JP2011513362A - ブラシノステロイドのシグナル伝達阻害剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、植物の処理のための、植物の成長を増大させるための、式(I)












(式中、Xは、F、Cl、Br、またはIであり;Rは、CH、C、C、C、C、C、またはCであり;Rは、H、CH、C、C、またはCであり;RおよびRは、それぞれ、X、OHまたはNHである)を有する化合物に関する。

Description

本発明は、ブラシノステロイドのシグナル伝達阻害剤に関する。
ブラシノステロイドは、細胞の増殖および分裂、花粉管伸長、維管束組織発達、老化およびストレス反応の調節を含めた多くの過程に関与する植物ステロイドホルモンである。ブラシノステロイドは、ステロール前駆体から形成される。ブラシノステロイド生合成に関与する多くの酵素は、dwf1、cbb1、dwf4、cpd、det2、およびstel/dwf7等のシロイヌナズナの突然変異体の分析によって特定された。近年、トマトdx突然変異の分析によって、ブラシノステロイド生合成の最後のステップである、最も活性の高いブラシノステロイドであるブラシノライドへのカスタステロンの転換に関与する酵素が特定された。2個のシロイヌナズナの相同体は、候補遺伝子アプローチによって特定できた。これらの酵素およびDWF4およびCPDは、シトクロムP450モノオキシゲナーゼのファミリーに属する。
ブラシライドは、動物ステロイド受容体と異なり、細胞膜に局在している、受容体キナーゼBRI1およびその共受容体BAK1によって認識される。シグナルは、未知の機構によって核に伝達され、ブラシノステロイドのシグナル伝達に関与するGSK−3/Shaggy様キナーゼ:BIN2/UCU1、ASKι、ASKζ、ASKθを制御する(VertおよびChory,2006:非特許文献1)。これらのキナーゼリン酸化転写因子は、配列SXXXSの8個の隣接した繰り返しからなる保存モチーフでBES1/BZR1ファミリーに属する。したがって、これらの転写因子の活性は、それらの非リン酸化変異体のみDNAに結合することができ、遺伝子発現を制御することができるため、阻害される。脱リン酸化は、核タンパク質ホスファターゼBSU1およびその相同体のBSL1〜3によって促進される。さらに、14−3−3タンパク質は、リン酸化されたBZR1およびBES1に結合し、それらの細胞質への再局在化を促進する。
ブラシノステロイドの合成およびシグナル伝達に関与する多くの酵素は既知であるが、利用できる阻害剤は非常に少ない。第1の既知の選択性ブラシノステロイド合成阻害剤は、KM−01である(Kimら,1998:非特許文献2)。低い効果のため、該阻害剤の利用は非常に限定されていた。ジベレリン酸生合成阻害剤であるウニコナゾールは、ブラシナゾール(Minら,1999:非特許文献3)およびBrz2001(Sekimataら,2001:非特許文献4)の進展をもたらすブラシノステロイド生合成に非常に小さな阻害効果を有した。同様に、他のブラシノステロイド阻害剤は、プロピコナゾールの修飾によって特定された(Sekimataら、2002:非特許文献5)。ブラシナゾールの作用の標的は、シトクロムP450モノオキシゲナーゼDWF4のヘム鉄である。ブラシナゾールは、ブラシノステロイドの合成および効果の研究に広く用いられている。さらに、ブラシナゾールは、この化合物に反応しない突然変異体を単離するための遺伝子選別に使用された。これによって、転写因子BZR1が特定された。
4−[(5−ブロモ−2−ピリジニル)アミノ]−4−オキソブタン酸は、2−アミノ−5−ブロモピリジンとコハク酸のモノアミドである。ピリジン環の5位の臭素およびカルボン酸基は、その活性にとって重要な特徴として認識された。近年、4−[(5−ブロモ−2−ピリジニル)アミノ]−4−オキソブタン酸は、化学遺伝学アプローチによってブラシノステロイドのシグナル伝達阻害剤として同定された。4−[(5−ブロモ−2−ピリジニル)アミノ]−4−オキソブタン酸は、ほとんどのGSK−3/Shaggy様キナーゼを阻害することによって植物において構成的なブラシノステロイド反応を誘導する非ステロイド化合物である。シロイヌナズナは、4群に細分できる10個のASK(シロイヌナズナGSK−3/Shaggy様キナーゼ)を有する。群Iのキナーゼ(ASKα、ASKγおよびASKε)および群IIのキナーゼ(BIN2、ASKζおよびASKι)は、4−[(5−ブロモ−2−ピリジニル)アミノ]−4−オキソブタン酸に対して最も感受性が高い。群IIIのキナーゼASKθは中程度に阻害されるが、第2の群IIIのキナーゼであるASKβは阻害されない。群IVのキナーゼであるASKδも、4−[(5−ブロモ−2−ピリジニル)アミノ]−4−オキソブタン酸に対して非感受性である。この特異性の理由は未知である。
ブタン酸、4−[(5−ブロモ−2−ピリジニル)アミノ]−4−オキソ−メチルエステルは、CAS登録番号697231−46−2を有する。Burduleneら(非特許文献6)は、とりわけ、ビキニンを生成する2−アミノ−5−ブロモピリジンの無水コハク酸との反応について説明している。特許文献1は、植物の成長を促進するN−置換アミノ酸を開示している。
Asamiら(非特許文献7)は、農薬科学における小分子に関する一般知識を報告している。Ostaszewskiら(非特許文献8)は、一および二置換のピリジンアミドエステルの分子配座に関する研究を開示している。Romeら(非特許文献9)は、置換ピリジン4−オンに関して報告しており、特許文献2は、非ステロイドブラシノステロイド模倣体を開示している。
