JP2011246579A - 塩化ビニル系重合体組成物の製造方法及びその製造方法により得られる塩化ビニル系重合体組成物 - Google Patents
塩化ビニル系重合体組成物の製造方法及びその製造方法により得られる塩化ビニル系重合体組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011246579A JP2011246579A JP2010120353A JP2010120353A JP2011246579A JP 2011246579 A JP2011246579 A JP 2011246579A JP 2010120353 A JP2010120353 A JP 2010120353A JP 2010120353 A JP2010120353 A JP 2010120353A JP 2011246579 A JP2011246579 A JP 2011246579A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vinyl chloride
- polymerization
- polymer composition
- titanium dioxide
- based polymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
Abstract
【課題】熱安定性に優れた塩化ビニル系重合体組成物の製造方法及びその製造方法により得られる塩化ビニル系重合体組成物を提供する。
【解決手段】塩化ビニル単量体または塩化ビニル単量体およびこれと共重合可能な単量体の混合物を水性媒体中で懸濁重合することを含み、更に、平均粒子径5〜50nmの二酸化チタンを重合開始前の原料、重合中の反応混合物もしくは重合終了後の反応生成物またはこれらの2種以上の組み合わせに添加することを含む、塩化ビニル系重合体組成物の製造方法;上記製造方法により得られる塩化ビニル系重合体組成物。
【選択図】なし
【解決手段】塩化ビニル単量体または塩化ビニル単量体およびこれと共重合可能な単量体の混合物を水性媒体中で懸濁重合することを含み、更に、平均粒子径5〜50nmの二酸化チタンを重合開始前の原料、重合中の反応混合物もしくは重合終了後の反応生成物またはこれらの2種以上の組み合わせに添加することを含む、塩化ビニル系重合体組成物の製造方法;上記製造方法により得られる塩化ビニル系重合体組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、塩化ビニル系重合体組成物の製造方法及びその製造方法により得られる塩化ビニル系重合体組成物に関し、さらには、熱安定性に優れた塩化ビニル系重合体組成物を高い生産性で製造する方法及びその方法により得られる塩化ビニル系重合体組成物に関するものである。
従来塩化ビニル系樹脂製品は、安価で、機械的性質、耐薬品性、耐候性、透明性などに優れ、各種の可塑剤の添加により、硬質から軟質製品まで任意の硬さの製品が得られることから広範囲な分野で用いられている。
しかし、成形加工時の熱安定性に乏しいため、得られた成形品はしばしば機械的物性が低下し、さらには着色を生じるなどの問題がある。これを防止するために、各種金属化合物からなる安定剤を配合する方法、特に無毒、無臭、無着色および低コストなどの要望に沿ったCa-Zn系安定剤を配合して加工する方法が一般的となっている。しかし、Ca-Zn系安定剤は、鉛系安定剤または錫系安定剤に比較すると、得られる熱安定性に乏しい。そのため、安定剤の添加量を多くすること、または、ハイドロタルサイトなどの無機化合物系の安定化助剤を添加すること(特許文献1)が提案されているが、満足な熱安定性はいまだ実現していない。
本発明は、上記問題を解決すべくなされたものであり、熱安定性に優れた塩化ビニル系重合体組成物の製造方法及びその製造方法により得られる塩化ビニル系重合体組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究した結果、所定の平均粒子径を有する二酸化チタンを用いた下記の製造方法により特に熱安定性に優れた塩化ビニル系重合体組成物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は第一に、
塩化ビニル単量体または塩化ビニル単量体およびこれと共重合可能な単量体の混合物を水性媒体中で懸濁重合することを含み、
更に、平均粒子径5〜50nmの二酸化チタンを重合開始前の原料、重合中の反応混合物もしくは重合終了後の反応生成物またはこれらの2種以上の組み合わせに添加することを含む
