JP2011511076A - 治療用ペプチド模倣大環状分子 - Google Patents
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Abstract
【選択図】なし
Description
本出願は、2008年2月8日に提出された米国仮出願第61/027,326号および2008年12月5日に提出された米国仮出願第61/120,380号の利益を主張し、これらの出願のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書において言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、各個々の刊行物、特許、または特許出願が、具体的にかつ個々に参照により組み込まれると示されるのと同程度まで、参照により本明細書に組み込まれる。
生物学的活性を与えると考えられるヘリックス構造を含有する、既知の一次アミノ酸配列を有する任意のタンパク質またはポリペプチドは、本発明の主題である。たとえば、ポリペプチドの配列は、分析することができ、大環状分子化試薬と反応性の基を含有するアミノ酸類似体は、適切な位置で置換することができる。適切な位置は、二次構造のどの(1つまたは複数の)分子表面が、生物学的活性に必要とされ、したがって、どの(1つまたは複数の)他の表面を介して、本発明の大環状分子形成リンカーが、生物学的活性に必要とされる(1つまたは複数の)表面を立体的にブロッキングすることなく、大環状分子を形成することができるかを確認することによって決定される。そのような決定は、活性にとって重大な残基(および表面)を視覚化するための、二次構造および天然結合パートナーの間の複合体のX線結晶解析などの方法を使用するか;活性にとって重大な残基(および表面)を機能的に同定するための、二次構造における残基の配列の突然変異誘発によるか;または他の方法によって成される。そのような決定によって、適切なアミノ酸は、本発明のアミノ酸類似体および大環状分子形成リンカーで置換される。たとえば、α−ヘリックス二次構造については、ヘリックスの1つの表面(たとえば、ヘリックスの軸に沿って縦方向にかつヘリックスの軸のまわりで45〜135°で放射状にわたる分子表面)は、生物学的活性のために、インビボまたはインビトロにおいて、他の生体分子と接触するために必要とされる可能性がある。そのような場合において、大環状分子形成リンカーは、活性に直接必要とされないその表面の部分におけるヘリックスの表面に沿って縦方向にわたりながら、ヘリックスの2つのα−炭素を連結するように設計される。
方法のいくつかの実施形態において、本発明のポリペプチドは、1つの架橋を含有する。方法の他の実施形態において、上述のポリペプチドは、2つの架橋を含有する。方法のいくつかの実施形態において、1つの架橋は、2つのα−炭素原子を連結する。方法の他の実施形態において、1つの架橋が結合した1つのα−炭素原子は、式R−の置換基で置換される。方法の他の実施形態において、1つの架橋が結合した2つのα−炭素原子は、式R−の独立した置換基で置換される。本発明の方法の一実施形態において、R−は、アルキルである。たとえば、R−は、メチルである。あるいは、R−と1つの架橋の任意の部分は一緒になって環状構造を形成することができる。方法の他の実施形態において、1つの架橋は、連続した炭素−炭素結合から形成される。たとえば、1つの架橋は、少なくとも8、9、10、11、または12個の連続した結合を含んでいてもよい。他の実施形態において、1つの架橋は、少なくとも7、8、9、10、または11個の炭素原子を含んでいてもよい。
A、C、D、およびEはそれぞれ独立して、天然または非天然アミノ酸であり;
Bは、天然もしくは非天然アミノ酸、アミノ酸類似体、
R1およびR2は独立して、−H、非置換もしくはハロ−で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり;
R3は、水素、場合によりR5で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり;
Lは、式−L1−L2−の大環状分子形成リンカーであり;
L1およびL2は独立して、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレン、または[−R4−K−R4−]nであり、それぞれ、場合によりR5で置換され;
R4はそれぞれ、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり;
Kはそれぞれ、O、S、SO、SO2、CO、CO2、またはCONR3であり;
R5はそれぞれ、独立して、ハロゲン、アルキル、−OR6、−N(R6)2、−SR6、−SOR6、−SO2R6、−CO2R6、蛍光性部分、放射性同位体、または治療剤であり;
R6はそれぞれ、独立して、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体、または治療剤であり;
R7は、−H、場合によりR5で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールまたはD残基を有する環状構造の一部であり;
R8は、−H、場合によりR5で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールまたはE残基を有する環状構造の一部であり;
vおよびwはそれぞれ独立して、1〜1000の整数であり;
x、y、およびzはそれぞれ独立して、0〜10の整数であり;uは、1〜10の整数であり;
nは、1〜5の整数である。
A、C、D、およびEはそれぞれ独立して、天然または非天然アミノ酸であり;
Bは、天然もしくは非天然アミノ酸、アミノ酸類似体、
R1およびR2は独立して、−H、非置換もしくはハロ−で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり;
R3は、水素、場合によりR5で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり;
Lは、式
L1、L2、およびL3は独立して、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレン、または[−R4−K−R4−]nであり、それぞれ、場合によりR5で置換され;
R4はそれぞれ、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり;
Kはそれぞれ、O、S、SO、SO2、CO、CO2、またはCONR3であり;
R5はそれぞれ、独立して、ハロゲン、アルキル、−OR6、−N(R6)2、−SR6、−SOR6、−SO2R6、−CO2R6、蛍光性部分、放射性同位体、または治療剤であり;
R6はそれぞれ、独立して、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体、または治療剤であり;
R7は、−H、場合によりR5で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールまたはD残基を有する環状構造の一部であり;
R8は、−H、場合によりR5で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールまたはE残基を有する環状構造の一部であり;
vおよびwはそれぞれ独立して、1〜1000の整数であり;
x、y、およびzはそれぞれ独立して、0〜10の整数であり;uは、1〜10の整数であり;
nは、1〜5の整数である。
A、C、D、およびEはそれぞれ独立して、天然または非天然アミノ酸であり;
Bは、天然もしくは非天然アミノ酸、アミノ酸類似体、
R1およびR2は独立して、−H、非置換もしくはハロ−で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり;
R3は、水素、非置換もしくはR5で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり;
L1、L2、L3、およびL4は、独立して、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレン、または[−R4−K−R4−]nであり、それぞれ、非置換またはR5で置換され;
Kは、O、S、SO、SO2、CO、CO2、またはCONR3であり;
R4はそれぞれ、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり;
R5はそれぞれ、独立して、ハロゲン、アルキル、−OR6、−N(R6)2、−SR6、−SOR6、−SO2R6、−CO2R6、蛍光性部分、放射性同位体、または治療剤であり;
R6はそれぞれ、独立して、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体、または治療剤であり;
R7は、−H、非置換もしくはR5で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールまたはD残基を有する環状構造の一部であり;
