吸収極小が300〜600nmである1種または2種以上の赤外線吸収性化合物(「IR吸収性化合物」)も含む。
好適なIR染料の例としては、例えばアゾ染料、スクアリリウム染料、トリアリールアミン染料、チアゾリウム染料、インドリウム染料、オキソノール染料、オキサゾリウム染料、シアニン染料、メロシアニン染料、フタロシアニン染料、インドシアニン染料、インドトリカルボシアニン染料、ヘミシアニン染料、ストレプトシアニン染料、オキサトリカルボシアニン染料、チオシアニン染料、チアトリカルボシアニン染料、メロシアニン染料、クリプトシアニン染料、ナフタロシアニン染料、ポリアニリン染料、ポリピロール染料、ポリチオフェン染料、カルコゲノピリロアリーリデンおよびビ(カルコゲノピリロ)ポリメチン染料、オキシインドリジン染料、ピリリウム染料、ピラゾリンアゾ染料、オキサジン染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、キノンイミン染料、メチン染料、アリールメチン染料、ポリメチン染料、スクアライン染料、オキサゾール染料、クロコニン染料、ポルフィリン染料、および前記染料の部類の任意の置換形態物またはイオン形態物などのIR染料が挙げられるが、これらに限定されない。好適な染料は、例えば米国特許第4,973,572号明細書(DeBoer)、米国特許第5,208,135号明細書(Patel他)、米国特許第5,244,771号明細書(Jandrue Sr.他)および米国特許第5,401,618号明細書(Chapman他)、および欧州特許出願公開第0 823 327 A1号明細書(Nagasaka他)に開示されている。
アニオン性発色団を有するシアニン染料も有用である。例えば、シアニン染料は、2つの複素環式基を有する発色団を有することがある。別の態様の場合、シアニン染料は、少なくとも2つのスルホン酸基、tokuni 2つのスルホン酸基と2つのインドレニン基とを有することがある。このタイプの有用なIR感光性シアニン染料が、米国特許出願公開第2005−0130059号明細書(Tao)に記載されている。好適なシアニン染料の有用な部類に関する一般的記述が、国際公開第2004/101280号パンフレット(Munnelly他)の段落0026において式で示されている。
低分子量IR吸収染料に加えて、ポリマーに結合されたIR染料部分を使用することもできる。さらに、IR染料カチオンを使用することができ、すなわち、このカチオンは、カルボキシ、スルホ、ホスホまたはホスホノ基を側鎖に含むポリマーとイオン相互作用する染料塩のIR吸収部分である。
近赤外線吸収シアニン染料も有用であり、例えば米国特許第6,309,792号明細書(Hauck他)、米国特許第6,264,920号明細書(Achilefu他)、米国特許第6,153,356号明細書(Urano他)及び米国特許第5,496,903号明細書(Watanate他)に記載されている。好適な染料は、コンベンショナルな方法および出発材料を用いて形成することができ、あるいは、American Dye Source(カナダ国ケベック州ベ−デュルフェ)およびFEW Chemicals(ドイツ国)を含む種々の商業的供給元から得ることができる。近赤外線ダイオードレーザービームのための他の有用な染料が、例えば米国特許第4,973,572号明細書(DeBoer)に記載されている。
有用なIR吸収性化合物は、カーボンブラック、例えば当業者によく知られているように可溶化基で表面官能化されたカーボンブラックなどの種々の顔料であることができる。親水性の非イオン性ポリマーにグラフト化されたカーボンブラック、例えばFX−GE−003(Nippon Shokubai製)、またはアニオン基で表面官能化されたカーボンブラック、例えばCAB−O−JET(登録商標)200またはCAB−O−JET(登録商標)300(Cabot Corporation製)も有用である。他の有用な顔料としては、ヘリオゲン・グリーン、ニグロシン・ベース、酸化鉄(III)、酸化マンガン、プリシアン・ブルー、およびパリス・ブルーが挙げられる。顔料粒子のサイズは、画像形成性層の厚さを上回るべきではない。
画像形成性要素において、輻射線吸収性化合物は、一般的に、少なくとも8質量%かつ30質量%以下の量、典型的には10〜25質量%の量(乾燥した非シリコーンの架橋されていない層の総質量を基準とする)で存在する。この目的に必要な特定の量は、使用される具体的な化合物および使用されるべき画像形成条件に応じて、当業者は容易に判るであろう。
非シリコーンの架橋されていない層は、界面活性剤、分散助剤、保湿剤、殺生物剤、増粘剤、乾燥剤、消泡剤、防腐剤、酸化防止剤、および着色剤などの他の成分、またはこれらの組み合わせを、全て既知の量で含んでもよい。
非シリコーンの架橋されていない層は、第2の層とシリコーンゴム層(下記)との間の接着を促進する接着促進化合物を含んでもよい。接着促進化合物は、1または2個以上のビニル、SiH、SiOH、SiOR3、SiOCOR4またはエポキシ基(R3およびR4は独立に置換または非置換のアルキルまたはアリール基であり、ここで、前記アルキル基は1〜20個の炭素原子を有することができ、アリール基は一般的にフェニルまたはナフチル基である)を含む。
非シリコーンの架橋されていない層は、一般的に、0.5〜5g/m2、典型的には0.7〜3g/m2の乾燥コーティング被覆量を有する。
上記架橋シリコーンゴム層を上に配置することができる非シリコーンの架橋されていない層配合物の有用な例は、例えば米国特許第6,843,176号および第7,723,689号明細書(両方とも上記)に記載されている下層配合物である。かかる配合物に関する米国特許第6,843,176号および第7,723,689号明細書の教示について本明細書に援用する。
架橋シリコーンゴム層
非シリコーン上に配置される架橋シリコーンゴム層は、付加型シリコーンゴムまたは縮合型シリコーンゴムのいずれかから形成することができる撥インク性層である。
一般的に、シリコーンゴムは、下記のとおり定義される組成物Iまたは組成物IIから誘導される。
組成物I:
(a)主にジメチルシロキサン単位と下記構造(PSR):
Figure 2011523096
(式中、RおよびRは、少なくとも1つがアルケニル基である限り、独立にアルキル、アリールおよびアルケニル基である)
により表されるシロキサン単位とを有するポリシロキサン材料、
(b)SiH基を有するシラン架橋剤、
(c)白金触媒、および
(d)任意選択的に、安定化剤、もしくは接着促進剤、またはこれらの両方。
