JP5642555B2 - 特定の充填材料を含む空洞を備えたトレッドを有するタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ、これらのタイヤのトレッド、およびこれらのトレッドの製造において使用することのできるゴム組成物に関する。
本発明は、さらに詳細には、磨耗していない状態のトレッド表面上に存在する空洞を充填するのに使用することができる、或いはトレッド本体中に取込ませ、最初の走行後の後の段階でトレッド表面にぴったり重ねることを意図することができる組成物(以下、“充填材料”とも称する)に関する。
知られている通り、タイヤトレッドは、乗用車または重量貨物車のいずれに装着するにしても、満足し得るグリップ性能を特に液体の存在によって滑りやすくなっている地面上で得るためのトレッドパターンを備えている。そのようなトレッドパターンは、特に、トレッドの厚さ内で成形することによって形成されたトレッドパターン要素即ち基本ブロックを含み、これらの基本ブロックは、種々の主要な横方向または縱方向の或いは斜め方向でさえあるリブまたは溝によって拘束されており、これらの基本ブロックが種々の切込みまたは薄いストリップを含むことを可能にしている。
タイヤトレッドにおける、特に上記のリブ、溝または切込みのような各種空洞を充填するための充填材料の使用は、多くの文献において既に説明されている。
例えば、トレッドの主要円周リブまたは横方向溝にトレッド自体の組成物よりも低い耐摩耗性を有する充填材料を装填して、トレッドグリップ性を改良し、騒音を低下させまたは溝底部でのオゾン誘発性侵食を絶やすことは知られている(例えば、文献FR 652 077号、GB 506 142号およびDE 36 10 662号を参照されたい)。
特許出願 EP 1 065 075号は、トレッドパターンブロックに、トレッド表面上に開通していない複数の微細切込みを設けるために提案されており、これらの切込みは、トレッド自体の組成物よりも早く摩滅する充填材料を含有している(特に、当該出願の図1および2を参照されたい)。充填材料は、加硫中に、各切込みを構成している壁に結合させている。少なくとも磨耗していない状態においては、上記材料は、空洞を完全に充たしており、そのようにして充填した空洞の壁と機械的に結合しており、それによってトレッドパターン要素が剛性を維持するのを可能にしている。タイヤが走行するときの地面との摩擦接触の作用下においては、上記充填材料は、トレッドの構成組成物よりも早く漸次的に取除かれ(差異磨耗(differential wear)と称する)、極めて浅いチャネルを形成する;しかしながら、その深さは、“出口のない”切込み中に捕捉されている相当量の空気を散逸させるには十分であり、従って、そのようなトレッドを備えているタイヤの走行音の増大を阻止している。
しかしながら、使用する上記充填材料は、欠点を有し得る。タイヤの特定の走行条件次第では、上記材料が走行中に亀裂して、材料の凝集力の部分的喪失をもたらす傾向が存在し得(その場合、空洞は突然空になる傾向を有する)、この傾向は、最終的には、上述したような意図的差異(漸次)磨耗に対しては有害である。
研究を継続することにより、本出願法人は、高量の補強用充填剤と非補強用充填剤を組合せることによって、充填材料として特に有用であるゴム組成物を見出した。
従って、本発明の第1の主題は、トレッドを有するタイヤであり、該トレッドは複数の空洞を備えており、該空洞の少なくともいくつかは、少なくとも下記をベースとする充填組成物を含むことを特徴とする:
ジエンエラストマー;
50phrよりも多い充填剤(充填剤Aとする)、この充填剤の粒子は、500nmよりも小さい平均粒度(質量による)を有するナノ粒子である;および、
70phrよりも多い充填剤 (充填剤Bと示す)、この充填剤の粒子は、1μmよりも大きい中央値粒度(質量による)を有する微粒子である。
予期に反して、上記充填組成物は、(少なくとも部分的に)充填した空洞の優れた機械的挙動を確保するのに十分に凝集性である。また、上記充填組成物は、走行中に、亀裂することなく、トレッド自体の構成組成物よりも早く漸次的に磨耗する能力も有する。
用語“空洞”とは、本出願においては、連続または不連続いずれかの、少なくとも1つの壁と底部によって拘束された任意の切込みまたはノッチであって、その幅がトレッドパターンブロックまたは要素と対比して小さいものを意味するものと理解されたい;上記空洞は、トレッドの縱(即ち、円周)方向に対して任意の配向を有する。この空洞は、例えば、トレッドの円周全体に亘って連続して延びている2つの壁を有する主リブ、少なくとも2つの隣接トレッドブロックを分離している主または補助溝、或いは2mmよりも小さい幅を典型的に有し、トレッドパターンの基本ブロック内部に存在するはるかに微細な切込みであり得る。所望の効果に応じて、この空洞は、トレッド自体の厚さに従って変動する深さを有する。
本発明およびその利点は、以下の説明および具体的な実施例に照らして容易に理解し得るであろう。
I. 使用する測定および試験法
上記充填組成物は、以下で示すように、硬化の前後において特性決定する。
I.1 充填剤の特性決定
dWで示すナノ粒子の平均粒度(質量による)は、水または界面活性剤含有水溶液中の分析すべき充填剤の超音波解凝集による分散後に、通常通りに測定する。
シリカのような無機充填剤においては、測定は、Brookhaven Instruments社から販売されているXDC (X線ディスク遠心分離機) X線遠心沈降速度計によって、下記の操作方法に従い実施する。40mlの水中の3.2gの分析すべき無機充填剤試験標本からなる懸濁液を、1500W超音波プローブ(Bioblock社から販売されている1.91cm (3/4インチ) Vibracellソニケーター)を60%出力にて(即ち、最高“出力制御”位置から60%離れて) 8分間操作することによって調製する。超音波処理後、15mlの懸濁液を回転ディスク中に導入する。120分間の沈降後、粒度の質量分布および粒子の質量平均粒度dWを、XDC沈降速度計ソフトウェアによって算出する(dW = Σ(nidi 5) / Σ(nidi 4);式中、niは、粒度または直径群diの対象数である)。
