JP2011257241A - 細胞分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】集団化あるいは塊化した細胞を選択的に回収する細胞精製装置を提供すること。
【解決手段】本発明は、連続して細胞をマイクロ流路の特定の領域に連続配置する機能と、画像ベースで1細胞単位でその細胞の集団状態の有無と蛍光の発光を同時認識する機能と、その形状と蛍光の発光の情報に基づいて認識を行って細胞集団あるいは細胞塊を選択的に分離精製する機能を有する細胞濃縮精製装置を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、細胞分析装置に関する。
多細胞生物における生体組織は種々細胞が役割を分担して全体として調和の取れた機能を維持している。あるいは、細胞の一部ががん化(ここでは腫瘍も含め、一括してがんと呼ぶことにする)すると、周辺領域と異なる新生物となるが、がん領域とそこから遠く離れた正常組織部分とはある境界を持って必ずしも区切れるものではなく、がん周辺領域も何らかの影響を受けている。したがって、臓器組織における機能を解析するには狭い領域に存在する少数の細胞を短時間のうちになるべく簡単に、かつ損失を最小にして分離して分析する必要がある。
また、再生医療の分野では、組織の中から臓器幹細胞を分離し、これを再培養して分化誘導し目的の組織、ひいては臓器を再生しようとする試みがなされている。
細胞を識別したり分離したりしようとすると、何らかの指標に従い区別する必要がある。一般に細胞の区別には、
1)目視による形態学的な細胞分類:例えば尿中に出現する異型細胞検査による膀胱がんや尿道のがんなどの検査や血中の異型細胞分類、組織中における細胞診によるがん検査などをあげることができる。
2)蛍光抗体法による細胞表面抗原(マーカー)染色による細胞分類:一般にCDマーカーと呼ばれる細胞表面抗原を、それに特異的な蛍光標識抗体で染色するもので、セルソーターによる細胞分離やフローサイトメーターや組織染色によるがん検査などに用いられている。もちろんこれらは、医療面のみならず、細胞生理研究用や、工業的な細胞利用の上でも多用されている。
3)あるいは、幹細胞の分離に関しては、細胞内に取り込まれる蛍光色素をレポーターとして幹細胞を含む細胞を大まかに分離し、更にその後で実際に培養を行うことで目的の幹細胞を分離する例がある。これは、幹細胞の有効なマーカーがまだ確立されていないので、実際に培養し、分化誘導したもののみを利用することで、実質的に目的細胞を分離しているのである。
このように培養液中の特定の細胞を分離し回収することは、生物学・医学的な分析においては重要な技術である。細胞の比重の違いで細胞を分離する場合には速度沈降法によって分離することができる。しかし、未感作の細胞と感作した細胞とを見分けるような、細胞の比重の違いがほとんど無い場合には、蛍光抗体で染色した情報あるいは目視の情報を基に細胞を1つ1つ分離する必要がある。
この技術については、例えば、セルソーターがある。セルソーターは、蛍光染色処理後の細胞を電荷を持たせた液滴中に1細胞単位で単離して滴下し、この液滴中の細胞の蛍光の有無、光散乱量の大小を基に、液滴が落下する過程で、落下方向に対して法平面方向に高電界を任意の方向に印加することで、液滴の落下方向を制御して、下部に置かれた複数の容器に分画して回収する技術である(非特許文献1:Kamarck,M.E., Methods Enzymol. Vol.151, p150-165 (1987))。
しかし、この技術は高価であること、装置が大型であること、数千ボルトという高電界が必要であること、一定以上の濃度まで濃縮された試料が多量に必要であること、液滴を作成する段階で細胞に損傷を与える可能性があること、直接試料を観察できないことなどの問題がある。これらの問題を解決するため、近年、マイクロ加工技術を用いて微細な流路を作成し、流路内の層流中を流れる細胞を直接顕微鏡観察しながら分離するセルソーターが開発されている(非特許文献2:Micro Total Analysis, 98, pp.77-80 (Kluwer Academic Publishers, 1998);非特許文献3:Analytical Chemistry, 70, pp.1909-1915 (1998))。しかし、このマイクロ加工技術を用いて作成するセルソーターでは観察手段に対する試料分離の応答速度が遅く、実用化するためには、試料に損傷を与えず、かつ、より応答の速い分離処理方法が必要であった。また、利用するサンプル溶液中の細胞濃度も一定以上の濃度に事前に高めることをしないと、希薄な細胞濃度であっては、十分に装置の分離効率を高めることができないという問題点、さらに微量なサンプルの濃縮を別装置で行った場合には、その濃縮液をロスなく回収することが困難であるだけでなく、煩雑な前処理段階において、細胞が汚染されるなどの回収した細胞を再利用するという観点では望ましくない問題が発生することが課題となっていた。