R8は、−H、非置換もしくはR5で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールまたはE残基を有する環状構造の一部であり;
vおよびwはそれぞれ独立して、1〜1000の整数であり;
x、y、およびzはそれぞれ独立して、0〜10の整数であり;uは、1〜10の整数であり;
nは、1〜5の整数である。
A、C、D、およびEはそれぞれ独立して、天然または非天然アミノ酸であり;
Bは、天然もしくは非天然アミノ酸、アミノ酸類似体、
R1およびR2は独立して、−H、非置換もしくはハロ−で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、もしくはヘテロシクロアルキルまたはE残基を有する環状構造の一部であり;
R3は、水素、場合によりR5で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり;
Lは、式−L1−L2−の大環状分子形成リンカーであり;
L1およびL2は独立して、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレン、または[−R4−K−R4−]nであり、それぞれ、場合によりR5で置換され;
R4はそれぞれ、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり;
Kはそれぞれ、O、S、SO、SO2、CO、CO2、またはCONR3であり;
R5はそれぞれ、独立して、ハロゲン、アルキル、−OR6、−N(R6)2、−SR6、−SOR6、−SO2R6、−CO2R6、蛍光性部分、放射性同位体、または治療剤であり;
R6はそれぞれ、独立して、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体、または治療剤であり;
R7は、−H、場合によりR5で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり;
vは、1〜1000の整数であり;
wは、1〜1000の整数であり;
xは、0〜10の整数であり;
yは、0〜10の整数であり;
zは、0〜10の整数であり;
nは、1〜5の整数である。
本発明のペプチド模倣大環状分子は、当技術分野において知られている様々な方法のいずれかによって調製することができる。たとえば、表1、2、3または4において「X」で示される残基のいずれかが、同じ分子中の第2の残基またはそのような残基の前駆体と架橋剤を形成することができる残基で置換されていてもよい。
Bは、天然もしくは非天然アミノ酸、アミノ酸類似体、
R1およびR2は独立して、−H、非置換もしくはハロ−で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、もしくはヘテロシクロアルキル、またはE残基を有する環状構造の一部であり;
R3は、水素、場合によりR5で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり;
L1およびL2は独立して、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレン、または[−R4−K−R4−]nであり、それぞれ、場合によりR5で置換され;
R4はそれぞれ、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり;
Kはそれぞれ、O、S、SO、SO2、CO、CO2、またはCONR3であり;
R5はそれぞれ独立して、ハロゲン、アルキル、−OR6、−N(R6)2、−SR6、−SOR6、−SO2R6、−CO2R6、蛍光部分、放射性同位体、または治療剤であり;
R6はそれぞれ独立して、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光部分、放射性同位体、または治療剤であり;
R7は、−H、場合によりR5で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり;
vは1〜1000の整数であり;
wは1〜1000の整数であり;
xは0〜10の整数である)を有してもよい。
Aなどの強酸)によって脱保護され、固相樹脂から切断される。
本発明のペプチド模倣大環状分子の特性を、たとえば、以下に記述される方法を使用することによってアッセイする。
溶液中で、α−ヘリックスドメインを有するポリペプチドの二次構造は、ランダムコイル構造とα−ヘリックス構造との間の動的平衡に到達し、しばしば「ヘリシティパーセント(percent helicity)」として表される。したがって、たとえば、非修飾プロアポトーシスBH3ドメインは、溶液中で大部分が通常25%未満のα−ヘリックス含量を有するランダムコイルである。一方、最適化されたリンカーを有するペプチド模倣大環状分子は、たとえば、対応する架橋されていないポリペプチドよりも少なくとも2倍高いα−ヘリシティを有する。いくつかの実施形態において、本発明の大環状分子は、50%より高いαヘリシティを有するはずである。BH3ドメインベースの大環状分子などの本発明のペプチド模倣大環状分子のヘリシティをアッセイするために、化合物を、水性溶液(たとえばpH7の50mMのリン酸カリウム溶液、または蒸留H2O、25〜50μMの濃度まで)中に溶解する。標準的な測定パラメーター(たとえば温度、20℃;波長、190〜260nm;ステップ解像度、0.5nm;速度、20nm/秒;蓄積、10;応答、1秒;帯域幅、1nm;経路長、0.1cm)を使用して、分光偏光計(たとえば、Jasco J-710)において円二色性(CD)スペクトルを得る。平均残基楕円率(たとえば[Φ]222obs)をヘリックスデカペプチドモデル(Yangら(1986)、Methods Enzymol. 130:208)について報告されている値で割ることによって、各ペプチドのα−ヘリックス含量を計算する。
α−ヘリックスなどの二次構造を含む本発明のペプチド模倣大環状分子は、たとえば、対応する架橋されていないポリペプチドよりも高い融解温度を示す。典型的には、本発明のペプチド模倣大環状分子は、水性溶液中で高度に安定な構造を表す>60℃のTmを示す。融解温度に対する大環状分子形成の影響をアッセイするために、ペプチド模倣大環状分子または非修飾ペプチドを、蒸留H2O中に溶解(たとえば50μMの最終濃度で)し、分光偏光計(たとえば、Jasco J-710)において標準的なパラメーター(たとえば波長222nm;ステップ解像度、0.5nm;速度、20nm/秒;蓄積、10;応答、1秒;帯域幅、1nm;温度上昇率:1℃/分;経路長、0.1cm)を使用して、ある温度範囲(たとえば4〜95℃)にわたって楕円率の変化を測定することによってTmを決定する。
ペプチド骨格のアミド結合は、プロテアーゼによる加水分解を受けやすく、そのためペプチド性化合物はインビボでの急速な分解に対して脆弱になる。ペプチドヘリックス形成は、しかしながら、典型的にはアミド骨格を埋没させ、したがってプロテアーゼによる切断からアミド骨格を保護することができる。本発明のペプチド模倣大環状分子をインビトロのトリプシンタンパク質分解にかけて、対応する架橋されていないポリペプチドと比較した分解速度の変化について評価してもよい。たとえば、ペプチド模倣大環状分子および対応する架橋されていないポリペプチドを、トリプシンアガロースでインキュベートし、遠心分離によって様々な時点で反応をクエンチして、その後HPLC注入して280nmでの紫外線吸収により残存基質を定量する。簡潔に述べると、ペプチド模倣大環状分子およびペプチド模倣体前駆体(5mcg)を、トリプシンアガロース(Pierce)(S/E約125)で0、10、20、90、および180分間インキュベートする。高速での卓上遠心分離によって反応をクエンチし、HPLCによる280nmでのピーク検出によって単離した上清中の残存している基質を定量する。タンパク質分解反応は一次速度式を示し、時間に対するln[S](k=−1 X勾配)のプロットから速度定数、kを決定する。
最適化されたリンカーを有するペプチド模倣大環状分子は、たとえば、対応する架橋されていないポリペプチドよりも少なくとも2倍高いエクスビボ半減期を有し、12時間以上のエクスビボ半減期を有する。エクスビボ血清安定性試験について、様々なアッセイを使用することができる。たとえば、ペプチド模倣大環状分子および/または対応する架橋されていないポリペプチド(2mcg)を、新鮮なマウス、ラットおよび/またはヒト血清(たとえば1〜2mL)で、37℃で0、1、2、4、8、および24時間それぞれインキュベートする。異なる大環状分子濃度の試料は、血清による段階希釈によって調製することができる。インタクトな化合物のレベルを決定するために、以下の手順を使用することができる:100μlの血清を2mlの遠心管に移し、その後10μLの50%ギ酸および500μLのアセトニトリルを添加し、4±2℃で10分間、14000RPMで遠心分離することによって試料を抽出する。次いで上清を新しい2mlのチューブに移し、TurbovapにおいてN2<10psi下、37℃で蒸発させる。試料を100μLの50:50アセトニトリル:水において再構成し、LC−MS/MS分析にかける。エクスビボ安定性を試験するための同等または同様の手順が知られており、血清における大環状分子の安定性を決定するために使用することができる。
