JP2004190541A - 作業機の油圧駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガバナ領域をアイソクロナス特性に制御可能な燃料噴射制御装置を有するエンジンを備えた油圧駆動装置において、定容量型の油圧ポンプを使用しつつ、可変容量型の油圧ポンプと同等の機能を持つシステムを提供する。
【解決手段】エンジンのガバナ領域をアイソクロナス特性に制御可能な燃料噴射制御装置を有するエンジン1と、このエンジン1により駆動される定容量型の油圧ポンプ2と、この油圧ポンプ2から吐出される圧油によって駆動する複数の油圧アクチュエータ3〜6と、上記油圧ポンプ2の吐出圧力を検出する圧力検出器14と、上記複数の油圧アクチュエータ3〜6を操作するための操作レバー装置50と、上記操作レバー装置50の操作量を検出する圧力検出器52を備える作業機の油圧駆動装置において、上記油圧ポンプ2の吐出圧力と上記操作レバー装置50の操作量に応じて、エンジン回転数を変動させる制御手段15を備える。
【選択図】図1
【解決手段】エンジンのガバナ領域をアイソクロナス特性に制御可能な燃料噴射制御装置を有するエンジン1と、このエンジン1により駆動される定容量型の油圧ポンプ2と、この油圧ポンプ2から吐出される圧油によって駆動する複数の油圧アクチュエータ3〜6と、上記油圧ポンプ2の吐出圧力を検出する圧力検出器14と、上記複数の油圧アクチュエータ3〜6を操作するための操作レバー装置50と、上記操作レバー装置50の操作量を検出する圧力検出器52を備える作業機の油圧駆動装置において、上記油圧ポンプ2の吐出圧力と上記操作レバー装置50の操作量に応じて、エンジン回転数を変動させる制御手段15を備える。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ショベルなどの作業機に設けられ、ガバナ領域をアイソクロナス特性に制御可能な燃料噴射制御装置を有するエンジンと、このエンジンにより駆動される定容量型の油圧ポンプとを備えた作業機の油圧駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
メカニカルガバナ式エンジンと異なり、ガバナ領域をアイソクロナス特性に制御可能な燃料噴射制御装置を有するエンジン(以下、適宜、アイソクロナス制御を実施するエンジンという)の回転数制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。ここで、エンジン制御のアイソクロナス特性とはエンジン負荷の軽重に係わらず、すなわちエンジン出力トルクの低下に係わらず、ガバナ領域においてエンジン回転数が一定に保たれる特性である。
【0003】
この種のエンジンを有する従来技術においては、トラクタといった農作業用の作業機等に求められる一定のエンジン回転数を保つ作業及び必要に応じてエンジン回転数の変更操作を容易にすることで、操作性と安全性を向上することが可能となる。
【0004】
また、ガバナ領域をアイソクロナス特性或いは逆ドループ特性に制御可能な燃料噴射制御装置を有するエンジン(以下、適宜、アイソクロナス制御或いは逆ドループ制御を実施するエンジンという)を備えた作業機の油圧駆動装置も提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。ここで、逆ドループ特性とはエンジン出力トルク(エンジン負荷)が低下するに従って、エンジン回転数が減少する特性である。
【0005】
この種のエンジンを有する従来技術においては、一般に、エンジンにより駆動される可変容量型の油圧ポンプと、この油圧ポンプの押し除け容積を制御するレギュレータと、油圧ポンプから吐出される圧油によって駆動する複数の油圧アクチュエータと、油圧ポンプの吐出圧力を検出し吐出圧力信号を出力する圧力検出器と、この圧力検出器から出力される吐出圧力信号を入力し、レギュレータに油圧ポンプの押し除け容積を制御する制御信号を出力するコントローラとを備えており、エンジン回転数を制御することによって、メカニカルガバナ式エンジンを備えた作業機に比べて、低燃費及び低騒音を実現できる。
【0006】
【特許文献1】
特許第3161859号公報
【特許文献2】
特開平10−89111号公報
【特許文献3】
特開平10−159599号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のようにアイソクロナス制御を実施するエンジンを備えた作業機では、操作性と安全性の向上や、低燃費化、低騒音化を実現できる利点はあるものの、作業機の構成自体は、エンジンにアイソクロナス制御の実施を付加したものである以上、作業機の構成要素のコスト低減を目的としたものではない。
【0008】
建設機械といった、エンジンにより可変容量型の油圧ポンプを駆動し、油圧ポンプから吐出される圧油によって駆動する複数の油圧アクチュエータをもつシステムにおいて、油圧ポンプを定容量型に変更することが可能であれば、油圧ポンプのコストを低減することが可能となる。
【0009】
しかし上記構成では、可変容量型の油圧ポンプを用いることで、レバー操作量に応じて油圧ポンプ吐出流量を変化することで操作性を向上させ、また、油圧ポンプの吐出圧力に応じて最大吐出流量を制限させることで、油圧ポンプが必要とするトルクがエンジンの出力可能なトルクの限界を超えないようにして、システムの安全性を向上させる機能を有している為、単にポンプを定容量型へ変更しただけでは、上記機能を実現することは困難である。
【0010】
本発明の目的は、ガバナ領域をアイソクロナス特性に制御可能な燃料噴射制御装置を有するエンジンを備えた油圧駆動装置において、定容量型の油圧ポンプを使用しつつ、可変容量型の油圧ポンプと同等の機能を持つシステムを提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、エンジンのガバナ領域をアイソクロナス特性に制御可能な燃料噴射制御装置を有するエンジンと、このエンジンにより駆動される定容量型の油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出される圧油によって駆動する複数の油圧アクチュエータと、上記油圧ポンプの吐出圧力を検出する圧力検出器と、上記アクチュエータを操作するための操作レバーと、上記操作レバーの操作量検出器を備える作業機の油圧駆動装置において、上記油圧ポンプの吐出圧力と上記操作レバーの操作量に応じてエンジン回転数を変動させる制御手段を備えることを特徴とする作業機の油圧駆動装置としている。