英国特許第1162727号明細書 国際公開2008/049729号パンフレット
Vert et al., Nature 441 (2006), 96-100 Kim et al., Bioorg Med Chem 6 (1998), 1975-1982 Min et al., Bioorg Med Chem Lett 9 (1999), 425-430 Sekimata et al., Planta 213 (2001), 716-721 Sekimata et al., J Agric Food Chem 50 (2002), 3486-3490 Burdulene et al., Pharm. Chem. J., 30 (1996): 680-682 Asami et al., Chapter 19 in "Pesticide Chemistry", (2007), WILEY-VCH Ostaszewski et al., J. Molec. Struct., 474(1999) : 197-206 Roma et al., Bioo. Med. Chem., 8 (2000): 751-768
本発明の目的は、4−[(5−ブロモ−2−ピリジニル)アミノ]−4−オキソブタン酸に類似した、ブラシノステロイドのシグナル伝達の更なる阻害剤を提供することである。好ましくは、新規の阻害剤の生体内の阻害活性は、4−[(5−ブロモ−2−ピリジニル)アミノ]−4−オキソブタン酸の阻害活性よりも高い。
したがって、本発明は、式(I)

(式中、Xは、F、Cl、Br、またはIであり、
は、CH、C、C、C、C、C、またはCであり、
は、H、CH、C、C、またはCであり、
およびRは、独立して、X、OHまたはNHである)
の化合物を植物の処理のために、特に、植物の成長を増大させるために、収穫量を増加させるために、および/またはストレスに対する抵抗性を与えるために使用する方法を提供する。
が、プロピル残基(すなわち、化合物がプロピル−エステルである)、である化合物において、C、C、又はCは、外側のC原子を介して(n−プロピル)または中央のC原子を介して(i−プロピル)カルボニルにO原子を越えて結合していてもよい。
本発明は、任意選択的にハロゲン、OHまたはNHで置換した、低分子脂肪族アルコールとの4−[(5−ブロモ−2−ピリジニル)アミノ]−4−オキソブタン酸のエステル改変体を提供する。本発明に従う4−[(5−ブロモ−2−ピリジニル)アミノ]−4−オキソブタン酸のこれらのエステル改変体(R1=H)のメンバーは、植物投与(取扱い及び植物または植物細胞による生体内での取り込み)に関して改良した物理化学特性を有する。この群の少なくともいくつかのメンバーは、驚くべきことに、4−[(5−ブロモ−2−ピリジニル)アミノ]−4−オキソブタン酸と比較して、ブラシノステロイドのシグナル伝達に関与するキナーゼに対する生体内での(すなわち、植物または植物細胞への投与の過程において)向上した阻害活性を示すことが示されたことを本発明によって示すことができる。
特に、式(II)

を有する化合物、すなわち、4−[(5−ヨードピリド−2−イル)アミノ]−4−オキソブタン酸メチルエステルは、4−[(5−ブロモ−2−ピリジニル)アミノ]−4−オキソブタン酸と比較して生体内において大きく改善した効果を示した。また、式(II)のClおよびBr改変体も、特に好ましい。他の好ましい化合物は、式(I)のエチル化した形であり、すなわち、RがCであり、RがHである化合物である。このエチル化した形において、I−、Br−およびCl−化合物が好ましい。
本発明に従う化合物は、例えば、植物の成長、生物的および/もしくは非生物的ストレスへの抵抗性または収穫量を増進させるための植物技術において用いることができるブラシノステロイド模倣体である。本発明を用いて、バイオマス収量を増加させることができる。
本発明の他の態様は、有効量の式(I)または(II)に従う化合物を含む、植物の成長および/または収穫量を増進させる組成物に関する。「有効量」は、実験室規模の設定を現場処理に応用することによって、当業者によって容易に調節できる。本発明に従う化合物は、それぞれの分野における状況によって適切に有効な濃度で用いることができる。適切な濃度は、低〜中程度のμmol/lの範囲、例えば、1〜500μmol/l、好ましくは5〜100μmol/lである。本発明に従う化合物は、植物技術および農業において適切および許容できる有機溶媒、好ましくはDMSOまたはエタノールに溶解し、水または、緩衝液および/もしくは植物成長促進化合物および/もしくは植物保護剤の水溶液で所定の濃度に希釈する。
本発明によると、本発明に従う組成物は、植物の処理に適用される。特に好ましい実施形態によると、式(I)または(II)に従う化合物は、除草剤として用いられる。植物の成長を促進するための使用は、1〜10マイクロMの濃度範囲またはそれ未満において通常達成されるが、除草剤としての使用を、好ましくは、50マイクロMまたはそれより多い、例えば、50〜500マイクロMの濃度で行う。
