JP2011522858A - フェノールのヒドロキシル化法 - Google Patents

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Abstract

本発明の主題は、過酸化水素によってフェノールをヒドロキシル化する方法である。触媒の存在下、フェノールを過酸化水素と反応させることにより、ピロカテコール/ヒドロキノン比1.7から2.3でピロカテコールおよびヒドロキノンを得るためにフェノールをヒドロキシル化する本発明の方法は、反応が、有効量のヒドロキシ芳香族スルホン酸の存在下で行われることを特徴とする。

Description

本発明の主題は、過酸化水素を用いてフェノールをヒドロキシル化する方法である。
主としてピロカテコールを生じる、ヒドロキノン(HQ)およびピロカテコール(PC)を得るためにフェノールをヒドロキシル化する方法が現在探究されている。
市場の需要を満たすために、ヒドロキノンの量に対して形成されるピロカテコールの生成量を増大することを可能にする工業的方法を利用できるようにすることが重要であるのがわかる。
フェノールをヒドロキシル化するための数多くの方法が、従来技術に記載されている。
特に、フェノールおよびフェノールエーテルをヒドロキシル化するための非常に重要な工業的方法に関する特許FR−A2071464を挙げることができ、この方法はフェノールに適用されたとき、特にヒドロキノンおよびピロカテコールを得ることを可能にする。
前記方法は、強酸の存在下、過酸化水素を用いてヒドロキシル化を行うことにある。これらの強酸のなかで、硫酸、p−トルエンスルホン酸、および過塩素酸がもっとも一般的に用いられる。
この方法は非常に有利であるが、低温では、用いられる過酸化水素の重量の20%までの相当量の触媒の使用を必要とする欠点を示す。量が少ない場合、より長い反応時間、例えば10時間が必要とされる。
さらに、FR−A2266683は、ケトンの存在下、フェノールのヒドロキシル化を行うことにある方法を記載している。この方法により、ヒドロキノンおよびピロカテコールを得る反応の収率が向上する。記載されているすべての実施例は、ヒドロキノンより多量のピロカテコールを生じ、PC/HQ比は1.19から1.73の間しか変動しない。
他方、EP−A0480800は、芳香族型のケトンを用いることによって、ピロカテコールの量に対して形成されるヒドロキノンの量を増大することを可能にする方法を提供している。
EP−A0480800に記載の方法によれば、フェノールのヒドロキシル化中、この種のケトンの存在は反応の位置選択性に作用し、有利には、PC/HQ比0.9から1.1が得られる。
仏国特許出願公開第2071464号明細書 仏国特許出願公開第2266683号明細書 欧州特許出願公開第0480800号明細書
本発明の目的の1つは、ヒドロキノンの量より多量のピロカテコールを得ることを可能にする、フェノールをヒドロキシル化する方法を提供することである。
本発明の他の目的は、ピロカテコール/ヒドロキノン比1.7から2.3(極限値を含む。)、好ましくは1.9から2.2を得ることを可能にする、フェノールをヒドロキシル化する方法を提供することである。
本発明の他の目的は、ジフェノールの高い収率を維持しながら、より多くのピロカテコールを得ることを可能にする、フェノールをヒドロキシル化する方法を提供することである。
より詳細には、本発明の主題は、触媒の存在下、フェノールを過酸化水素と反応させることにより、ピロカテコール/ヒドロキノン比1.7から2.3でピロカテコールおよびヒドロキノンを得るためにフェノールをヒドロキシル化する方法であって、反応は、有効量の下式に相当するヒドロキシ芳香族スルホン酸の存在下で行われ、
Figure 2011522858
前記式において、
Aは、ベンゼンまたはナフタレン環を表わし、前記環は、同一であるかまたは異なる1つ以上の置換基Rを有することが可能であり、
Mは、水素原子、および/または周期表Ia族の金属元素の陽イオン、もしくはアンモニウム陽イオンを表わし、
xは、1、2、または3、好ましくは1または2に等しく、
yは、1または2に等しく、
zは、0から4、好ましくは0、1、または2の数値であることを特徴とする方法である。
