JP2011255790A - 車両存在報知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウーファ並の大型ダイナミックスピーカを車両に搭載させることなく、且つパラメトリックスピーカの問題点である近距離における低音不足を抑えて、実エンジン音に近い擬似エンジン音を発生させる。
【解決手段】既存の電磁式の車両用ホーン4をダイナミックスピーカとして利用し、車両用ホーン4から擬似エンジン音を発生させて、パラメトリックスピーカ1の低音不足を、車両用ホーン4の発生する擬似エンジン音で補う。これにより、ウーファ並の大型ダイナミックスピーカを車両に搭載することなく、実エンジン音に近い擬似エンジン音を発生させることができる。また、車両が歩行者に接近することで、歩行者に聞こえる擬似エンジン音の音色と音質が変化するため、車両の接近を歩行者が気付き易くなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、実際のエンジン音(以下、実エンジン音)に似せた擬似エンジン音によって車両の存在を周囲に知らせる車両存在報知装置に関するものであり、特に、電気自動車、燃料電池車両、ハイブリッド車両など、通電により回転動力を発生する電動モータによって走行が可能な車両に用いて好適な技術に関する。
なお、本願発明における「車両用ホーン」は、車両に搭載されて警報音を発生する「警報機(クラクション)の総称」であって、「ホーン部材(角笛を語源とするラッパ部材)を有しない車両用の警報機」を含むものである。
電動モータで走行する車両など車両走行音の小さい車両は、歩行者が車両に気が付き難いという不具合がある。
そこで、車両に取り付けたダイナミックスピーカ(可聴音を直接放射するスピーカ)から車両の外部に向けて「擬似エンジン音」を発生させて、車両周囲に車両の存在を知らせる提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
実エンジン音に特有の周波数範囲は、約250Hz〜4kHzほどの範囲である。
このため、擬似エンジン音を、実際のエンジン音(実エンジン音)に似せようとした場合は、擬似エンジン音の約250Hz〜4kHzの範囲を、実エンジン音と略同等の周波数レベルに合致させることが要求される。
そこで、ダイナミックスピーカを用いて、実エンジン音と略同等の周波数レベルの擬似エンジン音を発生させることが考えられる。その場合、擬似エンジン音の800Hz以下の低音範囲を再生するために、「ウーファなど大型のコーン型振動板を用いたダイナミックスピーカ」を車両に搭載することが考えられる。
しかし、(A1)「大型のコーン型振動板を用いたダイナミックスピーカ」を車両に搭載する場合には、車両への搭載が困難になるとともに、車重の増加、コストアップ等の不具合が生じてしまう。
一方、ダイナミックスピーカを用いる技術ではなく、パラメトリックスピーカを用いて擬似エンジン音を車外に発生させて、車両の存在を知らせる技術が提案されている(周知の技術ではない)。
パラメトリックスピーカによる擬似エンジン音の発生技術は、「擬似エンジン音の波形信号」を超音波変調して超音波スピーカから放射させるものであり、超音波スピーカから放射された超音波(耳に聞こえない音波)に含まれる振幅成分が伝播途中の空気中で自己復調されることで、車両から離れた場所で擬似エンジン音を発生させるものである。
このように、パラメトリックスピーカであれば、超音波を放射させて、超音波に含ませた振幅成分によって低音を発生させることができる。
このため、パラメトリックスピーカを用いることによって、上記(A1)の不具合を回避することができる。
しかし、パラメトリックスピーカによって再生される低音は、波長が長いために空気中での自己復調に遅れが生じるとともに、ダイナミックスピーカで再生される低音とは異なり、低周波といえど指向性(音の直進性)が強い。
このため、(A2)超音波スピーカに近い範囲では、人の外耳(耳穴)の向く方向の影響により、人が感知する周波数の音圧が、図12の実線Aに示すように、周波数が下がるに従って低下してしまう。
なお、図12の実線Aは、ダミーへッド(人の頭部に似せたもの)におけるダミー外耳の奥部にマイクの検音部をセットして、パラメトリックスピーカによる再生音を検出した際の周波数特性である。
また、図12の破線Bは比較のための周波数特性であり、ダミーへッドを用いずに、パラメトリックスピーカによる再生音を直接マイクで検出した際の周波数特性である。
この実線Aと破線Bを比較して明らかなように、外耳の影響により、低音域においては、周波数が下がるに従って人が感知する低周波の音圧が低下してしまう。
このように、パラメトリックスピーカを用いる場合では、上記(A2)によって、車両に近い範囲では、パラメトリックスピーカによって再生される擬似エンジン音の低音不足が生じ、結果的にパラメトリックスピーカによる擬似エンジン音を、実エンジン音と略同等の周波数レベルに合致させることの妨げとなっている。
