JP2011511076A - 治療用ペプチド模倣大環状分子 - Google Patents

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Abstract

本発明は、癌および免疫増殖性疾患などの細胞増殖性障害の治療のための、生物学的に活性なペプチド模倣大環状分子を提供する。
【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2008年2月8日に提出された米国仮出願第61/027,326号および2008年12月5日に提出された米国仮出願第61/120,380号の利益を主張し、これらの出願のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
無秩序な細胞増殖は、癌から免疫増殖性疾患まで及ぶ、幅広い多くの障害に関係している。たとえば、米国だけで、癌は、人口の最大の割合にとっての主要な死因として、心疾患を上回り(Journal of the National Cancer Institute, Vol. 97, No. 5, March 2, 2005, p. 330)、毎年500,000人以上の死亡の一因となる。本分野における数十年間の懸命な研究努力にもかかわらず、細胞増殖性障害の治療は、難題のままである。
外科手術または化学療法などの癌のための治療方法は、有効性、副作用プロファイル、および費用の点からなお制限されている。特に、利用可能な治療オプションの有効性および適用性は、特定のタイプの腫瘍および疾患によって大幅に変わる。したがって、細胞増殖性障害および他の疾患を治療するための組成物および方法の必要性が残っている。
本発明は、この必要性および他の必要性について検討する。本発明は、ある種のペプチド模倣大環状分子(peptidomimetic macrocycle)が、細胞増殖性障害の治療に使用した場合に、予想外の特異性、有効性、および効力を示すという驚くべき発見に基づく組成物および治療の方法を提供する。
一態様において、本発明は、癌の治療を必要とするヒト患者における癌を治療するための方法であって、患者に、ペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含み、癌は、小細胞肺がん、黒色腫、卵巣癌、前立腺癌、腎臓癌、乳癌、膵臓癌、およびPh+急性リンパ性白血病(Ph+ALL)から成る群から選択される方法を提供する。一実施形態において、ペプチド模倣大環状分子は、α−ヘリックスを含む。他の実施形態において、ペプチド模倣大環状分子は、BH3ドメインを含む。ペプチド模倣大環状分子は、たとえばBIMポリペプチドとすることができる。いくつかの場合において、BIMポリペプチドのアミノ酸配列は、アミノ酸配列IWIAQELRIGDFNAYYARRと約60%超同一であり、は、テザーアミノ酸(tethered amino acid)である。あるいは、BIMポリペプチドのアミノ酸配列は、アミノ酸配列IWIAQELRIGDFNAYYARRと約80%超同一であり、は、テザーアミノ酸である。さらに、上述のBIMポリペプチドのアミノ酸配列は、アミノ酸配列IWIAQELRIGDFNAYYARRと約95%超同一であってもよく、は、テザーアミノ酸である。いくつかの実施形態において、癌は、インビトロ細胞生存率アッセイにおいて測定すると、対応する架橋BIDポリペプチドを使用した治療に対する感受性の少なくとも2分の1である。他の実施形態において、癌は、インビトロ細胞生存率アッセイにおいて測定すると、対応する架橋BIDポリペプチドを使用した治療に対する感受性の少なくとも5分の1である。さらに他の実施形態において、癌は、インビトロ細胞生存率アッセイにおいて測定すると、対応する架橋BIDポリペプチドを使用した治療に対する感受性の少なくとも8分の1である。
選択される実施形態において、癌は、乳癌、たとえば、浸潤性腺管がんなどの浸潤性乳がんである。あるいは、癌は、前立腺癌である。他の実施形態において、癌は、卵巣癌である。さらに他の実施形態において、癌は、膵臓癌である。さらなる実施形態において、癌は、腎臓癌である。あるいは、癌は、Ph+急性リンパ性白血病(Ph+ALL)である。
本発明はまた、癌の治療を必要とするヒト患者における癌を治療するための方法であって、患者に、ペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含み、癌は、結腸癌である方法をも提供する。一実施形態において、ペプチド模倣大環状分子は、α−ヘリックスを含む。他の実施形態において、ペプチド模倣大環状分子は、BH3ドメインを含む。ペプチド模倣大環状分子は、たとえばBIDポリペプチドとすることができる。いくつかの場合において、BIDポリペプチドのアミノ酸配列は、配列DIIRNIARHLAVGDNleDRSIと約60%超同一であり、は、テザーアミノ酸であり、Nleは、ノルロイシンである。あるいは、BIDポリペプチドのアミノ酸配列は、配列DIIRNIARHLAVGDNleDRSIと約80%超同一であり、は、テザーアミノ酸であり、Nleは、ノルロイシンである。さらに、上述のBIDポリペプチドのアミノ酸配列は、配列DIIRNIARHLAVGDNleDRSIと約95%超同一であってもよく、は、テザーアミノ酸であり、Nleは、ノルロイシンである。いくつかの実施形態において、癌は、インビトロ細胞生存率アッセイにおいて測定すると、対応する架橋BIMポリペプチドを使用した治療に対する感受性の少なくとも2分の1である。他の実施形態において、癌は、インビトロ細胞生存率アッセイにおいて測定すると、対応する架橋BIMポリペプチドを使用した治療に対する感受性の少なくとも5分の1である。さらに他の実施形態において、癌は、インビトロ細胞生存率アッセイにおいて測定すると、対応する架橋BIMポリペプチドを使用した治療に対する感受性の少なくとも8分の1である。
癌の治療を必要とするヒト患者における癌を治療するための方法であって、患者に、ペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含み、上述のペプチド模倣大環状分子は、上述の癌に由来する細胞株に対してインビトロ細胞生存率アッセイにおいて試験した場合に、約5μMよりも低いEC50を示す方法もまた提供される。いくつかの実施形態において、EC50は、約4μMよりも低くてもよい。他の実施形態において、EC50は、約3μMよりも低くてもよい。さらに他の実施形態において、EC50は、約2μMよりも低くてもよい。さらに他の実施形態において、EC50は、約1μMよりも低くてもよい。いくつかの実施形態において、インビトロアッセイは、血清の存在下で実行される。たとえば、アッセイは、10%ヒト血清中で実行されてもよい。いくつかの態様において、癌は、卵巣癌、皮膚癌、前立腺癌、腎臓癌、乳癌、膵臓癌、小細胞肺癌、結腸癌、多発性骨髄腫、バーキットリンパ腫、T細胞系統またはB細胞系統または混合系統の急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病、および濾胞性リンパ腫から成る群から選択される。
一態様において、本発明は、癌の治療を必要とするヒト患者における癌を治療するための方法であって、患者に、ペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含み、癌は、卵巣癌、前立腺癌、腎臓癌、乳癌、膵臓癌、およびPh+急性リンパ性白血病から成る群から選択される方法を提供する。一実施形態において、ペプチド模倣大環状分子は、α−ヘリックスを含む。他の実施形態において、ペプチド模倣大環状分子は、BH3ドメインを含む。ペプチド模倣大環状分子は、たとえばBIMポリペプチドとすることができる。いくつかの場合において、BIMポリペプチドのアミノ酸配列は、アミノ酸配列IWIAQELRIGDFNAYYARRと約60%超同一であり、は、テザーアミノ酸である。あるいは、BIMポリペプチドのアミノ酸配列は、アミノ酸配列IWIAQELRIGDFNAYYARRと約80%超同一であり、は、テザーアミノ酸である。さらに、上述のBIMポリペプチドのアミノ酸配列は、アミノ酸配列IWIAQELRIGDFNAYYARRと約95%超同一であってもよく、は、テザーアミノ酸である。
いくつかの実施形態において、癌は、結腸癌、小細胞肺癌、肝臓癌、卵巣癌、皮膚癌、前立腺癌、腎臓癌、乳癌、膵臓癌、神経膠腫、多発性骨髄腫、バーキットリンパ腫、T細胞系統またはB細胞系統または混合系統の急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病、および濾胞性リンパ腫から成る群から選択される。一実施形態において、ペプチド模倣大環状分子は、α−ヘリックスを含む。他の実施形態において、ペプチド模倣大環状分子は、BH3ドメインを含む。ペプチド模倣大環状分子は、たとえばBIDポリペプチドとすることができる。いくつかの場合において、BIDポリペプチドのアミノ酸配列は、配列DIIRNIARHLAVGDNleDRSIと約60%超同一であり、は、テザーアミノ酸であり、Nleは、ノルロイシンである。あるいは、BIDポリペプチドのアミノ酸配列は、配列DIIRNIARHLAVGDNleDRSIと約80%超同一であり、は、テザーアミノ酸であり、Nleは、ノルロイシンである。さらに、上述のBIDポリペプチドのアミノ酸配列は、配列DIIRNIARHLAVGDNleDRSIと約95%超同一であってもよく、は、テザーアミノ酸であり、Nleは、ノルロイシンである。
本発明は、障害の治療を必要とするヒト患者における障害を治療するための方法であって、患者に、ペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含み、a)ポリペプチドの2つのアミノ酸残基の間に架橋を導入することによってペプチド模倣大環状分子を調製する工程、b)免疫原性の応答の存在または非存在についてペプチド模倣大環状分子を試験する工程、およびc)上述の免疫原性の応答が実質的な副作用を引き起こさない場合に、患者に、ペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含む方法をさらに提供する。非免疫原性は、マウスなどのげっ歯動物における、非ヒト霊長動物における、またはヒトにおけるインビボアッセイにおける最小の抗体応答として証明されてもよい。ヒト患者に投与される場合、非免疫原性の化合物は、患者において、その免疫原性と関係する実質的な副作用または最小の副作用を誘発しない可能性がある。障害は、たとえば癌、代謝性疾患、心血管疾患、炎症性疾患、または変性疾患であってもよい。一実施形態において、ペプチド模倣大環状分子は、α−ヘリックスを含む。他の実施形態において、ペプチド模倣大環状分子は、BH3ドメインを含む。ペプチド模倣大環状分子は、たとえばBIDポリペプチドとすることができる。いくつかの場合において、BIDポリペプチドのアミノ酸配列は、配列DIIRNIARHLAVGDNleDRSIと約60%超同一であり、は、テザーアミノ酸であり、Nleは、ノルロイシンである。あるいは、BIDポリペプチドのアミノ酸配列は、配列DIIRNIARHLAVGDNleDRSIと約80%超同一であり、は、テザーアミノ酸であり、Nleは、ノルロイシンである。さらに、上述のBIDポリペプチドのアミノ酸配列は、配列DIIRNIARHLAVGDNleDRSIと約95%超同一であってもよく、は、テザーアミノ酸であり、Nleは、ノルロイシンである。ペプチド模倣大環状分子はまた、たとえばBIMポリペプチドであってもよい。いくつかの場合において、BIMポリペプチドのアミノ酸配列は、アミノ酸配列IWIAQELRIGDFNAYYARRと約60%超同一であり、は、テザーアミノ酸である。あるいは、BIMポリペプチドのアミノ酸配列は、アミノ酸配列IWIAQELRIGDFNAYYARRと約80%超同一であり、は、テザーアミノ酸である。さらに、上述のBIMポリペプチドのアミノ酸配列は、アミノ酸配列IWIAQELRIGDFNAYYARRと約95%超同一であってもよく、は、テザーアミノ酸である。
他の態様において、本発明は、免疫増殖性障害の治療を必要とするヒト患者における免疫増殖性障害を治療するための方法であって、患者に、ペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含む方法を提供する。ペプチド模倣大環状分子は、インビトロBrdU取り込みアッセイにおいて、活性化されたhPBL増殖を約5%、10%、20%、30%、40%、または50%超低下させてもよい。免疫増殖性疾患は、たとえばリンパ増殖性障害または自己免疫疾患、たとえば全身性エリテマトーデスであってもよい。ペプチド模倣大環状分子は、たとえばBIDポリペプチドとすることができる。いくつかの場合において、BIDポリペプチドのアミノ酸配列は、配列DIIRNIARHLAVGDNleDRSIと約60%超同一であり、は、テザーアミノ酸であり、Nleは、ノルロイシンである。あるいは、BIDポリペプチドのアミノ酸配列は、配列DIIRNIARHLAVGDNleDRSIと約80%超同一であり、は、テザーアミノ酸であり、Nleは、ノルロイシンである。さらに、上述のBIDポリペプチドのアミノ酸配列は、配列DIIRNIARHLAVGDNleDRSIと約95%超同一であってもよく、は、テザーアミノ酸であり、Nleは、ノルロイシンである。ペプチド模倣大環状分子はまた、たとえばBIMポリペプチドであってもよい。いくつかの場合において、BIMポリペプチドのアミノ酸配列は、アミノ酸配列IWIAQELRIGDFNAYYARRと約60%超同一であり、は、テザーアミノ酸である。あるいは、BIMポリペプチドのアミノ酸配列は、アミノ酸配列IWIAQELRIGDFNAYYARRと約80%超同一であり、は、テザーアミノ酸である。さらに、上述のBIMポリペプチドのアミノ酸配列は、アミノ酸配列IWIAQELRIGDFNAYYARRと約95%超同一であってもよく、は、テザーアミノ酸である。
上記に開示されるペプチド模倣大環状分子のうちのいずれについても、上述のペプチド模倣大環状分子におけるα−炭素原子は、式R−の独立した置換基でさらに置換されてもよく、R−は、非置換もしくはハロ−で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、架橋剤が結合したα−炭素原子は、式R−の置換基でさらに置換される。他の実施形態において、架橋剤が結合していないα−炭素原子は、式R−の置換基でさらに置換される。あるいは、ペプチド模倣大環状分子における2つのα−炭素原子は、式R−の独立した置換基でさらに置換される。いくつかの実施形態において、架橋剤が結合した2つのα−炭素原子は、式R−の独立した置換基でさらに置換される。他の実施形態において、架橋剤が結合していない2つのα−炭素原子は、式R−の独立した置換基でさらに置換される。R−は、たとえばメチル、エチル、プロピル、またはイソプロピルなどのアルキルであってもよい。架橋剤は、2つのα−炭素原子を連結してもよい。いくつかの実施形態において、R−と架橋剤の任意の部分は一緒になって環状構造を形成する。他の実施形態において、架橋剤は、連続した炭素−炭素結合から形成される。さらに他の実施形態において、架橋剤は、約6、7、8、9、10、11、12、または13個の連続した結合を含有する。さらに他の実施形態において、架橋剤は、少なくとも約5、6、7、8、または9個の炭素原子を含む。
癌の治療を必要とするヒト患者における癌を治療するための方法であって、患者に、ペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含み、上述のペプチド模倣大環状分子は、Mcl−1と相互作用する方法もまた提供される。いくつかの実施形態において、ペプチド模倣大環状分子は、Mcl−1と、Bid、Bim、Bax、またはBakなどのプロアポトーシスタンパク質との間の相互作用をアンタゴナイズする。他の実施形態において、本発明のペプチド模倣大環状分子は、ヒト患者における癌を治療するために使用され、癌は、ABT−737またはその類似体に対して抵抗性であり、またはMcl−1に対して1、2、5、もしくは10μM超の親和性を有する化合物に対して抵抗性である。
本発明は、ABT−737抵抗性小細胞肺癌の治療を必要とするヒト患者におけるABT−737抵抗性小細胞肺癌を治療するための方法であって、患者に、ペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含み、ペプチド模倣大環状分子は、BH3ドメインを含む方法をさらに提供する。本発明はまた、前立腺癌の治療を必要とするヒト患者における前立腺癌を治療するための方法であって、患者に、ペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含み、ペプチド模倣大環状分子は、BH3ドメインを含む方法をも提供する。
本明細書において示される治療の方法のうちのいずれにおいても、ペプチド模倣大環状分子は、標準的な医療方法と組み合わせて投与される。標準的な医療方法は、たとえば化学療法であってもよい。あるいは、標準的な医療方法は、放射線療法であってもよい。さらなる実施形態において、標準的な医療方法は、外科手術である。
(文献の引用)
本明細書において言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、各個々の刊行物、特許、または特許出願が、具体的にかつ個々に参照により組み込まれると示されるのと同程度まで、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の新規な特徴を、特に、添付の特許請求の範囲において説明する。本発明の特徴および有利性は、本発明の原理を利用し、図面を伴った例示的実施形態を説明する、以下の詳細な説明を参照することにより、より十分な理解が得られるであろう。
24種の異なる腫瘍細胞系の、20μMのSP−1を用いた処理に対する感受性を示す図である。 7種のヒト白血病/リンパ腫細胞系の、5μMのSP−1またはSP−4のいずれかを用いた処理に対する感受性を示す図である。 12種のヒト固形腫瘍系の、20μMのSP−1またはSP−4のいずれかを用いた処理に対する感受性を示す図である。 さまざまな細胞系に対して試験したSP−1またはSP−4に関するEC50曲線を示す図である。 いくつかの個別の細胞系に対して試験したSP−1、SP−2、SP−3、SP−4、SP−5およびSP−6に関するEC50曲線を記載する図である。 いくつかの個別の細胞系に対して試験したSP−1、SP−2、SP−3、SP−4、SP−5およびSP−6に関するEC50曲線を記載する図である。 いくつかの個別の細胞系に対して試験したSP−1、SP−2、SP−3、SP−4、SP−5およびSP−6に関するEC50曲線を記載する図である。 いくつかの個別の細胞系に対して試験したSP−1、SP−2、SP−3、SP−4、SP−5およびSP−6に関するEC50曲線を記載する図である。 いくつかの個別の細胞系に対して試験したSP−1、SP−2、SP−3、SP−4、SP−5およびSP−6に関するEC50曲線を記載する図である。 いくつかの個別の細胞系に対して試験したSP−1、SP−2、SP−3、SP−4、SP−5およびSP−6に関するEC50曲線を記載する図である。 いくつかの個別の細胞系に対して試験したSP−1、SP−2、SP−3、SP−4、SP−5およびSP−6に関するEC50曲線を記載する図である。 いくつかの個別の細胞系に対して試験したSP−1、SP−2、SP−3、SP−4、SP−5およびSP−6に関するEC50曲線を記載する図である。 いくつかの個別の細胞系に対して試験したSP−1、SP−2、SP−3、SP−4、SP−5およびSP−6に関するEC50曲線を記載する図である。 いくつかの個別の細胞系に対して試験したSP−1、SP−2、SP−3、SP−4、SP−5およびSP−6に関するEC50曲線を記載する図である。 いくつかの個別の細胞系に対して試験したSP−1、SP−2、SP−3、SP−4、SP−5およびSP−6に関するEC50曲線を記載する図である。 SP−1が、静止ヒト末梢血リンパ球(hPBL)のプログラムされた細胞死を誘導しないことを示す図である。 SP−1が、PMA+イオノマイシン+LPS処理により活性化されたhPBLの増殖の遮断において、ラパマイシンと同程度に有効であることを例証する図である。 SP−1が、SEMK2ヒト白血病異種移植片モデルにおいて腫瘍組織量を減少させることを示す図である。 SP−1が、SEMK2ヒト白血病異種移植片モデルにおいて腫瘍組織量を減少させることを示す図である。 SP−1が、げっ歯類において抗体反応を引き起こさないことを示す図である。 SP−1が高度に安定しており、最大64℃までの温度上昇でそのらせん構造を維持していることを例示する図である。 本発明の一連のペプチド模倣大環状分子のヒト血漿中安定性を表す図である。 本発明の一連のペプチド模倣大環状分子のマウス血漿中安定性を表す図である。 ラットにおいて示されるSP−1およびSP−4の薬物動態学的特性を示す図である。 ヒト血清の非存在下での、本発明のペプチド模倣大環状分子によるJurkat腫瘍細胞におけるプログラムされた細胞死の誘導を表し、ABT−737などのBCL−2/BCL−XL特異的アンタゴニストに対する、本発明のBH3ペプチド模倣大環状分子の効力を比較する図である。 10%ヒト血清の存在下での、本発明のペプチド模倣大環状分子によるJurkat腫瘍細胞系におけるプログラムされた細胞死の誘導を表し、ABT−737などのBCL−2/BCL−XL特異的アンタゴニストに対する、本発明のBH3ペプチド模倣大環状分子の効力を比較する図である。 Bcl−X、Bcl−2およびMcl−1に対する、本発明のいくつかのBH3ペプチド模倣大環状分子およびABT−737の結合親和性を比較する図である。 多くの造血器悪性腫瘍に対するペプチド模倣大環状分子の有効性を示す図である。 本発明の組成物による処理に対して感受性である細胞系のさまざまなBcl−2ファミリータンパク質の発現プロファイルを例示する図である。 ABT−737耐性バーキットリンパ腫細胞系であるRajiにおける、ペプチド模倣大環状分子とABT−737との有効性を比較する図である。 さまざまな固形腫瘍細胞系に対する、BH3ペプチド模倣大環状分子の有効性を例示する図である。 ABT−737耐性小細胞肺癌系(NCI-H82)における、本発明のペプチド模倣大環状分子によるプログラムされた細胞死の誘導を表す図である。 本発明の化合物による、NOD−SCIDマウスにおけるSEMK−2腫瘍の進行の抑制を示す図である。 血清の非存在下で処理された卵巣腫瘍細胞系(OVCAR8)における、本発明のペプチド模倣大環状分子によるプログラムされた細胞死の誘導を表す図である。 2%ヒト血清の存在下で処理された卵巣腫瘍細胞系(OVCAR8)における、本発明のペプチド模倣大環状分子によるプログラムされた細胞死の誘導を表す図である。 血清の非存在下で処理された黒色腫細胞系(A375)における、本発明のペプチド模倣大環状分子によるプログラムされた細胞死の誘導を表す図である。 2%ヒト血清の存在下で処理された黒色腫細胞系(A375)における、本発明のペプチド模倣大環状分子によるプログラムされた細胞死の誘導を表す図である。 血清の非存在下で処理された乳腺腫瘍細胞系(MDA-MD-231-Met)における、本発明のペプチド模倣大環状分子によるプログラムされた細胞死の誘導を表す図である。 2%ヒト血清で処理された乳腺腫瘍細胞系(MDA-MD-231-Met)における、本発明のペプチド模倣大環状分子によるプログラムされた細胞死の誘導を表す図である。 血清の非存在下で処理された前立腺腫瘍細胞系(PC3)における、本発明のペプチド模倣大環状分子によるプログラムされた細胞死の誘導を表す図である。 2%ヒト血清で処理された前立腺腫瘍細胞系(PC3)における、本発明のペプチド模倣大環状分子によるプログラムされた細胞死の誘導を表す図である。 血清の非存在下で処理された小細胞肺癌細胞系(NCI-H-82)における、本発明のペプチド模倣大環状分子によるプログラムされた細胞死の誘導を表す図である。 本発明のペプチド模倣大環状分子に対して感受性である癌における、さまざまなBCL−ファミリータンパク質の可変発現(variable expression)を示すウェスタンブロットを表す図である。 前立腺癌の同所性異種移植片モデルにおけるマウス処理の時系列を表す図である。 前立腺癌の同所性異種移植片モデルにおける、本発明のペプチド模倣大環状分子の有効性を表す図である。 血清の非存在下で処理されたT−細胞白血病細胞系(Jurkat)における、本発明のペプチド模倣大環状分子によるプログラムされた細胞死の誘導を表す図である。 血清の非存在下で処理された混合系統T/B−細胞白血病細胞系(SEMK2)における、本発明のペプチド模倣大環状分子によるプログラムされた細胞死の誘導を表す図である。 血清の非存在下で処理されたT細胞白血病細胞系(MOLT-4)における、本発明のペプチド模倣大環状分子によるプログラムされた細胞死の誘導を表す図である。 血清の非存在下で処理されたびまん性大細胞型B細胞リンパ腫細胞系(DHL-6)における、本発明のペプチド模倣大環状分子によるプログラムされた細胞死の誘導を表す図である。 血清の非存在下で処理された混合系統T/B細胞白血病細胞系(RS4;11)における、本発明のペプチド模倣大環状分子によるプログラムされた細胞死の誘導を表す図である。 血清の非存在下で処理されたバーキットリンパ腫細胞系(Raji)における、本発明のペプチド模倣大環状分子によるプログラムされた細胞死の誘導を表す図である。 血清の非存在下で処理された多発性骨髄腫細胞系(MM1S)における、本発明のペプチド模倣大環状分子によるプログラムされた細胞死の誘導を表す図である。 処理された動物における腫瘍組織量の減少により測定した、SEMK2白血病同所性異種移植片モデルにおける、本発明のペプチド模倣大環状分子の有効性を表す図である。 処理された動物における腫瘍組織量の減少により測定した、SEMK2白血病同所性異種移植片モデルにおける、本発明のペプチド模倣大環状分子の有効性を表す図である。 処理された動物における生存率の増加により測定した、SEMK2白血病同所性異種移植片モデルにおける、本発明のペプチド模倣大環状分子の有効性を表す図である。 ステープルSP−4ペプチドを用いた免疫沈降により実証された、多発性骨髄腫(MM1S)細胞溶解物における、プロアポトーシス標的タンパク質BAXに対する本発明のペプチド模倣大環状分子の配列特異的結合および構造特異的結合の図である。
本明細書において使用される、用語「治療する(treating)」および「治療する(to treat)」は、症状を軽減する、一時的なもしくは持続性の方式で因果関係を排除する、または症状の出現を予防するもしくは遅らせることを意味する。用語「治療」は、任意の状態と関連する症状および障害の軽減、それらの因果関係の排除(一時的なもしくは持続性の)、またはそれらの予防を含む。治療は、前治療および症状の発症時の治療であってもよい。
用語「標準的な医療方法」は、特定の徴候に対する標準的な医療の一部となる、任意の治療方法もしくは診断方法、化合物、または診療を指す。「標準的な医療」は、臨床医が、ある種のタイプの患者、病気、または臨床状況について従うべき任意の診断プロセスまたは治療プロセスについて、医療提供者または国立研究所もしくは地方研究所などの任意の権威者によって確立されてもよい。様々なタイプの癌に対する例示的な標準的な医療方法は、たとえばNational Cancer Instituteによって提供される。
本明細書において使用される、用語「細胞増殖性障害」は、癌、過剰増殖性障害、新生物障害、免疫増殖性障害、および他の障害を包含する。「細胞増殖性障害」は、自律的増殖能、すなわち、急速に増殖する細胞増殖によって特徴付けられる異常な状況または状態を有する細胞に関する。過剰増殖性疾患および新生物疾患の状況は、病的なもの、すなわち、疾患状況を特徴付けているまたは構成しているものとして分類することができ、または非病的なもの、すなわち、標準から逸脱しているが、疾患状況を伴わないものとして分類することができる。この用語は、組織病理学的タイプまたは侵襲性のステージに関係なく、すべてのタイプの癌増殖または発癌過程、転移組織または悪性形質転換した細胞、組織、もしくは器官を含むことを意味する。転移性腫瘍は、乳房、肺、肝臓、結腸および卵巣の起源の腫瘍を含むがこれらに限定されない、多数の原発性腫瘍型から生じる可能性がある。「病的過剰増殖性」細胞は、悪性腫瘍増殖および免疫増殖性疾患によって特徴付けられる疾患状況において発生する。非病的な過剰増殖性細胞の例は、創傷回復に伴う細胞の増殖を含む。細胞増殖性障害および/または分化性障害の例は、癌、たとえば癌腫、肉腫、または転移性障害を含む。
細胞株および関連する癌の間の関係についての文脈における用語「〜に由来する」は、細胞株が、特定の広範囲の種類の癌における任意の癌から確立されてもよいことを示す。