カーボンブラックにおいては、この手順を、15容量%のエタノールおよび0.05容量%のノニオン界面活性剤を含む水溶液によって実施する。測定は、DCPタイプの遠心光沈降速度計(Brookhaven Instruments社から販売されているディスク遠心光沈降速度計)によって行う。10mgのカーボンブラックを含む懸濁液を、15容量%のエタノールおよび0.05容量%のノニオン界面活性剤を含む40mlの水溶液中で、600W超音波プローブ(Bioblock社から販売されている1.27cm (1/2インチ) Vibracellソニケーター)を60%出力にて(即ち、“勾配(tip)振幅”の最高位置の60%において) 10分間操作することによって前以って調製する。超音波処理中に、15mlの水 (0.05%のノニオン界面活性剤を含有する)および1mlのエタノールからなる勾配を8000rpmで回転する沈降速度計ディスク中に注入して、“階段勾配”を形成させる。次に、0.3mlのカーボンブラック懸濁液を、上記勾配の表面上に注入する。120分続く沈降処理後に、粒度の質量分布および質量平均粒度dWを、上述したようにして沈降速度計ソフトウェアによって算出する。
微粒子(即ち、非補強用粒子)の粒度測定に関しては、機械的スクリーニングによる粒度分析を単純に使用し得る。操作は、規定量のサンプル(例えば、200g)を、振動テーブル上で、種々のスクリーン直径によって(例えば、サイズ的に5μmから300μmまで累進的に変化する1連の10〜15メッシュによって)スクリーニングすることからなる;各スクリーン上で集めた超過サイズを精密天秤で秤量し、この秤量から、物質の総質量に対する各メッシュ直径における超過サイズの%を推定し、最後に、質量による中央値粒度(または見掛けの中央値直径)を、粒度分布のヒストグラムから既知の方法で算出する。
I.2 引張試験
これらの試験は、弾性応力および破損特性を測定するのに使用する。特に断らない限り、これらの試験は、1988年9月のフランス規格 NF T 46‐002に従って実施する。10%伸びでの公称割線モジュラス(即ち、MPaでの見掛け応力) (MA10で示す)を、2回目の伸びにおいて(即ち、その測定自体において意図する伸長度での順応サイクル後に)測定する。破断点伸び(%でのAR)も測定する。これらの引張測定は、全て、フランス規格NF T 40‐101 (1979年12月)に従い、温度(23±2℃)および湿度(50±5%相対湿度)の標準条件下において実施する。
I.3 ショアA硬度
硬化後の組成物のショアA硬度は、ASTM D 2240‐86規格に従って測定する。
I.4 タイヤ走行試験
タイヤ走行試験は、全て、研磨コンクリートタイプの湿潤地面(厚さ2mmの水の連続膜で覆われている)上で実施する。
A 直線走行試験
A.1 ABSシステムによる制動
この第1群の試験において、各タイヤは空洞を含み、その主方向は、タイヤ上のトレッドの横方向または縦方向のいずれかである。
タイヤを、ABSブレーキシステムを装着した自動車に取付け、最大制動を掛けたときに50km/hの速度から10km/hの速度となるのに必要な距離を測定する。100に任意に設定した参照値よりも高い値が、改良された結果、即ち、より短い制動距離を示す。
A.2 固定ホイールでの制動
タイヤ上のトレッドの横方向に沿った主方向を有する空洞を含むタイヤのみを、この試験に従い特性決定する。
また、タイヤのグリップ性も、いわゆる“二輪ロックド(two locked wheels)”ブレーキ方式において、即ち、ABSシステムなしで制動距離を測定することによって測定する。湿潤地面上で40km/hの速度から0km/hの速度となる制動距離を測定する。100に任意に設定した対照値よりも高い値が、改良された結果、即ち、より短い制動距離を示す。
B 円形トラックでの走行試験
この第2群の試験においては、タイヤは、トレッドの縱(即ち円周)方向に位置する主方向を有する空洞を含む。各タイヤを、約120mの半径を有する円形トラックの形のサーキット上で試験する。
知られている通り、地面とタイヤ間の横方向力の地面上のタイヤの荷重に対する比である横方向グリップ係数を測定する。100に任意に設定した対照値よりも大きな値が、改良された結果、即ち、より大きな横方向グリップ性を示す。
II. 発明の詳細な説明
本発明に従うタイヤトレッドの空洞を充填するための組成物は、少なくとも次の成分をベースとする:ジエンエラストマー、Aで示す補強用充填剤およびBで示す非補強用充填剤;これらの充填剤は、後で詳細に説明する。
“ベースとする組成物”なる表現は、使用する各種構成成分のブレンドおよび/またはそれら構成成分に由来する反応生成物を含む組成物を意味するものと理解すべきであり、これらベース構成成分の幾つかは、組成物製造の各種段階中、特に、架橋または加硫中に少なく部分的に互いに反応し得るか或いは反応させることを意図する。
本説明においては、特に明確に断らない限り、示すパーセント(%)は、全て質量%である。さらにまた、“aとbの間”なる表現によって示される値の間隔は、いずれも、aよりも大きくbよりも小さい値の範囲を示し(即ち、限界値aとbを除く)、一方、“a〜b”なる表現によって示される値の間隔は、いずれも、aからbまでである値の範囲を意味する(即ち、厳格な限定値aおよびbを含む)。
II.1 ジエンエラストマー
用語“ジエン”エラストマーまたはゴムは、知られている通りに、ジエンモノマー(共役型または共役型でない二個の炭素‐炭素二重結合を有するモノマー)に少なくとも一部由来するエラストマー(または数種のエラストマー)、即ち、ホモポリマーまたはコポリマーを意味するものと理解すべきである。
