JP2011251868A - 炭化珪素単結晶の製造方法、炭化珪素単結晶ウエハ、炭化珪素半導体素子の製造方法、炭化珪素半導体素子 - Google Patents

炭化珪素単結晶の製造方法、炭化珪素単結晶ウエハ、炭化珪素半導体素子の製造方法、炭化珪素半導体素子 Download PDF

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【課題】貫通らせん転位密度の小さい炭化珪素単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】炭化珪素単結晶ウエハに新たな炭化珪素単結晶層を形成する工程において、c軸方向に貫通する転位3を、基底面(0001)に沿った第1方向の欠陥に変換させ、第1方向に交差し、かつ基底面(0001)に沿った第2方向に欠陥の伝播方向を制御することで、単結晶基板中に含まれる貫通らせん転位3を基底面内欠陥4に構造転換し、基底面内欠陥4を結晶の外部に排出させ、元の炭化珪素単結晶基板よりも貫通らせん転位密度の小さい炭化珪素単結晶層。
【選択図】図2

Description

本発明は、炭化珪素単結晶を製造する炭化珪素単結晶の製造方法ならびに炭化珪素単結晶ウエハに関する。
また、本発明は、炭化珪素単結晶ウエハを用いて炭化珪素半導体素子を製造する炭化珪素半導体素子の製造方法ならびに炭化珪素半導体素子に関する。
炭化珪素(SiC)は、Siと比べてバンドギャップが約3倍、飽和ドリフト速度が約2倍、絶縁破壊電界強度が約10倍と優れた物性値を有し、大きな熱伝導率を有する半導体であることから、現在用いられているSi単結晶半導体の性能を大きく凌駕する次世代の高電圧・低損失半導体素子を実現する材料として期待されている。
現在、市販化されている炭化珪素単結晶を製造する方法にはいくつかの方法があるが、主として昇華法を用いられる場合が多い。
昇華法では通常、坩堝内に原料の炭化珪素粉末を入れると共に、坩堝の内側上面に炭化珪素粉末と対面する形で炭化珪素種結晶を設置する。このとき、坩堝を2200℃〜2400℃程度まで加熱することで、炭化珪素粉末を昇華させる。昇華した炭化珪素粉末は、対面する炭化珪素種結晶上で再結晶化され、種結晶上に新たな炭化珪素単結晶が成長される。
炭化珪素単結晶を製造する方法としては、ほかに、原料としてSiH4等のSiを含んだガスと、C3H8またはC2H2等のCを含んだガスとを用いて、昇華法と同様に種結晶上に新たな炭化珪素単結晶を得るいわゆるHTCVD法と呼ばれる製造方法も報告されている。
上記のような方法によって、炭化珪素単結晶が円柱形のバルク状の単結晶として得られた後に、これを通常300μ〜400μ程度の厚さにスライスすることにより、炭化珪素単結晶基板が製造される。この炭化珪素単結晶基板を用いて半導体素子を製造する場合には、その半導体素子の耐電圧等の要求仕様に基づいた所要の膜厚及びキャリヤ濃度を有する単結晶層を、基板表面からエピタキシャル成長させることにより製造する場合が多い。
炭化珪素単結晶基板は、以上のような方法で製造されているが、通常の圧力では液相を持たず、また、昇華温度が極めて高いこと等から、転位や積層欠陥等の結晶欠陥を含まないような高品質の結晶成長を行うことが困難である。このため、炭化珪素単結晶については、Si単結晶成長で商用化されているような、転位を有さずかつ大きな口径を有する単結晶の製造技術が実現されていない。
現在市販されている炭化珪素単結晶基板には、10cm−2〜10cm−2程度のc軸方向に伝播する貫通らせん転位、10cm−2〜10cm−2程度のc軸方向に伝播する貫通刃状転位、10cm−2〜10cm−2程度のc軸と垂直方向に伝播する転位(基底面転位)が存在している。これらの転位密度は、その基板の品質によって大きく異なる。
また、炭化珪素単結晶基板に内在しているこれらの転位は、基板上にエピタキシャル膜を成長させる際に、このエピタキシャル膜中に伝播する。このとき、一部の転位は、エピタキシャル膜中に伝播する際にその伸張方向(伝播方向)を変える場合もあることが知られている。一方、基板上にエピタキシャル膜を成長させる際に、新たな転位ループや積層欠陥(8H型、3C型等)が生成することも知られている。
したがって、エピタキシャル膜中には、基板より伝播した転位や積層欠陥に加えて、エピタキシャル成長時に導入された転位や積層欠陥が含まれていることになる。これらの転位や積層欠陥は、そのエピタキシャル膜を用いて形成した半導体素子の耐電圧や信頼性を低下させる。
最近では、基板中の転位密度やエピタキシャル成長時の転位発生密度を低減させる技術開発が進められている。炭化珪素単結晶成長において、これまでに貫通らせん転位を低減するための手法が複数報告されている(特許文献1から特許文献5、非特許文献1から非特許文献4)。
特許文献1においては、基底面(0001)と直交するプリズム面を結晶成長面とし、結晶成長方向と貫通らせん転位の伝播方向をほぼ直角にすることで、炭化珪素結晶成長領域の貫通らせん転位密度を低減する方法が示されている。
特許文献2においては、基底面(0001)と直交する(11−20)面と(1−100)面を結晶成長面とした炭化珪素結晶成長工程を交互に繰り返し、単結晶中の貫通らせん転位の密度を低減させ、得られた単結晶を切り出して基底面(0001)を結晶成長面とした結晶成長を行い、貫通らせん転位密度の小さい炭化珪素単結晶を得る手法が示されている。
非特許文献1においては、結晶成長面を基底面(0001)より54.74°傾いた(03−38)面を結晶成長面とした炭化珪素結晶成長を行うことで、貫通らせん転位の低減が可能なことが示されている。また、非特許文献1においては、(03−38)面を結晶成長面とした4H-SiC(03−38)基板上への気相エピタキシャル成長において、基板中に含まれる貫通らせん転位が、エピタキシャル成長時に基底面内の欠陥に転換され、貫通らせん転位密度が低減されることが報告されている。
非特許文献2においては、炭化珪素単結晶基板を種結晶とし、基底面(0001)を結晶成長面とする4H-SiC昇華法結晶成長において、結晶成長方向がc軸より傾斜した領域において、貫通らせん転位が基底面内の欠陥に転換し、結果としてその領域における貫通らせん転位密度が低減されることが報告されている。
これらの報告は、炭化珪素結晶成長において、結晶成長面を基底面(0001)より大きく傾斜された(例えば、50°以上)場合には、基板内あるいは種結晶内の貫通らせん転位の低減が可能なことを示している。
これに対して、非特許文献3、非特許文献4においては、基底面(0001)より0〜8°の傾斜角を有する結晶成長面に対する炭化珪素エピタキシャル成長においては、基板内の貫通らせん転位がエピタキシャル膜中にそのまま伝播することが報告されている。
一方、基板あるいは種結晶中に存在する基底面(0001)内の拡張欠陥が表面に現れる密度は、幾何学的に、基底面(0001)よりの傾斜角度が小さくなるにつれて小さくなる。このため、基板あるいは種結晶中に存在する基底面(0001)内の拡張欠陥の密度を低減するためには、結晶成長面をなるべく小さくすることが有利である。
上記のことから、基板あるいは種結晶中に存在する貫通らせん転位を低減するためには基底面(0001)よりの傾斜角度が大きな結晶成長面に対して炭化珪素結晶成長を行うことが必要であるのに対して、基板あるいは種結晶中に存在する基底面内拡張欠陥を低減するためには基底面(0001)よりの傾斜角度が小さな結晶成長面に対して炭化珪素結晶成長を行うことが必要であり、その両立を実現することが課題となっていった。
一方、基板上への炭化珪素気相エピタキシャル成長において、基板に対してあらかじめ凹凸形状を付加することで、結晶欠陥の低減を図ることも報告されている。特許文献3においては、炭化珪素単結晶基板の表面に対して、オフアクシス方向(基底面(0001)よりの傾斜方向)と直角もしくは非平行に方向付けられた側壁を有するストライプ状の凹凸形状を設けることによって、基板内の基底面転位を他種の欠陥に転換する割合を増大できることが報告されている。
