JP6052889B2 - 構造物の振動抑制装置 - Google Patents

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Description

本発明は、構造物の振動を抑制するための構造物の振動抑制装置に関する。
従来、この種の振動抑制装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この振動抑制装置が適用された構造物は、鉛直に延びる内周柱と、内周柱の外周に配置されるとともに、鉛直に延びる外周柱と、内周柱の上端部から外周柱に向かって延びる上端部梁を備えている。振動抑制装置は、ダンパを有しており、このダンパは、シリンダ、ピストン、及びシリンダに充填された作動油から成る油圧式のものであり、上端部梁と外周柱に直結されている。地震などにより構造物が振動すると、構造物の変位がダンパに伝達され、それに伴って発生したダンパによる減衰力が、振動による構造物の曲げ変形を抑制するように作用する。
特許第4508573号
近年、地震などによる構造物の振動に伴う変位を回転マスの回転運動に変換することにより、回転マスの回転慣性効果を得ることによって構造物の振動を抑制するタイプの振動抑制装置が知られている。この種のマスダンパを上述したダンパとして従来の振動抑制装置に適用した場合には、次のような不具合がある。すなわち、この場合には、構造物の振動を抑制すべく、回転マスの回転慣性効果を十分に得るために、構造物の振動に伴う変位をマスダンパに適切に伝達することによって、回転マスの回転量を増大させるのが好ましい。これに対して、従来の振動抑制装置では、マスダンパが上端部梁及び外周柱に直結されるため、マスダンパに伝達される構造物の変位が小さくなり、それにより回転マスの回転量が小さくなることによって、回転マスの回転慣性効果が十分に得られず、ひいては、構造物の振動を適切に抑制することができないおそれがある。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、構造物の変位をマスダンパに適切に伝達でき、それにより回転マスの回転量を増大させ、ひいては、構造物の振動を適切に抑制することができる構造物の振動抑制装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明による構造物の振動抑制装置は、柱材で構成され、水平方向に延びるとともに、一端部が構造物の上端部の所定の部位である第1部位に連結され、他端部が構造物の上端部の水平方向の端部である第2部位よりも上方に位置する第1支持部材と、第1支持部材の他端部に固定され、上下方向に延びる筒状の本体部、本体部に対して上下方向に移動自在の可動部、及び、回転自在の回転マスを有し、本体部に対する可動部の変位を回転マスの回転運動に変換するマスダンパと、柱材で構成され、第2部位に固定されるとともに、第2部位から上方に延びる第1部材、及び、柱材で構成され、第1部材の上端部から第1部位側に延びるとともに、マスダンパよりも上方に位置する第2部材を有する第2支持部材と、第2部材に取り付けられた第1滑車と、本体部の上端部及び下端部にそれぞれ取り付けられた第2滑車及び第3滑車と、第2部位に取り付けられた第4滑車と、一端部が可動部の上端部に接続され、他端部が第2部材に接続されるとともに、第1及び第2滑車に巻き回された第1ケーブルと、一端部が可動部の下端部に接続され、他端部が第2部位に接続されるとともに、第3及び第4滑車に巻き回された第2ケーブルと、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、柱材で構成された第1支持部材が、水平方向に延びており、その一端部が構造物の上端部の所定の部位である第1部位に連結されるとともに、第1支持部材の他端部が、構造物の上端部の水平方向の端部である第2部位よりも上方に位置している。また、マスダンパの本体部が、第1支持部材の他端部に固定されるとともに、上下方向に延びており、本体部に対するマスダンパの可動部の変位が、回転マスの回転運動に変換される。さらに、柱材で構成された第2支持部材の第1部材が、第2部位に固定されるとともに、第2部位から上方に延びており、柱材で構成された第2支持部材の第2部材が、第1部材の上端部から第1部位側に延びるとともに、マスダンパよりも上方に位置している。また、第1ケーブルの一端部がマスダンパの可動部の上端部に、他端部が第2部材に、それぞれ接続されており、第2ケーブルの一端部がマスダンパの可動部の下端部に、他端部が構造物の第2部位に、それぞれ接続されている。
地震などにより構造物が振動すると、構造物が高層の場合には特に、構造物のせん断変形よりも曲げ変形が卓越するため、構造物の振動は、その上端側がほぼ円弧状の軌跡を描きながら水平方向に繰り返し往復動するような態様(以下「構造物の揺動」という)で行われる。また、マスダンパ、第1及び第2支持部材が上述したように設けられているため、上記の構造物の揺動に伴い、マスダンパの本体部が、第2支持部材の第2部材及び構造物の第2部位に対して上下方向に繰り返し往復動する。この場合、マスダンパの可動部が第1及び第2ケーブルを介して第2部材及び第2部位にそれぞれ連結されているため、構造物の揺動に伴い、可動部は、本体部に対して上下方向に繰り返し往復動する。
また、第2部材には第1滑車が、本体部の上端部及び下端部には第2滑車及び第3滑車が、第2部位には第4滑車が、それぞれ取り付けられている。さらに、第1及び第2滑車には第1ケーブルが、第3及び第4滑車には第2ケーブルが、それぞれ巻き回されている。以上により、構造物が振動により上述したように揺動したときに、第1及び第2滑車の一方は他方に対して、第3及び第4滑車の一方は他方に対して、いわゆる動滑車として機能するので、本体部に対する可動部の変位が増大され、この可動部の変位が、前述したように回転マスの回転運動に変換される。
以上のように、構造物の振動に伴う第1及び第2部位の間の相対変位を、第1及び第2支持部材、第1及び第2ケーブル並びに第1〜第4滑車を介して、マスダンパに増幅した状態で適切に伝達できるので、それにより回転マスの回転量を増大させることができる。したがって、マスダンパ、第1及び第2支持部材並びに第1及び第2ケーブルから成る付加振動系の固有振動数を構造物の固有振動数に同調させることによって、回転マスの回転慣性効果を十分に得ることができ、ひいては、構造物の振動を適切に抑制することができる。
