JP6596854B2 - インクセット、画像形成方法、及び記録物 - Google Patents
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特許文献1に記載のものにおいては、処理液によりインク中の着色剤成分を凝集させた際のインク定着性を向上させるために、フルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体を含有している。この構成では処理液とインクが混色してしまい、特に光沢性に対する効果は無い。
本発明は、着色剤、架橋剤、水を含有するインクと、処理液とを有するインクセットにおいて、互いの液の混色を防止することで、画像光沢及びインク定着性が向上することを目的とする。
すなわち、本発明は下記(1)のインクセットに係るものである。
前記架橋剤が、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネート樹脂、ジアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレア樹脂、ベンゾグアナミン樹脂のいずれかであり、
前記水酸基を有するフッ素系樹脂が下記〔1〕、〔2〕又は〔3〕のフッ素系樹脂であり、
前記水酸基を有するフッ素系樹脂と前記架橋剤とが架橋反応可能であることを特徴とするインクセット。
〔1〕下記一般式(1)で表される構造単位、下記一般式(2)で表される構造単位、及び下記一般式(3)で表される構造単位を有するフッ素系樹脂
〔2〕前記フッ素系樹脂が、下記一般式(1)で表される構造単位、下記一般式(2)で表される構造単位、及び下記一般式(4)で表される構造単位を有するフッ素系樹脂
〔3〕前記フッ素系樹脂が、下記一般式(1)で表される構造単位、下記一般式(5)で表される構造単位、下記一般式(6)で表される構造単位、下記一般式(7)で表される構造単位、下記一般式(8)で表される構造単位を有するフッ素系樹脂
本発明における処理液は少なくとも水酸基を有するフッ素系樹脂と水とを含有する。
処理液中に含まれている水酸基を有するフッ素系樹脂と、インク中に含まれている架橋剤とが接触することでフッ素系樹脂の架橋反応が起こり、処理液とインクとの間に層が形成される。このフッ素系樹脂由来の層によって処理液とインクとの混色を防止するという効果が奏される。
前記処理液の膜厚は処理液の吐出量によって調整できるが、画像光沢やインク定着性の観点から0.1〜3μmであることが好ましく、0.5〜3μmであることがより好ましい。
また、前記処理液には、更に水溶性有機溶剤、架橋促進剤、フッ素系界面活性剤、アクリル系樹脂またはウレタン系樹脂、ワックスを含有することが好ましい。
本発明におけるフッ素系樹脂は水酸基を有しており、インク中に含有している架橋剤と架橋反応を起こす。架橋反応により処理液とインクとの間に層が形成され、これによって処理液とインクとの混色を防止することができる。また、フッ素系樹脂を使用しているため一般的な樹脂と比較して液−液間の混色防止にも効果があり、更に耐候性に優れるという利点もある。
なお、本発明における前記水酸基を有するフッ素系樹脂は次の〔1〕から〔3〕のいずれかのフッ素系樹脂であることが好ましい。
〔1〕下記一般式(1)で表される構造単位、下記一般式(2)で表される構造単位、及び下記一般式(3)で表される構造単位を有するフッ素系樹脂
〔2〕下記一般式(1)で表される構造単位、下記一般式(2)で表される構造単位、及び下記一般式(4)で表される構造単位を有するフッ素系樹脂
〔3〕下記一般式(1)で表される構造単位、下記一般式(5)で表される構造単位、下記一般式(6)で表される構造単位、下記一般式(7)で表される構造単位、下記一般式(8)で表される構造単位を有するフッ素系樹脂
フッ素系樹脂(1)の例としては、市販品として東亜合成社製のザフロンSZシリーズが挙げられる。
フッ素系樹脂(2)のフッ素系樹脂の例としては、市販品として東亜合成社製のXCSシリーズなどが挙げられる。
フッ素系樹脂(3)の例としては、市販品としてザフロンFCシリーズなどが挙げられる。
処理液中の前記水酸基を有するフッ素系樹脂とインク中の架橋剤とが架橋反応を起こすと、一例として以下の一般式(9)〜(13)のような化合物が処理液とインク間に層として形成される。
本発明における処理液は印字ヘッドからの吐出を実施形態の一例として想定しており、印字ヘッドからの吐出性やメンテナンス性を考慮して、温度23℃、相対湿度80%環境中の平衡水分量が30質量%以上である多価アルコール、下記構造式(1)〜(7)で示される化合物(水溶性有機溶剤)の少なくとも1種を含有していても良い。
その例としては、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
前記多価アルコール類としては、例えば、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペトリオール等が挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。
含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等が挙げられる。
