JP2011240504A - 画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体吐出装置による高速印字において、高画質と定着性を両立させることができる画像形成方法の提供。
【解決手段】(1)酸とオキサゾリン基含有ポリマーとアジピン酸ジヒドラジドとによって記録媒体表面を処理する画像形成方法。
(2)酸とオキサゾリン基含有ポリマーを含む第一の前処理液と、アジピン酸ジヒドラジドを含む第二の前処理液により、記録媒体表面を処理した後、液体吐出装置により水性記録用インクを吐出させて画像を形成する(1)に記載の画像形成方法。
(3)酸とオキサゾリン基含有ポリマーを含む第一の前処理液により記録媒体表面を処理した後、液体吐出装置によりアジピン酸ジヒドラジドを含有する水性記録用インクを吐出させて画像を形成する(1)に記載の画像形成方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、液体吐出装置を用いた画像形成方法に関する。
特許文献1〜2では、第一の液と第二の液を記録媒体上で混合させることにより、多価金属塩と顔料との凝集、アジピン酸ジヒドラジドとポリビニルアルコール又は水溶性高分子との架橋反応を同時に発現させ、該架橋反応により定着性を改善している。
しかし、凝集反応と架橋反応とでは凝集反応の速度の方が圧倒的に早いため、印字直後の擦化性に対しては効果的でない。
また、本出願人の先願(特願2008−307715)の発明では、水性記録用インクの吐出前に、記録媒体に前処理液として酸とオキサゾリン基含有ポリマーを塗布することにより、画像濃度と定着性の向上を達成している。この発明では、酸のみを塗布した場合と比較すると明らかに定着性は向上しているが、未塗布の場合の定着性と比較すると大きく劣っている。
本発明は、液体吐出装置による高速印字において、高画質と定着性を両立させることができる画像形成方法の提供を目的とする。
上記課題は、次の1)〜14)の発明によって解決される。
1) 酸とオキサゾリン基含有ポリマーとアジピン酸ジヒドラジドとによって記録媒体表面を処理することを特徴とする画像形成方法。
2) 酸とオキサゾリン基含有ポリマーを含む第一の前処理液と、アジピン酸ジヒドラジドを含む第二の前処理液により、記録媒体表面を処理した後、液体吐出装置により水性記録用インクを吐出させて画像を形成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
3) 酸とオキサゾリン基含有ポリマーを含む第一の前処理液により記録媒体表面を処理した後、液体吐出装置によりアジピン酸ジヒドラジドを含有する水性記録用インクを吐出させて画像を形成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
4) アジピン酸ジヒドラジドの使用量が、オキサゾリン基含有ポリマー中のオキサゾリン1molに対して0.2mol以上であることを特徴とする1)〜3)のいずれかにに記載の画像形成方法。
5) オキサゾリン基含有ポリマー中のオキサゾリン量が、酸1molに対して0.5mol以下であることを特徴とする1)〜4)のいずれかに記載の画像形成方法。
6) 酸がその構造中にカルボキシル基を有することを特徴とする1)〜5)のいずれかに記載の画像形成方法。
7) 酸が乳酸であることを特徴とする6)に記載の画像形成方法。
8) 前記第一又は第二の前処理液が更に界面活性剤を含有することを特徴とする1)〜7)のいずれかに記載の画像形成方法。
9) 界面活性剤がフッ素系界面活性剤であることを特徴とする8)に記載の画像形成方法。
10) フッ素系界面活性剤が、下記式(1)で表される化合物であることを特徴とする9)に記載の画像形成方法。
<式(1)>
−CHCH(OH)CHO−(CHCHO)23−CHCH(OH)CH−C
11) 前記第一又は第二の前処理液が更に抑泡剤を含有することを特徴とする1)〜10)のいずれかに記載の画像形成方法。
12) 抑泡剤が、N−オクチル−2−ピロリドン、2,4,7,9−テトラメチルデカン−4,7−ジオール、2,5,8,11−テトラメチルドデカン−5,8−ジオールの何れか1種であることを特徴とする11)に記載の画像形成方法。
13) 酸とオキサゾリン基含有ポリマーを含む第一の前処理液と、アジピン酸ジヒドラジドを含む第二の前処理液との組み合わせからなることを特徴とする、2)及び4)〜12)のいずれかの画像形成方法に用いられる前処理液のセット。
14) 13)に記載の前処理液のセットを容器内に収容したことを特徴とするカートリッジ。
本発明によれば、液体吐出装置による高速印字において、高画質と定着性を両立させることができる画像形成方法を提供できる。
画像形成装置の一例の模式図(側面説明図)。 画像形成装置の制御部の概要を示す概略ブロック説明図。 画像形成装置のヘッドユニットにおけるヘッド配列の一例を示した模式図。 図3のヘッドユニットに配列しているヘッドを拡大して示す模式図。 インクカートリッジの一例を示す図。 図5のインクカートリッジのケース(外装)を含めた図。 前処理液塗布機構(吐出ヘッドからの吐出方式) 前処理液塗布機構(3本ロールによる塗布方式) 前処理液塗布機構(2本ロールによる塗布方式)
以下、上記本発明について詳しく説明する。
従来の酸を含有する前処理液とカルボキシル基含有樹脂に包含された着色剤を含むインク組成物との組み合わせにおいては、酸とカルボキシル基により記録媒体上で顔料の凝集が起こり、高濃度/高画質の画像を得ることが可能であるが、その一方で凝集した顔料を定着させることができず、特にラインエンジンシステムのような高速搬送時においては、搬送コロなどへの転写汚れが多く発生してしまう。一方、前処理液に酸とオキサゾリンを添加し、酸とオキサゾリン基の架橋反応を利用する手段もあるが、こちらも定着性が不足し、同様に搬送コロなどへの転写汚れが多く発生してしまう。
そこで、本発明では、酸とオキサゾリン基の架橋反応によって生成した架橋物に対し、更にアジピン酸ジヒドラジドを作用させ、一層架橋レベルが高く一層高分子量の第二の架橋物を生成させることにより、高画質と定着性の両立を実現した。
<前処理液について>
水性記録用インクの吐出前に予め記録媒体へ塗布する第一の前処理液は、少なくとも酸とオキサゾリン基含有ポリマーを含む必要がある。アジピン酸ジヒドラジドは、後述するように、第二の前処理液中に含有させても、水性記録用インク中に含有させても良い。
酸としては、構造中にカルボキシル基を有する有機酸が望ましい。有機酸の中には体内で生産されるものや食品等に含まれるものもあり、人体残留が少なく無臭なものも多いので、家庭やオフィスでの画像形成装置で使用されるのに適している。具体的には、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸などが好ましく、特に乳酸が好ましい。