本発明の好ましい実施形態は、触媒の存在下、フェノールを過酸化水素と反応させることにより、ピロカテコールおよびヒドロキノンを得るためにフェノールをヒドロキシル化する方法であって、反応は、有効量の下式に相当するヒドロキシ芳香族スルホン酸の存在下で行われ、
Figure 2011522858
前記式において、
Aは、ベンゼンまたはナフタレン環を表わし、前記環は、同一であるかまたは異なる1つ以上の置換基Rを有することが可能であり、
Mは、水素原子、および/または周期表Ia族の金属元素の陽イオン、もしくはアンモニウム陽イオンを表わし、
xは、1、2、または3、好ましくは1または2に等しく、
yは、1または2に等しく、
zは、0から4、好ましくは0、1、または2の数値であり、
過酸化水素/フェノールのモル比によって表わされる過酸化水素の量が、0.1未満、好ましくは0.01から0.09であることを特徴とする方法である。
意外なことに、過酸化水素によるフェノールのヒドロキシル化中、式(I)に相当するヒドロキシ芳香族スルホン酸の使用は、ピロカテコールの形成に対する選択性に影響を及ぼし、この化合物の生成量がヒドロキノンに対して増大することが見出された。
驚いたことに、式(I)に相当するヒドロキシ芳香族スルホン酸の使用は、良好な反応収率を維持しながら、導入される過酸化水素の量の低減を可能にすることが見出された。
本発明の説明において、語句「ヒドロキシ芳香族スルホン酸」は、平易にするために、塩(H以外のM)も意味する。
一般式(I)に相当するヒドロキシ芳香族スルホン酸が本発明の方法に関与し、式中、ベンゼンまたはナフタレン環を表わす残基Aは、芳香族環系に1つ以上の置換基を有することができる。
置換基Rの例を以下に示すが、このリストは限定的な性質を示すものではない。所望の生成物を妨げないかぎり、環には任意の置換基が存在できる。
Rは、特にアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、もしくはアラルキル基、アミノもしくは置換アミノ基、ニトロ基、ニトリル基、カルボキサミド基、カルボキシル基、またはエステル基、好ましくはアルキルまたはアリールエステル基を表わす。
式(I)において、Mは、水素原子、および/または周期表Ia族の金属元素、即ちリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、およびセシウムの陽イオン、もしくはアンモニウム陽イオンを表わす。
本明細書において、Bulletin de la Societe Chimique de France、No.1(1966)に公表された元素周期表が参照される。
Mは、好ましくは、水素原子、ナトリウム、またはカリウムである。
式(I)のヒドロキシ芳香族スルホン酸のなかで、特に好ましいのは、下式に相当するものであり、
Figure 2011522858
前記式において、
xは、1、2、または3、好ましくは1または2に等しく、
yは、1または2に等しく、
zは、0から4、好ましくは0、1、または2に等しい数値であり、
Mは、水素原子、ナトリウム、またはカリウムを表わし、
Rは、1から4個の炭素原子を有するアルキルもしくはアルコキシ基、またはカルボキシル基を表わす。
より詳細には、本発明の方法に適した酸のなかで、ヒドロキシベンゼンスルホン酸、スルホン化ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシベンゼンジスルホン酸、ジヒドロキシベンゼンジスルホン酸、ヒドロキシトルエンスルホン酸、ヒドロキシナフタレンスルホン酸、およびヒドロキシナフタレンジスルホン酸、ならびにこれらの混合物を挙げることができる。
ヒドロキシベンゼンスルホン酸のなかで、好ましくは、4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、2−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、5−スルホサリチル酸、またはこれらの混合物が用いられる。フェノールのスルホン化から得られるヒドロキシ芳香族酸も用いることができる。
用いられるジヒドロキシベンゼンスルホン酸の好ましい例として、ヒドロキノン(1,4−ジヒドロキシベンゼン)、ピロカテコール(1,2−ジヒドロキシベンゼン)、およびレゾルシノール(1,3−ジヒドロキシベンゼン)のスルホン化から得られるヒドロキシ芳香族スルホン酸を挙げることができる。
