JP2011246882A - 制振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価かつ簡易な鉛直方向のアクティブ・パッシブ制御により、床構造体を効果的に保護する。
【解決手段】制振装置120は、建築物の床スラブ110と床構造体130に狭装された空気ばね150と、オリフィスとして機能する空気流路154を通じて空気ばねに連結された補助タンク152と、空気ばねの気圧を増減可能なサーボバルブ162と、床スラブと床構造体との相対変位を検出する相対変位検出部156と、検出された相対変位に応じ、サーボバルブを介して空気ばねの気圧を制御する空気圧制御部158とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、地震動を低減して床構造体を効果的に保護する制振装置に関する。
免震装置は、柔軟に変位可能なアイソレータによって、地震時の振動(地震動)を低減し、コンピュータや精密機器を積載した床構造体にその振動を極力伝達させない装置である。免震装置は、鉛直方向に機能するものと水平方向に機能するものがある。鉛直方向の免震装置としては、例えば、空気ばねが用いられ、その空気ばねのばね定数が小さいほど、地面(床スラブ)の振動が床構造体に伝達しないこととなる。
しかし、単にばね定数を小さくして固有周期を延ばすと、その建築物の床構造体上における居住者や作業者等の移動や歩行による荷重変動に応じて、床構造体が揺れてしまうといった問題が生じ得る。特に、大きな振動を伴う大地震に対しても効果的に免震するために、免震装置のばね定数をさらに下げると、ばね要素がより柔らかくなるため、荷重変動に対する床構造体上の揺れが大きくなってしまう。
そこで、地震動が無い、または地震動が小さい間、床スラブと床構造体とに減衰力を与えて、床構造体の減衰を確保することを試みる。減衰力を与える手段としては、例えば、空気ばねに油圧ダンパーを並設したり、空気ばねに並設した補助タンクとの空気流路にオリフィスを設けたりすることが考えられる。後者の手段を用いると、地震動が大きいときは流路抵抗によりその振動が減衰するが、減衰力は空気の流速の二乗に比例するので、地震動が小さく流速が低いときには減衰力が低下する。そうすると、僅かな荷重変動に対して十分な減衰力が得られず、床構造体が揺れ易くなる。
そこで、大きな地震動に対しパッシブにマスを用いて免震し、小さな地震動にはアクティブなマスダンパで減衰力を得る技術が開示されている(例えば、非特許文献1)。また、複数の免震除振装置を設け、地震動の大きさに応じてパッシブ制御とアクティブ制御の比率を切り換える技術も知られている(例えば、特許文献1)。
特開2005−127460号公報
渡壁守正、他6名、「塔状高層建物へ適用したアクティブ・パッシブ切換え型マスダンパの性能検証」日本建築学会技術報告集、第8号、1999年6月号、p.69−72
上述した非特許文献1の技術は、アクティブ制御とパッシブ制御とを切り換え、地震時か平常時かに拘わらず床構造体を保護している。しかし、いずれも水平方向の制振であり、また、パッシブ制御に用いられるマスをアクティブ制御において積極的に摺動するため、複雑かつ高価なマスダンパ(アクチュエータ)を要す。このように、構成が複雑になることで、信頼性の低下や、部品点数、占有体積および製造コストの増大を招いていた。
本発明は、このような課題に鑑み、安価かつ簡易な鉛直方向のアクティブ・パッシブ制御により、床構造体を効果的に保護することが可能な、制振装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の制振装置は、建築物の床スラブと床構造体に狭装された空気ばねと、オリフィスとして機能する空気流路を通じて空気ばねに連結された補助タンクと、空気ばねの気圧を増減可能なサーボバルブと、床スラブと床構造体との相対変位を検出する相対変位検出部と、検出された相対変位に応じ、サーボバルブを介して空気ばねの気圧を制御する空気圧制御部とを備えることを特徴とする。
制振装置は、床スラブまたは床構造体の絶対位置を検出する絶対位置検出部をさらに備え、空気圧制御部は、検出された相対変位と絶対位置に応じて、床構造体の絶対位置が安定するように空気ばねの気圧を制御してもよい。
空気流路に配設され、空気ばねと補助タンクとの気圧差が所定閾値以上になると弁が開いて空気ばねと補助タンクとを連通するリリーフバルブをさらに備えてもよい。
リリーフバルブには、補助タンクの気圧より空気ばねの気圧が所定閾値以上高くなると開く弁と、空気ばねの気圧より補助タンクの気圧が所定閾値以上高くなると開く弁とが並列に設けられてもよい。また、リリーフバルブには、所定閾値が相異なる複数の弁が設けられてもよい。
本発明によれば、安価かつ簡易な鉛直方向のアクティブ・パッシブ制御により、床構造体を効果的に保護することが可能となる。
