JP2011253639A - 加熱調理器 - Google Patents

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Abstract

【課題】被加熱物を直接加熱する場合であっても、被加熱物を湯煎する加熱と同等となるような加熱を行うことができる加熱調理器を得る。
【解決手段】トッププレート4を有する本体1と、トッププレート4上に載置された被加熱物13を加熱する加熱手段20と、被加熱物13の温度を検知する温度検知手段31と、調理モードの選択操作を入力させる調理モード設定手段17と、選択された調理モードおよび被加熱物13の温度に基づき、加熱手段20を制御する制御手段18とを備え、トッププレート4上に載置された被加熱物13の加熱が、該被加熱物13を湯煎する加熱と同等となるように加熱制御する湯煎モードを、調理モードとして有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、加熱調理器に関するものである。
近年、加熱調理器の利便性の向上・調理作業の省力化等のため、電子制御による自動温度制御や自動調理などの機能を備える傾向にある。
こうした自動調理の機能を備える加熱調理器のひとつとして、例えば「炒め物をする時にフライパンを予熱し、予熱が終了して炒めものが出来る適温に達した後、炒める食材の準備が出来ていなかった場合、食材の準備が出来る一定時間はフライパンの温度を維持するように最低減の火力で加熱を制御し、一定時間後は加熱を終了するようにする」ものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−311000号公報(要約、図1)
従来、食材等を穏やかに加熱する調理法のひとつとして湯煎が知られている。加熱調理器により食材等を湯煎する場合、食材等を投入する被加熱物とは別の調理容器に水を入れて加熱し、被加熱物の一部を水に沈め、内部に水が入らないよう被加熱物の開口部を水面より浮かせ、水(湯)を介して被加熱物を加熱して内部の食材を調理している。
このように従来においては、湯煎調理とは湯を介して間接加熱することが技術常識であったため、被加熱物を直接加熱して湯煎による調理と同等の調理を行おうとする発想がなかった。
例えば、従来の加熱調理器において、小さい火力や低い温度等を設定した制御により穏やかな直接加熱を行うとしても、そもそも、被加熱物を直接加熱して湯煎による調理と同等の調理を行うという技術思想が無いため、最低火力が大きすぎて高温であったり、100℃以下の低温度帯や低火力域での微細な火力調整や温度検出を行うことができず、食材等の温度変化が急峻になることや、100℃以下に温度設定できないことや設定できたとしても設定温度を超えて食材等が焦げ付いたり変異することがあり、湯煎による調理と同等の調理ができる筈もない。
また、湯煎調理は、被加熱物とは別の調理容器で水を加熱する必要があるため作業が繁雑であり、また、水による間接加熱を行うことからエネルギーが無駄に消費される、という問題点があった。
また、特許文献1の加熱調理器では、自動調理の機能はフライパンによる炒め料理の予熱に限られたものであり、湯煎による調理と同様の加熱制御を行うことができない、という問題点があった。
また、湯煎調理においては、食材等に応じて適切な温度および時間で加熱調理を行う必要があるが、ユーザーの火力操作等によって被加熱物を所望の温度および時間で加熱するのは容易でない、という問題点があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、被加熱物を直接加熱する場合であっても、被加熱物を湯煎する加熱と同等となるような加熱を行うことができる加熱調理器を得るものである。
また、湯煎による調理と同様の加熱調理において、所望の温度および時間で被加熱物の加熱調理を行うことができる加熱調理器を得るものである。
本発明に係る加熱調理器は、
トッププレートを有する本体と、
前記トッププレート上に載置された被加熱物を加熱する加熱手段と、
前記被加熱物の温度を検知する温度検知手段と、
調理モードの選択操作を行う調理モード設定手段と、
選択された前記調理モードおよび前記被加熱物の温度に基づき、前記加熱手段を制御する制御手段とを備え、
前記トッププレート上に載置された前記被加熱物の加熱が、該被加熱物を湯煎する加熱と同等となるように加熱制御する湯煎モードを、前記調理モードとして有する
ものである。
本発明は、被加熱物を直接加熱する場合であっても、被加熱物を湯煎する加熱と同等となるような加熱を行うことができる。
実施の形態1に係る誘導加熱調理器全体を示す斜視図である。 実施の形態1に係るトッププレート4を取外した状態の本体1の斜視図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の右加熱コイルユニット23および中央加熱コイルユニット25を示すブロック図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の左加熱コイルユニット24を示すブロック図である。 実施の形態1に係る通常加熱時の被加熱物負荷検知の判定テーブルの一例を示す図である。 実施の形態1に係る湯煎モードの被加熱物検知の判断テーブルの一例を示す図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の自動調理における被加熱物推定温度および火力制御の一例を示す図である。 実施の形態2に係る操作部6の構成および表示部14のモード設定操作時の表示の一例を示す図である。 実施の形態2に係る誘導加熱調理器の自動調理における操作・表示、被加熱物推定温度、火力制御の一例を示す図である。 実施の形態2に係る「マニュアル ユーザー設定(1)」メニューのスタート操作時における表示の一例を示す図である。 実施の形態2に係る「マニュアル ユーザー設定(1)」メニューの予熱完了・湯煎調理開始時における表示の一例を示す図である。 実施の形態2に係る「マニュアル ユーザー設定(1)」メニューの湯煎調理終了時における表示の一例を示す図である。 実施の形態3に係る「チョコレート湯煎(1)」メニューの自動調理時における表示の一例を示す図である。 実施の形態3に係る「チョコレート湯煎(2)」メニューの自動調理時における表示の一例を示す図である。 実施の形態3に係る「バター湯煎」メニューの自動調理時における表示の一例を示す図である。 実施の形態3に係る「クリームチーズ(1)発酵」メニューの自動調理時における表示の一例を示す図である。 実施の形態3に係る「クリームチーズ(2)凝固」メニューの自動調理時における表示の一例を示す図である。 実施の形態3に係る「モッツアレラチーズ(1)凝固」メニューの自動調理時における表示の一例を示す図である。 実施の形態3に係る「モッツアレラチーズ(2)分離」メニューの自動調理時における表示の一例を示す図である。 実施の形態3に係る「メレンゲ湯煎」メニューの自動調理時における表示の一例を示す図である。 実施の形態3に係る「ゼラチン湯煎」メニューの自動調理時における表示の一例を示す図である。 実施の形態3に係る「パスタ湯煎」メニューの自動調理時における表示の一例を示す図である。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る誘導加熱調理器全体を示す斜視図である。
図1において誘導加熱調理器の本体1の筐体2の上側には、筐体上面3が着脱自在に配置される。筐体上面3の背面側に吸排気口カバー5、中央にトッププレート4、前面側に操作部6が配置される。
操作部6は、後述する加熱条件設定手段16や調理モード設定手段17の一部を構成しており、加熱条件や調理条件の入力・設定がされる。
トッププレート4には、3ヶ所の載置部が設けられ、載置部右8、載置部左9、載置部中央10の3ヶ所の載置部が設けられている。図1では、載置部右8に被加熱物13が載置された状態を示す。本実施の形態においては、被加熱物13は誘導加熱が可能な調理用のボールを図示しているが一例であり、フライパンや鍋等の誘導加熱可能な調理容器であれば良く、これに限るものではない。
また、トッププレート4には、後述する表示手段15の一つである表示部14が設けられており、本体1の動作状態や操作部6からの入力・操作内容等が表示される。
筐体2の前面側には、中央に調理室扉7が設けられ、調理室扉7の背面側に配置された調理室11内で調理される被加熱物を調理室11内へ出し入れできるよう開閉可能となっている。調理室扉7の両側には操作部6が設けられている。また、調理室11内には、例えばシーズヒーターなどにより構成される第2の加熱手段を設けている。
なお、本実施の形態の調理室11および、前面側の操作部6の配置は一例であり、これに限るものではなく、調理室11は筐体2のどちらかの側面に寄せて配置したり、操作部6もどちらかの側面に寄せて配置したり、前面側に操作部6がないなどでも良い。
吸排気口カバー5は通気性があり、冷却風の吸気および排気や調理室11の排気の気流がスムーズに通過する。
図2は実施の形態1に係るトッププレート4を取外した状態の本体1の斜視図である。
図2に示すように、筐体2内には、複数の電子回路基板12が配置されており、その一部がトッププレート4の下方にも配置されている。電子回路基板12には、制御手段18、インバータ回路19、コイル電流検出回路21、入力電流検出回路22などが実装されている。
トッププレート4の載置部右8の下方には右加熱コイルユニット23、載置部左9の下方には左加熱コイルユニット24、載置部中央10の下方には中央加熱コイルユニット25が配置されており、加熱手段20を構成している。
中央加熱コイルユニット25には、加熱コイル26と、この加熱コイル26の中心部近傍に配置された中心部温度検知素子27とが設けられている。加熱コイル26はインバータ回路19と一対で一つの加熱手段20を構成している。中心部温度検知素子27はトッププレート4を介する伝熱により被加熱物13の温度を検知する。
右加熱コイルユニット23には、加熱コイル26と、この加熱コイル26の中心部近傍に配置された中心部温度検知素子27と、加熱コイル26の巻線間に配置された中心外温度検知素子28とが設けられている。なお、中心外温度検知素子28の配置は、加熱コイル26の中心部から外縁までの間の何れの位置に配置しても良い。なお、加熱コイル26は中心側と外周側に分かれて配置されているが、直列に接続されており一つのコイルとして形成され、インバータ回路19と一対で一つの加熱手段20を構成している。
左加熱コイルユニット24は、中心側加熱コイル29と、この中心側加熱コイル29と同心円状に配置された外周側加熱コイル30の2つの加熱コイルを備えている。また、左加熱コイルユニット24には、中心側加熱コイル29の中心部近傍に配置された中心部温度検知素子27と、中心側加熱コイル29の巻線間に配置された中心外温度検知素子28とが設けられている。なお、中心外温度検知素子28の配置は、中心側加熱コイル29の中心部から外周側加熱コイル30の外縁までの間の何れの位置に配置しても良い。なお、中心側加熱コイル29は中心部と中間部に分かれて配置されているが、直列に接続されており一つのコイルとして形成される。
中心側加熱コイル29および外周側加熱コイル30にはそれぞれを駆動するインバータ回路19が設けられ、個別に動作させることができる二つの加熱手段を構成している。つまり、載置部左9は2つの加熱手段20を備えることになる。
なお、中心部温度検知素子27は本発明における「中心部温度検知手段」に相当する。
なお、中心外温度検知素子28は本発明における「中心外温度検知手段」に相当する。
なお、インバータ回路19は、本発明における「駆動手段」に相当する。
図3は実施の形態1に係る誘導加熱調理器の右加熱コイルユニット23または中央加熱コイルユニット25を示すブロック図である。
図3に示すように、加熱手段20は、加熱コイル26と、インバータ回路19とにより構成され、インバータ回路19より数十kHz、数百Vの電圧が加熱コイル26に印加され、加熱コイル26に高周波の電流が流れる。加熱コイル26に電流が流れることにより、加熱コイル26から磁力線が発生し、加熱コイル26の概上方のトッププレート4上に載置される被加熱物13に渦電流が生じ、被加熱物13自体が発熱し加熱調理が行われる。
なお、本実施の形態においては、加熱手段20の一例として誘導加熱方式を説明しているが、誘導加熱方式に限定するものではない。
温度検知手段31は、中心部温度検知素子27や中心外温度検知素子28により構成される。温度検知手段31は、例えばサーミスターが使用され素子温度によって抵抗値が変化することにより温度を検出する。つまり、温度検知手段31は、被加熱物13からトッププレート4に伝熱した熱により温度を検出する。そして、制御手段18は、温度検知手段31の検出値と、トッププレート4の伝熱特性とに基づき、被加熱物13の温度を算出して求める。