また、本発明は、2−アミノ−5−ヨード−ピリジンを、ハロゲン化メチルスクシニル、好ましくはメチルスクシニルクロリドと反応させる、式(II)に従う化合物の製造方法にも関する。2−アミノ−5−ヨード−ピリジンを、第3級アミン、好ましくはトリエチルアミンも(好ましくは、2−アミノ−5−ヨード−ピリジンと比較してモル過剰(特に10〜40%)で)含有する適切な溶媒、好ましくはテトラヒドロフランに溶解させる。その後、ハロゲン化メチルスクシニル(好ましくは、2−アミノ−5−ヨード−ピリジンと同じ溶媒中の)を加え(好ましくは、少ないモル過剰(特に2〜10%)で)、温度が50℃を越えて、好ましくは45℃を越えて、特に40℃を越えて上がらないようにする。反応物を、その後、さらに5〜60分間、20〜40℃、特に室温(25℃)で撹拌してもよい。その後水を加え、pHを、6.5未満、特に約6に下げる(好ましくは、塩酸を加えることによって)。次に、生成物を、適切な抽出溶媒、例えばジエチルエーテルで抽出し、洗浄する(例えば、1%酢酸等の希釈した弱酸で)。残留する水を、減圧下でエーテルを蒸発させる前に、無水硫酸ナトリウム等の吸湿性物質で除去する。再結晶は、例えば、95%エタノールまたはトルエンから行うことができ、ほぼ白色の生成物を得ることができる。
また、本発明は、式(III)

に従う化合物を製造し、その後エステル化またはアルキル化して、式(II)に従う化合物(XはIであり、RはHである)を得る方法にも関する。本発明に従うこの方法は、2−アミノ−5−ヨード−ピリジンを無水コハク酸と反応させて、式(III)を有する化合物を得ることを特徴とする。この化合物のカルボキシル基を、その後、エステル化またはアルキル化して、式(II)を有する化合物を得ることができる。
より詳細には、式(III)に従う化合物を製造するには、2−アミノ−5−ヨード−ピリジンを、適切な溶媒、好ましくはテトラヒドロフランに溶解させる。その後、無水コハク酸(好ましくは、2−アミノ−5−ヨード−ピリジンと同じ溶媒中の)を加え(好ましくは、2−アミノ−5−ヨード−ピリジンと比較してモル過剰(特に10〜40%過剰)で)、混合物を、望ましい程度まで反応を行うのに適切な時間、好ましくは30分〜5時間、より好ましくは1〜4時間、特に2時間還流する。粗生成物を、反応物を例えば4℃に数時間(例えば1〜10時間)冷却することによって得てもよい。粗生成物を、例えば95%エタノールから再結晶してもよい。
式(III)に従う遊離酸を、その後、ハロゲン化メチル、硫酸ジメチルもしくはジアゾメタンを用いてアルキル化するか、または、CH−OHでエステル化して、式(II)に従う物質を得てもよい。
本発明の好ましい実施形態において、2−アミノ−5−ヨード−ピリジンを、メチルスクシニルクロリドと反応させる。
本発明を、さらに、以下の実施例および図面によって説明する。
図1は、いくつかのピリジルアミノ誘導体が生体外でASKを阻害することを示す図である。GST−ASK融合タンパク質を、基質としてMBPを、補助基質としてγ−[32P]−ATPを用いて、異なる誘導体(表1に対応する番号)の非存在下(−)または存在下でインキュベートした。化合物1〜9(左パネル)は、脂肪族側鎖において異なる。複素環の窒素の位置の影響を、化合物3〜11(中央パネル;示した分子構造は化合物11を示す)を用いて試験した。右のパネルは、ピリジン環のハロゲン置換の効果を示す。化合物を、10μMの濃度で用いた。タンパク質を、SDS−PAGEによって分離し、取り込まれた放射性リン酸をストレージ・フォスファー・イメージャー・スクリーン(storage phosphor imager screen)で検出した。 図2は、化合物15が、最も高い効力を示すことを示す図である。GST−BIN2を、MBPおよびγ−[32P]−ATPで、10μMの濃度の化合物3、14および15の非存在下または存在下でインキュベートした。タンパク質をSDS−PAGEによって分離し、MBPのリン酸化をホスホ・イメージャー・スクリーン(phospho imager screen)で定量化した。残留する活性を、対照の%で表す。平均および標準偏差を4個の独立したアッセイから計算した。 図3は、ブラシノステロイド突然変異体の表現型への影響を示す図である。ブラシノステロイド合成変異体cpdおよびシグナル伝達変異体bril−1の7日齢の苗を、1μMエピブラシノライド(Epi−BL)または30μMの濃度の化合物10および15を含む1/2MS培地に移動させ、長日条件下で7日間インキュベートした。すべての写真は同じ倍率で撮影した。バーは1mmを示す。 図4は、化合物10および15が、生体内での強力な阻害剤であることを示す図である。シロイヌナズナのプロトプラストを、BZR1−CFPおよびMycタグを付けたASKζの発現コンストラクトで同時形質転換し、化合物10および15の濃度を上昇させて処理した。BES1−CFPおよびASKζ−Mycを、それぞれポリクローナル抗GFP抗体およびモノクローナル抗Myc抗体を用いてウエスタンブロット分析によって検出した。クマシーR250染色を、負荷対照として示す。ASKζキナーゼ活性に依存して、BZR1−CFPが、リン酸化または非リン酸化形態において観察できる(矢印で示す)。このタンパク質の翻訳後修飾を示す2つのASKζ−Mycバンドの比は、阻害剤の投与によって影響されなかった。 図5は、エステル化化合物が、植物体においてすばやく加水分解されることを示す図である。シロイヌナズナの苗に、50μMの化合物10を含む1/2MS培地を染みこませた。対照のサンプルを、染みこませる前に取り(A)、HPLCで分析した。化合物10の生体内変換生成物(Pの印を付す)を15分後に観察することができた(B)。化合物10、15、および17(それぞれC10、C15およびC17とラベル付けした)の混合物のクロマトグラムを比較のために示す(C)。クロマトグラム内に入れた小さい囲みは、220〜360nmの範囲におけるピークのUVスペクトルを示す。mAU、すなわちミリ吸収単位は、250nmで記録した。 図6は、メチル化が、組織透過性を増加させることを示す図である。シロイヌナズナの苗を、1/2MS培地中の化合物10および15の50μM溶液においてインキュベートした。示した時間の後にサンプルを取り、化合物15の原位置での値をHPLCによって分析した。直線は化合物10でインキュベートした植物についての結果を示し、点線は化合物15についての結果を示す。平均および標準偏差は、独立した3個のアッセイから計算した。