塩化ビニル系重合体組成物の製造方法を提供する。以下、塩化ビニル単量体ならびに塩化ビニル単量体およびこれと共重合可能な単量体の混合物を「塩化ビニル系単量体」と総称する場合がある。
本発明は第二に、上記製造方法により得られる塩化ビニル系重合体組成物を提供する。
塩化ビニル単量体または塩化ビニル単量体およびこれと共重合可能な単量体の混合物を水性媒体中で懸濁重合することを含み、
更に、平均粒子径5〜50nmの二酸化チタンを重合開始前の原料、重合中の反応混合物もしくは重合終了後の反応生成物またはこれらの2種以上の組み合わせに添加することを含む
塩化ビニル系重合体組成物の製造方法を提供する。以下、塩化ビニル単量体ならびに塩化ビニル単量体およびこれと共重合可能な単量体の混合物を「塩化ビニル系単量体」と総称する場合がある。
本発明は第二に、上記製造方法により得られる塩化ビニル系重合体組成物を提供する。
平均粒子径5〜50nmの二酸化チタンを用いた本発明の製造方法により、熱安定性に優れた塩化ビニル系重合体組成物を製造することができる。二酸化チタンは白色顔料または紫外線吸収料としてペンキ、化粧品などの原料に広く使われ、食品添加物としても認められている安全な材料であることから、熱安定性が向上した本発明の塩化ビニル系重合体組成物は従来と比べさらに多分野にわたって利用できる。
以下に本発明を詳細に説明する。
[二酸化チタンの添加]
本発明に用いる二酸化チタンは、平均粒子径が、通常、5〜50nm、好ましくは5〜25nmの二酸化チタンである。該平均粒子径が5nm未満であると、表面エネルギーが高くなり凝集しやすくなるので不都合である。該平均粒子径が50nmを超えると、二酸化チタンによる熱安定性効果が損なわれる場合がある。なお、本明細書において、「平均粒子径」とは、レーザー光を用いた動的散乱法により測定された体積基準の50%累積分布径(以下、「D50」という場合がある)をいう。
本発明に用いる二酸化チタンは、平均粒子径が、通常、5〜50nm、好ましくは5〜25nmの二酸化チタンである。該平均粒子径が5nm未満であると、表面エネルギーが高くなり凝集しやすくなるので不都合である。該平均粒子径が50nmを超えると、二酸化チタンによる熱安定性効果が損なわれる場合がある。なお、本明細書において、「平均粒子径」とは、レーザー光を用いた動的散乱法により測定された体積基準の50%累積分布径(以下、「D50」という場合がある)をいう。
二酸化チタンには、アナターゼ(鋭錐石)、ルチル(金紅石)、ブルカイト(板チタン石)の3種の結晶形態がある。このうち、工業的に利用されているのはルチルとアナターゼで、ブルカイトは学術的に取り上げられるのみで、工業面の利用は現在のところない。本発明に用いられる二酸化チタンの結晶型は、ルチル型およびアナターゼ型のどちらでもよいが、アナターゼ型のほうが好ましい。
本発明において、二酸化チタンは、例えば、分散液、粉末等の性状で用いることができるが、分散液として用いることが好ましい。該分散液においては、分散媒中に二酸化チタン微粒子が高度に分散しているほど好ましい。分散媒としては、例えば、水性媒体が使用される。水生媒体としては、水、および水と任意の割合で混合する親水性有機溶媒と水との混合溶媒などが挙げられる。親水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類が好ましい。水性媒体は、好ましくは水であり、脱イオン水、蒸留水、純水などがより好ましい。
該分散液中に含まれる二酸化チタンの濃度は、好ましくは0.01〜20質量%、さらに好ましくは1〜5質量%である。該分散液のpHは、二酸化チタンの等電点(アナターゼ型:5.1、ルチル型:5.6)近傍でないことが好ましく、pH=1〜4またはpH=7〜14であることがより好ましい。
二酸化チタン分散液は公知の方法で得ることができる。アナターゼ型二酸化チタン分散液は、例えば、以下のとおりにして得ることができる。まず、塩化チタン水溶液をアンモニア水で徐々に中和、加水分解することにより水酸化チタンを得る。その水酸化チタンを純水の添加とデンカンテーションとを繰り返して脱イオン処理した後、過酸化水素水を添加して、黄色透明のペルオキソチタン酸水溶液を得る。このペルオキソチタン水溶液を高圧下、80〜250℃で水熱反応をすることによりアナターゼ型二酸化チタン分散液を得ることができる。
本発明において、二酸化チタンは、1種単独で用いてもよいし、平均粒子径、結晶型、性状等の異なる2種以上を併用してもよい。