特許文献4においては、炭化珪素単結晶基板の表面に対して、基底面(0001)よりの傾斜方向と平行方向のストライプ状の凹凸形状を有する基板表面への結晶成長と、直角に方向付けられたストライプ状の凹凸を有する基板表面への結晶成長を交互に行うことで、基板内の結晶欠陥密度を低減することが示されている。
更に、特許文献5においては、基底面(0001)から傾斜角を有する基板表面上へのエピタキシャル成長を行い、その後に基底面(0001)からの傾斜方向にほぼ平行のストライプ状の凹凸形状を設け、第二のエピタキシャル成長を行うことで、基板内の欠陥密度を低減することが報告されている。
しかしながら、特許文献3から特許文献5の方法においては、基板に設けられたストライプ状の凹凸形状の側壁に対し垂直な方向の成長により、ある種の結晶欠陥が他種の結晶欠陥に転換できる、もしくは、ある種の結晶欠陥の密度が小さい領域を確保することができるものの、結晶全体での結晶欠陥の伝播方向の制御に至らず、欠陥密度を低減する効果は低い。このため、結晶欠陥の転換を利用しつつ、その結晶欠陥を結晶の外部に排出するための技術が望まれていた。
特開平5−262599号公報 特開2006−1836号公報 特表2007−529900号公報 特開2005−350278号公報 特開2008−94700号公報
マテリアルサイエンスフォーラム(Materials Science Forum) Vols. 433−436 2003年 197頁〜200頁 マテリアルサイエンスフォーラム(Materials Science Forum) Vols. 457−460 2004年 99頁〜102頁 ジャーナルオブクリスタルグロース(Journal of Crystal Growth)Vols. 260 2004年 209頁〜216頁 ジャーナルオブクリスタルグロース(Journal of Crystal Growth)Vols. 269 2004年 367頁〜376頁
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、炭化珪素単結晶基板上もしくはエピタキシャル膜付炭化珪素単結晶基板からなる炭化珪素単結晶ウエハ上に新たに炭化珪素単結晶層を形成するに際し、炭化珪素単結晶ウエハ中に含まれる貫通らせん転位を基底面内欠陥に構造転換させ、該基底面内欠陥を結晶の外部に排出することができる炭化珪素単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
また、基底面内欠陥を結晶の外部に排出することができる炭化珪素単結晶の製造方法で製造された炭化珪素単結晶ウエハ、及び炭化珪素単結晶ウエハを用いた炭化珪素半導体素子の製造方法、及び炭化珪素半導体素子の製造方法で製造された炭化珪素半導体素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に係る本発明の炭化珪素単結晶の製造方法は、炭化珪素単結晶の成長工程であって、c軸方向に貫通する転位を、基底面(0001)に沿った第1方向の欠陥に変換させ、第1方向に交差し、かつ基底面(0001)に沿った第2方向に欠陥の伝播方向を制御することを特徴とする。
請求項1に係る本発明では、炭化珪素単結晶基板上もしくはエピタキシャル膜付炭化珪素単結晶基板からなる炭化珪素単結晶ウエハ上に新たに炭化珪素単結晶層を形成するに際し、炭化珪素単結晶ウエハ中に含まれる貫通らせん転位を基底面内欠陥に構造転換させ、該基底面内欠陥を結晶の外部に排出することができる。
そして、請求項2に係る本発明の炭化珪素単結晶の製造方法は、請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、前記第2方向を平行した複数の方向に制御することを特徴とする。
請求項2に係る本発明では、貫通らせん転位を平行した複数の方向の基底面内欠陥に構造転換させて結晶の外部に排出することができる。
また、請求項3に係る本発明の炭化珪素単結晶の製造方法は、請求項2に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、前記基底面(0001)より80°以下の傾斜角の傾斜面を備え、傾斜角を保ちつつ連続する鋸歯状のストライプの凹凸断面を有し、前記凹凸断面のストライプの方向が、隣接するストライプに対して交互に右回り2°以上、左回り2°以上の角度を有する連続的パターンを有する炭化珪素単結晶ウエハを用い、前記炭化珪素単結晶ウエハ上に新たな炭化珪素単結晶層を結晶成長させることを特徴とする。
請求項3に係る本発明では、連続するストライプの間で、貫通らせん転位を平行した複数の方向の基底面内欠陥に構造転換させて結晶の外部に排出することができる。
また、請求項4に係る本発明の炭化珪素単結晶の製造方法は、請求項3に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、結晶成長主面が、前記基底面(0001)より10°以下の傾斜角を有していることを特徴とする。
また、請求項5に係る本発明の炭化珪素単結晶の製造方法は、請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、前記第2方向を平行した同一方向に制御することを特徴とする。
請求項5に係る本発明では、貫通らせん転位を平行した同一方向の基底面内欠陥に構造転換させて結晶の外部に排出することができる。
また、請求項6に係る本発明の炭化珪素単結晶の製造方法は、請求項5に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、前記基底面(0001)より10°から80°の傾斜角の傾斜面を備え、傾斜角を保ちつつ連続する鋸歯状のストライプ状の凹凸断面を有し、前記凹凸断面のストライプが、隣接するストライプに平行となっており、かつ、凹凸断面の高低差を保ちつつストライプの方向に対して凹凸断面の傾斜角が漸次大きくなり、かつ、ストライプの凹部の広がり角度が2°以上であるパターンを有する炭化珪素単結晶ウエハを用い、前記炭化珪素単結晶ウエハ上に新たな炭化珪素単結晶層を結晶成長させることを特徴とする。
請求項6に係る本発明では、連続するストライプの間で、貫通らせん転位を平行した同一方向の基底面内欠陥に構造転換させて結晶の外部に排出することができる。
また、請求項7に係る本発明の炭化珪素単結晶の製造方法は、請求項6に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、結晶成長主面が、前記基底面(0001)より10°以下の傾斜角を有し、前記凹凸断面の傾斜角が大きくなるパターンの方向と炭化珪素単結晶層の結晶成長方向であるステップフロー成長方向のなす角が10°以下であることを特徴とする。
また、請求項8に係る本発明の炭化珪素単結晶の製造方法は、請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、前記第2方向を中心から放射状に延びる方向に制御することを特徴とする。
請求項8に係る本発明では、貫通らせん転位を放射状に延びる方向の基底面内欠陥に構造転換させて結晶の外部に排出することができる。
また、請求項9に係る本発明の炭化珪素単結晶の製造方法は、請求項8に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、前記基底面(0001)より80°以下の傾斜角の傾斜面を備え、傾斜角を保ちつつ連続する鋸歯状のストライプの凹凸断面を有し、前記凹凸断面のストライプが、炭化珪素単結晶ウエハの一点、もしくは、炭化珪素単結晶ウエハ上で多数に分離された各結晶成長領域内の一点より放射状となっているパターンを有する炭化珪素単結晶ウエハを用い、前記炭化珪素単結晶ウエハ上に新たな炭化珪素単結晶層を結晶成長させることを特徴とする。
請求項9に係る本発明では、放射状のパターンを有するストライプの間で、貫通らせん転位を放射状に延びる方向の基底面内欠陥に構造転換させて結晶の外部に排出することができる。
また、請求項10に係る本発明の炭化珪素単結晶の製造方法は、請求項9に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、結晶成長主面が、前記基底面(0001)より10°以下の傾斜角を有していることを特徴とする。
