JP5952123B2 - フェライト焼結体およびこれを備えるノイズフィルタ - Google Patents
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を含まず)を含有するNi−Zn系フェライトが提案されている。
eをFe2O3換算で48モル%以上50モル%以下、ZnをZnO換算で29モル%以上31モル%以下、NiをNiO換算で14モル%以上16モル%以下およびCuをCuO換算で5モル%以上7モル%以下であり、前記成分の合計100質量%に対し、TiをTiO2換算で0
.05質量以上0.3質量%以下含むフェライト焼結体に金属線を巻き付けてなることを特徴とするものである。
しては、フェライト焼結体の表面や断面について研磨等を施した加工面を、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、付設のエネルギー分散型X線分光器(EDS)を用いて、結晶粒子内における内部や粒界付近にスポット(φ1nm)を当てて分析することにより、φ1nmのスポットにおける質量を100質量%としたときの各元素の存在量(質量割合)を
知ることができる。具体的には、例えば、Fe、Zn、Ni、Cu、Ti、Oが検出されたとき、各元素の存在量を確認することができ、内部および粒界付近のそれぞれ3点でTiの存在量を確認し、平均値を求めて比較すればよい。
すればよい。試料としては、例えば、外径が13mm、内径が7mm、厚みが3mmの図1(a)に示すフェライト焼結体からなるリング状のトロイダルコア1を用いて、トロイダルコア1の巻き線部1aの全周にわたって線径が0.2mmの被膜導線を10回巻きつけたも
のを用いる。
囲が、FeをFe2O3換算で48モル%以上50モル%以下、ZnをZnO換算で29モル%以上31モル%以下、NiをNiO換算で14モル%以上16モル%以下およびCuをCuO換算で5モル%以上7モル%以下であり、前記成分の合計100質量%に対し、TiをTiO
2換算で0.05質量%以上0.3質量%以下含むことが好ましい。
%以上50モル%以下、ZnをZnO換算で29モル%以上31モル%以下、NiをNiO換算で14モル%以上16モル%以下およびCuをCuO換算で5モル%以上7モル%以下であることにより、比抵抗および透磁率の高いフェライト焼結体とすることができる。そして、このNi−Zn系フェライトの結晶粒子内における粒界付近にTiが偏在し、Tiの含有量がTiO2換算で0.05質量%以上0.3質量%以下であることにより、高い比抵抗を有し
つつ、さらに透磁率の高いフェライト焼結体とすることができる。なお、これらの成分組成の含有量は、フェライト焼結体を構成する全成分を100質量%としたとき、98質量%以
上を占めるものであることが好ましい。
のTiが存在する。そして、粒界付近における存在量が多ければ、その分内部におけるTiの存在量は微量もしくは検出もされないものとなる。そのため、このようなTiの含有量において、具体的に偏在とは、粒界付近におけるTiの存在量が、主成分の合計100質
量%に対する含有量の数倍であり、内部におけるTiの存在量が、主成分の合計100質量
%に対する含有量の50%未満であることをいう。
の試料を用意し、超絶縁抵抗計(TOA製 DSM−8103)を用いて、印可電圧1000V、温度26℃、湿度36%の測定環境下で3端子法(JIS K6271;二重リング電極法)により測定すればよい。
。また、Tiの含有量については、ICP発光分光分析装置または蛍光X線分析装置を用
いて、Tiの含有量を求め、TiO2に換算し、主成分100質量%に対する値を算出すれ
ばよい。
Cuの酸化物を含むものとするときには、Cuの酸化物あるいは焼成により酸化物を生成する炭酸塩、硝酸塩等の金属塩を用意する。このとき平均粒径としては、例えば、Cuが酸化銅(CuO)であるとき、0.5μm以上5μm以下とすることが好ましい。
化珪素を所望量となるように秤量し、ボールミルや振動ミル等で粉砕混合した後、600℃
以上800℃以下の温度で2時間以上仮焼することにより、合成された仮焼体を得る。この
ように、出発原料に酸化珪素を加えて仮焼合成することにより、仮焼後に添加するTiを、Ni−Zn系フェライトの結晶粒子内における粒界付近に偏在させることができる。また、酸化珪素を含むことで比抵抗も高まる。これに対し、酸化珪素を添加しなかったり、仮焼後に酸化珪素を添加したときには、結晶粒子の内部や粒界付近の全域にTiが存在することとなり、透磁率を高めることができない。
