JP3975283B2 - 双方向制振ダンパと除振マウント - Google Patents

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Description

本発明は、上下方向の振れに対し抵抗を付与して制振する双方向制振ダンパおよび双方向性除振ダンパに荷重支持エレメントを組み合わせた除振マウントに関する。本発明にいう荷重支持エレメントとは、コイルばねあるいは空気ばねである。
荷重支持エレメントとしての空気ばねは、機器類の振動を高度に制振する装置のほか、機器類のレベル調整具として従来より各種分野の機器類の支持構造に用いられている。
空気ばねには、ベローズ型(蛇腹式)と、ダイアフラム型とがあり、座屈に対しては、後者の方が安定しているが、機器類の支持構造には主としてベローズ型の空気ばねが用いられる。空気ばねは、メカニカルバルブを用いて内部の空気圧の制御が行なわれ、機器類のレベル調整具として空気ばねを使用するときには、メカニカルバルブによる空気圧の調整によって、レベル(床面からの高さ)を一定に制御される。
荷重や衝撃の変動に関わらず、機器類を搭載したテーブルのレベルを一定に保つことは、特に加工機械、測定機器類において重要である。空気ばねは、テーブルの4本の脚に支持構造として組みつけられる。このようなテーブルの4本の脚に偏荷重が加わり、それぞれの脚の空気ばねの沈み量に違いが生ずると、テーブルが動揺し、あるいは傾き、この結果、加工誤差の原因になり、あるいは測定誤差の発生原因になる。
レベル調整具として空気ばねを使用する場合に、メカニカルバルブは、テーブルのレベル変動を補償するために用いられるものである。すなわち、テーブルに偏荷重が作用して少なくとも1本の脚の空気ばねが圧縮されて沈み、そのレベルが規定のレベルより下がると、メカニカルバルブに備えたスイッチが働き、配管を通して高圧空気がベローズ内に注入されて、ベローズを膨張させてレベルを回復させる。
逆に、テーブルのレベルが規定以上のレベルに上がれば、メカニカルバルブは、ベローズ内の空気を放出してレベルを規定のレベルまで下げ、テーブルは常にそのレベルを一定に自動調整される。
また、空気ばねには、規定レべルに保持されているテーブルが衝撃や荷重変動を受けてそのレベルが変動した場合に、そのレベルの変動分を速やかに規定レべルにまで収束させるため、減衰機構を設けることが必要となる。従来、空気ばねには、その減衰機構として、補助タンクを付設し、ベローズの空気室と、補助タンクとの間にオリフィスを入れることで、空気の粘性抵抗による減衰を空気ばねに付与する機構が用いられていた。
空気ばねに減衰を付与することで、固有振動数における共振ピークを低く抑えることが可能となり、テーブルの揺れを速やかに収束することができ、外乱による支持荷重の変化を速やかに吸収し、変動レベルを収束して規定レベルに保持できる。また、減衰機構は、上記構造に限らず、オイルダンパを付加することによっても同様の効果を得る事ができる。
しかしながら、空気ばねに減衰を付与するために、補助タンクや、オイルダンパを付設することは、ベローズとは別に補助タンクやオイルダンパの設置スペースや、その制御機構が必要であり、このため、空気ばねが大型化し、また、流体の制御系に厄介な調整が必要となるという問題がある。
このような問題を解決するため、発明者は、先に補助タンクや、オイルダンパを付設することなく、減衰を付与した空気ばね(本願発明に言う除振マウントの先行例のひとつ)を提案した。
この空気ばねにおいては、粘弾性体を有する空気ばねであって、空気ばねの空気室は、ベローズによって形成され、粘弾性体は、柱状をなし、ベローズの上下に取付けられた上段プレートと下段プレート間に設置され、ベローズに加えられる水平・鉛直両方向の微振動・振幅を減衰させるものである。
図6に上記空気ばねの構造を示す。図6において、空気ばね31には、ベローズ型(蛇腹式)の空気ばねを用い、ベローズ32内の空気室R内に粘弾性体33を有している。粘弾性体33は、応力の大きさのみならず、その増加速度もひずみの増加速度に大きな影響を与える性質を備えた固形物である(科学大辞典 昭和60年 丸善株式会社発行 P1059参照)。この性質を備えた物質には例えばエポキシ樹脂がある。
