JP2011247245A - 送風機用羽根車および当該羽根車の製造方法 - Google Patents

送風機用羽根車および当該羽根車の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂材料とガラス繊維の複合材料を使用した羽根部材を使用し、軽量化および低騒音・低振動を実現した羽根車を提供する。
【解決手段】羽根車1は、複数の羽根部材2を複数枚の円盤状固定板に円筒状に固定して形成される送風機の羽根車であって、羽根部材の材質を合成樹脂材料とガラス繊維の複合材料とし、羽根車の羽根部材の平均肉厚を0.3〜0.8mmの範囲にて構成し、さらに羽根部材に含まれるガラス繊維を羽根部材の表面の面内に配向させた。
【選択図】図1

Description

本発明は、貫流送風機などの送風機に用いられる羽根車に関するものである。
近年の環境問題や省資源への取り組みから送風機の性能向上のため、羽根車を軽量化するとともに、低騒音及び低振動の羽根車の要求が高まっている。
従来の送風機の羽根車において、羽根部材の薄肉化による送風性能の向上、軽量化、さらに高剛性と高耐熱性を達成するために、羽根部材の材質としてアルミニウム一般材やガラス繊維入りプラスチック又は高抗張力鋼板が用いられてきた。
しかしながら、羽根部材にアルミニウム一般材を用いた場合は、鋼板と比べて軽量化には効果があるものの、材質としての引っ張り強さが低く外力に弱く変形しやすいために、羽根部材の薄肉化には限界があるとともに、軽量化も十分な効果が得られなかった。また、羽根部材に高抗張力の薄板鋼板を用いた場合は、羽根の薄肉化により十分な送風性能を得られるが、薄板鋼板は比重が大きいため軽量化の点では十分な効果が得られない。
上記の対策として特許文献1では、アルミニウム合金材のAH5182−H19を用いて薄肉化した羽根部材による羽根車が提案されている。また同文献には、羽根部材にガラス繊維入りプラスチック材を用いた場合は、羽根の成形加工能力の問題から薄肉化には限界があり、また、耐熱性においても十分な能力が得られないなどの開示がなされている。
特開平8−200292号公報
送風機の羽根車を軽量化するとともに騒音特性を低騒音とするために、特許文献1に記載のアルミニウム合金で薄肉化した羽根部材を用いて羽根車を構成しても、羽根部材が金属材料でありダンピング特性に劣るため低騒音を実現できない。
一方羽根部材にガラス繊維で複合化したプラスチック材を用いた場合は、従来は騒音対策としては肉厚を厚くして対応していた。このように肉厚を厚くすると羽根部材の剛性等が高くなりダンピング特性は低下し騒音対策の効果は十分に発揮されない。更に軽量化の実現がなされていなかった。
本発明は、上記の本事情に鑑みてなされたものであり、軽量化および低騒音・低振動を実現した樹脂材料とガラス繊維の複合材料を使用した羽根部材を使用した羽根車を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、第1発明の羽根車は、複数の羽根部材を複数枚の円盤状固定板に円筒状に固定して形成される送風機の羽根車であって、羽根車の羽根部材の材質を合成樹脂材料およびガラス繊維の複合材料とし、羽根車の羽根部材の平均肉厚を0.3〜0.8mmの範囲にて構成し、さらに羽根部材に含まれるガラス繊維を羽根部材の表面の面内に配向させたことを特徴としている。
第2発明の羽根車は、第1発明の羽根車において羽根部材の材質を合成樹脂材料およびガラス繊維の複合材とし、かつガラス繊維の含有率が重量比率で10%から40%となる樹脂複合材料としたことを特徴としている。
第3発明の羽根車は、第1発明または第2発明の羽根車において、羽根部材の材質を合成樹脂材料およびガラス繊維の複合材料とし、当該羽根部材の表面面方向の弾性係数(E’)が2.5×10Pa〜1.2×1010Paであることを特徴としている。
第4発明の羽根車は、第1発明から第3発明の羽根車のいずれかにおいて、羽根部材の材質を合成樹脂材料およびガラス繊維の複合材料とし、かつガラス繊維の含有率が重量比率で10%から40%となる樹脂複合材料とし、羽根車を両端支持状態で雰囲気温度60℃の槽内に1000時間放置させる静止クリープ試験において、羽根車のアンバランス変化量が偏心量換算にて40μm以下であることを特徴としている。
