JP2008151211A - 建設機械のエンジン始動システム - Google Patents

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Abstract

【課題】建設機械が通常備えている既存のシステムを有効に利用することにより、低温時でもエンジンを支障なく起動させ得る建設機械のエンジン始動システムを提供する。
【解決手段】シリンダ12,13,14を駆動するための油圧を発生する可変容量型の油圧ポンプ1と、この油圧ポンプ1を駆動するエンジン2とを備えた建設機械に設けられ、低温時にエンジン2を支障なく起動させ得るようにするための建設機械のエンジン始動システムにおいて、油圧ポンプ1の傾転角を制御する流量制御レギュレータ4と、このレギュレータ4を制御するコントローラ6と、エンジン回転数検出センサ3とを設けて、エンジン2の回転開始時からエンジン回転数検出センサ3でのエンジン回転数の検出結果が少なくともアイドリング回転数になるまでの間は、油圧ポンプ1の傾転角を最小傾転角にするように、コントローラ6で流量制御レギュレータ4を制御するように構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、油圧アクチュエータと、この油圧アクチュエータを駆動するための油圧を発生する可変容量型の油圧ポンプと、この油圧ポンプを駆動するためのエンジンとを備えた建設機械に設けられ、低温時にエンジンを支障なく起動させることができるようにするための建設機械のエンジン始動システムに関する。
建設機械は、通常、走行体と、この走行体に設置した作業機と、同走行体に設置した運転席や建屋とを備えている。そして、運転席のオペレータが操作手段を操作することにより、走行体を適宜走行させながら、作業機により、掘削作業、クレーン作業、資材の運搬作業等、建設機械の種類に応じて種々の建設作業を行う。そのため、建設機械は、走行体を走行させるための油圧アクチュエータとして走行用油圧モータを備え、作業機の作業具を駆動するための油圧アクチュエータとして、例えば、ブームやアーム等を駆動するためのブームシリンダやアームシリンダ等の油圧シリンダを備えている。さらに、こうした油圧アクチュエータのほか、例えば旋回フレームやアタッチメントを駆動するための油圧モータや油圧シリンダを備えており、多種多様の油圧アクチュエータを備えている。そのため、これらの油圧アクチュエータを駆動するための圧油を発生する可変容量型の油圧ポンプと、この油圧ポンプを駆動するためのエンジンとを備え、建屋に設置している。
こうした建設機械を、気温が例えば−20°Cというような酷寒の環境下で使用したときには、温度低下に起因する作動油の粘性抵抗の増加により油圧ポンプの摺動抵抗が増加する等のため、油圧ポンプを駆動するためのエンジンが起動しにくくなるという問題が発生することがあった。建設機械においては、このような問題に対応して低温時にエンジンを支障なく起動させることができるようにするためのエンジン始動システムに係る技術がこれまで種々提案されているが、その一つとして、特許文献1に記載されている「油圧建設機械のトルク制御装置」と称する建設機械のエンジン始動システムを挙げることができる。ここでは、この特許文献1に記載の技術を従来の技術として位置付けて、その技術内容を以下に概説する。その際、特許文献1で使用されている符号を括弧内に付記しながら、本発明に関連する部分の技術内容を中心に説明する。
この従来の技術が適用された特許文献1の実施例に記載の建設機械は、後輪(103)が駆動されるホイール式油圧ショベルの走行体と、この走行体を走行させるための走行用油圧モータ(4)と、同走行体に設置した油圧ショベルの作業機と、この作業機のブーム(104)等の油圧ショベルの作業具を駆動するための作業用油圧シリンダ(21)とを備えている。また、これらの走行用油圧モータ(4)や作業用油圧シリンダ(21)の油圧アクチュエータを駆動するための圧油を発生する可変容量油圧ポンプ(1)と、この油圧ポンプ(1)を駆動するためのエンジン(27)とを備えている。