この例においては、荷重支持エレメントとして空気ばねのほかにコイルばね34を用い、粘弾性体33とコイルばね34との組合せを除振マウント35として用い、粘弾性体33を中心に、その周囲にコイルばね34を配置して内外同心状に組合わせた例を示している。
ベローズ32は、上下段のプレート36,37間に設置され、空気室Rは、その内部に形成されたものである。空気ばね31はテーブル38の4本の支持構造であり、空気ばね31の下段プレート37が床上に設置され、上段プレート36上には、直接あるいは脚台(図示略)を介してテーブル38が載せられ、テーブル38上には、機器類41が搭載される。したがって、テーブル38を含めて機器類41の重量が各空気ばね31に加わり、コイルばね34はその重量を受けて圧縮され、テーブル38の高さは規定のレベルLに保たれる。図6中、19は水平方向のエネルギーを吸収させる揺動ダンパである。揺動ダンパ19は下段プレート37と立ち上げたステー21に取り付けられ、上段プレート36から立ち下げたブラケット20に圧接されている。揺動ダンパは後述するように本発明の実施例においても設置している。
図7において,この空気ばねは、X−Yステージのような機械を搭載するテーブル38の下面の4隅に脚として設置される。X−Yステージのような機械の動きによって、重量がテーブル38上で位置移動する機器類41をテーブル38上に搭載した場合、機器類41の固定部分を含むテーブル38の重量をM、機器類41の位置移動する部分(以下「位置移動する構成物という」)の重量をmとすると、4本の脚に組み込まれた各空気ばね31にかかる総重量は、「位置移動する構成物」の荷重(m)と、「位置移動する構成物」を除いたテーブル38の重量(M)との合計値となる。「位置移動する構成物」を除いたテーブル38の重量(M)は、専らコイルばね34に支えられ、コイルばね34は、「位置移動する構成物」を除いた機器類の重量(M)と釣り合いを保っている。
各空気ばね31のそれぞれのベローズ32は、コイルばね34が一定量圧縮された状態で「位置移動する構成物」の位置によって変化する荷重を受けて個々に収縮、膨張する。各脚の空気ばね31のベローズ32の膨張・収縮によって、テーブル37に傾き(揺れ)が生じるが、設定された水平レベルに安定するまでの過渡的な振動・振幅は、空気ばね31に組み込まれた粘弾性体33によって、効率よく短時間で減衰される。空気ばね31の空気圧によって支持される荷重の大きさ、すなわち、「位置移動する構成物」の荷重(m)は、最大で総重量のせいぜい30%程度である。
この空気ばね31によれば、最大で総重量の30%程度の「位置移動する構成物」の荷重(m)をベローズ32に圧入する空気圧で支えるようにすればよいため、小容量のベローズを低い空気圧で利用することが可能となり、応答性に優れたレベル調整機能を実現できる。
ところが、矢印Rで示すよう往復動する機器類41が、高速度で右方向に移送した場合に、右側の空気ばねは、急激な加重量により沈み込み、反面左側の空気ばねは負担加重が急減するために浮上するという問題を生ずる。空気ばね31の沈み込み、浮き上がりについては、それぞれの空気ばね31に備えたメカニカルバルブ39が上下の変化を検知して各々の空気ばね31内を排気、あるいは吸気することによってテーブル38を設定された高さに維持しようとする。
実際に空気ばね内に組み込まれている粘弾性体33は、あらかじめ圧力を加えて一定量を圧縮しておくことによって、その制振性能が設定され、その制振性能の範囲内では、空気ばね31の沈み込みでテーブル38は一定高さに維持されるが、その制振性能を超えて粘弾性体33に急激な圧縮力が作用したときには、制振性能が設計値から外れることがある。特に空気ばね31が急激に浮き上がったときには、粘弾性体33には浮き上がり抑制の機能がないばかりか、テーブルは粘弾性体33の復元力をうけて浮き上がりが加速されることになる。
