JP2011246343A - フェライト焼結体およびこれを備えるノイズフィルタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 Fe,Zn,Ni,Cuを含有し、FeをFe2O3換算で48モル%以上51モル%以下、ZnをZnO換算で29モル%以上31モル%以下、NiをNiO換算で14モル%以上16モル%以下、CuをCuO換算で5モル%以上7モル%以下の組成範囲からなる主成分100質量部に対し、TiをTiO2換算で0.05質量%以上0.15質量%以下含有
し、Fe−Zn−Ni−Cu結晶の粒界に前記Tiを含む化合物が分散して存在しているフェライト焼結体である。
【選択図】 図1
Description
まず。),TiO20〜2.0%,MgO0〜2.0%(ただし、TiO2,MgOがともに0の場合を除く。)の組成範囲からなる高抵抗率で低損失のフェライト焼結体が提案されている。
を含まず)を含有するフェライト焼結体が提案されている。
フィルタを提供することを目的とするものである。
TiをTiO2換算で0.01質量%以上0.15質量%以下含有し、Fe−Zn−Ni−Cu結晶の粒界に前記Tiを含む化合物が分散して存在していることを特徴とするものである。
対し、TiをTiO2換算で0.01質量%以上0.15質量%以下含有し、Fe−Zn−Ni−Cu結晶の粒界にTiを含む化合物が分散して存在していることにより、透磁率が1300以上であり、キュリー温度が160℃以上であり、透磁率の温度変化率を−40%以上40%以下
に抑えることができるので、低温域から高温域にわたる広範囲な温度域において、安定したノイズ除去性能を有する優れたノイズフィルタのコアとすることができる。
が13mm,内径が7mm,厚みが3mmの図1(a)に示すフェライト焼結体からなるリング状のトロイダルコア10を用いて、トロイダルコア10の巻き線部10aの全周にわたって
線径が0.2mmの被膜導線を10回巻きつけたものを用いる。
の透磁率をμ25、25℃から−40℃まで降温したときにおける最も低い透磁率をμ−40、25℃から150℃まで昇温したときにおける最も高い透磁率をμ150とし、低温部側の
透磁率の温度変化率X−40〜25を(μ−40−μ25)/μ25×100の計算式で、
高温部側の透磁率の温度変化率X25〜150を(μ150−μ25)/μ25×100の
計算式で求めることができる。さらに、キュリー温度は、同様の試料を用いて、LCRメータを用いたブリッジ回路法により求めることができる。
iを含む化合物が分散して存在していることを特徴としている。
%以上0.15質量%以下含有し、主結晶の粒界にTiを含む化合物が分散して存在していることにより、透磁率を高めることができるとともに、透磁率の温度変化率を−40%以上40%以下に抑えることができる。また、Tiを含む化合物が、主結晶の粒界に分散して存在していることにより、ピンニング効果で主結晶の粒成長が抑制されるので、フェライト焼結体の強度を高めることができる。
、透磁率を高める効果が少なく、透磁率の温度変化率を−40%以上40%以下の範囲内とすることができない。また、TiをTiO2換算での含有量が主成分100質量部に対して0.15質量%を超えると、キュリー温度が低下するとともに、主結晶の粒界の一部にTi成分
の凝集した化合物が存在し易くなり、透磁率の温度変化率を−40%以上40%以下の範囲内
とすることができない。
の主結晶部分を、エネルギー分散型X線分光分析装置(サーモエレクトロン製 NSS)に
より、スポット径1nm、測定時間50secおよび測定エネルギー幅0.14〜20.48keV
の条件で測定し、得られたチャート(縦軸:元素カウント、横軸:測定エネルギー幅)から、それぞれの測定箇所のTi元素のカウント数を得る。その後、複数の粒界部分におけるTi元素のカウント数の平均値をα、複数の主結晶部分におけるTi元素のカウント数の平均値をβとし、比率β/αを算出すればよい。
2換算での含有量が0.05質量%以上0.3質量%以下であるときには、透磁率を高めること
ができる。この理由は明らかではないが、上述した量のMnの酸化物を含むことで、Feの酸化物の3価から2価への価数変化によって結晶磁気異方性定数が減少することによると考えられる。
れるため、円の面積A、円内の粒子数Nc、円周にかかった粒子数Nj、および倍率Mを得ることにより、単位面積当たりの粒子数Ngを得ることができる。
ら、金属線を巻きつけてノイズフィルタとして用いた場合に、低温域から高温域にわたる広範囲な温度域において、安定したノイズ除去性能を有する優れたノイズフィルタとすることができる。
mのFe,Zn,Niの酸化物、平均粒径が1〜3μmのCuの酸化物あるいは焼成によりこれらの酸化物を生成する炭酸塩,硝酸塩等の金属塩を用い、これらを所望のモル比となるように主成分の各原料を秤量し、ボールミルや振動ミル等で粉砕混合した後、700℃
以上750℃以下の温度で2時間以上仮焼して仮焼体を得る。このように、700℃以上750℃
以下の温度で2時間以上仮焼して得られた仮焼体は粉砕し易いので、粉砕後に均質な仮焼粉体を得ることができ、仮焼粉体に添加するTi成分を凝集することなく分散させることができる。なお、仮焼温度が700℃未満ではフェライト材料としての合成が不十分となり
、750℃を超えると合成後の仮焼体の硬度が増し均質に粉砕することが困難となる。
する炭酸塩、硝酸塩等の金属塩を用い、仮焼粉体100質量部に対して0.01質量%以上0.15