さらに、この特許文献1に記載の建設機械は、可変容量油圧ポンプ(1)を制御するための手段として、可変容量油圧ポンプ(1)の傾転角(θs)を制御するための傾転角制御装置(40)と、この傾転角制御装置(40)を制御するためのコントローラ(50)とを備えている。そして、このコントローラ(50)は、ロードセンシング制御のための目標ポンプ傾転角(θL)を演算するロードセンシング制御部(61)と、入力トルク制限制御のための目標ポンプ傾転角(θT)を演算するトルク制御部(62)とを備え、両目標ポンプ傾転角(θL),(θT)のうちの小さい方の値を目標傾転角(θr1 )として選択して採用するようにしている。また、前記目標ポンプ傾転角(θT)を求めるため、エンジン(27)の回転数(Nr)を検出するための回転数センサ(53)を設けて、これの検出結果をトルク制御部(62)へ入力するようにしている。これらの傾転角制御装置(40)、コントローラ(50)及び回転数センサ(53)は、建設機械が通常備えている既存の制御システムである。
この従来の技術に係る建設機械のエンジン始動システムでは、こうした仕組の既存の制御システムを有する建設機械において、低温時における油圧ポンプの摺動抵抗の増加等によるエンジンの始動直後のエンストを防止するため、作動油の温度toを検出するための油温センサ(56)を付設するとともに、コントローラ(50)に、関数発生器65と乗算回路(66)とを特設している。そして、関数発生器65では、油温センサ(56)の検出結果が入力され、その検出結果の値に応じて、目標傾転角(θr1 )に掛け合わせる定数α(0〜1の数値)を決定する。すなわち、この定数αは、検出された作動油の温度toが所定値to1 以上の場合には、1に固定し、所定値to1 未満の低温の場合には、作動油の温度toが低くなるほど小さくするように決定している。
このエンジン始動システムでは、こうして決定された定数αと目標傾転角(θr1 )とを乗算回路(66)に入力する。そして、この乗算回路(66)では、その定数αを目標傾転角(θr1 )に乗算して、その乗算結果に基づいて可変容量油圧ポンプ(1)の傾転角(θs)を制御するように構成している。なお、特許文献1では、このトルク制御装置において、油温センサ(56)に代えて、エンジン冷却水の温度(tw)を検出する水温センサ(156)を設け、検出されたエンジン冷却水の温度(tw)が所定値(tw1 )未満の低温の場合には、油温センサ(56)での検出結果が所定値(to1 )未満の低温の場合と同様の制御を行うようにすることができるとされている。
以上のように構成された従来の技術に係る建設機械のエンジン始動システムでは、油温センサ(56)で検出された作動油の温度toが所定値(to1 )未満の低温の場合、又は水温センサ(156)で検出されたエンジン冷却水の温度(tw)が所定値(tw1 )未満の低温の場合には、目標傾転角(θr1 )に掛け合わせる定数αがコントローラ(50)により1よりも小さく決定されるため、可変容量油圧ポンプ(1)の傾転角(θs)が平常時の目標傾転角(θr1 )よりも小さい目標傾転角に基づいて制御される。その結果、可変容量油圧ポンプ(1)の入力トルクを平常時よりも低下させることができ、これにより、可変容量油圧ポンプ(1)の入力トルクがエンジン(27)の出力トルクを超えることが少なくなってエンストを抑制することができるとされている。
特開平5ー280070号公報(第2−5頁、図1−4、図7)
しかしながら、この従来の技術に係る建設機械のエンジン始動システムでは、これを製作する場合に、既存の制御システムに対し各種の機器類を追加して設けることが必要となり、製作工程もそれだけ煩雑となる。すなわち、この従来の技術では、エンストを抑制するため、既存の制御システムに対し、油温センサ(56)乃至は水温センサ(156)を付加して、その何れかの検出結果をコントローラ50へ入力できるように組み込むことが必要となる。また、油温センサ(56)及び水温センサ(156)の何れかの検出結果の値に応じて定数αを決定するための関数発生器(65)と、この定数αと目標傾転角(θr1 )とを入力して乗算するための乗算回路(66)とを付加してコントローラ50に組み込むことも必要となる。