さらにテーブル38が浮きあがり、上昇しきったときにもし、オーバーシュートが起こると、その後に上昇側のテーブル38の端が鉛直方向に振動することがある。このような場合には、粘弾性体33の制振性能が低下しているために減衰力が働かず、空気ばね31の振動が止まりにくいという問題が生ずる。
また、テーブル38の浮上速度が粘弾性体33の復元伸長速度より速い場合には、空気ばね31は弾性体から離れて粘弾性体33の上下段が拘束されていない状態になり、テーブル38が押し上げられてスイッチ40の上限以上のレベルに上がると空気室内の空気が排気され、テーブル38はレベルを下げようとするが、そのスムースな動きの中に不連続点(ガクンと一瞬停止する状態)が存在することになり、これが機器類41の機能の性能に影響を及ぼすことになる。
特開昭63−30628号公報 2003−148540号公報
解決しようとする問題点は、テーブルが急激に浮き上がるような事態が発生したとき、圧縮された粘弾性体は復元伸長してその変化に追従するが、制振性能が低下するため条件によってはテーブルの端に振動を生ずることがあり、特にテーブルの浮上速度に粘弾性体の伸長速度が追いつかないときにテーブルのスムーズな動きが妨げられるという点である。
本発明は、圧縮力、引張力のいずれの方向の力が加えられても少なくともその一部が圧縮される粘弾性体を用い、圧縮方向、引張方向のいずれの方向に対しても制振性能を発現させることを主要な特徴とする。
本発明の双方向制振ダンパは、荷重支持エレメントであるコイルばね及び空気ばねの少なくとも一方と組合せることによって、防振マウントとなり、特に双方向制振ダンパをコイルばねおよび空気ばねと組合せた除振マウントによれば、テーブルの各隅部を支えてテーブルの急激な浮き上がりを抑制し、この反作用の結果、テーブルの沈み込み量を低減でき、テーブルの浮き沈みに対するレスポンスを改善し、テーブルをあらかじめ定められた設定高さに維持できる。また、制振性能が常に確保され、レスポンスの改善を狙って空気ばねのベローズ内に供給あるいはベローズ内から排気する空気の給・排気量を多くした場合に起こりがちなハンティングの発生を回避できる。
本発明の双方向制振ダンパは、直列に配列され、予め一定量圧縮された柱状の2本の粘弾性体を有している。2本の粘弾性体とコイルばねとベローズとは並列に組み合わせて空気ばねが構成されている。2本の粘弾性体は、空気ばねに支えられたテーブルに力が作用してテーブルが上昇方向または下降方向に運動したときに2本の粘弾性体の内の一方の粘弾性体には必ず圧縮され、制振性能が発現される。また、本発明の双方向制振ダンパは、構造物あるいは機器類の重量を支える荷重支持エレメントと組み合わせて構造物あるいは機器類の除振マウントが構成される。荷重支持エレメントは、コイルばねあるいは空気ばねであり、荷重支持エレメントとしてコイルばねと空気ばねとを併用することができる。
以下に本発明の実施例を図によって説明する。図1(2)の(a)、(b)において、本発明の双方向制振ダンパ3に荷重支持エレメントとしてコイルばね4および空気ばね1を組み合わせて除振マウントを構成した例を説明する。空気ばね1には、ベローズ型(蛇腹式)の空気ばねを用いている。
双方向制振ダンパ3は、柱状の2本の粘弾性体R1、R2を直列に配列したものである。粘弾性体とは、前述のように応力の大きさのみならず、その増加速度もひずみの増加速度に大きな影響を与える性質を備えたエポキシ樹脂のような固形物であり、2本の粘弾性体R1、R2は、圧縮方向の力が加えられたときにはその一方の粘弾性体が圧縮され、引張方向の力が加えられたときには、他方の粘弾性体が圧縮されるように組み合わせられているものであり、従っていずれの方向に対しても制振性能を発現させることができる。
この実施例においては、双方向制振ダンパ3と並列にコイルばね4を配置し、粘弾性体R1、R2とコイルばね4との組合せを空気ばねの除振マウントとして用いている。