また、請求項11に係る本発明の炭化珪素単結晶の製造方法は、請求項3、請求項6、請求項9のいずれか一項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、前記凹凸断面の高低差が1μm以上であることを特徴とする。また、請求項12に係る本発明の炭化珪素単結晶の製造方法は、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、前記炭化珪素単結晶ウエハが六方晶であることを特徴とする。
また、請求項13に係る本発明の炭化珪素単結晶の製造方法は、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、前記炭化珪素単結晶ウエハの結晶成長主面の基底面(0001)からのオフアクシス方向が<11−20>方向であることを特徴とする。また、請求項14に係る本発明の炭化珪素単結晶の製造方法は、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、前記炭化珪素単結晶ウエハの結晶成長主面の基底面(0001)からのオフアクシス方向が<1−100>方向であることを特徴とする。
また、請求項15に係る本発明の炭化珪素単結晶の製造方法は、請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、前記炭化珪素単結晶層を結晶成長する工程が、気相成長法もしくは昇華法であることを特徴とする。また、請求項16に係る本発明の炭化珪素単結晶の製造方法は、請求項3、請求項6、請求項9のいずれか一項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、前記炭化珪素単結晶層を結晶成長する工程であって、前記ストライプを形成する工程中もしくは工程後に、ストライプの形成における傾斜および表面のダメージを除去する工程を有することを特徴とする。
また、請求項17に係る本発明の炭化珪素単結晶の製造方法は、請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、前記炭化珪素単結晶層を結晶成長する工程であって、新たな炭化珪素単結晶層が結晶成長される領域を矩形状に多数に分離するために、前記炭化珪素単結晶ウエハの表面に、ほぼ直角に交差する溝が形成されていることを特徴とする。
また、請求項18に係る本発明の炭化珪素単結晶の製造方法は、請求項17に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、前記溝は、<11−20>方向に対して±10°以下の方向と、それに交差する<1−100>方向に対して±10°以下の方向とに形成され、深さが5μm以上であることを特徴とする。
また、請求項19に係る本発明の炭化珪素単結晶の製造方法は、請求項3、請求項6、請求項9のいずれか一項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、前記炭化珪素単結晶ウエハ上に新たに炭化珪素単結晶層を結晶成長する工程であって、炭化珪素単結晶ウエハ中に含まれる貫通らせん転位を、一回の結晶成長工程あたり5%以上の割合で、基底面内欠陥に転換させることを特徴とする。また、請求項20に係る本発明の炭化珪素単結晶の製造方法は、請求項19に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、前記基底面内欠陥を炭化珪素単結晶ウエハの外部、もしくは矩形状に多数に分離された炭化珪素単結晶層の結晶成長領域の外部に排出することを特徴とする。
また、請求項21に係る本発明の炭化珪素単結晶の製造方法は、請求項3、請求項6、請求項9のいずれか一項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、前記炭化珪素単結晶層に対してストライプを形成して炭化珪素単結晶層を形成する工程を2回以上繰り返すことを特徴とする。また、請求項22に係る本発明の炭化珪素単結晶の製造方法は、請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、放射状のストライプが形成された中心部に残された1個以上10個以下の貫通らせん転位によって、継続的にらせんステップの供給を行い、安定的な結晶成長を継続することを特徴とする。
上記目的を達成するための請求項23に係る本発明の炭化珪素単結晶ウエハは、請求項1から請求項22のいずれか一項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法により作製された元の炭化珪素単結晶ウエハよりも貫通らせん転位密度の小さい炭化珪素単結晶層、ならびにこの炭化珪素単結晶層をスライスすることにより得られたことを特徴とする。
請求項23に係る本発明では、基底面内欠陥を結晶の外部に排出することができる炭化珪素単結晶の製造方法で製造された炭化珪素単結晶ウエハとなる。
上記目的を達成するための請求項24に係る本発明の炭化珪素半導体素子の製造方法は、請求項23に記載の炭化珪素単結晶ウエハを用いて製造されることを特徴とする。
請求項24に係る本発明では、基底面内欠陥を結晶の外部に排出することができる炭化珪素単結晶の製造方法で製造された炭化珪素単結晶ウエハを用いた炭化珪素半導体素子を得ることができる。
上記目的を達成するための請求項25に係る半導体素子は、請求項24に記載の炭化珪素半導体素子の製造方法により得られたことを特徴とする。
請求項25に係る本発明では、基底面内欠陥が結晶の外部に排出された炭化珪素単結晶ウエハを用いた炭化珪素半導体素子とすることができる。
本発明の炭化珪素単結晶の製造方法では、炭化珪素単結晶ウエハに新たな炭化珪素単結晶層を形成する工程において、単結晶基板中に含まれる貫通らせん転位を基底面内欠陥に構造転換し、該基底面内欠陥を結晶の外部に排出させ、元の炭化珪素単結晶基板よりも貫通らせん転位密度の小さい炭化珪素単結晶層を得ることが可能になる。
また、本発明の炭化珪素単結晶ウエハは、貫通らせん転位密度の小さい炭化珪素単結晶ウエハを得ることが可能になる。また、本発明の炭化珪素半導体素子の製造方法、及び炭化珪素半導体素子の製造方法で製造された炭化珪素半導体素子は、貫通らせん転位密度の小さい炭化珪素単結晶層を備えた半導体素子を得ることが可能になる。
本発明の第1の実施形態における炭化珪素単結晶ウエハの概略図である。 本発明の第1の実施形態のストライプの図である。 本発明の第2の実施形態における炭化珪素単結晶ウエハの概略図である。 本発明の第2の実施形態のストライプの図である。 本発明の第3の実施形態における炭化珪素単結晶ウエハの概略図である。 第1の実施形態から第3の実施形態のストライプを備えた炭化珪素単結晶ウエハの概略図である。 図6の概略断面図である。
炭化珪素単結晶ウエハの貫通らせん転位低減方法
背景技術により、基底面(0001)より0°〜8°の傾斜角(オフ角)を有する結晶成長面に対する炭化珪素気相エピタキシャル成長においては、基板内の貫通らせん転位がエピタキシャル膜中にそのまま伝播することが報告されている。これに対し、炭化珪素結晶成長において、基底面(0001)より傾斜角の大きい(例えば、50°以上)場合には、貫通らせん転位が基底面内欠陥に構造転換し、基板内あるいは種結晶内の貫通らせん転位の低減が可能なことが示されている。
本発明の炭化珪素単結晶ウエハの製造方法は、炭化珪素単結晶基板もしくはエピタキシャル膜付炭化珪素単結晶基板からなる炭化珪素単結晶ウエハ上に、図1〜図7に示すいくつかの実施形態(実施例)のストライプを形成し、新たな炭化珪素単結晶層を気相成長法もしくは昇華法により成長させることにより実現される。以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
第1の実施形態を説明する。
図1(a)に本発明の第1の実施形態におけるストライプを形成した炭化珪素単結晶ウエハの外観図、図1(b)に本発明の第1の実施形態におけるストライプを形成した炭化珪素単結晶ウエハの平面図を示す。図2(a)に本発明の第1の実施形態のストライプの断面図、図2(b)に本発明の第1の実施形態のストライプの平面図を示す。また、図2(c)に前記ストライプ上に新たな炭化珪素単結晶層を成長させた場合の断面図、図2(b)に前記ストライプ上に新たな炭化珪素単結晶層を成長させた場合の平面図を示す。