上記成分a)の場合、R1およびR2についてのアルキル基は同じであっても異なっていてもよく、置換されていても置換されていなくてもよく、1〜50個の炭素原子を有する。同様に、アルケニル基は、同じであっても異なっていてもよく、置換されていても置換されていなくてもよく、2〜50個の炭素原子を有する。アリール基は、同じであっても異なっていてもよく、置換されていても置換されていなくてもよく、炭素環式環内に6、10または14個の炭素原子を有する。
撥インク性を高めるために、R1およびR2の少なくとも50%がメチル基であることが有用であろう。構造(PSR)により定義される単位を有する得られるポリシロキサン材料は、5,000〜5,000,000、典型的には50,000〜2,500,000の分子量を有しうる。組成物I中のポリシロキサン材料の量は、全固形分質量を基準にして、一般的に少なくとも60%かつ99%以下、典型的には70%〜90%である。
分子鎖中または末端にSiH基を有するポリシロキサン材料[成分(b)]の代表例を、下記構造(PSR−I)、(PSR−II)、(PSR−III)、(PSR−IV)および(PSR−V)により示す。これらの式だけが、ポリシロキサン材料についての可能な構造として解釈されるべきでない。
Figure 2011523096
Figure 2011523096
(各構造において、「n」は1を超える整数であり、「m」は0を超える整数である。)
SiH基含有ポリシロキサン材料中のSiH基の量は、少なくとも2個であり、通常、3個よりも多い。組成物I中のポリシロキサン材料の量は、全固形分を基準として、一般的に、少なくとも0.1%かつ20%以下、典型的には1%〜15%である。ポリシロキサン材料とポリジメチルシロキサンの量比は、一般的に、1.5〜30、典型的には10〜20の範囲内である。
組成物Iにおいて成分(c)として有用な触媒は白金化合物であり、白金化合物としては、白金、塩化白金、クロロ白金酸、オレフィン配位白金、白金のアルコール修飾錯体、および白金のメチルビニルポリシロキサン錯体が挙げられるが、これらに限定されない。触媒は、硬化性組成物I中に、全組成物固形分(または乾燥シリコーンゴム層)を基準にして、0.01%〜20%、または典型的には0.1%〜10%の量で存在することができる。硬化した層中の白金の量は一般的に10〜1000ppm、典型的には100〜500ppmである。
組成物I中に成分(d)として存在することができる任意の安定化剤としては、窒素含有化合物、リン含有化合物、および不飽和アルコール、例えばアセチレン含有アルコールが挙げられるが、これらに限定されない。かかる化合物は、組成物I中の全固形分を基準にして、0.01%〜10%、典型的には0.1%〜5%の量で存在することができる。
組成物Iの任意の接着促進剤としては、ヒドロキシ含有オルガノポリシロキサンまたは加水分解可能な官能基を含有するシランもしくはシロキサンが挙げられる。組成物は、シリカなどの充填剤、またはシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤を含んでもよい。有用なシランカップリング剤としては、アルコキシシラン、アセトキシシラン、ケトキシミンシラン、およびビニル含有カップリング剤が挙げられるが、これらに限定されない。
組成物II:
(a)SiOH、SiOR3、もしくはSiOCOR4末端基、またはこれらの任意の組み合わせ(R3およびR4は独立に置換または非置換のアルキル、アリールまたはアルケニル基である)を有するポリジメチルシロキサン、
(b)前記SiOH、SiOR3またはSiOCOR4基(R3およびR4は上記定義のとおり)のうちの少なくとも2つを有するシロキサン架橋剤、
(c)任意選択的に、触媒、接着促進剤、またはこれらの両方。
組成物IIの成分(a)は、先に定義した構造(PSR)により表されるヒドロキシ含有ポリジメチルシロキサンであることができるが、さらに当該化合物は分子末端に位置するSiOH、SiOR3またはSiOCOR4基を有する。ここで、R3およびR4は同じであっても異なっていてもよく、1〜50個の炭素原子を有する置換または非置換アルキル基、置換されていても置換されていなくてもよい2〜50個の炭素原子を有する同じまたは異なる置換または非置換アルケニル基、または炭素環式環内に6、10または14個の炭素原子を有する同じであっても異なっていてもよい置換または非置換のアリール基であることができる。
上記末端基を有する得られるポリジメチルシロキサンは、10,000〜600,000、典型的には30,000〜200,000の分子量を有することができる。組成物II中のポリシロキサン材料の量は、全固形分質量を基準にして、一般的に、少なくとも60%かつ99%以下、典型的には70%〜99%である。
組成物IIにおいて有用なシロキサン架橋剤としては、下記構造(SILANE):
Figure 2011523096
(式中、pは2〜4の整数(典型的には3または4)であり、Rは1〜50個の炭素原子を有する置換または非置換アルキル基、2〜50個の炭素原子を有する置換または非置換アルケニル基、芳香環内に6、10または14個の炭素原子を有する置換または非置換アリール基、または上記アルキル基、アルケニル基およびアリール基のうちの2または3つ以上を組み合わせることにより形成される基を表す。Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシミン基、アミノキシ基、アミド基およびアルケニルオキシ基から選ばれる官能基を表す。)
により表すことができる当該技術分野で知られているアセトキシシラン、アルコキシシラン、ケトキシミンシラン、アリルオキシシランその他が挙げられるが、これらに限定されない。
シロキサン架橋剤[組成物IIの成分(b)]の例としては、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、ビニルメチルビス(メチルエチルケトキシミン)シラン、メチルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン、ビニルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン、テトラ(メチルエチルケトキシミン)シラン、ジイソプロペノキシジメチルシラン、トリイソプロペノキシメチルシラン、およびトリアリルオキシシランが挙げられるが、これらに限定されない。アセトキシシランおよびケトキシミンシランが特に有用である。