本発明において、双方向制振ダンパ3は、図2に示すように、上下2段の柱状の粘弾性体R1,R2と、座板5と、上ブラケット6と、支え板7と、仕切板8と、引っ張り側及び圧縮側ロッド9,10との組合わせから構成されているものである。下段粘弾性体R2は座板5上に搭載され、下段粘弾性体R2上には仕切板8が重ねられ、上段粘弾性体R1は、仕切板8上に搭載されている。上ブラケット6と、支え板7とは上段粘弾性体R1の上方位置で上下に配置されたものであり、上ブラケット6と仕切板8とは2本の引っ張りロッド9,9にて連結され、支え板7と座板5とは2本の圧縮側ロッド10,10にて連結されている。
なお、上ブラケット6は四角形であり、引っ張り側ロッド9は上ブラケット6の対向する2隅に取り付けられている。支え板7は、略長方形であり、圧縮側ロッド10はその両端に取り付けられる。図3において、両引っ張り側ロッド9の取り付け位置と、両圧縮側ロッド10の取り付け位置とは互いに干渉しないように位相を90°ずらせてある。
空気ばね1のベローズ2は、1〜3段のものが多用されている。ただし、1段のものは水平方向にかたく、また、2、3段のものは、鉛直方向の伸縮性に優れている。この実施例においても、水平方向には軟らかすぎて座屈が生じやすいという理由から、水平方向の硬さをコイルばねで補完した2段のゴムベローズを用いている。
空気ばね1はテーブル11の4隅に設置する支持構造体であり、空気ばね1のベローズ2は、上下段のプレート12,13間に設置され、下段プレート13が床F上に設置され、コイルばね4と、本発明による双方向制振ダンパ3とは上下段のプレート12、13間にベローズ2と並列に設置される。図1(1)において、この実施例では対角線上の2個所にコイルばね4,4を設置し、双方向制振ダンパ3は、ベローズ2の一側に形成される空間内に設置されている。
双方向制振ダンパ3の設置に際しては、上下段の粘弾性体R1,R2をいずれもやや圧縮した状態で座板5を下段プレート13に固定し、上ブラケット6を上段プレート12の下面に固定する。なお、図2に示すように支え板7にはねじ棒14がねじ込まれており、ねじ棒14によって上段粘弾性体R1の頂部にかぶせたキャップ15を加圧すると、そのねじ込み量によって上段粘弾性体R1を圧縮し、同時に下段粘弾性体R2も同量圧縮される。
このように上下段の粘弾性体R1、R2を一定量圧縮した状態でテーブル11を支える空気ばね1の上下段のプレート12,13間にはめ込む。なお、上下段の粘弾性体R1,R2を圧縮させる要領はこれに限るものではない。たとえば、下段粘弾性体R2は、上方から受ける重量と、コイルばねの反発力とによって決定される圧力によって圧縮されるから、ねじ棒14のねじ込み量によってさらに上下段の粘弾性体R1,R2を圧縮し、上下段の粘弾性体R1,R2の圧縮量に差が生じないように、あるいは圧縮量に一定の差が生ずるように調整することもできる。
図4において、上段プレート12上には、直接あるいは脚台(図示略)を介してテーブル11が載せられ、テーブル11上には、機器類22が搭載される。したがって、テーブル11の重量を含めて機器類22の重量が各空気ばね1に加わり、コイルばね4はその重量を受けて圧縮され、テーブル11の高さは規定のレベルLに保たれる。
空気ばね1のベローズ2内には、メカニカルバルブ16を通じて高圧空気が供給され、ベローズ2内の空気圧はメカニカルバルブ16によって制御され、テーブル11のレベル(床面からの高さ)は一定(規定レベルL)に保たれる。すなわち、テーブル11が機器類22の荷重移動や衝撃あるいは動作時の反力を受けて振れが生じ、テーブル11のレベルが規定レベルLからLlに下がると、メカニカルバルブ16に備えたスイッチ17が押し下げられ、高圧空気がベローズ2内に供給されて膨張し、テーブル11が上向きに押し上げられる。
テーブル11が押し上げられ、その高さがスイッチ17の上限以上のレベルLhに上がると、ベローズ2内の空気がドレン18を通して放出され、ベローズ2が圧縮変形し、テーブル11はレベルを下げてもとの規定レベルLに自動調整される。