特開2005−289175号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、低音再生を得意とする「ウーファ並の大型のコーン型振動板を用いたダイナミックスピーカ」を車両に搭載することなく、且つパラメトリックスピーカの抱える問題点である「車両に近い範囲における擬似エンジン音の低音不足」を抑えて、実エンジン音に近い擬似エンジン音を発生させることのできる車両存在報知装置の提供にある。
〔請求項1の手段〕
請求項1の手段を採用する車両存在報知装置は、自励電圧を与えることで警報音を発生する既存構造よりなる電磁式の車両用ホーンを、他励電圧(自励電圧より低い電圧)による電気信号(擬似エンジン音を成す電気信号)によって駆動する。
電磁式の車両用ホーンは、他励電圧以下では、磁力発生用のコイルをON−OFFさせる可動接点が固定接点に接しているため、磁力発生コイルに与えられる「擬似エンジン音を成す電気信号」に応じて磁力変化が生じ、可動鉄心とともに振動板が「擬似エンジン音を成す電気信号」に応じて振動して「擬似エンジン音」を発生する。
即ち、電磁式の車両用ホーンに、他励電圧よりなる「擬似エンジン音を成す電気信号」を与えることで、「電磁式の車両用ホーンをダイナミックスピーカ」として利用することができる。
(第1の効果)
このように、「パラメトリックスピーカ」と「ダイナミックスピーカとして利用される車両用ホーン」とを組み合わせることで、パラメトリックスピーカの抱える「車両に近い範囲での低音不足」を、「ダイナミックスピーカとして利用する車両用ホーン」で補うことができる。
このため、低音再生を得意とする「大型のコーン型振動板を用いたダイナミックスピーカ」を車両に搭載することなく、車両に近い範囲であっても擬似エンジン音の低音不足を抑えて、実エンジン音に近い擬似エンジン音を発生させることができる。
また、パラメトリックスピーカの「低音不足」を補う手段として「既存構造の車両用ホーン」を用いるため、コストを抑え、且つ車両搭載性を確保することができる。
特に、後述する請求項5に示すように、ホーンスイッチによって警報音を発生する車両用ホーンを共用することで、「低音不足」を補う機材を別途搭載する必要がなく、コストを抑え、且つ搭載スペースの確保を容易に行なうことができる。
(第2の効果)
歩行者と車両(超音波スピーカ)の距離が近づくに従い、「車両用ホーンによる擬似エンジン音の低音」が増える。
これによって、車両が歩行者に近づくことにより、「車両用ホーンによって再生される低音」が増大し、歩行者に聞こえる擬似エンジン音の音色が変化する。
このように、車両が歩行者に近づくことで擬似エンジン音における低音域が増えて、擬似エンジン音の「音色」が変化するため、歩行者に擬似エンジン音を気付き易くすることができ、高確率で車両の存在を歩行者に知らせることができる。
〔請求項2の手段〕
パラメトリックスピーカによる擬似エンジン音は、直進性が強い。
このため、パラメトリックスピーカによる擬似エンジン音が、歩道等に存在する反射物(例えば、看板等)によって反射した場合、歩行者に聞こえる擬似エンジン音は、車両とは異なる方向から聞こえてしまう。即ち、超音波の反射による誤認識が生じてしまう。
この問題点を解決するために、請求項2の手段の車両存在報知装置は、車両用ホーンと、パラメトリックスピーカにおける超音波スピーカとを、隣接(接近)して配置するものである。
このように、車両用ホーンと超音波スピーカを接近して配置することにより、「超音波の反射により誤認識が生じる領域」と「車両用ホーンによる擬似エンジン音」とが重なる範囲を大きくすることができる。
そして、「超音波の反射により誤認識が生じる領域」と「車両用ホーンによる擬似エンジン音」とが重なる範囲では、「車両用ホーンによる擬似エンジン音」も歩行者に聞こえるため、超音波の反射による誤認識を抑えることができる。
〔請求項3の手段〕
請求項3の手段の車両存在報知装置は、車両の走行速度が所定速度以下の場合(低速走行時)に、超音波スピーカの発生する超音波の指向性を広げる超音波指向性拡張手段を備えるものである。
これにより、広い範囲の歩行者に対して擬似エンジン音を発生させることができ、低速走行時における車両の報知範囲を広げることができる。
〔請求項4の手段〕
請求項4の手段の車両存在報知装置は、超音波指向性拡張手段が超音波スピーカの指向性を広げる場合に、「車両用ホーンによる擬似エンジン音」の届く範囲を広げる目的で、車両用ホーンの発生する擬似エンジン音の音圧を高めるものである。
これにより、請求項3の手段で拡張された「超音波の反射により誤認識が生じる領域」と「車両用ホーンによる擬似エンジン音」とが重なる範囲を大きくすることができ、拡張された超音波の反射による誤認識を抑えることができる。
〔請求項5の手段〕
請求項5の手段の車両存在報知装置における車両用ホーンは、車両乗員によって操作されるホーンスイッチがオンされることで自励電圧が与えられて警報音を発生するものである。
このように、「警報音を発生する車両用ホーン」と「擬似エンジン音を発生する車両用ホーン」とを共用させることで、車両存在報知装置のコストを抑えることができるとともに、擬似エンジン音を発生する車両用ホーンの搭載スペースの確保を容易に行なうことができる。