本発明における処理液にはインク中の架橋剤と処理液中の水酸基を有するフッ素系樹脂の架橋反応の速度向上、架橋温度の低下、光沢性の付与などを目的に架橋促進剤を含有することが好ましく、下記構造式(8)〜(11)で示される化合物(架橋促進剤)またはリン酸の少なくとも1種を含有していても良い。
本発明における処理液には処理液の表面張力を下げるためにフッ素系界面活性剤を含有している。
本発明における処理液に求められる特性の1つとして各種記録媒体に対して適度に濡れやすく、かつムラ無く吐出できることが挙げられる。適度に濡れやすくすることによって、各種記録媒体への浸透速度を早めることができ、インクの定着性やブリードなどの不具合を改善することが可能となる。濡れ性を向上させるためには界面活性剤を含有して表面張力を下げることが一般的であり、中でも特にフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤は水溶液にした場合にこの表面張力を大幅に低下させる能力を有していることから好ましい。
パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。
パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルリン酸エステルの塩等が挙げられる。
これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3等が挙げられる。
本発明における処理液には画像形成部に画像光沢及びインク定着性を付与するためにアクリル系樹脂またはウレタン系樹脂を含有することが好ましい。前記樹脂はそれぞれ単独で使用しても、複数使用しても、または両者を併用しても良い。また、複数もしくは併用して使用する場合、特に粒子径が異なる2種以上含有していることが好ましい。前記樹脂の含有量は10〜40質量%が好ましく、20〜30質量%がより好ましい。また、前記樹脂の粒子径や成膜時の平滑性を制御することによって光沢性を調整することができる。
前記ウレタン系樹脂の中では、分散安定性に優れたアニオン性自己乳化型のウレタン樹脂が好ましく、特に処理液を画像形成部に付与した際の成膜性、強度、折り曲げ性などの観点から、アニオン性自己乳化型のエーテル系ウレタン樹脂が好ましい。
前記アクリルシリコン系樹脂の例としては、市販品として信越シリコーン社製のKP−543、KP−545、KP−549、ダイセルファインケム社製のAQ−914、AQ−ASi−91、AQ−4790などが挙げられる。
本発明における処理液には画像部に滑り性を付与するためワックスを含有していることが好ましい。前記ワックスの含有量は0.1〜5質量%であることが好ましく、0.1〜2質量%であることがより好ましい。
前記ワックスの中でも、特に処理液を画像形成部に付与した際の成膜性、滑り性などの観点からポリエチレン系ワックス、パラフィン系ワックス、カルナバワックスが好ましい。
前記ポリエチレン系ワックスの例としては、市販品として東邦化学工業社製のハイテックシリーズ、BYK社製のAQUACERシリーズなどが挙げられる。
前記パラフィン系ワックスの例としては、市販品としてBYK社製のAQUACERシリーズなどが挙げられる。
前記カルナバワックスの例としては、市販品として中京油脂社製のセロゾール 524、トラソル CNなどが挙げられる。
本発明における処理液は消泡剤を必須成分としていないが、上記構造式(12)で示される界面活性剤の界面活性能は非常に高く、また、一般的に使用されているシリコーン系消泡剤を含有したとしても、一度気泡が発生してしまうと気泡が消えずに残留してしまうという不具合が発生することがある。これにより吐出ヘッドによって吐出する際に吐出不良などが発生する可能性があるため、本発明では界面活性剤を使用する際には消泡剤も含有することが好ましい。
本発明における処理液はpH調整剤を必須成分としていないが、本発明における処理液は印字ヘッドからの吐出を一例として想定しており、印字ヘッド部材の腐食などを考えるとpHは7〜11であることが好ましい。
pH調整剤としては、例えばアルコールアミン類、アルカリ金属水酸化物、アンモニウム水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属炭酸塩等が挙げられる。
アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
アルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第四級アンモニウム水酸化物、第四級ホスホニウム水酸化物等が挙げられる。
水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水などの純水または超純水などが挙げられる。
本発明で用いる水の含有量としては、処理液中で60質量%以下が好ましく、20%〜60質量%が特に好ましい。水の含有量を20質量%〜60質量%とすることで、水が蒸発した際の処理液の粘度上昇、ゲル化、不溶物の析出などを防止することができる。
