JP2011244253A - 撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ローリングシャッタ方式において、1フレーム期間よりも長い露光を行うことができ、SN比の高い画像が得られるようにする。
【解決手段】撮像装置は、行列状に配置された複数の画素で構成される画素部と、露光開始タイミングと露光後の信号の読み出しタイミングとを前記画素部の各行に順次与えてローリングシャッタを行うタイミング制御部と、前記タイミング制御部によって前記画素部から読み出された露光後の信号を外部に出力する出力部とを有する撮像装置であって、前記タイミング制御部は、連続する複数枚の画像を予め設定されたフレームレートでローリングシャッタを行う場合に、前記露光開始タイミングと前記読み出しタイミングとの時間間隔が前記フレームレートよりも長く、且つ前記読み出しタイミングを出力する行がフレーム毎に異なるように前記露光開始タイミングと前記読み出しタイミングとを制御する。
【選択図】図7

Description

本発明は、固体撮像素子単体および固体撮像素子を搭載する電子カメラなどの撮像装置に関する。
一般的な電子カメラは、静止画やスルー画像或いは動画など、機能に応じて様々な解像度の画像に対応できるようになっている。例えば電子カメラに広く用いられているCMOS型の固体撮像素子では、撮像画面の必要な部分だけを読み出したり、行を間引いて読み出すことができる(例えば、特許文献1参照)。
一方、スルー画像や動画撮影などではローリングシャッタ方式の電子シャッタが用いられている。ローリングシャッタ方式では、行列状に配置された固体撮像素子の各画素の光電変換部に蓄積される電荷のリセット動作と、リセット後に光電変換部に蓄積された電荷を電気信号に変換して読み出す動作とが行単位で繰り返し行われる。
特開2006−325073号公報
ところが、従来のローリングシャッタ方式におけるリセット動作と読み出し動作は、1フレーム内の同一行に対して行われるようになっており、リセットタイミングと読み出しタイミングを独立して制御することができず、1フレーム期間よりも長い時間の露光を行うことが難しかった。これにより、暗い場所での撮影時にSN比が劣化するという問題があった。
上記課題に鑑み、本発明の目的は、1フレーム期間よりも長い時間の露光を行うことができ、SN比の高い画像が得られる撮像装置を提供することである。
本発明に係る撮像装置は、行列状に配置された複数の画素で構成される画素部と、露光開始タイミングと露光後の信号の読み出しタイミングとを前記画素部の各行に順次与えてローリングシャッタを行うタイミング制御部と、前記タイミング制御部によって前記画素部から読み出された露光後の信号を外部に出力する出力部とを有する撮像装置であって、前記タイミング制御部は、連続する複数枚の画像を予め設定されたフレームレートでローリングシャッタを行う場合に、前記露光開始タイミングと前記読み出しタイミングとの時間間隔が前記フレームレートよりも長く、且つ前記読み出しタイミングを出力する行がフレーム毎に異なるように前記露光開始タイミングと前記読み出しタイミングとを制御することを特徴とする。
また、前記タイミング制御部の前記露光開始タイミングと前記読み出しタイミングとの時間間隔が前記フレームレートよりも長い第1モードと、前記露光開始タイミングと前記読み出しタイミングとの時間間隔が前記フレームレート以下の第2モードとを切り替えるモード切替部を更に備え、前記タイミング制御部は、前記モード切替部により設定されたモードに応じて、前記露光開始タイミングと前記読み出しタイミングとを制御することを特徴とする。
さらに、撮影する被写体の明るさ測光する測光部を更に備え、前記モード切替部は、前記測光部の測光値に応じて前記第1モードおよび前記第2モードを切替えることを特徴とする。
また、前記タイミング制御部は、前記画素部の同一行の複数の画素に対して、前記露光開始タイミングを出力したフレームと異なるフレームで前記読み出しタイミングを出力することを特徴とする。
さらに、前記画素部の列毎に設けられた増幅器を更に備え、前記増幅器の増幅率は、前記測光部の測光値に応じて制御されることを特徴とする。
本発明に係る撮像装置は、リセットタイミングと読み出しタイミングを独立して制御するので、1フレーム期間よりも長い時間の露光を行うことができ、SN比の高い画像を得ることができる。
固体撮像素子101の構成例を示す図である。 画素px(n,m)の回路例を示す図である。 「通常撮影モード」のタイミング例を示す図である。 「通常撮影モード」のタイミングチャートである。 行ブロックの例を示す図である。 長時間露光のタイミング例を示す図である。 「高SN撮影モード」のタイミングチャートである。 電子カメラ201の構成例を示す図である。
以下、本発明に係る撮像装置の実施形態について図面を用いて詳しく説明する。尚、本発明に係る撮像装置は、電子シャッタの1つであるローリングシャッタ方式に対応する固体撮像素子単体だけでなく、電子カメラ,ビデオカメラ,カメラ付携帯電話など固体撮像素子を搭載して画像を撮影する機器を含んでいる。
(第1実施形態)
先ず、本発明に係る撮像装置の第1実施形態として固体撮像素子101について説明する。図1は、固体撮像素子101の構成を示すブロック図である。
[固体撮像素子101の構成例]
図1において、固体撮像素子101は、画素部102と、出力部103と、タイミング制御部104とで構成される。そして、動作制御信号がタイミング制御部104に外部から与えられる。外部から与えられる動作制御信号は、固体撮像素子101の動作モードを選択する信号や動作タイミングの元になるクロック信号やフレーム信号などで構成される。動作モード選択信号は、例えば電子シャッタをローリングシャッタ方式で行うかグローバルシャッタ方式で行うかを選択する。或いは、固体撮像素子101から読み出す画像の解像度の選択や間引き読み出しの設定、或いはゲイン設定などを行う。尚、本実施形態では、ローリングシャッタ方式で行間引き読み出しを行う場合について説明する。ローリングシャッタ方式は、常に固体撮像素子101に被写体光が入射した状態にして、固体撮像素子101の各画素に蓄積される電荷のリセットタイミングと読み出しタイミングとを制御することにより、露光時間を制御して画像を撮影する電子シャッタの1つで、行毎に順次撮影して1フレームの画像を取得する。特に、本実施形態に係る固体撮像素子101は、ローリングシャッタ方式で撮影する場合に、「通常撮影モード」と「高SN撮影モード」の2つのモードを選択できるようになっている。「通常撮影モード」では行毎の露光時間が1フレーム未満のローリングシャッタを行い、「高SN撮影モード」では行毎の露光時間が1フレーム期間よりも長いローリングシャッタを行うことができる。尚、これらの撮影モードについては後で詳しく説明する。
以下、図1の固体撮像素子101の各部について詳しく説明する。
