JP2011252845A - 電力量計の端子部保護カバーの取り付け方法および取り付け構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】端子部保護カバーの取り付け作業の作業性を良好にするに際して、既存の端子部保護カバーをそのまま利用できるようにすること、利用する追加部品の汎用性を高められるようにすること、そして、端子部保護カバーを綺麗にフィットさせることができるようにすること。
【解決手段】電力量計11が取り付けられた計器板31に穿孔された木ねじをねじ込むためのねじ孔33の位置に、両面開口の筒状をした絶縁性を有する案内部材101の開拡した基部を両面テープで貼り付け(第一の工程)、端子部保護カバーに形成された木ねじを通す通し孔に差し込まれた木ねじの先端を案内部材101の先端開口部に差し込み(第二の工程)、そのまま木ねじを押し込んでねじ孔33にねじ込み締め付け(第三の工程)、端子部保護カバーを計器板31に木ねじで固定するようにした。
【選択図】図1
【解決手段】電力量計11が取り付けられた計器板31に穿孔された木ねじをねじ込むためのねじ孔33の位置に、両面開口の筒状をした絶縁性を有する案内部材101の開拡した基部を両面テープで貼り付け(第一の工程)、端子部保護カバーに形成された木ねじを通す通し孔に差し込まれた木ねじの先端を案内部材101の先端開口部に差し込み(第二の工程)、そのまま木ねじを押し込んでねじ孔33にねじ込み締め付け(第三の工程)、端子部保護カバーを計器板31に木ねじで固定するようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、電力量計の端子部に端子部保護カバーを取り付けるための電力量計の端子部保護カバーの取り付け方法および取り付け構造に関する。
電力事業者は、電力需要家の電気使用量を計測するために、その者の家屋や事業所に電力量計を設置している。電力量計は、電柱からの引込線を接続し、これを家屋や事業所内の屋内配線に接続させるための端子部を有している。端子部は、端子を覆う保護パネルを封印具で封印した上に、安全上あるいは防犯上の目的で、外部から遮蔽される。
電力量計を専用の計器ボックスに収納する場合、計器ボックスが電力量計を外部から遮蔽する構造物となる。これに対して、電力量計を計器ボックスに収納しない場合には、電力量計の端子部を端子部保護カバーで覆い、外部から遮蔽するようにしている。例えば、アパートのような集合住宅では、複数個の電力量計を並べて木の板などでできた計器板に取り付けていることが多い。この場合、電力量計は外部に露出したままの状態となっているので、個々の電力量計の端子部を端子部保護カバーで覆う必要がある。また、マンションのような集合住宅では、電力量計をガスメータや水道メータと共に一括して収納するパイプシャフトが採用されることが多い。パイプシャフトは、内部に設置された配線および配管や計器類を扉で遮蔽している。しかしながら、ガスや水道の検針員、場合によっては集合住宅の管理人や居住者もその扉を開けることがあるため、やはり電力量計の端子部を端子部保護カバーで覆う必要がある。
特許文献1は、電力量計の端子部保護カバーの取り付け構造を紹介している。電力量計の端子部を覆う端子部保護カバーは、上面が開口した筐体形状をしており、端子部をすっぽり覆っている。特許文献1では、端子部保護カバーを計器板に木ねじで直接ねじ止めしている一例(特許文献1の図5参照)と、電力量計の端子部にねじ止めしている一例(特許文献1の図1〜図4参照)とが示されている。後者の例では、端子部にスタッド(特許文献1では取付用ビス21)を固定し、このスタッドの先端部に形成したねじ孔を利用して、端子部保護カバーを取り付けるようにしている。端子部に対するスタッドの固定は、端子部の端子を覆い封印される保護パネルを端子部にねじ止めするためのねじ孔を利用して行われる。スタッドを設けた狙いは、端子部保護カバーの取り付け作業の容易化および配線の損傷防止である(特許文献1の段落0005参照)。