なお、本実施の形態においては、サーミスターを温度検知手段31としても用いているが、これに限定するものではなく、被加熱物13から放射される赤外線量を検出して温度を検知する赤外線センサ等でも良い。
なお、被加熱物13の温度が低い場合(例えば150℃以下)、被加熱物13から放射される赤外線はトッププレート4に吸収されやすくトッププレート4の下に透過する赤外線量は少なくなる。このため赤外線センサをトッププレート4下方に配置した場合には温度制御が難しくなる。よって、赤外線センサを用いる場合にはトッププレート4の上方に配置するのが望ましい。
なお、トッププレート4に伝熱した熱を検出するサーミスターに加えて、赤外線センサをトッププレート4の上方に配置する場合、絶対温度をサーミスターで測定し、変化分を赤外線センサで測定するようにしても良い。これにより、トッププレート4に伝熱した熱により被加熱物13の温度をサーミスターにより精度良く検出できるとともに、被加熱物13の温度が急激に変化した場合には赤外線センサにより高速に検出することができる。
コイル電流検出回路21は加熱コイル26に流れる電流(コイル電流)を検出し、当該電流値を制御手段18に入力する。入力電流検出回路22はインバータ回路19に入力される電流(入力電流)を検出し、当該電流値を制御手段18に入力する。制御手段18は、入力された電流値により被加熱物負荷検知を行う。すなわち、被加熱物13の載置の有無や被加熱物13の材質、底面の大きさ、板厚等により電流値は変化するため、この電流値を制御手段18の駆動制御に用いることにより、加熱動作の適正・安全性の確保や被加熱物13の効率の良い適切な加熱を行う。
調理モード設定手段17は、「炒める」、「煮込み」、「揚げ物」、「湯煎」といった調理モードの種類の設定・変更や、その下層にあたる料理メニューにより詳細な料理の種類等の設定・変更を行うことができる。例えば、調理モードの「煮込み」モードの料理メニューとして「カレー」、「シチュー」、「おでん」等が設けられている。また、調理モードの「湯煎」モードの料理メニューとして「マニュアル ユーザー設定(1)」、「チョコレート湯煎(1)」、「チョコレート湯煎(2)」、「バター湯煎」等が設けられている。詳細は後述する。
なお、本実施の形態における「湯煎」の調理モード(以下「湯煎モード」ともいう)とは、トッププレート4上に載置された被加熱物13を直接加熱して、湯煎による加熱と同等の加熱を行う調理モードをいう。なお、湯煎による加熱とは、被加熱物13とは別の調理容器に水を入れて加熱し、この調理容器内の水(湯)を介して、被加熱物13を加熱することをいう。
加熱条件設定手段16は、手動調理(単純に加熱調理するのみ)や自動調理において、火力、温度、昇温速度、加熱時間等の加熱条件を設定・変更するための操作メニュー・入力手段である。調理モードに応じて必要となる加熱条件のパラメータの設定・変更が可能となっている。
表示手段15は、設定された調理モードや加熱条件、設定・入力に必要なメニュー・操作指示、本体1の状態(不具合等によるエラー)や自動調理の進行状況などが表示される。
制御手段18は、設定された調理モード・加熱条件に応じたシーケンスに従い、温度検知手段31、入力電流検出回路22、およびコイル電流検出回路21からの情報、並びに、制御手段18内のタイマー機能による時間等に応じて、加熱手段20の制御を行い手動調理または自動調理により加熱調理を行う。
また、制御手段18は、図示しない記憶手段を備え、料理メニューに応じた1または複数の加熱条件の情報が記憶される。加熱条件の詳細は後述する。
図4は実施の形態1に係る誘導加熱調理器の左加熱コイルユニット24を示すブロック図である。
ここでは、上記図3に示した構成と異なる部分を説明する。なお、図3に示した右加熱コイルユニット23、中央加熱コイルユニット25と同一部分には同一の符号を付する。
図4において、加熱手段20には中心側加熱コイル29と外周側加熱コイル30との2つの加熱コイルが設けられるとともに、それぞれにインバータ回路19を備えている。制御手段18は個別にインバータ回路19を制御して中心側加熱コイル29と外周側加熱コイル30とを独立して動作可能としている。また、コイル電流検出回路21および入力電流検出回路22も、中心側加熱コイル29および外周側加熱コイル30並びにそれぞれのインバータ回路19に設けられ、個別に被加熱物負荷検知を可能としている。
図5は実施の形態1に係る通常加熱時の被加熱物負荷検知の判定テーブルの一例を示す図である。
制御手段18の記憶手段には、例えば図5に示すような被加熱物負荷検知の判定テーブルの情報が予め記憶される。制御手段18は、記憶された判定テーブルを用いて、コイル電流検出回路21および入力電流検出回路22から伝達された電流値の情報により、被加熱物13の有無、材質等を判断する。
なお、判定テーブルの情報は本発明における「判断条件の情報」に相当する。
図5において、縦軸に入力電流検出回路22の検出値から算出したインバータ回路19への入力電流をとり、横軸にコイル電流検出回路21の検出値から算出した加熱コイルへ流れるコイル電流をとる。制御手段18は検知した入力電流およびコイル電流の判定テーブル上のポジションにより被加熱物負荷検知を行う。
制御手段18は、検知した入力電流およびコイル電流が、通常調理時適正領域内であれば、加熱調理を行うが、領域外であれば加熱調理は行わない。
また、通常調理時適正領域内において、そのポジションにより、鍋の材質の判定として例えば鉄とステンレスの違いの判定や、鍋の底面の大きさの判定等を行う。そして、制御手段18はインバータ回路19による駆動条件の変更等を行い、より効率の適切な加熱を行う制御を行う。
本実施の形態においては、図5に示すようにアルミ鍋は、通常調理時適正領域外となり加熱調理は行わないが、これは一例でありこの限りではない。
例えば加熱コイル26やインバータ回路19等がアルミ鍋の加熱に対応可能であれば、アルミ鍋の領域を通常調理時適正領域として加熱調理が可能とする。このように、加熱手段20の対応状況により適正領域の判定テーブルは異なり、加熱手段20に応じた適切な判定テーブルを用いるようにしても良い。
図6は実施の形態1に係る調理モードが「湯煎」の場合の被加熱物検知の判断テーブルの一例を示す図である。
後述する湯煎モードを実行する場合は、被加熱物13としての調理用のボールや小鍋など底面平面部の直径が小さいもの(12cm未満)が用いられるケースが多いが、通常の被加熱物検知の判断テーブルでは、通常調理時適正領域外となり加熱動作ができない場合がある。これを回避するために、湯煎モードの場合は専用の判断テーブルを用いる。
図6に示すように、湯煎モード用の被加熱物検知の判断テーブルにおいては、通常加熱の場合に比べ、入力電流値が低い領域に適正範囲が追加され、調理用のボールや小鍋などの底面平面部の小さいものも加熱可能となっている。
併せて安全性確保や適切な加熱を行う等のため、インバータ回路19の駆動条件、火力制限、温度検知手段31に基づく温度算出の関係式・テーブル等も専用のものを用いても良い。
次に調理動作について説明する。
このように構成された誘導加熱調理器においては、操作部6の操作により、制御手段18からインバータ回路19が制御され、各加熱コイルユニットが駆動されトッププレート4上の載置部に載置された被加熱物13が加熱され加熱調理が行われる。
ここでは本発明と主に関係する湯煎モードによる加熱調理について説明する。
通常の湯煎調理では、被加熱物13を収納可能な一回り大きい別の調理容器に水を入れ、一回り大きい別の調理容器を加熱し被加熱物13の一部を水に沈め、内部に水が入らないよう被加熱物13の開口部は水面より浮かせ、水を介して間接的に被加熱物13を加熱し内部の食材を調理している。
本実施の形態における湯煎モードにおいては、水を介さず、被加熱物13を直に加熱しながらも、水を介して加熱するのと同等の調理を行うものである。
すなわち、湯煎モードにおいては、次のような効果を得るものである。
被加熱物13の温度は100℃以下とし、被加熱物13内の食材等の焦げ付きを防止する。
被加熱物13内の食材等を低い温度で緩やかに加熱を行い、急な温度の変化による食材を構成する結晶の変化を抑える。
被加熱物13内の食材を構成する蛋白質の凝固温度よりも低い温度で加熱することにより食材が硬くなるのを防止することや、蛋白質の粘度が高くなる温度に加熱して泡立てる調理を行い泡立ちを良くする。
低温で融解する食材を溶かした状態で保温することにより不純物を沈殿させる。
このように従来の加熱モードで直接加熱する場合に行うことができない調理作業を行うことができ、また、従来の加熱モードで直接加熱する場合には得ることができない調理効果を得ることが可能となる。以下、具体的に説明する。
[手動調理]
まず、湯煎モードにおいて、ユーザーの操作によって火力を調節する手動調理の動作について説明する。
(火力設定)
手動調理においては、制御手段18は、加熱手段20の出力(火力)を複数段階に制御する。
湯煎モード以外の調理モードでは、例えば加熱手段20の出力がゼロから最大電力までが8段階に設定され、ユーザーは操作部6を操作して上記8段階の火力の何れかを入力する。制御手段18は、操作部6の操作に基づいて、加熱手段20の火力を段階的に制御する。またこのとき、表示部14には、上記8段階の火力のうち設定された火力表示をするようにしても良い。
一方、湯煎モードでは、制御手段18は、湯煎モード用の加熱制御に切り替えて、加熱手段20の出力が所定値より小さい低出力領域での出力の段階数が、湯煎モード以外の調理モードにおける低出力領域での出力の段階数より多くする。すなわち、低出力領域での出力の調整精度が、湯煎モード以外の調理モードにおける低出力領域での出力の調整精度より高くなるようにする。
また、湯煎モードでは出力の下限が下がり、通常よりもより低出力の火力を選択可能となる。すなわち、湯煎モードにおける加熱手段20の最小段階の出力が、湯煎モード以外の調理モードにおける最小段階の出力より小さくなるようにする。
例えば、上記8段階のうち通常の第1段目150Wの火力よりさらに低い火力の100Wまで選択可能となるとともに、通常の第2段目300W以下の火力(低出力領域)を、5段階等さらに複数段階の細かな火力に制御する。この時、制御手段18は、通常の第1段目の火力以下となるよう、パルス幅変調(PWM)制御のデューティ比の制御を行うことや、インバータ回路19では回路の切替が行われ接続されるスナバコンデンサが変更される。ユーザーは操作部6を操作して上記8段階の火力の何れか、または拡張された低出力領域の複数段階に火力設定を入力する。またこのとき、表示部14には、湯煎モード用の火力段階(火力選択の範囲とステップ)が表示されるとともに、制御手段18により設定された火力表示をするようにしても良い。
このように、湯煎モードにおける手動調理では、ユーザーは操作部6を操作して低出力領域における微細な火力調整を行うことができる。
なお、例えば左加熱コイルユニット24のように加熱コイルを複数備える場合、火力を投入する加熱コイルを所定時間ごとに順次変えるようにしても良い。例えば中心側加熱コイル29に設定された火力を所定時間だけ投入した後、外周側加熱コイル30に設定された火力を所定時間投入し、再び、中心側加熱コイル29に火力を所定時間投入する。このように、加熱コイルが複数の場合に投入するコイルを順次変えることで、被加熱物13の底部のうち加熱コイル近傍の温度が上昇するような加熱ムラを軽減することができる。
(温度検出)
制御手段18は、温度検知手段31の温度検知結果を周期的に取得する。また、取得した検知温度を表示部14に表示させる。これによりユーザーは、被加熱物13の温度が所望の温度となるように手動により火力設定を行う。
また、湯煎モードでは、制御手段18は、温度検知手段31の温度検知結果を取得する温度検知周期が、湯煎モード以外の調理モードにおける温度検知周期より短くする。
これにより、湯煎モードでは被加熱物13の温度変化をより詳細に検出することができ、被加熱物13が所望の温度となるようにより適切な火力設定をすることが可能となる。
また、制御手段18は、湯煎モードにおいては、温度検知手段31からの検知結果から被加熱物13の温度を算出する算出式の係数・定数等を変更する、低温度域用の補正をおこなう算式やテーブルを追加する、算出式(アルゴリズム)を変更するなどして低温域での温度検知に適したものとする。これにより、湯煎モードでは被加熱物13の低温度域における温度をより精度良く検出することができ、被加熱物13が所望の温度となるようにより適切な火力設定をすることが可能となる。
さらに、制御手段18は、湯煎モードにおいては、温度検知手段31からの検知結果から被加熱物13の温度を算出する算出式を変更して、低温域での温度検知に適したものに変更するようにしても良い。
[自動調理]
