本開示は、電動油圧機械のエンジン速度を制御するシステムおよび方法に関する。記載されている技法は、油圧系における圧力を監視することと、系における少なくとも1つの油圧アクチュエータの所望の移動を示すコマンドを受け取ることとを含む。油圧系における圧力と少なくとも1つの油圧アクチュエータの所望の移動を示すコマンドとに基づき、機械が行っている現動作が確定される。そして、エンジンは、行われている動作に基づいて効率的な速度で動作するように設定される。
ここで図面を参照すると、図1Aは、機械、たとえばショベルが行っている動作例の負荷率を示す。動作は、ニュートラル100を含む。ニュートラル動作100中、機械は電源が入っており作動可能状態にあるが、特定の作業を行っていない。ニュートラル動作100の間は、油圧系の負荷率112は低い。しかしながら、ニュートラル動作100中の油圧系の負荷率112は、ゼロではない可能性がある。たとえば、機械の重量を、油圧系が支持しなければならない場合もある。
例示する例では、次の動作は掘削102である。掘削動作102には、土または他の物質をバケット等の装置にすくうことがあり得る。装置は、機械に取り付けられることが可能であり、または機械の一体部分とされることが可能である。掘削動作102中、油圧系の負荷率112は高い。図1Aは、掘削動作102中の油圧系の負荷率112を100%として示している。しかしながら、負荷率112は100%未満であり得る。たとえば、掘削されている物質が軽量であるかまたは緊密に詰め込まれていない場合、油圧系の負荷率112は100%未満であり得る。
図1Aに示す例では、次の動作は持上げ・旋回104である。この例では、持上げ・旋回104中、バケット等の装填された装置が、空中に持ち上げられ、掘削場所から離れるように旋回する。図示する例では、持上げ・旋回104動作中、油圧系の負荷率112は100%である。しかしながら、装置に完全に装填されていない場合、または軽量物質が装填されている場合、持上げ・旋回104動作中、油圧系の負荷率112は100%未満であり得る。
持上げ・旋回動作104の後、次の例示的な動作はダンプ106である。持上げ・旋回動作により、空にされるべき掘削物質を収容している装置が位置決めされる。ダンプ動作106は、掘削物質を収容している装置を空にする。この例に示すダンプ動作106は、関連する負荷率112がおよそ60%である。しかしながら、ダンプ動作の実際の負荷率112は、掘削物質の重量および機械の重量を含む複数の要素に基づいて変化する可能性がある。
機械は、さらなるサイクルを行う場合、ダンプ動作106の後、戻り動作108に入る。しかしながら、機械は、さらなるサイクルを行わない場合、直接ニュートラル動作100に進んでもよい。この例では、戻り動作108中、機械は、次の掘削動作110が開始することができるように掘削場所に戻る。この例では、戻り動作108中、油圧系の負荷率112は40%である。負荷率は、機械の重量を含む複数の要素によって決まる。
したがって、この例では、機械は、各動作が既知の順序で起こる周期的な作業を行う。しかしながら、他の実施形態では、機械は周期的作業を行わず、機械動作は操作者の望む任意の順序で起こる可能性がある。
図1Aに示す例では、エンジン速度114は定数10で維持されており、それは許容可能な最大エンジン速度である。しかしながら、図1Bに示す実施形態等の他の実施形態では、エンジン速度は、機械が行う動作によって変化する。図1Bに示す実施形態では、エンジン速度116の既定値は10、すなわち許容最大エンジン速度である。したがって、ニュートラルサイクル100中、エンジン速度116は10に設定される。既定エンジン速度は、任意の適当な値であり得る。たとえば、エンジンの既定値は9、8、7、6、5等の速度であってもよい。さらに、機械の操作者は、既定速度を選択することができてもよい。
ニュートラル動作100の後、機械は掘削動作102に入る。掘削動作102中、負荷率112は高い。したがって、システムは、エンジン速度116を高い値に設定する。この例では、エンジン速度116は最大値、すなわち10に設定される。図示する例では、次の動作は持上げ・旋回104である。持上げ・旋回中、負荷率112は高い。高い負荷率に基づき、システムはエンジン速度116を高い値に設定する。次の動作例はダンプ106である。ダンプ中、油圧系の負荷率112はおよそ60%まで低減する。したがって、機械がダンプ動作106に入ると、エンジン速度116は減速される。図1Bに示す例では、システムは、ダンプ動作106中、エンジン速度116を最大、すなわち10からより低い値8まで減速する。しかしながら、任意の適当な減速値を用いてもよい。システムによっては、9、8、7、6、5等の減速値が適当な場合もある。