特許文献1に記載されているスタッドを用いた端子部保護カバーの取り付け構造は、端子部保護カバーの取り付け作業の容易化を図る上でも、配線の損傷防止を図るうえでも、なかなか優れた構造である。しかも、端子部に対するスタッドの取り付けは、端子を覆った状態で封印される保護パネルを端子部にねじ止めするためのねじ孔を利用して行われるため、スタッド(特許文献1では取付用ビス21)の設置に際して、既存の電力量計を大きく改造する必要もない。
しかしながら、端子部保護カバーについては、それまで使用していた既存の端子部保護カバーを再利用することが困難であるという問題がある。端子部保護カバーにおいて、スタッドにねじ止めするためのねじの通し孔を新設しなければならないからである。
別の問題として、既存の電力量計にスタッドを設置するに際して、スタッドの選定が容易ではないという問題もある。これは、電力量計と端子部保護カバーとの組み合わせ毎に、適合するスタッドの長さ寸法や、端子を覆った状態で封印される保護パネルを端子部にねじ止めするためのねじ孔の孔径寸法が相違するはずだからである。
更に別の問題として、端子部保護カバーを綺麗にフィットさせることが困難であるという問題もある。これは、電力量計の端子部に設置したスタッドに端子部保護カバーをねじ止めするという構造に起因している。つまり、そのような構造上、端子部保護カバーを隙間なく計器板にフィットさせるためには、計器板の表面から端子部の表面に至る端子部の高さ寸法にスタッドの長さ寸法を足した寸法が、計器板の表面から端子部保護カバーの裏面までの寸法に正しく一致していなければならい。このため、各部に厳格な寸法管理が要求されるところ、その実現は期待薄だからである。その結果、スタッドの長さ寸法が長すぎれば計器板と端子部保護カバーとの間に見苦しい隙間が開いてしまうし、逆にスタッドの長さ寸法が短すぎれば端子部保護カバーに見苦しい歪みが発生してしまう。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、端子部保護カバーの取り付け作業の作業性を良好にするに際して、既存の端子部保護カバーをそのまま利用できるようにすること、利用する追加部品の汎用性を高められるようにすること、そして、端子部保護カバーを綺麗にフィットさせることができるようにすること、を目的とする。
本発明は、電力量計の端子部を覆う端子部保護カバーを当該電力量計が取り付けられた計器板に木ねじで固定する電力量計の端子部保護カバーの取り付け方法であって、前記計器板に穿孔された前記木ねじをねじ込むためのねじ孔の位置に、両面開口の筒状をした絶縁性を有する案内部材の開拡した基部を両面テープで貼り付ける第一の工程と、前記端子部保護カバーに形成された前記木ねじを通す通し孔に差し込まれた前記木ねじの先端を、前記計器板に貼り付けられた前記案内部材の先端開口部に差し込む第二の工程と、前記案内部材の先端開口部に差し込んだ前記木ねじを押し込んで前記ねじ孔にねじ込み締め付ける第三の工程と、を備えることによって、上記課題を解決する。
本発明は、電力量計の端子部を覆う端子部保護カバーを当該電力量計が取り付けられた計器板に木ねじで固定する電力量計の端子部保護カバーの取り付け構造であって、前記計器板に穿孔されて前記木ねじをねじ込むためのねじ孔と、前記端子部保護カバーに形成されて前記木ねじを通す通し孔と、一端に形成された開拡した基部が前記ねじ孔の位置に両面テープで貼り付けられた両面開口の筒状をした絶縁性を有する案内部材と、前記木ねじを前記端子部保護カバーの前記通し孔から差し込み前記案内部材の内部に通して前記ねじ孔にねじ込み締め付けることによって前記端子部保護カバーを前記計器板に固定する固定構造と、を備えることによって、上記課題を解決する。
本発明によれば、端子部保護カバーを取り付けるための木ねじを案内部材によって計器板のねじ孔の位置に容易に案内することができるので、端子部保護カバーの取り付け作業の作業性を良好にすることができ、この際、端子部保護カバーをねじ止めするための木ねじを通すねじ孔の位置に変更がないため、既存の端子部保護カバーをそのまま利用することができ、また、用いる案内部材に高い寸法精度が要求されないため、案内部材の汎用性を高めることができ、しかも、端子部保護カバーを計器板に木ねじで固定するという従来手法をそのまま採用することができるため、端子部保護カバーを綺麗にフィットさせることができる。