車両存在報知装置の概略構成図である。 車両用ホーンの具体的な一例を示す断面図である。 車両用ホーンを自励により作動させた場合、および他励により作動させた場合の周波数特性を示すグラフである。 超音波スピーカの正面図および上視図である。 擬似エンジン音の到達分布を示す説明図である。 擬似エンジン音の説明図である。 パラメトリックスピーカの原理説明図である。 実エンジン音、コーン型のダイナミックスピーカによる擬似エンジン音、パラメトリックスピーカによる擬似エンジン音、パラメトリックスピーカと他励による車両用ホーンによる擬似エンジン音の周波数特性を示すグラフである。 歩行者と車両との距離の違いによる擬似エンジン音の周波数特性を示すグラフである。 「パラメトリックスピーカによる擬似エンジン音の到達領域」と「超音波の反射により誤認識が生じる領域」を示す説明図、および「超音波の反射により誤認識が生じる領域」と「車両用ホーンによる擬似エンジン音の到達領域」を示す説明図である。 「低速時におけるパラメトリックスピーカによる疑似エンジン音の到達領域」と「低速時における車両用ホーンによる擬似エンジン音の到達領域」と「低速時における超音波の反射により誤認識が生じる領域」を示す説明図である。 外耳の影響によりパラメトリックスピーカの低音域が低下することを説明する周波数特性を示すグラフである。
図面を参照して車両存在報知装置を実施するための形態を説明する。
車両存在報知装置は、車外へ向けて擬似エンジン音を発生させて、車両Sの存在を車両Sの周囲に知らせるものであり、擬似エンジン音を超音波変調してなる超音波を車外へ向けて放出するパラメトリックスピーカ1を備える。
また、車両存在報知装置は、直流で閾値以上の自励電圧(例えば、8V以上)が与えられることによって磁力の断続が発生して可動鉄心2が振動し、この可動鉄心2に結合された振動板3が可動鉄心2とともに振動することで警報音を発生する車両用ホーン4を用いるものであり、この車両用ホーン4に「自励電圧より低い他励電圧(例えば、8V未満)による擬似エンジン音を成す電気信号」を与えて、車両用ホーン4からも擬似エンジン音を発生させる。
次に、車両存在報知装置の具体的な一例を、図1〜図10を参照して説明する。なお、この実施例1において、上記「発明を実施するための形態」と同一符号は同一機能物を示すものである。
〔実施例1の構成〕
この実施例1の車両存在報知装置は、図1に示すように、既存構造よりなる電磁式の車両用ホーン4と、超音波を放射可能な超音波スピーカ5と、車両用ホーン4および超音波スピーカ5の作動制御を行なう本体装置6とを備える。
(車両用ホーン4の説明)
車両用ホーン4は、車外へ向けて警報音を発生する周知構造の電磁式の警報音発生機であり、警報音を車外へ向けて放出するように車両Sの例えば前部等に装着されるものである。
車両用ホーン4の具体的な一例を図2を参照して説明する。
車両用ホーン4は、ステー11を介して車両Sに取り付けられるものであり、
通電により磁力を発生するコイル12と、
コイル12の発生する磁力により磁気吸引力を発生する固定鉄心(磁気吸引コア)13と、
振動板(ダイヤフラム)3の中心部に支持されて固定鉄心13に向かって移動可能に支持される可動鉄心(可動コア)2と、
この可動鉄心2の移動に連動し、可動鉄心2が固定鉄心13に向かって移動することにより固定接点14から離れてコイル12の通電を遮断する可動接点15と、
を備える。
そして、車両用ホーン4の通電端子に直流で閾値以上の自励電圧(8V以上の電圧)が与えられることによって、
(i)コイル12の通電により可動鉄心2が固定鉄心13に磁気吸引される吸引動作と、
(ii)この吸引動作によって固定接点14から可動接点15が離れてコイル12の通電が停止して可動鉄心2と可動接点15が元に戻る復元動作と、
を連続して繰り返す。
このように、コイル12の通電の断続(固定鉄心13の磁気吸引力の発生の断続)が発生することで可動鉄心2とともに振動板3が振動することで車両用ホーン4が警報音を発生する。
車両用ホーン4は、警報音の基音周波数が400Hz前後の低い周波数に設定される場合が多く、小型であっても低周波を発生可能に設けられている。
車両用ホーン4の発生する警報音(自励電圧が与えられた場合の作動音)の周波数特性を図3の実線Aに示す。この図3の実線Aから明らかなように、車両用ホーン4の発生する警報音(自励電圧が与えられた場合の作動音)は、基音周波数(可動接点15のON−OFF間隔で設定される周波数)と、その倍音周波数とで構成される。
なお、図2(a)の車両用ホーン4は、振動板3の振動によるホーン部材(図面では渦巻状のラッパ部材)16によって増強させて車外へ放出されるものである。また、図2(b)の車両用ホーン4は、振動板3の振動による警報音によって共振板17を共振させ、その共振音によって増強された警報音を車外へ放出させるものである。
以下では、具体的な一例として、ホーン部材16(ラッパ部材)を備えた車両用ホーン4を用いて実施例を説明するが、限定されるものではない。
