JP5952123B2 - フェライト焼結体およびこれを備えるノイズフィルタ - Google Patents

フェライト焼結体およびこれを備えるノイズフィルタ Download PDF

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本発明は、フェライト焼結体およびこのフェライト焼結体に金属線を巻きつけてなるノイズフィルタに関する。
比抵抗の高いNi−Zn系フェライト材料からなるフェライト焼結体は、インダクタ、変圧器、安定器、電磁石等のコアとして広く使用されている。
特に近年、電気自動車やハイブリッドカーなどの複雑な制御系を有する車の登場により、車に搭載される制御装置などに組み込まれる電気回路は複雑なものとなっており、電気回路が複雑になるのに伴い、電気回路から発せられるノイズが増加して回路上の電子部品に悪影響を及ぼすのを防ぐため、電気回路にはノイズ除去用として、Ni−Zn系フェライト材料からなるフェライト焼結体をコアとしたノイズフィルタが多数使用されるようになっている。
そして、このような用途のコアに使用されるNi−Zn系フェライト材料として、例えば特許文献1には、Fe,Ni,Zn,CuをFe換算で48〜50モル%,ZnO換算で15モル%以上30モル%未満,NiO換算で7〜35モル%,CuO換算で2〜7モル%それぞれ含有する主成分100重量部に対し、TiをTiO換算で0.16〜1.0重量部含有したNi−Zn系フェライトが提案されている。
また、特許文献2には、主組成としてFeが49.0mol%〜50.0mol%,NiOが10.0mol%〜15.0mol%,CuOが5.0mol%〜8.0mol%,残部がZnOであるNi系フェライトにおいて、副成分としてTiをTiO換算で0.1重量%以下(0
を含まず)を含有するNi−Zn系フェライトが提案されている。
特開2004−269316号公報 特開2002−321971号公報
特許文献1,2で提案されたNi−Zn系フェライトは、Tiを含有することによって、高温におけるコア損失を小さくできるというものであるが、今般において、Ni−Zn系フェライトには、高い比抵抗に加えて、さらに透磁率が高いことが求められ、特に、ノイズフィルタのコアとなるNi−Zn系フェライトにおいてこの要求が高い。
本発明は、上記要求を満たすべく案出されたものであり、透磁率の高められたフェライト焼結体を提供することを目的とする。また、比抵抗および透磁率の高いフェライト焼結体に金属線を巻き付けてなるノイズフィルタを提供することを目的とする。
本発明のフェライト焼結体は、Tiを含むNi−Zn系フェライトからなり、該Ni−Zn系フェライトの結晶粒子内における粒界付近にわたってTiが偏在していることを特徴とするものである。
また、本発明のノイズフィルタは、Ni−Zn系フェライトの結晶粒子内における粒界付近にわたってTiが偏在しており、合計を100モル%としたときの成分組成範囲が、F
eをFe換算で48モル%以上50モル%以下、ZnをZnO換算で29モル%以上31モル%以下、NiをNiO換算で14モル%以上16モル%以下およびCuをCuO換算で5モル%以上7モル%以下であり、前記成分の合計100質量%に対し、TiをTiO換算で0
.05質量以上0.3質量%以下含むフェライト焼結体に金属線を巻き付けてなることを特徴とするものである。
本発明のフェライト焼結体によれば、Ni−Zn系フェライトの結晶粒子内における粒界付近にわたってTiが偏在していることにより、透磁率を高めることができる。
また、本発明のノイズフィルタによれば、比抵抗および透磁率の高いフェライト焼結体に金属線を巻き付けてなることにより、ノイズの除去性能に優れたノイズフィルタとすることができる。
本実施形態のフェライト焼結体の一例を示す、(a)はトロイダルコアの斜視図であり、(b)はボビンコアの斜視図である。
以下、本発明のフェライト焼結体およびこれを備えるノイズフィルタについて説明する。本実施形態のフェライト焼結体は、このフェライト焼結体をコアとして、金属線を巻き付けることによって、例えば、絶縁や変圧を目的としたインダクタ、変圧器、安定器および電磁石、ノイズ除去などを目的としたノイズフィルタに使用されるものである。