電力量計11の端子部保護カバー91の取り付け方法および取り付け構造の実施の形態を図1ないし図6に基づいて説明する。
図1は、端子部保護カバー91を取り外した状態を示す電力量計11の正面図である。電力量計11は、例えば木の板により形成された計器板31に取り付けられている。このような電力量計11は、その上部に表示部51を備え、下部に端子部71を有している。表示部51は、電気使用量に関する計量値を表示する表示器52を有し、透光性を有するカバー53で表示器52を覆っている。端子部71は、端子(図示せず)を保護パネル72で覆っている。保護パネル72は、電力量計11に固定され、封止部(図示せず)で封止される。
図1に示すように、電力量計11の端子部71は、保護パネル72で覆われた端子に配線73を接続している。これらの配線73は、電柱からの引込線および屋内配線である。電力量計11が取り付けられている計器板31は、その背面に配線73を引き回すための配線孔32を有している。配線73は、配線孔32から計器板31の背面側に引き回され、電柱からの引込線および屋内配線に接続している。
電力量計11が取り付けられた計器板31には、後述する端子部保護カバー91(図2、図3参照)をねじ止めするためのねじ孔33が穿孔形成されている。このような端子部保護カバー91のねじ止め作業の容易化を図るために、本実施の形態では、ねじ孔33の位置に案内部材101が固定されている。このような案内部材101を利用した端子部保護カバー91の取り付け方法および取り付け構造については、後に詳述する。
図2は、端子部保護カバー91を取り付けた状態を示す電力量計の正面図である。図2に示すように、端子部保護カバー91は、木ねじ92によって計器板31にねじ止めされ、保護パネル72が固定された端子部71および配線73を完全に覆っている。これにより、端子部71および配線73は、外部から完全に遮蔽されている。
図3は、端子部保護カバー91の斜視図である。端子部保護カバー91は、端子部71および配線73を完全に覆うという役割を果たすために、上面が開口した筐体形状を有している。このような端子部保護カバー91は、その正面壁と両側壁と底壁とによって、端子部71および配線73を完全に覆うことができる。また、端子部保護カバー91は、木ねじ92を通すための通し孔93を有している。
図4は、案内部材101と両面テープ151とを示す斜視図である。案内部材101は、両面開口の筒状をした絶縁性を有する部材である。一例として、案内部材101は、ストローを適宜切断して形成することが好ましい。何故ならば、ストローから形成された案内部材101であれば、両面開口の筒状という案内部材101に求められる基本形態および木ねじ33の寸法との適合性が備わっているばかりでなく、絶縁性を有すること、熱を加えたり切り込みを入れたりしての加工性が良好であること、軽量であること、という案内部材101に要求されるおよそ全ての要求を満たすからである。このような案内部材101は、一端側が計器板31に固定される開拡された基部Bとされ、反対側の一端側が先端部Eとされている。
基部Bは、一例として、案内部材101の軸方向に沿って複数筋の切れ込み102を入れ、その部分を軸方向と直交する外側方向に広げることによって形成されている。別の一例として、熱を加えて柔らかくした基部Bを平坦面に押し付けて開拡させるようにしても良い。いずれにしても、基部Bは、案内部材101の軸方向と直交する外側方向に開拡されていれば、どのような手法を採用して形成されていても良い。
先端部Eは、木ねじ92の先端を案内部材101の内部空間に導き入れるための先端開口部101Hを形成している。