本発明における酸の役割としては、第一の前処理液中に添加したオキサゾリン基含有ポリマーとの架橋反応、水性記録用インク中のカルボキシル基含有樹脂との反応による記録媒体上での顔料の凝集化の2つが挙げられる。
本発明における酸の添加量は、オキサゾリン基含有ポリマー中のオキサゾリン1molに対して2mol以上が好ましい。これは前述のように酸には2つの役割があり、最初に起こるオキサゾリン基含有ポリマーとの架橋反応で全ての酸が使用されてしまうと、後に起こるカルボキシル基含有樹脂との反応が起こらなくなってしまうためである。しかし、第一の前処理液中の酸の添加量が多くなりすぎると、水性記録用インク中のカルボキシル基含有樹脂との反応による顔料の凝集化作用が大きくなりすぎ、結果として記録媒体上でのドット径が小さくなってしまう。これは即ちドットの広がりが小さくなることを示しており、特にベタ部での埋まりが不足すると記録媒体の下地色の影響が画像に表れてしまうという不具合が生じる。従って、画像上不具合が無い範囲で第一の前処理液に対する酸の添加量を決定する必要があり、添加量は第一の前処理液全体の20重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましい。
オキサゾリン基含有ポリマーは定着性を向上させるために添加する。オキサゾリン基を有する反応剤としては、オキサゾリン基を有する樹脂やオキサゾリン基を表面に吸着させた微粒子等がある。
前記オキサゾリン基を有する樹脂は市販品として入手可能であり、例えば、日本触媒社製のK−2000シリーズのアクリル−スチレン系樹脂、WSシリーズのアクリル系樹脂、RPSシリーズのスチレン系樹脂、RASシリーズのアクリロニトリル−スチレン系樹脂等が挙げられる。
また、オキサゾリン基を表面に吸着させた微粒子も市販品として入手可能であり、有機微粒子でも無機微粒子でもよい。有機微粒子としては、例えば、創研化学社製のMEシリーズ、日本純薬社製のジュリマーMBシリーズ、東芝シリコーン社製のトスパールシリーズ、日本ペイント社製のマイクロジェルシリーズ、旭硝子社製のプルオンシリーズ等が挙げられ、無機微粒子としては、例えば、出光興産社製のチタニアシリーズ、日本アエロジル社製のアルミニウムオキサイドC等が挙げられる。
オキサゾリン基含有ポリマーの添加量は酸1molに対して0.5mol以下が好ましく、0.25mol以下がより好ましい。これは前述のように、第一の前処理液での架橋反応で全ての酸を使用しないため及び架橋反応により第一の前処理液が記録媒体への塗布前に固化することを防止するため、及び、酸1molに対して0.5molより多く添加すると、記録媒体上での定着性が添加前よりも悪くなる傾向があるためである。
また、酸とオキサゾリン基含有ポリマーの混合については、その塗布方式や保存方式にもよるが、事前に酸とオキサゾリン基含有ポリマーを混合して第一の前処理液としても良いし、別々に用意しておいた酸とオキサゾリン基含有ポリマーを記録媒体への塗布時に別々に吐出させて記録媒体上で混合し第一の前処理液としての機能を発揮させる方法でも良い。
アジピン酸ジヒドラジドは定着性を向上させるために用いる。定着性向上のメカニズムは、酸とオキサゾリン基含有ポリマーとの架橋反応によって生成したアミドエステルに対してアジピン酸ジヒドラジドを反応させると、アミドエステルを出発物とした第二の架橋物が生成することによる。この第二の架橋物は一度架橋したものを更に架橋するため、より架橋密度の高い高分子量の架橋物となる。架橋密度が高いほど、記録媒体表面上の架橋層に酸によって凝集した顔料を留めることが可能となり、かつその架橋密度及び高分子量の影響で擦化性も向上させることが可能となる。
アジピン酸ジヒドラジドは、第二の前処理液中に含有させても良いし、水性記録用インク中に含有させても良い。ただし、その添加タイミングは、酸とオキサゾリン基含有ポリマーとの反応によるアミドエステルが生成した後としなくてはならない。
アジピン酸ジヒドラジドの添加量は、オキサゾリン基含有ポリマー中のオキサゾリン1molに対して0.2mol以上が好ましい。0.2mol以上であれば第二の架橋物の効果により十分な定着性の向上が得られる。一方、0.2mol未満では第二の架橋物の効果が十分に得られない場合がある。
第一又は第二の前処理液には、その表面張力を下げるため界面活性剤を添加することが好ましい。前処理液に求められる特性の1つとして各種記録媒体に対して適度に濡れやすく、かつムラ無く吐出又は塗布できることが挙げられる。適度に濡れやすくすることによって、各種記録媒体への浸透速度を早めることができ、耐擦化性やブリードなどの不具合を改善することが可能となる。特に前処理液の各種記録媒体への浸透性は非常に重要である。仮に浸透性が低い場合には記録媒体表面付近に前処理液が多く留まり、着色剤を含む水性記録用インクと記録媒体上で接触した際に、前処理液中の酸又は多価金属塩によって水性記録用インク中の着色剤を包含しているカルボキシル基含有樹脂が過剰に凝集作用を起こし、ドット径の減少によるベタ画像の埋まり不足が発生してしまう。また、記録媒体表面に着色剤成分が過剰に留まることによって、耐擦化性などの不具合も発生してしまう。
上記のような理由により、濡れ性を向上させるため界面活性剤を添加して表面張力を下げることが一般的に行われており、中でもフルオロアルキル基を有する界面活性剤は、水溶性にした場合に表面張力を大幅に低下させる能力を有しているので好ましい。具体的には次の式(1)で表されるフッ素系界面活性剤が特に好ましい。
<式(1)>
−CHCH(OH)CHO−(CHCHO)23−CHCH(OH)CH−C
上記式(1)のフッ素系界面活性剤は、PFOS(パーフルオロオクタンスルホン酸)及びPFOA(パーフルオロオクタン酸)を含有しておらず、地球環境汚染の観点から見ても優れるものである。
しかし、上記式(1)のフッ素系界面活性剤の界面活性能は非常に高く、従来のように消泡剤を添加したとしても、単独で使用した場合には著しく気泡が発生し、かつ発生した気泡が消えなくなってしまう。故に、気泡の発生を抑えるために抑泡剤を添加することが好ましく、具体例として、N−オクチル−2−ピロリドン、2,4,7,9−テトラメチルデカン−4,7−ジオール、2,5,8,11−テトラメチルドデカン−5,8−ジオールなどが挙げられる。これらの抑泡剤と上記式(1)のフッ素系界面活性剤を併用することにより、気泡の発生を抑えて気泡による不具合を解消することが可能となる。
第一又は第二の前処理液の表面張力はフッ素系界面活性剤と抑泡剤の割合で決まるが、記録媒体の種類によって前処理液の表面張力を下げる必要がある場合にはフッ素系界面活性剤の比率を多くする必要がある。ただし、当然のことながらフッ素系界面活性剤の比率を増やすと泡立ちの問題があることから、フッ素系界面活性剤の比率は、フッ素系界面活性剤と抑泡剤の合計量に対して40重量%以下が好ましく、30重量%以下がより好ましい。