そのため、従来の技術によれば、油温センサ(56)又は水温センサ(156)、関数発生器(65)及び乗算回路(66)を入手するための費用を要することに加え、これらの機器類を既存の制御システムに組み込むための手間を要して製作工程が煩雑化して製作コストが少なからず増加する。こうしたことから、低温時にエンジンを支障なく起動させ得るようにするための建設機械のエンジン始動システムについて、その仕組を単純化して組立工程を省力化する方策を種々研究した。その結果、可変容量型の油圧ポンプやエンジンを有する建設機械が通常備えている既存のシステムであっても、これを巧みに活用すれば、従来の技術で付加しているような機器類を追加しないでも、前記の機能を果たす建設機械のエンジン始動システムを製作できることに想到した。
本発明は、こうした技術的背景の下に創作されたものであって、その技術的課題は、可変容量型の油圧ポンプ及びエンジンを有する建設機械が通常備えている既存のシステムを有効に利用することにより、機器類の追加を必要とせずに製作することができて、低温時でもエンジンを支障なく起動させることができる建設機械のエンジン始動システムを提供することにある。
本発明は、前記の技術的課題を達成するため、
油圧アクチュエータと、この油圧アクチュエータを駆動するための油圧を発生する可変容量型の油圧ポンプと、この油圧ポンプを駆動するためのエンジンとを備えた建設機械に設けられ、低温時にエンジンを支障なく起動させることができるようにするための建設機械のエンジン始動システムにおいて、
可変容量型の油圧ポンプの傾転角を制御するためのレギュレータと、このレギュレータを制御するためのコントローラと、エンジン回転数を検出するためのエンジン回転数検出センサとを設けて、エンジンの回転開始時からエンジン回転数検出センサでのエンジン回転数の検出結果が少なくともアイドリング回転数になるまでの間は、可変容量型の油圧ポンプの傾転角を最小傾転角にするように、コントローラによりレギュレータを制御するように構成した。
実験で確認したところによれば、エンジンの回転開始時以降、エンジン回転数が少なくともアイドリング回転数になるまでの間において、可変容量型の油圧ポンプの傾転角を最小傾転角にすると、酷寒の環境下でも、エンスト等のエンジントラブルが発生せずに、エンジンを支障なく起動させることができることが判明した。本発明に係る建設機械のエンジン始動システムでは、こうしたエンジン回転数との関連において行う可変容量型の油圧ポンプの傾転角の制御を、レギュレータとこのレギュレータを制御するためのコントローラとエンジン回転数検出センサとにより行うようにしたものである。
これらの機器類のうち、レギュレータとコントローラとは、可変容量型の油圧ポンプを有する建設機械がそのポンプの傾転の制御をする必要上、通常具備している機器である。また、エンジン回転数検出センサは、従来の技術からも分かるように、エンジン制御をする必要上、エンジンに通常付設されている機器である。したがって、本発明に係る建設機械のエンジン始動システムは、基本的には、可変容量型の油圧ポンプ及びエンジンを有する建設機械が通常備えている機器により、実質上、機器類の追加を必要とせずに製作することができる。以上のように、本建設機械のエンジン始動システムでは、可変容量型の油圧ポンプ及びエンジンを有する建設機械が通常備えている既存のシステムを有効に利用することにより、機器類の追加を必要とせずに製作することができて、低温時でもエンジンを支障なく起動させることができる。
以下の説明から明らかなように、本発明は、建設機械のエンジン始動システムを構成する場合に、前記の「課題を解決するための手段」の項に示したように構成しているので、本発明に係る建設機械のエンジン始動システムによれば、可変容量型の油圧ポンプ及びエンジンを有する建設機械が通常備えている既存のシステムを有効に利用することにより、機器類の追加を必要とせずに製作することができて、低温時でもエンジンを支障なく起動させることができる。その結果、既存のシステムに対し従来追加して設けることを必要としていた機器類に関する費用を節減することができるとともに、その機器類を既存の制御システムに組み込むための手間も省いて製作工程を省力化することができ、製作コストを少なからず節減することができる。