また、構造物が振動により揺動したときに、マスダンパの本体部は、第2支持部材の第2部材及び構造物の第2部位に対して、実際には、第1部位を中心とするほぼ円弧状の軌跡を描きながら、上下方向に往復動する。このように、本体部は、第2部材及び第2部位に対して、上下方向のみならず、横方向にも往復動する。これに対して、上述した構成によれば、可動部が、可撓性を有する第1及び第2ケーブルを介して、第2部材及び第2部位にそれぞれ連結されているので、構造物の振動に伴う変位を、マスダンパに支障なく伝達することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の構造物の振動抑制装置において、本体部は、上下方向に延びる筒状の周壁と、周壁の上端部及び下端部にそれぞれ一体に設けられた上壁及び下壁とから成る第1シリンダで構成され、第1シリンダには、第1作動流体が充填されており、可動部は、第1シリンダ内を上下方向に摺動自在の第1ピストンで構成されており、マスダンパは、第1ピストンをバイパスするように第1シリンダに接続されたバイパス通路と、バイパス通路に設けられ、バイパス通路内における第1作動流体の流動を回転運動に変換し、回転マスに伝達する動力変換機構と、をさらに有し、第1ケーブルは、上壁を貫通するとともに、第1シリンダに部分的に収容されており、第2ケーブルは、下壁を貫通するとともに、第1シリンダに部分的に収容されていることを特徴とする。
この構成によれば、マスダンパの本体部が第1シリンダで構成されており、その内部には、第1作動流体が充填されている。また、マスダンパの可動部は、第1ピストンで構成されており、第1ピストンは、第1シリンダ内を上下方向に摺動自在である。第1シリンダには、バイパス通路が、第1ピストンをバイパスするように接続されている。バイパス通路には、動力変換機構が設けられており、動力変換機構は、バイパス通路内における第1作動流体の流動を回転運動に変換し、回転マスに伝達する。
請求項1に係る発明の説明から明らかなように、前述した構造物の振動による揺動に伴い、第1ピストンが第1シリンダ内を上下方向に摺動する。これにより、第1シリンダ及びバイパス通路内の第1作動流体に流動が生じ、第1作動流体の流動が動力変換機構を介して回転マスに伝達されることで、回転マスが回転する。以上により、請求項1に係る発明による効果を同様に得ることができる。この場合、第1及び第2ケーブルが、ピストンロッドを介さずに、第1ピストンに直接、接続されているので、その分、装置の部品点数を削減することができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の構造物の振動抑制装置において、第1支持部材は、第1及び第2柱材で構成されており、第1及び第2柱材の一端部は、第1部位の互いに異なる高さ位置に、固定されずに当接しており、第1及び第2柱材の他端部は、互いに連結されるとともに、本体部に固定されており、第1及び第2柱材には、マスダンパの反力を制限するための反力制限機構がそれぞれ設けられており、反力制限機構はそれぞれ、第1及び第2柱材のうちの対応する柱材の一端部、及び第1部位の一方に固定されるとともに、第2作動流体が充填された第2シリンダと、第2シリンダ内を第2シリンダの軸線方向に摺動自在の第2ピストンと、第2ピストンに一体に設けられるとともに、第1及び第2柱材のうちの対応する柱材の一端部、及び第1部位の他方に固定されたピストンロッドと、構造物の振動に伴って第1及び第2柱材に引張力が作用したときに、引張力が作用した柱材に対応する第2シリンダ内の第2ピストンの両側に画成された2つの流体室のうち、第2作動流体が第2ピストンにより圧縮される方の流体室内における第2作動流体の圧力が所定値に達したときに、2つの流体室を連通させるリリーフ弁と、構造物の振動に伴って第1及び第2柱材の一端部が第1部位側に移動するときにのみ、移動した柱材に対応する2つの流体室を連通させる逆止弁と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、第1支持部材が第1及び第2柱材で構成されている。第1及び第2柱材の一端部は、構造物の第1部位の互いに異なる高さ位置に、固定されずに当接しており、第1及び第2柱材の他端部は、互いに連結されるとともに、マスダンパの本体部に固定されている。また、第1及び第2柱材には、マスダンパの反力を制限するための反力制限機構がそれぞれ設けられており、反力制限機構はそれぞれ、第2シリンダ、第2ピストン、ピストンロッド、リリーフ弁及び逆止弁を有している。第2シリンダは、第1及び第2柱材のうちの対応する柱材の一端部及び第1部位の一方に固定されており、第2ピストンと一体のピストンロッドは、第1及び第2柱材のうちの対応する柱材の一端部及び第1部位の他方に固定されている。また、第2シリンダ内には、第2作動流体が充填されており、第2ピストンは、第2シリンダ内を摺動自在である。以上のように、第1支持部材の第1及び第2柱材の一端部は、反力制限機構を介して、構造物の第1部位に連結されている。
また、請求項1に係る発明の説明から明らかなように、構造物の振動による揺動に伴い、マスダンパの反力が第1支持部材の第1及び第2柱材に作用し、このマスダンパの反力の分力としての押圧力と引張力が、第1及び第2柱材に交互に繰り返し作用する。この場合、第1柱材に押圧力が作用しているときには、第2柱材に引張力が作用し、これとは逆に、第1柱材に引張力が作用しているときには、第2柱材に押圧力が作用する。また、マスダンパからの引張力が第1及び第2柱材に作用すると、それに伴い、引張力が作用した柱材に対応する第2シリンダ内の第2ピストンの両側に画成された2つの流体室のうちの一方における第2作動流体が、第2ピストンで圧縮される。
前述した構成によれば、構造物の振動に伴って第1及び第2柱材に引張力が作用したときに、引張力が作用した柱材に対応する第2シリンダ内の2つの流体室のうち、第2作動流体が第2ピストンにより圧縮される方の流体室内における第2作動流体の圧力が所定値に達したときに、リリーフ弁が2つの流体室を連通させる。これにより、マスダンパの反力が構造物の振動に同調して過大になるようなときに、2つの流体室をリリーフ弁で連通させることで、引張力による構造物の第1部位に対する第1及び第2柱材の移動を許容することによって、マスダンパや第1及び第2柱材などから成る付加振動系の固有振動数を構造物の固有振動数と異ならせることができるので、マスダンパの反力を抑制できる。したがって、構造物、マスダンパ、第1及び第2支持部材、並びに第1及び第2ケーブルに過大な応力が発生するのを防止することができる。
