JP2011251018A - X線ct装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】X線CT装置のクロストーク補正時の演算量の低減と、演算スループットを向上させる。
【解決手段】X線を発生するX線発生部と、前記X線発生部から被写体を透過したX線を検出するための複数のX線検出器を有するX線検出部と、前記X線検出部で得られた信号を補正し画像を再構成する画像生成部を備えたX線CT装置において、前記複数のX線検出器におけるクロストーク補正を前記画像生成部において実施する際に、局所的に減衰する成分の補正のみを先に実施し、クロストークの全体成分の補正については画像再構成と同時に実施する。
【選択図】図4

Description

本発明は、X線検出器のクロストークを補正するX線CT装置に関する。
X線CT装置とは、被写体にX線を照射するX線源と、そのX線源と対向する位置に、被写体を透過したX線を検出する被写体撮影用X線検出器を有し、被写体の周りを回転撮像することによって得た複数方向の投影データをもとに、被写体内部のX線吸収率の違いを、データ処理系を用いて画像として再構成するための装置である。
検出器に入射したX線は光子(蛍光)に変換され、その光子は同一検出器内のフォトダイオードにて光電変換され、電気信号として後段の回路で処理される。しかし、一部の信号は入射した検出器ではなく周囲の検出器で電気信号となる。この現象をクロストークという。
クロストークの発生する過程としての種類は、検出器内部で散乱したX線が他の検出器で検出されるX線クロストーク、X線が変換された光子が隣接検出器に移動した後にフォトダイオードにて光電変換される光クロストークなどがある。クロストークが発生すると隣接する検出器に信号が漏れるため画像が暈けたり、アーチファクト(偽像)が発生したりすることがある。
特許文献1ではクロストーク量を予め見積もり、補正する技術を開示している。また、特許文献2ではクロストーク補正と画像の再構成における演算速度を向上させる技術を開示している。
特開2005−253815号公報 特開2008−142146号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたクロストーク量を予め見積もり、補正する方法においては、演算によるレスポンスの低下があり、X線CT装置で救急患者の状態把握などに使用する際には必ずしも充分ではないという問題がある。
また、特許文献2に開示された演算速度を向上させる方法においては、この過程を実現するための演算コスト(演算装置を構成する部品の追加、高性能部品の使用)がかかるという問題がある。
そこで、本発明は、X線CT装置のクロストーク補正時の演算量の低減と、演算スループットを向上させることを目的とする。
前記の課題を解決して、本発明の目的を達成するために、以下のように構成した。
すなわち、X線を発生するX線発生部と、前記X線発生部から被写体を透過したX線を検出するための複数のX線検出器を有するX線検出部と、前記X線検出部で得られた信号を補正し画像を再構成する画像生成部を備えたX線CT装置において、前記複数のX線検出器におけるクロストーク補正を前記画像生成部において実施する際に、局所的に減衰する成分の補正を先に実施し、クロストークの全体成分の補正については画像再構成の際に実施する。
本発明によれば、X線CT装置のクロストーク補正時の演算量が低減し、演算スループットが向上する。
本発明の実施形態におけるX線CT装置の概略を示す構成図である。 本発明の第1の実施形態におけるクロストーク補正データの取得方法を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態におけるクロストーク量測定方法を示す図である。 本発明の第1の実施形態におけるクロストーク補正の手順を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態におけるクロストーク量測定方法を示す図である。 本発明の第2の実施形態におけるクロストーク補正データの取得方法を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態におけるクロストーク量測定方法を示す図である。 本発明の第3の実施形態におけるクロストーク補正データの取得方法を示すフローチャートである。
本発明の実施形態を次に説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態を図1から図4を用いて説明する。
まず、「X線CT装置の概略構成」、「X線管、X線検出器、撮影手段」、「画像生成部」などの構成について説明する。
その後に「クロストーク補正データ取得のフローチャート」を述べるとともに、そのフローにおける「各検出器の信号の拡がりを計測」、「感度を補正」、「補正の全体成分を計算」、「局所減衰成分を計算」を説明する。さらに「撮像の流れ」において、「撮影条件設定ステップ」、「撮像ステップ」を説明する。また、「撮像の流れ」に本来は含まれている「画像化」については「データの画像化」として説明する。以上のような方法について説明する。
そして、「クロストーク補正において局所減衰成分と全体成分を分割補正可能の正当性の証明」でこの手法が理論的根拠に則っていることを説明する。