画素部102は、行列状に配置された複数の画素で構成される。尚、図1では、説明がわかり易いように、画素部102は9行9列の81画素で構成されているが、実際には数百万画素を有する。画素部102において、1列目の画素px(1,1)から画素px(9,1)までの9つの画素は垂直信号線VLINE(1)に接続され、垂直信号線VLINE(1)に読み出された信号は出力部103に入力される。同様に、2列目の画素px(1,2)から画素px(9,2)までの9つの画素は垂直信号線VLINE(2)に接続され、9列目の画素px(1,9)から画素px(9,9)までの9つの画素は垂直信号線VLINE(9)に接続され、それぞれの垂直信号線を介して出力部103に入力される。尚、図1では省略してあるが、3列目から8列目についても同様である。ここで、以降の説明において、特定の行または列を指定しない場合は行方向をn(nは1から9の整数)、列方向をm(mは1から9の整数)として表記する。
また、画素部102において、1行目の画素px(1,1)から画素px(1,9)までの9つの画素に対してタイミング制御部104から3つのタイミング信号(FDRST(1),SEL(1),TX(1))が入力され、1行目の9つの画素で光電変換された信号が列毎に配置されたそれぞれの垂直信号線(VLINE(1)からVLINE(9))にそれぞれ読み出される。同様に、2行目の画素px(2,1)から画素px(2,9)までの9つの画素は、タイミング信号(FDRST(2),SEL(2),TX(2))によって、9行目の画素px(9,1)から画素px(9,9)までの9つの画素は、タイミング信号(FDRST(9),SEL(9),TX(9))によって、各画素で光電変換された信号が列毎に配置されたそれぞれの垂直信号線(VLINE(1)からVLINE(9))にそれぞれ読み出される。尚、図1では省略してあるが、3行目から8行目についても同様である。
次に、出力部103は、画素部102から行毎に読み出される各画素の信号を列順に外部に出力するためのブロックである。図1において、出力部103は、各垂直信号線VLINE(m)に信号を読み出すために必要な定電流を供給する定電流回路と、カラムアンプCAMP(m)と、信号保持部105と、出力アンプOAMPとで構成される。
定電流回路は、垂直信号線(VLINE(1)からVLINE(9))毎に設けられた定電流用のトランジスタ(Ti11からTi91)と、電源Vddに接続された定電流源PW1によって定電流を流すトランジスタTib1とで構成される。ここで、定電流用のトランジスタ(Ti11からTi91)とトランジスタTib1は、カレントミラー回路を構成している。そして、各列の定電流用のトランジスタは、後で説明する各画素の出力用のトランジスタとソースフォロワ回路を構成し、各画素からそれぞれの垂直信号線(VLINE(1)からVLINE(9))に信号が読み出すために必要な定電流を供給する。
カラムアンプCAMP(m)は、垂直信号線VLINE(m)に読み出された信号の増幅などを行う。尚、各カラムアンプCAMP(m)は、タイミング制御部104から与えられるカラムアンプ制御信号によって動作が制御される。カラムアンプ制御信号は、例えばカラムアンプのリセットやゲインを可変するための制御信号である。
信号保持部105は、各画素から読み出された信号を行毎に保持する。ここで、各画素から読み出される信号は、各画素のばらつきを除去するために各画素に保持された電荷をリセットしたときのダーク信号(Vdk)と、被写体光に応じて各画素に蓄積された電荷を読み出したときの光信号(Vsig)とで構成される。ダーク信号(Vdk)はタイミング制御部104が出力するダーク信号の保持信号SHdkにより保持され、光信号(Vsig)はタイミング制御部104が出力する光信号の保持信号SHsigにより保持される。そして、信号保持部105に保持されたダーク信号(Vdk)と光信号(Vsig)は、タイミング制御部104が出力する水平走査信号(H(1)からH(9))に応じて各列毎に出力アンプOAMP側に読み出される。
ここで、信号保持部105の動作について1列目の場合を例に挙げて説明する。画素部102から1列目の垂直信号線VLINE(1)に読み出されたダーク信号は、カラムアンプCAMP(1)を介してトランジスタTh11,Th12に入力される。トランジスタTh11はダーク信号の保持信号SHdkによってオンされ、ダーク用コンデンサCtd(1)に保持される。尚、この時、トランジスタTh12はオフである。次に、画素部102で垂直信号線VLINE(1)に読み出された光信号は、カラムアンプCAMP(1)を介してトランジスタTh11,Th12に入力される。そして、トランジスタTh12は光信号の保持信号SHsigによってオンされ、光用コンデンサCts(1)に保持される。尚、この時、トランジスタTh11はオフである。このようにして、ダーク信号(Vdk)はダーク用コンデンサCtd(1)に、光信号(Vsig)は光用コンデンサCts(1)にそれぞれ保持される。同様に、2列目の場合、画素部102で垂直信号線VLINE(2)に読み出されたダーク信号はトランジスタTh21を介してダーク用コンデンサCtd(2)に、光信号はトランジスタTh22を介して光用コンデンサCts(2)にそれぞれ保持される。また、9列目の場合、画素部102で垂直信号線VLINE(9)に読み出されたダーク信号はトランジスタTh91を介してダーク用コンデンサCtd(9)に、光信号はトランジスタTh92を介して光用コンデンサCts(9)にそれぞれ保持される。尚、図1では省略してあるが、3列目から8列目についても同様に動作する。このようにして、ダーク信号(Vdk)はダーク用コンデンサCtd(m)に、光信号(Vsig)は光用コンデンサCts(m)にそれぞれ保持される。
出力アンプOAMPは、信号保持部105から各列の画素毎に読み出された光信号(Vsig)から同じ画素のダーク信号(Vdk)を引き算し、出力信号Voutを外部に出力する。ここで、信号保持部105と出力アンプOAMPは相関二重サンプリング回路を構成し、各画素のばらつきによるノイズを除去する。
次に、タイミング制御部104は、固体撮像素子101の画素部102および出力部103にタイミング信号を供給するブロックである。画素部102に対するタイミング信号は、例えば各画素の露光開始タイミングを与える露光開始信号や各画素から信号を読み出すタイミングを与える読み出し信号などに対応する。尚、これらの信号は、画素部102の各行のタイミング信号(FDRST(n),SEL(n),TX(n))の組合せによって生成される。また、出力部103に対するタイミング信号は、例えば各列毎に画素部102から読み出された1行分の信号を信号保持部105で保持するための保持信号(SHdk,SHsig)や、信号保持部105で保持された1行分の信号を列順に読み出すための水平走査信号(H(1)からH(9))などで構成される。さらに、タイミング制御部104は、各カラムアンプCAMP(m)を制御するためのカラムアンプ制御信号を出力する。カラムアンプ制御信号は、例えば複数本の制御信号を有し、各カラムアンプCAMP(m)を初期リセットするカラムアンプリセット信号CArstやゲインを変えるためのゲイン制御信号GAINなどで構成される。
