JP2018179203A - 制振装置 - Google Patents

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Yoshihiro Goto
祥広 後藤
中野 欣治
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Abstract

【課題】構造物のロッキングと上下方向の振動の両方を抑制することを目的とする。【解決手段】構造物100の振動を抑制する制振装置1であって、下部構造物102(構造物100の下側)に配置されたダンパ装置10(第1ダンパ装置)と、ダンパ装置10と間隔をあけて配置されたダンパ装置20(第2ダンパ装置)と、を備え、ダンパ装置10は、ピストン12を挟んだ一方側に設けられた第1油圧室112と、他方側に設けられた第2油圧室113とを有していると共に、ダンパ装置20は、ピストン12を挟んだ一方側に設けられた第3油圧室212と、他方側に設けられた第4油圧室213とを有しており、第1油圧室112と第4油圧室213または第2油圧室113と第3油圧室212の連通/非連通を切り替える油路切替装置30と、を備える構成とした。【選択図】図2

Description

本発明は、制振装置に関する。
従来から地震等の振動から構造物を守る装置として免震装置が用いられている。免震装置は、地震の振動エネルギーを吸収して、構造物の振動を減衰させる装置である。
しかしながら、免震装置を用いて、構造物の振動を減衰させる場合、構造物が垂直面内で前後(または左右)に交互に傾きながら揺れる回転振動(以下、ロッキングともいう)が発生しやすくなる。
特許文献1には、構造物のロッキングを抑制する免震システムが開示されている。
特開2008−291918号公報
特許文献1に開示されている免震システムでは、地震による構造物の振動を減衰させるための一対のオイルダンパが上部構造物と下部構造物との間に設けられている。一対のオイルダンパには、ピストンを挟んだ上側と下側にそれぞれ油圧室が設けられている。
この一対のオイルダンパでは、一方のオイルダンパの上側の油圧室と他方のオイルダンパの下側の油圧室を連通させると共に、一方のオイルダンパの下側の油圧室と他方のオイルダンパの上側の油圧室とを連通させている。
これにより、特許文献1の免震システムでは、一方のオイルダンパのピストンと他方のオイルダンパのピストンの移動(振動)方向が異なる場合、各々のピストンの移動が抑制され、両方のオイルダンパのピストンの移動(振動)方向が同じ場合、各々のピストンの移動が抑制されない構造となっている。
よって、この免震システムでは、各々のピストンが異なる方向に移動するロッキングは抑制できるが、各々のピストンが同じ方向に移動する上下方向の振動は抑制できない。
したがって本発明は、上記課題に鑑みてなされたのもで、構造物のロッキングと上下方向の振動の両方を抑制することを目的とする。
上記課題を解決するため、構造物の振動を抑制する制振装置であって、構造物の下側に配置された第1ダンパ装置と、第1ダンパ装置と間隔をあけて配置された第2ダンパ装置と、を備え、第1ダンパ装置は、ピストンを挟んだ一方側に設けられた第1油圧室と、他方側に設けられた第2油圧室とを有していると共に、第2ダンパ装置は、ピストンを挟んだ一方側に設けられた第3油圧室と、他方側に設けられた第4油圧室とを有しており、第1油圧室と前記第4油圧室または前記第2油圧室と前記第3油圧室の連通/非連通を切り替える油路切替装置と、を備えた制振装置とした。
本発明によれば、構造物のロッキングと上下方向の振動の両方を抑制することができる。
実施の形態にかかる制振装置の配置を説明する模式図であ。 図1におけるA−A部断面図である。 図2におけるB−B部断面図である。 制振装置の作用を説明する図である。 制振装置の作用を説明する図である。 第2の実施の形態にかかる制振装置の油路切替装置の断面図である。 図6におけるC−C部断面図である。
以下、本発明の実施の形態にかかる制振装置1を説明する。
図1は、実施の形態にかかる制振装置1の配置を説明する模式図であり、下部構造物102を上方から見た図である。
以下、制振装置1を、構造物100(例えば、高層ビルディング)の振動を抑制するための制振装置に適用した場合について説明する。
[制振装置の配置]
構造物100は、上部構造物101と下部構造物102とから構成されている(図2参照)。実施の形態では、上部構造物101は高層ビルディングなどの重心の高い建屋であり、下部構造物102は当該高層ビルディングなどの基礎である。
図1に示すように、この上部構造物101と下部構造物102との間には、複数の制振装置1(ダンパ装置10、20、油路切替装置30、油路15、25)と、複数の免震装置50とが設けられている。
下部構造物102の各隅部には領域K1〜K4が設定されており、図1の状態で、領域K1〜K4は、下部構造物102の右上隅部から時計回りに順番に設定されている。
この領域K1〜K4の各々には、ダンパ装置10(またはダンパ装置20)と、一対の免震装置50、50とが設けられている。
また、下部構造物102の中央部には領域K5が設定されており、この領域K5には、2つの油路切替装置30、30が設けられている。
下部構造物102の領域K1には、ダンパ装置10と、一対の免震装置50、50が設けられており、領域K1と対角の位置に設定された領域K3に、ダンパ装置20と、一対の免震装置50、50が設けられている。