制振システムの概略的な構成を説明するための説明図である。 相対変位に関するレベル制御を説明するための制御ブロック図である。 絶対位置に関するレベル制御を説明するための制御ブロック図である。 リリーフバルブの動作を説明するための説明図である。 リリーフバルブを双方向に利用する例を示した説明図である。 リリーフバルブの動作を説明するためのタイミングチャートである。 リリーフバルブの構成を示した説明図である。 リリーフバルブの動作を説明するためのタイミングチャートである。 リリーフバルブの減衰効果に対する周波数特性の変化を示した説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(制振システム100)
図1は、制振システム100の概略的な構成を説明するための説明図である。制振システム100は、床スラブ110と、制振装置120と、床構造体130とを含んで構成され、地震動を低減して床構造体130を効果的に保護することが可能である。
床スラブ110は、建築物における構造物基礎の最上部の床構造または上下階間の床構造であり、面に垂直な荷重を支える石やコンクリート等の厚板を示す。本実施形態において、床スラブ110は、地震時に地面と一体的に振動する。制振装置120は、床スラブ110にかかる振動を低減し、床構造体130を極力振動させないように制御する装置である。本実施形態では、振動に対する減衰および免震の両面で空気ばねが用いられる。床構造体130は、建築物屋内における居住者や作業者が移動可能な領域の床部分に相当する。
地震等が生じると、床スラブ110が地面と一体となって振動するが、制振装置120の空気ばねが免震効果を奏し、床スラブ110から床構造体130へ伝達される振動を低減するので、床構造体130上にいる居住者や作業者への地震の影響は少なくなる。しかし、免震能力を高めようとして、制振装置120のばね要素(空気ばね)を単に柔らかくするだけでは、床構造体130上にいる居住者や作業者等の移動や歩行による荷重変動に対しても床構造体130が揺れてしまい、居住者や作業者は違和感を覚えることとなる。また、床構造体130上にコンピュータや精密機器を積載している場合、このような振動の影響を極力回避しなければならない。
そこで、本実施形態では、地震動が無い、または地震動が小さい平常時において、制振装置120をアクティブ制御することで床スラブ110と床構造体130とに減衰力を与えて剛性を高め、人の移動や歩行による荷重変化に応じた床構造体130の揺れを防止すると共に、地震動が大きい地震発生時には、空気ばねを通じてパッシブに床スラブ110から床構造体130へ伝達される振動を低減する。このように、本実施形態の制振装置120は、空気ばねを利用した安価かつ簡易な構成により、アクティブ制御による減衰力とパッシブ制御による免震力とを備え持ち、床構造体130を効果的に保護することが可能となる。以下、このような目的を実現可能な制振装置120の詳細な構成を説明する。
(制振装置120)
制振装置120は、図1に示すように、空気ばね150と、補助タンク152と、空気流路154と、相対変位検出部156と、空気圧制御部158と、空気源160と、サーボバルブ162と、絶対位置検出部164と、リミットスイッチ166とを含んで構成される。
空気ばね150は、ベローズ形やダイヤフラム形の可撓性容器で形成された外装中に所定の圧力の空気(気体)を封入してなる弾性体である。空気ばね150は、建築物の床スラブ110と床構造体130に狭装されている。また、空気ばね150は、内包する空気の体積を変化させることで任意にばね定数を設定することができ、極めて柔らかい弾性を実現することが可能である。したがって、金属ばねでは吸収しきれない微震を低減することもでき、地震動によっては共振し難いといった特性も有している。ここでは、空気を用いた空気ばね150を採用しているが、空気に限らず、液体等、その用途に応じた流体を封入した流体ばね等も用いることもできる。また、ここでは、説明の便宜上、空気ばね150内の気体を空気と表現しているが、その成分を限定するものではなく、様々な気体を適用することができる。
免震効果を奏する弾性体として仮に金属ばねを用いた場合、コンピュータ等のダウンサイジングによって床構造体130上の積載物の重量が変わり床構造体130の固有振動数が高くなると(固有周期が短期化すると)、それに合わせて金属ばね自体を、ばね定数が大きい新たな金属ばねに交換しなければならなくなる。また、このような金属ばねの硬化により免震能力が低下してしまうといった問題も生じることとなる。本実施形態で用いられる空気ばね150では、積載荷重が変化しても固有振動数がほとんど変化しないので、メンテナンスや免震能力の維持において有利である。
また、空気ばね150は可撓性容器で形成された弾性体なので、鉛直方向のみならず、水平方向の免震能力も備えているが、実用性の面から、水平方向の免震には、別途、積層ゴム等を用いるのが一般的である。ただし、本実施形態においては、説明の便宜上、鉛直方向の免震を担う空気ばね150の作用のみに着目し、水平方向の免震については記載を省略する。