本明細書において使用される、用語「大環状分子」は、少なくとも9個の共有結合原子によって形成されるリングまたは環を含む化学構造を有する分子を指す。
本明細書において使用される、用語「ペプチド模倣大環状分子」、「架橋ポリペプチド」、または「ステープルペプチド(stapled peptide)」は、複数のペプチド結合ならびに同じ分子内の第1の天然に存在し、または天然に存在しないアミノ酸残基(または類似体)および第2の天然に存在し、または天然に存在しないアミノ酸残基(または類似体)の間で大環状分子を形成する少なくとも1つの大環状分子形成リンカーによって結合された複数のアミノ酸残基を含む化合物を指す。ペプチド模倣大環状分子は、大環状分子形成リンカーが、第1のアミノ酸残基(または類似体)のα炭素を第2のアミノ酸残基(または類似体)のα炭素に連結する実施形態を含む。ペプチド模倣大環状分子は、場合により、1つまたは複数のアミノ酸残基および/またはアミノ酸類似体残基の間に1つまたは複数の非ペプチド結合を含み、場合により、1つまたは複数の天然に存在しないアミノ酸残基またはアミノ酸類似体残基を、大環状分子を形成する任意のものに加えて、含む。
本明細書において使用される、用語「安定性」は、円二色性、NMR、または他の生物物理学的手段によって測定される、本発明のペプチド模倣大環状分子によって溶液中で規定される二次構造の維持またはインビトロもしくはインビボにおけるタンパク質分解性の分解に対する抵抗性を指す。本発明において企図される二次構造の非限定的な例は、α−ヘリックス、β−ターン、およびβ−プリーツシートである。
本明細書において使用される、用語「ヘリックス安定性」は、円二色性またはNMRによって測定される、本発明のペプチド模倣大環状分子によるαヘリックス構造の維持を指す。たとえば、いくつかの実施形態において、本発明のペプチド模倣大環状分子は、対応する非架橋ポリペプチドと比較して、円二色性によって決定されるα−らせん度において、少なくとも1.25、1.5、1.75、または2倍の増加を示す。
用語「α−アミノ酸」または単に「アミノ酸」は、α−炭素と呼ばれる炭素に結合したアミノ基およびカルボキシル基の両方を含有する分子を指す。適したアミノ酸は、限定を伴うことなく、天然に存在するアミノ酸のDおよびL−異性体の両方ならびに有機合成または他の代謝経路によって調製される天然に存在しないアミノ酸を含む。文脈が具体的に示さない限り、本明細書において使用されるアミノ酸という用語は、アミノ酸類似体を含むように意図される。
用語「天然に存在するアミノ酸」は、自然界において合成されるペプチドにおいて一般に見つけられ、一文字の略語、A、R、N、C、D、Q、E、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、およびVによって知られている20個のアミノ酸のうちのいずれか1つを指す。
用語、「アミノ酸類似体」または「非天然アミノ酸」は、アミノ酸に構造的に類似しており、ペプチド模倣大環状分子の形成においてアミノ酸の代わりに用いることができる分子を指す。アミノ基およびカルボキシル基の間に1つもしくは複数の追加のメチレン基を包含すること(たとえばα−アミノβ−カルボキシ酸)または同様の反応性の基によってアミノ基もしくはカルボキシ基が置換されること(たとえば第二級もしくは第三級アミンとの第一級アミンの置換またはエステルとのカルボキシ基の置換)を除いて、アミノ酸類似体は、限定を伴うことなく、本明細書において規定されるアミノ酸と構造的に同一である化合物を含む。
「非必須」アミノ酸残基は、その必須の生物学的または生化学的活性(たとえば受容体結合または活性化)を消失し、または実質的に改変することなく、ポリペプチドの野生型配列から改変することができる残基である(たとえばBH3ドメインまたはp53 MDM2結合ドメイン)。「必須」アミノ酸残基は、ポリペプチドの野生型配列から改変された場合に、結果として、ポリペプチドの必須の生物学的または生化学的活性を消失し、または実質的に消失することになる残基である。
「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が、類似した側鎖を有するアミノ酸残基と交換される置換である。類似した側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当技術分野において規定されている。これらのファミリーは、塩基性側鎖(たとえばK、R、H)、酸性側鎖(たとえばD、E)、非電荷極性側鎖(たとえばG、N、Q、S、T、Y、C)、非極性側鎖(たとえばA、V、L、I、P、F、M、W)、ベータ分岐側鎖(たとえばT、V、I)、および芳香族側鎖(たとえばY、F、W、H)を有するアミノ酸を含む。したがって、BH3ポリペプチドにおける、予測される非必須アミノ酸残基は、たとえば、同じ側鎖ファミリーからの他のアミノ酸残基と好ましくは交換される。許容できる置換の他の例は、等配電子の考慮(たとえばメチオニンに対するノルロイシン)または他の特性(たとえばフェニルアラニンに対する2−チエニルアラニン)に基づく置換である。
大環状分子または大環状分子形成リンカーと組み合わせて本明細書において使用される用語「メンバー」は、大環状分子を形成し、または形成することができる原子を指し、置換基または側鎖の原子を除外する。類推によって、シクロデカン、1,2−ジフルオロ−デカン、および1,3−ジメチルシクロデカンはすべて、水素またはフルオロ置換基またはメチル側鎖が大環状分子の形成に参加しないので、10員の大環状分子と考えられる。
記号
は、分子構造の一部として使用される場合、単結合またはトランスもしくはシス二重結合を指す。
用語「アミノ酸側鎖」は、アミノ酸におけるα−炭素に結合した部分を指す。たとえば、アラニンについてのアミノ酸側鎖は、メチルであり、フェニルアラニンについてのアミノ酸側鎖は、フェニルメチルであり、システインについてのアミノ酸側鎖は、チオメチルであり、アスパラギン酸についてのアミノ酸側鎖は、カルボキシメチルであり、チロシンについてのアミノ酸側鎖は、4−ヒドロキシフェニルメチルであるなどである。他の天然に存在しないアミノ酸側鎖、自然界において生じるもの(たとえばアミノ酸代謝物)または合成的に作製されるもの(たとえばα,α二置換アミノ酸)もまた含まれる。
用語「α,α二置換アミノ」酸は、2つの天然または非天然アミノ酸側鎖に結合した炭素(α−炭素)に結合したアミノ基およびカルボキシル基の両方を含有する分子または部分を指す。
用語「ポリペプチド」は、共有結合(たとえばアミド結合)によって結合した、2個またはそれ以上の天然に存在し、または天然に存在しないアミノ酸を包含する。本明細書において記載されるポリペプチドは、完全長タンパク質(たとえば完全に処理されたタンパク質)およびより短いアミノ酸配列(たとえば天然に存在するタンパク質の断片または合成ポリペプチド断片)を含む。
本明細書において使用される用語「大環状分子化試薬」または「大環状分子形成試薬」は、2つの反応基の間の反応を媒介することによって本発明のペプチド模倣大環状分子を調製するために使用されてもよい任意の試薬を指す。反応基は、たとえばアジ化物およびアルキンであってもよく、この場合には、大環状分子化試薬は、限定を伴うことなく、CuBr、CuI、またはCuOTfなどの反応性Cu(I)種およびアスコルビン酸またはアスコルビン酸ナトリウムなどの還元剤の追加によってin situにおいて活性Cu(I)試薬に変換することができる、Cu(COCH、CuSO、およびCuClなどのCu(II)塩を提供する試薬などのCu試薬を含む。大環状分子化試薬は、たとえば、CpRuCl(PPh、[CpRuCl]、または反応性Ru(II)種を提供する可能性がある他のRu試薬などの、当技術分野において知られているRu試薬をさらに含んでいてもよい。他の場合において、反応基は、末端のオレフィンである。そのような実施形態において、大環状分子化試薬または大環状分子形成試薬は、第VIII族遷移金属カルベン触媒などの、安定した後遷移金属カルベン錯体触媒を含むが、これらに限定されないメタセシス触媒である。たとえば、そのような触媒は、+2酸化状態を有し、16の電子数を有し、かつ五配位のRuおよびOs金属中心である。追加の触媒は、Grubbsら、「Ring Closing Metathesis and Related Processes in Organic Synthesis」Acc.Chem.Res.1995、28、446〜452頁および米国特許第5,811,515号において開示される。さらに他の場合において、反応基は、チオール基である。そのような実施形態において、大環状分子化試薬は、たとえばハロゲン基などの2つのチオール反応性基で官能性を持たせられたリンカーである。
用語「ハロ」または「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、もしくはヨウ素またはその基を指す。
用語「アルキル」は、示された数の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖である炭化水素鎖を指す。たとえば、C〜C10は、基が、その中に1〜10個(両端を含む)の炭素原子を有することを示す。任意の数の指示がない場合、「アルキル」は、その中に1〜20個(両端を含む)の炭素原子を有する鎖(直鎖または分岐)である。
用語「アルキレン」は、二価アルキル(つまり−R−)を指す。
用語「アルケニル」は、1つまたは複数の炭素−炭素二重結合を有する直鎖または分岐鎖である炭化水素鎖を指す。アルケニル部分は、示された数の炭素原子を含有する。たとえば、C〜C10は、基が、その中に2〜10個(両端を含む)の炭素原子を有することを示す。用語「低級アルケニル」は、C〜Cアルケニル鎖を指す。任意の数の指示がない場合、「アルケニル」は、その中に2〜20個(両端を含む)の炭素原子を有する鎖(直鎖または分岐)である。
用語「アルキニル」は、1つまたは複数の炭素−炭素三重結合を有する直鎖または分岐鎖である炭化水素鎖を指す。アルキニル部分は、示された数の炭素原子を含有する。たとえば、C〜C10は、基が、その中に2〜10個(両端を含む)の炭素原子を有することを示す。用語「低級アルキニル」は、C〜Cアルキニル鎖を指す。任意の数の指示がない場合、「アルキニル」は、その中に2〜20個(両端を含む)の炭素原子を有する鎖(直鎖または分岐)である。
用語「アリール」は、六炭素単環式または十炭素二環式芳香族環系を指し、各リングの0、1、2、3、または4個の原子は、置換基によって置換される。アリール基の例は、フェニル、ナフチルなどを含む。用語「アリールアルキル」または用語「アラルキル」は、アリールで置換されたアルキルを指す。用語「アリールアルコキシ(arylalkoxy)」は、アリールで置換されたアルコキシを指す。
「アリールアルキル」は、上記に規定されるアリール基であって、アリール基の水素原子のうちの1つは、上記に規定されるC〜Cアルキル基と交換されているものを指す。アリールアルキル基の代表的な例は、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2−エチルフェニル、3−エチルフェニル、4−エチルフェニル、2−プロピルフェニル、3−プロピルフェニル、4−プロピルフェニル、2−ブチルフェニル、3−ブチルフェニル、4−ブチルフェニル、2−ペンチルフェニル、3−ペンチルフェニル、4−ペンチルフェニル、2−イソプロピルフェニル、3−イソプロピルフェニル、4−イソプロピルフェニル、2−イソブチルフェニル、3−イソブチルフェニル、4−イソブチルフェニル、2−sec−ブチルフェニル、3−sec−ブチルフェニル、4−sec−ブチルフェニル、2−t−ブチルフェニル、3−t−ブチルフェニル、および4−t−ブチルフェニルを含むが、これらに限定されない。
「アリールアミド」は、上記に規定されるアリール基であって、アリール基の水素原子のうちの1つは、1つまたは複数の−C(O)NH基と交換されているものを指す。アリールアミド基の代表的な例は、2−C(O)NH2−フェニル、3−C(O)NH−フェニル、4−C(O)NH−フェニル、2−C(O)NH−ピリジル、3−C(O)NH−ピリジル、および4−C(O)NH−ピリジルを含む。
「アルキルヘテロ環」は、上記に規定されるC〜Cアルキル基であって、C〜Cアルキル基の水素原子のうちの1つは、ヘテロ環と交換されているものを指す。アルキルヘテロ環基の代表的な例は、−CHCH−モルホリン、−CHCH−ピペリジン、−CHCHCH−モルホリン、および−CHCHCH−イミダゾールを含むが、これらに限定されない。
「アルキルアミド」は、上記に規定されるC〜Cアルキル基であって、C〜Cアルキル基の水素原子のうちの1つは、−C(O)NH基と交換されているものを指す。アルキルアミド基の代表的な例は、−CH−C(O)NH、−CHCH−C(O)NH、−CHCHCHC(O)NH、−CHCHCHCHC(O)NH、−CHCHCHCHCHC(O)NH、−CHCH(C(O)NH)CH、−CHCH(C(O)NH)CHCH、−CH(C(O)NH)CHCH、−C(CHCHC(O)NH、−CH−CH−NH−C(O)−CH、−CH−CH−NH−C(O)−CH−CH3、および−CH−CH−NH−C(O)−CH=CHを含むが、これらに限定されない。
「アルカノール」は、上記に規定されるC〜Cアルキル基であって、C〜Cアルキル基の水素原子のうちの1つは、ヒドロキシル基と交換されているものを指す。アルカノール基の代表的な例は、−CHOH、−CHCHOH、−CHCHCHOH、−CHCHCHCHOH、−CHCHCHCHCHOH、−CHCH(OH)CH、−CHCH(OH)CHCH、−CH(OH)CH、および−C(CHCHOHを含むが、これらに限定されない。
「アルキルカルボキシ」は、上記に規定されるC〜Cアルキル基であって、C〜Cアルキル基の水素原子のうちの1つは、−−COOH基と交換されているものを指す。アルキルカルボキシ基の代表的な例は、−CHCOOH、−CHCHCOOH、−CHCHCHCOOH、−CHCHCHCHCOOH、−CHCH(COOH)CH、−CHCHCHCHCHCOOH、−CHCH(COOH)CHCH、−CH(COOH)CHCH、および−C(CHCHCOOHを含むが、これらに限定されない。
本明細書において用いられる用語「シクロアルキル」は、3〜12個の炭素、好ましくは3〜8個の炭素、およびより好ましくは3〜6個の炭素を有する飽和環式炭化水素基および部分的に不飽和の環式炭化水素基を含み、シクロアルキル基は、場合によりさらに置換される。いくつかのシクロアルキル基は、限定を伴うことなく、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルを含む。
用語「ヘテロアリール」は、単環式である場合、1〜3個のヘテロ原子、二環式である場合、1〜6個のヘテロ原子、または三環式である場合、1〜9個のヘテロ原子を有する芳香族の5〜8員の単環式、8〜12員の二環式、または11〜14員の三環式環系を指し、上述のヘテロ原子は、O、N、またはSから選択され(たとえば炭素原子と、単環式、二環式、または三環式である場合、それぞれ、1〜3、1〜6、または1〜9個のO、N、またはSのヘテロ原子)、各リングの0、1、2、3、または4個の原子は、置換基によって置換される。ヘテロアリール基の例は、ピリジル、フリル、またはフラニル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、ピリミジニル、チオフェニル、またはチエニル、キノリニル、インドリル、チアゾリルなどを含む。
用語「ヘテロアリールアルキル」または用語「ヘテロアラルキル」は、ヘテロアリールで置換されたアルキルを指す。用語「ヘテロアリールアルコキシ」は、ヘテロアリールで置換されたアルコキシを指す。
用語「ヘテロアリールアルキル」または用語「ヘテロアラルキル」は、ヘテロアリールで置換されたアルキルを指す。用語「ヘテロアリールアルコキシ」は、ヘテロアリールで置換されたアルコキシを指す。
用語「ヘテロシクリル」は、単環式である場合、1〜3個のヘテロ原子、二環式である場合、1〜6個のヘテロ原子、または三環式である場合、1〜9個のヘテロ原子を有する非芳香族の5〜8員の単環式、8〜12員の二環式、または11〜14員の三環式環系を指し、上述のヘテロ原子は、O、N、またはSから選択され(たとえば炭素原子と、単環式、二環式、または三環式である場合、それぞれ、1〜3、1〜6、または1〜9個のO、N、またはSのヘテロ原子)、各リングの0、1、2、または3個の原子は、置換基によって置換される。ヘテロシクリル基の例は、ピペラジニル、ピロリジニル、ジオキサニル(dioxanyl)、モルフォリニル、テトラヒドロフラニルなどを含む。
用語「置換基」は、任意の分子、化合物、または部分上の水素原子などの第2の原子または基を交換する基を指す。適した置換基は、限定を伴うことなく、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、アルキルアリール(alkaryl)、アリール、アラルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルコキシカルボニル、アミド、カルボキシ、アルカンスルホニル、アルキルカルボニル、およびシアノ基を含む。
いくつかの実施形態において、本発明の化合物は、1つまたは複数の不斉中心を含有し、したがってラセミ化合物およびラセミ混合物、単一の鏡像異性体、個々のジアステレオマー、ならびにジアステレオマー混合物として生じる。これらの化合物のすべてのそのような異性体形態は、明確に規定されない限り、本発明に含まれる。いくつかの実施形態において、本発明の化合物はまた、多数の互変異性形態で表され、そのような事例において、本発明は、本明細書において記載される化合物のすべての互変異性形態を含む(たとえば、環系のアルキル化が、多数の部位でアルキル化をもたらす場合、本発明は、すべてのそのような反応産物を含む)。そのような化合物のすべてのそのような異性体形態は、明確に規定されない限り、本発明に含まれる。本明細書において記載される化合物のすべての結晶形態は、明確に規定されない限り、本発明に含まれる。
本明細書において使用される、用語「増加」および「減少」は、統計的に有意に(つまりp<0.1)、少なくとも5%の増加または減少を引き起こすことをそれぞれ意味する。
本明細書において使用される、変数についての数値的な範囲の記述は、本発明が、その範囲内の値のうちのいずれかに等しい変数で実行されてもよいことを伝えるように意図される。したがって、本質的に不連続の変数については、変数は、範囲の終点を含む数値的な範囲内の任意の整数値と等しい。同様に、本質的に連続の変数については、変数は、範囲の終点を含む数値的な範囲内の任意の実際の値と等しい。例として、限定を伴うことなく、0および2の間の値を有するとして記載される変数は、変数が本質的に不連続の場合、値0、1、または2をとり、変数が本質的に連続の場合、値0.0、0.1、0.01、0.001、または任意の他の実際の値≧0かつ≦2をとる。
具体的に示されない限り、本明細書において使用される、単語「または」は、「いずれか/または」の排他的な意味ではなく、「および/または」の包括的な意味で使用される。
用語「平均して」は、各データポイントについての、少なくとも3回の独立した反復の実行に由来する平均値を表す。
用語「生物学的活性」は、本発明の大環状分子の構造的および機能的特性を包含する。生物学的活性は、たとえば、構造的安定性、アルファ−らせん度、標的に対する親和性、タンパク質分解性の分解に対する抵抗性、細胞浸透性、細胞内安定性、インビボ安定性、またはその任意の組合せである。
本発明の1つまたは複数の特定の実施形態の詳細は、添付の図面および下記の説明において記載される。本発明の他の特徴、目的、および利点は、説明および図面からならびに特許請求の範囲から明白となるであろう。
本発明のペプチド模倣大環状分子の設計
生物学的活性を与えると考えられるヘリックス構造を含有する、既知の一次アミノ酸配列を有する任意のタンパク質またはポリペプチドは、本発明の主題である。たとえば、ポリペプチドの配列は、分析することができ、大環状分子化試薬と反応性の基を含有するアミノ酸類似体は、適切な位置で置換することができる。適切な位置は、二次構造のどの(1つまたは複数の)分子表面が、生物学的活性に必要とされ、したがって、どの(1つまたは複数の)他の表面を介して、本発明の大環状分子形成リンカーが、生物学的活性に必要とされる(1つまたは複数の)表面を立体的にブロッキングすることなく、大環状分子を形成することができるかを確認することによって決定される。そのような決定は、活性にとって重大な残基(および表面)を視覚化するための、二次構造および天然結合パートナーの間の複合体のX線結晶解析などの方法を使用するか;活性にとって重大な残基(および表面)を機能的に同定するための、二次構造における残基の配列の突然変異誘発によるか;または他の方法によって成される。そのような決定によって、適切なアミノ酸は、本発明のアミノ酸類似体および大環状分子形成リンカーで置換される。たとえば、α−ヘリックス二次構造については、ヘリックスの1つの表面(たとえば、ヘリックスの軸に沿って縦方向にかつヘリックスの軸のまわりで45〜135°で放射状にわたる分子表面)は、生物学的活性のために、インビボまたはインビトロにおいて、他の生体分子と接触するために必要とされる可能性がある。そのような場合において、大環状分子形成リンカーは、活性に直接必要とされないその表面の部分におけるヘリックスの表面に沿って縦方向にわたりながら、ヘリックスの2つのα−炭素を連結するように設計される。
本発明のいくつかの実施形態において、ペプチド配列は、タンパク質のBCL−2ファミリーに由来する。BCL−2ファミリーは、BH1、BH2、BH3、およびBH4と呼ばれる、4つまでの保存BCL−2相同性(BH)ドメインの存在によって規定され、これらのすべては、α−ヘリックスセグメントを含む(Chittendenら(1995), EMBO 14:5589; Wangら(1996), Genes Dev. 10:2859)。BCL−2およびBCL−Xなどの抗アポトーシスタンパク質は、すべてのBHドメインにおいて配列保存を示す。プロアポトーシスタンパク質は、BH1、BH2、およびBH3ドメインにおいて相同性を有する「多重ドメイン」ファミリーメンバー(たとえばBAK、BAX)ならびにBH3両親媒性α−ヘリックスセグメントにおいてのみ配列相同性を含有する「BH3ドメインonly」ファミリーメンバー(たとえばBID、BAD、BIM、BIK、NOXA、PUMA)に区別される。BCL−2ファミリーメンバーは、ホモおよびヘテロ二量体を形成するための能力を有し、競合的結合ならびにプロアポトーシスタンパク質および抗アポトーシスタンパク質のレベルの間の比率が、死刺激に対する感受性を決定することを示唆する。抗アポトーシスタンパク質は、プロアポトーシス過剰、つまり過剰なプログラム細胞死からの細胞を保護するように機能する。追加の「防衛」手段は、プロアポトーシスタンパク質の転写を調節すること、および、プロアポトーシスタンパク質を不活性なコンフォーマーとして維持することであり、死促進(pro-death)機能を活性化するために、タンパク質分解性の活性化、脱リン酸、またはリガンド誘発性コンホメーション変化のいずれかが必要である。ある種の細胞型において、細胞膜で受け取られた死シグナルは、ミトコンドリア経路を介してアポトーシスを引き起こす。ミトコンドリアは、カスパーゼ9を活性化する、細胞質ゾル複合体の重大な成分であるシトクロムcを隔離することにより、細胞死の門番としての役割を担うことができ、その結果下流における致死的なタンパク質分解事象が生じる。BCL−2/BCL−XおよびBAK/BAXなどの多重ドメインタンパク質は、ミトコンドリア膜で保護者および実行者といった対立する役割を果たし、それらの活性は、BCL−2ファミリーの上流のBH3−onlyメンバーによってさらに調節される。たとえば、BIDは、プロアポトーシスのタンパク質のBH3ドメインonlyファミリーのメンバーであり、細胞膜で受け取られる死シグナルを、ミトコンドリア膜のエフェクタープロアポトーシスタンパク質に伝達する。BIDは、プロアポトーシスタンパク質および抗アポトーシスタンパク質の両方と相互作用する能力を有し、カスパーゼ8による活性化に際して、シトクロムc放出およびミトコンドリアアポトーシスを引き起こす。欠失および突然変異誘発の研究により、プロアポトーシスファミリーメンバーの両親媒性α−ヘリックスBH3セグメントが、死ドメインとして機能する可能性があり、したがって、多重ドメインアポトーシスタンパク質と相互作用するための重大な構造的モチーフに相当する可能性があることが確かめられた。構造的研究は、BH3ヘリックスが、BH1、2、および3のドメインのインターフェースによって形成される疎水性の溝の中に挿入することによって、抗アポトーシスタンパク質と相互作用することができることを示した。活性化BIDは、抗アポトーシスタンパク質(たとえばBCL-2およびBCL-XL)が結合し、それらによって隔離され、プロアポトーシスタンパク質BAXおよびBAKの活性化を引き起こすことができ、シトクロムc放出およびミトコンドリアアポトーシスプログラムをもたらす。BADもまた、その発現がBAX/BAKの活性化を引き起こすBH3ドメインonlyプロアポトーシスファミリーメンバーである。しかしながら、BIDとは対照的に、BADは、抗アポトーシスファミリーメンバーBCL−2およびBCL−Xに対して優先的な結合を示す。BAD BH3ドメインは、BCL−2に対して高い親和性結合を示すが、BAD BH3ペプチドは、ミトコンドリアからのシトクロムc放出をインビトロにおいて活性化することができず、BADが、BAX/BAKの直接の活性剤ではないことを示唆する。BCL−2を過剰発現するミトコンドリアは、BID誘発性シトクロムc放出に対して抵抗性であるが、BADを用いる同時処理は、BID感度を回復することができる。BADによるミトコンドリアアポトーシスの誘発は、(1)BCL−2/BCL−XL結合ポケットからの、BIDおよびBID様タンパク質などのBAX/BAK活性剤の移動または(2)抗アポトーシスタンパク質によるBID様タンパク質の隔離を予防するための、BADによる、BCL−2/BCL−XL結合ポケットの選択的な占有に起因するように思われる。したがって、2つのクラスのBH3ドメインonlyタンパク質、すなわち、ミトコンドリアアポトーシスを直接活性化するBID様タンパク質、および、多重ドメイン抗アポトーシスタンパク質の結合ポケットを占有することによって、BID様プロアポトーシスに対する感受性をミトコンドリアに与えるための能力を有するBAD様タンパク質の2つが、明らかになった。本明細書において開示される手法で調べることのできるBCL−2ファミリーメンバータンパク質の様々なα−ヘリックスドメインは開示されている(Walenskyら(2004), Science 305:1466;およびWalenskyら、米国特許出願公開第2005/0250680号、これらの全開示は、参照により本明細書に組み込まれる)。
本発明において使用される、適したペプチド配列の非限定的な例示的なリストを下記に示す。
本発明のペプチド模倣大環状分子
方法のいくつかの実施形態において、本発明のポリペプチドは、1つの架橋を含有する。方法の他の実施形態において、上述のポリペプチドは、2つの架橋を含有する。方法のいくつかの実施形態において、1つの架橋は、2つのα−炭素原子を連結する。方法の他の実施形態において、1つの架橋が結合した1つのα−炭素原子は、式R−の置換基で置換される。方法の他の実施形態において、1つの架橋が結合した2つのα−炭素原子は、式R−の独立した置換基で置換される。本発明の方法の一実施形態において、R−は、アルキルである。たとえば、R−は、メチルである。あるいは、R−と1つの架橋の任意の部分は一緒になって環状構造を形成することができる。方法の他の実施形態において、1つの架橋は、連続した炭素−炭素結合から形成される。たとえば、1つの架橋は、少なくとも8、9、10、11、または12個の連続した結合を含んでいてもよい。他の実施形態において、1つの架橋は、少なくとも7、8、9、10、または11個の炭素原子を含んでいてもよい。
方法の他の実施形態において、架橋ポリペプチドは、BCL−2ファミリーメンバーのα−ヘリックスドメインを含む。たとえば、架橋ポリペプチドは、BH3ドメインを含む。他の実施形態において、架橋ポリペプチドは、表1、2、3、および4における配列のうちのいずれかの少なくとも60%、70%、80%、85%、90%、または95%を含む。方法のいくつかの実施形態において、架橋ポリペプチドは、エネルギー依存性のプロセスによって細胞膜を通り、細胞内標的に結合する。
いくつかの実施形態において、上述のヘリックスポリペプチドは、1つの架橋を含有する。他の実施形態において、上述のヘリックスポリペプチドは、2つの架橋を含有する。