本発明者らは、このような問題点を解消するため、マイクロ加工技術を活用して、試料の微細構造と試料中の蛍光分布に基づいて試料を分画し、回収する試料に損傷を与えることなく、簡便に細胞試料を分析分離することのできる細胞分析分離装置を開発している(特許文献1:特開2003−107099;特許文献2:特開2004−85323;特許文献3:WO2004/101731)。
現在、癌組織の検出はMRI (核磁気共鳴画像法)やCT (コンピュータ断層撮影法)の改良によって飛躍的に改善されているが、良性・悪性腫瘍の同定については、バイオプシーによる評価を超える手法は存在していない。悪性腫瘍の問題点として、癌細胞自身の組織から血管あるいはリンパ管に浸潤する能力により他臓器に転移すること知られている。このように末梢血を循環する悪性腫瘍細胞は末梢血循環癌細胞(Circulating Tumor Cells: CTCs)と呼ばれ、血液細胞(赤血球を含む)10万細胞に数百細胞程度の癌細胞が存在すると考えられている。近年、特定のターゲットに対する制癌剤が次々と開発されており、血液中の悪性腫瘍の種類が同定できれば、その細胞を効果的に破壊する制癌剤を選択できるようになってきた。もし、血液中を流れるCTCsをモニターする技術が実現すれば、血液中を流れる転移癌の原因となる悪性腫瘍細胞の存在を定量的に計測することができ、それによって投与した制癌剤の効果を定量的に継続して評価することができ、不要な制癌剤の投与、過剰な制癌剤の投与を防ぐことができるのみならず、再発の有無についても検知することができる世界初の手法の実現となる。
特開2003−107099号公報 特開2004−85323号公報 国際公開第2004/101731号パンフレット
Kamarck,M.E., Methods Enzymol. Vol.151, p150-165 (1987) Micro Total Analysis, 98, pp.77-80 (Kluwer Academic Publishers, 1998) Analytical Chemistry, 70, pp.1909-1915 (1998)
臨床現場において、CTCsは癌転移に関して存在を確認する事が重要視されているにも拘わらず、これを癌転移の指標とした診断基準は、現状確立されていない。理由として、それ自体の多様性・希少性のため、採血後の血液から多様な形状を持つがん細胞を、その形状のみからがん細胞であることを特定するためには膨大な形状データベースを構築する必要があり、それゆえ確実に選択的にがん細胞を回収するアルゴリズムを開発することは非常に困難な課題であった。
そのため、特にこれまでは、蛍光標識による血中の癌細胞の標識同定を行っていたが、特定のがんに特異的な蛍光標識を適切に選択できたかどうかについては、これを保証する手法が存在しない。そのため、CTCの計測について、血中がん細胞が存在するにもかかわらず、これを検出することができない「偽陰性」の問題があった。
このような状況に鑑み、本発明者らは、転移能力を持って血中を流れる癌細胞を選択的に回収する方法および装置を提供する。
本発明者らは、血中の正常細胞は、孤立1細胞状態で血中を流れており、それに対して血中がん細胞は、孤立1細胞で血中を流れているものに加えて、細胞集団あるいは細胞塊の状態で血中を流れていることに着目し、血中の細胞が細胞集団あるいは細胞塊であるかどうかを識別し、細胞集団あるいは細胞塊である場合には、選択的にその細胞集団を回収する方法、およびその方法に使用するための細胞分析装置を開発した。
すなわち、本発明は、以下の装置システムおよび方法を提供する。
[1]血液中の癌細胞を選択的に分離・精製する細胞解析装置システムであって、
被験者由来の血液中の細胞を含む試料液を流すための第一の流路、該第一の流路を流れる該試料液中の細胞を検出するための上記第一の流路上の細胞検出領域、上記第一の流路上の上記細胞検出領域の下流に配置された細胞分離領域、および該細胞分離領域の下流で上記第一の流路から分岐する、細胞の選択的回収が行われるための少なくとも2本の分岐流路を含むセルソーターチップと、
上記細胞検出領域を流れる上記細胞に光を照射するための光照射手段および少なくとも200フレーム/秒の画像取り込みレートで上記細胞が孤立細胞状態であるか、あるいは細胞集団状態または細胞塊状態であるかを判別するために画像情報を取得するための高速カメラを含む光学系と、
上記判別の結果に基づいて上記細胞分離領域にて、上記細胞を上記少なくとも2本の分岐流路のうちどちらの流路に誘導して流すかを制御することができる外力を細胞に選択的に印加するための手段と、
