JP2011514666A - 熱電応用のためのドープテルル化スズを含む半導体材料 - Google Patents

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Abstract

一般式(I)
SnaPb1-a(x1+...+xn)1 x1...An xn(Te1-p-q-rSepqr1+z (I)
[但し、式中、
0.05<a<1、
n≧1(但し、nはSn及びPbとは異なる化学元素の数である)、
いずれの場合も独立して、
1 ppm≦x1...xn≦0.05、
1...Anは互いに異なり、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Y、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Cr、Mn、Fe、Cu、Ag、Au、Ga、In、Tl、Ge、Sb、Biからなる群から選択され、
Xは、F、Cl、Br又はIであり、
p+q+r≦1、及びa+x1+...+xn≦1の条件において
0≦p≦1、
0≦q≦1、
0≦r≦0.01、
−0.01≦z≦0.01である]
で表される化合物を含むことを特徴とするp−又はn−導電性の半導体材料。
【選択図】図1

Description

本発明は、スズ及び通常テルル、更に少なくとも1種又は2種以上のドーパントを含む半導体材料、並びにその材料を含む熱電発電装置及びペルチェ配置(Peltier arrangements)に関する。
熱電発電装置及びペルチェ配置、それ自体はかなり知られている。片側が加熱され、他方側が冷却されたp−及びn−ドープ半導体は、外部回路を通じて電荷を輸送し、回路内の抵抗(load)によって電気的仕事(electrical work)が行われる。この工程において達成される熱から電気エネルギーへの変換効率は、カルノー効率(Carnot efficiency)によって熱力学的に制限されている。従って、高温側(hot side)で1000Kの温度、低温側(cold side)で400Kの温度では、(1000−400):1000=60%の効率が得られる可能性がある。しかしながら、今まで、最大10%の効率しか達成されていない。
一方、直流がそのような配置に加えられる際、熱が片側から他方側へ移送される。そのようなペルチェ配置はヒートポンプとして機能し、従って、冷却装置の一部、車両又は建物のために適している。供給されるエネルギー等量に相当するよりも多くの熱が常に移送されるので、ペルチェ原理による加熱もまた、従来の加熱よりも有益である。
効果及び材料の良い総説として、例えば、「ITS Short Course on Thermoelectricity,by Cronin B.Vining,Nov. 8,1993,Yokohama,Japan.」が挙げられる。
現在、熱電発電装置は、例えば、宇宙探査において、直流の発電、パイプラインの陰極腐食防御、ライトブイ(light buoys)及び無線ブイ(radio buoys)へのエネルギー供給、並びに無線及びテレビシステムの操作のために使用される。熱電発電装置の利点はそれらの極めて高い信頼性にある。例えば、それらは大気中の水分等の大気条件にかかわらず機能し、欠陥が生じやすい物質移動ではなく、むしろ電荷移動のみである。水素から天然ガス、ガソリン、ケロシン、ディーゼル燃料、ナタネ油メチルエステル等の生物学的に得られた燃料までのどのような燃料を使用することが可能である。
従って、熱電エネルギー変換は、水素経済又は再生可能エネルギーからのエネルギー生成等の将来の要求に極めて柔軟に適合する。
特に魅力的な応用は、自動車、暖房装置又は発電所における(廃棄された(waste))熱を電気エネルギーに変換するために利用することである。今まで利用された熱エネルギーは、今でも熱電発電装置により少なくとも部分的に回収することができるが、現行の技術は10%よりも低い効率を達成しているに過ぎず、エネルギーの大部分は、まだ利用されずに失われている。従って、廃棄された熱の利用において、有意に高い効率を目指す価値がある。
太陽エネルギーの直接の電気エネルギーへの変換もまた、非常に魅力的である。パラボラトラフ(parabolic troughs)等の集光装置は太陽エネルギーを、電気エネルギーを発生する熱電発電装置へ集めることができる。