次に、湯煎モードにおいて、湯煎する場合における湯温を設定温度として、この設定温度により湯煎する加熱と同等の加熱をする自動調理の動作について説明する。
まず、ユーザーの操作により、操作部6の調理モード設定手段17が操作され、湯煎モードが選択される。
ユーザーは、加熱条件設定手段16を操作し、加熱条件として設定温度を入力する。制御手段18は、入力された設定温度を記憶手段に記憶させる。ここで、設定温度は100℃以下の温度に設定される。なお、制御手段18は、100℃を超える設定温度の入力を受け付けないようにしても良い。また、制御手段18は、入力された設定温度に基づいて、表示部14に「湯煎○○℃相当」などの表示をさせるようにしても良い。
なお、設定温度の入力は、後述する操作部6の火力/温度+キー35および火力/温度−キー36を操作することにより行う。なお、湯煎モードでは設定温度の調整幅を細かく設定できるようにして設定温度の微調整を行うようにしても良い。例えば他のモードでは設定温度の調整を5℃間隔で調整するのに対し、湯煎モードでは1℃間隔で微調整可能とする。
次に、ユーザーは操作部6から自動調理を開始させる旨の操作を入力する。
制御手段18は、湯煎モードにおける自動調理を開始し、被加熱物13の温度が設定温度を超えないように、加熱手段20を制御する。具体例を図6Aにより説明する。
図6Aは実施の形態1に係る誘導加熱調理器の自動調理における被加熱物推定温度および火力制御の一例を示す図である。図6Aにおいては、被加熱物13の温度を約15℃(室温)から約35℃まで昇温させる湯煎モードの加熱制御を示している。
まず、制御手段18は、被加熱物13の温度が設定温度より低い場合、加熱手段20を制御して、予め定めた所定の火力(例えば火力3)を投入する。そして、設定温度に近い温度になるにつれて投入される火力は下げられ、最低火力まで下げられた後は間欠での加熱となる。間欠においても、最低火力の投入される時間は設定温度に近くなるにつれ短時間としてより低火力にするとともに、火力を停止しながら被加熱物13の時間遅れによる温度変化を待つ制御も行われる。
このような間欠的な火力投入により、制御手段18は、湯煎モードにおいて、所定時間当たりの被加熱物13の温度の上昇値が所定値以下となるように、つまり、被加熱物13の温度上昇の傾きが所定値以下の緩やかな傾きとなるように、加熱手段20を制御する。
図6Aの例では、加熱開始から1分経過までは火力3を投入して被加熱物13の温度を約25℃まで上昇させ、2分経過までは温度の上昇に伴い投入火力を火力1に低下させる。そして、被加熱物13の温度が約30℃に上昇した時点で、火力1を間欠的に投入する。
この間欠的な火力投入においては、検知温度の時間遅れを考慮して、温度検知手段31により検出した被加熱物13の温度の変化率が所定値以下となった後、再度、加熱を開始するような制御を行う。
図6Aの例では、2分経過時に一旦、火力投入を停止させ、被加熱物13の温度の変化率が略ゼロ(傾きが略ゼロ)となったとき、再度、火力投入を開始する。また、約2.7分経過時に再度、火力投入を停止させ、温度の変化率が略ゼロになったとき、再度、火力投入を開始している。以降、設定温度となるまで間欠的な火力投入を繰り返す。
さらに、被加熱物13の温度が設定温度に近づくのにつれて、火力の投入時間が短くなるように設定している。なお、この投入時間は、被加熱物13の温度と設定温度との温度差により算出して定めても良いし、被加熱物13の温度の上昇率などによって定めても良い。
例えば、湯煎モードの加熱制御開始時の被加熱物13の温度と設定温度との差分を求め、この差分によって最初の加熱時の火力と加熱時間を決める。例えば差分が大きいほど火力を大きく、最初の加熱時間が長くなるように設定する。
また、湯煎モードの加熱制御においては、火力と加熱時間と温度上昇の傾きを基に、加熱対象となる被加熱物13の特性に応じて加熱の最適化を行うようにしても良い。例えば、加熱制御を開始したあと逐次温度上昇の傾きを求め、当該被加熱物13の温度上昇の傾きに応じて火力と加熱時間とを設定する。例えば傾きが大きいほど火力を小さく、加熱時間が短くなるように設定する。
また、湯煎モードの加熱制御を開始する際には、制御手段18は、温度検知手段31の温度検知結果からトッププレート4の温度を監視し、温度の変化率が所定値以上の場合は安定するまで待ってから湯煎を開始するようにする。これにより、例えば温度が高く湯煎調理に適さない被加熱物13がトッププレート4上に載置された場合には、当該被加熱物13の温度が湯煎調理に適した温度となった後に湯煎モードによる加熱制御を開始することができる。
また、温度検知手段31の構成として例えばサーミスターを用いて、被加熱物13からトッププレート4に伝熱した熱により温度を検出する場合、検知温度の時間遅れを考慮して、次のような制御を行うようにしても良い。
加熱開始からサーミスターの検出温度が上昇し始めるまでの時間(上昇遅延時間)を測定する。次に、加熱を停止してからサーミスターの検出温度が下降し始めるまでの時間(下降遅延時間)を測定する。そして、下降遅延時間から上昇遅延時間を減算した値を、被加熱物13の温度上昇が落ち着くまでの時間(安定時間)とする。間欠的な火力投入においては、加熱停止後、上記の安定時間を経過したあと次の加熱を行う。このように、トッププレート4を熱が伝導してサーミスターに到達するまでの時間と、加熱停止後、被加熱物13の熱が分散し温度が下がり始める時間との関係により、加熱停止期間を最適化することで、間欠的な火力投入での温度低下幅を少なくすることができる。
このような加熱制御により、被加熱物13の温度が、湯煎での湯温に相当する設定温度を超えることが無く、また、湯煎による加熱のように被加熱物13の温度上昇を緩やかにすることができ、被加熱物13を直接加熱する場合であっても、被加熱物13を湯煎する加熱と同等となるような加熱を行うことができる。
[予熱]
湯煎による調理では、被加熱物13を予め所望の温度に加熱しておき、当該温度となった時に食材等を投入して湯煎による調理を行う場合がある。
また、湯煎モードによる調理を行う前に、例えば天ぷら調理などの加熱調理を行いトッププレート4が高温となっているとき、当該トッププレート4に載置した被加熱物13が高温となり湯煎による調理に適さない場合がある。
このようなことから、湯煎モードにおいては、上記の動作に加え、被加熱物13を所望の開始温度となった後、当該被加熱物13を湯煎する加熱と同等となるように加熱制御するようにしても良い。具体例を以下に説明する。
まず、ユーザーの操作により、操作部6の調理モード設定手段17が操作され、湯煎モードが選択される。
ユーザーは、加熱条件設定手段16を操作し、加熱条件として開始温度を入力する。制御手段18は、入力された開始温度を記憶手段に記憶させる。
なお、開始温度の入力は、後述する操作部6の火力/温度+キー35および火力/温度−キー36を操作することにより行う。なお、湯煎モードでは温度の調整幅を細かく設定できるようにして温度の微調整を行うようにしても良い。例えば1℃間隔で微調整可能とする。
次に、ユーザーは操作部6から予熱調理を開始させる旨の操作を入力する。
制御手段18は、湯煎モードにおける予熱調理を開始し、被加熱物13の温度が開始温度を超えているか否かを判断する。
被加熱物13の温度が開始温度を超えている場合、被加熱物13の温度が開始温度となるまで待機する。なお、このとき、制御手段18は、表示部14に開始温度を超えている旨の表示をさせるようにしても良い。
なお、湯煎モードにおける予熱調理を開始する際には、制御手段18は、温度検知手段31の温度検知結果からトッププレート4の温度を監視し、温度の変化率が所定値以上の場合は安定するまで待ってから湯煎を開始するようにする。これにより、例えば温度が高く湯煎調理に適さない被加熱物13がトッププレート4上に載置され、検知温度が急激に上昇した場合であっても、当該被加熱物13の温度が湯煎調理に適した温度に安定した後に湯煎モードによる加熱制御を開始することができる。
被加熱物13の温度が開始温度以下である場合、制御手段18は、加熱手段20を制御して、予め定めた所定の火力(例えば火力3)を投入する。そして、開始温度に近い温度になるにつれて投入される火力は下げられ、最低火力まで下げられた後は間欠での加熱となる。間欠においても、最低火力の投入される時間は開始温度に近くなるにつれ短時間としてより低火力にするとともに、火力を停止しながら被加熱物13の時間遅れによる温度変化を待つ制御も行われる。
制御手段18は、被加熱物13の温度が開始温度となったとき、表示部14に湯煎と同等の調理が可能である旨の情報を表示させる。
また、制御手段18は、被加熱物13の温度が開始温度となった後、上述した自動調理の動作により、トッププレート4上に載置された被加熱物13の加熱が、該被加熱物13を湯煎する加熱と同等となるように加熱制御する。
なお、ここでは自動調理を行う場合を説明したが、本発明はこれに限らず、手動調理を行う場合においても、被加熱物13の温度が開始温度となったとき、湯煎と同等の調理が可能である旨の情報を表示部14に表示させるようにしても良い。
以上のように本実施の形態においては、トッププレート4上に載置された被加熱物13の加熱が、該被加熱物13を湯煎する加熱と同等となるように加熱制御する湯煎モードを、調理モードとして有する。
このように、湯煎調理とは湯を介して間接加熱するという従来の技術常識を覆し、被加熱物を直接加熱して湯煎による調理と同等の調理を行おうとする、これまでにない新たな着想に基づき、湯煎モードを調理モードとして有する加熱調理器を得ることができる。
また、制御手段18は、加熱手段20の出力を複数段階に制御し、湯煎モードにおける、加熱手段20の出力が所定値より小さい低出力領域での出力の段階数が、湯煎モード以外の調理モードにおける低出力領域での出力の段階数より多い。
このため、低火力域での微細な火力調整を行うことができる。
よって、被加熱物13を直接加熱する場合であっても、被加熱物13を湯煎する加熱と同等となるような加熱を行うことができる。
また、別の容器の湯を沸かして湯煎調理を行う場合と比較して、直接加熱することにより、湯煎調理の手間が簡素化することができ、家事労働を軽減することができる。
また、別の容器で湯を沸かす必要がないので、湯煎調理に使用する水を節約することができ、環境負荷を低減することができる。
また、制御手段18は、温度検知手段31の温度検知結果を周期的に取得し、湯煎モードにおける温度検知周期が、湯煎モード以外の調理モードにおける温度検知周期より短い。
このため、湯煎モードでは被加熱物13の温度変化をより詳細に検出することができ、被加熱物13が所望の温度となるようにより適切な火力設定をすることが可能となる。
よって、被加熱物13を直接加熱する場合であっても、被加熱物13を湯煎する加熱と同等となるような加熱を行うことができる。
また、少なくとも設定温度の情報が記憶される記憶手段を備え、設定温度は100℃以下に設定され、制御手段18は、湯煎モードにおいて、被加熱物13の温度が設定温度を超えないように、加熱手段20を制御する。
このため、湯煎する場合における湯温に相当する温度を設定温度として設定することができ、当該設定温度の湯により湯煎する加熱と同等の加熱を行うことができる。
また、制御手段18は、湯煎モードにおいて、所定時間当たりの被加熱物13の温度の上昇値が所定値以下となるように、加熱手段20を制御する。
また、制御手段18は、湯煎モードにおいて、被加熱物13の温度が設定温度より小さいとき、所定の加熱時間の間、被加熱物13を加熱させ、当該被加熱物13の温度の変化率が所定値以下となった後、再度、所定の加熱時間の間、当該被加熱物13を加熱させる。
このため、被加熱物13の急激な温度の変化を軽減することができ、被加熱物13を直接加熱する場合であっても、被加熱物13を湯煎する加熱と同等となるような加熱を行うことができる。
また、記憶手段は、開始温度の情報が記憶され、制御手段18は、湯煎モードにおいて、被加熱物13の温度が開始温度となった後、トッププレート4上に載置された被加熱物13の加熱が、該被加熱物13を湯煎する加熱と同等となるように加熱制御する。
このため、被加熱物13を所望の開始温度となった後、当該被加熱物13を湯煎する加熱と同等となるように加熱制御することができる。
また、湯煎モードによる調理を行う前に、例えば天ぷら調理などの加熱調理を行いトッププレート4が高温となっているときであっても、当該トッププレート4に載置した被加熱物13が所望の開始温度となった後に、被加熱物13を湯煎する加熱と同等となるように加熱制御することができる。
また、湯煎モードにおいて、被加熱物13の温度が開始温度となったとき、湯煎と同等の調理が可能である旨の情報を表示する表示部14を備えた。
このため、ユーザーは、被加熱物13の温度が開始温度となったことを知ることができる。
実施の形態2.