こうして形成された案内部材101は、基部Bの側が両面テープ151によって計器板31に貼り付けられ、固定されている。両面テープ151は、中央部にねじ通し孔151Hを有する円形形状に形成されている。そして、両面テープ151の直径は、案内部材101の開拡した基部Bの直径と略一致している。このような両面テープ151は、その表裏面にそれぞれ貼り付けられた台紙シート152a、152bを剥がすことで、表裏面に粘着面を出現させる。そこで、一例として、一方の台紙シート152aまたは152bを剥がして案内部材101の基部Bに貼り付けておき、案内部材101を計器板31に貼り付けるに際してもう一方の台紙シート152b又は152aを剥がせば、計器板31に案内部材101を容易に貼り付けることができる。
図5(a)〜(e)は、案内部材101の各種態様を示す斜視図である。案内部材101には、各種の態様のものを用いることが可能である。以下、(a)〜(e)に示す五つの態様を順に説明する。
図5(a)に示す案内部材101は、図4に示すものと同一であり、最もベーシックな態様のものである。案内部材101は直管形状をしており、それ故、先端開口部101Hの直径は案内部材101の内径と一致している。
図5(b)に示す案内部材101は、先端部Eに形成された先端開口部101Hがテーパ形状に形成されたものである。テーパ形状は、ストローである案内部材11の先端部Eに熱を加えることで、容易に形作ることができる。
図5(c)に示す案内部材101は、複数個の筒状部材(図5(c)では二個の筒状部材)がスライド自在になった入れ子構造を有している。このような構造は、ストローでお馴染みである。
図5(d)に示す案内部材101は、図5(c)に示す案内部材101を基本としながらも、図5(b)に示す案内部材101と同様に、先端部Eに形成された先端開口部101Hがテーパ形状に形成されたものである。
図5(e)に示す案内部材101は、先端部Eに形成された先端開口部101Hがテーパ形状に形成されたものである。但し、図5(b)および図5(c)と異なり、図5(e)に示す案内部材101のテーパ形状は、複数個の弾性片104によって形成されている。これらの弾性片104は、案内部材101の先端部Eに軸方向に沿って複数筋の切れ込み105を入れ、その部分を外側方向に広げることによって形成されている。つまり、開拡する基部Bと同様の手法によって形成されているわけであるが、基部Bと相違するのは、その開拡角度である。基部Bは、計器板31に両面テープ151で貼り付けるという目的から、切れ込み102を入れた部分を案内部材101の軸方向と直交する方向にまで屈曲させている。これに対して、先端部Eに形成された先端開口部101は、弾性的に変形可能なテーパを形成することを目的としているので、切れ込み105を入れた部分を案内部材101の軸方向と直交する方向にまで屈曲させない。屈曲角度は、一例として、30度〜60度程度である。もっとも、実施に際しては、この角度範囲に限定する必要はない。
計器板31に端子部保護カバー91を取り付けるには、まず、計器板31に穿孔形成されたねじ孔33の位置に、案内部材101の開拡した基部Bを両面テープ151で貼り付ける(第一の工程)。次いで、端子部保護カバー91に形成された通し孔93に差し込まれた木ねじ92の先端を、計器板31に貼り付けられた案内部材101の先端開口部101Hに差し込む(第二の工程)。そして、そのまま木ねじ92を押し込んでねじ孔33にねじ込み、締め付ける(第三の工程)。これにより、計器板31に端子部保護カバー91が固定され、保護パネル72が固定された端子部71および配線73を完全に覆い外部から遮蔽することができる。この際、本実施の形態によれば、案内部材101によって、端子部保護カバー91を取り付けるための木ねじ92を計器板31のねじ孔33の位置に容易に案内することができるので、端子部保護カバー91の取り付け作業の作業性を良好にすることができる。
図6(a)〜(c)は、端子部保護カバー91の取り付け方法の各種態様を示す縦断側面図である。ここでは、上記第二の工程の各種態様を説明する。