本発明におけるフッ素系界面活性剤と抑泡剤の合計添加量は、第一又は第二の前処理液全量に対して2重量%以下であることが好ましく、1重量%以下がより好ましい。
第一又は第二の前処理液には、溶媒として水又は水溶性有機溶媒を添加することができる。
水溶性有機溶剤としては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
前記多価アルコール類としては、例えば、グリセリン、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペトリオール等が挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等が挙げられる。
アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。
含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等が挙げられる。
これらの水溶性有機溶剤の中でも、グリセリン、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオールが特に好ましい。これらは溶解性と水分蒸発による噴射特性不良の防止に対して優れた効果を奏する。また、保存安定性及び吐出安定性に優れた前処理液を作成することができる。
<水性記録用インクについて>
本発明で用いる水性記録用インクは、少なくとも着色剤、水溶性有機溶剤、界面活性剤及び水を含有し、更にカルボキシル基含有樹脂を含有する。また、第二の前処理液にアジピン酸ジヒドラジドを添加しない場合には、水性記録用インク中にアジピン酸ジヒドラジドを含有させても良い。
着色剤としては水性記録用インクにおいて公知の染料や顔料を使用することができる。また、無機粒子を有機顔料又はカーボンブラックで被覆した着色剤粒子を用いてもよい。
無機粒子をカーボンブラックで被覆する方法としては、凝固、析出などによる液中乾燥法、混合しながら機械的な力を加える乾燥混合法などが挙げられる。また、無機粒子を有機顔料で被覆する方法としては、無機粒子の存在下で有機顔料を析出する方法、無機粒子と有機顔料を機械的に混摩砕する方法等がある。この場合、例えば、熱安定性に優れた有機顔料で被覆する場合には化学的蒸着技術を用いることができる。更に必要に応じて、ポリシロキサン、アルキルシランから生成されるオルガノシラン化合物層を無機粒子と有機顔料の間に設ければ、両者の接着性を向上させることができる。
無機粒子としては、二酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化鉄、水酸化鉄、酸化スズ等が挙げられる。無機粒子の形状はアスペクト比が小さいものが好ましく、球状が特に好ましい。また、無機粒子の表面にカラー着色剤を吸着させる場合には、無機粒子は無色透明又は白色であることが好ましいが、黒色着色剤を吸着させる場合には、黒色の無機粒子を用いても構わない。
無機粒子の一次粒径は100nm以下が好ましく、5〜50nmがより好ましい。
無機粒子を被覆する有機顔料としては、ブラック顔料として、アニリンブラックが挙げられる。カラー顔料としては、例えば、アントラキノン、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジアゾ、モノアゾ、ピラントロン、ペリレン、複素環式イエロー、キナクリドン及び(チオ)インジゴイド等が挙げられる。
これらの中でも発色性の面から、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、モノアゾイエロー系顔料、ジアゾイエロー系顔料、複素環式イエロー顔料が特に好ましい。
フタロシアニン系顔料としては、例えば、銅フタロシアニンブルー又はその誘導体(C.Iピグメントブルー15:3、C.Iピグメントブルー15:4)、アルミニウムフタロシアニン等が挙げられる
キナクリドン系顔料としては、例えば、C.Iピグメントオレンジ48、C.Iピグメントオレンジ49、C.Iピグメントレッド122、C.Iピグメントレッド192、C.Iピグメントレッド202、C.Iピグメントレッド206、C.Iピグメントレッド207、C.Iピグメントレッド209、C.Iピグメントバイオレット19、C.Iピグメントバイオレット42等が挙げられる。
モノアゾイエロー系顔料としては、例えば、C.Iピグメントイエロー74、C.Iピグメントイエロー109、C.Iピグメントイエロー128、C.Iピグメントイエロー151等が挙げられる。
ジアゾイエロー系顔料としては、例えば、C.Iピグメントイエロー14、C.Iピグメントイエロー16、C.Iピグメントイエロー17等が挙げられる。
複素環式イエロー顔料としては、例えば、C.Iピグメントイエロー117、C.Iピグメントイエロー138等が挙げられる。
無機粒子と着色剤である有機顔料又はカーボンブラックの重量比(無機粒子:着色剤)は、3:1〜1:3が好ましく、3:2〜1:2がより好ましい。着色剤の割合が小さすぎると、発色性や着色力が低下することがあり、着色剤の割合が大きくなりすぎると、透明性や色調を悪くすることがある。
無機粒子を有機顔料又はカーボンブラックで被覆した着色剤粒子の市販品としては、例えば、戸田工業製のシリカ/カーボンブラック複合材料、シリカ/フタロシアニンC.Iピグメントブルー15:3複合材料、シリカ/ジアゾイエロー複合材料、シリカ/キナクリドンC.Iピグメントレッド122複合材料等が挙げられ、これらは1次粒径が小さく好適に用いることができる。
例えば、1次粒径が20nmの無機粒子を等量の有機顔料で被覆した場合、その1次粒径は25nm程度になる。そこで適当な分散剤を用いて1次粒子の状態のままで分散できれば、分散粒子径が25nmの非常に微細な顔料分散インクを作成することができる。
着色剤粒子の1次粒径は、水性記録用インク中において5〜100nmが好ましく、30〜80nmがより好ましい。1次粒径が5nm未満であると、インクの長期保存において増粘したり、着色剤粒子が凝集することがあり、100nmを超えるとインクを紙やフィルム等の媒体に印刷する場合、印刷部の彩度及び明度が低下した印刷物となることがある。なお、上記着色剤粒子の1次粒径とは、機械的せん断ではこれ以上細かく粉砕できない着色剤粒子の最小単位を意味する。
着色剤粒子の水性記録用インク中の含有量は、1〜20重量%が好ましく、2〜15重量%がより好ましい。
本発明で用いる水性記録用インクは水を溶媒として使用するが、更にインクの乾燥を防止するため、分散安定性を向上するため等の目的で水溶性有機溶剤を使用する。これらの水溶性有機溶剤は複数混合して使用してもよい。
水溶性有機溶剤としては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