【0012】
このように構成した本発明では、油圧ポンプの吐出流量はエンジン回転数の変動によってのみ変更可能となる。ここで操作レバーの操作量と油圧ポンプの吐出圧力に応じてエンジン回転数の目標値を随時演算すると、アイソクロナス制御を実施するエンジンはエンジン負荷の軽重にかかわらず、演算されたエンジン回転数の目標値の変化に応じてエンジンの実回転数を変化させることになる。
【0013】
このため、エンジン回転数を変化させることで、油圧ポンプの吐出流量を制御することが可能となり、定容量型の油圧ポンプでも、操作レバーの操作量や、油圧ポンプの吐出圧力に応じて油圧ポンプの吐出流量を変化させて、可変容量型の油圧ポンプと同等の機能を実現することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の作業機の油圧駆動装置の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0015】
まず、本発明の作業機の油圧駆動装置の一実施の形態を図1乃至図5を参照しつつ以下に説明する。図1は、本発明の作業機の油圧駆動装置の一実施の形態の油圧回路を含む全体構成を示す図である。
【0016】
この油圧駆動装置は、作業機、例えば油圧ショベルに備えられるもので、図1に示すように、エンジン1と、このエンジン1の燃料噴射制御装置を構成する電子ガバナ12とエンジンコントローラ13を備えている。電子ガバナ12とエンジンコントローラ13は、ガバナ領域をアイソクロナス特性に制御可能なもの、つまりガバナ領域においてエンジン負荷の増減に係わらずエンジン1の回転数を定格回転数に維持するアイソクロナス制御を実施するものであり、電子ガバナ12はエンジンコントローラ13により制御され、エンジン1に燃料を噴射する。この種の燃料噴射制御装置は、例えば、前述した特許文献1により公知であるので、その詳細な説明は省略する。
【0017】
また、エンジン1により駆動される定容量型の油圧ポンプ2と油圧ポンプ2から吐出される圧油によって駆動する油圧シリンダ3、油圧モータ4、油圧シリンダ5,6等の複数の油圧アクチュエータと、これらの油圧アクチュエータに供給される圧油の流れを制御する方向制御弁7〜10と、メインリリーフ弁11と、油圧ポンプ2の吐出圧力を検出し吐出圧力信号Pを出力する圧力検出器14と、方向制御弁7〜10を切り換え操作するためのパイロット圧力を発生する操作レバー装置50,…(1つのみ図示)と、操作レバー装置50,…からのパイロット圧力を入力しそのうちの1つのパイロット圧力を選択し出力するシャトル弁の組み合わせを有する信号制御弁51と、信号制御弁51から出力されたパイロット圧力を検出しパイロット圧信号Dを出力する圧力検出器52と、圧力検出器14から出力される吐出圧力信号P、圧力検出器52から出力されるパイロット圧力信号Dと、エンジンコントロールダイヤル53から出力されるダイヤル量信号Uを入力し、エンジン回転数を制御する制御電流信号Rを出力する作業機コントローラ15とを備えている。
【0018】
図2は、本発明の作業機の油圧駆動装置の一実施の形態が搭載される油圧ショベルの全体構造を表す斜視図である。
【0019】
この図2において、油圧ショベルは、下部走行体102、上部旋回体103、フロント作業機104を有し、上部旋回体103は下部走行体102の上部に旋回可能に搭載され、フロント作業機104は上部旋回体103の前部に上下動可能に取り付けられている。上部旋回体103にはエンジンルーム105、運転室106が備えられている。フロント作業機104はブーム108、アーム109、バケット110を有する多関節構造である。下部走行体102、上部旋回体103、フロント作業機104は、それぞれアクチュエータとして左右の走行モータ111(一方のみ図示)、旋回モータ112、ブームシリンダ113、アームシリンダ114、バケットシリンダ115を有し、下部走行体102は左右の走行モータ111の回転により走行し、上部旋回体103は旋回モータ112の回転により旋回し、フロント作業機104のブーム108はブームシリンダ113の伸縮により上下方向に回動し、アーム109はアームシリンダ114の伸縮により上下、前後方向に回動し、バケット110はバケットシリンダ115の伸縮により上下、前後方向に回動する。
【0020】
なお、油圧シリンダ3,5,6及び油圧モータ4は上記アクチュエータを代表するものであり、例えば油圧シリンダ3,5,6はブームシリンダ113、アームシリンダ114、バケットシリンダ115であり、油圧モータ4は旋回モータ112である。
【0021】
また、操作レバー装置50,…及びエンジンコントロールダイヤル53は運転室106内に配置され、エンジン1及び油圧ポンプ2はエンジンルーム105内に設置されている。方向制御弁7〜10、エンジンコントローラ13、作業機コントローラ15等の油圧機器及び電子機器は上部旋回体103の適所に設置されている。
【0022】
図3は、本発明の作業機の油圧駆動装置の一実施の形態を有する油圧ショベルに備えられアイソクロナス制御を実施する燃料噴射制御装置(電子ガバナ12とエンジンコントローラ13)によるエンジン1の回転数Nと出力トルクTeとの関係を示す図である。
【0023】
この図3において、エンジン1の出力トルク特性は、直線32で表されるガバナ領域33の特性(アイソクロナス特性)と曲線30で表される全負荷領域の特性に分けられる。ガバナ領域33はガバナの開度が100%以下での出力領域であり、全負荷領域はガバナ開度が100%の出力領域である。図中、破線31は、比較のため、従来のメカニカルガバナ式エンジンのガバナ領域における特性(ドループ特性)を示している。メカニカルガバナはフライホイールとバネのつり合いによって燃料噴射量を調整する構造であるため、メカニカルガバナ式エンジンのガバナ領域は、破線31のように、エンジン出力トルク(エンジン負荷)Teが低下するに従って、エンジン回転数Nが増加するドループ特性を有している。これに対し、本実施の形態におけるエンジン1では、直線32のように、ガバナ領域では電子ガバナ12によりエンジン出力トルクTeの低下に係わらずエンジン回転数Nを定格回転数N0に一定に保つアイソクロナス制御を実施するアイソクロナス特性を有している。
