JP2011253967A - 半導体レーザ素子用エージングボード - Google Patents

半導体レーザ素子用エージングボード Download PDF

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浩二 根本
Yuji Moriya
裕史 守屋
Akira Arai
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Abstract

【課題】半導体レーザ素子の適切な評価試験を行うことができるように半導体レーザLDの放熱が円滑に行われるようにした半導体レーザ素子用エージングボードを提供することを目的とする。
【解決手段】ヒートシンク6は、送風方向に沿って並ぶ5個の半導体レーザ素子LDに対応して、1つずつ設けられており、その形状は、延長方向の端面が開口した細長い逆U字状ないし中空状の形状であり、下端面がベース板5に固定されているとともに、中央の中空部分には、ベース板5に設けられている半導体レーザ素子LDのソケット2が配置されている。また、ヒートシンク6の両側面には、放熱のための多数のフィンが、その長手方向に平行に形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体レーザ素子を、所定の条件下で駆動させ評価試験を行う半導体レーザ素子用エージングボードに関する。
従来、例えば、CDやDVDなどの各種光ディスクに対する情報の記録、再生等に使用される半導体レーザ素子を、所定の条件下で駆動させ評価試験を行う半導体レーザ素子用エージングボードとしては、端部にエッジコンタクト部を備えた配線基板上に複数のソケットを固定し、各々のソケットに半導体レーザ素子を装着し、試験装置のコネクタにエッジコンタクト部を接続するようにしたものが用いられている。
また、半導体レーザ素子は、いわゆるTO−CAN型パッケージに封入されたものが汎用的な半導体レーザ素子として一般に用いられている。
近年、半導体レーザ素子は、年々高出力となってきており、それに伴って半導体レーザ素子の発熱量も徐々に大きくなってきており、従って上記した評価試験を行う際、ファンを用いて送風し、半導体レーザ素子から放射される熱を放熱するようにしており、このような放熱効率が良好で、かつ、作業効率の良好な半導体レーザ素子用エージングボードが求められている。
特許文献1には、一列に配列したソケットの上方に、半導体レーザ素子の端子を挿入するソケットの筒軸部を通す孔を形成した放熱板を配置し、半導体レーザ素子をソケットに装着した際に、半導体レーザのパッケージのフランジ部が放熱板に接触することで、半導体レーザ素子の発熱を放熱板を介して逃がすようにしたものが開示されている。
実開平1−124580号公報
しかしながら、このような従来装置では、一度に試験可能な半導体レーザ素子の個数を多くするために、多数の半導体レーザ素子を配列して設けようとした場合、個々の半導体レーザ素子の発熱で熱的な干渉を生じ、配列の中央部と周辺部とで半導体レーザ素子の温度分布に偏りを生じやすくなり、適切な評価試験を行うことが困難であるという不具合を生じていた。
この発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、半導体レーザ素子の適切な評価試験を行うことができるように半導体レーザLDの放熱が円滑に行われるようにした半導体レーザ素子用エージングボードを提供することを目的とする。
この発明は、半導体レーザ素子が装着されるソケットの配線が行われる配線基板と、該配線基板に近接して設置された放熱部材を備えるベース板と、前記ソケットに装着された半導体レーザ素子を固定する押さえ板を有し、前記半導体レーザ素子を駆動させて評価試験を行う半導体レーザ素子用エージングボードであって、上記放熱部材は、延長方向の端面が開口した、全体として中空の細長い逆U字状ないし中空状の形状を有し、その中央の中空部分に上記ソケットを収容するようにしたものである。
また、上記放熱部材には、上記ソケットを等間隔で複数配列した態様で収容するとよい。
また、上記ソケットにおいて、上記半導体レーザ素子の端子と接触する接触端子は、その一部をハウジングから露出させるとよい。
また、上記放熱部材の側面には、その延長方向に平行な態様のフィンを多数形成するとよい。