受容体タンパク質に対するペプチド模倣大環状分子およびペプチド模倣体前駆体の結合および親和性を評価するために、たとえば、蛍光偏光アッセイ(FPA)が使用される。FPA技術は、偏光および蛍光トレーサーを使用して分子の配向および運動性を測定する。偏光によって励起されると、高い見かけの分子量を有する分子に結合している蛍光トレーサー(たとえば、FITC)(たとえば大きなタンパク質に結合したFITC標識ペプチド)は、より小さい分子に結合している蛍光トレーサー(たとえば溶液中に遊離しているFITC標識ペプチド)と比較してそのより遅い回転速度のために、より高いレベルの偏光蛍光を発する。
ペプチド(たとえばBH3ペプチドまたはp53ペプチド)と受容体タンパク質との間の相互作用をアンタゴナイズする化合物の結合および親和性を評価するために、たとえば、ペプチド模倣体前駆体配列に由来するフルオレセイン化ペプチド模倣大環状分子を使用した蛍光偏光アッセイ(FPA)を使用する。FPA技術は、偏光および蛍光トレーサーを使用して分子の配向および運動性を測定する。偏光によって励起されると、高い見かけの分子量を有する分子に結合している蛍光トレーサー(たとえば、FITC)(たとえば大きなタンパク質に結合したFITC標識ペプチド)は、より小さい分子に結合している蛍光トレーサー(たとえば溶液中に遊離しているFITC標識ペプチド)と比較してそのより遅い回転速度のために、より高いレベルの偏光蛍光を発する。フルオレセイン化ペプチド模倣大環状分子と受容体タンパク質との間の相互作用をアンタゴナイズする化合物は、競合的結合FPA実験において検出されるはずである。
細胞溶解物またはインタクトな細胞において、天然受容体に対するペプチドまたはペプチド模倣大環状分子の結合を、免疫沈降およびプルダウン実験によって測定することが可能である。たとえば、インタクトな細胞を、血清の非存在下でフルオレセイン化(FITC標識)またはビオチン化化合物と一緒に4時間インキュベートし、その後血清代替物とさらに4〜18時間インキュベートする。あるいは、実験期間中、細胞をOpti−MEM(Invitrogen)においてインキュベートすることができる。次いで細胞をペレット化し、溶解緩衝液(50mMのTris[pH7.6]、150mMのNaCl、1%CHAPSおよびプロテアーゼ阻害剤カクテル)中で、10分間4℃でインキュベートする。1%NP−40またはTriton X−100をCHAPSの代わりに使用してもよい。抽出物を14000rpmで15分間遠心分離にかけ、上清を回収して10μlのヤギ抗FITC抗体またはストレプトアビジン被覆ビーズと4℃で回転させながら2時間インキュベートし、その後さらに4℃で2時間、プロテインA/Gセファロース(50μlの50%ビーズスラリー)とインキュベートする。ストレプトアビジンビーズを使用の場合、ビオチン化化合物をプルダウンするための第2の工程は不要である。あるいは、上述の通り調製したFITC標識またはビオチン化化合物を、細胞溶解物と2時間、4℃で回転させながらインキュベートし、その後10μlのヤギ抗FITC抗体またはストレプトアビジン被覆ビーズと2時間、4℃で回転させながらインキュベートし、その後さらに2時間、プロテインA/Gセファロース(50μlの50%ビーズスラリー)と4℃でインキュベートし、ストレプトアビジンビーズを使用の場合、ビオチン化化合物をプルダウンするための第2の工程は不要である。短時間の遠心分離の後、ペレットを、増加する塩濃度(たとえば、150、300、500mMのNaCl)を含有する溶解緩衝液中で洗浄してもよい。次いでビーズを、SDS含有試料緩衝液の添加および煮沸の前に150mMのNaClで再平衡化させてもよい。ビーズおよび細胞溶解物を、4%〜12%勾配Bis−Trisゲルを使用して電気泳動し、その後Immobilon−Pメンブレンに移してもよい。ブロッキング後、ブロットを、それぞれ、FITCまたはビオチンを検出する抗体と、またBCL2、MCL1、BCL−XL、A1、BAX、およびBAKを含む、ペプチド模倣大環状分子に結合するタンパク質を検出する1つまたは複数の抗体と、インキュベートしてもよい。溶解物ブロットもまた、ローディング対照のための抗Hsc−70でプローブされる。あるいは、電気泳動後にゲルを銀染色し、FITC標識またはビオチン化化合物に特異的に落下するタンパク質を検出してもよい。
ペプチド模倣大環状分子は、たとえば、対応する架橋されていないポリペプチドと比較して細胞透過性が高い。いくつかの実施形態において、ペプチド模倣大環状分子は、対応する架橋されていないポリペプチドよりも細胞透過性が高い。最適化されたリンカーを有するペプチド模倣大環状分子は、たとえば、対応する架橋されていないポリペプチドよりも少なくとも2倍高い細胞浸透性を有し、しばしば、適用されたペプチド模倣大環状分子の20%以上が、4時間後には細胞に浸透したことが観察される。ペプチド模倣大環状分子および対応する架橋されていないポリペプチドの細胞浸透性を測定するために、インタクトな細胞を、フルオレセイン化ペプチド模倣大環状分子または対応する架橋されていないポリペプチド(10μM)と一緒に4時間、37℃で無血清培地においてインキュベートし、培地で2回洗浄し、トリプシン(0.25%)で10分間、37℃でインキュベートする。細胞を再度洗浄してPBS中に再懸濁する。細胞の蛍光を、たとえば、FACSCaliburフローサイトメーターまたはCellomics’ KineticScan(登録商標)HCS Readerを使用することによって分析する。細胞浸透を定量するためのさらなる方法を使用してもよい。提供されている実施例において、特定の方法がより詳細に記述されている。
ある特定のペプチド模倣大環状分子の有効性は、たとえば、ヒトまたはマウス細胞集団に由来する様々な腫瘍形成性および非腫瘍形成性の細胞株ならびに初代細胞を使用した細胞ベースの死滅アッセイにおいて決定される。細胞生存率を、たとえば、ペプチド模倣大環状分子(0.5〜50μM)による24〜96時間のインキュベーションにわたってモニターして、EC50<10μMで死滅させるものを特定する。この関連において、EC50は、集団の50%が生存可能であるペプチド模倣大環状分子の濃度である、半最大有効濃度のことをいう。細胞生存率を測定するいくつかの標準的なアッセイが市販されており、ペプチド模倣大環状分子の有効性を評価するために場合により使用される。加えて、ペプチド模倣大環状分子がアポトーシス機構を活性化することによって細胞を死滅させるかどうかを評価するために、アネキシンVおよびカスパーゼ活性化を測定するアッセイが場合により使用される。たとえば、細胞内ATP濃度の関数として細胞生存率を決定するCell Titergloアッセイが使用される。
ペプチド模倣大環状分子のインビボ安定性を調べるために、化合物を、たとえば、マウスおよび/またはラットに、IV、IP、SC、POまたは吸入経路によって0.1〜50mg/kgの範囲の濃度で投与し、注入後0分、5分、15分、30分、1時間、4時間、8時間、12時間、24時間および48時間で血液検体を採取する。次いで25μLの新鮮血清中のインタクトな化合物の濃度をLC−MS/MSによって本明細書に記載の通り測定する。
インビボでの本発明のペプチド模倣大環状分子の抗発癌活性を決定するために、化合物を、たとえば、単独で(IP、IV、SC、PO、吸入または鼻腔内経路によって)または最適以下の用量の関連する化学療法(たとえば、シクロフォスファミド、ドキソルビシン、エトポシド)と組み合わせて投与する。一例において、ルシフェラーゼを安定に発現する5×106個のSEMK2細胞(急性リンパ芽球性白血病患者の骨髄から確立された)を、NOD−SCID、SCID−beigeまたはNOD.IL2rgKOマウスの尾静脈内に、全身照射を受けてから3時間後に注入する。照射を受けていないマウスもまた、これらの試験に使用してもよい。治療しないまま放置すると、この形態の白血病はこのモデルにおいて3週間以内に死に至る。白血病は、たとえば、マウスにD−ルシフェリン(60mg/kg)を注入し、麻酔をかけた動物をイメージングする(たとえば、Xenogen In Vivo Imaging系、Caliper Life Sciences、Hopkinton、MA)ことによって、容易にモニターされる。全身の生物発光を、Living Image Software(Caliper Life Sciences、Hopkinton、MA)による光子フラックス(光子/秒)の積分によって定量する。単独のまたは最適以下の用量の関連する化学療法剤と組み合わせたペプチド模倣大環状分子を、たとえば、白血病マウス(注入の8〜10日後/実験の1日目、14〜16の生物発光範囲内)に尾静脈またはIP経路で0.1mg/kg〜50mg/kgの範囲の用量で7〜21日間投与する。場合により、実験中1日おきにマウスをイメージングし、実験期間中、毎日生存をモニターする。死亡したマウスを場合により、実験終了時に解剖する。別の動物モデルは、ルシフェラーゼを安定に発現する、ヒト濾胞性リンパ腫に由来する細胞株DoHH2の、NOD−SCIDマウスへの移植である。これらのインビボ試験は場合により、予備的な薬物動態的、薬力学的および毒性データをもたらす。