[画素px(n,m)の構成例]
次に、図1の画素部102の各画素px(n,m)の構成例について図2を用いて説明する。図2において、画素px(n,m)は、フォトダイオードPDと、転送用トランジスタTtxと、画素アンプを構成する増幅用トランジスタTamと、選択用トランジスタTseと、リセット用トランジスタTrsとで構成される。尚、FDは転送用トランジスタTtxのドレインとリセット用トランジスタTrsのソースと増幅用トランジスタTamのゲートとが接続されるフローティングディフュージョン領域、Vddは電源、GNDは接地をそれぞれ示している。また、画素px(n,m)には、FD領域に蓄積されている電荷をリセットするFDリセット信号FDRST(n),転送信号TX(n)および選択信号SEL(n)の各タイミング信号が図1のタイミング制御部104から与えられている。
図2において、フォトダイオードPDは、被写体光の光量に応じた電荷を蓄積する。そして、転送用トランジスタTtxのゲートに転送信号TX(n)が入力されると、フォトダイオードPDに蓄積された電荷はFD領域に転送される。FD領域は、接地GNDとの間に形成される容量で、フォトダイオードPDから転送された電荷はFD領域で保持される。そして、選択用トランジスタTseのゲートに選択信号SEL(n)が入力されると、FD領域で保持された電荷は、増幅用トランジスタTamで電気信号に変換され、選択用トランジスタTseを介して垂直信号線VLINE(m)に読み出される。
このように、画素部102の各画素の信号はタイミング制御部104が出力する各タイミング信号によって各列の垂直信号線VLINE(m)に読み出される。
ここで、先に説明したように、本実施形態に係る固体撮像素子101は、ローリングシャッタ方式で撮影する場合に、「通常撮影モード」と「高SN撮影モード」の2つのモードを選択できるようになっている。次に、各撮影モードにおけるローリングシャッタ時の動作について詳しく説明する。
[「通常撮影モード」の動作]
「通常撮影モード」では行毎の露光時間が1フレームより短い期間でローリングシャッタを行うことができる。図3は、固体撮像素子101の「通常撮影モード」において、全ての行と列の全画素から信号を読み出す場合のタイミング例を示す図である。 尚、図3は、ローリングシャッタ方式で全行読み出しの場合と間引き読み出しの場合のタイミング例を示し、各行の露光開始タイミングと露光終了タイミングとの関係が理解しやすいように、図3では露光開始タイミング(リセットタイミングRST(n))と露光終了タイミング(読み出しタイミングRD(n))だけを抽出して描いてある。ここで、白四角印で示したタイミングは露光開始タイミングRST(n)を示し、黒四角印で示したタイミングは露光終了タイミング(読み出しタイミング)RD(n)を示している。また、矢印は露光期間を示している。このように、ローリングシャッタ方式では、リセットしている行と読み出しを行っている行は異なり、例えば、図3に示した全行読み出しの場合は、1行目を読み出しているときに3行目をリセットし、2行目を読み出しているときに4行目をリセットしている。このようにして、各フレーム周期毎に1行目から9行目までの読み出しが行われる、露光期間は1フレーム期間より短くなる。また、図3の間引き読み出しのタイミング例は、1フレーム目で1,4および7行目の各画素から信号を読み出し、2フレーム目で2,5および8行目、3フレーム目で3,6および9行目の各画素からそれぞれ信号を読み出す場合のタイミングを示している。このように、「通常撮影モード」では間引き読み出しにおいても、1フレーム期間より長い時間の露光を行うことができなかった。
図4は、露光開始タイミング(リセットタイミングRST(n))と露光終了タイミング(読み出しタイミングRD(n))の動作を詳細に描いたタイミングチャートである。図4では、ローリングシャッタ方式で複数のフレームを所定のフレームレート(例えば30フレーム/秒など)で撮影する場合を示し、且つ画素部102の全画素(本実施例では9行9列の全81画素)をフレーム毎に読み出す場合の例を示している。尚、図4において、図1と同符号の各タイミング信号は同じものを示す。
図4において、フレームクロックFCLKは1フレーム毎のタイミングを示す信号で、行クロックLCLKは1フレーム内で行毎のタイミングを示す信号である。ここで、フレームクロックFCLKおよび行クロックLCLKは、固体撮像素子101の外部から動作制御信号の一部として供給しても構わないし、外部から供給される動作制御信号のクロック信号などからタイミング制御部104で生成しても構わない。
図4において、フレームクロックFCLKが示す期間(タイミングT1からT21まで)が1フレーム目に対応する。尚、以下の説明において、各信号のHighレベルをオン状態(当該信号が機能する状態)、Lowレベルをオフ状態(当該信号が機能しない状態)とする。
先ず、タイミングT1からT4の期間に、1行目のFDリセット信号FDRST(1)がオンになる。この時の動作は、図2において(n=1,m=1)として、FDRST(1)信号がリセット用トランジスタTrsのゲートに与えられ、画素px(1,1)のFD領域の電荷がリセットされる。そして、FD領域の電荷がリセット中のタイミングT2からT3の期間に、1行目の転送信号TX(1)がオンになる。この時の動作は、図2において(n=1,m=1)として、TX(1)信号が転送用トランジスタTtxのゲートに与えられ、フォトダイオードPDに蓄積されていた電荷はFD領域に転送されてリセットされる。そして、転送信号TX(1)がオフするタイミングT3からフォトダイオードPDへの電荷の蓄積が開始される(1行目の露光期間の開始)。
尚、同じ1行目の他の列の画素px(1,2)からpx(1,9)についても同様である。

ここで、FDリセット信号FDRST(1)と転送信号TX(1)の論理積は露光開始信号に相当し、1行目の露光開始タイミングを与える。
同様に、タイミングT4からT7の期間において、2行目のFDリセット信号FDRST(2)がオンになり、画素px(2,m)のFD領域の電荷がリセットされる。そして、FD領域の電荷がリセット中のタイミングT5からT6の期間に、2行目の転送信号TX(2)がオンになり、フォトダイオードPDに蓄積されていた電荷はFD領域に転送されてリセットされる。そして、転送信号TX(2)がオフするタイミングT6からフォトダイオードPDへの電荷の蓄積が開始される(2行目の露光期間の開始)。
このようにして、1行目から9行目までのフォトダイオードPDの電荷はリセットされ、それぞれの行で露光期間が開始される。