まず、図6(a)に示す第二の工程の一態様では、端子部保護カバー91の通し孔93に木ねじ92を予め差し込んでおく。そして、木ねじ92を差し込んだ端子部保護カバー91を計器板31に近づけながら、木ねじの先端を案内部材101の先端開口部101Hに差し込む。このような第二の工程の一態様は、図1(a)〜(e)のいずれの態様の案内部材101を用いても実施可能である。
もっとも、図1(c)または図1(d)に示す案内部材101を用いる場合には、更に二つの態様が実施可能である。一つの態様は、案内部材101の長さを、計器板31の表面と端子部保護カバー91の裏面との間の間隔と同一かそれよりも僅かに短い長さ寸法に調節しておく態様である。この場合、種類が異なる端子部保護カバー91に応じて、その裏面に接触しない最大限の長さ寸法に案内部材101の長さを設定することで、案内部材101の先端開口部101Hに対する木ねじ92の差し込み作業を更にし易くすることができる。もう一つの態様は、案内部材101の長さを、計器板31の表面と端子部保護カバー91の裏面との間の間隔よりも長い長さ寸法に調節しておく態様である。この場合、案内部材101の先端開口部101Hに対する木ねじ92の先端の差し込み作業をより一層し易くすることができる。そして、長く伸ばされた案内部材101は、端子部保護カバー91を計器板31に接合させる動作に応じて押され、縮む。
また、図1(b)、図1(d)および図1(e)に示す案内部材101は、先端開口部101Hがテーパ形状となっているので、端子部保護カバー91の通し孔93に差し込まれた木ねじ92を差し込みやすいという効果が得られる。
次いで、図6(b)に示す第二の工程の一態様では、計器板31に端子部保護カバー91を予め接合させておく。この際、端子部保護カバー91の通し孔93から案内部材101を覗き、その先端開口部101Hに通し孔93の位置を位置合わせしておく。その後、通し孔93に木ねじ92を差し込むことで、木ねじ92を案内部材101で案内して計器板31に穿孔形成したねじ孔33に導くことができる。このような第二の工程の一態様は、図1(a)〜(e)のいずれの態様の案内部材101を用いても実施可能である。
もっとも、図1(b)、図1(d)および図1(e)に示すテーパ形状の先端開口部101Hを有する案内部材101では、通し孔93から覗いた際に先端開口部101Hの存在を目視し易い。このため、本態様では、それらのテーパ形状の先端開口部101Hを有する案内部材101の採用が好ましい。しかも、先端開口部101Hの内側が白色などのような光反射率に優れた色彩を有しているならば、より一層、先端開口部101Hの目視が良好になる。
これに加えて、図1(b)、図1(d)および図1(e)に示すテーパ形状の先端開口部101Hを有する案内部材101が好ましいもう1つの理由は、位置ずれに対する許容度の高さである。つまり、テーパ部を有する先端開口部101Hは、端子部保護カバー91の裏面に対して多少ずれたとしても、先端開口部101Hの面積が広くなっているためにある程度の誤差を許容するのである。要は、通し孔93の位置が先端開口部101Hから外れなければ良い。
次いで、図6(c)に示す第二の工程の一態様は、図1(c)〜(d)に示す伸縮可能な案内部材101、または図1(e)に示す複数個の弾性片104を有する案内部材101の採用を前提とする。この際、図1(c)および図1(d)に示す案内部材101では、案内部材101の長さを、計器板31の表面と端子部保護カバー91の裏面との間の間隔よりも長くしておくことが肝要である。また、図1(e)に示す案内部材101では、案内部材101の長さが、計器板31の表面と端子部保護カバー91の裏面との間の間隔よりも長く形成されていることが肝要である。