上記充填組成物のジエンエラストマーは、好ましくは、ポリブタジエン(BR)類、合成ポリイソプレン(IR)類、天然ゴム(NR)、ブタジエンコポリマー類、イソプレンコポリマー類およびこれらエラストマー類のブレンドによって形成される高不飽和ジエンエラストマーの群から選択する。そのようなコポリマーは、さらに好ましくは、ブタジエン‐スチレンコポリマー(SBR)類、ブタジエン‐イソプレンコポリマー(BIR)類、スチレン‐イソプレンコポリマー(SIR)類およびスチレン‐ブタジエン‐イソプレンコポリマー(SBIR)類によって形成される群から選択する。
特に適しているのは、4%と80%の間の1,2‐単位含有量(モル%)を有するポリブタジエン類または80%よりも多いシス‐1,4含有量(モル%)を有するポリブタジエン類;ポリイソプレン類;ブタジエン‐スチレンコポリマー類、特に、0℃と−70℃の間、より好ましくは−10℃と−60℃の間のTg (ガラス転移温度、ASTM D3418に従って測定)、5質量%と60質量%の間特に20質量%と50質量%の間のスチレン含有量、4%と75%の間のブタジエン成分‐1,2結合含有量(モル%)および10%と80%の間のトランス‐1,4結合含有量(モル%)を有するコポリマー類;ブタジエン‐イソプレンコポリマー類、特に、5質量%と90質量%の間のイソプレン含有量および−40℃〜−80℃のTgを有するコポリマー類;および、イソプレン‐スチレンコポリマー類、特に、5質量%と50質量%の間のスチレン含有量および−25℃と−50℃の間のTgを有するコポリマー類である。
ブタジエン‐スチレン‐イソプレンコポリマーの場合、適切なコポリマーは、特に、5質量%と50質量%の間特に10質量%と40質量%の間のスチレン含有量、15質量%と60質量%の間特に20質量%と50質量%の間のイソプレン含有量、5質量%と50質量%の間特に20質量%と40質量%の間のブタジエン含有量、4%と85%の間のブタジエン成分‐1,2単位含有量(モル%)、6%と80%の間のブタジエン成分トランス‐1,4‐単位含有量(モル%)、5%と70%の間のイソプレン成分‐1,2+3,4‐単位含有量(モル%)および10%と50%の間のイソプレン成分トランス‐1,4‐単位含有量(モル%)を有するコポリマー類、さらに一般的には、−20℃と−70℃の間のTgを有する任意のブタジエン‐スチレン‐イソプレンコポリマーである。
1つの特定の実施態様によれば、ジエンエラストマーは、主として(即ち、50phrよりも多くにおいて)、SBR(エマルジョン中で調製したSBR (ESBR)または溶液中で調製したSBR (SSBR)のいずれか)、或いはSBR/BR、SBR/NR(またはSBR/IR)、BR/NR(またはBR/IR)ブレンド、またはSBR/BR/NR(またはSBR/BR/IR)ブレンドである。SBR(ESBRまたはSSBR)エラストマーの場合、中度、例えば、20質量%と35質量%の間のスチレン含有量または高、例えば、35〜45質量%のスチレン含有量、15%と70%の間のブタジエン成分ビニル結合含有量、15%と75%の間のトランス‐1,4‐結合含有量(モル%)および−10℃と−55℃の間のTgを有するSBRを特に使用する;そのようなSBRは、有利には、好ましくは90モル%よりも多いシス‐1,4結合を有するBRとのブレンドとして使用し得る。
もう1つの特定の実施態様によれば、ジエンエラストマーは、主として(50pceよりも多くにおいて)、イソプレンエラストマーである。用語“イソプレンエラストマー”は、知られているとおり、イソプレンホモポリマーまたはイソプレンコポリマー、換言すれば、天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレン(IR)、各種イソプレンコポリマー類およびこれらエラストマーのブレンドによって形成される群から選ばれるジエンエラストマーを意味するものと理解されたい。イソプレンコポリマーのうちでは、特に、イソブテン‐イソプレンコポリマー(ブチルゴム;IIR)類、スチレン‐イソプレンコポリマー(SIR)類、ブタジエン‐イソプレンコポリマー(BIR)類またはスチレン‐ブタジエン‐イソプレンコポリマー(SBIR)類を挙げることができる。このイソプレンエラストマーは、好ましくは、天然ゴムまたは合成シス‐1,4‐ポリイソプレンである;これらの合成ポリイソプレンのうちでは、好ましくは90%よりも多い、さらに好ましくは98%よりも多いシス‐1,4‐結合含有量(モル%)を有するポリイソプレンを使用する。
本発明のもう1つの好ましい実施態様によれば、上記充填組成物は、−70℃と0℃の間のTgを有する1種以上の“高Tg”ジエンエラストマーと−110℃と−80℃、より好ましくは−105℃と−90℃の間のTgを有する1種以上の“低Tg”ジエンエラストマーとのブレンドを含む。高Tgエラストマーは、好ましくは、S‐SBRエラストマー類、E‐SBRエラストマー類、天然ゴム、合成ポリイソプレン類(好ましくは95%よりも高いシス‐1,4‐結合含有量(モル%)を有する)、BIRエラストマー類、SIRエラストマー類、SBIRエラストマー類およびこれらエラストマーのブレンドによって形成される群から選択する。低Tgエラストマーは、好ましくは、少なくとも70%の含有量(モル%)を有するブタジエン単位を含む。低Tgエラストマーは、好ましくは、90%よりも多いシス‐1,4結合含有量(モル%)を有するポリブタジエン(BR)からなる。
本発明のもう1つの特定の実施態様によれば、上記充填組成物は、0〜70phr、特に0〜50phrの低Tgエラストマーとブレンドした、例えば、30〜100phr、特に50〜100phrの高Tgエラストマーを含む。もう1つの例によれば、上記充填組成物は、100phrの全部において、溶液中で調製した1種以上のSBRエラストマーを含む。
本発明のもう1つの特定の実施態様によれば、上記充填組成物のジエンエラストマーは、90%よりも多いシス‐1,4結合含有量(モル%)を有するBR(低Tgエラストマーとして)と1種以上のS‐SBRまたはE‐SBR(高Tgエラストマーとして)とのブレンドを含む。
本発明に従って配合した組成物は、単独のジエンエラストマーまたは数種のジエンエラストマーのブレンドを含み得、これら単独または複数のジエンエラストマーは、ジエンエラストマー以外の任意のタイプの合成エラストマーと或いはエラストマー以外のポリマー、例えば、熱可塑性ポリマーさえと組合せて使用することが可能である。