ヒトの治療に対する本発明のペプチド模倣大環状分子の適性を決定するために、臨床試験を実行する。たとえば、癌と診断された治療を必要とする患者を選択して、治療群および1つまたは複数の対照群に分け、治療群には本発明のペプチド模倣大環状分子を投与し、一方対照群には、プラセボ、既知の抗癌剤、または標準的な医療を与える。このようにして本発明のペプチド模倣大環状分子の治療の安全性および有効性は、生存および生活の質などの因子に関して患者群の比較を実行することによって評価することができる。この例において、ペプチド模倣大環状分子で治療した患者群は、プラセボまたは標準的な医療で治療した患者対照群と比較して長期生存の改善を示す。
投与方法は、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、口腔内、舌下、脳内、膣内、経皮、直腸、吸入による、または耳、鼻、目、もしくは皮膚への塗布による局所を含むがこれらに限定されない。
一態様において、本発明は、ペプチド模倣大環状分が模倣しているタンパク質またはペプチドの天然リガンドに結合する作用物質を特定するための競合的結合アッセイにおいて有用である、新規なペプチド模倣大環状分子を提供する。たとえば、BH3/BCL−XL抗アポトーシス系において、BH3に基づく標識ペプチド模倣大環状分子を、競合的にBCL−XLに結合する小分子とともにBCL−XL結合アッセイにおいて使用することができる。競合的結合試験は、BH3/BCL−XL系に特異的な薬物候補の迅速なインビトロ評価および決定を可能にする。本発明は、ペプチド模倣大環状分子に対する抗体の産生をさらに提供する。いくつかの実施形態において、これらの抗体は、ペプチド模倣大環状分子、およびペプチド模倣大環状分子が由来しているBH3ペプチド模倣体前駆体の両方に特異的に結合する。そのような抗体は、たとえば、BH3/BCL−XL系をそれぞれ妨害する。
一態様において、本発明は、本発明のペプチド模倣大環状分子を投与することによって乳癌を治療するための方法を提供する。乳癌は、侵襲性腺管がん、侵襲性小葉がん、管状がん、侵襲性篩状がん、髄様がん、粘液性がんおよび別の大量の粘液を含む腫瘍などの侵襲性乳がん、嚢胞腺がん、円柱細胞粘液性がん、印環細胞がん、神経内分泌腫瘍(充実性神経内分泌がん、非定型カルチノイド腫瘍、小細胞/燕麦細胞がん、または大細胞神経内分泌がんを含む)、侵襲性乳頭がん、侵襲性微小乳頭がん、アポクリンがん、化生がん、純上皮性化生がん、混合型上皮/間葉化生がん、脂質がん、分泌がん、オンコサイトがん、腺様嚢胞がん、腺房細胞がん、グリコーゲンリッチ明細胞がん、脂腺がん、炎症性がんまたは両側乳がん;血管腫、血管腫症、血管外皮腫、偽血管腫様間質過形成、筋線維芽細胞腫、線維腫症(侵襲性)、炎症性筋線維芽細胞腫瘍、脂肪腫、血管脂肪腫、顆粒細胞腫瘍、神経線維腫、神経鞘腫、血管肉腫、脂肪肉腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、平滑筋腫、または平滑筋肉腫などの間葉腫瘍;筋上皮症、腺筋上皮腺症、腺筋上皮腫、または悪性筋上皮腫などの筋上皮病変;線維腺腫、葉状腫瘍、低悪性度管周囲性間質性肉腫、または乳腺過誤腫などの線維上皮腫瘍;および乳頭部腺腫、汗管腺腫、または乳頭のパジェット病などの乳頭の腫瘍を含む。
別の態様において、本発明のペプチド模倣大環状分子を使用して、卵巣癌を治療してもよい。卵巣癌は、体腔上皮の腫瘍、漿液性腫瘍、粘液性腫瘍、子宮内膜性腫瘍、明細胞腺がん、嚢胞性線維腺腫、ブレンナー腫瘍、表層上皮腫瘍などの卵巣腫瘍;成熟型(良性)奇形腫、限定型奇形腫、未熟型悪性奇形腫、未分化胚細胞種、内胚葉洞腫瘍、絨毛癌などの胚細胞腫瘍;顆粒膜細胞腫瘍、莢膜細胞線維腫、男性ホルモン産生細胞腫、hill細胞腫瘍、および性腺芽腫などの性索間質性腫瘍;ならびにクルーケンベルグ腫瘍などの転移性腫瘍を含む。
別の態様において、本発明のペプチド模倣大環状分子を使用して、前立腺癌を治療してもよい。前立腺癌は、腺がんおよび転移した腺がんを含む。本発明のペプチド模倣大環状分子を、標準的な医療の一部である療法などの第2の療法と組み合わせて投与してもよい。前立腺癌の治療は、外科手術、放射線療法、高密度焦点式超音波(HIFU)、化学療法、凍結手術、ホルモン療法、またはこれらの任意の組合せを含んでいてもよい。外科手術は、前立腺切除、根治的会陰式前立腺全摘除術、腹腔鏡下根治的前立腺全摘除術、経尿道的前立腺切除術または睾丸摘出術を含んでいてもよい。放射線療法は、体外照射放射線療法および/または小線源療法を含んでいてもよい。ホルモン療法は、睾丸摘出術;フルタミド、ビカルタミド、ニルタミド、または酢酸シプロテロンなどの抗アンドロゲンの投与;ケトコナゾールおよびアミノグルテチミドなどの、DHEAなどの副腎アンドロゲンの産生を阻害する薬物治療;およびAbarelix(Plenaxis(登録商標))、Cetrorelix(Cetrotide(登録商標))、Ganirelix(Antagon(登録商標))、ロイプロリド、ゴセレリン、トリプトレリン、またはブセレリンなどのGnRHアンタゴニストまたはアゴニストを含んでいてもよい。体内でアンドロゲン活性を遮断する抗アンドロゲン薬を用いた治療は、別の利用可能な療法である。そのような薬剤は、フルタミド、ビカルタミド、およびニルタミドを含む。この療法は、典型的にはLHRH類似体投与または睾丸切除術と併用され、複合アンドロゲン遮断(CAB)と呼ばれる。化学療法は、たとえば、プレドニゾンなどのコルチコステロイドと一緒のドセタキセルの投与を含むがこれに限定されない。ドキソルビシン、エストラムスチン、エトポシド、ミトキサントロン、ビンブラスチン、パクリタキセル、カルボプラチンなどの抗癌剤もまた、前立腺癌の増殖を遅らせる、症状を減少させるおよび生活の質を改善するために投与されてもよい。ビスホスホネート薬などのさらなる化合物もまた、投与することができる。
別の態様において、本発明のペプチド模倣大環状分子を使用して、腎臓癌を治療してもよい。腎臓癌は、腎細胞がん、腎外からの原発性腫瘍の転移、腎臓リンパ腫、扁平上皮がん、傍糸球体腫瘍(腎腫)、移行細胞がん、血管筋脂肪腫、膨大細胞腫およびウィルムス腫瘍を含むがこれらに限定されない。本発明のペプチド模倣大環状分子を、標準的な医療の一部である療法などの第2の療法と組み合わせて投与してもよい。腎臓癌の治療は、外科手術、経皮的療法、放射線療法、化学療法、ワクチン、または別の薬物治療を含んでもよい。本発明のペプチド模倣大環状分子と組み合わせて腎臓癌の治療に有用な外科技術は、副腎、腹膜後リンパ節、および腫瘍の侵襲を受けている任意の別の周囲組織の切除を含み得る腎臓切除術を含む。経皮的療法は、たとえば、腫瘍のイメージングに続く高周波アブレーションまたは凍結療法による標的破壊を含んでもよい画像誘導療法を含む。いくつかの事例において、腎臓癌の治療において有用な別の化学療法剤または別の薬剤は、α−インターフェロン、インターロイキン−2、ベバシズマブ、ソラフェニブ、スニチブ、テムシロリムスまたは別のキナーゼ阻害剤であってもよい。
別の態様において、本発明は、本発明のペプチド模倣大環状分子を投与することによって、膵管組織の類上皮がんおよび膵管の腺がんから選択される膵臓癌などの膵臓癌を治療する方法を提供する。最も一般的なタイプの膵臓癌は、膵管の内腔において発生する腺がんである。膵臓癌に利用できる可能な治療は、外科手術、免疫療法、放射線療法、および化学療法を含む。可能な外科治療の選択肢は、膵尾部切除術または膵臓全摘および膵頭十二指腸切除術(Whipple手術)を含む。放射線療法、特に体外の機械によって放射線が腫瘍に集中される体外照射が、膵臓癌患者のための選択肢であってもよい。別の選択肢は、手術中に投与される術中電子線照射である。化学療法もまた、膵臓癌患者を治療するために使用してもよい。適当な抗癌剤は、5−フルオロウラシル(5−FU)、マイトマイシン、イフォスファミド、ドキソルビシン、ストレプトゾシン、クロロゾトシン、およびこれらの組合せを含むがこれらに限定されない。本発明によって提供される方法は、本発明のポリペプチドの投与またはペプチド模倣大環状分子の投与と外科手術、放射線療法、もしくは化学療法の組合せによって、膵臓癌患者に有益な効果をもたらすことができる。
一態様において、本発明のペプチド模倣大環状分子は、非腫瘍性ポリープ、腺腫、家族性症候群、結腸直腸発癌、結腸直腸がん、およびカルチノイド腫瘍を含むがこれらに限定されない結腸癌の治療のために使用してもよい。本発明のペプチド模倣大環状分子と組み合わせて使用することができる結腸癌に利用できる可能な治療は、外科手術、化学療法、放射線療法または標的薬物療法を含む。
いくつかの実施形態は、本発明のペプチド模倣大環状分子を使用した肺癌の治療のための方法を提供する。肺の細胞増殖および/または分化障害の例は、腫瘍随伴症候群を含む気管支原性がん、細気管支肺胞上皮がん、気管支カルチノイドなどの神経内分泌腫瘍、混合型腫瘍、および転移性腫瘍;炎症性胸水、非炎症性胸水、気胸を含む胸膜の病変、ならびに単発性線維性腫瘍(胸膜線維腫)および悪性中皮腫を含む胸膜腫瘍を含むがこれらに限定されない。