脂肪族側鎖の長さおよび立体配置に加えて、複素環の窒素の位置の重要性を、4−[(5−ブロモ−2−ピリジニル)アミノ]−4−オキソブタン酸と類似の構造を有する多くの誘導体を合成し、2〜6個の炭素原子の間で脂肪族側鎖の長さを変化させることによって解明した。さらに、その立体構造を、二重結合を誘起することによって変化させた。より高活性な阻害剤を得るため、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードの置換基をピリジン環の5位に有する誘導体を調製した。合成した化合物を生体外および生体内で試験した。さらに、選択した化合物の細胞透過性を決定した。
材料および方法
化学物質
化合物の合成に用いた化学物質は、フルカ(Fluka)社(ブックス,スイス)またはアルドリッチ(Aldrich)社(シュタインハイム,ドイツ)から購入した。HPLCおよびTLCの溶媒は、ロス(Roth)社(カールスルーエ,ドイツ)から購入した。
合成
反応化合物および生成物の収率を表1に記載する。
方法A:15mlのテトラヒドロフラン(無水フタル酸については10ml)に溶解した25mMのジカルボン酸溶液を、還流冷却器を備えた丸底フラスコに入れ、10mlのテトラヒドロフランに溶解した20mMのアミンを加えた。混合物を2時間還流した。反応の最後に生成物の結晶化を開始した。結晶化を、数時間4℃に冷却することによって完了させた。粗生成物を吸引濾過し、フタル酸誘導体以外は95%エタノールから再結晶化し、フタル酸誘導体は80%アセトニトリルから再結晶した。
方法B:30mlのテトラヒドロフランに溶解した20mMの2−アミノ−5−ニトロピリジンの溶液を丸底フラスコに入れ、25mMの固体の無水コハク酸を加えた。還流冷却器をフラスコに取り付け、混合物を2時間穏やかに沸騰するように加熱した。その後、反応混合物を数日間−20℃に冷却した。粗生成物を吸引濾過し、熱水から再結晶化した。
方法C:20mMのアミンを、40mlのテトラヒドロフランおよび3.5mlの(25mM)トリエチルアミンの混合物に溶解し、還流冷却器、滴下漏斗および温度計を備えた三首丸底フラスコに入れた。反応混合物を磁性撹拌によって撹拌した。10mlのテトラヒドロフランに溶解した21mMの酸塩化物の溶液を、滴下漏斗を通して、温度が40℃を越えて上昇しない速度でゆっくり加えた。塩化物を完全に加えた後、反応物をさらに15分間室温で撹拌した。その後、混合物を200mlの冷水に加え、希釈塩酸を用いてpHを6とした。生成物を、各回50mlのジエチルエーテルで3回抽出し、合わせたエーテル抽出物を50mlの1%酢酸で洗浄した。残りの水を、減圧下でエーテルを蒸発させる前に無水硫酸ナトリウムで除去した。黄色がかった残留物を95%エタノール(クロロ誘導体)またはトルエン(ヨード誘導体)から再結晶化して、ほぼ白色の生成物を得た。
方法D:21mMの酸塩化物を10mlのテトラヒドロフランに溶解し、方法Cに記載した20mMの2−アミノ−5−クロロピリジン、3.5mlの(25mM)トリエチルアミンおよび40mlのテトラヒドロフランの混合物に加えた。混合物を、15分間撹拌した後、濾過してトリエチルアミン塩酸塩を除去した。固体を10mlのテトラヒドロフランで洗浄し、合わせた濾液を減圧下で蒸発させた。オキサリル誘導体の場合、残留物を90mlの95%熱エタノールに溶解し、溶液をまだ熱いうちに濾過した。混合物を撹拌し、10mlの水に溶解した40mMのKOHを、温度が40℃を越えて上昇しないような速度で加えた。反応を、さらに10分間撹拌することによって完了させた。生成物は、吸引で収集した白色カリウム塩として分離した。沈殿物を100ml(ヨード誘導体:250ml)の熱水に溶解し、濾過した。塩酸を熱い濾液にpH2となるまで加えた。生成物を、4℃で一晩のインキュベーションにおいて遊離酸として分離した。生成物を、さらに95%エタノールから再結晶化することによって精製した。
マロニルおよびアジポイル誘導体の場合、残留物を200mlのMeOHに溶解し濾過した。溶液を、還流冷却器、滴下漏斗および温度計を備えた三首丸底フラスコに入れ、50℃に加熱した。混合物を撹拌する間、40mlの水に溶解した40mMのKOHを滴下漏斗を通してすばやく加え、温度を50℃に維持した。反応を、同じ温度でさらに10分間撹拌することによって完了させた。余剰のKOHを、10mlの水に溶解した40mMのNHClを加えることによって中和した。ほとんどの溶媒を、減圧下で除去し、残留物を水(約200ml)に溶解し濾過した。ギ酸を透明な濾液にpH3になるまで加えた。生成物を、4℃で一晩のインキュベーションにおいて白色結晶として分離した。マロニルおよびアジポイル誘導体を、それぞれ95%または50%のエタノールからの再結晶化によって精製した。
合成化合物の純度分析