一方、露光期間の開始動作と並行して、フォトダイオードPDに蓄積された電荷を電気信号に変換して読み出す動作が各行毎に行われる。例えば、タイミングT8からT13の期間において、選択信号SEL(1)がオンになり、1行目の各画素のFD領域の電荷が各列の垂直信号線VLINE(m)に読み出される。尚、この時点ではタイミングT7からT8の期間でFD領域はリセットされた状態なので、ダーク信号として増幅用トランジスタTamおよび選択用トランジスタTseを介して各垂直信号線VLINE(m)に読み出される。
一方、タイミングT8からT9の期間において、ダーク信号の保持信号SHdkがオンになり、信号保持部105の各列のダーク用コンデンサCtd(m)にそれぞれの垂直信号線VLINE(m)に読み出されたダーク信号が保持される。
次のタイミングT10からT11の期間において、転送信号TX(1)がオンになると、1行目の各画素のフォトダイオードPDに蓄積された電荷がFD領域に転送される。この時点で、1行目の露光期間が終了する。尚、この時、選択信号SEL(1)はオンの状態なので、1行目の各画素のFD領域に転送された電荷は光信号として増幅用トランジスタTamおよび選択用トランジスタTseを介して各垂直信号線VLINE(m)に読み出される。
一方、タイミングT10からT12の期間において、光信号の保持信号SHsigがオンになり、各垂直信号線VLINE(m)に読み出された1行目の各画素の光信号は、信号保持部105の各列の光用コンデンサCts(m)にそれぞれ保持される。
同様に、1フレーム目の2行目の各画素についてもタイミングT14以降でダーク信号と光信号の読み出しが行われる。そして2行目の各画素から読み出されたダーク信号は各列のダーク用コンデンサCtd(m)に、光信号は各列の光用コンデンサCts(m)にそれぞれ保持される。
図4尚、図4では省略してあるが、3行目から8行目についても同様に各画素から読み出されたダーク信号は各列のダーク用コンデンサCtd(m)に、光信号は各列の光用コンデンサCts(m)にそれぞれ保持される。 このようにして、行単位に各列の画素からダーク信号と光信号とが読み出され、信号保持部105のダーク用コンデンサCtd(m)および光用コンデンサCts(m)に保持される。
次に、信号保持部105のダーク用コンデンサCtd(m)および光用コンデンサCts(m)に行毎に保持された信号を固体撮像素子101の外部に出力する際のタイミングについて説明する。図4のタイミングチャートにおいて、信号保持部105のダーク用コンデンサCtd(m)および光用コンデンサCts(m)に行毎に保持されたダーク信号と光信号は、列毎に水平走査信号(H(1)からH(9))のタイミングに応じて外部に出力される。
先ず、図4のタイミングT15の期間において、タイミング制御部104の水平走査信号H(1)がオンになる。これにより、信号保持部105の1列目のトランジスタTa11,Ta12がオンし、ダーク用コンデンサCtd(1)に保持されていたダーク信号(Vdk)と光用コンデンサCts(1)に保持されていた光信号(Vsig)とが出力アンプOAMPに入力される。出力アンプOAMPは差動増幅器なので、光信号(Vsig)からダーク信号(Vdk)を引き算した出力信号Voutを外部に出力する。ここで、図4において、水平走査信号H(1)がオンの期間に出力アンプOAMPから出力される出力信号Voutは1行1列目の画素px(1,1)の信号Sd1である。
次に、次のタイミングT16の期間において、タイミング制御部104の水平走査信号H(2)がオンになる。これにより、信号保持部105の2列目のトランジスタTa21,Ta22がオンし、ダーク用コンデンサCtd(2)に保持されていたダーク信号(Vdk)と光用コンデンサCts(2)に保持されていた光信号(Vsig)とが出力アンプOAMPに入力され、光信号(Vsig)からダーク信号(Vdk)を引き算した出力信号Voutが外部に出力される。図4において、水平走査信号H(2)がオンの期間の出力信号Voutは1行2列目の画素px(1,2)の信号Sd2である。
同様に、次のタイミングT17の期間において、タイミング制御部104の水平走査信号H(9)がオンになる。これにより、信号保持部105の9列目のトランジスタTa91,Ta92がオンし、ダーク用コンデンサCtd(9)に保持されていたダーク信号(Vdk)と光用コンデンサCts(9)に保持されていた光信号(Vsig)とが出力アンプOAMPに入力され、光信号(Vsig)からダーク信号(Vdk)を引き算した出力信号Voutが外部に出力される。図4において、水平走査信号H(9)がオンの期間の出力信号Voutは1行9列目の画素px(1,9)の信号Sd9である。
尚、図4では省略してあるが、1行3列目から1行8列目の各画素(px(1,3)からpx(1,8))についても同様に出力アンプOAMPから各画素の信号が出力される。
同様に、1フレーム目の2行目から9行目についても固体撮像素子101から外部に全画素の信号が読み出される。また、タイミングT21以降の2フレーム目についても1フレーム目と同様に動作し、全画素の信号が読み出される。
以上、図4のタイミングチャートで説明したように、固体撮像素子101の全画素から信号を読み出すローリングシャッタでは、フォトダイオードPDの電荷とFD領域の電荷とをリセットするリセット動作と、露光期間と、信号の読み出し動作とが行毎に順番に実行され、且つ1フレーム期間内に閉じた動作が行われていた。
尚、図4のタイミングチャートは、1フレーム期間に画素部102の全画素から信号を読み出す場合のタイミングを示しているが、間引き読み出しを行う場合でも読み出す行に対応するタイミング信号(FDRST(n),SEL(n),TX(n))が上記の説明と同様のタイミングで出力される。例えば1フレーム期間に2行を間引いて、1行目,4行目,7行目を読み出す場合は、図4のタイミングチャートにおいて、1行目に対応するタイミング信号(FDRST(1),SEL(1),TX(1))と、4行目に対応するタイミング信号(FDRST(4),SEL(4),TX(4))と、7行目に対応するタイミング信号(FDRST(7),SEL(7),TX(7))とが1フレーム期間にタイミング制御部104から画素部102に出力されるだけで、1フレーム期間内にリセット動作と、露光期間と、信号の読み出し動作とが行毎(1行目,4行目,7行目)に順番に実行されることは同じである。
また、フレーム毎に間引き行を変える場合は、例えば1フレーム目は1行目,4行目,7行目、2フレーム目は2行目,5行目,8行目、3フレーム目は3行目,6行目,9行目、そして4フレーム目は再び1行目,4行目,7行目のように読み出し動作を実行する。この場合でも、1フレーム期間内に、リセット動作と、露光期間と、信号の読み出し動作とが行毎に順番に実行される。従って、図4のタイミングチャートで固体撮像素子101を動作させて撮影を行う場合は、各行の露光期間が最大でも1フレーム期間未満に制限される。次に、本実施形態に係る固体撮像素子101における「高SN撮影モード」の動作について説明する。