を備え、
上記細胞集団または細胞塊の存在が上記血液中での癌細胞の存在を示唆する、細胞解析装置システム。
[2]上記外力が、超音波放射圧、重力、静電力、または誘電電気泳動力である、上記[1]に記載の装置システム。
[3]上記光学系から得られる上記細胞の画像を2値化し、該2値化画像の輝度重心、面積、周囲長、長径、および短径からなる群から選択される少なくとも1つの指標によって、各上記細胞を一細胞レベルで検出し、孤立一細胞であるか、あるいは細胞集団または細胞塊であるかを識別する、上記[1]または[2]に記載の装置システム。
[4]上記細胞試料液中の上記細胞が蛍光標識されており、上記光学系が、蛍光検出手段をさらに含み、上記細胞の蛍光画像の情報が追加的な指標として上記制御・解析部により利用される、上記[3]に記載の装置システム。
[5]血液中の癌細胞の定量解析方法であって、
被験体由来の血液中の細胞を含む試料液を準備する工程と、
前記試料液を、セルソーターチップを用いた細胞分離に供する工程であって、
該細胞分離チップが、
上記試料液を流すための第一の流路、
該第一の流路を流れる該試料液中の細胞を検出するための上記第一の流路上の細胞検出領域、
上記第一の流路上の上記細胞検出領域の下流に配置された細胞分離領域、および
該細胞分離領域の下流で上記第一の流路から分岐する、細胞の選択的回収が行われるための少なくとも2本の分岐流路を含む、工程と、
光照射手段および高速カメラを含む光学系により、上記細胞検出領域を流れる上記細胞に光を照射し、少なくとも200フレーム/秒の画像取り込みレートで細胞の画像を得、それによって、上記画像情報が、上記細胞が孤立細胞状態であるか、あるいは細胞集団状態または細胞塊状態であるかを判別する工程と、
上記判別の結果に基づいて上記細胞分離領域にて外力を細胞に選択的に印加して、上記細胞を上記少なくとも2本の分岐流路のうちいずれかの流路に誘導して流す工程と、
を備え、
上記細胞集団または細胞塊の存在が上記血液中での癌細胞の存在を示唆する、細胞解析方法。
[6]上記外力が、超音波放射圧、重力、静電力、または誘電電気泳動力である、上記[5]に記載の方法。
[7]上記光学系から得られる上記細胞の画像を2値化し、該2値化画像の輝度重心、面積、周囲長、長径、および短径からなる群から選択される少なくとも1つの指標によって、各上記細胞を一細胞レベルで検出し、孤立一細胞であるか、あるいは細胞集団または細胞塊であるかを識別する、上記[5]または[6]に記載の方法。
[8]上記細胞試料液中の上記細胞が蛍光標識されており、上記光学系が、蛍光検出手段をさらに含み、上記細胞の蛍光画像の情報が追加的な指標として上記制御・解析部により利用される、上記[7]に記載の方法。
[9]癌の診断および/または薬物投与計画策定のために使用される、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の装置システム。
[10]癌の診断および/または薬物投与計画策定のために使用される、上記[5]〜[7]のいずれかに記載の方法。
本発明により、体液(例:血液、リンパ液、唾液、尿)中の微量な被検対象の細胞が、クラスター化しているか否か(孤立一細胞であるか否か)を識別することができ、対象細胞のうち細胞集団あるいは細胞塊となっているものを選択的に回収し精製して、その対象細胞の正確な遺伝子情報、発現情報の解析が実現できる。
また、血液中に細胞集団または細胞塊が存在する場合は、それが癌細胞である可能性が高いことから、本発明の装置システムおよび方法は、癌の診断、癌患者に対する薬物投与計画策定等のために用いることができる。
本発明の細胞分析装置システムの細胞分離・精製(セルソーター)モジュールの一例を概念的に示す模式図である。 本発明の細胞分析装置システムの細胞分離・精製(セルソーター)モジュールの光学検出系の一例を概念的に示す模式図である。 回収される細胞集団あるいは細胞塊の形状の例を模式的に示す模式図である。
本発明は、一実施形態において、体液(特に、血液)中の癌細胞を選択的に分離・精製する細胞解析装置システムを提供する。この装置システムは、典型的には、
(1)細胞分離のためのセルソーターチップ、
(2)セルソーターチップの流路を流れる細胞を検出するための光照射手段(例えば、レーザー)およびカメラ(例えば、CCDカメラ)を含む光学系、
(3)セルソーターチップの流路を流れる細胞を分離するために細胞に外力を与えるための手段(例えば、櫛形電極)、ならびに
(4)上記光学系での検出結果に基づいて上記細胞に外力を与えるための手段の動作を制御する制御手段を備える。
なお、上記制御手段は、上記細胞に外力を与えるための手段と一体化していてもよい。
