JP2011246159A - 梱包用緩衝部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】折り曲げて使用することが容易で、繰り返しの再利用にも適し、かつ、安価に製造できる梱包用緩衝部材を提供する。
【解決手段】複数の凸部を有するキャップフィルムと平坦なベースフィルムとを張り合わせることによって、シートの表面に多数の密閉された独立気泡3を形成してなる気泡緩衝シート2を積層してなる緩衝部材であって、積層された気泡緩衝シート2a〜2cの周縁部4を溶着して各気泡緩衝シート2a〜2cを連結する。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の凸部を有するキャップフィルムと平坦なベースフィルムとを張り合わせることによって、シートの表面に多数の密閉された独立気泡3を形成してなる気泡緩衝シート2を積層してなる緩衝部材であって、積層された気泡緩衝シート2a〜2cの周縁部4を溶着して各気泡緩衝シート2a〜2cを連結する。
【選択図】 図1
Description
この発明は梱包用緩衝部材に関し、より詳細には、気泡緩衝シートを積層してなる梱包用の緩衝部材に関する。
被梱包物を梱包容器内に収容する場合、外部からの衝撃による被梱包物の破損を防止する手段として気泡緩衝シートが用いられている。この種の気泡緩衝シートは、周知のごとく、複数の凸部を有するキャップフィルムと平坦なベースフィルムとを張り合わせて、シートの表面に多数の密閉された独立気泡を形成したものであり、このシートで被梱包物を包むことによってシートに形成された気泡により外部からの衝撃を和らげている。
ところで、梱包容器と被梱包物との間の隙間が大きい場合、一枚の気泡緩衝シートで被梱包物を包むだけでは梱包容器と被梱包物の隙間を埋めるのが難しいことから、気泡緩衝シートを積層して厚みを持たせた緩衝部材が提案されている。
具体的には、たとえば、図4(a)に示すように、気泡緩衝シートaを複数枚重ねたものの周囲をシート状の部材bで被覆することによって1個の緩衝部材としたもの(特許文献1参照)や、図4(b)に示すように、複数の気泡緩衝シートaを重ね合わせて貼り合わせたもの(特許文献2参照)が提案されている。
しかしながら、このような従来の緩衝部材には以下のような問題があり、その改善が望まれていた。
すなわち、特許文献1に示す緩衝部材は、シート状の部材bの内部に気泡緩衝シートaを収容する構造とされているので、気泡緩衝シートaがシート状の部材bの内側で一方に片寄ってしまう場合があった。たとえば、コーナー部分の緩衝用に使用するために緩衝部材を折り曲げた場合などはこのような片寄りが生じやすく、片寄りが生じた緩衝部材を緩衝材として再利用する場合には、シート状の部材bの外側から気泡緩衝シートaの片寄りを修正しなければならず、再利用が面倒であった。
また、この特許文献1に示す緩衝部材は、気泡緩衝シートaとシート状の部材bとで構成されるので部品点数が増加するとともに、製造コストの上昇を招くという問題もあった。殊にこの種の緩衝部材は、あくまで梱包の補助製品のため安価であることが強く求められるので、製造コストの上昇は重大な問題であった。
一方、特許文献2に示す緩衝部材は、下層の気泡緩衝シートaのキャップ部分と上層の気泡緩衝シートの裏面を貼着するだけの簡単な構造なので製造コストは抑制できるが、厚みを出すために多くの気泡緩衝シートを積層した場合には、折り曲げるのが困難になり、コーナー部分の緩衝用に用いるのに適さないという問題があった。また、無理に折り曲げると、上層の気泡緩衝シートaと下層の気泡緩衝シートとが剥離するおそれがあり、その場合、再利用ができなくなるという問題もあった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、折り曲げて使用することが容易で、繰り返しの再利用にも適し、かつ、安価に製造できる梱包用緩衝部材を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る梱包用緩衝部材は、複数の凸部を有するキャップフィルムと平坦なベースフィルムとを張り合わせることによって、シートの表面に多数の密閉された独立気泡を形成してなる気泡緩衝シートを積層してなる緩衝部材であって、積層された気泡緩衝シートの周縁部が溶着されることによって各気泡緩衝シートの周縁部が連結されていることを特徴とする。