補助タンク(補助空気室)152は、空気ばね150の例えば3倍の内容積で形成された耐圧容器で構成され、空気流路154を通じて空気ばね150に連結されている。
空気流路154は、オリフィスとして機能し、自体を流通する流路抵抗(空気の摩擦)により、床スラブ110と床構造体130との相対的な振動を減衰させる減衰力を与える。このように、空気流路154は、地震動が大きいときは、流路抵抗によりその振動が減衰するように効果を奏するが、減衰力は空気の流速の二乗に比例するので、地震動が小さく流速が低いときには減衰力が低下する。そうすると、僅かな荷重変動に対して十分な減衰力が得られず、床構造体130が揺れ易くなる。
そこで、本実施形態では、図1に示した、相対変位検出部156、空気圧制御部158、空気源160、サーボバルブ162を用いて、以下のように床構造体130をアクティブにレベル制御し、床構造体130に減衰力を与えると共に、床スラブ110に対する床構造体130の相対変位、または床構造体130の絶対位置を安定化する。
相対変位検出部156は、床スラブ110に立設され床構造体130に対するレーザ反射時間を検出するレーザ変位計、床スラブ110と床構造体130とにそれぞれに設置された速度計または加速度計等で構成され、床スラブ110と床構造体130との相対変位(鉛直方向の相対距離)を検出する。ここで、速度計や加速度計を用いる場合、相対変位検出部156は、床スラブ110および床構造体130からそれぞれの速度や加速度を個別に取得し、1回または2回積分することで互いの変位を求め、その差分により相対変位を導出する。
空気圧制御部158は、相対変位検出部156で検出された相対変位に応じ、後述するサーボバルブ162を介して空気ばね150の気圧を制御する。
空気源160は、コンプレッサで構成され、空気ばね150および補助タンク152に空気を供給することで、大気圧より高い気圧を任意に加えることができる。
サーボバルブ162は、空気圧制御部158からの制御指令に応じて空気源160の気圧を制御し、空気ばね150および補助タンク152の気圧を増減する。また、初期設定時には、空気ばね150および補助タンク152の両者の気圧が予め設定された所定の気圧になるように空気源160から空気を供給させる。
図2は、相対変位に関するレベル制御を説明するための制御ブロック図である。ここでは、空気ばね150内の気圧を制御することで空気ばね150をアクチュエータとして利用し、床構造体130の床スラブ110に対する相対変位を安定させるレベル制御が実行される。ここでは、絶対位置検出部164は用いない。
図2に示した制御系では、アウターループである相対変位制御系において、相対変位検出部156が検出した相対変位が大きくなると、すなわち床スラブ110に対して床構造体130が上昇すると、サーボバルブ162は、空気ばね150の気圧を下げて空気ばね150を圧縮し、床構造体130を降下させる。また、相対変位検出部156が検出した相対変位が小さくなると、すなわち床スラブ110に対して床構造体130が降下すると、サーボバルブ162は、空気ばね150の気圧を上げて空気ばね150を膨張させ、床構造体130を上昇させる。
また、インナーループである気圧制御系において、サーボバルブ162は、空気圧制御部158の指令値と、空気ばね150の気圧を測定する図示しない気圧計の測定結果との差分値を、空気ばね150の気圧の指令値としている。
このように、地震が生じていないときや地震の規模が極めて小さいときには、図2に示した閉ループにより床構造体130をアクティブ制御することで、空気流路154のみでは十分ではなかった減衰力を補うことができ、さらに剛性が高められることで、人の移動による荷重変化によっては床構造体130を振動させないようにすることができる。
ここでは、床スラブ110と床構造体130との相対変位を制御することで減衰力を得ているが、このような相対変位制御を厳格に実行すると、振動の絶対量は小さいものの、床スラブ110の振動がそのまま床構造体130に伝達してしまう。そこで、本実施形態では、さらに絶対位置検出部164を用いることで、床構造体130の鉛直方向の絶対位置を制御しつつ減衰力を得ることができる。
絶対位置検出部164は、床スラブ110または床構造体130のいずれかに設置された速度計または加速時計等で構成され、速度や加速度を1回または2回積分することで床スラブ110または床構造体130の鉛直方向の絶対位置を検出する。ここで、床スラブ110および床構造体130のいずれにも速度計または加速度計を設けた場合、その2つの変位差をもって上述した相対変位検出部156として機能させることもできる。ここでは、床スラブ110の絶対位置を検出して床構造体130を空間安定させる例を挙げるが、床構造体130の絶対位置を検出して、そのまま床構造体130を空間安定させることもできる。また、鉛直方向の絶対位置を、GPS(Global Positioning System)を用いて導出したり、上記速度計や加速時計のオフセットを排除するための参照値としてGPSの出力を利用したりすることも可能である。