II.2 充填剤A
上記充填組成物の第1の本質的特徴は、補強用充填剤(充填剤Aとする)として、500nmよりも小さい平均粒度(質量による)を有する50phrよりも多いナノ粒子を含むことである。
タイヤトレッドの製造において使用することのできるゴム組成物を補強するその能力について知られている任意のタイプの補強用充填剤、例えば、カーボンブラックのような有機充填剤、シリカのような補強用無機充填剤、またはこれら2つのタイプの充填剤のブレンド、特に、カーボンブラック/シリカブレンドを使用することができる。
カーボンブラックとしては、全てのカーボンブラック、特に、タイヤトレッドにおいて通常使用されるHAF、ISAFまたはSAFタイプのブラック類(“タイヤ級”ブラック類)が適している。そのようなブラック類のうちでは、さらに詳細には、次のものを挙げることができる:例えば、ブラック類 N115、N134、N234、N326、N330、N339、N347およびN375のような、100、200または300シリーズの補強用カーボンブラック類(ASTM級)。カーボンブラックは、例えば、マスターバッチの形で、イソプレンエラストマー中に既に混入させていてもよい(例えば、特許出願WO 97/36724号またはWO 99/16600号を参照されたい)。
カーボンブラック以外の有機充填剤の例としては、特許出願WO‐A‐2006/069792号およびWO‐A‐2006/069793号に記載されているような官能化ポリビニル芳香族有機充填剤を挙げることができる。
用語“補強用無機充填剤”は、本出願においては、定義により、カーボンブラックに対比して“白色充填剤”、“明色充填剤”または“非黒色充填剤”としてさえ称する、それ自体で、中間カップリング剤以外の手段によることなく、タイヤ製造を意図するゴム組成物を補強し得、換言すれば、通常のタイヤ級カーボンブラックとその補強機能において置換わり得る、その色合およびその起源(天然または合成)の如何にかかわらない任意の無機または鉱質充填剤を意味するものと理解すべきである。そのような充填剤は、一般に、知られているとおり、その表面でのヒドロキシル(‐OH)基の存在に特徴を有する。
補強用無機充填剤は、任意の物理的状態、即ち、粉末、ミクロスフィア、顆粒、ビーズまたは任意の他の適切な濃密化形であり得る。勿論、補強用無機充填剤は、種々の補強用無機充填剤、特に、下記で説明するような高分散性シリカ質および/またはアルミナ質充填剤の混合物を含むことも理解されたい。
適切な補強用無機充填剤は、特に、シリカ質タイプの鉱質充填剤、特にシリカ(SiO2)、またはアルミナ質タイプの鉱質充填剤、特にアルミナ(Al2O3)である。使用するシリカは、当業者にとって既知の任意の補強用シリカ、特に、共に450m2/g未満、好ましくは30〜400m2/g範囲であるBET表面積とCTAB比表面積を有する任意の沈降または焼成シリカであり得る。高分散性沈降シリカ(“HDS”)としては、例えば、次のものを挙げることができる:Degussa社からのシリカ類 Ultrasil 7000およびUltrasil 7005;Rhodia 社からのシリカ類 Zeosil 1165MP、1135MPおよび1115MP;PPG社からのシリカ Hi‐Sil EZ150G;Huber社からのシリカ類 Zeopol 8715、8745または8755;または、特許出願WO 03/16837号に記載されているような高比表面積を有するシリカ類。
使用する補強用無機充填剤は、特にシリカである場合、好ましくは45m2/gと400m2/gの間、より好ましくは60m2/gと300m2/gの間のBET表面積を有する。
好ましくは、補強用充填剤A (カーボンブラックおよび/またはシリカのような補強用無機充填剤)の総含有量は、50phrと200phrの間、より好ましくは60phrと140phrの間、さらにより好ましくは70phrと130phrの間であり、最適量は、知られている通り、意図する特定の用途によって異なる。例えば、自転車タイヤに関して期待される補強レベルは、勿論、継続的に高速走行し得るタイヤ、例えば、モーターサイクルタイヤ、乗用車用または重量車両のような実用車両用タイヤに関して要求される補強レベルよりも低い。
本発明の好ましい実施態様によれば、50phrと150phrの間、より好ましくは50phrと120phrの間の無機充填剤、特にシリカと、必要に応じてのカーボンブラックとを含む補強用充填剤を使用する。カーボンブラックは、存在する場合、好ましくは20phrよりも低い、より好ましくは10phrよりも低い(例えば、0.1〜10phrの)含有量でもって使用する。
好ましくは、上記ナノ粒子の平均粒度(質量による)は、20nmと200nmの間、より好ましくは20nmと150nmの間である。
補強用無機充填剤をジエンエラストマーにカップリングさせるためには、無機充填剤(その粒子表面)とジエンエラストマー間に化学および/または物理的性質の十分な結合を確保することを意図する少なくとも二官能性のカップリング剤(または結合剤)、特に、二官能性オルガノシランまたはポリオルガノシロキサン類を使用することが知られている。
特に、例えば、特許出願WO03/002648号(またはUS 2005/016651号)およびWO03/002649号(またはUS 2005/016650号)に記載されているような、その特定の構造によって“対称形”または“非対称形”のいずれかであるポリスルフィド含有シランを使用する。
下記の一般式(I)を満たすいわゆる“対称形”ポリスルフィド含有シランは、以下の定義に限定されることなく、特に適している:
(I) Z‐A‐Sx‐A‐Z
[式中、xは、2〜8 (好ましくは2〜5)の整数であり;
Aは、2価の炭化水素基(好ましくはC1〜C18アルキレン基またはC6〜C12アリーレン基、特にC1〜C10、特にC1〜C4アルキレン基、特にプロピレン)であり;
Zは、下記の式の1つに相応する:
Figure 0005642555