【0024】
図4は、本発明の作業機の油圧駆動装置の一実施の形態を構成する作業機コントローラ15の演算機能を示す機能ブロック図である。
【0025】
この図4において、作業機コントローラ15は、第1目標エンジン回転数演算部81と、第2目標エンジン回転数演算部82と、最小値選択部83と、制御電流演算部84の各機能を有している。
【0026】
第1目標エンジン回転数演算部81は、エンジンコントロールダイヤル53からのダイヤル量信号Uを入力し、これをメモリに記憶してあるテーブルに参照させ、そのときのダイヤル信号Uに対応する目標エンジン回転数Naを演算する。この目標エンジン回転数Naはエンジンコントロールダイヤル53のダイヤル量に応じた目標エンジン回転数であり、メモリのテーブルには、エンジンコントロールダイヤル53のダイヤル量が増大するに従って目標エンジン回転数Naも増大するように両者の関係が設定されている。
【0027】
また、第1目標エンジン回転数演算部81では同時に圧力検出器52からのパイロット圧力信号Dを入力し、これをメモリに記憶してあるテーブルに参照させ、そのときのパイロット圧力信号Dに対応する目標エンジン回転率Nbを演算する。この目標エンジン回転率Nbは操作レバー装置50,…(図1参照)のレバー操作量(要求流量)に応じた目標エンジン回転率であり、メモリのテーブルには、パイロット圧力信号Dが増大するに従って目標エンジン回転率Nbも増大するように両者の関係が設定されている。
【0028】
目標エンジン回転数Naと目標エンジン回転率Nbは第1目標エンジン回転数演算部81において演算され、第1目標エンジン回転数N1は、
N1=Na×Nb (1)
となる。
【0029】
これにより、エンジンコントロールダイヤル53で設定された目標エンジン回転数Naを基準として、操作レバー装置50,…(図1参照)のレバー操作量(要求流量)に応じた第1目標エンジン回転数N1が演算されることになる。
【0030】
第2目標エンジン回転数演算部82は、圧力検出器14からの油圧ポンプ2の吐出圧力信号Pを入力し、これをメモリに記憶してあるテーブルに参照させ、そのときの吐出圧力信号Pが示す油圧ポンプ2の吐出圧力に対応する目標エンジン回転数を演算する。この第2目標エンジン回転数N2は、油圧ポンプ2の吐出圧力に応じた目標エンジン回転数であり、メモリのテーブルには、吐出圧力信号Pが、ある値Pa以下のときは第2目標エンジン回転数N2は一定値N2aを保持し、吐出圧力信号PがPaを超え、油圧ポンプ2のリリーフ圧力であるPbに達するまでは、第2目標エンジン回転数N2と吐出圧力信号Pの積が一定になるように設定され、吐出圧力信号Pが、ある値Pbを超えると第2目標エンジン回転数N2は一定値N2bを保持するように両者の関係が設定されている。
【0031】
最小値選択部83は、第1目標エンジン回転数演算部81で演算されたエンジン1の第1目標エンジン回転数N1と、第2目標エンジン回転数演算部82で演算されたエンジン1の第2目標エンジン回転数N2の小さい方を選択し、エンジン1の制御用の目標エンジン回転数Ncを出力する。これにより第1目標エンジン回転数演算部81で演算されたエンジン1の第1目標エンジン回転数N1が第2目標エンジン回転数演算部82で演算されたエンジン1の第2目標エンジン回転数N2より大きいときは第2目標エンジン回転数N2が制御用の目標エンジン回転数Ncとして出力され、制御用の目標エンジン回転数Ncは第2目標エンジン回転数N2以下に制限される。
【0032】
次に上記構成の本発明の作業機の油圧駆動装置の一実施の形態の動作を以下に説明する。
【0033】
エンジン1を起動させて油圧ポンプ2を駆動し、エンジンコントロールダイヤル53でエンジン1の最高回転数を設定した後、操作レバー装置50,…(図1参照)のいずれかを操作すると、油圧ポンプ2から吐出された圧油が方向制御弁7〜10の該当するものを介して油圧シリンダ3,5,6或いは油圧モータ4等に供給され、例えば、図2に示した油圧ショベルのフロント作業機104が駆動し、土砂の掘削作業等が実施される。
【0034】
ここで、作業機コントローラ15では、第1目標エンジン回転数演算部81において、圧力検出器52から出力されるパイロット圧力信号Dに対応するエンジン1の第1目標エンジン回転数N1が演算され、第2目標エンジン回転数演算部82において、圧力検出器14から出力される油圧ポンプ2の吐出圧力信号Pに対応するエンジン1の第2目標エンジン回転数N2が演算される。
【0035】
このとき、軽負荷作業が実施され、圧力検出器14から出力される吐出圧力信号Pが示す油圧ポンプ2の吐出圧力が小さく、N1<N2であると、最小値選択部83では第1目標エンジン回転数演算部81で演算されたエンジン1の第1目標エンジン回転数N1が制御用の目標エンジン回転数Ncとして選択され、制御電流演算部84によりエンジン回転数Nを目標エンジン回転数Ncに一致させるための制御電流信号Rが演算され、この制御電流信号Rがエンジンコントローラ13に出力される。これによりエンジン1のエンジン回転数Nは制御用の目標エンジン回転数Nc(=N1)に一致するように制御され、油圧ポンプ2はポンプ容積とそのときのエンジン1のエンジン回転数Nとの積に比例した流量を吐出する。この吐出流量は操作レバー装置50,・・・(図1参照)のレバー操作量に応じた流量であり、この吐出流量が油圧シリンダ3,5,6或いは油圧モータ4の該当するものに供給され、当該アクチュエータが操作レバー装置50,・・・(図1参照)のレバー操作量(要求流量)に応じた速度で駆動される。
【0036】