本発明において、前記の二酸化チタンは、重合開始前の原料、重合中の反応混合物もしくは重合終了後の反応生成物またはこれらの2種以上の組み合わせに添加される。重合中の反応混合物に二酸化チタンを添加する場合、添加時期は懸濁重合開始初期が好ましい。重合終了後の反応生成物に二酸化チタンを添加する場合、添加方法としては、例えば、重合終了後に回収される重合体スラリーへの添加、重合体スラリーを脱水して得られるケーキ(脱水ケーキ)への添加などが挙げられる。中でも、上記重合体スラリーへの添加、上記脱水ケーキへの添加が好ましい。
本発明に用いられる二酸化チタンの添加量は、全単量体に対して質量基準で好ましくは1000ppm〜10000ppm、より好ましくは2000ppm〜8000ppm、更により好ましくは3000ppm〜5000ppmの範囲である。前記添加量が1000ppm〜10000ppmの範囲内であると、二酸化チタンによる熱安定性効果が発現しやすく、また、効果的に省資源化およびコスト削減を図ることができ、更に、得られる重合体組成物を成形して成形後の外観が良好な成形体を容易に作製することができる。なお、全単量体とは、塩化ビニル単量体のみを用いて懸濁重合した場合には、この塩化ビニル単量体をいい、塩化ビニル単量体およびこれと共重合可能な単量体の混合物を用いて懸濁重合した場合には、該混合物中の単量体の合計をいう。
[懸濁重合]
懸濁重合は、例えば、重合器中に塩化ビニル系単量体、水性媒体、分散助剤、および必要に応じて添加されるその他の各種添加剤等の原料を仕込んだ後、更に重合開始剤を仕込み、ジャケットに熱水を通して重合器内を所定の重合反応温度になるまで昇温することで開始させることができる。その後、還流コンデンサー等の冷却手段を用いて重合反応熱を除去することにより重合器内の反応混合物を所定の反応温度に保持しながら重合反応を進めることができる。反応温度は好ましくは20〜80℃、より好ましくは35〜70℃である。
懸濁重合は、例えば、重合器中に塩化ビニル系単量体、水性媒体、分散助剤、および必要に応じて添加されるその他の各種添加剤等の原料を仕込んだ後、更に重合開始剤を仕込み、ジャケットに熱水を通して重合器内を所定の重合反応温度になるまで昇温することで開始させることができる。その後、還流コンデンサー等の冷却手段を用いて重合反応熱を除去することにより重合器内の反応混合物を所定の反応温度に保持しながら重合反応を進めることができる。反応温度は好ましくは20〜80℃、より好ましくは35〜70℃である。
本発明に使用される塩化ビニル系単量体は、塩化ビニル単量体または塩化ビニル単量体およびこれと共重合可能な単量体の混合物である。該混合物は塩化ビニル単量体を主体とするものであることが好ましく、少なくとも50質量%以上の塩化ビニル単量体と前記共重合可能な単量体との混合物であることがより好ましい。塩化ビニル単量体と共重合可能な単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテンなどのオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸またはこれらのアルキルエステル;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;マレイン酸、フマル酸またはこれらの無水物もしくはエステル;芳香族ビニル化合物などが挙げられる。塩化ビニル単量体と共重合可能な単量体は1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
分散助剤としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの水溶性セルロース;水溶性部分けん化ポリビニルアルコール;アクリル酸重合体;ゼラチンなどの水溶性ポリマー;ソルビタンモノラウレート、ソルビタントリオレート、グリセリンステアレート、エチレンオキシド-プロピレンオキシドブロック共重合体などの油溶性乳化剤;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレングリセリンオレート、ラウリン酸ナトリウム等の水溶性乳化剤などが挙げられる。分散助剤は1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。分散助剤の添加量は仕込み単量体100質量部に対して好ましくは0.02〜1質量部である。