また、第1及び第2柱材の一端部は、上述した構造物の振動に伴う引張力の作用により構造物の第2部位側に移動し、第1部位から一旦離れた後、押圧力の作用により、第1部位側に移動する。前述した構成によれば、構造物の振動に伴って第1及び第2柱材の一端部が第1部位側に移動するときにのみ、移動した柱材に対応する2つの流体室が逆止弁によって連通されるので、第1及び第2柱材の一端部を、第1部位に迅速に当接させ、初期位置に迅速に復帰させることができる。
本実施形態による振動抑制装置を、これを適用した構造物とともに概略的に示す図である。 振動抑制装置などの一部を拡大して示す図である。 振動抑制装置などの図2とは異なる部分を拡大して示す図である。 第1ケーブルや、第1滑車、第2滑車などを拡大して示す図である。 図3に示す反力制限機構の断面などを拡大して示す図である。 地震などにより振動した構造物や振動抑制装置を概略的に示す図である。 本発明者によって提案された図1とは異なる振動抑制装置を、これを適用した構造物とともに概略的に示す図である。 本発明者によって提案された図1及び図7とは異なる振動抑制装置を、これを適用した構造物とともに概略的に示す図である。 図8に示す反力制限機構の断面などを拡大して示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明では、図1の左側及び右側をそれぞれ「左」、「右」、上側及び下側をそれぞれ「上」、「下」、手前側及び奥側をそれぞれ「前」、「後」とする。図1に示す構造物Bは、多数の柱材及び梁材などで構成された高層の建築物であり、基礎Fに立設されている。また、構造物Bの右部には、ブレースが各層に設けられており、それにより、構造物Bの右部の剛性は、左部の剛性よりも高くなっている。
図1〜図3に示すように、本実施形態による振動抑制装置は、第1支持部材1、第2支持部材11及びマスダンパ21を備えている。第1支持部材1は、構造物Bの上端部の右部(以下「第1部位P1」という)と、構造物Bの上端部の左端部(以下「第2部位P2」という)との間の相対変位をマスダンパ21に伝達するためのものであり、上下一対の柱材2、2で構成され、左右方向に延びている。各柱材2は、H形鋼で構成されており、その右端部には、フランジ3が一体に設けられている(図3参照)。各柱材2のフランジ3は、構造物Bの第1部位P1(構造物Bの上端部の右部)に、固定されずに当接しており、後述する一対の反力制限機構41、41を介して、第1部位P1に連結されている。
また、第1部位P1に対する上側の柱材2のフランジ3の当接位置は、下側の柱材2のフランジ3のそれよりも上方に位置している(図1参照)。上側の柱材2は、第1部位P1から第2部位P2(構造物Bの上端部の左端部)に向かって斜め下方に延びており、下側の柱材2は、第1部位P1から第2部位P2に向かって斜め上方に延びており、両者2、2の他端部は、連結部材4を介して互いに連結されている。このように、上下一対の柱材2、2は、連結部材4を中心として、上下対称に配置されている。また、一対の柱材2、2の左端部及び連結部材4は、構造物Bの第2部位P2よりも上方に位置している(図2参照)。
第2支持部材11は、第1部位P1と第2部位P2の間の相対変位を、第1支持部材1と協働してマスダンパ21に伝達するためのものである。図2に示すように、第2支持部材11は、構造物Bの第2部位P2に固定され、第2部位P2から上方に延びる第1部材12と、第1部材12の上端部から右方に若干、延びる第2部材13と、第1部材12の下端部から右方に若干、延びる第3部材14を一体に有している。第1〜第3部材12〜14は、H形鋼で構成されており、第3部材14は、第1部材12と一緒に第2部位P2に固定されている。また、上述した第1支持部材1(一対の柱材2、2)の左端部及び連結部材4は、第2部材13と第3部材14の間に位置している。
マスダンパ21は、本出願人による特許第5191579号の図12などに記載されたマスダンパと基本的には同様に構成されているので、以下、その構成について簡単に説明する。マスダンパ21は、第1シリンダ22、第1ピストン23、バイパス通路24、歯車モータ25及び回転マス26を有している。
第1シリンダ22は、上下方向に延びる円筒状の周壁22aと、周壁22aの上端部及び下端部にそれぞれ一体に設けられた円板状の上壁22b及び下壁22cで構成されている。これらの周壁22a、上壁22b及び下壁22cによって画成された油室は、第1ピストン23によって上側の第1油室22d及び下側の第2油室22eに分割されており、両油室22d、22eには、第1作動油O1が充填されている。また、上下の壁22b、22cの各々の中央には、上下方向に貫通する案内孔22f、22gがそれぞれ形成されており、これらの案内孔22f、22gの各々には、シール(図示せず)が設けられている。
前記第1ピストン23は、円柱状に形成されており、第1シリンダ22内を上下方向に摺動自在である。第1ピストン23の周面には、シール23aが設けられており、第1ピストン23の上端部及び下端部には、後述する第1及び第2ケーブル31、32の一端部がそれぞれ接続されている。また、第1ピストン23には、第1及び第2リリーフ弁27、28が設けられている。第1リリーフ弁27は、第1油室22d内の第1作動油O1の圧力が第1所定値に達したときに開弁し、それにより、第1及び第2油室22d、22eが互いに連通される。第2リリーフ弁28は、第2油室22e内の第1作動油O1の圧力が第1所定値に達したときに開弁し、それにより第1及び第2油室22d、22eが互いに連通される。第1及び第2リリーフ弁27、28は、マスダンパ21の反力を制限するように作用する。その詳細な説明については、本出願人による特許第5161395号や特許第5191579号に記載されているので、省略する。
前記バイパス通路24は、第1シリンダ22に、第1ピストン23をバイパスするように接続されており、第1及び第2油室22d、22eに連通している。歯車モータ25は、外接歯車型のものであり、バイパス通路24の途中に設けられており、その歯車には、回転マス26が固定されている。回転マス26は、比重が比較的大きい材料、例えば鉄で構成され、円板状に形成されており、歯車モータ25の歯車と一体に回転自在である。バイパス通路24内において第1作動油O1の流動が生じると、当該第1作動油O1の流動が、歯車モータ25の歯車の回転運動に変換された状態で回転マス26に伝達され、それにより回転マス26が回転する。