図1に示すように、炭化珪素単結晶ウエハ1上に、W字形状が連続したストライプ2が形成されている。即ち、基底面(0001)より傾斜角の大きい傾斜の傾斜面2aを保ちつつ連続する鋸歯ストライプ状の凹凸断面のストライプ2を有し、かつストライプ2の方向が隣のストライプ2に対して交互に右回り、左回りに数度の角度を有し連続している。
図2(a)及び図2(b)に示すように、ストライプ2を有した炭化珪素単結晶ウエハ1上に新たな炭化珪素単結晶層を成長させた場合、ストライプ2の傾斜面2aにおける結晶成長方向は、傾斜面2aに対し垂直方向となる。基底面(0001)より傾斜角の大きいストライプ2の傾斜面2aを貫通する貫通らせん転位3は、図2(c)に示すように、基底面内欠陥4へ構造転換され、隣り合うストライプ2の凸部2bに挟まれた方向へ伝播する。
さらに、上記の結晶成長により、図2(d)に示すように、隣り合うストライプ2の凸部2bの交点側から炭化珪素単結晶成長面1Aは狭まっていくため、構造転換した基底面内欠陥4は、隣り合うストライプ2の凹部2cの交点側から隣り合うストライプ2の凹部2cの広がる方向へ伝播し、結晶外部へ排出される。
ストライプ2の結晶成長主面は、基底面(0001)より10°以下の傾斜角を有し、かつその表面が基底面(0001)より80°以下、好ましくは60°以下の傾斜角αの傾斜面2aを保ちつつ連続する鋸歯ストライプ状の凹凸断面が望ましい。新たな炭化珪素単結晶層の成長工程において、炭化珪素単結晶層の品質が劣化しないために、結晶成長主面は基底面(0001)より10°以下(0°〜10°)の傾斜角を有することが好ましい。また、その表面の傾斜面2aの傾斜角αが80°超えとなった場合、傾斜面2aを貫通する貫通らせん転位3の密度が小さくなるため、基底面内欠陥4への構造転換の割合が低減する。
ストライプ2の方向は、隣のストライプ2に対して交互に右回り2°以上、左回り2°以上の角度βを有する連続的パターンが望ましい。隣のストライプ2に対するストライプ2の右回りもしくは左回りの角度βが2°未満である場合、ストライプ2は互いにほぼ平行であるため、隣り合うストライプ2の交点側からの結晶成長が起こりにくく、貫通らせん転位3より構造転換した基底面内欠陥4は、結晶外部へ排出されず、隣り合うストライプ2に挟まれた領域より、再び貫通らせん転位3に構造転換するため好ましくない。
ストライプ2の凹凸断面の高低差(凸部2bの高さh)は、1μm以上であることが望ましい。高低差(凸部2bの高さh)が1μm未満であると、傾斜面2aを貫通する貫通らせん転位3の密度が少なくなり、基底面内欠陥4への構造転換の割合が低減される。また、隣り合うストライプ2の交点側からの結晶成長により、構造転換した基底面内欠陥4が、結晶外部へ排出される前に、ストライプ2の凸部2bに到達してしまい、再び貫通らせん転位3に構造転換するため好ましくない。
本発明に係る炭化珪素単結晶ウエハ1においては、炭化珪素単結晶基板と同一の結晶型のエピタキシャル膜付炭化珪素単結晶基板がストライプ形成対象に含まれている。また、本発明に係るストライプ形成対象となる炭化珪素単結晶ウエハ1は、半導体素子用の炭化珪素単結晶ウエハに限定されず、その他の用途に用いられる炭化珪素単結晶ウエハであってもよい。
炭化珪素単結晶ウエハ1上に、新たな炭化珪素単結晶層を成長させる工程において、炭化珪素単結晶層の品質が劣化しないために、基底面(0001)よりの傾斜角(オフ角)は10°以下(0°〜10°)が望ましい。また、前記炭化珪素単結晶ウエハのオフアクシス方向としては、安定な結晶成長が得られることが知られている、<11−20>方向もしくは<1−100>方向が望ましい。
ストライプ2の形成方法としては、半導体プロセス等で用いられるリソグラフィーが一般的である。炭化珪素単結晶ウエハ上にマスクを形成し、マスクをパターニング後、開口部である炭化珪素単結晶ウエハ表面に対し、エッチング(例えば、CFもしくはSF等のエッチングガスを用いた反応性プラズマによるドライエッチング)を行う。マスクとしては、炭化珪素単結晶ウエハ表面を1μm以上エッチング可能な選択比を有するマスク、もしくはエッチング条件であれば良く、例えば、マスクとしてレジスト膜はあらゆる形状のパターニングができるため、任意のストライプの形成が可能である。
一方、SiO膜、アルミニウム膜、ニッケル膜等の一般に炭化珪素に対し、選択比が高い材料をマスクとして用い、ストライプの凹凸断面の高低差を10μm以上にすることができる。この他、機械加工やレーザー加工、電気化学エッチング等が適用可能であると考えられるが、原理的に本発明に記載されている貫通らせん転位の構造転換と結晶外部への排出の効果を呈するものであれば、どのような方法でも本発明に適用可能である。
ストライプ2の凹凸断面の傾斜角(傾斜面2a)を形成する方法としては、いくつか方法がある。一般的な半導体用リソグラフィーでは、炭化珪素単結晶ウエハ上に形成したマスクのパターニングの際、マスクに傾斜角(テーパー角)を形成し、ドライエッチングによって開口部である炭化珪素単結晶ウエハ表面をエッチングし、マスクの形状を転写させる。
その他、炭化珪素単結晶に対しエッチング選択比の低いマスクを用いて、マスクを後退させ、開口部を拡大させることで、炭化珪素単結晶ウエハ上に傾斜角を有したストライプ2を形成する方法や、ドライエッチング工程においてストライプ2の傾斜面2aに対し、エッチング保護膜を堆積させるエッチング条件によって、ストライプ2の傾斜角を制御する方法などがある。
ストライプ2の凹凸断面の任意の傾斜角(傾斜面2a)を形成するマスクとして、レジスト膜が望ましく、レーザー描画装置(3次元露光描画が可能な装置を含む)を用いてマスクの傾斜角を任意に制御することができる。ただし、同様な形状制御が可能であれば、どのような方法でも本発明に適用可能である。
ストライプ2の形成工程によって、ストライプ2の傾斜面2aおよび表面に結晶欠陥や汚染等のダメージが誘起されることがあるが、エッチング工程中におけるアルゴンガスを用いたドライエッチングによる表面平坦化処理、エッチング工程後に1000℃〜1400℃程度の温度の酸素雰囲気中にて表面を酸化し、酸化膜をエッチングによって除去する処理、もしくは、新たな炭化珪素単結晶層を結晶させる工程において、1200℃以上の高温水素エッチングや高温塩化水素エッチング等の単結晶成長前処理を行うことによって、ストライプの傾斜面および表面の結晶欠陥や汚染等のダメージを除去することができる。
ストライプ2を形成した後の新たな炭化珪素単結晶層の結晶成長は、ストライプ2を形成した炭化珪素単結晶ウエハ1と同じ結晶型の単結晶成長であれば良く、気相成長法もしくは昇華法も含まれる。
気相成長法では、一般的に原料としてSiH等のSiを含んだガスと、CまたはC等のCを含んだガスとを用いて、炭化珪素単結晶ウエハ上に新たな炭化珪素単結晶層を得ることができる。
また、昇華法では通常、坩堝内に原料の炭化珪素粉末を入れると共に、坩堝の内側上面に炭化珪素粉末と対面する形で炭化珪素種結晶を設置する。このとき、坩堝を2200℃以上まで加熱することで、炭化珪素粉末を昇華させる。昇華した炭化珪素粉末は、対面する炭化珪素種結晶上で再結晶化され、種結晶上に新たな炭化珪素単結晶が成長される。
第2の実施形態を説明する。
第2の実施形態は、第1の実施形態と共通する点があるため、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
図3(a)に本発明の第2の実施形態におけるストライプを形成した炭化珪素単結晶ウエハの外観図、図3(b)に本発明の第2の実施形態におけるストライプを形成した炭化珪素単結晶ウエハの平面図を示す。図4(a)に本発明の第2の実施形態のストライプの断面図、図4(b)に本発明の第2の実施形態のストライプの平面図を示す。また、図4(c)に前記ストライプを有した炭化珪素単結晶ウエハ上に新たな炭化珪素単結晶層を成長させた場合の断面図、図4(b)に前記ストライプを有した炭化珪素単結晶ウエハ上に新たな炭化珪素単結晶層を成長させた場合の平面図を示す。