一般的なインクは、着色剤、水溶性有機溶剤、樹脂、界面活性剤、消泡剤、水などから構成される。また、前記インクを印字する記録媒体としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、汎用印刷用紙などが好適に使用可能である。
本発明における着色剤は特に制限が無く、顔料や染料など公知の着色剤を目的に応じて適宜選択することができる。例えば、酸析法などにより製造された樹脂被覆型着色剤、特許5593969に記載のような界面活性剤処理着色剤、着色剤の表面に官能基を設けた自己分散型着色剤、又は無機や有機の着色剤のいずれかであっても良い。これらは単独で使用しても良く、2種以上を使用しても良い。
前記インク中のおける着色剤の含有量は、1質量%〜20質量%が好ましく、2質量%〜15質量%がより好ましい。
前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などが挙げられる。
前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料、ローダミンβレーキ顔料などが挙げられる。
前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなどが挙げられる。
前記カーボンブラックとしては、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックで、一次粒径が15nm〜40nm、BET法による比表面積が50m2/g〜300m2/g、DBP吸油量が40ml/100g〜150ml/100g、揮発分が0.5%〜10%、pHが2〜9を有するものが好ましい。
マゼンタインクに使用できる顔料としては特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド12、ピグメントバイオレッド19などが挙げられる。
なお、イエロー顔料としてはピグメントイエロー74、マゼンタ顔料としてはピグメントレッド122、ピグメントバイオレッド19、シアン顔料としてはピグメントブルー15:3を用いることにより、色調、耐光性が優れ、バランスの取れたインクを得ることができる。
従って、前記アニオン性基含有有機高分子化合物が含有するアニオン性基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基などから自由に選択できるが、特にカルボキシル基が塩基性化合物で中和した際に優れた自己分散能や溶解能を示すため好ましい。
アニオン性基含有アクリルモノマーとしては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基からなる群から選ばれる1個以上のアニオン性基を含むアクリルモノマーが挙げられる。これらの中でも、カルボキシル基を有するアクリルモノマーが特に好ましい。
カルボキシル基を有するアクリルモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、エタアクリル酸、プロピルアクリル酸、イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、フマール酸などが挙げられる。
スルホン酸基を有するアクリルモノマーとしては、例えば、スルホエチルメタクリレート、ブチルアクリルアミドスルホン酸などが挙げられる。
ホスホン酸基を有するアクリルモノマーとしては、例えば、ホスホエチルメタクリレートなどが挙げられる。
本発明のインク中には処理液中のフッ素系樹脂と架橋反応を起こす架橋剤を含有している。前記架橋剤としてはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネート樹脂、ジアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレア樹脂、ベンゾグアナミン樹脂のいずれかを使用することが好ましい。前記架橋剤はそれぞれ単独で使用しても、複数使用しても、または両者を併用しても良い。前記架橋剤の含有量は0.1〜5質量%が好ましく、1〜3質量%がより好ましい。
本発明のインクは水を溶剤として使用するが、インクの乾燥を防止するため、または分散安定性を向上するため等の目的で水溶性有機溶剤を使用する。これらの水溶性有機溶剤は複数混合して使用してもよい。
インク中における前記水溶性有機溶剤の含有量は20〜40質量%が好ましく、30〜40質量%がより好ましい。水溶性有機溶剤の含有量を20質量%以上とすることによって、インク中の水分が蒸発した際においてもインクの流動性を確保することができ、一方、水溶性有機溶剤の含有量を40質量%以下とすることによって、印字ヘッドで吐出するために必要な粘度に調整することができる。
前記多価アルコール類としては、例えば、グリセリン、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペトリオール等が挙げられる。
含窒素複素環化合物類としては、例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−プチロラクトン等が挙げられる。
アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。