本実施の形態2では、湯煎による調理と同等の加熱調理を行う湯煎モードにおいて、所望の温度および時間で被加熱物13の加熱調理を行う形態について説明する。
なお、本実施の形態における誘導加熱調理器の構成は上記実施の形態1と同様であり、同一部分には同一の符号を付する。
まず、調理モードおよび料理メニューを選択する「モード設定操作」と、ユーザーの操作により加熱条件を設定または変更する「加熱条件の設定・変更」の動作について説明する。
[モード設定操作]
図7は実施の形態2に係る操作部6および表示部14のモード設定操作時の表示の一例を示す図である。
図7を用いて、加熱条件設定手段16、調理モード設定手段17の設定の操作・表示を説明する。
ユーザーの操作により操作部6の調理モードキー41が押されると、制御手段18は調理モードを順次切り替える。そして制御手段18は表示部14に切り替えた調理モードの情報を表示させる。
例えば図7に示すように、調理モードキー41が押される度に、表示部14の調理モード選択マーカー44が、調理モード表示43に示される調理モードを左に移動して左端まで移動すると右端に戻る。本実施の形態では『炒め物』、『揚げ物』、『湯煎』、『炒め物』の順である。本実施の形態においては、モードは3つのみとなっているが、この限りではなく、『煮込み』モード等の他の調理モードや『手動』モードとの切り替えも含めるなどしても良く、湯煎モードが含まれ、選択可能な調理モード選択機能を備えれば良い。
制御手段18は、湯煎モードが選択されると、表示部14の料理メニュー表示45に、湯煎モードに含まる料理メニューを表示させる。
そして、ユーザーの操作により料理メニューキー42が押されると、制御手段18は、料理モードを順次切り替える。そして制御手段18は表示部14に切り替えた料理メニューの内容を料理メニュー表示45に表示させる。
この料理メニューの情報は、予め、記憶手段に記憶させても良いし、ユーザーの操作により適宜入力するようにしても良い。
ここでは、加熱条件をユーザーの操作により設定する料理メニューである『マニュアル ユーザー設定(1)』の場合について説明する。なお、このユーザー設定の料理メニューを複数設けるようにしても良い。
なお、調理モードキー41および料理メニューキー42は、調理モード設定手段17を実施・構成する一例である。本発明はこれに限らず、例えば表示部14上に配置したタッチパネルなどにより、調理モード設定手段17を構成しても良い。
ユーザーの操作により、『マニュアル ユーザー設定(1)』が選択されると、制御手段18は、記憶手段に記憶した『マニュアル ユーザー設定(1)』に対応する加熱条件の情報を取得し、この加熱条件の情報を表示部14に表示させる。ここでは、表示部14に開始温度表示46、保持温度表示47、上昇時間表示48、保持時間表示49の設定・変更可能な加熱条件が表示される。
湯煎モードにおいては、加熱条件として、被加熱物13を予熱して湯煎調理の昇温を開始する際の温度である「開始温度」、被加熱物13の温度を上昇させる目標値であり、温度が上昇した後に温度を維持する「保持温度」、開始温度から保持温度に至る昇温にかける時間である「上昇時間」、保持温度を維持する時間である「保持時間」、を設定する。
なお、ここでは開始温度から保持温度まで昇温する場合を説明するが本発明はこれに限るものではなく、開始温度と保持温度とを同一の温度とし、開始温度を維持するようにしても良い。また、開始温度を、湯煎モード開始時点での検出温度(室温)に設定するようにしても良い。つまり、被加熱物13の予熱を行わずに湯煎調理を開始するようにしても良い。
なお、上昇時間は本発明における「第1の時間」に相当する。
なお、保持時間は本発明における「第2の時間」に相当する。
この加熱条件は一例であり、これに限るものではなく湯煎を再現調理できる加熱条件の設定であれば良く、単純に被加熱物の湯煎温度のみの設定や、『湯煎○○℃相当』といった湯煎するお湯の温度に応じた火力のみを加熱条件として被加熱物の温度は設定せずユーザーが食品用の温度計にて被加熱物内の調理食材の温度を測定しながら火力を調整する前提の湯煎モードとした加熱条件でも良い。
[加熱条件の設定・変更]
次に、加熱条件をユーザーの操作により設定または変更する動作について、図7を用いて説明する。
ユーザーは、加熱条件の設定・変更を行う際、表示部14の表示を見ながら操作部6の各種キーを操作することにより行う。
以下、湯煎モードの料理メニューとして『マニュアル ユーザー設定(1)』が選択された場合の例で説明する。
開始温度の設定・変更は、操作部6の開始温度キー33を押すと開始温度表示46の『開始温度』の文字が点滅し設定・変更が可能なことが表示される。
『開始温度』の文字が点滅した状態で、火力/温度+キー35を押すと温度が1℃プラスされ表示され設定される。火力/温度+キー35を押した状態を維持(長押し)すると自動的に温度が1℃きざみで上昇し表示が更新されキーを離した時の表示温度に設定される。火力/温度−キー36を押した場合は1℃マイナスされ表示され長押しした場合は1℃きざみで自動的に下降し表示され、表示温度で設定される。図7の表示の場合、開始温度は35℃に設定された状態である。
保持温度の設定・変更は、操作部6の保持温度キー34を押すと保持温度表示47の『保持温度』の文字が点滅し設定・変更が可能なことが表示される。
『保持温度』の文字が点滅した状態で、火力/温度+キー35または火力/温度−キー36を操作することにより温度は変更・設定される。キーの操作・動作は開始温度の場合と同様である。図7の表示の場合、保持温度は50℃に設定された状態である。
上昇時間の設定・変更は、上昇時間キー37を押すと上昇時間表示48の『上昇時間』の文字が点滅し設定・変更が可能なことが表示される。
『上昇時間』の文字が点滅した状態で、時間+キー39または時間−キー40を操作することにより表示される時間は増減し変更・設定される。時間+キー39または時間−キー40の操作により、60分までは1分きざみで時間は増減するが、60分を超えると10分きざみで増減し操作の手間・時間を軽減している。図7の表示の場合、上昇時間は10分に設定された状態である。
保持時間の設定・変更は、保持時間キー38を押すと保持時間表示49の『保持時間』の文字が点滅し設定・変更が可能なことが表示される。
『保持時間』の文字が点滅した状態で、時間+キー39または時間−キー40を操作することにより表示される時間は増減し変更・設定される操作は上昇時間の操作と同様である。図7の表示の場合、保持時間は5分に設定された状態である。
制御手段18は、上記の操作により設定された、開始温度、保持温度、上昇時間、および保持時間の各情報を、『マニュアル ユーザー設定(1)』の料理メニューに対応する加熱条件の情報として記憶手段に記憶させる。
以降、湯煎モードにおいて、『マニュアル ユーザー設定(1)』の料理メニューを選択して、スタート/停止キー32が操作されると、制御手段18は、上記加熱条件および被加熱物13の温度に基づき、加熱手段20を制御する(以下「自動調理」ともいう)。
上記図7のような加熱条件の例では、自動調理をスタートさせると、加熱手段20の加熱により被加熱物を35℃まで予熱した後、10分の時間をかけて50℃まで温度を上昇させ、50℃で5分間保持した後に終了停止する制御が行われる。なお、制御の詳細は後述する。
次に、湯煎モードにおいて自動調理を実行した場合の動作について説明する。
図8は実施の形態2に係る誘導加熱調理器の自動調理における操作・表示、被加熱物推定温度、火力制御の一例を示す図である。
図8の上段は、自動調理の各工程における、操作部6からの操作内容および表示部14の表示内容を示している。
図8の中段は、自動調理の各工程における、温度検知手段31により検知された被加熱物13の推定温度(被加熱物推定温度)を示している。
図8の下段は、自動調理の各工程における、加熱手段20の火力(出力)を示している。
[操作・表示]
まず、図8の上段に基づき、自動調理における操作・表示について、図9〜図11を参照しつつ説明する。
(予熱工程)
図9は実施の形態2に係る「マニュアル ユーザー設定(1)」メニューのスタート操作時における表示の一例を示す図である。
ユーザーは、上述した「モード設定操作」の後、操作部6のスタート/停止キー32を押すことにより、選択した調理モード、料理メニューの自動調理を開始させる。
制御手段18は、まず予熱工程を開始する。このとき、予熱工程中である旨の表示を、表示部14に表示させる。例えば図9に示すように、動作状態表示50の『予熱』のサインを表示させる。これにより、予熱工程中であることが明示される。
(昇温工程)
図10は実施の形態2に係る「マニュアル ユーザー設定(1)」メニューの予熱完了・湯煎調理開始時における表示の一例を示す図である。
制御手段18は、被加熱物13が開始温度に達したと判断すると、予熱が完了して湯煎調理を行うのに適温である旨の表示を、表示部14に表示させる。例えば図10に示すように、動作状態表示50の『適温』のサインを表示させる。これにより、適温であることが明示される。
ユーザーは『適温』のサインを確認して被加熱物13に、湯煎調理する食材等を投入する。
また、制御手段18は、開始温度に達すると昇温の工程に移り、上昇時間をタイマーによりカウントする。
このとき制御手段18は、例えば図10に示すように、表示部14に経過表示マーカー51を、上昇時間表示48に対応させて表示させ、タイマーのカウントによる時間の経過とともに経過表示マーカー51の表示位置を移動させる。これにより、自動調理のおおまかな進行状況をユーザーが確認することができる。
本実施の形態においては、進行状況は表示部にグラフィカルに表示しているが、これは一例でありこれに限るものではなく、数値で経過時間や残り時間を表示するなどしても良い。
また、本実施の形態においては予熱により開始温度に達すると、そのまま湯煎調理の工程に移行する制御としている。これは、湯煎の温度が低いことから、想定される予熱時間が短いため、ユーザーはスタート操作後に適温となるまで待機すれば、特段の操作を行うことなく昇温工程に移行でき、作業性を向上できるためである。
なお、本発明はこれに限らず、予熱工程完了後に開始温度を維持して、ユーザーが食材を投入後にキー操作により湯煎の昇温工程へ移行するようにしても良い。また、ユーザーが食材投入したことによる被加熱物13の温度の下降の変化を温度検知手段31で検出するなどして湯煎の昇温工程へ移行するなどしても良い。
(保持工程)
制御手段18は、被加熱物13が保持温度に達したと判断すると、保持工程に移り、保持時間をタイマーによりカウントする。
このとき制御手段18は、上記と同様に、表示部14に経過表示マーカー51を、保持時間表示49に対応させて表示させ、タイマーのカウントによる時間の経過とともに経過表示マーカー51の表示位置を移動させる。これにより、自動調理のおおまかな進行状況をユーザーが確認することができる。
次に終了表示・報知について図10を用いて説明する。
図11は実施の形態2に係る「マニュアル ユーザー設定(1)」メニューの湯煎調理終了時における表示の一例を示す図である。
昇温工程および保持工程が終了すると、制御手段18は、自動調理が終了した旨の表示を、表示部14に表示させる。例えば図11に示すように、上昇時間10分の昇温工程、保持時間5分の保持工程が終了すると経過表示マーカー51は保持時間表示49の右端部まで移動して停止し、動作状態表示50には『終了停止』のサインを表示させる。これにより、自動調理が終了したことが明示される。
なお、同時にブザー、メロディー、音声等の音の発生により湯煎調理の終了停止を報知するようにしても良い。例えばブザーやスピーカーなどを設けて、音による報知手段をユーザーにより選択できるようにしても良い。
[加熱制御]
次に、図8の中段および下段に基づき、自動調理における加熱制御の説明を行う。
(初期設定)
モード設定操作にて湯煎モードが選択されると、制御手段18は、湯煎モード用の加熱制御に切り替えて、通常の加熱制御よりもより低い出力で駆動できるように設定する。
例えば、インバータ回路19のパルス幅変調(PWM)制御により低い火力となる周波数、デューティ比を設定することや、スナバコンデンサの変更によりより低い出力の波形となるような変更や、間欠運転の比率やタイミングなどを変更する。
これにより、通常の最低火力は150W程度であるのに対し、湯煎モードでは120W以下の低火力も使用可能とする。
また、制御手段18は、中心部温度検知素子27や中心外温度検知素子28からの出力より被加熱物13の温度を推定する算出式を変更して、低温域での温度検知に適したものに変更する。