組成物II中に存在するシロキサン架橋剤の量は、全組成物固形分を基準して、一般的に、少なくとも1.5%かつ20%以下、典型的には3%〜10%である、組成物II中のシロキサン架橋剤とポリジメチルシロキサンの比は、架橋剤の官能基「X」とポリジメチルシロキサン中のヒドロキシ基のモル比が一般的に1.5〜10.0となる比である。
組成物IIの成分(c)としての任意選択的に触媒としては、酸、例えば、有機カルボン酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、およびマレイン酸、トルエンスルホン酸、ホウ酸、および当業者が容易に判る他のもの、アルカリ、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウム、アミン、金属アルコキシド、例えばチタンテトラプロポキシドおよびチタンテトラブトキシド、並びに金属の有機酸塩、例えば錫、鉛、亜鉛、鉄、コバルト、カルシウムおよびマンガンの酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。具体的な有用な触媒は、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸亜鉛、およびオクチル酸鉄が挙げられるが、これらに限定されない。触媒は、全固形分を基準にして0.01%〜20%、典型的には0.1%〜10%の量で組成物II中に存在しうる。
組成物II中に存在しうる接着促進剤としては、同様な量で、組成物Iについて上記したものが挙げられるが、これらに限定されない。さらに、シリカなどの充填剤が組成物II中に存在してもよい。
架橋シリコーンゴム層は、0.5〜5g/m2、典型的には1〜4g/m2の乾燥被覆量に概して対応する0.5〜3.5μmの乾燥厚さを有し、望ましい撥インク性、耐擦過傷性および印刷耐久性を提供する。
画像形成性要素の製造
画像形成性要素は、基材(および任意のプライマー層)の表面の上に非シリコーンの架橋されていない層配合物を逐次適用し、次いで、非シリコーン層上にシリコーンゴム組成物を適用することにより製造することができる。
例えば、好適なコーティング用溶媒またはそれらの混合物中に所望の成分を分散または溶解させることにより非シリコーンの架橋されていない層を適用できる。得られた配合物は、好適な装置および方法、例えばスピンコーティング、ナイフコーティング、グラビアコーティング、ダイコーティング、スロットコーティング、バーコーティング、ワイヤロッドコーティング、ローラーコーティング、または押出ホッパーコーティングを用いて、基材に適用される。配合物は、好適な支持体(例えば印刷機上印刷シリンダー)上に吹き付けることによっても適用できる。
非シリコーン層をコートするために使用される溶媒の選択は、配合物中に存在する第1のポリマーバインダー、他のポリマー材料および他の成分の性質に依存する。一般的に、非シリコーンの架橋されていない層配合物は、メチルエチルケトン(MEK)、1−メトキシ−2−プロピルアセテート(PMA)、γ−ブチロラクトン(BLO)及び水の混合物、MEK、BLO、水及び1−メトキシプロパン−2−オール(Dowanol(登録商標)PM又はPGMEとしても知られている)の混合物、ジエチルケトン(DEK)、水、乳酸メチル及びBLOの混合物、DEK、水及び乳酸メチルの混合物、又は乳酸メチル、メタノール及びジオキソランの混合物からコートされる。
代わりに、非シリコーンの架橋されていない層を、層組成物の溶融混合物から押出コーティング法により適用することができる。典型的には、かかる溶融混合物は揮発性有機溶剤を含まない。
様々な層配合物の適用の間に、他の層配合物のコーティング前に溶媒を除去するために、中間乾燥工程を使用してもよい。乾燥工程は、様々な層の混合を防止することを助けることもできる。
架橋シリコーンゴム層組成物IまたはIIは、非シリコーンの架橋されていない層上に任意の適切な方式(例えばラミネーション)で適用でき、硬化または架橋させるために50〜200℃で4分間以内で熱処理することができる。
架橋シリコーンゴム層の上に保護層を配置することができる。かかる保護層は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニルコポリマー鹸化物、またはポリ塩化ビニリデンフィルムが挙げられる。保護層またはフィルムは、既知の方法を使用して形成するか、またはシリコーンゴム層に積層することができる。層は、乾燥厚さで10〜100μmであることができる。保護層は、一般的に、画像形成前または後で、現像および印刷前に、剥がされるか、あるいは除去される。
画像形成および現像
画像形成性要素は、例えば印刷版前駆体、印刷シリンダー、印刷スリーブ(中実または中空コア)、および印刷テープ(可撓性印刷ウェブなど)などのいかなる有用な形態をも有することができる。例えば、画像形成性部材は、平版印刷版を提供するための平版印刷版前駆体であることができる。
印刷版前駆体は、好適な基材上に配置された所要の非シリコーンの架橋されていない層および架橋シリコーンゴム層を有する、任意の有用なサイズおよび形状(例えば正方形または長方形)から成ることができる。印刷シリンダーおよびスリーブは、円筒形態の基材と画像形成層とを有する回転印刷部材として知られる。印刷スリーブのための基材として、中空または中実の金属コアを使用することができる。
使用中、画像形成性要素は、輻射線感受性組成物中に存在する輻射線吸収性化合物に応じて、波長700〜1500nm、典型的には700〜1200nmの赤外線の好適な供給源に暴露される。画像形成性要素を露光するために使用されるレーザーは、ダイオードレーザーシステムの信頼性およびメンテナンスの手間の少なさにより、ダイオードレーザーであることが可能であるが、他のレーザー、例えば気体または固体レーザーも使用できる。レーザー画像形成のための出力、強度、および露光時間の組み合わせは、当業者は容易に判るであろう。目下のところ、商業的に入手可能なイメージセッターにおいて使用される高性能レーザーまたはレーザーダイオードは、波長800〜1120nmの赤外線を放射する。