ダンパ装置10、20は、配管15(後述する第1配管151、第2配管152)、配管25(後述する第3配管251、第4配管252)を介して、同一の油路切替装置30に接続されている。
実施の形態では、ダンパ装置10、20、油路切替装置30、配管15、25で制振装置1を構成している。
なお、下部構造物102の領域K2には、ダンパ装置10と、一対の免震装置50、50とが設けられており、領域K2と対角の位置に設定された領域K4には、ダンパ装置20と、一対の免震装置50、50とが設けられている。このダンパ装置10、20もまた、配管15、25を介して、それぞれ同一の油路切替装置30に接続されている。
これらのダンパ装置10、20、油路切替装置30、配管15、25で制振装置1を構成しているが、前述した制振装置1と同様の構成であるので、詳細な説明は省略する。
[制振装置]
次に、実施の形態にかかる制振装置1を説明する。
図2は、図1におけるA−A部断面図である。
図3は、図2におけるB−B部断面図である。
制振装置1は、構造物100を構成する上部構造物101と下部構造物102との間に設けられている。
以下の説明において、図2における上部構造物101側を上側、下部構造物102側を下側、ダンパ装置10側を右側、ダンパ装置20側を左側と定義する。
図2に示すように、制振装置1は、一対のダンパ装置10、20と、油路切替装置30とを有している。
[ダンパ装置]
ダンパ装置10は、シリンダ11と、ピストン12と、ピストンロッド13と、固定部材14とを有している。
シリンダ11は、円筒形状の部材であり、シリンダ11の下側は下部構造物102に固定されている。シリンダ11は、内部に作動油OLが充填された状態で密閉されている。
シリンダ11の油路切替装置30側の側面111には、第1配管151と、第2配管152(第1配管151と第2配管152とを合わせて配管15と言う)とが上下方向に間隔を空けて接続されており、シリンダ11は、この第1配管151と、第2配管152とを介して油路切替装置30に接続されている。
シリンダ11内には、ピストン12が上下方向に移動可能に設けられている。
ピストン12は、円板形状を成しており、ピストン12の外径は、シリンダ11の内径に整合する外径を有している。
このピストン12により、シリンダ11内の空間が上下方向に各々独立の空間で仕切られており、シリンダ11内のピストン12を挟んだ上側に第1油圧室112、下側に第2油圧室113が形成されている。
ピストン12には、ピストン12を厚み方向に貫通する貫通孔121が設けられている。貫通孔121はオリフィスとしての機能を有しており、貫通孔121の大きさを変更することで、ピストン12がシリンダ11に充填された作動油OLから受ける抵抗を調整できる。
ピストン12には、シリンダ11の外側まで延びたピストンロッド13が接続されており、ピストンロッド13は、固定部材14により上部構造物101に固定されている。
よって、ピストン12は、上部構造物101の上下方向の振動(変位)に伴い、シリンダ11内を上下方向に移動するようになっており、上部構造物101が、ロッキングや上下方向に振動しない基本位置において、ピストン12は、前述した第1配管151と第2配管152の間に位置するように設けられている。
ここで、上部構造物101が、ロッキングなどで上側に変位(変位位置)した場合、ピストン12は、第1配管151の下部構造物102からの高さH1よりも上側に移動しないように作動油OLの粘度や貫通孔121の大きさが設定されている。
また、下部構造物102が、ロッキングなどで下側に変位(変位位置)した場合、ピストン12は、第2配管152の下部構造物102からの高さH2よりも下側に移動しないように作動油OLの粘度や貫通孔121の大きさが設定されている。
ピストン12がシリンダ11の上側に移動した場合、第1油圧室112内の作動油OLは、第1配管151に押し出されるようになっており、ピストン12がシリンダ11の下側に移動した場合、第2油圧室113内の作動油OLは、第2配管152に押し出されるようになっている。
ダンパ装置20は、シリンダ21と、ピストン22と、ピストンロッド23と、固定部材24とを有している。これらダンパ装置20のシリンダ21、ピストン22、ピストンロッド23、固定部材24は、前述したダンパ装置10のシリンダ11と、ピストン12と、ピストンロッド13と、固定部材14と同様の構成であるので、詳細な説明は省略し、必要に応じて説明する。
ダンパ装置20のシリンダ21の油路切替装置30側の側面211には、第3配管251、第4配管252が上下方向に接続されており、シリンダ21は、この第3配管251と、第4配管252(第3配管251と第4配管252とを合わせて配管25と言う)を介して油路切替装置30に接続されている。
ピストン22もまた、上部構造物101の上下方向の変位に伴い、シリンダ21内を上下方向に移動するようになっており、上部構造物101が、ロッキングや上下方向に変位しない基本位置において、ピストン22は、前述した第3配管251と第4配管252の間に位置するように設けられている。
ここで、上部構造物101が、ロッキングなどで上側に変位(変位位置)した場合、ピストン22は、第3配管251の下部構造物102からの高さH3よりも上側に移動しないように作動油OLの粘度や貫通孔221の大きさが設定されている。
また、下部構造物102が下側に変位(変位位置)した場合、ピストン22は、第4配管252の下部構造物102からの高さH4よりも下側に移動しないように作動油OLの粘度や貫通孔221の大きさが設定されている。