温度検知手段31は、被加熱物13からのトッププレート4(結晶化ガラスやセラミック等の耐熱素材)を経て伝熱することにより温度を検知することから、低温での精度を上げるため、温度変化の時間遅れを配慮して被加熱物13の温度を推定することとなる。
また、温度制御においても、温度変化の時間遅れを配慮するため、火力や火力投入のタイミングもより、低温での被加熱物の温度制御に適したものであるとともに、湯煎で求められる焦げ付き防止性をより高めたものにする。
温度制御においては、温度的には安全サイドで焦げ付かない低温側を優先するとともに、時間遅れに十分を考慮して温度が追随するのを待ちながら時間はかかっても精度を上がる温度制御が用いられる。
また、焦げ付きの防止や急激な温度変化による食材の結晶の変化や不均一な加熱による部分的に温度が上昇するのを軽減するため、投入される火力に制限が設けられ、通常の加熱に比べ最大火力は制限される。
(被加熱物負荷検知)
ユーザーは、モード設定操作を行った後、スタート/停止キー32を押して、自動調理を開始する。
制御手段18は、自動調理を開始すると、図6に示した、被加熱物検知の判断テーブルに従い、被加熱物13の有無や大きさ等を、コイル電流検出回路21と入力電流検出回路22からの情報より、コイル電流と入力電量とをマッピングすることにより判定する。
湯煎モードが設定されている場合は、図5ではなく図6の湯煎モード用の判定テーブルが用いられ小径鍋や調理用のボールでも適正領域にマッピングされ不適正として加熱調理されないなどが無いことは先の説明どおりである。
制御手段18は、判定の結果、小径鍋や調理用ボールと判定した場合は、中心部温度検知素子27の検出値を優先的に温度検知に用いて加熱制御を行う。
なお、中心外温度検知素子28の出力を補正用データとして用いる等の制御を行うようにしても良い。
また、制御手段18は、小径鍋や調理用ボールと判定した場合は、小径鍋や調理用ボールに適した加熱制御が行われ、適切な周波数やデューティでインバータ回路19より加熱コイル26は駆動される。
載置部右8と載置部中央10の判定テーブルは、右加熱コイルユニット23と中央加熱コイルユニット25で加熱コイル26の形状・巻線仕様が異なることから、湯煎モード用の被加熱物検知テーブルでも判定基準は異なるものになる。
また、載置部左9の場合は、中心側加熱コイル29と外周側加熱コイル30とに、それぞれ、湯煎モード用の判定テーブルが設けられるとともに、中心側加熱コイル29のコイル電流と入力電流のマッピングによる判定と、外周側加熱コイル30のコイル電流と入力電流のマッピングによる判定具とを組み合わせてより精度良く行われる。
例えば、中心側加熱コイル29が負荷有りと判定し、外周側加熱コイル30は負荷無しと判定した場合は、被加熱物13の底面が小径の鍋または調理用ボールであると判定する。
このように、被加熱物13が小径の鍋または調理用ボール等の所定値より小さいと判断したとき、外周側加熱コイル30に対するインバータ回路19からの高周波電流の供給を停止する。
また、このとき、中心部温度検知素子27の検出値を優先的に温度検知に用いて加熱制御を行う。なお、中心外温度検知素子28の出力を補正用データとして用いる等の制御を行うようにしても良い。
負荷検知の判定の結果、適正と判定され、被加熱物の負荷に適切な制御が選択された後、予熱工程に入り予熱制御がなされる。
(予熱工程)
予熱工程の制御においては、制御手段18は、被加熱物13の温度が開始温度より低い場合、加熱手段20を制御して、被加熱物13の温度を開始温度まで上昇させる。
例えば、制御手段18は、被加熱物13が開始温度表示46の温度である35℃になるよう加熱するとともに、加熱に伴う被加熱物13の温度変化より、負荷推定を行い、昇温制御を行うための火力と温度上昇の関係や保温制御のための必要火力を予熱による加熱工程でそれらの初期値を求める。それぞれの工程において初期値でうまく制御できない場合は、被加熱物13の温度変化をみながら値は変更され適切に制御される。
また、予熱工程の制御においては、初期においては湯煎モードの被加熱物負荷検知の判定により、定められた最大の火力が投入され(図8においては火力3)、開始温度に近い温度になるにつれて投入される火力は下げられ、最低火力まで下げられた後は間欠での加熱となる。間欠においても、最低火力の投入される時間は開始温度に近くなるにつれ短時間としてより低火力にするとともに、火力を停止しながら被加熱物13の時間遅れによる温度変化を待つ制御も行われる。
(昇温工程)
昇温工程の制御(昇温制御)においては、制御手段18は、被加熱物13の温度が、開始温度から保持温度に上昇するまでの時間が、上昇時間となるように加熱手段20を制御する。
このとき、例えば、制御手段18は、開始温度と保持温度との温度差と、上昇時間とに基づき、単位時間当たりの温度上昇値を求め、被加熱物13の温度が、単位時間当たりの温度上昇値で上昇するように加熱手段20を制御する。
例えば、被加熱物13の推定温度が開始温度の35℃に対して所定の範囲の温度となると、湯煎調理工程に移り、加熱条件で設定された保持温度50℃に上昇時間の10分間をかけて到達するように、開始温度と保持温度の温度差である15℃を上昇時間の10分で除して、単位時間当たりの温度上昇値(上昇速度)として1.5℃/分を得る。そして、この1.5℃/分の温度上昇速度で昇温制御する。
(保持工程)
保持工程の制御(保温制御)においては、制御手段18は、被加熱物13の温度が保持温度に達した後、当該保持温度を保持時間のあいだ保持するように、加熱手段20を制御する。例えば、保持温度50℃で5分間維持する。
それぞれの制御においては、経過時間ごとの目標温度に対して所定の温度幅になるように、予熱工程で負荷推定されたパラメータにて温度制御されるが、推定と異なる温度変化であることが、被加熱物13の温度変化より判断されればパラメータは適切に変更され制御がなされる。
それぞれの制御においては、湯煎モードの被加熱物負荷検知の判定により、定められた最大の火力よりも低い火力が投入されるが、最低火力でも高い場合は、間欠で火力を投入することにより、より低い投入火力としている。
間欠による火力の投入においても、投入時間および停止の時間は火力調整により制御され、低火力においては、より短時間の火力の投入で長時間の停止する制御がなされる。図8の昇温制御と保温制御では、より低火力の保温制御の方が、投入時間は短く停止時間は長くなっている。
以上のように本実施の形態においては、湯煎モードにおいて、被加熱物13の温度が、開始温度から保持温度に上昇するまでの時間が、上昇時間となるように加熱手段20を制御する。
このため、被加熱物13を直接加熱する場合であっても、湯煎による調理と同様の加熱調理を行うことができる。
また、湯煎による調理と同様の加熱調理において、所望の温度および時間で被加熱物13の加熱調理を行うことができる。
また、別の容器の湯を沸かして湯煎調理を行う場合と比較して、直接加熱することにより、湯煎調理の手間が簡素化することができ、家事労働を軽減することができる。
また、別の容器で湯を沸かす必要がないので、湯煎調理に使用する水を節約することができ、環境負荷を低減することができる。
また、水による間接加熱をする場合と比較して、直接加熱することにより、水を加熱するための消費電力が不要となり、エネルギー消費量を削減することができる。
また、温度検知手段31によりユーザーが被加熱物の温度を測定しながら湯煎調理をする手間を省きながら、所望の温度および時間による加熱制御を行うことができ、湯煎調理の作業性を向上することができる。
したがって、環境負荷が低く、高い調理機能の加熱調理器を得ることができる。
また、湯煎モードにおいて、開始温度と保持温度との温度差と、上昇時間とに基づき、単位時間当たりの温度上昇値を求め、被加熱物13の温度が、単位時間当たりの温度上昇値で上昇するように加熱手段20を制御する。
このため、急減な温度の変化が軽減され被加熱物13の温度検知の精度が向上し良好な調理効果を得られる。
また、急激な温度変化による食材の結晶の変化による食味の低下や食材の焦げ付きを防止できる。
よって、より湯煎に近い調理効果を得られる。
したがって、調理性能の高い誘導加熱調理器とすることができる。
また、湯煎モードにおいて、被加熱物13の温度が保持温度に達した後、当該保持温度を保持時間のあいだ保持するように、加熱手段20を制御する。
このため、湯煎による調理と同様の加熱調理において、所望の温度および時間で被加熱物13の加熱調理を行うことができる。
よって、温度検知手段31によりユーザーが被加熱物の温度を測定しながら湯煎調理をする手間を省きながら、所望の温度および時間による加熱制御を行うことができ、湯煎調理の作業性を向上することができる。
湯煎モードにおいて、被加熱物13の温度が開始温度より低い場合、加熱手段20を制御して、被加熱物13の温度を開始温度まで上昇させる。
このため、湯煎による調理と同様の加熱調理において、所望の温度および時間で被加熱物13の加熱調理を行うことができる。
よって、温度検知手段31によりユーザーが被加熱物の温度を測定しながら湯煎調理をする手間を省きながら、所望の温度および時間による加熱制御を行うことができ、湯煎調理の作業性を向上することができる。
また、加熱条件を操作入力させる加熱条件設定手段16を備え、加熱条件設定手段16から入力された加熱条件の情報を記憶手段に記憶する。
このため、ユーザーの操作により、加熱条件の設定および変更が可能となる。
よって、よりユーザーの嗜好に応じた調理が可能となり、より高い調理機能の加熱調理器を得ることができる。
また、温度検知手段31は、被加熱物13からトッププレート4に伝熱した熱により温度を検出し、制御手段18は、温度検知手段31の検出値と、トッププレート4の伝熱特性とに基づき、被加熱物13の温度を算出して求める。
このため、被加熱物13の温度変化を温度検知手段31が検出するに時間遅れへの考慮して温度を算出することができ、検出温度の精度を向上させることができる。
なお、湯煎モードにおいては100℃以下の低温であるとともにトッププレート4を介しての被加熱物13からの伝熱であることによる被加熱物13の温度変化を温度検知手段31が検出するに時間遅れへの考慮した検出時間を長く持たせるシーケンスや時間遅れを考慮した温度算出手段を用いることや、100℃以下の低温であることによる本体1内の発熱等による外乱の影響を考慮した内部温度の補正する温度算出手段や複数回の検知を行うシーケンスなどにより検知精度および算出精度が高まり、被加熱物13の温度検知の精度が高まり良好な火力調整・温度制御が行われ良好な調理効果を得られる。
よって、調理性能の高い誘導加熱調理器とすることができる。
また、コイル電流および入力電流に応じて被加熱物13の大きさを判断する判断テーブルの情報が記憶手段に記憶され、制御手段18は、湯煎モードにおいて、コイル電流、入力電流、および判断テーブルに基づき、被加熱物13の大きさを判断し、被加熱物13の大きさに応じて加熱手段20を制御する。
このため、通常の検知内容では被加熱物13として適性と判断され加熱制御がなされないことがある調理用ボールや小径鍋においても加熱制御がなされるとともに、これらに適した周波数やデューティ比等で加熱制御がなされる。
よって、良好な火力調整・温度制御が行われ良好な調理効果を得られる。
したがって、調理性能の高い誘導加熱調理器とすることができる。
また、加熱手段20は、中心側に配置された中心側加熱コイル29と、該中心側加熱コイル29と同心円状に配置された外周側加熱コイル30とを有し、制御手段18は、被加熱物13が所定値より小さいとき、外周側加熱コイル30に対する高周波電流の供給を停止する。
このため、加熱に寄与しない外周側加熱コイル30および対応するインバータ回路19は加熱に伴う電力を消費しない。
よって、消費電力の低い誘導加熱調理器を得ることができる。
また、温度検知手段31は、加熱コイルの中心部近傍に配置された中心部温度検知素子27と、加熱コイルの中心部から外縁までの間に配置された中心外温度検知素子28とを有し、制御手段18は、被加熱物13が所定値より小さいとき、中心部温度検知素子27により検知された被加熱物13の温度に基づき、加熱手段20を制御する。
このため、湯煎に用いられることが多い小径鍋や底面平面部の径が小さい調理用ボールにおいても、被加熱物13の温度検知の精度が高まり良好な火力調整・温度制御が行われ良好な調理効果を得られる、
よって、調理性能の高い誘導加熱調理器とすることができる。
実施の形態3.