このように、本発明の細胞分析装置によれば、チップ基板上に形成したマイクロ流路を流れる細胞から毎秒1万画像程度の細胞像の画像データを取得して、その画像情報の分析結果に基づいてリアルタイムで細胞集団あるいは細胞塊を最大毎秒1万細胞の時間処理能力で精製回収することができる。
本発明の細胞検出システムにおいて使用されるセルソーターチップは、典型的には、被験体由来の体液細胞を含む試料液を流すための第一の流路、該第一の流路を流れる該試料液中の細胞を検出するための前記第一の流路上の細胞検出領域、前記第一の流路上の前記細胞検出領域の下流に配置された細胞分離領域、および該細胞分離領域の下流で前記第一の流路から分岐した少なくとも2本の分岐流路を備える。
細胞検出領域において、細胞が孤立細胞状態であるか、または細胞集団状態もしくは細胞塊状態であるかが識別できるように、上記光学系において使用されるカメラは、少なくとも200フレーム/秒の画像取り込みレートで画像を取り込むことが可能な高速カメラであることが好ましい。
本発明の細胞分析装置の典型的な実施形態は、上記画像検出型1細胞分離・精製(セルソーター)部の画像に基づいた形状の微細な識別評価によって、細胞が孤立1細胞であるのか、あるいは細胞集団・細胞塊であるのかを判別して、流路によって連続して搬送される細胞試料から、コンタミネーションや操作による消失を最小限に無くするかたちで微量の細胞集団・細胞塊を無染色であっても回収ことができる。
また、本発明の細胞分析装置は、波長350nmから560nmまでの波長の蛍光色素の励起光波長に合わせた特定の狭帯域の波長幅の励起光を標的とする細胞集団に照射する手段と、この励起光によって発する蛍光色素の蛍光の強度を、励起光が重ならない波長帯域で定量的に蛍光計測する手段を具備し、この蛍光計測手段を用いることによって、標的とする細胞集団あるいは細胞塊において、細胞の蛍光標識の有無を1細胞レベルで検出して確認し、蛍光標識された細胞集団あるいは細胞塊を判定して選択的に回収することができる。したがって、本発明の細胞分析装置によれば、従来の散乱光検出型セルソーター技術では識別できなかった指標に基づいて、その集団化の有無の違いに応じて細胞を精密に分離・精製することができる。ここで、蛍光計測する集団で用いる励起光および蛍光の波長は、2つ以上の波長を同時に、それに最適なバンドパスフィルター光学素子を組み込んで互いに重ならない波長域を用いて同時計測することで、複数の細胞状態や種類を特定する標識物それぞれに異なる蛍光色素を付加することで、複数の標識物の標識の有無の組み合わせから各細胞の種類について識別できる。
例えば、血中の正常細胞は、孤立1細胞状態で血中を流れているのに対して、血中がん細胞は、孤立1細胞で血中を流れているものに加えて、細胞集団あるいは細胞塊の状態で血中を流れている。したがって、試料液中での細胞集団または細胞塊の存在が、被験体の血液中での癌細胞の存在を示唆する。
また、画像の検出の結果に基づいて細胞の集団化の有無を判断して分離・精製を行う手段においては、細胞のサイズの違い、細胞の集団数などの情報が画像情報として取得され、その結果に基づいて細胞が精製される。画像取得については、高速カメラが用いられ、高速カメラのシャッター周期に合わせて、光源の発光が調整され、各シャッターが切られる期間のうちの一定の時間だけ光源の光を発光させる。例えば、シャッタースピードが1万分の1秒である場合は、その10分の1の期間だけ、LED光源あるいはパルスレーザー光源等の高速発光制御が可能な光源で対象となる細胞に光を照射することで、細胞試料の集団化の有無などの精細な形状を獲得することができる。
本明細書中、「体液」は、当該分野で通常使用される意味で使用され、それには、血液、リンパ液、唾液、尿、精液などが含まれる。
本発明において検出対象として想定している細胞は、小さいものではバクテリア、大きいものでは動物細胞(例えば、がん細胞)、特にがん細胞においては細胞集団・細胞塊などである。したがって、細胞試料サイズとしては典型的には約0.5μmから約100μm程度の範囲となる。そのため細胞分離機能を組み込んだ流路をバイオチップ基板の一面に形成して細胞濃縮および分離を連続して行う場合に、まず問題になるのが流路幅(断面形状)である。また、流路は基板表面の一つに基板の厚み方向で約10〜約100μmのスペースを使用して、実質2次元平面状に作成することとなる。細胞の大きさからしてバクテリア用では厚み方向で約5〜約10μm、動物細胞用および細胞集団・細胞塊用では厚み方向で約100から約500μmが最も典型的なサイズとなる。
本発明の細胞分析装置システムは、典型的にはバイオチップ内に、細胞を分離精製する機能を持つ細胞分離・精製部(上記(3)および(4)に相当)、そして分離部の前段に分離精製する細胞を識別判断する光学的解析部(上記(2)に相当)を含む。
