JP5836887B2 - フェライト焼結体およびこれを備えるノイズフィルタ - Google Patents
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Description
を含まず)を含有するNi系フェライトが提案されている。
れている。実施例において、MoO3の添加量が0.01wt%〜0.1wt%間で、添加量が
増えると透磁率は上昇傾向を示し、キュリー温度については低下傾向を示すことが記載されている。
TiO2換算で0.05質量%以上0.3質量%以下、MoをMoO3換算で0.01質量%以上0.1質量%以下含有することを特徴とするものである。
るフェライト焼結体が優れたノイズ除去性能を有し、ノイズ除去性能を発揮する温度域が広いので、優れたノイズフィルタとすることができる。
内径が7mm、厚みが3mmの図1(a)に示すフェライト焼結体からなるリング状のトロイダルコア10を用いて、トロイダルコア10の巻き線部10aの全周にわたって線径が0.2
mmの被膜導線を10回巻きつけたものを用いる。
2換算で0.05質量%以上0.3質量%以下、MoをMoO3換算で0.01質量%以上0.1質量%以下含有することを特徴としている。
oを含まない、またはTiのみを含む、またはMoのみを含むときと比べて、透磁率およびキュリー温度をともに高めることができる。そのため、保有する特性を発揮することのできる温度域の広いフェライト焼結体とすることができる。
では、透磁率を高める効果が小さく、0.3質量%を越えると透磁率およびキュリー温度が
低下する。また、主成分100質量%に対するMoの含有量がMoO3換算で0.01質量%未
満では、キュリー温度を高める効果が小さく、0.1質量%を越えると、透磁率が低下する
。
あることが好ましい。
が前述した範囲からなることにより、透磁率を1320以上、キュリー温度が165℃以上とす
ることができる。これにより、近年、電気自動車やハイブリッドカーなどの複雑な制御を必要とする制御装置に組み込まれる電気回路のノイズ除去に用いられる、ノイズフィルタのコアとなるフェライト焼結体に求められる特性を満たすものとすることができる。
算で5モル%以上7モル%以下であり、主成分100質量部に対し、TiをTiO2換算で0.05質量%以上0.3質量%以下、MoをMoO3換算で0.01質量%以上0.1質量%以下含有
するフェライト焼結体に金属線を巻きつけてノイズフィルタとして用いた場合には、優れたノイズ除去特性を有し、この特性を発揮する温度域が広いので、ノイズ除去性能を有する優れたノイズフィルタとすることができる。
量部に対する値に換算すればよい。
後の試料表面を5000〜10万倍の倍率で、加速電圧200kVの条件下で観察する。そして、
観察視野における任意の結晶粒界を測定箇所とし、付設されたエネルギー分散型X線分析装置(サーモエレクトロン製 NSS)により、スポット径1nm、測定時間50secおよ
び測定エネルギー幅0.14〜20.48keVの条件で測定し、得られたチャート(縦軸:元素
カウント、横軸:測定エネルギー幅)から、測定箇所においてTiとOとが検出されるか否かによって、結晶粒界におけるTiの酸化物の存在の有無を知ることができる。
算で0.005質量%以上0.1質量%以下含有することが好ましい。これにより、透磁率を低下させることなく、電気抵抗を大きくすることができる。なお、SiO2は結晶粒界に存在するものであり、その存在形態は、非晶質であっても結晶であってもよいが、非晶質である方が電気抵抗を大きくする効果が大きいものである。
(TOA製 DSM−8103)を用いて、印可電圧1000V、温度26℃、湿度36%の測定環境下で3端子法(JIS K6271;二重リング電極法)により測定すればよい。
析装置または蛍光X線分析装置を用いて、Siの含有量を求めて、SiO2に換算し、主成分100質量部に対する値に換算すればよい。また、SiO2が非晶質であるか結晶であ
るかについては、結晶となっていれば、X線回折でピークを確認することができ、非晶質であれば、X線回折でピークは確認されないものの、上述したTiの酸化物の存在について確認したときと同様の方法において、SiとOの存在が確認されることで判別できる。また、Tiの酸化物の存在について確認したときと同様の方法により、SiO2が結晶粒界に存在するものであることを確認できる。
mのFe,Zn,Niの酸化物、平均粒径が1〜3μmのCuの酸化物あるいは焼成によりこれらの酸化物を生成する炭酸塩、硝酸塩等の金属塩を用い、これらを所望のモル比となるように主成分の各原料を秤量し、ボールミルや振動ミル等で粉砕混合した後、700℃
以上750℃以下の温度で2時間以上仮焼して仮焼体を得る。このように、700℃以上750℃
以下の温度で2時間以上仮焼して得られた仮焼体は粉砕しやすいので、粉砕後に均質な仮焼粉体を得ることができ、仮焼粉体に添加するTiおよびMo成分を凝集することなく分散させることができる。なお、仮焼温度が700℃未満ではフェライト材料としての合成が
不十分となり、750℃を超えると合成後の仮焼体の硬度が増し均質に粉砕することが困難
となる。
する炭酸塩、硝酸塩等の金属塩、また、平均粒径が0.5〜3μmのMoの酸化物あるいは
モリブデン珪化物(MoSi2)を用い、仮焼粉体100質量部に対して、TiをTiO2
換算で0.05質量%以上0.3質量%以下、MoをMoO3換算で0.01質量%以上0.1質量%以下の範囲内となるように加え、ボールミルや振動ミル等で混合した後、さらに所定量のバインダを加えてスラリーとし、噴霧造粒装置(スプレードライヤ)を用いて造粒した球状顆粒を得る。次に、この球状顆粒を用いてプレス成形して所定形状の成形体を得る。なお、TiおよびMo成分を仮焼前に添加したときには、両成分がFe,Zn,NiおよびCuの酸化物からなる主結晶に固溶しやすく、所望の特性が得られにくくなる。