上記実施の形態2では、湯煎モードの料理メニューとして、ユーザーの操作入力により加熱条件を設定する『マニュアル ユーザー設定(1)』について説明した。
本実施の形態3では、湯煎モードの料理メニューとして、1または複数の料理メニューに対応する加熱条件が予め記憶手段に記憶され、ユーザーにより選択された料理メニューに応じた加熱条件に基づき、自動調理を行う形態について説明する。
以下、湯煎モードの料理メニューの例について説明する。
なお、各料理メニューに対応する加熱条件の情報は、上記実施の形態2で説明した「加熱条件の設定・変更」と同様の動作により、ユーザーの操作によって設定または変更が可能である。
[チョコレート湯煎]
まず、チョコレート湯煎の料理メニューについて説明する。
図12は実施の形態3に係る「チョコレート湯煎(1)」メニューの自動調理時における表示の一例を示す図である。
図13は実施の形態3に係る「チョコレート湯煎(2)」メニューの自動調理時における表示の一例を示す図である。
チョコレートを湯煎調理するための料理メニューとしては、『チョコレート湯煎(1)』と『チョコレート湯煎(2)』の2つのメニューが設定される。
図12および図13に自動調理時の表示部14の一例を示す。
この料理メニューは、チョコレートを溶かして、容器に流して固める製菓の工程に用いられる。チョコレートに含まれるカカオバターの結晶には複数の型(分子の配列)があり、最も良好な結晶にするための温度調整作業(テンパリング)を補助する料理メニューである。これにより、光沢の美しい、滑らかな口当たりのチョコレートを調理可能としている。
チョコレートを溶かして凝固させる概略の調理工程は、例えば以下である。
(a)被加熱物13に刻んだチョコレートを入れ45〜50℃の湯煎で溶かす。
(b)被加熱物13を浸すことが可能な容器に水を入れ、被加熱物13に水が入らないように浸しゆっくり攪拌しながら27〜28℃に冷やす。
(c)再び、被加熱物13を湯煎にかけ、攪拌しながら28〜33℃の温度まで上昇させる。
(d)容器に入れて固める。
本実施の形態における加熱調理器の記憶手段には、上記調理工程(a)を直接加熱により自動調理する料理メニューとして『チョコレート湯煎(1)』が記憶される。
また、上記調理工程(c)を直接加熱により自動調理する料理メニューとして『チョコレート湯煎(2)』が記憶される。
なお、『チョコレート湯煎(1)』は、本発明における「第1のチョコレート湯煎メニュー」に相当する。
なお、『チョコレート湯煎(2)』は、本発明における「第2のチョコレート湯煎メニュー」に相当する。
『チョコレート湯煎(1)』に対応する加熱条件は、上記調理工程(a)を実施するため、保持温度が40℃〜50℃前後(例えば±1℃)の温度に設定されている。例えば、図12に示すように保持温度が45℃に設定される。
なお、他の加熱条件としては、例えば図12に示すように、開始温度が室温に設定され、上昇時間が5分に設定され、保持時間が30分に設定される。ここで、温度の設定が室温の場合には、自動調理を開始する際に温度検知手段31により検知された温度を、当該設定の温度とする。
なお、加熱条件の各設定値は、ユーザーにより任意に設定または変更しても良い。
『チョコレート湯煎(2)』に対応する加熱条件は、上記調理工程(c)を実施するため、保持温度が28℃〜33℃前後(例えば±1℃)の温度に設定されている。例えば、図13に示すように保持温度が32℃に設定される。
なお、他の加熱条件としては、例えば図13に示すように、開始温度が28℃に設定され、上昇時間が4分に設定され、保持時間が30分に設定される。
なお、加熱条件の各設定値は、ユーザーにより任意に設定または変更しても良い。
ユーザーは、チョコレートの湯煎調理を行う際、上記実施の形態2の「モード設定操作」において、上記料理メニューの選択操作をする。
以降、上記実施の形態2と同様に、制御手段18は湯煎モードにおいて、選択された料理メニューに応じた加熱条件に基づき加熱手段20を制御して、自動調理を行う。
このように、チョコレートを湯煎する調理工程を実施する料理メニューとして『チョコレート湯煎(1)』と『チョコレート湯煎(2)』とが設定され、これら料理メニューに対応する加熱条件が設定される。
このため、『チョコレート湯煎(1)』で焦げ付くことなくチョコレートを容易に溶かすことができる。
また、『チョコレート湯煎(2)』で温度調整(テンパリング)することにより、チョコレートを適切に結晶化(結晶を4分類した場合のβ型、融点34〜36℃)でき、適切な密度に結晶がきれいに配列される。よって、光沢のある外観と滑らかな口溶けの食感の調理効果を得られる。
また、水での間接加熱による湯煎を行わないことから、チョコレートに水や水蒸気が混入して発生するシュガーブルーム(チョコレート内の糖分が混入した水に溶け外観や食感を低下させる現象)を起こしにくくすることができる。
よって、高品質のチョコレート調理を容易にでき、高機能で調理作業を効率化・省力化できる。
したがって、省エネで環境負荷の低い誘導加熱調理器とすることができる。
[バター湯煎]
次に、バター湯煎の料理メニューについて説明する。
図14は実施の形態3に係る「バター湯煎」メニューの自動調理時における表示の一例を示す図である。
バターを湯煎調理するための料理メニューとしては、『バター湯煎』のメニューが設定される。
図14に自動調理時の表示部14の一例を示す。
バターはそのまま加熱すると焦げやすいため、調理前に湯煎により溶かしておく調理工程が用いられる。
溶かしたバターは炒め物、焼き物において、調理前や調理中の調理や調味に使用される。また、湯煎により溶かし、凝固しない温度で放置すると、乳脂肪以外の蛋白質など(乳漿)が底に沈み、上澄みは透澄ましバターとして、バターでは強すぎる繊細な風味が必要となる調味に使用することや、焦げにくい性質を利用して炒めものや揚げ物の油として使用される。
バターを湯煎する調理工程は、被加熱物13を30℃前後(例えば±1℃)に加熱して保持する。
本実施の形態における加熱調理器の記憶手段には、上記調理工程を直接加熱により自動調理する料理メニューとして『バター湯煎』が記憶される。
『バター湯煎』に対応する加熱条件は、上記調理工程を実施するため、保持温度が30℃前後(例えば±1℃)の温度に設定されている。例えば、図14に示すように保持温度が30℃に設定される。
なお、他の加熱条件としては、例えば図14に示すように、開始温度が室温に設定され、上昇時間が3分に設定され、保持時間が15分に設定される。ここで、温度の設定が室温の場合には、自動調理を開始する際に温度検知手段31により検知された温度を、当該設定の温度とする。
なお、加熱条件の各設定値は、ユーザーにより任意に設定または変更しても良い。
ユーザーは、バターの湯煎調理を行う際、上記実施の形態2の「モード設定操作」において、上記料理メニューの選択操作をする。
以降、上記実施の形態2と同様に、制御手段18は湯煎モードにおいて、選択された料理メニューに応じた加熱条件に基づき加熱手段20を制御して、自動調理を行う。
このように、バターを湯煎する調理工程を実施する料理メニューとして『バター湯煎』が設定され、これら料理メニューに対応する加熱条件が設定される。
このため、水での間接加熱による湯煎することなく、直接加熱により、容易に溶かしバターや澄ましバターを調理できる。
よって、調理作業が軽減されるとともに、溶かしバターや澄ましバターを使用するソテー等の料理を容易に調理でき、調理可能な料理の範囲が広がり、高機能で調理作業を効率化・省力化できる。
したがって、省エネで環境負荷の低い誘導加熱調理器とすることができる。
[クリームチーズ湯煎]
次に、クリームチーズ湯煎の料理メニューについて説明する。
図15は実施の形態3に係る「クリームチーズ(1)発酵」メニューの自動調理時における表示の一例を示す図である。
図16は実施の形態3に係る「クリームチーズ(2)凝固」メニューの自動調理時における表示の一例を示す図である。
クリームチーズを湯煎調理するための料理メニューとしては、『クリームチーズ(1)発酵』と『クリームチーズ(2)凝固』の2つのメニューが設定される。
図15および図16に自動調理時の表示部14の一例を示す。
クリームチーズを作る概略の調理工程は、例えば以下である。
(a)牛乳と生クリームを被加熱物13に入れ、23℃になるまで湯煎であたためる。
(b)23℃になったら、チーズ用の乳酸菌スターターを少しずつ入れる。
(c)23℃を保ったまま15時間ほど発酵させる。
(d)攪拌しながら湯煎にて30分間で23℃から50℃まで加熱し固形分を凝固させる。
(e)濾過して固形分であるクリームチーズを分離する。
本実施の形態における加熱調理器の記憶手段には、上記調理工程(a)〜(c)を直接加熱により自動調理する料理メニューとして『クリームチーズ(1)発酵』が記憶される。
また、上記調理工程(d)を直接加熱により自動調理する料理メニューとして『クリームチーズ(2)凝固』が記憶される。
『クリームチーズ(1)発酵』に対応する加熱条件は、上記調理工程(a)〜(c)を実施するため、保持温度が23℃前後(例えば±1℃)の温度に設定されている。例えば、図15に示すように保持温度が23℃に設定される。
なお、他の加熱条件としては、例えば図15に示すように、開始温度が室温に設定され、上昇時間が3分に設定され、保持時間が15時間に設定される。ここで、温度の設定が室温の場合には、自動調理を開始する際に温度検知手段31により検知された温度を、当該設定の温度とする。
なお、加熱条件の各設定値は、ユーザーにより任意に設定または変更しても良い。
『クリームチーズ(2)凝固』に対応する加熱条件は、上記調理工程(d)を実施するため、開始温度が23℃前後(例えば±1℃)に設定され、保持温度が50℃前後(例えば±1℃)の温度に設定され、上昇時間が約30分に設定されている。例えば、図16に示すように、開始温度が23℃に設定され、保持温度が50℃の温度に設定され、上昇時間が30分に設定される。
なお、他の加熱条件としては、例えば図16に示すように、保持時間が30分に設定される。
なお、加熱条件の各設定値は、ユーザーにより任意に設定または変更しても良い。
ユーザーは、クリームチーズを作る調理を行う際、上記実施の形態2の「モード設定操作」において、上記料理メニューの選択操作をする。
以降、上記実施の形態2と同様に、制御手段18は湯煎モードにおいて、選択された料理メニューに応じた加熱条件に基づき加熱手段20を制御して、自動調理を行う。
このように、クリームチーズを作る調理工程を実施する料理メニューとして『クリームチーズ(1)発酵』と『クリームチーズ(2)凝固』とが設定され、これら料理メニューに対応する加熱条件が設定される。
このため、水での間接加熱による湯煎することなく、直接加熱によって容易にクリームチーズを作ることができる。
よって、調理作業が軽減されるとともに、クリームチーズを使用する料理を容易に調理でき調理可能な料理の範囲が広がり、高機能で調理作業を効率化・省力化できる。
したがって、省エネで環境負荷の低い誘導加熱調理器とすることができる。
[モッツアレラチーズ湯煎]
次に、モッツアレラチーズ湯煎の料理メニューについて説明する。
図17は実施の形態3に係る「モッツアレラチーズ(1)凝固」メニューの自動調理時における表示の一例を示す図である。
図18は実施の形態3に係る「モッツアレラチーズ(2)分離」メニューの自動調理時における表示の一例を示す図である。
モッツアレラチーズを作る調理をするための料理メニューとしては、『モッツアレラチーズ(1)凝固』と『モッツアレラチーズ(2)分離』の2つのメニューが設定される。
図17および図18に自動調理時の表示部14の一例を示す。
モッツアレラチーズを作る調理工程は、例えば以下である。
(a)牛乳を32℃になるまで湯煎であたためる。
(b)32℃になったら、ヨーグルトスターターを入れ30分間放置する。
(c)32℃を保ったまま塩化カルシウム・レンネットの順で添加し撹拌後30分放置する。
(d)攪拌しながら湯煎にて35分間で32℃から42℃まで加熱し固形分を凝固させる。
(e)濾過して固形分を42℃にしてpH5.2になるまで約2時間保持する。
本実施の形態における加熱調理器の記憶手段には、上記調理工程(a)〜(c)を直接加熱により自動調理する料理メニューとして『モッツアレラチーズ(1)凝固』が記憶される。
また、上記調理工程(d)〜(e)を直接加熱により自動調理する料理メニューとして『モッツアレラチーズ(2)分離』が記憶される。
『モッツアレラチーズ(1)凝固』に対応する加熱条件は、上記調理工程(a)〜(c)を実施するため、保持温度が32℃前後(例えば±1℃)の温度に設定されている。例えば、図17に示すように保持温度が32℃に設定される。
なお、他の加熱条件としては、例えば図17に示すように、開始温度が室温に設定され、上昇時間が3分に設定され、保持時間が60分に設定される。ここで、温度の設定が室温の場合には、自動調理を開始する際に温度検知手段31により検知された温度を、当該設定の温度とする。
なお、加熱条件の各設定値は、ユーザーにより任意に設定または変更しても良い。
『モッツアレラチーズ(2)分離』に対応する加熱条件は、上記調理工程(d)〜(e)を実施するため、開始温度が32℃前後(例えば±1℃)に設定され、保持温度が42℃前後(例えば±1℃)の温度に設定され、上昇時間が約35分に設定されている。例えば、図18に示すように、開始温度が32℃に設定され、保持温度が42℃の温度に設定され、上昇時間が35分に設定される。