以上のようなこの発明の半導体レーザ素子用エージングボードによれば、放熱部材が中空の細長い逆U字状ないし中空状の形状を有するので、冷却用の送風がその中空部を通過し、収容したソケットと、そのソケットに装着される半導体レーザ素子から効率よく熱を奪うことができるので、放熱性が良好で温度の偏りなどを抑制でき、その結果、適切な評価試験を行うことができるという効果を得る。
(a)、(b)は、本発明の一実施例にかかる半導体レーザ素子用エージングボードの一例を示した図であり、(a)は、上から見た平面図であり、(b)は、側面図である。 (a)、(b)は、弾性押さえ部材10の概略構成を示す図であり、(a)は、上から見た平面図であり、(b)は、側面図である。 半導体レーザ素子LDが装着されている近傍の構成を説明するための概略断面図である。 (a)、(b)、(c)は、ソケット2の構造を説明するための概略図であり、(a)は、上から見た平面図、(b)は、側面図であり、(c)は、従来のソケットとの比較図である。 (a)、(b)、(c)、(d)は、ソケット2の接触端子2aの冷却について説明するための概略図であり、(a)は、ソケットのハウジングの上端部を切り欠いた例、(b)は、ソケットのハウジングの中間部を切り欠いた例、(c)は、ソケットのハウジングの一部をくり抜いた例、(d)は、接触端子2aに放熱用の拡張部を設けた例を示している。 (a)、(b)は、係止機構8の構成を説明するための概略断面図であり、(a)は、押さえ板7をベース板5に固定する前の状態を示し、(b)は、押さえ板7をベース板5に固定した状態を示している。 半導体レーザ素子用エージングボードの変形例を説明するための図である。 (a)、(b)は、押さえ板7の熱あるいは、ソケット2に装着される半導体レーザ素子LDをヒートシンク6に対して押圧する弾性押さえ部材10の受ける反力による変形を抑制する構成に関する変形例を説明するための図であり、(a)は、上から見た平面図であり、(b)は、側面図である。 (a)、(b)は、ヒートシンクの変形例を説明するための図であり、(a)は、ヒートシンク6の下端面を開放した例、(b)は、下端面を閉塞した例である。 (a)、(b)は、位置決めピン及び位置決め孔の変形例を説明するための図であり、(a)は、円錐状の位置決めピン38’、(b)は、先端部を円錐状に成型した位置決めピン38”を用いる例を示している。
以下、添付図面を参照しながら、この発明の実施の形態を詳細に説明する。
〔実施例〕
図1(a),(b)は、本発明の一実施例にかかる半導体レーザ素子用エージングボードの一例を示している。図1(a)は半導体レーザ素子用エージングボード1を上から見た平面図であり、図1(b)は半導体レーザ素子用エージングボード1を、強制送風用の送風方向から見た側面図である。
図1(a),(b)に示した半導体レーザ素子用エージングボード1は、複数の半導体レーザ素子LDを装着するための複数のソケット2が配列されたベース板5と、半導体レーザ素子LDの配線を行う配線基板3とスペーサ4を介して配置されたベース板5と、ベース板5に複数設けられた放熱部材としてのヒートシンク6と、ソケット2に装着された半導体レーザ素子LDを上から押さえ付ける押さえ板7と、押さえ板7をベース板5にワンタッチで連結するための係止ブロック8を有している。また、配線基板3には、この半導体レーザ素子用エージングボード1を試験装置(図示略)に接続するためのエッジコネクタ部3aが設けられている。なお、ここではソケット2をベース板5に配列させているが、配線基板3上に配列してもよい。
ここで、ベース板5には、図示のように縦5×横5に複数のソケット2が配列されていて、押さえ板7には、その複数のソケット2に装着される各々の半導体レーザ素子LDのパッケージの先端部を露出するための開口孔9が形成されており、それにより、半導体レーザ素子LDから出射されるレーザ光を、図示しない受光素子群からなるセンサボードにより受光できるようになっている。また、押さえ板7の上面には、複数の梁BMが設けられている。この梁BMは、試験装置にエージングボード1が入れられて、エージングボード1が試験装置により加熱、半導体レーザ素子LDの発熱、あるいは、ソケット2に装着される半導体レーザ素子LDをヒートシンク6に対して押圧する押さえ板7の裏面に設けられている弾性押さえ部材10から受ける反力により押さえ板7が変形することを抑制する機能を有する。
また、押さえ板7の裏面には、ソケット2に装着される半導体レーザ素子LDを各々ヒートシンク6に対して押圧する複数の弾性押さえ部材10が設けられている。また、この弾性押さえ部材10は、半導体レーザ素子LDの熱を押さえ板7に伝導する機能も備えるために、熱伝導性が良好な材料から構成されている。ここでは、半導体レーザ素子LDとして、TO−CAN型のパッケージ(後述)に封入したものを用いている。
