JP2011516630A - 補強性充填剤としてシリカを含むタイヤ用ジエン系ゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】少なくとも1つのシリカを含むタイヤ用ジエン系ゴム組成物を提供する。
【解決手段】
(i)少なくとも1つのジエンエラストマー、(ii)少なくとも1つの補強性無機充填剤及び
(iii)無機充填剤とエラストマーとの間に結合を与える少なくとも1つのカップリング剤に基づき、前記無機充填剤がケイ酸塩と酸性化剤とを反応させ、それによって、シリカ懸濁液を得、続いてこの懸濁液を分離し、乾燥することを含むタイプの調製プロセスによって得ることができるジエン系ゴム組成物において、ケイ酸塩と酸性化剤との反応が、以下の連続段階により行われる: (i)反応媒質のpHを2.5と5.3の間に維持するような方法でpH2.5と5.3の間を示す沈降シリカの水性懸濁液を酸性化剤とケイ酸塩とを接触させる(混合する)、(ii)得られた反応媒質にケイ酸塩を添加して、反応媒質のpHを4.7と6.3の間の値まで増大させる。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ或いは特にこれらのタイヤのトレッドのためのタイヤ半製品の製造を意図する無機充填剤で補強されたジエン系ゴム組成物に関する。
タイヤトレッド中の充填剤によって与えられる最適な補強特性、従って高い耐摩耗性を得るために、一般的には、この充填剤ができるだけ細かく分割され且つできるだけ均一に分散された最終形態でエラストマーマトリックスに存在することが望ましいことが知られている。実際は、このような状態は、この充填剤が、一方で、エラストマーの混合中にマトリックスに組み入れられ且つ解凝集され、もう一方で、このマトリックス中に均一に分散される非常に良好な能力を示す限りにおいてのみ達成され得る。
既知の方法では、カーボンブラックがこのような能力を示すが、一般的には無機充填剤、特にシリカはこのような能力を示さない。これは、相互親和性のために、これらの無機充填剤粒子が、エラストマーマトリックス中で、互いに凝集する望ましくない傾向を有するからである。これらの相互作用は、充填剤の分散を限定し、従って、補強特性を、混合作業中に生じることができるすべての結合(無機充填剤/エラストマー)が実際に得られる場合には理論的には達成できるであろうよりも実質的に低いレベルに限定する有害な結果となり、その上、これらの相互作用は、ゴム組成物の生ゴム状態の稠度を増加させるので、これらの加工性を、カーボンブラックが存在するときよりも困難にする傾向がある。
燃料の節約、及び環境保護の必要が優先になって以来、耐摩耗性に不利益を有することなしに低い転がり抵抗を有するタイヤを製造することが必要になってきている。
これは、特に、これらのタイヤのトレッドに、無機充填剤、特に高分散性タイプの特定のシリカで補強された新規のゴム組成物を用いることによって可能になり、これらの組成物を含むタイヤにより低い転がり抵抗、及びぬれた道路、雪の道路或いは氷った道路で向上したグリップと同じ意味の、これらの組成物により低いヒステリシスを与えつつ、補強の観点から、従来のタイヤグレードのカーボンブラックに匹敵することができる。
このような高分散性シリカ(“高分散性”を“HD”、“高分散性シリカ”を“HDS”と示す)で充填されたトレッドは、省エネ(“グリーンタイヤコンセプト”)としてユーザーに提供される“グリーンタイヤ”としてしばしば記載される低転がり抵抗を有するタイヤに用いられ、広く記載されている。特に、特許出願EP 501 227、EP 692 492、EP 692 493、EP 735 088、EP 767 206、EP 786 493、EP 881 252、WO99/02590、WO99/02601、WO99/02602、WO99/06480、WO00/05300、WO00/05301が参照される。
これらの先行技術の引例は、100〜250m2/gのBET比表面積を示すHDタイプのシリカの使用を教示している。実際には、“グリーンタイヤ”分野で対照としての役を果たす高比表面積を有するHDシリカは、特に、Rhodiaが販売する“Zeosil 1165MP”シリカ(BET表面が約160m2/gに等しい)である。この“Zeosil 1165MP”シリカの使用は、タイヤ性能に関して良好な妥協、特に満足な耐摩耗性と満足な転がり抵抗を得ることを可能にする。
高比表面積を有するシリカを用いる利点は、主に、シリカとエラストマーとの結合の数を増加することができ、従って、エラストマーの補強レベルを増加することができることにある。これが、特にこれらのトレッドの耐摩耗性を向上するために、タイヤトレッド用ゴム組成物に、従来用いられていた160m2/gのオーダーよりも大きい可能性のある高比表面積を有するシリカを用いることが利点である理由である。しかし、充填剤の分散性及びその比表面積の増大は、矛盾する特性と考えられる。これは、高比表面積により、充填剤物品間での相互作用を増加させ、従って、エラストマーマトリックス中の充填剤の不充分な分散、また、加工性の困難が考えられるからである。
出願人等は、WO 03/016387において、HRSシリカと呼ばれる高分散性シリカのファミリーが、補強性充填剤としてタイヤゴム組成物中で用いられるのに有利であり得ることを示している。出願人等は、引き続き研究を行っており、WO 03/016387のシリカの定義範囲から離れた、特定の粒度分布、特定の多孔性、特定の細孔率及び/又は特定の表面反応性によって定義される、高比表面積を有するシリカの新規なファミリーが、それらを含むゴム組成物のヒステリシスを、同程度の比表面積を有する従来のシリカを含む場合と比較して、低くすることを予想外に可能にすることを見出した。
この新規なファミリーのシリカは、新規な調製プロセスによる沈殿によって得ることができる。
出願人等は、また、シリカのこの新規な調製方法が、タイヤゴム組成物の補強性充填剤として用いるのに特に有利である高分散シリカを得ることを可能にすることを示している。理想的には、タイヤトレッドは、自動車の道路での性能の良好なレベルをタイヤに与えつつ、高耐摩耗性且つ低転がり抵抗、及び全ての地面用タイヤの高いグリップを含む、多くの技術的要求に適合しなければならない。従って、タイヤ分野では、タイヤ性能で最善の可能な妥協を与えるゴム組成物のための追求が進められている。
実際は、出願人等は、研究中、驚くべきことに、また予想外に、これらの新規なシリカ、より詳細には補強性充填剤として高比表面積を示すこれらのシリカの使用が、タイヤの性能において優れた且つ驚くべき妥協が達成すること可能にするを見出した。この妥協は、“グリーンタイヤ”のトレッドに従来用いられていた高比表面積を有する既存のシリカによって提供されるもの、更にHRSシリカよりも優れており、このようなトレッドに関して現在まで決して達成されていない補強レベルを提供する。この妥協は、より詳しくは、転がり抵抗及びウェットグリップの非常に著しい改善によって、しかしながら、他の技術的要求を害することなく表される。
用語“高比表面積”は、一般的には、少なくとも約130m2/g、実際には150m2/gよりも大きい表面を意味するものと理解される。
従って、本発明の第1の主題は、少なくとも(i)1つのジエンエラストマー、(ii)1つの補強性無機充填剤及び(iii)補強性充填剤とエラストマー間の結合を与える1つのカップリング剤に基づくタイヤ用(即ち、タイヤ或いはこれらタイヤの製造を意図したタイヤ半製品の製造を意図した)ジエン系ゴム組成物であって、前記無機充填剤が特定のプロセスにより得ることができる少なくとも1つのシリカを含むことを特徴とする、前記組成物である。
沈殿したシリカのこの調製方法は、ケイ酸塩と酸性化剤との反応、それによって、シリカ懸濁液を得、続いて懸濁液を分離して乾燥させることを含み、ケイ酸塩と酸性化剤との反応は、以下の連続した段階により行われることを特徴とする。
(i)2.5と5.3の間のpHを呈する沈降シリカの水性懸濁液を反応媒質のpHが2.5と5.3の間に維持されるように酸性化剤とケイ酸塩に接触(混合)させる。
(ii)ケイ酸塩を、得られた反応媒質に加え、反応媒質のpHを4.7と6.3の間の値まで増加させる。
本発明の方法の好ましい実施態様によれば、段階(i)で用いられる沈降シリカの水性懸濁液は、以下の方法で調製される。
(i)2.5と5.3の間のpHを呈する沈降シリカの水性懸濁液を反応媒質のpHが2.5と5.3の間に維持されるように酸性化剤とケイ酸塩に接触(混合)させる。
(ii)アルカリ性剤、好ましくはケイ酸塩を、得られた反応媒質に加え、反応媒質のpHを4.7と6.3の間の値まで増加させる。
本発明のプロセスの好ましい実施態様によれば、段階(i)で用いられる沈降シリカの水性懸濁液は、以下の方法で調製される。
(1)ケイ酸塩と電解液とを含む最初の容器ヒール部を形成し、前記最初の容器ヒール部のケイ酸塩濃度(SiO2として表される)が、100g/l未満、特に80g/l未満であり、好ましくは、前記最初の容器ヒール部の電解液濃度が、17g/l未満、特に15g/l未満である。
(2)反応媒質のpHの値が少なくとも約7、好ましくは約7.5と8.5の間になるまで前記容器ヒール部に酸性化剤を添加る。
(3)反応媒質に酸性化剤とケイ酸塩を同時に添加する。
(4)酸性化剤を反応媒質に添加を続けつつ、反応媒質のpHの値が2.5と5.3の間、好ましくは2.8と4.9の間になるまで、ケイ酸塩の追加を中断する。
このように、本発明の方法において、特に、上記の好ましい実施態様において個々の段階の順序が、得られる製品に、特定の特性及び性能を与えるための重要な条件であったことが分かっている。
これらのシリカは、シリカの一次粒子(A)の凝集体から形成され、その表面には、一次粒子(A)のシリカのサイズよりも小さいサイズのシリカの一次粒子(B)が生じ、且つ
- 60と400m2/gの間のCTAB比表面積(SCTAB)
- d50(nm)>(6214/SCTAB(m2/g))+23
となるような、超音波解凝集後、XDC粒度測定によって測定された凝集体のメジアン径d50
- V(d5-d50)/V(d5-d100)>0.906−(0.0013×SCTAB(m2/g))
となるような細孔容積分布
- モード(nm)>(4166/SCTAB(m2/g))−9.2
となるような細孔径分布
を有することを特徴とする。
より詳しくは、このような沈降シリカは、C/SCTAB(m2/g)>0.001となるようなX線小角散乱(SAXS)によって測定されるパラメーターCを示すことを特徴とする。
本発明の他の主題は、少なくとも(i)1つのジエンエラストマー、(ii)1つの補強性無機充填剤、及び(iii)補強性充填剤とエラストマーの間の結合を与える1つの結合剤に基づくタイヤ用(即ち、タイヤ或いはこれらタイヤの製造を意図したタイヤ半製品の製造を意図した)ジエン系ゴム組成物であって、前記無機充填剤が、シリカの一次粒子(A)の凝集体から形成された少なくとも1つのシリカを含み、その表面には、一次粒子(A)のシリカのサイズよりも小さいサイズのシリカの一次粒子(B)が生じ、且つ
- 60と400m2/gのCTAB比表面積(SCTAB)
- d50(nm)>(6214/SCTAB(m2/g))+23
となるような、超音波解凝集後、XDC粒度測定によって測定された凝集体のメジアン径d50
- V(d5-d50)/V(d5-d100)>0.906−(0.0013×SCTAB(m2/g))
となるような細孔容積分布
- モード(nm)>(4166/SCTAB(m2/g))−9.2
となるような細孔径分布
を有することを特徴とする。
本発明の他の主題は、タイヤ或いはこれらタイヤを意図したゴムでできた半製品の製造における本発明のジエン系ゴム組成物の使用であり、これらの半製品は、特に、トレッド、例えば、これらトレッドの下に配置されることを意図したアンダーレイヤー、クラウンプライ、サイドウォール、カーカスプライ、ビーズ、プロテクター、エアチャンバ及びチューブレスタイヤの気密内部ゴムからなる群より選択される。
本発明のタイヤ組成物は、乗用車、バン、4×4車(四輪駆動車)、キャラバン車、ヘビーデューティ車両(即ち、地下鉄、バス、ヘビーロード運送車両(ローリー、トラクター、トレーラー)或いはオフロード車)、航空機、土工機械、重量農業用車両或いは出荷車両のためのタイヤトレッドの製造に特に適し、これらのトレッドは新しいタイヤの製造中或いは摩耗タイヤのトレッド再生のために用いることが可能である。
本発明の他の主題は、本発明のゴム組成物を含む場合にタイヤを意図するゴムでできたこれらのタイヤ及びこれらの半製品、特に、タイヤトレッドであり、これらのトレッドは、驚くべきことに、低転がり抵抗と著しく大きなウェットグリップ双方を示す。
本発明のタイヤジエン系ゴム組成物は、本発明の他の主題を構成する方法によって調製することができる。この方法は、以下の段階:
- 第1の“非生産”段階中、ジエンエラストマーに以下の成分:
補強性充填剤としての無機充填剤; 及び
無機充填剤とジエンエラストマーの間の結合を与えるカップリング剤
を組み入れ;
- 合わせた混合物を、110℃と190℃の間の最高温度に達するまで、単一の段階或いはいくつかの段階で、熱機械的に混練し;
- 混合物を100℃以下の温度まで冷却し;
- 続いて、第2の“生産”段階中、架橋或いは加硫系を組み入れ;
-合わせた混合物を110℃以下の最高温度まで混練する、
を含み、前記方法は、無機充填剤が、全体に或いは部分的に、上述した方法により得られたシリカから構成されることを特徴とし更に/又は上述の特性を示す。
上述の方法により得られ或いは上述の特性を示すシリカは、タイヤジエン系ゴム組成物(即ち、タイヤ或いはこれらタイヤの製造を意図したゴムでできた半製品の製造を意図した組成物)において補強性充填剤として用いられる。
これは、本発明の他の主題が、タイヤの製造を意図したジエン系ゴム組成物を補強する方法であって、上述の方法により得られた補強シリカ及び/又は上述の特性を示す補強シリカが生ゴム状態で熱機械的混練によってこの組成物に組み入れられることを特徴とする前記方法である理由である。
本発明及びその利点は、以下の記載及び実施態様によって容易に理解されるであろう。
図1は、細孔半径(nm)の関数として累積細孔容積(ml/g)を示す図である。 図2は、I = 散乱強度によるF(q) = I q4の変化をプロットした図である。
I 使用した測定及び試験
1.1 シリカの特性
シリカは以下に示すような特徴を有する。
1.1.1 比表面積
以下の説明では、CTAB比表面積は、外部表面であり、規格NF ISO5794-1(2006年2月、第2版2006-03)から得られる以下に記載した方法により決定することができる。
原理
シリカをマグネチックスターラーで一般にCTABとして知られる臭化セチルトリメチルアンモニウム(或いはヘキサデシルトリメチルアンモニウム)の溶液に接触させる。吸着したCTAB層はシリカの比表面積に比例する。シリカ及び残りのCTAB溶液を分離する。過剰なCTABを、最大濁度点まで、OTとして一般に知られるジ(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウムで滴定する。
シリカの外部表面は、m2/gで表され、105℃で2時間乾燥した製品上に吸着できるCTABの量によって決定することができる。
器具及び装置
-器具
0.45μmシリンジフィルター
フラスコ
5000ml容量フラスコ
磁石棒
10mlシリンジ
-装置
精度0.1mg内の天秤
マグネチックスターラー
i)550nmの波長で光透過因子を測定する光電検出器或いは露出計、ii)ビュレットを備える自動滴定器、例えば、550nmのフォトトローデを有するMettler DL 21滴定器。
手順
20℃で結晶化するCTABの結晶化の開始を防ぐために、分析の間を通して、全てのデバイス及び全ての溶液は、23と27℃の間の温度でなければならない。
反応剤
pH9.6に緩衝された、11g/lの濃度(Co)を有するCTAB溶液。
約1リットルの脱イオン水を含む5リットル容量フラスコに以下を秤量して導入する。
-5.426gのホウ酸
-6.489gの塩化カリウム
-ビュレットを用いて、64.5cm3の1モル/lの水酸化ナトリウム
次いで、混合物をホモジナイズする。
CTABの55g±0.001gと約3リットルの脱イオン水を加える。
CTABが完全に溶解するまでホモジナイズを行い、脱イオン水で容量を5リットルに調節する。
エアロゾルOT(ジ(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム)溶液:
約1.85g±0.01gのエアロゾルOTを検量し、1リットル容量フラスコ中で脱イオン水に溶解させる(マグネチックスターラーでの溶解を加速させるために穏やかな加熱を行う)。
得られた溶液を使用前に12日間放置する。
-分析法
-懸濁液の調製
以下のおおよその量をTP50/100フラスコ中で検量する。
130m2/g以下の期待比表面積の場合、1.60g±0.05gのシリカ、