いくつかの実施形態において、1つの架橋は、2つのα−炭素原子を連結する。他の実施形態において、1つの架橋が結合した1つのα−炭素原子は、式R−の置換基で置換される。他の実施形態において、1つの架橋が結合した2つのα−炭素原子は、式R−の独立した置換基で置換される。本発明の一実施形態において、R−は、アルキルである。たとえば、R−は、メチルである。あるいは、R−と1つの架橋の任意の部分は一緒になって環状構造を形成することができる。他の実施形態において、1つの架橋は、連続した炭素−炭素結合から形成される。たとえば、1つの架橋は、少なくとも8、9、10、11、または12個の連続した結合を含んでいてもよい。他の実施形態において、1つの架橋は、少なくとも7、8、9、10、または11個の炭素原子を含んでいてもよい。
他の実施形態において、架橋ポリペプチドは、BCL−2ファミリーメンバーのα−ヘリックスドメインを含む。たとえば、架橋ポリペプチドは、BH3ドメインを含む。他の実施形態において、架橋ポリペプチドは、表1、2、3、および4における配列のうちのいずれかの少なくとも60%、70%、80%、85%、90%、または95%を含む。いくつかの実施形態において、架橋ポリペプチドは、エネルギー依存性のプロセスによって細胞膜を通り、細胞内標的に結合する。
いくつかの実施形態において、本発明のペプチド模倣大環状分子は、式(I)を有し、
式中、
A、C、D、およびEはそれぞれ独立して、天然または非天然アミノ酸であり;
Bは、天然もしくは非天然アミノ酸、アミノ酸類似体、
、[−NH−L−CO−]、[−NH−L−SO−]、または[−NH−L−]であり;
およびRは独立して、−H、非置換もしくはハロ−で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり;
は、水素、場合によりRで置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり;
Lは、式−L−L−の大環状分子形成リンカーであり;
およびLは独立して、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それぞれ、場合によりRで置換され;
はそれぞれ、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり;
Kはそれぞれ、O、S、SO、SO、CO、CO、またはCONRであり;
はそれぞれ、独立して、ハロゲン、アルキル、−OR、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−CO、蛍光性部分、放射性同位体、または治療剤であり;
はそれぞれ、独立して、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体、または治療剤であり;
は、−H、場合によりRで置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールまたはD残基を有する環状構造の一部であり;
は、−H、場合によりRで置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールまたはE残基を有する環状構造の一部であり;
vおよびwはそれぞれ独立して、1〜1000の整数であり;
x、y、およびzはそれぞれ独立して、0〜10の整数であり;uは、1〜10の整数であり;
nは、1〜5の整数である。
一例において、RおよびRの少なくとも1つは、非置換またはハロ−で置換されたアルキルである。他の例において、RおよびRの両方は、独立して、非置換またはハロ−で置換されたアルキルである。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つは、メチルである。他の実施形態において、RおよびRは、メチルである。
本発明のいくつかの実施形態において、x+y+zは、少なくとも3である。本発明の他の実施形態において、x+y+zは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。本発明の大環状分子または大環状分子前駆体における、A、B、C、D、またはEの各発生頻度は、独立して選択される。たとえば、式[A]によって表される配列は、xが3である場合、アミノ酸が同一でない、たとえばGln−Asp−Alaである実施形態、および、アミノ酸が同一である、たとえばGln−Gln−Glnである実施形態を包含する。これは、示される範囲におけるx、y、またはzの任意の値に適用される。
いくつかの実施形態において、本発明のペプチド模倣大環状分子は、α−ヘリックスである二次構造を含み、Rは、−Hであり、ヘリックス内水素結合を可能にする。いくつかの実施形態において、A、B、C、D、またはEの少なくとも1つは、α,α−二置換アミノ酸である。一例において、Bは、α,α−二置換アミノ酸である。たとえば、A、B、C、D、またはEの少なくとも1つは、2−アミノイソ酪酸である。他の実施形態において、A、B、C、D、またはEの少なくとも1つは、
である。
他の実施形態において、第1のCαから第2のCαまで測定される大環状分子形成リンカーLの長さは、第1のCαから第2のCαまでの間のものを含むが、必ずしもこれらに限定されない、ペプチド模倣大環状分子の残基によって形成されるα−ヘリックスなどの所望の二次ペプチド構造を安定させるために選択される。
一実施形態において、式(I)のペプチド模倣大環状分子は、次の通りである。
式中、各RおよびRは、独立して、独立して、非置換もしくはハロ−で置換された、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、もしくはヘテロシクロアルキルである。
関連する実施形態において、式(I)のペプチド模倣大環状分子は、次の通りである。
他の実施形態において、式(I)のペプチド模倣大環状分子は、下記に示される式のうちのいずれかの化合物であり、
式中、「AA」は、任意の天然または非天然アミノ酸側鎖を表し、
は、上記で定義した[D]、[E]であり、nは、0および20、50、100、200、300、400、または500の間の整数である。いくつかの実施形態において、nは、0である。他の実施形態において、nは、50未満である。
大環状分子形成リンカーLの例示的な実施形態は、下記に示される。
本発明のペプチド模倣大環状分子の例示的な実施形態は、下記に示される。
本発明のペプチド模倣大環状分子の他の実施形態は、上記に示される大環状分子の類似体を含む。
いくつかの実施形態において、本発明のペプチド模倣大環状分子は、式(II)を有し、
式中、
A、C、D、およびEはそれぞれ独立して、天然または非天然アミノ酸であり;
Bは、天然もしくは非天然アミノ酸、アミノ酸類似体、
、[−NH−L−CO−]、[−NH−L−SO−]、または[−NH−L−]であり;
およびRは独立して、−H、非置換もしくはハロ−で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり;
は、水素、場合によりRで置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり;
Lは、式
の大環状分子形成リンカーであり;
、L、およびLは独立して、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それぞれ、場合によりRで置換され;
はそれぞれ、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり;
Kはそれぞれ、O、S、SO、SO、CO、CO、またはCONRであり;
はそれぞれ、独立して、ハロゲン、アルキル、−OR、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−CO、蛍光性部分、放射性同位体、または治療剤であり;
はそれぞれ、独立して、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体、または治療剤であり;
は、−H、場合によりRで置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールまたはD残基を有する環状構造の一部であり;
は、−H、場合によりRで置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールまたはE残基を有する環状構造の一部であり;
vおよびwはそれぞれ独立して、1〜1000の整数であり;
x、y、およびzはそれぞれ独立して、0〜10の整数であり;uは、1〜10の整数であり;
nは、1〜5の整数である。
一例において、RおよびRの少なくとも1つは、非置換またはハロ−で置換されたアルキルである。他の例において、RおよびRの両方は、独立して、非置換またはハロ−で置換されたアルキルである。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つは、メチルである。他の実施形態において、RおよびRは、メチルである。
本発明のいくつかの実施形態において、x+y+zは、少なくとも3である。本発明の他の実施形態において、x+y+zは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。本発明の大環状分子または大環状分子前駆体における、A、B、C、D、またはEの各発生頻度は、独立して選択される。たとえば、式[A]によって表される配列は、xが3である場合、アミノ酸が同一でない、たとえばGln−Asp−Alaである実施形態、および、アミノ酸が同一である、たとえばGln−Gln−Glnである実施形態を包含する。これは、示される範囲におけるx、y、またはzの任意の値に適用される。
いくつかの実施形態において、本発明のペプチド模倣大環状分子は、α−ヘリックスである二次構造を含み、Rは、−Hであり、ヘリックス内水素結合を可能にする。いくつかの実施形態において、A、B、C、D、またはEの少なくとも1つは、α,α−二置換アミノ酸である。一例において、Bは、α,α−二置換アミノ酸である。たとえば、A、B、C、D、またはEの少なくとも1つは、2−アミノイソ酪酸である。他の実施形態において、A、B、C、D、またはEの少なくとも1つは、
である。
他の実施形態において、第1のCαから第2のCαまで測定される大環状分子形成リンカーLの長さは、第1のCαから第2のCαまでの間のものを含むが、必ずしもこれらに限定されない、ペプチド模倣大環状分子の残基によって形成されるα−ヘリックスなどの所望の二次ペプチド構造を安定させるために選択される。
大環状分子形成リンカーLの例示的な実施形態は、下記に示される。
他の実施形態において、本発明は、式(III)のペプチド模倣大環状分子を提供し、
式中、
A、C、D、およびEはそれぞれ独立して、天然または非天然アミノ酸であり;
Bは、天然もしくは非天然アミノ酸、アミノ酸類似体、
、[−NH−L−CO−]、[−NH−L−SO−]、または[−NH−L−]であり;
およびRは独立して、−H、非置換もしくはハロ−で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり;
は、水素、非置換もしくはRで置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり;
、L、L、およびLは、独立して、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それぞれ、非置換またはRで置換され;
Kは、O、S、SO、SO、CO、CO、またはCONRであり;
はそれぞれ、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり;
はそれぞれ、独立して、ハロゲン、アルキル、−OR、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−CO、蛍光性部分、放射性同位体、または治療剤であり;
はそれぞれ、独立して、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体、または治療剤であり;
は、−H、非置換もしくはRで置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールまたはD残基を有する環状構造の一部であり;
は、−H、非置換もしくはRで置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールまたはE残基を有する環状構造の一部であり;
vおよびwはそれぞれ独立して、1〜1000の整数であり;
x、y、およびzはそれぞれ独立して、0〜10の整数であり;uは、1〜10の整数であり;
nは、1〜5の整数である。
一例において、RおよびRの少なくとも1つは、非置換またはハロ−で置換されたアルキルである。他の例において、RおよびRの両方は、独立して、非置換またはハロ−で置換されたアルキルである。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つは、メチルである。他の実施形態において、RおよびRは、メチルである。
本発明のいくつかの実施形態において、x+y+zは、少なくとも3である。本発明の他の実施形態において、x+y+zは、3、4、5、6、7、8、9、または10である。本発明の大環状分子または大環状分子前駆体における、A、B、C、D、またはEの各発生頻度は、独立して選択される。たとえば、式[A]によって表される配列は、xが3である場合、アミノ酸が同一でない、たとえばGln−Asp−Alaである実施形態、および、アミノ酸が同一である、たとえばGln−Gln−Glnである実施形態を包含する。これは、示される範囲におけるx、y、またはzの任意の値に適用される。
いくつかの実施形態において、本発明のペプチド模倣大環状分子は、α−ヘリックスである二次構造を含み、Rは、−Hであり、ヘリックス内水素結合を可能にする。いくつかの実施形態において、A、B、C、D、またはEの少なくとも1つは、α,α−二置換アミノ酸である。一例において、Bは、α,α−二置換アミノ酸である。たとえば、A、B、C、D、またはEの少なくとも1つは、2−アミノイソ酪酸である。他の実施形態において、A、B、C、D、またはEの少なくとも1つは、
である。
他の実施形態において、第1のCαから第2のCαまで測定される大環状分子形成リンカー[−L−S−L−S−L−]の長さは、第1のCαから第2のCαまでの間のものを含むが、必ずしもこれらに限定されない、ペプチド模倣大環状分子の残基によって形成されるα−ヘリックスなどの所望の二次ペプチド構造を安定させるために選択される。
大環状分子または大環状分子前駆体は、たとえば液相法または固相法によって合成され、天然に存在するアミノ酸および天然に存在しないアミノ酸の両方を含有することができる。たとえばChemistry and Biochemistry of the Amino Acids、G.C.Barrett編、Chapman and Hall、1985中のHunt、「The Non−Protein Amino Acids」を参照されたい。いくつかの実施形態において、チオール部分は、アミノ酸残基L−システイン、D−システイン、α−メチル−Lシステイン、α−メチル−D−システイン、L−ホモシステイン、D−ホモシステイン、α−メチル−L−ホモシステイン、またはα−メチル−D−ホモシステインの側鎖である。ビスアルキル化試薬は、一般式X−L−Yで表されるものであり、式中、Lは、リンカー部分であり、XおよびYは、Lとの結合を形成するために−SH部分によって置き換えられる脱離基である。いくつかの実施形態において、XおよびYは、I、Br、またはClなどのハロゲンである。
他の実施形態において、式I、II、またはIIIの化合物におけるDおよび/またはEは、細胞の取り込みを促進するためにさらに修飾される。いくつかの実施形態において、ペプチド模倣大環状分子の脂質付加またはペグ化は、細胞の取り込みを促進し、生物学的利用率を増加させ、血液循環を増加させ、薬物動態を改変し、免疫原性を減少させ、および/または必要とされる投与の頻度を減少させる。
他の実施形態において、式I、II、またはIIIの化合物における、[D]および[E]の少なくとも1つは、ペプチド模倣大環状分子が、少なくとも2つの大環状分子形成リンカーを含むように、追加の大環状分子形成リンカーを含む部分を表す。特定の実施形態において、ペプチド模倣大環状分子は、2つの大環状分子形成リンカーを含む。
本発明のペプチド模倣大環状分子において、本明細書において記載される大環状分子形成リンカーのうちのいずれも、表1〜4において示される配列のうちのいずれか、さらに、本明細書において示されるR−置換基のうちのいずれかとの任意の組合せで、使用されてもよい。
いくつかの実施形態において、ペプチド模倣大環状分子は、少なくとも1つのα−ヘリックスモチーフを含む。たとえば、式I、II、またはIIIの化合物におけるA、B、および/またはCは、1つまたは複数のα−ヘリックスを含む。一般的な問題として、α−ヘリックスは、ターン当たり3〜4個のアミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、ペプチド模倣大環状分子のα−ヘリックスは、1〜5個のターンおよびしたがって3〜20個のアミノ酸残基を含む。特定の実施形態において、α−ヘリックスは、1個のターン、2個のターン、3個のターン、4個のターン、または5個のターンを含む。いくつかの実施形態において、大環状分子形成リンカーは、ペプチド模倣大環状分子内に含まれるα−ヘリックスモチーフを安定させる。したがって、いくつかの実施形態において、第1のCαから第2のCαまでの大環状分子形成リンカーLの長さは、α−ヘリックスの安定性を増加させるために選択される。いくつかの実施形態において、大環状分子形成リンカーは、α−ヘリックスの1ターン〜5ターンに及ぶ。いくつかの実施形態において、大環状分子形成リンカーは、α−ヘリックスの約1ターン、2ターン、3ターン、4ターン、または5ターンに及ぶ。いくつかの実施形態において、大環状分子形成リンカーの長さは、α−ヘリックスのターン当たり約5Å〜9Åまたはα−ヘリックスのターン当たり約6Å〜8Åである。大環状分子形成リンカーが、α−ヘリックスの約1ターンに及ぶ場合、長さは、約5個の炭素−炭素結合〜13個の炭素−炭素結合、約7個の炭素−炭素結合〜11個の炭素−炭素結合、または約9個の炭素−炭素結合に等しい。大環状分子形成リンカーが、α−ヘリックスの約2ターンに及ぶ場合、長さは、約8個の炭素−炭素結合〜16個の炭素−炭素結合、約10個の炭素−炭素結合〜14個の炭素−炭素結合、または約12個の炭素−炭素結合に等しい。大環状分子形成リンカーが、α−ヘリックスの約3ターンに及ぶ場合、長さは、約14個の炭素−炭素結合〜22個の炭素−炭素結合、約16個の炭素−炭素結合〜20個の炭素−炭素結合、または約18個の炭素−炭素結合に等しい。大環状分子形成リンカーが、α−ヘリックスの約4ターンに及ぶ場合、長さは、約20個の炭素−炭素結合〜28個の炭素−炭素結合、約22個の炭素−炭素結合〜26個の炭素−炭素結合、または約24個の炭素−炭素結合に等しい。大環状分子形成リンカーが、α−ヘリックスの約5ターンに及ぶ場合、長さは、約26個の炭素−炭素結合〜34個の炭素−炭素結合、約28個の炭素−炭素結合〜32個の炭素−炭素結合、または約30個の炭素−炭素結合に等しい。大環状分子形成リンカーが、α−ヘリックスの約1ターンに及ぶ場合、リンケージは、約4個の原子〜12個の原子、約6個の原子〜10個の原子、または約8個の原子を含有する。大環状分子形成リンカーが、α−ヘリックスの約2ターンに及ぶ場合、リンケージは、約7個の原子〜15個の原子、約9個の原子〜13個の原子、または約11個の原子を含有する。大環状分子形成リンカーが、α−ヘリックスの約3ターンに及ぶ場合、リンケージは、約13個の原子〜21個の原子、約15個の原子〜19個の原子、または約17個の原子を含有する。大環状分子形成リンカーが、α−ヘリックスの約4ターンに及ぶ場合、リンケージは、約19個の原子〜27個の原子、約21個の原子〜25個の原子、または約23個の原子を含有する。大環状分子形成リンカーが、α−ヘリックスの約5ターンに及ぶ場合、リンケージは、約25個の原子〜33個の原子、約27個の原子〜31個の原子、または約29個の原子を含有する。大環状分子形成リンカーが、α−ヘリックスの約1ターンに及ぶ場合、結果として生じる大環状分子は、約17員〜25員、約19員〜23員、または約21員を含有するリングを形成する。大環状分子形成リンカーが、α−ヘリックスの約2ターンに及ぶ場合、結果として生じる大環状分子は、約29員〜37員、約31員〜35員、または約33員を含有するリングを形成する。大環状分子形成リンカーが、α−ヘリックスの約3ターンに及ぶ場合、結果として生じる大環状分子は、約44員〜52員、約46員〜50員、または約48員を含有するリングを形成する。大環状分子形成リンカーが、α−ヘリックスの約4ターンに及ぶ場合、結果として生じる大環状分子は、約59員〜67員、約61員〜65員、または約63員を含有するリングを形成する。大環状分子形成リンカーが、α−ヘリックスの約5ターンに及ぶ場合、結果として生じる大環状分子は、約74員〜82員、約76員〜80員、または約78員を含有するリングを形成する。
他の実施形態において、本発明は、式(IV)または(IVa)のペプチド模倣大環状分子を提供し、
式中、
A、C、D、およびEはそれぞれ独立して、天然または非天然アミノ酸であり;
Bは、天然もしくは非天然アミノ酸、アミノ酸類似体、
、[−NH−L−CO−]、[−NH−L−SO−]、または[−NH−L−]であり;
およびRは独立して、−H、非置換もしくはハロ−で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、もしくはヘテロシクロアルキルまたはE残基を有する環状構造の一部であり;
は、水素、場合によりRで置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり;
Lは、式−L−L−の大環状分子形成リンカーであり;
およびLは独立して、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それぞれ、場合によりRで置換され;
はそれぞれ、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり;
Kはそれぞれ、O、S、SO、SO、CO、CO、またはCONRであり;
はそれぞれ、独立して、ハロゲン、アルキル、−OR、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−CO、蛍光性部分、放射性同位体、または治療剤であり;
はそれぞれ、独立して、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体、または治療剤であり;
は、−H、場合によりRで置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり;
vは、1〜1000の整数であり;
wは、1〜1000の整数であり;
xは、0〜10の整数であり;
yは、0〜10の整数であり;
zは、0〜10の整数であり;
nは、1〜5の整数である。
一例において、RおよびRの少なくとも1つは、非置換またはハロ−で置換されたアルキルである。他の例において、RおよびRの両方は、独立して、非置換またはハロ−で置換されたアルキルである。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つは、メチルである。他の実施形態において、RおよびRは、メチルである。
本発明のいくつかの実施形態において、x+y+zは、少なくとも3である。本発明の他の実施形態において、x+y+zは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。本発明の大環状分子または大環状分子前駆体における、A、B、C、D、またはEの各発生頻度は、独立して選択される。たとえば、式[A]によって表される配列は、xが3である場合、アミノ酸が同一でない、たとえばGln−Asp−Alaである実施形態、および、アミノ酸が同一である、たとえばGln−Gln−Glnである実施形態を包含する。これは、示される範囲におけるx、y、またはzの任意の値に適用される。
いくつかの実施形態において、本発明のペプチド模倣大環状分子は、α−ヘリックスである二次構造を含み、Rは、−Hであり、ヘリックス内水素結合を可能にする。いくつかの実施形態において、A、B、C、D、またはEの少なくとも1つは、α,α−二置換アミノ酸である。一例において、Bは、α,α−二置換アミノ酸である。たとえば、A、B、C、D、またはEの少なくとも1つは、2−アミノイソ酪酸である。他の実施形態において、A、B、C、D、またはEの少なくとも1つは、
である。
他の実施形態において、第1のCαから第2のCαまで測定される大環状分子形成リンカーLの長さは、第1のCαから第2のCαまでの間のものを含むが、必ずしもこれらに限定されない、ペプチド模倣大環状分子の残基によって形成されるα−ヘリックスなどの所望の二次ペプチド構造を安定させるために選択される。
大環状分子形成リンカーLの例示的な実施形態は、下記に示される。
ペプチド模倣大環状分子の調製
本発明のペプチド模倣大環状分子は、当技術分野において知られている様々な方法のいずれかによって調製することができる。たとえば、表1、2、3または4において「X」で示される残基のいずれかが、同じ分子中の第2の残基またはそのような残基の前駆体と架橋剤を形成することができる残基で置換されていてもよい。
ペプチド模倣大環状分子の形成をもたらすための様々な方法が、当技術分野において知られている。たとえば、式Iのペプチド模倣大環状分子の調製は、Schafmeisterら、J.Am.Chem.Soc.122:5891〜5892頁(2000年);Schafmeister&Verdine、J.Am.Chem.Soc.122:5891(2005年);Walenskyら、Science305:1466〜1470頁(2004年);および米国特許第7192713号において記載されている。引用文献において開示されているα,α−二置換アミノ酸およびアミノ酸前駆体を、ペプチド模倣大環状分子前駆体ポリペプチドの合成において利用してもよい。上記のようなアミノ酸を前駆体ポリペプチド中に組み込んだ後、末端オレフィンをメタセシス触媒と反応させ、ペプチド模倣大環状分子の形成をもたらす。
別の実施形態において、本発明のペプチド模倣大環状分子は、式IVまたはIVaである。このような大環状分子の調製のための方法は、たとえば、米国特許第7202332号において記載されている。
いくつかの実施形態において、これらのペプチド模倣大環状分子の合成は、アジド部分およびアルキン部分を含有するペプチド模倣体前駆体の合成;その後ペプチド模倣体前駆体を大環化試薬と接触させて、トリアゾール結合ペプチド模倣大環状分子を生成させることを特徴とする多段階工程を含む。大環状分子または大環状分子前駆体は、たとえば、溶液相または固相法によって合成され、天然および非天然のアミノ酸の両方を含有することができる。たとえば、ChemistryおよびBiochemistry of the Amino Acids、G.C.Barrett、ChapmanおよびHall編、1985年のHunt、「The Non−Protein Amino Acids」を参照されたい。
いくつかの実施形態において、アジドはある残基のα−炭素に結合しており、アルキンは別の残基のα−炭素に結合している。いくつかの実施形態において、アジド部分は、アミノ酸L−リシン、D−リシン、α−メチル−L−リシン、α−メチル−D−リシン、L−オルニチン、D−オルニチン、α−メチル−L−オルニチンまたはα−メチル−D−オルニチンのアジド−類似体である。別の実施形態において、アルキン部分は、L−プロパルギルグリシンである。さらに別の実施形態において、アルキン部分は、L−プロパルギルグリシン、D−プロパルギルグリシン、(S)−2−アミノ−2−メチル−4−ペンチン酸、(R)−2−アミノ−2−メチル−4−ペンチン酸、(S)−2−アミノ−2−メチル−5−ヘキシン酸、(R)−2−アミノ−2−メチル−5−ヘキシン酸、(S)−2−アミノ−2−メチル−6−ヘプチン酸、(R)−2−アミノ−2−メチル−6−ヘプチン酸、(S)−2−アミノ−2−メチル−7−オクチン酸、(R)−2−アミノ−2−メチル−7−オクチン酸、(S)−2−アミノ−2−メチル−8−ノニン酸および(R)−2−アミノ−2−メチル−8−ノニン酸から成る群から選択されるアミノ酸である。
いくつかの実施形態において、本発明は、ペプチド模倣大環状分子を合成するための方法であって、式Vまたは式VI:
(式中、v、w、x、y、z、A、B、C、D、E、R、R、R、R、LおよびLは式(II)で定義された通りであり、大環化試薬がCu試薬である場合R12は−Hであり、大環化試薬がRu試薬である場合R12は−Hまたはアルキルである)のペプチド模倣体前駆体を大環化試薬に接触させる工程を含み、さらに前記接触させる工程が、式IIIまたは式IVにおいてアルキンとアジド部分との間に形成される共有結合をもたらす、方法を提供する。たとえば、大環化試薬がRu試薬である場合、R12はメチルであってもよい。