シリンダ21内には、ピストン22を挟んで、ピストン22の上側とシリンダ21とで形成された第3油圧室212と、ピストン22の下側とシリンダ21とで形成された第4油圧室213とが形成されている。
そのため、上部構造物101が、ロッキングや上下方向に変位すると、上部構造物101の変位に伴って、ピストン22は、シリンダ21の上側又は下側に移動する。
ピストン22がシリンダ21の上側に移動した場合、第3油圧室212内の作動油OLは、第3配管251に押し出されるようになっており、ピストン22がシリンダ21の下側に移動した場合、第4油圧室213内の作動油OLは、第4配管252に押し出されるようになっている。
[油路切替装置]
前述したように、ダンパ装置10、20には、配管15、25を介して油路切替装置30が接続されている。
油路切替装置30は、密閉容器31と、移動体32と、移動体駆動装置37とを有している。
密閉容器31は、金属製の筒状部材であり、この密閉容器31の下側は下部構造物102に固定されている。密閉容器31は、内部に作動油OLが充填された状態で密閉されている。
密閉容器31のダンパ装置10側の側壁311には、第2配管152と第1配管151とが、上下方向に間隔を空けて接続されている。
つまり、ダンパ装置10の上下方向に接続された第1配管151と、第2配管152とは、交差した状態(上下方向の位置関係が反対となった状態)で密閉容器31の上下方向に接続されている。
密閉容器31のダンパ装置20側の側壁312には、第3配管251と第4配管252とが、上下方向に間隔を空けて接続されている。
つまり、ダンパ装置20の上下方向に接続された第3配管251と、第4配管252とは、並行な状態(上下方向の位置関係が変わらない状態)で密閉容器31の上下方向に接続されている。
この密閉容器31内には、移動体32が設けられている。
移動体32は、金属製の矩形形状を成すブロック部材である。移動体32は、密閉容器31内を基本位置と変位位置との間で上下方向に移動可能に設けられている。
図3に示すように、移動体32には、移動体32を左右方向に貫通する4つの油路321と、322と、323と、324とが各々間隔を空けて設けられている。移動体32の油路321と油路322との間、油路323と油路324との間の壁部は、第1配管151、第2配管152、第3配管251、第4配管252を閉塞する閉塞部325となっている。
油路321は、移動体32が下側に移動した場合に、密閉容器31に接続された第2配管152及び第3配管251に整合する位置に設けられており、油路323は、移動体32が下側に移動した場合に、密閉容器31に接続された第1配管151及び第4配管252に整合する位置に設けられている(図4の上段参照)。
よって、移動体32が下側に移動した場合、第2配管152と第3配管251とは、油路321を介して連通すると共に、第1配管151と第4配管252とは、油路323を介して連通する。
油路322は、移動体32が上側に移動した場合に、密閉容器31に接続された第2配管152及び第3配管251に整合する位置に設けられており、油路324は、移動体32が上側に移動した場合に、密閉容器31に接続された第1配管151及び第4配管252に整合する位置に設けられている(図4の下段参照)。
よって、移動体32が上側に移動した場合、第2配管152と第3配管251とは、油路322を介して連通すると共に、第1配管151と第4配管252とは、油路324を介して連通する。
移動体32が上下方向の何れにも移動しない基本位置である場合、油路321〜324は、第1配管151、第2配管152、第3配管251、第4配管252の何れとも整合しない位置に設けられており、この状態で、第1配管151、第2配管152、第3配管251、第4配管252は、移動体32の閉塞部325により閉塞されている。
ここで、図2に示すように、第1配管151、第2配管152、第3配管251、第4配管252の油路切替装置30側には、バイパス管151a、152a、251a、252aが、第1配管151、第2配管152、第3配管251、第4配管252に連通して接続されている。
バイパス管151a、152a、251a、252aの内径は、第1配管151、第2配管152、第3配管251、第4配管252の内径よりも小径となっている。よって、第1配管151、第2配管152、第3配管251、第4配管252を通流する作動油OLの一部のみが、バイパス管151a、152a、251a、252aを通流する。
バイパス管151a、152a、251a、252aは、移動体駆動装置37に接続されている。
図2に示すように、移動体駆動装置37は、上側押圧部材38と、下側押圧部材39と、上側コイルバネ35と、下側コイルバネ36とを有する。
上側押圧部材38は、移動体32の上側と密閉容器31との間に設けられており、上下方向に伸縮可能な蛇腹状の袋部材381と、382とを有している。
蛇腹状の袋部材381は、第2配管152に接続されたバイパス管152aと接続されており、蛇腹状の袋部材382は、第3配管251に接続されたバイパス管251aと接続されている。
蛇腹状の袋部材381は、バイパス管152aと第2配管152とを介して第2油圧室113に接続されており、蛇腹状の袋部材382は、バイパス管251aと第3配管251とを介して第3油圧室212に接続されている。
よって、第2油圧室113の作動油OLは、第2配管152及びバイパス管152aを介して蛇腹状の袋部材381に供給され、第3油圧室212の作動油OLは、第3配管251及びバイパス管251aを介して蛇腹状の袋部材382に供給される。