画像形成装置は、プレートセッターとしてだけ機能することができ、あるいは、画像形成装置は、平版印刷機内に直接組み込まれていてもよい。後者の場合、印刷は赤外レーザーにより画像形成し、赤外レーザー画像形成領域における架橋シリコーンゴム層を除去した直後に開始することができ、これにより印刷機設定時間をかなり短縮することができる。画像形成装置は、画像形成性部材をドラムの内側または外側の円筒面に装着した状態で、フラットベッド型記録器として、またはドラム型記録器として構成することができる。有用な画像形成装置の例は、波長830nmの近赤外線を放出するレーザーダイオードを備えるEastman Kodak Company(カナダ国ブリティッシュコロンビア州バーナビー)から入手可能な幾つかのモデルのKodak(登録商標)Trendsetterイメージセッターのモデルとして入手可能である。他の好適な画像形成供給源としては、波長1064nmで作動するCrescent 42Tプレートセッター(イリノイ州シカゴ所在のGerber Scientificから入手可能)、およびScreen PlateRite 4300シリーズまたは8600シリーズのプレートセッター(イリノイ州シカゴ所在のScreenから入手可能)が挙げられる。さらなる有用な輻射線源としては、要素が印刷版シリンダーに取り付けられている間に要素に画像を形成するために使用することができるダイレクト画像形成印刷機が挙げられる。好適なダイレクト画像形成印刷機の例としては、Heidelberg SM74−DIおよびQMDIプレス(オハイオ州デイトン所在のHeidelbergから入手可能)が挙げられる。
画像形成スピードは、75〜300mJ/cm2以下、典型的には110〜170mJ/cm2の範囲内であることができる。
本発明の実施にレーザー画像形成が有用であるが、像様に熱エネルギーを与える任意の他の手段によっても画像形成をもたらすことができる。例えば、画像形成は、例えば米国特許第5,488,025号(Martin他)に記載されているような「サーマルプリント」として知られている方式で、およびサーマルファックス機および昇華プリンターで使用されている方式で、熱抵抗ヘッド(サーマルプリントヘッド)を使用して達成できる。サーマルプリントヘッドは市販されている(例えば、FujitsuサーマルヘッドFTP−040 MCS001及びTDKサーマルヘッドF415 HH7−1089として)。
画像形成のために、一般的に、ダイレクトデジタル画像形成が使用される。画像信号は、コンピューターにビットマップデータファイルとして記憶される。かかるファイルを生成させるために、ラスタ画像プロセッサー(RIP)または他の適切な手段を使用できる。ビットマップは、スクリーン周波数及び角度に加えて色の色相を規定するように構成される。
画像形成性要素の画像形成によって、画像形成(露光)領域及び非画像形成(非露光)領域の潜像を含む画像形成された要素が生じる。この画像形成された要素を、水または適切な水溶液(下記)で現像すると、主に、露光領域における架橋シリコーンゴム層と非シリコーンの架橋されていない層の上側部分だけが除去される。露光(または画像形成)領域はインク受容性であり、架橋シリコーンゴム層の非露光(または非画像形成)領域はインクをはじく。現像は、同じまたは異なる水溶液を使用して1段階または2段階で行うことができ、いずれの段階も以下に記載するような機械的除去手段の使用を伴ってもよい。
本発明の実施の際に、画像形成は、赤外線を使用して行われ、その後、画像形成された領域を除去するために、例えば、水、または界面活性剤(または8質量%未満の有機溶剤を含む)から実質的になる水溶液を使用して、任意選択的に機械的除去手段を使用して現像が行われる。画像形成は、非シリコーンの架橋されていない層の上に重なる架橋シリコーンゴム層とともに除去されうる非シリコーンの架橋されていない層の上側部分における変形を促進する。画像形成領域における非シリコーンの架橋されていない層の残留物は、印刷版上に残って印刷中にインクを受容するのに対し、架橋シリコーンゴム層の非画像形成領域はインクをはじく。インクを受容または撥くように基材を処理する必要はないが、画像形成および現像後に残る非シリコーンの架橋されていない層の残留物への付着を促進する適切な様式(上記)で基材を処理することができる。
さらに別の実施態様において、画像形成は、赤外線を使用して実施でき、架橋シリコーンゴム層の画像形成領域および非シリコーンの架橋されていない層の上側部分は、真空を用いてまたは用いずに、機械的除去手段、例えばブラシなどによって除去される。現像液が使用されず、そして上記の実施態様におけるように、非シリコーンの架橋されていない層の残留物が残って印刷中にインクを受容する。
画像形成された材料を現像中に除去するための機械的手段としては、様々なワイピング手段(例えばラグ、スポンジまたは布)またはソフトブラシが挙げられる。
1種または2種以上の界面活性剤から実質的になる水溶液が現像に使用される場合、それらは一般的に6超12以下のpHを有する。界面活性剤はアニオン性のものであることができ、かかる界面活性剤としては、カルボン酸、スルホン酸またはホスホン酸基(またはそれらの塩)を有するものが挙げられる。スルホン酸(またはその塩)基を有するアニオン界面活性剤が特に有用である。例えば、アニオン界面活性剤としては、脂肪酸塩、アビエテート、ヒドロキシアルカンスルホネート、アルカンスルホネート、ジアルキルスルホスクシネート、アルキルジフェニルオキシドジスルホネート、直鎖状アルキルベンゼンスルホネート、分枝状アルキルベンゼンスルホネート、アルキルナフタレンスルホネート、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホネート、ポリオキシエチレンアルキルスルホノフェニルエーテルの塩、ナトリウムN−メチル−N−オレイルタウレート、モノアミドジナトリウムN−アルキルスルホスクシネート、石油スルホネート、硫酸化ひまし油、硫酸化タロー油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステルの塩、アルキル硫酸エステルの塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル、脂肪族モノグリセリドの硫酸エステルの塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの硫酸エステルの塩、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルの硫酸エステルの塩、アルキルリン酸エステルの塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのリン酸エステルの塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのリン酸エステルの塩、スチレン−無水マレイン酸コポリマーの部分鹸化化合物、オレフィン−無水マレイン酸コポリマーの部分鹸化化合物、およびナフタレンスルホネートホルマリン縮合物が挙げられる。アルキルジフェニルオキシドジスルホネート(例えばナトリウムドデシルフェノキシベンゼンジスルホネート)、アルキル化ナフタレンスルホン酸、スルホン化アルキルジフェニルオキシド、およびメチレンジナフタレンスルホン酸)が一次または第1のアニオン界面活性剤として特に有用である。幾つかの市販の例を下記実施例に記載する。かかる界面活性剤は、McCutcheon’s Emulsifiers & Detergents,2007版に記載されているように様々な供給業者から入手できる。