前記多価アルコール類としては、例えば、グリセリン、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペトリオール等が挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等が挙げられる。
含窒素複素環化合物類としては、例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。
含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等が挙げられる。
これらの水溶性有機溶剤の中でも、グリセリン、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオールが特に好ましい。これらは溶解性と水分蒸発による噴射特性不良の防止に対して優れた効果を奏する。また、保存安定性及び吐出安定性に優れた水性記録用インクを作成することができる。
着色剤粒子と水溶性有機溶剤の配合比は、ヘッドからのインク吐出安定性に非常に影響がある。顔料固形分が多いのに、水溶性有機溶剤の配合量が少ないと、ノズルのインクメニスカス付近の水分蒸発が進み、吐出不良をもたらすことになる。
本発明で用いる水性記録用インクは、上記水溶性有機溶剤以外に、必要に応じて、糖類やその誘導体などの他の水溶性有機溶剤を併用することもできる。
糖類としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類、四糖類も含む)、多糖類及びこれらの誘導体が挙げられる。具体的には、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、トレハロース、マンノトリオース等が挙げられる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロース等の自然界に広く存在する物質を含むものとする。
糖類の誘導体としては、前記糖類の還元糖や酸化糖類が挙げられる。こららの中でも、糖アルコールが好ましく、具体的には、マルチトール、ソルビット等が挙げられる。
糖類の含有量は、水性記録用インクに対して0.1〜40重量%が好ましく、0.5〜30重量%がより好ましい。
水性記録用インクに含有させる界面活性剤としては、特に制限はなく、着色剤の種類や湿潤剤、浸透剤等の組み合わせによって、分散安定性を損なわないものの中から目的に応じて適宜選択することができる。特に印刷用紙に印刷する場合には、表面張力が低く、レベリング性の高いフッ素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤が好適であり、特にフッ素系界面活性剤が好ましい。
前記フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。
パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。
パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。
パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルリン酸エステルの塩等が挙げられる。
パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。
これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、適宜合成したものを使用しても、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、旭硝子社製のサーフロンシリーズ(S−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145)、住友スリーエム社製のフルラードシリーズ(FC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431)、大日本インキ社製のメガファックシリーズ(f−470、f−1405、F−474)、Dupont社製のZonylTBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR、ネオス社製のFT−110、FT−250、FT−252、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のPF−151N等が挙げられ、これらの中でも良好な印字品質、特に発色性、紙に対する均染性が著しく向上する点から、ネオス社製のFT−110、FT−250、FT−252、FT−400S、FT−150、FT−400SW、及びオムノバ社製のPF−151Nが好ましい。
前記シリコーン系界面活性剤としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
シリコーン系界面活性剤としては、適宜合成したものを使用しても、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー社、信越シリコーン社、東レ・ダウコーニング・シリコーン社等のものを容易に入手できる。
また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
ポリエーテル変性シリコーン化合物としては、適宜合成したものを使用しても、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、信越化学社製のKF−618、KF−642、KF−643等が挙げられる。
また、前記フッ素系界面活性剤及びシリコーン系界面活性剤以外にも、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤等を用いることができる。
前記アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、コハク酸エステルスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩等が挙げられる。
前記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等が挙げられる。また、その市販品として、例えば、エアープロダクツ社製のサーフィノールシリーズ(104、82、465、485、TG)等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、ジヒドロエチルラウリルアミンオキシド、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド、ジメチルアルキル(ヤシ)ベタイン、ジメチルラウリルベタイン等が挙げられる。また、その市販品として、例えば、日光ケミカルズ社、日本エマルジョン社、日本触媒社、東邦化学社、花王社、アデカ社、ライオン社、青木油脂社、三洋化成社等のものを容易に入手できる。