また、この手法の「期待効果」についても説明する。
以上について、順に述べる。
<X線CT装置の概略構成>
本発明の実施対象となるX線CT装置100の概略の構成を図1に示す。X線CT装置100は入力手段200と、撮影手段300と、画像生成部400とを備えている。
また、撮影手段300は、X線発生部310、X線検出部320、ガントリー330、撮影制御部340、および被写体搭載用テーブル501を備えている。
また、画像生成部400は、信号収集部410、データ処理部420、および画像表示部440を備えている。
また、入力手段200における撮影条件入力部210は、キーボード211、マウス212、モニタ213により構成する。モニタ213はタッチパネル機能を有し、入力装置として使用するのもよい。
なお、入力手段200および画像生成部400は、必ずしもX線CT装置100と一体である必要はない。例えばネットワークを介して接続された別の装置によって、その動作を実現させてもよい。
また、画像生成部400と入力手段200の両方の機能を併せ持つ装置を使用して実現してもよい。
撮影手段300におけるX線発生部310は、X線管311を備えている。また、X線検出部320は、X線検出器321を備えている。
また、ガントリー(Gantry:溝台)330の中央には被写体500および被写体搭載用テーブル501を配置するための円形の開口部331が設けられている。ガントリー330内には、X線管311およびX線検出器321を搭載する回転板332と、回転板332を回転させるための駆動機構(不図示)とを備えている。
また、被写体搭載用テーブル501には、ガントリー330に対する被写体500の位置を調整するための駆動機構(不図示)が備えられている。
また、撮影制御部340は、X線管311を制御するX線制御器341、回転板332の回転駆動を制御するガントリー制御器342、被写体搭載用テーブル501の駆動を制御するテーブル制御器343、X線検出器321の撮像を制御する検出器制御器344、およびX線制御器341、ガントリー制御器342、テーブル制御器343、検出器制御器344の動作の流れを制御する統括制御器345を含んでいる。
<X線管、X線検出器、撮影手段>
X線管311のX線発生点とX線検出器321のX線入力面との距離は、本実施形態では1000mmと設定する。ガントリー330の開口部331の直径は、本実施形態では700mmに設定する。
X線検出器321は、シンチレータ(Scintillator:X線や電離放射線を受けて蛍光を発する)、およびフォトダイオード(蛍光などの光を電気に変換する)等から構成される公知のX線検出器を使用する。X線検出器321は、X線管311のX線発生点から等距離に多数の検出素子を円弧状に配列した構成であり、その素子数(チャンネル数)は、例えば1000個である。各検出素子のチャンネル方向のサイズは、例えば1mmである。
回転板332の回転の所要時間は、ユーザが撮影条件入力部210を用いて入力したパラメータに依存する。本実施形態では回転の所要時間を1.0s/回とする。
撮影手段300の1回転における撮影回数は、900回であり、回転板332が0.4度回転する毎に1回の撮影が行われる。
なお前記各仕様はこれらの値に限定されるものはなく、X線CT装置の構成に応じて種々変更可能である。
<画像生成部>
画像生成部400は信号収集部410、データ処理部420および画像表示部440を備えている。
信号収集部410は、データ収集システム(DAS:Data Acquisition System、以下DASと表記)411を含んでいる。DAS411は、前記したX線検出器321の検出結果をディジタル信号に変換する。
データ処理部420は、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)421、メモリ422およびHDD(Hard disk drive)装置423を含む。中央処理装置421およびメモリ422において、所定のプログラムを展開・起動することで補正演算、画像の再構成処理などの各種処理を行う。HDD装置423は、データの保存や入出力を行う。
画像表示部440は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)等の画像表示モニタ441を備えて構成される。
<クロストーク補正データ取得のフローチャート>
X線CT装置100(図1)によるクロストーク補正データの取得方法、手段を図2のフローチャートを用いて示す。
なお、フローチャートは「各検出器の信号の広がりを計測」、「感度を補正」、「全体成分を計算」、「局所減衰成分を計算」の各ステップからなる。
[各検出器の信号の広がりを計測]
まず、各検出器(X線検出器)の信号の広がりを計測する(ステップS701)。
計測方法は図3に示すように1つのX線検出器321aにだけX線信号およびそれによって発生した光が入射するように設計された遮蔽体503を用いて信号を計測する。このとき、本例ではX線検出器321aのほかに、両隣のX線検出器321b、及びX線検出器321cにおいて二次的に発光(X線が一次として)している信号を計測したとする。
そして、遮蔽体503を移動し、X線検出器321bにだけX線信号およびそれによって発生した光が入射するようして計測する。これらの計測により、本来入射すべき信号とその周囲で二次的に発光している信号を計測する。