かかる界面活性剤の具体例としては、ドデシルフェノキシオキシベンゼンジスルホン酸ナトリウム、アルキル化ナフタレンスルホネートのナトリウム塩、メチレン−ジナフタレン−ジスルホン酸二ナトリウム、ドデシル−ベンゼンスルホン酸ナトリウム、スルホン化アルキルジフェニルオキシド、ペルフルオロアルキルスルホン酸アンモニウムまたはカリウム、およびジオクチルスルホコハク酸ナトリウムが挙げられる。
1種または2種以上のアニオン界面活性剤は、一般的に、少なくとも0.1質量%、典型的には0.1〜10質量%または1〜10質量%の量(溶液の質量を基準とする)で存在することができる。
水溶液は、欧州特許第1,751,625号(上記)の[0029]に記載されている非イオン界面活性剤または[0024]に記載されている親水性ポリマーを含んでもよい。特に有用な非イオン界面活性剤としては、Mazol(登録商標)PG031−K(トリグリセロールモノオレエート)、Tween(登録商標)80(ソルビタン誘導体)、Pluronic(登録商標)L62LF(プロピレンオキシドとエチレンオキシドのブロックコポリマー)、およびZonyl(登録商標)FSN(フルオロカーボン)が挙げられる。これらの非イオン界面活性剤は、10質量%以下の量で存在することができるが、通常は2質量%未満である。
現像に使用される水溶液の他の任意成分としては、湿潤剤(例えばグリコールなど)、金属キレート化剤、防腐剤、消泡剤、および上記の粘度上昇剤が挙げられる。かかる成分の量は当該技術分野で知られている。金属イオンキレート化剤が特に有用であり、金属イオンキレート化剤としては、ポリアミノポリカルボン酸、アミノポリカルボン酸、またはそれらの塩[例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTAナトリウム塩)またはそれらの塩、例えばナトリウム塩]、有機ホスホン酸およびそれらの塩、並びにホスホノアルカントリカルボン酸およびそれらの塩が挙げられるが、これらに限定されない。
一般的に、現像液は、ラビング、吹き付け(spraying)、ジェッティング(jetting)、浸漬、コーティング、または水溶液により画像形成された要素をワイピングするか、あるいは水溶液を含むローラー、含浸パッドまたはアプリケーターにより、画像形成された要素に適用することができる。例えば、画像形成された要素に水または水溶液をはけ塗りすることができ、あるいは、画像形成された要素上に水または水溶液を注ぎかけるか、または、例えば欧州特許出願公開第1,788,431 A2号(上記)の[0124]および米国特許第6,992,688号明細書(Shimazuら)に記載されているようなスプレーノズルシステムを使用して露光領域を除去するのに十分な力で露光領域に吹き付けることにより水溶液を適用することができる。画像形成された要素を水または水溶液中に浸漬し、手または機械的除去手段により擦ってもよい。
現像中に水または水溶液を適用しながら画像形成された要素をラビングまたはブラッシングするための少なくとも1つのローラーを有するユニットまたはステーションにおいて、水または水溶液を適用することができる。現像液をタンク内に集めて数回使用でき、必要に応じて水溶液のリザーバから補充することができる。補充液は、現像で使用した溶液と同じ濃度を有するものであっても、あるいは、濃縮形態で供給され、適切な倍率で水により希釈されてもよい。
現像後、画像形成された要素を適切な方式で乾燥させることができる。
画像形成および現像は、印刷機上で実施でき、画像形成され現像された要素を、印刷機上で平版印刷インクだけ(ファウンテン溶液なし)と接触させることによって、当該要素を印刷のために使用できる。
水なし印刷(ファウンテン溶液なし)のために設計された特別な平版印刷インクを、印刷のために、画像形成された要素の印刷面に適用することができる。架橋シリコーンゴム層の非露光領域がインクをはじき、画像形成および現像プロセスにより露出した非シリコーンの架橋されていない層残留物の露光領域がインクを受容する。次に、インクは、適切な受容材料(例えば、布、紙、金属、ガラス、またはプラスチック)に転写され、その上に画像の所望の刷りを提供する。必要に応じて、画像形成された部材から受容材料へインクを転写するために、中間「ブランケット」ローラーを使用できる。長い印刷稼働中に、画像形成された部材を、コンベンショナルなクリーニング手段および化学薬品を使用してクリーニングすることができる。
材料および方法:
Byk(登録商標)307は、20質量%メトキシプロパン−2−オール(Dowanol(登録商標)PMとして入手可能)の20質量%溶液の形態にある、BYK Chemie(コネチカット州ウォリングフォード所在)から入手可能なポリエトキシル化ジメチルポリシロキサンコポリマーである。
BLOはγ−ブチロラクトンを表す。
コポリマーAは、コンベンショナルな条件および方法を使用してN−フェニルマレイミド、メタクリルアミドおよびメタクリル酸(41.5:37.5:21モル%)から誘導された反復単位を有するコポリマーを表し、96.5の酸価を有していた。
コポリマーBは、N−フェニルマレイミド、メタクリルアミドおよびアクリロニトリルから誘導された反復単位と以下の反復単位:
Figure 2011523096
を質量比5:10:45:40の質量比で有するコポリマーを表す。
D11染料は、下記構造:
Figure 2011523096
を有する、PCAS(フランス国ロンジュモー)から供給されたエタナミニウムN−[4−[[4−(ジエチルアミノ)フェニル][4−(エチルアミノ)−1−ナフタレニル]メチレン]−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリデン]−N−エチル塩と5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシベンゼンスルホン酸(1:1)である。