蛇腹状の袋部材381、382に作動油OLが供給されると、蛇腹状の袋部材381、382の各々が膨張する結果、この膨張した蛇腹状の袋部材381、382が、移動体32を下側に押圧する。
そして、作動油OLの蛇腹状の袋部材381、382への供給が停止し、蛇腹状の袋部材381、382の押圧力が上側コイルバネ35の引っ張り力よりも小さくなると、上側コイルバネ35に接続された移動体32は、上側コイルバネ35の引っ張り力で上側に引っ張られる。
下側押圧部材39は、移動体32の下側と密閉容器31との間に設けられており、上下方向に伸縮可能な蛇腹状の袋部材391と、392とを有している。
蛇腹状の袋部材391は、第1配管151に接続されたバイパス管151aと接続されており、蛇腹状の袋部材392は、第4配管252に接続されたバイパス管252aと接続されている。
蛇腹状の袋部材391は、第1配管151を介して第1油圧室112に接続されており、蛇腹状の袋部材392は、第4配管252を介して第4油圧室213に接続されている。
よって、第1油圧室112の作動油OLは、第1配管151及びバイパス管151aを介して蛇腹状の袋部材391に供給され、第4油圧室213の作動油OLは、第4配管252及びバイパス管252aを介して蛇腹状の袋部材392に供給される。
蛇腹状の袋部材391、392に作動油OLが供給されると、蛇腹状の袋部材391、392の各々が膨張する結果、この膨張した蛇腹状の袋部材391、392が移動体32を上側に押圧する。
そして、作動油OLの蛇腹状の袋部材391、392への供給が停止し、蛇腹状の袋部材391、392の押圧力が下側コイルバネ36の引っ張り力よりも小さくなると、下側コイルバネ36に接続された移動体32は、下側コイルバネ36の引っ張り力で下側に引っ張られる。
[制振装置の作用]
次に、前述した制振装置1の作用を説明する。
図4は、制振装置1の作用を説明する図であり、上段は、ロッキングにより上部構造物101が右側に傾いた状態を示し、下段は、ロッキングにより上部構造物101が左側に傾いた状態を示す。
図5は、制振装置1の作用を説明する図であり、上段は、上下振動により上部構造物101が下側に変位した状態を示し、下段は、上部構造物101が上側に変位した状態を示す。
[制振装置によるロッキングの抑制]
初めに、制振装置1による構造物100(上部構造物101)のロッキングの抑制について説明する。
ここで、ロッキングとは、構造物100に上下方向又は前後左右方向の振動が加わった場合、構造物100が前後方向又は左右方向に交互に傾きながら揺れ動く状態をいう。
図4の上段に示すように、ロッキングにより上部構造物101が右側に傾いた場合、ダンパ装置10のピストン12は、上部構造物101により下側に押し下げられる。そうすると、ダンパ装置10の第2油圧室113内の作動油OLは、第2配管152及びバイパス管152aを通って油路切替装置30の蛇腹状の袋部材381に供給される(図中、白抜き矢印参照)。
蛇腹状の袋部材381は作動油OLが供給されることで膨張し、この膨張した蛇腹状の袋部材381により、移動体32が下側に押圧される。
一方、ダンパ装置20のピストン22は、上部構造物101により上側に押し上げられる。そうすると、ダンパ装置20の第3油圧室212内の作動油OLは、第3配管251及びバイパス管251aを通って油路切替装置30の蛇腹状の袋部材382に供給される(図中、白抜き矢印参照)。
蛇腹状の袋部材382は作動油OLが供給されることで膨張し、この膨張した蛇腹状の袋部材382により、移動体32が下側に押圧される。
これら蛇腹状の袋部材381、382の下側への押圧力により、移動体32が下側に移動すると、移動体32の油路321(図3参照)は、第2配管152及び第3配管251に整合する位置に移動する。
そうすると、ダンパ装置10の第2油圧室113と、ダンパ装置20の第3油圧室212とが、第2配管152と、油路321と、第3配管251とを介して連通する。
制振装置1では、第2油圧室113と、第3油圧室212と、第2配管152と、油路321と、第3配管251とにより閉じた空間が形成され、ピストン12、22の移動によりこの閉じた空間内の作動油OLの圧力が高くなる。
その結果、ピストン12、22の移動が抑制され、ピストン12、22に接続された上部構造物101の右側への傾きが抑制される。
そして、図4の下段に示すように、ロッキングにより上部構造物101が左側に傾いた場合、ダンパ装置10のピストン12は、上部構造物101により上側に押し上げられる。そうすると、ダンパ装置10の第1油圧室112内の作動油OLは、第1配管151及びバイパス管151aを通って油路切替装置30の蛇腹状の袋部材391に供給される(図中、白抜き矢印参照)。
蛇腹状の袋部材391は作動油OLが供給されることで膨張し、この膨張した蛇腹状の袋部材391により、移動体32が上側に押圧される。
一方、ダンパ装置20のピストン22は、上部構造物101により下側に押し下げられる。そうすると、ダンパ装置20の第4油圧室213内の作動油OLは、第4配管252及びバイパス管252aを通って油路切替装置30の蛇腹状の袋部材392に供給される(図中、白抜き矢印参照)。
蛇腹状の袋部材392は作動油OLが供給されることで膨張し、この膨張した蛇腹状の袋部材392により、移動体32が上側に押圧される。
これら蛇腹状の袋部材391、392の上側への押圧力により、移動体32が上側に移動すると、移動体32の油路324(図3参照)は、第1配管151及び第4配管254に整合する位置に移動する。