一方、例えば、重掘削作業等が実施され、圧力検出器14から出力される吐出圧力信号Pが示す油圧ポンプ2の吐出圧力が図4に示すPaよりも高くなり、第2目標エンジン回転数N2が第1目標エンジン回転数N1を下回る(N1>N2)と、最小値選択部83では第2目標エンジン回転数演算部82で演算されたエンジン1の第2目標エンジン回転数N2が制御用の目標エンジン回転数Ncとして選択され、制御電流演算部84によりエンジン回転数Nを目標エンジン回転数Ncに一致させるための制御電流信号Rが演算され、この制御電流信号Rがエンジンコントローラ13に出力される。これによりエンジン1のエンジン回転数Nは制御用の目標エンジン回転数Nc(=N2)に一致するように制御され、油圧ポンプ2はポンプ容積とそのときのエンジン1のエンジン回転数Nとの積に比例した流量を吐出する。これによりエンジン1の最高使用可能回転数を制限することで過負荷を防止し、エンジンストールを生じない範囲でエンジン1の出力馬力を有効活用できる。
【0037】
図5は、本発明の作業機の油圧駆動装置の一実施の形態の動作時の油圧ポンプ2の吐出圧力と吐出可能な流量の関係を示す図である。
【0038】
ここで、油圧ポンプ2は定容量型油圧ポンプであるから、ポンプの容積をV、ポンプの回転数をn、ポンプの機械効率をξとすると、ポンプの吐出容量Qは、
Q=ξ×V×n (2)
となり、変数はポンプの回転数nのみである。またこのポンプの回転数nは、エンジン1のエンジン回転数Nに定数εを掛けて、
n=ε×N (3)
で表される。すなわちエンジン1のエンジン回転数Nによって、油圧ポンプ2の吐出流量Qは比例的に求められる。
【0039】
さらに、油圧ポンプ2の吐出圧力が、設定されたリリーフ圧Pbを越えるとメインリリーフ弁11が作動し、油圧ポンプ2の吐出圧力はリリーフ圧Pb以上になることはない。
【0040】
以上のことから、本発明の作業機の油圧駆動装置を実施することで、油圧ポンプ2の吐出圧力と吐出流量との関係は、可変容量型の油圧ポンプにおける吐出圧力と吐出流量との関係と同等となり、定容量型の油圧ポンプ2を使用しつつ、可変容量型の油圧ポンプを使用する場合と同等の働きをすることが可能となる。
【0041】
なお、上記の本発明の一実施の形態においては、油圧ポンプ2の吐出圧力Pと第2目標エンジン回転数N2の関係を、可変容量型の油圧ポンプと同等の働きをするようにエンジン回転数特性を設定したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2目標エンジン回転数N2の設定は任意に行い油圧ポンプの特性を任意に変更することが可能となる。
【0042】
更に、第1目標エンジン回転数N1に、油圧シリンダ3、油圧モータ4、油圧シリンダ5,6等の各油圧アクチュエータの圧力あるいは移動量に対応した追加回転数を加算あるいは減算してもよい。その結果アクチュエータごとの動作スピードの調節が可能となる。
【0043】
また、上記の本発明の一実施の形態では、ポンプ吐出圧力Pとレバー操作量Dをもとに算出されるエンジン回転数の1つの特性を設定したが、それ以外に1つ或いは複数の特性を設定し、オペレータがモード選択スイッチの切り換えによりそのうちの1つを選択できるようにしてもよい。これにより複数の動作性能を持たせ、オペレータの望む動作速度をオペレータ自身で選択できるようになる。
【0044】
また、メモリに記憶された上記の特性を、フレキシブルディスク(例えばフロッピー(登録商標)ディスク)などの外部記憶装置やLAN等の通信機能を利用して変更可能としてもよい。その結果、設定可能な特性の数を増やすことが出来、より詳細な設定を行うことが可能となる。
【0045】
また、上記の本発明の一実施の形態では、アイソクロナス特性に制御可能な燃料噴射制御装置のアクチュエータ部分を電子ガバナ12としたが、本発明はこれに限るものではなく、エンジン回転数に関係なく噴射量の制御が可能なコモンレール式燃料噴射制御装置やユニットインジェクタ式燃料噴射制御装置を設けてもよい。
【0046】
また、上記の本発明の一実施の形態におけるエンジンコントロールダイヤル53は、図1のようなダイヤル式のものに限定されるものではなく、オペレータがエンジンの最高使用可能回転数を設定可能であればどのような形状でもよく、デジタル、アナログのいずれの方式でもよい。
【0047】
また、上記の本発明の一実施の形態における操作レバー装置50,・・・(図1参照)の方式はパイロット圧力と方向制御弁を使用する方式に限定されるものではなく、例えば、レバー操作量をセンサで検出し、その値を直接コントローラに伝えるといった方式でもよい。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、ガバナ領域をアイソクロナス特性に制御可能な燃料噴射制御装置を有するエンジンを備えた油圧駆動装置において、定容量型の油圧ポンプを使用しつつ、可変容量型の油圧ポンプと同等の機能を有することが出来るので、油圧ポンプ自体のコスト低減や、可変容量型油圧ポンプの容積を変化させる為のレギュレータ等が不要になり、油圧駆動装置全体としてもコスト低減することが可能である。
【0049】
また、従来、油圧ショベル等の油圧駆動装置においては、エンジン回転数及び可変容量型の油圧ポンプの制御が複雑であったが、本発明によれば、油圧ポンプ側の制御を行わないので、油圧駆動装置の簡素化を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作業機の油圧駆動装置の一実施の形態の油圧回路を備える全体構成を示す図である。
【図2】本発明の作業機の油圧駆動装置の一実施の形態を搭載した油圧ショベルの全体構造を表す斜視図である。
【図3】本発明の作業機の油圧駆動装置の一実施の形態におけるアイソクロナス制御を実施する電子ガバナを有するエンジンの回転数と出力トルクとの関係を示す特性図である。
【図4】本発明の作業機の油圧駆動装置の一実施の形態を構成する作業機コントローラ15の演算機能を示すブロック図である。
【図5】本発明の作業機の油圧駆動装置の一実施の形態の動作時の油圧ポンプ2の吐出圧力と吐出可能な流量の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 油圧ポンプ
3 油圧シリンダ
4 油圧モータ
5 油圧シリンダ
6 油圧シリンダ
7〜10 方向制御弁
11 メインリリーフ弁