このとき、各X線検出器の入射光量が同一になるようにする。例えばX線の光量に分布がある場合(図3のそれぞれ321a、321bのみ光を当てた時の信号量)は、予めX線の光量の分布を計測しておき、基準光量の信号量に規格化する。
その結果、すべてのX線検出器321のクロストークによる流出量が同じであれば、本来入射すべきX線検出器の信号は感度に比例した値となる。クロストーク量は同一のX線検出器サイズで同一の光量を照射した場合にはほとんど変化しないため、すべてのX線検出器321のクロストークによる流出量が同じという仮定に伴う誤差ほとんどない。その結果、本来入射すべきX線検出器の信号から、各X線検出器321の感度の算出が可能となり、感度補正データが作成できる。具体的には、各X線検出器321に直接信号が入射する場合における、基準光量の信号量に規格化した値の逆数である。
[感度を補正]
次に、感度補正を実施する(ステップS702)。
感度補正は前記のステップS701で得たデータを用いて、ステップS701で得た信号を広がり分も含めて補正する。
感度補正方法を以下に示す。ステップS701で計測した遮蔽体503を使用したときに本来入射すべきX線検出器の信号で、計測データを割り、各検出器の感度差を補正する。例えば、ステップS701でX線検出器321aにだけ光が当たるように遮蔽体503の位置をセットした場合に、両隣のX線検出器321b、及びX線検出器321cにおいても信号が発生している。
このとき、X線検出器321bの信号はクロストークに起因する信号であるが、X線検出器各々の感度誤差も含んでいる。そこで、本来入射すべきX線検出器の信号がX線検出器321aである場合にX線検出器321bで検出した信号を、本来入射すべきX線検出器の信号がX線検出器X線検出器321bの場合の信号量で割ることで基準光量の信号量に規格化した信号量となる。
なお、X線検出器321aについても同様に本来入射すべきX線検出器の信号がX線検出器321aの場合の信号で割る。つまり、同じ値で割ることになるため、本来入射すべきX線検出器の信号の補正後の値は必ず1となる。本来入射すべきX線検出器以外の検出器は、本来入射すべきX線検出器に1の光があたった場合に、発生する信号量を示している。この本来入射すべきX線検出器の信号以外の信号がクロストーク量である。
[全体成分を計算]
次に、ステップS701、ステップS702で求めた感度補正後のデータからクロストーク補正の全体成分を計算する(ステップS703)。
全体成分の計算方法の一例を示す。まず、各検出器の本来、入射すべきX線検出器の信号以外の信号量の総和を求める。
本例の場合、本来入射すべきX線検出器がX線検出器321aであるとき、両隣のX線検出器321b、及びX線検出器321cで信号が発生しているため、この2つの信号の和を計算する。その信号量が最大となるチャンネルでは減衰が起こってないとして基準チャンネルとし、そのチャンネルにおけるクロストーク量を全体成分に係る補正の補正量とする。
例えば本例の場合、本来入射すべきX線検出器の信号以外の信号量の総和が最大となる検出器がX線検出器321aである場合、本来入射すべきX線検出器の信号の右隣の検出器のクロストーク量は感度補正実施後のX線検出器321bの値であり、左隣の検出器のクロストーク量は感度補正実施後のX線検出器321cの値である
なお、最大となるチャンネルが複数ある場合はそれらの平均をとってもよい。
[局所減衰成分を計算]
最後に局所減衰成分を計算する(ステップS704)。
各チャンネルの局所減衰成分は、各チャンネルの補正量と前記のステップS703で求めた全体成分の補正量との差である。その値をすべてのチャンネルについて計算する。
本例の場合、ステップS703における基準チャンネルはX線検出器321aであるとした。このときの、X線検出器321dにおける局所減衰成分の計算例を示す。
X線検出器321dに入射する信号量は1に規格化されているため計算対象とはならない。その両隣のX線検出器321e、及びX線検出器321fについて、基準チャンネルX線検出器321aの両隣の検出器であるX線検出器321b、及びX線検出器321cとの差異を計算する。例えばX線検出器321eにおける局所減衰成分は(X線検出器321e)−(X線検出器321b)で求める。
同様にX線検出器321fにおける局所減衰成分は(X線検出器321f)−(X線検出器321c)で求める。これらの局所減衰成分の値は負になることもある。
局所減衰成分が少ない場合は近似的に補正量を0としてもよい。例えば、ある閾値(例えば5%)を設け、閾値以下の誤差の場合は補正量を0とするなどの方法である。
以上により、補正量を決定し、局所減衰補正データとする。そして後記する画像を再構成する際に用いる。
<撮像の流れ>
次に、X線CT装置100による撮像の流れを示す。撮像は「撮影条件設定」、「撮像」、及び「画像化」の3つのステップで構成される。ただし、「画像化」については「データの画像化」として、別項目でフローチャートを用いて説明する。
[撮影条件設定ステップ]
撮影条件設定ステップについて示す。図1における撮影条件入力部210は、入力画面をモニタ213もしくは別のモニタに表示する。操作者が、この画面を見ながら、撮影条件入力部210を構成するマウス212やキーボード211、もしくはモニタ213に備えられたタッチパネルセンサ等を操作することにより、X線管311の管電流、管電圧、被写体500の撮像範囲等を設定する。なお、事前に撮影条件を保存した場合、それを読み出して用いることもできる。この場合、撮影の都度、操作者が入力しなくてもよい。