Evonic Dynasylan 1204は、無機材料(例えば金属)と有機ポリマーの間で接着促進剤として機能するアミノ官能シラン組成物であり、Degussa(ドイツ国)から入手した。
IR染料A(Trump染料)は、ニューヨーク州ロチェスター所在のEastman Kodakにより供給された赤外線吸収性染料であり、下記構造:
Figure 2011523096
を有する。
MEKはメチルエチルケトンを表す。
PGMEは1−メトキシプロパン−2−オール(またはDowanol(登録商標)PM)を表す。
レゾールBPA−1100(以前はGP 649D99)は、Georgia Pacific(ジョージア州アトランタ)から入手した固形分24%のPGME中ビスフェノールAレゾールの溶液である。
基材Aは、電気砂目立てされ、陽極酸化され、ポリ(ビニルホスホン酸)により処理された0.3mmゲージのアルミニウムシートである。
Wacker Dehesive(登録商標)シリコーン、Wacker V24架橋剤およびWacker Catalyst OL触媒は全てWacker Chemie AG(ドイツ国)から入手した。
非シリコーンの架橋されていない層配合物Y:
Figure 2011523096
シリコーンゴム層配合物Z:
Figure 2011523096
発明例1:
基材Aに非シリコーンの架橋されていない層配合物Yを適用し135℃で45秒間乾燥させることにより乾燥コーティング量を約1.40g/cm2として、2層平版印刷版前駆体を作製した。
次に、この乾燥した層にシリコーンゴム層配合物Zを適用し、140℃で4分間硬化後に乾燥シリコーンゴムの厚さは1.9μmであった。
得られた非アブレーション画像形成性要素の試料を、110mJ/cm2から250mJ/cm2まで20mJ/cm2間隔で様々な画像形成エネルギーでKodak(登録商標)Trendsetter SPECTRUM 800を使用して画像形成した。イメージングファイルは、0〜100%の段彩と1〜4画素幅の線とを含んでいた。次に、非画像形成された要素を水でワイピングして露光領域におけるシリコーンゴム層と非シリコーン層の上側部分を除去することによって、当該要素を現像し、得られた印刷版に次にインク付けし、印刷のために使用した。印刷物から、上記要素を画像形成するには110mJ/cm2は十分なエネルギーでなく、130mJ/cm2であることが判った。全ての段彩をそのエネルギーで印刷した(2〜100%、200lpi)。70,000刷り後に印刷作業を停止した。
本発明の画像形成性要素のロバスト性を実証するために、本発明の画像形成され現像された印刷版を印刷機に取り付け数枚のコピーを印刷した。次に、印刷版を印刷機上でブチルセルソルブ(BC)/水(質量比20:80)により洗浄し、さらに数枚のコピーを印刷した。次に、印刷版をBC/水(質量比40:60)の溶液により再度洗浄し、さらにコピーを印刷した。この最後のステップを3回繰り返した。各回で水中のBCの濃度をより高くし、最後のリンスではBCが100%であった。各回で数枚のコピーを印刷した。全ての段階で、溶剤は印刷されたコピーに悪影響を及ぼさなかった。これは、本発明の印刷版の耐薬品性を実証している。
発明例2および3:
発明例1に記載した画像形成性要素を、130mJ/cm2で、発明例1に記載したように、ただし、例2の場合にはTween(登録商標)80非イオン界面活性剤(1質量%)の水溶液を使用し、例3の場合にはZonyl(登録商標)FTS非イオン界面活性剤(1質量%)の水溶液を使用して、画像形成した。両方の場合に、適切な画像が得られ、得られた画像を次に許容可能な水なし印刷のために使用した(1〜100段彩、200lpi)。70,000刷り後に印刷作業を停止した。
発明例4:
発明例1に記載した画像形成性要素と同様であるが架橋シリコーンゴム層を含まない画像形成性要素を5つの片(それぞれ10×10cm)に切断し、計量した。次に、それぞれをディベロッパー956(Eastman Kodak Company)に浸漬しラビングすることにより、それぞれから非シリコーンの架橋されていない層を除去した。次に、各片に由来する残ったアルミニウム基材を計量して、上記現像液中で除去された非シリコーンの架橋されていない層の量を計算した。
本発明に従って画像形成され処理された同じ要素の2組の5つの試料について同じプロセスを実施した。下記表中の要素Aおよび要素Bは、これらの2つの組みを表す。現像液中で非シリコーンの架橋されていない層を除去し、残りのアルミニウム基材を計量した。次に、画像形成されていない要素から除去された非シリコーンの架橋されていない層を、画像形成された要素から除去されたものと比較した。除去された層組成物の差は、データの下記の表に示されているように0%から3.6%まで変化した。
Figure 2011523096
画像形成された要素と画像形成されなかった要素に両方から同じ量の層組成物を現像液が除去したことから、本発明に従う画像形成が非シリコーンの架橋されていない層をアブレートしないことがこの表から判る。
発明例5および比較例1:
2種類の画像形成性要素を形成した:
発明例5の場合に、本発明に従って、架橋されていないポリマー層の上に架橋シリコーンゴム層を配置した。比較例1は、アブレート可能な架橋ニトロセルロースカーボンブラック層の上に配置された同じ架橋シリコーンゴム層を含んでいた。両方の要素を、100%べた画像を形成した後に評価した。
下側の層(IR感受性層):
アブレート可能な架橋層(比較):
ニトロセルロース(2.64g、イソプロパノール中70%)およびCymel 1170(1.2g、Cytec)を酢酸ブチル(44.17g)およびn−ブタノール(6.06g)中に溶解した。この混合物にキャボット・カーボンブラックmogul L(3.39g)を加え、24時間ミリングした。次に、Cycat 600(0.212g、Cytec)、フタル酸ジアリル(0.134g)、酢酸ブチル(9.3g)、シクロヘキサノン(2.8g)、イソプロパノール(2.8g)および酢酸t−ブチル(31.6g)を加えた。次に、アルミニウム上にラミネートしたポリ(エチレンテレフタレート)からなる基材の試料の上に配合物をコーティングし、オーブン内で140℃で4分間硬化させた。コーティングの乾燥被覆量は0.5g/m2であった。
架橋されていないポリマー層(発明の層):
コポリマーA(2.06g)、IR染料A(0.38g)、染料D11(0.038g)およびByk(登録商標)307(0.028g)を、MEK:PM:BLO:水(質量比35/45/10/10)を含む溶媒混合物37.5g中で混合した。配合物を次に基材Aの試料の上にコーティングし、135℃で45秒間乾燥させ、乾燥コーティング量を約1.4g/m2とした。