すなわち、本発明に係る梱包用緩衝部材は、積層してなる気泡緩衝シートの周縁部を溶着することによって1個の緩衝部材を形成している。各気泡緩衝シートは、その周縁部のみが溶着によって連結されており、周縁部以外の部分(つまり、周縁部より内側の中央部分)は上層または下層の気泡緩衝シートとは独立して自由に動くことができるようにされている。そのため、折り曲げて使用する場合でも、上下に重なり合う気泡緩衝シート同士は互いに他の気泡緩衝シートの動きの妨げとならない。また、各気泡緩衝シートは周縁部が溶着・連結されているので折り曲げて使用しても片寄ることがない。
そして、本発明は、その好適な実施態様として、上記気泡緩衝シートは、最上層及び最下層に配置されるシートの裏面が外側に露出するように重ね合わされることを特徴とする。また、上記各シートを溶着してなる周縁部に隣接する梱包用緩衝部材と分離するためのミシン目が形成されていることを特徴とする。さらに、各シートの溶着は超音波溶着によって行われることを特徴とする。
本発明によれば、積層された各気泡緩衝シートの周縁部が溶着・連結されているので、容易に折り曲げて使用することができ、しかも、折り曲げることによって気泡緩衝シートが片寄ることなく繰り返し再利用できる梱包用緩衝部材を提供できる。
また、製造にあたっては気泡緩衝シートの周縁部を溶着するだけで済むので、部品点数の増加を招くことなく、安価な梱包用緩衝部材を提供できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る梱包用緩衝部材の概略構成を示している。本発明に係る梱包用緩衝部材1は、図1(a)に示すように、複数枚(図示例では3枚)の気泡緩衝シート2a〜2cを主要部として構成されている。
図1は、本発明に係る梱包用緩衝部材の概略構成を示している。本発明に係る梱包用緩衝部材1は、図1(a)に示すように、複数枚(図示例では3枚)の気泡緩衝シート2a〜2cを主要部として構成されている。
気泡緩衝シート2a〜2cは、周知のごとく、複数の凸部を有するキャップフィルムと平坦なベースフィルムとを張り合わせることによって、シートの表面に多数の密閉された独立気泡3,3,…を形成してなる柔軟なプラスチック製のシート(たとえば、ポリエチレンシート)で構成される。なお、この独立気泡3,3,…の大きさや形状(一般的には円柱形状であるが、菱形柱状のものやハート型柱状のものなど様々な形状の気泡緩衝シートがある)、その配列間隔など、気泡緩衝シートの具体的な形態は適宜選択可能であり、本発明ではその具体的な形態の如何は問わずに適用される。
本発明の梱包用緩衝部材1は、このような気泡緩衝シート2a〜2cを図1(a)に示すように上下に複数枚重ね合わせて積層したものの周縁部4を、図1(b)に示すように、上下から溶着して、積層された各気泡緩衝シート2a〜2cの周縁部4を相互に連結することにより構成されている。
ここで、積層される気泡緩衝シート2の枚数は少なくとも2枚以上とされる。積層にあたっては、最上層及び最下層に配置される気泡緩衝シート(図示例では2a,2c)は、その裏面、つまり、独立気泡3のない平坦な面が外側に露出するように重ね合わされる。このように最上層及び最下層の気泡緩衝シート2a,2cについて裏面を外側に配置するのは、外部に露出する面を平坦にすることで、梱包時に独立気泡3,3,…が邪魔にならないようにするためである。したがって、独立気泡3,3,…が外部に露出しても差し支えない場合には、最上層及び最下層の一方または双方に配置される気泡緩衝シート2a,2cの表面が外側に露出するように重ね合わせてもよい。
最上層及び最下層の気泡緩衝シート2a,2cの内側に配設される気泡緩衝シート(図示例では2b)の向きは、最上層または最下層のいずれの気泡緩衝シート2a,2cに向いていてもよいが、これらの内側に2枚以上の気泡緩衝シート2bを配設する場合には、それらの向きを統一した方が厚みを出す上で好ましい。
本実施形態では、上記気泡緩衝シート2a〜2cとして矩形のシートが用いられ、周縁部4として気泡緩衝シート2a〜2cの周囲の4辺がその全長にわたって溶着される。これにより、各気泡緩衝シート2a〜2cは、周囲の周縁部4以外の部分、つまり、周縁部4よりも内側の中央部分5は、上層または下層の気泡緩衝シート2と独立して自由に動けるように構成される。そのため、梱包用緩衝部材1を折り曲げて使用する場合でも、上下に重なり合う気泡緩衝シート同士(たとえば、2aと2b、2bと2c)の中央部分5は互い独立して折れ曲がり、他の気泡緩衝シートの動きを妨げることがなく、梱包用緩衝部材1を容易に折り曲げることができる。
