JPH0616583A - フェノール化合物のヒドロキシル化方法 - Google Patents

フェノール化合物のヒドロキシル化方法

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JPH0616583A
JPH0616583A JP5077072A JP7707293A JPH0616583A JP H0616583 A JPH0616583 A JP H0616583A JP 5077072 A JP5077072 A JP 5077072A JP 7707293 A JP7707293 A JP 7707293A JP H0616583 A JPH0616583 A JP H0616583A
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carbon atoms
organic solvent
hydrogen atom
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JP5077072A
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English (en)
Inventor
Michel Costantini
ミシエル・コスタンテイニ
Dominique Laucher
ドミニク・ロシエ
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Rhodia Chimie SAS
Original Assignee
Rhone Poulenc Chimie SA
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C37/00Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom of a six-membered aromatic ring
    • C07C37/60Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom of a six-membered aromatic ring by oxidation reactions introducing directly hydroxy groups on a =CH-group belonging to a six-membered aromatic ring with the aid of other oxidants than molecular oxygen or their mixtures with molecular oxygen

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パラ異性体を多量に生成できかつ反応終了時
に反応媒質の酸触媒を容易に分離できるフェノール化合
物のヒドロキシル化方法を提供する。 【構成】 本発明の、酸触媒の存在下で過酸化水素を用
いたフェノール化合物のヒドロキシル化方法は、反応
を、有効量のスルホン酸基を有するポリマー及び一般式
(II): 【化1】 (式中、R1 及びR2 は同一であっても異なってもよ
く、水素原子又は電子供与基を示し、n1 及びn2 は同
一であっても異なってもよく、0、1、2又は3に等し
い数である)に対応するケトン化合物の存在下で実施す
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フェノール化合物のヒ
ドロキシル化方法、特に過酸化水素を用いたフェノール
及びフェノールエーテルのヒドロキシル化方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、主にヒドロキノンを生成する、フ
ェノールをヒドロキノン及びピロカテコールへヒドロキ
シル化する方法が探究されている。
【0003】現在当業界で周知の方法は主にピロカテコ
ールを生成させるものである。
【0004】変動する市場の要件に応じるためには、ピ
ロカテコールに比べてヒドロキノンを多量に生成できる
工業的方法を利用できるようにすることが重要であると
認識されている。
【0005】第2の問題として、現在用いられている方
法が均質触媒反応を用いるものであることが挙げられ
る。
【0006】特に仏国特許出願公開第2,071,46
4号には、フェノール及びフェノールエーテルの非常に
重要な工業的ヒドロキシル化方法が記載されている。
【0007】上記の方法は、強酸の存在下で過酸化水素
を用いてヒドロキシル化することから成る。強酸の中で
もっともよく用いられるのは、硫酸、パラトルエンスル
ホン酸、過塩素酸である。
【0008】上記の条件下で実施されるフェノールのヒ
ドロキシル化は、ヒドロキノンとピロカテコールの混合
物を生成し、ヒドロキノン/ピロカテコール比は通常は
0.3〜0.7であることからピロカテコールが主に生
成される。
【0009】この方法の実施により、ピロカテコールは
多量に得られる。
【0010】この方法は非常に有用であるが、均質触媒
反応を用いるという欠点を有している。これにより、反
応終了時に酸触媒を除去しなければならないという問題
が生じる。酸を除去するために、水性洗浄して酸を分離
した後、反応媒質を水とイソプロピルエーテルの混合物
で処理する[Ind.Eng.Chem.Prod.R
es.Dev.15,No.3(1976)]。水性相
中に残留する酸、並びに生成されるフェノール及びジフ
ェノールをイソプロピルエーテルで抽出する。その後、
蒸留によりイソプロピルエーテルを分離し、次いでフェ
ノール及びジフェノールの蒸留を実施する必要がある。
【0011】さらに、仏国特許出願公開第2,266,
683号には、ケトンの存在下でフェノールをヒドロキ
シル化することから成る方法が記載されている。これは
ヒドロキノンとピロカテコールの反応収量を改良する方
法であるが、記載されているいずれの実施例においても
ヒドロキノンに比べてピロカテコールが多量に生成され
た。
【0012】仏国特許出願公開第2,667,598号
では、出願人は、ピロカテコールに比べてヒドロキノン
の生成量を増大させ、その好ましい変形においてピロカ
テコールより多量にヒドロキノンを生成させる方法を提
案する。
【0013】上記の方法は有効量の強酸の存在下でフェ
ノールをヒドロキシル化することから成り、反応をベン