そして、係止ブロック8は、ネジ8aにより、押さえ板7に固定されている。
ここで、弾性押さえ部材10について説明する。
図2(a),(b)は、弾性押さえ部材10の概略構成を示す図である。
図2(a),(b)において、弾性押さえ部材10は、半導体レーザ素子LDのパッケージが挿入される押圧部10aと、弾性押さえ部材10を押さえ板7にネジ止めするための固定部10b,10cと、押圧部10aと固定部10b,10cとを連絡する弾性部10dからなる。弾性部10dは、固定部10b,10cから立ち上がって押圧部10aに連絡するので、固定部10b,10cが押さえ板7に固定されていると、押圧部10aを図2(b)の下方向へ付勢する付勢力を生じることとなり、それにより、半導体レーザ素子LDをヒートシンク6に押さえ付ける(後述)。
図1(a),(b)に戻り、ヒートシンク6は、送風方向に沿って並ぶ5個の半導体レーザ素子LDに対応して、1つずつ設けられており、その形状としては、半導体レーザ素子LDを取り付けるソケット2の下端面が開放し、かつ、延長方向の端面が開口した、全体として中空の細長い逆U字状ないし中空状であり、下端面がベース板5に固定されているとともに、中央の中空部分には、ソケット2が位置している。また、ヒートシンク6の両側面には、放熱のための多数のフィンが、その長手方向に平行に形成されている。
すなわち、ヒートシンク6に形成されたフィンは、送風方向と平行に形作られていて、恒温用のための空気の流れを邪魔しないように形成される。また、中空部も端部において開口し、送風方向と平行に延長しているので、開口部から中空部に空気が入り込み、その空気は、半導体レーザ素子LDによって加熱されるヒートシンク6及びソケット2の回りから熱を奪いながら反対方向の開口部から抜けるので、ヒートシンク6によるエージングボード1の温度分布は均一なものとなる。
それとともに、係止ブロック8が送風方向と平行に設けられ、恒温用の送風を邪魔しないので、効率のよい送風を行うことができる。また、ヒートシンク6は、その長手方向の断面形状が同一であるので、例えば、押し出し成型により生産することができ、製造コストを大幅に低減することができる。
次に、半導体レーザ素子LDが装着される近傍の構成について説明する。
図3は、TO−CAN型の半導体レーザ素子LDが装着されている近傍の構成を説明するための概略断面図である。
図3において、ソケット2の接触端子2aは、配線基板3に半田付けされて、図示しない配線基板3上のプリントパターンなどに電気的に接続する。また、ベース板5に配置されるヒートシンク6において、半導体レーザ素子LDを取り付ける位置に応じて貫通孔6aが形成されていて、この貫通孔6aを通して、半導体レーザ素子LDの端子STがソケット2の端子孔(図示略)に挿入されている。それにより、半導体レーザ素子LDの端子STがソケット2の接触端子2aと接触して、半導体レーザ素子LDの端子STがソケット2の接触端子2aを介して、配線基板3のプリントパターンに電気的に接続する。
また、弾性押さえ部材10の押圧部10aの中央部に設けられた穴に、半導体レーザ素子LDのパッケージの凸部が挿入され、さらに、半導体レーザ素子LDのパッケージの凸部は、押さえ板7に形成した開口孔9を通して、押さえ板7の上部に露出している。
また、弾性押さえ部材10は、半導体レーザ素子LDのパッケージのフランジFに接触して、半導体レーザ素子LDをヒートシンク6に対して押し付けるとともに、半導体レーザ素子LDの熱をフランジFを通じて、押さえ板7に熱伝導することで、半導体レーザ素子LDの発熱の一部を押さえ板7に逃がす働きをなす。また、このように半導体レーザ素子LDの熱の一部が押さえ板7に伝達されるため、押さえ板7が熱変形するおそれがある。また、押さえ板7が弾性押さえ部材10から受ける反力による変形を防ぐため、上記したように梁BMを押さえ板7に設けて、この押さえ板7に生じる変形を防止している。
次に、ソケット2の構造について説明する。
図4(a)〜(c)は、ソケット2の構造を説明するための概略図である。
ソケット2は、基部2bが略長丸型の断面形状を備えるとともに、半導体レーザ素子LDの端子を挿入するための端子孔が設けられる上部2cが略円形の断面形状を備えている。また、図4(c)に破線で示した従来のもののように接触端子2aの移動方向が中心に対向して前後方向に移動するのではなく、角度的にオフセットを持たせて移動するように案内する溝を形成しており、それにより、半導体レーザ素子LDの端子を挿入するための端子孔が設けられる上部2cの形状L2を従来のものL1よりも小型に形成できるようにしている。