含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等が挙げられる。
糖類の誘導体としては、前記糖類の還元糖や酸化糖類が挙げられる。これらの中でも、糖アルコールが好ましく、具体的には、マルチトール、ソルビット等が挙げられる。
糖類の含有量は、インクに対して0.1質量%〜40質量%が好ましく、0.5質量%〜30質量%がより好ましい。
本発明のインクは界面活性剤を必須成分としていないが、記録媒体への浸透性や印字ヘッド内への濡れ性などを考慮するとインク中に界面活性剤を含有することが好ましい。
界面活性剤としては、特に制限はなく、着色剤の種類や水溶性有機溶剤、浸透剤等の組み合わせによって、分散安定性を損なわない界面活性剤の中から目的に応じて適宜選択することができる。特に記録媒体に印刷する場合には、表面張力が低く、レベリング性の高いフッ素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤が好適であり、特にフッ素系界面活性剤が好ましい。
パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。
パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルリン酸エステルの塩等が挙げられる。
これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3等が挙げられる。
また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
ポリエーテル変性シリコーン化合物としては、適宜合成したものを使用しても、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、信越化学社製のKF−618、KF−642、KF−643等が挙げられる。
前記アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、コハク酸エステルスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩等が挙げられる。
(消泡剤)
なお、消泡剤については処理液で用いるものと同様の材料を用いることができるため、ここでの記載は割愛する。
本発明のインクには必須成分としていないが、前記各種成分の他に必要に応じて公知の浸透剤、ポリマー粒子、pH調整剤、防腐防黴剤などを含有することができる。
浸透剤としては、炭素数8〜11のポリオール化合物またはグリコールエーテル化合物が好ましく用いられる。これらは、記録媒体への浸透速度を速めると共にブリードを防止する効果を有し、25℃の水中において、0.1質量%〜4.5質量%の溶解度を有する部分的に水溶性の化合物である。
前記グリコールエーテル化合物としては、例えば、多価アルコールアルキルエーテル化合物、多価アルコールアリールエーテル化合物等が挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
多価アルコールアリールエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等が挙げられる。
これらの浸透剤は水よりも高沸点であり、かつ25℃で液体である成分であり、インク中の含有量は、0.1質量%〜10質量%が好ましく、0.5質量%〜5質量%がより好ましい。
このようなポリマー粒子が含まれていると、インク中の揮発成分が蒸発した際に該ポリマー粒子が皮膜を形成し、インク中の着色剤を強固に記録媒体に固着する役割を課す。これにより、耐擦過性、耐水性に優れた画像を実現することができる。
ポリマー粒子の体積平均粒子径は、5〜200nmが好ましく、10〜100nmがより好ましい。
pH調整剤は、顔料を分散剤と共に水に混練分散する際に加えるよりも、混練分散液に湿潤剤、浸透剤等の添加剤と共に加える方が好ましい。これは、pH調整剤によっては添加により分散を破壊する場合もあるためである。
なお、pH調整剤については処理液で用いるものと同様の材料を用いることができるため、ここでの記載は割愛する。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等が挙げられる。
水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水などの純水または超純水などが挙げられる。
本発明で用いる水の含有量としては、処理液中で60質量%以下が好ましく、20質量%〜60質量%が特に好ましい。水の含有量を20質量%〜60質量%とすることで、水が蒸発した際の処理液の粘度上昇、ゲル化、不溶物の析出などを防止することができる。
本発明における処理液またはインクを充填するカートリッジは、それぞれを容器内に収容したものであり、必要に応じて適宜選択したその他の部材等を有する。
容器としては特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、プラスチック製容器、アルミニウムラミネートフィルム等で形成されたインク袋等を有するものが挙げられる。
具体例としては、例えば後述する図5、図6に示す構造のものが挙げられる。