また、上記各気泡緩衝シート2a〜2cの周縁部4が溶着によって連結されているので、梱包用緩衝部材1を折り曲げて使用しても、各気泡緩衝シート2a〜2cの位置がずれることがなく、特に内側の気泡緩衝シート2bが一方に片寄るのが防止される。なお、本実施形態では、各気泡緩衝シート2a〜2cの溶着にあたり、周囲4辺の全て周縁部4を全長にわたって溶着する場合を示したが、たとえば、周囲4辺のうちの2辺または3辺だけを溶着するように構成してもよい。また、溶着する各辺は少なくとも内側の気泡緩衝シート2bが位置ずれを起こさない程度に、その一部のみを溶着するように構成することも可能である。
次に、本発明に係る梱包用緩衝部材1の製造方法について図2及び図3に基づいて説明する。
図2は梱包用緩衝部材1の製造工程の概要を示している。この図2に示す工程で製造される梱包用緩衝部材は、図1(b)に示す梱包用緩衝材1と同様に3枚の気泡緩衝シート2a〜2cを積層してなる構造とされる。
各気泡緩衝シート2a〜2cは、それぞれ繰り出しリール6a〜6cに巻装されている。繰り出しリール6a〜6cは、いずれも幅寸法が略同一の気泡緩衝シート2巻装してなるもので、図中の矢符に示すように、巻装している気泡緩衝シート2を繰り出せるように回転可能に支持されている。
そして、これら各繰り出しリール6a〜6cから繰り出された気泡緩衝シート2a〜2cは、図示しないが繰り出し後に適宜表裏を反転させながら図1(a)に示す位置関係、つまり、最上層及び最下層に配置される気泡緩衝シート2a,2cの裏面が外側に露出するように重ね合わされ、その状態で、気泡緩衝シート2a〜2cの溶着処理を行う溶着処理部7に搬送される。
溶着処理部7は、気泡緩衝シート2a〜2cの周縁部4を高周波ウエルダ方式で溶着処理(超音波溶着)することによって積層された気泡緩衝シート2a〜2cを梱包用緩衝部材1に仕上げるシールバーを備えて構成されている。
具体的には、溶着処理部7には、上記繰り出しリール6a〜6cから繰り出され、積層された状態で搬送される気泡緩衝シート2a〜2cに対して、その搬送方向に沿った周縁部4を溶着する一対のシールバー8,8と、搬送方向に直交する周縁部4を溶着するシールバー9とが備えられている。
これらシールバー8,9は、いずれも周知の構造、つまり、積層された気泡緩衝シート2を上下方向から挟み込んで溶着処理する構造のシールバーで構成されるが、本実施形態では、搬送方向に直交する方向に配置されるシールバー9は、溶着処理後の気泡緩衝シート2を切断し、個々の梱包用緩衝部材1,1,…に分離できるように切り刃を備えて構成されている。
図3は、このシールバー9の構造を示している。
図3に示すように、このシールバー9は、気泡緩衝シート2a〜2cの搬送方向に直交する方向に一対のシールバー91,92と、これらシールバー91,92の間に配置された切り刃93とを備えている。すなわち、気泡緩衝シート2a〜2cの搬送方向上流側にシールバー91を備えるとともに、搬送方向下流側にシールバー92を備えており、これらの間に設けられた切り刃93で溶着処理後の気泡緩衝シート2を切断するように構成されている。
図3に示すように、このシールバー9は、気泡緩衝シート2a〜2cの搬送方向に直交する方向に一対のシールバー91,92と、これらシールバー91,92の間に配置された切り刃93とを備えている。すなわち、気泡緩衝シート2a〜2cの搬送方向上流側にシールバー91を備えるとともに、搬送方向下流側にシールバー92を備えており、これらの間に設けられた切り刃93で溶着処理後の気泡緩衝シート2を切断するように構成されている。
ここで、切り刃93は、搬送方向上流側の梱包用緩衝部材1と、それに隣接する下流側の梱包用緩衝部材1とを完全に分離するように切り刃93の全長をすべて刃で構成してもよいが、本実施形態では、これら隣接して形成された梱包用緩衝部材1,1を容易に分離できる状態で連結しておくように、この切り刃93には一定間隔で非刃となる部分、図示例では切り欠き部94,94,…が形成されている。