前記種々の界面活性剤は、単独で用いても複数のものを混合して用いてもよい。単独では水性記録用インク中に容易に溶解しない場合でも、複数のものを混合することにより可溶化され、安定に存在させることができる場合もある。
前記界面活性剤の水性記録用インク中における含有量は、0.01〜3重量%が好ましく、0.5〜2重量%がより好ましい。ただし、水よりも高沸点で25℃のインク中で液体である成分の合計含有量は20重量%以下とすることが好ましく、15重量%以下とすることがより好ましい。合計含有量が0.01重量%未満では、界面活性剤を添加した効果が無くなることがあり、3重量%を超えると、記録媒体への浸透性が必要以上に高くなり、画像濃度の低下や裏抜けが発生することがある。
本発明に係る水性記録用インクはカルボキシル基含有樹脂を含むことが好ましい。これにより、第一の前処理液中の酸とカルボキシル基含有ポリマーが反応し、記録媒体上での顔料の凝集が起こるので、画像濃度・画質の向上を図ることができる。
カルボキシル基含有樹脂としては、例えば、マレイン酸樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、アルキド樹脂、変性アルキド樹脂などが挙げられる。その市販品としては、例えば、荒川化学社製のマルキードシリーズやハリマ化成社製のハリマックシリーズ、ハリフタールシリーズ等が挙げられる。
カルボキシル基含有樹脂の添加形態に特に制限はなく、着色剤である顔料をカルボキシル基含有樹脂で包含した形態で添加してもよいし、着色剤とは別にカルボキシル基含有樹脂を単独で添加してもよい。
本発明で用いる水性記録用インクには、前記各成分の他に、必要に応じて公知の浸透剤、ポリマー粒子、pH調整剤、防腐防錆剤、防黴剤等を添加することができる。
浸透剤としては、炭素数8〜11のポリオール化合物又はグリコールエーテル化合物が好ましく用いられる。これらは、25℃の水中において、0.1〜4.5重量%の溶解度を有する部分的に水溶性の化合物であり、紙への浸透速度を速めると共にブリードを防止する効果を有する。
前記炭素数8〜11のポリオール化合物としては、例えば2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール等が挙げられる。
前記グリコールエーテル化合物としては、例えば、多価アルコールアルキルエーテル化合物、多価アルコールアリールエーテル化合物等が挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
多価アルコールアリールエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等が挙げられる。
これらの浸透剤は、水よりも高沸点で25℃のインク中で液体であり、水性記録用インク中の含有量は、0〜10重量%が好ましく、0.5〜5重量%がより好ましい。
ポリマー粒子としては造膜性を有するものを用いる。ここで造膜性とは、ポリマー粒子を水に分散させエマルジョンの形態とした時、この水性エマルジョンの水分を蒸発させていくと、樹脂皮膜が形成される性質を意味する。
このようなポリマー粒子が含まれていると、水性記録用インク中の揮発成分が蒸発した際に該ポリマー粒子が皮膜を形成し、インク中の着色剤を強固に記録媒体に固着する役割を果たす。これにより、耐擦化性、耐水性に優れた画像を実現することができる。
ポリマー粒子は、室温で皮膜を形成するため、最低造膜温度が30℃以下のものが好ましく、10℃以下のものがより好ましい。ここで、最低造膜温度とは、ポリマー粒子を水に分散させて得られたポリマーエマルジョンを、アルミニウム等の金属板の上に薄く流延し、温度を上げていった時に、透明な連続したフィルムが形成される最低の温度のことを意味する。
ポリマー粒子の体積平均粒子径は、5〜200nmが好ましく、10〜100nmがより好ましい。
ポリマー粒子としては、単粒子構造のものを使用することができる。例えば、エマルジョン粒子内にアルコキシシリル基を有すると、塗膜形成過程での水分蒸発によるエマルジョン同士の融着に伴って残存する水分と接触し、加水分解してシラノール基を形成する。また、シラノール基が残存するとアルコキシシリル基又はシラノール同士が反応して、シロキサン結合による強固な架橋構造を形成することができる。このようにポリマー微粒子内に反応性の官能基を共存させると、硬化剤を添加しなくても、造膜時にそれらの官能基を反応させて網目構造を形成させることができる。
また、コア部とそれを囲むシェル部からなるコアシェル構造を有するポリマー粒子を使用することも可能である。ここでいうコアシェル構造とは、組成の異なる2種以上のポリマーが粒子中に相分離して存在する形態を意味する。従って、シェル部がコア部に完全に被覆している形態のみならず、コア部の一部を被覆しているものであってもよい。また、シェル部のポリマーの一部がコア粒子内にドメイン等を形成しているものであってもよい。更にコア部とシェル部の間に、一層以上の組成の異なる層を含む3層以上の多層構造を持つものであってもよい。
ポリマー粒子は、不飽和ビニル単量体(不飽和ビニルポリマー)を重合触媒及び乳化剤を存在させた水中において乳化重合する等の公知の方法により得ることができる。
ポリマー粒子の水性記録用インクにおける含有量は、0.5〜20重量%が好ましく、1〜5重量%がより好ましい。含有量が0.5重量%未満では、耐擦化性、耐水性向上機能が十分に発揮されないことがあり、20重量%を超えると、乾燥による粘度上昇やポリマー成分の固着により、インクの吐出が安定しなくなり、ノズルの目詰まりが発生してしまうことがある。
前述した無機粒子を有機顔料又はカーボンブラックで被覆した着色剤粒子(複合顔料粒子)は、アニオン性分散剤と共に水に混練分散する際に酸性を示す傾向が強い。水などの媒体に分散している複合顔料の表面は、アニオン系分散剤に包まれているため、負電荷を帯びているが、インク全体が酸性を示すことから、内部は正電荷を帯びており、粒子表面の負電荷が中和され易い状態にある。この状態では分散粒子は凝集し吐出不良を起こす原因となるため、pH調整剤を加えてアルカリ性に保つことにより分散状態を安定化させ、吐出を安定化させることが好ましい。
水性記録用インクのpHは9〜11であることが好ましい。pHが11を超えると、インクジェットのヘッドやインク供給ユニットの材質を溶かし出す量が大きくなり、インクの変質や漏洩、吐出不良等の問題が発生してしまう。
pH調整剤は、顔料を分散剤と共に水に混練分散する際に加えておく方が、湿潤剤、浸透剤等の添加剤と共に加えるよりも好ましい。これは、pH調整剤によっては添加により分散を破壊する場合もあるためである。