好ましいジヒドロキシベンゼンジスルホン酸は、5,6−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンジスルホン酸、4,6−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンジスルホン酸、または2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゼンジスルホン酸である。
ヒドロキシ芳香族スルホン酸は、固体もしくは液体形態、または水溶液の形態で入手可能であり、この濃度は、5から95重量%、好ましくは50から70重量%の間で多様であることができる。
過酸化水素のモル数に対するプロトンの当量数(スルホン官能基に相当する。)の比で表わされる、用いられるヒドロキシ芳香族スルホン酸の量は、反応条件、特に温度に応じて多様であることができる。従って、前記H/Hモル比は、1×10−4から0.03の間で多様であることができる。
本発明の方法の好ましい別の形態は、H/Hモル比1×10−3から0.02を選択することにある。
本発明に従って用いられる過酸化水素は、水溶液または有機溶液の形態であることができる。
水溶液は市販されより容易に入手可能であるため、好ましく用いられる。
過酸化水素水溶液の濃度は、これ自体重要ではないが、できるかぎり最小量の水が反応媒質に導入されるように選択される。一般に、少なくとも20重量%、好ましくは約70%のHを含む過酸化水素水溶液が用いられる。
過酸化水素/フェノールのモル比で表わされる過酸化水素の量は、0.1未満、好ましくは0.01から0.09、より好ましくは0.02から0.08である。
水の量は反応速度に影響を与えるため、この存在量を最小限にすることが好ましく、水は特に用いられる反応物を介して反応媒質に導入することができる。
好ましくは、媒質の初期水分含量を20重量%未満、好ましくは10重量%未満に選択するのが賢明である。
示される重量による含量は、フェノール/過酸化水素/水の混合物に対する含量として表わされる。
この初期水分は、反応物、特に過酸化水素と共に導入される水分に相当する。
本発明の方法の別の形態は、特にヒドロキシル化生成物の収率が低いフェノールの場合、金属イオンは本発明の方法の良好な進行に有害であるため、媒質に存在する金属イオンの錯体を形成する作用剤を添加することにある。その結果として、金属イオンの作用を阻害することが好ましい。
ヒドロキシル化の進行に有害な金属イオンは、遷移金属のイオン、より詳細には、鉄、銅、クロム、コバルト、マンガン、およびバナジウムイオンである。
金属イオンは、反応物、特に出発材料および用いられる装置によって導入される。これらの金属イオンの作用を阻害するためには、過酸化水素に対して安定であり、また存在する強酸によって分解され得ず、金属がもはや化学活性を示すことができない錯体を生じる1種以上の錯化剤の存在下で反応を行うことで十分である。
錯化剤の非限定的な例として、特に種々のリン酸、例えばオルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、もしくはポリリン酸など、またはホスホン酸、例えば1−ヒドロキシエチリデンジホスホン酸、ホスホン酸、エチルホスホン酸、もしくはフェニルホスホン酸を用いることができる。
上述の酸のエステルを用いることも可能であり、より詳細には、オルトリン酸モノ−もしくはジアルキル−、モノ−もしくはジシクロアルキル−、またはモノ−もしくはジアルキルアリール、例えばリン酸エチルもしくはジエチル、リン酸ヘキシル、リン酸シクロヘキシル、またはリン酸ベンジルを挙げることができる。
錯化剤の量は、反応媒質中の金属イオンの含量によって決まる。
存在する錯化剤の量は、明らかに上限はなく、金属イオンの錯体を形成するのに必要な量に対してはるかに過剰であることができる。一般に、反応媒質の0.01から1重量%の量が非常に適している。
本発明の方法によれば、フェノールのヒドロキシル化を行う温度は、45℃から140℃の間であることができる。
本発明の方法の好ましい別の形態は、60℃から120℃の温度を選択することにある。
反応は、有利には大気圧で行われる。