[「高SN撮影モード」の動作]
固体撮像素子101の外部からタイミング制御部104に「高SN撮影モード」の動作が指示されると、タイミング制御部104は「高SN撮影モード」に応じたタイミング信号を画素部102や出力部103に出力する。
ここで、「高SN撮影モード」では行毎の露光時間が1フレーム期間よりも長いローリングシャッタを行うことができる。このため、暗い場所などでもSN比の良い高画質の画像を撮影することができる。尚、「高SN撮影モード」では、固体撮像素子101でローリングシャッタを行う場合に行間引きを行うことが前提である。特に、行間引きを行う行の組合せを行ブロックとした場合、複数の行ブロックに分けて、行ブロック毎に露光タイミングを制御する。この様子を図5に示す。図5は、2行を間引いて3行毎に行ブロックを構成する場合の一例を示している。例えば図5において、1行目と4行目と7行目とで行ブロックA、2行目と5行目と8行目とで行ブロックB、3行目と6行目と9行目とで行ブロックCをそれぞれ構成する。そして、(3k−2)フレーム目は行ブロックAを、(3k−1)フレーム目は行ブロックBを、(3k)フレーム目は行ブロックCをそれぞれ読み出す。ここで、kは1以上の整数である。例えば図5において、1フレーム目は行ブロックAを、2フレーム目は行ブロックBを、3フレーム目は行ブロックCをそれぞれ読み出し、4フレーム目は再び行ブロックAを読み出し、以降のフレームは読み出す行ブロックを順番に変えながら繰り返して動作する。尚、間引き行数をp(pは1以上の整数)、行ブロック数をq(qは1以上の整数)とした場合、両者の関係は(q≦p+1)となる。例えば図5の場合は、間引き行数p=2なので行ブロック数q≦3であればよく、図5の例では、行ブロックA,BおよびCの3つのブロックをフレーム毎に巡回的に用いたが、間引き行数p=2の場合でも行ブロックAおよびBの2つのブロックをフレーム毎に巡回的に用いても構わない。
次に、本実施形態に係る固体撮像素子101において、露光期間を1フレーム期間以上にする場合の動作について図6のタイミングチャートを用いて説明する。尚、図6のタイミングチャートは、ローリングシャッタ方式で複数のフレームを所定のフレームレート(例えば30フレーム/秒など)で撮影する場合を示し、且つ画素部102から行間引きを行ってフレーム毎に異なる行を読み出す場合の例を示している。
ここで、「高SN撮影モード」における各行と各フレームの露光開始タイミングと露光終了タイミングとの関係が理解しやすいように、図6では露光開始タイミング(リセットタイミングRST(n))と露光終了タイミング(読み出しタイミングRD(n))だけを抽出して描いてある。尚、図6において、横軸が時間で縦軸は9行分の各行を示している。また、白四角印で示したタイミングは露光開始タイミングRST(n)を示し、黒四角印で示したタイミングは露光終了タイミング(読み出しタイミング)RD(n)を示す。また、図6ではわかり易いように、露光終了タイミングと読み出しタイミングは同じタイミングであるものとしたが、実際の読み出しタイミングは図7で説明したように、ダーク信号や光信号および水平出力タイミングなどで構成され、図7のタイミングT36の時点が図6の露光終了タイミングに相当する。従って、図6の白四角印と黒四角印とを結ぶ矢印は露光期間を示す。
先ず、図6において、各行ブロック毎の読み出しタイミングについて説明する。図6において、1フレーム目では行ブロックAに対応する1,4および7行目の各画素から時系列順にそれぞれ信号が読み出されて1フレーム目の画像を形成する。2フレーム目では行ブロックBに対応する2,5および8行目の各画素から時系列順にそれぞれ信号が読み出されて2フレーム目の画像を形成する。3フレーム目では行ブロックCに対応する3,6および9行目の各画素から時系列順にそれぞれ信号が読み出されて3フレーム目の画像を形成する。4フレーム目では再び行ブロックAに対応する1,4および7行目の各画素から時系列順にそれぞれ信号が読み出されて4フレーム目の画像を形成する。以降のフレームについても同様に各行ブロックの各画素から信号が読み出される。
次に、図6において、各行ブロック毎の露光開始タイミング(リセットタイミング)について説明する。尚、このリセットタイミングは、図1のFDリセット信号FDRST(n)自体と同一ではなく、FDリセット信号FDRST(n)と転送信号TX(n)の組合せによって発生されるタイミングで、フォトダイオードPDの電荷をリセットして新たな露光を開始するタイミングである。具体的な動作タイミングは、図4のタイミングT1からT2のように、FDリセット信号FDRST(n)をオンすると同時にフォトダイオードPDの電荷をFD領域に転送する転送信号TX(n)をオンする動作に対応する。これにより、フォトダイオードPDの電荷が読み出されてFD領域の電荷と共にクリア(リセット)される。
図6において、各行ブロック毎の露光開始タイミング(リセットタイミング)は、1フレーム目では行ブロックCに対応する3,6および9行目の各画素のフォトダイオードPDの電荷をリセットする。2フレーム目では行ブロックAに対応する1,4および7行目の各画素のフォトダイオードPDの電荷をリセットする。3フレーム目では行ブロックBに対応する2,5および8行目の各画素のフォトダイオードPDの電荷をリセットする。4フレーム目では再び行ブロックCに対応する3,6および9行目の各画素のフォトダイオードPDの電荷をリセットする。以降のフレームについても同様に各行ブロックの各画素のフォトダイオードPDの電荷がリセットされる。
ここで、図6の例では、1フレーム目の1,4および7行目の各画素から信号を読み出す際に、既に1フレーム目より時間的に前のタイミングで行ブロックAに対する露光開始動作(フォトダイオードPDの電荷とFD領域の電荷をリセットする動作)が行われているものとする。同様に、2フレーム目の2,5および8行目の各画素から信号を読み出す際に、既に2フレーム目より時間的に前のタイミングで行ブロックBに対する露光開始動作(フォトダイオードPDの電荷とFD領域の電荷をリセットする動作)が行われているものとする。尚、実際に固体撮像素子101をカメラに搭載して連続した複数のフレームの画像を撮影する場合は、固体撮像素子101が出力する最初の2フレームを捨てフレームとして扱う必要がある。
