JP2011519278A - カゼインミセルとトリプトファンの豊富なペプチドとを含むパッケージ化加熱保持水性飲料の調製方法、およびそれによって得られる製品 - Google Patents

カゼインミセルとトリプトファンの豊富なペプチドとを含むパッケージ化加熱保持水性飲料の調製方法、およびそれによって得られる製品 Download PDF

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Abstract

カゼインミセル(例えば、乳タンパク質からのもの)およびペプチド分画(そのペプチド分画はトリプトファンが豊富である)を含む、低温殺菌または滅菌されたパッケージ化水性飲用製品の製造方法、およびそれによって得られる製品。この方法は、特定pHでの加熱保持を必要とする。

Description

発明の詳細な説明
[技術分野]
本発明は、カゼインミセル(例えば、乳製品からのもの)とペプチド分画(そのペプチド分画はトリプトファンが豊富である)とを含むパッケージ化された加熱保持(heat−preserved)(例えば、低温殺菌または滅菌された)水性飲用製品の製造方法、およびそれによって得られる製品に関する。
[背景技術]
最近、トリプトファンが脳に吸収されると、人の行動、気分、脳機能、脳の発達という幾つかの面に、そうしたトリプトファンがもたらすと考えられる益について様々な報告がなされてきた。そのような報告の例には、国際公開第99/55174号パンフレット、国際公開第00/42868号パンフレット、国際公開第2005/023017号パンフレットがある。
トリプトファンは、(例えば、乳漿タンパクのような)多数のタンパク質中に存在するアミノ酸であり、動物タンパク質もトリプトファンを含む。トリプトファンは、トリプトファンを含むタンパク質が摂取された後、血液中に、また血液から脳に吸収されうる。しかし、トリプトファンは吸収される唯一のアミノ酸ではない。事実、普通の動物タンパク質組成物が摂取された場合、脳が吸収するトリプトファンのレベルは、他のアミノ酸の競合吸収のため非常に低く、その結果、トリプトファンに起因する著しい効果を普通は観察することはできない。したがって、上記のほとんどの報告は、トリプトファンの豊富なタンパク質またはタンパク質分画か、あるいは遊離アミノ酸のトリプトファンのいずれかを使用している(後者の場合、任意選択により他の遊離アミノ酸及び/またはタンパク質と併用される)。
遊離アミノ酸としてのトリプトファンの使用の場合、多数の国における食品法で、食品中での遊離アミノ酸としてのトリプトファンの使用が制限されているという不利な点がある。
トリプトファンの豊富なタンパク質の場合、トリプトファンのレベルおよび大型中性アミノ酸とのその比率(それは脳によるトリプトファンの吸収量と関連している)に関して自然の限界がある。
最近の見識によれば、トリプトファンの豊富なペプチドは、望ましい効果が得られるよう十分なトリプトファンを脳に取り入れるための良好な源でありうるし、また遊離アミノ酸よりも簡単に食品に使用できるものである。そのようなトリプトファンの豊富なペプチドは、好ましくは、脳への吸収の点で大いに競合すると考えられるアミノ酸(いわゆる大型中性アミノ酸(LNAA)であり、それらはロイシン、イソロイシン、バリン、チロシン、フェニルアラニン(またLNAAの定義により、メチオニンも含まれる)である)が少ない。したがって、高レベルのトリプトファンを含み、かつトリプトファン/LNAA比率が大きいペプチド調製物を作成し使用するのが好ましい。メチオニンは、本発明との関連ではなんら有益な代謝的効果を持たないと考えられ、したがって本発明の目的においては、LNAAの1種とは見なされない。
国際公開第02/46210号パンフレットは、例えば、アルファ−ラクトアルブミンの加水分解および選択的沈殿によって、重量に基づくトリプトファン/LNAA比率が少なくとも0.3であるトリプトファンの豊富なペプチドを調製する方法を記載している。
トリプトファンの豊富なペプチド調製物(例えば、上記のものなど)は食品に使用できる。そのような食品は、棒状スナック(snack bar)、または朝食用の穀物食品、または粉末(水またはミルクのような液体に分散/溶解させて飲用製品を得ることができる)のように、乾燥したものであってよい。
またトリプトファン源を含んでいる液体製品(好ましくは、トリプトファンの豊富なペプチド分画であるトリプトファン源であり、好ましくは有益なトリプトファン/LNAA比率を有するもの)(例えば、手軽に飲める(RTD)製品)を製造することが望まれている。というのは、例えば、欧州において機能性食品を手軽に飲める飲料の形で提供する傾向が増大しているからである。栄養補給のため、及び/または子供が摂取し(または摂取すると思われ)かつ/または子供に与えるために親が購入する飲料への配合を容易にするため、カゼインミセルのような乳製品成分がそのようなRTD配合物中に存在するのが好ましい。
特に、ミルクと関わりのある、またはミルクに似た口当たり及び/または口中の感触を有するそのようなRTD製品が望まれている。というのは、例えば、そのようなRTD製品は子供(例えば、6〜12歳の学童)向けにすることができ、また(少なくとも口当たり及びまたは感触が)ミルクに(ある程度)似ている(すなわち、例えば、果汁またはソフトドリンクに似ているよりももっとミルクに似ている)製品は一般的に、栄養に富んだ製品であるとしてそのような子供及び/またはその親に受け入れられるからである。色および香りは、着色剤及び/または香味剤で作り上げることができる(またそのようなことは、チョコレート、バナナまたはイチゴによる香味のように子供向けの健康乳飲料には一般的である)が、ミルクまたは乳飲料の口当たりは取り組みがいくらかもっと難しいことになる。沈殿物の形成が好ましくは最小限に抑えられ、より好ましくは防止されることも求められる。たとえ香味料を加えることができるとしても、加熱異臭(cooked off−flavour)はなくすのが好ましい。
ミルクのような口当たりまたは口中の感触に加えて、RTDがパッケージ化され、かつ加熱保持される(例えば、低温加熱殺菌(heat−pasteurisation)または加熱滅菌で)ことも望ましい。それに加えて、製品は製造時に沈殿が最小量であり、好ましくは製造時に沈殿がまったくないことが望ましい。
独国特許出願公開第4130284号明細書は、高い栄養的価値を有するタンパク質の調製方法を開示している。その方法は、トリプトファンおよびシステインの多いアルファ−ラクトアルブミンを含んでいる乳漿を、ペプシンで加水分解することを開示しており、得られた生成物はタンパク質(例えば、カゼインなど)とブレンドされる。
[発明の概要]
それゆえに、トリプトファン含有ペプチド(好ましくは有利なトリプトファン/LNAA比率のトリプトファン含有ペプチド)の豊富なRTD(手軽に飲める)組成物であって、そのRTDが加熱保持され、ミルクまたはミルクのような製品の口当たりまたは感触に似せるためまたは近づけるためのカゼインミセルを含んでおり、その製品の加熱保持時(加熱低温殺菌または加熱滅菌)に沈殿が最小である(12%未満のタンパク質の沈殿、好ましくは6%未満の沈殿、より好ましくは沈殿がない)ようなRTD組成物の開発が望まれていた。
そのため、沈殿物の形成を好ましくは防止するか、または最小限に抑える。少なくとも0.5%のカゼインミセルの存在によって(ミルク中にあるときのように凝集すると)、ミルクまたは乳飲料の口当たり及び/または口中の感触に、少なくとも幾らか似ることが可能であることが見出されて、そうしたことが成し遂げられた。ただし、望ましい保存状態及び/または貯蔵性を達成すること、および加熱異臭を防止することを望むなら、好ましくは加熱低温殺菌または加熱滅菌による加熱保持処理、もっとも好ましくはUHT滅菌処理による加熱保持処理が必要になる。