免疫増殖性障害(「免疫増殖性疾患」または「免疫増殖性腫瘍」としても知られている)は、B細胞、T細胞およびナチュラルキラー(NK)細胞を含む免疫系の初代細胞の異常な増殖によって、または免疫グロブリン(抗体としても知られている)の過剰な産生によって特徴付けられる、免疫系の障害である。そのような障害は、一般的な部類のリンパ増殖性障害、高γグロブリン血症、およびパラプロテイン血症を含む。そのような障害の例は、X連鎖リンパ増殖性障害、常染色体リンパ増殖性障害、高IgM症候群、重鎖疾患、および低温型グロブリン血症を含むがこれらに限定されない。別の免疫増殖性障害は、移植片対宿主病(GVHD);乾癬;移植片移植拒絶反応に関連する免疫障害;T細胞リンパ腫;T細胞急性リンパ芽球性白血病;精巣血管中心性T細胞リンパ腫;良性リンパ性脈管炎;および自己免疫疾患、たとえば、エリテマトーデス、橋本甲状腺炎、原発性粘液水腫、グレーブズ疾患、悪性貧血、自己免疫性萎縮性胃炎、アジゾン病、インスリン依存性糖尿病、グッドパスチャー症候群、重症筋無力症、天疱瘡、クローン病、交感性眼炎、自己免疫性ブドウ膜炎、多発性硬化症、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少症、原発性胆汁性肝硬変、慢性活動性肝炎、潰瘍性結腸炎、シェーグレン症候群、関節リュウマチ、多発性筋炎、強皮症、および混合型結合組織疾患であり得る。
一実施形態において、本発明のペプチド模倣大環状分子は、アルキル化およびアルキル化様剤と組み合わせて癌の治療のために使用してもよい。そのような薬剤は、たとえば、クロラムブシル、クロルメチン、シクロフォスファミド、イフォスファミド、およびメルファランなどのナイトロジェンマスタード;カルムスチン、フォテムスチン、ロムスチン、およびストレプトゾシンなどのニトロソウレア;カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、BBR3464、およびサトラプラチンなどの白金治療薬;またはブスルファン、ダカルバジン、プロカルバジン、テモゾロミド、チオテパ、トレオスルファン、もしくはウラムスチンを含むがこれらに限定されない別の薬剤を含む。
別のまたはさらなる実施形態において、本発明の抗アポトーシスペプチド模倣大環状分子を使用して、有害な細胞死と関連するそのような障害すべてを治療する。
本発明のペプチド模倣大環状分子の合成
α−へリックスBIDおよびBIMペプチド模倣大環状分子を、先の記載(Walenskyら(2004)Science 305:1466-70; Walenskyら(2006)Mol Cell 24:199-210)および以下に記載のように合成し、精製し、分析した。本研究に使用した大環状分子を以下に示す。対応する非架橋ポリペプチドは、「WT配列」として示し、本発明のペプチド模倣大環状分子の天然対応物を表す。
本研究に使用した細胞系を以下の表に示す。
細胞生存率アッセイ
図1〜32に示した細胞生存率アッセイを、以下のプロトコールに従って実施した。腫瘍細胞系を、必要に応じて特異的血清添加培地(成長培地)において成長させた。研究を開始する前日に、細胞を、マイクロタイタープレート中の成長培地200μlに最適な細胞密度(15,000から25,000細胞/ウェル)で播種した。翌日、細胞を、無血清/無フェノールレッドRPMI完全培地(アッセイバッファー)中で2回洗浄し、最終容量100μlのアッセイバッファーを個々のウェルに加えた。ヒト末梢血リンパ球(hPBL)を、Ficoll−Paque勾配分離を使用して軟膜(San Diego Blood Bank)から単離し、実験当日に25,000細胞/ウェルで播種した。
BrdU細胞増殖アッセイ
2例の異なるドナーから単離されたhPBLを、5μg/mlのPHA、1μMのイオノマイシンおよび1μg/mlのLPSを用いて刺激し、または刺激はせず、アッセイバッファー中5または20μMいずれかのSP−1で処理した。1μMのラパマイシンを、BrdUの取り込み阻害に対する陽性対照として使用した。細胞を、図17に示した条件下で48時間インキュベートした。BrdUの取り込みを、製造業者の指示書(Roche、カタログ番号11444611001)に従ってELISAにより分析した。図7において、Y軸は、OD=吸光度(A405nm/A492 nm)を示す。
ヒト白血病異種移植片モデルにおけるペプチド模倣大環状分子の有効性
ルシフェラーゼを安定に発現するSEMK2−LN細胞を、先に記載されたように(Armstrongら(2003)Cancer Cell 3:173-83)作製した。6〜8週齢の雌のNOD−SCIDマウス(Jackson Laboratory)の尾静脈に、5×106のSEMK2−LN細胞を注射した。動物を、Xenogen’s In Vivo Imaging System(Caliper Life Sciences)を使用して、記載(Walenskyら, Science 305:1466-1470(2004))のように画像化し、全身の生物発光を、光の流束(光子/秒)の統合により定量化した(Living Imaging Software for Xenogen In Vivo Imaging System、Caliper Life Sciences)。動物を、白血病細胞の注射後8および12日後に画像化し、白血病が確立された動物を特定した。処理開始の前(処理1日目)の、12日目に、動物を統計的に同等の生物発光を有するコホートに分割した。白血病マウスに、ペプチド模倣大環状分子を1日1回、3または10mg/Kg/日を21日間あるいは30mg/Kg/日を12日間、尾静脈注射した。動物を、処理期間中1、3、5、7、9、13および17日目に画像化し、得られた腫瘍の減少を、図18に示す。
免疫原性の決定
6〜8週齢のBalb/cまたはKMの雌マウスを、非接合SP−1またはSP−4を用いて免疫化した。血清を、免疫化前に回収し、D5W中の個々のペプチド25μgを、以下の免疫化スケジュールを使用して尾静脈に注射した:血清を、1日目および14日目の最初の2回の免疫化後7日目ならびに第3回および第4回の免疫化後14日目に回収した。抗体力価を、間接的ELISAにより決定した。簡潔に言うと、マイクロタイタープレートを、SP−1またはSP−3(5μg/ml)のいずれかで、4℃において一晩コーティングした。翌日、プレートを、PBS/0.05%Tween20(PBST)で5回洗浄し、5%脱脂乳/PBSTで37℃において1時間ブロックし、その後、PBSTを用いてさらに洗浄した。抗血清を、段階希釈し、コーティングしたプレートに37℃において1時間加えた。次いで、プレートを、PBSTで広範囲に洗浄し、HRP接合抗マウスIgGまたはIgMのいずれかとともに、37℃において1時間さらにインキュベートし、HRP基質の添加前にPBSTで5回洗浄した。プレートを、室温において10分間インキュベートし、0.5Mのシュウ酸溶液を用いて反応を停止させた。吸光度を、ELISAマイクロプレートリーダーにおいて450nmで読み取った。OD値を、1:100希釈において対照血清および抗血清の双方に関して決定した。図20のグラフは、OD抗血清/OD対照血清の比としてプロットした。4未満の比を陰性とみなした。
融解温度(Tm)の決定
凍結乾燥SP−1を、ddH2Oに、最終濃度50μMになるように溶解した。Tmを、5〜95℃の温度の間で固定波長222nmにおいて、Jasco−810分光偏光計で円二色性(CD)スペクトルを測定することによって決定した。以下のパラメーターを測定のために使用した:データピッチ、0.1℃;バンド幅、1nmおよび路長、16秒間のシグナルを平均して0.1cm。結果を図21に示す。
血漿中安定性決定のための試料調製
エクスビボの血漿中安定性研究のために、10μMのSP−1、SP−3、SP−4およびSP−6を、事前浄化したヒトおよびマウスの血漿とともに、37℃において0、15および120分間インキュベートした。各インキュベート時間の終わりに、試料100μLを取り出し、氷冷MEOH300μlを含む、未使用のローリテンションエッペンドルフチューブに入れた。試料を10,000rpmで遠心分離し、上清を取り出し、未使用のローリテンションエッペンドルフチューブに入れ、水200μlを各試料に加えた。次いで、試料を以下に示すようにLC−MS/MSにより解析した。結果を図22および23に示す。
静脈薬物動態解析
IV投与製剤を、SP−1またはSP−4を5%DMSO/D5Wに溶解し、10mg/Kg/用量を得ることによって調製した。カニューレを挿入したCrl:CD(登録商標)(SD)ラットの雄(7〜8週齢、Charles River Laboratories)を、これらの研究に使用した。静脈用量を、大腿骨カニューレを介して投与し、動物に10mLkg/単回注射で投与した。薬物動態解析のための血液を、10の時点(投与後0.0833、0.25、0.5,1、2、4、6、8、12および24時間)で採取した。それらの最終試料を採取後、動物を(解剖はせずに)打ち切った。
処理された細胞におけるFITC−標識ペプチド模倣大環状分子の検出のFACS解析