本発明のペプチド模倣大環状分子において、RおよびRの少なくとも1つは、非置換もしくはハロ−で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、RおよびRの両方が独立に、非置換もしくはハロ−で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、A、B、C、DまたはEの少なくとも1つは、α,α−二置換アミノ酸である。一例において、Bはα,α−二置換アミノ酸である。たとえば、A、B、C、DまたはEの少なくとも1つは、2−アミノイソブチル酸である。
たとえば、RおよびRの少なくとも1つは、非置換またはハロ−で置換された、アルキルである。別の例において、RおよびRの両方が独立して、非置換またはハロ−で置換された、アルキルである。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはメチルである。別の実施形態において、RおよびRはメチルである。大環化試薬は、Cu試薬またはRu試薬であってもよい。
いくつかの実施形態において、ペプチド模倣体前駆体は、接触工程の前に精製される。別の実施形態において、ペプチド模倣大環状分子は、接触工程の後に精製される。さらに別の実施形態において、ペプチド模倣大環状分子は、接触工程の後にリフォールディングされる。方法は溶液中で実行されてもよく、または、あるいは、方法は固体支持体上で実行されてもよい。
その結合に有利な条件下でペプチド模倣体前駆体またはペプチド模倣大環状分子に結合する、標的巨大分子の存在下で本発明の方法を実行することもまた、本発明において想定される。いくつかの実施形態において、方法は、その結合に有利な条件下でペプチド模倣体前駆体またはペプチド模倣大環状分子に優先的に結合する標的巨大分子の存在下で実行される。また方法を適用して、ペプチド模倣大環状分子のライブラリーを合成してもよい。
いくつかの実施形態において、式Vまたは式VIのペプチド模倣体前駆体のアルキン部分は、L−プロパルギルグリシン、D−プロパルギルグリシン、(S)−2−アミノ−2−メチル−4−ペンチン酸、(R)−2−アミノ−2−メチル−4−ペンチン酸、(S)−2−アミノ−2−メチル−5−ヘキシン酸、(R)−2−アミノ−2−メチル−5−ヘキシン酸、(S)−2−アミノ−2−メチル−6−ヘプチン酸、(R)−2−アミノ−2−メチル−6−ヘプチン酸、(S)−2−アミノ−2−メチル−7−オクチン酸、(R)−2−アミノ−2−メチル−7−オクチン酸、(S)−2−アミノ−2−メチル−8−ノニン酸、および(R)−2−アミノ−2−メチル−8−ノニン酸から成る群から選択されるアミノ酸の側鎖である。別の実施形態において、式Vまたは式VIのペプチド模倣体前駆体のアジド部分は、ε−アジド−L−リシン、ε−アジド−D−リシン、ε−アジド−α−メチル−L−リシン、ε−アジド−α−メチル−D−リシン、δ−アジド−α−メチル−L−オルニチン、およびδ−アジド−α−メチル−D−オルニチンから成る群から選択されるアミノ酸の側鎖である。
いくつかの実施形態において、x+y+zは3であり、A、BおよびCは独立して天然または非天然アミノ酸である。別の実施形態において、x+y+zは6であり、A、BおよびCは独立して天然または非天然アミノ酸である。
本発明のペプチド模倣大環状分子のいくつかの実施形態において、[D]および/または[E]は、追加のペプチド模倣大環状分子または大環状構造を含む。たとえば、[D]は、式:
(式中、A、C、D’、およびE’はそれぞれ独立して、天然または非天然アミノ酸であり;
Bは、天然もしくは非天然アミノ酸、アミノ酸類似体、
、[−NH−L−CO−]、[−NH−L−SO−]、または[−NH−L−]であり;
およびRは独立して、−H、非置換もしくはハロ−で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、もしくはヘテロシクロアルキル、またはE残基を有する環状構造の一部であり;
は、水素、場合によりRで置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり;
およびLは独立して、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それぞれ、場合によりRで置換され;
はそれぞれ、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり;
Kはそれぞれ、O、S、SO、SO、CO、CO、またはCONRであり;
はそれぞれ独立して、ハロゲン、アルキル、−OR、−N(R)2、−SR、−SOR、−SO、−CO、蛍光部分、放射性同位体、または治療剤であり;
はそれぞれ独立して、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光部分、放射性同位体、または治療剤であり;
は、−H、場合によりRで置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり;
vは1〜1000の整数であり;
wは1〜1000の整数であり;
xは0〜10の整数である)を有してもよい。
別の実施形態において、[E]は、式:
(式中、置換基は、前段落において定義された通りである)を有する。
いくつかの実施形態において、接触工程は、プロトン性溶媒、水性溶媒、有機溶媒、およびこれらの混合物から成る群から選択される溶媒において実行される。たとえば、溶媒は、HO、THF、THF/HO、tBuOH/HO、DMF、DIPEA、CHCNまたはCHCl、ClCHCHClまたはこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。溶媒は、ヘリックス形成に有利な溶媒であってもよい。
代替であるが等価な保護基、脱離基または脱離試薬は置換され、合成工程のいくつかは、代替の順序または所望の化合物を生成する順序で実行される。本明細書に記載の化合物の合成において有用な合成化学変換および保護基方法論(保護および脱保護)は、たとえば、Larock、Comprehensive Organic Transformations、VCH Publishers(1989年);GreeneおよびWuts、Protective Groups in Organic Synthesis、第2版、John WileyおよびSons(1991年);FieserおよびFieser、FieserおよびFieser’s Reagents for Organic Synthesis、John WileyおよびSons(1994年);およびPaquette編、Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis、John WileyおよびSons(1995年)、ならびにこれらの改訂版において記載されているものなどを含む。
本発明のペプチド模倣大環状分子は、たとえば、Fieldsら、Synthetic Peptides:A User’s Guideの第3章、Grant編、W.H.Freeman&Co.、New York、N.Y.、1992年、77頁において記載されているものなどの化学合成法によって製造される。したがって、たとえば、ペプチドは、固相合成の自動化Merrifield技術を使用して、側鎖保護アミノ酸を使用してtBocまたはFmoc化学のいずれかによって保護されたアミンを用いて、たとえば、自動ペプチド合成機(たとえば、Applied Biosystems(Foster City、CA)、430A、431、または433型)において合成される。
本明細書に記載のペプチド模倣体前駆体およびペプチド模倣大環状分子を製造する1つの方法は、固相ペプチド合成(SPPS)を使用する。C末端アミノ酸は、リンカー分子との酸不安定結合を介して架橋ポリスチレン樹脂に結合している。この樹脂は、合成に使用される溶媒において不溶性であり、このため比較的簡単にかつ迅速に過剰な試薬および副産物を洗い流すことができる。N末端は、Fmoc基で保護されており、酸において安定であるが塩基によって除去することができる。側鎖官能基は、必要に応じて塩基安定性の酸不安定基で保護されている。
より長いペプチド模倣体前駆体は、たとえば、ネイティブ化学ライゲーションを使用して個々の合成ペプチドを結合することによって製造される。あるいは、より長い合成ペプチドは、よく知られている組換えDNAおよびタンパク質発現技術によって生合成される。このような技術は、よく知られている標準的マニュアルにおいて詳細なプロトコールとともに提供されている。本発明のペプチド模倣体前駆体をコードする遺伝子を構築するために、アミノ酸配列を逆転写して、好ましくは遺伝子が発現される生物に最適なコドンを有する、アミノ酸配列をコードする核酸配列を得る。次に、合成遺伝子を、典型的には、ペプチドおよび必要であれば任意の調節エレメントをコードするオリゴヌクレオチドを合成することによって作製する。合成遺伝子を適当なクローニングベクター中に挿入し、宿主細胞中にトランスフェクトする。次いでペプチドを、選択した発現系および宿主に適切な適当な条件下で発現させる。ペプチドを標準的な方法によって精製し特徴付ける。
ペプチド模倣体前駆体は、たとえば、ハイスループット多チャンネル合成装置(たとえば、CreoSalus、Louisville、KY製のThuramed TETRASマルチチャンネルペプチド合成装置またはAAPPTEC、Inc.、Louisville、KY製のModel Apex 396マルチチャンネルペプチド合成装置)を使用したハイスループットなコンビナトリアル法において、たとえば作製される。
以下の合成スキームは、本発明を説明するためだけに提供され、本明細書に記載の本発明の範囲を限定することを意図するものではない。図面を簡略化するために、例証的なスキームは、アジドアミノ酸類似体ε−アジド−α−メチル−L−リシンおよびε−アジド−α−メチル−D−リシン、ならびにアルキンアミノ酸類似体L−プロパルギルグリシン、(S)−2−アミノ−2−メチル−4−ペンチン酸、および(S)−2−アミノ−2−メチル−6−ヘプチン酸を表す。したがって、以下の合成スキームにおいて、各R、R、RおよびRは、−Hであり;各Lは−(CH−であり;各Lは−(CH)−である。しかしながら、上記の詳細な説明の全体にわたって述べたように、多くの別のアミノ酸類似体を使用することができ、R、R、R、R、LおよびLは、本明細書に開示されている様々な構造から独立して選択することができる。
合成スキーム1は、本発明のいくつかの化合物の調製を示す。キラル補助基(S)−2−[N−(N’−ベンジルプロリル)アミノ]ベンゾフェノン(BPB)およびグリシンまたはアラニンなどのアミノ酸に由来するシッフ塩基のNi(II)複合体は、Belokonら(1998年)、Tetrahedron Asymm.9:4249〜4252頁において記載されている通り調製する。得られた複合体をその後、アジドまたはアルキニル部分を含むアルキル化試薬と反応させて、鏡像異性的に濃縮された本発明の化合物を得る。所望であれば、ペプチド合成において使用するために得られた化合物を保護することができる。
合成スキーム2に示されるペプチド模倣大環状分子の合成のための一般的な方法において、ペプチド模倣体前駆体は、アジド部分およびアルキン部分を含有し、市販のアミノ酸N−α−Fmoc−L−プロパルギルグリシンならびにアミノ酸(S)−2−アミノ−2−メチル−4−ペンチン酸、(S)−2−アミノ−6−ヘプチン酸、(S)−2−アミノ−2−メチル−6−ヘプチン酸、N−メチル−ε−アジド−L−リシン、およびN−メチル−ε−アジド−D−リシンのN−α−Fmoc保護形態を使用した、溶液相または固相ペプチド合成(SPPS)によって合成される。次いでペプチド模倣体前駆体は、標準的な条件(たとえば、95%TFAなどの強酸)によって脱保護され、固相樹脂から切断される。ペプチド模倣体前駆体を、粗混合物として有機または水性溶液においてCu(I)などの大環化試薬と反応させるか、または反応の前に精製する(Rostovtsevら(2002)、Angew. Chem. Int. Ed.41:2596-2599;Tomoeら(2002)、J. Org. Chem. 67:3057-3064; Deitersら(2003)、J. Am. Chem. Soc. 125:11782-11783; Punnaら(2005)、Angew. Chem. Int. Ed. 44:2215-2220)。一実施形態において、トリアゾール形成反応は、α−ヘリックス形成に有利な条件下で実行される。一実施形態において、大環化工程は、HO、THF、CHCN、DMF、DIPEA、tBuOHまたはこれらの混合物から成る群から選択される溶媒において実行される。別の実施形態において、大環化工程はDMFにおいて実行される。いくつかの実施形態において、大環化工程は、緩衝化された水性のまたは部分的に水性の溶媒において実行される。
合成スキーム3に示されるペプチド模倣大環状分子の合成のための一般的な方法において、ペプチド模倣体前駆体は、アジド部分およびアルキン部分を含有し、市販のアミノ酸N−α−Fmoc−L−プロパルギルグリシンならびにアミノ酸(S)−2−アミノ−2−メチル−4−ペンチン酸、(S)−2−アミノ−6−ヘプチン酸、(S)−2−アミノ−2−メチル−6−ヘプチン酸、N−メチル−ε−アジド−L−リシン、およびN−メチル−ε−アジド−D−リシンのN−α−Fmoc保護形態を使用した、固相ペプチド合成(SPPS)によって合成される。ペプチド模倣体前駆体を、樹脂上で粗混合物としてCu(I)試薬などの大環化試薬と反応させる(Rostovtsevら(2002)、Angew. Chem. Int. Ed.41:2596-2599;Tomoeら(2002)、J. Org. Chem. 67:3057-3064; Deitersら(2003)、J. Am. Chem. Soc. 125:11782-11783; Punnaら(2005)、Angew. Chem. Int. Ed. 44:2215-2220)。次いで、得られたトリアゾール含有ペプチド模倣大環状分子は、標準的な条件(たとえば、95%TFAなどの強酸)によって脱保護され、固相樹脂から切断される。いくつかの実施形態において、大環化工程は、CHCl、ClCHCHCl、DMF、THF、NMP、DIPEA、2、6−ルチジン、ピリジン、DMSO、HOまたはこれらの混合物から成る群から選択される溶媒において実行される。いくつかの実施形態において、大環化工程は、緩衝化された水性のまたは部分的に水性の溶媒において実行される。
合成スキーム4に示されるペプチド模倣大環状分子の合成のための一般的な方法において、ペプチド模倣体前駆体は、アジド部分およびアルキン部分を含有し、市販のアミノ酸N−α−Fmoc−L−プロパルギルグリシンならびにアミノ酸(S)−2−アミノ−2−メチル−4−ペンチン酸、(S)−2−アミノ−6−ヘプチン酸、(S)−2−アミノ−2−メチル−6−ヘプチン酸、N−メチル−ε−アジド−L−リシン、およびN−メチル−ε−アジド−D−リシンのN−α−Fmoc保護形態を使用した、溶液相または固相ペプチド合成(SPPS)によって合成される。次いでペプチド模倣体前駆体は、標準的な条件(たとえば、95%TFAなどの強酸)によって脱保護され、固相樹脂から切断される。ペプチド模倣体前駆体は、粗混合物としてRu(II)試薬、たとえばCpRuCl(PPhまたは[CpRuCl]などの大環化試薬と反応させるか、または反応の前に精製する(Rasmussenら(2007)、Org. Lett. 9:5337-5339; Zhangら(2005)、J. Am. Chem. Soc. 127:15998-15999)。いくつかの実施形態において、大環化工程は、DMF、CHCNおよびTHFから成る群から選択される溶媒において実行される。
合成スキーム5に示されるペプチド模倣大環状分子の合成のための一般的な方法において、ペプチド模倣体前駆体は、アジド部分およびアルキン部分を含有し、市販のアミノ酸N−α−Fmoc−L−プロパルギルグリシンならびにアミノ酸(S)−2−アミノ−2−メチル−4−ペンチン酸、(S)−2−アミノ−6−ヘプチン酸、(S)−2−アミノ−2−メチル−6−ヘプチン酸、N−メチル−ε−アジド−L−リシン、およびN−メチル−ε−アジド−D−リシンのN−α−Fmoc保護形態を使用した、固相ペプチド合成(SPPS)によって合成される。ペプチド模倣体前駆体を、粗混合物として樹脂上でRu(II)試薬などの大環化試薬と反応させる。たとえば、試薬はCpRuCl(PPhまたは[CpRuCl]とすることができる(Rasmussenら(2007)、Org. Lett. 9:5337-5339;Zhangら(2005)、J. Am. Chem. Soc. 127:15998-15999)。いくつかの実施形態において、大環化工程は、CHCl、ClCHCHCl、CHCN、DMF、およびTHFから成る群から選択される溶媒において実行される。
いくつかの例示的なペプチド模倣大環状分子を表5に示す。「Nle」はノルロイシンを表し、メチオニン残基を置換する。同様なリンカーを使用して、表1〜表4において開示されているポリペプチド配列に基づいてペプチド模倣大環状分子を合成することが想定される。
本発明は、本明細書に記載のペプチド模倣大環状分子の合成における非天然のアミノ酸およびアミノ酸類似体の使用を想定する。安定なトリアゾール含有ペプチド模倣大環状分子の合成のために採用される合成方法を行い易い任意のアミノ酸またはアミノ酸類似体を、本発明において使用することができる。たとえば、L−プロパルギルグリシンが本発明において有用なアミノ酸として想定される。しかしながら、異なるアミノ酸側鎖を含有する別のアルキン含有アミノ酸もまた、本発明において有用である。たとえば、L−プロパルギルグリシンは、アミノ酸のα−炭素とアミノ酸側鎖のアルキンの間に1つのメチレン単位を含有する。本発明はまた、α−炭素とアルキンの間に複数のメチレン単位を有するアミノ酸の使用も想定する。また、アミノ酸L−リシン、D−リシン、α−メチル−L−リシン、およびα−メチル−D−リシンのアジド−類似体が、本発明において有用なアミノ酸であると想定される。しかしながら、異なるアミノ酸側鎖を含有する別の末端アジドアミノ酸もまた、本発明において有用である。たとえば、L−リシンのアジド類似体は、アミノ酸のα−炭素とアミノ酸側鎖の末端アジドの間に4つのメチレン単位を含有する。本発明はまた、α−炭素と末端アジドの間に4つ未満またはそれより多いメチレン単位を有するアミノ酸の使用も想定する。表6は、本発明のペプチド模倣大環状分子の調製において有用ないくつかのアミノ酸を示す。
いくつかの実施形態において、アミノ酸およびアミノ酸類似体はD−配置である。別の実施形態において、アミノ酸およびアミノ酸類似体はL−配置である。いくつかの実施形態において、ペプチド模倣体中に含有されるアミノ酸およびアミノ酸類似体の一部はD−配置であるが、アミノ酸およびアミノ酸類似体の一部はL−配置である。いくつかの実施形態においてアミノ酸類似体は、α−メチル−L−プロパルギルグリシン、α−メチル−D−プロパルギルグリシン、ε−アジド−α−メチル−L−リシン、およびε−アジド−α−メチル−D−リシンなどのα,α−二置換のものである。いくつかの実施形態においてアミノ酸類似体は、N−アルキル化、たとえば、N−メチル−L−プロパルギルグリシン、N−メチル−D−プロパルギルグリシン、N−メチル−ε−アジド−L−リシン、およびN−メチル−ε−アジド−D−リシンである。
いくつかの実施形態において、アミノ酸の−NH部分は、−Fmocおよび−Bocを含むがこれらに限定されない保護基を使用して保護される。別の実施形態において、アミノ酸は、ペプチド模倣大環状分子の合成の前に保護されない。
別の実施形態において、式IIIのペプチド模倣大環状分子が合成される。以下の合成スキームは、そのような化合物の調製を示す。図面を簡略化するために、例証的なスキームは、LおよびLが両方とも−(CH)−であるL−またはD−システインに由来するアミノ酸類似体を示す。しかしながら、上記の詳細な説明の全体にわたって述べたように、多くの別のアミノ酸類似体を使用することができ、LおよびLは、本明細書に開示されている様々な構造から独立して選択することができる。記号「[AA]」、「[AA]」、「[AA]」は、天然または非天然アミノ酸などのアミド結合による結合部分の配列を表す。以前に記述されている通り、「AA」のそれぞれの存在は任意の別の「AA」の存在とは無関係であり、「[AA]」などの式は、たとえば、同一ではないアミノ酸の配列ならびに同一なアミノ酸の配列を包含する。
スキーム6において、ペプチド模倣体前駆体は2つの−SH部分を含有し、N−α−Fmoc−S−トリチル−L−システインまたはN−α−Fmoc−S−トリチル−D−システインなどの市販のN−α−Fmocアミノ酸を使用した固相ペプチド合成(SPPS)によって合成される。D−システインまたはL−システインのα−メチル化型は、既知の方法(Seebachら(1996)、Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 35:2708-2748、およびその参照文献)によって作製され、次いで既知の方法(その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、「Bio Organic Chemistry: Peptides and Proteins」、Oxford University Press、New York: 1998)によって適切に保護されたN−α−Fmoc−S−トリチルモノマーに変換される。次いで前駆体ペプチド模倣体は、標準的な条件(たとえば、95%TFAなどの強酸)によって脱保護され、固相樹脂から切断される。前駆体ペプチド模倣体は、粗混合物として有機または水性溶液においてX−L−Yと反応させるか、または反応の前に精製する。いくつかの実施形態においてアルキル化反応は、大環化を容易にし、重合を回避するために希釈条件下(すなわち0.15mmol/L)で実行される。いくつかの実施形態において、アルキル化反応は、液体NH(Mosbergら(1985)、J. Am.Chem. Soc. 107:2986-2987; Szewczukら(1992)、Int. J. Peptide Protein Res. 40 :233-242)、NH/MeOH、またはNH/DMF(Orら(1991)、J. Org. Chem. 56:3146-3149)などの有機溶液中で実行される。別の実施形態において、アルキル化は、6MグアニジニウムHCL、pH8(Brunelら(2005)、Chem. Commun.(20):2552-2554)などの水性溶液中で実行される。別の実施形態において、アルキル化反応に使用される溶媒はDMFまたはジクロロエタンである。
スキーム7において、前駆体ペプチド模倣体は2つ以上の−SH部分を含有しており、その2つが特別に保護されていることにより大環状分子形成のためのその選択的な脱保護およびその後のアルキル化を可能にする。前駆体ペプチド模倣体は、N−α−Fmoc−S−p−メトキシトリチル−L−システインまたはN−α−Fmoc−S−p−メトキシトリチル−D−システインなどの市販のN−α−Fmocアミノ酸を使用した固相ペプチド合成(SPPS)によって合成される。D−システインまたはL−システインのα−メチル化型は、既知の方法(Seebachら(1996)、Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 35:2708-2748、およびその参照文献)によって作製され、次いで既知の方法(その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、「Bioorganic Chemistry: Peptides and Proteins」、Oxford University Press、New York: 1998)によって適切に保護されたN−α−Fmoc−S−p−メトキシトリチルモノマーに変換される。次いでペプチド模倣体前駆体のMmt保護基は、標準的な条件(たとえば、DCM中1%TFAなどの弱酸)によって選択的に切断される。次いで前駆体ペプチド模倣体を、樹脂上で有機溶液においてX−L−Yと反応させる。たとえば、反応は、ジイソプロピルエチルアミンなどの立体障害塩基の存在下で起こる。いくつかの実施形態において、アルキル化反応は、液体NH(Mosbergら(1985)、J. Am.Chem. Soc. 107:2986-2987; Szewczukら(1992)、Int. J. Peptide Protein Res. 40 :233-242)、NH/MeOH、またはNH/DMF(Orら(1991)、J. Org. Chem. 56:3146-3149)などの有機溶液中で実行される。別の実施形態において、アルキル化反応は、DMFまたはジクロロエタン中で実行される。次いでペプチド模倣大環状分子は、標準的な条件(たとえば、95%TFAなどの強酸)によって脱保護され、固相樹脂から切断される。
スキーム8において、ペプチド模倣体前駆体は2つ以上の−SH部分を含有しており、その2つが特別に保護されていることにより大環状分子形成のためのその選択的な脱保護およびその後のアルキル化を可能にする。ペプチド模倣体前駆体は、N−α−Fmoc−S−p−メトキシトリチル−L−システイン、N−α−Fmoc−S−p−メトキシトリチル−D−システイン、N−α−Fmoc−S−S−t−ブチル−L−システイン、およびN−α−Fmoc−S−S−t−ブチル−D−システインなどの市販のN−α−Fmocアミノ酸を使用した固相ペプチド合成(SPPS)によって合成される。D−システインまたはL−システインのα−メチル化型は、既知の方法(Seebachら(1996)、Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 35:2708-2748、およびその参照文献)によって作製され、次いで既知の方法(その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、「Bioorganic Chemistry: Peptides and Proteins」、Oxford University Press、New York: 1998)によって適切に保護されたN−α−Fmoc−S−p−メトキシトリチルまたはN−α−Fmoc−S−S−t−ブチルモノマーに変換される。ペプチド模倣体前駆体のS−S−tブチル保護基は、既知の条件(たとえば、DMF中20%2−メルカプトエタノール、参照:Galandeら(2005)、J. Comb. Chem. 7:174-177)によって選択的に切断される。次いで前駆体ペプチド模倣体を、樹脂上で有機溶液においてモル過剰のX−L−Yと反応させる。たとえば、反応は、ジイソプロピルエチルアミンなどの立体障害塩基の存在下で起こる。次いでペプチド模倣体前駆体のMmt保護基は、標準的な条件(たとえば、DCM中1%TFAなどの弱酸)によって選択的に切断される。次いでペプチド模倣体前駆体は、樹脂上で有機溶液における立体障害塩基による処理によって環化される。いくつかの実施形態において、アルキル化反応は、NH/MeOHまたはNH/DMF(Orら(1991)、J. Org. Chem. 56:3146-3149)などの有機溶液中で実行される。次いでペプチド模倣大環状分子は、標準的な条件(たとえば、95%TF
Aなどの強酸)によって脱保護され、固相樹脂から切断される。
スキーム9において、ペプチド模倣体前駆体は、2つのL−システイン部分を含有する。ペプチド模倣体前駆体は、生菌中で既知の生物学的発現系によって、または既知のインビトロ無細胞発現方法によって合成される。前駆体ペプチド模倣体は、粗混合物として有機または水性溶液においてX−L2−Yと反応させるか、または反応の前に精製する。いくつかの実施形態においてアルキル化反応は、大環化を容易にし、重合を回避するために希釈条件下(すなわち0.15mmol/L)で実行される。いくつかの実施形態において、アルキル化反応は、液体NH(Mosbergら(1985)、J. Am.Chem. Soc. 107:2986-2987; Szewczukら(1992)、Int. J. Peptide Protein Res. 40 :233-242)、NH/MeOH、またはNH/DMF(Orら(1991)、J. Org. Chem. 56:3146-3149)などの有機溶液中で実行される。別の実施形態において、アルキル化は、6MグアニジニウムHCL、pH8(Brunelら(2005)、Chem. Commun.(20):2552-2554)などの水性溶液中で実行される。別の実施形態において、アルキル化は、DMFまたはジクロロエタン中で実行される。別の実施形態において、アルキル化は非変性水溶液中で実行され、さらに別の実施形態においてアルキル化は、α−ヘリックス構造形成に有利な条件下で実行される。さらに別の実施形態において、アルキル化は、アルキル化の間に結合したα−ヘリックス立体構造の形成を誘導するように、前駆体ペプチド模倣体の別のタンパク質に対する結合に有利な条件下で実行される。