図3に示すように、炭化珪素単結晶ウエハ6上に、隣り合う凹部7cがV字形状にされたストライプ7が形成されている。即ち、基底面(0001)より傾斜角の大きい傾斜の傾斜面7aを保ちつつ連続する鋸歯ストライプ状の凹凸断面のストライプ7を有し、かつストライプ7の方向が隣のストライプ7に対して平行となっている。ストライプ7は、凹凸断面の高低差を保ちつつストライプ7の方向に凹凸断面の傾斜面7aの傾斜角が大きくなり、隣り合うストライプ7の凹部7cがV字形状となっている。
図4(a)及び図4(b)に示すように、ストライプ7を有した炭化珪素単結晶ウエハ6上に新たな炭化珪素単結晶層を成長させた場合、ストライプ7の傾斜面7aにおける結晶成長方向は、傾斜面7aに対し垂直方向となる。基底面(0001)より傾斜角の大きいストライプの傾斜面7aを貫通する貫通らせん転位8は、図4(c)に示すように、基底面内欠陥9へ構造転換され、隣り合うストライプ7に挟まれた方向へ伝播する。
さらに、上記の結晶成長により、図4(d)に示すように、隣り合うストライプ7の凹部7cにおけるV字形状の交点側から炭化珪素単結晶成長面6Aは狭まっていくため、構造転換した基底面内欠陥9は、隣り合うストライプ7の交点側から隣り合うストライプ7の広がる方向へ伝播し、結晶外部へ排出される。
第1の実施形態との相違点は、炭化珪素単結晶ウエハ6上に新たな炭化珪素単結晶層を成長させる工程において、第1の実施形態におけるストライプは、W字形状が連続するストライプであり、構造転換した基底面内欠陥の結晶外部へ排出される方向は2方向である。これに対し、第2の実施形態における隣り合うストライプ7の凹部7cの形状がV字形状であり、構造転換した基底面内欠陥9の結晶外部へ排出される方向は1方向となる。
ストライプ7の結晶成長主面は、基底面(0001)より10°以下の傾斜角を有し、かつその表面が基底面(0001)より10°から80°の範囲、より好ましくは10°から60°で漸次変化する傾斜角αの傾斜面7aを保ちつつ連続する凹凸断面形状が望ましい。新たな炭化珪素単結晶層の成長工程において、炭化珪素単結晶層の品質が劣化しないために、結晶成長主面は基底面(0001)より10°以下(0°〜10°)の傾斜角を有することが好ましい。また、その表面の傾斜面7aの傾斜角αが10°未満の場合、貫通らせん転位8は基底面内欠陥9への構造転換されることなく伝播し、傾斜角αが80°超となった場合、傾斜面7aを貫通する貫通らせん転位8の密度が少なくなるため、基底面内欠陥9への構造転換の割合が低減する。
ストライプ7の方向は、隣のストライプ7に対して平行となっており、かつ凹凸断面の高低差を保ちつつストライプ7の方向に凹凸断面の傾斜面7aの傾斜角αが大きくなるパターンを有している。隣り合うストライプ7の凹部7cの広がり角度βを2°以上にすることで、構造転換した基底面内欠陥9の伝播方向を凹凸断面の傾斜面7aの傾斜角αが大きくなる方向と平行かつ1方向にすることができ、かつ構造転換した基底面内欠陥9が、再び貫通らせん転位8に構造転換することなく結晶外部へ排出することができる。
ストライプ7の凹凸断面の高低差(凸部7bの高さh)を1μm以上にすることにより、傾斜面7aを貫通する貫通らせん転位8の密度を大きく確保することができる。このため、基底面内欠陥9への構造転換の割合が増大し、かつ構造転換した基底面内欠陥9が再び貫通らせん転位8に構造転換することなく結晶外部へ排出することができる。
本発明に係る炭化珪素単結晶ウエハ6においては、炭化珪素単結晶基板と同一の結晶型のエピタキシャル膜付炭化珪素単結晶基板がストライプ形成対象に含まれている。また、本発明に係るストライプ形成対象となる炭化珪素単結晶ウエハ6は、半導体素子用の炭化珪素単結晶ウエハに限定されず、その他の用途に用いられる炭化珪素単結晶ウエハであってもよい。
炭化珪素単結晶ウエハ6上に、新たな炭化珪素単結晶層を成長させる工程において、炭化珪素単結晶層の品質が劣化しないために、基底面(0001)よりの傾斜角(オフ角)は10°以下(0°〜10°)が望ましい。また、炭化珪素単結晶ウエハのオフアクシス方向としては、良質な結晶成長が行うことができることが知られている、〈11−20〉方向もしくは〈1−100〉方向が望ましい。
また、ストライプ7を形成する方向は、ストライプ7の方向が隣のストライプ7に対して平行となっており、かつ凹凸断面の高低差を保ちつつストライプ7の方向に凹凸断面の傾斜面7aの傾斜角αが漸次大きくなるパターンの方向と炭化珪素単結晶層の結晶成長方向であるステップフロー成長方向のなす角が10°以下に形成される。これにより、炭化珪素単結晶ウエハ6上に、新たな炭化珪素単結晶層を成長させる工程において、隣り合うストライプ7の凹部7cのV字形状より排出される基底面内欠陥9とステップフロー成長方向を平行にすることができ、構造転換した基底面内欠陥9を再び貫通らせん転位8に構造転換させることなく、結晶外部へ排出することができる。
隣り合うストライプ7の傾斜面7aの傾斜の広がり角度βを2°以上にして炭化珪素単結晶ウエハ6上に形成するためには、隣のストライプ7に対して平行となり、かつ凹凸断面の高低差を保ちつつストライプ7の方向に凹凸断面の傾斜面7aの傾斜角αが漸次大きくなるパターンを形成する必要がある。このため、一般的な半導体プロセスに用いられるリソグラフィー工程において、マスク材料として任意の形状制御が可能なレジスト膜が最適であり、開口部である炭化珪素単結晶ウエハの表面をエッチングすることにより、ストライプを得ることができる。ただし、同様な形状制御が可能であれば、どのような方法でも適用可能である。
第2の実施形態におけるその他の製造方法に関しては、第1の実施形態に準ずる。
第3の実施形態を説明する。
第3の実施形態は、第1、2の実施形態と共通する点があるため、第1、2の実施形態との相違点を中心に説明する。図5に本発明の第3の実施形態におけるストライプを形成した炭化珪素単結晶ウエハの概略図を示す。
図5に示すように、炭化珪素単結晶ウエハ11上に、放射状となったストライプ12が形成されている。即ち、炭化珪素単結晶ウエハ11上に、基底面(0001)より傾斜角の大きい傾斜の傾斜面(傾斜角は80°以下、好ましくは60°以下)を保ちつつ連続する鋸歯ストライプ状の凹凸断面のストライプ12を有し、ストライプ12の方向が炭化珪素単結晶ウエハ11内の一点、もしくは炭化珪素単結晶ウエハ上で多数に分離された各結晶成長領域内の一点より放射状となっている。ストライプ12を有する炭化珪素単結晶ウエハ11上に新たな炭化珪素単結晶層を結晶成長させる。
ストライプ12の方向が、炭化珪素単結晶ウエハ11内の一点、もしくは炭化珪素単結晶ウエハ11上で多数に分離された各結晶成長領域内の一点より放射状となっている。このため、隣り合うストライプ12の形状はV字形状である。
第1もしくは第2の実施形態と同様に、ストライプ12を有した炭化珪素単結晶ウエハ11上に新たな炭化珪素単結晶層を成長させた場合、ストライプ12の傾斜面12aにおける結晶成長方向は、傾斜面12aに対し垂直方向となる。基底面(0001)より傾斜角の大きいストライプ12の傾斜面12aを貫通する貫通らせん転位は、基底面内の欠陥へ構造転換され、隣り合うストライプ12に挟まれた方向へ伝播する。
さらに、上記の結晶成長により、隣り合うストライプ12の傾斜におけるV字形状の交点側から炭化珪素単結晶成長面は狭まっていくため、構造転換した基底面内欠陥は、隣り合うストライプ12の交点側から隣り合うストライプ12の広がる方向へ伝播し、結晶外部へ排出される。
炭化珪素単結晶ウエハ上に新たな炭化珪素単結晶層を成長させる工程において、第1の実施形態におけるストライプは、W字形状が連続するストライプであり、構造転換した基底面内欠陥の結晶外部へ排出される方向は2方向である。また、第2の実施形態における隣り合うストライプの傾斜の形状がV字形状であり、構造転換した基底面内欠陥の結晶外部へ排出される方向は1方向である。これに対し、第3の実施形態におけるストライプ12は、その方向が放射状に配置されており、隣り合うストライプ12より構造転換した基底面内欠陥の結晶外部へ排出される方向は、放射状方向となる。