細胞(たとえば、Jurkat細胞)を、10%FBSおよび1%ペニシリン−ストレプトマイシンを添加した、RPMI1640培地と2mMのL−グルタミン(Invitrogen)との懸濁液中で培養した。細胞を、実験日の前日に継代培養し、それらを対数増殖期で維持した。FITC−標識ペプチド模倣大環状分子の取り込みを、FACSにより解析するために、対数増殖するJurkat細胞を、無血清培地0.9mlに、1×106細胞の密度で播種した。細胞を、化合物を希釈するまで静置させた。被験化合物を、DMSOで2mMのストックに希釈し、次いで、滅菌水で400μMに希釈し、さらにOptiMEMを使用して100μMに希釈した。このようにして、100uMのFITC−標識ペプチド模倣大環状分子100μlを、その後適切なウェルに加え、1ml容量中10μMの最終濃度を達成した。プレートを、指定した時点で37℃、5%CO2のインキュベーターに戻した。各時点の終了時に、細胞懸濁液を培地で希釈し、2回洗浄し、37℃において15分間トリプシン(0.25%)処理した。次いで、細胞をOptiMemで洗浄し、最終的にPBS500μl中に再懸濁した。細胞蛍光を、少なくとも20000事象/試料を数えるBeckman Coulter FACS装置を使用して測定した。解析は、Summit バージョン4、Dako Colorado,Inc.を使用して実施した。
タンパク質−リガンド結合実験
タンパク質−リガンド結合実験を、1μMのSP−4+5μMのBcl−xLを使用して、システム全体の対照実験に関して概説した以下の代表的手順に従って実施した。ペプチド模倣大環状分子の40μMのストック溶液の1μLのDMSOアリコートを、PBS(リン酸緩衝生理食塩水:50mM、150mMのNaClを含有するpH7.5のリン酸緩衝液)19μLに溶解した。得られた溶液を、ピペッティングを繰り返すことによって混合し、10000gで10分間遠心分離することによって浄化した。得られた上清の4μLアリコートに、PBS4μL中10μM BCL−xLを加えた。したがって、個々の8.0μLの実験試料は、PBS中5.0μM濃度で40pmol(1.5μg)のタンパク質+1μMのペプチド模倣大環状分子および2.5%のDMSOを含有した。各濃度点に関してこのように調製された二重の試料を、室温において60分間インキュベートし、その後、5.0μL注入のサイズ排除クロマトグラフィー−LC−MS解析前に4℃に冷却した。標的タンパク質、タンパク質−リガンド複合体および未結合の化合物を含有する試料を、SECカラムに注入し、高速SECステップにより未結合成分から複合体を分離した。SECカラムの溶出液を、UV検出器を使用してモニターし、SECカラムの空隙容量に溶出される早期溶出タンパク質分画が、カラムに保持されている未結合成分から十分分割されたことを確認した。タンパク質およびタンパク質−リガンド複合体を含有するピークが最初のUV検出器により溶出した後で、ピークを、SEC段階の流れから取り出す試料ループに入れ、弁機構を介してLC−MSに直接移送した。ALRN−0034の(M+3H)3+イオンを、m/z883.8においてESI−MSにより観察し、タンパク質−リガンド複合体の検出を確認する。
競合的結合実験
40μM/成分のリガンド混合物を、3種の化合物の各400μMのストックの2μLアリコートと、DMSO14μLとを組み合わせることにより調製した。次いで、この40μM/成分混合物の1μLアリコートを、滴定ペプチド模倣大環状分子(10、5、2.5、...、0.078mM)の段階希釈ストック溶液の1μLのDMSOアリコートを組み合わせた。これらの試料2μLをPBS38μLに溶解した。得られた溶液を、ピペッティングを繰り返すことによって混合し、10000gで10分間遠心分離することによって浄化した。得られた上清の4.0μLアリコートに、PBS4.0μL中10μMのBCL−xLを加えた。したがって、個々の実験試料8.0μLは、PBS中5.0μM濃度で40pmol(1.5μg)のタンパク質+0.5μMのリガンド、2.5%DMSOおよびさまざまな濃度の(125、62.5、…、0.98μM)滴定ペプチド模倣大環状分子を含有した。各濃度点に関してこのように調製された二重の試料を、室温において60分間インキュベートし、その後、2.0μL注入のSEC−LC−MS解析前に4℃に冷却した。これらおよび他の方法についてのさらなる詳細は、「A General Technique to Rank Protein−Ligand Binding Affinities and Determine Allosteric vs.Direct Binding Site Competition in Compound Mixtures.」Annis,D.A.;Nazef,N.;Chuang,C.C.;Scott,M.P.;Nash,H.M.J.Am.Chem.Soc.2004,126,15495−15503;さらに「ALIS:An Affinity Selection−Mass Spectrometry System for the Discovery and Characterization of Protein−Ligand Interactions」D.A.Annis,C.−C.Chuang,and N.Nazef.In Mass Spectrometry in Medicinal Chemistry.Edited by Wanner K,Hofner G:Wiley−VCH;2007:121−184.Mannhold R,Kubinyi H,Folkers G(Series Editors):Methods and Principles in Medicinal Chemistry.に提供される。
蛍光光度法を使用するFITC−標識ペプチド模倣大環状分子の取り込みの定量分析
細胞(たとえば、INA-6またはJurkat細胞)を、10%FBSおよび1%ペニシリン−ストレプトマイシンならびにINA−6細胞の場合、1ng/mlの組換えヒトIL−6を添加した、RPMI1640培地と2mMのL−グルタミン(Invitrogen)との懸濁液中で培養した。細胞を、実験日の前日に継代培養し、それらを対数増殖期で維持した。FITC−標識ペプチド模倣大環状分子の細胞内への取り込みを、解析するために、対数増殖する細胞を、無血清培地0.9mlに、0.5×106細胞の密度で播種した。細胞を、化合物を希釈するまで静置させた。被験化合物を、DMSOで2mMのストックに希釈し、次いで、滅菌水で400μMに希釈し、さらにOptiMEMを使用して100μMに希釈した。このようにして、100uMのFITC−標識ペプチド模倣大環状分子100μlを、その後適切なウェルに加え、1ml容量中10μMの最終濃度を達成した。プレートを、指定した時点に37℃、5%CO2のインキュベーターに戻した。必要に応じて、被験化合物のさらなる希釈をOptiMEMで調製した。各時点の終了時に、細胞を回収し、FBSを添加したRPMIで2回洗浄し、PBS+0.5%BSAで1回洗浄した。ペレット化した細胞を再懸濁し、0.25%のTrypsin−EDTAとともに37℃、5%CO2において15分間インキュベートした。インキュベート後、細胞を、血清を含有する培地で1回洗浄し、0.5%BSAを含むPBSで2回洗浄した。洗浄の終了時に、Cell Signaling Technologiesによる細胞溶解バッファーを含有するTritonX−100を用いて細胞を溶解した。蛍光強度を、BioTek Synergy4装置において測定した。標準曲線のためのFITC−標識ペプチド模倣大環状分子の希釈を、細胞溶解バッファーで実施した。細胞内のペプチド模倣大環状分子量の定量に使用した。解析は、Biotek Inc.により提供されるGen5ソフトウェアを使用して実施した。
同所性前立腺腫瘍モデルにおけるペプチド模倣大環状分子の有効性
実験を、Bioware(登録商標)細胞系(PC-3M-Luc-C6)を使用し、5×106細胞/マウス/100μlを使用して実施した。総数70匹のnu/nu雄マウス(7〜10週齢)を使用した。雄のnu/nuマウスに麻酔をかけ、それらの腹部の後正中線、前立腺の真上に沿って切開を行った。膀胱をよけ、軽く押さえ、前立腺を露出させた。PC−3M−luc−C6細胞(5×105)を、いずれかの背部側前立腺胚葉に、ゆっくりと注射した。腹膜切開を縫合し、皮膚を閉じた。マウスに、外科処置後ブプレノルフィン(50μl中0.1mg/kg)を皮下に投与した。動物を、創傷治癒後7日目に第1回の画像化をした。最終の50匹のマウスを、処理開始前に、BLIに基づき5群にグループ分けした(10匹のマウス/群)。実験マウスを、14日目から開始して2.5週間、週に2回画像化した。実験の終了時に、腫瘍を解剖し秤量した。次いで、腫瘍を急速凍結のために2つに切断し、10%ホルマリンで固定した。2つの安定した、または増加する生物発光シグナルを腫瘍細胞接種部位から検知後、被験化合物処理を開始した。いくつかの被験群を使用した:1群(ビヒクル、1日1回IV投与)、2群(被験化合物、10mg/kgで1日1回IV投与)、3群(ビヒクル、1日1回i.p投与)、4群(被験化合物、10mg/kgで1日1回i.p投与)および5群(タキソテール、30mg/kgで週2回IV投与)。被験ペプチド模倣大環状分子を、以下のように処方した。ローリテンション/シリコン処理のプラスチックチューブおよびチップだけを使用した。個々のペプチド模倣大環状分子の60mg/mLのストック溶液を、個々の大環状分子140mgを100%DMSO2.3mLに溶解することによって調製した。ストック溶液を、1日1回の投与(14mg/バイアル)用に0.23mLの10アリコートに分割し、−20℃に凍結保存した。投与の日毎に1つのバイアルを解凍した。個々の大環状分子の実験濃度(2mg/mL)を、ストック溶液の1つのアリコートをろ過滅菌した5%デキストロース6.5mLで希釈することにより調製した。DMSOのストックを、持続して撹拌しながらD5Wに滴下した。溶液を、5%デキストロースを用いて最終容量7mLに調節し、最終投与形態はろ過滅菌しなかった。投与量は5μL/g(25gのマウスに125μL)。投与量をスローボーラス(30秒にわたって)によりマウスに送達した。図45は、前立腺癌の同所性異種移植片モデルのための処理時間を示す。個々の実験動物の前立腺領域の生物発光を測定し、光子/秒で表した。インビボの腫瘍成長動態をグラフ化し、反復測定のために二元配置ANOVA(2つの主要因として時間および処理を使用する)を使用した。個々の群から代表的マウスの動態マウス画像を得、図43に示す。