重合開始剤には特に限定は無く、従来の塩化ビニル系重合体の製造に用いられるものを使用できる。重合開始剤としては、例えば、ジ(イソプロピル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(エトキシエチル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシカーボネート化合物;t−ブチルパーオキシピバレート、t-ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカネート、α―クミルパーオキシネオデカネート等のパーオキシエステル化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド、2,4,4−トリメチルペンチル-2-オキシフェノキシアセテート、3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキシド等の過酸化物;アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物;過硫酸カリウム;過硫酸アンモニウム;過酸化水素等が挙げられる。重合開始剤は1種単独でも2種以上を組み合わせても用いることができる。重合開始剤の添加量は仕込み単量体100質量部に対して好ましくは0.01〜0.2質量部である。
本発明の方法においては、その他必要に応じて塩化ビニル系重合体の製造に一般的に使用される重合度調整剤、連鎖移動剤、ゲル化改良剤、帯電防止剤などを適宜使用することもできる。また酸化防止剤を重合反応の制御、生成重合体の劣化防止などの目的で、重合開始前、重合中あるいは重合終了後に重合系に添加することもできる。
[塩化ビニル系重合体組成物]
本発明の塩化ビニル系重合体組成物は、本発明の製造方法により得られるものである。該組成物は、懸濁重合で得られた塩化ビニル系重合体と平均粒子径5〜50nmの二酸化チタンとを含み、熱安定性に優れる。
本発明の塩化ビニル系重合体組成物は、本発明の製造方法により得られるものである。該組成物は、懸濁重合で得られた塩化ビニル系重合体と平均粒子径5〜50nmの二酸化チタンとを含み、熱安定性に優れる。
該組成物には、必要に応じて安定剤を含んでいてもよい。安定剤は一般的に用いられる安定剤でよく、例えば、Sn系安定剤、Ca-Zn系安定剤が挙げられるが、無毒、無臭、無着色および低コストなどの要望に沿ったCa-Zn系安定剤が好ましい。
以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において、各測定は以下のとおりに行った。
平均粒子径の測定:
二酸化チタン分散液中の二酸化チタン微粒子の平均粒子径(D50)は、粒度分布測定装置(商品名:ナノトラック粒度分析計UPA-EX、日機装社製)を用いて測定した。
二酸化チタン分散液中の二酸化チタン微粒子の平均粒子径(D50)は、粒度分布測定装置(商品名:ナノトラック粒度分析計UPA-EX、日機装社製)を用いて測定した。
重合度の測定:
塩化ビニル重合体の重合度はJIS K 7367-2の方法で測定した。
塩化ビニル重合体の重合度はJIS K 7367-2の方法で測定した。
静的熱安定性試験:
得られた塩化ビニル重合体組成物100質量部にCa-Zn系安定剤(昭島化学工業社製FD-30S)2質量部、エポキシ化大豆油(日本油脂社製)15質量部、ジイソノニルアジペート30質量部を添加し、ヘンシェルミキサーで均一に混ぜてコンパウンドを得た。得られたコンパウンドを6インチ2本ロールミルにて170℃で5分間混練した後、厚さ0.8mmのシートに成形した。得られたシートを210℃の熱オーブンに入れ、シートが黒化するまでの時間(黒化時間)を測定した。この黒化時間をもって静的熱安定性時間とした。結果を表1に示す。
得られた塩化ビニル重合体組成物100質量部にCa-Zn系安定剤(昭島化学工業社製FD-30S)2質量部、エポキシ化大豆油(日本油脂社製)15質量部、ジイソノニルアジペート30質量部を添加し、ヘンシェルミキサーで均一に混ぜてコンパウンドを得た。得られたコンパウンドを6インチ2本ロールミルにて170℃で5分間混練した後、厚さ0.8mmのシートに成形した。得られたシートを210℃の熱オーブンに入れ、シートが黒化するまでの時間(黒化時間)を測定した。この黒化時間をもって静的熱安定性時間とした。結果を表1に示す。
動的熱安定性試験:
静的熱安定性試験と同様にしてコンパウンドを得た。試験機としてプラストグラフPLE331(ブラベンダー社製)を用いた。ジャケット温度を215℃に設定した該試験機に該コンパウンドを70g充てんし60rpmにて混練して、トルクが上昇しはじめた時間(トルク上昇開始時間)を測定した。組成物中の塩化ビニル重合体の分解が始まることによりトルクが上昇しはじめるものであり、トルク上昇開始時間は分解開始時間に対応する。このトルク上昇開始時間を動的熱安定性時間とした。結果を表1に示す。
静的熱安定性試験と同様にしてコンパウンドを得た。試験機としてプラストグラフPLE331(ブラベンダー社製)を用いた。ジャケット温度を215℃に設定した該試験機に該コンパウンドを70g充てんし60rpmにて混練して、トルクが上昇しはじめた時間(トルク上昇開始時間)を測定した。組成物中の塩化ビニル重合体の分解が始まることによりトルクが上昇しはじめるものであり、トルク上昇開始時間は分解開始時間に対応する。このトルク上昇開始時間を動的熱安定性時間とした。結果を表1に示す。