細胞分離・精製部においては、たとえば細胞が流れている流路の中で、異なる細胞に対して外力をそれぞれ異なる方向に加えて下流の2つに分岐した流路の一方に回収したい細胞を、他方の流路にその他の細胞を誘導することができる。
本発明はもう一つの実施形態において、血液中の癌細胞の定量解析方法を提供する。この方法は、典型的には、
(1)被験体由来の血液中の細胞を含む試料液を準備する工程、
(2)前記試料液を、セルソーターチップを用いた細胞分離に供する工程、
(3)光照射手段および高速カメラを含む光学系により、前記細胞検出領域を流れる前記細胞に光を照射して、所定の画像取り込みレートで細胞の画像を得、それによって、前記画像情報が、前記細胞が孤立細胞状態であるか、あるいは細胞集団状態または細胞塊状態であるかを判別する工程、ならびに
(4)前記判別の結果に基づいて前記細胞分離領域にて外力を細胞に選択的に印加して、前記細胞を前記少なくとも2本の分岐流路のうちいずれかの流路に誘導して流す工程
を備える。
本発明の細胞分析装置システムまたは細胞解析方法において、細胞を画像として捕らえて評価する場合は、流路分岐部分の上流に、例えば、CCDカメラで観測する部位(細胞検出領域)を設け、必要に応じてその下流に細胞分離領域を設ける。画像によらず、流路を通過する細胞にレーザーなどを照射し、細胞を蛍光で修飾している場合はその蛍光を光検出器で検出することもできる。この場合も、検出部の下流に細胞分離領域を設置する構造とすることができる。
細胞分離領域で細胞を分離する場合、細胞分離領域を流れる細胞に外力を加えて細胞を移動させる手段として、例えば、誘電電気泳動力を用いる場合には1対の櫛形電極を設置し、細胞を分離して排出することのできる流路を設けることができる。静電力による場合は、電極に電圧をかけて細胞の流路内での位置変更を行うことができる。このとき、一般に細胞はマイナスにチャージしているのでプラスの電極に向かって動く。あるいは外力として超音波放射圧を用いる場合には、細胞を音圧の節に誘導することができる。
また、本発明では、たとえば試料液のチップ内への導入圧力を、液の移動の駆動力として用いることができる。
細胞認識と分離のアルゴリズムに関しては次のような特徴がある。
細胞を画像として捕らえて評価する場合は流路の細胞検出領域の部分を、例えば、CCDカメラで観測する部位を設け、測定範囲を面に広げ画像認識で細胞の識別を行い、追跡することでより確実な細胞分離を行う。このとき重要なのは、画像の取り込み速度である。一般の30フレーム/秒のビデオレートのカメラでは、画像での細胞取りこぼしが生じる。最低約200フレーム/秒の取り込みレートがあれば、流路中をかなりの速度で流れる細胞を認識できる。
次に画像処理法であるが、取り込みレートが早いということはあまり複雑な画像処理を行うことはできない。まず、細胞認識であるが、前記したとおり、細胞の移動速度や細胞によりまちまちで、場合によっては細胞の追い越しがある。このため、各細胞が最初に画像フレームに現れたときに細胞にナンバリングを施し、以下、画像フレームから消えるまで同一ナンバーで管理を行うこととする。すなわち、連続する複数枚のフレームで細胞像が移動する状況をナンバーで管理する。各フレーム内での細胞は上流側にあったものから順に下流側に移行し、画像中に認識されるナンバリングされた特定細胞の移動速度はある範囲に収まるとの条件でフレーム間の細胞をリンクさせる。このようにすることで、たとえ、細胞の追い抜きがあったとしても各細胞を確実に追跡できるようにする。
これで、細胞の認識が可能となるが、細胞のナンバリングには、まず細胞像を2値化し、その重心を求める。2値化した細胞の輝度重心、面積、周囲長、長径、短径を求め、これらのパラメーターを用いて各細胞をナンバリングする。各細胞像をこの時点で画像として自動保存することも使用者にとって益があるので行えるようにする。
つぎに、細胞分離に使用する場合であるが、ナンバリングした細胞のうち、特定の細胞のみを分離しなくてはならない。分離の指標は上記した輝度重心、面積、周囲長、長径、短径などの情報でもよいし、画像とは別に蛍光検出を行うことを併用して蛍光を利用した情報を得てもよい。いずれにせよ、検出部で得た細胞をナンバリングに従い分離する。具体的には、所定時間毎に取り込まれる前記画像からナンバリングされた細胞の移動速度(V)を計算し、細胞移動速度(V)に対して検出部から選別部までの距離を(L)、印加時間(T)によって、印加タイミングを(L/V)から(L/V+T)までとすることでちょうど目的のナンバーの細胞が電極間に来た時に細胞を電気的に振り分けて分離する。
以下、図面を参照して本発明の実施形態をより詳細に説明するが、これらは単なる例示であって、本発明の範囲がこれらの実施形態に限定されるものではない。