また、振動抑制装置は、第1及び第2ケーブル31、32、並びに第1滑車33、第2滑車34、第3滑車35及び第4滑車36をさらに備えている。これらの第1及び第2ケーブル31、32並びに第1〜第4滑車33〜36は、構造物Bの第1部位P1と第2部位P2の間の相対変位を、第1及び第2支持部材1、11と協働してマスダンパ21に伝達するためのものである。第1及び第2ケーブル31、32は、鋼線で構成され、それらの剛性(ばね定数)が互いに同じ値に設定されており、両ケーブル31、32には、同じ大きさの所定のプレテンションが付与されている。また、第1ケーブル31、第1及び第2滑車33、34と、第2ケーブル32、第3及び第4滑車35、36は、マスダンパ21を中心として上下対称に配置されている。
第1ケーブル31は、第1シリンダ22の上壁22bの案内孔22fに上方から挿入され、第1シリンダ22に部分的に収容されており、その一端部が前述したように第1ピストン23の上端部に接続されている。また、第1ケーブル31は、その途中で第1及び第2滑車33、34に巻き回されており、第1ケーブル31の他端部は、第2支持部材11の第2部材13に接続されている。
図4に示すように、第1滑車33は、2つの滑車で構成され、第2支持部材11の第2部材13に取り付けられており、第2部材13から下方に突出している。また、第1滑車33を構成する2つの滑車は、互いに前後方向に並んでおり、前後方向に延びる軸線を中心として回転自在である。第2滑車34は、1つの滑車で構成され、マスダンパ21の第1シリンダ22の上壁22bに取り付けられるとともに、上壁22bから上方に突出しており、前後方向に延びる軸線を中心として回転自在である。第1ケーブル31は、上壁22bの案内孔22fから上方に延び、前側の第1滑車33に巻き回されて、下方に延び、さらに、第2滑車34に巻き回されて上方に延び、後ろ側の第1滑車33に巻き回され、第2部材13に向かって延びている。
第2ケーブル32は、第1シリンダ22の下壁22cの案内孔22gに下方から挿入され、第1シリンダ22に部分的に収容されており、その一端部が前述したように第1ピストン23の下端部に接続されている。また、第2ケーブル32は、その途中で第3及び第4滑車35、36に巻き回されており、第2ケーブル32の他端部は、第2支持部材11の第3部材14に接続されている。このように、第2ケーブル32の他端部は、第3部材14を介して、構造物Bの第2部位P2に接続されている。
また、図示は省略するものの、第4滑車36は、第1滑車33と同様に2つの滑車で構成され、第2支持部材11の第3部材14に取り付けられており、第3部材14から上方に突出している。このように、第4滑車36は、第3部材14を介して、構造物Bの第2部位P2に取り付けられている。また、第4滑車36を構成する2つの滑車は、互いに前後方向に並んでおり、前後方向に延びる軸線を中心として回転自在である。第3滑車35は、第2滑車34と同様に1つの滑車で構成され、マスダンパ21の第1シリンダ22の下壁22cに取り付けられるとともに、下壁22cから下方に突出しており、前後方向に延びる軸線を中心として回転自在である。第2ケーブル32は、下壁22cの案内孔22gから下方に延び、前側の第4滑車36に巻き回されて、上方に延び、さらに、第3滑車35に巻き回されて下方に延び、後ろ側の第4滑車36に巻き回され、第3部材14に向かって延びている。
第1ピストン23は、構造物Bが振動していないときには、前述したようにプレテンションが付与された第1及び第2ケーブル31、32の反力によって中立状態に保持され、それにより第1シリンダ22内の上下方向の中央に位置している。第1及び第2ケーブル31、32のプレテンションは、構造物Bの変位が所定値よりも大きくなったときに両ケーブル31、32の一方のプレテンションがなくなるように、設定されている。これにより、マスダンパ21の反力が制限される。その詳細な説明については、本出願人による特許第5269245号に開示されているので、省略する。
振動抑制装置は、前記反力制限機構41をさらに備えている。この反力制限機構41は、マスダンパ21の反力を制限するためのものであり、第1支持部材1の1つの柱材2に対して、2個ずつ設けられている(図3参照)。2つの反力制限機構41、41は、柱材2を中心として上下に対称に配置されている。図5に示すように、各反力制限機構41は、第2シリンダ42、第2ピストン43、ピストンロッド44、リリーフ弁45及び逆止弁46を有している。
第2シリンダ42は、左右方向に延びる円筒状の周壁42aと、本体部の左右の端部にそれぞれ一体に設けられた円板状の左右の側壁42b及び側壁42cで構成されており、その右側の側壁42cが、柱材2のフランジ3に固定されている。また、側壁42cの中央には、その軸線方向に貫通する案内孔42dが形成されている。さらに、上記の周壁42a及び左右の側壁42b、42cによって画成された油室は、第2ピストン43によって左側の第1油室42e及び右側の第2油室42fに分割されており、両油室42e、42fには、第2作動油O2が充填されている。
また、第1油室42eには、円柱状の第3ピストン47と、圧縮コイルばねで構成されたばね48が設けられている。これらの第3ピストン47及びばね48は、いわゆるアキュムレータとして機能することにより、第2作動油O2の温度変化による膨張/収縮を吸収するためのものである。第3ピストン47は、第2シリンダ42内をその軸線方向に移動自在であり、ばね48を介して左側の側壁42bに取り付けられている。また、第3ピストン47の周面には、シール47aが設けられている。なお、第3ピストン47及びばね48を省略してもよい。
第2ピストン43は、円柱状に形成されており、第2シリンダ42内をその軸線方向に移動自在である。第2ピストン43の周面には、シール43aが設けられている。ピストンロッド44は、左右方向に延びており、その左端部が第2ピストン43に一体に固定されている。また、ピストンロッド44は、第2シリンダ42に部分的に収容されるとともに、左側から順に、第2シリンダ42の右側の側壁42cの案内孔42d、柱材2のフランジ3の案内孔3a、及び構造物Bの第1部位P1に設けられた柱材Cの案内孔Hに挿入されており、ピストンロッド44の右端部は、ダブルナット49を介して、柱材Cに固定されている。