(式中、基R1は、置換されているかまたは置換されてなくて、同一かまたは異なるものであって、C1〜C18アルキル基、C5〜C18シクロアルキル基またはC6〜C18アリール基(好ましくはC1〜C6アルキル基、シクロヘキシルまたはフェニル基、特にC1〜C4アルキル基、特にメチルおよび/またはエチル)を示し;
基R2は、置換されているかまたは置換されてなくて、同一かまたは異なるものであって、C1〜C18アルコキシまたはC5〜C18シクロアルコキシ基(好ましくは、C1〜C8アルコキシおよびC5〜C8シクロアルコキシ基から選ばれた基、より詳細にはC1〜C4アルコキシ基、特にメトキシおよびエトキシ基から選ばれた基)を示す)]。
ポリスルフィド含有シランの例としては、特に、ビス(3‐トリメトキシシリルプロピル)ポリスルフィドまたはビス(3‐トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド類を挙げることができる。これらの化合物のうちでは、TESPTと略称されるビス(3‐トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、またはTESPDと略称されるビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドを特に使用し得る。また、好ましい例としては、特許出願WO 02/083782号(または、US 2004/132880号)に記載されているような、ビス‐((C1〜C4)モノアルコキシル‐(C1〜C4)ジアルキルシリルプロピル)ポリスルフィド類(特に、ジスルフィド類、トリスルフィド類またはテトラスルフィド類)、特に、ビス(モノエトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィドも挙げることができる。
ポリスルフィド含有アルコキシシラン類以外のカップリング剤としては、特に、特許出願WO 02/30939号(またはUS 6 774 255号)およびWO 02/31041号(またはUS 2004/051210号)に記載されているような、二官能性POS (ポリオルガノシロキサン)化合物またはヒドロキシシランポリスルフィド(上記式Iにおいて、R2 = OH)、或いは、例えば、特許出願WO 2006/125532号、WO 2006/125533号、WO 2006/125534号に記載されているような、アゾ‐ジカルボニル官能基を担持するシラン類またはPOS化合物類が挙げられる。
本発明に従って配合したゴム組成物においては、カップリング剤含有量は、好ましくは4phrと12phrの間、より好ましくは3phrと8phrの間である。
当業者であれば、もう1つの性質、特に有機性を有する補強用充填剤を、この補強用充填剤がシリカ層のような無機層でコーティーングされているか、或いは、その表面上に、充填剤とエラストマー間の結合を確立するためにカップリング剤の使用を必要とする官能部位、特に、ヒドロキシル部位を含むかを条件として、この項において説明した補強用無機充填剤と等価の充填剤として使用し得ることを理解されたい。
II.3 充填剤B
上記充填組成物の第2の本質的特徴は、補強用充填剤(充填剤Bとする)として、1μmよりも大きい平均粒度(質量による)を有する70phrよりも多い微粒子からなることである。
上記微粒子の含有量および粒度に関して上記の最低値よりも低いと、意図する技術効果は得られない。その場合、充填材料の不十分な磨耗しかなく、充填した空洞は十分に早く空になることはない。
上記微粒子の含有量は、好ましくは100phrよりも多く、より好ましくは100phrと500phrの間であり、上記微粒子の中央値粒度は、好ましくは1μmと200μmの間、特に5μmと100μmの間である。上記微粒子の含有量と粒度に関して上記の最高値よりも高いと、上記充填組成物の凝集力喪失およびその組成物中での亀裂開始のリスクが存在する。
上述した全ての理由により、上記微粒子の含有量は、さらに好ましくは、100phrと300phrの間であり、上記微粒子の中央値粒度は、さらに好ましくは、10μmと50μmの間である。
充填剤Bとして使用し得る非補強用充填剤は、当業者にとって既知であり、これらの充填剤のうちでは、特に、下記を挙げることができる:
天然炭酸カルシウム(チョーク)または合成炭酸カルシウム、天然ケイ酸塩(カオリン、タルク、雲母)、粉末シリカ、アルミナ、ケイ酸塩およびアルミノケイ酸塩;
ポリエステルアミド、澱粉、ポリ乳酸、セルロース誘導体(例えば、酢酸セルロース、リグニン)のような生分解性化合物。
さらに好ましくは、チョーク、合成炭酸カルシウム、カオリンおよびそのような化合物の混合物によって形成される群から選ばれる充填剤Bの微粒子を使用する。
商業的に入手可能であるそのような好ましい充填剤Bの例としては、例えば、Omya社から品名“Oyama BLS”として販売されているチョークおよびImerys社から品名“Polwhite KL”として販売されているカオリンを挙げることができる。
II.4 各種添加剤
また、上記充填組成物は、例えば、顔料;オゾン劣化防止ワックス、化学オゾン劣化防止剤、酸化防止剤のような保護剤;疲労防止剤;補強用樹脂;例えば、特許出願WO 02/10269号に記載されているような、メチレン受容体(例えば、フェノールノボラック樹脂)またはメチレン供与体(例えば、HMTまたはH3M);イオウをベースとするまたはイオウ供与体および/または過酸化物および/またはビスマレイミドをベースとする架橋系;加硫促進剤および加硫活性化剤のような、タイヤの製造を意図するエラストマー組成物において一般的に使用する通常の添加剤の数種または全部を含み得る。
また、これらの充填組成物は、カップリング剤以外に、カップリング活性化剤、無機充填剤の被覆用の薬剤、またはゴムマトリックス中での充填剤の分散性の改善および組成物の粘度の低下により、知られている通りに、生状態における組成物の加工特性を改善することのできるより一般的な加工助剤も含有し得、これらの薬剤は、例えば、アルキルアルコキシシランのような加水分解性シラン類;ポリオール類;ポリエーテル類;第1級、第2級または第3級アミン類;および、ヒドロキシル化または加水分解性ポリオルガノシロキサン類である。