130及び180m2/g以下の期待比表面積の場合、0.90g±0.05gのシリカ、
180m2/g以上の期待比表面積の場合、0.66g±0.05gのシリカ。
続いて、90ml(Vo)のCTAB溶液をこの重量Wのシリカに加える。
-吸着
35mmの長さを有する磁石棒(例えば“両端が同形の”磁石棒)をフラスコ中に導入し、次いで、マグネチックスターラーを用いて撹拌する(滞留時間40分、撹拌速度60回転/分)。
-ろ過
シリンジを用いて懸濁液から試料を取り出す。次いで、シリンジに0.45μmのフィルターを装備させて、懸濁液をろ過し、約10mlのろ液をフラスコに戻す。
-測定
自動滴定器を製造元の説明書に従って準備する。滴定パラメータは、滴定の最初にエアロゾルOT溶液を素早く導入し、終点付近で滴定曲線の関数として遅くなるように選択する。
-ブランク滴定
第1の滴定或いはブランク滴定(滴定1)を、試料を滴定する前、即ち、シリカと混合する前に、CTAB開始溶液で日々あらかじめ行う。
約5gのCTAB開始溶液を正確に検量し、次いで、フラスコ中に導入する。
そこに54mlの脱イオン水を加える。
滴定を行う(滴定1)。
このために、フラスコを自動滴定器中に配置し、スターラーの速度を泡が生じないで混合することができるように調節する。
滴定を開始し、滴定は一旦最大濁度に達すると自動的に終了する。
V1は、この滴定で用いられるCTAB開始溶液の重量W1(g)の滴定で得られたエアロゾルOT溶液の容量(ml)である。
-試料の滴定
ろ過後に戻された約5gの溶液を正確に検量し、次いでフラスコ中に導入する。
それに54mlの脱イオン水を加える。
滴定を行う(滴定2)。
このために、フラスコを自動滴定器中に配置し、スターラーの速度を泡が生じないで混合することができるように調節する。
滴定を開始し、滴定は一旦最大濁度に達すると自動的に終了する。
各滴定は、2回行う。
V2は、この滴定で用いられるCTAB開始溶液の重量W2(g)の滴定で得られたエアロゾルOT溶液の容量(ml)である。
-計算
CTAB比表面積(m2/g)は、以下と等しい。
578.4×(Vo/W)×(100/(100-Hum))×(Co/1000)×[((V1/W1)-(V2/W2))/(V1/W1)]
ここで、Vo: 滴定のために懸濁液を準備すべくシリカに加えられたCTAB開始溶液(90ml)の容量(ml)
W: 滴定のために懸濁液を準備するためにCTAB開始溶液が加えられたシリカの重量(g)
Hum:105℃、2時間の加熱処理後に測定されるシリカの湿潤性(或いは残留水量)(%の数値として)
Co: CTAB溶液(11g/l)の最初の濃度(g/l)
W1: 滴定1に用いられるCTAB開始溶液、即ち、シリカと混合前の質量(g)
V1: W1の滴定(滴定1)のための、得られたエアロゾルOT溶液の容積(ml)
W2:滴定2に用いられるCTAB溶液、即ち、シリカと混合して、シリカ上に吸着した後の重量(g)
V2: W2の滴定(滴定2)のための、得られたエアロゾルOT溶液の容量(ml)
578.4は、1グラムのCTABが有する表面積(m2)に相当する。
BET比表面積は、“The Journal of the American Chemical Society”(Vol.60、309ページ、1938年2月発行)、及び規格NF ISO 9277(1996年12月)に記載されたブルナウアー-エメット-テラー法に由来する方法により決定される。
1.1.2 pHの測定
pHは、規格ISO 787/9(水中での5%懸濁液のpH)に由来する以下の方法により測定される。
装置
-較正されたpHメーター(1/100回の読み取り精度)
-連結式ガラス電極
-200mlビーカー
-100ml測定シリンダ
-0.01g内の精度の天秤
手順
5gのシリカを0.01g内の精度で秤量し、200mlビーカー中に導入する。続いて、目盛り付測定シリンダで測定した95mlの水をシリカ粉末に加える。このようにして得られた懸濁液を(マグネチックスターラーで)10分間激しく撹拌する。次いで、pH測定を行う。
1.1.3 凝集体のメジアン径
d50として示される凝集体のメジアン径は、以下の手順による遠心分離沈降による粒径分析のXDC法を用いて測定される。
必要な器具
- Brookhaven Instrument社から販売されているBI-XDC(Brookhaven Instrument Xディスク遠心分離機)遠心分離沈降粒子サイズ測定器
- 50mlトールビーカー
- 50ml目盛り付きシリンダ
- 先端なしの、直径13mmの1500ワットBranson超音波プローブ
- 脱イオン水
- 氷で満たされた晶出皿
- マグネチックスターラー
測定条件
- (粒子サイズ測定器の製造元によって供給された)Windows(登録商標)3.54バージョンのソフトウェア
- 定常モード
- 回転速度: 5000回/分
- 分析時間: 120分
-(シリカの)密度:2.1
-抽出される懸濁液の容量:15ml
試料の準備
3.2gのシリカと40mlの脱イオン水をトールビーカーに加える。
懸濁液を含むビーカーを、氷で満たされた晶出皿に配置する。
超音波プローブをビーカー中に浸す。
1500ワットブランソンプローブ(最大出力の60%で使用)を用いて、8分間、懸濁液を解凝集させる。
解凝集が完了したとき、ビーカーをマグネチックスターラー上に配置する。
得られた分散液を周囲温度(21℃)まで冷却する。
粒子サイズ測定器の準備
デバイスのスイッチを入れ、少なくとも30分間加熱する。
脱イオン水でディスクを2回すすぐ。
分析する15mlの試料をディスク中に導入し、撹拌を開始する。
上述した測定条件をソフトウェアに入力する。
測定を開始する。
測定が行われたとき、ディスクの回転を終了させる。
ディスクを脱イオン水で数回すすぐ。
装置のスイッチを切る。
結果
50%標準より小さい直径(質量%)或いはメジアン径(凝集体の50質量%サイズは、このサイズよりも低いサイズを有する)の値、及び付加的にモード値(累積粒子サイズ曲線の導関数は、分布曲線を与え、その最大横座標(主集団の横座標)はモードと呼ばれる)の記録がデバイスレジスタにおいて行われる。
1.1.4 表面化学
nm2当たりのシラノールの数を、シリカの表面にメタノールを接合することによって決定する。第1のステップでは、約1gの粗製シリカの量を110mlのオートクレーブ(トップインダストリー、Ref: 09990009)内で10mlのメタノール中に懸濁させる。
磁石棒を導入し、気密閉鎖し、断熱した反応器を、4時間、加熱マグネチックスターラー上で、200℃(40バール)で加熱する。続いて、オートクレーブを、冷却水槽中で冷却する。接合されたシリカを、沈降によって分離して戻し、残留メタノールを窒素流下で蒸発させる。最後に、接合されたシリカを真空下で12時間130℃で乾燥させる。加工されていないシリカと接合されたシリカの炭素含有量を、元素分析器(CEインスツルメントから販売されるNCS2500分析器)によって決定する。この接合されたシリカでの炭素の定量決定は、乾燥の終了後、3日以内に行わなければならない。これは、雰囲気中の水分或いは熱がメタノール接合の加水分解を生じる可能性があるからである。nm2当たりのシラノールの数は、以下の式で計算される。
Figure 2011516630
NSiOH/nm2: nm2当たりのシラノールの数(SiOH/nm2)
%Cg:接合されたシリカに存在する炭素の質量%
%Cb:粗製シリカに存在する炭素の質量%
Sspe:シリカのBET比表面積(m2/g)
1.1.5 細孔容積
与えられる細孔容積及び細孔直径/半径は、Micromeritics AutoporeIV9520ポロシメーターを用いて水銀(Hg)ポロシメトリー、140°と等しい接触角シータと485ダイン/cmと等しい表面張力ガンマのウォッシュバーン関係によって測定され、各試料は、以下のように調製される。各試料は、200℃で2時間オーブンであらかじめ乾燥される。
V(d5-d50)は、d5とd50の間の直径の細孔からなる細孔容積を表し、V(d5-d100)は、d5とd100の間の直径の細孔からなる細孔容積を表し、この場合には、全ての細孔の総表面積n%の細孔直径であるdnは、この直径よりも大きい直径の細孔による寄与がある(細孔の総表面積(S0)は、水銀侵入曲線によって決定することができる)。
累積曲線からの導関数(細孔半径(nm)の関数としての累積細孔容積(ml/g)、図1)は、分布曲線を与え、100nm以下の半径を有する細孔の最大横座標(主集団の横座標)はモード(nm)として知られている。
1.1.6 メジアン径
本発明のシリカの分散(及び解凝集)能力は、特定の解凝集試験によって定量化することができる。
解凝集試験の1つを以下に記載する。
1)原理
凝集体の凝集性を、超音波処理によりあらかじめ分解させたシリカ懸濁液で行う粒子サイズ測定(レーザ散乱)によって決定し、このようにしてシリカの解凝集(0.1から数十ミクロンまでに物体を分割する)能力を測定する。
2)器具
-hydroG標準モジュールを装備したMalvern Mastersizer 2000
-0.1mgの精度を有する天秤(例えば、Mettler AE260)
-脱イオン水
-名目上の出力の80%で用いる(直径13mmの先端を装備した)(Vibracel 75043)750ワットBioblock 超音波処理器
-50mlビーカー(トールビーカー)
-50ml目盛り付き測定シリンダ
-晶出皿+氷
3)測定条件
全部の測定条件は、調節により手動で操作される。
-サンプラーのパラメータ
ポンプ容量:1600回転/分
スターラー速度:600回転/分
-測定パラメータ
試料測定の時間:10秒
バックグラウンドノイズ測定時間:10秒
測定回数: 3
-光学特性
光学モデル: フラウンホーファー理論
標準分析、通常感度
4)実施される操作
i)試料の調製
-分析する約2gの試料を天秤のパン上に配置されたビーカーで検量する。
-目盛り付き測定シリンダを用いて、50mlの脱イオン水を加える。
-シリカ懸濁液を含むビーカーを氷を含む晶出皿中に配置する。
-プローブの終端とビーカーの底の間に1cmだけを残して、超音波プローブをこの懸濁液中に浸す。
-解解凝集を5分30秒間行う。
ii)粒子サイズ測定器の準備
以下の方法をソフトウェアで進める。
-測定が記録されるファイルを起動する(例えば、リーダーA)
-“測定”-“手動”を開く
-“オプション”を開き、粒子の名前:フラウンホーファー、分散剤:水を選択(3)光学特性を参照のこと)
-“準備デバイス”を開き、洗浄サイクルの開始を選択
-洗浄が完了したとき、(3)に示したようにスターラーとポンプ容量のパラメータを調節する
-“スタート”を起動する。
バックグラウンドノイズの測定及び調整が完了したとき、正確な観察を得られるように、分解されたシリカ懸濁液のアリコートを容器中に導入し、分析サイクルを続ける。
分析が完了したとき、洗浄サイクルを開始する。
洗浄が完了したとき、ポンプ容量と撹拌速度をゼロにする。
得られたメジアン径D50M(或いはMalvernメジアン径)の値は、シリカが示す解凝集能力が増加するにつれて減少する。
1.1.7 解凝集の速度α
αとして記録される解凝集の速度は、600W(ワット)プローブの100%出力で、連続モードで操作される超音波解凝集試験によって測定される。特に特許出願WO99/28376(また、WO99/28380、WO00/73372及びWO00/73373を参照のこと)の主題を形成する、この既知の試験は、超音波処理の間、以下の説明に従って、粒子凝集体のメジアン径の(容積による)変化を連続的に測定することができる。
使用するセットアップは、レーザ粒径分析器(Malvern Instrumentsによって販売されている“Mastersizer S”タイプ-赤色領域(波長632.8nm)で出射するHe-Neレーザ源)、及びその準備デバイス(“Marvern Small Sample Unit MSX1”)からなり、これらの間に、連続流体処理セル(超音波プローブ)を装備したBioblock M72410(Bioblockにより販売されている600ワットVibracellタイプ1/2インチ超音波処理器)が挿入される。
分析されるシリカの少量(150mg)を160mlの水に導入し、デバイスの循環速度を最大に設定する。既知のフラウンフォーファー計算法(Malvern 3$$D計算マトリックス)により、dv[0]として記録される(容積による)凝集体の最初のメジアン径を決定するために、少なくとも3回の連続測定を行う。超音波処理(連続モード)が続いて100%出力(即ち、先端振幅の最大位置の100%)で行われ、時間の関数として容積dv[t]によるメジアン径の変化を、ほぼ10秒毎に1回の測定の割合で約8分間モニタする。導入期間(ほぼ3-4分)の後、容積1/dv[t]によるメジアン径の逆数が時間によって直線的に又は実質的直線的に“t”(安定な解凝集状態)で変化することが観測される。解凝集の速度αは、安定な解凝集状態(一般に、ほぼ4と8分間の間)の領域の時間“t”の関数として1/dv[t]における変化の曲線の線形回帰によって算出される。それはμm-1/分で表される。
上述の出願WO99/28376は、この超音波解凝集試験を行うのに用いることができる測定デバイスを詳細に記載している。このデバイスは、液体の懸濁の粒子凝集体の流れが循環することができる閉鎖回路からなることを念頭に置かねばならない。このデバイスは、実質的に、試料準備デバイス、レーザ粒径分析器及び処理セルを含む。超音波処理(超音波プローブの作用)中形成される気泡は、試料準備デバイスと処理セル自体を大気圧にすることによって連続的に除去することができる。
試料準備デバイス(“Malvern Small Sample Unit MSX1”)は、(液体の懸濁液中で)試験するシリカの試料を受け入れるようになっており、液体懸濁液流の形態で、あらかじめ調節された速度(ポテンショメータ - ほぼ3l/分の最大速度)で回路を通して循環させるようになっている。このこの準備デバイスは、簡単に、分析される懸濁液を含み、循環させるレシーバからなる。懸濁液の粒子凝集体の沈降を防止するために、調節可能な速度スターラーモーターを備えており、遠心分離ミニポンプは、回路中の懸濁液の循環を提供するようになっており、準備デバイスの入口は、試験される充填剤の試料及び/又は懸濁液に用いられる液体を受け入れるための開口を通して外気に接続されている。
レーザ粒径分析器(“Mastersizer S”)は、その機能が、一定の時間間隔で、測定セルのおかげで流路で凝集体の容積“dv”によりメジアン径を連続的に測定するものであり、処理セルには、粒径分析器の自動記録及び計算手段が連結されており、レーザ粒径分析器は、準備デバイスに接続されている。ここで再び簡単に述べるが、レーザ粒径分析器は、既知の方法で、媒体中に懸濁する固体物体による光の回折の原理を利用し、その屈折率は、固体の屈折率と異なる。フラウンホーファー理論により、物体のサイズと光の回折角度との間に関連性が存在する(物体がより小さいほど、回折角はより大きい)。実際には、試料のサイズ分布 (容積で)を決定することができるためには、異なる回折角度で回折される光量を測定するだけで充分であり、dvはこの分布の容積によるメジアン径に対応する(dv =Σ(ni di4)/Σ(ni di3)、niは、カテゴリー又は直径diの物体の数)。
最後に、連続的に作動させることができ、流路で粒子凝集体を連続的に分解することができる超音波プローブを装備した処理セルを、準備デバイスとレーザ粒径分析器との間に挿入する。この流れは、セルで、プローブを取り囲むジャケット中に位置決めされた冷却回路によってサーモスタットにより制御され、温度は、例えば、準備デバイスで液体中に浸された温度プローブによって監視される。
I.1.8 TEMによるシリカの形態
以下のように、異なるサイズを有する一次粒子の存在及び前記一次粒子のサイズ(直径)が、透過型電子顕微鏡(TEM)によって描かれ/測定される。
1)方法の原理
透過型電子顕微鏡(TEM)をシリカ一次粒子を評価するために適当な400000まで変化する倍率でイメージングモードで用いる。
本発明によるシリカのTEMによる評価の目的は、数によって量られるシリカ一次粒子の粒径分布に接近できことである。
TEM技術によって得られる写真は、画像分析によって種々の一次粒子を解離することは必ずしも必要でなく; それらを確認する顕微鏡使用者次第であり; これに用いられる基準は、認識されることができる周縁の割合である。凝集体のいくつかの領域では、一次粒子を認識することができないかもしれない(例えば、材料の局所的な過剰な厚みの場合、或いはもし粒子が、一次粒子の概念に相互に貫入しすぎて意味をなさない場合)。しかしながら、これは、重要な値を得るために充分に大きい多くの一次粒子の同定に対する妨害とはならない。
本方法の原理は、このように、一次粒子の、及びこれらの寸法の分析の、充分に多くの数を確認することにある。