ゾフェノン、及び芳香族核の水素原子が電子供与基で置
換され得るベンゾフェノンから選択されるケトン化合物
の存在下で実施することを特徴とする。
【0014】仏国特許出願公開第2,667,598号
に記載の方法によれば、フェノールのヒドロキシル化中
上記したケトン化合物の存在は反応の領域選択性(re
gion selectivity)に作用し、1.0
〜1.13のヒドロキノン/ピロカテコール比が得られ
る。
【0015】しかし、このような方法は、強酸を用いて
実施される均質触媒反応であるために、酸触媒の除去と
いう問題を抱えている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、生成
されるヒドロキノンの量を増大させ、かつ反応終了時に
反応媒質の酸触媒を容易に分離させる方法を提供するこ
とにより、上記した2つの問題を解決することである。
【0017】本発明の別の目的は、不均質触媒反応を用
い、かつピロカテコールよりヒドロキノンを多量に生成
させるフェノールのヒドロキシル化方法を利用すること
である。
【0018】より詳しくは、本発明の主題は、酸触媒の
存在下で、ヒドロキシル基のパラ位に少なくとも1つの
水素原子を有するフェノール化合物と過酸化水素とを反
応させることからなる前記フェノール化合物のヒドロキ
シル化方法であって、反応を有効量のスルホン酸基を有
するポリマー及び一般式(II):
【0019】
【化7】
【0020】(式中、R1 及びR2 は同一であっても異
なってもよく、水素原子又は電子供与基を示し、n1
びn2 は同一であっても異なってもよく、0、1、2又
は3に等しい数であり、任意に、−CO基を有する2つ
の炭素原子に対してアルファ位にある2つの炭素原子
は、一緒になって原子価結合により又は−CH2 −基に
より結合されて飽和もしくは不飽和のケトン環を構成す
る)に対応するケトン化合物の存在下で実施することを
特徴とする方法である。
【0021】本発明の方法の第一の特徴は、スルホン酸
基を有するポリマーである不均質触媒系を用いることで
ある。
【0022】多数のスルホン酸ポリマーが、種々の商品
名で販売されている。その例としては、TEMEX 5
0、AMBERLYST 15、AMBERLYST
35、AMBERLYST 36、DOWEX 50W
が挙げられる。
【0023】本発明に非常に適した前述の樹脂は、スル
ホン酸基である官能基を有するポリスチレン骨格で構成
される。
【0024】ポリスチレン骨格は、通常は有機ペルオキ
シドである活性化触媒の影響下でスチレンとジビニルベ
ンゼンの重合により得られ、架橋ポリスチレンを生成す
る。重合は通常、懸濁液中で起こり、ポリマー球又は顆
粒が生じる。これらを濃硫酸又はスルホ塩素酸で処理す
る。スルホン化スチレン−ジビニルベンゼンコポリマー
が生成する。
【0025】フェノール−ホルモールコポリマーであっ
て、芳香族核にメチレンスルホン酸基を有するスルホン
酸樹脂を用いてもよい。上記の樹脂の例としては、DU
OLITE ARC 9359の名称で市販されている
樹脂が挙げられる。
【0026】その他の樹脂としては、スルホン酸基を有
する過フッ素化樹脂、特に以下の一般構造式:
【0027】
【化8】
【0028】(式中、mは1、2、3……の整数であ
り、nは5〜13.5であり、xは約1000である)
を有するNAFIONが挙げられる。NAFIONはテ
トラフルオロエチレンとペルフルオロ[2−(フルオロ
スルホニルエトキシ)−プロピル]ビニルエーテルのコ
ポリマーから調製する。
【0029】当該樹脂は、ゲル型又はマクロ架橋型のも
のである。それらは酸形態で用いられる。
【0030】多数の樹脂が、ドライ又はウエット形態で
市販されている製品である。本発明の方法ではどちらか
の形態のものも用いることができる。
【0031】樹脂は通常、0.3〜1.5mm、好まし
くは0.5〜1.2mmの直径を有するほぼ球状の形態
で存在する。
【0032】好ましくは前述の樹脂を、さらに好ましく
はポリスチレン骨格を有する樹脂を、本発明の方法に用
いる。しかしながら、本発明は、適切なスルホン酸基を
有する限り別の性質の骨格を有する樹脂の使用を除外し
ない。
【0033】ポリマー重量に対するスルホン酸基の割合
は自由であり、使用するポリマー量の決定の際に考慮す
る。
【0034】スルホン酸ポリマーの酸部位の濃度は、ド
ライポリマー1g当りH+ イオン1〜10ミリ当量、好
ましくは2〜7ミリ当量であるのが有利である。
【0035】本発明の方法の別の特徴は、好ましくはベ
ンゾフェノン又は電子供与基で置換されるベンゾフェノ
ンである前述の式(II)に対応するケトン化合物を用
いることである。
【0036】本明細書において、“電子供与基”という
用語は、H.C.BROWNがJerry MARCH
−Advanced Organic Chemist
ry,chapter 9,pages 243 an
d 244(1985)に定義した基を意味する。
【0037】本発明の方法によれば、電子供与基は、本
発明の酸性条件下で反応しないものの中から選択され
る。
【0038】本発明に好適な電子供与基の例を以下に示
す: −1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アル
キル基 −フェニル基 −R3 −O−アルコキシ基(ここでR3 は1〜4個の炭
素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アルキル基、又はフ
ェニル基を示す) −ヒドロキシル基 −フッ素原子。
【0039】一般式(II)に対応するケトン化合物の
中でも、R1 及びR2 は同一であっても異なってもよ
く、好ましくは4,4′−位の、水素原子又は電子供与
基を示し、n1 及びn2 は同一であっても異なってもよ
く、0又は1である一般式(II)に対応するものが特
に用いられる。
【0040】好ましくは、R1 及びR2 は同一であって
も異なってもよく、好ましくは3,3′−又は4,4′
−位の、水素原子、メチル、エチル、第三ブチル又はフ
ェニル基、メトキシ又はエトキシ基、ヒドロキシル基を
示す一般式(II)に対応するケトン化合物が選択され
る。
【0041】本発明の方法に用い得るケトンの例を以下