12 電子ガバナ
13 エンジンコントローラ
14 圧力検出器
15 作業機コントローラ
30 曲線
31 破線(ドループ特性)
32 直線(アイソクロナス特性)
33 ガバナ領域
50 操作レバー装置
51 信号制御弁
52 圧力検出器
53 エンジンコントロールダイヤル
81 第1目標エンジン回転数演算部
82 第2目標エンジン回転数演算部
83 最小値選択部
84 制御電流演算部
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ショベルなどの作業機に設けられ、ガバナ領域をアイソクロナス特性に制御可能な燃料噴射制御装置を有するエンジンと、このエンジンにより駆動される定容量型の油圧ポンプとを備えた作業機の油圧駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
メカニカルガバナ式エンジンと異なり、ガバナ領域をアイソクロナス特性に制御可能な燃料噴射制御装置を有するエンジン(以下、適宜、アイソクロナス制御を実施するエンジンという)の回転数制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。ここで、エンジン制御のアイソクロナス特性とはエンジン負荷の軽重に係わらず、すなわちエンジン出力トルクの低下に係わらず、ガバナ領域においてエンジン回転数が一定に保たれる特性である。
【0003】
この種のエンジンを有する従来技術においては、トラクタといった農作業用の作業機等に求められる一定のエンジン回転数を保つ作業及び必要に応じてエンジン回転数の変更操作を容易にすることで、操作性と安全性を向上することが可能となる。
【0004】
また、ガバナ領域をアイソクロナス特性或いは逆ドループ特性に制御可能な燃料噴射制御装置を有するエンジン(以下、適宜、アイソクロナス制御或いは逆ドループ制御を実施するエンジンという)を備えた作業機の油圧駆動装置も提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。ここで、逆ドループ特性とはエンジン出力トルク(エンジン負荷)が低下するに従って、エンジン回転数が減少する特性である。
【0005】
この種のエンジンを有する従来技術においては、一般に、エンジンにより駆動される可変容量型の油圧ポンプと、この油圧ポンプの押し除け容積を制御するレギュレータと、油圧ポンプから吐出される圧油によって駆動する複数の油圧アクチュエータと、油圧ポンプの吐出圧力を検出し吐出圧力信号を出力する圧力検出器と、この圧力検出器から出力される吐出圧力信号を入力し、レギュレータに油圧ポンプの押し除け容積を制御する制御信号を出力するコントローラとを備えており、エンジン回転数を制御することによって、メカニカルガバナ式エンジンを備えた作業機に比べて、低燃費及び低騒音を実現できる。
【0006】
【特許文献1】
特許第3161859号公報
【特許文献2】
特開平10−89111号公報
【特許文献3】
特開平10−159599号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のようにアイソクロナス制御を実施するエンジンを備えた作業機では、操作性と安全性の向上や、低燃費化、低騒音化を実現できる利点はあるものの、作業機の構成自体は、エンジンにアイソクロナス制御の実施を付加したものである以上、作業機の構成要素のコスト低減を目的としたものではない。
【0008】
建設機械といった、エンジンにより可変容量型の油圧ポンプを駆動し、油圧ポンプから吐出される圧油によって駆動する複数の油圧アクチュエータをもつシステムにおいて、油圧ポンプを定容量型に変更することが可能であれば、油圧ポンプのコストを低減することが可能となる。
【0009】
しかし上記構成では、可変容量型の油圧ポンプを用いることで、レバー操作量に応じて油圧ポンプ吐出流量を変化することで操作性を向上させ、また、油圧ポンプの吐出圧力に応じて最大吐出流量を制限させることで、油圧ポンプが必要とするトルクがエンジンの出力可能なトルクの限界を超えないようにして、システムの安全性を向上させる機能を有している為、単にポンプを定容量型へ変更しただけでは、上記機能を実現することは困難である。
【0010】
本発明の目的は、ガバナ領域をアイソクロナス特性に制御可能な燃料噴射制御装置を有するエンジンを備えた油圧駆動装置において、定容量型の油圧ポンプを使用しつつ、可変容量型の油圧ポンプと同等の機能を持つシステムを提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、エンジンのガバナ領域をアイソクロナス特性に制御可能な燃料噴射制御装置を有するエンジンと、このエンジンにより駆動される定容量型の油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出される圧油によって駆動する複数の油圧アクチュエータと、上記油圧ポンプの吐出圧力を検出する圧力検出器と、上記アクチュエータを操作するための操作レバーと、上記操作レバーの操作量検出器を備える作業機の油圧駆動装置において、上記油圧ポンプの吐出圧力と上記操作レバーの操作量に応じてエンジン回転数を変動させる制御手段を備えることを特徴とする作業機の油圧駆動装置としている。
【0012】
このように構成した本発明では、油圧ポンプの吐出流量はエンジン回転数の変動によってのみ変更可能となる。ここで操作レバーの操作量と油圧ポンプの吐出圧力に応じてエンジン回転数の目標値を随時演算すると、アイソクロナス制御を実施するエンジンはエンジン負荷の軽重にかかわらず、演算されたエンジン回転数の目標値の変化に応じてエンジンの実回転数を変化させることになる。
【0013】
このため、エンジン回転数を変化させることで、油圧ポンプの吐出流量を制御することが可能となり、定容量型の油圧ポンプでも、操作レバーの操作量や、油圧ポンプの吐出圧力に応じて油圧ポンプの吐出流量を変化させて、可変容量型の油圧ポンプと同等の機能を実現することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の作業機の油圧駆動装置の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0015】