(超音波スピーカ5の説明)
超音波スピーカ5は、発生する超音波を車両Sの前方に向けて放出するように、上述した車両用ホーン4と同様、車両Sの例えば前部等に装着されるものであり、車両用ホーン4に隣接(接近)した位置に取り付けられるものである。
超音波スピーカ5の具体的な構造例を図4に示す。なお、図4に示す超音波スピーカ5の構造は一例であって、限定されるものではない。
超音波スピーカ5は、人間の可聴帯域よりも高い周波数(20kHz以上)の空気振動を発生させる超音波発生器である。
この実施例の超音波スピーカ5は、超音波再生に適した圧電スピーカ(セラミックスピーカ、ピエゾスピーカ等)21を複数配置してスピーカアレイとして用いたものである。 なお、この実施例に用いられる圧電スピーカ21は、印加電圧(充放電)に応じて伸縮するピエゾ素子と、このピエゾ素子の伸縮によって空気に振動を与える振動板3とを備えて構成される周知構造のものである。
超音波スピーカ5は、使用する圧電スピーカ21の数と配置により、発生する超音波のエネルギー量と、圧電スピーカ21から放出される超音波の指向範囲とをコントロールすることができる。また、図4に示す指向コントロール部材(ホーン部材)22を用いることによっても、超音波の指向範囲をコントロールすることができる。
なお、この実施例では、超音波を発生するスピーカの一例として圧電スピーカ21を用いる例を示すが、これは一例であって限定されるものではなく、超音波を再生可能であれば他の形式の超音波発生手段を用いても良い。
ここで、図5(a)においてパラメトリックスピーカ1による擬似エンジン音の到達範囲αを示し、図5(b)において車両用ホーン4による擬似エンジン音の到達範囲βを示す。なお、図5は、擬似エンジン音の音圧が50dBの到達範囲を示すものである。
このように、この実施例1の超音波スピーカ5は、超音波を車両Sの前方へ向けて放射するように設けられている。
また、車両用ホーン4は、車両Sを上から見て、擬似エンジン音が車両用ホーン4の周囲に均等に届くように設けられている。具体的な一例として、車両用ホーン4におけるホーン部材16の開口が、車両Sの下方(路面に向く方向)に向けられて取り付けられるものである。なお、ホーン部材16の開口の方向は、限定されるものではない。
(本体装置6の説明)
次に、車両用ホーン4および超音波スピーカ5から擬似エンジン音を発生させる本体装置6を説明する。なお、以下に説明する本体装置6の構成は、一例であって限定されるものではない。
本体装置6は、
(a)擬似エンジン音を成す周波数信号を作成する擬似エンジン音作成部23と、
(b)擬似エンジン音の周波数信号を超音波周波数に変調する超音波振幅変調部24と、
(c)変調された超音波周波数によって超音波スピーカ5を駆動する超音波スピーカアンプ25と、
(d)擬似エンジン音の周波数信号(擬似エンジン音を成す電気信号)によって車両用ホーン4を駆動するホーン駆動アンプ26(パワーアンプ)とを備える。
そして、本体装置6は、例えばECU(エンジン・コントロール・ユニットの略)等から作動信号(擬似エンジン音の発生指示信号)が与えられることによって作動するものである。
また、本体装置6は、車載バッテリ等の車載電源に接続されて本体装置6に搭載される各回路(電気的機能部品)の作動に必要な電力の供給を行なう電源部(図示しない)を搭載するものである。
なお、本体装置6は、車両Sの環境騒音、あるいは車速に基づいて車両用ホーン4および超音波スピーカ5の出力レベル(音量)を自動調整する手段(図示しない)など、他の機能を搭載するものであっても良い。
以下において、本体装置6に搭載される上記(a)〜(d)の手段を説明する。
(擬似エンジン音作成部23の説明)
擬似エンジン音作成部23は、演算処理を行なうCPU、プログラムを保存する記憶手段(メモリ)、入力回路、出力回路などを含む周知構造のコンピュータによって構成される。記憶手段には、デジタル技術によって「擬似エンジン音を成す電気信号」を作成するエンジン音生成プログラム(音響ソフト)が記憶されている。
エンジン音生成プログラムの一例を説明する。なお、以下に説明するエンジン音生成プログラムは、具体的な一例であって限定されるものではない。
本実施例のエンジン音生成プログラムは、コンピュータが搭載する基準クロック(水晶発振器)の発生するクロック信号に基づき擬似エンジン音を成す周波数信号(波形信号)を作成するものであり、
(i)所定周波数(例えば、1Hz〜10Hzの間から選ばれた選択周波数)を「AHz」とし、
(ii)「AHz」の間隔で連続する多数の周波数信号を同時に発生させて擬似エンジン音を作成するものである。
具体的な一例として、この実施例では、「AHz」として「4Hz」の固定周波数を用いる例を示す。なお、「4Hz」は具体的な一例であって、例えば2倍の「8Hz」を用いても良い。あるいは、小数点を含む固定周波数(例えば、「3.5Hz〜4.5Hz」または「7.5Hz〜8.5Hz」の間から選んだ周波数)を用いても良い。