図6(c)に示す第二の工程の一態様では、端子部保護カバー91の通し孔93から案内部材101を覗き、その先端開口部101Hに通し孔93の位置を位置合わせする。この際、端子部保護カバー91はまだ計器板31に接合していないので、端子部保護カバー91の裏面側にも光が回り込み、案内部材101の先端開口部101Hに対する通し孔93の位置合わせ作業が容易である。そして、先端開口部101Hに通し孔93の位置を位置合わせしたならば、そのまま端子部保護カバー91を押して計器板31に接合させる。この際、端子部保護カバー91が計器板31に接合するに先立ち、端子部保護カバー91の裏面が案内部材101の先端開口部101Hに当接するので、位置合わせされた先端開口部101Hと通し孔93との位置がずれにくい。しかも、図1(d)および図1(e)に示すテーパ部を有する先端開口部101Hは、端子部保護カバー91の裏面に対して多少ずれたとしても、先端開口部101Hの面積が広くなっているためにある程度の誤差を許容する。要は、通し孔93の位置が先端開口部101Hから外れなければ良いわけである。
その後、通し孔93に木ねじ92を差し込むことで、木ねじ92を案内部材101で案内して計器板31に穿孔形成したねじ孔33に導くことができる。
以上、本実施の形態の端子部保護カバー91の取り付け方法および取り付け構造について説明した。このような本実施の形態によれば、既存の端子部保護カバー91をそのまま利用することができる。木ねじ92を通すための通し孔93の位置に変更がないからである。
また、本実施の形態によれば、用いる案内部材101に高い寸法精度が要求されない。何故ならば、案内部材101は、端子部保護カバー91を位置決め固定する役割を担わないからである。このような案内部材101に対して長さ寸法として要求されるのは、木ねじ92の先端部を案内部材101の先端開口部101Hに容易に差し込むことができる程度という極めて大雑把なものである。したがって、本実施の形態によれば、案内部材101の汎用性を高めることができる。
また、本実施の形態によれば、端子部保護カバー91を計器板31に木ねじ92で固定するという従来手法をそのまま採用することができるので、端子部保護カバー91を綺麗にフィットさせることができる。
これに加えて、本実施の形態では、ストローを加工して案内部材101を得ている。このため、案内部材101は絶縁性を有しており、配線73同士を短絡させてしまったりするような事故を未然に防止することができる。しかも、熱を加えたり切り込みを入れたりしての加工性が良好であることから、案内部材101の新規作成や修正等の作業が容易であり、例えば現場でそのような作業を行うことも可能である。これに加えて、案内部材101の計量化が図られ、両面テープ151程度のもので確実に案内部材101を計器板31に固定することができる。このように、ストローを加工して得た案内部材101は、端子部保護カバー91の取り付け方法を実施するに際しても、端子部保護カバー91の取り付け構造を実施するに際しても、数多くの利点をもたらす。
11 電力量計
31 計器板
91 端子部保護カバー
92 木ねじ
93 ねじ孔
101 案内部材
101H 先端開口部
105 切れ込み
151 両面テープ
B 基部
31 計器板
91 端子部保護カバー
92 木ねじ
93 ねじ孔
101 案内部材
101H 先端開口部
105 切れ込み
151 両面テープ
B 基部
Claims (14)
- 電力量計の端子部を覆う端子部保護カバーを当該電力量計が取り付けられた計器板に木ねじで固定する電力量計の端子部保護カバーの取り付け方法であって、
前記計器板に穿孔された前記木ねじをねじ込むためのねじ孔の位置に、両面開口の筒状をした絶縁性を有する案内部材の開拡した基部を両面テープで貼り付ける第一の工程と、
前記端子部保護カバーに形成された前記木ねじを通す通し孔に差し込まれた前記木ねじの先端を、前記計器板に貼り付けられた前記案内部材の先端開口部に差し込む第二の工程と、
前記案内部材の先端開口部に差し込んだ前記木ねじを押し込んで前記ねじ孔にねじ込み締め付ける第三の工程と、
を備えることを特徴とする電力量計の端子部保護カバーの取り付け方法。 - 前記第二の工程は、前記通し孔に前記木ねじを差し込んだ前記端子部保護カバーを前記計器板に近づけながら、前記木ねじの先端を前記案内部材の先端開口部に差し込む、ことを特徴とする請求項1に記載の電力量計の端子部保護カバーの取り付け方法。