本発明によるシリカの一次粒子は、球と比較することができ、寸法の分析は、TEM写真から行われ、確認される各一次粒子について、粒子の周縁を正確に生じる円を重ね合わせ、その直径を測定することからなる。この動作は、数によって量られるこれら一次粒子の粒子サイズ分布を確率するために、十分に多くの数の一次粒子にわたって繰り返される。この分布は、特異的分布である。一次粒子の累積の粒子サイズ分布は、そこから導き出される。これらの寸法を用いるために選択されるデスクリプタは、累積粒子サイズ分布から導き出される。それはメジアン径数d50%である。これは、数え上げた一次粒子の50%がこの値以下の直径を有し、数え上げた一次粒子の50%がこの値以上の直径を有するような直径である。
以下に記載されるように、本発明によるシリカはシリカ一次粒子の2つのファミリーから形成され、それらの直径は異なり、TEM技術によって得られた写真上で容易に識別可能である。このように、所定のシリカのために、一次粒子を確認し数え上げる動作は、2回行われ、第1回目は、小さな一次粒子のためであり、第2回目は、大きな一次粒子のためであり、これらの2つの動作は別々に行われ、得られた結果は、数によって量られた2つの粒径分布によって表され、それらはいかなる方法でも関連しない。小さな一次粒子と大きな一次粒子との間の直径の大きな差によって、2つの異なる倍率で、2つの異なる写真での収集を行うことが必要であり、通常の倍率値は、大きな一次粒子の粒径分析については150 000から250 000まで、小さな一次粒子の粒径分析については400 000である。これらの値は、粒子の寸法により変化させることができる。
2)手順
必要な装置は、以下の通りである:
a)少なくとも400 000まで変化する倍率に接近する透過型電子顕微鏡。加速電圧は、好ましくは120kVと等しいように選ばれる。
b)TEM観察のためのグリッド。1つの可能性は、以下の手順による200メッシュ銅グリッドを準備することにある。
- イソアミルアセテート中にポリマーとして0.2%のコロジオン溶液を調製する、
- 脱イオン水で晶出皿を充填し、TEMグリッドを内部に入れる、
- 水の表面にコロジオン溶液の数滴を堆積させる、
- 水の表面にコロジオン膜を調製するように溶媒を蒸発させる、
- グリッドの表面にコロジオン膜を堆積させるように引き抜く、
- 炭素コーティングを行うことができるデバイスを用いて2と3nmの間のサイズを有する炭素粒子を真空蒸着させる
- 親水性にするためのデバイスを用いて高圧下及び制御された真空下で発生した空気プラズマによって炭素被覆コロジオン表面を親水性にする。
この操作後、表面は、ほぼ30分間だけ親水性のままであり; 従って、この操作をシリカ懸濁液の準備ができるとすぐに、最後のときに行うことが好ましい。
透過型電子顕微鏡は、製造業者によって供給される手順により予め正確に調整されなければならない。更に、倍率に関して満足に作動させる検証についてしなければならない。このために、150000と400000の倍率が、検証のために選択された倍率値の範囲に含まれるように、認定された参照標準或いは材料が用いられる。測定された距離値と参照標準或いは材料の認定で供給される距離値の間に認められる差は、せいぜい10%でなければならない。
以下のように手順は分解される。
i)上述した遠心分離沈降によるXDC粒径分析のための方法で試料の準備に示されたプロトコルに従って超音波を用いて解凝集したシリカ懸濁液を準備する。
ii)ファクター50により脱イオン水中にこの懸濁液を希釈する。
iii)親水化されたTEMグリッド(5μl未満)上に数マイクロリットルのこの懸濁液を堆積させる
iv)グリッドが乾燥されると、顕微鏡ステージ上に配置する
v)顕微鏡に顕微鏡ステージを導入し、通常の調整(特にユーセントリック及び対物収差)を行う。
vi)シリカが電子放射線に対して高感受性であるので、これまで電子にさらされていない領域にわたり、写真を撮る時間を含めて、観察される領域の電子に対するこのような暴露ができるだけ短いような条件下(<5秒)で、写真を撮らなければならない。必要ならば、低用量暴露方法又はその等価方法が用いられる。照射損傷が無視できるように、観察される領域の詳細な観察に大きな重要性が加えられるべきである。すべてのこれらの用心にもかかわらず、不可逆的損傷が試料に現れるならば、液体窒素の温度まで冷却された顕微鏡ステージによって冷却状況の下での観察を想定することが必要であろう。
vii)少なくとも約10枚の写真を倍率150000で撮り、少なくとも約10枚の写真を倍率400000で撮り、この物は、少なくとも200個の小さな一次粒子と200個の大きな一次粒子を計数すると保証されている。同定と粒子の計数に効果的に用いられるグリッドの面積は、少なくとも小さな一次粒子については0.5μm2で大きな一次粒子については3.0μm2でなければならない。
viii)その後、小さな一次粒子は直径が厳密に10nm未満の円の中に含まれる粒子であり且つ大きな一次粒子は直径が10nm以上の円の中に含まれる粒子であるとみなされる。
ix)上で述べた小さな一次粒子の粒径分布の定量と大きな一次粒子の粒径分布の定量は別々に行われ、これらの2つの分配は数加重される。一次粒子であると識別された物は球に匹敵し、各粒子を確認するために考えられる円は問題の粒子が含まれている円である。この操作は、ソフトウェア、例えば、ImageJ、Adobe Photoshop又はAnalysisを用いて行うことができる。
20種類の粒径が、直線的に、小さな一次粒子については0〜10nmに規定され(即ち、幅が0.5nmの種類); 20種類の粒径が、直線的に、大きな一次粒子については10nmを超えると規定され、確認されるすべての大きな一次粒子が表される。
一次粒子の識別は、認識可能であるこれらの周辺の部分に基づくものである。大きな一次粒子の場合には、識別を有効と認めるために最低でも円周の約1/3が認識可能でなければならないとみなされる。これは、凝集体の周辺に位置する粒子であるか或いは凝集体の残部とは対照的に充分な差を示す粒子の場合である。
小さな一次粒子の場合には、識別を有効と認めるために最低でも円周の約1/2半分が認識可能でなければならないとみなされる。これは、凝集体の周辺で、大きな一次粒子で表面で目に見える小さな粒子に、或いは凝集体のまばらな領域において、凝集体の残部と対照的に充分な差を示す小さな粒子に見られる。
x)大きいか又は小さい各タイプの一次粒子について、数による微分粒径分布が求められ、この微分分布から、累積粒径分布が求められる。後者の操作は、ソフトウェア、例えば、マイクロソフトエクセルを用いて行われ得る。ナノメートルで表されるナンバーメジアン径D50%は、各累積粒径分布から求められる。
xi)これらの2つの粒径分布が決定されると、TEMによる評価のこの工程が、粒子の2つのファミリーの各々について、微分粒径分布の膜とみなすことによって実験されるシリカによく適していることを証明することが必要である。このエンベロープは小さな一次粒子のファミリーについては0〜10nmの領域で最大を示さなければなず、大きな一次粒子のファミリーについては10nmを超える最大を示さなければならない。これにより、これらの寸法で異なった粒子の2つのファミリーの存在が有効と認められる。
I.1.9 シリカのSAXS方法による形態
以下の通り、シリカの形態及びサイズが異なる一次粒子の存在もまた、X線小角散乱(SAXS)によって示すことができる。
1)方法の原理:
X線小角散乱(SAXS)は、角度が数度の円錐体の試料を通過する波長λのX線の入射光線の偏差を使用することからなる。波数ベクトルは、散乱角θに対応し、この波数ベクトルは、以下の関係によって定義される:
Figure 2011516630
この単位はオングストローム-1である。
逆格子空間において定義される波数ベクトルqは、各散乱角に対応する。この波数ベクトルは、実空間において規定される空間規模に対応し、2/qに等価である。このように、小角散乱は試料の遠い距離を確認し、逆に、広角散乱は試料の短い距離を確認する。この技術は、材料が空間に分配される方法に感受性が高い。
この技術に関する基本的な参考文献を以下に示す:
[1] Small Angle Scattering of X rays, Guinier A., Fournet G., (1955), Wiley, New York.
[2] Small Angle X Ray Scattering , Glatter O., Krattky O., (1982), Academic Press, New York.
[3] Analysis of the Small-Angle Intensity Scattered by a Porous and Granular Medium, Spalla O., Lyonnard S., Testard F., J. Appl. Cryst. (2003), 36, 338-347.
以下に定義される基準に従ってSAXSによってシリカを確認するのに必要とされる配置は、以下の通りである:
- 入射光の波長が0.5〜2オングストローム(Å)の透過幾何学(即ち、試料を通過する入射ビーム)で操作するSAXS装置、
- 0.015オングストローム-1と0.30オングストローム-1の間の波数ベクトルq間隔、これは420〜20オングストロームの範囲にある実空間の距離を確認することを可能にする、
- 適切な標準を用いてq規模で証明される装置(例えば、ベヘン酸銀、オクタデカノール又は他のいかなる化合物も上記q間隔内に細いSAXSラインが得られる)、
- 一次元又は、好ましくは、二次元の線状検出器、
- 装置は、調製物の透過率を測定することを可能にしなければならない、即ち、試料が透過する強度と入射強度の比。
この装置は、例えば、好ましくは1.54オングストロームの銅のkα発光を用いて、エックス線管或いは回転アノードタイプの供給源により操作する実験装置であり得る。検出器は、画像プレート又は、好ましくは、ガス検定器であり得る。シンクロトロンSAXS装置が含まれてもよい。
2)手順:
シリカ試料は、粉末固形で分析される。粉末は、X線を透過する2つの窓の間に配置される。この調製と独立して、内部にシリカを含まない、空のセルは、2つの透明窓のみで調製される。空のセルによる散乱は、シリカによる散乱と別に記録されなければならない。“バックグラウンドの測定”と呼ばれるこの操作の間、散乱強度は、電子バックグラウンドノイズ、透明窓による散乱又は入射光線の残留発散のようなシリカへの外部の寄与すべてに由来する。
これらの透明窓は、調べられる波数ベクトル間隔にわたってシリカが散乱させる強度にかかわらず低バックグラウンドノイズに関与しなければならない。これらは、雲母、キャプトン膜又は、好ましくは、接着キャプトン膜から構成され得る。
シリカに適当なSAXSの獲得の前に、調製物の品質は、シリカを充填したセルの透過率の測定によって確認されなければならない。
そのときに克服すべき段階は、以下の通りである:
i)シリカを含まないのない2つの窓から構成されるセル(空のセル)の準備。
ii)内部にシリカ粉末の試料を有する2つの窓から構成されるセルの準備。
導入されるシリカの量は、50mg未満でなければならない。シリカは、100μm未満の厚みを有する層を形成しなければならない。目標は、好ましくは、窓の上に位置決めされるシリカ結晶粒の単層を得ることであり、これは接着窓によって得るのがより簡単である。調製物の品質は、透過率の測定(段階iii)によってモニタされる。
iii)空のセル及びシリカセルの透過率の測定。
比率Rは、以下のようにして定義される:
R = シリカセルの透過率/空のセルの透過率
高qで良好なシグナルノイズ比を保持しながら、多重散乱のリスクを最小にするために、Rは0.6〜0.9でなければならない。Rの値が小さすぎる場合には、光線に目に見えるシリカの量を減少させなければならない; それが高すぎる場合には、シリカが添加されなければならない。
iv)空のセル及びシリカセルによるSAXSの獲得。
高qにおけるシグナル/ノイズ比が許容され得るような方法で獲得時間が決定されなければならない。これらは、q = 0.12オングストローム-1のすぐ近くで、下記に定義される関数F(q)の変動がこの点で関数Fがもつ値に関して+/-5%を超えてはならないようでなければならない。
v)二次元の検出器が用いられる場合: 波数ベクトルqの関数として散乱強度を得る2つの二次元のスペクトルの各々のラジアル加算平均。
散乱強度の定量は、露出時間、入射光線の強度、試料の透過率及び検出器のピクセルによって妨害される立体角を考慮しなければならない。波数ベクトルの定量は、入射光線及び試料-検出器距離の波長を考慮しなければならない。
vi)一次元の検出器が用いられた場合: 散乱強度と波数ベクトルに関する前の決定は行われているが、ラジアル加算平均は得られていない。
vii)2つのスペクトルがこのように得られ、その情報が波数ベクトルqの関数として散乱強度の変動に変換される: 空のセルの1つのスペクトルとシリカセルの1つのスペクトル。
viii)シリカセルが散乱させる強度から空のセルが散乱させる強度を引く(バックグラウンドの引き算)。
ix)バックグラウンドを引いた後、シリカのSAXSスペクトルは、Porod条件と同様の条件に従って生じる単調な低下を示す。即ち、q-4指数法則と同様の法則に従って波数ベクトルとともに強度が非常に急速に減少する。このポロドの法則に関する小さな偏差は、“クラッキイ・ポロド”方法に従ってデータを表すことによってより見やすくする。qの関数としてF(q)を表すことが問題である:
F(q) = I×q4
(ここで、Iは、バックグラウンドを引いた後の散乱強度を示し、qは、波数ベクトルを表す)。
x)クラッキイ・ポロドの式において、スペクトルが増加する波数ベクトルの方向に記載される場合、粒径の2つの集団の存在は、より大きな粒子を確認する、関数F(q)における第1の成長によって反映され、次に、より小さな粒子を確認する、関数F(q)における第2の成長によって反映される。第1の成長に関して強度の振動を認めることは可能であり得、より大きな粒子の粒度分布が比較的小さい場合には認めることができる。
xi)本計算の関連において定義されるSAXS基準は、q1 = 0.03オングストローム-1とq2 = 0.12オングストローム-1である、2つの定義された波数ベクトル限度の間の関数Fの成長に基づくものである。
比率(パラメーター) Cは、以下のようにして定義される:
C = [F(q2) - F(q1)]/F(q2)
xii)本発明のシリカについての実験結果の一例を図2に示す。
バックグラウンドを引いた後のI = 散乱強度によるF(q) = I q4の変化がこの図にプロットされる。
このシリカについて、F(q1) = 3.6×10-3及びF(q2) = 1.07×10-2が得られる。
そこからC =(1.07×10-2−3.6×10-3)/1.07×10-2 = 0.66が推定される。
I.2 ゴム組成物の評価
以下に示されるように、キュア前後に、ジエン系ゴム組成物を確認する。
I.2.1 ムーニー可塑性
仏国規格NF T 43-005(1991)に記載されているように振動コンシストメータを使用する。ムーニー可塑性測定は、下記の原理に従って行われる: 原料のままの状態(即ち、キュア前)の組成物を、100℃に加熱した円筒形チャンバ内で成形する。1分間予熱した後、ローターは試験片の中で2回転/分で回転し、この動きを維持するための作動トルクを4分間回転した後で測定する。ムーニー可塑性(ML 1+4)は、“ムーニー単位”(MU、1MU=0.83 ニュートンメートルで表される。
I.2.2 結合ゴム
結合ゴム試験は、未加硫組成物中のエラストマーの比率を求めることを可能にし、未加硫組成物が非常に親密に補強性充填剤と結合しているので、この比率のエラストマーは、通常の有機溶媒に不溶である。混合中に補強性充填剤に結合されているこの不溶ゴム比率の知識により、ゴム組成物中の充填剤の補強活性の定量的な指標が得られる。このような方法は、例えば、カーボンブラックに結合されているエラストマーの量の決定に適用される仏国規格NF T 45-114(1989年6月)に記載されたものである。
補強性充填剤が関与する補強の質を確認するための当業者に周知のこの試験は、例えば、以下の文献:Plastics, Rubber and Composites Processing and Applications, Vol. 25, No. 7, p. 327 (1996); Rubber Chemistry and Technology, Vol. 69, p. 325 (1996)に記載されている。
本発明の場合、トルエンで抽出できないエラストマーの量は、ゴム組成物試料をこの溶媒(例えば80〜100cm3のトルエン)中に15日間膨潤させ、次いで100℃で真空中24時間乾燥段階後、このように処理したゴム組成物の試料を秤量した後に測定する。好ましくは、上記膨潤段階を、周囲温度(約20℃)かつ光から保護して行い、例えば、最初の5日間の膨潤後に、溶媒(トルエン)を一度変える。