ここで、コアとなるフェライト焼結体には様々な形状のものがあり、例えば図1(a)の斜視図に示すリング状のトロイダルコア1や、図1(b)の斜視図に示すボビン状のボビンコア2などがある。
そして、このようなフェライト焼結体には、透磁率を高めることが求められおり、Tiを含むNi−Zn系フェライトからなり、このNi−Zn系フェライトの結晶粒子内における粒界付近にTiが偏在していることにより、上述した要求を満たすフェライト焼結体とすることができる。
ここで、Ni−Zn系フェライトとは、Feの酸化物、Znの酸化物およびNiの酸化物、もしくはFeの酸化物、Znの酸化物、Niの酸化物およびCuの酸化物から構成されるものである。なお、以下において、上述したNi−Zn系フェライトを構成する成分を総じて主成分と記載することもある。また、結晶粒子内における粒界付近とは、個々の結晶粒子において、結晶粒子の界面から、結晶粒子径の20%の長さに当たる範囲までのことを指し、粒界付近以外は内部と称す。また、本実施形態において、偏在とは、結晶粒子内において、粒界付近の方が内部よりも多くTiが存在していることをいう。なお、内部にはTiを含まない場合も偏在しているものであることはいうまでもない。
また、Ni−Zn系フェライトの結晶粒子内における粒界付近にTiが偏在していることにより、透磁率を高めることができる理由については明らかではないが、結晶粒子の内部および粒界付近の全域にわたってTiが存在しているときよりも、粒界付近にTiが偏在していることにより、透磁率を高めることができたという知見に基づく。
なお、Ni−Zn系フェライトからなる結晶粒子内におけるTiの存在量の確認方法と
しては、フェライト焼結体の表面や断面について研磨等を施した加工面を、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、付設のエネルギー分散型X線分光器(EDS)を用いて、結晶粒子内における内部や粒界付近にスポット(φ1nm)を当てて分析することにより、φ1nmのスポットにおける質量を100質量%としたときの各元素の存在量(質量割合)を
知ることができる。具体的には、例えば、Fe、Zn、Ni、Cu、Ti、Oが検出されたとき、各元素の存在量を確認することができ、内部および粒界付近のそれぞれ3点でTiの存在量を確認し、平均値を求めて比較すればよい。
また、透磁率については、LCRメータを用いて周波数100kHzの条件で試料を測定
すればよい。試料としては、例えば、外径が13mm、内径が7mm、厚みが3mmの図1(a)に示すフェライト焼結体からなるリング状のトロイダルコア1を用いて、トロイダルコア1の巻き線部1aの全周にわたって線径が0.2mmの被膜導線を10回巻きつけたも
のを用いる。
そして、本実施形態のフェライト焼結体は、合計を100モル%としたときの成分組成範
囲が、FeをFe換算で48モル%以上50モル%以下、ZnをZnO換算で29モル%以上31モル%以下、NiをNiO換算で14モル%以上16モル%以下およびCuをCuO換算で5モル%以上7モル%以下であり、前記成分の合計100質量%に対し、TiをTiO
換算で0.05質量%以上0.3質量%以下含むことが好ましい。
まず、合計を100モル%としたときの成分組成範囲が、FeをFe換算で48モル
%以上50モル%以下、ZnをZnO換算で29モル%以上31モル%以下、NiをNiO換算で14モル%以上16モル%以下およびCuをCuO換算で5モル%以上7モル%以下であることにより、比抵抗および透磁率の高いフェライト焼結体とすることができる。そして、このNi−Zn系フェライトの結晶粒子内における粒界付近にTiが偏在し、Tiの含有量がTiO換算で0.05質量%以上0.3質量%以下であることにより、高い比抵抗を有し
つつ、さらに透磁率の高いフェライト焼結体とすることができる。なお、これらの成分組成の含有量は、フェライト焼結体を構成する全成分を100質量%としたとき、98質量%以