ダンプ動作106の後、機械は戻り動作108に入る。戻り動作108中、油圧系の負荷率112は低い。この例では、負荷率112はおよそ40%である。したがって、図示する例では、システムは、戻り動作108中、エンジン速度116を8の値に設定する。しかしながら、任意の適当な減速エンジン速度116値を用いてもよい。例では、戻り動作108の後、機械は掘削動作110に入る。上述したように、掘削動作110中の負荷率112は高い。したがって、システムは、掘削動作110中、エンジン速度116を高い値に設定する。
図1Cは、エンジン速度の既定値が低い値であり、エンジン速度が高負荷率112動作中に加速される実施形態例を示す。たとえば、ニュートラル動作100中、負荷率112は低い。システムは、エンジン速度118を既定値に設定する。この例では、エンジン速度118の既定値は9である。掘削動作102は、油圧系に対し高負荷率112をもたらす。したがって、システムは、掘削動作102中、エンジン速度118を高い値、すなわち10に設定する。同様に、持上げ・旋回動作104は、油圧系に対し高負荷率112をもたらす。したがって、システムは、掘削動作中に設定された高エンジン速度118を維持する。上述したように、ダンプ動作106は負荷率112を低下させる。したがって、図1Cに示す例では、システムは、ダンプ動作106中、エンジン速度118を9の値まで減速する。戻り動作108もまた低負荷率112である。システムは、戻り動作106中、エンジン速度118を低い値、すなわち9に設定する。戻り動作106の後、システムは次のサイクルに入り、掘削動作110が開始する。掘削動作110中、油圧系の負荷率112は高く、エンジン速度118は加速される。
図1Cに示す例では、既定エンジン速度118の値は9である。エンジン速度設定が9であることにより、特定の機械に基づいてさまざまなエンジンRPMをもたらすことができる。図1Dは、図1に類似するシステムを示し、ただしエンジン速度120の既定値は8に設定されている。たとえば、ニュートラル動作100中、負荷率112は低く、エンジン速度120は8という既定値に設定される。掘削動作102中、負荷率は高く、エンジン速度120は最大値、すなわち10に設定される。同様に、持上げ・旋回動作104中、負荷率112は高いままであり、したがって、エンジン速度120は最大値、すなわち10のままである。ダンプ動作106中、負荷率はおよそ60%まで低下する。したがって、エンジン速度120は、最大値から8というより低い既定値まで減速される。戻り動作108中、エンジン速度120は8という既定値のままである。最後に、機械は、掘削動作110で次のサイクルを開始する。
既定値を、作業および機械によって変化させることができる。既定値が高いと、機械は特定の動作をより迅速に完了することができる可能性があるため、生産性がわずかに向上する可能性がある。たとえば、図1Cの戻り動作108は9というエンジン速度118を使用するが、図1Dの戻り動作108は8というエンジン速度120を使用する。図1Cの戻り動作を、図1Dの戻り動作より迅速に完了することができる。しかしながら、図1Cに示す実施態様は、図1Cはより高いエンジン速度118を維持するため、図1Dに示す実施態様より多くの燃料を使用する可能性がある。実施形態によっては、操作者は、既定最低エンジン速度を選択し、システムを無効にして、図1Aに示すように機械を常に特定の速度で動作させてもよい。他の実施形態では、使用者は、既定エンジン速度を設定することができない。既定エンジン速度を設定する方法には、速度を工場で設定すること、または達成されている作業に基づいてアルゴリズムにより確定することがある。
行われている作業と既定エンジン速度値とに基づいて、効率的なエンジン速度が確定される。以下使用するように、効率的なエンジン速度は、機械が使用する燃料の量と作業サイクルを達成するための時間とによって変化する。システムは、効率的なエンジン速度を、必要に応じて燃料効率に向けてまたは作業サイクル時間に向けて偏らせてもよい。たとえば、図1Cに示すシステムは少なくとも9という効率的なエンジン速度を維持するが、図1Dに示すシステムは、少なくとも8という効率的なエンジン速度を維持する。したがって、図1Cに示すシステムを、依然として図1Aに示す定常エンジン速度に対して燃料効率利得を達成すると同時に、燃料効率に対してサイクル時間に重きを置くように較正してもよい。図1Dに示すシステムを、依然として使用者に対し応答性の高い機械を提供すると同時に、サイクル時間に対して燃料効率に重きを置くように較正してもよい。さらに、実施形態によっては、操作者は、特定の操作者のニーズに適した効率的なエンジン速度を達成するために、燃料効率とサイクル時間との関係を変更することができる。