これは、0.5〜4%(全液体組成物に対する乾燥重量%)のカゼインミセルと0.1〜5%(全液体組成物に対する乾燥重量%)のトリプトファン含有ペプチド組成物(トリプトファンのレベルが1〜10%(トリプトファン含有ペプチドに対する重量%)のもの)とを含むパッケージ化水性液体組成物の製造方法であって、
− 水(好ましくは、全組成物に対して50〜97重量%)、0.5〜4(乾燥重量)%のカゼインミセル、および0.1〜5(乾燥重量)%のトリプトファン含有ペプチド組成物(トリプトファンのレベルが、トリプトファン含有ペプチドに対して1〜10重量%である)を含む混合物を得るステップと、
− 前記混合物に、80〜150℃、好ましくは120〜150℃の温度で加熱保持処理を施すステップと、
− そのようにして得られたパッケージ化液体製品を無菌パッケージでパッケージ化するステップと
を含み、加熱保持処理を施す混合物はpHが8.1より小さく、かつ以下の関係式:
pH>0.02T(℃)+0.23(乾燥重量%単位のカゼインミセル)+3.8
(式中、カゼインミセルは全配合物に対する重量%で表される)で示されるpHより上である、パッケージ化水性液体組成物の製造方法によって(少なくとも一部)達成された。
本発明はさらに、パッケージ化された加熱保持(好ましくは低温殺菌または加熱滅菌、より好ましくは加熱滅菌)組成物であって、
− 50〜97%(全組成物に対する重量%)の水と、
− 0.5〜4%(全液体組成物に対する乾燥重量%)のカゼインミセルと,
− 0.1〜5%(全液体組成物に対する乾燥重量%)のトリプトファン含有ペプチド組成物(トリプトファンのレベルが1〜10%(トリプトファン含有ペプチドに対する重量%)である)と
を含み、pHが6〜8.1、好ましくは6.2〜7.5、より好ましくは6.5〜7であるパッケージ化された加熱保持組成物に関する。
好ましくは、本発明による方法では、加熱保持処理は、熱による低温殺菌または熱による滅菌を含み、もっとも好ましくはUHT滅菌処理を含む。
そのようなRTD配合物で用いるためのトリプトファン含有ペプチド組成物であって、好適なレベルのトリプトファンおよび好適なレベルのトリプトファン/LNAA(LNAAは、チロシン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、およびバリンの総量で表される)を有するトリプトファン含有ペプチド組成物、ならびにそのようなトリプトファン源の調製方法がさらに望まれている。
本発明によるRTD配合物では、トリプトファン含有ペプチド組成物が好ましく含むトリプトファン含有ペプチドは次の方法で得ることができる:水溶性トリプトファン含有ペプチド、好ましくは少なくとも2種類の水溶性トリプトファン含有ペプチドを含み、好ましくはトリプトファン/LNAA比率が0.15より大きく、好ましくは0.15から1.8の間である組成物を製造する方法であって、リゾチーム、好ましくは鶏卵リゾチームを加水分解して、DHが5から45の間である加水分解物を調製し、任意選択で、一部のアルギニン含有またはリジン含有ペプチドを除去することを含む方法によって得ることができる。好ましくは、本発明によるRTD配合物に用いるそのようなトリプトファン含有ペプチドは、AWまたはGNWを含み、より好ましくはAWおよびGNWを含む。前記加水分解物は、好ましくはDHが10から40の間である。
本発明によるRTD配合物では、トリプトファン含有ペプチド組成物は、好ましくは、少なくとも2種類の異なる水溶性のペプチドを含み、かつ組成物のトリプトファン/LNAAのモル比が少なくとも0.15、好ましくは0.15から1.8の間である組成物の形である。好ましくは、このトリプトファン含有ペプチド組成物は、AWまたはGNW、好ましくはAWおよびGNW、もっとも好ましくは、AWとGNWとのモル比が1:2から10:1の間、好ましくは1:2から5:1の間であるAWおよびGNWを含む。したがって、本RTD配合物では、トリプトファン含有ペプチド組成物は、好ましくは、トリプトファンの豊富な水溶性ペプチドの組成物の形である。有利には、本RTD配合物では、トリプトファン含有ペプチド組成物は、好ましくは少なくとも2種類の異なるジペプチドまたはトリペプチドを含み、ジペプチドまたはトリペプチドから選択される2種類のペプチドがジペプチドおよびトリペプチドの総量の少なくとも5mol%だけ存在し、さらにそのトリプトファン含有ペプチド組成物では、30mol%より多くの、好ましくは40mol%より多くの、より好ましくは50mol%より多くの、さらにより好ましくは60mol%より多くの、さらにより好ましくは70mol%より多くの、もっとも好ましくは80mol%より多くのペプチド結合トリプトファンが、ジペプチドまたはトリペプチドの形で存在し、好ましくは、トリプトファン含有ペプチド組成物は、トリプトファン/LNAA比率が0.15より大きく、好ましくは0.15から1.8の間である。ペプチド結合トリプトファンとは、ペプチド中にアミノ酸として存在するトリプトファンを意味する。
本発明によるRTD配合物において好ましく使用されるトリプトファン含有ペプチド組成物は、好ましくはリゾチーム加水分解物であるか、または精製リゾチーム加水分解物である。好ましくは、前記リゾチーム加水分解物は、アルギニン残基が特に豊富である。アルギニンは大型中性アミノ酸(LNAA)の群に属さないが、インシュリン刺激効果があることで知られている。本明細書に開示されている加水分解物は、生体内で、高い血漿のトリプトファン/LNAA比率を生み出しうることが見出された。検出される血漿中のトリプトファン/LNAA比率は、加水分解物のトリプトファン/LNAA比率よりも大きいことが見出された。本明細書に記載のトリプトファン含有ペプチド組成物のさらに別の利点は、トリプトファン含有ペプチドが非常に小さいので、あまり好ましくないトリプトファン/LNAA比率を有するタンパク質の豊富な製品と組み合わせた場合でさえ、加水分解物は即時に高い血漿のトリプトファン/LNAA比率を生み出すことができることである。したがって、そのようなトリプトファン含有ペプチド組成物は本発明のRTD配合物に好適なものとなる。本発明のRTD配合物で使用されるトリプトファン含有ペプチド組成物は、遊離トリプトファンをさらに含むことができる。好ましくは、トリプトファン含有ペプチド組成物の加水分解物は、1重量%(乾燥物質)より多くの遊離トリプトファンを含まない。
[発明の詳細な説明]
沈殿物の形成を避けるために加熱保持の前に必要とされるpHが、カゼインミセル(またはその源)の有無だけでなく、そのようなカゼインミセルの濃度にも依存することは、極めて驚くべきことである。理論に縛られることは望まないが、この点および変量により、比較的複雑なpH要件が生じると考えられる。
本発明による方法では、(例えば、低温殺菌、滅菌(例えば、UHT処理)のような)加熱保持を施す混合物のpHは、ある特定の限界内にあるべきである。選択した成分によっては、pHは望ましい範囲内にすでに入っていることがあるが、多くの場合、加熱保持(例えば、低温殺菌または滅菌(好ましくはUHT滅菌))を施す物質のpHを、上に明記した値に調節することが望ましいであろう。そのような調節は任意の好適な手段で、加熱保持(好ましくは加熱低温殺菌または加熱滅菌による、もっとも好ましくはUHT滅菌による)段階の前に、例えば、アルカリまたは緩衝剤を、例えば、加熱保持(好ましくは低温殺菌または滅菌、もっとも好ましくはUHT滅菌)する混合物に添加するか、あるいは前記混合物で用いる1種または複数種の成分に添加することで成し遂げることができる。UHT滅菌は、本明細書では、当該技術分野において知られているように、F値が少なくとも3、好ましくは少なくとも5となるような十分な時間の間120〜150℃の範囲の温度にすることと理解されるべきである。カゼインミセルの濃度および加熱保持処理温度(例えば、UHT条件)に応じて、加熱保持(好ましくはUHT滅菌)処理を施す混合物のpHは、好ましくは6.2〜7.5の間、好ましくは6.5〜7までである。