“BR”と示される結合ゴムの量(質量%)は、計算から、最初にゴム組成物中に存在しているエラストマー以外の本来不溶性の画分を考慮し且つ除去した後、ゴム組成物試料の出発質量と最終質量との差によって既知の方法で計算する。
I.2.3 レオメトリー
規格DIN 53529-パート3(1983年6月)に準じ、振動ディスクレオメーターにより測定を150℃で行う。時間の関数として流動トルクの変化は、加硫反応の結果としての組成物の補強の変化を記載するものである。規格DIN 53529-パート2(1983年3月)に準じて測定を処理し: tiは誘導期間、即ち、加硫反応の開始に必要な時間であり; tα(例えばt90)は、α%、即ち、最小トルクと最大トルク間の差のα%(例えば90%)の転換を達成するのに必要な時間である。30%〜80%変換で算出される1桁のKと示される(min-1で表される)の変換速度定数も測定し、これは加硫速度論を評価することを可能にする。
I.2.4 引張試験
この試験は、弾性応力及び破断時特性を求めることを可能にする。特にことわらない限り、試験は1988年9月の仏国規格NF T 46-002に準拠して行われる。適度なセカントモジュラス(又は見掛けの応力、MPa)は、10%伸び(EM10と示される)、100%伸び(EM100と示される)及び300%伸び(EM300と示される)での第2の伸び(即ち、適応サイクル後)で測定される。すべてのこれらの引張測定は、仏国規格NF T 40-101(1979年12月)に準じて標準条件の温度(23±2℃)及び湿度(50±5%相対湿度)によって行われる。
I.2.5 動的特性
動的特性、ΔG*及びtan(δ)maxを、粘土分析計(Metravib VA4000)によりASTM規格D 5992-96に準じて測定する。規格ASTM D 1349-99に準じた10Hzの周波数で標準条件温度下(23℃)交互の単一正弦剪断応力にかけた加硫組成物の試料(厚さ4mm、断面積400mm2の円筒状試験片)の応答を、場合によっては、異なる温度で、記録する。0.1から50%へ(外向きサイクル)、次いで50%から1%へ(戻りサイクル)のひずみ振幅の一掃を行う。使用する結果は、複合動的剪断モジュラス(G*)及び損失因子(tanδ)である。戻りサイクルについては、tan(δ)maxと示される、観察されるtan(δ)の最大値、及び0.15〜50%ひずみ値の間の複合モジュラスの差(ΔG*)が示される。
I.3 タイヤ又はトレッドの評価
I.3.1 転がり抵抗
転がり抵抗をISO 87-67(1992)方法に準じて試験ドラムにより測定する。任意に100に設定された対照より大きい値は、改善された結果、即ち、より低い転がり抵抗を示した。
I.3.2 耐摩耗性
走行による摩耗がトレッドの溝に位置決めされた摩耗指標に達するまで、タイヤを個々の自動車に実際の路上走行にかける。任意に100に設定した対照より大きい値は、改善された結果、即ち、走行したより大きいマイル数を示す。
I.3.3 ドライ又はウェットグリップ
乾いた路面又は湿った路面上の“ABS”モードのブレーキ距離の測定によってタイヤのグリップを求める。より詳しくは、乾いた路面で、100km/hの速度から0km/hに(“4ABS”ブレーキ)、湿った地面で、50km/hの速度から10km/hに変えることによって、“ABS”モードのブレーキ距離を測定する。任意に100に設定した対照より大きい値は、改善された結果、即ち、改善されたドライ又はウェットグリップを示す。
II 発明を実施するための条件
本発明によれば、本発明のタイヤジエン系ゴム組成物(即ち、タイヤ又はこれらのタイヤの調製を意図したゴムでできた半製品の製造を意図した)は、下記成分に基づく:
(i) 少なくとも1つのジエンエラストマー;
(ii)補強性充填剤として、全部又は部分が特定のシリカから構成される少なくとも1つの無機充填剤;
(iii)無機充填剤とジエンエラストマーの間を結合させる少なくとも1つのカップリング剤。
当然、語句“基づく”組成物は、用いられる種々の成分のその場反応の混合物及び/又は生成物を含む組成物を意味すると理解されなければならず、これらのベース成分の一部は、トレッド及びタイヤの製造の種々の相の間、特にそれらの加硫の間、少なくとも部分的に相互に反応することができるか又は反応することを意図する。
本説明において、特にことわらない限り、示されるすべてのパーセント(%)は質量部である。更に、語句“aとbの間”によって示されるいずれの間隔の値も、aより大きい値からbより小さい値までの範囲を表す(即ち、限度aとbは除外される)が、語句“aからbまで”によって示されるいずれの間隔の値も、aからbまでの値の範囲を意味する(即ち、厳密な限度aとbを含む)。
II-1. ジエンエラストマー
用語“ジエン”エラストマー又はゴムは、既知の方法で、ジエンモノマー(共役であってもなくても2つの炭素-炭素二重結合をもつモノマー)から少なくとも部分的に(即ち、ホモポリマー又はコポリマー)得られる(1つ以上が理解されている)エラストマーを意味すると理解されなければならない。
これらのジエンエラストマーは、2つの種類:“本質的に不飽和の”又は“本質的に飽和された”に分類され得る。用語“本質的に不飽和の”は、15%(モル%)より大きいジエン由来(共役ジエン)の単位のレベルを有する共役ジエンモノマーから少なくとも部分的に得られる一般的にはジエンエラストマーを意味すると理解される; 従って、ブチルゴム又はEPDMタイプのジエンとα-オレフィンのコポリマーのようなジエンエラストマーは、前の定義の中に入らず且つ特に“本質的に、飽和された”ジエンエラストマーとして記載され得る(低レベル又は非常に低レベルの単位のジエン由来、常に15%未満)。“本質的に不飽和の”ジエンエラストマーの種類において、用語“高度に不飽和の”ジエンエラストマーは、ジエン由来(共役ジエン)の単位のレベルが50%より大きいジエンエラストマーを特に意味すると理解される。
これらの定義を考えれば、本発明の組成物に用いることができる用語ジエンエラストマーは、より詳しくは以下を意味すると理解される:
(a) - 炭素原子4個から12個までを有する共役ジエンモノマーの重合によって得られるホモポリマー;
(b) - 1つ以上の共役ジエン相互と又は炭素原子8個から20個までを有する1つ以上のビニル芳香族化合物との共重合によって得られる任意のコポリマー;
(c) - エチレンと炭素原子3個から6個までのα-オレフィンと炭素原子6個から12個までの非共役ジエンモノマーとの共重合によって得られる三元コポリマー、例えば、エチレンとプロピレンと上述のタイプの非共役ジエンモノマー、例えば、特に1,4-ヘキサジエン、エチリデンノルボルネン又はジシクロペンタジエンとから得られるエラストマー;
(d) - イソブテンとイソプレンのコポリマー(ブチルゴム)、また、この種のコポリマーのハロゲン化変形例、特に、塩素化又は臭素化変形例。
これはいずれのタイプのジエンエラストマーにもあてはまるが、タイヤの当業者は、本発明が好ましくは本質的に不飽和のジエンエラストマー、特に、上記タイプ(a)又は(b)と使われると理解する。
以下は、特に共役ジエンとして適切である: 1,3-ブタジエン、2-メチルl-1,3-ブタジエン、2,3-ジ(C1-C5アルキル)-1,3-ブタジエン、例えば、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジエチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-エチル-1,3-ブタジエン又は2-メチル-3-イソプロピル-1,3-ブタジエン、アリール-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン又は2,4-ヘキサジエン。以下は、例えば、ビニル芳香族化合物として適切である: スチレン、オルト-、メタ-又はパラ-メチルスチレン、市販の“ビニルトルエン”混合物、パラ-(tert-ブチル)スチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼン又はビニルナフタレン。
コポリマーは、99質量%と20質量%の間のジエン単位と1質量%と80質量%の間のビニル芳香族単位を含むことができる。エラストマーは、用いられる重合条件、特に、変性剤及び/又はランダム化剤の有無に、また、使われる変性剤及び/又はランダム化剤の量に左右されるミクロ構造をもち得る。エラストマーは、例えば、ブロック、ランダム、連続又はミクロ連続エラストマーであり得、分散液として又は溶液として調製され得る; これらは、カップリング剤及び/又は星状分岐剤又は官能基化剤でカップリング及び/又は星状分岐或いは官能基化され得る。カーボンブラックによるカップリングについては、例えば、C-Sn結合を含む官能基又はアミノ化官能基、例えば、ベンゾフェノンを挙げることができ; シリカのような補強性無機充填剤によるカップリングについては、例えば、シラノール末端を有するシラノール官能基又はポリシロキサン官能基(例えば、FR 2 740 778又はUS 6 013 718に記載されている)、アルコキシシラン記載(例えば、FR 2 765 882又はUS 5 977 238に記載されている)、カルボキシル基(例えば、WO 01/92402又はUS 6 815 473、WO 2004/096865又はUS 2006/0089445に記載されている)又はポリエーテル記載(例えば、EP 1 127 909又はUS 6 503 973に記載されている)を挙げることができる。官能基化エラストマーの他の例として、エポキシド化タイプのエラストマー(例えばSBR、BR、NR又はIR)を挙げることもできる。
以下が適切である: ポリブタジエン、特に4%と80%の間の1,2-単位の含量(モル%)を有するもの又は80%を超えるシス-1,4-単位の含量(モル%)を有するもの、ポリイソプレン、ブタジエン/スチレンコポリマー、特に、0℃と70℃の間、より詳しくは10℃と60℃の間のTg(ガラス転移温度、ASTM D3418に準じて測定される)、5質量%と60質量%の間、より詳しくは20質量%と50質量%の間のスチレン含量、4%と75%の間のブタジエン部分の1,2-結合の含量(モル%)及び10%と80%の間のトランス-1,4-結合の含量(モル%)を有するもの、ブタジエン/イソプレンコポリマー、特に、5質量%と90質量%の間のイソプレン含量及び重量及び-40℃から80℃までのTgを有するもの、又はイソプレン/スチレンコポリマー、特に、5質量%と50質量%の間のスチレン含量及び-25℃と-50℃の間のTgを有するもの。ブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマーの場合、5%と50%の間、より詳しくは10%と40%の間のスチレン含量、15%と60%の間、より詳しくは20%と50%の間のイソプレン含量、5%と50%の間、より詳しくは20%と40%の間のブタジエン含量、4%と85%の間のブタジエン部分の1,2-単位の含量(モル%)、6%と80%の間のブタジエン部分のトランス-1,4-単位の含量(モル%)、5%と70%の間のイソプレン部分の1,2-と3,4-単位の含量(モル%)及び10%と50%の間のイソプレン部分のトランス-1,4-単位の含量(モル%)を有するもの、より一般的には-20℃と70℃の間のTgを有するブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマーが特に適切である。
要するに、本発明の組成物のジエンエラストマーは、好ましくは、ポリブタジエン(“BR”と略記される)、合成ポリイソプレン(IR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマー及びこれらのエラストマーの混合物からなる高度に不飽和のジエンエラストマーのグループより選ばれる。このようなコポリマーは、より好ましくは、ブタジエン/スチレンコポリマー(SBR)、イソプレン/ブタジエンコポリマー(BIR)、イソプレン/スチレンコポリマー(SIR)及びイソプレン/ブタジエン/スチレンコポリマー(SBIR)からなるグ群より選ばれる。
個々の実施態様によれば、ジエンエラストマーは、主に(即ち、50phrを超える)、エマルジョンとして調製されたSBR(“ESBR”)にしても溶液として調製されたSBR(“SSBR”)にしてもSBR、又はSBR/BR、SBR/NR(又はSBR/IR)、BR/NR(又はBR/IR)或いはSBR/BR/NR(又はSBR/BR/IR)ブレンド(混合物)である。SBR(ESBR又はSSBR)エラストマーの場合、例えば、20質量%と35質量%の間の中程度のスチレン含量、又は例えば、35%から45%までの高スチレン含量、15%と70%の間のブタジエン部分のビニル結合の含量、15%と75%の間のトランス-1,4-結合の含量(モル%)及び10℃と55℃の間のTgを有するSBRが特に使われる; このようなSBRは、有利には、好ましくは90%(モル%)を超えるシス-1,4-結合を有するBRとの混合物として使用し得る。
他の個々の実施態様によれば、ジエンエラストマーは、主に(50phrを超える)イソプレンエラストマーである。これは、特に、本発明の組成物が、タイヤにおいて、ある種のトレッド(例えば、産業車両用)、クラウン補強プライ(例えば、ワーキングプライ、保護プライ又はフーピングプライ)、カーカス補強プライ、サイドウォール、ビーズ、プロテクター、アンダーレイヤー、ゴムブロックのゴムマトリックス及びタイヤの上述の領域の間に境界面を与える他の内部ゴムを構成することを意図する場合の例である。
用語“イソプレンエラストマー”は、知られているように、イソプレンホモポリマー或いはコポリマー、換言すれば、天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレン(IR)、イソプレンの様々なコポリマー、及びこれらエラストマーの混合物からなる群より選択されたジエンエラストマーを意味するものと理解される。特に、イソプレンコポリマーの中で、イソブテン/イソプレンコポリマー(ブチルゴム-IIR)、イソプレン/スチレンコポリマー(SIR)、イソプレン/ブタジエンコポリマー(BIR)又はイソプレン/ブタジエン/スチレンコポリマー(SBIR)が挙げられる。このイソプレンエラストマーは、好ましくは、天然ゴム又は合成シス-1,4-ポリイソプレンであり; 好ましくは、これらの合成ポリイソプレンの中で、90%以上、より好ましくは98%以上のシス-1,4結合のレベル(モル%)を有するポリイソプレンが用いられる。
他の個々の実施態様によれば、特に、タイヤサイドウォール或いはチューブレスタイヤ(或いは他の空気不浸透性部品)の気密内部ゴムを意図する場合、本発明の組成物は、少なくとも1つの実質的に飽和したジエンエラストマー、特に少なくとも1つのEPDMコポリマー又は1つのブチルゴム(選択的に塩化物或いは臭化物)を含むことができ、これらのコポリマーは、単独で、或いは上述したような高度に不飽和のジエンエラストマー、特にNR又はIR、BR又はSBRとのブレンドとして用いられる。
本発明の他の好ましい実施態様によれば、ゴム組成物は、-70℃と0℃の間のTgを示す(1つ以上の)“高Tg”ジエンエラストマーと、-110℃と-80℃の間、より好ましくは-105℃と-90℃の間のTgを示す(1つ以上の)“低Tg”ジエンエラストマーのブレンドを含む。高Tgエラストマーは、好ましくは、S-SBR、E-SBR、天然ゴム、合成ポリイソプレン(好ましくは95%以上のシス-1,4-構造のレベル(モル%)を示す)、BIR、SIR、SBIR及びこれらエラストマーの混合物からなる群より選択される。低Tgエラストマーは、好ましくは少なくとも70%のレベル(モル%)のブタジエン単位を含み; これは90%以上のシス-1,4-構造のレベル(モル%)を示すポリブタジエン(BR)からなる。
本発明の他の個々の実施態様によれば、ゴム組成物は、例えば、30から100phrまで、特に50から100phrまでの高Tgエラストマーの0から70phrまで、特に0から50phrまでの低Tgエラストマーとのブレンドを含み、他の例によれば、溶液として調製された全体が100phrの1つ以上のSBRを含む。
本発明の他の個々の実施態様によれば、本発明による組成物のジエン系エラストマーは、90%以上のシス1,4構造のレベル(モル%)を示すBR(低Tgエラストマーとして)と1つ以上のS-SBR又はE-SBR(高Tgエラストマーとして)のブレンドを含む。
本発明の組成物は、単一のジエン系エラストマー又はいくつかのジエン系エラストマーの混合物を含むことができ、ジエン系エラストマー又は複数のジエン系エラストマーは、ジエン系エラストマー以外のいかなるタイプの合成エラストマー、実際にはエラストマー以外のポリマー、例えば、熱可塑性ポリマーと組み合わせて用いることが可能である。
II-2. 補強性無機充填剤