前記リリーフ弁45は、第2ピストン43に設けられており、第2シリンダ42の第2油室42f内の第2作動油O2の圧力が第2所定値に達したときに開弁し、それにより第1及び第2油室42e、42fが互いに連通される。さらに、逆止弁46は、第1油室42eから第2油室42fへの第2作動油O2の流入を許容する一方、これとは逆に、第2油室42fから第1油室42eへの第2作動油O2の流入を阻止する。
次に、以上の構成の振動抑制装置の動作について、本実施形態による効果と併せて説明する。地震などにより構造物Bが振動すると、構造物Bは、高層の建築物であることから、そのせん断変形よりも曲げ変形が卓越するため、図6に示すように、その上端側が円弧状の軌跡を描きながら、左右方向に繰り返し往復動する(以下、この構造物Bの左右方向への往復動を「構造物Bの揺動」という)。なお、図6では、便宜上、構造物Bが左側に揺動したときの構造物Bの外形を二点鎖線で示している。
これに対して、マスダンパ21、第1及び第2支持部材1、11が前述したように設けられているため、上記の構造物Bの揺動に伴い、マスダンパ21の第1シリンダ22が、第2支持部材11の第2部材13及び構造物Bの第2部位P2に対して上下方向に繰り返し往復動する。前述したように構造物Bの右部の剛性が左部の剛性よりも高いため、この第2部材13及び第2部位P2に対する第1シリンダ21の上下方向の移動量は、より大きくなる。この場合、マスダンパ21の第1ピストン23が第1及び第2ケーブル31、32を介して第2部材13及び第2部位P2にそれぞれ連結されているため、構造物Bの揺動に伴い、第1ピストン23は、第1シリンダ22内を上下方向に繰り返し往復動する。これにより、第1シリンダ22及びバイパス通路24内の第1作動油O1に流動が生じ、第1作動油O1の流動が歯車モータ25を介して回転マス26に伝達されることで、回転マス26が回転する。
また、第2部材13には第1滑車33が、第1シリンダ21の上壁22b及び下壁222cには第2滑車34及び第3滑車35が、第2部位P2(第3部材14)には第4滑車36が、それぞれ取り付けられている。さらに、第1及び第2滑車33、34には第1ケーブル31が、第3及び第4滑車35、36には第2ケーブル32が、それぞれ巻き回されている。以上により、構造物Bが振動により上述したように揺動したときに、第1及び第2滑車33、34の一方は他方に対して、第3及び第4滑車35、36の一方は他方に対して、いわゆる動滑車として機能するので、第1シリンダ22に対する第1ピストン23の変位が増大され、この第1ピストン23の変位が、上述したように回転マス26の回転運動に変換される。
以上のように、構造物Bの振動に伴う第1及び第2部位P1、P2の間の相対変位を、第1及び第2支持部材1、11、第1及び第2ケーブル31、32並びに第1〜第4滑車33〜36を介して、マスダンパ21に増幅した状態で適切に伝達できるので、それにより回転マス26の回転量を増大させることができる。したがって、マスダンパ21、第1及び第2支持部材1、11並びに第1及び第2ケーブル31、32から成る付加振動系の固有振動数を構造物Bの固有振動数に同調させることによって、回転マス26の回転慣性効果を十分に得ることができ、ひいては、構造物Bの振動を適切に抑制することができる。また、本実施形態では、マスダンパ21などから成る上記の付加振動系の固有振動数が、構造物Bの1次の固有振動数に同調するように、回転マス26の慣性質量、第1及び第2支持部材1、11、第1及び第2ケーブル31、32の剛性(ばね定数)、並びに第1作動油O1の粘性が設定されている。これにより、構造物Bの1次モードによる振動(1次の固有振動数)を適切に抑制することができる。
また、構造物Bが振動により揺動したときに、マスダンパ21の第1シリンダ22は、第2支持部材11の第2部材13及び構造物Bの第2部位P2に対して、実際には、第1部位P1を中心とするほぼ円弧状の軌跡を描きながら、上下方向に往復動する。このように、第1シリンダ21は、第2部材13及び第2部位P2に対して、上下方向のみならず、左右方向にも往復動する。これに対して、本実施形態によれば、第1ピストン23が、可撓性を有する第1及び第2ケーブル31、32を介して、第2部材13及び第2部位P2にそれぞれ連結されているので、構造物Bの振動に伴う変位を、マスダンパ21に支障なく伝達することができる。さらに、第1及び第2ケーブル31、32が、ピストンロッドを介さずに、第1ピストン23に直接、接続されているので、その分、装置の部品点数を削減することができる。
また、第1支持部材1が、一対の柱材2、2で構成されており、両者2、2の一端部(フランジ3)は、構造物Bの第1部位P1の互いに異なる高さ位置に、固定されずに当接している。また、各柱材2には、一対の反力制限機構41、41がそれぞれ設けられており、柱材2の一端部は、反力制限機構41、41を介して第1部位P1に連結されている。さらに、一対の柱材2、2の他端部は、連結部材4を介して、互いに連結されるとともに、マスダンパ21の第1シリンダ22に固定されている。
上述した構成から明らかなように、構造物Bの振動による揺動に伴い、マスダンパ21の反力が第1支持部材1の一対の柱材2、2に作用し、このマスダンパ21の反力の分力としての押圧力と引張力が、一対の柱材2、2に交互に繰り返し作用する。この場合、上側の柱材2に押圧力が作用しているときには、下側の柱材2に引張力が作用し、これとは逆に、下側の柱材2に押圧力が作用しているときには、上側の柱材2に引張力が作用する。また、マスダンパ21からの引張力が一対の柱材2、2に作用すると、それに伴い、引張力が作用した柱材2に対応する第2シリンダ42内の第2油室42fにおける第2作動油O2が、第2ピストン44で圧縮される。
本実施形態によれば、第2油室42fにおける第2作動油O2の圧力が第2所定値に達したときに、リリーフ弁45が第1及び第2油室42e、42fを連通させる。これにより、マスダンパ21の反力が構造物Bの振動に同調して過大になるようなときに、第1及び第2油室42e、42fをリリーフ弁45で連通させることで、引張力による構造物Bの第1部位P1に対する一対の柱材2、2の移動を許容することによって、マスダンパ21や第1及び第2柱材1、11などから成る付加振動系の固有振動数を構造物Bの固有振動数と異ならせることができるので、マスダンパ21の反力を抑制できる。したがって、構造物B、マスダンパ21、第1及び第2支持部材1、11、並びに第1及び第2ケーブル31、32に過大な応力が発生するのを防止することができる。