本発明による方法および製品では、組成物は、好ましくは0.5〜3%(全液体組成物に対する乾燥重量%)のカゼインミセル(好ましくは0.6〜2%)を含む。
またpHが6.2〜7.5、好ましくは6.5〜7までであると同時に、カゼインミセルの濃度が0.5〜3%(全液体組成物に対する乾燥重量%)のカゼインミセル(好ましくは0.6〜2%)である場合も好ましい。本発明で特に好ましいのは、pHが6.5〜7であると同時に、カゼインミセルの濃度が0.5〜2%、さらにより好ましくは0.6〜2%(全液体組成物に対する乾燥重量%)である場合である。
本発明による方法および製品では、組成物は、好ましくは0.01〜0.1%(好ましくは0.01〜0.08%、より好ましくは0.02〜0.05%(全組成物に対する重量%))の、カラギナン、ローカストビーンガム、ガーゴム、タラガム、またはそれらの混合物からなる群から選択される増粘ガムをさらに含む。というのは、そうしたものは、口当たり及び/または口中の感触がミルクまたは乳製品に近くなる(すなわち、例えば、果汁またはソフトドリンクよりもミルクまたは乳製品に近くなる)のをさらに助けることができるからである。これに関連して、前記濃度でのカラギナンの使用が最も好ましい。本発明の方法および組成物においては、0.01〜0.1%(好ましくは0.01〜0.08%、より好ましくは0.02〜0.05%(全組成物に対する重量%))の、カラギナン、ローカストビーンガム、ガーゴム、タラガム、またはそれらの混合物からなる群から選択される増粘ガム(好ましくはカラギナン)を使用し、それと組み合わせて、滅菌する混合物及び/またはRTD配合物のpHを6.2〜7.5、好ましくは6.5〜7までにし、かつ/またはカゼインミセルの濃度が0.5〜3%(全液体組成物に対する乾燥重量%)のカゼインミセル(好ましくは0.6〜2%)であるようにすること、また特にそれと組み合わせて、(滅菌する混合物及び/または最終製品の)pHを6.5〜7にし、かつカゼインミセルの濃度を0.5〜2%、さらにより好ましくは0.6〜2%(全液体組成物に対する乾燥重量%)にすることがさらに好ましい。上に示したカラギナン、ローカストビーンガム、ガーゴム、タラガム、またはそれらの混合物からなる群から選択されるガム(好ましくはカラギナン)をそのように使用するかまたはそれが存在することに加えて、あるいはその代わりに、組成物は、0.5〜5%(好ましくは0.5〜3%、より好ましくは0.8〜2%(全組成物に対する重量%))のデンプンまたはデンプン誘導体またはデンプン加水分解物、好ましくはマルトデキストリンを含むことができる。この場合、上記の範囲の下端はデンプンにいっそう当てはまり、マルトデキストリンはもっと広い範囲で使用できる。デンプンまたはデンプン誘導体または加水分解物(マルトデキストリンのようなもの)の存在は、上に示したガムの使用と同じ理由のため好ましい場合があり、また好ましいpH範囲及び/またはカゼインミセル濃度との同じ組合わせで好ましい場合がある。
カゼインミセルは、任意の好適な源からのものであってよく、例えば、濃縮乳、ミルク、ミルク粉末、スキムミルク粉末、バターミルク、バターミルク粉末、ミルクタンパク質濃縮物、ミルクタンパク質分離物、及び/またはそれらの混合物などからのものであってよい。
加熱保持(好ましくはUHT処理)製品は無菌状態でパッケージ化されるべきであり、その製品は、任意の好適なパッケージであってよく、好ましくはそのようなパッケージはテトラパック、DOYパック(パウチ)、瓶、袋、または缶である。
本発明のRTD配合物に好ましく使用されるトリプトファン含有ペプチド組成物は、非常に短い時間間隔の間に血漿中のトリプトファン/LNAA比率を効果的に増大させるのに非常に適したペプチドの形で存在するトリプトファンを含む組成物を提供する。トリプトファンを含んでいるジペプチドおよびトリペプチドは、この増大に有利に寄与する。本発明のRTD配合物中のトリプトファン含有ペプチド組成物の1つの実施態様では、リゾチーム(好ましくは、鶏卵リゾチーム)は、工業的方法で酵素(前)加水分解される。すなわち(鶏卵)リゾチームは、好ましくは加水分解物の形で提供される。加水分解物の形で提供されると、トリプトファン含有ペプチドの胃腸での吸収が非常に促進される。別の実施態様では、本出願のRTD配合物のトリプトファン含有ペプチド組成物の場合、鶏卵リゾチームを、正電荷を帯びたアルギニンおよびリジン残基を含むペプチドのレベルが下げられている加水分解物に変換する。後者の加水分解物は、トリプトファン/LNAAのモル比率が0.15より大きいことを特徴としている。好ましいトリプトファン含有ペプチド組成物を含む、本出願のRTD配合物のさらに別の実施態様では、鶏卵リゾチームは、存在するペプチドの50%より多くが、好ましくは60%より多くが、より好ましくは75%より多くが500Da未満の分子量を有するようなペプチド集団を含む加水分解物に変換される。これは、本出願の材料および方法の項目に記載されている通りに、加水分解物中のペプチドの分子量分布を求めることを条件とする。好ましいトリプトファン/LNAA比率(少なくとも0.15)に関して、本出願の材料および方法の項目に記載されている通りに、加水分解物のアミノ酸分析を実施する。
「タンパク質」または「ポリペプチド」は、本明細書では、30個より多いアミノ酸残基を含む鎖と定義する。
「ペプチド」または「オリゴペプチド」は、本明細書では、ペプチド結合によって連結された少なくとも2個のアミノ酸の鎖と定義する。「ペプチド」および「オリゴペプチド」という用語は、(一般的に、理解されているように)同義と見なされ、文脈での必要に応じてそれぞれの用語は区別なく使用できる。
「水溶性の」ペプチドは、pH5.0で水溶性のペプチドである。本明細書のすべての(オリゴ)ペプチドおよびポリペプチドの式または配列は、慣例に従って、アミノ末端からカルボキシ末端の方向に左から右に書かれている。本明細書で使用されているアミノ酸の一文字略号は一般的に、当該技術分野において知られており、SambrookらのMolecular Cloning:A Laboratory Manual, 2nded.Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor,NY,1989に記載されている。