また、この実施例において擬似エンジン音を成す周波数信号は、上述したように「AHz(4Hz)」の間隔で連続する多数の周波数信号によって構成されるものであるが、擬似エンジン音を成す多数の周波数信号のうちの「一部の周波数信号」を部分的に間引するものであっても良い。即ち、4Hz間隔の周波数信号が部分的に欠如するものであっても良い。
一方、エンジン音生成プログラムには、「4Hzの間隔で連続する多数の周波数信号(擬似エンジン音を成す周波数信号)」を、「所定の周波数範囲内のみ」で発生させる周波数範囲特定手段(プログラム)が設けられている。
ここで、「所定の周波数範囲」の選択例を説明する。
実エンジン音の周波数特性が、図6(a)の実線Eの特性を示す場合、人の耳に聞こえているエンジン音の周波数範囲は、「最大音圧から−10dB下がった音圧」までの「主要周波数L(Δ10dB内の周波数範囲)」であり、「主要周波数L」から外れた音(音圧の低い音)は、「主要周波数L」の音にマスキングされてほとんど認識されなくなる。
そこで、エンジン音生成プログラムは、人の耳にはエンジン音のうちの「主要周波数L」だけが聞こえることを利用して、図6(b)に示すように、「4Hzの間隔で連続する多数の周波数信号(擬似エンジン音を成す周波数信号)」を、「主要周波数Lのみ」で発生させるように設けられている。
このことを具体的に説明する。
擬似エンジン音を「特定車種の実エンジン音」に似せる場合、「特定車種の実エンジン音」を測定する。
測定エンジン音における「最大音圧から−10dB下がった音圧までの周波数範囲」を測定する。この測定範囲が上述した「主要周波数L」である。この主要周波数Lは、人間の音感度の高い周波数範囲(約250Hz〜4kHz)にほぼ合致する。このため、エンジン音生成プログラムは、図6(b)に示すように、「擬似エンジン音を成す周波数信号」を、「250Hz〜4kHz(主要周波数L)」のみで発生するように設けられている。
さらに、このエンジン音生成プログラムには、「4Hzの間隔で連続する多数の周波数信号(擬似エンジン音を成す周波数信号)」の周波数特性を加工(特徴付け)する周波数特性加工手段(プログラム)が設けられている。
擬似エンジン音を「特定車種の実際のエンジン音」に似せる場合、特定車種のエンジン音の周波数特性が、図6(a)の実線Eの特性を示したとする。
その場合、特定車種の周波数特性{図6(a)の実線Eの特性}に合致するように、「擬似エンジン音を成す周波数信号」の周波数特性(多数の周波数信号のそれぞれの音圧レベルが描く特性)を、図6(c)の破線Eに示す周波数特性に加工するものである。
(超音波振幅変調部24の説明)
超音波振幅変調部24は、超音波周波数(即ち、20kHzを超える周波数:一例としては25kHz等)で発振可能な超音波発振器を備えており、擬似エンジン音作成部23が出力する波形信号(擬似エンジン音を成す電気信号)の「電圧の増減変化」を、超音波周波数の「発振電圧の振幅変化」に変調するものである。
なお、この実施例では、理解補助のために、超音波振幅変調部24を独立して設ける例を示すが、上述したコンピュータのプログラム中に、超音波振幅変調部24の機能を盛り込んでも良い。
超音波振幅変調部24による超音波変調(「擬似エンジン音を成す周波数信号」を「発振電圧の振幅変化」に変調すること)を、図7を参照して説明する。
例えば、超音波振幅変調部24に入力された「擬似エンジン音を成す周波数信号」が、図7(a)に示す電圧変化であるとする(なお、図中では理解補助のために単一周波数の波形を示すが、実際には4Hz間隔の合成周波数の信号波形である)。
一方、超音波振幅変調部24の搭載する超音波発振器は、図7(b)に示す超音波周波数で発振するものとする。
すると、超音波振幅変調部24は、図7(c)に示すように、
(i)擬似エンジン音を成す周波数の信号電圧が大きくなるに従い、超音波振動による電圧の振幅を大きくし、
(ii)擬似エンジン音を成す周波数の信号電圧が小さくなるに従い、超音波振動による電圧の振幅を小さくする。
このようにして、超音波振幅変調部24は、擬似エンジン音作成部23から入力された「擬似エンジン音を成す周波数信号」を、超音波周波数の「発振電圧の振幅変化」に変調するものである。
なお、この実施例では、超音波振幅変調部24の一例として、擬似エンジン音を成す周波数の信号電圧の変化を、図7(c)に示すように「電圧の大きさの幅」に変化させる例を示した。これに対し、この図7(c)とは異なり、擬似エンジン音を成す周波数の信号電圧の変化を、PWM変調の技術を用いて「電圧の発生時間の幅」に変化させるように設けても良い。
(超音波スピーカアンプ25の説明)
超音波スピーカアンプ25は、「擬似エンジン音を成す周波数信号を振幅変調した超音波信号(超音波振幅変調部24の出力信号)」に基づいて各圧電スピーカ21を駆動するものであり、各圧電スピーカ21の印加電圧(充放電状態)を制御することで、各圧電スピーカ21から「擬似エンジン音を成す周波数信号を振幅変調した超音波」を発生させるものである。