用語“補強性無機充填剤”は、知られているように、その色及び由来(天然或いは合成)に関わらず、カーボンブラックに対して“白色”充填剤或いは時には“透明”充填剤としても知られる、中間のカップリング剤以外の手段なしに、それ自体単独で、タイヤの製造を意図したジエン系ゴム組成物を補強できる、換言すれば、その補強役割において、従来のタイヤグレードのカーボンブラック充填剤に置き換わることのできる無機或いは鉱物充填剤を意味すると理解されなければならないことは思い出さなければならない。
タイヤジエン系ゴム組成物(即ち、タイヤ或いはこれらタイヤの製造を意図したゴムでできた半製品の製造を意図した)は、本発明の第1態様によれば、補強性無機充填剤によって補強された重要な特性を有し、補強性無機充填剤は、好ましくは大部分が、ケイ酸塩を酸性化剤と反応させ、それによってシリカ懸濁液を得、続いてこの懸濁液の分離及び乾燥を含むプロセスにより得ることのできる特定のシリカからなる。
この沈降シリカの調製プロセスは、ケイ酸塩の酸性化剤との反応が、以下の連続段階により行われることを特徴とする。
(i)pHが2.5と5.3の間を示す沈降シリカの水性懸濁液を、反応媒質のpHが2.5と5.3の間に維持されるように、酸性化剤及びケイ酸塩に接触(混合)させる。
(ii)反応媒質のpHが4.7と6.3の間に上がるように、アルカリ剤、好ましくはケイ酸塩を得られた反応媒質に加える。
本発明のプロセスの好ましい実施態様によれば、段階(i)で用いられる沈降シリカの水性懸濁液は、以下の方法で調製される。
(1)ケイ酸塩と電解質とを含む最初の容器ヒール部を形成し、前記最初の容器ヒール部のケイ酸塩(SiO2と表される)の濃度は、100g/l未満、特に80g/l未満であり、好ましくは、前記最初の容器ヒール部の電解質濃度は、17g/l以下、特に15g/l以下である。
(2)反応媒質のpH値が少なくとも約7、好ましくは7.5と8.5の間となるまで、酸性化剤を前記容器ヒール部に加える。
(3)酸性化剤とケイ酸塩を反応媒質に同時に加える。
(4)反応媒質のpH値が、2.5と5.3の間、好ましくは2.8と4.9の間となるまで、酸性化剤を反応媒質に加え続けつつケイ酸塩の追加を中止する。
このようにして、方法において、特に上述した好ましい実施態様において、個々の段階の順序は、得られた生成物に、個々の特性及び性能を与える重要な条件を構成する。
方法において、特にこの好ましい実施態様において、酸性化剤、アルカリ剤、ケイ酸塩の選択は、それ自体良く知られた方法で行う。
酸性化剤として、一般的には、硫酸、硝酸、或いは塩酸のような無機強酸、或いは酢酸、蟻酸、或いは炭酸のような有機酸を使用する。
酸性化剤を希釈、或いは濃縮するのがよく、その規定度は、0.4と36Nの間、例えば、0.6と1.5Nの間であり得る。
特に、酸性化剤が硫酸の場合、濃度は40と180g/lの間、例えば、60と130g/lの間であり得る。
更に、ケイ酸塩として、メタケイ酸塩、ジケイ酸塩、有利には、アルカリ金属ケイ酸塩、特にケイ酸ナトリウム又はケイ酸カリウムを用いることができる。
ケイ酸塩(SiO2と表される)は、40と330g/lの間、例えば、60と300g/lの間、特に60と260g/lの間の濃度を示し得る。
一般的に、酸性化剤として、硫酸を用い、ケイ酸塩として、ナトリウムケイ酸塩を用いる。
ナトリウムケイ酸塩を用いる場合、ナトリウムケイ酸塩は、2.5と4の間、例えば、3.2と3.8の間のSiO2/Na2O質量比を示す。
段階(ii)中に使われるアルカリ剤は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又はアンモニア溶液であり得る。好ましくは、このアルカリ剤は、ケイ酸塩、特に段階(i)中に用いられるケイ酸塩である。
より詳しくは本発明の調製プロセスに関して、ケイ酸塩と酸性化剤との反応は、以下の段階に従って特定の方法で行う。
以下を接触させる(段階(i))。
- 沈降シリカの水性懸濁液(沈降シリカの反応スラリーであり得る)、前記懸濁液は、pHが、2.5と5.3の間、好ましくは2.8と4.9の間、例えば、2.9と4.5の間(実際には3.5と4.4の間)を示す。
-酸性化剤及びケイ酸塩
反応媒質のpHが2.5と5.3の間、好ましくは2.8と4.9の間、例えば、2.9と4.5の間(実際には3.5と4.4の間)に維持されるように(特にこのような流量で)する。
前記反応媒質のpHは、2.5-5.3、好ましくは2.8-4.9、例えば、2.9-4.5(実際には3.5-4.4)の範囲内で異なることができ、或いは、好ましくはこれらの範囲内で(ほぼ)一定のままもあり得る。
一般的に、この段階(i)では、水性懸濁液を酸性化剤及びケイ酸塩に接触させる操作は、酸性化剤及びケイ酸塩を沈降シリカの水性懸濁液に加えることによって行う。
本発明の方法の別の形によれば、段階(i)では、最初に酸性化剤、次いでケイ酸塩を沈降シリカの水性懸濁液に加える。
しかしながら、本発明のプロセスの好ましい別の形によれば、段階(i)では、酸性化剤及びケイ酸塩は、代わりに、沈降シリカの水性懸濁液中に同時に加え; 好ましくは、この同時添加は、反応媒質のpHを上述の範囲内の(ほぼ)一定の値に調整して行う。
第2の段階(ii)のプロセスは、反応媒質のpH値が4.7と6.3の間、好ましくは5.0と5.8の間、例えば、5.0と5.4の間に達するまで、アルカリ剤、好ましくはケイ酸塩を、段階(i)の結果得られた反応媒質に加えることからなる。
この第2の段階は、段階(i)で、5.0と5.3の間のpHを示す、沈降シリカの水性懸濁液を、反応媒質のpHが5.0と5.3の間に維持されるように、酸性化剤及びケイ酸塩と接触(混合)させる場合は、選択的でよい(即ち、行わなくてもよい)。
好ましくはプロセスは段階(ii)を含む。
段階(ii)は、通常、撹拌しながら行われる。
これは、また、反応の全て(段階(i)及び(ii))において一般的である。
反応の全ては、一般的には75と97℃の間、好ましくは80と96℃の間で行われる。
段階(ii)の結果、特に段階(ii)の結果得られたpHで、一般的には撹拌しながら、得られた反応媒質の熟成を行うのが有利である。この熟成は、例えば、2から30分まで、特に3から20分まで続き、75と97℃の間、好ましくは80と96℃の間で、特に段階(ii)が行われた温度で行うのがよい。これは、好ましくは、酸性化剤の添加も、ケイ酸塩の添加も含まない。
本発明のプロセスの好ましい実施態様によれば、ケイ酸塩と酸性化剤の反応は、以下の連続段階により実行される。
(1)ケイ酸塩と電解質とを含む最初の容器ヒール部を形成し、前記最初の容器ヒール部のケイ酸塩(SiO2と表される)の濃度は、100g/l未満、特に80g/l未満であり、好ましくは、前記容器ヒール部の電解質の濃度は17g/l未満、特に15g/l未満、例えば、14g/l未満である。
(2)反応媒質のpH値が少なくとも約7、好ましくは7.5と8.5の間、例えば、約8に等しくなるまで、酸性化剤を前記容器ヒール部に加える。
(3)反応媒質のpHが少なくとも約7、好ましくは7.5と8.5の間、例えば、約8に維持されるように(特にそのような流量で)、酸性化剤及びケイ酸塩を反応媒質に同時に加える。
(4)反応媒質のpH値が、2.5と5.3の間、好ましくは2.8と4.9の間、例えば、2.9と4.5の間(実際には3.5と4.4の間)が得られるまで、酸性化剤を反応媒質に加え続けながらケイ酸塩の追加を中止する。
(i)反応媒質のpHが2.5と5.3の間、好ましくは2.8と4.9の間、例えば、2.9と4.5の間(実際には3.5と4.4の間)となるように、段階(4)の結果得られた水性懸濁液(反応媒質)を酸性化剤とケイ酸塩に接触(混合)させる。
(ii)反応媒質のpH値が4.7と6.3の間、好ましくは5.0と5.8の間、例えば、5.0と5.4の間(実際には3.5と4.4の間)となるまで、アルカリ剤、好ましくはケイ酸塩を得られた反応媒質に加える。
用語“電解質”は、ここでは通常の意味で理解されるべきである、即ち、溶液中にあるとき、分解或いは解離してイオン或いは荷電粒子を形成するいかなるイオン物質或いは分子物質を意味する。電解質としては、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩の群の塩、特に、開始ケイ酸塩の金属塩と、酸性化剤の金属塩、例えば、ケイ酸ナトリウムと塩酸との反応の場合には塩化ナトリウム、或いは好ましくはケイ酸ナトリウムと硫酸との反応の場合には硫酸ナトリウムを挙げることができる。
段階(1)では、最初の容器ヒール部中の電解質濃度は、0g/l以上、例えば、8g/l以上である。
段階(3)の同時添加は、一般的には、反応媒質のpH値が継続的に、段階(2)の結果達成されたpH値と等しく(±0.2内に)なるように行われる。
段階(4)の結果、得られた反応媒質(水性懸濁液)を段階(4)の結果得られたpHで、一般的には、例えば、2から45分間まで、特に3から30分間まで、撹拌しながら熟成を行うことができる。
段階(1)から(4)まで、一般に反応の全ては、一般的には撹拌しながら行われる。
同様に、全ての段階は、通常は75と97℃の間、好ましくは80と96℃の間で行われる。
本発明の方法の好ましい実施態様の別の形によれば、全ての段落は一定の温度で行われる。
本発明の方法の好ましい実施態様の他の別の形によれば、反応の最後の温度は、反応の最初の温度よりも高く: 従って、反応の最初(例えば、段階(1)及び(2)中)の温度は、好ましくは75と90℃の間に維持され、次いで、(例えば、段階(3)、(4)、(i)、(ii)中)好ましくは90と97℃の間の値まで温度が上げられ、反応の最後まで維持される。
プロセス、特にプロセスの好ましい実施態様において、段階(i)は、得られる沈降シリカの特性のより良好な制御が可能である高速ミキサー或いは乱流領域で行われ得る。
例えば、段階(i)で、沈降シリカの水性懸濁液に、最初に酸性化剤、次いでケイ酸塩を加える場合、前記ケイ酸塩は、次いで、沈降シリカの水性懸濁液に酸性化剤を加えることで生じた媒体と高速ミキサー或いは乱流領域で接触させ得る。
同様に、段階(i)で、酸性化剤とケイ酸塩を、沈降シリカの水性懸濁液に同時に加える場合、前記酸性化剤と前記ケイ酸塩は、次いで、高速ミキサー或いは乱流領域で沈降シリカの水性懸濁液と接触させ得る。
好ましくは、高速ミキサー或いは乱流領域で得られた反応媒質は、反応器に送り、好ましくは撹拌にかけられ、続いて段階(ii)が行われる。
段階(i)では、対称T型、或いはY型ミキサー(チューブ)、非対称T型或いはY型ミキサー(或いはチューブ)、正弦ジェットミキサー、Hartridge-Roughtonミキサー、ボルテックスミキサー或いはロータステータミキサーから選択される高速ミキサーを用いることができる。
対称T型或いはY型ミキサー(或いはチューブ)は、一般的には、同じ直径を有する2つの向かい合ったチューブが180°未満の角度を形成し(Y型チューブ)、中央チューブに放出するようになっており、中央チューブの直径は、先の2つのチューブと同一或いはそれよりも大きい。それらが“対称”と言われるのは、反応成分を射出する2つのチューブが、同様の直径を有し、中央チューブに対して同様の角度を有し、デバイスが対称軸を特徴とするからである。
好ましくは、中央チューブは、向かい合うチューブの直径よりもほぼ2倍大きい直径を示し、同様に、中央チューブの流体速度は、好ましくは向かい合うチューブの半分に等しい。
しかしながら、特に、導入される2つの流体が同じ流量を示していないとき、対称なT型、或いはY型ミキサー(或いはチューブ)よりも非対称なT型或いはY型ミキサー(或いはチューブ)を用いることが好ましい。非対称なデバイスでは、流体の1つ(一般的により低い流量の流体)を、より小さい直径のサイドチューブによって中央チューブ中に注入する。後者は、中央チューブとほぼ90°の角度を形成し(T型チューブ)、この角度は、90°とは異なり(Y型チューブ)、他の流れに関して共流システム(例えば、45°の角度)或いは逆流システム(例えば、135°)を与える。
好ましくは、高速ミキサーとして、正弦ジェットミキサー、Hartridge-Roughtonミキサー或いはボルテックスミキサー(或いは集塵器)が用いられ、これは対称T型デバイスから出ている。
より詳しくは、段階(i)では、チャンバを含む正弦ジェット、Hartridge-Roughton、或いはボルテックス高速ミキサーを用いるのがよく、チャンバは、(a)少なくとも2つの正弦導入を有し、それによって一方でケイ酸塩、他方で沈降シリカの水性懸濁液に酸性化剤を加えることで生じる媒体、或いは、一方でケイ酸塩及び酸性化剤、他方で沈降シリカの水性懸濁液が別々に(しかし同時に)入り、(b)軸方向出口を有し、それによって反応媒質が、好ましくは、前記ミキサーの後に順番に位置決めされたリアクター(容器)に向って出る。2つの正弦導入は、好ましくは対称に、前記チャンバの中心軸に関して向かい合った方法で位置する。
選択的に用いられる正弦ジェット、Hartridge-Roughton、或いはボルテックスミキサーのチャンバは、一般的に、円形断面を示し、好ましくは円筒形状である。
各正弦導入チューブは、0.5から0.8mmまでの内径dを示し得る。
この内径dは、0.5と10mmの間、特に1と9mmの間、例えば、2と7mmの間であり得る。しかしながら、特に工業規模では、好ましくは10と80mmの間、特に20と60mmの間、例えば、30と50mmの間である。
選択的に使われる正弦ジェット、Hartridge-Roughton或いはボルテックスミキサーのチャンバの内径は、3dと6dの間、特に3dと5dの間、例えば、4dであり得、軸方向出口チューブの内径は、1dと3dの間、特に1.5dと2.5dの間、例えば、2dであり得る。
ケイ酸塩及び酸性化剤の流量は、例えば、合流点で反応剤の2つの流れが、十分に乱流の領域で互いに接触するように決定される。
プロセス、特に、プロセスの好ましい実施態様において、段階(ii)の最後、選択的に熟成の前に、シリカスラリーが得られ、続いて分離される(液体/固体分離)。
調製プロセスで行われる分離は、特に、好ましい実施態様において、通常、ろ過を含み、必要であれば洗浄操作が続く。ろ過は、いかなる適当な方法によっても、例えばフィルタープレス、ベルトフィルター或いは真空フィルターを用いて行われる。
このようにして、回収されたシリカ懸濁液(ろ過ケーク)は、続いて乾燥される。
この乾燥操作は、いかなるそれ自体知られた手段により行うことができる。
好ましくは、乾燥操作は、噴霧化によって行われる。このために、いかなるタイプの適当なアトマイザー、特に回転、ノズル、液体圧或いは二流体アトマイザーを用いることができる。一般的には、フィルタープレスを用いてろ過を行うとき、ノズルアトマイザーを用い、真空フィルターを用いてろ過を行うとき、回転アトマイザーを用いる。
濾過ケークは、特に、その高粘度のため、必ずしも噴霧化が可能である条件下にないことに留意すべきである。それ自体知られた方法で、次いでケークを崩壊操作にかける。この操作は、ケークをコロイド或いはビーズタイプのミル中に通すことによって機械的に行われ得る。崩壊は、一般的には、アルミニウム化合物、特にアルミン酸ナトリウムの存在下で、且つ選択的に酸性化剤の存在下で、上述したように行う(後者の場合、アルミニウム化合物及び酸性化剤は、一般的には同時に加えられる)。崩壊操作は、特に、続いて乾燥される懸濁液の粘度を低下させることを可能にする。
ノズルアトマイザーを用いて乾燥操作を行うとき、次いで得ることができるシリカは通常ほぼ球状ビーズの形態で存在する。
乾燥操作の終わりに、回収された生成物が、次いで、ミリング段階にかけられ得る。次いで得ることができるシリカは、一般的には粉末の形で存在する。
回転アトマイザーを用いて乾燥が行われるとき、次いで得られるシリカは、粉末の形で存在し得る。
最後に、上述したように(特に回転アトマイザーによって)乾燥されミリングされた生成物は、選択的に凝集段階にかけられてもよく、この凝集段階は、例えば、直接圧縮、湿式造粒(即ち、水、シリカ懸濁液等の結合剤を用いて)、押出し或いは好ましくは乾燥圧縮を含む。後者の技術が使われるとき、圧縮を行う前に、微粉に含まれた空気を取り除くとともにより均一な圧縮を与えるように、微粉生成物を脱気することが望ましいことが分かっている。
この凝集段階によって次いで得ることができるシリカは、一般的には粒子の形で存在する。
上述のプロセスによって得られたシリカ粉末、及びシリカビーズは、このようにして、特に、例えば、顆粒化或いは圧縮のような従来の成形操作によって、従来技術において従来の粉末を用いる場合に起こるかもしれないように、これらの粉末或いはこれらのビーズ固有に付着する良好な特性を隠し、実際破壊さえすることができる損傷を引き起こすことなしに、特に、試料における、効率的且つ経済的な方法で、顆粒に接近する利点を与える。
この調製プロセスは、特にその好ましい形により、特に一般的にはポリマー中で良好な分散能力(分散性)を示し且つ後者には非常に満足できる特性の妥協を与える、特定の沈降シリカを得ることができる。
この調製プロセスは、特に、一方で、脆くなく、且つ一般的には満足できるジエンエラストマー中での分散能力(分散性)を示し、もう一方で良好な補強効果を有する特定の沈降シリカを得ることができる。