このように、フォトダイオードPDの電荷とFD領域の電荷をリセットして露光を開始するタイミングが行ブロックA−>行ブロックB−>行ブロックCー>行ブロックA−>行ブロックB−>・・・のようにフレーム毎に切り替えられる。一方、フォトダイオードPDに蓄積された電荷を読み出すタイミングについても行ブロックA−>行ブロックB−>行ブロックCー>行ブロックA−>行ブロックB−>・・・のようにフレーム毎に切り替えられる。但し、図6に示したように、「高SN撮影モード」においては、同じ行ブロックに対する露光開始タイミング(フォトダイオードPDの電荷とFD領域の電荷をリセットするタイミング)と読み出しタイミング(フォトダイオードPDに蓄積された電荷の読み出しタイミング)とが同一のフレーム期間内に実行されない。例えば、1フレーム目では行ブロックCをリセットしているが行ブロックCの読み出しは行われていない。また、1フレーム目では行ブロックAの読み出しを行っているが行ブロックAのリセットは行われていない。同様に、2フレーム目では、リセット動作は行ブロックAのみ、読み出し動作は行ブロックBのみである。3フレーム目についても、リセット動作は行ブロックBのみ、読み出し動作は行ブロックCのみである。このように「高SN撮影モード」では、同じ行ブロックのリセット動作と読み出し動作とが異なるフレームで行われ、且つ各行ブロックは同じ動作間隔(同じ露光時間)を保ちながら巡回的に行われる。例えば、図6の場合は、行ブロックAがリセット動作で行ブロックBが読み出し動作を行い、次のフレームでは行ブロックBがリセット動作で行ブロックCが読み出し動作を行い、次のフレームでは行ブロックCがリセット動作で行ブロックAが読み出し動作を行う3つの状態がフレーム毎に巡回的に繰り返される。この点が「通常撮影モード」で説明した図4のタイミングチャートにおいて間引き読み出しを行う場合とは大きく異なる。先に説明したように、図4のタイミングチャートで2行間引き読み出しを行う場合は1フレーム期間よりも短い露光期間しか得られないが、図6のタイミングチャートでは1フレーム期間よりも長い露光期間が得られる。これにより、暗い場所などで撮影を行う場合でも、ノイズの少ない高SN比の画像を得ることができる。
次に、図6で説明した「高SN撮影モード」の詳細なタイミングチャートについて図7を用いて説明する。尚、図7のタイミングチャートは「通常撮影モード」の図4のタイミングチャートに相当する図で、ローリングシャッタ方式で複数のフレームを所定のフレームレート(例えば30フレーム/秒など)で撮影する場合を示し、且つ画素部102から行間引きを行ってフレーム毎に異なる行ブロックを読み出す場合の例を示している。また、図7において、図1および図4と同符号のタイミング信号は同じものを示す。例えば、フレームクロックFCLKは1フレーム毎のタイミングを示す信号で、行クロックLCLKは1フレーム内で行毎のタイミングを示す信号である。
ここで、図7は、1行目の露光期間がわかり易いように、1行目の露光開始タイミングとなる図6の2フレーム目(1行目の露光開始タイミング)から4フレーム目(1行目の露光終了タイミング)までを中心に描いたタイミングチャートである。
先ず、図4のタイミングT1からT4の期間と同様に、図7の2フレーム目のタイミングT31からT34の期間において、1行目のFDリセット信号FDRST(1)がリセット用トランジスタTrsのゲートに与えられ、画素px(1,1)のFD領域の電荷がリセットされる。そして、FD領域の電荷がリセット中のタイミングT32からT33の期間に、1行目の転送信号TX(1)がオンになる。この時の動作は、図2において(n=1,m=1)として、TX(1)信号が転送用トランジスタTtxのゲートに与えられ、フォトダイオードPDに蓄積されていた電荷はFD領域に転送されてリセットされる。そして、転送信号TX(1)がオフするタイミングTb1からフォトダイオードPDへの電荷の蓄積が開始される(1行目の露光期間の開始)。尚、同じ1行目の他の列の画素px(1,2)からpx(1,9)についても同様である。
ここで、FDリセット信号FDRST(1)と転送信号TX(1)の論理積は露光開始信号に相当し、1行目の露光開始タイミングを与える。尚、1行目の露光が開始されるタイミングT34までの動作は図4の場合と同じであるが、2フレーム目の残りの期間および3フレーム目の全期間において1行目の選択信号SEL(1)と転送信号TX(1)はオンにはならないので、1行目の各画素の信号は2フレーム目および3フレーム目では読み出されない。そして、4フレーム目の期間において、タイミングT50からT51の期間にFDリセット信号FDRST(1)がオンになり、1行目の各画素のFD領域の電荷がリセットされる。尚、先のタイミングT31からT34の期間においてFD領域の電荷をリセットした後、フォトダイオードPDからFD領域に電荷は転送されていないのでタイミングT50からT51の期間にFDリセット信号FDRST(1)をオンにしなくても構わないが、フォトダイオードPDや他からの電荷のリークでFD領域にノイズ成分の電荷が保持される可能性があり、フォトダイオードPDの電荷を読み出す直前にFD領域の電荷をリセットしておくのが適切である。
そして、タイミングT51からT56の期間に選択信号SEL(1)がオンになり、1行目の各画素のFD領域の電荷が各列の垂直信号線VLINE(m)に読み出される。尚、この時点ではタイミングT50からT51の期間にFD領域はリセットされているので、各垂直信号線VLINE(m)に読み出される信号はダーク信号である。
一方、タイミングT51からT52の期間において、ダーク信号の保持信号SHdkがオンになり、信号保持部105の各列のダーク用コンデンサCtd(m)にそれぞれの垂直信号線VLINE(m)に読み出されたダーク信号が保持される。
次のタイミングT53からT54の期間において、転送信号TX(1)がオンになると、1行目の各画素のフォトダイオードPDに蓄積された電荷がFD領域に転送される。この時点で、先の2フレーム目のタイミングT33で開始された1行目の露光期間が終了する。尚、選択信号SEL(1)はオンの状態なので、1行目の各画素のFD領域に転送された電荷は光信号として増幅用トランジスタTamおよび選択用トランジスタTseを介して各垂直信号線VLINE(m)に読み出される。
一方、タイミングT53からT55の期間において、光信号の保持信号SHsigがオンになり、各垂直信号線VLINE(m)に読み出された1行目の各画素の光信号は、信号保持部105の各列の光用コンデンサCts(m)にそれぞれ保持される。尚、信号保持部105に各行の光信号とダーク信号とが読み出された後の動作は図4と同じである。例えば、信号保持部105に保持された1行目のダーク信号と光信号は、タイミング制御部104が出力する水平走査信号H(1)からH(9)(図7のタイミングT57,T58およびT59など)に応じて列毎に順番に出力アンプOAMP側に読み出される。そして、出力アンプOAMPは、光信号からダーク信号を引き算した出力信号Voutを外部に出力する。
1行目と同様に、間引き読み出しを行う4行目および7行目の同じ行ブロックAの各画素についても、2フレーム目でフォトダイオードPDの電荷とFD領域の電荷がリセットされて露光が開始され、4フレーム目まで露光が継続された後、4行目および7行目の各画素のフォトダイオードPDに蓄積された電荷はそれぞれのFD領域に転送され(露光終了)、光信号として増幅用トランジスタTamおよび選択用トランジスタTseを介して各列の垂直信号線VLINE(m)に読み出される。そして、信号保持部105および出力アンプOAMPを介して外部に出力される。