pH調整剤としては、例えばアルコールアミン類、アルカリ金属水酸化物、アンモニウム水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属炭酸塩等が挙げられる。
アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
アルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第四級アンモニウム水酸化物、第四級ホスホニウム水酸化物等が挙げられる。
アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等が挙げられる。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等が挙げられる。
本発明で用いる前処理液は、第一の前処理液と第二の前処理液のセットにして容器内に収容し、カートリッジとして用いることができる。もちろん、第一の前処理液のみを容器に収容したカートリッジとしてもよい。また、該カートリッジは、必要に応じて適宜選択したその他の部材を有していてもよい。
容器としては特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、プラスチック製容器、アルミニウムラミネートフィルムや樹脂フィルム等で形成されたインク袋等を有するものが挙げられる。
具体例としては、例えば図5、図6に示すインクカートリッジと同様の構造のものが挙げられる。図5は、インクカートリッジの一例を示す図であり、図6は、図5のインクカートリッジのケース(外装)を含めた図である。
インクは、図5に示すように、インク注入口242からインク袋241内に充填され、排気した後、該インク注入口242を融着により閉じる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に装置本体の針を刺して装置にインクを供給する。インク袋241は、透気性の無いアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク袋241は、図6に示すように、通常プラスチック製のカートリッジケース244内に収容され、インクカートリッジ240として、各種画像形成装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
上記インクカートリッジ240に、インクの代わりに前処理液を入れ、前処理液用のカートリッジとすれば、インクカートリッジと同様に、各種画像形成装置に着脱可能に装着して用いることができる。
本発明の実施に用いられる画像形成装置は、記録媒体の表面にインクジェット方式で画像を形成する画像形成手段と、第一の前処理液と第二の前処理液を貯留する貯留手段と、前記画像形成手段による画像形成の前に、前記記録媒体の表面に対して、前記第一の前処理液と第二の前処理液で前処理を行う前処理手段とを備えている。また、画像形成手段は少なくともインク飛翔手段を有し、必要に応じてその他の手段、例えば、刺激発生手段、制御手段等を有する。
図1に、画像形成装置の一例の模式図(側面説明図)を示す。
画像形成装置101には、インクを吐出するヘッドを集積したヘッドユニット110K、110C、110M、110Yと、それぞれのヘッドユニットに対応し、ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンスユニット111K、111C、111M、111Y、インクを供給するインクカートリッジ107K、107C、107M、107Y、カートリッジからのインクを一部貯蔵し、ヘッドに適切な圧力でインクを供給するサブインクタンク108K、108C、108M、108Yを備えている。
更に記録媒体114を吸引ファン120によって吸着し搬送する搬送ベルト113、搬送ベルト113を支える搬送ローラ119、121、搬送ベルト113が適切な張力を保つようにコントロールするテンションローラ115、搬送ベルト113が適切な平面性を保つためのプラテン124及びプラテンローラー118、記録媒体114を吸着するための静電帯電を与える帯電ローラ116、記録媒体114を押さえる排紙コロ117、排紙した記録媒体114をストックしておく排紙トレイ104からなる排紙機構、印写する記録媒体114をストックする給紙トレイ103、給紙トレイより一枚ずつ記録媒体114を送り出す分離パッド112、送られてきた記録媒体114を帯電ベルトに確実に吸着させるカウンターローラ123、手差しにて給紙した場合に用いられる手差しトレイ105からなる給紙機構を有している。
また、メンテナンス後に排出される廃液を回収する廃液タンク109や、装置を操作し装置状態を表示することができる操作パネル106も備えている。
各ヘッドユニットのノズル列は、記録媒体114の搬送方向に直行するように配列されており、記録領域以上の長さのノズル列を形成している。給紙トレイから記録媒体114が分離コロにより一枚に分離され、加圧コロにより搬送ベルトに密着されることで搬送ベルト上に固定され、ヘッドユニット下を通過する際に記録媒体に液滴を吐出することで、高速に液滴により記録媒体にパターンニングができ、分離爪により搬送ベルトから分離され、排紙ローラと排紙コロにより支えられて排紙トレイに記録物が排出される。
この装置では、前処理液で記録媒体表面を処理する機構として塗布機構を設けており、ローラ塗布を採用している。前処理液135は前処理液貯蔵タンク140から図示しない経路によって供給され、汲み上げローラ137でローラ表面に汲み上げられ、膜圧制御ローラ138に転写される。続いて塗布ローラ136に転写された前処理液は、塗布用カウンターローラ139との間に通す記録媒体114に転写され、塗布される。
塗布ローラ136に転写される前処理液の塗布量は、塗布ローラ136とのニップ厚を制御することにより行う。前処理液を塗布したくない時は、塗布ローラ136に前処理液が残らないように、可動ブレード134を塗布ローラ136に押し付け、塗布ローラ表面の前処理液を掻き取ることができる。これにより、前処理液が塗布ローラ136に残留するために発生する、前処理液の乾燥による増粘や、塗布用カウンターローラ139との固着、塗布ムラなどの機能障害を未然に防ぐことができる。また、図1のように、給紙部を上下で1つずつ設け、前処理液を塗布する場合には下の給紙部を、前処理液を塗布しない場合には上の給紙部を使用するといった方式にしても良い。
上記ローラ塗布以外に、前処理液をインクジェット方式でスプレー塗布することも可能である。例えば、110Kと同様のヘッドに前処理液を充填し、インクと同様に記録媒体114へ吐出させることができ、吐出量や吐出位置の制御を高精度でかつ容易に行うことができる。また、ローラー塗布方式とスプレー塗布方式を併用しても良い。