具体的な一例を示すと、超音波スピーカアンプ25は、各圧電スピーカ21に、正電圧または負電圧を切り替えて印加可能な電荷切替回路(または、ピエゾ素子の充放電回路)であり、超音波振幅変調部24から超音波スピーカアンプ25に、図7(c)に示す波形信号を与える場合、超音波スピーカアンプ25は図7(c)に示す波形電圧を超音波スピーカ5に与えて、各圧電スピーカ21から図7(c)に示す出力波形の超音波を発生させるものである。
(ホーン駆動アンプ26の説明)
ホーン駆動アンプ26は、車両用ホーン4をダイナミックスピーカとして作動させるためのパワーアンプ(電力増幅回路)であり、擬似エンジン音作成部23が出力する波形信号(擬似エンジン音を成す電気信号)の「電圧の増減変化」を増幅して、車両用ホーン4の通電端子(コイル12の両端に接続される端子)に付与するものである。
なお、ホーン駆動アンプ26の最大出力(擬似エンジン音を発生させるための最大出力)は、8V未満(他励電圧)に制限されており、擬似エンジン音を発生させるための電圧出力によって車両用ホーン4が警報音を発生しないように設けられている。
〔実施例1の作動〕
実施例1の車両存在報知装置の作動を説明する。
この車両存在報知装置は、上述したように、例えばECU等から作動信号が与えられることで作動するものであり、具体的な一例を示すと、
(i)車両Sの走行中(例えば、前進走行中)において常時作動するもの、
(ii)車両Sの走行速度が所定速度範囲の場合にのみ作動するもの、
(iii)車両走行中で、車両Sの走行方向に人の存在が「人の認知システム(図示しない)」によって確認された場合にのみ作動するものである。
車両存在報知装置が作動すると、超音波スピーカ5は、図7(c)に示すように、擬似エンジン音の信号波形を振幅変調した超音波(聞こえない音波)を放射する。
すると、図7(d)に示すように、空気中を超音波が伝播するにつれて、空気の粘性等によって波長の短い超音波が歪んで鈍(なま)される。
その結果、図7(e)に示すように、伝播途中の空気中において超音波に含まれていた振幅成分が自己復調され、結果的に超音波の発生源(超音波スピーカ5を搭載する車両S)から離れた場所で擬似エンジン音が発生する。
また、車両存在報知装置が作動すると、車両用ホーン4に擬似エンジン音を発生させるための他励電圧による電気信号が与えられる。
電磁式の車両用ホーン4は、他励電圧以下では、可動接点15が固定接点14に接してコイル12が通電状態になっている。このため、車両用ホーン4のコイル12に「擬似エンジン音を成す電気信号」が与えられると、「擬似エンジン音を成す電気信号」に応じた磁力変化が生じ、可動鉄心2と振動板3とが「擬似エンジン音を成す電気信号」に応じて振動する。
このようにして、電磁式の車両用ホーン4をダイナミックスピーカとして利用することができ、車両用ホーン4から擬似エンジン音を発生させることができる。
車両用ホーン4をダイナミックスピーカとして利用する場合における車両用ホーン4の周波数特性を図3の破線Bに示す。この破線Bは、車両用ホーン4に1Vのサイン波のスイープ信号(低周波数から高周波数への可変信号)を与えた場合における周波数特性である。
この図3の破線Bから明らかなように、車両用ホーン4をダイナミックスピーカとして利用することができるとともに、800Hz以下の低音域を再生することができる。特に、300Hzおよび500Hz付近の低音の再生能力が大きいことが読み取れる。
〔実施例1の効果1〕
実施例1の車両存在報知装置は、上述したように、「パラメトリックスピーカ1」と「ダイナミックスピーカとして利用される車両用ホーン4」とを組み合わせることで、パラメトリックスピーカ1の抱える「車両Sに近い範囲での低音不足」を、「ダイナミックスピーカとして利用する車両用ホーン4」で補うことができる。
このことを、図8を参照して具体的に説明する。
なお、図8の各特性は、音源から1mの距離においてダミーヘッドを用いて測定した周波数特性であり、
図8の実線Aは、実エンジン音の周波数特性を示し、
図8の一点鎖線Bは、擬似エンジン音作成部23が作成した擬似エンジン音を再生した「コーン型のダイナミックスピーカ(車両への搭載性が考慮されたコーン径が10cmの小型スピーカ)」の周波数特性を示し、
図8の破線Cは、擬似エンジン音作成部23が作成した擬似エンジン音を再生した「パラメトリックスピーカ1」の周波数特性を示し、
図8の二点鎖線Dは、擬似エンジン音作成部23が作成した擬似エンジン音を再生した「パラメトリックスピーカ1と他励による車両用ホーン4」の周波数特性を示す。
図8の実線Aと一点鎖線Bとを比較して明らかなように、「コーン型のダイナミックスピーカ(コーン径が10cmの小型スピーカ)」は2kHz以下の再生を苦手とし、擬似エンジン音が中音域および低音域において不足してしまう。
ここで、中音域および低音域の再生能力を高めようとして「ウーファなど大型のコーン型振動板3を用いたダイナミックスピーカ」を用いる場合には、コスト増大、重量増大、搭載スペースの確保が困難になる。
また、図8の実線Aと破線Cとを比較して明らかなように、「パラメトリックスピーカ1」による擬似エンジン音は、車両S(超音波スピーカ5)との距離が近い状態では、低音域が不足気味になる。