図2は、機械用の一例としての電動油圧制御システム122を示す(ただし、電動油圧機械にはさまざまな制御システムが好適である)。制御システム122は、少なくとも1つの油圧アクチュエータ126の所望の移動を指示する、図示するジョイスティック124等の装置を含む。センサ128が、ジョイスティック124の移動を検出し、ジョイスティック124の移動に関連するデータを機械電子制御モジュール(ECM)130に送信する。所望の移動データに基づいて、機械ECM130は、弁ECM132、可変容量形ポンプ134およびエンジン136に対するコマンドを生成する。可変容量形ポンプ134からの出力を、コンバイナ弁142において結合することができる。別法として、可変容量形ポンプ134からの出力を、さらなるアクチュエータシステム143に送ることができる。
弁ECM132は、任意の適当な通信機構を用いて機械ECM130と通信する。図示する例では、CANバス138を利用して、機械ECM130と弁ECM132との間で情報を渡す。任意の数の電子制御モジュールがあってもよく、各々が機械に対しソフトウェアコードを実行する役割を担う。図示する例では、2つの電子制御モジュールが示されているが、1つを含む、任意の数の制御モジュールを使用することも可能である。機械ECM130は、上述したように、ポンプ134、エンジン136および弁ECM132を制御する。弁ECM132は、系における油圧流体の流れを制御する流量調節要素140a、104b、140cおよび140dに対するコマンドを生成する。しかしながら、別の実施形態では、任意の数の流量調節弁があってもよい。さらに、弁ECMは、センサ144aおよび144bを用いて油圧系における圧力を監視する。機械ECMは、センサ144cおよび144dを用いて油圧系の圧力を監視する。機械ECMはポンプセンサを監視する。機械ECM130および弁ECM132は、必要に応じてセンサ情報を共有し、必要な場合はCANバス138にアクセスすることができる。各電子制御モジュールを別個に実装することができる。電子制御モジュールを実装するために適したアーキテクチャ例には、汎用プロセッサ、特定用途向け集積回路およびプログラマブルロジックデバイスがある。
操作者は、ジョイスティック124を用いて、機械の電動油圧系を制御することができる。図2は、1つの油圧アクチュエータ126を示している。しかしながら、作業を達成するために単一機械に複数の油圧アクチュエータを実装することができる。操作者は、ジョイスティック124を用いて、油圧アクチュエータ126が伸長すべきであることを指示することができる。たとえば、図1Dを見ると、ニュートラルサイクル100から掘削サイクル102に進むには、1つまたは複数の油圧アクチュエータを伸長させ、同時にエンジン速度をダイヤル8からダイヤル10まで加速する必要があり得る。この作業を達成するために、使用者はジョイスティック124を操作する。ジョイスティックセンサ128は、ジョイスティック124の移動を検知し、情報を機械ECM130に送信する。機械ECM130はまた、弁ECM132から圧力データも取得し、弁ECM132は、圧力センサ144aおよび144bならびに必要な場合はポンプ圧力センサを監視する。油圧系における圧力の上昇とジョイスティック124の移動とに基づき、機械ECMは、機械が新たなサイクル、たとえば掘削サイクル102に入っていることを認識する。
掘削サイクル102に入ることに応答して、機械ECMは、エンジン136に対し速度を加速するようにメッセージを送信する。したがって、この例では、エンジンは速度10に入る。機械ECM130はまた、可変容量形ポンプ134に対し吐出量を適当な値にするようにコマンドを送信する。最後に、機械ECM130は、油圧アクチュエータ126が伸長または収縮すべきであることを指示するコマンドを、CANバス138を通して弁ECM132に送信する。機械ECM130からのコマンドに応じて、弁ECM132は、ヘッド側弁P−C HE140bを開放する。弁ECM132はまた、ロッド側弁140dおよびヘッド側弁140aを閉鎖したままにし、ロッド側弁140cを開放する。したがって、ポンプ134の出力は、コンバイナ弁142において結合されることが可能であり、弁P−C HE140bを通った後、油圧シリンダ126のヘッド側146まで進み、シリンダのロッド側の流れはタンク150に進む。このため、油圧アクチュエータは伸長する。これは、弁動作の1つの例示的なモードを表している。
次のサイクル、たとえばダンプサイクル106に入ると、使用者は、ジョイスティック124を用いて機械の所望の移動を指示する。ジョイスティック124の移動はセンサ128によって検出される。センサ128は、移動を機械ECM130に送信する。機械ECM130は、機械がダンプサイクルに入っていることを認識する。したがって、機械ECM130は、エンジン136に対し、速度を減速するようにメッセージを送信する。したがって、この例では、エンジンは速度8に入る。機械ECM130はまた、可変変量形ポンプ134に対し吐出量を低減させるようにコマンドを送信する。機械ECM130はまた、油圧アクチュエータ126の適当な運動を指示するコマンドを、CANバス138を介して弁ECM132に送信する。