ここでアンバランス変化量とは羽根車の回転中心に対する不均一な出来栄えによって発生する回転振動を積分平均的に考え、本発明では羽根車の軸部側とボス側の両端2ヶ所に回転振動の積分平均値を集約して、発生振動の大きさと羽根車の位相角度で表現した値である。また偏心量換算とはアンバランス変化量を羽根車の重心と回転中心軸との距離で表した偏心量であり、アンバランス変化量は(羽根車の重量×偏心量)で表すことができる。
第5発明の羽根車は、第1発明から第4発明の羽根車のいずれかにおいて、 当該羽根部材の表面面方向の弾性係数が2.5×10Pa〜1.2×1010Paであって、羽根部材の配向比が1.15〜1.4であることを特徴としている。
ここで配向比とは、以下のように定義される。配向比とは、後述する式(1)に示すように、本発明の板厚に成型された羽根部材の表面面方向の弾性係数(E’)と、従来の板厚に成型された羽根部材の表面面方向の弾性係数(E’)との比である。
第6発明の羽根車の製造方法は、羽根部材の材質が合成樹脂材料およびガラス繊維の複合材料である羽根車を製造する方法であって、ガラス繊維の含有率を重量比率で10%から40%として配合した液体状態の複合材料を用意し、前記液体状態の複合材料を成形用金型に注入し、前記成形用金型の羽根車の固まる時の金型温度を20℃〜80℃に温度制御することを特徴としている。
本発明の羽根車は、複数の羽根部材を複数枚の円盤状固定板に円筒状に固定して形成される送風機の羽根車であって、羽根車の羽根部材の材質を合成樹脂材料およびガラス繊維の複合材料とし、羽根車の羽根部材の平均肉厚を0.3〜0.8mmと薄肉化し、さらに羽根部材に含まれるガラス繊維を羽根部材の表面の面内に配向させている。したがって前記複数の羽根部材を複数枚の円盤状固定板に円筒状に固定して形成される送風機の羽根車に構成することにより、羽根車の重量は、従来の樹脂製の羽根車(その羽根部材の平均肉厚が1.2mm以上)に対して半分以下に軽量化される。羽根部材を薄肉化し軽量化しても羽根車としての性能低下を招来することなく、羽根車を駆動するためのパワーを軽減できる。さらに羽根部材の肉厚が従来の半分以下になったことから、材料費のコストも半分以下になっている。また本発明の羽根部材の平均肉厚を0.3mmから0.8mmと薄肉化し、軽量化だけでなく複合材料の中のガラス繊維の配置を適切にしてその羽根部材の強度を更に向上させることができた。
第2発明の羽根車は、合成樹脂材料およびガラス繊維の複合材料とし、かつガラス繊維の含有率が重量比率で10%から40%となる樹脂複合材料としている。羽根車の羽部部材の平均肉厚を0.3mmから0.8mmと薄肉化しても、ガラス繊維を羽根部材の面内に配置することができるので、羽根部材の強度を向上させることができる。
また第3発明の羽根車は、羽根部材の材質を合成樹脂材料およびガラス繊維の複合材料とし、当該羽根部材の表面面方向の弾性係数(E’)が2.5×10Pa〜1.2×1010Paで損失正接が0.009〜0.038の樹脂材料とガラス繊維の複合材料を用いている。したがって本発明の羽根車は、羽根部材を薄肉化することにより、同一の複合材料で厚肉とした場合に較べ高弾性係数であり戻り易い(復元性)特性を有する羽根車とすることができる。
また第4発明の羽根車は、羽根部材の材質を合成樹脂材料およびガラス繊維の複合材料とし、かつガラス繊維の含有率が重量比率で10%から40%となる樹脂複合材料とし、両端支持状態で雰囲気温度60℃の槽内に1000時間放置させる静止クリープ試験において、羽根車のアンバランス変化量が偏心量換算値で40μm以下である。本発明における羽根車のアンバランス変化量が偏心量換算値で40μm以下という数値は、従来の樹脂製の羽根部材を使用した羽根車の同じアンバランス変化量が偏心量換算値の半分である。従ってアンバランス変化量が格段に小さいので、本発明の羽根車を運転した際の回転による振動も少なく、振動騒音も格段に低減することができる。
第5発明の羽根車は、当該羽根部材の表面面方向の弾性係数が2.5×10Pa〜1.2×1010Paであって、羽根部材の配向比(本発明の薄肉化した羽根部材の表面面方向の弾性係数と現状の肉厚の羽根部材の弾性係数との比)を1.15〜1.4としているので、ガラス繊維が羽根部材の面内方向に配列した羽根部材とすることができる。これにより羽根部材の高弾性および復元性を実現することができ、薄肉であるのにも拘わらず高強度および高剛性の羽根部材となっている。したがってこのような羽根部材を使用した羽根車は、高強度であり復元性に優れている。