上を占めるものであることが好ましい。
ここで、上述したNi−Zn系フェライトの結晶粒子内におけるTiの存在量の確認において、例えば、主成分の合計100質量%に対するTiの含有量がTiO換算で0.2質量%であるとき、Tiでは0.12質量%となるが、結晶粒子内における粒界付近には、主成分の合計100質量%に対する含有量の数倍〜数10倍にも相当する量(例えば、0.3〜3.5%)
のTiが存在する。そして、粒界付近における存在量が多ければ、その分内部におけるTiの存在量は微量もしくは検出もされないものとなる。そのため、このようなTiの含有量において、具体的に偏在とは、粒界付近におけるTiの存在量が、主成分の合計100質
量%に対する含有量の数倍であり、内部におけるTiの存在量が、主成分の合計100質量
%に対する含有量の50%未満であることをいう。
そして、比抵抗については、例えば、φが10〜20mm、厚みが0.5〜2mmの平板形状
の試料を用意し、超絶縁抵抗計(TOA製 DSM−8103)を用いて、印可電圧1000V、温度26℃、湿度36%の測定環境下で3端子法(JIS K6271;二重リング電極法)により測定すればよい。
また、主成分組成の測定方法については、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析装置または蛍光X線分析装置を用いて、Fe、Zn、Ni、Cuの含有量を求めて、それぞれFe、ZnO、NiO、CuOに換算し、それぞれの分子量からモル値を算出し、合計100モル%に対する占有率を算出することにより確認することができる
。また、Tiの含有量については、ICP発光分光分析装置または蛍光X線分析装置を用
いて、Tiの含有量を求め、TiOに換算し、主成分100質量%に対する値を算出すれ
ばよい。
次に、本実施形態のフェライト焼結体の製造方法の一例について以下に詳細を示す。本実施形態のフェライト材料の製造方法は、まず、Ni−Zn系のフェライトとすべく、出発原料として、Fe、ZnおよびNiの酸化物あるいは焼成により酸化物を生成する炭酸塩、硝酸塩等の金属塩を用意する。このとき平均粒径としては、例えば、Feが酸化鉄(Fe)、Znが酸化亜鉛(ZnO)およびNiが酸化ニッケル(NiO)であるとき、0.5μm以上5μm以下とすることが好ましい。また、Ni−Zn系のフェライトに
Cuの酸化物を含むものとするときには、Cuの酸化物あるいは焼成により酸化物を生成する炭酸塩、硝酸塩等の金属塩を用意する。このとき平均粒径としては、例えば、Cuが酸化銅(CuO)であるとき、0.5μm以上5μm以下とすることが好ましい。
ここで、本実施形態のフェライト焼結体の製造方法においては、これらの出発原料に平均粒径が0.5〜10μmの酸化珪素(SiO)を添加する。そして、各出発原料および酸
化珪素を所望量となるように秤量し、ボールミルや振動ミル等で粉砕混合した後、600℃
以上800℃以下の温度で2時間以上仮焼することにより、合成された仮焼体を得る。この
ように、出発原料に酸化珪素を加えて仮焼合成することにより、仮焼後に添加するTiを、Ni−Zn系フェライトの結晶粒子内における粒界付近に偏在させることができる。また、酸化珪素を含むことで比抵抗も高まる。これに対し、酸化珪素を添加しなかったり、仮焼後に酸化珪素を添加したときには、結晶粒子の内部や粒界付近の全域にTiが存在することとなり、透磁率を高めることができない。
なお、フェライト焼結体において、合計を100モル%としたときの成分組成範囲が、F
eをFe換算で48モル%以上50モル%以下、ZnをZnO換算で29モル%以上31モル%以下、NiをNiO換算で14モル%以上16モル%以下およびCuをCuO換算で5モル%以上7モル%以下となるように秤量することが好ましい。また、酸化珪素については、主成分100質量%に対し、0.3質量%以下(0質量%を除く)となるように秤量することが好ましい。
次に、平均粒径が0.5〜10μmのTiの酸化物あるいは焼成によりTiの酸化物を生成