一例としての電動油圧系は回生に対応している。したがって、油圧アクチュエータ126が収縮している時、ヘッド側146からの流体は、貯蔵場所150に直接向かうのではなく、ヘッド側弁140bからロッド側弁140dを通ってロッド側148まで進むことができる。たとえば、流体は、アクチュエータ126のヘッド側146から、P−C HE弁140bを通り、弁P−C RE140dを通り、その後アクチュエータ126のロッド側148まで流れることができる。回生を用いることにより、ポンプ134からの必要な流量が少なくなる。したがって、ポンプが使用する動力が低減し、エンジン136は、燃料を節約しながらより効率的に動作することができる。
図3は、機械用の電動油圧系のための制御システムの論理ブロック図を示す。操作者は、ジョイスティック124を使用して、システムに指示コマンドを入力する。機械ECM130内のレバー速度段152は、所望のアクチュエータ移動の方向を確定し、ジョイスティック124の位置に基づいて移動に対する所望の速度を計算する。ジョイスティック124の位置はまた、弁状態ロジック段154にも供給される。弁状態ロジックは、ヘッド側弁140a、140bおよびロッド側弁140cおよび140dが、油圧アクチュエータの所望の移動を達成するために開放されるべきかまたは閉鎖されるべきかを確定する。さらに、ジョイスティック124の位置は、サイクルロジック段156に供給される。サイクルロジック156は、機械が動作のいずれのサイクルを行っているかを確定する。たとえば、図1において機械が達成している作業に基づき、サイクルは、ニュートラル100、掘削102、持上げ・旋回104、ダンプ106、戻り108および掘削110である。サイクルロジック156はまた、サイクルを確定するために、圧力センサ144からのデータを圧力ロジック段158から受け取る。圧力ロジック158は、弁ECM132内に位置している。
レバー速度段152は、要求された移動情報をジョイスティック124から要求流量段160に渡す。要求流量段160は、油圧アクチュエータを所望の速度で移動させるために必要な油圧流体の量を確定し、要求流量信号を加算段162に渡す。加算段162は、弁ECM132における回生段164から回生情報を受け取る。加算段162は、回生を通して得られた油圧流量を、要求流量段160が計算した要求された油圧流の量から引く。必要流量信号は加算段162からポンプ制御段166に送信される。ポンプ制御段166は、必要なポンプ吐出量を計算し、その値を可変容量形ポンプ134に渡す。
エンジン速度は、エンジン速度制御段168によって計算される。エンジン速度制御段168は、サイクルロジック156によって計算される機械のサイクルと現エンジン速度169とに基づいて、現エンジン速度を計算する。この例では、エンジン速度制御段168はまた、ユーザ速度設定170も受け入れる。ユーザ速度コントロール170を用いて、計算されたエンジン速度を無効にすることができる。さらに、ユーザ速度制御170を用いて、エンジンの基本速度を設定することができる。たとえば、図1Cにおいて、エンジンの基本速度は9であり、それは、ニュートラルサイクル100中に見ることができる。図1Dにおいて、エンジンの基本速度は8であり、それもまたニュートラルサイクル100中に見ることができる。
図4は、図1Dに示す電動油圧機械のエンジン速度を制御するプロセス例を示すフローチャートである。例示的なプロセスは、機械がニュートラル段階174にありエンジン速度が8で開始する。しかしながら、例示的なプロセスを、機械のいかなるサイクルで開始してもよい。判断点176は、スティックレバーおよびバケットレバーが移動して機械が掘削サイクル102に入っているか否かを確定する。さらに、判断点176は、圧力センサを監視して、油圧系における圧力が上昇しているか否かを確定する。機械が掘削サイクル102に入っていない場合、プロセスはニュートラル段階174のままである。機械が掘削サイクル102に入っている場合、プロセスは掘削段階178に進む。掘削段階178の間、エンジン速度は10に設定される。エンジン速度が加速することにより、油圧系は掘削するためにより多くの動力を利用することができる。判断点180において、システムは、ブームレバーおよび旋回レバーを監視して、ブームが地面から離れる方向に持ち上がっておりかつ掘削場所から離れるように旋回しているか否かを確定する。システムはまた、ブーム、旋回およびバケットに関連するセンサを含む圧力センサを監視して、油圧系における圧力が高いか否かを確定し、それは、ブームが持ち上がっており掘削サイクルが終了したことを示す。システムは、ブームが掘削場所から離れるように持ち上がりかつ旋回していると確定した場合、持上げ・旋回段階182に入り、そうでない場合、システムは掘削段階178にあり続ける。持上げ・旋回段階182に入った後、エンジン速度は10のままである。プロセスは、次に、判断点184においてバケットレバーおよびスティックレバーを監視する。バケットレバーおよびスティックレバーが、システムがバケットをダンプしていることを示す場合、システムは、ダンプ段階186に入り、そうでない場合、システムは持上げ・旋回段階182にあり続ける。