この新規なプロセスにより得られた特定のシリカは、特定の形態を有し、これは、一次シリカ粒子(A)の凝集体から形成されるからであり、一次シリカ粒子(A)の表面には、一次粒子(A)よりも小さいサイズを有する一次シリカ粒子(B)が生じて(接合して)いる。これらはタイヤの製造を意図したジエン系ゴム組成物の補強性充填剤として有利に用いることができる。
これらの特定のシリカは、また、以下を有することを特徴とする。
- 60と400m2/gの間のCTAB比表面積(SCTAB)
- d50(nm)>(6214/SCTAB(m2/g))+23
となるように、超音波解凝集の後、XDC粒径測定によって測定される凝集体(一次粒子(A)或いは大きな一次粒子+一次粒子(B)或いは小さな一次粒子)のメジアン径d50
- V(d5-d50)/V(d5-d100)>0.906−(0.0013×SCTAB(m2/g))
となるような細孔容積分布、及び
- モード(nm)>(4166×SCTAB(m2/g))−9.2
となるような細孔サイズ(直径)分布
好ましくは、特定の沈降シリカは、C/SCTAB(m2/g)>0.001となるようなX線小角散乱(SAXS)によって測定されるパラメータCを示す。
これは、特定の形態、例えば、異なるサイズの一次粒子の2つの集団の存在を示している。
特定の沈降シリカは、有利には、小さなシリカ一次粒子(spp)が生じる(接合されている)大きなシリカ一次粒子の凝集体から形成され、大きな一次粒子(lpp)のメジアン径数は、少なくとも12nmであり、特に少なくとも13nmであり、例えば、少なくとも14nmであり、実際は少なくとも17nmでさえあり、小さい一次粒子(spp)のメジアン径数は、2と8nmの間であり、特に3と6nmの間であり、例えば、3と5nmの間である(TEMにより決定された直径)。
一般的に、特定の沈降シリカは、(例えば、TEMによって決定された)一次粒子(B)の数が、30から95%まで、好ましくは55から90%まで、特に60から85%まで、且つ、一次粒子(A)(或いは大きな一次粒子)の数が5から70%まで、好ましくは10から45%まで、特に15から40%までからなる。
好ましくは、特定の沈降シリカ中の、凝集した或いは一緒に凝集していない、即ち、大きな一次粒子の凝集体に接続されていない、分離した小さな一次粒子(“顆粒外”)は非常に少なく、実際には無いことさえある。このような分離した小さな一次粒子の比率は、一般的に数で10%以下、特に5%以下、例えばほぼゼロである。
有利には、この特定のシリカでは、小さな一次粒子は、大きな一次粒子の凝集体に固くはりついている。
好ましくは、特定の沈降シリカの細孔容積分布は、更に、V(d5-d50)/V(d5-d100)>0.71であり、特にV(d5-d50)/V(d5-d100)>0.72である。
特定の沈降シリカは、60と400m2/gの間、好ましくは80と300m2/gの間、特に100と250m2/g間のCTAB比表面積(SCTAB)を有する。これは、120と230m2/gの間、特に130と210m2/gの間、例えば、140と200m2/gの間であり得る。
これは、一般的には60と500m2/gの間、好ましくは90と380m2/gの間、特に120と300m2/gのBET比表面積(SBET)を示す。これは、140と270m2/g、特に160と260m2/g、例えば、175と250m2/gであり得る。
好ましくは、特定の沈降シリカは、過度に高い程度でない、ミクロ細孔度を有し; 従って、一般的には、CTAB比表面積(SCTAB)及びそのBET比表面積(SBET)は、SBET/SCTAB比が1.0と1.5の間、好ましくは1.1と1.4の間、特に1.15と1.35の間である。
特定の沈降シリカは、好ましくは、ポリマー中で分散する満足できる能力(分散性)を示す。
これらのメジアン径(D50M)は、超音波解凝集体の後、ほぼ6.0μm、好ましくは5.0μm未満であり; 特に、4.0μm以下、例えば、3.0μm以下であり得る。
これらは、また、上述した連続モード超音波解凝集試験で、600ワット超音波プローブの100%出力で測定された、少なくとも0.020μm-1min-1の解凝集の速度αを有し得る。
上述のプロセスにより生成されたシリカのnm2当たりのシラノールの数、NSiOH/nm2は、通常は3.5と6の間、特に3.9と5.5の間である。
得られた沈降シリカのpHは、通常は6.2と7.6の間、特に6.4と7.4の間である。
これらは、少なくとも80μmのメジアン径を有するほぼ球状ビーズの形態で供給され得る。
ビーズのこのメジアン径は、少なくとも100μ、例えば、少なくとも150μであり得; 一般的には大きくても300μm、好ましくは100と270μmの間、特に200と260μmの間である。このメジアン径は、乾式ふるいによって及び50%を超えるサイズの累積で対応する直径を決定することにより、規格NF X 11507(1970年12月)により決定される。
特定のシリカは、また、一般的には少なくとも3μm、特に少なくとも10μm、例えば、少なくとも15μmのメジアン径を有する粉末の形態で供給することができ、後者は、15と60μmの間或いは30と150μmの間(特に45と120μmの間)であり得る。
これらは、また、特に最も大きい寸法(長さ)の軸に沿って、特に少なくとも1mm、例えば、1と10mmの間のサイズを有する(一般的にはほぼ平行六面体の)顆粒の形で供給され得る。
特定のシリカは、好ましくは、上述した本発明による、特に前記プロセスの好ましい実施態様による調製プロセスにより調製される。
上述の特定のシリカは、有利には、全て補強性無機充填剤からなるのがよい。しかしながら、この特定のシリカは、必要により、少なくとも1つの他の従来の補強性無機充填剤と組み合わせられてもよい。このような場合、この無機充填剤の各々のレベルは、総補強性無機充填剤の1から99重量%まで異なることができる。特に、用いられる特定のシリカは、総補強性無機充填剤の少なくとも50質量%、より好ましくはこの総補強性無機充填剤の80質量%以上を構成するのに有利である。
使用し得る、適当ならば、更に高分散性シリカの従来の補強性無機充填剤の例として、Degussa製のBV3380及びUltrasil 7000シリカ、Rhodia製のZeosil 1165MP及び1115MPシリカ、PPG製のHi-Sil 2000シリカ、Huber製のZeopol 8715及び8745シリカ、例えば、上述の出願EP-A-0735088に記載されているアルミニウムが“ドープ”されたシリカのような処理された沈降シリカ、或いはまた、出願EP-A-0810258に記載されているような高分散性補強アルミナ、例えば、Bailowski製のA125或いはCR125が挙げられる。
本発明のゴム組成物に用いることができる無機充填剤の他の例として、水酸化(酸化)アルミニウム、アルミノケイ酸塩、酸化チタン、炭化シリコン、或いは窒化シリコン、例えば、WO 99/28376、WO 00/73372、WO 02/053634、WO 2004/003067及びWO 2004/056915に記載されているような補強タイプのすべても挙げらることができる。
エラストマーとの結合を与えるために、カップリング剤の使用を必要とする部分のため、少なくとも部分的に無機物層、特にシリカで被覆された、有機タイプの補強性充填剤、特にタイヤカーボンブラックをこのような追加の補強性無機充填剤に等価な充填剤として用いてもよいことを当業者は理解するであろう。
単独で、或いは他の補強性無機充填剤とのブレンドとして用いられる特定のシリカは、また、この特定のシリカが、総補強性充填剤の1から99質量%を示し、補強性有機充填剤が総補強性充填剤の99から1質量%を示すように、補強性有機充填剤とのブレンドとして用いることもできる。
好ましくは、特定のシリカは、総補強性充填剤の10%を超え、或いは好ましくはこの総補強性充填剤の20%を超え、より好ましくは50%を超える。
タイヤに従来用いられている全てのカーボンブラック、特にHAF、ISAF又はSAFタイプのブラック(“タイヤグレード”ブラック)が、補強性有機充填剤として適切である。より詳しくは、後者の中でも、例えば、N115、N134、N234、N326、N330、N339、N347又はN375ブラックのような100、200又は300シリーズ(ASTMグレード)、或いは、目標とする用途によってはより高級シリーズのブラック(例えば、N660、N683又はN772)、実際にはN990でさえも挙げられる。
カーボンブラックとイソプレンエラストマーとを用いる場合、カーボンブラックは、例えば、マスターバッチの形でイソプレンエラストマーに既に組み入れられている(例えば、出願WO 97/36724又はWO 99/16600を参照)。
カーボンブラック以外の有機充填剤の例として、出願WO 2006/069792及びWO 2006/069793に記載されるような官能基化ポリビニル芳香族有機充填剤を挙げることができる。
無機充填剤が支配的であるときでも、これをカーボンブラックと組み合わせることを可能し、次いで好ましくは2と20phrの間、より好ましくは5から15phrまでの範囲のレベルで小さい比率で用いるのが好ましいことに留意すべきである。示された範囲内で、更に、シリカによって導入される典型的な性能を不利にすることなしに、カーボンブラックの着色性(黒色着色剤)及びUV安定化特性から利点がもたらされる。
好ましくは、総補強性充填剤(補強性無機充填剤及び適当であれば補強性有機充填剤)の量は、20から300phrまで(100エラストマー当たりの質量部)、より好ましくは30から150phrまで、より好ましくは50から130phrまでの範囲内であり、最適値は、用いられる補強性無機充填剤の種類及び目標とされる用途に左右され; 例えば、自転車タイヤに関して期待される補強レベルは、知られているように、持続した状態で高スピードで走行できるタイヤ、例えば、オートバイのタイヤ、乗用車用のタイヤ又はヘビーデューティ車両のような実用車に関して必要とされるよりも著しく小さい。
高スピードで走行できるタイヤのトレッドの場合、上述した調製プロセスにより調製された及び/又は上述した特性を示す特定のシリカの量は、好ましくは30と120phrの間、より好ましくは40と100phrの間である。
II.3 カプリング剤
補強性無機充填剤の場合は、結合剤としても知られるカプリング剤を用いる必要があることは、当業者には周知であり、この役割は、エラストマーマトリックスにおけるこの無機充填剤の分散性を促進しながら、無機充填剤とエラストマーの間に結合又は“カプリング”を与えることである。
補強性水酸化物マグネシウムは、その一部には、本発明のゴム組成物における補強性充填剤の機能を確実にするためにこのようなカプリング剤の使用も必要である。
用語“カプリング剤”は、より詳しくは、問題の充填剤とエラストマーの間に充分な化学的及び/又は物理的接続を確立することができる物質を意味するように理解され; このような少なくとも二官能性カプリング剤は、例えば、簡易化した一般式として“Y-T-X”(式中、
- Yは、物理的及び/又は化学的に無機充填剤と結合することができる官能基(“Y”官能基)を表し、このような結合は、例えば、カプリング剤のシリコン原子と無機充填剤の表面ヒドロキシル(OH)基の間に確立することが可能である;
- Xは、例えば、硫黄原子によって、物理的及び/又は化学的にエラストマーと結合することができる官能基(“X”官能基)を表し;
- Tは、YとXに接続することを可能にする基を表す)
を有する。
カプリング剤は、特に、知られているように、充填剤に対して活性なY官能基を含むことができるがエラストマーに対して活性なX官能基を欠いている問題の充填剤を対象とする簡単な物質と特に混同してはならない。
変化しうる有効性のこのようなカプリング剤は、非常に多くの文献に記載されており、当業者には周知である。実際に、シリカのような補強性無機充填剤とジエンエラストマーの間で効率的に結合又はカプリングすることができる、例えば、オルガノシラン、特に硫化アルコキシシラン、又は少なくとも二官能性である(上述のX及びYの官能基を有する)ポリオルガノシランのようないかなるカプリング剤をも使用することができる。
シリカ/エラストマーカプリング剤は、特に、多数の文献に記載されており、硫化アルコキシシランのような二官能性アルコキシシランが最もよく知られている。特に、例えば、特許出願或いは特許US-A-3 842 111、US-A-3 873 489、US-A-3 978 103、US-A-3 997 581、US-A-4 002 594、US-A-4 072 701、US-A-4 129 585、又はより最近の引例US-A-5 580 919、US-A-5 583 245、US-A-5 650 457、US-A-5 663 358、US-A-5 663 395、US-A-5 663 396、US-A-5 674 932、US-A-5 675 014、US-A-5 684 171、US-A-5 684 172、US-A-5 696 197、US-A-5 708 053、US-A-5 892 085、WO 02/083782、又はこのような既知の化合物を詳細に示しているものに記載されているように、特定の構造による“対称性”又は“非対称性”として知られる硫化アルコキシシランが使用される。
下記一般式(I)に対応する対称性多硫化アルコキシシラン:
(I)Z - A - Sn - A - Z、
(式中:
- nは、2〜8(好ましくは2〜5)の整数であり;
- Aは、二価の炭化水素基(好ましくは、C1-C18アルケン基又はC6-C12アルケン基、より具体的にはC1-C10アルケン、特にC1-C4アルケン、特にプロピレン)であり;
- Zは、下記式の1つに対応する:
Figure 2011516630
式中:
- R1基は、置換されてないか又は置換され且つ同一か又は相互に異なり、C1-C18アルキル基、C5-C18シクロアルキル基又はC6-C18アリル基(好ましくは、C1-C6アルキル、シクロヘキシル又はフェニル基、特にC1-C4アルキル基、より具体的にはメチル及び/又はエチル)を表し、
-R2基は、置換されてないか又は置換され且つ同一か又は相互に異なり、ヒドロキシル又はC1-C18アルコキシル基又はC5-C18シクロアルコキル基(好ましくはC1-C8アルコキシル基又はC5-C8シクロアルコキシル基、より好ましくはC1-C4アルコキシル基、特にヒドロキシル、メトキシル及び/又はエトキシル)を表す)
が本発明を実施するのに特に適切であるが、上記の定義に限定するものではない。
上記式(I)に対応する多硫化アルコキシシランの混合物、特に市販で入手可能な通常の混合物の場合には、“n”指数の平均値は、分数、好ましくは2〜5、より好ましくは4に近い値である。しかしながら、本発明は、また、有利には、例えば、二硫化アルコキシシラン(n=2)で行うことができる。
より具体的には、多硫化シランの例として、ビス-((C1-C4)アルコキシル-(C1-C4)アルキルシリル(C1-C4)アルキル)の多硫化物(特に、二硫化物、三硫化物、又は四硫化物)、例えば、ビス(3-トリメトキシシルプロピル)又はビス(3-トリエトキシシルプロピル)の多硫化物、例えば、式[(C2H5O)3Si(CH2)3S2]2のTESPTに略記されるビス(3-トリエトキシシルプロピル)四硫化物、又は式[(C2H5O)3Si(CH2)3S]2のTESPDに略記されるビス(トリエトキシシルプロピル)二硫化物が挙げられる。
TESPDは、例えば、Si75(75質量%の二硫化物と多硫化物の混合物の形で)の名称でDegussaから、又はSilquest A1589の名称でWitcoから販売されている。TESPTは、例えば、Si69(又はX50S、50質量%がカーボンブラックに担持されている場合)の名称でDegussaから又はSilquest A1289の名称でOsi Specialtiesから販売されている(いずれの場合も、nの平均値が約4である多硫化物の市販の混合物)。
好ましいカプリング剤として、出願WO02/083782に記載されているように、ビス(モノ(C1-C4)アルコキシルジ(C1-C4)アルキルシリルプロピル)多硫化物(特に二硫化物、三硫化物又は四硫化物)、より具体的にはビス(モノエトキシジメチルシリルプロピル)四硫化物も挙げられる。
特に、上述のアルコキシシラン多硫化物以外のカプリング剤、例えば、特許出願WO 99/02602又はWO 01/96442に記載されているような二官能性ポリオルガノシロキサン、又は出願WO 02/30939及びWO 02/31041に記載されているようなヒドロキシシラン多硫化物(このとき上記式IにおいてR2はOHを表す)、又は例えば、特許出願WO 2006/125532、WO 2006/125533及びWO 2006/125534に記載されているようなアゾジカルボニル官能基をもつシラン又はPOSが挙げられる。