架橋シリコーンゴム層配合物(発明例5および比較例1の両方で使用した):
Wacker Dehesive(登録商標)944を、トルエン(33.38g)とヘプタン(48.23g)の混合物中に溶解させた。架橋剤V24(0.176g)、Catalyst OL(0.293g)およびDynasylan 1204(0.293g)を混合物に加えた。この配合物を次に上記の乾燥させた下層上にコーティングし、140℃で4分間硬化させて1.9g/m2の乾燥コーティング被覆量とした。
得られた画像形成性要素の両方を、Kodak(登録商標)Trendsetter SPECTRUM 800 CTPプレートセッターを使用して100%画像で露光した。
発明例5の複数の試料を、150,200および250mJ/cmのエネルギーで別々に露光した。比較例1の複数の試料を、200および250mJ/cm2だけで同様に露光した。なぜなら、150mJ/cm2は画像を生成させるのに不十分なエネルギーであったためである。全ての露光された要素を次にブラシでラビングし、画像形成中に形成されたデブリの性状を求めた。
発明例5の試料に由来するデブリと比較例5の試料に由来するデブリとの間に明らかな違いが観察された。架橋されていないポリマー層を有する発明例5の場合、画像形成されたシリコーンデブリが脆く、除去されたデブリは粘着し合わなかった。比較例1の場合、画像形成された領域はアブレートされたように見え、シリコーンデブリは、大きなゴム状片がそのまま残るというような程度のゴム状であった。
従って、架橋シリコーンゴム層は、どのような下層を使用したかに依存して異なる挙動を示したことが明らかである。
2種の画像形成性要素についてのこの比較から、除去されたシリコーンゴムデブリが粘着し合わない高い画像形成スピードおよび広い露光範囲に対しては、特定の下層(架橋されていないポリマー層)が重要であることが判る。

Claims (20)

  1. 水なし印刷に有用な、非アブレーション方法により画像形成可能な画像形成性要素であって、基材を含み、当該基材上に順に下記の隣接する必須の層:
    第1のポリマーバインダーと赤外線吸収性化合物とを含む非シリコーンの架橋されていない層、および
    前記非シリコーンの架橋されていない層の上に直接配置された架橋シリコーンゴム層、
    を有し、前記非シリコーンの架橋されていない層が、基材上に乾燥した前記非シリコーンの架橋されていない層のみを有するものを、室温の2−ブトキシエタノール:水80:20質量比溶液中に5分間浸すことにより検証した場合の乾燥コーティング質量の減少量が35%未満であるという耐薬品性を有する、画像形成性要素。
  2. 前記架橋シリコーンゴム層が、下記のとおり定義される組成物Iまたは組成物IIから誘導される、請求項1に記載の要素:
    組成物Iは、
    (a)主にジメチルシロキサン単位と下記構造(PSR):
    Figure 2011523096
    (式中、R1およびR2は、少なくとも1つがアルケニル基である限り、独立にアルキル、アリールおよびアルケニル基である)
    により表されるシロキサン単位とを有するポリシロキサン材料、
    (b)SiH基を有するシラン架橋剤、
    (c)白金触媒、および
    (d)任意選択的に、安定化剤、もしくは接着促進剤、またはこれらの両方、
    を含み、
    組成物IIは、
    (a)SiOH、SiOR3、もしくはSiOCOR4末端基、またはこれらの任意の組み合わせ(R3およびR4は独立に置換または非置換のアルキル、アリールまたはアルケニル基である)を有するポリジメチルシロキサン、
    (b)前記SiOH、SiOR3またはSiOCOR4基(R3およびR4は上記定義のとおり)のうちの少なくとも2つを有するシロキサン架橋剤、
    (c)任意選択的に、触媒、接着促進剤、またはこれらの両方、
    を含む。
  3. 前記第1のポリマーバインダーが、少なくとも部分的に、(メタ)アクリロニトリルおよびN−置換環状イミドと、任意選択的に、さらに、(メタ)アクリルアミドから誘導される、請求項1に記載の要素。
  4. 前記架橋シリコーンゴム層が0.5〜3.5μmの厚さを有する、請求項1に記載の要素。
  5. 前記赤外線吸収性化合物がIR吸収性染料であり、当該IR吸収性染料が少なくとも8質量%の量で前記非シリコーンの架橋されていない層中にだけ存在する、請求項1に記載の要素。
  6. アルミニウム含有基材を有する平版印刷版前駆体である、請求項1に記載の要素。
  7. 前記第1のポリマーバインダーが少なくとも60質量%の量で存在し、前記非シリコーンの架橋されていない層が0.7〜3g/m2の乾燥被覆量を有する、請求項1に記載の要素。
  8. 前記非シリコーンの架橋されていない層が、当該非シリコーンの架橋されていない層と前記架橋シリコーン層との間の接着を促進する接着促進化合物を含み、当該接着促進化合物が、1または2個以上のビニル、SiH、SiOH、SiOR3、SiOCOR4またはエポキシ基(R3およびR4は独立に置換または非置換のアルキルまたはアリール基である)を含む、請求項1に記載の要素。
  9. 水なし印刷に適する、画像形成された要素を製造するための方法であって、アブレーションなしに、
    A)非アブレーション方法を使用して画像形成可能であり、かつ、水なし印刷に有用である画像形成性要素を、赤外線を使用して像様露光して、前記画像形成性要素中に露光領域および非露光領域をもたらす工程、ここで、当該非アブレートション型画像形成性要素は基材を含み、当該基材上に順に下記の隣接する必須の層:
    第1のポリマーバインダーと赤外線吸収性化合物とを含む非シリコーンの架橋されていない層、および
    前記非シリコーンの架橋されていない層の上に直接配置された架橋シリコーンゴム層、
    を有する、
    B)主に前記露光領域内だけの前記架橋シリコーンゴム層と前記非シリコーンの架橋されていない層の10%未満の上側部分を、たんに、
    a)前記像様露光された画像形成性要素を水または8質量%未満の有機溶剤を含む水溶液に接触させること、
    b)前記像様露光された画像形成性要素に機械的除去手段を適用すること、または
    c)前記像様露光された画像形成性要素に水または8質量%未満の有機溶剤を含む水溶液を接触させて、機械的除去手段を適用すること、