薄層クロマトグラフィー(thin layer chromatography,TLC):化合物をエタノールに溶解し、silica gel 60 F254 pre−coated sheet(メルク(Merck)社,ダルムシュタット,ドイツ)上にスポットした。プレートを、酢酸エチル/石油エーテル/酢酸/水=100/60/1/1の混合物で展開させた。蛍光消失が、短波長UV(254nm)でプレートを照射することによって観察した。いくつかの化合物は、中波長UV(302nm)下で観察された自己蛍光を示した。
高性能液体クロマトグラフィー(high performance liquid chromatogarphy,HPLC):HPLCシステムは、Dionex P680ポンプ、ASI−1自動サンプラーおよびPDA−100フォトダイオードアレイ検出器を有するものであった。このシステムは、Valco 2μmインラインフィルターの前にMacherey−Nagel 250mm×4mm Nucleosil 100−5 C18カラムを備えていた。1ml/分の一定流速を、溶媒A(20mM酢酸をNaOHでpH4.8に設定した15%アセトニトリル溶液)および溶媒B(20mM酢酸をNaOHでpH4.8に設定した60%アセトニトリル溶液)の勾配で維持した。溶出は、1分間の溶媒Aの定組成流で始めた。その後、溶媒Bの濃度を19分で100%に直線的に上昇させ、さらに2分間定組成を維持した後、1分以内に0%に減少させた。カラムを、次のサンプルを注入する前に溶媒Aで5分間平衡化した。UVスペクトルを220〜400nmで1nm間隔で記録した。定量化のため、10nmのバンド幅を有する250nmでの吸光度を用いた。
pK値の決定
50〜100mgの化合物の重量を測定し、50mlの50%(v/v)メタノールに溶解した。標準溶液として50mMのNaOHを用いた滴定曲線を、グライジンガー・エレクトロニクス社の(Greisinger electronics)GPHR1400A pHメーターを用いて記録した。当量点を、差の商(ΔpH/ΔVNaOH)によって決定し、pKを50%中和での滴定曲線から読み取った。
生体外および生体内でのキナーゼ分析
ASKを、大腸菌BL21におけるGST融合タンパク質として表した。生体外でのキナーゼアッセイは、50ngのGST融合タンパク質、基質として10μgのミエリン塩基性タンパク質(MBP;シグマ社,セントルイス,ミズーリ州)、および補助基質として0.15MBqのγ−[32P]−ATPを25℃で30分間インキュベートすることによって行った。反応緩衝液は、20mMのHEPES pH7.4、15mMのMgCl、5mM EGTAおよび1mMのDTTから構成されていた。最初の実験のため、コールドのATPを最高3μMの濃度でインキュベートした。反応生成物を、SDS−PAGEによって分離し、MBPに入った放射能量を、アマシャム(Amersham)社のストレージ・フォスファー・イメージャー・スクリーンおよびバイオラッド(Biorad)社のMolecular Imager FXを用いて定量化した。生体内のキナーゼ活性を、基質としてBZR1−CFPを用いてリン酸化のバンドシフトによって検出した。
生理学的試験
シロイヌナズナのCo10またはbril−1の苗を、成長キャンバにおいて1%スクロースを含む1/2MSプレート上で生体外で長日条件下(16時間の50μE・m−2・s−1による明期、8時間の暗期)で7日間成長させた。その後、異なる濃度の阻害剤を追加したプレートに移動し、表現型への影響を7日後に観察した。
植物の抽出物のHPLC−分析
2週齢のシロイヌナズナのCo10の苗に、以前説明したように(Rozhonら、2005)、1/2MSまたは100μMの化合物10を含む1/2MSを真空で染みこませた。15分後および48時間後にサンプルを取り、水で洗って、液体窒素中で砕いて微粉にした。100mgの粉末を反応管に量りとり、1mlの抽出緩衝液(20%のアセトニトリルに溶解した20mM TRIS/HCl pH6.8)を加えた。30分間、800rpmに設定したシェーカーにおいてのインキュベーション後、混合物を遠心分離し、上澄みを0.2μmのフィルターを通して濾過した。抽出物を、上述と同じ設定でのHPLCによって分析した。
細胞透過性分析
2週齢のシロイヌナズナのCo10の苗を、50μMの阻害剤を含む1/2MS培地に移動した。表示の時点後にサンプルを除去し、水で洗い、濾紙で乾燥して液体窒素にて凍結した。分析のため、植物材料を液体窒素で予め冷却した乳鉢で砕いて微粉にした。約100mgの粉末を1.5mlの反応管に量り取り、1mlの20mM TRIS/HCl pH9.0を加えた。化合物4の200μMのストックの50μlを内部標準として加えた。抽出を、800rpmに設定したエッペンドルフ社のサーモミキサーにおいて80℃で30分間行った。抽出物を、5分間、15,000gで遠心分離し、透明な上澄みを収集した。透明な溶液を、25μlの4Mリン酸を加えることによって酸性にし、2分間、15,000gで遠心分離した。上澄みを、1mlのアセトニトリルおよび2回の1mlの100mMのリン酸で条件設定したPH100mg固相抽出カートリッジ(バリアン(Varian)社,レイクフォレスト,カリフォルニア州)上にすぐに負荷した。カラムを1mlの100mMリン酸で洗浄し、1分間真空にすることによって乾燥した。その後、溶出を5%のアセトニトリルを含む1mlの100mM TRIS/HCl pH9.0で行った。溶出液を、15μlの4Mリン酸を加えることによって酸性にし、上述したようにHPLCに用いた。