当業者は、目標とされる用途、用いられるエラストマーの種類、及び補強性水酸化マグネシウム、適切ならば、追加の補強性充填剤として用いられる他のいかなる無機充填剤でも補足されたものの量の関数として本発明の組成物中のカプリング剤の含量をどのように調節するかを知っている。
ジエンエラストマーの質量について補正されるカプリング剤の量は、好ましくは0.1と15phrの間、より好ましくは0.5と10phrの間である。
用いられるカプリング剤は、本発明の組成物のジエンエラストマーにあらかじめ(“X”官能基を介して)グラフトされてもよく、このようにして官能基化又は“プレカップリング”されたエラストマーは、そのとき補強性水酸化マグネシウムのための自由“Y”官能基を含んでいる。カプリング剤は、また、補強性水酸化マグネシウムにあらかじめ(“Y”官能性を介して)グラフトされてもよく、このように“プレカップリング”された充填剤が、次に自由“X”官能基を介してジエンエラストマーに結合されることが可能である。しかしながら、特に未加硫状態での組成物のより良好な加工性のために、自由状態(即ち、グラフトされていない)又は補強性水酸化マグネシウムにグラフトされたカプリング剤を用いることが好ましい。
II.4 種々の添加剤
本発明のタイヤエラストマー組成物は、また、特にタイヤトレッドの製造を意図したジエン系ゴム組成物に用いられる通常の添加剤のすべて又は一部、例えば、伸展油、可塑剤、保護物質、例えば、アンチオゾンワックス、化学オゾン劣化防止剤、抗酸化剤、疲労防止剤、接着促進剤、カップリング活性化剤、強化用樹脂、メチレン受容体及び/又は供与体、硫黄に又は硫黄供与体及び/又は過酸化物及び/又はビスマレイミドに基づく架橋系、加硫促進剤又は加硫活性化剤を含むことは当然のことである。
好ましい非芳香族可塑剤又は非常にわずかな芳香族可塑剤としては、ナフテン油、パラフィン油、MES油、TDAE油、エステル可塑剤(例えば、グリセロールトリオレエート)、例えば、出願WO 2005/087859、WO 2006/061064及びWO 2007/017060に記載されるようなTgが高い、好ましくは30℃を超える炭化水素樹脂、及びこのような化合物の混合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物。このような好ましい可塑剤の全体の量は、好ましくは10と100phrの間、より好ましくは20と80phrの間であり、特に10と50phrの間の範囲にある。
特に、上記可塑化炭化水素樹脂(名称“樹脂”が固体化合物の定義によって留保されていることは記憶されなければならない)の中で、ピネンのホモポリマー又はコポリマー、α-ピネン、β-ピネン、ジペンテン又はポリリモネン、C5画分から形成され、例えば、C5画分/スチレンコポリマーから形成されるか又はC5画分/C9画分コポリマーから形成される樹脂が挙げられ、これらは単独で又は可塑化油、例えば、MES油又はTDAE油と組み合わせて使用し得る。
本発明に用いられるシリカは、また、必要ならば、わずかだけ補強するか或いは全く補強しない従来の白色充填剤、例えば、着色したタイヤトレッドに使用し得るクレー、ベントナイト、タルク、チョーク又はカオリンの粒子と組み合わせることができる。
エラストマー組成物は、また、上記のカプリング剤に加えて、例えば、Y官能基だけを含む無機充填剤の被覆剤、又はより一般的には、知られているように、ゴムマトリックスにおける補強性無機充填剤の分散性の改良及び組成物の粘度の低下、未加硫状態で加工性を改良することによって、可能な加工助剤を含むことができ; 0.5と3phrの間の好ましい量で用いられるこれらの物質は、例えば、アルキルアルコキシシラン、特に、Dynasylan Octeoの名称でDegussa-Huelsから販売されている1-オクチルトリエトキシシラン、又はSi216の名称でDegussa-Huelsから販売されている1-ヘキサデシルトリエトキシシランのようなアルキルトリエトキシシラン、ポリオール、ポリエーテル(例えば、ポリエチレングリコール)、第1級、第2級、又は第3級アミン(例えば、トリアルカノールアミン)、又は水酸化又は加水分解性ポリオルガノシロキサン、例えば、α,ω-ジヒドロキシポリオルガノシロキサン(特に、α,ω-ジヒドロキシポリジメチルシロキサン)である。
II.5 ゴム組成物の調製及びトレッド
タイヤエラストマー組成物は、当業者に周知の2つの連続調製相を用いて適切なミキサ内で製造される:110℃と190℃の間、好ましくは130℃と180℃の間の最高温度(Tmaxとして記録)までの高温における熱機械的作業又は混練の第1の相(“非生産”相)、続いて典型的には110℃未満、例えば、40℃と100℃の間のより低い温度における機械的作業の第2の相(“生産”相)、塩基架橋系又は加硫系が組み入れられている仕上げ相: この相は、例えば、上述の出願EP 501 227、EP 735 088、WO00/05300又はWO00/05301に記載されている。
本発明の製造方法は、本発明に用いられる少なくともシリカ(他の補強性無機充填剤又は補強性有機充填剤、例えば、カーボンブラックと組み合わせて又は組み合わせずに)及びカプリング剤が第1の“非生産相”でジエンエラストマー中で混練することによって取り入れられ、即ち、少なくともこれらの種々のベース成分がミキサへ導入され、110℃と190℃の間、好ましくは130℃と180℃の間の最高温度に達するまで単一段階又は数段階で熱機械的に混練されることを特徴とする。
一例として、第1(非生産)相は、必要な全ての基本成分(ジエンエラストマー、補強性無機充填剤及びカップリング剤)が、普通の内部ミキサのような適切なミキサへ導入され、第2の工程で、例えば、1から2分間まで混練した後、架橋系又は加硫系を除く、選択的な追加の被覆剤又は加工助剤及び他の種々の添加剤が導入される: 本発明のシリカのかさ密度は一般的には小さいので、導入を2つ以上の部分に分けることは有利であり得る。
このように得られた混合物を冷却した後に、架橋系又は加硫系を低温で、一般的には、オープンミルのような外部ミキサ内に組み入れられる; 次に、合わせた混合物を数分、例えば、5と15分間の間混合する(生産相)。
適当な架橋系又は加硫系は、好ましくは、硫黄及び一次加硫促進剤に、特にスルフェンアミドタイプの促進剤に基づく。第1の非生産相の間及び/又は生産相の間に組み入れられる、種々の既知の加硫活性化剤又は二次促進剤、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸、グアニジン誘導体(特にジフェニルグアニジン)等は、この塩基加硫系の追加である。硫黄は、本発明がタイヤトレッドに適用される場合、0.5と10phrの間、又は好ましくは0.5と5.0phrの間、例えば0.5と3.0phrの間の好ましい量で用いられる。特に本発明がタイヤトレッドに適用する場合、一次加硫促進剤は、0.5と10phrの間、より好ましくは0.5と5.0phrの間の好ましい量で用いられる。
まとめると、本発明のタイヤジエン系ゴム組成物の調製方法は、下記の段階:
- 以下を第1の“非生産”段階でジエンエラストマーに組み入れる段階:
補強性充填剤として、全部又は部分において、上記プロセスに従って得られたシリカから構成され更に/又は上で定義した特徴を示す少なくとも1つの無機充填剤; 及び
無機充填剤とジエンエラストマーの間に結合を与えるカップリング剤;
- 合わせた混合物を、単一段階又はいくつかの段階で、110℃と190℃の間の最高温度に達するまで熱機械的に混練する段階;
- 混合物を100℃未満の温度に冷却する段階;
- その後、架橋系又は加硫系を第2の“生産”段階で組み入れる段階;
- 合わせた混合物を110℃未満の最高温度まで混練する段階
を含む。
このように得られた最終組成物は、その後、例えば、特に実験室での確認のために、物理的性質又は機械的性質の測定のためにプラーク(2から3mmまでの厚み)又はゴムの極薄シートの形にカレンダー加工されるか、又はトレッド、クラウンプライ、サイドウォール、カーカスプライ、ビーズ、プロテクタ、エアチャンバ又はチューブレスタイヤ用の気密内部ゴムのような半完成品を製造するために直接用いられるゴム輪郭要素を形成するために押出される。
ゴム組成物、特にゴム組成物で製造されたトレッド又はタイヤの加硫(又はキュア)は、好ましくは130℃と200℃の間の温度で、好ましくは圧力下で、特に、キュア温度、採用した加硫系、問題の組成物の加硫速度論、又はタイヤのサイズに応じて、変動され得る充分な時間、例えば5〜90分間、既知の方法で行われる。
上記載シリカベースのタイヤジエン系ゴム組成物は、タイヤトレッドの製造に有利に用いられる。この場合、これらは、一般的には本発明のトレッドの全体を構成する。しかしながら、本発明は、また、これらのゴム組成物が、例えば、横断方向に異なる隣接バンド又は構成が異なる2つの半径方向に重ね合わせた層から構成されるコンポジットタイプのトレッドの一部だけを形成する場合に適用し、シリカ充填剤を含む部分が、例えば、新しいタイヤの転がり始めから地面と接触するように意図されているトレッドの半径方向外部層、又はこれに反して、その後に地面と接触するように意図されている半径方向内部層を構成することが可能である。
本発明が“未加硫”状態(即ち、加硫前)及び“キュアされた”又は加硫された状態(即ち、加硫後)双方での上記のゴム組成物、トレッド及びタイヤに関することは明らかである。
III 本発明の実施態様の例
III.1 充填剤の調製
III.1.1 対照シリカB
シリカBは、特許出願WO 03/016387の先行技術に対応し、前記出願の実施例2(充填剤C)に詳細に記載されるプロセスに従って調製され、この本文は参考としてここで繰り返される。このシリカBの調製方法の詳細な説明を再びここで取り上げる:
700リットルの工業用水を2000リットルの反応器に導入する。この溶液を水蒸気の直接噴射による加熱によって80℃にする。pH値が4に達するまで撹拌(95回転/分)しながら硫酸を80g/lに等しい濃度で導入する。
以下を、35分かけて反応器に同時に導入する: 190l/時間の流量で230g/lの濃度を有するケイ酸ナトリウム溶液(SiO2/Na2O質量比は3.52である)及び反応媒質のpH値を4に維持するように調整された流量で80g/lの濃度を有する硫酸。
同時添加の35分間の完了時に、pH値が8に達しなければ酸の導入を停止させる。その後、同時添加を、更に、190l/時間のケイ酸ナトリウム流量(最初の同時添加と同じケイ酸ナトリウム)と硫酸の流量で40分間かけて行われ、硫酸は反応媒質のpH値を8に維持するように調整される80g/lの濃度を有する。
この同時添加の完了時に、反応媒質を80g/lの濃度を有する硫酸でpH5.2にする。媒体をpH5.2で5分間熟成させる。
スラリーをフィルタプレスでろ過し、ケークを洗浄する(ケーク固形分22%)。得られたケークを0.3%のAl/SiO2質量比に対応する量のアルミン酸ナトリウムの添加によって崩壊させる。得られたスラリーをノズルアトマイザーを用いて噴霧する。
III.1.2 本発明のシリカC
以下をプロペラ撹拌システムとジャケット加熱を備えた25リットルのステンレス鋼反応器に導入する:
- 7.2リットルの水
- 3.45に等しいSiO2/Na2O質量比を示し且つ235g/lの濃度を有する4050グラムの水性ケイ酸ナトリウム
- 125グラムの硫酸ナトリウムNa2SO4(電解液)。
そのとき、容器ヒール部におけるケイ酸塩濃度(SiO2として表される)は74g/lである。混合物を撹拌することによってホモジナイズ、82℃にする。全体の反応は、撹拌(300回転/分、撹拌プロペラ)しながら行われる。
この混合物に、濃度が80g/lに等しい硫酸を80g/分の流量で反応媒質のpH値が8に達するまで導入する(即ち、約55分で4380グラムの硫酸)。硫酸を30分間の添加した後、反応媒質の温度を94℃にする。
酸性化が完了されると、以下を30分かけて反応媒質に同時に導入する: 34g/分の流量で235g/lの濃度を有するケイ酸ナトリウム溶液(SiO2/Na2O質量比は3.45である)及び反応媒質のpH値を8に維持するように調整された流量で80g/lの濃度を有する硫酸。
同時添加の30分間の完了時に、80g/lの濃度を有する硫酸を80g/分の流量で反応媒質のpH値が3に達するまで導入する(即ち、約16分間で1288グラムの硫酸)。
その後、以下を15分かけて反応媒質に同時に導入する: 34g/分の流量で235g/lの濃度を有するケイ酸ナトリウム溶液(SiO2/Na2O質量比は3.45に等しい)及び反応媒質のpH値を3に維持するように調整された流量で80g/lの濃度を有する硫酸。
この第2の同時添加の15分間の完了時に、反応媒質のpHを5.2に戻すように上記のタイプのケイ酸ナトリウム溶液を34g/分の流量で導入する(即ち、23分間で783グラムのケイ酸塩溶液)。
反応の終わりに、沈降シリカ反応スラリーが得られ、94℃の温度で5分間撹拌する。この熟成の後、沈降シリカスラリーを反応器を空にすることによって回収する。
スラリーをろ過し、減圧下で洗浄する(固形分14質量%)。得られたろ過ケークを5リットルの水で4回洗浄する。その後、水及びアルミン酸ナトリウムの存在下に機械的崩壊によって再懸濁させる(Al/SiO2質量比0.3%)。得られたスラリー(固形分10質量%)を回転アトマイザーを用いて乾燥する。
そのときに(粉末形態で)得られた沈降シリカCの特徴は以下の通りである:
CTAB比表面積: 192m2/g
BET比表面積: 220m2/g
凝集体のd50メジアン径: 61nm
V(d5 - d50) / V(d5 - d100): 0.73
モード(Hgポロシメトリ): 14.7nm
C(SAXS): 0.350
D50M(超音波解凝集後): 2.4μm
α: 0.045μm-1.min-1
NSiOH/nm2: 5.0
pH: 7.3
特にTEMによって、沈降シリカCがナンバーメジアン径が13.5nmの大きなシリカ一次粒子(lpp)の凝集体から形成され、その表面でナンバーメジアン径が3.9nmの小さなシリカ一次粒子(spp)が生じることがわかる。
III.1.3 本発明のシリカD
以下を、プロペラ撹拌システム及びジャケット加熱を備えた2000リットルのステンレス鋼反応器に導入する:
- 593リットルの水
- SiO2/Na2O質量比が3.45を示し且つ濃度が235g/lの329リットルの水性ケイ酸ナトリウム
- 13.4kgの硫酸ナトリウムNa2SO4(電解液)。
そのとき、容器ヒール部のケイ酸濃度(SiO2として表される)は、75g/lである。この混合物を撹拌によってホモジナイズし、95℃にする。全体の反応は、撹拌しながら(80回転/分)行われる。
濃度が80g/lの硫酸を混合物に490l/hの流量で15分間、次に、反応媒質のpH値が8に達するまで、1480l/hの流量で導入する。
酸性化が完了されると、以下を20分かけて反応媒質に同時に導入する: 198l/hの流量で濃度が235g/lのケイ酸ナトリウム溶液(SiO2/Na2O質量比は3.45である)及び反応媒質のpH値を8に維持するように調整された流量で濃度が80g/lを有する硫酸。
同時添加の20分間の終わりに、反応媒質のpH値が4に達するまで濃度が80g/lの硫酸を400l/hの流量で導入する。
その後、以下を85分かけて反応媒質に同時に導入する: 85l/hの流量で濃度が235g/lのケイ酸ナトリウム溶液(SiO2/Na2O質量比は3.45である)及び反応媒質のpH値を4に維持するように調整された流量で濃度が80g/lの硫酸。
この第2の同時添加の85分間の終わりに、上記のタイプのケイ酸ナトリウム溶液を97l/hの流量で導入し、反応媒質のpHを5.2に戻す。
反応の終わりに、沈降シリカ反応スラリーを得、95℃の温度で5分間撹拌する。この熟成後、沈降シリカスラリーを反応器を空にすることによって回収する。
スラリーをフィルタプレスでろ過する(固形分25質量%)。得られたろ過ケークを水及びアルミン酸ナトリウムの存在下で機械的崩壊によって再懸濁させる(Al/SiO2質量比0.3%)。その後、得られたスラリーをノズルアトマイザーを用いて乾燥する。
そのときに(ほぼ球状ビーズの形で)得られた沈降シリカDの特徴は、以下の通りである:
CTAB比表面積: 151m2/g
BET比表面積: 189m2/g
凝集体のd50メジアン径: 78nm
V(d5 - d50) / V(d5 - d100): 0.75
モード(Hgポロシメトリ): 23.0nm
C(SAXS): 0.640
D50M(超音波解凝集後): 2.2μm
α: 0.031μm-1.min-1
NSiOH/nm2: 4.8
pH: 6.6
特にTEMによって、沈降シリカDがナンバーメジアン径が18.3nmの大きなシリカ一次粒子(lpp)の凝集体から形成され、その表面でナンバーメジアン径が4.3nmの小さなシリカ一次粒子(spp)が生じることがわかる。
III.1.4 本発明のシリカE
以下を、プロペラ撹拌システム及びジャケット加熱を備えた25リットルのステンレス鋼反応器に導入する:
- 7.91リットルの水
- SiO2/Na2O質量比が3.45を示し且つ濃度が235g/lの4286グラムの水性ケイ酸ナトリウム