また、このように既存のシステムに対し機器類を追加して設ける必要はないので、その分、故障も少なくメンテナンスに手間を要しない。本建設機械のエンジン始動システムでは、エンスト等のエンジントラブルが発生する恐れのない通常運転を行い得る温暖な環境下でも、エンジンの回転開始時からエンジン回転数が少なくともアイドリング回転数になるまでの間は、可変容量型の油圧ポンプの傾転角を最小傾転角にするという低温時と同様の制御を行うが、こうした温暖な環境下では、エンジンが回転開始時後アイドリング回転数になるまでに要する時間は、低温の環境下にある場合と比べて短いため、本発明に係る建設機械のエンジン始動システムは、温暖な環境下における建設機械の通常の起動運転に対して何ら悪影響をもたらすようなことはない。
以下、本発明が実際上どのように具体化されるのかを図1に基づいて説明することにより、本発明を実施するための望ましい形態を明らかにする。
図1は、本発明の建設機械のエンジン始動システムを具体化するための建設機械の油圧回路の一例を概略的に示す油圧回路図である。
以下に述べる建設機械のエンジン始動システムは、すでに述べた従来の技術に係る建設機械のエンジン始動システムと同様、油圧アクチュエータと、この油圧アクチュエータを駆動するための油圧を発生する可変容量型の油圧ポンプと、この油圧ポンプを駆動するためのエンジンとを備えた建設機械に設けられ、低温時にエンジンを支障なく起動させることができるようにするためのものである。また、従来の技術に係るものと同様、エンジン回転数を検出するためのエンジン回転数検出センサを設けている。ここでは、本発明に係る建設機械のエンジン始動システムについて、油圧ショベルに適用した例を中心に説明するが、このエンジン始動システムは、クレーン、ホイールローダ等の他の建設機械にも適用することができる。
図1において、1は後述する油圧ショベルの種々の油圧アクチュエータを駆動するための圧油の発生源となる可変容量型の油圧ポンプ、1aはこの油圧ポンプ1の押しのけ容積可変機構としての斜板、2は可変容量型の油圧ポンプ1を駆動するための動力源となるエンジン、3はこのエンジン2に取り付けられてエンジン回転数を検出するためのエンジン回転数検出センサ、4は可変容量型の油圧ポンプ1の傾転角(斜板1aの傾転角)を制御するための流量制御レギュレータ、5はコントローラ6からの指令により切り換えられ流量制御レギュレータ4を通じて可変容量型の油圧ポンプ1の傾転角をその指令に従って制御する流量制御電磁弁、6はエンジン回転数検出センサ3の検出結果が入力され、流量制御電磁弁5及び流量制御レギュレータ4を通じて可変容量型の油圧ポンプ1の傾転角を制御したり、エンジン回転数を制御したりするコントローラである。
建設機械において、エンジン回転数は、オペレータがスロットルを操作して指定することにより、所望の回転数になるように制御するが、こうしたエンジン回転数の制御は、エンジン回転数検出センサ3でのエンジン回転数の検出結果をコントローラ6へ入力することにより、コントローラ6においてフィードバック制御をして行われる。したがって、エンジン回転数検出センサ3は、こうしたエンジン回転数の制御をする必要上不可欠の機器として、エンジン2に通常付設されており、それゆえ、この種のセンサは、エンジンを有する建設機械であれば、常備している機器である。流量制御レギュレータ4は、可変容量型の油圧ポンプ1の斜板1aを傾動させるための油圧シリンダを備え、流量制御電磁弁5の切換によりこの油圧シリンダを油圧パイロット圧により駆動して斜板1aを傾転させ、油圧ポンプ1の吐出容量を変えることができる。
コントローラ6は、建設機械の通常運転時において、エンジン回転数センサ3によるエンジン回転数の検出結果が入力され、このエンジン回転数の検出結果に基づいて、前記のエンジン回転数の制御を行うほか、可変容量型の油圧ポンプ1の傾転角の制御を、流量制御レギュレータ4を通じて行う。このように、コントローラ6は、通常運転時にエンジン回転数の制御や可変容量型の油圧ポンプ1の傾転角の制御をする必要上不可欠の機器として、建設機械が常備している機器である。また、流量制御レギュレータ4や流量制御電磁弁5も、可変容量型の油圧ポンプ1を備えた建設機械であれば、当然に常備している機器である。
本建設機械のエンジン始動システムは、こうした建設機械が常備しているエンジン回転数センサ3、流量制御レギュレータ4、流量制御電磁弁5及びコントローラ6を設けた既存のシステムを活用して新たな機器類の追加を要することなく製作することができて、低温時でもエンジン2を支障なく起動させることができるようにしたものである。その具体的な内容については、後に詳述する。