まず、本発明の作業機の油圧駆動装置の一実施の形態を図1乃至図5を参照しつつ以下に説明する。図1は、本発明の作業機の油圧駆動装置の一実施の形態の油圧回路を含む全体構成を示す図である。
【0016】
この油圧駆動装置は、作業機、例えば油圧ショベルに備えられるもので、図1に示すように、エンジン1と、このエンジン1の燃料噴射制御装置を構成する電子ガバナ12とエンジンコントローラ13を備えている。電子ガバナ12とエンジンコントローラ13は、ガバナ領域をアイソクロナス特性に制御可能なもの、つまりガバナ領域においてエンジン負荷の増減に係わらずエンジン1の回転数を定格回転数に維持するアイソクロナス制御を実施するものであり、電子ガバナ12はエンジンコントローラ13により制御され、エンジン1に燃料を噴射する。この種の燃料噴射制御装置は、例えば、前述した特許文献1により公知であるので、その詳細な説明は省略する。
【0017】
また、エンジン1により駆動される定容量型の油圧ポンプ2と油圧ポンプ2から吐出される圧油によって駆動する油圧シリンダ3、油圧モータ4、油圧シリンダ5,6等の複数の油圧アクチュエータと、これらの油圧アクチュエータに供給される圧油の流れを制御する方向制御弁7〜10と、メインリリーフ弁11と、油圧ポンプ2の吐出圧力を検出し吐出圧力信号Pを出力する圧力検出器14と、方向制御弁7〜10を切り換え操作するためのパイロット圧力を発生する操作レバー装置50,…(1つのみ図示)と、操作レバー装置50,…からのパイロット圧力を入力しそのうちの1つのパイロット圧力を選択し出力するシャトル弁の組み合わせを有する信号制御弁51と、信号制御弁51から出力されたパイロット圧力を検出しパイロット圧信号Dを出力する圧力検出器52と、圧力検出器14から出力される吐出圧力信号P、圧力検出器52から出力されるパイロット圧力信号Dと、エンジンコントロールダイヤル53から出力されるダイヤル量信号Uを入力し、エンジン回転数を制御する制御電流信号Rを出力する作業機コントローラ15とを備えている。
【0018】
図2は、本発明の作業機の油圧駆動装置の一実施の形態が搭載される油圧ショベルの全体構造を表す斜視図である。
【0019】
この図2において、油圧ショベルは、下部走行体102、上部旋回体103、フロント作業機104を有し、上部旋回体103は下部走行体102の上部に旋回可能に搭載され、フロント作業機104は上部旋回体103の前部に上下動可能に取り付けられている。上部旋回体103にはエンジンルーム105、運転室106が備えられている。フロント作業機104はブーム108、アーム109、バケット110を有する多関節構造である。下部走行体102、上部旋回体103、フロント作業機104は、それぞれアクチュエータとして左右の走行モータ111(一方のみ図示)、旋回モータ112、ブームシリンダ113、アームシリンダ114、バケットシリンダ115を有し、下部走行体102は左右の走行モータ111の回転により走行し、上部旋回体103は旋回モータ112の回転により旋回し、フロント作業機104のブーム108はブームシリンダ113の伸縮により上下方向に回動し、アーム109はアームシリンダ114の伸縮により上下、前後方向に回動し、バケット110はバケットシリンダ115の伸縮により上下、前後方向に回動する。
【0020】
なお、油圧シリンダ3,5,6及び油圧モータ4は上記アクチュエータを代表するものであり、例えば油圧シリンダ3,5,6はブームシリンダ113、アームシリンダ114、バケットシリンダ115であり、油圧モータ4は旋回モータ112である。
【0021】
また、操作レバー装置50,…及びエンジンコントロールダイヤル53は運転室106内に配置され、エンジン1及び油圧ポンプ2はエンジンルーム105内に設置されている。方向制御弁7〜10、エンジンコントローラ13、作業機コントローラ15等の油圧機器及び電子機器は上部旋回体103の適所に設置されている。
【0022】
図3は、本発明の作業機の油圧駆動装置の一実施の形態を有する油圧ショベルに備えられアイソクロナス制御を実施する燃料噴射制御装置(電子ガバナ12とエンジンコントローラ13)によるエンジン1の回転数Nと出力トルクTeとの関係を示す図である。
【0023】
この図3において、エンジン1の出力トルク特性は、直線32で表されるガバナ領域33の特性(アイソクロナス特性)と曲線30で表される全負荷領域の特性に分けられる。ガバナ領域33はガバナの開度が100%以下での出力領域であり、全負荷領域はガバナ開度が100%の出力領域である。図中、破線31は、比較のため、従来のメカニカルガバナ式エンジンのガバナ領域における特性(ドループ特性)を示している。メカニカルガバナはフライホイールとバネのつり合いによって燃料噴射量を調整する構造であるため、メカニカルガバナ式エンジンのガバナ領域は、破線31のように、エンジン出力トルク(エンジン負荷)Teが低下するに従って、エンジン回転数Nが増加するドループ特性を有している。これに対し、本実施の形態におけるエンジン1では、直線32のように、ガバナ領域では電子ガバナ12によりエンジン出力トルクTeの低下に係わらずエンジン回転数Nを定格回転数N0に一定に保つアイソクロナス制御を実施するアイソクロナス特性を有している。
【0024】
図4は、本発明の作業機の油圧駆動装置の一実施の形態を構成する作業機コントローラ15の演算機能を示す機能ブロック図である。
【0025】
この図4において、作業機コントローラ15は、第1目標エンジン回転数演算部81と、第2目標エンジン回転数演算部82と、最小値選択部83と、制御電流演算部84の各機能を有している。
【0026】
第1目標エンジン回転数演算部81は、エンジンコントロールダイヤル53からのダイヤル量信号Uを入力し、これをメモリに記憶してあるテーブルに参照させ、そのときのダイヤル信号Uに対応する目標エンジン回転数Naを演算する。この目標エンジン回転数Naはエンジンコントロールダイヤル53のダイヤル量に応じた目標エンジン回転数であり、メモリのテーブルには、エンジンコントロールダイヤル53のダイヤル量が増大するに従って目標エンジン回転数Naも増大するように両者の関係が設定されている。