- 134kgの硫酸ナトリウムNa2SO4(電解液)。
そのとき、容器ヒール部のケイ酸濃度(SiO2として表される)は、75g/lである。
この混合物を撹拌によってホモジナイズし、92℃にする。全体の反応は、撹拌しながら(300回転/分、プロペラ撹拌)行われる。
濃度が80g/lの硫酸を混合物に反応媒質のpH値が8に達するまで146g/分の流量で導入する(即ち、約30分間で4380グラムの硫酸)。
酸性化が完了されると、以下を25分かけて反応媒質に同時に導入する: 32g/分の流量で濃度が235g/lのケイ酸ナトリウム溶液(SiO2/Na2O質量比は3.45である)及び反応媒質のpH値を8に維持するように調整された流量で濃度が80g/lを有する硫酸。
同時添加の30分間の終わりに、反応媒質のpH値が4に達するまで濃度が80g/lの硫酸を80g/分の流量で導入する(即ち、約5分間で418グラムの硫酸)。
その後、以下を140分かけて反応媒質に同時に導入する: 19g/分の流量で濃度が235g/lのケイ酸ナトリウム溶液(SiO2/Na2O質量比は3.45である)及び反応媒質のpH値を4に維持するように調整された流量で濃度が80g/lの硫酸。
この第2の同時添加の140分間の終わりに、上記のタイプのケイ酸ナトリウム溶液を9g/分の流量で導入し、反応媒質のpHを5.2に戻す(即ち、5分間で98グラムのケイ酸塩溶液)。
反応の終わりに、沈降シリカ反応スラリーを得、94℃の温度で5分間撹拌する。この熟成後、沈降シリカスラリーを反応器を空にすることによって回収する。
スラリーをろ過し、減圧下で洗浄する(固形分18質量%)。得られたろ過ケークを5リットルの水で4回洗浄する。その後、水及びアルミン酸ナトリウムの存在下で機械的崩壊によって再懸濁させる(Al/SiO2質量比0.3%)。得られたスラリー(固形分10質量%)をノズルアトマイザーを用いて乾燥する。
そのときに(粉末形態で)得られた沈降シリカEの特徴は、以下の通りである:
CTAB比表面積: 183m2/g
BET比表面積: 240m2/g
凝集体のd50メジアン径: 83nm
V(d5 - d50) / V(d5 - d100): 0.81
モード(Hgポロシメトリ): 20.5nm
C(SAXS): 0.466
D50M(超音波解凝集後): 3.5μm
α: 0.032μm-1.min-1
NSiOH/nm2: 3.9
pH: 6.5
特にTEMによって、沈降シリカEがナンバーメジアン径が22.0nmの大きなシリカ一次粒子(lpp)の凝集体から形成され、その表面でナンバーメジアン径が4.3nmの小さなシリカ一次粒子(spp)が生じることがわかる。
III.2 用いられる充填剤
Aを示す充填剤は、比表面積が大きい(BET約160m2/g)従来の高度に分散性のHDシリカであり、“グリーンタイヤ”のトレッドを強化するための参照無機充填剤である(Rhodia製“Zeosil 1165MP”シリカ)。
充填剤Bは、上記のプロセスに従って特許出願WO 03/016387に記載されるプロセスに従って得られる高度に分散性のシリカである。充填剤C、D及びEは、上記の新規なプロセスに従って得られる高度に分散性のシリカであり、有利には以下の特徴のすべてにあてはまる:
これらは、一次シリカ粒子の凝集体から形成され、その表面で一次粒子より小さなサイズを有する一次シリカ粒子を生じ、これらは、以下を有する:
- 100〜250m2/gのCTAB比表面積(SCTAB)、
- d50 (nm)>(6214 / SCTAB (m2/g)) + 23
となるような、超音波解凝集後、XDC粒度測定によって測定した凝集体のメジアン径d50
- V(d5 - d50) / V(d5 - d100)>0.906 - (0.0013 SCTAB (m2/g))
となるような細孔径分布、及び
- モード(nm)>(4166/SCTAB (m2/g)) - 9.2
となるような細孔径分布。
III.3 組成物の調製
以下の試験は、次のようにして行われる: ジエンエラストマー(又は、適切ならば、ジエンエラストマーの混合物)、補強用充填剤及びカップリング剤を70%充填され且つ最初の容器温度が約60℃の内部ミキサに導入し、続いて、1から2分間まで混練した後、硫黄とスルフェナミド一次促進剤を除いて、種々の他の成分を導入する。次に、約160-165℃の最大“滴下”温度に到達するまで、熱機械的作業(非生産相)が1又は2段階で(混練の合計持続期間は約7分間である)行われる。
このように得られた混合物を回収し、冷却し、次に、硫黄及びスルフェンアミド促進剤を30℃で外部ミキサー(ホモフィニッシャ)に添加し、合わせた混合物が3から4分間まで混合される(生産相)。
その後、組成物は、物理的又は機械的特性の測定のために、プラーク(2から3mmまでの厚み)の形でカレンダー仕上されるか又はタイヤトレッドの形で直接押出される。
III.4 試験
以下の試験において、用いられる高度に分散性のシリカ(A、B、C、D又はE)は、有利には、低レベルのカーボンブラック(10phr未満)と組み合わせて、補強性無機充填剤の全体を構成する。
III.4.1 試験1
この試験の目的は、従来のHDシリカを用いた制御エラストマー組成物及び特定のHDシリカを用いた先行技術の組成物と比べて、本発明の異なるHDシリカに基づくいくつかの組成物が改善されたゴム特性を示すことである。
このために、乗用車のタイヤ用トレッドの製造を意図した5つのジエン系ゴム(SBR/BRブレンド)組成物を比較する:
対照組成物C-1は、シリカAを含む、
対照組成物C-2は、シリカBを含む、
本発明の組成物I-1は、シリカCを含む、
本発明の組成物I-2は、シリカDを含む、
本発明の組成物I-3は、シリカEを含む。
種々の組成物の配合は表1に示され、レベルはphr、エラストマー100質量部当たりの部数で表されている。
表1
Figure 2011516630
(1) 58%の1,2ポリブタジエン単位と25%のスチレンを有するSSBR; Tg = -30℃
(2) BR(4.3%の1,2; 2.7%のトランス-1,4; 93%のシス-1,4-)(Tg = -103℃);
(3) カーボンブラックN234;
(4) TESPT(“Si69”Degussa製);
(5) ジフェニルグアニジン(“Vulcacit D”Bayer製);
(6) N-(1,3-ジメチルブチル)-N-フェニルパラフェニレンジアミン(“Santoflex 6-PPD”Flexsys製);
(8) THER 9872樹脂、DRTから販売;
(9) MES/HPD、Totalから販売;
(10) N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(Flexsys:“Santocure”CBS)。
150℃で40分間キュアの前後に測定される特性を表2に示す。
表2
Figure 2011516630
種々の組成物の加硫反応をモニタすることを可能にする、時間の関数としてのレオメータトルクの曲線を図3に再現する。これらの曲線はI1、I2、I3、C1及びC2を示し、これらはそれぞれ組成物I-1、I-2、I-3、C-1及びC-2に対応する。
表2の結果から、対照組成物C-1及びC-2と比較した本発明の組成物I-1、I-2及びI-3について以下のことがわかる:
- 組成物C-1、I-1、I-2及びI-3のムーニー粘度は非常に似ている(対照組成物C-2のムーニー粘度は悪化した)、
- 本発明の組成物について充填剤/エラストマーカップリングの程度は非常に似ている、対照組成物C-1に匹敵する(バウンドラバーBR値で示される)、対照組成物C-2はより高いバンウンドラバー値を有する、
- 本発明I-1、I-2及びI-3の組成物に対する補強特性(EM300/EM100)は対照組成物C-1及びC-2に関して等価か又は改良された、これはこれらの対照組成物に関して補強の良好なレベル、実際には改善されたレベルさえも示している、
- 最後に、ヒステリシス特性(ΔG*、tan(δ)max)が2つの対照組成物に関して非常に著しく改善され、対照に関して本発明の組成物I-1、I-2及びI-3による転がり抵抗が非常に低下しているのと同じ意味である。
更にまた、添付の図3は、レオメトリが匹敵している組成物の製造を確認する図であり: 種々の組成物に対して同じt0における加硫反応の開始及び速度論が匹敵している(t0と加硫の固定相の達成との間の勾配に対応する)。
このように、本発明の組成物I-1及びI-2が対照組成物に関してヒステリシス特性が非常に改善されており、他のゴム特性は、未加硫状態において及びキュアされた状態において対照と等価であり、このことが当業者にとって特に有利な非常に良好なヒステリシス/補強性の妥協を構成していることは明らかである。
III.4.2 試験2
この試験の目的は、“グリーンタイヤ”トレッド用に、従来のHDシリカを用いた対照組成物と比較した、本発明のHDシリカに基づくいくつかのエラストマー組成物の改善された性能を示すことである。
特に、これは、従来のHDシリカ(シリカA)を用いた対照組成物C 3から及びIII.1.3.の項で説明された調製方法に従って調製された本発明のシリカ(シリカD)を用いた本発明の組成物I-4からそれぞれ製造されたトレッドを有するタイヤで行われた実質的なテストでの上記ゴム結果を裏づける内容である。
組成物C 3及びI 4の配合は表3に示され、レベルはphr、エラストマー100質量部当たりの部数で表されている。
表3
Figure 2011516630
(1) 58%の1,2ポリブタジエン単位と25%のスチレンを有するSSBR; Tg = -30℃
18質量%の油で油展した72phrの乾燥SBR;
(2) BR(4.3%の1,2; 2.7%のトランス-1,4; 93%のシス-1,4-)(Tg = -103℃);
(3)カーボンブラックN234;
(4) TESPT(“Si69”Degussa製);
(5) ジフェニルグアニジン(“Vulcacit D”Bayer製);
(6) N-(1,3-ジメチルブチル)-N-フェニルパラフェニレンジアミン(“Santoflex 6-PPD”Flexsys製);
(7)マクロクリスタリンアンチオゾンワックスとミクロクリスタリンアンチオゾンワックスの混合物;
(8) THER 9872樹脂;
(9) MES/HPD;
(10) N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(Flexsys:“Santocure”CBS)。
150℃で40分間キュアの前後に測定される特性を表4に示す。
表4
Figure 2011516630
表4で得られる結果の目的は、再び対照組成物C-3に関して本発明I-4の組成物によって得られるヒステリシス特性の非常に著しい改善を示すことである。
組成物C-3及びI-4は、慣例通りに製造される91H 195/65R15のサイズを有するラジアルカーカス乗用車タイヤ用のトレッドとして用いられる。組成物C-3及びI-4を有するトレッドを用いてそれぞれこのように製造されたタイヤ、T(C3)及びT(I4)を、最初に、I.3.1の項に記載される転がり抵抗試験に従って試験ドラムで試験し、次に、プジョー406 2L HDIの車両に取り付けて、I.3.2項に記載されるように耐摩耗性及びI.3.3項に記載されるようにドライグリップとウェットグリップを試験する。
製造されたタイヤ、T(C3)及びT(I4)の性能を以下の表5に示す。
表5
Figure 2011516630
本発明のタイヤT(I4)が、対照タイヤT(C3)に関して、非常に著しく改善されている転がり抵抗性に関する性能を、ドライグリップ又はウェットグリップ/耐摩耗性の妥協の悪化なしに示し、驚異的で注目すべき結果を構成することは極めて明らかである。

Claims (18)

  1. (i)少なくとも1つのジエンエラストマー、(ii)少なくとも1つの補強性無機充填剤及び(iii)前記補強性充填剤と前記エラストマーの間に結合を与える少なくとも1つのカップリング剤に基づくタイヤ用ジエン系ゴム組成物であって、前記無機充填剤が、シリカの一次粒子(A)の凝集体から形成される少なくとも1つのシリカを含み、その表面には一次粒子(A)のシリカのサイズより小さいサイズのシリカの一次粒子(B)が生じること、且つ
    - 60と400m2/gの間のCTAB比表面積(SCTAB)、
    - d50 (nm)>(6214 / SCTAB (m2/g)) + 23
    となるような、超音波解凝集後、XDC粒度測定によって測定された凝集体のメジアン径d50、
    - V(d5 - d50) / V(d5 - d100)>0.906 - (0.0013 SCTAB (m2/g))
    となるような細孔容積分布、及び
    - モード(nm)>(4166/SCTAB (m2/g)) - 9.2
    となるような細孔径分布
    であることを特徴とする、前記組成物。
  2. シリカが、C/SCTAB (m2/g)>0.001となるような、X線小角散乱(SAXS)によって測定されたパラメーターCを示す、請求項1に記載の組成物。
  3. シリカが大きなシリカ一次粒子の凝集体から形成され、その表面では小さなシリカ一次粒子が生じ、大きな一次粒子のナンバーメジアン径が少なくとも12nmであり、小さな一次粒子のナンバーメジアン径が2と8nmの間である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. シリカの細孔容積分布が、V(d5 - d50) / V(d5 - d100)>0.71となるようなものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. シリカが、80と300m2/gの間、特に100と250m2/gの間、特に130と230m2/gの間のCTAB比表面積(SCTAB)を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. シリカが、60と500m2/gの間、特に90〜380m2/gの間、特に130と300m2/gの間のBET比表面積(SBET)を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. シリカが、SBET/SCTAB比率が1.0と1.5の間、好ましくは1.1と1.4の間、特に1.15と1.35の間であるようなCTAB比表面積(SCTAB)とBET比表面積(SBET)を示す、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. シリカが、6.0μm未満、特に5.0μm未満、特に4.0μm未満の、超音波解凝集後のメジアン径(D50M)を示す、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 他の補強性無機充填剤を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 補強性有機充填剤を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
  11. シリカの量が、総補強性充填剤の1〜99質量%である、請求項9又は10に記載の組成物。
  12. シリカの量が、総補強性充填剤の20質量%以上である、請求項11に記載の組成物。
  13. シリカの量が、総補強性充填剤の50質量%以上、好ましくは総補強性充填剤の80質量%以上である、請求項12に記載の組成物。
  14. 少なくとも1つのジエンエラストマー、少なくとも1つの補強性無機充填剤及び無機充填剤とエラストマーの間に結合を与える少なくとも1つのカップリング剤に基づき、下記の段階:
    - 以下を第1の“非生産”段階でジエンエラストマーに組み入れる段階:
    補強性充填剤; 及び
    無機充填剤とジエンエラストマーの間に結合を与えるカップリング剤;
    - 合わせた混合物を、単一段階又はいくつかの段階で、110℃と190℃の間の最高温度に達するまで熱機械的に混練する段階;
    - 混合物を100℃未満の温度に冷却する段階;
    - その後、架橋系又は加硫系を第2の“生産”段階で組み入れる段階;
    - 合わせた混合物を110℃未満の最高温度まで混練する段階
    を含むタイヤ用ジエン系ゴム組成物の調製方法であって、全部又は部分的に、請求項1〜13のいずれか1項に記載のシリカから構成される無機充填剤が、補強性充填剤として組み入れられる、前記方法。
  15. 請求項1〜13のいずれか1項に記載のジエン系ゴム組成物に基づくタイヤ用ゴムでできた半製品。
  16. 請求項15に記載のゴムでできた半製品を組み入れているタイヤ。
  17. 請求の範囲1〜13のいずれか1項に記載のゴム組成物に基づくタイヤトレッド。
  18. 請求項17に記載のトレッドを組み入れているタイヤ。
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