に示す: −ベンゾフェノン −2−メチルベンゾフェノン −2,4−ジメチルベンゾフェノン −4,4′−ジメチルベンゾフェノン −2,2′−ジメチルベンゾフェノン −4,4′−ジメトキシベンゾフェノン −フルオレノン −4−ヒドロキシベンゾフェノン −4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン −4−ベンゾイルビフェニル。
【0042】本発明の方法によれば、フェノール化合物
のヒドロキシル化は過酸化水素を用いて実施する。
【0043】本発明の以下の説明において、“フェノー
ル化合物”という用語は、芳香族核に直接結合する1個
の水素原子がヒドロキシル基に置換されている芳香族化
合物を意味し、“芳香族化合物”という用語は、文献、
特にJerry MARCH−Advanced Or
ganic Chemistry,3rd editi
on,John Wiley and Sons,19
85,p.37以降に記載されている芳香族性の標準的
意味を言う。
【0044】本発明は特に、一般式(I):
【0045】
【化9】
【0046】(式中、Aは単環式又は多環式芳香族炭素
環式基の残余基(remainder)、又は2つもし
くはそれ以上の単環式芳香族炭素環式基の鎖形成により
構成される2価の基を表し、Rは水素原子、あるいは直
鎖もしくは分枝鎖の飽和もしくは不飽和の脂肪族基、飽
和もしくは不飽和の脂環式基又は単環式又は多環式の芳
香族基である1〜24個の炭素原子を有する炭化水素基
を示し、Ro は1つ又はそれ以上の同一又は異なる置換
基を示し、nは4又はそれ未満の数である)のフェノー
ル化合物に関する。
【0047】本発明の方法は、一般式(I)に対応する
任意のフェノール化合物、特に−R基が ・水素原子 ・1〜6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アル
キル基 ・シクロヘキシル基 ・フェニル基 ・ベンジル基 のいずれかを示し、 −単数又は複数のRo が ・水素原子 ・1〜6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アル
キル基 ・2〜6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アル
ケニル基 ・R4 −O−型(ここでR4 は1〜6個の炭素原子を有
する直鎖もしくは分枝鎖アルキル基を示す)のアルコキ
シ基 ・2〜6個の炭素原子を有するアシル基 ・ヒドロキシル基 ・−COOR5 基(ここでR5 は1〜4個の炭素原子を
有する直鎖もしくは分枝鎖アルキル基を示す) ・ハロゲン原子、好ましくはフッ素、塩素、臭素 ・−CF3 基 のいずれかを示し、−nが0、1、2又は3であるのフ
ェノール化合物に関する。
【0048】式(I)のフェノール化合物は1つもしく
はそれ以上の置換基を有する。置換基の例は上記されて
いるが、これらに限定されない。任意の置換基は、それ
が所望の生成物のレベルを妨害しない限り環上に存在し
得る。
【0049】式(I)の化合物の中で、残余基Aが −一緒になって式(Ia):
【0050】
【化10】
【0051】(式中、mは0、1又は2の数を示し、各
o 及びnは同一であっても異なってもよく、上記と同
じ意味を有する)に対応するオルト縮合系を形成する環
を有する単環式又は多環式芳香族炭素環式基 −式(Ib):
【0052】
【化11】
【0053】(式中、各Ro 及びnは同一であっても異
なってもよく、上記と同じ意味を有し、pは0、1、2
又は3の数であり、Bが −原子価結合 −1〜4個の炭素原子を有するアルキレン又はアルキリ
デン基、好ましくはメチレン又はイソプロピリデン基 −以下の基のいずれか:
【0054】
【化12】
【0055】(ここでR6 は水素原子又は1〜4個の炭
素原子を有するアルキル基、シクロヘキシル基又はフェ
ニル基を表す)を示す)に対応する2つもしくはそれ以
上の単環式芳香族炭素環式基を表すものが特に用いられ
る。
【0056】用いられる式(I)の化合物は好ましく
は、式(Ia)及び(Ib):(式中、 −Ro は水素原子、1〜6個、好ましくは1〜4個の炭
素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アルキル又はアルコ
キシ基、シクロヘキシル基、フェニル基、ヒドロキシル
基を示し、 −Bは原子価結合、1〜4個の炭素原子を有するアルキ
レン又はアルキリデン基、又は酸素原子を表し、 −mは0又は1であり、 −nは0、1又は2であり、 −pは0又は1である) に対応する。
【0057】本発明は特に、一般式(I′):
【0058】
【化13】
【0059】(式中、R及びRo は同一であっても異な
ってもよく、水素原子、1〜4個の炭素原子を有するア
ルキル基、シクロヘキシル基又はフェニル基を示す)の
フェノール化合物に関する。
【0060】さらに好ましくは、Rが水素原子を示し、
o が水素原子、メチル基、メトキシ基を示す式
(I′)の化合物が選択される。
【0061】本発明の方法に用い得る式(I)のフェノ
ール化合物を特に以下に示す: −残余基Aが、m及びnが0である式(Ia)に対応す
るもの、例えばフェノール又はアニソール、 −残余基Aが、mが0でありnが1である式(Ia)に
対応するもの、例えばo−クレゾール、m−クレゾー
ル、2−メトキシフェノール、2−エチルフェノール、
3−エチルフェノール、2−プロピルフェノール、2−
sec−ブチルフェノール、2−tert−ブチルフェ
ノール、3−tert−ブチルフェノール、2−メトキ
シフェノール、3−メトキシフェノール、メチルサリチ
レート、2−クロロフェノール、3−クロロフェノー
ル、 −残余基Aが、mが0でありnが2である式(Ia)に
対応するもの、例えば2,3−ジメチルフェノール、
2,5−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノ
ール、3,5−ジメチルフェノール、2,6−ジ−te
rt−ブチルフェノール、3,5−ジ−tert−ブチ
ルフェノール、2,3−ジクロロフェノール、2,5−
ジクロロフェノール、2,6−ジクロロフェノール、
3,5−ジクロロフェノール、 −残余基Aが、mが0でありnが3である式(Ia)に
対応するもの、例えば2,3,5−トリメチルフェノー
ル、2,3,6−トリメチルフェノール、2,3,5−
トリクロロフェノール、2,3,6−トリクロロフェノ
ール、 −残余基Aが、mが1でありnが4である式(Ia)に