そして、空気圧制御部158は、相対変位検出部156で検出された相対変位と絶対位置検出部164で検出された絶対位置に応じて、床構造体130の絶対位置が安定するように空気ばね150の気圧を制御する。
図3は、絶対位置に関するレベル制御を説明するための制御ブロック図である。ここでは、空気ばね150内の気圧を制御することで空気ばね150をアクチュエータとして利用し、床構造体130の絶対位置を安定させるレベル制御が実行される。
図3(a)に示した制御系では、図2で示したアウターループに対し、さらに床スラブ110の加速度および床スラブ110と床構造体130との相対変位のフィードバック値を通じて、床スラブ110と床構造体130との相対変位の指令値を生成する制御則が追加されている。かかる絶対位置制御系において、床スラブ110の絶対位置が上昇すると、サーボバルブ162は、空気ばね150の気圧を下げて空気ばね150を圧縮し、床構造体130を降下させる。また、床スラブ110の絶対位置が下降すると、サーボバルブ162は、空気ばね150の気圧を上げて空気ばね150を膨張させ、床構造体130を上昇させる。このように床スラブ110が上昇または下降した分と同変位分、床構造体130を床スラブ110に対して下降または上昇させることで、床スラブ110の変動分が相殺され、床構造体130の絶対位置が安定する。
また、図3(a)における制御則は、図3(b)の如く、絶対位置検出部164によって検出された床スラブ110の加速度と、相対変位検出部156によって検出された相対変位それぞれに定数(ゲイン)を乗じて、免震特性と減衰特性を与えている。また、床スラブ110の加速度を積分した速度および変位ならびに相対変位を微分した相対速度を制御則の出力に加算することで、フィードフォワード系を組み合わせることも可能となる。
さらに、制御則として、床スラブ110や床構造体130の加速度を単に積分した速度や変位を用いることもできる。この場合、加速度や速度のオフセットまでも積分されてしまう事態を回避するため、床スラブ110や床構造体130の加速度に高域通過フィルタ(HPF:High Pass Filter)を施すのが望ましい。また、床スラブ110と床構造体130の相対変位を用いて制御則を補償器で形成することも可能である。
かかる絶対位置に関するレベル制御においても、相対変位に関するレベル制御同様、地震が生じていないときや地震の規模が極めて小さいときに、図3(a)に示した閉ループにより床構造体130をアクティブ制御することで、空気流路154のみでは十分ではなかった減衰力を補うことができ、さらに剛性が高められることで、人の移動による荷重変化によっては床構造体130を振動させないようにすることができる。
また、相対変位に関するレベル制御と異なり、床構造体130の絶対位置を空間安定させているので、コンピュータや精密機器を積載している床構造体130の剛性を維持しつつ、地震動が無い、または地震動が小さい場合においても、免震時同様、床スラブ110から床構造体130へ伝達される振動を低減し、あたかも地震が起きていないかのように、地震動の床構造体130への影響をさらに積極的に低減することが可能となる。
また、上述したレベル制御によって高い減衰効果を得ることができるので、床スラブ110と床構造体130との相対的な振動を減衰させるために、別途、油圧ダンパー等を付設する必要もなくなり、コスト面でも有利になる。
ここでは、図3(a)の制御系および図3(b)の制御則によって床構造体130を空間安定させる構成を説明したが、制御系の構成はかかる場合に限られず、床構造体130を空間安定させる様々な制御系の構成を適用することができる。
リミットスイッチ166は、床スラブ110と床構造体130との相対変位が所定値以上であるか否かによって、地震の有無を判定する。本実施形態では、かかるリミットスイッチ166の地震判定を通じて、平常時には床スラブ110と床構造体130とにアクティブな減衰力を与え、地震時にはパッシブな免震力を与える。
例えば、平常時には、相対変位または絶対位置に関するレベル制御によって床構造体130の剛性が維持され、リミットスイッチ166が地震動を検知することはない。ここで、大きな地震動が床スラブ110に加わると、相対変位または絶対位置に関するレベル制御によってもその変動に追従できなくなり、床スラブ110と床構造体130との相対変位が所定値以上変動し、リミットスイッチ166が、地震動が生じていることを検知する。空気圧制御部158は、リミットスイッチ166からの指令を受けて、アクティブなレベル制御を切り、当該制振装置120を空気ばね150によるパッシブな免震制御に切り換える。