ればよい。これにより、添加するTiの酸化物の粒子表面の活性は低下し、かつルチル型のみの安定した結晶構造とできることから、焼成時における主成分によって構成される結晶へのTiの固溶量が低下し、結晶粒界にTiの酸化物が存在しやすくなる。そのため、主成分によって構成される結晶は、結晶粒界にTiの酸化物が存在することにより、粒成長が抑制されて微細結晶からなる組織形態となり、緻密化されることから、機械的強度の向上したフェライト焼結体を得ることができる。
が0.005質量%以上0.1質量%以下となるように、Si源を仮焼粉体に添加すればよい。
とにより本実施形態のフェライト焼結体を得ることができる。なお、Si源を含んでいるとき、最高温度から800℃までの降温速度を100℃/時間以上とすることにより、結晶粒界にSiO2を非晶質で存在させやすくできる。
後、バインダを加えてスラリーとし、噴霧造粒装置(スプレードライヤ)にて造粒して球状顆粒を得た。そして、この球状顆粒を用いプレス成形法により圧縮成形して、図1に示すトロイダルコア1の形状の成形体を得た。
施して脱脂体を得た。しかる後、この脱脂体を焼成炉にて大気雰囲気中1000〜1200℃の最高温度で2時間保持して焼成した。その後研削加工を施し、外径13mm、内径7mm、厚み3mmのトロイダル形状の試料No.1〜16のフェライト焼結体を得た。
TiO2およびMoO3の含有量となるように添加して、その後の工程は、試料No.1〜16を作製したときと同じ製造方法により試料No.17〜32のフェライト焼結体を得た。
付けてLCRメータを用いて周波数100kHzにおける透磁率を測定した。また、キュリ
ー温度については、250℃までは、透磁率の測定と同様の試料およびLCRメータを用い
てブリッジ回路法により求め、250℃を超える試料については、この試料を粉砕した粉末
をケースに入れ、振動試料型磁力計(TOEI社製 VSM−5型)の所定位置に置き磁場をかけて常磁性になる温度をキュリー温度として測定した。
に対する比率を百分率で表すことによって、表2に記載の質量%となっていることを確認した。結果を表1、表2にそれぞれ示す。
%含有する表2の試料No.17〜32については、いずれも透磁率、キュリー温度ともに高い値を示しており、TiおよびMoを含有することによって、透磁率およびキュリー温度を高められることがわかった。
超える試料No.38は、透磁率を高めることができなかった。また、MoO3換算で0.01質量%未満である試料No.39は、キュリー温度を高めることができず、MoO3換算で0.1質量%を超える試料No.44は、透磁率を高めることができなかった。
算で0.01質量%以上0.1質量%以下含有する試料No.34〜37,40〜43,45〜48は、透磁
率およびキュリー温度のいずれも高めることができていた。
する制御装置に組み込まれる電気回路のノイズ除去に用いられる、ノイズフィルタのコア
となるフェライト焼結体に求められる特性を満たす、優れた特性を有していることがわかった。
れ実施例1と同様の製造方法によりフェライト焼結体を作製した。なお、以降の説明において、TiO2に熱処理を施していない方の試料を試料A、TiO2に熱処理を施した方の試料を試料Bと称す。
加工した。そして、透過電子顕微鏡(JEOL製 JEM2010F)を用いて、加工後の試料表面を倍率28000倍の倍率で、加速電圧200kVの条件下で観察した。そして、観察視野における結晶粒界について、5箇所を測定箇所とし、付設されたエネルギー分散型X線分光分析装置(サーモエレクトロン製 NSS)により、スポット径1nm、測定時間50secおよび
測定エネルギー幅0.14〜20.48keVの条件で測定し、得られたチャート(縦軸:元素カ
ウント、横軸:測定エネルギー幅)を得た。
強度を測定した。
実施例1と同様の製造方法により体積固有抵抗測定用の試料を得た。そして、超絶縁抵抗計(TOA製 DSM−8103)を用いて、印可電圧1000V、温度26℃、湿度36%の測定環境下で3端子法(JIS K6271;二重リング電極法)により各試料における体積固有抵抗値を測定した。
質量%以下含有することにより、透磁率を低下させることなく、体積固有抵抗値を大きく、すなわち電気抵抗を大きくできることが確認された。なお、本実施例において、最高温度から800℃までの降温速度は80℃/時間としたが、同じ成形原料を用いて、最高温度か
ら800℃までの降温速度を100℃/時間以上とした試料を作製したところ、Siを含有する各試料において、最高温度から800℃までの降温速度を100℃/時間以上とした試料の方がさらに体積固有抵抗値は大きい結果が得られた。
1a:巻線部
2:ボビンコア
2a:巻線部
Claims (4)
- Fe,Zn,NiおよびCuの酸化物を主成分とし、該主成分の組成範囲が、FeをFe 2 O 3 換算で48モル%以上51モル%以下、ZnをZnO換算で29モル%以上31モル%以下、NiをNiO換算で14モル%以上16モル%以下、CuをCuO換算で5モル%以上7モル%以下であり、前記主成分100質量部に対し、TiをTiO2換算で0.05質量%以上0.15質量%以下、MoをMoO3換算で0.01質量%以上0.07質量%以下含有することを特徴とするフェライト焼結体。
- 結晶粒界にTiの酸化物が存在することを特徴とする請求項1に記載のフェライト焼結体。
- 前記主成分100質量部に対し、SiをSiO2換算で0.005質量%以上0.1質量%以下含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフェライト焼結体。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載のフェライト焼結体に金属線を巻きつけてなることを特徴とするノイズフィルタ。
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