卵巣癌(SKOV3-Luc)腫瘍を使用する同所性異種移植片腫瘍モデル
ホタルルシフェラーゼを安定して発現する1×106のSKOV3−Luc細胞を、麻酔をかけたSCID−beigeマウス(9週齢、雌)の卵嚢に注射した。動物を、生物発光画像(BLI)により、週1回モニターした。2つの安定した、または増加する生物発光シグナルを腫瘍細胞接種部位から検知後(このモデルにおいて最大9週間)、被験化合物処理を開始した。処理開始前に、動物を対照群と処理群にランダム化した(10マウス/群)。動物を、必要に応じて10、14および/または21日間、被験化合物(低用量、中用量、高用量)およびビヒクル対照の1日1回の注射(IP、IVまたはSC)により処理した。有効性を、ペプチド模倣大環状分子およびビヒクル対照により処理した動物間の腫瘍組織量の比較により決定した。D−ルシフェリン150mg/kgのIP注射後、腫瘍成長/容量をBLIによりモニターし、IVIS Imaging Systemにより背部側および腹部側双方を画像化した。転位性病変は、原発性腫瘍の生物発光を遮蔽することにより画像化できる。本実験の終わりに当たり、動物を人道的に安楽死させ、卵巣腫瘍を摘出し、秤量し、その後の分析のために調製した。
乳癌(MDA-MB-231-Luc)腫瘍を使用する同所性異種移植片腫瘍モデル
ホタルルシフェラーゼを安定して発現する1×106のMDA−MB−231−Luc細胞を、麻酔をかけたSCID−beigeマウス(9週齢、雌)の乳腺組織に注射した。動物を、生物発光画像により、週1回モニターした。2つの安定した、または増加する生物発光シグナルを腫瘍細胞接種部位から検知後、被験化合物処理を開始した。処理開始前に、動物を対照群と処理群にランダム化した(10マウス/群)。動物を、必要に応じて10、14および/または21日間、被験化合物(低用量、中用量、高用量)およびビヒクル対照の1日1回の注射(IP、IVまたはSC)により処理した。有効性を、被験化合物およびビヒクル対照により処理した動物間の腫瘍組織量の比較により決定した。D−ルシフェリン150mg/kgのIP注射後、腫瘍成長/容量を生物発光画像(BLI)によりモニターし、IVIS Imaging Systemにより背部側および腹部側双方を画像化した。転位性病変は、原発性腫瘍の生物発光を遮蔽することにより画像化できる。本実験の終わりに当たり、動物を人道的に安楽死させ、卵巣腫瘍を摘出し、秤量し、その後の分析のために調製した。
黒色腫(A375)または小細胞肺癌(NCI-H-82)の腫瘍を使用する皮下異種移植片腫瘍モデル
腫瘍細胞の最適量を、麻酔をかけたNOD/SCIDまたはnu/nuマウスの脇腹に、必要に応じて皮下注射により注入した。腫瘍が平均容量の20〜50mm3に達した時、動物を対照群と処理群とに選別した(10マウス/群)。動物を、必要に応じて10、14および/または21日間、被験化合物(低用量、中用量、高用量)およびビヒクル対照の1日1回の注射(IP、IVまたはSC)により処理した。有効性を、被験化合物およびビヒクル対照により処理した動物間の腫瘍量の比較により決定した。腫瘍成長/容量を、外観のキャリパーによる測定(L×W×D)によりモニターした。本実験の終わりに当たり、動物を人道的に安楽死させ、腫瘍を摘出し、秤量し、その後の分析のために調製した。
転移性乳癌(MDA-MB-231-Met-Luc)腫瘍を使用する転移性腫瘍モデル
ホタルルシフェラーゼを安定して発現するMDA−MB−213−MET−Luc細胞の最適量を、麻酔をかけたNOD/SCIDマウス(9週齢、雌)の心臓の左心室に(したがって、動脈系に直接)注入した。動物の全身にわたって生物発光が分布していることを示す0日目の画像により、心腔内注射の成功が示され、注射が満足なものであったことが証拠立てられたマウスのみを本実験に残すものとする。動物を対照群と処理群とに選別した(10マウス/群)。動物を、必要に応じて10、14および/または21日間、被験化合物(低用量、中用量、高用量)およびビヒクル対照の1日1回の注射(IP、IVまたはSC)により処理した。その後の転移の発生を、D−ルシフェリン150mg/kgのIP注射後、BLIにより、インビボで週に2回モニターし、IVIS Imaging Systemにより背部側および腹部側双方を画像化した。特に、肺および骨の転位をモニターする。本実験の終わりに当たり、動物を人道的に安楽死させ、対象となる組織を摘出し、エクスビボの画像およびその後の分析のために調製した。
Claims (87)
- 癌の治療を必要とするヒト患者における癌を治療するための方法であって、患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含み、癌は、卵巣癌、前立腺癌、腎臓癌、乳癌、膵臓癌、およびPh+急性リンパ性白血病から成る群から選択される方法。
- ペプチド模倣大環状分子がα−ヘリックスを含む、請求項1に記載の方法。
- ペプチド模倣大環状分子がBH3ドメインを含む、請求項1に記載の方法。
- ペプチド模倣大環状分子がBIMポリペプチドである、請求項1に記載の方法。
- 前記BIMポリペプチドのアミノ酸配列が、アミノ酸配列IWIAQELR*IGD*FNAYYARRと約60%超同一であり、*はテザーアミノ酸である、請求項4に記載の方法。
- 前記BIMポリペプチドのアミノ酸配列が、アミノ酸配列IWIAQELR*IGD*FNAYYARRと約80%超同一であり、*はテザーアミノ酸である、請求項4に記載の方法。
- 前記BIMポリペプチドのアミノ酸配列が、アミノ酸配列IWIAQELR*IGD*FNAYYARRと約95%超同一であり、*はテザーアミノ酸である、請求項4に記載の方法。
- 癌が乳癌である、請求項1に記載の方法。
- 乳癌が浸潤性乳がんである、請求項8に記載の方法。
- 浸潤性乳がんが浸潤性腺管がんである、請求項9に記載の方法。
- 癌が前立腺癌である、請求項1に記載の方法。
- 癌が卵巣癌である、請求項1に記載の方法。
- 癌が膵臓癌である、請求項1に記載の方法。
- 癌が腎臓癌である、請求項1に記載の方法。
- 癌が白血病である、請求項1に記載の方法。
- 癌がPh+急性リンパ性白血病である、請求項1に記載の方法。
- 癌の治療を必要とするヒト患者における癌を治療するための方法であって、患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含み、癌は結腸癌である方法。
- ペプチド模倣大環状分子がα−ヘリックスを含む、請求項17に記載の方法。
- ペプチド模倣大環状分子がBH3ドメインを含む、請求項17に記載の方法。
- ペプチド模倣大環状分子がBIDポリペプチドである、請求項19に記載の方法。
- 前記BIDポリペプチドのアミノ酸配列が、配列DIIRNIARHLA*VGD*NleDRSIと約60%超同一であり、*はテザーアミノ酸であり、Nleはノルロイシンである、請求項20に記載の方法。
- 前記BIDポリペプチドのアミノ酸配列が、配列DIIRNIARHLA*VGD*NleDRSIと約80%超同一であり、*はテザーアミノ酸であり、Nleはノルロイシンである、請求項20に記載の方法。
- 前記BIDポリペプチドのアミノ酸配列が、配列DIIRNIARHLA*VGD*NleDRSIと約95%超同一であり、*はテザーアミノ酸であり、Nleはノルロイシンである、請求項20に記載の方法。
- 癌の治療を必要とするヒト患者における癌を治療するための方法であって、患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含み、前記ペプチド模倣大環状分子は、前記癌に由来する細胞株に対してインビトロ細胞生存率アッセイにおいて試験した場合に、5μMよりも低いEC50を示す方法。
- EC50が3μM未満である、請求項24に記載の方法。
- 癌が、卵巣癌、皮膚癌、前立腺癌、腎臓癌、乳癌、膵臓癌、小細胞肺癌、結腸癌、肝臓癌、多発性骨髄腫、バーキットリンパ腫、T細胞系統またはB細胞系統または混合系統の急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病、および濾胞性リンパ腫から成る群から選択される、請求項24に記載の方法。
- ペプチド模倣大環状分子がα−ヘリックスを含む、請求項26に記載の方法。
- ペプチド模倣大環状分子がBH3ドメインを含む、請求項26に記載の方法。
- ペプチド模倣大環状分子がBIMポリペプチドである、請求項26に記載の方法。