また、空気圧制御部158では、相対変位検出部156から相対変位を得ているので、上記リミットスイッチ166の代わりに電気的に取得した相対変位と所定値とを比較し、相対変位が所定値以上であるか否かによって地震の有無を判定してもよい。さらに、空気圧制御部158は、相対変位が生じない状態が所定時間継続すると、すなわち、床構造体130上に人が存在しないと判定すると、アクティブ制御を切って、無駄な電力の消費を回避することもできる。
ここでは、床スラブ110に大きな地震動が加わると、空気圧制御部158が自動的にレベル制御を切る構成を説明したが、絶対位置に関するレベル制御については、パッシブな免震制御の妨げにはならないので、空気ばね150によるアクチュエータの負荷が許容する限り、レベル制御を切ることなく継続して用いることも可能である。
こうして、安価かつ簡易な鉛直方向のアクティブ・パッシブ制御切り換えが可能となり、微小振動から大地震までの幅広い振動を低減して、床構造体130を効果的に保護することができる。
(リリーフバルブ168)
上述した制振装置120では、地震が生じていないときや地震の規模が極めて小さいときには、アクティブ制御により、床構造体130の剛性を得ることが可能となる。しかし、アクティブ制御のみに依存すると、平常時にアクティブ制御に費やすエネルギーが多くなり、維持コストの増大を招くおそれがある。そこで、地震の規模が小さい場合、空気ばね150のばね定数を切り換えるパッシブな機構をさらに加えてアクティブ制御のエネルギー消費を抑制する。
例えば、制振装置120の空気ばね150が、内包する空気の体積を変化させることで任意にばね定数を変更できることを利用し、平常時においては、空気ばね150の内容積を小さくしてばね定数を大きくし、上述したアクティブ制御に加えて、床構造体130と床スラブ110との剛性を高め、人の移動や歩行による荷重変化に応じた床構造体130の揺れを防止し、地震発生時には、空気ばね150の内容積を大きくしてばね定数を小さくし、床スラブ110から床構造体130へ伝達される振動を低減する。ここでは、空気ばね150の内容積の切換にリリーフバルブ168を用いる。
図4は、リリーフバルブ168の動作を説明するための説明図である。リリーフバルブ168は、空気流路154に配設され、地震によって空気ばね150内の気圧が大きく変動し、空気ばね150と補助タンク152との気圧差が所定閾値以上になると自体の弁が自動的に開いて、空気ばね150と補助タンク152とを連通する。そして、空気ばね150と補助タンク152との気圧差が再び所定閾値未満となると、リリーフバルブ168の弁は閉じられる。
リリーフバルブ168は、空気ばね150と補助タンク152とを連通させて空気ばね150の見かけ上の体積を増やし、空気ばね150のばね定数を小さく切り換える役目を担う。例えば、空気ばね150がベローズ形である場合において、空気ばね150の横断面積の変化率を無視すると、空気ばね150のばね定数は、大凡、内容積の逆数に比例し、固有振動数は、そのばね定数の2乗根に比例する。したがって、補助タンク152の内容積を空気ばね150の3倍とし、空気ばね150と補助タンク152とを連通した場合、空気ばね150のばね定数は、連通していないときの1/(1+3)=1/4倍になり、固有振動数は1/√4=1/2倍となるので、補助タンク152を連通していないときの固有振動数が1Hzであれば、連通すると0.5Hzとなる。
平常時には、床構造体130上において人が移動や歩行することで荷重変化が生じるものの、アクティブ制御も働いており、その圧力変動が小さいので、図4(a)のように、リリーフバルブ168の弁が開くことはない。したがって、当該制振装置120の固有周期(空気ばね150のばね定数)を決定づける空気ばね150の内容積は、図4(a)においてハッチングで示すように、概ね、空気ばね150内に封入されている空気のみに限定されるため、床構造体130と床スラブ110との剛性は比較的高く維持される。こうして、人の移動や歩行による荷重変化に基づく床構造体130の揺れをさらに強固に防止することが可能となる。
ただし、平常時において、空気ばね150と補助タンク152との間の空気の連通を完全に制限する必要はなく、両者の間に微小な孔(オリフィス)を設けてもよい。こうして、時定数は長いものの、長期の視点では、図1の場合同様、空気ばね150と補助タンク152との気圧を等しく保つことができる。
一方、所定の大きさ以上の振動を伴う地震(大地震)が生じた場合、床スラブ110から空気ばね150に伝達する圧力変動が大きくなり、床スラブ110からの圧力によって空気ばね150内の気圧が急上昇または急降下する。すると、その気圧変動に応じて、アクティブ制御が切れると共に、空気ばね150と補助タンク152との気圧差が所定閾値以上になり、図4(b)のようにリリーフバルブ168が開いて空気ばね150と補助タンク152とが連通する。