- 前記第二の工程は、前記案内部材の先端開口部に前記通し孔の位置を合わせて前記計器板に押し付けた前記端子部保護カバーの当該通し孔に前記木ねじの先端を差し込みことで、当該木ねじの先端を前記案内部材の先端開口部に差し込む、ことを特徴とする請求項1に記載の電力量計の端子部保護カバーの取り付け方法。
- 前記案内部材として、複数個の筒状部材がスライド自在になった入れ子構造のものを用いる、ことを特徴とする請求項2に記載の電力量計の端子部保護カバーの取り付け方法。
- 前記案内部材として、複数個の筒状部材がスライド自在になった入れ子構造のものであって、前記計器板の表面と前記端子部保護カバーの裏面との間の距離よりも伸びた状態で長くなるものを用いる、ことを特徴とする請求項3に記載の電力量計の端子部保護カバーの取り付け方法。
- 前記案内部材として、その先端開口部がテ−パ形状になったものを用いる、ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一に記載の電力量計の端子部保護カバーの取り付け方法。
- 前記案内部材として、当該案内部材の先端部分に複数の切れ込みを入れて開拡させたものを用いる、請求項6に記載の電力量計の端子部保護カバーの取り付け方法。
- 前記案内部材として、ストローを所定長さに切断し一端を開拡させて前記基部としたものを用いる、ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一に記載の電力量計の端子部保護カバーの取り付け方法。
- 電力量計の端子部を覆う端子部保護カバーを当該電力量計が取り付けられた計器板に木ねじで固定する電力量計の端子部保護カバーの取り付け構造であって、
前記計器板に穿孔されて前記木ねじをねじ込むためのねじ孔と、
前記端子部保護カバーに形成されて前記木ねじを通す通し孔と、
一端に形成された開拡した基部が前記ねじ孔の位置に両面テープで貼り付けられた両面開口の筒状をした絶縁性を有する案内部材と、
前記木ねじを前記端子部保護カバーの前記通し孔から差し込み前記案内部材の内部に通して前記ねじ孔にねじ込み締め付けることによって前記端子部保護カバーを前記計器板に固定する固定構造と、
を備えることを特徴とする電力量計の端子部保護カバーの取り付け構造。 - 前記案内部材は、複数個の筒状部材がスライド自在になった入れ子構造を有している、ことを特徴とする請求項9に記載の電力量計の端子部保護カバーの取り付け構造。
- 前記案内部材は、前記計器板の表面と前記端子部保護カバーの裏面との間の距離よりも伸びた状態で長く形成されている、ことを特徴とする請求項10に記載の電力量計の端子部保護カバーの取り付け構造。
- 前記案内部材は、その先端開口部がテ−パ形状に形成されている、ことを特徴とする請求項9ないし11のいずれか一に記載の電力量計の端子部保護カバーの取り付け構造。
- 前記案内部材は、当該案内部材の先端部分に複数の切れ込みを入れて開拡させた構造を有している、ことを特徴とする請求項12に記載の電力量計の端子部保護カバーの取り付け構造。
- 前記案内部材は、ストローを所定長さに切断し一端を開拡させて前記基部とした構造を有している、ことを特徴とする請求項9ないし13のいずれか一に記載の電力量計の端子部保護カバーの取り付け構造。
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JP2010128072A JP2011252845A (ja) | 2010-06-03 | 2010-06-03 | 電力量計の端子部保護カバーの取り付け方法および取り付け構造 |
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2010
- 2010-06-03 JP JP2010128072A patent/JP2011252845A/ja active Pending
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