しかしながら、なお、より高い効率がヒートポンプとしての使用に必要とされている。
熱電的に機能する材料は、それらの効率に関連して本質的に評価される。この点で、熱電材料の特性は、いわゆるZ値(Z factor)(性能指数(figure of merit)):
Figure 2011514666
[式中、ゼーベック係数(Seebeck coefficient)S、電気伝導率σ及び熱伝導率κ]
として知られている。非常に低い熱伝導率、非常に高い電気伝導率及び非常に大きいゼーベック係数を有し、性能指数が最大値を取るような熱電材料が好ましい。
2σの積は、力率(power factor)と見なされ、熱電材料の比較に役立つ。
更に、無次元のZ・Tの積もまた、比較の目的でよく報告される。これまで知られている熱電材料は、最適温度で約1のZ・Tの最大値を有する。この最適温度を超えると、Z・Tの値は、多くの場合、有意に1より低くなる。
より精確な分析によって、効率ηが、以下の式:
Figure 2011514666
但し、
Figure 2011514666
(Mat.Sci.and Eng. B29(1995)228参照。)
から計算される。
従って、目的は、最大値のZ値及び高い実現可能な温度差を有する熱電材料を提供することにある。固体物理学の観点から、以下の多くの問題が克服されなければならない。
高いσは、材料中の高い電子移動度を要求し、即ち電子(又はp−導電性材料)は原子核へ強く結合していてはいけない。高い電気伝導率σを有する材料は通常、同時に高い熱伝導率を有し(ウィーデマン−フランツ則(Wiedemann-Franz law))、Zには有利な影響を及ぼさない。現在、使用されるBi2Te3のような材料は、妥協の結果である。例えば、合金化により、電気伝導率は、熱伝導率より少ない程度で低下する。従って、例えば、US5,448,109に記載されたように、(Bi2Te3)90(Sb2Te35(Sb2Se35又はBi12Sb23Te65等の合金の使用が好ましい。
高い効率を有する熱電材料のために、好ましくは、まだ、更なる境界条件が満たされる必要がある。例えば、それらは、重大な効率の損失なしに、何年にも渡って、運転条件下で作動できるように十分に熱安定性出なければならない。これは、高温でのそれ自体の熱安定性の面、組成物の安定性の面、及び合金構成成分の隣接する物質へのごく僅かな拡散の面を要求する。
熱電応用のためのドープされたテルル化鉛が、例えばWO2007/104601に記載されている。これらは、大部分の鉛と同様に、1種又は2種の更なるドーパントも含むテルル化鉛である。上記のWO2007/104601に規定された式1に基づいたドーパントの特定の比率は、1 ppm〜0.05である。実施例5はPb0.987Ge0.01Sn0.003Te1.001を開示している。この材料は実際に、最低の鉛含有量の実例となる化合物を含む。このように、この材料は非常に高い鉛含有量及び、たとえ有ったとしても、極めて低いスズ含有量を有する。
WO2007/104603は、熱電応用のためのテルル化鉛ゲルマニウムに関する。これらは鉛、ゲルマニウム及びテルルの三元化合物であり、この場合も、非常に高い鉛含有量である。
熱電モジュールの製造のため、n−及びp−導電体は常に必要である。そのモジュールの最大効率、即ち、ペルチェ配置の場合は最大冷却性能で、又はゼーベック配置(Seebeck arrangement)の場合は最大発電性能を達成するため、p−導電性材料及びn−導電性材料はできるだけ互いに同等の力を有するようにしなければならない。これは、特に、ゼーベック係数(理想的にはS(n)=−S(p))、電気伝導度(理想的にはσ(n)=σ(p))、熱伝導率(理想的にはλ(n)=λ(p))及び熱膨張係数(理想的にはα(n)=α(p))に関係する。
US5,448,109 WO2007/104601 WO2007/104603
ITS Short Course on Thermoelectricity,by Cronin B.Vining,Nov. 8,1993,Yokohama,Japan. Mat.Sci.and Eng. B29(1995)228.