そうすると、ダンパ装置10の第1油圧室112と、ダンパ装置20の第4油圧室213とが、第1配管151と、油路324と、第4配管252とを介して連通する。
制振装置1では、第1油圧室112と、第4油圧室213と、第1配管151と、油路324と、第4配管252とにより閉じた空間が形成され、ピストン12、22の移動によりこの閉じた空間内の作動油の圧力が高くなる。
その結果、ピストン12、22の移動が抑制され、ピストン12、22に接続された上部構造物101の左側への傾きが抑制される。
このように、構造物100(上部構造物101)がロッキングした場合、油路切替装置30によりダンパ装置10の油圧室(112又は113)と、ダンパ装置20の油圧室(212又は213)とが連通するように作動油OLの油路が切り換えられる結果、構造物100のロッキングが、ダンパ装置10、20により抑制される。
次に、構造物100(上部構造物101)が、垂直面内の上下方向に振動する場合について説明する。
図5の上段に示すように、地震などの上下方向の振動により上部構造物101が下側に変位した場合、各々のダンパ装置10、20では、ピストン12、22は、上部構造物101によりそれぞれ下側に押し下げられる。
そうすると、ダンパ装置10のシリンダ11の第2油圧室113内の作動油OLは、第2配管152及びバイパス管152aを通って油路切替装置30の蛇腹状の袋部材381に供給される。
蛇腹状の袋部材381は作動油OLが供給されることで膨張し、この膨張した蛇腹状の袋部材381により、移動体32が下側に押圧される。
一方、ダンパ装置20の第4油圧室213内の作動油OLが、第4配管252及びバイパス管252aを通って油路切替装置30の蛇腹状の袋部材392に供給される(図中、白抜き矢印)。
蛇腹状の袋部材392は作動油OLが供給されることで膨張し、この膨張した蛇腹状の袋部材392により、移動体32が上側に押圧される。
その結果、移動体32は、蛇腹状の袋部材381と蛇腹状の袋部材392とにより上下方向から押圧されるので、押圧力が釣り合い、上下方向の何れにも移動しない。
そのため、移動体32は基本位置(図2の位置)に位置し、移動体32の油路321〜324の何れも、配管151、152、251、252に整合しない。
制振装置1では、移動体32の閉塞部325により第2配管152が閉塞されるため、第2配管152及び第2油圧室113は密閉状態となる。
その結果、ピストン12は、第2油圧室113の作動油OLにより、貫通孔121の内径の大きさに応じた抵抗を受け、下側への移動が抑制される。
また、制振装置1では、移動体32の閉塞部325により第4配管252が閉塞されるため、第4配管252及び第4油圧室213は密閉状態となる。
その結果、ピストン22は、第4油圧室213の作動油OLにより、貫通孔221の内径の大きさに応じた抵抗を受け、下側への移動が抑制される。
よって、ピストン12、22に接続された構造物100(上部構造物101)の下方への移動が抑制される。
次に、図5の下段に示すように、地震などの上下方向の振動により上部構造物101が上側に変位した場合、各々のダンパ装置10、20では、ピストン12、22は、上部構造物101によりそれぞれ上側に押し上げられる。
そうすると、ダンパ装置10の第1油圧室112内の作動油OLは、第1配管151及びバイパス管151aを通って油路切替装置30の蛇腹状の袋部材391に供給される(図中、白抜き矢印)。
蛇腹状の袋部材391は作動油OLが供給されることで膨張し、この膨張した蛇腹状の袋部材391により、移動体32が上側に押圧される。
一方、制振装置1では、ダンパ装置20の第3油圧室212内の作動油OLは、第3配管251及びバイパス管251aを通って油路切替装置30の蛇腹状の袋部材382に供給される(図中、白抜き矢印)。
蛇腹状の袋部材382は作動油OLが供給されることで膨張し、この膨張した蛇腹状の袋部材382により、移動体32が下側に押圧される。
その結果、移動体32は、蛇腹状の袋部材382と蛇腹状の袋部材391とにより上下方向から押圧されるので、上下方向の何れにも移動しない。
そのため、移動体32は基本位置(図2の位置)に位置し、移動体32の油路321〜324の何れも、配管151、152、251、252に整合しない。
制振装置1では、移動体32により第1配管151が閉塞されるため、ダンパ装置10では、第1配管151及び第1油圧室112は密閉状態となる。
その結果、ピストン12は、第1油圧室112の作動油OLにより、貫通孔121の内径の大きさに応じた抵抗を受け、上側への移動が抑制される。
また、制振装置1では、移動体32により第3配管251が閉塞されるため、第3配管251及び第3油圧室212は密閉状態となる。
その結果、ピストン22は、第3油圧室212の作動油OLにより、貫通孔221の内径の大きさに応じた抵抗を受け、上側への移動が抑制される。
よって、ピストン12、22に接続された構造物100(上部構造物101)の上方への移動が抑制される。
以上の通り、実施の形態では、
(1)構造物100の振動を抑制する制振装置1であって、下部構造物102(構造物100の下側)に配置されたダンパ装置10(第1ダンパ装置)と、ダンパ装置10と間隔をあけて配置されたダンパ装置20(第2ダンパ装置)と、を備え、ダンパ装置10は、ピストン12を挟んだ一方側に設けられた第1油圧室112と、他方側に設けられた第2油圧室113とを有していると共に、ダンパ装置20は、ピストン12を挟んだ一方側に設けられた第3油圧室212と、他方側に設けられた第4油圧室213とを有しており、第1油圧室112と第4油圧室213または第2油圧室113と第3油圧室212の連通/非連通を切り替える油路切替装置30と、を備える構成とした。