7は油圧パイロット圧を発生するための油圧パイロット圧発生源としてのパイロットポンプ、8はこのパイロットポンプ7や可変容量型の油圧ポンプ1に油を供給し、パイロットポンプ7からのパイロット油の戻り油や油圧ポンプ1からの圧油の戻り油を貯溜する油タンク、9はパイロットポンプ7で発生した油圧パイロット圧の上限値を所定の値に調整する働きをするパイロットリリーフ弁である。
図に示す例では、パイロットポンプ7は、可変容量型の油圧ポンプ1を駆動するためのエンジン2の駆動軸に連結されて油圧ポンプ1と同じエンジン2で駆動されるとともに、油圧ポンプ1と同じ吸入管路aを通じて油を吸入するように構成しているが、このパイロットポンプ7は、可変容量型の油圧ポンプ1と別系統に設けることもできる。図示はしていないが、操作レバー等の操作手段の操作により油圧パイロット圧を出力して、これにより、後述する方向制御弁12,13,14を切り換えてシリンダ15,16,17をそれぞれ操作するパイロット弁が各方向制御弁12,13,14に対応して設けられている。パイロットリリーフ弁9で圧力調整されたパイロットポンプ7からのパイロット油は、斜板1aの傾転角の制御のために流量制御電磁弁5を通じて流量制御レギュレータ4へ送られるほか、方向制御弁12,13,14の制御のためにパイロット弁にも送られる。流量制御電磁弁5やパイロット弁へ供給されるパイロット圧油のうちの余剰のものは、パイロットリリーフ弁9を通じて作動油タンク8に戻される。
10は以下に述べる種々の弁やこれらの周辺の管路の集合体として形成されてユニットをなすバルブユニット、11は吐出管路bに供給される可変容量型の油圧ポンプ1の圧油を逃がしてその圧油の最大圧力を制限するメインリリーフ弁、12は油圧ポンプ1からブームシリンダ15へ供給される圧油の流れや流量を切り換えて同シリンダ15の運動を制御するブーム用の方向制御弁、13は油圧ポンプ1からアームシリンダ16へ供給される圧油の流れや流量を切り換えて同シリンダ16の運動を制御するアーム用の方向制御弁、14は油圧ポンプ1からバケットシリンダ17へ供給される圧油の流れや流量を切り換えて同シリンダ17の運動を制御するバケット用の方向制御弁、15は伸縮させてブームを回動(傾動)させるように駆動するブームシリンダ、16は伸縮させてアームを回動(揺動)させるように駆動するアームシリンダ、17は伸縮させてバケットを回動させるように駆動するバケットシリンダである。
ここに示す例では、メインリリーフ弁11及び方向制御弁12,13,14がバルブユニット10としてユニット化されて一体の弁ブロックをなすように形成されているが、これらの各弁11,12,13,14をそれぞれ別個に形成してもよい。図1には、油圧ショベルの油圧回路を例示しているため、油圧アクチュエータとして、油圧ショベルの作業具を駆動するためのブームシリンダ15、アームシリンダ16及びバケットシリンダ17を図示している。油圧ショベルの油圧アクチュエータは、このほか、下部走行体を走行させるための走行用油圧モータや上部旋回体を旋回させるための旋回モータ等、種々の油圧アクチュエータを備えているが、図示を省略している。
各方向制御弁12,13,14は、操作レバー等の図示しない操作手段の操作方向により、前記パイロット弁からの油圧パイロット圧が各信号受け部に出力されて中立位置から左右何れかの位置に切り換えられる。そして、右位置に切り換えられたときには、油圧ポンプ1の圧油を各シリンダ15,16,17のボトム側に供給するとともに、これのロッド側の圧油を作動油タンク8に排出し、これにより、各シリンダ15,16,17を伸長させることができる。また、左位置に切り換えられたときには、油圧ポンプ1の圧油を各シリンダ15,16,17のロッド側に供給するとともに、これのボトム側の圧油を作動油タンク8に排出し、これにより、各シリンダ15,16,17を縮小させることができる。その場合に、操作手段の操作量に応じて開口量を調節して、各シリンダ15,16,17の伸縮する速度を制御することができる。