そして、二点鎖線Dから明らかなように、「音源に対して近距離では低音域が不足気味となるパラメトリックスピーカ1による擬似エンジン音」に、「音源に対して近距離では低音域の再生を得意とする車両用ホーン4による擬似エンジン音」を加えることで、250Hz〜4kHzの広い範囲において、実エンジン音に近似した擬似エンジンを発生させることができる。
即ち、「パラメトリックスピーカ1」と「ダイナミックスピーカとして利用される車両用ホーン4」とを組み合わせることで、パラメトリックスピーカ1の抱える「車両Sに近い範囲での低音不足」を、「ダイナミックスピーカとして利用する車両用ホーン4」で補うことができ、車両Sと歩行者との距離が近くても、250Hz〜4kHzの広い範囲において、実エンジン音に近似した擬似エンジンを発生させることができる。
〔実施例1の効果2〕
実施例1の車両存在報知装置は、歩行者と車両S(超音波スピーカ5)の距離が近づくに従って、「車両用ホーン4による擬似エンジン音の低音」が増える。
このように、車両Sが歩行者に近づくことにより、「車両用ホーン4によって再生される低音」が増大し、歩行者に聞こえる擬似エンジン音の音色が変化する。
このことを、図9を参照して具体的に説明する。
なお、図9の各特性は、擬似エンジン音作成部23が作成した擬似エンジン音を「パラメトリックスピーカ1と車両用ホーン4」の両方で再生したものを、ダミーヘッドを用いて測定した周波数特性であり、
図9の実線Aは、音源から計測部までの距離が2mにおける擬似エンジン音周波数特性を示し、
図9の一点鎖線Bは、音源から計測部までの距離が5mにおける擬似エンジン音周波数特性を示し、
図9の二点鎖線Cは、音源から計測部までの距離が10mにおける擬似エンジン音周波数特性を示す。
上記実線A(2m)、一点鎖線B(5m)、二点鎖線C(10m)を比較して明らかなように、車両S(超音波スピーカ5)が歩行者に接近するに従って、「車両用ホーン4による擬似エンジン音」の影響が高まり、低音域の音圧(特に、500Hz付近の音圧)が上昇する。
このようにして、車両Sが歩行者に近づくことにより、「車両用ホーン4によって再生される低音」が増大し、歩行者に聞こえる擬似エンジン音の音色が変化するため、歩行者に擬似エンジン音を気付き易くすることができ、高確率で車両の存在を歩行者に知らせることができる。
〔実施例1の効果3〕
パラメトリックスピーカ1による擬似エンジン音は、直進性が強い。
このため、図10(a)に示すように、「パラメトリックスピーカ1による擬似エンジン音の到達範囲α」において、超音波が歩道等に存在する反射物(例えば、看板等)Xによって反射した場合、歩行者Hに聞こえる擬似エンジン音は、車両Sとは異なる方向(反射物Xの方向)から聞こえてしまう。
即ち、図10(a)における範囲(超音波の反射により誤認識が生じる領域γ)において、超音波の反射による誤認識が生じてしまう。
この問題点を解決するために、この実施例1では、車両用ホーン4と、パラメトリックスピーカ1における超音波スピーカ5とを隣接(接近)して配置している。
このように、車両用ホーン4と超音波スピーカ5を接近して配置することにより、「超音波の反射により誤認識が生じる領域γ」と「車両用ホーン4による擬似エンジン音の到達領域β」とが重なる範囲を大きくすることができる。
そして、「超音波の反射により誤認識が生じる領域γ」と「車両用ホーン4による擬似エンジン音の到達領域β」とが重なる範囲では、「車両用ホーン4による擬似エンジン音」も歩行者に聞こえるため、超音波の反射による誤認識を抑えることができる。
即ち、「実質的に超音波の反射により誤認識が生じる領域γ’{図10(B)のハッチングで示す部分}」を小さくすることができ、超音波の反射による誤認識を抑えることができる。
〔実施例1の効果4〕
この実施例1の車両存在報知装置は、車両用ホーン4がダイナミックスピーカとして使用されて擬似エンジン音を発生する。このため、パラメトリックスピーカ1による擬似エンジン音が届き難い「車両Sの後方」へも「車両用ホーン4による擬似エンジン音」を届けることができる。このため、車両Sの後退走行時に、車両Sの後方に擬似エンジン音を発生させて、車両Sの後方の歩行者に車両Sの存在を知らせることができる。
〔実施例1の効果5〕
この実施例1の車両用ホーン4は、ホーンスイッチが乗員によってONされた際に自励電圧が与えられて警報音を発生するように設けられている。即ち、実施例1の車両用ホーン4は、「警報音を発生する車両用ホーン4」と「擬似エンジン音を発生する車両用ホーン4」とを共用するものである。
このように、「警報音を発生する車両用ホーン4」と「擬似エンジン音を発生する車両用ホーン4」とを1つにすることで、車両存在報知装置のコストを抑えることができるとともに、擬似エンジン音を発生する車両用ホーン4の搭載スペースの確保が容易になる。
図11を参照して実施例2を説明する。なお、以下の実施例において、上記実施例1と同一の符号は同一機能物を示すものである。
この実施例2は、車両Sの走行速度が所定速度以下の場合(低速走行時)に、超音波スピーカ5の発生する超音波の指向性(車両の進行方向に対する左右方向の指向性)を広げる超音波指向性拡張手段(エキスパンダー)を備えるものである。