【0027】
また、第1目標エンジン回転数演算部81では同時に圧力検出器52からのパイロット圧力信号Dを入力し、これをメモリに記憶してあるテーブルに参照させ、そのときのパイロット圧力信号Dに対応する目標エンジン回転率Nbを演算する。この目標エンジン回転率Nbは操作レバー装置50,…(図1参照)のレバー操作量(要求流量)に応じた目標エンジン回転率であり、メモリのテーブルには、パイロット圧力信号Dが増大するに従って目標エンジン回転率Nbも増大するように両者の関係が設定されている。
【0028】
目標エンジン回転数Naと目標エンジン回転率Nbは第1目標エンジン回転数演算部81において演算され、第1目標エンジン回転数N1は、
N1=Na×Nb (1)
となる。
【0029】
これにより、エンジンコントロールダイヤル53で設定された目標エンジン回転数Naを基準として、操作レバー装置50,…(図1参照)のレバー操作量(要求流量)に応じた第1目標エンジン回転数N1が演算されることになる。
【0030】
第2目標エンジン回転数演算部82は、圧力検出器14からの油圧ポンプ2の吐出圧力信号Pを入力し、これをメモリに記憶してあるテーブルに参照させ、そのときの吐出圧力信号Pが示す油圧ポンプ2の吐出圧力に対応する目標エンジン回転数を演算する。この第2目標エンジン回転数N2は、油圧ポンプ2の吐出圧力に応じた目標エンジン回転数であり、メモリのテーブルには、吐出圧力信号Pが、ある値Pa以下のときは第2目標エンジン回転数N2は一定値N2aを保持し、吐出圧力信号PがPaを超え、油圧ポンプ2のリリーフ圧力であるPbに達するまでは、第2目標エンジン回転数N2と吐出圧力信号Pの積が一定になるように設定され、吐出圧力信号Pが、ある値Pbを超えると第2目標エンジン回転数N2は一定値N2bを保持するように両者の関係が設定されている。
【0031】
最小値選択部83は、第1目標エンジン回転数演算部81で演算されたエンジン1の第1目標エンジン回転数N1と、第2目標エンジン回転数演算部82で演算されたエンジン1の第2目標エンジン回転数N2の小さい方を選択し、エンジン1の制御用の目標エンジン回転数Ncを出力する。これにより第1目標エンジン回転数演算部81で演算されたエンジン1の第1目標エンジン回転数N1が第2目標エンジン回転数演算部82で演算されたエンジン1の第2目標エンジン回転数N2より大きいときは第2目標エンジン回転数N2が制御用の目標エンジン回転数Ncとして出力され、制御用の目標エンジン回転数Ncは第2目標エンジン回転数N2以下に制限される。
【0032】
次に上記構成の本発明の作業機の油圧駆動装置の一実施の形態の動作を以下に説明する。
【0033】
エンジン1を起動させて油圧ポンプ2を駆動し、エンジンコントロールダイヤル53でエンジン1の最高回転数を設定した後、操作レバー装置50,…(図1参照)のいずれかを操作すると、油圧ポンプ2から吐出された圧油が方向制御弁7〜10の該当するものを介して油圧シリンダ3,5,6或いは油圧モータ4等に供給され、例えば、図2に示した油圧ショベルのフロント作業機104が駆動し、土砂の掘削作業等が実施される。
【0034】
ここで、作業機コントローラ15では、第1目標エンジン回転数演算部81において、圧力検出器52から出力されるパイロット圧力信号Dに対応するエンジン1の第1目標エンジン回転数N1が演算され、第2目標エンジン回転数演算部82において、圧力検出器14から出力される油圧ポンプ2の吐出圧力信号Pに対応するエンジン1の第2目標エンジン回転数N2が演算される。
【0035】
このとき、軽負荷作業が実施され、圧力検出器14から出力される吐出圧力信号Pが示す油圧ポンプ2の吐出圧力が小さく、N1<N2であると、最小値選択部83では第1目標エンジン回転数演算部81で演算されたエンジン1の第1目標エンジン回転数N1が制御用の目標エンジン回転数Ncとして選択され、制御電流演算部84によりエンジン回転数Nを目標エンジン回転数Ncに一致させるための制御電流信号Rが演算され、この制御電流信号Rがエンジンコントローラ13に出力される。これによりエンジン1のエンジン回転数Nは制御用の目標エンジン回転数Nc(=N1)に一致するように制御され、油圧ポンプ2はポンプ容積とそのときのエンジン1のエンジン回転数Nとの積に比例した流量を吐出する。この吐出流量は操作レバー装置50,・・・(図1参照)のレバー操作量に応じた流量であり、この吐出流量が油圧シリンダ3,5,6或いは油圧モータ4の該当するものに供給され、当該アクチュエータが操作レバー装置50,・・・(図1参照)のレバー操作量(要求流量)に応じた速度で駆動される。
【0036】
一方、例えば、重掘削作業等が実施され、圧力検出器14から出力される吐出圧力信号Pが示す油圧ポンプ2の吐出圧力が図4に示すPaよりも高くなり、第2目標エンジン回転数N2が第1目標エンジン回転数N1を下回る(N1>N2)と、最小値選択部83では第2目標エンジン回転数演算部82で演算されたエンジン1の第2目標エンジン回転数N2が制御用の目標エンジン回転数Ncとして選択され、制御電流演算部84によりエンジン回転数Nを目標エンジン回転数Ncに一致させるための制御電流信号Rが演算され、この制御電流信号Rがエンジンコントローラ13に出力される。これによりエンジン1のエンジン回転数Nは制御用の目標エンジン回転数Nc(=N2)に一致するように制御され、油圧ポンプ2はポンプ容積とそのときのエンジン1のエンジン回転数Nとの積に比例した流量を吐出する。これによりエンジン1の最高使用可能回転数を制限することで過負荷を防止し、エンジンストールを生じない範囲でエンジン1の出力馬力を有効活用できる。
【0037】
図5は、本発明の作業機の油圧駆動装置の一実施の形態の動作時の油圧ポンプ2の吐出圧力と吐出可能な流量の関係を示す図である。
【0038】
ここで、油圧ポンプ2は定容量型油圧ポンプであるから、ポンプの容積をV、ポンプの回転数をn、ポンプの機械効率をξとすると、ポンプの吐出容量Qは、
Q=ξ×V×n (2)
となり、変数はポンプの回転数nのみである。またこのポンプの回転数nは、エンジン1のエンジン回転数Nに定数εを掛けて、