以上、本発明に係る建設機械のエンジン始動システムを具体化するためのベースとなる建設機械の油圧回路の一例を述べたが、次に、こうした油圧回路に具体化するための建設機械のエンジン始動システムについて説明する。
本建設機械のエンジン始動システムは、可変容量型の油圧ポンプ1の傾転角を制御するための流量制御レギュレータ4と、この流量制御レギュレータ4を制御するためのコントローラ6と、エンジン回転数を検出するためのエンジン回転数検出センサ3とを設けて、エンジン2の回転開始時からエンジン回転数検出センサ3でのエンジン回転数の検出結果が少なくともアイドリング回転数になるまでの間は、可変容量型の油圧ポンプ1の傾転角を最小傾転角にするように、コントローラ6により流量制御レギュレータ4を制御するように構成したものであり、この点に最大の特徴がある。このように構成することにより、酷寒の環境下でもエンジンを支障なく起動させることができる。以下、この点について具体的に説明する。
このような可変容量型の油圧ポンプ1の傾転角の制御を具現するため、本建設機械のエンジン始動システムでは、まず、第1に、エンジン2の回転開始時には可変容量型の油圧ポンプ1の傾転角を最小傾転角にしておく必要があり、こうしたことを可能にするための制御をコントローラ6で行うこととする。この点について言及すると、可変容量型の油圧ポンプ1の傾転角を制御するには、パイロットポンプ7からの油圧パイロット圧により流量制御レギュレータ4の油圧シリンダを駆動して油圧ポンプ1の斜板1aを傾動させる必要があるが、この油圧シリンダを駆動可能な油圧パイロット圧は、エンジン2の回転開始後に直ちに得られるわけではない。こうしたことから、例えば、エンジン2を停止させるに際して可変容量型の油圧ポンプ1の傾転角が最小傾転角になるようにコントローラ6で制御するというように、エンジン2の回転開始時までには、油圧ポンプ1の傾転角が最小傾転角になるように事前にセットしておくこととする。
第2に、こうして最小傾転角になるようにセットされた可変容量型の油圧ポンプ1の傾転角は、エンジン回転数がアイドリング回転数(例えば1000rpm)になるまでの間は保持されるように制御する。すなわち、コントローラ6に入力されるエンジン回転数検出センサ3によるエンジン回転数の検出結果がアイドリング回転数になるまでの間は、コントローラ6からの制御信号により流量制御電磁弁5を切り換えないようにし、そのエンジン回転数の検出結果がアイドリング回転数に達したときに、初めて流量制御電磁弁5を作動可能にして、可変容量型の油圧ポンプ1の通常運転が可能になるようにコントローラ6で制御する。
なお、以上の制御に用いられるエンジン2のアイドリング回転数は、エンジンの性能に応じて一義的に定まる値であって、メーカで製作されたエンジンごとに定まっている固有の値である。同様にして、可変容量型の油圧ポンプ1の最小傾転角も、油圧ポンプの性能に応じて一義的に定まる値であって、メーカで製作された油圧ポンプごとに定まっている固有の値であり、これらの値は、本発明に係る建設機械のエンジン始動システムを実施する際には、客観的に特定される。
ところで、作動油は、ー30°Cになると凍結して、油圧機器を駆動することが困難となる。こうしたことを考慮して、温度低下に起因する作動油の粘性抵抗の増加に関係する問題に対して対策を講じる場合、通常、作動油の温度がー20°Cにまで低下したときのことを想定して対策を講じている。作動油の温度がこの程度の温度にまで低下した条件の下において実験で確認したところによると、エンジン2の回転開始時以降、エンジン回転数が少なくともアイドリング回転数になるまでの間において、可変容量型の油圧ポンプ1の傾転角を最小傾転角にすると、作動油がこうした低い温度にまで低下しても、エンジン2へかかる作動油の粘性抵抗の増加による油圧ポンプ1の負荷を軽減させることができ、これにより、エンスト等のエンジントラブルが発生せずに、エンジン2を支障なく起動させることができることが判明した。
本建設機械のエンジン始動システムでは、こうしたエンジン回転数との関連において行う可変容量型の油圧ポンプ1の傾転角の制御を、流量制御レギュレータ4や流量制御電磁弁5とこれらの機器を制御するためのコントローラ6とエンジン回転数検出センサ3とにより行うようにしたものである。これらの機器は、すでに述べたように、可変容量型の油圧ポンプ1及びエンジン2を有する建設機械であれば、常備している機器である。したがって、本発明に係る建設機械のエンジン始動システムは、基本的には、可変容量型の油圧ポンプ1及びエンジン2を有する建設機械が通常備えている機器により、実質上、機器類の追加を必要とせずに製作することができる。