質量%以下の範囲内となるように加え、ボールミルや振動ミル等で混合した後、さらに所定量のバインダを加えてスラリーとし、噴霧造粒装置(スプレードライヤ)を用いて造粒した球状顆粒を得る。次に、この球状顆粒を用いてプレス成形して所定形状の成形体を得る。なお、Ti成分を仮焼前に添加したときには、Ti成分が主結晶に固溶し易く、1300以上の透磁率を得ることが困難となる。
はない。
1に示す量のTiO2を添加し振動ミルにて粉砕した後、バインダを加えてスラリーとし、噴霧造粒装置(スプレードライヤ)にて造粒して球状顆粒を得た。そして、この球状顆粒を用いプレス成形法により圧縮成形して、図1に示すトロイダルコア1の形状の成形体を得た。
して脱バインダ処理を施して脱脂体を得た。しかる後、脱脂体を耐火材からなる焼成棚板上に並べ、ブロック状の耐火材を用いて脱脂体を完全に覆った状態で大気雰囲気の焼成炉にて1000〜1200℃で2時間保持して焼成した。その後、必要に応じて研削加工を施し、外径13mm、内径7mm、厚み3mmのトロイダル形状の試料No.1〜18を得た。
付けてLCRメータを用いて周波数100kHzにおける透磁率を測定した。
磁率をμ25、25℃から−40℃まで降温したときにおける最も低い透磁率をμ−40、25℃から160℃まで昇温したときにおける最も高い透磁率をμ160とし、低温部側の透磁
率の温度変化率X−40〜25を(μ−40−μ25)/μ25×100の計算式で、高温
部側の透磁率の温度変化率X25〜150を(μ150−μ25)/μ25×100の計算
式で求めた。さらに、透磁率の測定と同様の試料およびLCRメータを用いて、LCRメータを用いたブリッジ回路法によりキュリー温度を求めた。
って、表1に記載の質量%となっていることを確認した。
の含有量が0.15質量%を超える試料No.14は、キュリー温度が160℃未満であり、透磁
率の温度変化率も−40%以上40%以下に抑えることができなかった。
磁率が1300未満であった。また、仮焼温度が750℃を超える試料No.18は、仮焼体の硬
度が高く均質な粉砕が困難であったため、密度を上げることができず透磁率が1300未満であり、Ti成分の凝集が見られ透磁率の温度変化率を−40%以上40%以下に抑えることができなかった。大きくなる傾向があるので、透磁率は比較的に低くなる傾向がある。さらに、TiO2を仮焼前に添加した試料No.19については、Ti成分の主結晶への固溶が進んでおり、主結晶の粒界に存在するTiを含む化合物が少なすぎることから、同じ組成の試料No.6と比較すると、透磁率が低く、透磁率の温度変化率を−40%以上40%以下に抑えることができなかった。
%以下含有し、主結晶の粒界にTiを含む化合物が分散して存在している試料No.2,3,6,7,10〜13,16,17については、透磁率が1300以上であり、キュリー温度が160
℃以上であり、透磁率の温度変化率が−40%以上40%以下と良好な値を示した。
モエレクトロン製 NSS)により測定し、得られたチャートから、複数の粒界部分のTi
元素のカウント数の5箇所の平均値をα、複数の主結晶中のTi元素のカウント数の5箇所の平均値をβとし、βとαの比率β/αを算出した。結果を表2に示す。
である試料No.46〜49は、優れた透磁率および透磁率の温度変化率を有しつつ、体積抵抗率を向上できることがわかった。
1a:巻線部
2:ボビンコア
2a:巻線部
Claims (6)
- 透磁率が1300以上であるフェライト焼結体であって、Fe,Zn,NiおよびCuを含有し、FeをFe2O3換算で48モル%以上51モル%以下、ZnをZnO換算で29モル%以上31モル%以下、NiをNiO換算で14モル%以上16モル%以下、CuをCuO換算で5モル%以上7モル%以下の組成範囲からなる主成分100質量部に対し、TiをTiO2換算で0.01質量%以上0.15質量%以下含有し、Fe−Zn−Ni−Cu結晶の粒界に前記Tiを含む化合物が分散して存在していることを特徴とするフェライト焼結体。
- 前記結晶の粒界に存在するTi元素のカウント数αと、前記結晶中に存在するTi元素のカウント数βとの比率β/αが0.5以上3.0以下であることを特徴とする請求項1に記載のフェライト焼結体。
- CaまたはSiのうち少なくともいずれかの酸化物を含み、CaO,SiO2換算での含有量の合計が前記主成分100質量部に対し、0.01質量%以上0.2質量%以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフェライト焼結体。
- Mnの酸化物を含み、MnO2換算での含有量が前記主成分100質量部に対し、0.05質量%以上0.3質量%以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のフェライト焼結体。
- Zrの酸化物を含み、ZrO2換算での含有量が前記主成分100質量部に対し、0.15質量%以下(但し、0質量%を含まず。)であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のフェライト焼結体。
- 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のフェライト焼結体に金属線を巻きつけてなることを特徴とするノイズフィルタ。
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