なお、他の加熱条件としては、例えば図18に示すように、保持時間が2時間に設定される。
なお、加熱条件の各設定値は、ユーザーにより任意に設定または変更しても良い。
ユーザーは、モッツアレラチーズを作る調理を行う際、上記実施の形態2の「モード設定操作」において、上記料理メニューの選択操作をする。
以降、上記実施の形態2と同様に、制御手段18は湯煎モードにおいて、選択された料理メニューに応じた加熱条件に基づき加熱手段20を制御して、自動調理を行う。
このように、モッツアレラチーズを作る調理工程を実施する料理メニューとして『モッツアレラチーズ(1)凝固』と『モッツアレラチーズ(2)分離』とが設定され、これら料理メニューに対応する加熱条件が設定される。
このため、水での間接加熱による湯煎することなく、直接加熱により容易にモッツアレラチーズを作ることができる。
よって、調理作業が軽減されるとともに、モッツアレラチーズを使用する料理を容易に調理でき、調理可能な料理の範囲が広がり、高機能で調理作業を効率化・省力化できる。
したがって、省エネで環境負荷の低い誘導加熱調理器とすることができる。
[メレンゲ湯煎]
次に、メレンゲ湯煎の料理メニューについて説明する。
図19は実施の形態3に係る「メレンゲ湯煎」メニューの自動調理時における表示の一例を示す図である。
メレンゲを湯煎調理するための料理メニューとしては、『メレンゲ湯煎』のメニューが設定される。
図19に自動調理時の表示部14の一例を示す。
メレンゲはスポンジケーキの生地や、バタークリームやムースを作る時などに用いられる中間調理物であり、温めないコールドメレンゲや加温して作るホットメレンゲなどがあり、このメニューはホットメレンゲを作る際に使用される。
メレンゲを作る調理工程は、例えば以下である。
(a)被加熱物13に卵白を入れ湯煎にて45℃前後(例えば±1℃)にあたためる。
(b)45℃を保った状態で最初は卵白を攪拌し、その後に砂糖を入れていく。
(c)砂糖を入れ終わったら、湯煎から外し冷めるまで攪拌し泡立てる。
本実施の形態における加熱調理器の記憶手段には、上記調理工程(a)および(b)を直接加熱により自動調理する料理メニューとして『メレンゲ湯煎』が記憶される。
『メレンゲ湯煎』に対応する加熱条件は、上記調理工程(a)および(b)を実施するため、40℃〜60℃前後(例えば±1℃)の温度に設定されている。例えば、図19に示すように保持温度が45℃に設定される。
なお、他の加熱条件としては、例えば図19に示すように、開始温度が室温に設定され、上昇時間が3分に設定され、保持時間が30分に設定される。ここで、温度の設定が室温の場合には、自動調理を開始する際に温度検知手段31により検知された温度を、当該設定の温度とする。
なお、加熱条件の各設定値は、ユーザーにより任意に設定または変更しても良い。
ユーザーは、チョコレートの湯煎調理を行う際、上記実施の形態2の「モード設定操作」において、上記料理メニューの選択操作をする。
以降、上記実施の形態2と同様に、制御手段18は湯煎モードにおいて、選択された料理メニューに応じた加熱条件に基づき加熱手段20を制御して、自動調理を行う。
このように、メレンゲを湯煎する調理工程を実施する料理メニューとして『メレンゲ湯煎』が設定され、これら料理メニューに対応する加熱条件が設定される。
このため、水での間接加熱による湯煎することなく、直接加熱により容易にメレンゲを作ることができる。
よって、調理作業が軽減されるとともに、メレンゲを使用するスポンジケーキやバタークリームやムース等の料理を容易に調理でき調理可能な料理の範囲が広がり、高機能で調理作業を効率化・省力化できる。
したがって、省エネで環境負荷の低い誘導加熱調理器とすることができる。
[下ごしらえ]
ここで、例えばメレンゲなどの中間料理物を使用する、他の中間調理物の調理を実施するための動作について説明する。
例えばメレンゲは、本体1の調理室11で調理されるスポンジ生地に使用されることから、湯煎モードのメレンゲ湯煎の調理メニューと共に、調理室11による自動調理を行うための調理メニュー(以下「調理室調理メニュー」という)を表示する。
制御手段18の記憶手段には、調理室料理メニューに対応する加熱条件として第2の加熱手段の加熱制御に関する情報が記憶される。例えば、『スポンジケーキ』に対応する加熱条件として、調理室11内の第2の加熱手段を、所定の温度で所定時間加熱する条件が設定される。
このように、メレンゲ湯煎のメニューは本体1の調理室11内で、ケーキを焼くための生地にも使用されることから、上述したメレンゲ湯煎が完了すると、制御手段18は、調理室料理メニューの『スポンジケーキ』メニューを、表示部14に表示させる(図示せず)。
なお、このとき、例えば、『スポンジケーキ』のメニュー表示に加え、自動調理するか否かをユーザーに問い合わせる旨の表示をするようにしても良い。
なお、調理室料理メニューはこれに限るものではなく、任意の料理に対応するメニューを設けることができる。また、ここでは、メレンゲ湯煎において、調理室料理メニューを表示させる場合を説明するが、これに限らず他の料理メニューでも良い。
ユーザーの操作により調理室料理メニューが選択操作された場合、制御手段18は、記憶手段に記憶された、調理室料理メニューに対応する加熱条件に従い、調理室11内の第2の加熱手段を制御する。
例えば、『スポンジケーキ』のメニューが選択されると、調理室11でスポンジケーキを調理する加熱制御が行われる。
このように、湯煎モードの料理メニューと共に、調理室11で実施する料理メニューを表示する。
このため、湯煎モードの料理メニューと調理室11での調理との連携を図ることができ、複数の調理工程を本体1に備える調理手段で調理可能にするとともにスムーズな連携でユーザーをアシストして調理の作業性を高め、調理を簡易化することができる。
また、例えば調理室でスポンジケーキを焼く調理を行う場合に、湯煎モードにメレンゲ湯煎の料理メニューがあることから、容易にケーキ生地の下ごしらえができる。
また、料理メニューより関連する調理室の調理メニューが選択可能なことから、複数の調理工程を1台でできるとともに、メニューが連携して容易に調理ができる。
よって、作業性が向上することから、高機能で調理作業を効率化・省力化できる誘導加熱調理器とすることができる。
[ゼラチン]
次に、ゼラチン湯煎の料理メニューについて説明する。
図20は実施の形態3に係る「ゼラチン湯煎」メニューの自動調理時における表示の一例を示す図である。
ゼラチンを湯煎調理するための料理メニューとしては、『ゼラチン』のメニューが設定される。
図20に自動調理時の表示部14の一例を示す。
ゼラチンはゼリーやグミといった製菓の材料として用いられ、粉または固形のゼラチンを湯煎で溶かした後に、調味料や具材などを混ぜ合わせた後、容器に入れ冷却して完成する。
ゼラチンの融解温度は約24℃であるが、製菓で使用される場合は砂糖が添加されると60℃程度となるため、ゼラチン湯煎の料理メニューにおいては被加熱物13が60℃になるよう低火力にて緩やかに直接加熱する。
本実施の形態における加熱調理器の記憶手段には、上記調理工程を直接加熱により自動調理する料理メニューとして『ゼラチン』が記憶される。
『ゼラチン』に対応する加熱条件は、上記調理工程を実施するため、保持温度が60℃〜70℃前後(例えば±1℃)の温度に設定されている。例えば、図20に示すように保持温度が60℃に設定される。
なお、他の加熱条件としては、例えば図20に示すように、開始温度が室温に設定され、上昇時間が5分に設定され、保持時間が20分に設定される。ここで、温度の設定が室温の場合には、自動調理を開始する際に温度検知手段31により検知された温度を、当該設定の温度とする。
なお、加熱条件の各設定値は、ユーザーにより任意に設定または変更しても良い。
ユーザーは、ゼラチンの湯煎調理を行う際、上記実施の形態2の「モード設定操作」において、上記料理メニューの選択操作をする。
以降、上記実施の形態2と同様に、制御手段18は湯煎モードにおいて、選択された料理メニューに応じた加熱条件に基づき加熱手段20を制御して、自動調理を行う。
このように、ゼラチンを湯煎する調理工程を実施する料理メニューとして『ゼラチン湯煎』が設定され、これら料理メニューに対応する加熱条件が設定される。
このため、水での間接加熱による湯煎することなく、直接加熱により容易にゼラチンを溶かすことができる。
よって、調理作業が軽減されるとともに、ゼラチンを使用するゼリー等の料理を容易に調理でき調理可能な料理の範囲が広がり、高機能で調理作業を効率化・省力化できる。
したがって、省エネで環境負荷の低い誘導加熱調理器とすることができる。
[パスタ湯煎]
次に、パスタ湯煎の料理メニューについて説明する。
図21は実施の形態3に係る「パスタ湯煎」メニューの自動調理時における表示の一例を示す図である。
パスタを湯煎調理するための料理メニューとしては、『パスタ湯煎』のメニューが設定される。
図21に自動調理時の表示部14の一例を示す。
パスタ湯煎では、パスタ用のソースの調理とソースとパスタを混ぜ合わせるための料理メニューである。
パスタのソースに、例えばマヨネーズや卵等の材料に蛋白質を含む場合、従来の加熱調理器で直接加熱すると蛋白質の凝固温度を超えて凝固してしまいうまく作れないことから、湯煎にて調理するパスタソースがある(カルボナーラ、クリーム系ソース等)。
このようなパスタやパスタソースを湯煎する調理工程は、被加熱物13を55℃前後(例えば±1℃)になるようにし、卵に含まれる蛋白質が凝固しない低火力にて緩やかに加熱する。
本実施の形態における加熱調理器の記憶手段には、上記調理工程を直接加熱により自動調理する料理メニューとして『パスタ湯煎』が記憶される。
『パスタ湯煎』に対応する加熱条件は、上記調理工程を実施するため、保持温度が50℃〜60℃前後(例えば±1℃)の温度に設定されている。例えば、図21に示すように保持温度が55℃に設定される。
なお、他の加熱条件としては、例えば図21に示すように、開始温度が室温に設定され、上昇時間が3分に設定され、保持時間が15分に設定される。ここで、温度の設定が室温の場合には、自動調理を開始する際に温度検知手段31により検知された温度を、当該設定の温度とする。
なお、加熱条件の各設定値は、ユーザーにより任意に設定または変更しても良い。
ユーザーは、パスタやパスタソースの湯煎調理を行う際、上記実施の形態2の「モード設定操作」において、上記料理メニューの選択操作をする。
以降、上記実施の形態2と同様に、制御手段18は湯煎モードにおいて、選択された料理メニューに応じた加熱条件に基づき加熱手段20を制御して、自動調理を行う。
このように、パスタやパスタソースを湯煎する調理工程を実施する料理メニューとして『パスタ湯煎』が設定され、これら料理メニューに対応する加熱条件が設定される。
このため、水での間接加熱による湯煎することなく、直接加熱により、カルボナーラ等の蛋白質の凝固状態の調整が必要なパスタソースが容易に作れる。
よって、パスタソースとパスタを適温で合わせることでできることから調理作業が軽減され、高機能で調理作業を効率化・省力化できる。
したがって、省エネで環境負荷の低い誘導加熱調理器とすることができる。
以上のように本実施の形態においては、複数の料理メニュー毎に加熱条件がそれぞれ記憶され、制御手段18は、湯煎モードにおいて、選択された料理メニューに応じた加熱条件に基づき、加熱手段20を制御する。
このため、上記実施の形態2の効果に加え、食材等に応じた料理メニューを設定することができ、食材等に応じて適切な温度および時間で加熱調理を行うことが可能となる。
また、食材等に応じて複数の料理メニューを設定することができ、ユーザーの嗜好に応じたより高い調理機能を持つとともに、操作の容易な加熱調理器を得ることができる。
また、記憶された調理メニューから選択された加熱条件による自動調理をすることで、加熱条件を毎回設定することが不要となり、操作の手間を軽減できる。
なお、本実施の形態3では、複数の料理メニューが設定される場合を説明したが、本発明はこれに限らず、料理メニューを1つだけ設けても良いし、上述した各調理メニューのうち、1または複数の任意の料理メニューを設けるようにしても良い。
なお、上記実施の形態1〜3では、加熱手段20の一例として誘導加熱方式を説明したが、本発明はこれに限らず、加熱手段20を、ジュール熱を発生する発熱体で構成するようにしても良い。
例えば加熱手段20をラジェンドヒータにより構成する。なおこの場合、加熱手段20の周辺は高温となるため、温度検知手段31を赤外線センサにより構成して、例えばトッププレート4の上面端部に配置し、被加熱物13の側方からの赤外線により温度を検出するようにするのが望ましい。
なお、上記実施の形態1〜3では、被加熱物13を直接加熱して湯煎を行うことを主体に説明してきたが、従来の様に、被加熱物13を収納可能な一回り大きな別の容器に湯を入れて、その中に被加熱物13の一部を入れ、この一回り大きな容器をこれまで説明して来た様に加熱制御しても湯煎制御可能である。