上記の先行技術及び言及された材料の要求事項に由来して、本発明の目的は、高い熱電効率を有し、種々の応用部門(application sector)に適切な特性を示す熱電的に機能する材料を提供することにある。好ましくは、それらは応用条件下の温度範囲(通常、環境温度及び少なくとも150℃の間)で、伝導性の機構にいかなる変化も受けない物質を含む。
本発明の目的は、一般式(I)
SnaPb1-a(x1+...+xn)1 x1...An xn(Te1-p-q-rSepqr1+z (I)
[但し、式中、
0.05<a<1、
n≧1(但し、nはSn及びPbとは異なる化学元素の数である)、
いずれの場合も独立して、
1 ppm≦x1...xn≦0.05、
1...Anは互いに異なり、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Y、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Cr、Mn、Fe、Cu、Ag、Au、Ga、In、Tl、Ge、Sb、Biからなる群から選択され、
Xは、F、Cl、Br又はIであり、
p+q+r≦1、及びa+x1+...+xn≦1の条件において
0≦p≦1、
0≦q≦1、
0≦r≦0.01、
−0.01≦z≦0.01である]
で表される化合物を含むことを特徴とするp−又はn−導電性の半導体材料によって達成される。
図1は、異なる組成物のゼーベック係数の温度分解測定結果を示す。 図2は、比較を目的とした異なる材料のゼーベック係数の温度依存性の結果を示す。
本発明に従って、5質量%を超える、好ましくは少なくとも10質量%、特に少なくとも20質量%のスズ含有量のテルル化スズが、少なくとも1種の追加のドーパントを混合された場合に非常に良好な熱電特性を有することが見出された。
更に、本発明に従って、導電性の機構の変化、例えば、高Sn材料(Sn-rich materials)における温度上昇に伴うp−導電性からn−導電性への変化等が抑制され得ることが見出された。この変化は、高Pb系(Pb-rich systems)においては、p−導電性試料が室温では良好な初期値であるにもかかわらず、300℃未満の温度でn−導電性領域に可逆的に切り替わるので、頻繁に問題となり、そのため、高Pb系は高温での応用には有用ではない。この問題は本発明の高Sn材料を使用することによって回避することができる。
一般式(I)の化合物において、nは、Sn,Pbと異なり、Te、Se、S、及びXを含まない、化学元素の数を示す。上記材料は純テルル化物とすることもできる。この場合、p=q=r=0である。テルルはまた、部分的に又は完全に、セレン、硫黄、又は少量のハロゲンと置き換えることもできる。好ましくは、0≦p≦0.2であり、更に好ましくは0≦p≦0.05である。また、好ましくは、0≦q≦0.2であり、更に好ましくは0≦q≦0.05である。より好ましくはp=q=r=0である。
nは、少なくとも1の整数である。nは、好ましくは<10、更に好ましくは<5の数値である。特に、nは、1又は2の数値である。
本発明に従って、スズの割合は、0.05<a<1である。好ましくは、0.1≦a≦0.9、更に好ましくは、0.15≦a≦0.8である。特に、0.2≦a≦0.75である。
異なる追加的な元素A1〜Anのそれぞれは、1 ppm≦x1...xn≦0.05である。x1...xnの合計は、好ましくは、0.0005〜0.1であり、更に好ましくは、0.001〜0.08である。個々の数値も同様に、好ましくは、0.0005〜0.1であり、更に好ましくは0.001〜0.08である。
好ましい化合物の例として、一般式(I)において、a=0.2〜0.75、x1...xnの合計が0.001〜0.08、及びnは1又は2の数値を有し、p=q=r=0であり、z=±0.01の化合物が挙げられる。従って、その化合物はSn、Pb及びTeを含む。
ドーパントA1...Anは、所望によりLi、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Y、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Cr、Mn、Fe、Cu、Ag、Au、Ga、In、Tl、Ge、Sb、Biからなる元素群から選択することができる。A1...Anは、更に好ましくは、Li、Na、K、Mg、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Mn、Ag、Ga、In、Geからなる元素群から選択される。特に、A1...AnはAg、Mn、Na、Ti、Zr、Ge、Hfからなる元素群から選択される。
本発明によると、温度が上昇してもp−導電性からn−導電性に切り替わらないp−導電性系が得られることが特に好ましい。