この場合、制振装置120の固有周期(空気ばね150のばね定数)を決定づける空気ばね150の見かけの内容積は、図4(b)においてハッチングで示すように、補助タンク152を含めた容積となり、固有周期を長期化して床スラブ110から床構造体130へ伝達される振動を低減、換言すれば免震性能を向上することが可能となる。ここでは、上述したリミットスイッチ166の信号を用いることなく、リリーフバルブ168により、空気ばね150内の気圧そのものを利用して床スラブ110に加わる振動の大きさを検知している。
ところで、地震が生じると床スラブ110が振動し、床スラブ110と床構造体130との鉛直方向の相対変位は増減する。すなわち、空気ばね150には床スラブ110から圧縮力と引張力との両方がかかるので、リリーフバルブ168は、空気ばね150における所定閾値以上の正の値のみならず、絶対値が所定閾値以上となる負の値でも弁を開くべきである。そこで、本実施形態では、正負いずれの気圧にも対応可能なリリーフバルブ168を用いることとする。
図5は、リリーフバルブ168を双方向に利用する例を示した説明図である。リリーフバルブ168には、補助タンク152の気圧より空気ばね150の気圧が所定閾値以上高くなると開く弁と、空気ばね150の気圧より補助タンク152の気圧が所定閾値以上高くなると開く弁とが並列に設けられている。このように機能の異なる弁は、1のリリーフバルブ168内に並列に設けられてもよいし、複数のリリーフバルブ168それぞれに設けられ、そのリリーフバルブ168が並列に連結されるとしてもよい。ここでは機能の異なる弁をそれぞれ有する2つのリリーフバルブ168a、168bを用いて、その動作を説明する。
平常時においては、空気ばね150と補助タンク152との気圧が等しく設定されており、図5(a)の如く、リリーフバルブ168a、168bのぞれぞれの弁はいずれも閉じた状態となっている。したがって、空気ばね150のばね定数は空気ばね150内に封入されている空気のみによって決まる。
ここで、地震により、床スラブ110が上昇すると、アクティブ制御が切られ、図5(b)の如く、空気ばね150が圧縮し、補助タンク152の気圧より空気ばね150の気圧が所定閾値以上高くなって一方のリリーフバルブ168aが開き、空気ばね150から補助タンク152に向かって空気が排出される。また、床スラブ110が下降し同様にアクティブ制御が切られると、図5(c)の如く、補助タンク152の気圧より空気ばね150の気圧が所定閾値以上低くなって他方のリリーフバルブ168bが開き、補助タンク152から空気ばね150に向かって空気が排出される。このようなリリーフバルブ168a、168bの動作をさらに詳細に説明する。
図6は、リリーフバルブ168a、168bの動作を説明するためのタイミングチャートである。図6において横軸は時間を示し、各タイミングチャートの縦軸は変位および気圧を示している。図6に示された、床スラブ110の鉛直方向の位置172、床構造体130の鉛直方向の位置174、空気ばね150内の気圧176、補助タンク152内の気圧178、リリーフバルブ168aの開閉状態180、リリーフバルブ168bの開閉状態182は、同時間軸で推移している。
平常時において、床スラブ110の鉛直方向の位置172はほぼ変動しないが、床構造体130の鉛直方向の位置174は人の移動による荷重変化に応じて多少変動する。しかし、その変動による空気ばね150内の気圧176の変動量は所定閾値以下となるので、リリーフバルブ168a、168bの弁の開閉状態180、182は閉状態から開状態に移行することはない。したがって、空気ばね150のばね定数は比較的大きな値に維持され、床構造体130の揺れを防止することが可能となる。
このとき、地震により床スラブ110が鉛直方向に振動してアクティブ制御が切られ、任意の時点tにおいて、空気ばね150内の気圧176が補助タンク152内の気圧178より、図6中矢印で示すように、所定閾値以上高くなると、リリーフバルブ168aの開閉状態180が閉状態から開状態に移行する。
リリーフバルブ168aが開状態になると、空気ばね150から補助タンク152に空気が排出され、補助タンク152の気圧178は、空気ばね150の気圧176との差を所定閾値に保ちながらその推移に追従し、空気ばね150内の気圧176が極値を折り返し補助タンク152との気圧差が所定閾値未満となった時点tで、リリーフバルブ168aの弁の開閉状態180が閉状態となり、補助タンク152では、そのときの気圧178が維持される。
続いて、空気ばね150の気圧176が低下すると、時点tにおいて、空気ばね150と補助タンク152との気圧差が再び所定閾値以上となり、今度はリリーフバルブ168bの開閉状態182が閉状態から開状態に移行する。リリーフバルブ168bが開状態になると、補助タンク152から空気ばね150に空気が排出され、ここでも補助タンク152の気圧は、空気ばね150の気圧176との差を所定閾値に保ちながらその推移に追従する。そして、空気ばね150内の気圧176が極値を折り返し補助タンク152との気圧差が所定閾値未満となった時点tでリリーフバルブ168bの弁の開閉状態182が閉状態となり、補助タンク152では、そのときの気圧178が維持される。