また、一対の柱材2、2の一端部は、上述した構造物Bの振動に伴う引張力の作用により構造物Bの第2部位P2側に移動し、第1部位P1から一旦離れた後、押圧力の作用により、第1部位P1側に移動し、それに伴い、第2ピストン43が第2シリンダ42に対して左側に移動することによって、第1油室42e内の第2作動油O2が圧縮される。本実施形態によれば、逆止弁46によって、第1油室42eから第2油室42fへの第2作動油O2の流入のみが許容される。これにより、構造物Bの振動に伴って一対の柱材2、2の一端部が第1部位P1側に移動するときにのみ、移動した柱材2に対応する第1及び第2油室42e、42fが逆止弁46によって連通されるので、一対の柱材2、2の一端部を、第1部位P1に迅速に当接させ、初期位置に迅速に復帰させることができる。
また、本実施形態における各種の要素と、本発明における各種の要素との対応関係は、次のとおりである。すなわち、本実施形態における柱材2、2が、本発明における第1及び第2柱材にそれぞれ相当し、本実施形態におけるフランジ3、3が、本発明における第1支持部材の一端部に相当するとともに、本発明における第1柱材の一端部及び第2柱材の一端部にそれぞれ相当する。また、本実施形態における連結部材4が、本発明における第1支持部材の他端部に相当するとともに、本発明における第1柱材の他端部及び第2柱材の他端部に相当する。さらに、本実施形態における歯車モータ25が、本発明における動力変換機構に相当するとともに、本実施形態における第1及び第2作動油O1、O2が、本発明における第1及び第2作動流体にそれぞれ相当する。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、本実施形態では、第1及び第2ケーブル31、32を、第1ピストン23に直接、接続しているが、第1ピストンから上下方向に延びるピストンロッドを第1ピストンに一体に設けるとともに、このピストンロッドの上端部及び下端部に、第1及び第2ケーブルの一端部をそれぞれ接続してもよい。
また、マスダンパ21は、本実施形態で説明したものに限らず、回転マスを有する他の適当なタイプのものでもよい。例えば、本出願人による特許第5269245号の図6、特許第5161395号の図2、図7、図9及び図11、並びに特許第5191579号の図2、図9、図11、図12、図14、図16及び図18〜図20などに記載されたマスダンパでもよい。これらの特許第5161395号及び特許第5191579号に開示されたマスダンパのピストンロッドは、シリンダに対して一方の側にのみ突出しているが、本発明のマスダンパとして用いるに当たり、シリンダに対して両外側に突出するように設けられるとともに、その両端部が第1及び第2ケーブルにそれぞれ接続される。
また、特許第5161395号及び特許第5191579号に開示されるように、本発明における動力変換機構は、本実施形態の歯車モータ25に限らず、スクリュー機構や、ピストンとボールねじの組合わせで構成された動力変換機構などでもよい。さらに、特許第5161395号及び特許第5191579号に開示されるように、回転マスの数は、実施形態の1つに限らず、複数でもよい。
また、実施形態では、一対の柱材2、2を、上下対称に配置しているが、両者の一端部が構造物の第1部位の互いに異なる高さ位置に当接するのであれば、必ずしも上下対称でなくてもよい。さらに、実施形態では、第1支持部材1を、一対の柱材2、2で構成しているが、単一の柱材で構成してもよい。また、実施形態では、反力制限機構41の第2シリンダ42を柱材2のフランジ3に、ピストンロッド44を構造物Bの第1部位P1に、それぞれ固定しているが、これとは逆に、第2シリンダ42を第1部位P1に、ピストンロッド44をフランジ3に、それぞれ固定してもよい。さらに、実施形態では、第1支持部材1の右端部を第1部位に当接させるとともに、反力制限機構41を介して連結しているが、第1支持部材1の右端部を第1部位に固定するとともに、反力制限機構を省略してもよい。
また、実施形態では、本発明の第1及び第2作動流体として、第1及び第2作動油O1、O2をそれぞれ用いているが、他の適当な流体を用いてもよい。さらに、実施形態では、第1及び第4滑車33、36を2個ずつ、第2及び第3滑車34、35を1個ずつ設けているが、その設置数並びに第1及び第2ケーブル31、32の折返し数を増やしてもよい。それにより、第1及び第2ケーブル31、32を介して第1ピストン23に伝達される構造物の変位の増幅倍率を高めるとともに、第1及び第2ケーブル31、32の剛性を調整することができる。また、実施形態では、第2ケーブル32及び第4滑車36を、構造物Bの第2部位P2に、第3部材14を介して間接的に取り付けているが、直接、取り付けてもよい。
さらに、実施形態では、本発明における第1部位及び第2部位は、構造物Bの上端部の右部及び左端部であるが、これとは逆に、構造物の上端部の左部及び右端部でもよく、あるいは、構造物の上端部の前部及び後端部、又は構造物の上端部の後部及び前端部でもよい。この場合、第1部位P1を、第2部位P2と水平方向の反対側の端部に設定してもよい。また、実施形態では、本発明による振動抑制装置を高層の構造物Bに適用しているが、他の適当な構造物、例えば鉄塔などに適用してもよい。なお、これまでに述べたバリエーションは、適宜、組み合わせて適用可能である。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
また、図7及び図8は、本発明者によって提案された他の振動抑制装置を示している。図7に示す振動抑制装置は、前述した実施形態と同様、高層の構造物Bに適用されたものであり、第1支持部材51及びマスダンパ52を備えている。
図7に示すように、第1支持部材51は、第1柱材51a及び第2柱材51bで構成されている。第1及び第2柱材51a、51bは、実施形態の一対の柱材2、2と比較して、その左端部を中心として互いに上下に対称に配置されていない点が主に異なっており、その他の点、すなわち、H形鋼で構成されていることや、両柱材51a、51bの右端部が反力制限機構を介して構造物Bの第1部位P1に連結されていること、両柱材51a、51bの左端部がマスダンパ52に連結されていることについては、同様である。一方、この振動抑制装置では、マスダンパ52は、実施形態とは異なり、ケーブルを介さずに、第1及び第2柱材51a、51bの左端部に直結されている。なお、第1及び第2柱材51a、51bの右端部を第1部位P1に固定するとともに、反力制限機構を省略してもよい。