また、上記充填組成物は、好ましい非芳香族または極めて僅かに芳香族系の可塑剤として、ナフテン系またはパラフィン系オイル;MESオイル;TDAEオイル;エステル可塑剤(例えば、グリセリントリオレート);出願WO 2005/087859号、WO 2006/061064号およびWO 2007/017060号に記載されているもののような、好ましくは30℃よりも高い高Tgを有する炭化水素樹脂;および、そのような化合物の混合物によって形成される群から選ばれる少なくとも1種の化合物も含み得る。そのような好ましい可塑剤の全体的含有量は、好ましくは10phrと100phrの間、より好ましくは20phrと80phrの間、特に10〜50phrの範囲内である。
上記炭化水素可塑化用樹脂(“樹脂”なる用語は、定義によれば、固形化合物に宛てられることを思い起こされたい)のうちでは、特に、次の樹脂を挙げることができる:それら自体で、或いは、例えば、MESまたはTDAEオイルのような可塑化用オイルと組合せて使用することができる、α‐ピネン、β‐ピネン、ジペンテンもしくはポリリモネンまたはC5留分のホモポリマーまたはコポリマー、例えば、C5留分/スチレンコポリマーまたはC5留分/C9留分コポリマー。
II‐5. ゴム組成物の製造
上記充填組成物は、適切なミキサー内で、当業者にとって周知の2つの連続する製造段階、即ち、110℃と190℃の間、好ましくは130℃と180℃の間の最高温度までの高温で熱機械的に加工または混合する第1段階(“非生産”段階と称する)、並びに、その後の典型的には110℃よりも低い、例えば、40℃と100℃の間の低めの温度までの第2の機械加工段階(“生産”段階と称する)を使用して製造し、この仕上げ段階において架橋系を混入する。
充填組成物の製造方法は、例えば、少なくとも下記の工程を含む:
第1(“非生産”)段階において、50phrよりも多い充填剤A (その粒子は、500nmよりも小さい平均粒度(質量による)を有するナノ粒子である)、70phrよりも多い充填剤B (その粒子は、1μmよりも大きい中央値径(質量で)を有する微粒子である)を、ジエンエラストマー中に、成分全てを、1回以上、110℃と190℃の間の最高温度に達するまで熱機械的に混合することによって混入する工程;
混合物を100℃よりも低い温度に冷却する工程;
その後、架橋系を、第2(“生産”)段階において混入する工程;
全てを110℃よりも低い最高温度に達するまで混合する工程。
一例を挙げれば、上記非生産段階は、1回の熱機械的工程において実施し、その間に、全ての必須ベース成分(ジエンエラストマー、補強用充填剤Aおよび必要に応じてカップリング剤、非補強用充填剤Bおよび可塑化系)を、標準の密閉ミキサーのような適切なミキサー内に先ず第1に導入し、その後、第2に、例えば1〜2分の混合後、架橋系を除いた他の添加剤、任意構成成分としての被覆剤または補完的加工助剤を導入する。この非生産段階における総混合時間は、好ましくは1分と15分の間である。
そのようにして得られた混合物を冷却した後、間もなく、架橋系を、低温(例えば、40℃と100℃の間)に維持した開放ミルのような開放ミキサー内に導入する。全ての成分を、数分間、例えば、2分〜15分間混合する(生産段階)。
架橋系は、好ましくは、イオウおよび促進剤をベースとする加硫系である。イオウの存在下にジエンエラストマーの加硫促進剤として作用し得る任意の化合物、特に、2‐メルカプトベンゾチアジルジスルフィド(MBTSと略記する)、N‐シクロヘキシル‐2‐ベンゾチアジルスルフェンアミド(“CBS”と略記する)、N,N‐ジシクロヘキシル‐2‐ベンゾチアジルスルフェンアミド(“DCBS”と略記する)、N‐tert‐ブチル‐2‐ベンゾチアジルスルフェンアミド(“TBBS”と略記する)、N‐tert‐ブチル‐2‐ベンゾチアジルスルフェンイミド(“TBSI”と略記する)およびこれらの化合物の混合物からなる群から選ばれる化合物を使用し得る。好ましくは、スルフェンアミドタイプの一次促進剤を使用する。
各種既知の二次促進剤または加硫活性化剤、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸、グアニジン誘導体(特に、ジフェニルグアニジン)等を、この加硫系に、上記第1非生産段階中および/または上記生産段階中に添加し得る。イオウの含有量は、例えば、0.5phrと3.0phrの間にあり、また、一次促進剤の含有量は、0.5phrと5.0phrの間にある。
その後、そのようにして得られた最終組成物は、例えば、シートの形にカレンダー加工し得、或いは、押出加工して、例えば、タイヤトレッドの表面上に存在する空洞を充填するための充填材料として使用し得るゴムストリップを形成させ得る。
本発明は、いわゆる“生”状態(即ち、硬化前)およびいわゆる“硬化”または加硫状態(即ち、加硫後)双方の上述したタイヤに関する。
III. 本発明の実施例
III.1 組成物の製造
下記の試験における手順は、以下の通りであった:補強用充填剤A(シリカまたはカーボンブラック)、非補強用充填剤B、シリカの存在下でのカップリング剤、ジエンエラストマーおよび加硫系を除いた各種他の成分を、密閉ミキサー内に連続して導入する(最終装填係数:約70容量%);ミキサーの初期バレル温度は、約60℃であった。その後、混合物を1工程で熱機械加工し(非生産段階)、この段階は、165℃の最高“落下”温度に達するまで合計で約3〜4分間続いた。
そのようにして得られた混合物を回収し、冷却し、その後、混合物に、イオウおよびスルフェンアミドタイプの促進剤を、30℃の開放ミキサー(ホモジナイザー・フィニッシャー)において混入し、全ての成分を適切な時間(例えば、5〜12分間)混合した(生産段階)。
そのようにして得られた組成物を、その後、その物理的または機械的性質の測定のためのゴムシート(2〜3mm厚)または薄いゴムシートの形にカレンダー加工し、或いは、例えば上述の特許出願EP 1 065 075号に示されているようにして、タイヤを構築するためのシートの形に押出加工した。