(細胞分析装置のシステム構成)
図1は、本発明の細胞分析装置を用いて血中サンプルの分離を行うセルソーターチップ100の一例を図示したものである。
患者から採取した血液サンプルは、例えば、赤血球細胞を薬剤によって選択的に溶血させるか、あるいは、遠心分離によって最下層に集まる赤血球層を除去して、その上層に残る白血球層のみを回収するなどの方法によって調製する。このように調製した試料液は、細胞サンプルとしてセルソーターチップに矢印101の方向で導入される。
次に、画像検出型1細胞分離精製部では、1次検出として、1細胞レベルでの蛍光標識に基づいた蛍光の発光の有無を確認する。これによって細胞が対象となる細胞かどうかを従来の蛍光を用いた標識技術で確認することができる。そのうえで、蛍光を発して対象となる細胞について、高速カメラによって採取した画像をリアルタイムで分析することで、(1)蛍光を発する細胞が、孤立細胞であるか、あるいは他の細胞との細胞塊となっているかを判別し、また、(2)蛍光を発する細胞が健常な状態であるか、細胞の核と細胞形状が変形しているアポトーシス等の状態となっているかを判別し、目的に応じて、画像から得られ得る情報の解析に基づいて、健常な孤立細胞の回収、血中での細胞集団あるいは細胞塊、あるいはアポトーシスを起こしている細胞の回収を行うことができる。
図2は、上記図1で示した手順を実現する細胞分析装置システム1の光学系の一例を示したものである。
画像検出型1細胞分離・精製モジュールは、光源201、ミラー202、集光レンズ203、ダイクロイックミラー204、フィルター205、蛍光検出用の光検出素子206、高速カメラ207、および散乱光検出用フォトダイオード208から構成される光学系、ならびに細胞試料を導入するセルソーターチップ100から構成されている。図2のモジュールでは、セルソーターチップ209を通過する細胞に対して、パルスレーザーや高輝度LED光源などの光源201、細胞の通過を散乱光で検出するフォトダイオードなどの光検出素子208、蛍光を検出するフォトマルチプライヤーなどの高感度光検出素子206、高速カメラ207などで同時に複数の情報を検出することが出来るようになっている。そして、光源の照射光については、連続光を照射しても良いが、ブレの無いより画像の空間分解能を高めるために、高速カメラ207のシャッター周期に同期して、パルス光を発生させることで、より短時間の光照射で、より項時間分解能の像を取得することが出来る構成となっている。
ここで、画像による処理と、蛍光あるいは散乱光による処理とを併用してもよいことは言うまでもない。また、高速カメラ207で得られた画像データはコンピュータ50のモニターに表示して、使用者の観察に供することもできる。また、観察したい蛍光が複数の場合には、フィルター205を適切に調整し、複数の励起光を透過させるとともに、下段での蛍光検出のための蛍光波長に重ならない波長を選んで、細胞に光を照射し、観察したい蛍光の種類に合わせてダイクロイックミラー204から、フィルター205、蛍光検出器206までの装置を付加したものを複数組み合わせれば良い。また、この構成を用いることで、細胞像についての蛍光観察結果をデータとして用いることもできる。
細胞認識と分離のアルゴリズムに関しては次のような特徴がある。
細胞を画像として捕らえて評価する場合は合流後の流路部分をCCDカメラで観測する部位を設け、測定範囲を面に広げ画像認識で細胞の識別を行い、追跡することでより確実な細胞分離を行う。このとき重要なのは、画像の取り込み速度である。一般の30フレーム/秒のビデオレートのカメラでは、画像での細胞取りこぼしが生じる。最低200フレーム/秒の取り込みレートがあれば、流路中をかなりの速度で流れる細胞を認識できる。
次に画像処理法であるが、取り込みレートが早いということはあまり複雑な画像処理を行うことはできない。まず、細胞認識であるが、前記したとおり、細胞の移動速度や細胞によりまちまちで、場合によっては細胞の追い越しがある。このため、各細胞が最初に画像フレームに現れたときに細胞にナンバリングを施し、以下、画像フレームから消えるまで同一ナンバーで管理を行うこととする。すなわち、連続する複数枚のフレームで細胞像が移動する状況をナンバーで管理する。各フレーム内での細胞は上流側にあったものから順に下流側に移行し、画像中に認識されるナンバリングされた特定細胞の移動速度はある範囲に収まるとの条件でフレーム間の細胞をリンクさせる。このようにすることで、たとえ、細胞の追い抜きがあったとしても各細胞を確実に追跡できるようにする。
これで、細胞の認識が可能となるが、細胞のナンバリングには、まず細胞像を2値化し、その重心を求める。2値化した細胞の輝度重心、面積、周囲長、長径、短径を求め、これらのパラメーターを用いて各細胞をナンバリングする。各細胞像をこの時点で画像として自動保存することも使用者にとって益があるので行えるようにする。