対応するもの、例えば1−ヒドロキシナフタレン、 −残余基Aが、pが1である式(Ib)に対応するも
の、例えば2−フェノキシフェノール、3−フェノキシ
フェノール。
【0062】本発明の方法は特にフェノールからのヒド
ロキノン及びピロカテコールの製造に適している。
【0063】本発明の方法によれば、式(I)のフェノ
ール化合物のヒドロキシル化は、スルホン酸ポリマーで
ある触媒の存在下で、並びに式(II)のケトン化合物
である助触媒の存在下で実施される。
【0064】使用するスルホン酸ポリマーの量は、陽子
当量(proton equivalents)数対過
酸化水素のモル数の比が約1・10-4〜約1.0である
ように決める。
【0065】本発明の方法の好ましい変形は、1・10
-3〜0.1のH+ /H2 2 比を選択することにある。
【0066】式(II)のケトン化合物は、触媒量で使
用する。一般に、式(II)のケトン化合物の量は、過
酸化水素1モル当りのモル数で表して1・10-3〜10
の範囲である。ケトン化合物の量は、過酸化水素1モル
当り0.05〜5.0モル、好ましくは0.05〜1モ
ルの範囲で選択するのが有利である。
【0067】本発明に使用する過酸化水素は水性溶液又
は有機溶液の形態にある。
【0068】好ましくは容易に購入可能な水性溶液を用
いる。
【0069】過酸化水素の水性溶液の濃度は、それ自体
は重要ではないが、反応媒質中に導入される水ができる
だけ少量であるように選択する。一般には少なくとも2
0重量%、好ましくは約70重量%のH2 2 水性溶液
を用いる。
【0070】過酸化水素の量は、式(I)のフェノール
化合物1モル当りのH2 2 が1モルまでである。
【0071】しかしながら、工業的に許容可能な収量を
得るためには、0.01〜0.3、好ましくは0.05
〜0.10の過酸化水素/式(I)のフェノール化合物
のモル比を用いるのが好ましい。
【0072】十分な反応速度を達成するためには、媒質
の初期含水量を20重量%、好ましくは10重量%に制
限する。
【0073】示した重量含量は、式(I)のフェノール
化合物/過酸化水素/水の混合物に対する割合である。
【0074】この初期水は、試薬、特に過酸化水素とと
もに導入される水に対応する。
【0075】本発明の好ましい変形では、特にヒドロキ
シル化生成物の収量が低いフェノールの場合、媒質中に
存在する金属イオンが本発明の方法の進行にとって好ま
しくないために、該金属イオンのキレート化剤を添加す
る。その結果として、金属イオンの作用を阻止するのが
好ましい。
【0076】ヒドロキシル化の進行にとって好ましくな
い金属イオンは遷移金属イオン、特に鉄、銅、クロム、
コバルト、マンガン及びバナジウムイオンである。
【0077】金属イオンは試薬(特に芳香族化合物)、
及び使用する装置に由来する。これらの金属イオンの作
用を阻止するためには、過酸化水素に対して安定な1つ
もしくはそれ以上のキレート化剤の存在下で反応を実施
して、存在する強酸によって分解されず金属がもはやい
かなる化学的活性をも発揮しない錯体を生成することで
十分である。
【0078】キレート化剤の例としては特に種々の燐
酸、例えばオルト燐酸、メタ燐酸、ピロ燐酸、ポリ燐
酸、ホスホン酸(例えば(1−ヒドロキシエチリデン)
ジホスホン酸、ホスホン酸、エチルホスホン酸、フェニ
ルホスホン酸)が挙げられるが、これらに限定されな
い。
【0079】前述の酸のエステルを用いてもよく、その
例としては特にモノ−又はジアルキル、モノ−又はジシ
クロアルキル、モノ−又はジアルキルアリールオルトホ
スフェ−ト、例えばエチル又はジエチルホスフェ−ト、
ヘキシルホスフェ−ト、シクロヘキシルホスフェ−ト、
ベンジルホスフェ−トが挙げられる。
【0080】キレート化剤の量は、反応媒質の金属イオ
ン含量に依る。
【0081】過酸化水素1モル当りのキレート化剤のモ
ル数で表されるキレート化剤の量は、0.0001〜
0.01の範囲が有利である。
【0082】本発明の方法によれば、式(I)のフェノ
ール化合物のヒドロキシル化は45℃〜150℃の範囲
の温度で実施する。
【0083】本発明の方法の好ましい変形は、45℃〜
75℃の範囲の温度を選択することにある。
【0084】反応は大気圧で実施するのが有利である。
【0085】ヒドロキシル化方法は一般に、試薬に由来
する溶媒、例えば過酸化水素溶媒以外の溶媒を用いずに
実施される。
【0086】しかしながら、特定の極性及び塩基性度を
有する非プロトン性極性有機溶媒を特定量添加するとパ
ラ/オルト比が増大し、特にフェノールのヒドロキシル
化の場合にヒドロキノン/ピロカテコール比を増大させ
てヒドロキノンを多量に生成することが判明した。
【0087】本発明の方法の実施には2種類の有機溶媒
が適している。
【0088】したがって本発明の方法の第一の変形は、
誘電率が20又はそれ以上である極性と25未満の“ド
ナー数(donor number)”を有する塩基性
度とを有する非プロトン性極性有機溶媒の存在下で反応
を実施することにある。
【0089】いくつかの要件が有機溶媒の選択に作用す
る。
【0090】有機溶媒の第一の特徴は、非プロトン性で
あって、反応媒質中で安定であることである。
【0091】“非プロトン性溶媒”という用語は、Le
wis理論に従って、放出される陽子が存在しない溶媒
を意味する。
【0092】反応溶質中で安定でなく、酸化により又は
加水分解によって分解する溶媒は本発明から除外する。
【0093】有機溶媒の第二の特徴は、ある程度の極性
を有することである。本発明によれば、20又はそれ以
上の誘電率を有する有機溶媒を選択する。上限は重要で
はない。高誘電率、好ましくは25〜75の誘電率を有
する有機溶媒を用いるのが好ましい。
【0094】有機溶媒が上記の誘電率の条件に対応する
か否かを調べるために、Techniques of
Chemistry,II − Organic so
lvents − p.536以降,3rd edit
ion(1970)を参照されたい。
【0095】有機溶媒の第三の特徴は、“ドナー数”が
25未満、好ましくは20又はそれ未満であるような塩
基性度を有することである。下限は重要ではない。2〜
17のドナー数を有する有機溶媒を選択するのが好まし
い。
【0096】使用する有機溶媒の塩基性度についての要
件に関しては、DNと略記される“ドナー数”は溶媒の
求核性の尺度を示し、その二重線を生じるその能力を表
わすことを思い起こすべきである。