タンパク質加水分解物、加水分解物または加水分解されたタンパク質とは、タンパク質の酵素加水分解により生じる生成物を意味し、富化加水分解物(enriched hydrolysate)は、例えば、選択されたペプチドが豊富にされたタンパク質加水分解物の分画、あるいはペプチドまたはポリペプチドが加水分解物から除去されたタンパク質加水分解物の分画である。それで、富化加水分解物は、好ましくは、ペプチドの混合物(ペプチド混合物)である。したがって、本発明のペプチド混合物は、少なくとも2種類の、好ましくは少なくとも3種類の、より好ましくは少なくとも4種類のトリプトファン含有ペプチドの混合物である。より好ましくは、混合物は、存在するペプチドの50%より多くが、好ましくは60%よりもさらに多くが、もっとも好ましくは75%より多くが500Da未満の分子量を有するペプチド集団を含む。トリプトファン含有ペプチドとは、少なくとも1つのL−トリプトファンアミノ酸残基を含むペプチドを意味する。トリプトファン/LNAA比率は、トリプトファンと他の大型中性アミノ酸(LNAA。すなわち、チロシン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシンおよびバリンの合計)の量のモル比を表す。血漿のトリプトファン/LNAA比率を別にすれば、トリプトファン/LNAA比率はペプチド結合アミノ酸だけに関係する。したがって、遊離のトリプトファン、チロシン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシンおよびバリンは、トリプトファン/LNAA比率に関して考慮されない。ペプチド結合アミノ酸は、ペプチドの一部であり、遊離アミノ酸ではないアミノ酸である。Tyr/BCAAの比率は、チロシンと分岐鎖アミノ酸(BCAA。すなわちロイシン、イソロイシンおよびバリンの合計)の量のモル比を表す。好ましくはTyr/BCAAの比率は0.1より大きく、好ましくは0.12より大きい。
本発明のRTD配合物に好ましく用いられるトリプトファン含有ペプチド組成物は、本明細書に開示されている方法によって製造することができ、その方法では、タンパク質のトリプトファンに基づくトリプトファン収率が30%より多く、トリプトファンを含有する水溶性ペプチド組成物が生み出される。トリプトファン残基の大部分がジペプチドおよびトリペプチドに含まれるという事実は、血流に即時に吸収されることを暗示する。本発明のRTD配合物に好ましく用いられる前記トリプトファン含有ペプチド組成物は、実際の加水分解物のトリプトファン/LNAA比率よりも高い血漿のトリプトファン/LNAA比率を生み出すこともできる。最後に、本発明のRTD配合物に好ましく用いられるトリプトファン含有ペプチド組成物は、抗原性が非常に低いことによっても特徴付けられる。
本発明のRTD配合物で好ましく用いられるトリプトファン含有ペプチド組成物では、鶏卵リゾチームが、トリプトファン/LNAA比率の大きな調製物を提供するための便利な基質として好ましく使用される。リゾチームは、卵白中に3〜4%の濃度で存在する。その並外れて高い等電点を利用して、リゾチームは、簡単な陽イオンクロマトグラフィー精製工程を用いて卵白から工業的に分離される。得られる生成物はほぼ純粋なものであり、この工業的に入手可能な製品は、分子トリプトファン含有量が7.8%であり、トリプトファン/LNAAの分子比が少なくとも0.15である。したがって、純粋なリゾチームのトリプトファン/LNAA比率は、純粋なアルファ−ラクトアルブミン及びまたはベータ−ラクトグロブリンよりも著しく大きい。それゆえに、本発明のRTD配合物中に好ましく用いられるトリプトファン含有ペプチド組成物のリゾチーム加水分解物(したがって、RTD配合物に好ましく用いられるトリプトファン含有ペプチド組成物自体)は、トリプトファン/LNAAのモル比が0.15より大きいものでありうるし、より好ましくはトリプトファン/LNAA比率が0.20より大きく、さらにより好ましくはトリプトファン/LNAA比率が0.23より大きく、さらにより好ましくはトリプトファン/LNAA比率が0.25より大きく、もっとも好ましくはトリプトファン/LNAA比率が0.30より大きい。一般に、トリプトファン/LNAAのモル比は3.0未満である。そのようなものとしてリゾチームは、トリプトファン含有ペプチドまたは組成物にとって好ましい出発原料となる。リゾチーム(EC3.2.1.17)は、細菌細胞壁中の特殊なペプチドグリカン結合を加水分解して、細胞溶解を引き起こすことができる酵素である。
本発明によるRTD配合物中のトリプトファン含有ペプチド組成物に好ましく使用される加水分解物は、高タンパク質含有の食品マトリックス(例えば、乳製品によって提供されるもの)に含める場合にも効果的である。これは大変驚くべきことである。というのは、タンパク質を含んでいる食品マトリックスはLNAAの含有量(loads)が高く、それゆえに、トリプトファン/LNAA比率の高い製品の効果を減少させると予想できるからである。予想外のこの現象については、普通の食品は、広範囲にわたって加水分解されたタンパク質ではなく、完全な形のものを含んでいるという説明が考えられる。好ましいトリプトファン含有ペプチド組成物のトリプトファン含有およびチロシン含有ペプチドの大部分は、分子量が500Da未満である。トリプトファン(MW=186)およびチロシン(MW=163)の分子量が非常に大きいこと、また遊離トリプトファンは非常に低いレベルしか存在しないという事実を考慮すると、こうしたペプチドの大部分はトリペプチドまたはジペプチドとなるであろうことが暗示される。
好ましい仕方では、リゾチーム(好ましくは鶏卵リゾチーム)は工業的な方法で酵素(前)加水分解される。すなわち(鶏卵)リゾチームは、好ましくは加水分解物または富化加水分解物の形で提供される。そのような(富化)加水分解物の形で提供されると、トリプトファン含有ペプチドの胃腸での吸収が非常に促進される。本出願の別の実施態様では、鶏卵リゾチームは、存在するペプチドの50%より多くが、好ましくは60%より多くが、より好ましくは75%より多くが500Da未満の分子量を有するトリプトファン含有ペプチド集団を含む、加水分解物または富化加水分解物に変換される。好ましくはそのような(富化)加水分解物は、(乾燥物質に基づいて)1重量%より多くの遊離トリプトファンを含まない。加水分解物中に存在するトリプトファン含有ペプチドの分子量分析を、材料および方法の項目で述べられているようにして実施する。
本発明のRTD配合物で好ましく用いられるトリプトファン含有ペプチド組成物では、(鶏卵)リゾチーム加水分解物は、加水分解物の分画のトリプトファン含有量を増大させるために、分別するのがさらに好ましいであろう。この分画または富化加水分解物は、好ましくは、分別前の加水分解物と比べてトリプトファン/LNAA比率が増大している。更なる遊離トリプトファンによる加水分解物または富化加水分解物の富化も、本発明の一部を構成する。そのような富化加水分解物を調製するための好ましい選択肢では、リゾチームがアルギニンおよびリジンの塩基性残基を並外れて多量に含んでいるという知見を用いる。驚くべきことに、選択した酵素の温置条件の結果として、すなわち、開裂優先位置(cleavage preference)の正しいエンドプロテアーゼ(サブチリシンなど)を選択し、それと共に、トリプトファンを含んでいるがアルギニン残基もリジン残基もほとんど含まない多量のジペプチドおよびトリペプチドを生じさせる温置条件を選択すると、本発明による富化リゾチーム加水分解物を製造できる。したがって、アルギニンまたはリジン残基を含んでいるLNAA含有ペプチドは、そのような塩基性残基を持たないトリプトファン含有ペプチドから分離することができる。例えば、加水分解物のpHを4から6の値の間、より好ましくは5.0から5.5の間に調節することにより、そのような塩基性残基のないペプチドは帯電しなくなり、それゆえに親水性は減少する。こうした特徴は、例えば、アルギニン含有またはリジン含有ペプチドの大部分を選択的に除去するクロマトグラフ法または別の分離法で用いることができる。その結果、トリプトファン含有ペプチドの含有量は劇的に増大し、状況に応じて、その富化加水分解物のトリプトファン/LNAA比率が増大する。帯電したアルギニン含有またはリジン含有ペプチドは、イオンクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィーまたは電気透析など周知の技法で除去することができる。関連したペプチドのクロマトグラフ分離でそのような特徴を使用することに関する実際的な予備知識は、Protein Purification Handbook(Amersham Pharmacia Biotech(現在は、GE Healthcare Bio−Sciences,(Diegem,Belgium))によって発行)などに記載されている。高いトリプトファン含有量と高いトリプトファン/LNAA比率を併せ持つ調製物を得るさらにもっと高度な精製経路では、グルタメート(GIu)およびアスパルテート(Asp)残基などの酸側基を有するアミノ酸がリゾチーム中に存在することを有利な仕方で用いる。このアプローチでは、本発明によるリゾチーム加水分解物のpHを最初に3.0に調節し、次いで陽イオン樹脂を用いてクロマトグラフィー法で分離する。このpH値では、GIuまたはAspを含んでいるペプチドはカラムを通過することになり、他のペプチドは結合することになる。pH5の緩衝液による続く溶離では、説明したように、リジンまたはアルギニン残基を含まない結合ペプチドをすべて脱着することになる。トリプトファン含有ペプチドの大部分は、この脱着分画内に含まれることになる。その後、残りの結合ペプチドは、ずっと高いpH値の緩衝液による溶離によってカラムから取り出すことができる。