第6発明の羽根車の製造方法は、合成樹脂とガラス繊維をガラス繊維の含有率を重量比率で10%から40%として配合した液体状態の複合材料を用意し、前記液体状態の複合材料を成形用金型に注入し、前記成形用金型の羽根車の固まる時の金型温度を20℃〜80℃に温度制御する。
このような製造方法により羽根部材を成形しているので羽根部材内部のガラス繊維が面内方向に確実に配列させ、これにより羽根部材の高弾性および復元性を実現することができる。
羽根車の正面図である。 羽根車の構成ユニットの説明図である。 本発明の羽根車と従来品の軸部側アンバランス特性の比較図である。 本発明の羽根車と従来品のボス部側アンバランス特性の比較図である。 本発明の羽根車と従来品の送風効率の比較図である。 本発明の羽根車と従来品の騒音特性の比較図である。 本発明の羽根車に使用される薄肉の羽根部材のモデル品を成形する金型の概略図である。 従来の羽根車に使用される厚肉の羽根部材のモデル品を成形する金型の概略図である。
本発明の実施形態を図により説明する。
図1は送風機用羽根車の正面図である。図2は、羽根車の構成ユニットの説明図である。図3は、本発明の羽根車と従来品の軸部側アンバランス特性の比較図である。図4は、本発明の羽根車と従来品のボス部側アンバランス特性の比較図である。図5は、本発明の羽根車と従来品の送風効率の比較図である。図6は、本発明の羽根車と従来品の騒音特性の比較図である。図7は、本発明の羽根車に使用される薄肉の羽根部材のモデル品を成形する金型の概略図である。図8は、従来の羽根車に使用される厚肉の羽根部材のモデル品を成形する金型の概略図である。
<1>本発明の羽根車の構造
本発明の図1の羽根車1は、複数の図2の羽根車の構成ユニット2、ボス側円盤状固定板5、及び軸部6とボス部7から構成されている。軸部6は、羽根車1の一方側の端部の構成ユニット2の円盤状部材3に取り付けされている。ボス側円盤状固定板5は、羽根車1の他方側の端部の構成ユニットの羽根部材側に取り付けされている。ボス部7は、ボス側円盤状固定板5に設けられている。
<2>羽根部材(構成ユニット2)の構造
羽根車1の構成ユニット2は、円盤状部材3と羽根部材4から構成されている。材質は、AS樹脂とガラス繊維の複合材料、またはABS樹脂とガラス繊維の複合材料、またはPP樹脂とガラス繊維の複合材料である。ここに記載した樹脂は一例であり、通常使われる合成樹脂として成形品に一定の強度をもたらす合成樹脂であれば十分使用することができる。円盤状部材3と羽根部材4は、射出成形、プレス法又は押出法などにより一体で成形されている。各構成ユニット2の接続は、超音波溶着法等の接着法により接合することができる。またボス側円盤状固定板5は、羽根車1のボス側の端部の構成ユニット2の羽根部材4と超音波溶着法等の接着法により接合することができる。
羽根車1の構成ユニット2の羽根部材4は、その肉厚は、成型用の抜き勾配が設けられている。羽根部材4の肉厚は、好ましくは平均肉厚で0.3〜0.8mmであり、さらに好ましくは0.4〜0.6mmである。羽根部材の平均肉厚が0.3mmより薄くなると成形法による成形性が悪化し羽根部材の先端側にて成形不良を発生する虞がある。羽根部材の平均肉厚が0.8mmより厚くなると羽根部材が重くなり薄肉軽量化の効果が発現しない虞があるとともに羽根部材の強度の向上が低下する、すなわちガラス繊維が羽根部材の面内に配向しなくなる虞がある。
<3>羽根部材(構成ユニット2)の材質
羽根車1の構成ユニット2およびボス側円盤状固定板5の材質について説明する。材質としては、AS樹脂とガラス繊維の複合材料、またはABS樹脂とガラス繊維の複合材料、またはPP樹脂とガラス繊維の複合材料を使用することができる。複合材料を使用する場合は、ガラス繊維の含有率が重量比率で全体の10%から40%とすることが好ましく、さらに10%から30%とすることがより好ましい。ガラス繊維の含有率の重量比率で全体の40%を上回ると構成ユニットの羽根部材の成形不良が発生する虞がある。また10%を下回ると羽根部材の強度が低下する虞がある。