また、図4(b)において、基部2bの下端面を封止する封止板2dは、ソケット2の内部を外部と隔てるとともに接触端子2aの位置決めをするためのものであり、突起2eは、ソケット2をベース板5、または配線基板3に取り付ける際の位置決めポイントを構成するためのものである。
次に、本発明の半導体レーザ素子用エージングボードに用いるソケット2について、好適な例(図5(a)〜(d))について説明する。
図5(a)は、ソケット2の接触端子2aの冷却について説明するための概略図である。
図5(a)に示すように、ソケット2のハウジングの基部2bよりも上部2cが小さく形成されているため、半導体レーザ素子LDの端子STに接触する接触端子2aがソケット2の上部2cの構造よりも外に露出している。そのため、ヒートシンク6の中空部を通過する空気は、この露出した接触端子2aからも熱を奪うことができるので、半導体レーザ素子LDが発熱することにより熱が伝えられるソケット2の接触端子2aが冷却され、ソケット2における冷却性能が向上することとなる。
図5(b)では、接触端子2aの半導体レーザ素子と配線基板3に半田付けされる中間の部分2eにおいてソケット2のハウジングを切り欠いているため、この部分2eにおいて接触端子2aがソケット2のハウジングより外に露出している。そのため、ヒートシンク6の中空部を通過する空気は、この露出した接触端子2aからも熱を奪うことができるので、半導体レーザ素子LDが発熱することにより熱が伝えられるソケット2の接触端子2aが冷却され、ソケット2における冷却性能が向上することとなる。
図5(c)では、ソケット2のハウジングの一部2fがくり抜いて構成され、この部分2fにおいて接触端子2aがソケット2のハウジングから外に露出している。そのため、ヒートシンク6の中空部を通過する空気は、この露出した接触端子2aからも熱を奪うことができるので、半導体レーザ素子LDが発熱することにより熱が伝えられるソケット2の接触端子2aが冷却され、ソケット2における冷却性能が向上することとなる。
図5(d)では、接触端子2aの半導体レーザ素子と配線基板3に半田付けされる間の部分において接触端子2aに放熱用拡張部2gを設け、この放熱用拡張部2gをソケット2のハウジングより外に露出させている。そのため、ヒートシンク6の中空部を通過する空気は、この露出した接触端子2aからも熱を奪うことができるので、半導体レーザ素子LDが発熱することにより熱が伝えられるソケット2の接触端子2aが冷却され、ソケット2における冷却性能が向上することとなる。
次に、押さえ板7をベース板5に係止する係止機構としての係止ブロックについて説明する。
図6(a),(b)は、係止ブロック8の構成を説明するための概略断面図である。図6(a)は、係止ブロック8により押さえ板7をベース板5に固定する前の状態を示し、同図(b)は係止ブロック8が押さえ板7をベース板5に固定している状態を示している。
この係止ブロック8は、押さえ板7とベース板5との間の距離を一定に保持するスペーサ部材21、22と共に係止ブロック8に収納されている。また、係止ブロックに回転自在に取り付けられ、互いに干渉可能に設けた第1及び第2のアーム部材としてのアーム部材23及びアーム部材24を有する。
そして、アーム部材23は、押さえ板7に軸25で支承される軸取付部26と、ベース板5に設けた係止部(第1の係止部)27に係合可能な係合部(第1の係合部)28と、係合部28とは反対の端部であって、押さえ板7に設けた窓部8bから突出する端部23aに設けたスライドラッチ部材29を有する。なお、窓部8bには、後述するスライドラッチ部材の先端部を係止する係止部8c(ラッチ係合部)が形成されている。また、ベース板5に設けた係止部27は、押さえ板7をベース板5に取り付ける際に、係合部28が挿通される孔27aに配設されている。
このスライドラッチ部材29は、アーム部材23の端部23aの延長方向に前後するとともに、その前後方向に突出させる態様に付勢する付勢部材としてのスプリング30が内在され、その上部が段付き29aに形成されており、先端部29bは下側を削って鋭角に形成されている。