チオール基との反応に適当な、XおよびYについての様々な実施形態が想定される。一般に、各XまたはYは独立して、表5に示す一般的なカテゴリーから選択される。たとえば、XおよびYは、−Cl、−Brまたは−Iなどのハロゲン化物である。本明細書に記載の大環状形成リンカーのいずれかを、表1〜4に示す配列のいずれかとの、また、本明細書に示すR−置換基のいずれかとの任意の組合せで使用してもよい。
表8は、本発明の例示的な大環状分子を示す。「N」は、ノルロイシンを表し、メチオニン残基を置換する。同様なリンカーを使用して、表1〜表4において開示されているポリペプチド配列に基づいてペプチド模倣大環状分子を合成することが想定される。
本発明は、式(III)のペプチド模倣大環状分子の合成における天然および非天然両方のアミノ酸ならびにアミノ酸類似体の使用を想定する。安定なビス−スルフヒドリル含有ペプチド模倣大環状分子の合成のために採用される合成方法を行い易い任意のアミノ酸またはアミノ酸類似体を、本発明において使用することができる。たとえば、システインが本発明において有用なアミノ酸として想定される。しかしながら、異なるアミノ酸側鎖を含有するシステイン以外の含硫アミノ酸もまた、有用である。たとえば、システインは、アミノ酸のα−炭素とアミノ酸側鎖の末端−SHの間に1つのメチレン単位を含有する。本発明はまた、α−炭素と末端−SHの間に複数のメチレン単位を有するアミノ酸の使用も想定する。非限定的な例は、α−メチル−L−ホモシステインおよびα−メチル−D−ホモシステインを含む。いくつかの実施形態において、アミノ酸およびアミノ酸類似体は、D−配置である。別の実施形態において、アミノ酸およびアミノ酸類似体はL−配置である。いくつかの実施形態において、ペプチド模倣体に含有されるアミノ酸およびアミノ酸類似体の一部はD−配置であるが、アミノ酸およびアミノ酸類似体の一部はL−配置である。いくつかの実施形態において、アミノ酸類似体は、α−メチル−L−システインおよびα−メチル−D−システインなどのα,α−二置換のものである。
本発明は、ペプチド模倣体前駆体において大環状形成リンカーを使用して2つ以上の−SH部分を結合させることにより本発明のペプチド模倣大環状分子が形成される大環状分子を含む。上述したように、大環状形成リンカーは、立体構造の剛性、増加した代謝安定性および/または増加した細胞浸透性を付与する。さらに、いくつかの実施形態において、大環状形成結合は、ペプチド模倣大環状分子のα−ヘリックス二次構造を安定化させる。大環状形成リンカーは式X−L−Yのものであり、上記で定義した通りXおよびYはともに同じまたは異なる部分である。XおよびYはともに、1つの大環状形成リンカー−L−によるビス−スルフヒドリル含有ペプチド模倣体前駆体のビスアルキル化を可能にするという化学的特性を有する。上記で定義されている通り、リンカー−L−は、上記で定義されている通りすべてが場合によりR基で置換することができる、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、またはヘテロシクロアリーレン、または−R−K−R−を含む。さらに、スルフヒドリル含有アミノ酸の−SHに結合している炭素以外の、大環状形成リンカー−L−中の1〜3個の炭素原子が、N、SまたはOなどのヘテロ原子と場合により置換される。
大環状形成リンカーX−L−YのL成分は、とりわけ、ペプチド模倣大環状分子を形成するために使用される2つのアミノ酸類似体の位置の間の距離に応じて、長さが変化してもよい。さらに、大環状形成リンカーのLおよび/またはL成分の長さが変化するので、安定なペプチド模倣大環状分子の形成に適切な全長のリンカーをもたらすために、Lの長さもまた変化してもよい。たとえば、使用されるアミノ酸類似体がさらなるメチレン単位をそれぞれのLおよびLに付加することによって変化する場合、Lの長さは、LおよびLの増加した長さを相殺するための約2つのメチレン単位に相当する分の長さを減少させる。
いくつかの実施形態において、Lは、式−(CHのアルキレン基であり、nは約1〜約15の整数である。たとえば、nは1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である。別の実施形態において、Lはアルケニレン基である。さらに別の実施形態において、Lはアリール基である。
表9は、X−L−Y基のさらなる実施形態を示す。
本発明を実行するために適当であると想定される、ペプチド模倣大環状分子を形成するためのさらなる方法は、Mustapa,M.Firouz Mohdら、J.Org.Chem(2003)、68、8193〜8198頁;Yang、Binら Bioorg Med.Chem.Lett.(2004)、14、1403〜1406頁;米国特許第5364851号;米国特許第5446128号;米国特許第5824483号;米国特許第6713280号;および米国特許第7202332号によって開示されているものを含む。そのような実施形態において、α位にさらなる置換基R−を含有しているアミノ酸前駆体が使用される。そのようなアミノ酸は、架橋剤が置換される位置、または、あるいは、大環状分子前駆体配列中の他の場所であってもよい所望の位置で、大環状分子前駆体中に組み込まれる。次いで前駆体の環化を、示される方法に従って実施する。
アッセイ
本発明のペプチド模倣大環状分子の特性を、たとえば、以下に記述される方法を使用することによってアッセイする。
α−ヘリシティを決定するためのアッセイ
溶液中で、α−ヘリックスドメインを有するポリペプチドの二次構造は、ランダムコイル構造とα−ヘリックス構造との間の動的平衡に到達し、しばしば「ヘリシティパーセント(percent helicity)」として表される。したがって、たとえば、非修飾プロアポトーシスBH3ドメインは、溶液中で大部分が通常25%未満のα−ヘリックス含量を有するランダムコイルである。一方、最適化されたリンカーを有するペプチド模倣大環状分子は、たとえば、対応する架橋されていないポリペプチドよりも少なくとも2倍高いα−ヘリシティを有する。いくつかの実施形態において、本発明の大環状分子は、50%より高いαヘリシティを有するはずである。BH3ドメインベースの大環状分子などの本発明のペプチド模倣大環状分子のヘリシティをアッセイするために、化合物を、水性溶液(たとえばpH7の50mMのリン酸カリウム溶液、または蒸留HO、25〜50μMの濃度まで)中に溶解する。標準的な測定パラメーター(たとえば温度、20℃;波長、190〜260nm;ステップ解像度、0.5nm;速度、20nm/秒;蓄積、10;応答、1秒;帯域幅、1nm;経路長、0.1cm)を使用して、分光偏光計(たとえば、Jasco J-710)において円二色性(CD)スペクトルを得る。平均残基楕円率(たとえば[Φ]222obs)をヘリックスデカペプチドモデル(Yangら(1986)、Methods Enzymol. 130:208)について報告されている値で割ることによって、各ペプチドのα−ヘリックス含量を計算する。
融解温度(Tm)を決定するためのアッセイ
α−ヘリックスなどの二次構造を含む本発明のペプチド模倣大環状分子は、たとえば、対応する架橋されていないポリペプチドよりも高い融解温度を示す。典型的には、本発明のペプチド模倣大環状分子は、水性溶液中で高度に安定な構造を表す>60℃のTmを示す。融解温度に対する大環状分子形成の影響をアッセイするために、ペプチド模倣大環状分子または非修飾ペプチドを、蒸留HO中に溶解(たとえば50μMの最終濃度で)し、分光偏光計(たとえば、Jasco J-710)において標準的なパラメーター(たとえば波長222nm;ステップ解像度、0.5nm;速度、20nm/秒;蓄積、10;応答、1秒;帯域幅、1nm;温度上昇率:1℃/分;経路長、0.1cm)を使用して、ある温度範囲(たとえば4〜95℃)にわたって楕円率の変化を測定することによってTmを決定する。
プロテアーゼ耐性アッセイ
ペプチド骨格のアミド結合は、プロテアーゼによる加水分解を受けやすく、そのためペプチド性化合物はインビボでの急速な分解に対して脆弱になる。ペプチドヘリックス形成は、しかしながら、典型的にはアミド骨格を埋没させ、したがってプロテアーゼによる切断からアミド骨格を保護することができる。本発明のペプチド模倣大環状分子をインビトロのトリプシンタンパク質分解にかけて、対応する架橋されていないポリペプチドと比較した分解速度の変化について評価してもよい。たとえば、ペプチド模倣大環状分子および対応する架橋されていないポリペプチドを、トリプシンアガロースでインキュベートし、遠心分離によって様々な時点で反応をクエンチして、その後HPLC注入して280nmでの紫外線吸収により残存基質を定量する。簡潔に述べると、ペプチド模倣大環状分子およびペプチド模倣体前駆体(5mcg)を、トリプシンアガロース(Pierce)(S/E約125)で0、10、20、90、および180分間インキュベートする。高速での卓上遠心分離によって反応をクエンチし、HPLCによる280nmでのピーク検出によって単離した上清中の残存している基質を定量する。タンパク質分解反応は一次速度式を示し、時間に対するln[S](k=−1 X勾配)のプロットから速度定数、kを決定する。
エクスビボ安定性アッセイ
最適化されたリンカーを有するペプチド模倣大環状分子は、たとえば、対応する架橋されていないポリペプチドよりも少なくとも2倍高いエクスビボ半減期を有し、12時間以上のエクスビボ半減期を有する。エクスビボ血清安定性試験について、様々なアッセイを使用することができる。たとえば、ペプチド模倣大環状分子および/または対応する架橋されていないポリペプチド(2mcg)を、新鮮なマウス、ラットおよび/またはヒト血清(たとえば1〜2mL)で、37℃で0、1、2、4、8、および24時間それぞれインキュベートする。異なる大環状分子濃度の試料は、血清による段階希釈によって調製することができる。インタクトな化合物のレベルを決定するために、以下の手順を使用することができる:100μlの血清を2mlの遠心管に移し、その後10μLの50%ギ酸および500μLのアセトニトリルを添加し、4±2℃で10分間、14000RPMで遠心分離することによって試料を抽出する。次いで上清を新しい2mlのチューブに移し、TurbovapにおいてN<10psi下、37℃で蒸発させる。試料を100μLの50:50アセトニトリル:水において再構成し、LC−MS/MS分析にかける。エクスビボ安定性を試験するための同等または同様の手順が知られており、血清における大環状分子の安定性を決定するために使用することができる。
インビトロ結合アッセイ
受容体タンパク質に対するペプチド模倣大環状分子およびペプチド模倣体前駆体の結合および親和性を評価するために、たとえば、蛍光偏光アッセイ(FPA)が使用される。FPA技術は、偏光および蛍光トレーサーを使用して分子の配向および運動性を測定する。偏光によって励起されると、高い見かけの分子量を有する分子に結合している蛍光トレーサー(たとえば、FITC)(たとえば大きなタンパク質に結合したFITC標識ペプチド)は、より小さい分子に結合している蛍光トレーサー(たとえば溶液中に遊離しているFITC標識ペプチド)と比較してそのより遅い回転速度のために、より高いレベルの偏光蛍光を発する。
たとえば、フルオレセイン化されたペプチド模倣大環状分子(25nM)を、結合緩衝液(140mMのNaCl、50mMのTris−HCL、pH7.4)中で、受容体タンパク質(25〜1000nM)と一緒に室温で30分間インキュベートする。結合活性を、たとえば、ルミネッセンス分光光度計(たとえばPerkin-Elmer LS50B)において蛍光偏光によって測定する。Kd値は、たとえば、Graphpad Prismソフトウェア(GraphPad Software,Inc.、San Diego、CA)を使用して非線形回帰分析によって決定することができる。本発明のペプチド模倣大環状分子は、場合によっては、対応する架橋されていないポリペプチドと同様のまたはそれより低いKdを示す。
BCL−2、BCL−X、BAXまたはMCL1などのBH3ペプチドの受容体タンパク質を、たとえば、このアッセイにおいて使用してもよい。そのようなアッセイを実行するためのさらなる方法は、下記の実施例の項において記述されている。
ペプチド−タンパク質相互作用のアンタゴニストを同定するためのインビトロ置換アッセイ
ペプチド(たとえばBH3ペプチドまたはp53ペプチド)と受容体タンパク質との間の相互作用をアンタゴナイズする化合物の結合および親和性を評価するために、たとえば、ペプチド模倣体前駆体配列に由来するフルオレセイン化ペプチド模倣大環状分子を使用した蛍光偏光アッセイ(FPA)を使用する。FPA技術は、偏光および蛍光トレーサーを使用して分子の配向および運動性を測定する。偏光によって励起されると、高い見かけの分子量を有する分子に結合している蛍光トレーサー(たとえば、FITC)(たとえば大きなタンパク質に結合したFITC標識ペプチド)は、より小さい分子に結合している蛍光トレーサー(たとえば溶液中に遊離しているFITC標識ペプチド)と比較してそのより遅い回転速度のために、より高いレベルの偏光蛍光を発する。フルオレセイン化ペプチド模倣大環状分子と受容体タンパク質との間の相互作用をアンタゴナイズする化合物は、競合的結合FPA実験において検出されるはずである。
たとえば、推定アンタゴニスト化合物(1nM〜1mM)およびフルオレセイン化されたペプチド模倣大環状分子(25nM)を、結合緩衝液(140mMのNaCl、50mMのTris−HCL、pH7.4)中で、受容体タンパク質(50nM)と一緒に室温で30分間インキュベートする。アンタゴニスト結合活性を、たとえば、ルミネッセンス分光光度計(たとえばPerkin-Elmer LS50B)において蛍光偏光によって測定する。Kd値は、たとえば、Graphpad Prismソフトウェア(GraphPad Software,Inc.、San Diego、CA)を使用して非線形回帰分析によって決定することができる。
小有機分子、ペプチド、オリゴヌクレオチドまたはタンパク質などの任意のクラスの分子を、このアッセイにおいて推定アンタゴニストとして検査することができる。BCL2、BCL−XL、BAXまたはMCL1などのBH3ペプチドの受容体タンパク質を、このアッセイにおいて使用することができる。そのようなアッセイを実行するためのさらなる方法は、下記の実施例の項において記述されている。
細胞溶解物またはインタクトな細胞における結合アッセイ
細胞溶解物またはインタクトな細胞において、天然受容体に対するペプチドまたはペプチド模倣大環状分子の結合を、免疫沈降およびプルダウン実験によって測定することが可能である。たとえば、インタクトな細胞を、血清の非存在下でフルオレセイン化(FITC標識)またはビオチン化化合物と一緒に4時間インキュベートし、その後血清代替物とさらに4〜18時間インキュベートする。あるいは、実験期間中、細胞をOpti−MEM(Invitrogen)においてインキュベートすることができる。次いで細胞をペレット化し、溶解緩衝液(50mMのTris[pH7.6]、150mMのNaCl、1%CHAPSおよびプロテアーゼ阻害剤カクテル)中で、10分間4℃でインキュベートする。1%NP−40またはTriton X−100をCHAPSの代わりに使用してもよい。抽出物を14000rpmで15分間遠心分離にかけ、上清を回収して10μlのヤギ抗FITC抗体またはストレプトアビジン被覆ビーズと4℃で回転させながら2時間インキュベートし、その後さらに4℃で2時間、プロテインA/Gセファロース(50μlの50%ビーズスラリー)とインキュベートする。ストレプトアビジンビーズを使用の場合、ビオチン化化合物をプルダウンするための第2の工程は不要である。あるいは、上述の通り調製したFITC標識またはビオチン化化合物を、細胞溶解物と2時間、4℃で回転させながらインキュベートし、その後10μlのヤギ抗FITC抗体またはストレプトアビジン被覆ビーズと2時間、4℃で回転させながらインキュベートし、その後さらに2時間、プロテインA/Gセファロース(50μlの50%ビーズスラリー)と4℃でインキュベートし、ストレプトアビジンビーズを使用の場合、ビオチン化化合物をプルダウンするための第2の工程は不要である。短時間の遠心分離の後、ペレットを、増加する塩濃度(たとえば、150、300、500mMのNaCl)を含有する溶解緩衝液中で洗浄してもよい。次いでビーズを、SDS含有試料緩衝液の添加および煮沸の前に150mMのNaClで再平衡化させてもよい。ビーズおよび細胞溶解物を、4%〜12%勾配Bis−Trisゲルを使用して電気泳動し、その後Immobilon−Pメンブレンに移してもよい。ブロッキング後、ブロットを、それぞれ、FITCまたはビオチンを検出する抗体と、またBCL2、MCL1、BCL−XL、A1、BAX、およびBAKを含む、ペプチド模倣大環状分子に結合するタンパク質を検出する1つまたは複数の抗体と、インキュベートしてもよい。溶解物ブロットもまた、ローディング対照のための抗Hsc−70でプローブされる。あるいは、電気泳動後にゲルを銀染色し、FITC標識またはビオチン化化合物に特異的に落下するタンパク質を検出してもよい。
細胞浸透性アッセイ
ペプチド模倣大環状分子は、たとえば、対応する架橋されていないポリペプチドと比較して細胞透過性が高い。いくつかの実施形態において、ペプチド模倣大環状分子は、対応する架橋されていないポリペプチドよりも細胞透過性が高い。最適化されたリンカーを有するペプチド模倣大環状分子は、たとえば、対応する架橋されていないポリペプチドよりも少なくとも2倍高い細胞浸透性を有し、しばしば、適用されたペプチド模倣大環状分子の20%以上が、4時間後には細胞に浸透したことが観察される。ペプチド模倣大環状分子および対応する架橋されていないポリペプチドの細胞浸透性を測定するために、インタクトな細胞を、フルオレセイン化ペプチド模倣大環状分子または対応する架橋されていないポリペプチド(10μM)と一緒に4時間、37℃で無血清培地においてインキュベートし、培地で2回洗浄し、トリプシン(0.25%)で10分間、37℃でインキュベートする。細胞を再度洗浄してPBS中に再懸濁する。細胞の蛍光を、たとえば、FACSCaliburフローサイトメーターまたはCellomics’ KineticScan(登録商標)HCS Readerを使用することによって分析する。細胞浸透を定量するためのさらなる方法を使用してもよい。提供されている実施例において、特定の方法がより詳細に記述されている。
細胞の有効性アッセイ
ある特定のペプチド模倣大環状分子の有効性は、たとえば、ヒトまたはマウス細胞集団に由来する様々な腫瘍形成性および非腫瘍形成性の細胞株ならびに初代細胞を使用した細胞ベースの死滅アッセイにおいて決定される。細胞生存率を、たとえば、ペプチド模倣大環状分子(0.5〜50μM)による24〜96時間のインキュベーションにわたってモニターして、EC50<10μMで死滅させるものを特定する。この関連において、EC50は、集団の50%が生存可能であるペプチド模倣大環状分子の濃度である、半最大有効濃度のことをいう。細胞生存率を測定するいくつかの標準的なアッセイが市販されており、ペプチド模倣大環状分子の有効性を評価するために場合により使用される。加えて、ペプチド模倣大環状分子がアポトーシス機構を活性化することによって細胞を死滅させるかどうかを評価するために、アネキシンVおよびカスパーゼ活性化を測定するアッセイが場合により使用される。たとえば、細胞内ATP濃度の関数として細胞生存率を決定するCell Titergloアッセイが使用される。
インビボ安定性アッセイ
ペプチド模倣大環状分子のインビボ安定性を調べるために、化合物を、たとえば、マウスおよび/またはラットに、IV、IP、SC、POまたは吸入経路によって0.1〜50mg/kgの範囲の濃度で投与し、注入後0分、5分、15分、30分、1時間、4時間、8時間、12時間、24時間および48時間で血液検体を採取する。次いで25μLの新鮮血清中のインタクトな化合物の濃度をLC−MS/MSによって本明細書に記載の通り測定する。
動物モデルにおけるインビボ有効性
インビボでの本発明のペプチド模倣大環状分子の抗発癌活性を決定するために、化合物を、たとえば、単独で(IP、IV、SC、PO、吸入または鼻腔内経路によって)または最適以下の用量の関連する化学療法(たとえば、シクロフォスファミド、ドキソルビシン、エトポシド)と組み合わせて投与する。一例において、ルシフェラーゼを安定に発現する5×10個のSEMK2細胞(急性リンパ芽球性白血病患者の骨髄から確立された)を、NOD−SCID、SCID−beigeまたはNOD.IL2rgKOマウスの尾静脈内に、全身照射を受けてから3時間後に注入する。照射を受けていないマウスもまた、これらの試験に使用してもよい。治療しないまま放置すると、この形態の白血病はこのモデルにおいて3週間以内に死に至る。白血病は、たとえば、マウスにD−ルシフェリン(60mg/kg)を注入し、麻酔をかけた動物をイメージングする(たとえば、Xenogen In Vivo Imaging系、Caliper Life Sciences、Hopkinton、MA)ことによって、容易にモニターされる。全身の生物発光を、Living Image Software(Caliper Life Sciences、Hopkinton、MA)による光子フラックス(光子/秒)の積分によって定量する。単独のまたは最適以下の用量の関連する化学療法剤と組み合わせたペプチド模倣大環状分子を、たとえば、白血病マウス(注入の8〜10日後/実験の1日目、14〜16の生物発光範囲内)に尾静脈またはIP経路で0.1mg/kg〜50mg/kgの範囲の用量で7〜21日間投与する。場合により、実験中1日おきにマウスをイメージングし、実験期間中、毎日生存をモニターする。死亡したマウスを場合により、実験終了時に解剖する。別の動物モデルは、ルシフェラーゼを安定に発現する、ヒト濾胞性リンパ腫に由来する細胞株DoHH2の、NOD−SCIDマウスへの移植である。これらのインビボ試験は場合により、予備的な薬物動態的、薬力学的および毒性データをもたらす。
臨床試験
ヒトの治療に対する本発明のペプチド模倣大環状分子の適性を決定するために、臨床試験を実行する。たとえば、癌と診断された治療を必要とする患者を選択して、治療群および1つまたは複数の対照群に分け、治療群には本発明のペプチド模倣大環状分子を投与し、一方対照群には、プラセボ、既知の抗癌剤、または標準的な医療を与える。このようにして本発明のペプチド模倣大環状分子の治療の安全性および有効性は、生存および生活の質などの因子に関して患者群の比較を実行することによって評価することができる。この例において、ペプチド模倣大環状分子で治療した患者群は、プラセボまたは標準的な医療で治療した患者対照群と比較して長期生存の改善を示す。
医薬組成物および投与経路
投与方法は、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、口腔内、舌下、脳内、膣内、経皮、直腸、吸入による、または耳、鼻、目、もしくは皮膚への塗布による局所を含むがこれらに限定されない。
本発明のペプチド模倣大環状分子はまた、薬学的に許容される誘導体またはそのプロドラッグも含む。「薬学的に許容される誘導体」は、受容者に投与すると本発明の化合物を(直接的または間接的に)提供することができる、任意の薬学的に許容される本発明の化合物の塩、エステル、エステルの塩、プロドラッグまたは別の誘導体を意味する。たとえば、薬学的に許容される誘導体は、哺乳動物に投与される場合、本発明の化合物のバイオアベイラビリティを増加させる(たとえば、経口投与された化合物の血液中への吸収を増加させることによって)か、または親種と比較して生物学的区画(たとえば、脳またはリンパ系)への活性な化合物の送達を増加させる。いくつかの薬学的に許容される誘導体は、水溶解度または胃腸粘膜の能動輸送を増加させる化学基を含む。
いくつかの実施形態において、本発明のペプチド模倣大環状分子は、選択的な生物学的特性を増強するために、適切な官能基を共有結合または非共有結合で結合することによって修飾される。そのような修飾は、所与の生物学的区画(たとえば、血液、リンパ系、中枢神経系)への生体浸透性を増加させる、経口有効性を増加させる、可溶性を増加させて注入による投与を可能にする、代謝を変化させる、および排泄率を変化させるものを含む。
本発明の化合物の薬学的に許容される塩は、薬学的に許容される無機および有機の酸および塩基に由来するものを含む。適当な酸性塩の例は、酢酸塩、アジピン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、二グルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、パルモエート、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩およびウンデカン酸塩を含む。適切な塩基に由来する塩は、アルカリ金属(たとえば、ナトリウム)塩、アルカリ土類金属(たとえば、マグネシウム)塩、アンモニウム塩およびN−(アルキル) 塩を含む。
本発明の化合物から医薬組成物を調製するために、薬学的に許容される担体は固体または液体の担体を含む。固体形態の製剤は、粉末剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、および分散性粒剤を含む。固体担体は、希釈剤、着香剤、結合剤、防腐剤、錠剤崩壊剤、またはカプセル化材料としても機能する1つまたは複数の物質とすることができる。処方および投与のための技術に関する詳細は、科学および特許文献において十分に記述されており、たとえば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Maack Publishing Co、Easton PAの最新版を参照されたい。
粉末剤において、担体は、微粉化した活性成分と混合されている微粉化した固体である。錠剤において、活性成分は、必要な結合特性を有する担体と適当な割合で混合され、所望の形状および大きさに圧縮される。
適当な固体賦形剤は、デキストロース、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含む糖;トウモロコシ、小麦、米、ジャガイモ、または別の植物のデンプン;メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、またはカルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース;ならびにアラビアゴムおよびトラガカントゴムを含むゴム;ならびにゼラチンおよびコラーゲンなどのタンパク質、を含むがこれらに限定されない炭水化物またはタンパク質充填剤である。所望であれば、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸、またはアルギン酸ナトリウムなどのこれらの塩などの崩壊剤または可溶化剤を加える。
液体形態の製剤は、液剤、懸濁剤、および乳剤、たとえば、水または水/プロピレングリコール溶液を含む。非経口注入用に、液体製剤は、水性ポリエチレングリコール溶液中の溶液に処方することができる。「非経口」という用語は、本明細書において使用される場合、静脈内、動脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、および皮下を含む投与方法のことをいう。
医薬製剤は、好ましくは単位剤形である。このような形態では、製剤は、適切な量の活性成分を含有する単位用量にさらに分割される。単位剤形は、バイアルまたはアンプル中に小分けされた錠剤、カプセル、および粉末など、個別量の製剤を収容しているパッケージ製剤とすることができる。また、単位剤形は、それ自体をカプセル剤、錠剤、カシェ剤、またはトローチ剤とすることができ、または、適切な数のこれらのパッケージ化形態のいずれかとすることができる。
本発明の組成物がペプチド模倣大環状分子と1つまたは複数のさらなる治療剤または予防剤の組合せを含む場合、化合物およびさらなる薬剤の両方は、約1〜100%の投薬量レベル、およびより好ましくは単独療法レジメンにおいて通常投与される約5〜95%の投薬量で存在するべきである。いくつかの実施形態において、さらなる薬剤は、反復投与レジメンの一部として、本発明の化合物とは別々に投与される。あるいは、これらの薬剤は1つの剤形の一部であり、1つの組成物中に本発明の化合物と一緒に混合される。
使用方法