する炭酸塩、硝酸塩等の金属塩を用い、所望量を秤量する。なお、主成分100質量%に対
し、TiをTiO換算で0.05質量%以上0.3質量%以下となるように秤量することが好
ましい。そして、仮焼体とともにボールミルや振動ミル等に入れて混合した後、さらに所定量のバインダを加えてスラリーとし、噴霧造粒装置(スプレードライヤ)を用いて造粒することにより球状顆粒を得る。
次に、この球状顆粒を用いてプレス成形して所定形状の成形体を得る。そして、得られた成形体を脱脂炉にて400〜800℃の範囲で脱バインダ処理を施して脱脂体とした後、これを焼成炉にて1000〜1200℃の最高温度で2〜5時間保持して焼成することにより本実施形態のフェライト焼結体を得ることができる。
また、本実施形態のフェライト焼結体においては、CaO、ZrO、MnOを含んでいてもよい。CaOやZrOを含んでいるときには、比抵抗を高めることができ、MnOを含んでいるときには、透磁率を高めることができる。なお、CaO、ZrO、MnOは、いずれもフェライト焼結体において、主成分100質量%に対し0.2質量%未満の含有量であることが好ましいことから、フェライト焼結体に含ませるときには、この含有量の範囲となるように、仮焼体に添加すればよい。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるもので
はない。
成分組成や製造方法等を異ならせたフェライト焼結体を作製し、透磁率の測定を行なった。まず、出発原料として、平均粒径が1μmの酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ニッケルおよび酸化銅を用意した。また、酸化珪素を用意した。
そして、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ニッケルおよび酸化銅を用いて、表1に示す組成となるように秤量し、ボールミルに入れて粉砕混合した後、700℃以下の温度で2時間仮焼す
ることにより、合成された仮焼体を得た。
また、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ニッケルおよび酸化銅を用いて、表2に示す組成となるように秤量し、主成分100質量%に対し、表2に示す含有量となるように酸化珪素を秤量
した。そして、ボールミルに入れて粉砕混合した後、700℃以下の温度で2時間仮焼する
ことにより、合成された仮焼体を得た。
次に、主成分100質量%に対し、表1および表2に示す含有量となるように、酸化チタ
ンを秤量し、仮焼体とともにボールミルに入れて混合した。その後、所定量のバインダを加えてスラリーとし、噴霧造粒装置を用いて造粒することにより球状顆粒を得た。そして、得られた球状顆粒を用いてプレス成形することにより、図1に示すトロイダルコア1の形状の成形体を得た。
次に、得られた成形体を脱脂炉にて600℃の最高温度で5時間保持して脱バインダ処理
を施して脱脂体とし、これを焼成炉にて大気雰囲気中、1100℃の最高温度で2時間保持して焼成した。そして、得られた焼結体に研削加工を施し、外径13mm、内径7mm、厚み3mmのトロイダル形状のフェライト焼結体(試料No.1〜44)を得た。なお、表1における試料No.1と表2における試料No.23とは、出発原料への酸化珪素の添加の有無のみが異なるものであり、試料No.2〜22は、それぞれ試料No.24〜44と対応する。
そして、各試料の巻き線部10aの全周にわたって線径が0.2mmの被膜銅線を10回巻き
付けてLCRメータを用いて周波数100kHzにおける透磁率を測定し、結果を表1およ
び表2に示した。そして、表1に示す酸化珪素の添加のない試料の透磁率をμ1、これに対応する酸化珪素を添加した試料(例えば、表1が試料No.1であれば、表2の試料No.23)の透磁率をμ2としたとき、(μ2−μ1)/μ1×100の計算式で求めた値を
透磁率の向上率として表2に示した。