こうして、床スラブ110の振動が空気ばね150に鉛直上下のいずれの方向に加わったとしても、リリーフバルブ168a、168bの弁がそれぞれ開くので、制振装置120は、空気ばね150のばね定数を下げ、固有周期を延ばすことが可能となる。
その後、床スラブ110への振動がなくなりアクティブ制御が復活すると、そのタイミングによっては空気ばね150と補助タンク152との気圧が異なる場合がある。しかし、上述した微少な穴や上述したレベル制御によって、補助タンク152の気圧178も長い時定数を伴って空気ばね150の気圧176と等しくなる。
このように、本実施形態の制振装置120では、高価なセンサや電磁弁を用いることなく、空気ばね150自体の気圧を利用した単純な構成で免震能力を切り換えることができるので、信頼性の向上、ならびに、部品点数、占有体積および製造コストの削減を図ることが可能となる。
上述した制振装置120によって、空気ばね150の気圧を利用した単純な構成のみで、免震能力を維持することができる。しかし、リリーフバルブ168を1の閾値のみで開くとすると、地震時に空気ばね150のばね要素が急峻に柔らかくなり、免震能力が一度に高まると共に床構造体130を支持する制振装置120の剛性も一度に低下してしまい、床構造体130が急激に降下することとなる。そこで本実施形態のリリーフバルブ168を相異なる複数の所定閾値で段階的に開口するように設定する。
図7は、リリーフバルブ168の他の構成例を示した説明図である。所定閾値が相異なる複数の弁は1のリリーフバルブ168内に並列に設けられてもよいし、複数のリリーフバルブ168それぞれに設けられ、そのリリーフバルブ168が並列に連結されるとしてもよい。ここでは、所定閾値Pc、Pd、Peである3つのリリーフバルブ168c、168d、168eを設けている。かかるリリーフバルブ168c、168d、168eの各所定閾値は、Pc<Pd<Peの関係を満たすとする。ここでは、3つのリリーフバルブ168c、168d、168eがすべて開口したときに、当該空気ばね150と補助タンク152との最適な口径となるように設定されている。
また、理解を容易にするため、ここでは、補助タンク152の気圧より空気ばね150の気圧が高くなると開く弁についてのみ説明し、空気ばね150の気圧より補助タンク152の気圧が高くなると開く弁については記載が重複するので説明を省略する。
図8は、リリーフバルブ168c、168d、168eの動作を説明するためのタイミングチャートである。図8において横軸は時間を示し、各タイミングチャートの縦軸は変位および気圧を示している。図8に示された、床スラブ110の鉛直方向の位置172、床構造体130の鉛直方向の位置174、空気ばね150内の気圧176、補助タンク152内の気圧178、リリーフバルブ168cの開閉状態184、リリーフバルブ168dの開閉状態186、リリーフバルブ168eの開閉状態188は、同時間軸で推移している。
平常時には、図6同様、床スラブ110の鉛直方向の位置172はほぼ変動しないが、床構造体130の鉛直方向の位置174は人の移動による荷重変化に応じて多少変動する。しかし、その変動による空気ばね150内の気圧176の変動量は、アクティブ制御も働いていることから、リリーフバルブ168cの所定閾値Pc以下となるので(所定閾値Pcは人の移動等では到達しない程度十分に高く設定されている。)、リリーフバルブ168c、168d、168eの弁の開閉状態184、186、188は閉状態から開状態に移行することはない。
このとき、地震により床スラブ110が鉛直上方向に振動して、アクティブ制御が切られ、任意の時点tにおいて、空気ばね150内の気圧176が補助タンク152内の気圧178より所定閾値Pc以上高くなると、リリーフバルブ168cの開閉状態184のみが閉状態から開状態に移行する。この時点では、開口しているのがリリーフバルブ168cのみであり、開口面積が小さいので、リリーフバルブ168cを含む空気流路154の流路抵抗が大きくなり、強い減衰効果が得られる。したがって、内容積は空気ばね150と補助タンク152との和となっているものの、空気ばね150のばね定数は急激に小さくならず、床構造体130の降下の速度も抑制される。
引き続き、床スラブ110の振動が大きくなると、空気ばね150の圧力が増し、時点t、tにおいて気圧差がそれぞれ所定閾値Pd、Pe以上となり、図8のリリーフバルブ168dの開閉状態186およびリリーフバルブ168eの開閉状態188に示されるように、リリーフバルブ168d、168eが順次開かれる。そうすると、開口面積が次第に大きくなるので、空気流路154の流路抵抗も小さくなり、減衰力の低下と共に免震力が高まる。