このヒドロキシル化法は、一般に、過酸化水素の溶媒など、反応物に由来するもの以外の溶媒を用いずに行われる。
しかしながら、反応は、フェノールの溶媒中で行うこともできる。
用いる溶媒は、過酸化水素の存在下で安定でなければならない。
塩素化脂肪族炭化水素などの非極性溶媒、例えばジクロロメタン、テトラクロロメタン、またはジクロロエタンを挙げることができる。
実用的見地から、本発明による方法は、連続的にまたはバッチ式で行うのが容易である。
本発明の触媒は、フェノール中、または過酸化水素溶液中で用いることができる。
好ましくは、以下の反応物の順序が選択される:フェノール、場合により錯化剤、およびヒドロキシ芳香族スルホン酸が導入される。
反応媒質を所望の温度にし、その後、段階的または連続的に過酸化水素溶液を添加する。
連続的な実施形態によれば、連続的におよび並行して、フェノール、場合により錯化剤、過酸化水素溶液を一連の1つ以上の反応器に送り込むことができ、ヒドロキシ芳香族スルホン酸は単独で導入するか、または他の反応物中で用いることができる。
反応終了時に、転化されていない基質、および適切であれば、過剰のヒドロキシ芳香族スルホン酸を、通常の手段によって、特に蒸留および/または液液抽出によって、ヒドロキシル化生成物から分離し、反応域に戻す。
本発明の条件下でフェノールをヒドロキシル化するための方法は、およそヒドロキノンの2倍のピロカテコールを含む、ピロカテコールとヒドロキノンの混合物を得ることを可能にする。
形成されるジフェノールのモル数(ピロカテコール+ヒドロキノン)と導入される過酸化水素のモル数の比によって表わされる、得られるジフェノール(ピロカテコール+ヒドロキノン)の収率が、一般に少なくとも70重量%、好ましくは75から87重量%、より好ましくは80%から87重量%であるため、特に有利である。
比較的低量の過酸化水素でありながら、高い収率が得られる。
同様に、用いる触媒の量も低量である。
このように、本発明は、低量の過酸化水素、および好ましくは低量の触媒も用いながら、高い収率でピロカテコール/ヒドロキノン比1.7から2.3、好ましくは1.9から2.2を得ることを可能にする、工業規模で用いることのできる方法を提供する。
以下の実施例は、本発明を限定することなく、本発明を例示するものである。
これらの実施例において、以下の略語は次のとおりである:過酸化水素の転化率(DCH202)は、転化された過酸化水素のモル数と、導入された過酸化水素のモル数との比に相当する。
ジフェノールの収率(RYジフェノール)は、形成されたジフェノールのモル数(ピロカテコール+ヒドロキノン)と、導入された過酸化水素のモル数との比に相当する。
ピロカテコールの収率(RYピロカテコール)は、形成されたピロカテコールのモル数と、導入された過酸化水素のモル数との比に相当する。
ヒドロキノンの収率(RYヒドロキノン)は、形成されたヒドロキノンのモル数と、導入された過酸化水素のモル数との比に相当する。
ジフェノールの選択度(Sジフェノール)は、形成されたジフェノールのモル数(ピロカテコール+ヒドロキノン)と、転化された過酸化水素のモル数との比に相当する。
PC/HQ比は、ピロカテコールのモル数とヒドロキノンのモル数との比によって定義される。
実施例
すべての実施例で用いる手順を以下に示す。
4枚の傾斜羽根型の攪拌装置、垂直還流冷却器、窒素注入口、および加熱装置を備えた、250mlジャケット付き反応器に、50℃で以下を充填する。
フェノール117.6g(1.25mol)、
一般にフェノールに対して700モルppmの割合の触媒(この性質は要約した表に示す。)。
混合物を、窒素雰囲気下、温度80°にし、その後、70重量%過酸化水素3.03g(即ち、過酸化水素0.0625mol)を、シリンジポンプを用いて30分間かけて添加する。
反応混合物の着色を伴う温度の上昇が一般に観察される。
その後、混合物を90℃に加熱する。
反応終了時に、反応混合物を50℃に冷却し、形成したジフェノールを高速液体クロマトグラフィによって定量する。
具体的な条件および結果を、要約した表に列挙する。
(実施例1から3)
これらの実施例では、本発明による触媒、即ちヒドロキシ芳香族スルホン酸を使用する。
条件および得られた結果を表(I)に記録する。
Figure 2011522858
(実施例4)