n=ε×N (3)
で表される。すなわちエンジン1のエンジン回転数Nによって、油圧ポンプ2の吐出流量Qは比例的に求められる。
【0039】
さらに、油圧ポンプ2の吐出圧力が、設定されたリリーフ圧Pbを越えるとメインリリーフ弁11が作動し、油圧ポンプ2の吐出圧力はリリーフ圧Pb以上になることはない。
【0040】
以上のことから、本発明の作業機の油圧駆動装置を実施することで、油圧ポンプ2の吐出圧力と吐出流量との関係は、可変容量型の油圧ポンプにおける吐出圧力と吐出流量との関係と同等となり、定容量型の油圧ポンプ2を使用しつつ、可変容量型の油圧ポンプを使用する場合と同等の働きをすることが可能となる。
【0041】
なお、上記の本発明の一実施の形態においては、油圧ポンプ2の吐出圧力Pと第2目標エンジン回転数N2の関係を、可変容量型の油圧ポンプと同等の働きをするようにエンジン回転数特性を設定したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2目標エンジン回転数N2の設定は任意に行い油圧ポンプの特性を任意に変更することが可能となる。
【0042】
更に、第1目標エンジン回転数N1に、油圧シリンダ3、油圧モータ4、油圧シリンダ5,6等の各油圧アクチュエータの圧力あるいは移動量に対応した追加回転数を加算あるいは減算してもよい。その結果アクチュエータごとの動作スピードの調節が可能となる。
【0043】
また、上記の本発明の一実施の形態では、ポンプ吐出圧力Pとレバー操作量Dをもとに算出されるエンジン回転数の1つの特性を設定したが、それ以外に1つ或いは複数の特性を設定し、オペレータがモード選択スイッチの切り換えによりそのうちの1つを選択できるようにしてもよい。これにより複数の動作性能を持たせ、オペレータの望む動作速度をオペレータ自身で選択できるようになる。
【0044】
また、メモリに記憶された上記の特性を、フレキシブルディスク(例えばフロッピー(登録商標)ディスク)などの外部記憶装置やLAN等の通信機能を利用して変更可能としてもよい。その結果、設定可能な特性の数を増やすことが出来、より詳細な設定を行うことが可能となる。
【0045】
また、上記の本発明の一実施の形態では、アイソクロナス特性に制御可能な燃料噴射制御装置のアクチュエータ部分を電子ガバナ12としたが、本発明はこれに限るものではなく、エンジン回転数に関係なく噴射量の制御が可能なコモンレール式燃料噴射制御装置やユニットインジェクタ式燃料噴射制御装置を設けてもよい。
【0046】
また、上記の本発明の一実施の形態におけるエンジンコントロールダイヤル53は、図1のようなダイヤル式のものに限定されるものではなく、オペレータがエンジンの最高使用可能回転数を設定可能であればどのような形状でもよく、デジタル、アナログのいずれの方式でもよい。
【0047】
また、上記の本発明の一実施の形態における操作レバー装置50,・・・(図1参照)の方式はパイロット圧力と方向制御弁を使用する方式に限定されるものではなく、例えば、レバー操作量をセンサで検出し、その値を直接コントローラに伝えるといった方式でもよい。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、ガバナ領域をアイソクロナス特性に制御可能な燃料噴射制御装置を有するエンジンを備えた油圧駆動装置において、定容量型の油圧ポンプを使用しつつ、可変容量型の油圧ポンプと同等の機能を有することが出来るので、油圧ポンプ自体のコスト低減や、可変容量型油圧ポンプの容積を変化させる為のレギュレータ等が不要になり、油圧駆動装置全体としてもコスト低減することが可能である。
【0049】
また、従来、油圧ショベル等の油圧駆動装置においては、エンジン回転数及び可変容量型の油圧ポンプの制御が複雑であったが、本発明によれば、油圧ポンプ側の制御を行わないので、油圧駆動装置の簡素化を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作業機の油圧駆動装置の一実施の形態の油圧回路を備える全体構成を示す図である。
【図2】本発明の作業機の油圧駆動装置の一実施の形態を搭載した油圧ショベルの全体構造を表す斜視図である。
【図3】本発明の作業機の油圧駆動装置の一実施の形態におけるアイソクロナス制御を実施する電子ガバナを有するエンジンの回転数と出力トルクとの関係を示す特性図である。
【図4】本発明の作業機の油圧駆動装置の一実施の形態を構成する作業機コントローラ15の演算機能を示すブロック図である。
【図5】本発明の作業機の油圧駆動装置の一実施の形態の動作時の油圧ポンプ2の吐出圧力と吐出可能な流量の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 油圧ポンプ
3 油圧シリンダ
4 油圧モータ
5 油圧シリンダ
6 油圧シリンダ
7〜10 方向制御弁
11 メインリリーフ弁
12 電子ガバナ
13 エンジンコントローラ
14 圧力検出器
15 作業機コントローラ
30 曲線
31 破線(ドループ特性)
32 直線(アイソクロナス特性)
33 ガバナ領域
50 操作レバー装置
51 信号制御弁
52 圧力検出器
53 エンジンコントロールダイヤル
81 第1目標エンジン回転数演算部
82 第2目標エンジン回転数演算部
83 最小値選択部
84 制御電流演算部
Claims (1)
- エンジンのガバナ領域をアイソクロナス特性に制御可能な燃料噴射制御装置を有するエンジンと、このエンジンにより駆動される定容量型の油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出される圧油によって駆動する複数の油圧アクチュエータと、上記油圧ポンプの吐出圧力を検出する圧力検出器と、上記アクチュエータを操作するための操作レバーと、上記操作レバーの操作量検出器を備える作業機の油圧駆動装置において、上記油圧ポンプの吐出圧力と上記操作レバーの操作量に応じてエンジン回転数を変動させる制御手段を備えることを特徴とする作業機の油圧駆動装置。
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