【0097】Christian REINHARD
T,[Solvents and Solvent E
ffects in Organic Chemist
ry−VCH p.19(1988)]の研究では、
“ドナー数”の定義は、ジクロロエタンの希釈溶液中で
の溶媒とアンチモンペンタクロリドとの間の相互作用の
負(−ΔH)のエンタルピー(Kcal/mol)と定
義されている。
【0098】本発明の方法に用い得る前述の特性に対応
する極性非プロトン性溶媒の例としては、特に以下のも
のが挙げられる: −ニトロ化合物、例えばニトロメタン、ニトロエタン、
1−ニトロプロパン、2−ニトロプロパン又はその混合
物、ニトロベンゼン、 −脂肪族又は芳香族ニトリル、例えばアセトニトリル、
プロピオニトリル、ブタンニトリル、イソブタンニトリ
ル、ベンゾニトリル、ベンジルシアニド、 −テトラメチレンスルホン(スルホラン)、 −プロピレンカーボネート。
【0099】溶媒の混合物を用いてもよい。
【0100】前述の溶媒の中では、好ましくはアセトニ
トリルを用いる。
【0101】使用する前述のような有機溶媒の量は、有
機溶媒のモル数と式(I)のフェノール化合物のモル数
の間のモル比が0.1〜2.0、好ましくは0.25〜
1.0であるように決める。
【0102】本発明の方法の別の変形は、誘電率が約2
0未満である極性と15以上25未満の“ドナー数”を
有する塩基性度とを有する極性非プロトン性有機溶媒の
存在下で反応を実施することにある。
【0103】別の種類の場合で前述したように、有機溶
媒は、非プロトン性であって、反応媒質中で安定でなけ
ればならない。
【0104】反応溶質中で安定でなく、酸化により又は
加水分解によって分解する溶媒は本発明から除外する。
本発明に適していない反応溶媒の例としては、カルボン
酸由来のエステル型の溶媒、例えば特にメチル又はエチ
ルアセテート、メチル又はエチルフタレート、メチルベ
ンゾエート等が挙げられる。
【0105】有機溶媒の第二の特徴は、ある程度の極性
を有することである。本発明によれば、約20未満の誘
電率を有する有機溶媒を選択する。下限は重要ではな
い。低誘電率、好ましくは2〜15の誘電率を有する有
機溶媒を用いるのが好ましい。
【0106】有機溶媒の第三の特徴は、“ドナー数”が
15以上25未満である塩基性度を有することである。
15〜25のドナー数を有する有機溶媒を選択するのが
好ましい。
【0107】本発明の方法に用い得る前述の特性に対応
する極性非プロトン性溶媒の例としては、特に以下のも
のが挙げられる: −脂肪族、脂環式又は芳香族エーテル−オキシド、特に
ジエチルオキシド、ジプロピルオキシド、ジイソプロピ
ルオキシド、ジブチルオキシド、メチルtert−ブチ
ルエーテル、ジペンチルオキシド、ジイソペンチルオキ
シド、エチレングリコールのジメチルエーテル(すなわ
ち1,2−ジメトキシエタン)、ジエチレングリコール
のジメチルエーテル(すなわち1,5−ジメトキシ−3
−オキサペンタン)、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、 −中性燐酸エステル、例えば特にトリメチルホスフェー
ト、トリエチルホスフェート、ブチルホスフェート、ト
リイソブチルホスフェート、トリペンチルホスフェー
ト、 −エチレンカーボネート。
【0108】溶媒の混合物を用いてもよい。
【0109】使用する前述のような有機溶媒の量は、有
機溶媒のモル数と式(I)のフェノール化合物のモル数
の間のモル比が0.01〜0.25、好ましくは0.0
25〜0.15の範囲であるように決める。
【0110】添加すべき溶媒の量は、溶媒の塩基性の関
数として選択される。溶媒の塩基性度が高いほど、使用
する量は少ない。
【0111】言い換えれば、溶媒が高塩基性度を有する
場合には前記の範囲の下限近くの量を選択する。
【0112】本発明によれば、式(I)のフェノール化
合物のヒドロキシル化反応は、スルホン酸ポリマー、式
(II)のケトン化合物の存在下で、並びに任意に前述
の極性非プロトン性有機溶媒の存在下で過酸化水素を用
いて実施する。
【0113】実際的見地から、本発明の方法は連続的又
は不連続的様式で用いると簡単である。
【0114】好ましい方法においては、以下の試薬導入
順序を選択する:式(I)のフェノール化合物、任意に
キレート化剤、スルホン酸ポリマー、次に式(II)の
ケトン化合物。
【0115】反応媒質を所望の温度にしたのち、過酸化
水素溶液を漸次添加する。
【0116】反応終了時に、標準固体−液体分離法によ
り、好ましくは濾過によって固体酸触媒を分離する。
【0117】未転化フェノール化合物及び式(II)の
ケトン化合物に関しては、通常の手段、特に蒸留により
ヒドロキシル化生成物から分離し、反応ゾーンに戻す。
【0118】本発明の方法に用い得る式(I)のフェノ
ール化合物としては、フェノール、アニソール、o−ク
レゾール、m−クレゾール、2−メトキシフェノールが
挙げられるが、これらに限定されない。
【0119】本発明の方法は、特にフェノールからのヒ
ドロキノン及びピロカテコールの製造に非常に適してい
る。
【0120】本発明の主題である方法は多数の利点を有
する。
【0121】本発明の方法は単に濾過するだけで反応終
了時に触媒が分離され、洗浄及び抽出操作を要しないた
めに、使用が簡単である。
【0122】したがって、本発明の方法は、その使用及
びその回収の必要性という事実により常に余分の費用を
伴う有機溶媒の使用を触媒分離の間しなくてよい。
【0123】さらに、本発明の方法は、抽出溶媒の蒸留
もしなくてよいため、エネルギーが節約できる。
【0124】最後に、本発明の不均質触媒系では分離が
容易であり触媒系を再循環させ得ることに留意すべきで
ある。
【0125】本発明の実施により得られる結果に関して
は、本発明の方法ではジフェノールを良好な反応収量で
生成し、好ましい条件下では優勢量のヒドロキノンを生
成する。
【0126】
【実施例】以下の実施例で本発明をさらに説明するが、
本発明はそれらに限定されない。実施例において、以下
の略号は下記の意味を有する:TT=変換された過酸化水
素のモル数/導入された過酸化水素のモル数 (%)RT
HQ=生成されたヒドロキノンのモル数/変換された過酸
化水素のモル数 (%)RTPC=生成されたピロカテコールの
モル数/変換された過酸化水素のモル数(%)。
【0127】全実施例で用いられる操作手順を次に示