このように構成すると、制振装置1では、油路切替装置30により、ダンパ装置10の油圧室(第1油圧室112、第2油圧室113)とダンパ装置20の油圧室(第3油圧室212、第4油圧室213)との連通/非連通が切り換えられるので、各油圧室の連通時には、構造物100のロッキングを抑制することができ、非連通時には、構造物100の上下方向の振動を抑制することができる。
また、ダンパ装置10、20のピストン12、22と、シリンダ11、21に充填された作動油OLの抵抗により、構造物100のロッキングと上下方向の振動を抑制できるので、外部動力が必要なく、設備コストと運用コストを安価にすることができる。
(2)油路切替装置30は、作動油OLが充填された密閉容器31と、密閉容器31内を移動可能に設けられた移動体32と、を備え、移動体32は、第1油圧室112と第4油圧室213とを連通させる油路323または油路324(第1油路)と、第2油圧室113と第3油圧室212とを連通させる油路321または322(第2油路)と、第1油圧室112と第4油圧室213および第2油圧室113と第3油圧室212とを非連通にする閉塞部325(移動体32の油路以外の壁部)と、を備えた構成とした。
このように構成すると、油路切替装置30では、密閉容器31内を移動する移動体32に設けられた油路321〜324と閉塞部325により、ダンパ装置10の油圧室(第1油圧室112、第2油圧室113)とダンパ装置20の油圧室(第3油圧室212、第4油圧室213)との連通/非連通を簡単に切り換えることができる。
(3)移動体32を、基本位置(図2に示す位置)と変位位置(図4に示す位置)との間で移動させる移動体駆動装置37をさらに備え、移動体駆動装置37は、移動体32が、基本位置である場合、第1油圧室112と第4油圧室213および第2油圧室113と第3油圧室212とを非連通にし、移動体32が、変位位置である場合、第1油圧室112と第4油圧室213とを連通させると共に、第2油圧室113と第3油圧室212とを連通させる構成とした。
このように構成すると、移動体駆動装置37により、密閉容器31内での移動体32の位置を基本位置と変位位置との間で変えることができ、ダンパ装置10の油圧室(第1油圧室112、第2油圧室113)とダンパ装置20の油圧室(第3油圧室212、第4油圧室213)との連通/非連通を簡単に切り換えることができる。
(4)移動体駆動装置37は、密閉容器31内における移動体32の一方側(上側)と他方側(下側)とに設けられると共に、移動体32を、密閉容器31内の下側に押圧する上側押圧部材38(第1押圧機構)と、移動体32を、密閉容器31内の上側に押圧する下側押圧部材39(第2押圧機構)と、上側または下側に押圧された移動体32を、押圧方向と逆方向に移動させる上側コイルバネ35または下側コイルバネ36(戻し機構)とを有する構成とした。
このように構成すると、上側コイルバネ35と下側コイルバネ36とにより、移動体32を押圧方向と逆方向に移動させることができるので、押圧された移動体32を戻すための外部動力を必要とせず、密閉容器31内における移動体32の位置を調整することができる。
(5)上側押圧部材38は、移動体32の下側に伸縮可能に設けられた蛇腹状の袋部材381(第1の袋部材)と蛇腹状の袋部材382(第2の袋部材)と、を有し、下側押圧部材39は、移動体32の上側に伸縮可能に設けられた蛇腹状の袋部材391(第3の袋部材)と蛇腹状の袋部材392(第4の袋部材)と、を有し、蛇腹状の袋部材381と第2油圧室113とを接続するバイパス管152a(第1バイパス管)と、蛇腹状の袋部材391と第1油圧室112とを接続するバイパス管151a(第2バイパス管)と、蛇腹状の袋部材382と第3油圧室212とを接続するバイパス管251a(第3バイパス管)と、蛇腹状の袋部材392と第4油圧室213とを接続するバイパス管252a(第4バイパス管)と、を備えている構成とした。
このように構成すると、第2油圧室113の作動油OLはバイパス管152aを介して蛇腹状の袋部材381に供給され、この蛇腹状の袋部材381は供給された作動油OLにより膨張する。また、第3油圧室212の作動油OLはバイパス管251aを介して蛇腹状の袋部材382に供給され、蛇腹状の袋部材382は供給された作動油OLにより膨張する。
さらに、第1油圧室の作動油OLはバイパス管151aを介して蛇腹状の袋部材391に供給され、蛇腹状の袋部材391は供給された作動油OLにより膨張する。また、第4油圧室213の作動油OLはバイパス管252aを介して蛇腹状の袋部材392に供給され、蛇腹状の袋部材392は供給された作動油OLにより膨張する。
よって、これら膨張した蛇腹状の袋部材381と382とにより、移動体32が下側に押圧され、膨張した蛇腹状の袋部材391と392とにより、移動体32が上側に押圧される。
(6)垂直方向から見た断面視における構造物100(下部構造物102)の対角位置に、ダンパ装置10とダンパ装置20とが設けられている構成とした。
このように構成すると、制振装置1により、構造物100の前後方向の振動と左右方向の振動の両方を抑制することができる。
(7)ダンパ装置10(第1ダンパ装置)とダンパ装置20(第2ダンパ装置)の周囲には、複数の免震装置50、50が設けられている構成とした。