III.2 ゴム試験およびタイヤ走行試験
以下の試験の目的は、トレッド表面上に存在する空洞を本発明に従って配合した充填組成物で充填することによる乗用車タイヤの湿潤地面上でのグリップ性の改良を実証することであった。
試験1
3通りのゴム組成物を、上述したようにして製造した;2つは本発明に従って配合し(C‐1.2、C‐1.3と記す)、1つは本発明に従わなかった(C‐1.1と記す)。これら3通りの組成物は、補強用充填剤Aとしてはシリカをベースとしており、さらに、本発明に従って配合した各組成物に関しては、70phrよりも多いチョークを非補強用充填剤Bとして含んでいた。
下記の表1には、各種構成成分の含有量を示している(phrで表している;phrは、エラストマー100質量部当りの質量部を意味する)。これらの組成物の機械的性質の測定値は、下記の表2に示している。
この表は、本発明に従って配合した充填組成物においては、一方では、モジュラスおよびショアA硬度の増大を、他方では、破断点伸びの低下を示している。しかしながら、予期に反して、これらの変化は、使用した大量(75または110phr)の非補強用充填剤に関しては穏やかのようである。諸性質におけるそのような妥協点は、充填材料として使用するこれら組成物が、トレッドおよびそのトレッドパターン要素のベースマトリックスを構成しているゴム組成物の磨耗よりも早い磨耗を依然として与えながら、トレッドの機械的挙動を実質的に改変するのが当然ではないことを示唆している。
さらにまた、亀裂試験を、これらの3通りの組成物において、組成物試験標本において発生した亀裂発生点の張力下での伝播を観察することによって実施した。これらの試験は、本発明に従って配合した充填組成物と対照組成物との間で差異を示してなく、従って、これらの試験は、高含有量の充填剤Bの存在にもかかわらず、本発明に従って配合した組成物の良好な亀裂抵抗性を実証している。
このことから、シリカおよび非補強用充填剤として高含有量のチョークをベースとするここで試験した充填組成物は、意図する差異磨耗と亀裂のないことの間で特に好ましい諸性質の妥協点を有し得ることを推定できる
試験2
上記の試験1を、補強用充填剤Aとしてシリカをカーボンブラックと置換えて繰返した。
これを実施するために、4通りのゴム組成物を、上述したようにして製造した;3つは本発明に従って配合し(C‐2.2、C‐2.3およびC‐2.4と記す)、1つは本発明に従わなかった(C‐2.1と記す)。本発明に従って配合した各充填組成物は、70phrよりも多いチョークを非補強用充填剤Bとして含んでいた。
下記の表3に、各種成分の量を示している(phrで表している)。各組成物の機械的性質は、下記の表4に示している。
この表は、本発明に従って配合した充填組成物においては、一方では、モジュラスおよびショアA硬度の増大が、他方では、破断点伸びの低下があること示している。しかしながら、これらの変化は、チョーク含有量の極めて高い増加(組成物C‐2.2とC‐2.4間では2倍の増加)においてさえも穏やかなままである。試験1の場合におけるようにして実施した亀裂試験は、本発明に従って配合した組成物と対照組成物との間で認識し得る差異は示してなく、またしても、本発明に従って配合した組成物の良好な亀裂抵抗性を、高含有量の充填剤Bの存在にもかかわらず証明していた。
そのような性質は、上記結果を確証しており、本発明に従って配合した組成物が、トレッドの機械的挙動に実質的に影響することなく、充填材料の機能(亀裂のリスクなしでの十分な磨耗性)を満し得るのは当然のことであることを示唆している。
試験3
195/65 R15サイズ (速度指数H)のラジアルカーカスを有する乗用車タイヤのトレッドグリップ性を、項I‐4における試験に従って分析した。
トレッドを、充填組成物で充填した空洞のトレッド表面上での存在するまたは不存在を除いて、全ての点で同じ方法で通常通りに製造した。トレッド自体の構成組成物は、上述した組成物C‐1.1の配合と同じ配合を有するシリカで補強したゴム組成物であった。
対照タイヤ (P‐1.1と記す)は、トレッドパターン要素の表面上に深さ2mmの空の空洞 (即ち、空洞は充填材料で充填していない)を有していた。
トレッド表面上に存在する空洞を有する他の本発明に従わないタイヤ(P‐1.2と記す)または本発明に従うタイヤ(P‐1.3、P‐1.4およびP‐1.5と記す)を製造した。これらの空洞は、トレッドの横方向に沿って(即ち、円周方向に対して垂直に)配向させた、約2mmの幅、1.5cmの長さおよび8mmの深さ(トレッドパターン要素の全体厚)を有する切込みからなっていた。1本の切込みを、トレッドパターンの各基本ブロック内に形成させた。これらの空洞は、上記で試験した組成物C‐2.1の配合と同じ基本配合を有するが、さらにまた、それぞれ、50、100、200および300phrのチョークを非補強用充填剤Bとして含む充填材料で充填した。
それぞれP‐1.1、P‐1.2、P‐1.3、P‐1.4およびP‐1.5と記した相応するタイヤを乗用車に取付け、前記の項I‐4に説明したグリップ試験 (試験A.1およびA.2)に供した。特定の試験条件は、以下の通りであった:シトロエン(Citroen)車両モデル“C5”(フロントおよびリヤタイヤ圧:2.2バール);試験タイヤは、車両前輪に取付けた;周囲温度:25℃。
これらのタイヤにおいて実施した試験結果は、下記の表5に示している。
この表は、本発明に従うタイヤ、即ち、充填材料が70phrよりも多い充填剤B(チョーク)を含むタイヤの制動距離が、全ての場合において、対照タイヤの制動距離よりも短いこと(100よりも大きい性能指数)を示している。従って、本発明に従って配合した組成物で充填したトレッド表面上の空洞の存在は、タイヤの湿潤地面上でのグリップ性を実質的に改良することを可能にしている。
試験4
上記走行試験を、同じ寸法を有するタイヤおよび空洞によって再度実施した;今回は、これらの空洞をトレッドの縱(円周)方向に沿って配向させた。