[撮像ステップ]
次に撮像ステップについて示す。撮像ステップでは、操作者が、撮影開始を指示すると、撮影条件設定ステップで操作者が撮影条件入力部210に設定した撮像範囲、管電圧、管電流量の条件で撮影、撮像を行う。
具体的な方法について例を示す。まず、被写体500を被写体搭載用テーブル501上に配置する。図1における統括制御器345は、テーブル制御器343に対し、被写体搭載用テーブル501を回転板332に対して垂直な方向に移動させ、回転板332の撮影位置が指定された撮影位置と一致した時点で移動を停止するように指示する。これにより、被写体500の配置が完了する。
統括制御器345は、同じタイミングでガントリー制御器342に対して駆動モーターを動作させ、回転板332の回転を開始する指示も併せて実施する。
回転板332の回転が定速状態になり、かつ被写体500の配置が終了すると、統括制御器345はX線制御器341に対しX線管311のX線照射タイミングを指示し、また検出器制御器344に対しX線検出器321の撮影タイミングを指示する。そして撮影を開始する。これらの指示を繰り返すことで撮像範囲全体を撮像する。
なお、被写体搭載用テーブル501が移動、停止を繰り返しているが、公知のヘリカルスキャン(Helical Scan)のように被写体搭載用テーブル501を移動させながら撮像してもよい。
X線検出器321の出力信号は、信号収集部410に備えられたDAS411によってディジタル信号に変換された後、後記する画像化の際の工程上の都合により、一旦、HDD装置423に保存される。
<データの画像化>
次に、保存されたデータの画像化のステップについて、図4を用いて説明する。
画像化のステップにおける演算は、すべて図1に示したデータ処理部420に備えられた中央処理装置421とメモリ422、およびHDD装置423を用いて行われる。
まず、局所減衰補正である「局所減衰成分クロストーク補正」を実施する(ステップS801)。
補正値には図2の「局所減衰成分を計算」ステップS704で作成した局所減衰補正データを使用する。
その後、「Log変換」(log変換)を実施する(ステップS802)。
なお、Log変換を行うのは、X線や光の信号は透過や散乱において、一般的には指数関数的に減衰するので、演算処理において信号をLog変換しておくと、積の演算量が和の演算量ですむといった演算上の都合がよいことが一般的に多いからである。
その他の補正である「各種補正」を実施する(ステップS803)。
この補正は前述した局所減衰補正「局所減衰成分クロストーク補正」(ステップS801)以外にも、補正した方がよい事項や現象がある場合に、このステップS803で行う。したがって、「各種補正」ステップS803が行われない場合もある。
その後、図2のステップS703で作成した全体成分の補正データを用いて全体の補正を実施しながら再構成を実施する「再構成、全体成分クロストーク補正を同時に実施」(ステップS804)。
なお、「同時」は厳密な意味での同時である必要はなく、「併せて」といった意味である。
なお、最後にステップS804で得られた再構成後の画像をHDD装置423(図1)に保存する。保存した画像はユーザーの命令、もしくは自動的に画像表示モニタ441(図1)に映し出され、ユーザーがその画像を用いて診断する。
なお、以上において、局所減衰補正である「局所減衰成分クロストーク補正」をステップS801において行い、全体補正データを用いて全体の補正と再構成である「再構成、全体成分クロストーク補正を同時に実施」をステップS804に行っている。このようにクロストーク補正を分割したのが本実施形態の特徴である。
次にこのようにステップS801とステップS804にクロストーク補正を分割しても近似的に問題が無いことを、次に説明とともに証明をする。
<クロストーク補正において局所減衰成分と全体成分を分割補正可能の正当性の証明>
図3において、X線検出部320に配備された複数のX線検出器321で位置xにおけるX線検出器321aに入射した信号をm(x)とする。また、X線検出器321aが検出する信号をS(x)とする。この入射信号のm(x)は散乱したり、他からノイズを受けたりするので検出信号S(x)とは一般的には等しくはなく、次式の[数1]で表される。
Figure 2011251018
ここで、tは離散的な位置を表す(時間ではない)。g(x-t)はクロストークの暈けの広がり関数であり、dtxはX線検出器tからX線検出器xへの局所での信号減衰係数を示す。局所減衰成分を補正した信号をS’(x)とすると、
Figure 2011251018
と表せる。
ここでS(x)≫P(x)、および、m(x)≫P(x)として、S’(x)をLog変換(log変換)すると、[数2]は、
Figure 2011251018
となる[数3]。
ここで、m(x)≫P(x)から、(P(x)/m(x))は1より充分に小さいので、log(1+x)の1次のテイラー展開近似である(log(1+x)≒x)を用いると、[数3]は以下のように変形できる。なお、ここでは(P(x)/m(x))を前記した(log(1+x)≒x)におけるxに見立てている。