免震装置50、50は、高層ビルディングなどの上部構造物101の振動エネルギーを減衰させる一方、振動により前後左右に交互に傾いて揺れるロッキングを起こしやすい。
このように構成すると、免震装置50、50により発生した上部構造物101のロッキングを、ダンパ装置10、20で効果的に抑制することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2の実施の形態にかかる制振装置1Aを説明する。
図6は、第2の実施の形態にかかる制振装置1Aの油路切替装置30Aの断面図である。
図7は、図6のC−C部断面図である。
図6に示すように、第2の実施の形態にかかる油路切替装置30Aは、上側押圧部材38、下側押圧部材39として蛇腹状の袋部材381、382、391、392、戻し機構として上側コイルバネ35、下側コイルバネ36を用いる代わりに、上側押圧部材38、下側押圧部材39として蛇腹状の板バネ40を用いた点が、前述した実施の形態と異なる構成である。
他の構成については、前述した実施の形態と同じであるので、同一の構成については同一の番号を付し、必要に応じて説明する。
油路切替装置30Aでは、密閉容器31と移動体32との間に、蛇腹状の板バネ40が設けられており、この蛇腹状の板バネ40は、複数の板状部材41を山折りと谷折りで繰り返して接続して形成されている。このため蛇腹状の板バネ40は、上下方向に伸縮可能となっている。
図7に示すように、蛇腹状の板バネ40は、密閉容器31と移動体32との間を通流する作動油OLの油路断面積に整合する形状となっており、作動油OLの油路断面を横切るように配置されている。
よって、図6に示すように、密閉容器31と移動体32との間の空間は、蛇腹状の板バネ40を挟んで、各々独立した油密の密閉空間S1、S2、S3、S4に仕切られる。
そのため、第1配管151、第2配管152、第3配管251、第4配管252から、密閉容器31と移動体32との間に供給された作動油OL(矢印参照)は、蛇腹状の板バネ40を超えて他方側の密閉空間には侵入できないようになっている。
その結果、例えば、この密閉空間S1に、第2配管152を介して作動油OLが供給されると、供給された作動油OLの分だけ密閉空間S1が膨張して、上側の蛇腹状の板バネ40は上下方向に広がって伸びる。
そして、移動体32は、蛇腹状の板バネ40と供給された作動油OLによって下側に押圧される。
一方、例えば、密閉空間S4に、第4配管252を介して作動油OLが供給されると、供給された作動油OLの分だけ密閉空間S4が膨張して、下側の板バネ40は上下方向に広がって伸びる。
その結果、移動体32は、蛇腹状の板バネ40と供給された作動油OLによって上側に押圧される。
以上の通り、第2の実施の形態では、
(8)上側押圧部材38(第1押圧機構)は、移動体32の下側に伸縮可能に設けられると共に、密閉容器31と移動体32との間の空間を、密閉空間S1(第1密閉空間)と密閉空間S2(第2密閉空間)とに仕切る蛇腹状の板バネ40(第1板状部材)を有し、下側押圧部材39(第2押圧機構)は、移動体32の上側に伸縮可能に設けられると共に、密閉容器31と移動体32との間の空間を、密閉空間S3(第3密閉空間)と密閉空間S4(第4密閉空間)とに仕切る蛇腹状の板バネ40(第2板状部材)を有し、密閉空間S1と第2油圧室113とを接続するバイパス管152a(第1バイパス管)と、密閉空間S3と第1油圧室112とを接続するバイパス管151a(第2バイパス管)と、密閉空間S2と第3油圧室212とを接続するバイパス管251a(第3バイパス管)と、密閉空間S4と第4油圧室213とを接続するバイパス管252a(第4バイパス管)と、を備えている構成とした。
このように構成すると、板状バネ40、40により、密閉容器31と移動体32との間の空間を、各々油密に独立した密閉空間S1〜S4に仕切ることができる。よって、この密閉空間S1〜S4に作動油OLを供給することで、各々の密閉空間S1〜S4が膨張して、移動体を押圧する。
これにより、前述したように、蛇腹状の袋部材とコイルバネを設ける必要がなく、袋部材とコイルバネが無くなった分だけ部品点数を少なくすることができ、製造コストを安価にすることができる。
なお、前記した実施の形態では、伸縮可能な袋状の蛇腹状の袋部材381、382、391、392、又は蛇腹状の板バネ40を用いて、移動体32を上下方向に押圧する構成を例示して説明したが、供給された作動油OLを利用して移動体32を上下方向に押圧する構成であればこれに限定されるものではない。
また、前述した実施の形態では、ダンパ装置10に接続された第1配管151と第2配管152とを交差させて、油路切替装置30に接続する場合を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、ダンパ装置20に接続された第3配管251と第4配管252とを交差させて油路切替装置30に接続してもよい。この場合、ダンパ装置10に接続された第1配管151と第2配管152は、並行した状態で油路切替装置30に接続する。
また、前述した作動油OLは、油に限定されるものではなく、非圧縮性流体であれば良い。
また、前述した実施の形態では、高層ビルディングなどの重心の高い構造物の振動を抑制する制振装置に適用する場合を例示して説明したが、振動を抑制する被対象物はこれに限定されない。
例えば、前述した制振装置1、1Aを横方向に配置して、構造物の横方向の振動を抑止するようにしてもよい。