また本発明の羽根車の羽根部材には、羽根部材の材質を樹脂材料およびガラス繊維の複合材料とし、その複合材料の弾性係数(E’)が2.5×10Pa〜1.2×1010Paである複合材料を用いることができる。その複合材料の弾性係数(E’)が2.5×10Pa未満であると低弾性係数であり戻り易い(復元性)特性の効果が全く現れない虞があり、1.2×1010Paを超えると構成ユニットの羽根部材の成形不良が発生し製品化出来ない虞がある。
尚上記の弾性係数(E’)は、成形した羽根部材から所定の寸法の試験片を作成し粘弾性測定機(ティー・エイ・インスツルメント社製のRSA3)により測定した。また弾性係数の測定は、昇温速度、7.2℃/分、および測定周波数は1Hzにて行った。また弾性係数は、20℃における測定値とした。
尚本発明の羽根車の羽根部材に使用する樹脂材料とガラス繊維の複合材料の弾性係数(E’)は、図2に示す羽根部材の肉厚を薄くすると高くなり、羽根部材の肉厚を厚くすると低くなる傾向にある。肉厚を0.5mmから2mmに厚くすると弾性係数(E’)は、約半分になる。
またガラス繊維の含有量を増加させると、弾性係数(E’)も増加する傾向にある。ガラス繊維の含有量を重量比で10%から40%に増加させると弾性係数(E’)は、約3倍になる。
<4>実施例1および比較例1
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
本実施例では、ガラス繊維の含有率が重量比率で全体の20%としたAS樹脂の複合材料により、構成ユニットとボス側円盤状固定板を作製した。構成ユニットの羽根部材は、図2に示す形態であり、その平均肉厚は0.4mm、長さは79mmとし、その枚数は35枚とした。また構成ユニットの直径は、羽根部材4の最外部で、106mmとした。このような構成ユニットは、上記材質の素材により射出成形により成形した。さらにこのような構成ユニット8個と、構成ユニット2と同材質のボス側円盤状固定板5とを超音波溶着法により接合し図1の羽根車を作製した。作製した羽根車は、全長635mm、直径106mm、全重量は385grであった。
[比較例1]
本比較例の羽根車は、構成ユニットの羽根部材が三日月形状をしており肉厚を平均で約1.2mmとし、それ以外は、実施例と同様にして図1の羽根車を作製した。得られた羽根車の重量は、733grであった。
実施例1および比較例1にて作製した羽根車について以下を試験し比較した。
[1]熱クリープ性能
実施例および比較例で得られた羽根車について、熱クリープ性能を以下のように評価した。上記の方法により作製された羽根車を恒温槽内に、その軸部6とボス側のボス部7にて水平に支持した。そして恒温槽内の温度を60℃として、1000時間経過した後の偏心量を測定した。
[2]送風効率
実施例および比較例で得られた羽根車について、送風効率を以下のように評価した。上記の方法により作製された羽根車をエアコン室内機に組み込み、エアコン実機を風量測定装置に設置して、送風量と、羽根車の駆動に要する消費電力を測定した。
[3]騒音特性
実施例および比較例で得られた羽根車について、騒音特性を以下のように評価した。上記の方法により作製された羽根車をエアコン室内機に組み込み、エアコン実機を風量測定装置に設置して、送風量と、羽根車の回転数を測定した。さらにエアコン実機を騒音測定室に壁掛け状態に設置し、騒音値と、羽根車の回転数を測定した。同一回転数での送風量と騒音値の関係をグラフ化した。
熱クリープ性能の評価結果を図3および図4に示す。図3は、羽根車の軸部側のアンバランス変化量について実施例と比較例の羽根車について比較した結果である。また図4は、羽根車のボス側のアンバランス変化量について実施例と比較例の羽根車について比較した結果である。
図3および図4から従来の羽根車において構成ユニットの羽根部材の平均肉厚を約1.2mmとした場合のアンバランス変化量は、図3(b)の軸部側で1.59(gr・cm)であり、図4(b)のボス側で2.33(gr・cm)である。一方本発明の羽根車において構成ユニットの羽根部材の平均肉厚を0.4mmとした場合のアンバランス変化量は、図3(b)の軸部側で0.35(gr・cm)であり、図4(b)のボス側で0.48(gr・cm)である。