何れの方式を用いても前処理液を任意の位置に任意の量だけ塗布することができる。
図3は、上記画像形成装置のヘッドユニットにおけるヘッド配列の一例を示した模式図である。
ヘッドユニットはヘッド外周部材160にヘッド154A〜154Lを固定しており、ヘッドはノズルの一部が重複するように千鳥配置で固定されている。
図4は、図3のヘッドユニットに配列しているヘッドを拡大して示す模式図で、各ヘッドには、ノズルプレート201に2列の千鳥配置で開口されているノズル200が設けられており、ヘッドとヘッド外周部材との間には充填剤202にて密閉されており、ノズル面側からの隙間をなくしている。
次に、図1に示す画像形成装置の制御部の概要について図2を参照して説明する。なお図2は制御部の概略ブロック説明図である。
この制御部300は、装置全体の制御を司るCPU301と、CPU301が実行するプログラム、本発明において使用する所定インク吐出に対するノズル面汚染度合の値及びノズル面汚染許容閾値、駆動波形データ、その他の固定データを格納するROM302と、画像データ等を一時格納するRAM303と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリ(NVRAM)304と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC305とを備えている。
また、この制御部300はホスト側とのデータ、信号の送受を行うためのホストI/F306と、記録ヘッド154の圧力発生手段を駆動制御するための駆動波形を生成するヘッド駆動制御部307と、記録媒体搬送モータ309を駆動するための記録媒体搬送モータ駆動部308と、ヘッドユニット(キャリッジ)移動モータ311を駆動するための維持ユニット移動モータ駆動制御部312と、インク経路の電磁弁315を開閉制御するためのインク経路バルブ制御部314、キャップ吸引モータ317やインク供給モータ318の駆動を制御する送液吸引モータ駆動制御部316と、搬送ベルト113の移動量及び移動速度に応じた検知信号を出力するエンコーダや、環境温度及び環境湿度(何れか一方でもよい)を検出するセンサ323からの検知信号、サブインクタンクのインク量検知信号、図示しない各種センサからの検知信号を入力するためのI/O322などを備えている。この制御部300には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル106が接続されている。
制御部300は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナ等の画像読み取り装置、デジタルカメラ等の撮像装置等のホスト側からの印刷データ等をケーブル或いはネットを介してホストI/F306で受診する。
そして、CPU301は、ホストI/F306に含まれる受信バッファ内に印刷データを読み出して解析し、ASIC305にて必要な画像処理、データの並び替えを行い、記録ヘッド154のヘッド幅の1ページ分に相当する画像データ(ドットパターンデータ)を、クロック信号に同期して、ヘッド駆動制御部307に送出する。
そして、CPU301は、ホストI/F306に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC305にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行ってヘッド駆動制御部307に画像データを転送する。なお、画像出力するためのドットパターンデータの生成は、例えば、ROM302にフォントデータを格納して行ってもよいし、ホスト側のプリンタドライバで画像データをビットマップデータに展開してこの装置に転送するようにしてもよい。
ヘッド駆動制御部307は、ページ単位で入力される記録ヘッド154の1ページ分に相当する画像データ(ドットパターンデータ)に基づいて選択的に記録ヘッド154の圧力発生手段に印加して記録ヘッド154を駆動する。
また、図示していないが、前処理液をローラ塗布する場合、塗布ローラ等の塗布用ローラ群の駆動制御が必要となるため、塗布用モータ制御部と、制御されるモータ、制御用のセンサを設ける。
更にインクジェットで前処理液を吐出する場合には、維持動作を他のインクと異なる動作を行わないと、混色によるノズル詰まりの危険性が存在する。そのため維持ユニット移動モータは、インク用とは別に前処理用のものを設けることが望ましい。
前処理塗布機構としては、図7に示す吐出ヘッドからの吐出方式、図8に示す3本ロールによる塗布方式、図9に示す2本ロールによる塗布方式などがある。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1〜14、比較例1〜2
<前処理液の調製>
表1に示す処方の材料を混合して第一の前処理液A1〜A6を調整した。WS−700は日本触媒社製のオキサゾリン基含有アクリル系樹脂である。表中の材料欄の数値は重量%である。また、各前処理液中の「酸1molに対するox(オキサゾリン基含有ポリマー)のmol数、及びoxのmol数を示した。
また、表2−1〜表2−2に示す処方の材料を混合して第二の前処理液B1〜B14を調整した。FS300は大日本インキ社製のフッ素系界面活性剤である。表中の数値は重量%である。また、各前処理液中のADH(アジピン酸ジヒドラジド)のmol数を示した。
<前処理液の泡立ち評価>
表1、表2−1〜表2−2の各前処理液を、容量100mlのメスシリンダーに10ml入れて一昼夜放置し、その後、メスシリンダーを10℃の恒温水槽に30分以上入れて液温を慣らした。液温が十分慣れたところで、所定のシリンジにより空気を吹き込み100mlまで泡立たせた。そして、30秒経過後の泡高さ(単位ml)を目視により測定した。結果を表1、表2−1〜表2−2に示す。
<水性記録用インクの調製>
表3に示す処方の材料を混合して水性記録用インク(インク1〜インク4)を調製した。KM72Fは信越シリコーン社製の消泡剤であり、LV(S)はアビシア社製の抗菌剤である。表中の数値は重量%である。また、各インク中のADH(アジピン酸ジヒドラジド)のmol数を示した。
<前処理及び画像形成>
上記前処理液A及び前処理液Bを、表4、表5の各実施例及び比較例の欄に示すように用い、小林製作所社製のワイヤーバー(巻線径:0.02mm)により、記録媒体(リコー社製マイリサイクルペーパーGP)へ均一に塗布した。まず前処理液Aを塗布した後、前処理液Bを塗布した。
次いで、画像形成装置(リコー社製のIPSIO GX5000)により、該前処理液を塗布した記録媒体へ、ドットパターンで形成された3cm四方の画像に従って、印字速度30rpmで、表4、表5の各実施例及び比較例の欄に示す水性記録用インク(インク1〜インク4)を吐出させ、印刷サンプルを得た。