また、アーム部材24は、押さえ板7に軸31で支承される軸取付部32と、ベース板7に設けた係止部(第2の係止部)33に係合可能な係合部(第2の係合部)34と、係合部34とは反対の端部であって、押さえ板7に設けた窓部8bから突出する端部に設けた当接部35(当接部材)を有する。なお、スライドラッチ部材29及び当接部35のアーム部材23の形状、構成により当接部35は、必ずしも窓部8bから突出するものではない。さらに、アーム部材24の係合部34と係合するベース板5に設けた係止部33は、押さえ板7をベース板5に取り付ける際に、前記係合部34が挿通される孔33aに配設されている。
この当接部35は、アーム部材23のスライドラッチ部材29の下に位置していて、スライドラッチ部材29を上方から押し込んでアーム部材23を回転させると、スライドラッチ部材29の下部に当接部35が当接して、アーム部材24は、アーム部材23と逆方向に回転する。
そして、アーム部材23とアーム部材24は、スプリング36により連結され、このスプリング36の付勢力により、アーム部材23とアーム部材24は互いに近接する方向へ付勢されている。
また、係止ブロック部材21,22には位置決め用の位置決め穴21a,22aがそれぞれ穿設されており、ベース板5には、この位置決め穴21a,22aに突入して、係止ブロック8を位置決めするための位置決めピン38,39が立設されている。この、位置決め穴21a,22aと位置決めピン38,39とにより係止ブロック部材21,22とベース板5との位置決め機構を構成している。なお、位置決め穴と位置決めピンとは、係止ブロック部材21,22とベース板5のいずれに設けてもよいことは言うまでもない。
次に、係止ブロック8が押さえ板7をベース板5に固定する際の、係止ブロック8の動作について、図6(a),(b)を参照しながら説明する。
まず、係止ブロック部材21,22の位置決め穴21a,22aとベース板5の位置決めピン38,39の位置を合わせた状態で、押さえ板7をベース板5の方向に下降させると、係止ブロック部材21,22の位置決め孔21a,22aにベース板5の位置決めピン38,39が突入する。またそのとき、アーム部材23の係合部28はベース板5の孔27aに挿通し、アーム部材24の係合部34はベース板5の孔33aに挿通する。
その状態で、アーム部材23の端部23aに設けたアーム部材23の一部を構成するスライドラッチ部材29の上部を下方向に押し込むと、アーム部材23がスプリング36の付勢力に抗してその方向(図6(a)時計回り方向)に回転し、スライドラッチ部材29の下部にアーム部材24の当接部35が当接する。そして、それ以降、スライドラッチ部材29を押し込むと、アーム部材23とアーム部材24は、互いに逆方向へ回転する。なお、アーム部材24の当接部35は、スライドラッチ部材29に当接せず、アーム部材23に直接当接する構成としてもよい。
さらに、スライドラッチ部材29を押し込むと、スライドラッチ部材29の先端部29bがスプリング30の付勢力に抗して引っ込む方向へ移動しながら係止部8cの斜面を滑って係止部8cの下端に達し、その状態でスプリング30の付勢力によりスライドラッチ部材29の先端部29bが係止部8cの下方に潜り込むので、スライドラッチ部材29の押し込みを終了すると、図6(b)に示すように、スライドラッチ部材29の先端部29bが係止部8cに係止された状態となる。
この状態では、スプリング36の付勢力に抗してスライドラッチ部材29の先端部29bが係止部8cに係止された状態が保持される。また、その状態では、アーム部材23の係合部28がベース板5の係止部27と係合するとともに、アーム部材24の係合部34がベース板5の係止部33に係合する。
このようにして、係止ブロック8が押さえ板7をベース板5に固定する。
一方、係止ブロック8による押さえ板7のベース板5に対する固定を解除する場合には、スライドラッチ部材29の段付き29aをスプリング30の付勢力と反対方向に押すことにより、先端部29bをスプリング30の付勢力に抗して引っ込める。
それにより、スライドラッチ部材29の先端部29bが係止部8cから外れ、スプリング36の作用により、アーム部材23及びアーム部材24が上方向へ回転して、図6(a)の状態へ復帰する。
そして、押さえ板7を上方向に移動すると、係止ブロック部材21,22の位置決め穴21a,22aからベース板5の位置決めピン38,39が抜けて、押さえ板7をベース板5から取り外すことができる。
このようにして、押さえ板7をベース板5に固定するときには、押さえ板7とベース板5の位置を合わせた状態で、押さえ板7をベース板5の方向に下降させ、次いで、スライドラッチ部材29を押し込む操作を行えばよい。また押さえ板7とベース板5との結合を解除する際には、スライドラッチ部材29を引っかけて先端部29bを引っ込める方向に操作した後に、押さえ板7をベース板5から取り外すだけでよいので、押さえ板7をベース板5に着脱する際の作業としては、いずれもワンタッチで行うことができ、作業性が大幅に向上する。
