JP2002227926A - 空気ばねを用いたセミアクティブ除振装置 - Google Patents
空気ばねを用いたセミアクティブ除振装置Info
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Abstract
ィブ除振装置を得る。 【解決手段】 基底部に対して建屋等の慣性構造体10
を空気ばね20,22によって両側から固定保持する。
両空気ばね20,22は連通管44によって連通され、
この時の連通管44の開閉制御が連通弁46によって行
われている。慣性構造体10には加速度計28が設けら
れ、この加速度計28が検出した加速度に応じて前記連
通弁46を開閉制御することによって両空気ばね20,
22を連通させ、これによって慣性構造体10を基底部
に対して固定位置に保持することが可能となる。
Description
ミアクティブ除振装置、特に戸建て住宅等の小規模建築
物あるいは屋内における精密機械等の振動を嫌う構造物
を対象とし、これらの構造物への地震その他の振動入力
を効果的に軽減することのできるセミアクティブ除振装
置に関するものである。
に各種の除振装置が提案されている。例えば特開平11
−93455号には戸建住宅用の除震装置が提案されて
おり、建屋構造の床枠部材が水平方向に自由に移動でき
るようにロール機構によって滑動自在に支承されてい
る。そして、このロール機構には滑動運動を減衰させる
減衰機構が設けられており、これによって地震による振
動が建物側に伝達されることを防止すると共に、地震が
おさまった後には建屋構造を受け持つ床枠部材が容易に
定位置に復元することができる。
建屋自体の揺れを除去することができず、単なる減衰効
果によって振動を低減させているので、除振効果を高め
ると逆に位置保持力が小さくなってしまうという問題が
あった。
アクティブ制御を採用した除振装置が従来においても提
案されており、例えば特開平7−332431号におい
てアクティブ制御除振床として周知である。このアクテ
ィブ制御によれば、床板の振動情報を検出して、これを
フィードバック制御則に基づきフィードバック制御信号
に変換し、フィードフォーワード制御信号とフィードバ
ック制御信号とを合成して所定の加振手段を駆動し、こ
れによって振動に対する反力を生じさせて振動をうち消
すことができる。このような装置によれば、従来のパッ
シブ除振装置では得られない効果的なかつ実際の振動に
則した除振を行うことができ、通常の地震対策用の除振
装置ばかりでなく、精密機器等の防振装置としても広く
利用可能である。
うな従来装置では、電気的に複雑な演算手段を必要と
し、また反力を得るために特別の加振手段が必要となる
等、安価で維持管理等の容易な装置を得ることができな
いという問題があった。
のであり、その目的は、簡単な構成で確実かつ効果的な
除振機能を果たすことのできるセミアクティブ除振装置
を提供することにある。
に、本発明は、基底部に対して水平方向に移動自在に載
置された慣性構造体を基底部の振動から絶縁して位置保
持するセミアクティブ除振装置であって、少なくとも一
の水平方向に対して慣性構造体を支持するために、慣性
構造体の両側方部のそれぞれと基底部との間に設けられ
た空気ばねと、前記両側方部の空気ばねを連通する連通
管と、前記連通管に設けられ該連通管を遮蔽または開放
する連通弁と、前記慣性構造体に設けられた加速度計
と、前記加速度計の出力によって前記連通弁の遮蔽また
は開閉を制御するコントローラとを含む空気ばねを用い
たセミアクティブ除振装置を特徴とする。
等の慣性構造体は基底部に対して移動自在であり、この
慣性構造体と基底部との間には空気ばねが配設されてい
るので、基底部に振動が発生した場合においても、慣性
構造体は自身の位置を保とうとする。そして、空気ばね
に加わる振動が大きくなると、慣性構造体はこの振動に
追従しようとするが、この慣性構造体の動きは常に加速
度計によって監視されており、この加速度計出力によっ
て両側の空気ばねの圧力を調整して慣性構造体を定位置
に継続的に維持させることができる。
慣性構造体に対して水平方向両側に設けられているの
で、慣性構造体を空気ばねで押さえられた構造となり、
この時に両側方部の空気ばねを連通し、連通管に設けら