成形後の外観の観察:
静的熱安定性試験と同様にしてコンパウンドを得た。成形後の外観の観察は20mmφ押し出し機を用いて評価した。押し出し条件は、スクリュー:圧縮比2.0、スクリーン:120メッシュおよび80メッシュ 各1枚、ダイス:Tダイとし、温度条件は、C1:150℃、C21:180℃、C3:170℃、アダプタ:190℃として、0.1mm厚のフィルムを押し出し、得られたフィルムの外観を以下の基準で目視にて判断した。結果を表1に示す。
○:フィルム表面が平滑できれいな状態
△:フィルム表面がややざらざらした状態
×:表面がざらざらした状態
静的熱安定性試験と同様にしてコンパウンドを得た。成形後の外観の観察は20mmφ押し出し機を用いて評価した。押し出し条件は、スクリュー:圧縮比2.0、スクリーン:120メッシュおよび80メッシュ 各1枚、ダイス:Tダイとし、温度条件は、C1:150℃、C21:180℃、C3:170℃、アダプタ:190℃として、0.1mm厚のフィルムを押し出し、得られたフィルムの外観を以下の基準で目視にて判断した。結果を表1に示す。
○:フィルム表面が平滑できれいな状態
△:フィルム表面がややざらざらした状態
×:表面がざらざらした状態
実施例1
内容積100リットルの平板バッフル攪拌機およびジャケット付きステンレス製重合器に、部分ケン化ポリビニルアルコール24gを脱イオン水38kgに溶かして得た水溶液を投入した。該重合器にさらに二酸化チタン分散液(2.4質量%、鯤コーポレーション社製TOゾル、二酸化チタン微粒子の平均粒子径:20nm、分散媒:水)を10kg投入した。重合器内を50mmHgになるまで排気した後、塩化ビニル単量体24kgを重合器に仕込んだ。
次いで、攪拌しながら、重合開始剤としてジ(2-エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート14.4gをポンプで重合器内に圧入した。この圧入と同時に昇温を始めて、重合を開始した。重合中は重合温度を52.5℃に保ち、重合器内の圧力が0.65MPaに達した時点で重合を停止した。
重合終了後、重合器内より、未反応単量体を回収し、更に重合体スラリーを回収した。回収した重合体スラリーを脱水してケーキを得た。このケーキを含水率が0.5質量%以下になるまで乾燥機にて乾燥させて塩化ビニル重合体組成物を得た。なお、得られた組成物中の塩化ビニル重合体の重合度は1280であった。
内容積100リットルの平板バッフル攪拌機およびジャケット付きステンレス製重合器に、部分ケン化ポリビニルアルコール24gを脱イオン水38kgに溶かして得た水溶液を投入した。該重合器にさらに二酸化チタン分散液(2.4質量%、鯤コーポレーション社製TOゾル、二酸化チタン微粒子の平均粒子径:20nm、分散媒:水)を10kg投入した。重合器内を50mmHgになるまで排気した後、塩化ビニル単量体24kgを重合器に仕込んだ。
次いで、攪拌しながら、重合開始剤としてジ(2-エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート14.4gをポンプで重合器内に圧入した。この圧入と同時に昇温を始めて、重合を開始した。重合中は重合温度を52.5℃に保ち、重合器内の圧力が0.65MPaに達した時点で重合を停止した。
重合終了後、重合器内より、未反応単量体を回収し、更に重合体スラリーを回収した。回収した重合体スラリーを脱水してケーキを得た。このケーキを含水率が0.5質量%以下になるまで乾燥機にて乾燥させて塩化ビニル重合体組成物を得た。なお、得られた組成物中の塩化ビニル重合体の重合度は1280であった。
実施例2
内容積100リットルの平板バッフル攪拌機およびジャケット付きステンレス製重合器に、部分ケン化ポリビニルアルコール24gを脱イオン水48kgに溶かして得た水溶液を投入した。重合器内を50mmHgになるまで排気した後、塩化ビニル単量体24kgを仕込んだ。
次いで、攪拌しながら、重合開始剤としてジ(2-エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート14.4gをポンプで重合器内に圧入した。この圧入と同時に昇温を始めて、重合を開始した。重合中は重合温度を52.5℃に保ち、重合器内の圧力が0.65MPaに達した時点で重合を停止した。