偏心量換算で、従来の羽根車において、図3(a)の軸部側で44μmであり、図4(a)のボス側で64μmである。一方本発明の羽根車において、図3(a)の軸部側で19μmであり、図4(a)のボス側で24μmである。
以上の結果から本発明の羽根車は、従来の羽根車と比較してアンバランス変化量で19〜23%に、偏心量換算で37〜44%になっていることが分かる。従って本発明の羽根車を長時間運転してもアンバランスによる振動の発生が格段に抑制されることになり、本発明の羽根車を使用した送風機の性能が格段に向上することが分かる。
送風効率(消費電力)の評価結果を図5に示す。図5は、実施例と比較例の羽根車について風量(m/分)と消費電力(W)の関係を比較したものである。図5から風量が12m/分においてその消費電力は、従来の羽根車に対して本発明の羽根車の方が、その消費電力が約5〜6%低減されている。
騒音特性の評価結果を図6に示す。図6は、実施例と比較例の羽根車について風量(m/分)と騒音値(dB(A))の関係を比較したものである。図6から従来の羽根車に対して同等の性能であることが確認できる。
以上実施例と比較例の羽根車についてアンバランス変化量、送風効率、騒音特性を比較した。騒音特性については、両者の特性はほぼ同程度であった。しかしアンバランス変化量や送風効率は、実施例である本発明品の方が向上している。これは、羽根部材の内部に含まれるガラス繊維がほぼ表面の面内に配向しているからだと推定される。ちなみに、全体的に早く硬化する薄型の羽根部材に含まれている強度補強に使われるガラス繊維がほぼその部材の表面に沿って配向され、熱クリープ特性が向上し、アンバランス変化量も減少するからであると考えられる。
上記以外に羽根車の羽根部材の平均肉厚が半分に薄くなっているのでその重量は、半分に軽量化されている。従って羽根車を製造するための素材の重量も半分でよく、素材費が大幅に削減される。
<4>別形態で得られた羽根部材
また本発明では、以下で説明する実施形態で得られた羽根部材を使用することもできる。
すなわち本発明の羽根車の羽根部材は、羽根部材の表面面方向の弾性係数が2.5×10Pa〜1.2×1010Paであって、羽根部材の配向比を1.15〜1.4としたものを使用することができる。
ここで配向比とは、以下のように定義される。配向比とは、以下の式(1)に示すように、本発明の板厚に成型された羽根部材の表面面方向の弾性係数E’(B)と、従来の板厚に成型された羽根部材の表面面方向の弾性係数E’(A)との比である。従来の平均肉厚に成型された羽根部材は、後述する比較例2に相当し、その弾性係数(E’)は、5.3×10Paである。
配向比={E’(B)}/{E’(A)}・・・式(1)
配向比が1.15未満であると軽量化の効果が低く弾性係数が上がらない虞があり、1.4を超えると成形法による成形性が悪化し羽根部材の先端側にて成形不良を発生する虞がある。
また本実施形態において羽根部材を成形する金型の温度は、20℃から80℃が好ましい。20℃から80℃の金型温度範囲では、より早く硬化するのでガラス繊維の配向が羽根部材の表面に沿う配向特性がより良くなる。金型温度が20℃未満では、原料樹脂の固化が早まり、射出率の高い特殊仕様の成形機が必要になり成形コストが高くなるという問題がある。また羽根部材を成形する金型温度が80℃を超えると円盤状部材の冷却に時間がかかるため成形コストが高くなる虞がある。
尚金型温度の制御は、以下の様に行う。金型を冷却する冷却水を金型温度調節機によって20℃から80℃に制御し、加圧して金型内を循環させ熱交換によって金型温度をほぼ一定に制御する。
本実施形態を実施例2〜実施例4及び比較例2により説明する。実施例2〜実施例4及び比較例2では、成形品を成形する際の金型温度は、50℃としている。
[実施例2]
実施例2は、実施例1と同一種類の複合材料の樹脂を使用し配向比を1.15となるように調整した。配向比は、図7(a)に示す金型にて成形した板厚0.8mmの成形品の弾性係数(E’)と、図8に示す金型にて成形した板厚1.2mmの成形品の弾性係数(E’)との比である。成形品を成形する金型温度は50℃としている。このような配向比が1.15になるような実施例1と同一種類の複合材料の樹脂により実施例1と同様の形状の羽根車を製造し熱クリープ性能を測定した。
[実施例3]