フェノール(フェノールの重量の0.025%の割合で錯化剤、オルトリン酸を含む。)、過酸化水素、および触媒を、並行して連続的に一連の500mlガラス反応器に導入する。
各ジャケット付き反応器は、4枚の傾斜羽根型の機械式攪拌装置、温度を調節するための装置、垂直還流冷却器、および窒素注入口を備えている。
フェノール500g/時(5.32mol)、70重量%過酸化水素14.4g/時(即ち、0.30mol/時)、および5−スルホサリチル酸二水和物(0.96g/時、即ちフェノールに対して約700モルppm)を、ポンプを用いて充填する。
温度プロファイルは次のとおりである:第1反応器85℃、第2反応器92℃、および第3反応器95℃。
安定化時間(約1時間)後、形成したジフェノールを高速液体クロマトグラフィによって定量し、過酸化水素を電位差法によって定量する。
実施条件および第3反応器で得られた結果を表(II)に記録する。
Figure 2011522858
(実施例5)
フェノール(フェノールの重量の0.025%の割合で錯化剤、オルトリン酸を含む。)、過酸化水素、および触媒を、並行して連続的に一連の500mlガラス反応器に導入する。
各ジャケット付き反応器は、4枚の傾斜羽根型の機械式攪拌装置、温度を調節するための装置、垂直還流冷却器、および窒素注入口を備えている。
フェノール517g/時(5.49mol)、70重量%過酸化水素9.5g/時(即ち、0.195mol/時)、および65重量%水溶液として4−フェニルスルホン酸(1.03g/時、即ちフェノールに対して700モルppm)を、ポンプを用いて充填する。
温度プロファイルは次のとおりである:第1反応器89℃、第2反応器90℃、および第3反応器90℃。
安定化時間(約1時間)後、形成したジフェノールを高速液体クロマトグラフィによって定量し、過酸化水素を電位差法によって定量する。
実施条件および第3反応器で得られた結果を表(III)に記録する。
Figure 2011522858
(比較試験AからE)
これらの例では、スルホン酸型であるが、ヒドロキシル化芳香族スルホン酸化合物ではない触媒を使用する。
条件および結果を表(IV)に記録する。
Figure 2011522858

Claims (13)

  1. 触媒の存在下、フェノールを過酸化水素と反応させることにより、ピロカテコール/ヒドロキノン比1.7から2.3でピロカテコールおよびヒドロキノンを得るためにフェノールをヒドロキシル化する方法であって、反応は、有効量の下式に相当するヒドロキシ芳香族スルホン酸の存在下で行われ、
    Figure 2011522858
    前記式において、
    Aは、ベンゼンまたはナフタレン環を表わし、前記環は、同一であるかまたは異なる1つ以上の置換基Rを有することが可能であり、
    Mは、水素原子、および/または周期表Ia族の金属元素の陽イオン、もしくはアンモニウム陽イオンを表わし、
    xは、1、2、または3、好ましくは1または2に等しく、
    yは、1または2に等しく、
    zは、0から4、好ましくは0、1、または2の数値であることを特徴とする方法。
  2. 触媒の存在下、フェノールを過酸化水素と反応させることにより、ピロカテコールおよびヒドロキノンを得るためにフェノールをヒドロキシル化する方法であって、反応は、有効量の下式に相当するヒドロキシ芳香族スルホン酸の存在下で行われ、
    Figure 2011522858
    前記式において、
    Aは、ベンゼンまたはナフタレン環を表わし、前記環は、同一であるかまたは異なる1つ以上の置換基Rを有することが可能であり、
    Mは、水素原子、および/または周期表Ia族の金属元素の陽イオン、もしくはアンモニウム陽イオンを表わし、
    xは、1、2、または3、好ましくは1または2に等しく、
    yは、1または2に等しく、
    zは、0から4、好ましくは0、1、または2の数値であり、
    過酸化水素/フェノールのモル比によって表わされる過酸化水素の量が、0.1未満であることを特徴とする方法。
  3. ヒドロキシ芳香族スルホン酸が式(I)に相当し、式中、Rは、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、もしくはアラルキル基、アミノもしくは置換アミノ基、ニトロ基、ニトリル基、カルボキサミド基、カルボキシル基、またはエステル基を表わすことを特徴とする、請求項1および2のいずれかに記載の方法。