Figure 2011251018
となる[数4]。
ここで重要なのは減衰分を補正した信号を用いているため、Σg(t)=0が成り立つ
ことに着目する。これはあるX線検出器から流出した信号がすべてどこかのX線検出器で検出されていることを意味する。その場合は、画像フィルタで補正が可能である。
例えば広がり関数を両隣のX線検出器にのみ広がる場合を考える。
Figure 2011251018
この[数5]は、左右の両隣のX線検出器のみから影響を受け、かつ与える場合を仮定している。左右(t=x±1)のX線検出器からは、それぞれw分のクロストークの信号を受け、自分自身(t=x)のX線検出器からは2w分信号が散乱して左右両隣へ逃げる(−2w)場合を意味している。なお、wはクロストークの信号強度を表す定数である。また、[数5]においては、Σg(t)=0が成立している。
ここで、信号量の変化が緩やかであると仮定すると、[数4]はさらに以下のように変形できる。
Figure 2011251018
となる[数6]。
ここで、m(x)の信号変化は緩やかであるとすれば、ここではm(x−1)とm(x)は隣同士であり、値としては近いので、(m(x−1)/m(x))≒1である。よって、m(x−1)/m(x)−1≒0となる。つまり、(m(x−1)/m(x)−1)を前記したlog(1+x)の1次のテイラー展開近似(log(1+x)≒x)のxに見立てれば、以下に示す式変形が可能となる。また、m(x+1)とm(x)は隣同士であり、値としては近いので、前記したm(x−1)とm(x)の関係で用いた理由と同じ理由で以下の式変形が可能となる。
以上より、[数6]は以下の[数7]の近似が可能となる。
Figure 2011251018
の形になる。
なお、前記した近似は[数7]の1段目から2段目の式変形に用いている。
また、以上から、
Figure 2011251018
となることがわかる。
前記の説明においては、隣のX線検出器にのみ広がることを仮定したが、一般的にΣg
(t)=0の場合にのみ、同様の近似を使用して[数8]は、
Figure 2011251018
の形で表記することが可能である。
この[数9]の式において、S’(x)はX線検出器で検出し、補正をかければ既知の値となる。この既知のS’(x)からm(x)が算出できれば、クロストークの影響を取り除いたX線検出器321へ入射したX線信号を知ることができる。つまり真の画像を構成することにつながるX線信号m(x)を知ることができる。
[数9]の形に非常に近いものとして、log(S(x))がlog(m(x))とその係数の積和で表されたとき、log(S(x))からlog(m(x))を求める方法は、公知のデコンボリューション法で可能である。式の上での相違はS’(x)とS(x)である。したがって、[数9]が求められているので、log(S’(x))からlog(m(x))への変換が公知のデコンボリューション法で可能である。
本実施形態では前記したように、公知のデコンボリューション法が使用できる。それとともに、従来の公知例ではS(x)に対して適用していたのに対し、本実施形態ではS’(x)に対してデコンボリューション法を適用できる。S’(x)は既に補正がかけられた信号であるので、従来のS(x)を用いる場合よりも、精度よく画像を構成することにつながるm(x)を再構成できる。
なお、[数9]において、log(S’(x))とlog(m(x))その係数aiの関係式を行列式の表記とすれば、係数aiの逆行列式がlog(m(x))の算出の過程で必要となる。この係数aiの逆行列式は[数9]から直ちに算出可能であって、これをデコンボリューションフィルタとしてソフト上での演算のときに使用することにより全体の補正ができる。なお、この演算はLog変換後でも可能である。
以上から、図4で示したフローチャートの手順に基づいて補正と再構成を行う方法が近似的に成立することがわかる。この結果を用いて再構成フィルタ上でデコンボリューションを実施することでクロストーク補正が可能となる。
なお、図4において、ステップS801の「局所減衰成分クロストーク補正」が[数1]と[数2]によるS(x)からS’(x)の変換である。このS(x)からS’(x)の変換は次のステップS802のLog変換の前であるので、Σg(t)=0が保証され
ている。
また、ステップS802の「Log変換」は[数2]から[数3]の変換に相当する演算である。
また、ステップS803の「各種補正」は、前記以外の補正であって、[数1]から[数9]に特に該当するものはない。必要な補正があれば、画像の再構成の前までに追加して補正し、全体の画像の再構成の際に反映される。
また、ステップS804の「再構成、全体成分クロストーク補正を同時実施」は[数9]を用い、かつ前記したデコンボリューションの演算によって、補正と画像の再構成を行う段階に相当する。
<期待効果>
本実施形態では以下の効果が期待できる。
[1]前記デコンボリューションフィルタを求めておけば、クロストークの全体成分の補正は演算に時間がかからない上、局所減衰成分の補正量は全体の傾向を除いた分だけしか補正しないため、演算する量が大きく減る。そのため演算時間が短縮可能となる。
[2]本実施形態では局所減衰成分を先に実施するため1次近似の精度において妥当である。すべてのクロストーク補正をLog変換後に実施した場合、Σg(t)=0が保証