本発明の材料のため、ゼーベック係数は、例えば、p−導電性系のために70〜202 μV/Kの範囲で測定された。電気伝導率は、例えば、1000〜5350 S/cmであった。例として計算された力率(power factor)は、18〜54 μW/K2cmであった。
通常、本発明の材料は、特定の元素成分又はそれらの合金の混合物の反応性粉砕(reactive grinding)、又は好ましくは共溶融(co-melting)及び反応によって製造される。一般に、反応性粉砕、又は好ましくは共溶融の反応時間は、少なくとも1時間であることが有利であると認められている。
共溶融及び反応は、好ましくは少なくとも1時間、更に好ましくは少なくとも6時間、特に少なくとも10時間を超える時間で行われる。溶融工程は開始混合物の混合の有無にかかわらず達成することができる。開始混合物を混合する際、この目的のために適切な装置は、混合物の均質性を確保するため、特に回転式(rotary)又は可傾式(tilting)オーブンである。
混合無しで行われると、通常、均質な材料を得るためにより長い時間が必要とされる。混合して行われると、混合物の均質化はより早い段階で達成される。
開始材料の追加的な混合をしない場合、溶融時間は、通常2〜50時間、特に30〜50時間である。
通常、共溶融は、混合物の少なくとも1成分がすでに溶融している温度で行われる。一般に、溶融温度は、少なくとも800 ℃、好ましくは、少なくとも950 ℃である。典型的には溶融温度は、800〜1100 ℃、好ましくは950〜1050 ℃の範囲内の温度である。
溶融混合物の冷却の後に、有利には、通常少なくとも100℃、好ましくは少なくとも200 ℃の、結果として得られる半導体材料の融点より低い温度で、その材料の加熱処理が続いて行われる。典型的にはその温度は、450〜750℃、好ましくは550〜700 ℃である。
加熱処理は、好ましくは少なくとも1時間、更に好ましくは少なくとも2時間、特に少なくとも4時間を超える時間で実施される。典型的には、加熱処理時間は、1〜8時間、好ましくは6〜8時間である。本発明の一実施形態において、加熱処理は結果的に得られる半導体材料の融点より低い、100〜500 ℃の温度で行われる。好ましい温度範囲は、結果的に得られる半導体材料の融点より低い、150〜350℃である。
本発明の熱電材料は、通常、真空のシールされた石英管(quartz tube)中で調製される。関連する成分の混合は、回転式及び/又は可傾式オーブンの使用により確保され得る。反応の完了し、オーブンは冷却される。その後、石英管はオーブンから取り出され、ブロック状で存在する半導体材料が薄片に切り分けられる。それから、これらの薄片は、約1〜5 mmの長さの小片に切り分けられ、熱電モジュールが得られる。
石英管の代わりに、半導体材料に対して不活性な、例えば、タンタル等の、他の材料の管又はアンプルも使用することができる。
管の代わりに、適切な形状の、他の器(ベッセル(vessels))も使用することができる。ベッセル材料として、半導体材料に対して不活性な材料、例えば、グラファイト等の他の材料も使用することができる。半導体材料は、また、例えば、グラファイトるつぼ(graphite crucibles)中で、誘導加熱オーブン(induction oven)による溶融/共溶融によって合成されても良い。
本発明の一実施形態において、冷却された材料は、湿式、乾式又はその他の適切な方式、適切な温度で、粉砕されても良く、これにより、慣習に従って10μm未満の粒子サイズで、本発明の半導体材料が得られる。その後、その粉砕された本発明の材料は、押出加熱又は冷却、又は好ましくは圧縮加熱又は冷却され、所望の形状を有する成形品(moldings)に加工される。この方法で加圧された成形品の密度は、加圧していない状態の粗材料の密度として、好ましくは50%より大きく、更に好ましくは80%より大きくあるべきである。本発明の材料の圧密(compaction)を改良する化合物が、粉末の本発明の材料を基準として、好ましくは0.1〜5容量%、更に好ましくは0.2〜2容量%の量で添加されても良い。本発明に添加される添加物は、好ましくは、半導体材料に対して不活性であり、且つ好ましくは、本発明の材料の焼結温度以下の温度に加熱する間に、必要に応じて、不活性条件下で及び/又は減圧条件下で、本発明の材料から放出されるべきである。加圧工程後、加圧された部品は、好ましくは焼結炉に入れられ、好ましくは最高でその融点以下20℃の温度まで加熱される。
加圧された部品は、通常少なくとも100℃、好ましくは少なくとも200℃の温度で、結果的に得られる半導体材料の融点より低い温度で焼結される。焼結温度は、通常350〜750℃、好ましくは600〜700℃である。放電プラズマ焼結(spark plasma sintering)(SPS)、又はマイクロ波焼結を実施することもできる。