eをFe2O3換算で48モル%以上50モル%以下、ZnをZnO換算で29モル%以上31モル%以下、NiをNiO換算で14モル%以上16モル%以下およびCuをCuO換算で5モル%以上7モル%以下となるように秤量することが好ましい。また、酸化珪素については、主成分100質量%に対し、0.3質量%以下(0質量%を除く)となるように秤量することが好ましい。
する炭酸塩、硝酸塩等の金属塩を用い、所望量を秤量する。なお、主成分100質量%に対
し、TiをTiO2換算で0.05質量%以上0.3質量%以下となるように秤量することが好
ましい。そして、仮焼体とともにボールミルや振動ミル等に入れて混合した後、さらに所定量のバインダを加えてスラリーとし、噴霧造粒装置(スプレードライヤ)を用いて造粒することにより球状顆粒を得る。
はない。
ることにより、合成された仮焼体を得た。
した。そして、ボールミルに入れて粉砕混合した後、700℃以下の温度で2時間仮焼する
ことにより、合成された仮焼体を得た。
ンを秤量し、仮焼体とともにボールミルに入れて混合した。その後、所定量のバインダを加えてスラリーとし、噴霧造粒装置を用いて造粒することにより球状顆粒を得た。そして、得られた球状顆粒を用いてプレス成形することにより、図1に示すトロイダルコア1の形状の成形体を得た。
を施して脱脂体とし、これを焼成炉にて大気雰囲気中、1100℃の最高温度で2時間保持して焼成した。そして、得られた焼結体に研削加工を施し、外径13mm、内径7mm、厚み3mmのトロイダル形状のフェライト焼結体(試料No.1〜44)を得た。なお、表1における試料No.1と表2における試料No.23とは、出発原料への酸化珪素の添加の有無のみが異なるものであり、試料No.2〜22は、それぞれ試料No.24〜44と対応する。
付けてLCRメータを用いて周波数100kHzにおける透磁率を測定し、結果を表1およ
び表2に示した。そして、表1に示す酸化珪素の添加のない試料の透磁率をμ1、これに対応する酸化珪素を添加した試料(例えば、表1が試料No.1であれば、表2の試料No.23)の透磁率をμ2としたとき、(μ2−μ1)/μ1×100の計算式で求めた値を
透磁率の向上率として表2に示した。
付近の各3箇所にスポット(φ1nm)を当て、その平均値により結晶粒子内における内部と粒界付近との存在量の確認を行ない、その差が0.5%未満であるときには「内部=粒
界」、粒界付近の方が0.5%以上多いときには「内部<粒界付近」と、表1および表2に
記した。
属元素量を求めて、それぞれ酸化鉄(Fe2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化銅(CuO)に換算し、それぞれの分子量からモル値を算出し、合計100モル%に対する占有率を算出して表1および表2に示した。また、Tiについても蛍光
X線分析装置を用いて測定し、TiO2に換算し、主成分100質量%に対する値を算出し
て結果を表1および表2に示した。
モル%としたときの成分組成範囲が、FeをFe2O3換算で48モル%以上50モル%以下、ZnをZnO換算で29モル%以上31モル%以下、NiをNiO換算で14モル%以上16モル%以下およびCuをCuO換算で5モル%以上7モル%以下であることにより、比抵抗および透磁率の高いフェライト焼結体とすることができることがわかった。また、Ni−Zn系フェライトの結晶粒子内における粒界付近にTiが偏在し、Tiの含有量がTiO2換算で0.05質量%以上0.3質量%以下であることにより、高い比抵抗を有しつつ、透磁
率の向上率は10%を超え、さらに透磁率の高いフェライト焼結体とできることがわかった。
あることがわかった。
1a:巻線部
2:ボビンコア
2a:巻線部
Claims (3)
- Tiを含むNi−Zn系フェライトからなり、該Ni−Zn系フェライトの結晶粒子内における粒界付近にわたってTiが偏在していることを特徴とするフェライト焼結体。
- 合計を100モル%としたときの成分組成範囲が、FeをFe2O3換算で48モル%以上50モル%以下、ZnをZnO換算で29モル%以上31モル%以下、NiをNiO換算で14モル%以上16モル%以下およびCuをCuO換算で5モル%以上7モル%以下であり、前記成分の合計100質量%に対し、TiをTiO2換算で0.05質量%以上0.3質量%以下含むことを特徴とする請求項1に記載のフェライト焼結体。
- 請求項2に記載のフェライト焼結体に金属線を巻きつけてなることを特徴とするノイズフィルタ。
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JP2012169340A JP5952123B2 (ja) | 2012-07-31 | 2012-07-31 | フェライト焼結体およびこれを備えるノイズフィルタ |
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