なお、各実施例及び比較例における「ox1molにADHのmol数を表に示した。
<特性評価>
上記各印刷サンプルについて、以下の方法により諸特性を評価した。結果を表4、表5に示す。
(画像濃度)
各印刷サンプルのベタ部をX−Rite社製の分光測色濃度計(939)で測定した。
数値が大きいほど画像濃度が高く良好である。
(転写濃度)
各印刷サンプルのベタ部を、東洋精機製作所社製のクロックメーターに布を貼り付けて擦り、擦化後の布へのインクの転写濃度を、X−Rite社製の分光測色濃度計(939)で測定した。転写濃度が小さいほど、画像の定着性が良好である。
(ドット径)
各印刷サンプルの画像を、キーエンス社製のデジタルマイクロスコープVHX−200で撮影し、ドット径解析ソフトによってN=20の平均値(単位μm)を算出した。
Figure 2011240504
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表の実施例と比較例とを対比すると、酸とオキサゾリン基含有ポリマーとアジピン酸ジヒドラジドを組み合わせることによって転写濃度が低下し定着性が改善することが分かる。また、実施例11〜13から、アジピン酸ジヒドラジドを水性記録用インクに含有させた場合においても同様の効果が得られることが分かる。
国際公開04/026976号パンフレット 特許第4136814号公報
101 インクジェット記録装置
103 給紙トレイ
104 排紙トレイ
105 手差しトレイ
106 操作パネル
107K インクカートリッジ
107C インクカートリッジ
107M インクカートリッジ
107Y インクカートリッジ
108K サブインクタンク
108C サブインクタンク
108M サブインクタンク
108Y サブインクタンク
109 廃液タンク
110K ヘッドユニット
110C ヘッドユニット
110M ヘッドユニット
110Y ヘッドユニット
111K メンテナンスユニット
111C メンテナンスユニット
111M メンテナンスユニット
111Y メンテナンスユニット
112 分離パッド
113 搬送ベルト
114 記録媒体
115 テンションローラ
116 帯電ローラ
117 排紙コロ
118 プラテンローラ
119 搬送ローラ
120 吸引ファン
121 搬送ローラ
122 分離パッド
123 カウンターローラ
124 プラテン
134 可動ブレード
135 前処理液
136 塗布ローラ
137 汲み上げローラ
138 膜圧制御ローラ
139 塗布用カウンターローラ
140 前処理液貯留タンク
160 ヘッド外周部材
154、154A〜154L ヘッド
200 ノズル
201 ノズルプレート
202 充填剤
240 インクカートリッジ
241 インク袋
242 インク注入口
243 インク排出口
244 カートリッジケース
300 制御部
301 CPU
302 ROM
303 RAM
304 不揮発性メモリ(NVRAM)
305 ASIC
306 ホストI/F
307 ヘッド駆動制御部
308 記録媒体搬送モータ駆動部
309 記録媒体搬送モータ
310 ヘッドユニット移動モータ駆動制御部
311 ヘッドユニット移動モータ
312 維持ユニット移動モータ駆動制御部
313 維持ユニット移動モータ
314 インク経路バルブ制御部
315 インク経路の電磁弁
316 送液吸引モータ駆動制御部
317 キャップ吸引モータ
318 インク供給モータ
319 搬送ベルト
320 キャップ吸引経路
321 インク供給経路
322 I/O
323 センサ

Claims (14)

  1. 酸とオキサゾリン基含有ポリマーとアジピン酸ジヒドラジドとによって記録媒体表面を処理することを特徴とする画像形成方法。
  2. 酸とオキサゾリン基含有ポリマーを含む第一の前処理液と、アジピン酸ジヒドラジドを含む第二の前処理液により、記録媒体表面を処理した後、液体吐出装置により水性記録用インクを吐出させて画像を形成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 酸とオキサゾリン基含有ポリマーを含む第一の前処理液により記録媒体表面を処理した後、液体吐出装置によりアジピン酸ジヒドラジドを含有する水性記録用インクを吐出させて画像を形成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  4. アジピン酸ジヒドラジドの使用量が、オキサゾリン基含有ポリマー中のオキサゾリン1molに対して0.2mol以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成方法。
  5. オキサゾリン基含有ポリマー中のオキサゾリン量が、酸1molに対して0.5mol以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成方法。
  6. 酸がその構造中にカルボキシル基を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成方法。
  7. 酸が乳酸であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成方法。
  8. 前記第一又は第二の前処理液が更に界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成方法。
  9. 界面活性剤がフッ素系界面活性剤であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成方法。
  10. フッ素系界面活性剤が、下記式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項9に記載の画像形成方法。
    <式(1)>
    −CHCH(OH)CHO−(CHCHO)23−CHCH(OH)CH-C
  11. 前記第一又は第二の前処理液が更に抑泡剤を含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の画像形成方法。
  12. 抑泡剤が、N−オクチル−2−ピロリドン、2,4,7,9−テトラメチルデカン−4,7−ジオール、2,5,8,11−テトラメチルドデカン−5,8−ジオールの何れか1種であることを特徴とする請求項11に記載の画像形成方法。
  13. 酸とオキサゾリン基含有ポリマーを含む第一の前処理液と、アジピン酸ジヒドラジドを含む第二の前処理液との組み合わせからなることを特徴とする、請求項2及び請求項4〜12のいずれかの画像形成方法に用いられる前処理液のセット。
  14. 請求項13に記載の前処理液のセットを容器内に収容したことを特徴とするカートリッジ。
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