次に、細胞分離に使用する場合であるが、ナンバリングした細胞のうち、特定の細胞のみを分離しなくてはならない。分離の指標は上記した輝度重心、面積、周囲長、長径、短径などの情報でもよいし、画像とは別に蛍光検出を行うことを併用して蛍光を利用した情報を得てもよい。いずれにせよ、検出部で得た細胞をナンバリングに従い分離する。具体的には、所定時間毎に取り込まれる前記画像からナンバリングされた細胞の移動速度(V)を計算し、細胞移動速度(V)に対して検出部から選別部までの距離を(L)、印加時間(T)によって、印加タイミングを(L/V)から(L/V+T)までとすることでちょうど目的のナンバーの細胞が電極間に来た時に細胞を電気的に振り分けて分離する。
細胞の分離精製についての構成の一例は以下のとおりである。入れられた試料溶液中の細胞の濃縮から配列、精製までを平面チップ上に2次元に展開して配置された一連の微細加工された流路と、チップに組み込まれた細胞に力を作用させる手段からなる。
細胞分離精製モジュールはセルソーターチップ100を用いて構成されている。チップ基板の内部にマイクロ流路102を、上面にこの流路に連通する開口を設け、試料や必要な緩衝液(培地)の供給口とする。流路の作成はPMMAなどのプラスチックを金型に流し込むいわゆる射出成型で作成することで作成することもできるし、あるいは、複数のガラス基板を接着することで作成することもできる。チップのサイズは、例えば50×70×1mm(t)であるがこれに限定されない。チップの内面に刻まれた溝や貫通穴を流路やウェルを流れる細胞を、高倍率の光学顕微鏡で観察できるように、PMMAプラスチックを用いた場合には、例えば、0.1mm厚のラミネートフィルムを熱圧着して用いており、また、ガラスの場合は同様に0.1mmのガラスを光学接着することで用いている。例えば、開口数1.4、倍率100倍の対物レンズを用いて、0.1mmのラミネートフィルムを通して流路内を流れる細胞を観察できる。プラスチックの場合、プラスチックを透光性の高いものとすれば、チップ基板100の上面側からも観測できる。また、本発明で想定している細胞は、小さいものではバクテリア、大きいものでは動物細胞でがん細胞のようなものであり、さらにこれらの細胞集団あるいは細胞塊となる。したがって、細胞試料サイズとしては典型的には0.5μmから500μm程度の広い範囲となるが、厳密にこの範囲に限定されるわけではなく、本発明が有効に使用される限り任意のサイズの細胞が使用されうる。細胞濃縮と細胞分離を基板の一面に組み込んだ流路を用いて連続して行おうとすると、まず問題になるのが流路幅(断面形状)である。また、流路102はチップ100表面の一つに基板の厚み方向で典型的には10〜500μm内外のスペースに実質2次元平面状に作成することとなる。細胞の大きさからしてバクテリア用では厚み方向で5〜10μm、動物細胞用および細胞集団・細胞塊用では厚み方向で10から500μmが適当なサイズとなる。
チップ100上で、まず、試料溶液は、流入口からシリンジポンプあるいは、空気圧などの脈流が発生しない、細胞導入手段によってマイクロ流路102に導入される。マイクロ流路に導入された細胞を含む試料液は、細胞選別部の前段に配置された細胞検出領域において、細胞を計測して、その各細胞の種類を判定した後に、上流から下流への流れに垂直な方向への外力を加えることの有無によって、細胞選別部分岐部において分岐する2つの流域である第一の流出口105と第二の流出口106のいずれかに誘導するものとなる。
図3に、血中で孤立細胞として流れる健全な細胞試料301、302と、がん細胞等の細胞集団あるいは細胞塊として血中を流れる細胞試料303、304との識別の指標の一例を示す。血中では、健全な細胞は孤立1細胞の状態で存在しており、その形状の画像取得による2次元形状は、円形あるいは楕円形となる。他方、がん細胞等の細胞集団あるいは細胞塊となっている細胞試料は、サイズが孤立1細胞より大きなことが指標の一つとなることは当然であるが、さらに、その2次元像については、細胞が結合していることから、円形あるいは楕円形から外れた形状となっている。したがって、取得した細胞試料の画像から、これらの細胞試料が、どの程度のサイズであるか、そして、その形状が、どの程度、円形、あるいは楕円形から外れているかを定量的に計測することによって、細胞試料が細胞集団、あるいは細胞塊であるかを判別することができる。
本発明は、血中の微量な対象細胞を細胞が集団化しているかどうかという指標で分離精製して、その対象細胞の正確な遺伝子情報、発現情報の解析、再培養等を行うために有用である。