さらに、半導体レーザ素子LDの試験装置を自動運転する際、押さえ板7をベース板5に着脱する際の作業をロボット等を利用して、自動的に行うようにすることもできる。
〔変形例〕
以上で実施形態の説明を終了するが、装置の構成等が上述の実施形態で説明したものに限られないことはもちろんである。
例えば、図7に示すように、1つのベース板5’に2つの押さえ板7を設けるようにすることもできる。その場合、一度に試験可能な半導体レーザ素子LDの数が、図1の場合に比べて2倍になる。
また、上述した実施例では、押さえ板7の変形を防止する目的で、押さえ板7の上部に梁BMを複数設けたが、押さえ板7の下部にヒートシンク6を避けて梁を複数設けてもよい。さらに、図8に示すように、押さえ板7’の前記係止ブロック8を設けない側面にサポートバーSBを付設することで、押さえ板7の変形を防止することも可能である。
また、上述した実施例では、図9(a)に示すように、ヒートシンク6として下端面が開放した形状のものを用いているが、同図(b)に示したように、下端面を閉塞するように形成することもできる。その場合には、ヒートシンク6’の下端面には、ソケット2を挿通する孔を開けておく必要がある。
また、図9(a)、(b)の形状のヒートシンク6は、その長手方向の断面形状が同一であるので、例えば、押し出し成型により生産することができ、したがって、製造コストを大幅に低減することができる。
また、上述した実施例では、ベース板5の位置決めピン38,39として棒状の形状を備えたものを用いていたが、位置決めピンとしては、例えば、図10(a)に示したよう
に円錐状の位置決めピン38’と円錐状の位置決め穴21a’、または、同図(b)に示したように先端部を円錐状に成型した位置決めピン38”と円柱状の位置決め穴21a”を用いることもできる。
特に、押さえ板7をベース板5に着脱する際の作業をロボット等を利用して、自動的に行うようにする場合には、位置決め精度を確保する目的で、図10(a),(b)に示したように、少なくとも先端部が円錐状の形状、あるいは円球状の位置決めピン38を用いることが好ましい。
なお、以上述べてきた各実施形態の構成及び変形例は、矛盾しない範囲で適宜組み合わせて適用することも可能である。
本発明は、TO−CAN型のパッケージに封入した半導体レーザ素子LDを試験する試験装置に用いる半導体レーザ素子用エージングボードであれば、どのような半導体レーザ素子LDであっても適用することができる。
1…半導体レーザ素子用エージングボード、2…ソケット、3…配線基板、4…スペーサ、5…ベース板、6…ヒートシンク、7…押さえ板、8…係止ブロック、9…開口孔、10…弾性押さえ部材、23,24…アーム部材、26,32…軸取付部、27,33…係止部、28,34…係合部、29…スライドラッチ部材、30,36…スプリング。

Claims (4)

  1. 半導体レーザ素子が装着されるソケットの配線が行われる配線基板と、該配線基板に近接して設置された放熱部材を備えるベース板と、前記ソケットに装着された半導体レーザ素子を固定する押さえ板を有し、前記半導体レーザ素子を駆動させて評価試験を行う半導体レーザ素子用エージングボードであって、
    前記放熱部材は、延長方向の端面が開口した、全体として中空の細長い逆U字状ないし中空状の形状を有し、その中央の中空部分に前記ソケットを収容すること特徴とする半導体レーザ素子用エージングボード。
  2. 前記放熱部材には、前記ソケットが等間隔で複数配列した態様で収容されることを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ素子用エージングボード。
  3. 前記ソケットにおいて、前記半導体レーザ素子の端子と接触する接触端子は、その一部がハウジングから露出していることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体レーザ素子用エージングボード。
  4. 前記放熱部材の側面には、その延長方向に平行な態様のフィンが多数形成されたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の半導体レーザ素子用エージングボード。
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