結果
合成
4−[(5−ブロモ−2−ピリジニル)アミノ]−4−オキソブタン酸および他の誘導体を、置換アミノピリジンおよび環状カルボン酸無水物またはジカルボン酸モノメチルエステルの塩化物からアミドを形成することによって調製した(表1)。最後の場合、その後、必要があればメチル基をアルカリ加水分解によって除去した。純度をTLCおよびHPLCによって確認した。1個のスポットのみを展開したTLCプレート上で観察することができ、所望の化合物のピークは、HPLCクロマトグラムにおけるすべてのピークの全面積の少なくとも95%を示した。
生体外でのASKの阻害
4−[(5−ブロモ−2−ピリジニル)アミノ]−4−オキソブタン酸は、群Iおよび群IIのASKの強力な阻害剤である。群IIIのASKであるASKθは、中程度に阻害される。このクラスの第2キナーゼであるASKβおよび群IVのキナーゼASKδは阻害されない。すべての群の代表例を、大腸菌における組み換えGST融合タンパク質として表した。選択したASK上の合成化合物の効力を、基質としてMBP(ミエリン塩基性タンパク質)および補助基質としてγ−[32P]−ATPを用いて生体外でのキナーゼアッセイによってアッセイした(図1)。
化合物1〜5を合成して、脂肪族側鎖の長さの変化の効果を調べた。最も活性の高い化合物であるno.3は、4個の炭素からなる鎖を有していた(図1)。グルタリル(no.4;5個の炭素)およびアジポイル(no.5;4個の炭素)の誘導体は非常に低い効力を有していたが、より短い誘導体(no.1および2;それぞれ2個または3個の炭素)は、ほとんど効果がなかった。二重結合を最適な長さの側鎖に導入すると、完全に効力をなくした(図1、化合物6)。これは、立体配置が非常に重要であることを示す。脂肪族鎖のカルボキシル基が活性に重要であるかどうか、またはオキソ基が十分であるかどうかを試験するため、それぞれ、化合物3および15のメチル化改変体である化合物9および10を含めた。さらに、化合物3の構造異性体である化合物8を試験した。図1において示すように、メチル化改変体は、阻害効果を非常に小さくし、末端カルボキシル基が重要であることを確認した。
最適な側鎖を特定すべく、複素環をより詳細に調べた。化合物3および11は、共にアミドスクシニル側鎖を有するが、複素環の窒素の位置において異なる。生体外でのキナーゼアッセイは、化合物3がより強力であることを明らかにし(図1)、複素環の窒素は、アミドのコハク酸の置換基を持つ位置の隣でなければならないことを示した。これまでのデータは、ピリジン環の5位の臭素置換基が、4−[(5−ブロモ−2−ピリジニル)アミノ]−4−オキソブタン酸の生物活性に重要であることを示した。他の置換基の効果を試験するため、化合物12〜16を合成した。図1に示すように、クロロ誘導体、ブロモ誘導体および特にヨード誘導体は、非常に活性が高かった。この効力の順は、BIN2の残留キナーゼ活性の定量化によって確認できた(図2)。逆に、フルオロ化合物は非常に低い効力を示し、未置換およびニトロ誘導体は不活性であった。
すべての試験した化合物は、ASKに対して類似した特異性を有していた。活性誘導体は、ASKα、BIN2、ASKζを強く阻害したが、ASKθは中程度にしか阻害されなかった。ASKβおよびASKδへの試験物質の効果はごくわずかであった。
生体内でのASKの阻害
ASK活性の下方制御は、ブラシノステロイドのシグナル伝達において重要である。ASKは、それぞれ、ブラシノステロイド生合成またはシグナル伝達において欠陥があるcpdおよびbril−1変異体において構成的に活性である。これは、暗緑色の下向きに巻かれた葉および短縮された胚軸を有する重度に矮化した植物をもたらすものである。エピ−ブラシノライド、合成ブラシノステロイドを与えるとcpdを救うがbril−1を救わず、4−[(5−ブロモ−2−ピリジニル)アミノ]−4−オキソブタン酸は両方の変異体を救う。生体内での効力をスクリーニングするため、cpdおよびbril−1変異体を、4−[(5−ブロモ−2−ピリジニル)アミノ]−4−オキソブタン酸誘導体を30μMの濃度で含む培地に移動した。活性化合物で処理した苗は、広がった葉、胚軸の長さの増加を示し、明るい緑色であった。表現型を助けるための効力は、生体外分析の結果と関連していた。しかしながら、興味深いことに、化合物10は、生体内では高い活性を有するが、生体外ではほんの少しの効力を示した(図3)。
この予想外の結果のために、生体内でのASK活性への阻害剤の効果を、直接的な方法によって分析した。いくつかのASKは、転写因子BZR1、BES1およびBEH2を生体内でリン酸化することが示されている。これによって、これらの転写因子の電気泳動の移動度のシフトをもたらし、該シフトによって生体内でのキナーゼ活性を検出することが可能となる。シロイヌナズナのプロトプラストを、CFPタグを付したBZR1およびMycタグを付したASKζのコンストラクトで同時形質転換した。これらの2つのタンパク質を、プロトプラスト系においてよく発現することから選択した。形質転換したプロトプラストを、異なる濃度の化合物10および15並びにBZR1−CFP並びにASKζ−Mycでインキュベートし、その後、ウエスタンブロッティングによって分析した。表現型試験に従って、エステル化した化合物10は、その遊離酸の対応するもの15と同様に高い活性を有していた(図4)。同様の結果が対の3および9についても得られた。