重合終了後、重合器内より、未反応単量体を回収し、更に重合体スラリーを回収した。回収した重合体スラリーに実施例1で用いたのと同様の二酸化チタン分散液を5kg投入し30分攪拌した。その後、重合体スラリーを脱水してケーキを得た。このケーキを含水率が0.5質量%以下になるまで乾燥機にて乾燥させて塩化ビニル重合体組成物を得た。なお、得られた組成物中の塩化ビニル重合体の重合度は1280であった。
内容積100リットルの平板バッフル攪拌機およびジャケット付きステンレス製重合器に、部分ケン化ポリビニルアルコール24gを脱イオン水48kgに溶かして得た水溶液を投入した。重合器内を50mmHgになるまで排気した後、塩化ビニル単量体24kgを仕込んだ。
次いで、攪拌しながら、重合開始剤としてジ(2-エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート14.4gをポンプで重合器内に圧入した。この圧入と同時に昇温を始めて、重合を開始した。重合中は重合温度を52.5℃に保ち、重合器内の圧力が0.65MPaに達した時点で重合を停止した。
重合終了後、重合器内より、未反応単量体を回収し、更に重合体スラリーを回収した。回収した重合体スラリーに実施例1で用いたのと同様の二酸化チタン分散液を5kg投入し30分攪拌した。その後、重合体スラリーを脱水してケーキを得た。このケーキを含水率が0.5質量%以下になるまで乾燥機にて乾燥させて塩化ビニル重合体組成物を得た。なお、得られた組成物中の塩化ビニル重合体の重合度は1280であった。
実施例3
重合体スラリーを回収するまでは実施例2と同様の操作を行った。回収した重合体スラリーを脱水してケーキを得た。このケーキに実施例1で用いたのと同様の二酸化チタン分散液を3kg投入し混合した。二酸化チタンを含むケーキを含水率が0.5質量%以下になるまで乾燥機にて乾燥させて塩化ビニル重合体組成物を得た。なお、得られた組成物中の塩化ビニル重合体の重合度は1280であった。
重合体スラリーを回収するまでは実施例2と同様の操作を行った。回収した重合体スラリーを脱水してケーキを得た。このケーキに実施例1で用いたのと同様の二酸化チタン分散液を3kg投入し混合した。二酸化チタンを含むケーキを含水率が0.5質量%以下になるまで乾燥機にて乾燥させて塩化ビニル重合体組成物を得た。なお、得られた組成物中の塩化ビニル重合体の重合度は1280であった。
実施例4
実施例2において、回収した重合体スラリーに実施例1で用いたのと同様の二酸化チタン分散液を5kg投入する代わりに、該重合体スラリーに二酸化チタン分散液(15.1質量%、堺化学工業社製SRD02-W、二酸化チタン微粒子の平均粒子径:8.6nm、分散媒:水)を79.5g投入した以外は実施例2と同様にして、塩化ビニル重合体組成物を得た。なお、得られた組成物中の塩化ビニル重合体の重合度は1280であった。
実施例2において、回収した重合体スラリーに実施例1で用いたのと同様の二酸化チタン分散液を5kg投入する代わりに、該重合体スラリーに二酸化チタン分散液(15.1質量%、堺化学工業社製SRD02-W、二酸化チタン微粒子の平均粒子径:8.6nm、分散媒:水)を79.5g投入した以外は実施例2と同様にして、塩化ビニル重合体組成物を得た。なお、得られた組成物中の塩化ビニル重合体の重合度は1280であった。
比較例1
実施例1において、脱イオン水の添加量を38kgから48kgに変更し、二酸化チタン分散液を添加しなかった以外は実施例1と同様にして、塩化ビニル重合体組成物を得た。なお、得られた組成物中の塩化ビニル重合体の重合度は1280であった。
実施例1において、脱イオン水の添加量を38kgから48kgに変更し、二酸化チタン分散液を添加しなかった以外は実施例1と同様にして、塩化ビニル重合体組成物を得た。なお、得られた組成物中の塩化ビニル重合体の重合度は1280であった。
比較例2
実施例2において、二酸化チタン分散液の添加量を5kgから100gに変更した以外は実施例2と同様にして、塩化ビニル重合体組成物を得た。なお、得られた組成物中の塩化ビニル重合体の重合度は1280であった。
実施例2において、二酸化チタン分散液の添加量を5kgから100gに変更した以外は実施例2と同様にして、塩化ビニル重合体組成物を得た。なお、得られた組成物中の塩化ビニル重合体の重合度は1280であった。
比較例3
実施例2において、回収した重合体スラリーに実施例1で用いたのと同様の二酸化チタン分散液を5kg投入する代わりに、該重合体スラリーに二酸化チタン(テイカ社製JR-701、平均粒子径:270nm)を120g投入した以外は実施例2と同様にして、塩化ビニル重合体組成物を得た。なお、得られた組成物中の塩化ビニル重合体の重合度は1280であった。