マスダンパ52は、本出願人による特許第5269245号の図5などに記載されたマスダンパと同じであるので、その詳細な説明は省略する。マスダンパ52の上端部は第1及び第2柱材51a、51bの左端部に、下端部は構造物Bの第2部位P2に、それぞれ連結されている。なお、マスダンパ52として、本出願人による特許第5023129号に開示されたマスダンパを用いてもよい。
以上の構成の振動抑制装置では、構造物Bが振動により揺動すると、第1支持部材51の左端部が、構造物Bの第2部位P2に対して、上下方向に繰り返し往復動し、それに伴い、マスダンパ52の回転マスが回転する。この場合、第1支持部材51の剛性(ばね定数)及び回転マスの慣性質量などは、第1支持部材51及びマスダンパ52から成る付加振動系の固有振動数が構造物Bの1次の固有振動数に同調するように、設定されている。以上により、この振動抑制装置によれば、構造物Bの振動を適切に抑制することができる。
なお、前述した構造物B、第1及び第2部位P1、P2のバリエーションについては、図7に示す振動抑制装置についても同様に当てはまる。
次に、図8に示す振動抑制装置について説明する。以下の説明では、図8の左側及び右側をそれぞれ「左」、「右」、上側及び下側をそれぞれ「上」、「下」、手前側及び奥側をそれぞれ「前」、「後」とする。構造物は、建築物であり、前後方向及び左右方向に並設された複数の柱71、71(2つのみ図示)及び梁72(1つのみ図示)を備えている。図8に示すように、各柱71は、基礎Gに立設されており、梁72は、互いに隣り合う一対の柱71、71に接合されるとともに、両者71、71の間に延びている。
振動抑制装置は、一対の柱71、71及び梁72ごとに設けられており、振動抑制装置はそれぞれ、第1支持部材61、第2支持部材62、マスダンパ52及び反力制限機構41、41を備えている。なお、図8には、左右一対の柱71及び梁72について設けられた振動抑制装置のみを示しているが、他の一対の柱(前後一対の柱)及び梁についても同様に設けらている。
第1支持部材61は、ロ形鋼で構成され、基礎Gに立設されており、左右方向における左右の柱71、71の間で、かつ前後方向における構造物の梁72よりも前側に、配置されている。第1支持部材61の下端部には、フランジ61aが一体に設けられており、フランジ61aは、基礎Gに固定されずに、当接している。
一対の反力制限機構41、41は、第1支持部材61を中心として、フランジ61aに左右対称に配置されている。図9に示すように、各反力制限機構41の第2シリンダ42は、フランジ61aに固定されており、ピストンロッド44は、上側から順に、第2シリンダ42の下側の側壁42cの案内孔42d及びフランジ61aの案内孔61bに挿入されており、ピストンロッド44の下端部は、基礎Gに固定されている。これにより、第1支持部材61の下端部(フランジ61a)は、反力制限機構41、41を介して、基礎Gに連結されている。また、第1支持部材61の上端部には、マスダンパ52の左端部が連結されている。なお、反力制限機構41の第2シリンダ42及びピストンロッド44を、上記とは逆に、基礎G及びフランジ61aに、それぞれ固定してもよい。
第2支持部材62は、H形鋼で構成され、その後端部が構造物の梁72の右部に固定されており、梁72から前方に突出している。第2柱材62には、マスダンパ52の右端部が連結されている。なお、マスダンパ52として、本出願人による特許第5023129号に開示されたマスダンパを用いてもよい。
以上の構成の振動抑制装置では、地震などの振動により、構造物の梁72が基礎Gに対して左右方向に移動すると、この梁72と基礎Gの間の相対変位が、第1及び第2支持部材61、62を介してマスダンパ52に伝達されることにより、マスダンパ52の回転マスが回転する。この場合、回転マスの慣性質量、第1及び第2支持部材61、62の剛性(ばね定数)などは、マスダンパ52、第1及び第2支持部材61、62から成る付加振動系の固有振動数が構造物の所定の固有振動数(例えば1次の固有振動数)に同調するように、設定されている。以上により、この振動抑制装置によれば、構造物の振動を適切に抑制することができる。
また、梁72が基礎Gに対して左方に移動したときには、マスダンパ52の反力は、第1支持部材61の上端部を左方に押圧するように作用し、それにより、第1支持部材61には、その下端部を中心として反時計回りに回転させるモーメントが作用する。それに伴い、第1支持部材61のフランジ61aの右部には、これを上方に引っ張る引張力が、左部には、これを下方に押圧する押圧力が、それぞれ作用する。上記とは逆に、梁72が基礎Gに対して右方に移動したときには、マスダンパ52の反力は、第1支持部材61の上端部を右方に引っ張るように作用し、それにより、第1支持部材61には、その下端部を中心として時計回りに回転させるモーメントが作用する。それに伴い、第1支持部材61のフランジ61aの左部には、これを上方に引っ張る引張力が、右部には、これを下方に押圧する押圧力が、それぞれ作用する。
以上のように、構造物の振動に伴い、第1支持部材61のフランジ61aの左部及び右部には、上方に引っ張る引張力と下方に押圧する押圧力が交互に繰り返し作用し、フランジ61aの左部に引張力が作用しているときには、フランジ61aの右部に押圧力が作用し、これとは逆に、フランジ61aの右部に引張力が作用しているときには、フランジ61aの左部に押圧力が作用する。また、マスダンパ52からの反力によって引張力がフランジ61aの左部及び右部に作用すると、それに伴い、引張力が作用した部位に対応する反力制限機構41の第2シリンダ42内の第2油室42fにおける第2作動油O2が、第2ピストン43で圧縮される。
前述した実施形態と同様、第2油室42fにおける第2作動油O2の圧力が第2所定値に達したときに、リリーフ弁45が第1及び第2油室42e、42fを連通させる。これにより、マスダンパ52の反力が構造物の振動に同調して過大になるようなときに、第1及び第2油室42e、42fをリリーフ弁45で連通させることで、引張力による基礎Gに対するフランジ61aの左部及び右部の移動を許容することによって、マスダンパ52、第1及び第2支持部材61、62から成る付加振動系の固有振動数を構造物の固有振動数と異ならせることができるので、マスダンパ52の反力を抑制できる。したがって、構造物、マスダンパ52、第1及び第2支持部材61、62に過大な応力が発生するのを防止することができる。