このようにリリーフバルブ168において、複数段の所定閾値を設定し、空気ばね150にかかる圧力の大きさに応じて弁を順次開く構成とすることで減衰力が段階的に下がり、免震力が段階的に上がることとなる。したがって、床構造体130の降下も緩やかになる。ここではリリーフバルブ168を例えば3段階設けているが、その数は3に限らず、2段階や4段階以上であってもよい。また、空気ばね150にかかる圧力の大きさに応じて、弁の開度を連続的に変化させるとしてもよい。
また、図8に示したような大きな地震ではなく、空気ばね150の気圧が、所定閾値Peを越えない、例えば、所定閾値Pc以上かつ所定閾値Pd未満の値までしか上昇しなかった場合、リリーフバルブ168cの弁のみが開くこととなるので、ある程度の減衰効果も期待できる。したがって、圧力の急激な変化のみならず、地震の大きさに応じて床構造体130が降下する変位そのものを抑制することも可能となる。
以下、リリーフバルブ168による減衰効果の変化と固有振動数との関係を具体的に説明する。図9は、リリーフバルブ168の減衰効果に対する周波数特性の変化を示した説明図である。図9において横軸は周波数を示し縦軸は応答率(出力振幅/入力振幅)を示す。また、図9中の各曲線は減衰効果を0から∞に変化させた場合の周波数特性を示している。
図9を参照して理解できるように、リリーフバルブ168の開口面積が小さい場合、例えば、減衰効果が∞の場合、固有振動数が比較的高くなる。続いて減衰効果を低減すると、固有振動数で共振したときの応答率が低下すると共に固有振動数自体が低くなり、減衰効果が0.5の場合において応答率が最小となる。さらに減衰効果を低減すると、固有振動数の低下と共に、また、応答率も増加しはじめる。
図9における減衰効果は、複数段のリリーフバルブ168の開閉状態に対応する。したがって、空気ばね150内の気圧がまだ低く、複数段のリリーフバルブ168のいずれの弁も閉じている状態は減衰効果∞に相当し、リリーフバルブ168が順次開口していくと、減衰効果が下がり、固有振動数が低くなる。こうして、リリーフバルブ168の弁を順次開口することで、固有振動数を下げ、固有周期を段階的に長期化できることが理解される。
以上、説明した制振装置120によって、安価かつ簡易な鉛直方向のアクティブ・パッシブ制御により、床構造体130を効果的に保護することが可能となる。また、床構造体130の絶対位置を安定させるアクティブ制御によって、地震動の床構造体130への影響をさらに積極的に低減することが可能となる。
また、リリーフバルブ168を用いると、空気ばね150の気圧を利用した単純な構成で免震能力を切り換えることができるので、信頼性の向上、ならびに、部品点数、占有体積および製造コストの削減を図ることが可能となる。さらに、リリーフバルブ168を多段式にすることで、床構造体130の鉛直方向の急激な低下を抑制できる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、地震動を低減して床構造体を効果的に保護する制振装置に利用することができる。
110 …床スラブ
120 …制振装置
130 …床構造体
150 …空気ばね
152 …補助タンク
154 …空気流路
156 …相対変位検出部
158 …空気圧制御部
160 …空気源
162 …サーボバルブ
164 …絶対位置検出部
168 …リリーフバルブ

Claims (5)

  1. 建築物の床スラブと床構造体に狭装された空気ばねと、
    オリフィスとして機能する空気流路を通じて前記空気ばねに連結された補助タンクと、
    前記空気ばねの気圧を増減可能なサーボバルブと、
    前記床スラブと前記床構造体との相対変位を検出する相対変位検出部と、
    検出された前記相対変位に応じ、前記サーボバルブを介して前記空気ばねの気圧を制御する空気圧制御部と、
    を備えることを特徴とする制振装置。
  2. 前記床スラブまたは前記床構造体の絶対位置を検出する絶対位置検出部をさらに備え、
    前記空気圧制御部は、検出された前記相対変位と前記絶対位置に応じて、前記床構造体の絶対位置が安定するように前記空気ばねの気圧を制御することを特徴とする請求項1に記載の制振装置。
  3. 前記空気流路に配設され、前記空気ばねと前記補助タンクとの気圧差が所定閾値以上になると弁が開いて前記空気ばねと前記補助タンクとを連通するリリーフバルブをさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の制振装置。
  4. 前記リリーフバルブには、前記補助タンクの気圧より前記空気ばねの気圧が所定閾値以上高くなると開く弁と、前記空気ばねの気圧より前記補助タンクの気圧が所定閾値以上高くなると開く弁とが並列に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の制振装置。
  5. 前記リリーフバルブには、所定閾値が相異なる複数の弁が設けられていることを特徴とする請求項3または4に記載の制振装置。
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