3つの矛盾する結果を調べるため、化合物10の生体内での運命を調べた。苗に化合物10を染みこませ、植物抽出物をその後HPLCによって分析した。微量の化合物10のみ観察できたが、Pで示した新規のピークが現れた(図5Aおよび5B)。このピークは、10.7分の保持時間および252および292nmでの吸収最大を有するUVスペクトルによって化合物15と特定できた(図5Aおよび5B)。したがって、化合物10は生体内で安定でないが、非常に高い活性の10に迅速に変換され、化合物10の生体外および生体内での異なる効力を説明するものであった。同様の結果が対の3および9について得られた。
組織透過性
物質の細胞透過性は、その生体内での効力に影響を与える重要な特性である。化合物10および15の植物による取り込みを、これらの化合物の溶液での苗の処理およびその後の内在した阻害剤の濃度の定量化によって決定した(図6)。化合物10は迅速に15に変換されるため、15の原位置での濃度のみを測定した。両方の化合物の原位置での濃度は最初の3時間で増加し、その後水平状態に達した。重要なのは、植物内部の濃度が培地の濃度を超過したことに注目することである。50μMが培地に存在したが、化合物15の場合は約90μMの原位置での濃度が測定でき、化合物10を与えた場合は最高190μMであった。したがって、メチル化した化合物はより高い組織透過性を示し、植物中でより高い濃度に達した。
近年、変異体の分析によってシロイヌナズナにおけるブラシノステロイドのシグナル伝達の理解が著しく発展した。現在、3個のブラシノステロイド受容体および1個の共受容体が知られている。少なくとも4個のASKは、6個のBES1/BZR1様転写因子のリン酸化に関与すると思われ、4個のホスファターゼが、それらを非リン酸化の形態に変換して戻すこと能力がある。これらのタンパク質はすべて阻害剤の可能性のある標的である。変異体と比較して阻害剤の注目すべき利点は、異なる遺伝的な背景および種にすぐに適用できる点である。さらに、単一の変異体は、多くの場合、機能的冗長性のために表現型を示さないか、または弱い表現型を示す。相同タンパク質は多くの場合同じ化合物によって標的とされるため、機能的冗長性は阻害剤の研究によって克服できる。
多くの阻害剤は、ASKのヒトの相同体であるGSK−3αおよびGSK−3βに利用可能である。しかしながら、これらの化合物を植物のGSK−3/Shaggy様キナーゼに用いる試みは成功していなかった。化学遺伝学スクリーンにおいて、4−[(5−ブロモ−2−ピリジニル)アミノ]−4−オキソブタン酸が、近年、ブラシノステロイドのシグナル伝達を特異的に妨げる第1の物質として同定された。遺伝子学的および生化学的アプローチによって、4−[(5−ブロモ−2−ピリジニル)アミノ]4−オキソブタン酸が、ASKの阻害によってブラシノステロイドのシグナル伝達において作用することが明らかとなった。GSK−3/Shaggy様キナーゼは、ホルモンのシグナル伝達の鍵となる制御因子であり、ストレス耐性を調節し、4−[(5−ブロモ−2−ピリジニル)アミノ]−4−オキソブタン酸の作用をより理解することが非常に望ましい。
この問題に対処し、向上した効力を有する阻害剤を特定するため、4−[(5−ブロモ−2−ピリジニル)アミノ]4−オキソブタン酸様の構造を有する多くの化合物を合成し、GSK−3/Shaggy様キナーゼに対するそれらの阻害効力を生体外および生体内で調べた。さらに、植物のこれらの化合物に対する表現型の反応を研究した。まず、カルボキシル基を含む脂肪族側鎖の長さの効果を分析した。予備結果が、クロロ誘導体がブロモ誘導体よりもいくらか強力であると示したため、2−アミノ−5−クロロピリジンを脂肪族側鎖の長さだけ異なる一連の化合物を合成するのに用いた。生体外でのキナーゼ分析によって、これらの化合物の阻害効力が4個の炭素原子の側鎖で最も高くなることが明らかとなった。さらに、立体配置が重要であった。シス二重結合を最適な数である4個の炭素原子から成る側鎖に導入すると、不活性な化合物となった(No.6)。シス二重結合によって、脂肪族鎖が曲げられ、末端カルボキシル基を別の位置に置く。このことおよび異なる側鎖の長さを有する化合物からの結果は、カルボキシル基が、ASKとの相互作用のための複素環についての正確な幾何学的な配置を有さなければならないことを示す。
末端カルボキシル基の重要性に関する証拠は、未置換の側鎖を有する誘導体から最初はもたらされた。しかしながら、これは、まだ水素の相互作用に関与する可能性があるエステル化カルボキシル基が十分であることを除外するものではない。したがって、それぞれ化合物2、3および15のメチル化改変体である化合物8、9および10を用いた。3個すべての物質は、試験したASKに対して生体外で活性をほとんど示さないか、または全く示さず、それによって、末端カルボキシル基は脂肪族鎖状に存在しなければならないことが確認された。メチル基はおそらくエステラーゼによってすばやく切り離されるため、生体内で化合物9および10は活性を有し、したがって、カルボキシル基が再構成された。脂肪族鎖のカルボキシル基は細胞内のpHで荷電するため、ASK、例えば、リジンまたはアルギニンの残基とのイオン性相互作用に関与する可能性がある。その代案として、水素結合に関与する可能性がある。同様に、ピリジン環の窒素も水素結合またはタンパク質とのイオン性相互作用に関与する可能性がある。ピリジン環のベンゼン環による置換によって劇的に阻害効力が減少することが示された。複素環の重要性をより詳細に調べるため、複素環の窒素の位置のみ高い活性の化合物3と異なる化合物11を合成した。