なお、前述した実施の形態では、垂直方向から見た断面視における構造物100の対角位置(領域K1と領域K3または領域K2と領域K4)に、ダンパ装置10とダンパ装置20が設けられている構成を例示して説明したが、ダンパ装置10とダンパ装置20の配置はこれに限定されるものではない。
例えば、、ダンパ装置10とダンパ装置20を、垂直方向から見た断面視における構造物100の一対の辺の近傍に設けてもよい。
1:制振装置、10:ダンパ装置、11:シリンダ、111:側壁、112:第1油圧室、113:第2油圧室、12:ピストン、121:貫通孔、13:ピストンロッド、14:固定部材、15:配管、151:第1配管、152:第2配管、151a:バイパス管、152a:バイパス管、20:ダンパ装置、21:シリンダ、211:側壁、212:第3油圧室、213:第4油圧室、22:ピストン、221:貫通孔、23:ピストンロッド、24:固定部材、25:配管、251:第3配管、252:第4配管、251a:バイパス管、252a:バイパス管、30:油路切替装置、31:密閉容器、311、312:側壁、32:移動体、321、322、323、324:油路、325:閉塞部、35:上側コイルバネ、36:下側コイルバネ、37:移動体駆動装置、38:上側押圧部材、381、382:蛇腹状の袋部材、39:下側押圧部材、391、392:蛇腹状の袋部材、40:蛇腹状の板バネ、50:免震装置、100:構造物、101:上部構造物、102:下部構造物、OL:作動油、K1〜K5:領域

Claims (8)

  1. 構造物の振動を抑制する制振装置であって、
    前記構造物の下側に配置された第1ダンパ装置と、
    前記第1ダンパ装置と間隔をあけて配置された第2ダンパ装置と、を備え、
    前記第1ダンパ装置は、ピストンを挟んだ一方側に設けられた第1油圧室と、他方側に設けられた第2油圧室とを有していると共に、
    前記第2ダンパ装置は、ピストンを挟んだ一方側に設けられた第3油圧室と、他方側に設けられた第4油圧室とを有しており、
    前記第1油圧室と前記第4油圧室または前記第2油圧室と前記第3油圧室の連通/非連通を切り替える油路切替装置と、を備えた制振装置。
  2. 前記油路切替装置は、
    作動油が充填された密閉容器と、
    前記密閉容器内を移動可能に設けられた移動体と、を備え、
    前記移動体は、
    前記第1油圧室と前記第4油圧室とを連通させる第1油路と、
    前記第2油圧室と前記第3油圧室とを連通させる第2油路と、
    前記第1油圧室と前記第4油圧室および前記第2油圧室と前記第3油圧室とを非連通にする閉塞部と、を備えた請求項1に記載の制振装置。
  3. 前記移動体を、基本位置と変位位置との間で移動させる移動体駆動装置をさらに備え、
    前記移動体駆動装置は、
    前記移動体が、前記基本位置である場合、前記第1油圧室と前記第4油圧室および前記第2油圧室と前記第3油圧室とを非連通にし、
    前記移動体が、前記変位位置である場合、前記第1油圧室と前記第4油圧室とを連通させると共に、前記第2油圧室と前記第3油圧室とを連通させる請求項1または請求項2に記載の制振装置。
  4. 前記移動体駆動装置は、
    前記密閉容器内における前記移動体の一方側と他方側とに設けられると共に、
    前記移動体を、前記密閉容器内の前記他方側に押圧する第1押圧機構と、
    前記移動体を、前記密閉容器内の前記一方側に押圧する第2押圧機構と、
    前記一方側または前記他方側に押圧された前記移動体を、押圧方向と逆方向に移動させる戻し機構とを有する請求項3に記載の制振装置。
  5. 前記第1押圧機構は、
    前記移動体の前記他方側に伸縮可能に設けられた蛇腹状の第1の袋部材と第2の袋部材と、を有し、
    前記第2押圧機構は、
    前記移動体の前記一方側に伸縮可能に設けられた蛇腹状の第3の袋部材と、第4の袋部材と、を有し、
    前記第1の袋部材と前記第2油圧室とを接続する第1バイパス管と、
    前記第3の袋部材と前記第1油圧室とを接続する第2バイパス管と、
    前記第2の袋部材と前記第3油圧室とを接続する第3バイパス管と、
    前記第4の袋部材と前記第4油圧室とを接続する第4バイパス管と、を備える請求項4に記載の制振装置。
  6. 前記第1押圧機構は、
    前記移動体の前記他方側に伸縮可能に設けられると共に、前記密閉容器と前記移動体との間の空間を、第1密閉空間と第2密閉空間とに仕切る蛇腹状の第1板状部材を有し、
    前記第2押圧機構は、
    前記移動体の前記一方側に伸縮可能に設けられると共に、前記密閉容器と前記移動体との間の空間を、第3密閉空間と第4密閉空間とに仕切る蛇腹状の第2板状部材を有し、
    前記第1密閉空間と前記第2油圧室とを接続する第1バイパス管と、
    前記第3密閉空間と前記第1油圧室とを接続する第2バイパス管と、
    前記第2密閉空間と前記第3油圧室とを接続する第3バイパス管と、
    前記第4密閉空間と前記第4油圧室とを接続する第4バイパス管と、を備える請求項4に記載の制振装置。
  7. 垂直方向から見た断面視における前記構造物の対角位置に、前記第1ダンパ装置と第2ダンパ装置が設けられている請求項1に記載の制振装置。
  8. 前記第1ダンパ装置と前記第2ダンパ装置の周囲には、複数の免震装置が設けられている請求項1に記載の制振装置。
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