本発明のRTD配合物に好ましく用いられるトリプトファン含有ペプチド組成物の調製では、好ましくはイオン交換クロマトグラフィー及び/または疎水性相互作用クロマトグラフィーが使用されるが、アフィニティークロマトグラフィーおよび分子ふるいクロマトグラフィーを含む他の好適なクロマトグラフ分離法も使用できる。得られた水性分画からのトリプトファン富化ペプチドの回収は、当該技術分野において知られている方法によって行うことができる。濃縮された貯蔵性のある製品を得るために、回収には、好ましくは蒸発ステップおよび(噴霧)乾燥ステップを組み入れる。またナノ濾過工程および有機溶媒を含む抽出工程の後に蒸発/沈殿ステップが続く場合、望ましい精製を行うこともできる。有機溶媒からのトリプトファン富化ペプチドの回収は、好ましくは溶媒を蒸発させて行う。
生理学的条件下、すなわち、酸性pHでは、リゾチームは、ペプシン、トリプシンおよびキモトリプシンをプロテアーゼとして用いたタンパク質分解性の加水分解に対して非常に強くなるという事実にもかかわらず、本発明のRTD配合物に好ましく用いられるリゾチーム加水分解物は、そのようなあまり好ましくない酸性条件下でも得ることができる。しかし、そのような条件下では、ずっと高い酵素濃度、高い温度、および任意選択的に、追加のエンドプロテアーゼなど、比較的厳しい温置条件が必要である。アルカリ性pHでサブチリシンと一緒にリゾチームを温置することによって得られるリゾチーム加水分解物は、Ala−Trp(AW)ジペプチドが特に豊富であることが見出された。
[材料および方法]
[材料]
「Protex 6L」という商品名のサブチリシンは、Genencor(Leiden,The Netherlands)から、ペプシンはSigmaから、またトリプシン/キモトリプシンの混合物(Porcine PEM)はNovozymes(Bagsvaerd,Denmark)から入手した。リゾチームは、Delvozyme L(乾燥物質22%)としてDSM Food Specialities(Delft,The Netherlands)から入手した。
[SDS−PAGE]
使用したリゾチーム調製物の純度は、SDS−PAGEで検査した。SDS−PAGEおよび染色に用いた材料はすべてInvitrogen(Carlsbad,CA,US)から購入した。試料は、製造業者の取扱説明書に従ってSDS緩衝液を用いて調製し、製造業者の取扱説明書に従ってMES−SDS緩衝系を用いて12%ビス−トリスゲルで分離した。染色は、Simply Blue Safe Stain(Collodial Coomassie G250)を用いて行った。加水分解の前には、リゾチームは、およそ14kDaの分子量の単一バンドとしてゲル上に現れた。
[LC/MS/MS分析]
P4000ポンプ(Thermo Electron,(Breda,the Netherlands))に連結されたイオン・トラップ質量分析計(Thermo Electron,(Breda,the Netherlands))を用いたHPLCを使用して、本発明による方法で製造された、タンパク質の酵素加水分解物中にトリプトファン含有ペプチド(主にジペプチドおよびトリペプチド)があるかどうかを判定した。Inertsil 3 ODS 3、3μm、1502.1mmのカラム(Varian Belgium,(Belgium))を用い、それと共に溶離用の0.1%ギ酸/ミリQ水(Millipore,(Bedford,MA,USA);溶液A)および0.1%ギ酸/アセトニトリル(溶液B)の勾配を付けて、生じたペプチドを分離した。勾配は100%の溶液A(ここで、10分間維持)から始め、25分間で直線的に20%Bまで増大させ、すぐに開始条件まで進み、安定化させるためにそこで15分間維持した。使用した注入量は50マイクロリットルであり、流量は200マイクロリットル/分であり、カラム温度は55℃に維持した。注入試料のタンパク質濃度はおよそ50マイクログラム/ミリリットルであった。注目しているペプチドの同定は、保持時間、プロトン化された分子に基づいて、また注目しているペプチド専用のMS/MS(約30%の最適衝突エネルギーを使用)を用いて行う。特定のトリプトファン含有ペプチドの定量は、外標準法を用いて実施する。
テトラペプチドVVPP(M=410.2)を使用して、MS法における最適感度およびMS/MS法における最適断片化の調節を行い、5μg/mlの持続注入を行った。その結果として、MS法におけるプロトン化分子およびMS/MS法における約30%の最適衝突エネルギーが得られ、Bイオン系列およびYイオン系列が生成された。
LC/MS/MSに先だって、タンパク質の酵素加水分解物を、周囲温度および13000rpmで10分間遠心分離し、上澄み液を、ミリポア水濾過装置に通した脱イオン水(ミリQ水)で1:100に希釈した。
[加水分解度]
種々のプロトン性混合物(protolytic mixtures)と一緒に温置している間に得られる加水分解度(DH)を、迅速OPA試験で観測した(Nielsen,P.M.;Petersen,D.;Dambmann,C.Improved method for determining food protein degree of hydrolysis.Journal of Food Science 2001,66,642−646)。
[ケルダール態窒素]
合計ケルダール態窒素をフローインジェクション分析で測定した。TKN Method Cassette 5000−040、SOFIAソフトウェア付きPentium 4のコンピュータおよびTecator 5027オートサンプラーを装備したTecator FIASTAR 5000フローインジェクションシステムを用いて、タンパク質を含んだ溶液から放出されるアンモニアの量を590nmで量った。この方法の動的範囲(0.5〜20mg N/l)に対応する量の試料を、95〜97%硫酸およびKjeltabと一緒に消化管に入れ、200℃で30分間、その後に360℃で90分間の消化プログラムを実施した。FIASTAR 5000システムに注入した後、窒素ピークを測定する。それに基づいて測定タンパク質の量を推測することができる。
[加水分解物中に存在するペプチドおよびタンパク質の分子量分布。]
高圧ポンプ、10〜100マイクロリットルの試料を注入できる注入装置および214nmでカラムの流れを監視できる紫外吸光検出器を備えた自動HPLCシステムによって、プロテアーゼで処理したタンパク質試料のペプチドのサイズ分布の分析を実施した。