焼結は、好ましくは少なくとも0.5時間、更に好ましくは少なくとも1時間、特に少なくとも2時間を越える時間で行われる。典型的には、焼結時間は0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間である。本発明の一実施形態において、焼結は、結果的に得られる半導体材料の溶融温度より低い、100〜600℃の温度で行われる。好ましい温度範囲は、結果的に得られる半導体材料の融点より低い、150〜350℃である。焼結は、好ましくは、例えば水素下等の還元性雰囲気(reducing atmosphere)、又はアルゴン等の保護ガス雰囲気(protective gas atmosphere)中で行われる。
このようにして加圧された部品は、好ましくはそれらの理論かさ密度の95〜100%に焼結される。
全体として、本発明に従う、本製造方法の好ましい実施形態として、以下の工程:
(1)特定の元素成分又はそれらの合金と、少なくとも4元素又は3元素の化合物との混合物を共溶融する工程、
(2)工程(1)で得られた材料を粉砕する工程、
(3)工程(2)で得られた材料を加圧又は押出して成形する工程、及び
(4)工程(3)で得られた成形品を焼結する工程、
を含む方法を挙げることができる。
本発明は、本発明に従う製造方法により、得られうる又は得られる、即ち製造される半導体材料にも関する。
本発明は更に、上記の半導体材料、及び上記の製造方法により得られる半導体材料の熱電発電装置又はペルチェ配置としての使用方法を提供する。
本発明は更に、上記の半導体材料及び/又は上記の製造方法により得られる半導体材料を含む熱電発電装置又はペルチェ配置を提供する。
本発明は更に、直列につながれた熱電的に活性なレッグ(legs)が上記の熱電材料の薄層とともに使用される熱電発電装置又はペルチェ配置の製造方法が提供される。
本発明の半導体材料は、当業者に公知で、例えばWO98/44562、US5,448,109、EP−A−1 102 334、又はUS5,439,528に記載されている方法と併用することで熱電発電装置又はペルチェ配置を形成することができる。
本発明の熱電発電装置又はペルチェ配置は、通常、熱電発電装置及びペルチェ配置の利用可能な範囲を拡大する。熱電発電装置又はペルチェ配置の化学組成を変えることによって、多数の可能性のある用途における種々の要求を満たす様々なシステムを提供することができる。従って、本発明の熱電発電装置又はペルチェ配置は、これらのシステムの用途を拡大する。
本発明はまた、本発明の熱電発電装置、又は本発明のペルチェ配置の、
・ヒートポンプとして、
・シーティング家具(seating furniture)、車両、及び建築物の環境制御用(climate control)に、
・冷蔵庫及び(洗濯物)乾燥機中に、
・例えば、
−吸収、
−乾燥、
−結晶化、
−蒸発、
−蒸留等の物質分離工程における、同時に起こる流れの加熱及び冷却用に、
・例えば、
−太陽エネルギー
−地熱
−化石燃料の燃焼の熱
−車両及び固定機器の廃熱源
−生物学的熱源等の熱源利用による発電装置として
・電子部品の冷却用に、
・例えば、自動車、暖房装置又は発電所において、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する発電装置として、使用する方法にも関する。
本発明は更に、少なくとも1種の本発明の熱電発電装置又は1種の本発明のペルチェ配置を含む、ヒートポンプ、冷却装置、冷蔵庫、(洗濯物)乾燥機、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する発電装置、又は熱源利用による発電装置に関する。
本発明は、以下に記載された実施例を参照にして、詳細に説明される。
以下の組成物の材料は、常に元素又はテルル化元素から合成した。使用される材料の純度は、常に≧99.99%であった。反応用物質を、内径10mmの清潔な石英アンプル中に、いずれの場合も適切な化学量論比で秤量した。試料の量はいずれの場合も20gであった。アンプルを真空にし、溶融により封かんした。続いて、アンプルをオーブン中で500Kh-1以下の加熱速度で1050℃に加熱し、その温度で8時間維持した。この期間中、アンプルの内容物をオーブンの傾斜運動により連続的に混合した。反応時間後、アンプルを立位で、100Kh-1以下の冷却速度で、600℃に冷却し、その材料をこの温度で24時間加熱処理した。その後、その材料を室温に冷却した。
試料は常に、密に詰まっており(compact)、銀色のレギュラス(silvery reguli)であり、それをアンプルから取り出し、約1.5mmの厚さの切片にダイヤモンドワイヤーソーで切断した。電気伝導率及びゼーベック係数をこれらの切片で測定した。
ゼーベック係数は分析用の材料を、熱接点及び冷接点(熱接点は300℃の温度を有しており、冷接点は室温に維持されている)に置くことによって測定した。熱接点及び冷接点間の特定の温度差で電圧を測定することにより、それぞれの場合に報告されたゼーベック係数を得た。電気伝導率は、室温で4点測定法(four-point measurement)により測定した。