されないため、単純なデコンボリューションフィルタでは表せない。その結果誤差が生じてしまいアーチファクトの原因となる。本発明の方法ではLog変換後の単純なデコンボリューションに比べて精度が高い。
なお、本実施形態では遮蔽体503を用いて感度も同時に測定したが、別の方法で感度を測定してもよい。また、局所減衰成分、全体成分の取得方法に関してもあくまで一例であり他の方法で補正量を取得してもよい。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では局所的な減衰がX線検出器毎に異なる例を示したが、第2の実施形態ではX線検出器の構造の特性上、一定のパターンでクロストークの減衰が発生する場合について示す。
例えば、X線検出器を複数個結合したモジュールを使用してX線検出部を作成する場合、そのモジュールの継ぎ目でクロストークの局所の影響が変化することがある。モジュール端部では通常検出器間のサイズが大きくなったり、製作を容易にするために空隙が存在したりすることが多い。一方、モジュールの中央付近ではX線検出器が等間隔に並んでいるため、中央付近のX線検出器の特性は似通っている。その結果、モジュール端部でのみクロストーク量が変化することが多い。このような場合、補正値の求め方を簡素化することが可能である。
以下にこの場合の補正値の求め方を示す。
<簡素化した補正値の求め方>
第2の実施形態におけるX線検出部、及び説明に必要な構造物と構成を図5に示す。基本的な構造物と構成は図1に示すX線CT装置100と同じであるが、X線検出部320(図1)の構造が異なっている。
図5に示す第2の実施形態ではX線検出部320aが用いられている。X線検出部320aはX線検出器321(321g、321h、・・・)をいくつか結合した検出器モジュール322を複数用いて構成される。
この場合、X線検出器321のクロストークは、例えば検出器モジュール322の中央のX線検出器321gと端部のX線検出器321hで特性が異なることが多い(図5参照)。ただし、X線検出器321をいくつか結合した検出器モジュール322としては、他の検出器モジュールとクロストーク特性がほぼ同じになることが多い。
そこで、検出器モジュール322の端部と中央での差異を計測する。計測方法は第1の実施形態と同様に1つのX線検出器にだけ光が入射するように設計されたピンホールコリメータを用いて本来入射すべき信号とその周囲で発光している信号を計測することで取得する。
このとき、図5の検出器モジュール322のみを計測し、それ以外の検出器モジュールについては計測しない。つまり、検出器モジュール322を代表して検出器モジュールの共通の特性として扱い、他の検出器モジュールの計測を省く。
具体的な計測方法と補正量計算を図6のフローチャートを使って示す。
<計測方法と補正量計算のフローチャート>
まず、検出器モジュール322内の各検出器の信号の広がりを計測する「モジュール322の各検出器の信号の広がりを計測」(ステップS711)。
計測方法は第1の実施形態の計測で示したように、1つの検出器にだけ光が入射するように設計された遮蔽体503を用いて、本来入射すべき信号とその周囲で発光している信号を計測する(図5のそれぞれ321g、321hのみ光を当てた時の信号量)。第1の実施形態と同様に感度補正データを作成する。
次に、ステップS711で得られた信号データの感度補正を実施する「モジュール322の各検出器の感度を補正」(ステップS712)。
方法は第1の実施形態と同様であるが、検出器モジュール322以外については実施しなくてよい。これは各検出器モジュールは検出器モジュール322とほぼ同じ特性が期待できるという仮定に基づいている。
次に、求めた感度補正後のデータからクロストーク補正に係る全体成分を計算して、抽出する「モジュール322の全体成分を計算」(ステップS713)。
これも、検出器モジュール322のX線検出器に対してのみ実施する。
次に局所減衰成分を計算する「モジュール322の局所減衰成分を計算」(ステップS714)。
これも、検出器モジュール322のX線検出器に対してのみ実施する。
最後に、全体成分、および局所減衰成分をX線検出部320a全体に展開する「モジュール322の全体成分、局所減衰成分をX線検出部320a全体に展開」(ステップS715)。
具体的には検出器モジュール322に対して同じ位置にあたるX線検出器のクロストーク補正量を検出器モジュール322で計測した補正量とみなして全体成分、局所減衰成分のデータを作成する。
これにより第1の実施形態で前記した[1]、[2]の効果に加えて、以下の効果が期待できる。
[3]計測する検出器モジュール数を減らすことによって、補正計測時間の短縮が可能となる。
なお、1検出器モジュールだけでなく、2検出器モジュールや3検出器モジュールなど全部ではないいくつかの検出器モジュールを代表として計測してもよい。
<さらなる効果>
この場合、[1]〜[3]の効果に加えて以下の効果がある。
[4]複数のX線検出器の平均を取ることで、補正計測時のばらつきの抑制が可能となる。
[5]代表検出器モジュールの一部が故障していた場合に、他の検出器モジュールとの比較により故障検知が可能となる。
また、検出器モジュール構造による周期性を利用したが、例えば検出器モジュール内のX線検出器のサイズの差異や、X線検出器内部の反射材の厚さの差異など、そのほかの周期構造に伴って局所的なクロストークの差異が発生する場合にも、該当する周期に従って補正データを作成してもよい。