また、フランジ61aの左部及び右部は、上述した構造物の振動に伴う引張力の作用により基礎Gから一旦離れた後、押圧力の作用により、下方に移動し、それに伴い、第2ピストン43が第2シリンダ42に対して上方に移動することによって、第1油室42e内の第2作動油O2が圧縮される。この場合、逆止弁46によって、第1油室42eから第2油室42fへの第2作動油O2の流入のみが許容される。これにより、構造物の振動に伴ってフランジ61aの左部及び右部が基礎G側に移動するときにのみ、移動した部位に対応する第1及び第2油室42e、42fが逆止弁46によって連通されるので、フランジ61aの左部及び右部を、基礎Gに迅速に当接させ、初期位置に迅速に復帰させることができる。
さらに、図8に示すように、マスダンパ52が、前後方向において構造物の梁72に重なるように配置されているので、構造物の居住スペースを拡大することができる。なお、これまでに述べた振動抑制装置の作用・効果は、前後方向に並設された一対の柱材及び梁についても、同様に得ることができる。
また、次のような振動抑制装置も考えられる。この振動抑制装置は、構造物の振動に伴って発生した、上下方向に隣り合う構造物の2つの層の間の層間変位を、又は、上下方向に大きく離れた2つの層の間の層間変位を抑制するためのものであり、実施形態による振動抑制装置を90°回転させたような構成を有している。この振動抑制装置では、第1支持部材は、実施形態と異なり、上下方向に延びるように設けられるとともに、2つの層の一方に連結されている。また、第2支持部材は、2つの層の他方に連結されている。
B 構造物
P1 第1部位
P2 第2部位
1 第1支持部材
2 柱材(第1柱材、第2柱材)
3 フランジ(第1支持部材の一端部、第1柱材の一端部、第2柱材の一端部)
4 連結部材(第1支持部材の他端部、第1柱材の他端部、第2柱材の他端部)
11 第2支持部材
12 第1部材
13 第2部材
21 マスダンパ
22 第1シリンダ
23 第1ピストン
24 バイパス通路
25 歯車モータ(動力変換機構)
26 回転マス
O1 第1作動油(第1作動流体)
31 第1ケーブル
32 第2ケーブル
33 第1滑車
34 第2滑車
35 第3滑車
36 第4滑車
41 反力制限機構
42 第2シリンダ
43 第2ピストン
44 ピストンロッド
45 リリーフ弁
46 逆止弁
O2 第2作動油(第2作動流体)

Claims (3)

  1. 柱材で構成され、水平方向に延びるとともに、一端部が構造物の上端部の所定の部位である第1部位に連結され、他端部が前記構造物の上端部の水平方向の端部である第2部位よりも上方に位置する第1支持部材と、
    前記第1支持部材の前記他端部に固定され、上下方向に延びる筒状の本体部、当該本体部に対して上下方向に移動自在の可動部、及び、回転自在の回転マスを有し、前記本体部に対する前記可動部の変位を前記回転マスの回転運動に変換するマスダンパと、
    柱材で構成され、前記第2部位に固定されるとともに、当該第2部位から上方に延びる第1部材、及び、柱材で構成され、当該第1部材の上端部から前記第1部位側に延びるとともに、前記マスダンパよりも上方に位置する第2部材を有する第2支持部材と、
    前記第2部材に取り付けられた第1滑車と、
    前記本体部の上端部及び下端部にそれぞれ取り付けられた第2滑車及び第3滑車と、
    前記第2部位に取り付けられた第4滑車と、
    一端部が前記可動部の上端部に接続され、他端部が前記第2部材に接続されるとともに、前記第1及び第2滑車に巻き回された第1ケーブルと、
    一端部が前記可動部の下端部に接続され、他端部が前記第2部位に接続されるとともに、前記第3及び第4滑車に巻き回された第2ケーブルと、
    を備えることを特徴とする構造物の振動抑制装置。
  2. 前記本体部は、上下方向に延びる筒状の周壁と、当該周壁の上端部及び下端部にそれぞれ一体に設けられた上壁及び下壁とから成る第1シリンダで構成され、当該第1シリンダには、第1作動流体が充填されており、
    前記可動部は、前記第1シリンダ内を上下方向に摺動自在の第1ピストンで構成されており、
    前記マスダンパは、
    前記第1ピストンをバイパスするように前記第1シリンダに接続されたバイパス通路と、
    当該バイパス通路に設けられ、前記バイパス通路内における前記第1作動流体の流動を回転運動に変換し、前記回転マスに伝達する動力変換機構と、をさらに有し、
    前記第1ケーブルは、前記上壁を貫通するとともに、前記第1シリンダに部分的に収容されており、
    前記第2ケーブルは、前記下壁を貫通するとともに、前記第1シリンダに部分的に収容されていることを特徴とする、請求項1に記載の構造物の振動抑制装置。
  3. 前記第1支持部材は、第1及び第2柱材で構成されており、
    当該第1及び第2柱材の一端部は、前記第1部位の互いに異なる高さ位置に、固定されずに当接しており、前記第1及び第2柱材の他端部は、互いに連結されるとともに、前記本体部に固定されており、
    前記第1及び第2柱材には、前記マスダンパの反力を制限するための反力制限機構がそれぞれ設けられており、
    当該反力制限機構はそれぞれ、
    前記第1及び第2柱材のうちの対応する柱材の前記一端部、及び前記第1部位の一方に固定されるとともに、第2作動流体が充填された第2シリンダと、
    当該第2シリンダ内を前記第2シリンダの軸線方向に摺動自在の第2ピストンと、
    当該第2ピストンに一体に設けられるとともに、前記第1及び第2柱材のうちの対応する柱材の前記一端部、及び前記第1部位の他方に固定されたピストンロッドと、
    前記構造物の振動に伴って前記第1及び第2柱材に引張力が作用したときに、当該引張力が作用した柱材に対応する前記第2シリンダ内の前記第2ピストンの両側に画成された2つの流体室のうち、前記第2作動流体が前記第2ピストンにより圧縮される方の流体室内における前記第2作動流体の圧力が所定値に達したときに、前記2つの流体室を連通させるリリーフ弁と、
    前記構造物の振動に伴って前記第1及び第2柱材の前記一端部が前記第1部位側に移動するときにのみ、当該移動した柱材に対応する前記2つの流体室を連通させる逆止弁と、を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の構造物の振動抑制装置。
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