以下の表1は、異なる組成物における、ゼーベック係数S、電気伝導率σ、及びそれらから計算される力率S2σを示す。
Figure 2011514666
更に、300℃以下のゼーベック係数の温度分解測定(temperature-resolved measurements)を行い、図1に示した。個々のゼーベック係数を、温度に対してプロットする。上記測定により、高Sn材料は調査された温度範囲内でp−導電性型からn−導電性型への切り替えが少しも生じないことが認められる。ここでは、個々の試料の切片を分析した。手順は、冷側と熱側の温度を小さい間隔(ΔT<2)に下げてバランスを取り、このようにして、平均温度((Tcold+Thot)/2)でのゼーベック係数を測定した。
比較を目的として、高い鉛含有量のテルル化鉛を調整し、ゼーベック係数の温度依存性を測定した。図2は、異なる材料による対応する結果を示す。個々のゼーベック係数を、温度に対してプロットする。上記測定により、非常に高い鉛含有量の材料では、温度が上昇するとp−導電性からn−導電性への切り替えが生じることが認められる。従って、この系では、温度安定性に関する要求を満たしておらず、ゼーベック係数は、温度に応じて、非常に低い値を有する。図2において、p−Lはp−導電性を意味し、n−Lはn−導電性を示す。

Claims (10)

  1. 一般式(I)
    SnaPb1-a(x1+...+xn)1 x1...An xn(Te1-p-q-rSepqr1+z (I)
    [但し、式中、
    0.05<a<1、
    n≧1(但し、nはSn及びPbとは異なる化学元素の数である)、
    いずれの場合も独立して、
    1 ppm≦x1...xn≦0.05、
    1...Anは互いに異なり、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Y、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Cr、Mn、Fe、Cu、Ag、Au、Ga、In、Tl、Ge、Sb、Biからなる群から選択され、
    Xは、F、Cl、Br又はIであり、
    p+q+r≦1、及びa+x1+...+xn≦1の条件において
    0≦p≦1、
    0≦q≦1、
    0≦r≦0.01、
    −0.01≦z≦0.01である]
    で表される化合物を含むことを特徴とするp−又はn−導電性の半導体材料。
  2. 前記一般式(I)中、A1...Anが、互いに異なり、Li、Na、K、Mg、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Mn、Ag、Ga、In、Geからなる元素群から選択される請求項1に記載の半導体材料。
  3. 前記一般式(I)中、nが1又は2の数値を有し、p=q=r=0である請求項1又は2に記載の半導体材料。
  4. 前記一般式(I)中、0.1≦a≦0.9、及び/又はx1...xnの合計が0.0005〜0.1である請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体材料。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体材料を製造する方法であって、
    特定の元素成分又はそれらの合金の混合物を反応性粉砕、又は共溶融することにより材料を製造する工程を含む製造方法。
  6. 前記共溶融が、誘導加熱オーブン中で行われる請求項5に記載の製造方法。
  7. 以下の工程:
    (1)特定の元素成分又はそれらの合金と、少なくとも4元素又は3元素の化合物との混合物を共溶融する工程、
    (2)工程(1)で得られた材料を粉砕する工程、
    (3)工程(2)で得られた材料を加圧又は押出して成形する工程、及び
    (4)工程(3)で得られた成形品を焼結する工程、
    を含む請求項5又は6に記載の製造方法。
  8. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体材料を含む熱電発電装置又はペルチェ配置。
  9. 請求項8に記載の熱電発電装置又はペルチェ配置を、ヒートポンプとして、シーティング家具、車両、及び建築物の環境制御用に、冷蔵庫及び(洗濯物)乾燥機中に、物質分離工程における、同時に起こる流れの加熱及び冷却用に、熱源利用による発電装置として、又は電子部品の冷却用に使用する方法。
  10. 請求項8に記載の熱電発電装置又はペルチェ配置を少なくとも1種含むヒートポンプ、冷却機、冷蔵庫、(洗濯物)乾燥機、熱源利用による発電機、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機。
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