一態様において、本発明は、ペプチド模倣大環状分が模倣しているタンパク質またはペプチドの天然リガンドに結合する作用物質を特定するための競合的結合アッセイにおいて有用である、新規なペプチド模倣大環状分子を提供する。たとえば、BH3/BCL−X抗アポトーシス系において、BH3に基づく標識ペプチド模倣大環状分子を、競合的にBCL−Xに結合する小分子とともにBCL−X結合アッセイにおいて使用することができる。競合的結合試験は、BH3/BCL−X系に特異的な薬物候補の迅速なインビトロ評価および決定を可能にする。本発明は、ペプチド模倣大環状分子に対する抗体の産生をさらに提供する。いくつかの実施形態において、これらの抗体は、ペプチド模倣大環状分子、およびペプチド模倣大環状分子が由来しているBH3ペプチド模倣体前駆体の両方に特異的に結合する。そのような抗体は、たとえば、BH3/BCL−XL系をそれぞれ妨害する。
別の態様において、本発明は、異常な(たとえば、不十分なまたは過剰な)BCL−2ファミリーメンバーの発現または活性(たとえば、外因性または内因性アポトーシス経路異常)に関連する障害のリスクのある(または罹患しやすい)または障害を有する対象を治療するための予防および治療方法の両方を提供する。いくつかのBCL−2型障害は、少なくとも一部は、1つまたは複数のBCL−2ファミリーメンバーの異常レベル(たとえば、過剰または過少発現)によって、または異常な活性を示す1つまたは複数のBCL−2ファミリーメンバーの存在によって引き起こされると考えられている。そのように、BCL−2ファミリーメンバーのレベルおよび/または活性の減少またはBCL−2ファミリーメンバーのレベルおよび/または活性の増強は、たとえば、障害の有害な症状を改善または減少させるために使用される。
一実施形態において、本発明の化合物を使用して、Mcl−1の発現または過剰発現に関連する障害を治療する。Mcl−1は、多くの組織および腫瘍細胞株において発現されることが示されており、悪性腫瘍の発生に関与すると考えられている。(Thallingerら(2004)Clin. Cancer Res. 10:4185-4191)。本発明のペプチド模倣大環状分子を、そのような悪性腫瘍の治療のために使用してもよい。
一実施形態において、治療される障害(たとえば癌)は、本発明のペプチド模倣大環状分子に示差的に応答する。いくつかの実施形態において、癌はBIMペプチド模倣大環状分子で治療され、インビトロ細胞生存率アッセイにおいて測定すると、BIDポリペプチド(BIDペプチド模倣大環状分子または架橋されていないポリペプチドなど)を使用した治療に対する感受性の少なくとも2分の1である。別の実施形態において、癌は、インビトロ細胞生存率アッセイにおいて測定すると、BIDポリペプチドを使用した治療に対する感受性の少なくとも5分の1である。さらに別の実施形態において、癌は、インビトロ細胞生存率アッセイにおいて測定すると、BIDポリペプチドを使用した治療に対する感受性の少なくとも8分の1である。別の実施形態において、癌はBIDペプチド模倣大環状分子で治療され、インビトロ細胞生存率アッセイにおいて測定すると、BIMポリペプチド(BIMペプチド模倣大環状分子または架橋されていないポリペプチドなど)を使用した治療に対する感受性の少なくとも2分の1である。別の実施形態において、癌は、インビトロ細胞生存率アッセイにおいて測定すると、BIMポリペプチドを使用した治療に対する感受性の少なくとも5分の1である。さらに別の実施形態において、癌は、インビトロ細胞生存率アッセイにおいて測定すると、BIMポリペプチドを使用した治療に対する感受性の少なくとも8分の1である。
別の実施形態において、ヒト患者を治療するための方法であって、BCL−ファミリータンパク質のレベルを評価するためのアッセイを実行する工程、および異常なまたは不規則なBCL−ファミリータンパク質の発現レベルが検出されれば患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含む方法が提供される。BCL−ファミリータンパク質は、たとえば、BCL−2、BCL−XL、MCL−1、Bfl1/Al、BOO/DIVA、NRH/NR13、BAX、BAD、BAK、BOK、BIK、PUMA、BIM、BMF、BLK、BNIP3、HRK、NIX、SPIKE、およびNoxaを含む。一実施形態において、ヒト患者を治療するための方法であって、患者のBCL−2レベルを評価するためのアッセイを実行する工程、および異常なまたは不規則なBCL−2の発現レベルが検出されれば患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含む方法が提供される。別の実施形態において、ヒト患者を治療するための方法であって、患者のBCL−XLレベルを評価するためのアッセイを実行する工程、および異常なまたは不規則なBCL−XLの発現レベルが検出されれば患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含む方法が提供される。別の実施形態において、ヒト患者を治療するための方法であって、患者のMCL−1レベルを評価するためのアッセイを実行する工程、および異常なまたは不規則なMCL−1の発現レベルが検出されれば患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含む方法が提供される。別の実施形態において、ヒト患者を治療するための方法であって、患者のBAXレベルを評価するためのアッセイを実行する工程、および異常なまたは不規則なBAXの発現レベルが検出されれば患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含む方法が提供される。別の実施形態において、ヒト患者を治療するための方法であって、患者のBADレベルを評価するためのアッセイを実行する工程、および異常なまたは不規則なBADの発現レベルが検出されれば患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含む方法が提供される。別の実施形態において、ヒト患者を治療するための方法であって、患者のBAKレベルを評価するためのアッセイを実行する工程、および異常なまたは不規則なBAKの発現レベルが検出されれば患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含む方法が提供される。別の実施形態において、ヒト患者を治療するための方法であって、患者のPUMAレベルを評価するためのアッセイを実行する工程、および異常なまたは不規則なPUMAの発現レベルが検出されれば患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含む方法が提供される。別の実施形態において、ヒト患者を治療するための方法であって、患者のNoxaレベルを評価するためのアッセイを実行する工程、および異常なまたは不規則なNoxaの発現レベルが検出されれば患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含む方法が提供される。別の実施形態において、ヒト患者を治療するための方法であって、患者のNoxaレベルを評価するためのアッセイを実行する工程、および異常なまたは不規則なNoxaの発現レベルが検出されれば患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含む方法が提供される。別の実施形態において、ヒト患者を治療するための方法であって、患者のBfl1/A1レベルを評価するためのアッセイを実行する工程、および異常なまたは不規則なBfl1/A1の発現レベルが検出されれば患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含む方法が提供される。別の実施形態において、ヒト患者を治療するための方法であって、患者のBOO/DIVAレベルを評価するためのアッセイを実行する工程、および異常なまたは不規則なBOO/DIVAの発現レベルが検出されれば患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含む方法が提供される。別の実施形態において、ヒト患者を治療するための方法であって、患者のNRH/NR13レベルを評価するためのアッセイを実行する工程、および異常なまたは不規則なNRH/NR13の発現レベルが検出されれば患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含む方法が提供される。別の実施形態において、ヒト患者を治療するための方法であって、患者のBOKレベルを評価するためのアッセイを実行する工程、および異常なまたは不規則なBOKの発現レベルが検出されれば患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含む方法が提供される。別の実施形態において、ヒト患者を治療するための方法であって、患者のBIKレベルを評価するためのアッセイを実行する工程、および異常なまたは不規則なBIKの発現レベルが検出されれば患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含む方法が提供される。別の実施形態において、ヒト患者を治療するための方法であって、患者のBMFレベルを評価するためのアッセイを実行する工程、および異常なまたは不規則なBMFの発現レベルが検出されれば患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含む方法が提供される。別の実施形態において、ヒト患者を治療するための方法であって、患者のBLKレベルを評価するためのアッセイを実行する工程、および異常なまたは不規則なBLKの発現レベルが検出されれば患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含む方法が提供される。別の実施形態において、ヒト患者を治療するための方法であって、患者のBNIP3レベルを評価するためのアッセイを実行する工程、および異常なまたは不規則なBNIP3の発現レベルが検出されれば患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含む方法が提供される。別の実施形態において、ヒト患者を治療するための方法であって、患者のHRKレベルを評価するためのアッセイを実行する工程、および異常なまたは不規則なHRKの発現レベルが検出されれば患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含む方法が提供される。別の実施形態において、ヒト患者を治療するための方法であって、患者のNixレベルを評価するためのアッセイを実行する工程、および異常なまたは不規則なNixの発現レベルが検出されれば患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含む方法が提供される。別の実施形態において、ヒト患者を治療するための方法であって、患者のSPIKEレベルを評価するためのアッセイを実行する工程、および異常なまたは不規則なSPIKEの発現レベルが検出されれば患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含む方法が提供される。
本明細書において使用される場合、「治療」という用語は、疾患、疾患の症状または疾患に対する素因を、回復させる、治癒する、軽減する、緩和する、変化させる、治す、改善する、好転させる、または影響を与えるという目的で、疾患、疾患の症状または疾患に対する素因を有する患者への治療剤の適用もしくは投与、または、同患者から単離した組織もしくは細胞株への治療剤の適用もしくは投与と定義される。
いくつかの実施形態において、本発明のペプチド模倣大環状分子を使用して、癌および腫瘍の状態を治療、予防、および/または診断する。本明細書において使用される場合、「癌」、「過剰増殖性」および「腫瘍性」という用語は、自律的増殖能、すなわち、急速に増殖する細胞増殖によって特徴付けられる異常な状況または状態を有する細胞のことをいう。過剰増殖性疾患および新生物疾患の状況は、病的なもの、すなわち、疾患状況を特徴付けているまたは構成しているものとして分類することができ、または非病的なもの、すなわち、標準から逸脱しているが疾患状況を伴わないものとして分類することができる。この用語は、組織病理学的タイプまたは侵襲性のステージに関係なくすべてのタイプの癌増殖または発癌過程、転移組織または悪性形質転換した細胞、組織、もしくは器官を含むことを意味する。転移性腫瘍は、乳房、肺、肝臓、結腸および卵巣の起源の腫瘍を含むがこれらに限定されない、多数の原発性腫瘍型から生じる可能性がある。「病的過剰増殖性」細胞は、悪性腫瘍増殖によって特徴付けられる疾患状況において発生する。非病的な過剰増殖性細胞の例は、創傷回復に伴う細胞の増殖を含む。細胞増殖性障害および/または分化性障害の例は、癌、たとえば癌腫、肉腫、または転移性障害を含む。いくつかの実施形態において、ペプチド模倣大環状分子は、乳癌、卵巣癌、結腸癌、肺癌、そのような癌の転移などを抑制するための新規な治療剤である。
癌または腫瘍病態の例は、線維肉腫、筋肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、胃癌、食道癌、直腸癌、膵臓癌、卵巣癌、前立腺癌、子宮癌、頭頸部癌、皮膚癌、脳腫瘍、扁平上皮がん、皮脂腺がん、乳頭がん、乳頭腺がん、嚢胞腺がん、髄様がん、気管支原性がん、腎細胞がん、肝臓がん、胆管がん、絨毛がん、精上皮腫、胎児性がん、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、睾丸癌、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、膀胱がん、上皮がん、グリオーマ、星状膠細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、乏突起膠細胞腫、髄膜腫、メラノーマ、神経芽腫、網膜芽腫、白血病、リンパ腫、またはカポジ肉腫を含むがこれらに限定されない。
増殖性障害の例は、造血性腫瘍障害を含む。本明細書において使用される場合、「造血性腫瘍障害」という用語は、造血起源の、たとえば、ミエロイド系、リンパ系または赤血球系、またはこれらの前駆体細胞から生じる、過形成/腫瘍性細胞を伴う疾患を含む。好ましくは、疾患は、未分化急性白血病、たとえば、赤芽球性白血病および急性巨核芽球性白血病から生じる。さらなる例示的な骨髄障害は、急性前骨髄性白血病(APML)、急性骨髄性白血病(AML)および慢性骨髄性白血病(CML)(Vaickus(1991)、Crit Rev. Oncol./Hemotol. 11:267-97に概説されている)を含むがこれらに限定されず;リンパ性悪性腫瘍は、B細胞系ALLおよびT細胞系ALLを含む急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、前リンパ性白血病(PLL)、有毛細胞白血病(HLL)およびワルデンストロームマクログロブリン血症(WM)を含むがこれらに限定されない。悪性リンパ腫のさらなる形態は、非ホジキンリンパ腫およびその変種、末梢T細胞リンパ腫、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、大顆粒リンパ球性白血病(LGF)、ホジキン病およびReed−Stemberg病を含むがこれらに限定されない。
乳房の細胞増殖および/または分化障害の例は、たとえば、上皮過形成、硬化性腺症、および小管乳頭腫を含む増殖性乳房疾患;腫瘍、たとえば、線維腺腫、葉状腫瘍、および肉腫などの間質性腫瘍、ならびに大管乳頭腫などの上皮腫瘍;上皮内腺管がん(パジェット病を含む)および上皮内小葉がんを含む上皮内(非侵襲性)がんを含む乳がん、ならびに、侵襲性腺管がん、侵襲性小葉がん、髄様がん、膠様(粘液)がん、管状がん、および侵襲性乳頭がんを含むがこれらに限定されない侵襲性(浸潤性)がん、ならびに混合型悪性腫瘍を含むがこれらに限定されない。男性乳房における障害は、女性化乳房およびがんを含むがこれらに限定されない。
肺の細胞増殖および/または分化障害の例は、腫瘍随伴症候群を含む気管支原性がん、細気管支肺胞上皮がん、気管支カルチノイドなどの神経内分泌腫瘍、混合型腫瘍、および転移性腫瘍;炎症性胸水、非炎症性胸水、気胸を含む胸膜の病変、ならびに単発性線維性腫瘍(胸膜線維腫)および悪性中皮腫を含む胸膜腫瘍を含むがこれらに限定されない。
結腸の細胞増殖および/または分化障害の例は、非腫瘍性ポリープ、腺腫、家族性症候群、結腸直腸発癌、結腸直腸がん、およびカルチノイド腫瘍を含むがこれらに限定されない。
肝臓の細胞増殖および/または分化障害の例は、結節性過形成、腺腫、ならびに肝臓の原発性がんおよび転移性腫瘍を含む悪性腫瘍を含むがこれらに限定されない。
卵巣の細胞増殖および/または分化障害の例は、体腔上皮の腫瘍、漿液性腫瘍、粘液性腫瘍、子宮内膜性腫瘍、明細胞腺がん、嚢胞性線維腺腫、ブレンナー腫瘍、表層上皮腫瘍などの卵巣腫瘍;成熟型(良性)奇形腫、限定型奇形腫、未熟型悪性奇形腫、未分化胚細胞種、内胚葉洞腫瘍、絨毛癌などの胚細胞腫瘍;顆粒膜細胞腫瘍、莢膜細胞線維腫、男性ホルモン産生細胞腫、hill細胞腫瘍、および性腺芽腫などの性索間質性腫瘍;およびクルーケンベルグ腫瘍などの転移性腫瘍を含むがこれらに限定されない。
乳癌
一態様において、本発明は、本発明のペプチド模倣大環状分子を投与することによって乳癌を治療するための方法を提供する。乳癌は、侵襲性腺管がん、侵襲性小葉がん、管状がん、侵襲性篩状がん、髄様がん、粘液性がんおよび別の大量の粘液を含む腫瘍などの侵襲性乳がん、嚢胞腺がん、円柱細胞粘液性がん、印環細胞がん、神経内分泌腫瘍(充実性神経内分泌がん、非定型カルチノイド腫瘍、小細胞/燕麦細胞がん、または大細胞神経内分泌がんを含む)、侵襲性乳頭がん、侵襲性微小乳頭がん、アポクリンがん、化生がん、純上皮性化生がん、混合型上皮/間葉化生がん、脂質がん、分泌がん、オンコサイトがん、腺様嚢胞がん、腺房細胞がん、グリコーゲンリッチ明細胞がん、脂腺がん、炎症性がんまたは両側乳がん;血管腫、血管腫症、血管外皮腫、偽血管腫様間質過形成、筋線維芽細胞腫、線維腫症(侵襲性)、炎症性筋線維芽細胞腫瘍、脂肪腫、血管脂肪腫、顆粒細胞腫瘍、神経線維腫、神経鞘腫、血管肉腫、脂肪肉腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、平滑筋腫、または平滑筋肉腫などの間葉腫瘍;筋上皮症、腺筋上皮腺症、腺筋上皮腫、または悪性筋上皮腫などの筋上皮病変;線維腺腫、葉状腫瘍、低悪性度管周囲性間質性肉腫、または乳腺過誤腫などの線維上皮腫瘍;および乳頭部腺腫、汗管腺腫、または乳頭のパジェット病などの乳頭の腫瘍を含む。
乳癌の治療は、標準的な医療の一部である療法などの任意のさらなる療法と組み合わせて実施されてもよい。乳腺腫瘤摘出術または乳房切除術などの外科技術は、本発明のペプチド模倣大環状分子による治療の前、最中、または後に実行されてもよい。あるいは、放射線療法を、本発明のペプチド模倣大環状分子と組み合わせて乳癌の治療のために使用してもよい。別の事例では、本発明のペプチド模倣大環状分子は、第2の治療剤と組み合わせて投与される。そのような作用物質は、個々の薬物または薬物と療法の組合せなどの化学療法剤であってもよい。たとえば、化学療法剤は、CMF(シクロフォスファミド、メトトレキサート、および5−フルオロウラシル);FACまたはCAF(5−フルオロウラシル、ドキソルビシン、シクロフォスファミド);ACまたはCA(ドキソルビシンおよびシクロフォスファミド);AC−Taxol(パクリタキセルの後にAC);TAC(ドセタキセル、ドキソルビシン、およびシクロフォスファミド);FEC(5−フルオロウラシル、エピルビシンおよびシクロフォスファミド);FECD(ドセタキセルの後にFEC);TC(ドセタキセルおよびシクロフォスファミド)などの補助の化学療法治療とすることができる。化学療法に加えて、トラスツズマブもまた、腫瘍の特徴(すなわちHER2/neu状態)および再発のリスクに応じてレジメンに加えてもよい。ホルモン療法もまた、化学療法治療の前、最中、または後に適切であり得る。たとえば、タモキシフェンを、または、アミノグルテチミド、アナストロゾール、エキセメスタン、ホルメスタン、レトロゾール、またはボロゾールを含むがこれらに限定されないアロマターゼ阻害剤の部類に入る化合物を投与してもよい。別の実施形態において、血管新生阻害剤を、乳癌治療のための併用療法において使用してもよい。血管新生阻害剤は、ベバシズマブを含むがこれに限定されない抗VEGF剤であってもよい。
卵巣癌
別の態様において、本発明のペプチド模倣大環状分子を使用して、卵巣癌を治療してもよい。卵巣癌は、体腔上皮の腫瘍、漿液性腫瘍、粘液性腫瘍、子宮内膜性腫瘍、明細胞腺がん、嚢胞性線維腺腫、ブレンナー腫瘍、表層上皮腫瘍などの卵巣腫瘍;成熟型(良性)奇形腫、限定型奇形腫、未熟型悪性奇形腫、未分化胚細胞種、内胚葉洞腫瘍、絨毛癌などの胚細胞腫瘍;顆粒膜細胞腫瘍、莢膜細胞線維腫、男性ホルモン産生細胞腫、hill細胞腫瘍、および性腺芽腫などの性索間質性腫瘍;ならびにクルーケンベルグ腫瘍などの転移性腫瘍を含む。
本発明のペプチド模倣大環状分子を、標準的な医療の一部である療法などの第2の療法と組み合わせて投与してもよい。外科手術、免疫療法、化学療法、ホルモン療法、放射線療法、またはこれらの組合せは、卵巣癌に使用できるいくつかの可能な治療である。いくつかの可能な外科的処置は、縮小手術、および片側または両側卵巣切除術および/または片側または両側卵管切除術を含む。
使用することができる抗癌剤は、シクロフォスファミド、エトポシド、アルトレタミン、およびイフォスファミドを含む。ホルモン療法を薬剤タモキシフェンと一緒に使用して、卵巣腫瘍を縮小させてもよい。放射線療法は、体外照射放射線療法および/または小線源療法であってもよい。
前立腺癌
別の態様において、本発明のペプチド模倣大環状分子を使用して、前立腺癌を治療してもよい。前立腺癌は、腺がんおよび転移した腺がんを含む。本発明のペプチド模倣大環状分子を、標準的な医療の一部である療法などの第2の療法と組み合わせて投与してもよい。前立腺癌の治療は、外科手術、放射線療法、高密度焦点式超音波(HIFU)、化学療法、凍結手術、ホルモン療法、またはこれらの任意の組合せを含んでいてもよい。外科手術は、前立腺切除、根治的会陰式前立腺全摘除術、腹腔鏡下根治的前立腺全摘除術、経尿道的前立腺切除術または睾丸摘出術を含んでいてもよい。放射線療法は、体外照射放射線療法および/または小線源療法を含んでいてもよい。ホルモン療法は、睾丸摘出術;フルタミド、ビカルタミド、ニルタミド、または酢酸シプロテロンなどの抗アンドロゲンの投与;ケトコナゾールおよびアミノグルテチミドなどの、DHEAなどの副腎アンドロゲンの産生を阻害する薬物治療;およびAbarelix(Plenaxis(登録商標))、Cetrorelix(Cetrotide(登録商標))、Ganirelix(Antagon(登録商標))、ロイプロリド、ゴセレリン、トリプトレリン、またはブセレリンなどのGnRHアンタゴニストまたはアゴニストを含んでいてもよい。体内でアンドロゲン活性を遮断する抗アンドロゲン薬を用いた治療は、別の利用可能な療法である。そのような薬剤は、フルタミド、ビカルタミド、およびニルタミドを含む。この療法は、典型的にはLHRH類似体投与または睾丸切除術と併用され、複合アンドロゲン遮断(CAB)と呼ばれる。化学療法は、たとえば、プレドニゾンなどのコルチコステロイドと一緒のドセタキセルの投与を含むがこれに限定されない。ドキソルビシン、エストラムスチン、エトポシド、ミトキサントロン、ビンブラスチン、パクリタキセル、カルボプラチンなどの抗癌剤もまた、前立腺癌の増殖を遅らせる、症状を減少させるおよび生活の質を改善するために投与されてもよい。ビスホスホネート薬などのさらなる化合物もまた、投与することができる。
腎臓癌
別の態様において、本発明のペプチド模倣大環状分子を使用して、腎臓癌を治療してもよい。腎臓癌は、腎細胞がん、腎外からの原発性腫瘍の転移、腎臓リンパ腫、扁平上皮がん、傍糸球体腫瘍(腎腫)、移行細胞がん、血管筋脂肪腫、膨大細胞腫およびウィルムス腫瘍を含むがこれらに限定されない。本発明のペプチド模倣大環状分子を、標準的な医療の一部である療法などの第2の療法と組み合わせて投与してもよい。腎臓癌の治療は、外科手術、経皮的療法、放射線療法、化学療法、ワクチン、または別の薬物治療を含んでもよい。本発明のペプチド模倣大環状分子と組み合わせて腎臓癌の治療に有用な外科技術は、副腎、腹膜後リンパ節、および腫瘍の侵襲を受けている任意の別の周囲組織の切除を含み得る腎臓切除術を含む。経皮的療法は、たとえば、腫瘍のイメージングに続く高周波アブレーションまたは凍結療法による標的破壊を含んでもよい画像誘導療法を含む。いくつかの事例において、腎臓癌の治療において有用な別の化学療法剤または別の薬剤は、α−インターフェロン、インターロイキン−2、ベバシズマブ、ソラフェニブ、スニチブ、テムシロリムスまたは別のキナーゼ阻害剤であってもよい。
膵臓癌
別の態様において、本発明は、本発明のペプチド模倣大環状分子を投与することによって、膵管組織の類上皮がんおよび膵管の腺がんから選択される膵臓癌などの膵臓癌を治療する方法を提供する。最も一般的なタイプの膵臓癌は、膵管の内腔において発生する腺がんである。膵臓癌に利用できる可能な治療は、外科手術、免疫療法、放射線療法、および化学療法を含む。可能な外科治療の選択肢は、膵尾部切除術または膵臓全摘および膵頭十二指腸切除術(Whipple手術)を含む。放射線療法、特に体外の機械によって放射線が腫瘍に集中される体外照射が、膵臓癌患者のための選択肢であってもよい。別の選択肢は、手術中に投与される術中電子線照射である。化学療法もまた、膵臓癌患者を治療するために使用してもよい。適当な抗癌剤は、5−フルオロウラシル(5−FU)、マイトマイシン、イフォスファミド、ドキソルビシン、ストレプトゾシン、クロロゾトシン、およびこれらの組合せを含むがこれらに限定されない。本発明によって提供される方法は、本発明のポリペプチドの投与またはペプチド模倣大環状分子の投与と外科手術、放射線療法、もしくは化学療法の組合せによって、膵臓癌患者に有益な効果をもたらすことができる。
結腸癌
一態様において、本発明のペプチド模倣大環状分子は、非腫瘍性ポリープ、腺腫、家族性症候群、結腸直腸発癌、結腸直腸がん、およびカルチノイド腫瘍を含むがこれらに限定されない結腸癌の治療のために使用してもよい。本発明のペプチド模倣大環状分子と組み合わせて使用することができる結腸癌に利用できる可能な治療は、外科手術、化学療法、放射線療法または標的薬物療法を含む。
放射線療法は、体外照射放射線療法および/または小線源療法を含んでいてもよい。転移が発症する見込みを減少させる、腫瘍サイズを縮小する、または腫瘍増殖を遅らせるために、化学療法を使用してもよい。化学療法はしばしば、外科手術後(アジュバント)、外科手術前(ネオアジュバント)、または外科手術が適応されない場合は一次療法時に(姑息的)に適用される。たとえば、補助剤化学療法のための例示的なレジメンは、5−フルオロウラシル注入、ロイコボリン、およびオキサリプラチン(FOLFOX)の組合せを含む。初回化学療法レジメンは、ベバシズマブ、セツキシマブもしくはパニツムマブなどの標的薬と一緒に5−フルオロウラシル注入、ロイコボリン、およびオキサリプラチン(FOLFOX)、またはベバシズマブ、セツキシマブもしくはパニツムマブなどの標的薬と一緒に5−フルオロウラシル注入、ロイコボリン、およびイリノテカン(FOLFIRI)の組合せを含んでもよい。本発明のペプチド模倣大環状分子と組み合わせて結腸癌の治療または予防において有用であり得る別の化学療法剤は、Bortezomib(Velcade(登録商標))、ObLImersen(Genasense(登録商標)、G3139)、GefitinibおよびErlotinib(Tarceva(登録商標))およびTopotecan(Hycamtin(登録商標))である。
肺癌
いくつかの実施形態は、本発明のペプチド模倣大環状分子を使用した肺癌の治療のための方法を提供する。肺の細胞増殖および/または分化障害の例は、腫瘍随伴症候群を含む気管支原性がん、細気管支肺胞上皮がん、気管支カルチノイドなどの神経内分泌腫瘍、混合型腫瘍、および転移性腫瘍;炎症性胸水、非炎症性胸水、気胸を含む胸膜の病変、ならびに単発性線維性腫瘍(胸膜線維腫)および悪性中皮腫を含む胸膜腫瘍を含むがこれらに限定されない。
最も一般的なタイプの肺癌は、肺癌の約80〜85%を占める非小細胞肺癌(NSCLC)であり、扁平上皮がん、腺がん、および大細胞未分化がんに分けられる。小細胞肺癌、たとえば小細胞肺がんは、肺癌の15〜20%を占める。肺癌の治療の選択肢は、外科手術、免疫療法、放射線療法、化学療法、光線力学療法、またはこれらの組合せを含む。肺癌治療のためのいくつかの可能な外科的選択肢は、部分もしくは楔状切除、肺葉切除術、または肺切除術である。放射線療法は、体外照射放射線療法または小線源療法であってもよい。本発明のペプチド模倣大環状分子と組み合わせて肺癌を治療するための化学療法において使用することができるいくつかの抗癌剤は、シスプラチン、カルボプラチン、パクリタキセル、ドセタキセル、ゲムシタビン、ビノレルビン、イリノテカン、エトポシド、ビンブラスチン、ゲフィチニブ、イフォスファミド、メトトレキサート、またはこれらの組合せを含む。光線力学療法(PDT)を使用して肺癌患者を治療してもよい。本明細書に記載の方法は、ペプチド模倣大環状分子の投与またはペプチド模倣大環状分子の投与と外科手術、放射線療法、化学療法、光線力学療法、もしくはこれらの組合せの組合せによって、肺癌患者に有益な効果をもたらすことができる。