この分析に使用したカラムは、20mM リン酸ナトリウム/250mM 塩化ナトリウム緩衝液(pH7.0)で平衡化されたSuperdex Peptide HR 10/300 GL(Amersham)であった。試料(典型的には50マイクロリットル)を注入した後、様々な成分が、0.5ml/分の流量で90分間にわたって緩衝液と一緒にカラムから溶離した。シトクロムC(Mw:13500Da)とアプロチニン(Mw:6510Da)とテトラグリシン(Mw:246Da)との混合物を分子量マーカーとして用いて、システムを較正した。
したがって、本発明による方法およびRTD配合物では、トリプトファン含有ペプチド組成物は、好ましくはトリプトファンとLNAAとの(重量)比率が少なくとも0.1、好ましくは少なくとも0.15、より好ましくは0.15〜1.8であるペプチド組成物を含み、好ましくは、それはリゾチーム(より好ましくは鶏卵リゾチーム)を加水分解して、DHが5から45の間である加水分解物を調製し、さらに任意選択的に、アルギニン含有またはリジン含有ペプチドの一部を除去することを含む方法によって得られる。この場合、好ましくは、トリプトファン含有ペプチド組成物は、AWまたはGNW、好ましくはAWおよびGNWを含む(ここで、AWとGNWとのモル比は、好ましくは1:2から10:1の間、より好ましくは1:2から5:1の間である)。
上記に関して、本発明による方法およびRTD配合物では、トリプトファン含有ペプチド組成物は、トリプトファンとLNAAとの(重量)比率が少なくとも0.1、好ましくは少なくとも0.15、より好ましくは0.15〜1.8であるペプチド組成物を含み、好ましくはそのようなものが、リゾチーム(より好ましくは鶏卵リゾチーム)を加水分解して、DHが5から45の間である加水分解物を調製し、さらに任意選択的に、アルギニン含有またはリジン含有ペプチドの一部を除去することを含む方法で得られ、かつ/または好ましくはトリプトファン含有ペプチド組成物が、好ましくはAWまたはGNW、より好ましくはAWおよびGNWを含み(ここで、AWとGNWとのモル比が好ましくは1:2から10:1の間、より好ましくは1:2から5:1の間である)、また0.01〜0.1%(好ましくは0.01〜0.08%、より好ましくは0.02〜0.05%(全組成物に対する重量%))の、カラギナン、ローカストビーンガム、ガーゴム、タラガム、またはそれらの混合物からなる群から選択される増粘ガムをさらに含みうることがさらに好ましいであろう。というのは、そうしたものは、口当たり及び/または口中の感触がミルクまたは乳製品に近くなる(すなわち、例えば、果汁またはソフトドリンクよりもミルクまたは乳製品に近くなる)のをさらに助けることができるからである。これに関連して、前記濃度でカラギナンを使用するのが最も好ましい。
本発明の方法および組成物においては、トリプトファンとLNAAとの(重量)比率が少なくとも0.1、好ましくは少なくとも0.15、より好ましくは0.15〜1.8であるペプチド組成物を含むトリプトファン含有ペプチド組成物であって、それを得ることができる方法が、リゾチームを加水分解することを含み、それと組み合わせて、加熱保持する(好ましくは滅菌する)混合物及び/またはRTD配合物のpHを6.2〜7.5、好ましくは〜6.5〜7にし、かつ/またはカゼインミセルの濃度が0.5〜3%(全液体組成物に対する乾燥重量%)であるカゼインミセル(好ましくは0.6〜2%)にすること、また特に、それと組み合わせて、pHを6.5〜7にし、かつカゼインミセルの濃度を0.5〜2%、さらにより好ましくは0.6〜2%(全液体組成物に対する乾燥重量)にするという方法である、トリプトファン含有ペプチド組成物を使用するのがさらに好ましい。上に示したカラギナン、ローカストビーンガム、ガーゴム、タラガム、またはそれらの混合物からなる群から選択されるガム(好ましくはカラギナン)を使用するかまたはそれが存在すること加えて、あるいはその代わりに、組成物は、0.5〜5%(好ましくは0.5〜3%、より好ましくは0.8〜2%(全組成物に対する重量%))のデンプンまたはデンプン誘導体またはデンプン加水分解物、好ましくはマルトデキストリンをさらに含むことができる。この場合、上記の範囲の下端(0.5〜2%)はデンプンにいっそう当てはまり、マルトデキストリンはもっと広い範囲(0.5〜5%)で使用できる。デンプンまたはデンプン誘導体または加水分解物(マルトデキストリンのようなもの)が存在するのが、上に示したガムの使用と同じ理由で好ましいことがある。
本発明による方法、および本発明によるRTDでは、トリプトファン含有ペプチドの調製物は、ジペプチドまたはトリペプチドから選択される少なくとも2種類の異なるペプチドを含み、ジペプチドまたはトリペプチドから選択される2種類のペプチドは、ジペプチドおよびトリペプチドの総量の少なくとも5mol%だけそれぞれ存在し、全トリプトファンの30mol%より多くがペプチド結合トリプトファンとして存在し、好ましくは40mol%より多くの、より好ましくは50mol%より多くの、さらにより好ましくは60mol%より多くの、さらにより好ましくは70mol%より多くの、もっとも好ましくは80mol%より多くのペプチド結合トリプトファンがジペプチドまたはトリペプチドの形で存在し、好ましくは、組成物はトリプトファン/LNAA比率が0.15より大きく、好ましくは15から1.8の間である。この方法およびRTD配合物では、好ましくは、そのようなトリプトファン含有ペプチド配合物が、好ましくは、リゾチーム(より好ましくは鶏卵リゾチーム)を加水分解して、DHが5から45の間である加水分解物を調製すること、また任意選択的に、アルギニン含有またはリジン含有ペプチドの一部を除去することを含む方法で得られ、かつ/または好ましくはトリプトファン含有ペプチド組成物が、好ましくはAWまたはGNW、より好ましくはAWおよびGNW(ここで、AWとGNWとのモル比が好ましくは1:2から10:1の間、より好ましくは1:2から5:1の間である)を含む。
本発明はさらに、本明細書で開示したRTD配合物を含む食物、ペットフード、餌、健康補助食品または栄養補助組成物及び/または経腸組成物(enteral composition)に関する。
以下の実施例は本発明をさらに説明するものである。
[実施例]
[実施例1]
[Protexによるリゾチームの加水分解および生成ペプチドの同定。]
10%(w/w)の純粋リゾチームを含む溶液をNaOHでpH8.2に調節し、52℃まで加熱した。存在するタンパク質1g当たり25マイクロリットルのProtexを加えて、加水分解を開始させた。連続攪拌しながらpHを8.2に維持した状態で、加水分解を5.5時間続けて、目に見える沈殿物のないほとんど透明の溶液を得た。Protex活性を不活性化させる加熱ステップの後、試料をDH分析用に取り分けた。溶液のDHは、ほぼ30%であることが分かった。熱処理した溶液を10kDaフィルターで限外濾過して完全に透明な液体を得た。この透明な液体を、LC/MS分析用、存在するペプチドおよびタンパク質の分子量分布を求めるため、ならびにイオン交換クロマトグラフィー用に使用した。存在するペプチドおよびタンパク質の分子量分布がどんなものかを知るために、その透明液体に対して材料および方法の項目に記載した分子サイズ分析を実施した。得られた結果は、芳香族の側鎖を有するアミノ酸(すなわちトリプトファン、チロシンおよびフェニルアラニン)を含んだほとんどすべてのペプチドは、分子量が500kDa未満であることをはっきり示した。こうしたアミノ酸の分子量が大きいことを考慮すると、こうした小さいペプチドのほとんどがトリペプチドかまたはジペプチドであることを暗示している。