また、血液中に細胞集団または細胞塊が存在する場合は、それが癌細胞である可能性が高いことから、本発明の装置システムおよび方法は、癌の診断、癌患者に対する薬物投与計画策定等のために有用である。
100 セルソーターチップ
101 細胞サンプルの導入路
102 流路
103 外力発生器
104 外力の向き
105 回収細胞の流れ(1)
106 回収細胞の流れ(2)
201 レーザー
202 ミラー
203 集光レンズ
204 ダイクロイックミラー
205 フィルター
206 蛍光検出用フォトマルチプライヤー
207 高速カメラ
208 前方散乱光検出用フォトダイオード
301、302 正常血中孤立1細胞
303、304 異常血中細胞集団、細胞塊

Claims (8)

  1. 血液中の癌細胞を選択的に分離・精製する細胞解析装置システムであって、
    被験者由来の血液中の細胞を含む試料液を流すための第一の流路、該第一の流路を流れる該試料液中の細胞を検出するための前記第一の流路上の細胞検出領域、前記第一の流路上の前記細胞検出領域の下流に配置された細胞分離領域、および該細胞分離領域の下流で前記第一の流路から分岐する、細胞の選択的回収が行われるための少なくとも2本の分岐流路を含むセルソーターチップと、
    前記細胞検出領域を流れる前記細胞に光を照射するための光照射手段および少なくとも200フレーム/秒の画像取り込みレートで前記細胞が孤立細胞状態であるか、あるいは細胞集団状態または細胞塊状態であるかを判別するために画像情報を取得するための高速カメラを含む光学系と、
    前記判別の結果に基づいて前記細胞分離領域にて、前記細胞を前記少なくとも2本の分岐流路のうちどちらの流路に誘導して流すかを制御することができる外力を細胞に選択的に印加するための手段と、
    を備え、
    前記細胞集団または細胞塊の存在が前記血液中での癌細胞の存在を示唆する、細胞解析装置システム。
  2. 前記外力が、超音波放射圧、重力、静電力、または誘電電気泳動力である、請求項1に記載の装置システム。
  3. 前記光学系から得られる前記細胞の画像を2値化し、該2値化画像の輝度重心、面積、周囲長、長径、および短径からなる群から選択される少なくとも1つの指標によって、各前記細胞を一細胞レベルで検出し、孤立一細胞であるか、あるいは細胞集団または細胞塊であるかを識別する、請求項1または2に記載の装置システム。
  4. 前記細胞試料液中の前記細胞が蛍光標識されており、前記光学系が、蛍光検出手段をさらに含み、前記細胞の蛍光画像の情報が追加的な指標として前記制御・解析部により利用される、請求項3に記載の装置システム。
  5. 血液中の癌細胞の定量解析方法であって、
    被験体由来の血液中の細胞を含む試料液を準備する工程、
    前記試料液を、セルソーターチップを用いた細胞分離に供する工程であって、
    該細胞分離チップが、
    前記試料液を流すための第一の流路、
    該第一の流路を流れる該試料液中の細胞を検出するための前記第一の流路上の細胞検出領域、
    前記第一の流路上の前記細胞検出領域の下流に配置された細胞分離領域、および
    該細胞分離領域の下流で前記第一の流路から分岐する、細胞の選択的回収が行われるための少なくとも2本の分岐流路を含む、工程、
    光照射手段および高速カメラを含む光学系により、前記細胞検出領域を流れる前記細胞に光を照射し、少なくとも200フレーム/秒の画像取り込みレートで細胞の画像を得、それによって、前記画像情報が、前記細胞が孤立細胞状態であるか、あるいは細胞集団状態または細胞塊状態であるかを判別する工程と、
    前記判別の結果に基づいて前記細胞分離領域にて外力を細胞に選択的に印加して、前記細胞を前記少なくとも2本の分岐流路のうちいずれかの流路に誘導して流す工程と、
    を備え、
    前記細胞集団または細胞塊の存在が前記血液中での癌細胞の存在を示唆する、細胞解析方法。
  6. 前記外力が、超音波放射圧、重力、静電力、または誘電電気泳動力である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記光学系から得られる前記細胞の画像を2値化し、該2値化画像の輝度重心、面積、周囲長、長径、および短径からなる群から選択される少なくとも1つの指標によって、各前記細胞を一細胞レベルで検出し、孤立一細胞であるか、あるいは細胞集団または細胞塊であるかを識別する、請求項5または6に記載の方法。
  8. 前記細胞試料液中の前記細胞が蛍光標識されており、前記光学系が、蛍光検出手段をさらに含み、前記細胞の蛍光画像の情報が追加的な指標として前記制御・解析部により利用される、請求項7に記載の方法。
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