実施例3は、実施例1と同一種類の複合材料の樹脂を使用し配向比を1.35となるように調整した。配向比は、図7(b)に示す金型にて成形した板厚0.4mmの成形品の弾性係数(E’)と、図8に示す金型にて成形した板厚1.2mmの成形品の弾性係数(E’)との比である。成形品を成形する金型温度は50℃としている。このような配向比が1.35になるような実施例1と同一種類の複合材料の樹脂により実施例1と同様の形状の羽根車を製造し熱クリープ性能を測定した。
[実施例4]
実施例4は、実施例1と同一種類の複合材料の樹脂を使用し配向比を1.4となるように調整した。配向比は、図7(c)に示す金型にて成形した板厚0.3mmの成形品の弾性係数(E’)と、図8に示す金型にて成形した板厚1.2mmの成形品の弾性係数(E’)との比である。成形品を成形する金型温度は50℃としている。このような配向比が1.4になるような実施例1と同一種類の複合材料の樹脂により実施例1と同様の形状の羽根車を製造し熱クリープ性能を測定した。
[比較例2]
比較例2は、実施例1と同一種類の複合材料の樹脂を使用し配向比を1.0としている。したがって図8に示す板厚1.2mmの成形品であり、弾性係数(E’)は、5.3×10Paである。成形品を成形する金型温度は50℃としている。このような配向比が1.0になるような実施例1と同一種類の複合材料の樹脂により実施例1と同様の形状の羽根車を製造し熱クリープ性能を測定した。
実施例2〜実施例4と比較例2の結果を表1に示す。この表に示すとおり羽根部材の配向比が1.15から1.4の間で羽根車の熱クリープ性能が向上していることが分かる。板厚が薄くなった状態の成形品の表面を観察したところ、部材内部に含まれるガラス繊維がほぼ表面の面内に、すなわち表面の二次元方向に沿って配向していることが確認できた。これにより本発明の板厚を薄く、配向比を大きくした羽根車の熱クリープ性能が向上するものと推測される。
Figure 2011247245
符号の説明
1 羽根車
2 羽根車の構成ユニット
3 円盤状部材
4 羽根部材
5 ボス側円盤状固定板
6 軸部
7 ボス部

Claims (6)

  1. 複数の羽根部材を複数枚の円盤状固定板に円筒状に固定して形成される送風機の羽根車であって、
    羽根車の羽根部材の材質を合成樹脂材料およびガラス繊維の複合材料とし、
    羽根車の羽根部材の平均肉厚を0.3〜0.8mmの範囲にて構成し、
    さらに羽根部材に含まれるガラス繊維を羽根部材の表面の面内に配向させたことを特徴とする羽根車。
  2. 羽根部材の材質を合成樹脂材料およびガラス繊維の複合材料とし、かつガラス繊維の含有率が重量比率で10%から40%となる樹脂複合材料としたことを特徴とする請求項1に記載の羽根車。
  3. 羽根部材の材質を合成樹脂材料およびガラス繊維の複合材料とし、当該羽根部材の表面面方向の弾性係数(E’)が2.5×10Pa〜1.2×1010Paであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の羽根車。
  4. 羽根部材の材質を合成樹脂材料およびガラス繊維の複合材料とし、かつガラス繊維の含有率が重量比率で10%から40%となる樹脂複合材料とし、羽根車を両端支持状態で雰囲気温度60℃の槽内に1000時間放置させる静止クリープ試験において、羽根車のアンバランス変化量が偏心量換算にて40μm以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の羽根車。
  5. 羽根部材の表面面方向の弾性係数(E’)が2.5×10Pa〜1.2×1010Paであって、
    羽根部材の配向比を1.15〜1.4としたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の羽根車。
  6. 羽根部材の材質が合成樹脂材料およびガラス繊維の複合材料である羽根車を製造する方法であって、
    ガラス繊維の含有率を重量比率で10%から40%として配合した液体状態の複合材料を用意し、
    前記液体状態の複合材料を成形用金型に注入し、
    前記成形用金型の羽根車の固まる時の金型温度を20℃〜80℃に温度制御しながら羽根部材を成形する羽根車の製造方法。
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