材料および方法の項目に記載した手順に従ってLC/MS分析を実施した。トリプトファン(「W」)を含んでいるペプチドを選択することにより、ペプチドAW、GNW、WIR、NAW、WVA、VAW、AWR、SLGNWおよび少量のWWおよびSRWWを検出できた。温置後の加水分解物中の遊離トリプトファンのレベルは、存在する合計(リゾチーム)トリプトファンの1%未満であることが確かめられた。
ジペプチドおよびトリペプチドは腸壁に存在するペプチド輸送体によって容易に吸収されるので、そのようなペプチドに存在するトリプトファン残基は、このリゾチーム加水分解物が経口摂取されると、急速に吸収されて血漿のトリプトファンのレベルが増大するであろうことはまず間違いない。
[実施例2]
[加水分解物のトリプトファン含有量の増大]
リゾチームは、驚くほど多量のアルギニンおよびリジンの塩基性残基を含んでいる。さらに、リゾチーム分子は、かなりの数のグルタミン酸およびアスパラギン酸の酸性残基を含んでいる。高いトリプトファン/LNAA比率を特徴とする加水分解物を得るための革新的かつすっきりした精製経路を考案するのにこのデータを使用した。しかし、この精製経路の必須要件は、アルギニンまたはリジン残基あるいはグルタミン酸またはアスパラギン酸残基のどちらかを含んでいるペプチドに、非常にわずかなトリプトファン残基しか現れないことである。実施例1に示すように、ここで用いる特定の加水分解経路では、アルギニン残基を含んでいるトリプトファン含有ペプチドはほんのわずかしか生成せず、リジン残基、グルタミン酸残基またはアスパラギン酸残基を含んでいるペプチドは生成しない。
理論によれば、グルタミン酸残基またはアスパラギン酸残基を含むペプチドとそれを含まないペプチドの間の最大荷電差はpH3近くで起こりうることが予測される。アルギニン残基またはリジン残基を含むペプチドとそれを含まないペプチドの間の最大荷電差は、pH5近くで起こりうる。
このアプローチの選択能力を例示するため、実施例1に明記した手順に従ってリゾチーム加水分解物を準備した。次いで、加水分解物のpHを酢酸でpH3.1に調節し、およそ0.5グラムのタンパク質を、20mmクエン酸ナトリウム(pH3.1)で平衡化された15mLのカラム床体積のSP Sepharose FF(GE Healthcare,(Diegem,Belgium))カラムに入れた。カラム容積に相当するクエン酸ナトリウム緩衝液でカラムを洗浄して、グルタミン酸(glutamate)またはアスパラギン酸(aspartate)を含んでいるペプチドの大部分を除去した後、溶離緩衝液を20mmのクエン酸ナトリウム緩衝液(pH5.1)に変えた。カラム容積の3倍の後者の緩衝液でカラムを洗浄している間に、ある範囲のトリプトファン含有ペプチドが溶離した。LC/MS分析によれば、ジペプチドAWが多量に存在し、さらにトリペプチドGNW、NAW、WVA、VAWおよび少量のペンタペプチドSLGNWが存在した。pH5.1の様々な分画のアミノ酸分析によれば、選択プーリング(selective pooling)により、トリプトファン/LNAAの分子比が1.75であり、トリプトファン収率がほぼ30%である溶液が得られたことが示された。選択性の少ないプーリングでは、Trp/LNAAの分子比が0.4であり、トリプトファン収率が70%である溶液が得られた。その後に、カラムを、カラム容積の3倍の20mMクエン酸ナトリウム(pH7.1)で洗浄した。LC/MSのデータによれば、このステップにより、アルギニン含有ペプチドであるWIR、AWIR、そして驚くべきことにペプチドWWが溶離した。1MのNaOH、水および1Mの酢酸で最終洗浄して、次の実験のためにカラムの準備をした。
[実施例3]
[大規模なリゾチーム加水分解]
いっそう大規模なリゾチーム加水分解手順では、幾らかの小さな変更を加えて、特に実施例1で記載した手順に従った。7.3%(w/w)の純粋リゾチームを含む溶液を、65℃まで加熱し、その後、NaOHを用いてpHをpH8.2に調節した。乾燥物質1g当たり25マイクロリットルのProtex 6Lを加えて加水分解を開始させた。連続攪拌し、pHを8.2に維持し、温度を53℃に保った状態で、加水分解を2時間にわたって続けた。その後、pH値を9.0まで増大させ、温置をさらに3.5時間続行して、いくらか沈殿した溶液を得た。その後、溶液のpHを4.5まで下げ、溶液を4℃未満まで冷却した。完全に透明な生成物を得るために、液体をZ 2000フィルター(Pall)で濾過し、その後、過剰の水および塩をナノ濾過で除去した。次いで得られた濃縮物に120℃で7秒間UHT処理を施し、蒸発させ、最後に噴霧乾燥させて、乾燥状態のリゾチーム加水分解物を得た。こうして得られた生成物はトリプトファン/LNAAのモル比が約0.19であった。
[実施例4]
トリプトファンを有するペプチドを含んでいるペプチド組成物を、実施例3に示されているようにして調製した。得られた生成物は、ペプチドのレベルが約83%、ペプチド結合トリプトファン含有量が約5.5%、TRP/LNAA比率が約0.19である水性液体であった。前記生成物は、外観が淡黄色の粉末であり、水中に1%溶かすと、pHが約4.3の溶液となった。
上記のペプチド調製法で、以下の表1にあるような組成を有する飲料を調製した(成分は、水に対する乾燥重量%で、残りは水だった)。その表は組成物のpHも示しているが、それは水酸化ナトリウムおよびクエン酸を用いて設定したものである。こうした組成物を調製する方法は:
− 水中に全成分を含むプレミックスを調製し(水以外の全成分は粒状材料であった)、
− そうしたものを10分間攪拌し、望まれる場合には、攪拌の終了頃にpHを調節し、
− UHT法を実施し、
− 高圧ホモジナイザーで均質化し、
− 無菌充填する
というものであった。
また、トリプトファン含有ペプチド調製物を全く含まない2種類の調製物を作ったが、これはそうしたものが存在する場合の影響を調べるためである(対照AおよびB)。また、特許請求の範囲に記載されている範囲外のpHを有する調製物も調製した(対照C)。
Figure 2011519278

これらの組成物すべてに対して、143℃(+/−1℃)まで約8〜8.5秒間加熱することによるインラインUHT(超高温)滅菌を実施した。これはF値が6〜8となるのに十分なものである。
UHT処理のすぐ後に、製品を容量が350mLの透明瓶に充填し(約250mLの液体)、24時間後に、沈殿物が形成されていないか、形成されているならどれくらいか(cm単位で測定し、計算によりそれを瓶の中の飲料の高さの百分率にした)を確認した。
Figure 2011519278

[実施例5]
トリプトファンを有するペプチドを含んでいるペプチド組成物を実施例4に示されているようにして準備した。それは、125℃(+/−1℃)という低い温度でUHT処理を行ったこと以外は、同じ処理で作った。試料の組成は表3にある。
Figure 2011519278

沈殿は、実施例4の場合と同じ仕方で確認した。結果を表4に示す。
Figure 2011519278

Claims (27)

  1. 0.5〜4%(全液体組成物に対する乾燥重量%)のカゼインミセルと0.1〜5%(全液体組成物に対する乾燥重量%)のトリプトファン含有ペプチド組成物(トリプトファンのレベルが1〜10%(トリプトファン含有ペプチドに対する重量%)のもの)とを含むパッケージ化水性液体組成物の製造方法であって、
    − 水(好ましくは、前記全組成物に対して50〜97重量%の量)、0.5〜4乾燥重量%のカゼインミセル、および0.1〜5乾燥重量%のトリプトファン含有ペプチド組成物(トリプトファンのレベルが、前記トリプトファン含有ペプチドに対して1〜10重量%である)を含む混合物を得るステップと、
    − 前記混合物に、80〜150℃、好ましくは120〜150℃の温度で加熱保持処理を施すステップと、