なお、自動調整の応答に遅れが原因となって機器類22の移動があった場合、ベローズ2が受けている鉛直方向の荷重が変動して内部圧力が変化してテーブル11が機器類22の移動直後に大きく上下動する。この場合に、テーブル11が上昇すると、図5(b)に示すように、引張り側ロッド9に固定された仕切板8がともに上昇するので、上段の粘弾性体R1が圧縮される。逆にテーブルが下降すると、図5(a)に示すように、仕切板8が同じように下降して下段の粘弾性体R2が圧縮される。このように粘弾性体R1,R2のテーブルの上下動何れの方向の動きに対しても抵抗となり制振効果を発揮する。
また、テーブル11の水平方向の動きに対しては仕切板8が圧縮ロッド10で連結された座板5と支え板7に対し相対的な水平ずれが生じるので、粘弾性体R1,R2にせん断力が働いて制振効果を発揮する。このように本発明による双方向ダンパは、床から受ける外来の微小振動であっても相対的なテーブルの挙動に変換されるので、垂直、水平両方向で合成される床から伝播する微小振動に対しても粘弾性体R1,R2によって制振効果を得ることができる。
なお、上下段プレート12,13間への設置に先立って上下段の粘弾性体R1,R2に予め圧縮量を与えておくのは、上ブラケット6が押し下げられ、あるいは引き上げられるときに、一方の粘弾性体R1(R2)が圧縮されるときに他方の粘弾性体R2(R1)をその変化に追従させるためである。もし、両粘弾性体R1,R2が予め圧縮されていないと、一方の粘弾性体が圧縮されたときに、他方の粘弾性体がその変化に追従できず、粘弾性体R1またはR2と仕切板8との間に隙間が生じ、テーブルの上下動によって押し上げられ、あるいは引き下げられた空気ばね1がレベルLに復帰するときの不連続点となり、テーブル11に衝撃を発生させることになる。本発明によれば、テーブルの上下動の速度が極端に大きくない限り隙間の発生がなく、テーブルの変動をスムーズに減衰させて一定のレベルLを保たせることができる。
さらに、この実施例においても、上段プレート12と、下段プレート13間に生ずる水平方向の相対変位のエネルギーを吸収させる手段として揺動ダンパ19を組みつけている。すなわち、上段プレート12にはブラケット20を立ち下げ、下段プレート13には、ステー21を立ち上げ、ステー21に支持させた揺動ダンパ19をブラケット20に圧接させている。水平方向の変位は、2軸方向に生ずるため、図1(1)においては、平面2軸(X−Y平面)に相対変位のエネルギーを吸収させる揺動ダンパ19を設置している。
揺動ダンパ19は、棒状の粘弾性体である。揺動ダンパ19をブラケット20と、ステー21とに跨って保持させ、上段プレート12と、下段プレート13間に水平姿勢に介在させることによって、機器の動作の反力を受けてテーブル11が水平面(X−Y平面)でX方向あるいはY方向に大きく揺れた場合に、揺動ダンパ19の粘性性質によってテーブル11に抵抗を与える。これによって、テーブル11の揺れのエネルギーが吸収され、テーブル11の揺れを速やかに停止させることができる。
もっとも、本発明においては、双方向制振ダンパと空気ばねとを組合すことによって、上下段の粘弾性体のせん断力が水平方向に働くので、水平方向の制振性能を大きく改善することが可能である。
以上、実施例においては、荷重支持エレメントとしてコイルばねと、空気ばねとの組合せを用い、この組合せによる荷重支持エレメントに双方向制振ダンパを組み合わせた除振マウントについて説明した。もちろん荷重支持エレメントとしてコイルばねと、空気ばねとの組合せに限らず、コイルばねとあるいは空気ばねと双方向制振ダンパとの組合せによる除振マウントであっても、本発明による双方向制振ダンパの減衰を双方向に作用させて除振マウントの機能を発揮できる。さらに実施例においては、説明を分かりやすくするため、上下に積層された粘弾性体を用いて上下方向に減衰を作用させる例を説明したが、減衰方向は必ずしも上下方向に限るものではなく、双方向制振ダンパは、座板を固定側に用い、上ブラケットを可動側に用いることによって、水平姿勢、あるいは傾斜姿勢で用いることも当然できる。
本発明による双方向制振ダンパは空気ばねに併用してテーブル上を移動する機器類の移動速度を向上させてもテーブルの振れが少ないため、機器類の性能向上に大いに寄与できる。また双方向制振ダンパは、ユニット化されているので、コイルばね、空気ばねと任意に組み合わせて双方向の除振マウントとして活用でき、またエアジャッキ付きのばねマウントに支えられた装置に追加して設置することができる。