生体外での試験によって、11が不活性であり、高い効力の阻害剤を得るためには複素環の窒素がアミドスクシニル側鎖の隣に位置しなければならないことが明らかとなった。興味深いことに、予備のデータが反対の効果を示唆していたが、本発明の結果は、化合物の活性が、ピリジン環の5位でのハロゲン置換基の原子の数とともに増大したことを示した。ヨード誘導体(no.15)は、最も高い活性を有していたが、フルオロ誘導体(no.13)は、最も低い効力を有していた。その疎水性のために、阻害剤のこの構造部分は、キナーゼとのファンデルワールス相互作用に関与する可能性がある。ファンデルワールス力に関して、相互作用する原子間の距離が重要である。距離が増加するとともにファンデルワールス力は急速に減少し、原子がもう一方の原子にかなり近いときのみ有効である。相互作用に最適な距離を表現するファンデルワールス半径は、元素周期表の群内の周期とともに増す。例えば、ファンデルワールス半径は、ヨウ素原子では0.22nmであり、フッ素原子では0.14nmである。その上、ピリジン環の炭素とヨウ素との間の共有結合の長さも他のハロゲンのものよりも長い。したがって、ヨード誘導体の構造は、ASKの疎水ポケットに結合するのに理想的な特性を有する。さらに、化合物の疎水性は、RP−HPLCにおける保持時間の増加によって示したように(表1)、ハロゲン置換基の原子数とともに増大し、さらに疎水性相互作用を増強する。
組織透過性アッセイによって、化合物、特にエステル化した化合物の取り込みが早いことが明らかとなった。興味深いことに、原位置での濃度は、周囲の培地のものを数倍越えていた。これは、化合物のpK値によって説明できる。例えば、誘導体15は、5.8のpKa値を有し、これは、用いた培地のpHであるpH5.8において化合物の50%が解離し、それ故に、負に荷電している一方で50%が非解離であることを意味する。7.4の細胞内のpHで、化合物の3%未満が非解離である。非解離の親油性の形態は生体膜を効率的に通過するので、化合物は細胞において捕捉され、周りの培地の濃度を越える濃度に蓄積する。このpH依存性の取り込みは、pHが駆動する拡散が細胞内への輸送に寄与する、植物ホルモンのオーキシンに類似している。エステル化された化合物、例えばno.10は、pHに独立であり、高い親油性であり、膜を通過することができる。細胞において、該化合物は、親水性アニオンに脱プロトン化する対応する酸に迅速に加水分解される。興味深いことに、化合物10の取り込みの速度は、化合物15のものの約2倍であって、膜を通過して拡散することができる部分に相互に関連することに注目すべきである。化合物10の100%が親油性である一方で、化合物15の50%のみが非解離であり、それ故に十分に親油性である。これによって異なる取り込みの速度が説明できる。一緒に取り込むと、ヨード−4−[(5−ブロモ−2−ピリジニル)アミノ]−4−オキソブタン酸とも呼ぶ化合物15は、生体外で最も効力が高い化合物であり、生体内で高い阻害活性を示した。そのメチル化改変体である、メチルヨード−4−[(5−ブロモ−2−ピリジニル)アミノ]−4−オキソブタン酸(化合物10)は、非常に早い取り込みを示し、したがって、生体内の研究に最適なASK阻害である。いくつかのGSK−3/Shaggy様キナーゼがストレスに応じて迅速に活性化することが知られている。その優れた迅速な細胞透過異性により、メチルヨード−4−[(5−ブロモ−2−ピリジニル)アミノ−4−オキソブタン酸および関連する化合物は、早いストレスのシグナル伝達においてこのキナーゼのファミリーの役割を調べるのに役立つだろう。
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Claims (8)

  1. 式(I)

    (式中、Xは、F、Cl、Br、またはIであり、
    は、CH、C、C、C、C、C、またはCであり、
    は、H、CH、C、C、またはCであり、
    およびRは、独立して、X、OHまたはNHである)を有する化合物を、植物の処理のために、特に、植物の成長を増大させるために、収穫量を増加させるために、および/またはストレスに対する抵抗性を与えるために使用する方法。
  2. はCHであり、RはHであり、XはIであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 式(I)、好ましくは式(II)を有する化合物の有効量を含む、植物の成長および/または収穫量および/またはストレスに対する抵抗性を増大させるための化合物。
  4. 式(II)

    を有する化合物。
  5. 2−アミノ−5−ヨードピリジンをメチルスクシニルクロリドと反応させることを特徴とする請求項4に記載の化合物の製造方法。
  6. 式(III)

    (式中、XはIであり、RはHである)
    を有する化合物の製造方法であって、2−アミノ−5−ヨード−ピリジンを無水コハク酸と反応させることを特徴とする、前記化合物の製造方法。
  7. XはIであり、RはHである式(III)を有する化合物を、ハロゲン化メチル、硫酸ジメチルもしくはジアゾメタンを用いてアルキル化するか、または、CHOHでエステル化する、式(II)を有する化合物の製造方法。
  8. 請求項1又は4に記載の式(I)または(II)を有する化合物を除草剤として使用する方法。
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