ダンプ段階186の間、システムは、低油圧要求動作中のエネルギーを節約するために、エンジン速度を8まで減速する。判断点188において、システムは、ブームレバー、旋回レバーおよびシステム圧力を監視する。機械がダンプ場所から離れるように旋回し始めると、システムは戻り段階190に入り、そうでない場合、システムはダンプサイクルにあり続ける。戻り段階190の間、システムは、燃料を節約するためにエンジン速度を8に設定する。最後に、判断点192において、システムは、スティックレバー、バケットレバーおよび油圧系圧力を監視する。スティックレバーおよびバケットレバーが下がり、かつ圧力が上昇すると、システムは掘削段階178に入る。スティックレバーおよびバケットレバーが移動をやめ、圧力が低いままである場合、システムはニュートラル段階174に入る。図4に示す例示的なプロセスは、1つの機械に対し1つのあり得る作業を実施する1つのあり得る方法を示している。種々の機械に対して種々の作業を達成するために多くのプロセスを実施することができる。図4に示すプロセスは、例示の目的で提供されており、本開示を限定するようには意図されていない。別の実施形態では、システムはまた、油圧系における流量も監視する。流量と圧力との両方を監視することにより、システムは、機械がいずれの動作の段階を行っているかを確定することができる。
本明細書に記載したショベル動力管理を含む電動油圧回路およびシステムのプロセスの産業上の利用可能性は、上述した説明から容易に理解されよう。本開示は、多くの機械および機械が達成する多くの作業に対して適用可能である。本開示に適合する1つの例示的な機械がショベルである。ショベルは、土を掘削することが多い電動油圧機械である。図4に提供する例示的な方法は、掘削が課されているショベルでプロセスを実施する1つの方法を示している。上述した説明は、種々の作業を達成する多くの機械に適用されることは繰り返されるべきである。
ショベルは、操作者が制御する複数のジョイスティックを備えている。上述した方法を用いて、ショベルは、それらジョイスティックの移動と電動油圧系における圧力とを監視する。ジョイスティックが、大きい動力を必要とする作業が達成されるべきであることを指示し、かつ油圧系における圧力が上昇し始めると、ショベルはエンジン出力を上昇させる。エンジン出力の上昇によりさらなる燃料が使用され、したがって、機械は、必要な場合は生産力が向上するが、動作するのによりコストがかかる。ジョイスティックの移動が、それほど大きい動力を必要としない作業が達成されるべきであることを示し、かつ油圧系における圧力が低下し始めると、エンジン出力は同様に低減され、したがって、機械の燃料効率が向上する。
同様に、上述した方法およびシステムを、多種多様の機械および作業に適合させることができる。たとえば、バックホーローダ、コンパクタ、フェラーバンチャ、林業用機械、産業ローダ、スキッドステアローダ、ホイールローダおよび他の多くの機械が、記載した方法およびシステムから利益を得ることができる。
上述した説明は、開示したシステムおよび技法の例を提供することが理解されよう。しかしながら、本開示の他の実施態様が、上述した例から細部において異なり得ることが考えられる。本発明またはその例に対するすべての言及は、その箇所で説明されている特定の例に言及するように意図されており、より一般に本発明の範囲に関するいかなる限定も意味するようには意図されていない。いくつかの特徴に関し区別し軽視するすべての言葉は、それら特徴を優先しないことを示すように意図されているが、特に示さない限り、本発明の範囲からそういったものを完全に排除するようには意図されていない。
本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書において特に示さない限り、単に、その範囲内にある各々の別個の値を個々に言及する省略法としての役割を果たすように意図されており、各々の別個の値は、本明細書において個々に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書において特に示さない限り、かつ文脈から明らかに矛盾しない限り、本明細書に記載したすべての方法を任意の好適な順序で行うことができる。
したがって、本発明は、適用される法律が許可するように本明細書に添付された特許請求の範囲に列挙された主題のすべての変更態様および等価物を含む。さらに、本明細書で特に示さない限り、かつ文脈から明らかに矛盾しない限り、上述した要素のそのすべてのあり得る変形における任意の組合せが、本発明によって包含される。