れた連通弁を前記加速度計によって遮蔽または開閉する
ことによってセミアクティブな除振効果を得ることがで
きる。
面に基づいて説明する。
装置が戸建住宅に適用された実施形態を示す。
る基底部12上に建てられるが、本発明において慣性構
造体10は基底部12に対して水平方向に移動自在に載
置される。このために、慣性構造体10の床枠14は基
底部12に埋め込まれた複数のガイドプレート16上に
スライド機構18を介して載置されている。慣性構造体
10は水平方向に少なくとも2軸方向に移動自在である
ことが必要であり、前記スライド機構18は図示した実
施形態において、摩擦係数の小さい複数のテフロン(登
録商標)板を積層した構造からなり、いかなる方向に対
しても慣性構造体10を基底部12上で移動自在に支持
することができる。スライド機構18としては、このよ
うなテフロン積層板以外にも2方向ローラベアリングあ
るいはボールベアリングで支持する機構とすることも可
能である。
ら絶縁して位置保持するために、慣性構造体10の両側
方部と基底部との間には空気ばね20,22が設けられ
ている。図1において、各空気ばね20,22は一の水
平方向に対して配置されているが、これと直交方向にも
同様に空気ばねが配置されており、慣性構造体10を水
平方向のいずれの方向に対しても基底部12の振動から
絶縁して位置保持することができる。各空気ばね20,
22は実施形態においてそれぞれ一対ずつ設けられ、更
に詳細には基底部12に埋め込まれた反力壁24,26
と前記慣性構造体10の床枠14との間に設けられてい
る。
が設けられており、基底部12から慣性構造体10に伝
達される振動を加速度信号として電気的に検出すること
ができる。図2には本実施形態における空気ばねの圧力
流体系とその電気的な制御系とが平面的に示されてい
る。前述したように、慣性構造体10は水平方向の直交
する二方向に対して両側から空気ばねで支持されている
が、図2においては説明を簡略化するために一方向のみ
の空気ばねのみを示し、慣性構造体10は基底部に対し
てそれぞれ一対の空気ばね20,22によって支持され
ているのが理解される。
給して慣性構造体10を基底部12に対して所定の位置
に保持するため空圧源30が設けられている。空圧源3
0からの加圧気体はフィルタ32、ミストセパレータ3
4及びレギュレータ36を通ってリザーバタンク38に
供給され、リザーバタンク38から空気圧が調整された
圧力空気がニードルバルブあるいはオリフィス40,4
2を介して両空気ばね20,22に供給される。したが
って、両空気ばね20,22は静的には同一圧力で慣性
構造体10を支持することとなる。
ィブ流体制御系について説明する。
によって互いに連通され、この連通管には連通弁46が
設けられている。この連通弁46はコントローラによっ
て制御される二方サーボ弁からなり、その遮蔽または開
閉の制御は前述した加速度計28の検出信号によって行
われる。すなわち、加速度計28の出力は歪みアンプ4
8に供給され、歪みが除去された後にサーボアンプ50
に供給される。これらの歪みアンプ48及びサーボアン
プ50は本発明におけるコントローラを構成し、その出
力信号が前記連通弁46に送られる。
以下にその作用を説明する。
場合、慣性構造体10は空気ばね20,22によって基
底部12に対して所定の保持力で支持されている。この
時、加速度計28の出力はゼロであり、連通弁46は連
通管44を遮蔽状態に保っている。すなわち、この静止
状態では両空気ばね20,22は独立したパッシブダン
パとして機能する。
すると、この振動の方向に従って空気ばね20,22は
一方が圧縮され他方が緩む。この時の振動の大きさ及び
周波数に従って空気ばね20,22は前述したように、
従来のパッシブダンパとして機能し、一定の条件下にお
いては、慣性構造体10の振動はこのパッシブ除振作用
によって除かれる。
じた場合には、慣性構造体10は基底部12の動きに追
従しようとして僅かに移動を開始する。本発明において
は、この慣性構造体10の移動は加速度計28により直
ちに検出され、その時の加速度に応じた信号を連通弁4
6へ供給される。基本的に、連通弁46はコントローラ
からの信号が入力されると弁を開放して両側方にある空