超音波指向性拡張手段は、図11に示すように、「パラメトリックスピーカ1による擬似エンジン音の到達範囲α」を低速走行時において実施例1より広げるものであり、
(i)車両Sの進行方向に対して左右の斜め方向に配置した複数の補助圧電スピーカ21を用いて超音波の到達範囲を広げるものであっても良いし、
(ii)アクチュエータ(ソレノイド等)を用いて超音波スピーカ5の超音波の放射方向を路面方向に傾斜させて路面で超音波の拡散を図るものであっても良いし、
(iii)超音波スピーカ5の超音波の放射方向に設けた音響レンズをアクチュエータ(ソレノイド等)で変位させることで超音波の拡散を図るものであっても良い。
即ち、超音波指向性拡張手段は、限定されるものではなく、適宜変更可能なものである。
この実施例2の車両存在報知装置は、低速時において、「パラメトリックスピーカ1による擬似エンジン音の到達範囲α」を広げることで、広い範囲の歩行者Hに対して擬似エンジン音を発生させることができ、低速走行時における車両Sの報知範囲を広げることができる。
また、この実施例2では、超音波指向性拡張手段が「パラメトリックスピーカ1による擬似エンジン音の到達範囲α」を広げる場合に、「車両用ホーン4による擬似エンジン音の到達領域β」を広げる目的で、車両用ホーン4の発生する擬似エンジン音の音圧を高めている。
これにより、低速時に超音波指向性拡張によって拡張された「超音波の反射により誤認識が生じる領域γ」と「車両用ホーン4による擬似エンジン音の到達領域β」とが重なる範囲を大きくすることができ、拡張された超音波の反射による誤認識の発生を抑えることができる。
上記の実施例では、車両Sの前進走行時に車両Sの前方へ擬似エンジン音を発生させる例を示したが、車両Sの後退走行時に車両Sの後方および後方周囲へ擬似エンジン音を発生させるように設けても良い。
超音波スピーカ5と擬似エンジン音を発生させる車両用ホーン4の装着位置は、車両Sの前部に限定されるものではなく、超音波スピーカ5を例えば車両Sの後方や車両Sの下方に向けて装着し、車両後退走行時(バック走行時)に、車両Sの後方周囲に向けて擬似エンジン音を放射するように設けても良い。
上記明細書中において用いる「歩行者」という用語は、車両走行時に保護対象となる「人」の一般的な総称であって、必ずしも狭義の「歩いている人」に限定されるものではない。即ち、車両Sの近傍や、車両Sの進行方向において、走っている人、立ち止まっている人、座っている人、車椅子の人などを当然含むものである。
1 パラメトリックスピーカ
2 可動鉄心
3 振動板
4 車両用ホーン
5 超音波スピーカ
6 本体装置
14 固定接点
15 可動接点
23 擬似エンジン音作成部
24 超音波振幅変調部
25 超音波スピーカアンプ
26 ホーン駆動アンプ
α パラメトリックスピーカによる擬似エンジン音の到達範囲
β 車両用ホーンによる擬似エンジン音の到達領域
γ 超音波の反射により誤認識が生じる領域
S 車両

Claims (5)

  1. 車外へ向けて擬似エンジン音を発生させて車両(S)の存在を知らせる車両存在報知装置において、
    この車両存在報知装置は、
    擬似エンジン音を超音波変調してなる超音波を車外へ向けて放出するパラメトリックスピーカ(1)と、
    直流で閾値以上の自励電圧が与えられることによって磁力の断続が発生して可動鉄心(2)が振動し、この可動鉄心(2)に結合された振動板(3)が前記可動鉄心(2)とともに振動することで警報音を発生する車両用ホーン(4)とを用い、
    前記自励電圧より低い他励電圧による擬似エンジン音を成す電気信号を前記車両用ホーン(4)に与えて、前記車両用ホーン(4)から擬似エンジン音を発生させることを特徴とする車両存在報知装置。
  2. 請求項1に記載の車両存在報知装置において、
    前記パラメトリックスピーカ(1)における超音波スピーカ(5)と、前記車両用ホーン(4)とは、隣接して配置されることを特徴とする車両存在報知装置。
  3. 請求項2に記載の車両存在報知装置において、
    この車両存在報知装置は、車両(S)の走行速度が所定速度以下の場合に、前記超音波スピーカ(5)の発生する超音波の指向性を広げる超音波指向性拡張手段を備えることを特徴とする車両存在報知装置。
  4. 請求項3に記載の車両存在報知装置において、
    この車両存在報知装置は、前記超音波指向性拡張手段が前記超音波スピーカ(5)の指向性を広げる場合に、前記車両用ホーン(4)の発生する擬似エンジン音の音圧を高めることを特徴とする車両存在報知装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の車両存在報知装置において、
    前記車両用ホーン(4)は、車両乗員によって操作されるホーンスイッチがオンされることで前記自励電圧が与えられて警報音を発生することを特徴とする車両存在報知装置。
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