以上のように、本建設機械のエンジン始動システムでは、可変容量型の油圧ポンプ及びエンジンを有する建設機械が通常備えている既存のシステムを有効に利用することにより、機器類の追加を必要とせずに製作することができて、低温時でもエンジンを支障なく起動させることができる。その結果、既存のシステムに対し従来の技術において追加して設けることを必要としていた油温センサや関数発生器や乗算回路のような機器類について、これらを入手するための費用を節減することができるとともに、これらの機器類を既存の制御システムに組み込むための手間も省いて製作工程を省力化することができ、製作コストを少なからず節減することができる。
また、既存のシステムに対し機器類を追加して設ける必要はないので、その分、故障も少なくメンテナンスに手間を要しない。本建設機械のエンジン始動システムでは、エンスト等のエンジントラブルが発生する恐れのない通常運転を行い得る温暖な環境下でも、エンジン2の回転開始時からエンジン回転数が少なくともアイドリング回転数になるまでの間は、可変容量型の油圧ポンプ1の傾転角を最小傾転角にするという低温時と同様の制御を行うが、こうした温暖な環境下では、エンジン2が回転開始時後アイドリング回転数になるまでに要する時間は、低温の環境下にある場合と比べて短いため、本建設機械のエンジン始動システムは、温暖な環境下における建設機械の通常の起動運転に対して何ら悪影響をもたらすようなことはない。
ここに示す例では、エンジン2の駆動軸に、可変容量型の油圧ポンプ1のほかにパイロットポンプ7も連結されていて、理論上は、前記の傾転角の制御を行う油圧ポンプ1の負荷だけでなく、パイロットポンプ7の負荷もエンジン2にかかるようになっている。しかしながら、メインリリーフ弁11で制限される吐出管路b内の圧油の最大圧力が例えば350Kg/cm2 であるのに対し、パイロットリリーフ弁9で調整されるパイロット管路c内の油圧パイロット圧の上限値が例えば40Kg/cm2 であるということからも分かるように、エンジン2にかかる負荷は、パイロットポンプ7よりも可変容量型の油圧ポンプ1の方が桁違いに大きいので、可変容量型の油圧ポンプ1について前記の傾転角の制御を行えば、初期の目的は達成することができる。
本発明の建設機械のエンジン始動システムを具体化するための建設機械の油圧回路の一例を概略的に示す油圧回路図である。
符号の説明
1 可変容量型の油圧ポンプ
1a (可変容量型の油圧ポンプ1の)斜板
2 エンジン
3 エンジン回転数検出センサ
4 流量制御レギュレータ
5 流量制御電磁弁
6 コントローラ
7 パイロットポンプ
8 油タンク
9 パイロットリリーフ弁
10 バルブユニット
11 メインリリーフ弁
12 ブーム用の方向制御弁
13 アーム用の方向制御弁
14 バケット用の方向制御弁
15 ブームシリンダ
16 アームシリンダ
17 バケットシリンダ
a 吸入管路
b 吐出管路
c パイロット管路

Claims (1)

  1. 油圧アクチュエータと、この油圧アクチュエータを駆動するための油圧を発生する可変容量型の油圧ポンプと、この油圧ポンプを駆動するためのエンジンとを備えた建設機械に設けられ、低温時にエンジンを支障なく起動させることができるようにするための建設機械のエンジン始動システムにおいて、可変容量型の油圧ポンプの傾転角を制御するためのレギュレータと、このレギュレータを制御するためのコントローラと、エンジン回転数を検出するためのエンジン回転数検出センサとを設けて、エンジンの回転開始時からエンジン回転数検出センサでのエンジン回転数の検出結果が少なくともアイドリング回転数になるまでの間は、可変容量型の油圧ポンプの傾転角を最小傾転角にするように、コントローラによりレギュレータを制御するように構成したことを特徴とする建設機械のエンジン始動システム。
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