ストライプ12の方向は、炭化珪素単結晶ウエハ11内の一点、もしくは炭化珪素単結晶ウエハ11上で多数に分離された各結晶成長領域内の一点より放射状となっており、かつその放射状の広がり角度が2°以上で、かつ凹凸断面の高低差が1μm以上である。これにより、構造転換した基底面内欠陥の伝播方向を放射方向に、かつ構造転換した基底面内欠陥が、再び貫通らせん転位に構造転換することなく結晶外部へ排出することができる。
また、ストライプ12の凹凸断面の高低差を1μm以上にすることによって、傾斜面を貫通する貫通らせん転位密度を大きくとることができ、基底面内欠陥への構造転換の割合が増大し、かつ構造転換した基底面内欠陥が、再び貫通らせん転位に構造転換することなく結晶外部へ排出することができる。放射状のストライプ12が形成された中心部に残された1個以上10個以下の貫通らせん転位13によって、継続的にらせんステップの供給を行い、安定的な結晶成長を継続することができる。
第3の実施形態では、例えば、昇華法により新たな炭化珪素単結晶を成長させた場合、炭化珪素単結晶ウエハ11上に放射状となったストライプ12が形成されているので、貫通らせん転位の基底面内欠陥への構造転換が放射状に伝播する。このため、貫通らせん転位を安定して結晶外部へ排出することができる。
第3の実施形態における以下の製造方法に関しては、第1、2の実施形態に準ずる。
第1の実施形態から第3の実施形態のストライプを一つの炭化珪素単結晶ウエハに備えた状態を説明する。
図6は第1の実施形態から第3の実施形態のストライプを備えた炭化珪素単結晶ウエハの概略図を示す。図7は図6の断面状態の概略図を示す。
図6に示すように、炭化珪素単結晶ウエハ21の表面に、本発明に係る第1の実施形態から第3の実施形態のストライプ2、7、12を多数に形成する。もしくは、パターン形状条件(例えば、ストライプの凹凸断面の傾斜角や隣り合うストライプのなす角度等)の異なるストライプを多数形成することも可能である。
図に示すように、ストライプ2、7、12の間にほぼ直角に交差する溝22が形成され、新たな炭化珪素単結晶層21Aを結晶成長する工程において、ストライプ2、7から、貫通らせん転位3、8より構造変換された基底面内欠陥4、9を炭化珪素単結晶端面21Bより外部へ排出し、新たな炭化珪素単結晶層が結晶成長される領域を矩形状に多数に分離することができる。溝22は、炭化珪素単結晶ウエハ21の表面に、〈11−20〉方向より10°以下の方向と、それに交差する〈1−100〉方向より10°以下の方向に、深さ5μm以上が望ましい。
炭化珪素単結晶ウエハ21上に新たな炭化珪素単結晶層を結晶成長させる工程において、炭化珪素単結晶ウエハのオフアクシス方向は、〈11−20〉方向、もしくは〈1−100〉方向であると、良質の炭化珪素単結晶が得られることが知られている。このため、オフアクシス方向と平行な溝22を形成することにより、品質を劣化させることなく、新たな炭化珪素単結晶層が結晶成長される領域を矩形状に多数に分離することができる。溝22の深さが5μm未満であると、新たな炭化珪素単結晶層を溝22の深さ以上に厚く成長させた場合、新たな炭化珪素単結晶層が結晶成長される領域を分離する効果が低下する。
溝22の形成方法は、ストライプ2、7、12の形成方法と同じく、半導体プロセス等で用いられるリソグラフィーの他、レーザー加工や電気化学エッチング等が適用可能である。炭化珪素単結晶ウエハ21上に新たな炭化珪素単結晶層の結晶成長させる工程において、溝22から結晶欠陥等が発生せず、原理的に本発明に記載されている効果を呈するものであれば、どのような方法でも本発明に適用可能である。
炭化珪素単結晶ウエハ21上に新たに炭化珪素単結晶層を結晶成長する工程において、炭化珪素単結晶ウエハ21中に含まれる貫通らせん転位を、一回の結晶成長工程あたり5%以上の割合で、基底面内欠陥に転換させることができる。さらに、炭化珪素単結晶ウエハ21上に新たに炭化珪素単結晶層を結晶成長する工程において、基底面内欠陥4、9に構造転換させ、かつ基底面内欠陥4、9を炭化珪素単結晶ウエハ21の外部、もしくは矩形状に多数に分離された炭化珪素単結晶層の結晶成長領域の外部に排出することができる。
また、炭化珪素単結晶層に対してストライプを形成して、新たな炭化珪素単結晶層を形成する工程を2回以上繰り返すことで、炭化珪素単結晶ウエハ21中に含まれる貫通らせん転位3、8の密度を小さくすることができる。
炭化珪素単結晶ウエハの製造方法によって得られた元の炭化珪素単結晶ウエハよりも貫通らせん転位密度の小さい炭化珪素単結晶層からなる炭化珪素単結晶ウエハ、ならびに炭化珪素単結晶層をスライスすることで炭化珪素単結晶ウエハを得ることができる。また、炭化珪素単結晶ウエハを用いて炭化珪素半導体素子を製造することができる。
以下に、炭化珪素単結晶ウエハを用いた炭化珪素半導体素子の製造方法の態様を示す。
本発明に係る炭化珪素半導体素子の製造方法によって製造可能な半導体素子には、ショットキーバリヤダイオード(SBD)、接合電界効果トランジスタ(J−FET)、金属/酸化膜/半導体電界効果トランジスタ(MOS−FET)等のユニポーラ素子、及びpnダイオード、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、サイリスタ、GTOサイリスタ、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)等のバイポーラ素子が含まれる。
次に、具体的な製造方法の実施例を説明する。
実施例1
実施例1は、上記の炭化珪素単結晶ウエハ中に含まれる貫通らせん転位密度の低減方法を利用した第1の実施形態(図1、図2参照)における製造方法に係る。この製造方法によれば、炭化珪素単結晶ウエハ内における貫通らせん転位3を基底面内欠陥4に構造転換し、基底面内欠陥4を結晶外部に排出させ、貫通らせん転位3の密度が小さい炭化珪素単結晶ウエハ1を得ることができる。これにより、貫通らせん転位3による素子特性への影響がない炭化珪素半導体素子を得ることができる。その結果として、素子を組み込んだインバータ等の応用機器の信頼性を向上させることができる。
以下、実施例1について工程順に説明する。
炭化珪素単結晶ウエハの用意
炭化珪素単結晶基板、もしくは、基板上に基板と同一の結晶型のエピタキシャル膜を成長させた炭化珪素単結晶基板を用意する。ウエハ状の炭化珪素単結晶基板を切り出すインゴットの製法や、エピタキシャル膜の成長方法としては、既に各種の方法が開発、実用化され、市販されており、そのいずれの方法を用いて炭化珪素単結晶ウエハを用意してもよい。
製造対象の炭化珪素単結晶ウエハにおけるエピタキシャル膜や基板の結晶型としては六方晶、結晶面としては基底面(0001)、オフ角は基底面より0°〜10°、オフアクシス方向としは〈11−20〉方向もしくは〈1−100〉方向が望ましい。炭化珪素単結晶ウエハは、半導体用途のみでなく、その他の用途の炭化珪素単結晶ウエハが製造対象となる。
炭化珪素単結晶ウエハ上に対する鋸歯のストライプの形成
図1に示したように、炭化珪素単結晶ウエハ1上に、半導体プロセスで用いられるリソグラフィーによって、80°以下、好ましくは60°以下の傾斜角αの傾斜面2aを保った凹凸断面状の鋸歯状のストライプ2を形成する。即ち、炭化珪素単結晶ウエハ1上にマスクを形成し、マスクをパターニング後、開口部である炭化珪素単結晶ウエハ1の表面をエッチングする。
ストライプ2の形成方向は、〈11−20〉方向もしくは〈1−100〉方向と平行に配置する。図3に示したように、前述した実施形態、もしくは、ストライプの傾斜角、もしくは、隣り合うストライプの角度の条件の異なるパターンを多数形成する。図6にはストライプ2、7、12を形成した例を示してある。多くの場合、直径数インチ、例えば、2〜6インチの炭化珪素単結晶ウエハ21上に、5mm〜数cmのストライプパターンを多数形成する。
鋸歯状のストライプの凹凸断面の傾斜を形成するため、マスクにテーパー角を形成する。マスクのパターニング工程において、マスクの任意形状の制御が可能なレジスト膜を2μm以上塗布し、レーザー描画装置によって3次元的にパターニングを行う方法、もしくは、100nm〜数μm程度のSiO膜等をマスクとして用い、ウェットエッチング等のパターニングによってテーパー角を形成する方法が挙げられる。