つまり、本実施形態では、このシールバー9で溶着処理された気泡緩衝シート2a〜2cの積層体(梱包用緩衝材1)は、隣接する梱包用緩衝部材1との接続部分に両者を分離するためのミシン目が形成される。そのため、ユーザは被梱包物や梱包容器の状態に合わせて、梱包用緩衝部材1を適当数連結した状態で使用することができ、また、ミシン目に沿って分離することで連結された梱包用緩衝部材1の数を調節することができる。
このように、本発明の梱包用緩衝部材1は、積層した気泡緩衝シート2a〜2cの周縁部4を溶着することによって形成されるので、気泡緩衝シート2a〜2c以外の材料を用いることなく製造でき、安価に製造することができる。
また、各気泡緩衝シート2a〜2cは、周縁部4のみが連結されているので、折り曲げて使用する場合でも、上下に重なり合う気泡緩衝シート同士が互いに干渉しないので容易に折り曲げることができ、しかも、折り曲げることによって気泡緩衝シート2が一方に偏ることもなく、繰り返し使用することができる。
なお、上述した実施形態はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれらに限定されることなくその範囲内で種々の設計変更が可能である。
たとえば、上述した実施形態では、気泡緩衝シート2を3枚重ね合わせた場合を示したが、3枚以上の気泡緩衝シート2を積層・溶着することによって構成することも可能である。
また、上述した実施形態では、気泡緩衝シート2の溶着を超音波溶着によって行った場合を示した、他の方法で溶着するように構成してもよい。
1 梱包用緩衝部材
2,2a〜2c 気泡緩衝シート
3 独立気泡
4 周縁部
6a〜6c 繰り出しリール
7 溶着処理部
8,9 シールバー
93 切り刃
2,2a〜2c 気泡緩衝シート
3 独立気泡
4 周縁部
6a〜6c 繰り出しリール
7 溶着処理部
8,9 シールバー
93 切り刃
Claims (4)
- 複数の凸部を有するキャップフィルムと平坦なベースフィルムとを張り合わせることによって、シートの表面に多数の密閉された独立気泡を形成してなる気泡緩衝シートを積層してなる緩衝部材であって、
積層された気泡緩衝シートの周縁部が溶着されることによって各気泡緩衝シートの周縁部が連結されていることを特徴とする梱包用緩衝部材。 - 前記気泡緩衝シートは、最上層及び最下層に配置されるシートの裏面が外側に露出するように重ね合わされることを特徴とする請求項1に記載の梱包用緩衝部材。
- 前記各気泡緩衝シートを溶着してなる周縁部に、隣接する梱包用緩衝部材と分離するためのミシン目が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の梱包用緩衝部材。
- 前記各シートの溶着が超音波溶着によって行われていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の梱包用緩衝部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010120551A JP2011246159A (ja) | 2010-05-26 | 2010-05-26 | 梱包用緩衝部材 |
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Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5948147A (ja) * | 1982-09-13 | 1984-03-19 | 宇部興産株式会社 | 積層材とその製造方法及び装置 |
JP2003276767A (ja) * | 2002-03-22 | 2003-10-02 | Kawakami Sangyo Co Ltd | 緩衝包装用の緩衝材 |
-
2010
- 2010-05-26 JP JP2010120551A patent/JP2011246159A/ja active Pending
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A521 | Written amendment |
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A02 | Decision of refusal |
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