このように、1行目,4行目および7行目(行ブロックA)の各画素は、2フレーム目で露光が開始され、4フレーム目で露光を終了するので、約2フレーム期間に亘る長時間露光を行うことができ、暗い場所などで撮影した場合でもSN比の高い画像を得ることができる。
同様に、2行目,5行目および8行目の行ブロックBおよび3行目,6行目および9行目の行ブロックCの各画素の信号についても、約2フレーム期間に亘る長時間露光でフォトダイオードPDに蓄積された電荷が光信号として読み出される。
例えば図7において、行ブロックBの2行目の各画素の信号は、タイミングT34からT35の期間にFDリセット信号FDRST(2)がオンになり、2行目の各画素のFD領域の電荷がリセットされる。そして、次のタイミングT35からT36の期間において、ダーク信号の保持信号SHdkがオンになり、信号保持部105の各列のダーク用コンデンサCtd(m)にそれぞれの垂直信号線VLINE(m)に読み出されたダーク信号が保持される。そして、次のタイミングT37で転送信号TX(1)がオンになると、2行目の各画素のフォトダイオードPDに蓄積された電荷がFD領域に転送され、2行目の露光期間が終了する。尚、この時、選択信号SEL(2)はオンの状態なので、2行目の各画素のFD領域に転送された電荷は光信号として増幅用トランジスタTamおよび選択用トランジスタTseを介して各垂直信号線VLINE(m)に読み出される。
一方、タイミングT37からT39の期間において、光信号の保持信号SHsigがオンになり、各垂直信号線VLINE(m)に読み出された2行目の各画素の光信号は、信号保持部105の各列の光用コンデンサCts(m)にそれぞれ保持される。そして、信号保持部105に保持された2行目の各画素のダーク信号と光信号は、タイミングT41以降は1行目と同様に、水平走査信号(H(1)からH(9))に応じて列毎に順番に出力アンプOAMP側に読み出され、出力アンプOAMPは光信号からダーク信号を引き算した出力信号Voutを外部に出力する。
このように、「高SN撮影モード」では、各行の露光期間を1フレーム期間以上にすることができ、暗い場所での撮影でもSN比の高い画像を得ることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る撮像装置の第2実施形態として電子カメラ200について説明する。尚、電子カメラ201は、第1実施形態で説明したローリングシャッタ方式に対応する固体撮像素子101を用いた電子カメラである。
図8は、電子カメラ200の構成を示すブロック図である。図8において、電子カメラ200は、撮影光学系201と、固体撮像素子101と、AFE(アナログフロントエンド)202と、画像バッファ203と、画像処理部204と、制御部205と、表示部206と、メモリカードIF207と、操作部208と、測光部209とで構成される。尚、電子カメラ201は、ローリングシャッタ方式で撮影する場合に「通常撮影モード」,「高SN撮影モード」および「自動SN撮影モード」の3つのモードを操作部208で選択することができる。特に、電子カメラ201の「自動SN撮影モード」では、撮影時に測光部209の測光値に応じて自動的に1フレーム未満の露光時間の「通常撮影モード」から1フレーム期間よりも長い露光時間が可能な「高SN撮影モード」まで切り替えることができ、明るい場所から暗い場所まで、良好なSN比で画像を撮影することができる。以下、電子カメラ201の各部について順番に説明する。
撮影光学系201は、フォーカスレンズ,ズームレンズ,絞り或いはメカニカルシャッタなどで構成され、制御部205によってフォーカス位置,ズーム位置,絞り値などの制御或いはメカニカルシャッタの開閉などが行われる。被写体光は撮影光学系201を介して入射し、固体撮像素子101の受光面に結像される。
固体撮像素子101は、第1実施形態で説明した固体撮像素子101と同じもので、ローリングシャッタ方式による電子シャッタに対応している。
AFE202は、固体撮像素子101から行単位に順番に出力される各画素の信号を制御部205から指示されるゲインに応じてレベル調整する。そして、レベル調整されたアナログの電気信号をデジタルデータにA/D変換して画像バッファ203に取り込む。尚、画像バッファ203に取り込まれる画像は1画素毎にA/D変換されたデジタルデータを1フレームの画像単位にまとめて記憶される。
画像バッファ203は、揮発性の高速メモリなどで構成され、制御部205が出力するタイミングに応じてAFE202から出力される1画素単位のデジタルデータが順番に記憶され、1フレーム分の画像データとして保持する。また、画像バッファ203は、画像処理部204の処理バッファとしても用いられる。
画像処理部204は、画像バッファ203に取り込まれた画像データに対して制御部205から指示された画像処理(色補正処理やエッジ強調処理或いはJPEG圧縮処理など)やホワイトバランス処理などを行う。
制御部205は 内部に予め記憶されたプログラムコードに従って動作するCPUで構成される。制御部205は、操作部208に設けられた操作部材の操作に応じて電子カメラ201全体の動作を制御する。特に本実施形態では、制御部205は、操作部208で選択される「通常撮影モード」,「高SN撮影モード」および「自動SN撮影モード」の3つのモードに応じて固体撮像素子101の動作を制御する。また、制御部206は、合成処理部301を有し、固体撮像素子101で1フレーム期間よりも長い露光期間で撮影した複数の行ブロックの画像を合成してSN比の高い画像を得るための合成処理を行う。
表示部206は、例えば液晶モニタなどで構成される。そして、画像バッファ203に取り込まれた画像(ライブビュー画像や本撮影された静止画や動画など)或いは制御部205が出力する操作メニュー画面などを表示する。
メモリカードIF207は、メモリカード207aを装着するためのインタフェースで、制御部205から出力されるデータ(撮影された画像データなど)をメモリカード207aに記憶する。或いは、制御部205の指令に応じてメモリカード207aに記憶されているデータ(撮影済みの画像データなど)を読み出して制御部205に出力する。
操作部208は、電源ボタン,レリーズボタン,撮影モードダイヤル,メニューボタンおよび十字カーソルボタンなどの操作部材で構成される。撮影者は、これらの操作部材を用いて電子カメラ201を操作し、これらの操作部材による操作情報は制御部205に出力される。そして、制御部205は、操作部208から入力する操作情報に応じて、電子カメラ201全体の動作を制御する。特に本実施形態に係る電子カメラ201では、撮影者は、撮影モードダイヤルを操作して「通常撮影モード」,「高SN撮影モード」および「自動SN撮影モード」の3つのモードのいずれかを選択できる。