(第3の実施形態)
第2の実施形態では周期構造による局所的な減衰量の計測方法を示したが、第3の実施形態では第2の実施形態での遮蔽体とは異なる別のファントムを用いた計測で補正する方法について示す。
装置構造は図1と図5で示した第2の実施形態と同一のものを使用する。第2の実施形態との差異は図7に示すように異なるファントムを使用する。
<クロストーク誤差測定ファントム>
図7(a)に示すように遮蔽体503(図5)の代わりにクロストーク誤差測定ファントム504を使用する。クロストーク誤差測定ファントム504としては、例えばテフロン(登録商標)リングなどの、減衰量が大きく、かつ、減衰量の差異が大きいファントムを使用する。減衰量の差異が大きい部分ではクロストークの流入量と流出量が大きく異なる。それは、クロストーク量の流出量があたっている光の信号量に比例するためである。
そこで、このような減衰量の差異が大きいファントムを用いてクロストークの差の大きい場所で計測する。このとき、局所減衰補正が正しく実施されているかどうかをみることで局所減衰補正量を計測する。なお、感度については予め別の方法で補正しておく。
なお、図7(b)は図7(a)に示した測定装置におけるクロストーク誤差判定画像510の中にアーチファクト511が生じている様子を示している。
<計測方法と補正のフローチャート>
計測方法と補正について、図8のフローチャートを用いて説明する。なお、適宜、図7を参照する。
まず、クロストーク誤差測定ファントム504を用いて「補正用ファントムを撮像」する(ステップS721)。
そして撮像したデータを「再構成」する(ステップS722)。
再構成した像を確認し、「アーチファクトの有無を確認」する(ステップS723)。
図7に示すように、ファントム以外の場所にリングやストリークのアーチファクト511が発生する場合(アーチファクト有)、このアーチファクト511を打ち消すように「補正量を調整」する(ステップS724)。
この補正量が適正か否かを確認するためにステップS722のデータを「再構成」に戻る。
補正量が過補正になった場合と補正不足になった場合で再構成後のアーチファクトが周囲のCT値との差の正負が変化するため、補正値の調整方向は把握可能である。この作業を繰り返してアーチファクト511が無くなるまで再調整を実施する。
さらに、ファントムの位置を変更し、複数の位置でアーチファクト511が低減することを確認できればより補正の効果が高くなる。
以上の測定と補正量の調整を繰り返し、ステップS723の「アーチファクトの有無を確認」において、アーチファクトが無くなった場合(アーチファクト無)に、計測と補正を「完了」する(ステップS725)。
この方法では局所的な変化に対するずれ成分の検出と補正量の抽出が可能である。つまり、局所減衰補正値の取得が可能である。一方、各局所における最適な補正は必ずしも画像全体として見た場合の最適な補正とは限らない。したがって、前記それぞれの局所的な補正の方法だけでは画像全体として見た場合の最適な補正に係る全体効果の補正値の取得は困難である。
<分解能測定ファントムを使用した全体効果の補正>
そこで、全体効果の補正に関しては別のファントムを用いて実施する。
全体成分の補正に関しては、クロストーク誤差測定ファントム504の代わりに、例えば分解能測定ファントムを使用する。
分解能測定ファントムは、例えば、複数のスリットを異なる間隔(ギャップ)で配置した構造を有し、どの間隔(ギャップ)まで識別できるかによって、分解能を測定するものである。分解能が最も良くなるように全体成分の補正を定義することで補正効果が最大となる。
但し、部位によってはノイズ成分が増大し画質が低下することもあるため、必ずしも補正効果が最大となるところを選ばず、ユーザが最も病変と正常部位の差異を見つけやすい値に設定してもよい。
この方法が使用できるのは、画像に存在するアーチファクトの発生要因がクロストークによるものと断定できる場合に限られる。他のアーチファクトが発生していてもよいが、図8のフローチャートの作業によりクロストーク起因のアーチファクトだけを低減するようにパラメータを調整する必要がある。
<第3の実施形態の期待効果>
本実施例により、実施例1の[1]〜[2]の効果に加えて以下の効果が期待できる。
[6]通常の撮像手順で実施可能であり、遮蔽体を用いてX線が1検出器だけにあたるように調節する必要がない。その結果、補正データ取得作業が容易になり、高速化が可能である。
<その他の実施形態>
なお、第3の実施形態にのみ全体成分の補正量を部位やユーザーごとに調節可能としたが、第1の実施形態や第2の実施形態においても全体成分の補正量を計測値に対して調整してもよい。また、全体成分の補正量が少ない場合には、局所成分のみ補正し、全体成分を補正せずに使用することも可能である。
以上、本実施形態に係るX線CT装置は、クロストーク補正を実施する時に、局所的に減衰する成分の補正のみ先に実施し、クロストークの全体成分については画像再構成フィルタと同時に実施する。
これにより、局所的に減衰する成分の演算のみによる演算削減効果と、全体成分演算の削減とにより画像再構成時の演算量が低減し、演算コストの低減と演算スループットが向上するという効果がある。