実施例2において、回収した重合体スラリーに実施例1で用いたのと同様の二酸化チタン分散液を5kg投入する代わりに、該重合体スラリーに二酸化チタン(テイカ社製JR-701、平均粒子径:270nm)を120g投入した以外は実施例2と同様にして、塩化ビニル重合体組成物を得た。なお、得られた組成物中の塩化ビニル重合体の重合度は1280であった。
比較例4
実施例1において、脱イオン水の添加量を38kgから28kgに変更し、二酸化チタン分散液の添加量を10kgから20kgに変更した以外は実施例1と同様にして、塩化ビニル重合体組成物を得た。なお、得られた組成物中の塩化ビニル重合体の重合度は1280であった。
実施例1において、脱イオン水の添加量を38kgから28kgに変更し、二酸化チタン分散液の添加量を10kgから20kgに変更した以外は実施例1と同様にして、塩化ビニル重合体組成物を得た。なお、得られた組成物中の塩化ビニル重合体の重合度は1280であった。
Claims (3)
- 塩化ビニル単量体または塩化ビニル単量体およびこれと共重合可能な単量体の混合物を水性媒体中で懸濁重合することを含み、
更に、平均粒子径5〜50nmの二酸化チタンを重合開始前の原料、重合中の反応混合物もしくは重合終了後の反応生成物またはこれらの2種以上の組み合わせに添加することを含む
塩化ビニル系重合体組成物の製造方法。 - 前記二酸化チタンの添加量が全単量体に対して質量基準で1000ppm〜10000ppmである請求項1に係る製造方法。
- 請求項1または2に記載の製造方法により得られる塩化ビニル系重合体組成物。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010120353A JP2011246579A (ja) | 2010-05-26 | 2010-05-26 | 塩化ビニル系重合体組成物の製造方法及びその製造方法により得られる塩化ビニル系重合体組成物 |
US13/115,369 US20110294941A1 (en) | 2010-05-26 | 2011-05-25 | Vinyl chloride-based resin composition, method of producing vinyl chloride-based polymer composition, and vinyl chloride-based polymer composition obtained thereby |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010120353A JP2011246579A (ja) | 2010-05-26 | 2010-05-26 | 塩化ビニル系重合体組成物の製造方法及びその製造方法により得られる塩化ビニル系重合体組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011246579A true JP2011246579A (ja) | 2011-12-08 |
Family
ID=45412256
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010120353A Pending JP2011246579A (ja) | 2010-05-26 | 2010-05-26 | 塩化ビニル系重合体組成物の製造方法及びその製造方法により得られる塩化ビニル系重合体組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011246579A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023048247A1 (ja) * | 2021-09-24 | 2023-03-30 | 積水化学工業株式会社 | 塩素化塩化ビニル系樹脂、成形用樹脂組成物及び成形体 |
WO2023048245A1 (ja) * | 2021-09-24 | 2023-03-30 | 積水化学工業株式会社 | 塩素化塩化ビニル系樹脂、成形用樹脂組成物及び成形体 |
-
2010
- 2010-05-26 JP JP2010120353A patent/JP2011246579A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023048247A1 (ja) * | 2021-09-24 | 2023-03-30 | 積水化学工業株式会社 | 塩素化塩化ビニル系樹脂、成形用樹脂組成物及び成形体 |
WO2023048245A1 (ja) * | 2021-09-24 | 2023-03-30 | 積水化学工業株式会社 | 塩素化塩化ビニル系樹脂、成形用樹脂組成物及び成形体 |