- BIMポリペプチドが、アミノ酸配列IWIAQELR*IGD*FNAYYARRと約60%超同一であり、*はテザーアミノ酸である、請求項29に記載の方法。
- BIMポリペプチドが、アミノ酸配列IWIAQELR*IGD*FNAYYARRと約80%超同一であり、*はテザーアミノ酸である、請求項29に記載の方法。
- BIMポリペプチドが、アミノ酸配列IWIAQELR*IGD*FNAYYARRと約95%超同一であり、*はテザーアミノ酸である、請求項29に記載の方法。
- 癌が、結腸癌、小細胞肺癌、肝臓癌、卵巣癌、皮膚癌、前立腺癌、腎臓癌、乳癌、膵臓癌、多発性骨髄腫、バーキットリンパ腫、T細胞系統またはB細胞系統または混合系統の急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病、および濾胞性リンパ腫から成る群から選択される、請求項24に記載の方法。
- ペプチド模倣大環状分子がα−ヘリックスを含む、請求項33に記載の方法。
- ペプチド模倣大環状分子がBH3ドメインを含む、請求項33に記載の方法。
- ペプチド模倣大環状分子がBIDポリペプチドである、請求項33に記載の方法。
- BIDポリペプチドが、配列DIIRNIARHLA*VGD*NleDRSIと約60%超同一であり、*はテザーアミノ酸であり、Nleはノルロイシンである、請求項36に記載の方法。
- BIDポリペプチドが、配列DIIRNIARHLA*VGD*NleDRSIと約80%超同一であり、*はテザーアミノ酸であり、Nleはノルロイシンである、請求項36に記載の方法。
- BIDポリペプチドが、配列DIIRNIARHLA*VGD*NleDRSIと約95%超同一であり、*はテザーアミノ酸であり、Nleはノルロイシンである、請求項36に記載の方法。
- 障害の治療を必要とするヒト患者における障害を治療するための方法であって、
a)ポリペプチドの2つのアミノ酸残基の間に架橋を導入することによってペプチド模倣大環状分子を調製する工程、
b)免疫原性の応答の存在または非存在についてペプチド模倣大環状分子を試験する工程、および
c)前記免疫原性の応答が実質的な副作用を引き起こさない場合に、患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程
を含む方法。 - 前記免疫原性の応答が、げっ歯動物におけるインビボアッセイにおいて最小の抗体応答として証明される、請求項40に記載の方法。
- 障害が癌である、請求項40に記載の方法。
- 障害が代謝障害である、請求項40に記載の方法。
- ペプチド模倣大環状分子がα−ヘリックスを含む、請求項40に記載の方法。
- ペプチド模倣大環状分子がBH3ドメインを含む、請求項40に記載の方法。
- 免疫増殖性障害の治療を必要とするヒト患者における免疫増殖性障害を治療するための方法であって、患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含む方法。
- ペプチド模倣大環状分子がα−ヘリックスを含む、請求項46に記載の方法。
- ペプチド模倣大環状分子がBH3ドメインを含む、請求項46に記載の方法。
- ペプチド模倣大環状分子がBIDポリペプチドである、請求項46に記載の方法。
- BIDポリペプチドが、配列DIIRNIARHLA*VGD*NleDRSIと約60%超同一であり、*はテザーアミノ酸であり、Nleはノルロイシンである、請求項49に記載の方法。
- BIDポリペプチドが、配列DIIRNIARHLA*VGD*NleDRSIと約80%超同一であり、*はテザーアミノ酸であり、Nleはノルロイシンである、請求項49に記載の方法。
- BIDポリペプチドが、配列DIIRNIARHLA*VGD*NleDRSIに約95%超同一であり、*はテザーアミノ酸であり、Nleはノルロイシンである、請求項49に記載の方法。
- ペプチド模倣大環状分子がBIMポリペプチドである、請求項46に記載の方法。
- BIMポリペプチドが、アミノ酸配列IWIAQELR*IGD*FNAYYARRと約60%超同一であり、*はテザーアミノ酸である、請求項53に記載の方法。
- BIMポリペプチドが、アミノ酸配列IWIAQELR*IGD*FNAYYARRに約80%超同一であり、*は、テザーアミノ酸である、請求項53に記載の方法。
- BIMポリペプチドが、アミノ酸配列IWIAQELR*IGD*FNAYYARRと約95%超同一であり、*はテザーアミノ酸である、請求項53に記載の方法。
- ペプチド模倣大環状分子が、活性化されたhPBL増殖を低下させる、請求項46に記載の方法。
- ペプチド模倣大環状分子が、インビトロBrdU取り込みアッセイにおいて、活性化されたhPBL増殖を20%超低下させる、請求項57に記載の方法。
- 前記免疫増殖性疾患がリンパ増殖性障害である、請求項46に記載の方法。
- 前記ペプチド模倣大環状分子におけるα−炭素原子が、式R−の独立した置換基でさらに置換され、R−は、非置換もしくハロ−で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである、請求項1、17、24、40、または46に記載の方法。
- 架橋剤が接続するα−炭素原子が、式R−の置換基でさらに置換され、R−は、非置換もしくはハロ−で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである、請求項60に記載の方法。
- 架橋剤が接続しないα−炭素原子が、式R−の置換基でさらに置換され、R−は、非置換もしくはハロ−で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである、請求項60に記載の方法。
- 前記ペプチド模倣大環状分子における2つのα−炭素原子が、式R−の独立した置換基でさらに置換され、R−は、非置換もしくはハロ−で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである、請求項1、17、24、40、または46に記載の方法。
- 架橋剤が接続する2つのα−炭素原子が、式R−の独立した置換基でさらに置換され、R−は、非置換もしくはハロ−で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである、請求項63に記載の方法。
- 架橋剤が接続しない2つのα−炭素原子が、式R−の独立した置換基でさらに置換され、R−は、非置換もしくはハロ−で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである、請求項63に記載の方法。
- R−がアルキルである、請求項60または63に記載の方法。
- R−がメチルである、請求項60または63に記載の方法。
- 架橋剤が2つのα−炭素原子を連結する、請求項60または63に記載の方法。
- R−および架橋剤の任意の部分が、一緒になって環状構造を形成する、請求項60または63に記載の方法。
- 架橋剤が連続した炭素−炭素結合から形成される、請求項60または63に記載の方法。
- 架橋剤が連続した約9個の結合を含有する、請求項60または63に記載の方法。
- 架橋剤が連続した約12個の結合を含有する、請求項60または63に記載の方法。
- 架橋剤が少なくとも約6個の炭素原子を含む、請求項60または63に記載の方法。
- 架橋剤が少なくとも約9個の炭素原子を含む、請求項60または63に記載の方法。
- ペプチド模倣大環状分子が、標準的な医療の方法と共に投与される、請求項1、17、24、40、または46に記載の方法。
- 標準的な医療の方法が化学療法である、請求項75に記載の方法。
- 標準的な医療の方法が放射線療法である、請求項75に記載の方法。
- 標準的な医療の方法が外科手術である、請求項75に記載の方法。
- ペプチド模倣大環状分子が細胞透過性である、請求項1、17、24、40、または46に記載の方法。
- アッセイが10%血清の存在下で実行される、請求項24に記載の方法。
- 血清がヒト血清である、請求項80に記載の方法。
- ペプチド模倣大環状分子が、Mcl−1に対して10μM未満の親和性を有する、請求項24に記載の方法。
- ペプチド模倣大環状分子が、Mcl−1とアポトーシス促進性タンパク質の間の相互作用をアンタゴナイズする、請求項82に記載の方法。
- 癌が、Mcl−1に対して10μM超の親和性を有する化合物に対して抵抗性である、請求項24に記載の方法。
- 癌が、ABT−737またはその類似体に対して抵抗性である、請求項84に記載の方法。
- ABT−737抵抗性小細胞肺癌の治療を必要とするヒト患者におけるABT−737抵抗性小細胞肺癌を治療するための方法であって、患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含み、ペプチド模倣大環状分子は、BH3ドメインを含む方法。
- 前立腺癌の治療を必要とするヒト患者における前立腺癌を治療するための方法であって、患者にペプチド模倣大環状分子を投与する工程を含み、ペプチド模倣大環状分子は、BH3ドメインを含む方法。
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