(a)は本発明による空気ばねの1実施形態を示す平面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。 本発明の双方向制振ダンパを空気ばねの除振マウントに適用した例を示す図であり、(a)は図1(1)(a)のB−B線断面図、(b)は(a)の側面図である。 本発明の双方向制振ダンパの構成を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図、(d)は(a)のD−D線断面図である。 双方向制振ダンパの引っ張り側ロッドと圧縮側ロッドとの位置関係を示す斜視図である。 本発明の空気ばねの動作を示す図である。 荷重により、上下段の粘弾性体が圧縮された状態を示す図である。 従来の空気ばねの構成を示す図である。 従来の空気ばねの動作を示す図である。
符号の説明
1 空気ばね
2 ベローズ
3 双方向制振ダンパ
4 コイルばね
5 座板
6 上ブラケット
7 支え板
8 仕切板
9 引っ張り側ロッド
10 圧縮側ロッド
11 テーブル
12 上段プレート
13 下段プレート
14 ねじ棒
15 キャップ
16 メカニカルバルブ
17 スイッチ
18 ドレン
19 揺動ダンパ
20 ブラケット
21 ステー
22 機器類

Claims (4)

  1. 荷重支持体エレメントと併用して制振性能を発現させるためのユニット化された双方向制振ダンパであって、
    柱状の下段粘弾性体と、柱状の上段粘弾性体と、上ブラケットと、支え板と、引っ張り側ロッド及び圧縮側ロッドと、ねじ棒との組み合わせを有し、
    荷重支持体エレメントは、構造物或いは機器類の重量を支えるコイルばね及び空気ばねの少なくとも一方であり、上下段のプレート間に設置され、
    前記下段粘弾性体は、座板上に搭載され、上面に仕切板が重ねられたものであり、
    前記上段粘弾性体は、前記仕切板上に搭載され、頂部にキャップがかぶせられたものであり、
    前記上ブラケットと、前記支え板とは前記上段粘弾性体の上方位置で上下に配置され、
    前記引っ張りロッドは、前記上ブラケットと、仕切板とを連結するものであり、
    前記圧縮側ロッドは、支え板と座板とを連結するものであり、
    前記ねじ棒は、前記支え板にねじこまれ、上段粘弾性体にかぶせたキャップを圧下して上下段の粘弾性体に予め圧縮量を与えておくものであり、
    前記上ブラケット及び座板は、上、下段プレートに取り付けられ、柱状の上下段粘弾性体は、前記上、下段プレート間に荷重支持体エレメントと並列に配列されるものであることを特徴とする双方向制振ダンパ。
  2. 前記上ブラケットと、支え板とは、上段粘弾性体の上方位置で上下に配置され、前記上ブラケットは四角形であり、引っ張り側ロッドは、上ブラケットの対向する2隅に取り付けられ、前記支え板は略長方形であり、圧縮側ロッドは、その両端に取り付けられ、両引っ張り側ロッドと両圧縮側ロッドとは、互いに干渉しないように位相を90°ずらせて配置されていることを特徴とする請求項1に記載された双方向制振ダンパ。
  3. 前記粘弾性体がエポキシ樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載された双方向制振ダンパ。
  4. 請求項1、2又は3の何れかに記載されたユニット化された双方向制振ダンパと、荷重支持エレメントとの組み合わせを有する除振マウントであって、
    前記荷重支持エレメントは、空気ばねとコイルばねであり、
    空気ばねのベローズは、上下段のプレート間に設置され、下段プレートが床上に設置され、コイルばねと、前記双方向制振ダンパとは、上下段のプレート間にベローズと並列に設置されていることを特徴とする除振マウント。
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