対照タイヤP‐2.1は、トレッドパターン要素の表面に深さで2mmの空洞を有し、これらの空洞は、充填組成物で充填していない。
本発明に従うタイヤP‐2.2は、上記の組成物C‐2.1の配合と同じ配合を有し且つ、好ましい実施態様においては、100phrと300phrの間の非補強用充填剤B(より正確には、150phrのチョーク)を含むカーボンブラック系組成物で充填した空洞を有していた。これらの空洞の形状は、試験3で説明した空洞と同じであった。1本の切込みを、各基本トレッドパターンブロック内に形成させた。
タイヤを、同じ乗用車に取付け、その後、先ず、極めて曲がりくねったロードサーキット上での、50%のトレッド磨耗係数が得られるまでの約15 000km間の走行試験に供した。この後、そのように磨耗したタイヤ、前記項I‐4において説明したグリップ試験(試験A‐2およびB)に供した。
試験の結果は、下記の表6に示している。
この表は、そのような長期走行試験(50%磨耗トレッド)後に、グリップ性が、実施した試験に応じて、対照タイヤと比較した本発明に従うタイヤの場合に、依然として15%乃至20%改良されていることを示している。
このことは、空洞内の上記充填材料の、長期走行試験中に被る各種タイプの損傷に耐える能力を明らかに実証している。
換言すれば、本発明は、上記充填組成物で充填した空洞が、タイヤが走行している間に自己再生する能力を有し、従って、意図するグリップ性能の長寿性を確保するトレッドパターンを形成させることを可能にしている。
また、本発明は、磨耗していない状態のトレッド表面に存在しないがこのトレッドの本体中に取込ませ、初めての走行後のその後の段階でトレッド表面とぴったり重ねることを意図する空洞の場合にも当てはまる。
表1
Figure 0005642555
(1) オイル増量した溶液SBR (乾燥SBRとして表す含有量):25%のスチレン、58%の1,2-ポリブタジエン単位および23%のトランス-1,4-ポリブタジエン単位 (Tg = −24℃);
(2) 4.3%の1,2単位、2.7%のトランス単位および93%のシス‐1,4単位を含むBR (Tg = −106℃);
(3) 充填剤A:“HD”タイプのRhodia社からのシリカ“Zeosil 1115MP”(BETおよびCTAB:約160m2/g);
N375カーボンブラック;
(4) 充填剤B:チョーク、Omya社からの“Omya BLS”ブランド;
(5) TESPTカップリング剤 (Degussa社からの“Si69”);
(6) N234カーボンブラック (ASTM級);
(7) 総MESオイル(SBR増量オイルも含む):Shell社からの“Catenex SNR”;
(8) 酸化亜鉛 (Umicore社からの工業級);
(9) ステアリン (Uniqema社からの“Pristerene 4931”);
(10) N‐1,3‐ジメチルブチル‐N‐フェニルパラフェニレンジアミン (Flexsys社からのSantoflex 6‐PPD);
(11) ジフェニルグアニジン (Flexsys社からのPerkacit DPG);
(12) N‐シクロヘキシル‐2‐ベンゾチアジルスルフェンアミド (Flexsys社からのSantocure CBS)。
表2
Figure 0005642555
表3
Figure 0005642555
(1) 37.5質量%の芳香族オイルで増量したエマルジョンSBR (23.5%のスチレン、16%の1,2-ポリブタジエン単位および72%のトランス-1,4-ポリブタジエン単位) (Tg = −48℃);
(2) 37.5質量%のオイルで増量したエマルジョンSBR (40%のスチレン、16%の1,2-ポリブタジエン単位および72%のトランス-1,4-ポリブタジエン単位) (Tg = −30℃);
(3) 充填剤A:N375カーボンブラック;
(4) 充填剤B:チョーク、Omya社からの“Omya BLS”ブランド;
(5) 総MESオイル (SBR増量剤オイルも含む):(Shell社からの“Catenex SNR”);
(6) 酸化亜鉛 (Umicore社からの工業級);
(7) ステアリン (Uniqema社からの“Pristerene 4931”);
(8) N‐1,3‐ジメチルブチル‐N‐フェニルパラフェニレンジアミン (Flexsys社からのSantoflex 6‐PPD);
(9) N‐シクロヘキシル‐2‐ベンゾチアジルスルフェンアミド (Flexsys社からのSantocure CBS)。
表4
Figure 0005642555
表5
Figure 0005642555
表6
Figure 0005642555

Claims (5)

  1. トレッドを有し、該トレッドが複数の空洞を備えており、該空洞の少なくともいくつかが少なくとも下記をベースとする充填組成物を含むことを特徴とするタイヤ:
    ジエンエラストマー;
    70phrと130phrの間の量のカーボンブラックおよび/またはシリカである充填剤(充填剤Aとする)、この充填剤の粒子は、500nmよりも小さい平均粒度(質量による)を有するナノ粒子である;および、
    100phrと500phrの間の量の、炭酸カルシウムまたはチョークである充填剤(充填剤Bとする)、この充填剤の粒子は、1μmよりも大きい中央値粒度(質量による)を有する微粒子である。
  2. 前記ジエンエラストマーが、ポリブタジエン、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマーおよびこれらのエラストマーのブレンドによって形成された群から選ばれる、請求項1記載のタイヤ。
  3. 充填剤Aが、カーボンブラックを含む、請求項1または2記載のタイヤ。
  4. 充填剤Bが、1μmと200μmの間の中央値粒度を有する、請求項1〜のいずれか1項記載のタイヤ。
  5. 充填剤Bが、5μmと100μmの間の中央値粒度を有する、請求項記載のタイヤ。
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