    によって除去して、画像形成された要素をもたらす工程、
    を含む方法。
  10. 前記像様露光が70〜300mJ/cm2で実施される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記架橋シリコーンゴム層が0.5〜3.5μmの厚さを有し、かつ、以下のとおり定義される組成物Iまたは組成物IIから誘導される、請求項10に記載の方法:
    組成物Iは、
    (a)主にジメチルシロキサン単位と下記構造(PSR):
    Figure 2011523096
    (式中、R1およびR2は、少なくとも1つがアルケニル基である限り、独立にアルキル、アリールおよびアルケニル基である)
    により表されるシロキサン単位とを有するポリシロキサン材料、
    (b)SiH基を有するシラン架橋剤、
    (c)白金触媒、および
    (d)任意選択的に、安定化剤、もしくは接着促進剤、またはこれらの両方、
    を含み、
    組成物IIは、
    (a)SiOH、SiOR3、もしくはSiOCOR4末端基、またはこれらの任意の組み合わせ(R3およびR4は独立に置換または非置換のアルキル、アリールまたはアルケニル基である)を有するポリジメチルシロキサン、
    (b)前記SiOH、SiOR3またはSiOCOR4基(R3およびR4は上記定義のとおり)のうちの少なくとも2つを有するシロキサン架橋剤、
    (c)任意選択的に、触媒、接着促進剤、またはこれらの両方、
    を含み、前記赤外線吸収性化合物がIR吸収性染料であり、当該IR吸収性染料が少なくとも8質量%の量で前記非シリコーンの架橋されていない層中にだけ存在する、請求項10に記載の方法。
  12. 前記非シリコーンの架橋されていない層が、基材上に乾燥した前記非シリコーンの架橋されていない層のみを有するものを、室温の2−ブトキシエタノール:水80:20質量比溶液中に5分間浸すことにより検証した場合の乾燥コーティング質量の減少量が35%未満であるという耐薬品性を有する、請求項9に記載の方法。
  13. 工程Bが、水または界面活性剤から実質的になる前記水溶液と除去手段との組み合わせを使用して実施される、請求項9に記載の方法。
  14. 前記第1のポリマーバインダーが、少なくとも部分的に、(メタ)アクリロニトリルおよびN−置換環状イミドと、任意選択的に、さらに、(メタ)アクリルアミドから誘導される、請求項9に記載の方法。
  15. 水なし印刷により印刷画像を作製する方法であって、アブレーションなしに、
    A)非アブレーション方法を使用して画像形成可能であり、かつ、水なし印刷に有用である画像形成性要素を、赤外線を使用して像様露光して、前記画像形成性要素中に露光領域および非露光領域をもたらす工程、ここで、前記画像形成性要素は基材を含み、当該基材上に順に下記の隣接する必須の層:
    第1のポリマーバインダーと赤外線吸収性化合物とを含む非シリコーンの架橋されていない層、および
    前記非シリコーンの架橋されていない層の上に直接配置された架橋シリコーンゴム層、
    を有する、
    B)主に前記露光領域内だけの前記架橋シリコーンゴム層と前記非シリコーンの架橋されていない層の10%未満の上側部分を除去する工程、
    C)前記画像形成された要素を印刷機上で平版印刷インクだけと接触させる工程、
    を含む、印刷画像を作製する方法。
  16. 前記架橋シリコーンゴム層が0.5〜3.5μmの厚さを有し、かつ、以下のとおり定義される組成物Iまたは組成物IIから誘導される、請求項15に記載の方法:
    組成物Iは、
    (a)主にジメチルシロキサン単位と下記構造(PSR):
    Figure 2011523096
    (式中、R1およびR2は、少なくとも1つがアルケニル基である限り、独立にアルキル、アリールおよびアルケニル基である)
    により表されるシロキサン単位とを有するポリシロキサン材料、
    (b)SiH基を有するシラン架橋剤、
    (c)白金触媒、および
    (d)任意選択的に、安定化剤、もしくは接着促進剤、またはこれらの両方、
    を含み、
    組成物IIは、
    (a)SiOH、SiOR3、もしくはSiOCOR4末端基、またはこれらの任意の組み合わせ(R3およびR4は独立に置換または非置換のアルキル、アリールまたはアルケニル基である)を有するポリジメチルシロキサン、
    (b)前記SiOH、SiOR3またはSiOCOR4基(R3およびR4は上記定義のとおり)のうちの少なくとも2つを有するシロキサン架橋剤、
    を含み、前記非シリコーンの架橋されていない層が、基材上に乾燥した前記非シリコーンの架橋されていない層のみを有するものを、室温の2−ブトキシエタノール:水80:20質量比溶液中に5分間浸すことにより検証した場合の乾燥コーティング質量の減少量が35%未満であるという耐薬品性を有する、請求項15に記載の方法。
  17. 工程Bが、
    a)前記像様露光された画像形成性要素を水または8質量%未満の有機溶剤を含む水溶液に接触させること、
    b)前記像様露光された画像形成性要素に機械的除去手段を適用すること、または
    c)前記像様露光された画像形成性要素に水または8質量%未満の有機溶剤を含む水溶液を接触させて、機械的除去手段を適用すること、
    によって実施される、請求項15に記載の方法。
  18. 前記非シリコーンの架橋されていない層が、基材上に乾燥した前記非シリコーンの架橋されていない層のみを有するものを、室温の2−ブトキシエタノール:水80:20質量比溶液中に5分間浸すことにより検証した場合の乾燥コーティング質量の減少量が35%未満であるという耐薬品性を有する、請求項15に記載の方法。
  19. 前記第1のポリマーバインダーが、少なくとも部分的に、(メタ)アクリロニトリルおよびN−置換環状イミドと、任意選択的に、さらに、(メタ)アクリルアミドから誘導される、請求項15に記載の方法。
  20. 前記架橋シリコーンゴム層が、像様露光工程Aの間に主に前記露光領域中にだけ存在する非シリコーンの架橋されていない層から離層される、請求項15に記載の方法。
JP2011512457A 2008-06-05 2009-05-28 水なし印刷版を改良するための画像形成性要素 Withdrawn JP2011523096A (ja)

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