す。
【0128】以下のものを、中央攪拌器、冷却器、流込
み漏斗及び温度計を備えた100mlガラス製フラスコ
に入れる: −フェノール 47g(0.50mole)、 −式(II)のケトン化合物 xg、 −スルホン酸ポリマー yg。
【0129】ある実施例では、極性非プロトン性溶媒z
gを所要により入れる。
【0130】各量(x、y及びz)を表に示した尺度か
ら決める。
【0131】反応混合物を選択した反応温度75℃に
し、この温度を1200rpmで攪拌しながら保持す
る。
【0132】70.5重量%の過酸化水素の水性溶液
を、後述の各表に記載の量で流込み漏斗を介して2分間
に亘って入れる。
【0133】反応混合物を後述の各表に記載の時間の間
75℃で攪拌しながら保持する。
【0134】次に、反応混合物を冷却し、反応生成物の
測定を行なう:残留過酸化水素はヨウ素滴定により測定
し、生成したジフェノールは高速液体クロマトグラフィ
ーにより測定する。
【0135】実施例1〜4及び比較例a〜b この一連の実施例では、TEMEX 50Wの商標名で
市販されている樹脂を触媒として用い、ベンゾフェノン
を助触媒として用いた。
【0136】TEMEX 50W樹脂は、粒子サイズが
0.3〜0.8mm、酸部位の濃度が樹脂1g当りH+
5.55ミリ当量の、ゲル形態のスルホン酸樹脂であ
る。
【0137】試験は、前述の操作手順に従って実施し
た。
【0138】操作条件及び得られた結果はすべて表Iに
示した。
【0139】
【表1】
【0140】比較として、本発明の方法を実施した場合
に得られた結果を示す: −試験a:ベンゾフェノン及び有機溶媒非存在下、 −試験b:アセトフェノン存在下及び有機溶媒非存在
下。
【0141】表Iの実験は明らかに、従来技術の方法に
対比して、ベンゾフェノンが存在すると良好な反応収量
が得られ、ピロカテコールより多量のヒドロキノンが生
成されることを示している。
【0142】実施例5〜10及び比較例c〜d 以下の実施例では、AMBERLYST 15の商標名
で市販されている樹脂を触媒として用い、ベンゾフェノ
ンを助触媒として用いた。
【0143】AMBERLYST 15樹脂は、粒子サ
イズが0.35〜1.2mm、平均孔直径が24nm
で、酸部位の濃度が樹脂1g当りH+ 4.44ミリ当量
の、大孔性スルホン酸樹脂である。
【0144】試験は、前述の操作手順に従って実施し
た。
【0145】操作条件及び得られた結果はすべて表II
に示した。
【0146】
【表2】
【0147】実施例11及び比較例e〜f 以下の実施例では、AMBERLYST 35の商標名
で市販されている樹脂を触媒として用い、ベンゾフェノ
ンを助触媒として用いた。
【0148】AMBERLYST 35樹脂は、粒子サ
イズが0.4〜1.25mm、平均孔直径が20nm
で、酸部位の濃度が樹脂1g当りH+ 5.01ミリ当量
の、大孔性ポリスルホン酸樹脂である。
【0149】試験は、前述の操作手順に従って実施し
た。
【0150】操作条件及び得られた結果はすべて表II
Iに示した。
【0151】
【表3】
【0152】実施例12及び比較例g〜h 以下の実施例では、AMBERLYST 36の商標名
で市販されている樹脂を触媒として用い、ベンゾフェノ
ンを助触媒として用いた。
【0153】AMBERLYST 36樹脂は、粒子サ
イズが0.4〜1.2mm、平均孔直径が13nmで、
酸部位の濃度が樹脂1g当りH+ 5.12ミリ当量の、
大孔性ポリスルホン酸樹脂である。
【0154】試験は、前述の操作手順に従って実施し
た。
【0155】操作条件及び得られた結果はすべて表IV
に示した。
【0156】
【表4】
【0157】実施例13及び比較例i〜j 以下の実施例では、DUOLITE ARC 9359
の商標名で市販されている樹脂を触媒として用い、ベン
ゾフェノンを助触媒として用いた。
【0158】DUOLITE ARC 9359樹脂
は、芳香族核にメチレンスルホン酸基を有するフェノー
ル−ホルムアルデヒド樹脂である。酸部位の濃度は樹脂
1g当りH+ 2.73ミリ当量である。
【0159】試験は、前述の操作手順に従って実施し
た。
【0160】操作条件及び得られた結果はすべて表Vに
示した。
【0161】
【表5】
【0162】実施例14及び比較例k〜l この一連の実施例では、DOWEX 50Wの商標名で
市販されている樹脂を触媒として用い、ベンゾフェノン
を助触媒として用いた。
【0163】DOWEX 50W樹脂は、粒子サイズが
0.04〜0.07mm、酸部位の濃度が樹脂1g当り
+ 4.51ミリ当量の、ゲル形態のスルホン酸樹脂で
ある。
【0164】試験は、前述の操作手順に従って実施し
た。
【0165】操作条件及び得られた結果はすべて表VI
に示した。
【0166】
【表6】

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸触媒の存在下で、ヒドロキシル基のパ
    ラ位に少なくとも1つの水素原子を有するフェノール化
    合物と過酸化水素とを反応させることからなる前記フェ
    ノール化合物のヒドロキシル化方法であって、反応を有
    効量のスルホン酸基を有するポリマー及び一般式(I
    I): 【化1】 (式中、R1 及びR2 は同一であっても異なってもよ
    く、水素原子又は電子供与基を示し、 n1 及びn2 は同一であっても異なってもよく、0、
    1、2又は3に等しい数であり、 任意に、−CO基を有する2つの炭素原子に対してアル
    ファ位にある2つの炭素原子が一緒になっては原子価結
    合により又は−CH2 −基により結合されて飽和もしく
    は不飽和のケトン環を構成する)に対応するケトン化合
    物の存在下で実施することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 スルホン酸ポリマーがスルホン化スチレ
    ンジビニルベンゼンコポリマー、スルホン化フェノール
    ホルムアルデヒドコポリマー、テトラフルオロエチレン
    −ペルフルオロ[2−(フルオロスルホニルエトキシ)
    −プロピル]ビニルエーテルコポリマーであることを特
    徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 スルホン酸ポリマーがTEMEX 5
    0、AMBERLYST 15、AMBERLYST