気ばね20,22を連通する。この結果、圧縮されてい
た空気ばねから緩んでいた空気ばねへ加圧空気が流入
し、基底部12が移動していても慣性構造体10は現在
の定位置を保持することができる。すなわち、ある程度
以上の振動が生じた場合には、本発明における除振装置
は両側方の空気ばね20,22を連通することによって
セミアクティブな動作を行い、これによって慣性構造体
10を定位置に保持することができる。実施形態におい
ては、連通弁46の開き量を加速度計28の出力に応じ
て調整しているが、本発明においてはコントローラに所
望の演算機能と振動パターンによるパラメータを記憶す
る記憶機能を与えることによって、実際に除去したい振
動に合わせて連通弁46の開き度を最適制御することも
可能である。実施形態において、両空気ばね20,22
はリザーバタンク38で連通されているが、このような
セミアクティブ動作を行っている時には、連通管44の
流体抵抗がニードルバルブあるいはオリフィス40,4
2より十分小さいので、リザーバタンク38からの供給
圧力が連通管44によるセミアクティブ動作に追従する
ことはなく、ほとんど無視することができる。リザーバ
タンクからの空気の供給は、空気圧のわずかな漏れを補
給するためになされるため、その量は微少である。
造でかつ慣性構造体10を定位置に保持している空気ば
ね20,22をセミアクティブ動作させることによって
効果的に除振作用を得ることができるという利点があ
る。
構造体を振動台において実験した結果を図3に示す。こ
の振動台は油圧アクチュエータを有し、コンピュータで
指令される油圧自動制御によって基本波形及び実地震波
形の実験を可能とする。(A)は周波数1HZ、(B)
は周波数2HZ、(C)は周波数3HZ、そして(D)
はEL CENTRO 1940NS地震波の振動を与
えた時の入力(破線)、慣性構造体の振動(実線)を示
し、各振動の入力は150galである。
度と慣性構造体の応答加速度とは両者の位相がほぼ反転
し、慣性構造体への振動入力が大きく押さえられている
ことがわかる。また、同様にEL CENTRO 19
40NS地震波の入力に対しても慣性構造体の入力が著
しく低減されていることが確認される。
慣性構造体の両側方に配置された空気ばねを連通管によ
って連通させ、この連通管を開閉制御することによって
きわめて簡単な構造で容易に除振をすることが可能とな
り、また除振装置の保守もきわめて容易な装置を提供す
ることが可能となった。
用された戸建住宅の実施形態を示す図である。
流体系及びその制御系統図である。
である。
ね、28 加速度計、44 連通管、46 連通弁。
Claims (1)
- 【請求項1】 基底部に対して水平方向に移動自在に載
置された慣性構造体を基底部の振動から絶縁して位置保
持するセミアクティブ除振装置であって、 少なくとも一の水平方向に対して慣性構造体を支持する
ために、慣性構造体の両側方部のそれぞれと基底部との
間に設けられた空気ばねと、 前記両側方部の空気ばねを連通する連通管と、 前記連通管に設けられ該連通管を遮蔽または開放する連
通弁と、 前記慣性構造体に設けられた加速度計と、 前記加速度計の出力によって前記連通弁の遮蔽または開
閉を制御するコントローラとを含む空気ばねを用いたセ
ミアクティブ除振装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001022215A JP2002227926A (ja) | 2001-01-30 | 2001-01-30 | 空気ばねを用いたセミアクティブ除振装置 |
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Publications (1)
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ID=18887659
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2001-01-30 JP JP2001022215A patent/JP2002227926A/ja active Pending
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