JP7474351B2 (ja) | 2021-09-24 | 2024-04-24 | 積水化学工業株式会社 | 塩素化塩化ビニル系樹脂、成形用樹脂組成物及び成形体 |
JP7474350B2 (ja) | 2021-09-24 | 2024-04-24 | 積水化学工業株式会社 | 塩素化塩化ビニル系樹脂、成形用樹脂組成物及び成形体 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4283693B2 (ja) | 分子内に共役二重結合を有するポリビニルアルコール系分散剤 | |
TWI428350B (zh) | Dispersed stabilizers for suspension polymerization | |
JP2007530727A (ja) | 塩化ビニル樹脂組成物及びその製造方法 | |
TWI772351B (zh) | 乙烯系聚合物之製造方法 | |
EP2679606A1 (en) | Dispersant for suspension polymerization, vinyl chloride resin and method for producing same | |
EP2497787B1 (en) | Vinyl chloride-based polymer | |
JP2011246579A (ja) | 塩化ビニル系重合体組成物の製造方法及びその製造方法により得られる塩化ビニル系重合体組成物 | |
JP2014114380A (ja) | 硬質カレンダー成形用塩化ビニル系樹脂組成物 | |
JP4615152B2 (ja) | ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤 | |
JP3995584B2 (ja) | ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤の製造法 | |
US20110294941A1 (en) | Vinyl chloride-based resin composition, method of producing vinyl chloride-based polymer composition, and vinyl chloride-based polymer composition obtained thereby | |
CN109843940B (zh) | 制备氯化氯乙烯树脂的方法 | |
JPH093286A (ja) | 塩化ビニル系樹脂組成物 | |
JP2006328165A (ja) | 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法 | |
EP3702375B1 (en) | Method for producing vinyl polymer | |
JP4245784B2 (ja) | 塩化ビニル懸濁重合用分散安定剤 | |
JPH07292194A (ja) | 樹脂組成物 | |
KR102341463B1 (ko) | 염화비닐계 중합체의 제조방법 | |
JP5363749B2 (ja) | ビニルエステル系樹脂組成物及びその製造方法 | |
JP2011246580A (ja) | 塩化ビニル系樹脂組成物 | |
JP4754112B2 (ja) | ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤 | |
KR101687440B1 (ko) | 염화비닐계 중합체의 제조방법 | |
KR101676087B1 (ko) | 환류 냉각기 제열 보조제를 포함하는 염화비닐 수지의 제조방법 | |
EP3701795B1 (en) | Microcapsule and method for producing the same | |
JP5297140B2 (ja) | 耐酸着色性の優れたフッ化ビニリデン重合体の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD07 | Notification of extinguishment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7427 Effective date: 20111227 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20120822 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20120824 |