100 X線CT装置
200 入力手段
210 撮影条件入力部
211 キーボード
212 マウス
213 モニタ
300 撮影手段
310 X線発生部
311 X線管
320、320a X線検出部
321、321a、321b、321c、321d、321e、321f、321g、321h X線検出器
322 検出器モジュール、モジュール
330 ガントリー
331 開口部
332 回転板
340 撮影制御部
341 X線制御器
342 ガントリー制御器
343 テーブル制御器
344 検出器制御器
345 統括制御器
400 画像生成部
410 信号収集部
411 データ収集システム、DAS
420 データ処理部
421 中央処理装置
422 メモリ
423 HDD装置
440 画像表示部
441 画像表示モニタ
500 被写体
501 被写体搭載用テーブル
503 遮蔽体
504 クロストーク誤差測定ファントム、ファントム
510 クロストーク誤差判定画像
511 アーチファクト

Claims (14)

  1. X線を発生するX線発生部と、前記X線発生部から被写体を透過したX線を検出するための複数のX線検出器を有するX線検出部と、前記X線検出部で得られた信号を補正し画像を再構成する画像生成部を備えたX線CT装置において、
    前記複数のX線検出器におけるクロストーク補正を前記画像生成部において実施する際に、局所的に減衰する成分の補正を先に実施し、クロストークの全体成分の補正については画像再構成の際に実施することを特徴としたX線CT装置。
  2. 前記クロストークの全体成分の補正量が、前記複数のX線検出器のあるX線検出器から流出した量の総和と周囲の別のX線検出器で検出された量の総和が等しくなるように、前記画像生成部は前記局所的に減衰する成分の補正を実施することを特徴とした請求項1に記載のX線CT装置。
  3. 前記クロストーク補正に係る測定において、遮蔽物を使用して前記局所的に減衰する成分と前記クロストークの全体成分を計測することを特徴とした請求項1または請求項2に記載したX線CT装置。
  4. 前記クロストーク補正に係る測定において、前記X線検出器の配置の周期性を利用して、該周期の一部からクロストークにおける前記クロストークの全体成分と前記局所的に減衰する成分を計測し、残りの部分については前記周期の一部における計測結果を利用して前記クロストークの全体成分と前記局所的に減衰する成分を推測することを特徴とした請求項1乃至請求項3のひとつの請求項に記載のX線CT装置。
  5. 前記クロストーク補正に係る測定において、前記X線検出器の配置の周期性を利用して画像化した結果発生するアーチファクトが低減するように周期的に前記局所的に減衰する成分を推定して補正量を決定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のひとつの請求項に記載のX線CT装置。
  6. 前記クロストーク補正に係る測定において、前記クロストークの全体成分の補正量をユーザーの画像の好みや撮像部位に応じて理論値以外の複数のパラメータから選択できることを特徴とする請求項1乃至請求項5のひとつの請求項に記載のX線CT装置。
  7. 前記クロストーク補正に係る測定において、前記局所的に減衰する成分のみを補正する機能を搭載したことを特徴とする請求項2乃至請求項6のひとつの請求項に記載のX線CT装置。
  8. 前記クロストークの全体成分の補正を行う機能を使用するか非使用かの選択が可能なことを特徴とする請求項2乃至請求項7のひとつの請求項に記載のX線CT装置。
  9. X線を発生するX線発生部と、前記X線発生部から被写体を透過したX線を検出するための複数のX線検出器を有するX線検出部と、前記X線検出部で得られた信号を補正し画像を再構成する画像生成部を備えたX線CT装置において、
    前記複数のX線検出器のあるX線検出器においてクロストーク量により減少した信号量と前記クロストークにより他のX線検出器において増加した信号量とが同じになるように作成した分布関数と、該分布関数からのずれ量である局所補正成分とに分離してクロストーク補正データを作成することを特徴とするX線CT装置。
  10. 前記分布関数と前記局所補正成分を用いて補正を実施することを特徴とする請求項9に記載のX線CT装置。
  11. 前記分布関数を用いた補正と前記局所補正成分の補正との間にLog変換が存在することを特徴とする請求項10に記載のX線CT装置。
  12. 前記分布関数と前記局所補正成分を遮蔽物を使用して計測することを特徴とする請求項9乃至請求項11のひとつの請求項に記載のX線CT装置。
  13. 前記複数のX線検出器の配置の周期性を利用して、周期の一部からクロストークにおける前記分布関数と前記局所補正成分を計測し、残りの部分については前記周期の一部における前記計測の結果を利用して補正成分を推測することを特徴とする請求項9乃至請求項12のひとつの請求項に記載のX線CT装置。
  14. 前記複数のX線検出器の配置の周期性を利用して画像化した結果発生するアーチファクトが低減するように前記局所補正成分を推定して決定することを特徴とする請求項9乃至請求項12のひとつの請求項に記載のX線CT装置。
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