肝臓の細胞増殖および/または分化障害の例は、結節性過形成、腺腫、ならびに肝臓の原発性がんおよび転移性腫瘍を含む悪性腫瘍を含むがこれらに限定されない。
免疫増殖性障害
免疫増殖性障害(「免疫増殖性疾患」または「免疫増殖性腫瘍」としても知られている)は、B細胞、T細胞およびナチュラルキラー(NK)細胞を含む免疫系の初代細胞の異常な増殖によって、または免疫グロブリン(抗体としても知られている)の過剰な産生によって特徴付けられる、免疫系の障害である。そのような障害は、一般的な部類のリンパ増殖性障害、高γグロブリン血症、およびパラプロテイン血症を含む。そのような障害の例は、X連鎖リンパ増殖性障害、常染色体リンパ増殖性障害、高IgM症候群、重鎖疾患、および低温型グロブリン血症を含むがこれらに限定されない。別の免疫増殖性障害は、移植片対宿主病(GVHD);乾癬;移植片移植拒絶反応に関連する免疫障害;T細胞リンパ腫;T細胞急性リンパ芽球性白血病;精巣血管中心性T細胞リンパ腫;良性リンパ性脈管炎;および自己免疫疾患、たとえば、エリテマトーデス、橋本甲状腺炎、原発性粘液水腫、グレーブズ疾患、悪性貧血、自己免疫性萎縮性胃炎、アジゾン病、インスリン依存性糖尿病、グッドパスチャー症候群、重症筋無力症、天疱瘡、クローン病、交感性眼炎、自己免疫性ブドウ膜炎、多発性硬化症、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少症、原発性胆汁性肝硬変、慢性活動性肝炎、潰瘍性結腸炎、シェーグレン症候群、関節リュウマチ、多発性筋炎、強皮症、および混合型結合組織疾患であり得る。
併用治療
一実施形態において、本発明のペプチド模倣大環状分子は、アルキル化およびアルキル化様剤と組み合わせて癌の治療のために使用してもよい。そのような薬剤は、たとえば、クロラムブシル、クロルメチン、シクロフォスファミド、イフォスファミド、およびメルファランなどのナイトロジェンマスタード;カルムスチン、フォテムスチン、ロムスチン、およびストレプトゾシンなどのニトロソウレア;カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、BBR3464、およびサトラプラチンなどの白金治療薬;またはブスルファン、ダカルバジン、プロカルバジン、テモゾロミド、チオテパ、トレオスルファン、もしくはウラムスチンを含むがこれらに限定されない別の薬剤を含む。
別の実施形態において、本発明のペプチド模倣大環状分子は、代謝拮抗物質である抗腫瘍剤と組み合わせて使用してもよい。たとえば、そのような抗腫瘍剤は、アミノプテリン、メトトレキサート、ペメトレキセド、またはラルチトレキセドなどの葉酸であってもよい。あるいは、抗腫瘍剤は、クラドリビン、クロファラビン、フルダラビン、メルカプトプリン、ペントスタチン、チオグアニンを含むがこれらに限定されないプリンであってもよい。さらなる実施形態において、抗腫瘍剤は、カペシタビン、シタラビン、フルオロウラシル、フロクスリジン、およびゲムシタビンなどのピリミジンであってもよい。
さらに別の実施形態において、本発明のペプチド模倣大環状分子は、紡錘体毒/有糸分裂阻害剤である抗腫瘍剤と組み合わせて使用してもよい。この部類の薬剤は、タキサン、たとえばドセタキセルおよびパクリタキセル;ならびにビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、およびビノレルビンなどのビンカアルカロイドを含む。さらに別の実施形態において、本発明のペプチド模倣大環状分子は、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、ピクサントロン、またはバルルビシンなどのアントラサイクリンファミリーの細胞毒性/抗腫瘍性抗生物質;アクチノマイシン、ブレオマイシン、マイトマイシン、またはプリカマイシンなどのストレプトミセス属ファミリーの抗生物質;またはヒドロキシウレアである抗腫瘍剤と組み合わせて使用してもよい。あるいは、併用療法に使用される薬剤は、カンプトセシン、トポテカン、イリノテカン、エトポシド、またはテニポシドを含むがこれらに限定されないトポイソメラーゼ阻害剤であってもよい。
あるいは、抗腫瘍剤は、抗体または抗体に由来する薬剤であってもよい。たとえば、セツキシマブ、パニツムマブ、またはトラスツズマブなどの受容体チロシンキナーゼを標的とする抗体を使用してもよい。あるいは、抗体は、リツキシマブもしくはトシツモマブなどの抗CD20抗体、またはアレムツズマブ、ベバシズマブ、およびゲムツズマブを含むがこれらに限定されない任意の別の適当な抗体であってもよい。別の実施形態において、抗腫瘍剤は、アミノレブリン酸、アミノレブリン酸メチル、ポルフィマーナトリウム、またはベルテポルフィンなどの光増感剤である。さらに別の実施形態において、抗腫瘍剤は、デジラニブ、ダサチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、またはバンデタニブなどのチロシンキナーゼ阻害剤である。本発明の使用に適当な別の腫瘍薬剤は、たとえば、アリトレチノイン、トレチノイン、アルトレタミン、アムサクリン、アナグレリド、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ(ペガスパルガーゼ)、ベキサロテン、ボルテゾミブ、デニロイキンジフチトクス、エストラムスチン、イキサベピロン、マソプロコール、またはミトタンを含む。
別のまたはさらなる実施形態において、本明細書に記載のペプチド模倣大環状分子を使用して、過活性細胞死または生理的傷害などによる細胞死によって特徴付けられる病態を治療、予防または診断する。時期尚早のまたは望ましくない細胞死によって特徴付けられる病態のいくつかの例は、細胞性/低形成性、無細胞性/無形成性、または細胞過多/過形成の病態であり、またはあるいは望ましくないまたは過剰な細胞増殖は、これらを含むがこれらに限定されない。いくつかの実施例は、ファンコニ−貧血、無形成性貧血、サラセミア、先天性好中球減少症、骨髄異形成を含むがこれらに限定されない血液障害を含む。
別のまたはさらなる実施形態において、アポトーシスを減少させるように作用する本発明のペプチド模倣大環状分子を使用して、有害なレベルの細胞死に関連する障害を治療する。したがって、いくつかの実施形態において、本発明の抗アポトーシスペプチド模倣大環状分子を使用して、ウイルス感染、たとえば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染に関連する感染に伴う細胞死を引き起こすものなどの障害を治療する。広範な神経疾患が、特定のセットのニューロンの緩やかな消失によって特徴付けられ、本発明の抗アポトーシスペプチド模倣大環状分子は、いくつかの実施形態においてこれらの障害の治療に使用される。そのような障害は、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋委縮性側索硬化症(ALS)色素性網膜炎、脊髄性筋委縮症、および様々な形態の小脳変性症を含む。これらの疾患における細胞消失は炎症性応答を誘導せず、アポトーシスが細胞死の機構であるようである。加えて、多数の血液疾患が、血球の産生減少と関連している。これらの障害は、慢性疾患に伴う貧血、無形成性貧血、慢性好中球減少症、および骨髄異形成症候群を含む。骨髄異形成症候群および一部の形態の無形成性貧血などの血球産生の障害は、骨髄内のアポトーシス細胞死の増加と関連している。これらの障害は、アポトーシスを促進する遺伝子の活性化、間質細胞もしくは造血性生存因子の後天性欠乏症、または毒素および免疫応答のメディエーターの直接的作用に起因する可能性がある。細胞死と関連する2つのよく見られる障害は、心筋梗塞および脳卒中である。両方の障害において、急激な血流の喪失という事象において生じる虚血の中心部内の細胞は、壊死の結果として急速に死滅するように見える。しかしながら、中心虚血領域の外部では、細胞は長期間にわたって死滅し、形態学的にはアポトーシスによって死滅するように見える。
別の使用方法
別のまたはさらなる実施形態において、本発明の抗アポトーシスペプチド模倣大環状分子を使用して、有害な細胞死と関連するそのような障害すべてを治療する。
本明細書に記載のペプチド模倣大環状分子で治療される免疫障害のいくつかの例は、臓器移植拒絶反応、関節炎、狼瘡、IBD、クローン病、喘息、多発性硬化症、糖尿病などを含むがこれらに限定されない。
本明細書に記載のペプチド模倣大環状分子で治療される神経障害のいくつかの例は、アルツハイマー病、ダウン症候群、オランダ型遺伝性脳出血アミロイドーシス、反応性アミロイドーシス、蕁麻疹および難聴を伴う家族性アミロイド腎症、マックルウェルズ症候群、単発性骨髄腫;マクログロブリン血症随伴性骨髄腫、家族性アミロイド多発性神経炎、家族性アミロイド心筋症、孤立性心アミロイド、全身性老人性アミロイドーシス、成人発症糖尿病、インスリノーマ、孤立性心房性アミロイド、甲状腺髄様がん、家族性アミロイドーシス、遺伝性脳出血アミロイドーシス、家族性アミロイド性多発性ニューロパシー、羊海綿状脳症、クロイツフェルトヤコブ病、ゲルストマンストロイスラー−シャインカー症候群、ウシ海綿状脳症、プリオン媒介疾患、およびハンチントン病を含むがこれらに限定されない。
本明細書に記載のペプチド模倣大環状分子で治療される内分泌障害のいくつかの例は、糖尿病、甲状腺機能低下症、下垂体機能低下症、副甲状腺機能低下症、性機能低下症などを含むがこれらに限定されない。
本発明のペプチド模倣大環状分子で治療または予防される心臓血管障害(たとえば、炎症性障害)の例は、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、脳卒中、血栓症、動脈瘤、心不全、虚血性心疾患、狭心症、心臓突然死、高血圧性心疾患;細動脈硬化症、小血管疾患、腎症、高グリセリド血症、高コレステロール血症、高脂血症、黄色腫症、喘息、高血圧症、肺気腫および慢性肺疾患などの非冠動脈疾患;あるいは血管形成術後の再狭窄、シャント、ステント、合成もしくは天然切除移植片、留置カテーテル、弁または別の移植可能なデバイスの留置などの介入処置を伴う心臓血管病態(「処置による血管外傷」)を含むがこれらに限定されない。好ましい心臓血管障害は、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、動脈瘤、および脳卒中を含む。
以下の項に、本発明の例示的実施例を提供する。
(実施例1)
本発明のペプチド模倣大環状分子の合成
α−へリックスBIDおよびBIMペプチド模倣大環状分子を、先の記載(Walenskyら(2004)Science 305:1466-70; Walenskyら(2006)Mol Cell 24:199-210)および以下に記載のように合成し、精製し、分析した。本研究に使用した大環状分子を以下に示す。対応する非架橋ポリペプチドは、「WT配列」として示し、本発明のペプチド模倣大環状分子の天然対応物を表す。
オレフィン側鎖を含有するα,α二置換非天然アミノ酸を、Williamsら(1991)J.Am.Chem.Soc.113:9276;およびSchafmeisterら(2000)J.Am.Chem Soc.122:5891に従って合成した。BID−BH3およびBIM−BH3ペプチド模倣大環状分子を、2個の天然発生アミノ酸と対応する合成アミノ酸とを置き換えることにより設計した。置換は、iおよびi+4の位置において行った。BID BH3およびBIM−BH3大環状分子を、固相ペプチド合成法、次いで合成アミノ酸の、それらのオレフィン含有側鎖を介したオレフィンメタセシスに基づく架橋により作製した。BIDおよびBIMペプチド模倣大環状分子の対照配列ならびに作製された特異的配列は、上に示す。
示した配列において、「Nle」はノルロイシンを表し、「Aib」は2−アミノイソ酪酸を表し、「Chg」はシクロヘキシルグリシンを表し、「Ac」はアセチルを表し、「Pr」はプロピオニルを表す。$として表されるアミノ酸は、1つの二重結合を含む全炭素架橋剤と連結し、架橋剤に結合する個々のα−炭素原子は、さらにメチル基で置換されている。すべての場合において、架橋剤は、個々のアミノ酸のα炭素間に8個の炭素原子を含む、直鎖の全炭素架橋剤である。二重結合が存在する場合、四番目と五番目の炭素原子の間に位置付けられる。
非天然アミノ酸(五炭素のオレフィンアミノ酸のRおよびS鏡像異性体ならびに八炭素のオレフィンアミノ酸のS鏡像異性体)を、核磁気共鳴(NMR)分光法(Varian Mercury 400)および質量分析法(Micromass LCT)により特徴付けた。ペプチド合成を、固相条件、リンクアミドAM樹脂(rink amide AM resin)(Novabiochem)およびFmoc主鎖保護基化学を使用して、手作業または自動ペプチド合成装置(Applied Biosystems, model 433A)のいずれかで実施した。天然Fmoc保護アミノ酸(Novabiochem)のカップリングのために、10当量のアミノ酸および1:1:2モル比のカップリング試薬HBTU/HOBt(Novabiochem)/DIEAを用いた。非天然のアミノ酸(4当量)を、1:1:2モル比のHATU(Applied Biosystems)/HOBt/DIEAを用いてカップリングした。オレフィンメタセシスを、脱気したジクロロメタンに溶解した10mMのGrubbs触媒(Blackewellら,1994、上記)(Strem Chemicals)を使用して、固相において実施し、室温において2時間反応させた。メタセシスされた化合物の単離は、トリフルオロ酢酸の介在による脱保護および切断、粗生成物を得るためのエーテル沈殿ならびに純粋な化合物を得るための逆相C18カラム(Varian)における高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(Varian ProStar)により達成した。純粋な生成物の化学組成は、LC/MS質量分析(Agilent 1100 HPLCシステムとインターフェース接続したMicromass LCT)およびアミノ酸分析(Applied Biosystems、モデル420A)により確認した。
細胞系:
本研究に使用した細胞系を以下の表に示す。
(実施例2)
細胞生存率アッセイ
図1〜32に示した細胞生存率アッセイを、以下のプロトコールに従って実施した。腫瘍細胞系を、必要に応じて特異的血清添加培地(成長培地)において成長させた。研究を開始する前日に、細胞を、マイクロタイタープレート中の成長培地200μlに最適な細胞密度(15,000から25,000細胞/ウェル)で播種した。翌日、細胞を、無血清/無フェノールレッドRPMI完全培地(アッセイバッファー)中で2回洗浄し、最終容量100μlのアッセイバッファーを個々のウェルに加えた。ヒト末梢血リンパ球(hPBL)を、Ficoll−Paque勾配分離を使用して軟膜(San Diego Blood Bank)から単離し、実験当日に25,000細胞/ウェルで播種した。
ペプチド模倣大環状分子を、1mMのストック(100%DMSO)から滅菌水で希釈し、400μMの標準溶液を調製した。次いで、ペプチド模倣大環状分子および対照を、注入プレートにおいてアッセイバッファーで10または40倍に希釈あるいは2倍段階希釈し、それぞれ、40および20μMまたは1.2と40μMとの間のいずれかの濃度を得た。次いで、各希釈液の100μLを検査プレートの適切なウェルに加え、それぞれ、20または5μMあるいは0.6と20μMとの間に等しいペプチド模倣大環状分子の最終濃度を達成した。対照は、ペプチド模倣大環状分子含有ウェルと同じ濃度のDMSOを含有する、ペプチド模倣大環状分子を含まないウェル、0.1%のTritonX−100を含有するウェル、1μMのVelcade、100μMのEtoposideおよび20μMのTaxolを含むケモカクテルを含有するウェルおよび細胞を含有しないウェルを含んだ。プレートを、加湿5%CO雰囲気中で37℃において4時間インキュベートした。
4時間のインキュベート時間の終了に向けて、FBS22μlを、個々のウェルに、総濃度10%FBSになるように加えた。血清の添加後、プレートを、加湿5%CO雰囲気中で37℃においてさらに44時間インキュベートした。インキュベート期間の終了時に、MTTアッセイを製造業者の指示書(Sigma、カタログ番号M2128)に従って実施し、吸光度を、Dynex Opsys MRプレートリーダーを使用して、560nmにおいて測定した。
図1〜3において、値は、細胞毒性のパーセントとして、すなわち100%細胞死に相当する陽性対照のパーセントとしてプロットした。図4〜15、25および26において、値は生存のパーセントとして、すなわち、100%生存細胞に相当する陰性対照のパーセントとしてプロットした。すべてのアッセイを、四重に実施した。
図1は、SP−1(20μM)を用いて処理し、細胞生存率を、被験物質の添加48時間後にMTTアッセイにより評価したヒト腫瘍細胞系を示した。試験したすべての白血病/リンパ腫系はSP−1に感受性であった。さらに、SP−1は、3種の小細胞肺がん(SCLC)系、NCI−H220、NCI−H128およびNCI−H146を含むいくつかの固形腫瘍系のアポトーシスをさらに誘導した。反対に、非小細胞肺がん(NSCLC)系A−549およびH−460、MCF7(乳癌)ならびにU251(グリオーマ)を含む、SP−1に耐性ないくつかの固形腫瘍系がある。図2は、7種の白血病/リンパ腫ヒト細胞系を、5μMのSP−1またはSP−4を用いて48時間処理し、細胞生存率を評価したことを示す。示したように、すべての細胞系が、双方の大環状分子に対してこの濃度で同様の感受性を示した。
図3は、SP−1またはSP−4(20μM)のいずれかに対する感受性に関して試験した12種のヒト固形腫瘍系を示す。示したように、試験した個々の大環状分子に関して細胞特異的な感受性の差があるように思われる。個々の細胞系に関するSP−1、SP−2、SP−3、SP−4、SP−5およびSP−6のEC50曲線を図4〜15に示す。
図34〜52に示した細胞生存率アッセイは、同様のプロトコールに従って実施した。細胞を、研究開始の前日に最適な細胞密度に分割した。翌日、細胞を無血清Opti−MEM培地で2回洗浄し、4000細胞/ウェルを、Opti−MEM、最終容量100μlの個々のウェルに加えた。無血清実験のために、大環状分子を2mMのストック(100%DMSO)から滅菌水で希釈し、400μMの実験溶液を調製した。次いで、40μMの溶液を、アッセイバッファーで10倍希釈することにより作製した。次いで、大環状分子および対照を、注入プレートにおいてアッセイバッファーで2段階希釈し、1.2と40μMとの間の濃度をそれぞれ得た。2%ヒト血清における実験のために、大環状分子を、10mMのストック(100%DMSO)から滅菌水で希釈し、1mMの実験溶液を調製した。100μMの溶液を、アッセイバッファーで10倍希釈することにより作製した。次いで、大環状分子および対照を、注入プレートにおいてアッセイバッファーで2倍段階希釈し、3と100μMとの間の濃度をそれぞれ得た。次いで、個々の希釈液50μLを、試験プレートの適切なウェルに加え、それぞれ、0.6と20μMとの間(無血清実験)または1.5と50μMとの間(2%血清実験)の大環状分子の最終濃度を得た。対照は、大環状分子含有ウェルと同じ濃度のDMSOを含有する大環状分子を含まないウェル、0.1%のTritonX−100を含有するウェルおよび細胞を含有しないウェルを含んだ。プレートを、加湿5%CO雰囲気中で37℃において24時間インキュベートした。24時間のインキュベート時間の終了時に、CellTiter−Glo Luminescent Cell Viability Assayを、製造業者の指示書(Promega、カタログ番号G7571)に従って実施し、発光を、BIO−TEK synergy HTプレートリーダーを使用して測定した。値は生存のパーセントとして、すなわち、陰性対照値(DMSOのみに暴露された細胞に由来する)のパーセントとしてプロットした。すべてのアッセイを、二重に実施した。
以下の表は、さまざまな細胞系における本発明のペプチド模倣大環状分子により観察されたEC50値(μM)を要約する。
(実施例3)
BrdU細胞増殖アッセイ
2例の異なるドナーから単離されたhPBLを、5μg/mlのPHA、1μMのイオノマイシンおよび1μg/mlのLPSを用いて刺激し、または刺激はせず、アッセイバッファー中5または20μMいずれかのSP−1で処理した。1μMのラパマイシンを、BrdUの取り込み阻害に対する陽性対照として使用した。細胞を、図17に示した条件下で48時間インキュベートした。BrdUの取り込みを、製造業者の指示書(Roche、カタログ番号11444611001)に従ってELISAにより分析した。図7において、Y軸は、OD=吸光度(A405nm/A492 nm)を示す。
(実施例4)
ヒト白血病異種移植片モデルにおけるペプチド模倣大環状分子の有効性
ルシフェラーゼを安定に発現するSEMK2−LN細胞を、先に記載されたように(Armstrongら(2003)Cancer Cell 3:173-83)作製した。6〜8週齢の雌のNOD−SCIDマウス(Jackson Laboratory)の尾静脈に、5×10のSEMK2−LN細胞を注射した。動物を、Xenogen’s In Vivo Imaging System(Caliper Life Sciences)を使用して、記載(Walenskyら, Science 305:1466-1470(2004))のように画像化し、全身の生物発光を、光の流束(光子/秒)の統合により定量化した(Living Imaging Software for Xenogen In Vivo Imaging System、Caliper Life Sciences)。動物を、白血病細胞の注射後8および12日後に画像化し、白血病が確立された動物を特定した。処理開始の前(処理1日目)の、12日目に、動物を統計的に同等の生物発光を有するコホートに分割した。白血病マウスに、ペプチド模倣大環状分子を1日1回、3または10mg/Kg/日を21日間あるいは30mg/Kg/日を12日間、尾静脈注射した。動物を、処理期間中1、3、5、7、9、13および17日目に画像化し、得られた腫瘍の減少を、図18に示す。
(実施例5)
免疫原性の決定
6〜8週齢のBalb/cまたはKMの雌マウスを、非接合SP−1またはSP−4を用いて免疫化した。血清を、免疫化前に回収し、D5W中の個々のペプチド25μgを、以下の免疫化スケジュールを使用して尾静脈に注射した:血清を、1日目および14日目の最初の2回の免疫化後7日目ならびに第3回および第4回の免疫化後14日目に回収した。抗体力価を、間接的ELISAにより決定した。簡潔に言うと、マイクロタイタープレートを、SP−1またはSP−3(5μg/ml)のいずれかで、4℃において一晩コーティングした。翌日、プレートを、PBS/0.05%Tween20(PBST)で5回洗浄し、5%脱脂乳/PBSTで37℃において1時間ブロックし、その後、PBSTを用いてさらに洗浄した。抗血清を、段階希釈し、コーティングしたプレートに37℃において1時間加えた。次いで、プレートを、PBSTで広範囲に洗浄し、HRP接合抗マウスIgGまたはIgMのいずれかとともに、37℃において1時間さらにインキュベートし、HRP基質の添加前にPBSTで5回洗浄した。プレートを、室温において10分間インキュベートし、0.5Mのシュウ酸溶液を用いて反応を停止させた。吸光度を、ELISAマイクロプレートリーダーにおいて450nmで読み取った。OD値を、1:100希釈において対照血清および抗血清の双方に関して決定した。図20のグラフは、OD抗血清/OD対照血清の比としてプロットした。4未満の比を陰性とみなした。
(実施例6)
融解温度(Tm)の決定
凍結乾燥SP−1を、ddHOに、最終濃度50μMになるように溶解した。Tmを、5〜95℃の温度の間で固定波長222nmにおいて、Jasco−810分光偏光計で円二色性(CD)スペクトルを測定することによって決定した。以下のパラメーターを測定のために使用した:データピッチ、0.1℃;バンド幅、1nmおよび路長、16秒間のシグナルを平均して0.1cm。結果を図21に示す。
(実施例7)
血漿中安定性決定のための試料調製
エクスビボの血漿中安定性研究のために、10μMのSP−1、SP−3、SP−4およびSP−6を、事前浄化したヒトおよびマウスの血漿とともに、37℃において0、15および120分間インキュベートした。各インキュベート時間の終わりに、試料100μLを取り出し、氷冷MEOH300μlを含む、未使用のローリテンションエッペンドルフチューブに入れた。試料を10,000rpmで遠心分離し、上清を取り出し、未使用のローリテンションエッペンドルフチューブに入れ、水200μlを各試料に加えた。次いで、試料を以下に示すようにLC−MS/MSにより解析した。結果を図22および23に示す。
(実施例8)
静脈薬物動態解析
IV投与製剤を、SP−1またはSP−4を5%DMSO/D5Wに溶解し、10mg/Kg/用量を得ることによって調製した。カニューレを挿入したCrl:CD(登録商標)(SD)ラットの雄(7〜8週齢、Charles River Laboratories)を、これらの研究に使用した。静脈用量を、大腿骨カニューレを介して投与し、動物に10mLkg/単回注射で投与した。薬物動態解析のための血液を、10の時点(投与後0.0833、0.25、0.5,1、2、4、6、8、12および24時間)で採取した。それらの最終試料を採取後、動物を(解剖はせずに)打ち切った。
全血試料を、約4℃において10分間遠心分離した(約1500×g)。血漿を調製し、血液採取/遠心分離の30分以内に未使用のチューブに移し、LC−MS/MS解析のために調製するまで約−70℃において凍結および暗所保存した。
試料の抽出は、50%ギ酸10μLを血漿(試料または標準)100μLに加え、10秒間ボルテックスにかけることにより達成した。アセトニトリル500μLを加え、2分間ボルテックスにかけ、14,000rpmで約4℃において10分間遠心分離にかけた。上清を清浄なチューブに移し、37℃において10psi未満でターボバップ(trubovap)において蒸発させた。LC−MS/MS解析前に、試料を50:50アセトニトリル:水、100μLで再構成した。
ピークの血漿中濃度(Cmax)、ピークの血漿中濃度を達成するために必要とする時間(tmax)、血漿中消失半減期(t1/2)、血漿中濃度時間の曲線下面積(AUC)、クリアランスおよび分布用量を、血漿中濃度のデータから計算した。すべての薬物動態学的計算は、ノンコンパートメント解析により、WinNonlinバージョン4.1(Pharsight Corp)を使用して実施した。図24は、観察された結果を要約する。
以下のLC−MS/MS法を使用した。簡潔に言うと、使用したLC−MS/MS装置は、API365(Applied Biosystems)であった。解析カラムはPhenomenex Synergi(4μ、Polar-RP、50mm×2mm)であり、移動相A(水中0.1%ギ酸)およびB(メタノール中0.1%ギ酸)を、流速0.4ml/分でポンプ移送し、以下の勾配を達成した:
(実施例9)
処理された細胞におけるFITC−標識ペプチド模倣大環状分子の検出のFACS解析
細胞(たとえば、Jurkat細胞)を、10%FBSおよび1%ペニシリン−ストレプトマイシンを添加した、RPMI1640培地と2mMのL−グルタミン(Invitrogen)との懸濁液中で培養した。細胞を、実験日の前日に継代培養し、それらを対数増殖期で維持した。FITC−標識ペプチド模倣大環状分子の取り込みを、FACSにより解析するために、対数増殖するJurkat細胞を、無血清培地0.9mlに、1×10細胞の密度で播種した。細胞を、化合物を希釈するまで静置させた。被験化合物を、DMSOで2mMのストックに希釈し、次いで、滅菌水で400μMに希釈し、さらにOptiMEMを使用して100μMに希釈した。このようにして、100uMのFITC−標識ペプチド模倣大環状分子100μlを、その後適切なウェルに加え、1ml容量中10μMの最終濃度を達成した。プレートを、指定した時点で37℃、5%COのインキュベーターに戻した。各時点の終了時に、細胞懸濁液を培地で希釈し、2回洗浄し、37℃において15分間トリプシン(0.25%)処理した。次いで、細胞をOptiMemで洗浄し、最終的にPBS500μl中に再懸濁した。細胞蛍光を、少なくとも20000事象/試料を数えるBeckman Coulter FACS装置を使用して測定した。解析は、Summit バージョン4、Dako Colorado,Inc.を使用して実施した。