    35、AMBERLYST36、DOWEX50 W、
    DUOLITE ARC 9359:NAFIONから
    選択されることを特徴とする請求項1又は2記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 スルホン酸ポリマーの酸部位の濃度がド
    ライポリマー1グラム当りH+ イオン1〜10ミリ当
    量、好ましくは2〜7ミリ当量であることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 ケトン化合物が一般式(II)(式中、
    1 及びR2 は同一であっても異なってもよく、 −1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アル
    キル基 −フェニル基 −R3 −O−アルコキシ基(ここでR3 は1〜4個の炭
    素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アルキル基又はフェ
    ニル基を示す) −ヒドロキシル基 −フッ素原子 を示す)に対応することを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 ケトン化合物が一般式(II)(式中、
    1 及びR2 は同一であっても異なってもよく、4,
    4′−位の電子供与基又は水素原子を示し、n1 及びn
    2 は同一であっても異なってもよく、0又は1である)
    に対応することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
    記載の方法。
  7. 【請求項7】 ケトン化合物が一般式(II)(式中、
    1 及びR2 は同一であっても異なってもよく、好まし
    くは3,3′−又は4,4′−位における水素原子、メ
    チル、エチル、第三ブチル又はフェニル基、メトキシ又
    はエトキシ基、ヒドロキシル基を示す)に対応すること
    を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 一般式(II)に対応するケトン化合物
    が −ベンゾフェノン −2−メチルベンゾフェノン −2,4−ジメチルベンゾフェノン −4,4′−ジメチルベンゾフェノン −2,2′−ジメチルベンゾフェノン −4,4′−ジメトキシベンゾフェノン −フルオレノン −4−ヒドロキシベンゾフェノン −4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン −4−ベンゾイルビフェニル であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載
    の方法。
  9. 【請求項9】 使用するスルホン酸ポリマーの量が陽子
    当量数対過酸化水素のモル数の比が約1・10-4〜1.
    0、好ましくは1・10-3〜0.1であるように決定さ
    れることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の
    方法。
  10. 【請求項10】 過酸化水素1モル当りの式(II)の
    ケトン化合物のモル量が過酸化水素1mole当り1・
    10-3mole〜10、好ましくは0.05〜5.0m
    ole、さらに好ましくは0.05〜1moleである
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の方
    法。
  11. 【請求項11】 反応を、誘電率が20以上の極性と
    “ドナー数”が25未満である塩基性度を有する極性非
    プロトン性有機溶媒の存在下で実施することを特徴とす
    る請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 【請求項12】 極性有機溶媒が25〜75の誘電率を
    有することを特徴とする請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 極性有機溶媒のドナー数が20以下、
    好ましくは2〜17であることを特徴とする請求項11
    又は12記載の方法。
  14. 【請求項14】 極性有機溶媒がニトロ化合物、脂肪族
    又は芳香族ニトリル、テトラメチレンスルホン、プロピ
    レンカーボネートから選択されることを特徴とする請求
    項11〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 【請求項15】 極性有機溶媒がニトロメタン、ニトロ
    エタン、1−ニトロプロパン、2−ニトロプロパン又は
    その混合物、ニトロベンゼン、アセトニトリル、プロピ
    オニトリル、ブタンニトリル、イソブタンニトリル、ベ
    ンゾニトリル、ベンジルシアニド、テトラメチレンスル
    ホン(スルホラン)、プロピレンカーボネートから選択
    されることを特徴とする請求項11〜14のいずれかに
    記載の方法。
  16. 【請求項16】 有機溶媒のモル数と式(I)のフェノ
    ール化合物のモル数のモル比が0.1〜2.0、好まし
    くは0.25〜1.0であるような量の溶媒を用いるこ
    とを特徴とする請求項11〜15のいずれかに記載の方
    法。
  17. 【請求項17】 反応を、誘電率が約20未満である極
    性と“ドナー数”が15以上25未満である塩基性度を
    有する極性非プロトン性有機溶媒の存在下で実施するこ
    とを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の方
    法。
  18. 【請求項18】 極性有機溶媒が2〜15の誘電率を有
    することを特徴とする請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 極性有機溶媒のドナー数が15〜25
    であることを特徴とする請求項17又は18記載の方
    法。
  20. 【請求項20】 極性有機溶媒が脂肪族、脂環式又は芳
    香族エーテルオキシド、中性燐酸エステル、エチレンカ
    ーボネートから選択されることを特徴とする請求項17