測光部209は、例えばフォトダイオードなどからなる測光センサで構成される。そして、撮影光学系201から入射する被写体光の明るさを測定し、制御部205に出力する。尚、測光部209の代わりに固体撮像素子101で逐次撮影されるライブビュー画像から被写体の明るさを測定しても構わない。
[「高SN撮影モード」,「自動SN撮影モード」の動作]
次に、電子カメラ201の操作部208で「高SN撮影モード」または「自動SN撮影モード」を選択した場合の動作について説明する。「高SN撮影モード」または「自動SN撮影モード」を選択した場合、第1実施形態で説明したように、複数の行ブロック毎に複数のフレームの画像が画像バッファ203に取り込まれる。例えば、電子カメラ201を「高SN撮影モード」に設定して静止画撮影を行う場合、撮影者が操作部208のレリーズボタンを押下すると、制御部205は1フレーム期間よりも長い露光時間で撮影された3フレームの画像を画像バッファ203に取り込む。尚、この時、第1実施形態で説明したように、例えば図6の場合は、最初の2フレームを捨てフレームとするので、実際には少なくとも5フレーム画像が撮影される。
例えば、先に説明した図5において、1フレーム目として1,4および7行目の行ブロックAの画像が画像バッファ203に取り込まれる。そして、2フレーム目として2,5および8行目の行ブロックB、3フレーム目として3,6および9行目の行ブロックCの画像がそれぞれ画像バッファ203に取り込まれる。この後、制御部205の合成処理部301は、行ブロックA,BおよびCの3つの行ブロックの画像を画像バッファ203で合成し、1行目から9行目までの9画素×9画素で構成される画像データを作成する。そして、制御部205は、合成した画像データをメモリカードIF207を介してメモリカード107aに撮影画像として保存する。
ここで、各行ブロックの画像は、1フレーム期間よりも長い露光時間で撮影された高SN画像なので、合成された静止画像も同じ高SN画像が得られる。
尚、上記の説明では、露光時間を1フレーム期間以上としたが、例えば図6において、露光開始タイミングの位置または露光終了タイミングの少なくとも一方の位置を変えることによって、任意の露光時間を得ることができる。
さらに、測光部209の測光値に応じて、露光時間を多段階で変化させるようにしても構わない。これにより、被写体の明るさに応じてより最適なSN比で画像を撮影することができる。
また、固体撮像素子101のカラムアンプCAMP(m)のゲイン調整やAFE202でのレベル調整などと連携して、露光時間を制御することによってより適切な露出状態で画像を撮影することができる。
或いは、制御部205に被写体の動きを検出する動き検出処理部を設けて、被写体の動きに応じて自動的に露光時間を変えるようにしても構わない。例えば、制御部205は、動き検出処理部で検出した被写体の動きが予め設定した閾値より大きい場合には露光時間を短くする。逆に、制御部205は、動き検出処理部で検出した被写体の動きが予め設定した閾値より小さい場合には露光時間を長くする。これにより、例えば、赤道儀を用いて自動追尾しながら天体撮影を行うような場合は、被写体の動きはほとんど無いと見なせるので、例えば10個の行ブロックに分けて9フレーム期間以上の長時間露光を行うことができ、撮影後に10枚の画像を合成することによってノイズの少ない高SNで高品質な画像を得ることができる。
以上、本発明に係る撮像装置について、各実施形態で例を挙げて説明してきたが、その精神またはその主要な特徴から逸脱することなく他の多様な形で実施することができる。そのため、上述した実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明は、特許請求の範囲によって示されるものであって、明細書本文にはなんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内である。
101・・・固体撮像素子 102・・・画素部
103・・・出力部 104・・・タイミング制御部
105・・・信号保持部
VLINE(m)・・・垂直信号線 CAMP(m)・・・カラムアンプ
OAMP・・・出力アンプ px(n,m)・・・画素
PD・・・フォトダイオード Ttx・・・転送用トランジスタ
Tam・・・増幅用トランジスタ Tse・・・選択用トランジスタ
Trs・・・リセット用トランジスタ Ctd(m)・・・ダーク用コンデンサ
Cts(m)・・・光用コンデンサ FDRST(n)・・・FDリセット信号
TX(n)・・・転送信号 SEL(n)・・・選択信号
SHdk・・・ダーク信号の保持信号 SHsig・・・光信号の保持信号
H(m)・・・水平走査信号

Claims (5)

  1. 行列状に配置された複数の画素で構成される画素部と、
    露光開始タイミングと露光後の信号の読み出しタイミングとを前記画素部の各行に順次与えてローリングシャッタを行うタイミング制御部と、
    前記タイミング制御部によって前記画素部から読み出された露光後の信号を外部に出力する出力部と
    を有する撮像装置であって、
    前記タイミング制御部は、連続する複数枚の画像を予め設定されたフレームレートでローリングシャッタを行う場合に、前記露光開始タイミングと前記読み出しタイミングとの時間間隔が前記フレームレートよりも長く、且つ前記読み出しタイミングを出力する行がフレーム毎に異なるように前記露光開始タイミングと前記読み出しタイミングとを制御する
    ことを特徴とする撮像装置。
  2. 請求項1に記載の撮像装置において、
    前記タイミング制御部の前記露光開始タイミングと前記読み出しタイミングとの時間間隔が前記フレームレートよりも長い第1モードと、前記露光開始タイミングと前記読み出しタイミングとの時間間隔が前記フレームレート以下の第2モードとを切り替えるモード切替部を更に備え、
    前記タイミング制御部は、前記モード切替部により設定されたモードに応じて、前記露光開始タイミングと前記読み出しタイミングとを制御する
    ことを特徴とする撮像装置。
  3. 請求項2に記載の撮像装置において、
    撮影する被写体の明るさ測光する測光部を更に備え、
    前記モード切替部は、前記測光部の測光値に応じて前記第1モードおよび前記第2モードを切替える
    ことを特徴とする撮像装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の撮像装置において、
    前記タイミング制御部は、前記画素部の同一行の複数の画素に対して、前記露光開始タイミングを出力したフレームと異なるフレームで前記読み出しタイミングを出力する
    ことを特徴とする撮像装置。
  5. 請求項3に記載の撮像装置において、
    前記画素部の列毎に設けられた増幅器を更に備え、
    前記増幅器の増幅率は、前記測光部の測光値に応じて制御される
    ことを特徴とする撮像装置。
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