1 本体、2 筐体、3 筐体上面、4 トッププレート、5 吸排気口カバー、6 操作部、7 調理室扉、8 載置部右、9 載置部左、10 載置部中央、11 調理室、12 電子回路基板、13 被加熱物、14 表示部、15 表示手段、16 加熱条件設定手段、17 調理モード設定手段、18 制御手段、19 インバータ回路、20 加熱手段、21 コイル電流検出回路、22 入力電流検出回路、23 右加熱コイルユニット、24 左加熱コイルユニット、25 中央加熱コイルユニット、26 加熱コイル、27 中心部温度検知素子、28 中心外温度検知素子、29 中心側加熱コイル、30 外周側加熱コイル、31 温度検知手段、32 スタート/停止キー、33 開始温度キー、34 保持温度キー、35 火力/温度+キー、36 火力/温度−キー、37 上昇時間キー、38 保持時間キー、39 時間+キー、40 時間−キー、41 調理モードキー、42 料理メニューキー、43 調理モード表示、44 調理モード選択マーカー、45 料理メニュー表示、46 開始温度表示、47 保持温度表示、48 上昇時間表示、49 保持時間表示、50 動作状態表示、51 経過表示マーカー。

Claims (33)

  1. トッププレートを有する本体と、
    前記トッププレート上に載置された被加熱物を加熱する加熱手段と、
    前記被加熱物の温度を検知する温度検知手段と、
    調理モードの選択操作を行う調理モード設定手段と、
    選択された前記調理モードおよび前記被加熱物の温度に基づき、前記加熱手段を制御する制御手段とを備え、
    前記トッププレート上に載置された前記被加熱物の加熱が、該被加熱物を湯煎する加熱と同等となるように加熱制御する湯煎モードを、前記調理モードとして有する
    ことを特徴とする加熱調理器。
  2. 前記制御手段は、
    前記加熱手段の出力を複数段階に制御し、
    前記湯煎モードにおける、前記加熱手段の出力が所定値より小さい低出力領域での出力の調整精度が、湯煎モード以外の調理モードにおける前記低出力領域での出力の調整精度より高い
    ことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
  3. 前記制御手段は、
    前記加熱手段の出力を複数段階に制御し、
    前記湯煎モードにおける前記加熱手段の最小段階の出力が、湯煎モード以外の調理モードにおける最小段階の出力より小さい
    ことを特徴とする請求項1または2記載の加熱調理器。
  4. 前記制御手段は、
    前記温度検知手段の温度検知結果を周期的に取得し、
    前記湯煎モードにおける温度検知周期が、湯煎モード以外の調理モードにおける温度検知周期より短い
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の加熱調理器。
  5. 前記制御手段は、
    前記温度検知手段の検知値に基づき前記被加熱物の温度を算出し、
    前記湯煎モードにおける、所定の温度より小さい低温度域での温度の算出精度が、湯煎モード以外の調理モードにおける算出精度より高い
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の加熱調理器。
  6. 少なくとも設定温度の情報が記憶される記憶手段を備え、
    前記設定温度は100℃以下に設定され、
    前記制御手段は、前記湯煎モードにおいて、
    前記被加熱物の温度が前記設定温度を超えないように、前記加熱手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の加熱調理器。
  7. 前記制御手段は、前記湯煎モードにおいて、
    所定時間当たりの前記被加熱物の温度の上昇値が所定値以下となるように、前記加熱手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の加熱調理器。
  8. 前記制御手段は、前記湯煎モードにおいて、
    前記被加熱物の温度が前記設定温度より小さいとき、
    所定の加熱時間の間、前記被加熱物を加熱させ、当該被加熱物の温度の変化率が所定値以下となった後、再度、所定の加熱時間の間、当該被加熱物を加熱させる
    ことを特徴とする請求項6または7記載の加熱調理器。
  9. 前記記憶手段は、予熱温度の情報が記憶され、
    前記制御手段は、前記湯煎モードにおいて、
    前記被加熱物の温度が前記予熱温度となった後、前記トッププレート上に載置された前記被加熱物の加熱が、該被加熱物を湯煎する加熱と同等となるように加熱制御する
    ことを特徴とする請求項6〜8の何れか1項に記載の加熱調理器。
  10. 前記湯煎モードにおいて、前記被加熱物の温度が前記予熱温度となったとき、湯煎と同等の調理が可能である旨の情報を表示する表示手段を備えた
    ことを特徴とする請求項9記載の加熱調理器。
  11. 前記記憶手段は、
    開始温度、前記開始温度以上の保持温度、および第1の時間の情報が、加熱条件として記憶され、
    前記制御手段は、前記湯煎モードにおいて、
    前記被加熱物の温度が、前記開始温度から前記保持温度に上昇するまでの時間が、前記第1の時間となるように前記加熱手段を制御する
    ことを特徴とする請求項6〜10の何れか1項に記載の加熱調理器。
  12. 前記制御手段は、前記湯煎モードにおいて、
    前記開始温度と前記保持温度との温度差と、前記第1の時間とに基づき、単位時間当たりの温度上昇値を求め、
    前記被加熱物の温度が、前記単位時間当たりの温度上昇値で上昇するように前記加熱手段を制御する
    ことを特徴とする請求項11記載の加熱調理器。
  13. 前記記憶手段は、
    前記加熱条件として、第2の時間の情報が記憶され、
    前記制御手段は、前記湯煎モードにおいて、
    前記被加熱物の温度が前記保持温度に達した後、当該保持温度を前記第2の時間のあいだ保持するように、前記加熱手段を制御する
    ことを特徴とする請求項11または12記載の加熱調理器。
  14. 前記制御手段は、前記湯煎モードにおいて、
    前記被加熱物の温度が前記開始温度より低い場合、
    前記加熱手段を制御して、前記被加熱物の温度を前記開始温度まで上昇させる
    ことを特徴とする請求項11〜13の何れか1項に記載の加熱調理器。
  15. 前記加熱条件を操作入力させる加熱条件設定手段を備え、
    前記記憶手段は、
    前記加熱条件設定手段から入力された前記加熱条件の情報を記憶する
    ことを特徴とする請求項6〜14の何れか1項に記載の加熱調理器。
  16. 前記記憶手段は、
    複数の料理メニュー毎に、前記加熱条件がそれぞれ記憶され、
    前記調理モード設定手段は、
    前記調理モードおよび前記料理メニューの選択操作を入力させ、
    前記制御手段は、前記湯煎モードにおいて、
    選択された前記料理メニューに応じた前記加熱条件に基づき、前記加熱手段を制御する
    ことを特徴とする請求項6〜15の何れか1項に記載の加熱調理器。
  17. 前記記憶手段は、
    料理メニューに対応する前記加熱条件が記憶され、
    前記料理メニューとしての第1のチョコレート湯煎メニューに対応する前記加熱条件は、
    前記保持温度が40℃〜50℃前後の温度に設定された
    ことを特徴とする請求項11〜16の何れか1項に記載の加熱調理器。
  18. 前記記憶手段は、
    料理メニューに対応する前記加熱条件が記憶され、
    前記料理メニューとしての第2のチョコレート湯煎メニューに対応する前記加熱条件は、
    前記保持温度が28℃〜33℃前後の温度に設定された
    ことを特徴とする請求項11〜17の何れか1項に記載の加熱調理器。
  19. 前記記憶手段は、
    料理メニューに対応する前記加熱条件が記憶され、
    前記料理メニューとしてのバター湯煎メニューに対応する前記加熱条件は、
    前記保持温度が30℃前後の温度に設定された
    ことを特徴とする請求項11〜18の何れか1項に記載の加熱調理器。
  20. 前記記憶手段は、
    料理メニューに対応する前記加熱条件が記憶され、
    前記料理メニューとしてのクリームチーズ発酵メニューに対応する前記加熱条件は、
    前記保持温度が23℃前後の温度に設定された
    ことを特徴とする請求項11〜19の何れか1項に記載の加熱調理器。
  21. 前記記憶手段は、
    料理メニューに対応する前記加熱条件が記憶され、
    前記料理メニューとしてのクリームチーズ凝固メニューに対応する前記加熱条件は、
    前記開始温度が23℃前後に設定され、前記保持温度が50℃前後の温度に設定され、前記第1の時間が約30分に設定された
    ことを特徴とする請求項11〜20の何れか1項に記載の加熱調理器。
  22. 前記記憶手段は、
    料理メニューに対応する前記加熱条件が記憶され、
    前記料理メニューとしてのモッツアレラチーズ凝固メニューに対応する前記加熱条件は、
    前記保持温度が32℃前後に設定された
    ことを特徴とする請求項11〜21の何れか1項に記載の加熱調理器。
  23. 前記記憶手段は、
    料理メニューに対応する前記加熱条件が記憶され、
    前記料理メニューとしてのモッツアレラチーズ分離メニューに対応する前記加熱条件は、
    前記開始温度が32℃前後に設定され、前記保持温度が42℃前後の温度に設定され、前記第1の時間が約35分に設定された
    ことを特徴とする請求項11〜22の何れか1項に記載の加熱調理器。
  24. 前記記憶手段は、
    料理メニューに対応する前記加熱条件が記憶され、
    前記料理メニューとしてのメレンゲ湯煎メニューに対応する前記加熱条件は、
    前記保持温度が40℃〜60℃前後の温度に設定された
    ことを特徴とする請求項11〜23の何れか1項に記載の加熱調理器。
  25. 前記記憶手段は、
    料理メニューに対応する前記加熱条件が記憶され、
    前記料理メニューとしてのゼラチン湯煎メニューに対応する前記加熱条件は、
    前記保持温度が60℃〜70℃前後の温度に設定された
    ことを特徴とする請求項11〜24の何れか1項に記載の加熱調理器。
  26. 前記記憶手段は、
    料理メニューに対応する前記加熱条件が記憶され、
    前記料理メニューとしてのパスタ湯煎メニューに対応する前記加熱条件は、
    前記保持温度が50℃〜60℃前後の温度に設定された
    ことを特徴とする請求項11〜25の何れか1項に記載の加熱調理器。
  27. 前記調理モードおよび前記料理メニューの情報を表示する表示手段と、
    前記本体に設けられ、第2の加熱手段を有する調理室と
    を備え、
    前記記憶手段は、
    調理室料理メニューに対応する加熱条件として前記第2の加熱手段の加熱制御に関する情報が記憶され、
    前記表示手段は、
    前記湯煎モードにおける前記料理メニューの情報と共に、前記調理室料理メニューの情報を表示する
    ことを特徴とする請求項16〜25の何れか1項に記載の加熱調理器。
  28. 前記制御手段は、前記湯煎モードにおいて、
    選択された前記料理メニューに応じた前記加熱条件に基づき前記加熱手段を制御した後、
    前記調理室料理メニューが選択操作された場合、前記調理室料理メニューに対応する加熱条件に基づき、前記第2の加熱手段を制御する
    ことを特徴とする請求項27記載の加熱調理器。
  29. 前記温度検知手段は、
    前記被加熱物から前記トッププレートに伝熱した熱により温度を検出し、
    前記制御手段は、
    前記温度検知手段の検出値と、前記トッププレートの伝熱特性とに基づき、前記被加熱物の温度を算出して求める
    ことを特徴とする請求項11〜28の何れか1項に記載の加熱調理器。
  30. 前記加熱手段は、ジュール熱を発生する発熱体である
    ことを特徴とする請求項1〜29の何れか1項に記載の加熱調理器。
  31. 前記加熱手段は、高周波電流を流して誘導加熱する加熱コイルであって、
    前記加熱コイルに高周波電流を供給する駆動手段と、
    前記加熱コイルに供給された電流であるコイル電流を検出するコイル電流検出回路と、
    前記駆動手段に供給された電流である入力電流を検出する入力電流検出回路と
    を備え、
    前記記憶手段は、
    前記コイル電流および前記入力電流に応じて前記被加熱物の大きさを判断する判断条件の情報が記憶され、
    前記制御手段は、前記湯煎モードにおいて、
    前記コイル電流、前記入力電流、および前記判断条件に基づき、前記被加熱物の大きさを判断し、前記被加熱物の大きさに応じて前記加熱手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1〜29の何れか1項に記載の加熱調理器。
  32. 前記加熱コイルは、
    中心側に配置された中心側加熱コイルと、該中心側加熱コイルと同心円状に配置された外周側加熱コイルとを有し、
    前記制御手段は、
    前記被加熱物が所定値より小さいとき、前記外周側加熱コイルに対する高周波電流の供給を停止する
    ことを特徴とする請求項31記載の加熱調理器。
  33. 前記温度検知手段は、
    前記加熱コイルの中心部近傍に配置された中心部温度検知手段と、
    前記加熱コイルの中心部から外縁までの間に配置された中心外温度検知手段と
    を有し、
    前記制御手段は、
    前記被加熱物が所定値より小さいとき、前記中心部温度検知手段により検知された前記被加熱物の温度に基づき、前記加熱手段を制御する
    ことを特徴とする請求項31または32記載の加熱調理器。
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