(実施例10)
タンパク質−リガンド結合実験
タンパク質−リガンド結合実験を、1μMのSP−4+5μMのBcl−xを使用して、システム全体の対照実験に関して概説した以下の代表的手順に従って実施した。ペプチド模倣大環状分子の40μMのストック溶液の1μLのDMSOアリコートを、PBS(リン酸緩衝生理食塩水:50mM、150mMのNaClを含有するpH7.5のリン酸緩衝液)19μLに溶解した。得られた溶液を、ピペッティングを繰り返すことによって混合し、10000gで10分間遠心分離することによって浄化した。得られた上清の4μLアリコートに、PBS4μL中10μM BCL−xを加えた。したがって、個々の8.0μLの実験試料は、PBS中5.0μM濃度で40pmol(1.5μg)のタンパク質+1μMのペプチド模倣大環状分子および2.5%のDMSOを含有した。各濃度点に関してこのように調製された二重の試料を、室温において60分間インキュベートし、その後、5.0μL注入のサイズ排除クロマトグラフィー−LC−MS解析前に4℃に冷却した。標的タンパク質、タンパク質−リガンド複合体および未結合の化合物を含有する試料を、SECカラムに注入し、高速SECステップにより未結合成分から複合体を分離した。SECカラムの溶出液を、UV検出器を使用してモニターし、SECカラムの空隙容量に溶出される早期溶出タンパク質分画が、カラムに保持されている未結合成分から十分分割されたことを確認した。タンパク質およびタンパク質−リガンド複合体を含有するピークが最初のUV検出器により溶出した後で、ピークを、SEC段階の流れから取り出す試料ループに入れ、弁機構を介してLC−MSに直接移送した。ALRN−0034の(M+3H)3+イオンを、m/z883.8においてESI−MSにより観察し、タンパク質−リガンド複合体の検出を確認する。
(実施例11)
競合的結合実験
40μM/成分のリガンド混合物を、3種の化合物の各400μMのストックの2μLアリコートと、DMSO14μLとを組み合わせることにより調製した。次いで、この40μM/成分混合物の1μLアリコートを、滴定ペプチド模倣大環状分子(10、5、2.5、...、0.078mM)の段階希釈ストック溶液の1μLのDMSOアリコートを組み合わせた。これらの試料2μLをPBS38μLに溶解した。得られた溶液を、ピペッティングを繰り返すことによって混合し、10000gで10分間遠心分離することによって浄化した。得られた上清の4.0μLアリコートに、PBS4.0μL中10μMのBCL−xを加えた。したがって、個々の実験試料8.0μLは、PBS中5.0μM濃度で40pmol(1.5μg)のタンパク質+0.5μMのリガンド、2.5%DMSOおよびさまざまな濃度の(125、62.5、…、0.98μM)滴定ペプチド模倣大環状分子を含有した。各濃度点に関してこのように調製された二重の試料を、室温において60分間インキュベートし、その後、2.0μL注入のSEC−LC−MS解析前に4℃に冷却した。これらおよび他の方法についてのさらなる詳細は、「A General Technique to Rank Protein−Ligand Binding Affinities and Determine Allosteric vs.Direct Binding Site Competition in Compound Mixtures.」Annis,D.A.;Nazef,N.;Chuang,C.C.;Scott,M.P.;Nash,H.M.J.Am.Chem.Soc.2004,126,15495−15503;さらに「ALIS:An Affinity Selection−Mass Spectrometry System for the Discovery and Characterization of Protein−Ligand Interactions」D.A.Annis,C.−C.Chuang,and N.Nazef.In Mass Spectrometry in Medicinal Chemistry.Edited by Wanner K,Hofner G:Wiley−VCH;2007:121−184.Mannhold R,Kubinyi H,Folkers G(Series Editors):Methods and Principles in Medicinal Chemistry.に提供される。
(実施例12)
蛍光光度法を使用するFITC−標識ペプチド模倣大環状分子の取り込みの定量分析
細胞(たとえば、INA-6またはJurkat細胞)を、10%FBSおよび1%ペニシリン−ストレプトマイシンならびにINA−6細胞の場合、1ng/mlの組換えヒトIL−6を添加した、RPMI1640培地と2mMのL−グルタミン(Invitrogen)との懸濁液中で培養した。細胞を、実験日の前日に継代培養し、それらを対数増殖期で維持した。FITC−標識ペプチド模倣大環状分子の細胞内への取り込みを、解析するために、対数増殖する細胞を、無血清培地0.9mlに、0.5×10細胞の密度で播種した。細胞を、化合物を希釈するまで静置させた。被験化合物を、DMSOで2mMのストックに希釈し、次いで、滅菌水で400μMに希釈し、さらにOptiMEMを使用して100μMに希釈した。このようにして、100uMのFITC−標識ペプチド模倣大環状分子100μlを、その後適切なウェルに加え、1ml容量中10μMの最終濃度を達成した。プレートを、指定した時点に37℃、5%COのインキュベーターに戻した。必要に応じて、被験化合物のさらなる希釈をOptiMEMで調製した。各時点の終了時に、細胞を回収し、FBSを添加したRPMIで2回洗浄し、PBS+0.5%BSAで1回洗浄した。ペレット化した細胞を再懸濁し、0.25%のTrypsin−EDTAとともに37℃、5%COにおいて15分間インキュベートした。インキュベート後、細胞を、血清を含有する培地で1回洗浄し、0.5%BSAを含むPBSで2回洗浄した。洗浄の終了時に、Cell Signaling Technologiesによる細胞溶解バッファーを含有するTritonX−100を用いて細胞を溶解した。蛍光強度を、BioTek Synergy4装置において測定した。標準曲線のためのFITC−標識ペプチド模倣大環状分子の希釈を、細胞溶解バッファーで実施した。細胞内のペプチド模倣大環状分子量の定量に使用した。解析は、Biotek Inc.により提供されるGen5ソフトウェアを使用して実施した。
(実施例13)
同所性前立腺腫瘍モデルにおけるペプチド模倣大環状分子の有効性
実験を、Bioware(登録商標)細胞系(PC-3M-Luc-C6)を使用し、5×10細胞/マウス/100μlを使用して実施した。総数70匹のnu/nu雄マウス(7〜10週齢)を使用した。雄のnu/nuマウスに麻酔をかけ、それらの腹部の後正中線、前立腺の真上に沿って切開を行った。膀胱をよけ、軽く押さえ、前立腺を露出させた。PC−3M−luc−C6細胞(5×10)を、いずれかの背部側前立腺胚葉に、ゆっくりと注射した。腹膜切開を縫合し、皮膚を閉じた。マウスに、外科処置後ブプレノルフィン(50μl中0.1mg/kg)を皮下に投与した。動物を、創傷治癒後7日目に第1回の画像化をした。最終の50匹のマウスを、処理開始前に、BLIに基づき5群にグループ分けした(10匹のマウス/群)。実験マウスを、14日目から開始して2.5週間、週に2回画像化した。実験の終了時に、腫瘍を解剖し秤量した。次いで、腫瘍を急速凍結のために2つに切断し、10%ホルマリンで固定した。2つの安定した、または増加する生物発光シグナルを腫瘍細胞接種部位から検知後、被験化合物処理を開始した。いくつかの被験群を使用した:1群(ビヒクル、1日1回IV投与)、2群(被験化合物、10mg/kgで1日1回IV投与)、3群(ビヒクル、1日1回i.p投与)、4群(被験化合物、10mg/kgで1日1回i.p投与)および5群(タキソテール、30mg/kgで週2回IV投与)。被験ペプチド模倣大環状分子を、以下のように処方した。ローリテンション/シリコン処理のプラスチックチューブおよびチップだけを使用した。個々のペプチド模倣大環状分子の60mg/mLのストック溶液を、個々の大環状分子140mgを100%DMSO2.3mLに溶解することによって調製した。ストック溶液を、1日1回の投与(14mg/バイアル)用に0.23mLの10アリコートに分割し、−20℃に凍結保存した。投与の日毎に1つのバイアルを解凍した。個々の大環状分子の実験濃度(2mg/mL)を、ストック溶液の1つのアリコートをろ過滅菌した5%デキストロース6.5mLで希釈することにより調製した。DMSOのストックを、持続して撹拌しながらD5Wに滴下した。溶液を、5%デキストロースを用いて最終容量7mLに調節し、最終投与形態はろ過滅菌しなかった。投与量は5μL/g(25gのマウスに125μL)。投与量をスローボーラス(30秒にわたって)によりマウスに送達した。図45は、前立腺癌の同所性異種移植片モデルのための処理時間を示す。個々の実験動物の前立腺領域の生物発光を測定し、光子/秒で表した。インビボの腫瘍成長動態をグラフ化し、反復測定のために二元配置ANOVA(2つの主要因として時間および処理を使用する)を使用した。個々の群から代表的マウスの動態マウス画像を得、図43に示す。
(実施例14)
卵巣癌(SKOV3-Luc)腫瘍を使用する同所性異種移植片腫瘍モデル
ホタルルシフェラーゼを安定して発現する1×10のSKOV3−Luc細胞を、麻酔をかけたSCID−beigeマウス(9週齢、雌)の卵嚢に注射した。動物を、生物発光画像(BLI)により、週1回モニターした。2つの安定した、または増加する生物発光シグナルを腫瘍細胞接種部位から検知後(このモデルにおいて最大9週間)、被験化合物処理を開始した。処理開始前に、動物を対照群と処理群にランダム化した(10マウス/群)。動物を、必要に応じて10、14および/または21日間、被験化合物(低用量、中用量、高用量)およびビヒクル対照の1日1回の注射(IP、IVまたはSC)により処理した。有効性を、ペプチド模倣大環状分子およびビヒクル対照により処理した動物間の腫瘍組織量の比較により決定した。D−ルシフェリン150mg/kgのIP注射後、腫瘍成長/容量をBLIによりモニターし、IVIS Imaging Systemにより背部側および腹部側双方を画像化した。転位性病変は、原発性腫瘍の生物発光を遮蔽することにより画像化できる。本実験の終わりに当たり、動物を人道的に安楽死させ、卵巣腫瘍を摘出し、秤量し、その後の分析のために調製した。
(実施例15)
乳癌(MDA-MB-231-Luc)腫瘍を使用する同所性異種移植片腫瘍モデル
ホタルルシフェラーゼを安定して発現する1×10のMDA−MB−231−Luc細胞を、麻酔をかけたSCID−beigeマウス(9週齢、雌)の乳腺組織に注射した。動物を、生物発光画像により、週1回モニターした。2つの安定した、または増加する生物発光シグナルを腫瘍細胞接種部位から検知後、被験化合物処理を開始した。処理開始前に、動物を対照群と処理群にランダム化した(10マウス/群)。動物を、必要に応じて10、14および/または21日間、被験化合物(低用量、中用量、高用量)およびビヒクル対照の1日1回の注射(IP、IVまたはSC)により処理した。有効性を、被験化合物およびビヒクル対照により処理した動物間の腫瘍組織量の比較により決定した。D−ルシフェリン150mg/kgのIP注射後、腫瘍成長/容量を生物発光画像(BLI)によりモニターし、IVIS Imaging Systemにより背部側および腹部側双方を画像化した。転位性病変は、原発性腫瘍の生物発光を遮蔽することにより画像化できる。本実験の終わりに当たり、動物を人道的に安楽死させ、卵巣腫瘍を摘出し、秤量し、その後の分析のために調製した。
(実施例16)
黒色腫(A375)または小細胞肺癌(NCI-H-82)の腫瘍を使用する皮下異種移植片腫瘍モデル
腫瘍細胞の最適量を、麻酔をかけたNOD/SCIDまたはnu/nuマウスの脇腹に、必要に応じて皮下注射により注入した。腫瘍が平均容量の20〜50mmに達した時、動物を対照群と処理群とに選別した(10マウス/群)。動物を、必要に応じて10、14および/または21日間、被験化合物(低用量、中用量、高用量)およびビヒクル対照の1日1回の注射(IP、IVまたはSC)により処理した。有効性を、被験化合物およびビヒクル対照により処理した動物間の腫瘍量の比較により決定した。腫瘍成長/容量を、外観のキャリパーによる測定(L×W×D)によりモニターした。本実験の終わりに当たり、動物を人道的に安楽死させ、腫瘍を摘出し、秤量し、その後の分析のために調製した。
(実施例17)
転移性乳癌(MDA-MB-231-Met-Luc)腫瘍を使用する転移性腫瘍モデル
ホタルルシフェラーゼを安定して発現するMDA−MB−213−MET−Luc細胞の最適量を、麻酔をかけたNOD/SCIDマウス(9週齢、雌)の心臓の左心室に(したがって、動脈系に直接)注入した。動物の全身にわたって生物発光が分布していることを示す0日目の画像により、心腔内注射の成功が示され、注射が満足なものであったことが証拠立てられたマウスのみを本実験に残すものとする。動物を対照群と処理群とに選別した(10マウス/群)。動物を、必要に応じて10、14および/または21日間、被験化合物(低用量、中用量、高用量)およびビヒクル対照の1日1回の注射(IP、IVまたはSC)により処理した。その後の転移の発生を、D−ルシフェリン150mg/kgのIP注射後、BLIにより、インビボで週に2回モニターし、IVIS Imaging Systemにより背部側および腹部側双方を画像化した。特に、肺および骨の転位をモニターする。本実験の終わりに当たり、動物を人道的に安楽死させ、対象となる組織を摘出し、エクスビボの画像およびその後の分析のために調製した。
上記の腫瘍モデルは、Jenkins,D.E.ら,Clin.&Exp.Metastasis.2003,20,745−756.;Scatena C.D.ら,Prostate 2004,59,292−303;Greenaway J.Et at.,Mol.Cancer Ther.2009,8,64−74;Guan,J.ら,Cancer Chemo Pharma:2008,Online Pub Dec.24;およびLelekakis,M.ら,Clin&Exp Metastasis.1999,163−170.にさらに詳細に記載されている。
本発明の好ましい実施形態を本明細書に示し、記載しているが、このような実施形態が例示目的のみで提供されていることは当業者には明らかであろう。多くの変形、改変および置き換えが、本発明から逸脱することなく当業者には思い浮かぶであろう。本明細書に記載の、本発明の実施形態のさまざまな代替は、本発明の実践に用いることができると解釈されるべきである。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義し、その結果、これらの特許請求の範囲内の方法および構造ならびにそれらの同等物が含まれることを意図する。

Claims (87)

  1. 癌の治療を必要とするヒト患者における癌を治療するための方法であって、患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含み、癌は、卵巣癌、前立腺癌、腎臓癌、乳癌、膵臓癌、およびPh+急性リンパ性白血病から成る群から選択される方法。
  2. ペプチド模倣大環状分子がα−ヘリックスを含む、請求項1に記載の方法。
  3. ペプチド模倣大環状分子がBH3ドメインを含む、請求項1に記載の方法。
  4. ペプチド模倣大環状分子がBIMポリペプチドである、請求項1に記載の方法。
  5. 前記BIMポリペプチドのアミノ酸配列が、アミノ酸配列IWIAQELRIGDFNAYYARRと約60%超同一であり、はテザーアミノ酸である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記BIMポリペプチドのアミノ酸配列が、アミノ酸配列IWIAQELRIGDFNAYYARRと約80%超同一であり、はテザーアミノ酸である、請求項4に記載の方法。
  7. 前記BIMポリペプチドのアミノ酸配列が、アミノ酸配列IWIAQELRIGDFNAYYARRと約95%超同一であり、はテザーアミノ酸である、請求項4に記載の方法。
  8. 癌が乳癌である、請求項1に記載の方法。
  9. 乳癌が浸潤性乳がんである、請求項8に記載の方法。
  10. 浸潤性乳がんが浸潤性腺管がんである、請求項9に記載の方法。
  11. 癌が前立腺癌である、請求項1に記載の方法。
  12. 癌が卵巣癌である、請求項1に記載の方法。
  13. 癌が膵臓癌である、請求項1に記載の方法。
  14. 癌が腎臓癌である、請求項1に記載の方法。
  15. 癌が白血病である、請求項1に記載の方法。
  16. 癌がPh+急性リンパ性白血病である、請求項1に記載の方法。
  17. 癌の治療を必要とするヒト患者における癌を治療するための方法であって、患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含み、癌は結腸癌である方法。
  18. ペプチド模倣大環状分子がα−ヘリックスを含む、請求項17に記載の方法。
  19. ペプチド模倣大環状分子がBH3ドメインを含む、請求項17に記載の方法。
  20. ペプチド模倣大環状分子がBIDポリペプチドである、請求項19に記載の方法。
  21. 前記BIDポリペプチドのアミノ酸配列が、配列DIIRNIARHLAVGDNleDRSIと約60%超同一であり、はテザーアミノ酸であり、Nleはノルロイシンである、請求項20に記載の方法。
  22. 前記BIDポリペプチドのアミノ酸配列が、配列DIIRNIARHLAVGDNleDRSIと約80%超同一であり、はテザーアミノ酸であり、Nleはノルロイシンである、請求項20に記載の方法。
  23. 前記BIDポリペプチドのアミノ酸配列が、配列DIIRNIARHLAVGDNleDRSIと約95%超同一であり、はテザーアミノ酸であり、Nleはノルロイシンである、請求項20に記載の方法。
  24. 癌の治療を必要とするヒト患者における癌を治療するための方法であって、患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含み、前記ペプチド模倣大環状分子は、前記癌に由来する細胞株に対してインビトロ細胞生存率アッセイにおいて試験した場合に、5μMよりも低いEC50を示す方法。
  25. EC50が3μM未満である、請求項24に記載の方法。
  26. 癌が、卵巣癌、皮膚癌、前立腺癌、腎臓癌、乳癌、膵臓癌、小細胞肺癌、結腸癌、肝臓癌、多発性骨髄腫、バーキットリンパ腫、T細胞系統またはB細胞系統または混合系統の急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病、および濾胞性リンパ腫から成る群から選択される、請求項24に記載の方法。
  27. ペプチド模倣大環状分子がα−ヘリックスを含む、請求項26に記載の方法。
  28. ペプチド模倣大環状分子がBH3ドメインを含む、請求項26に記載の方法。
  29. ペプチド模倣大環状分子がBIMポリペプチドである、請求項26に記載の方法。
  30. BIMポリペプチドが、アミノ酸配列IWIAQELRIGDFNAYYARRと約60%超同一であり、はテザーアミノ酸である、請求項29に記載の方法。
  31. BIMポリペプチドが、アミノ酸配列IWIAQELRIGDFNAYYARRと約80%超同一であり、はテザーアミノ酸である、請求項29に記載の方法。
  32. BIMポリペプチドが、アミノ酸配列IWIAQELRIGDFNAYYARRと約95%超同一であり、はテザーアミノ酸である、請求項29に記載の方法。
  33. 癌が、結腸癌、小細胞肺癌、肝臓癌、卵巣癌、皮膚癌、前立腺癌、腎臓癌、乳癌、膵臓癌、多発性骨髄腫、バーキットリンパ腫、T細胞系統またはB細胞系統または混合系統の急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病、および濾胞性リンパ腫から成る群から選択される、請求項24に記載の方法。
  34. ペプチド模倣大環状分子がα−ヘリックスを含む、請求項33に記載の方法。
  35. ペプチド模倣大環状分子がBH3ドメインを含む、請求項33に記載の方法。
  36. ペプチド模倣大環状分子がBIDポリペプチドである、請求項33に記載の方法。
  37. BIDポリペプチドが、配列DIIRNIARHLAVGDNleDRSIと約60%超同一であり、はテザーアミノ酸であり、Nleはノルロイシンである、請求項36に記載の方法。
  38. BIDポリペプチドが、配列DIIRNIARHLAVGDNleDRSIと約80%超同一であり、はテザーアミノ酸であり、Nleはノルロイシンである、請求項36に記載の方法。
  39. BIDポリペプチドが、配列DIIRNIARHLAVGDNleDRSIと約95%超同一であり、はテザーアミノ酸であり、Nleはノルロイシンである、請求項36に記載の方法。
  40. 障害の治療を必要とするヒト患者における障害を治療するための方法であって、
    a)ポリペプチドの2つのアミノ酸残基の間に架橋を導入することによってペプチド模倣大環状分子を調製する工程、
    b)免疫原性の応答の存在または非存在についてペプチド模倣大環状分子を試験する工程、および
    c)前記免疫原性の応答が実質的な副作用を引き起こさない場合に、患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程
    を含む方法。
  41. 前記免疫原性の応答が、げっ歯動物におけるインビボアッセイにおいて最小の抗体応答として証明される、請求項40に記載の方法。
  42. 障害が癌である、請求項40に記載の方法。
  43. 障害が代謝障害である、請求項40に記載の方法。
  44. ペプチド模倣大環状分子がα−ヘリックスを含む、請求項40に記載の方法。
  45. ペプチド模倣大環状分子がBH3ドメインを含む、請求項40に記載の方法。
  46. 免疫増殖性障害の治療を必要とするヒト患者における免疫増殖性障害を治療するための方法であって、患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含む方法。
  47. ペプチド模倣大環状分子がα−ヘリックスを含む、請求項46に記載の方法。
  48. ペプチド模倣大環状分子がBH3ドメインを含む、請求項46に記載の方法。
  49. ペプチド模倣大環状分子がBIDポリペプチドである、請求項46に記載の方法。
  50. BIDポリペプチドが、配列DIIRNIARHLAVGDNleDRSIと約60%超同一であり、はテザーアミノ酸であり、Nleはノルロイシンである、請求項49に記載の方法。
  51. BIDポリペプチドが、配列DIIRNIARHLAVGDNleDRSIと約80%超同一であり、はテザーアミノ酸であり、Nleはノルロイシンである、請求項49に記載の方法。
  52. BIDポリペプチドが、配列DIIRNIARHLAVGDNleDRSIに約95%超同一であり、はテザーアミノ酸であり、Nleはノルロイシンである、請求項49に記載の方法。
  53. ペプチド模倣大環状分子がBIMポリペプチドである、請求項46に記載の方法。
  54. BIMポリペプチドが、アミノ酸配列IWIAQELRIGDFNAYYARRと約60%超同一であり、はテザーアミノ酸である、請求項53に記載の方法。
  55. BIMポリペプチドが、アミノ酸配列IWIAQELRIGDFNAYYARRに約80%超同一であり、は、テザーアミノ酸である、請求項53に記載の方法。
  56. BIMポリペプチドが、アミノ酸配列IWIAQELRIGDFNAYYARRと約95%超同一であり、はテザーアミノ酸である、請求項53に記載の方法。
  57. ペプチド模倣大環状分子が、活性化されたhPBL増殖を低下させる、請求項46に記載の方法。
  58. ペプチド模倣大環状分子が、インビトロBrdU取り込みアッセイにおいて、活性化されたhPBL増殖を20%超低下させる、請求項57に記載の方法。
  59. 前記免疫増殖性疾患がリンパ増殖性障害である、請求項46に記載の方法。
  60. 前記ペプチド模倣大環状分子におけるα−炭素原子が、式R−の独立した置換基でさらに置換され、R−は、非置換もしくハロ−で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである、請求項1、17、24、40、または46に記載の方法。
  61. 架橋剤が接続するα−炭素原子が、式R−の置換基でさらに置換され、R−は、非置換もしくはハロ−で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである、請求項60に記載の方法。
  62. 架橋剤が接続しないα−炭素原子が、式R−の置換基でさらに置換され、R−は、非置換もしくはハロ−で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである、請求項60に記載の方法。
  63. 前記ペプチド模倣大環状分子における2つのα−炭素原子が、式R−の独立した置換基でさらに置換され、R−は、非置換もしくはハロ−で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである、請求項1、17、24、40、または46に記載の方法。
  64. 架橋剤が接続する2つのα−炭素原子が、式R−の独立した置換基でさらに置換され、R−は、非置換もしくはハロ−で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである、請求項63に記載の方法。
  65. 架橋剤が接続しない2つのα−炭素原子が、式R−の独立した置換基でさらに置換され、R−は、非置換もしくはハロ−で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである、請求項63に記載の方法。
  66. R−がアルキルである、請求項60または63に記載の方法。
  67. R−がメチルである、請求項60または63に記載の方法。
  68. 架橋剤が2つのα−炭素原子を連結する、請求項60または63に記載の方法。
  69. R−および架橋剤の任意の部分が、一緒になって環状構造を形成する、請求項60または63に記載の方法。
  70. 架橋剤が連続した炭素−炭素結合から形成される、請求項60または63に記載の方法。
  71. 架橋剤が連続した約9個の結合を含有する、請求項60または63に記載の方法。
  72. 架橋剤が連続した約12個の結合を含有する、請求項60または63に記載の方法。
  73. 架橋剤が少なくとも約6個の炭素原子を含む、請求項60または63に記載の方法。
  74. 架橋剤が少なくとも約9個の炭素原子を含む、請求項60または63に記載の方法。
  75. ペプチド模倣大環状分子が、標準的な医療の方法と共に投与される、請求項1、17、24、40、または46に記載の方法。
  76. 標準的な医療の方法が化学療法である、請求項75に記載の方法。
  77. 標準的な医療の方法が放射線療法である、請求項75に記載の方法。
  78. 標準的な医療の方法が外科手術である、請求項75に記載の方法。
  79. ペプチド模倣大環状分子が細胞透過性である、請求項1、17、24、40、または46に記載の方法。
  80. アッセイが10%血清の存在下で実行される、請求項24に記載の方法。
  81. 血清がヒト血清である、請求項80に記載の方法。
  82. ペプチド模倣大環状分子が、Mcl−1に対して10μM未満の親和性を有する、請求項24に記載の方法。
  83. ペプチド模倣大環状分子が、Mcl−1とアポトーシス促進性タンパク質の間の相互作用をアンタゴナイズする、請求項82に記載の方法。
  84. 癌が、Mcl−1に対して10μM超の親和性を有する化合物に対して抵抗性である、請求項24に記載の方法。
  85. 癌が、ABT−737またはその類似体に対して抵抗性である、請求項84に記載の方法。
  86. ABT−737抵抗性小細胞肺癌の治療を必要とするヒト患者におけるABT−737抵抗性小細胞肺癌を治療するための方法であって、患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含み、ペプチド模倣大環状分子は、BH3ドメインを含む方法。
  87. 前立腺癌の治療を必要とするヒト患者における前立腺癌を治療するための方法であって、患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含み、ペプチド模倣大環状分子は、BH3ドメインを含む方法。
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