    − そのようにして得られた前記液体製品を無菌パッケージでパッケージ化するステップと
    を含み、加熱保持処理を施す前記混合物はpHが8.1より小さく、かつ以下の関係式:
    pH>0.02T(℃)+0.23(乾燥重量%単位のカゼインミセル)+3.8
    (式中、カゼインミセルは全配合物に対する重量%で表される)で示されるpHより上である、パッケージ化水性液体組成物の製造方法。
  2. 前記加熱保持処理の前に、前記加熱保持を実施する前記物質のpHを、
    pH>0.02T(℃)+0.23(乾燥重量%でのカゼインミセル)+3.8
    となるように調節する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記加熱保持処理の前に、アルカリ剤または緩衝剤を前記成分の1種または複数種または前記混合物に加える、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記加熱保持処理を施す前記混合物のpHが6.2〜7.5、好ましくは6.5〜7である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記加熱保持処理が、熱による低温殺菌、熱による滅菌、またはUHT滅菌処理を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記組成物が、全液体組成物に対して0.5〜3重量%のカゼインミセル、好ましくは0.6〜2%を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記カゼインミセルが、乳タンパク質、濃縮乳、ミルク、ミルク粉末、スキムミルク粉末、バターミルク、バターミルク粉末、ミルクタンパク質濃縮物、及び/またはそれらの混合物の形である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記組成物が、テトラパック、パウチ、瓶、袋、または缶にパッケージ化されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記組成物が、カラギナン、ローカストビーンガム、ガーゴム、タラガム、またはそれらの混合物からなる群から選択される増粘ガムを0.01〜0.1%だけさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記組成物が、0.5〜5%のデンプンまたはデンプン誘導体またはデンプン加水分解物、好ましくはマルトデキストリンをさらに含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記トリプトファン含有ペプチド組成物が、トリプトファンとLNAAとの(重量)比率が少なくとも0.1、好ましくは少なくとも0.15、より好ましくは0.15〜1.8であるペプチド組成物を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記トリプトファン含有ペプチド組成物が、リゾチーム、好ましくは鶏卵リゾチームを加水分解することを含む方法によって得られる、11に記載の方法。
  13. 前記リゾチームをDHが5から45の間、好ましくは10〜40になるまで加水分解する、請求項12に記載の方法。
  14. 加水分解後に前記アルギニン含有またはリジン含有ペプチドの一部を除去する、請求項11〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記トリプトファン含有ペプチド組成物が、少なくとも2種類の異なるジペプチドまたはトリペプチドを含み、ジペプチドまたはトリペプチドから選択される2種類のペプチドが、ジペプチドおよびトリペプチドの総量の少なくとも5mol%の量だけ存在し、前記トリプトファン含有ペプチド組成物では、30mol%より多くの、好ましくは40mol%より多くのペプチド結合トリプトファンがジペプチドまたはトリペプチドの形で存在する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記組成物が、アミノ酸配列AWまたはGNW、好ましくはAWおよびGNWを含んでいるペプチドを含む、請求項11〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 加熱低温殺菌または加熱滅菌されたパッケージ化組成物であって、
    − 50〜97%(全組成物に対する重量%)の水と、
    − 0.5〜4%(全液体組成物に対する乾燥重量%)のカゼインミセルと
    − 0.1〜5%(全液体組成物に対する乾燥重量%)のトリプトファン含有ペプチド組成物(トリプトファンのレベルが1〜10%(前記トリプトファン含有ペプチドに対する重量%)であるもの)と
    を含み、
    pHが6〜8.1、好ましくは6.2〜7.5、より好ましくは6.5〜7である、加熱低温殺菌または加熱滅菌されたパッケージ化組成物。
  18. 前記カゼインミセルの量が、全液体組成物に対して0.5〜3乾燥重量%、好ましくは0.6〜2%である、請求項17に記載のパッケージ化組成物。
  19. 前記カゼインミセルが、濃縮乳、ミルク、ミルク粉末、スキムミルク粉末、バターミルク、バターミルク粉末、ミルクタンパク質濃縮物、ミルクタンパク質分離物、及び/またはそれらの混合物の形である、請求項17または18に記載のパッケージ化組成物。
  20. 前記組成物が、カラギナン、ローカストビーンガム、ガーゴム、タラガム、またはそれらの混合物からなる群から選択される増粘ガムを0.01〜0.1%だけさらに含む、請求項17〜19のいずれか一項に記載のパッケージ化組成物。
  21. 前記組成物が、0.5〜5%のデンプンまたはデンプン誘導体またはデンプン加水分解物、好ましくはマルトデキストリンをさらに含む、請求項17〜20のいずれか一項に記載のパッケージ化組成物。
  22. 前記トリプトファン含有ペプチド組成物が、トリプトファンとLNAAとの重量比率が少なくとも0.1、好ましくは少なくとも0.15、より好ましくは0.15〜1.8であるペプチド組成物を含む、請求項17〜21のいずれか一項に記載のパッケージ化組成物。
  23. 前記トリプトファン含有ペプチドが、リゾチーム、好ましくは鶏卵リゾチームを加水分解することによって得られる、請求項17〜22のいずれか一項に記載のパッケージ化組成物。
  24. 前記トリプトファン含有ペプチドのDHが5から45の間、好ましくは10から40の間である、請求項23に記載のパッケージ化組成物。
  25. 前記トリプトファン含有ペプチド組成物が、少なくとも2種類の異なるジペプチドまたはトリペプチドを含み、ジペプチドまたはトリペプチドから選択される2種類のペプチドが、ジペプチドおよびトリペプチドの総量の少なくとも5mol%の量だけ存在し、前記トリプトファン含有ペプチド組成物では、30mol%より多くの、好ましくは40mol%より多くのペプチド結合トリプトファンがジペプチドまたはトリペプチドの形で存在する、請求項17〜24のいずれか一項に記載のパッケージ化組成物。
  26. 前記トリプトファン含有ペプチド組成物が、アミノ酸配列AWまたはGNW、好ましくはAWおよびGNWを含んでいるペプチド組成物を含む、請求項17〜25のいずれか一項に記載のパッケージ化組成物。
  27. AW:GNWのモル比が1:2から10:1の間、好ましくは1:2から5:1の間である、請求項26に記載のパッケージ化組成物。
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