    〜19のいずれかに記載の方法。
  21. 【請求項21】 極性有機溶媒がジエチルオキシド、ジ
    プロピルオキシド、ジイソプロピルオキシド、ジブチル
    オキシド、メチルtert−ブチルエーテル、ジペンチ
    ルオキシド、ジイソペンチルオキシド、エチレングリコ
    ールのジメチルエーテル(すなわち1,2−ジメトキシ
    エタン)、ジエチレングリコールのジメチルエーテル
    (すなわち1,5−ジメトキシ−3−オキサペンタ
    ン)、ジオキサン、テトラヒドロフラン、トリメチルホ
    スフェ−ト、トリエチルホスフェ−ト、ブチルホスフェ
    −ト、トリイソブチルホスフェ−ト、トリペンチルホス
    フェ−ト、エチレンカーボネートから選択されることを
    特徴とする請求項17〜20のいずれかに記載の方法。
  22. 【請求項22】 有機溶媒のモル数と式(I)のフェノ
    ール化合物のモル数のモル比が0.01〜0.25、好
    ましくは0.025〜0.15であるような量の溶媒を
    用いることを特徴とする請求項17〜21のいずれかに
    記載の方法。
  23. 【請求項23】 操作を、45℃〜150℃、好ましく
    は45℃〜75℃の温度で実施することを特徴とする請
    求項1〜22のいずれかに記載の方法。
  24. 【請求項24】 フェノール化合物が一般式(I): 【化2】 (式中、Aは単環式又は多環式芳香族炭素環式基の残余
    基、又は2つもしくはそれ以上の単環式芳香族炭素環式
    基の鎖形成により構成される2価の基を表し、 Rは水素原子、あるいは直鎖もしくは分枝鎖の飽和もし
    くは不飽和の脂肪族基、飽和もしくは不飽和の脂環式基
    又は単環式又は多環式の芳香族基である1〜24個の炭
    素原子を有する炭化水素基を示し、 Ro は1つもしくはそれ以上の同一又は異なる置換基を
    示し、 nは4以下の数である)に対応することを特徴とする請
    求項1〜23のいずれかに記載の方法。
  25. 【請求項25】 フェノール化合物が一般式(I):
    (式中、R基は 水素原子 1〜6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アルキ
    ル基 シクロヘキシル基 フェニル基 ベンジル基 のいずれかを示し、 単数又は複数のRo 基は 水素原子 1〜6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アルキ
    ル基 2〜6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アルケ
    ニル基 R4 −O−型(ここでR4 は1〜6個の炭素原子を有す
    る直鎖もしくは分枝鎖アルキル基を示す)のアルコキシ
    基 2〜6個の炭素原子を有するアシル基 ヒドロキシル基 −COOR5 基(ここでR5 は1〜4個の炭素原子を有
    する直鎖もしくは分枝鎖アルキル基を示す) ハロゲン原子、好ましくはフッ素、塩素、臭素 −CF3 基 のいずれかを示す)に対応することを特徴とする請求項
    24記載の方法。
  26. 【請求項26】 フェノール化合物が式(I)(式中、
    nは0、1、2又は3に等しい数である)に対応するこ
    とを特徴とする請求項1〜25のいずれかに記載の方
    法。
  27. 【請求項27】 フェノール化合物が一般式(I)[式
    中、残余基Aは −一緒になって式(Ia): 【化3】 (式中、mは0、1又は2の数を示し、各Ro 及びnは
    同一であっても異なってもよく、上記と同じ意味を有す
    る)に対応するオルト縮合系を形成できる環を有する単
    環式又は多環式芳香族炭素環式基 −式(Ib): 【化4】 (式中、各Ro 及びnは同一であっても異なってもよ
    く、上記と同じ意味を有し、 pは0、1、2又は3の数であり、 Bは 原子価結合 1〜4個の炭素原子を有するアルキレン又はアルキリデ
    ン基、好ましくはメチレン又はイソプロピリデン基 以下の基のいずれか: 【化5】 (ここでR6 は水素原子あるいは1〜4個の炭素原子を
    有するアルキル基、シクロヘキシル基又はフェニル基を
    表す)を示す)に対応する2つもしくはそれ以上の単環
    式芳香族炭素環式基を表す]に対応することを特徴とす
    る請求項1〜26のいずれかに記載の方法。
  28. 【請求項28】 式(I)のフェノール化合物が式(I
    a)及び(Ib):(式中、 −Ro は水素原子、1〜6個、好ましくは1〜4個の炭
    素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アルキル又はアルコ
    キシ基、シクロヘキシル基、フェニル基、ヒドロキシル
    基を示し、 −Bは原子価結合、1〜4個の炭素原子を有するアルキ
    レン又はアルキリデン基、又は酸素原子を表し、 −mは0又は1であり、 −nは0、1又は2であり、 −pは0又は1である)に対応する残余基Aを有するこ
    とを特徴とする請求項27記載の方法。
  29. 【請求項29】 フェノール化合物が一般式(I′): 【化6】 (式中、R及びRo は同一であっても異なってもよく、
    水素原子、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、シ
    クロヘキシル基、フェニル基を示し、好ましくはRが水
    素原子を示し、Ro が水素原子、メチル基、メトキシ基
    を示す)に対応することを特徴とする請求項24記載の
    方法。
  30. 【請求項30】 式(I)のフェノール化合物がフェノ
    ール、アニソール、o−クレゾール、m−クレゾール、
    2−メトキシフェノールから選択されることを特徴とす
    る請求項1〜29のいずれかに記載の方法。
  31. 【請求項31】 式(I)のフェノール化合物がフェノ
    ールであることを特徴とする請求項1〜30のいずれか
    に記載の方法。
JP5077072A 1992-04-03 1993-04-02 フェノール化合物のヒドロキシル化方法 Pending JPH0616583A (ja)

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