  4. ヒドロキシ芳香族スルホン酸が、下式(Ia)に相当し、
    Figure 2011522858
    前記式において、
    xは、1、2、または3、好ましくは1または2に等しく、
    yは、1または2に等しく、
    zは、0から4、好ましくは0、1、または2に等しい数値であり、
    Mは、水素原子、ナトリウム、またはカリウムを表わし、
    Rは、1から4個の炭素原子を有するアルキルもしくはアルコキシ基、またはカルボキシル基を表わすことを特徴とする、請求項1から3の一項に記載の方法。
  5. ヒドロキシ芳香族スルホン酸が、ヒドロキシベンゼンスルホン酸、スルホン化ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシベンゼンジスルホン酸、ジヒドロキシベンゼンジスルホン酸、ヒドロキシトルエンスルホン酸、ヒドロキシナフタレンスルホン酸、およびヒドロキシナフタレンジスルホン酸、ならびにこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1から4の一項に記載の方法。
  6. ヒドロキシ芳香族スルホン酸が、
    ヒドロキシベンゼンスルホン酸、好ましくは4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、2−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、5−スルホサリチル酸、またはこれらの混合物、
    ジヒドロキシベンゼンスルホン酸、好ましくはヒドロキノン(1,4−ジヒドロキシベンゼン)、ピロカテコール(1,2−ジヒドロキシベンゼン)、およびレゾルシノール(1,3−ジヒドロキシベンゼン)のスルホン化から得られるスルホン酸、
    ジヒドロキシベンゼンジスルホン酸、好ましくは5,6−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンジスルホン酸、4,6−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンジスルホン酸、または2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゼンジスルホン酸から選択されることを特徴とする、請求項1から5の一項に記載の方法。
  7. /Hのモル比によって表わされるヒドロキシ芳香族スルホン酸の量が、1×10−4から0.03、好ましくは1×10−3から0.02の間で多様であることを特徴とする、請求項1から6の一項に記載の方法。
  8. 過酸化水素/フェノールのモル比が、0.01から0.09、好ましくは0.02から0.08まで多様であることを特徴とする、請求項1から7の一項に記載の方法。
  9. 遷移金属イオンの錯体を形成し、反応条件下で安定である、リン酸、好ましくはオルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、もしくはポリリン酸、またはホスホン酸、好ましくは1−ヒドロキシエチリデンジホスホン酸、ホスホン酸、エチルホスホン酸、もしくはフェニルホスホン酸、およびこれらの酸のエステルなどの作用剤の存在下で行われることを特徴とする、請求項1から8の一項に記載の方法。
  10. 45℃から140℃、好ましくは60℃から120℃の間の温度で行われることを特徴とする、請求項1から9の一項に記載の方法。
  11. フェノール、場合により錯化剤、およびヒドロキシ芳香族スルホン酸を導入し、反応媒質を所望の温度にし、その後、段階的または連続的に過酸化水素溶液を添加することを特徴とする、請求項1から10の一項に記載の方法。
  12. バッチ式でまたは連続的に行うことを特徴とする、請求項1から11の一項に記載の方法。
  13. ピロカテコール/ヒドロキノン比が、1.9から2.2であることを特徴とする、請求項1から12の一項に記載の方法。
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