また、形状以外については、各試料と同様の製造方法により、φが16mm、厚みが1mmの測定試料を別途作製し、超絶縁抵抗計(TOA製 DSM−8103)を用いて、印可電圧1000V、温度26℃、湿度36%の環境下で3端子法(JIS K6271;二重リング電極法)により比抵抗を測定し、結果を表1および表2に示した。
また、各試料を切断した面を鏡面加工し、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、付設のエネルギー分散型X線分光器(EDS)を用いて、結晶粒子内における内部および粒界
付近の各3箇所にスポット(φ1nm)を当て、その平均値により結晶粒子内における内部と粒界付近との存在量の確認を行ない、その差が0.5%未満であるときには「内部=粒
界」、粒界付近の方が0.5%以上多いときには「内部<粒界付近」と、表1および表2に
記した。
また、各試料について、蛍光X線分析装置を用いて、Fe、Zn、NiおよびCuの金
属元素量を求めて、それぞれ酸化鉄(Fe)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化銅(CuO)に換算し、それぞれの分子量からモル値を算出し、合計100モル%に対する占有率を算出して表1および表2に示した。また、Tiについても蛍光
X線分析装置を用いて測定し、TiOに換算し、主成分100質量%に対する値を算出し
て結果を表1および表2に示した。
Figure 0005952123
Figure 0005952123
表1および表2から、Ni−Zn系フェライトからなる結晶粒子内における粒界付近にTiが偏在していることにより、透磁率を高められることがわかった。また、合計を100
モル%としたときの成分組成範囲が、FeをFe換算で48モル%以上50モル%以下、ZnをZnO換算で29モル%以上31モル%以下、NiをNiO換算で14モル%以上16モル%以下およびCuをCuO換算で5モル%以上7モル%以下であることにより、比抵抗および透磁率の高いフェライト焼結体とすることができることがわかった。また、Ni−Zn系フェライトの結晶粒子内における粒界付近にTiが偏在し、Tiの含有量がTiO換算で0.05質量%以上0.3質量%以下であることにより、高い比抵抗を有しつつ、透磁
率の向上率は10%を超え、さらに透磁率の高いフェライト焼結体とできることがわかった。
なお、試料No.39については、結晶粒子内における内部にTiの存在が確認されたが、試料No.23〜38および40〜44については、内部にTiの存在は確認されなかった。したがって、酸化珪素は、フェライト焼結体における含有量が0.05質量%以上となるように秤量して出発原料に添加することにより、結晶粒子内における粒界付近にのみTiを存在させることができることがわかった。
また、試料No.25,26および40〜43のフェライト焼結体をコアとし、金属線を巻き付けてノイズフィルタを形成し、電気自動車やハイブリッドカーなどの複雑な制御を必要とする制御装置に組み込んだところ、電気回路のノイズ除去性能に優れたノイズフィルタで
あることがわかった。
1:トロイダルコア
1a:巻線部
2:ボビンコア
2a:巻線部

Claims (3)

  1. Tiを含むNi−Zn系フェライトからなり、該Ni−Zn系フェライトの結晶粒子内における粒界付近にわたってTiが偏在していることを特徴とするフェライト焼結体。
  2. 合計を100モル%としたときの成分組成範囲が、FeをFe換算で48モル%以上50モル%以下、ZnをZnO換算で29モル%以上31モル%以下、NiをNiO換算で14モル%以上16モル%以下およびCuをCuO換算で5モル%以上7モル%以下であり、前記成分の合計100質量%に対し、TiをTiO換算で0.05質量%以上0.3質量%以下含むことを特徴とする請求項記載のフェライト焼結体。
  3. 請求項2に記載のフェライト焼結体に金属線を巻きつけてなることを特徴とするノイズフィルタ。
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