また、エッチング方法としては、CF4もしくはSF6等のFを含むエッチングガスを用いた反応性プラズマによるドライエッチングが挙げられる。ドライエッチングの工程において、エッチングレートおよびエッチング選択比を安定にするために、マスクのパターニングされた炭化珪素単結晶をエッチング支持台等に貼り付ける方法、基板電極を冷却する方法が挙げられる。
図6に示したストライプ2、7、12を多数に形成した場合、新たな炭化珪素単結晶層が結晶成長される領域を矩形状に多数に分離するため、炭化珪素単結晶ウエハ21の表面に、〈11−20〉方向と、それに交差する〈1−100〉方向に、深さ5μm以上の溝22を形成する。溝22の形成は、ストライプ2、7、12の形成と同様に、半導体プロセスで用いられるリソグラフィーが一般的手法として挙げられる。ストライプ2、7、12を多数に分離するため、ストライプ2、7、12の形成と同時にマーカー31の形成を行った後、マーカー31によって溝22の形成位置を整合し、溝22の形成を行うことができる。
ストライプ2、7、12の形成工程によって、ストライプ2、7、12の傾斜および表面に結晶欠陥や汚染等のダメージが誘起されることがある。このため、エッチング工程中におけるアルゴンガスを用いたドライエッチングによる表面平坦化処理、エッチング工程後に1200℃程度の温度の酸素雰囲気中にて表面を酸化し、酸化膜をエッチングによって除去する処理、もしくは、新たな炭化珪素単結晶層を結晶させる工程において、1500℃程度の高温水素エッチングや高温塩化水素エッチング等の単結晶成長前処理を行う。これにより、ストライプ2、7、12の傾斜および表面の結晶欠陥や汚染等のダメージを除去することができる。
炭化珪素単結晶ウエハ上に対する新たな炭化珪素単結晶層の形成
ストライプ2、7、12を形成した後の新たな炭化珪素単結晶層の結晶成長は、炭化珪素単結晶ウエハと同じ結晶型の単結晶成長を行うため、気相成長法もしくは昇華法を用いる。ストライプ2の場合、図2に示したように、ストライプ2を形成した後の新たな炭化珪素単結晶層の結晶成長によって、炭化珪素単結晶ウエハ21内の貫通らせん転位3は、基底面内欠陥4に構造転換され、結晶外部へ排出することができる。
実施例2
実施例2は、上記の炭化珪素単結晶ウエハ中に含まれる貫通らせん転位密度の低減方法を利用した第2の実施形態(図3、図4参照)の製造方法に係る。この製造方法によれば、炭化珪素単結晶ウエハ中に含まれる貫通らせん転位8を基底面内欠陥9に構造転換し、基底面内欠陥9を結晶外部に排出させ、貫通らせん転位8の密度が小さい炭化珪素単結晶ウエハ6を得ることができる。これにより、貫通らせん転位8による素子特性への影響がない炭化珪素半導体素子を得ることができる。その結果として、素子を組み込んだインバータ等の応用機器の信頼性を向上させることができる。
炭化珪素単結晶ウエハの用意は、実施例1と同様である。
炭化珪素単結晶ウエハ上に対する鋸歯状のストライプの形成
図3に示した鋸歯状のストライプ7を実施例1と同様に形成する。尚、第2の実施形態におけるストライプ7の傾斜角が大きくなる方向、即ち、貫通らせん転位8より構造転換した基底面内欠陥9の排出方向とステップフロー成長方向を平行にしておくことが肝要である。
炭化珪素単結晶ウエハ上に対する新たな炭化珪素単結晶層の形成
実施例1と同様に、新たな炭化珪素単結晶層の形成を行う。図4に示したように、第2の実施形態におけるストライプ7を形成した後の新たな炭化珪素単結晶層の結晶成長によって、炭化珪素単結晶ウエハ6内の貫通らせん転位8は、基底面内欠陥9に構造転換され、ステップフロー成長方向に伝播し、結晶外部へ排出することができる。
実施例3
実施例3は、上記の炭化珪素単結晶ウエハ中に含まれる貫通らせん転位密度の低減方法を利用した第3の実施形態(図5参照)の製造方法に係る。この製造方法によれば、炭化珪素単結晶ウエハ中に含まれる貫通らせん転位13を基底面内欠陥に構造転換し、基底面内欠陥9を結晶外部に排出させ、貫通らせん転位13の密度が小さい炭化珪素単結晶ウエハ11を得ることができる。これにより、貫通らせん転位13による素子特性への影響がない炭化珪素半導体素子を得ることができる。その結果として、素子を組み込んだインバータ等の応用機器の信頼性を向上させることができる。
炭化珪素単結晶ウエハの用意は、実施例1と同様である。
炭化珪素単結晶ウエハ上に対する鋸歯状のストライプ12の形成は、実施例1と同様である。
炭化珪素単結晶ウエハ上に対する新たな炭化珪素単結晶層の形成
実施例1と同様に、新たな炭化珪素単結晶層の形成を行う。尚、図5に示したように、新たに炭化珪素単結晶層を結晶成長させる工程において、放射状のストライプ12が形成された中心部に1個以上10個以下の貫通らせん転位13を残すことによって、継続的にらせんステップの供給を行い、安定的な結晶成長を継続することができる。
以上、実施形態及び実施例に基づき本発明を説明したが、本発明はこれらの実施形態及び実施例に何ら限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において各種の変形、変更が可能である。
本発明は、炭化珪素単結晶の製造方法、炭化珪素単結晶ウエハ、炭化珪素半導体素子の製造方法、炭化珪素半導体素子の産業分野で利用することができる。
1、6、11、21 炭化珪素単結晶ウエハ
2、7、12 ストライプ
3、8、13 貫通らせん転位
4、9 基底面内欠陥
22 溝

Claims (25)

  1. 炭化珪素単結晶の成長工程であって、
    c軸方向に貫通する転位を、基底面(0001)に沿った第1方向の欠陥に変換させ、第1方向に交差し、かつ基底面(0001)に沿った第2方向に欠陥の伝播方向を制御する
    ことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  2. 請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、
    前記第2方向を平行した複数の方向に制御する
    ことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  3. 請求項2に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、
    前記基底面(0001)より80°以下の傾斜角の傾斜面を備え、傾斜角を保ちつつ連続する鋸歯状のストライプの凹凸断面を有し、前記凹凸断面のストライプの方向が、隣接するストライプに対して交互に右回り2°以上、左回り2°以上の角度を有する連続的パターンを有する炭化珪素単結晶ウエハを用い、前記炭化珪素単結晶ウエハ上に新たな炭化珪素単結晶層を結晶成長させる
    ことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  4. 請求項3に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、
    結晶成長主面が、前記基底面(0001)より10°以下の傾斜角を有している
    ことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  5. 請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、
    前記第2方向を平行した同一方向に制御する
    ことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  6. 請求項5に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、
    前記基底面(0001)より10°から80°の傾斜角の傾斜面を備え、傾斜角を保ちつつ連続する鋸歯状のストライプ状の凹凸断面を有し、前記凹凸断面のストライプが、隣接するストライプに平行となっており、かつ、凹凸断面の高低差を保ちつつストライプの方向に対して凹凸断面の傾斜角が漸次大きくなり、かつ、ストライプの凹部の広がり角度が2°以上であるパターンを有する炭化珪素単結晶ウエハを用い、前記炭化珪素単結晶ウエハ上に新たな炭化珪素単結晶層を結晶成長させる
    ことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  7. 請求項6に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、
    結晶成長主面が、前記基底面(0001)より10°以下の傾斜角を有し、
    前記凹凸断面の傾斜角が大きくなるパターンの方向と炭化珪素単結晶層の結晶成長方向であるステップフロー成長方向のなす角が10°以下である
    ことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  8. 請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、
    前記第2方向を中心から放射状に延びる方向に制御する
    ことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  9. 請求項8に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、
    前記基底面(0001)より80°以下の傾斜角の傾斜面を備え、傾斜角を保ちつつ連続する鋸歯状のストライプの凹凸断面を有し、前記凹凸断面のストライプが、炭化珪素単結晶ウエハの一点、もしくは、炭化珪素単結晶ウエハ上で多数に分離された各結晶成長領域内の一点より放射状となっているパターンを有する炭化珪素単結晶ウエハを用い、前記炭化珪素単結晶ウエハ上に新たな炭化珪素単結晶層を結晶成長させる
    ことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  10. 請求項9に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、
    結晶成長主面が、前記基底面(0001)より10°以下の傾斜角を有している
    ことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  11. 請求項3、請求項6、請求項9のいずれか一項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、
    前記凹凸断面の高低差が1μm以上である
    ことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、
    前記炭化珪素単結晶ウエハが六方晶である
    ことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  13. 請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、
    前記炭化珪素単結晶ウエハの結晶成長主面の基底面(0001)からのオフアクシス方向が<11−20>方向である
    ことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  14. 請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、
    前記炭化珪素単結晶ウエハの結晶成長主面の基底面(0001)からのオフアクシス方向が<1−100>方向である
    ことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  15. 請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、
    前記炭化珪素単結晶層を結晶成長する工程が、気相成長法もしくは昇華法である
    ことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  16. 請求項3、請求項6、請求項9のいずれか一項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、
    前記炭化珪素単結晶層を結晶成長する工程であって、前記ストライプを形成する工程中もしくは工程後に、ストライプの形成における傾斜および表面のダメージを除去する工程を有する
    ことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  17. 請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、
    前記炭化珪素単結晶層を結晶成長する工程であって、新たな炭化珪素単結晶層が結晶成長される領域を矩形状に多数に分離するために、前記炭化珪素単結晶ウエハの表面に、ほぼ直角に交差する溝が形成されている
    ことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  18. 請求項17に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、
    前記溝は、
    <11−20>方向に対して±10°以下の方向と、それに交差する<1−100>方向に対して±10°以下の方向とに形成され、深さが5μm以上である
    ことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  19. 請求項3、請求項6、請求項9のいずれか一項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、
    前記炭化珪素単結晶ウエハ上に新たに炭化珪素単結晶層を結晶成長する工程であって、炭化珪素単結晶ウエハ中に含まれる貫通らせん転位を、一回の結晶成長工程あたり5%以上の割合で、基底面内欠陥に転換させる
    ことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  20. 請求項19に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、
    前記基底面内欠陥を炭化珪素単結晶ウエハの外部、もしくは矩形状に多数に分離された炭化珪素単結晶層の結晶成長領域の外部に排出する
    ことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  21. 請求項3、請求項6、請求項9のいずれか一項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、
    前記炭化珪素単結晶層に対してストライプを形成して炭化珪素単結晶層を形成する工程を2回以上繰り返す
    ことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  22. 請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、
    放射状のストライプが形成された中心部に残された1個以上10個以下の貫通らせん転位によって、継続的にらせんステップの供給を行い、安定的な結晶成長を継続する
    ことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  23. 請求項1から請求項22のいずれか一項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法により作製された元の炭化珪素単結晶ウエハよりも貫通らせん転位密度の小さい炭化珪素単結晶層、ならびにこの炭化珪素単結晶層をスライスすることにより得られたことを特徴とする炭化珪素単結晶ウエハ。
  24. 請求項23に記載の炭化珪素単結晶ウエハを用いて製造されることを特徴とする炭化珪素半導体素子の製造方法。
  25. 請求項24に記載の炭化珪素半導体素子の製造方法により得られたことを特徴とする炭化珪素半導体素子。
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