図7に、本発明における記録物(一例としてインクを吐出した後に処理液を吐出させたもの)の模式図を示す。
記録媒体1にインクを吐出して画像記録層2を形成する。次いで処理液を吐出して、インクに処理液が接すると、インク中の架橋剤と処理液中のフッ素系樹脂が架橋反応を起こし、インクと処理液の間に既述の一般式(1)で表される構成単位を有する層3が形成される。本明細書ではこの層を処理層3ということがある。この処理層3は架橋反応により三次元的な網目構造となっており、液状の水溶性有機溶剤や水などはこの層を通過し、一方、着色剤や樹脂、ワックスなどの固形成分はこの層上に配向して樹脂含有層4を形成する。この構成によって、着色剤は擦過などにより取れにくくなり(定着性が向上し)、層上に配向した樹脂やワックスは均一な膜を形成するため光沢性が向上する。
本発明における摩擦係数は2種類あり、測定時間が0μs〜3000μs間における最大摩擦係数(静摩擦係数)と、測定時間が500μs〜3000μs間における平均摩擦係数(動摩擦係数)がある。測定時における荷重及び移動速度はいずれも同様であり、荷重は100g、移動速度は1200mm/minである。
静摩擦係数は、1.5以下であることが好ましく、1以下であることがより好ましい。一方、動摩擦係数は、0.8以下であることが好ましく、0.5以下であることがより好ましい。
前記処理層の厚さは、画像光沢やインク定着性の観点から0.1〜3μmであることが好ましく、0.5〜3μmであることがより好ましい。
本発明における液体吐出用装置は、記録媒体の表面にインクを吐出させて画像を形成する画像形成手段と、処理液を貯留する貯留手段と、前記画像形成手段による画像形成の前または後に、前記記録媒体の表面に対して処理を行う処理手段とを備えている。また、画像形成手段は少なくともインク飛翔手段を有し、必要に応じてその他の手段、例えば、刺激発生手段、制御手段等を有する。
液体吐出用装置101には、インクを吐出するヘッドを集積したヘッドユニット110K、110C、110M、110Yと、後処理液を吐出するヘッドユニット、それぞれのヘッドユニットに対応し、ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンスユニット111K、111C、111M、111Y、後処理液を吐出するヘッドユニットのメンテナンスユニット、インクを供給するインクカートリッジ107K、107C、107M、107Y、及び後処理液を吐出するヘッドユニットの処理液カートリッジ、カートリッジからのインクを一部貯蔵し、ヘッドに適切な圧力でインクを供給するサブインクタンク108K、108C、108M、108Y、後処理液を吐出するヘッドユニットの処理液のサブタンクを備えている。
各ヘッドユニットのノズル列は、記録媒体114の搬送方向に直行するように配列されており、記録領域以上の長さのノズル列を形成している。給紙トレイから記録媒体114が分離コロにて一枚に分離され、加圧コロにて搬送ベルトに密着されることで搬送ベルト上に固定され、ヘッドユニット下を通過する際に記録媒体に液滴を吐出することで、高速に液滴にて記録媒体にパターンニングができ、分離爪にて搬送ベルトから分離され、排紙ローラと排紙コロにて支えられて排紙トレイに記録物が排出される。なお、インクのヘッドユニットと処理液のヘッドユニットは隣接しており、例えば処理液がインクの後に吐出される場合は、インクの吐出後1秒後から3秒後の間に処理液が記録媒体上に吐出される。
次に、図1に示す液体吐出用装置の制御部の概要について、図2を参照して説明する。なお、図2は制御部の概略ブロック説明図である。
次に、インクカートリッジについて、図5及び図6を参照して説明する。ここで、図5は、本発明のインクカートリッジの一例を示す図であり、図6は図5のインクカートリッジのケース(外装)を含めた図である。
なお、表中におけるインク及び処理液における各組成物の量を表す数字の単位は「質量%」である。
「合成例」
攪拌装置、滴下装置、温度センサー及び上部に窒素導入装置を有する還流装置を取り付けた反応容器を有する自動重合反応装置(轟産業株式会社製 重合試験機DSL−2AS型)の反応容器にメチルエチルケトンを550g仕込み、攪拌しながら反応容器内を窒素置換した。反応容器内を窒素雰囲気に保ちながら80℃で加温した後、滴下装置によりメタクリル酸−2−ヒドロキシエチルを75.0g、メタクリル酸を77.0g、スチレンを80.0g、メタクリル酸ブチルを150.0g、アクリル酸ブチルを98.0g、メタクリル酸メチルを20.0g及び「パーブチル(登録商標)O」(日本油脂株式会社製)40.0gの混合溶液を4時間かけて滴下した。
冷却用ジャケットを備えた混合槽にカーボンブラック(コロンビヤンカーボン社製 Raven1080)を800gと、合成例で得た[共重合体A溶液]を200g、10%水酸化ナトリウム水溶液を143g、メチルエチルケトンを100g及び水1957gを仕込み、攪拌混合した。混合液を直径0.3mmのジルコニアビーズを充填した分散装置(三井鉱山株式会社製 SCミルSC100)に通し、循環方式(分散装置より出た分散液を混合槽に戻す方式)により6時間分散した。
分散装置の回転数は2700回転/分とし、冷却用ジャケットには冷水を通して分散液温度が40℃以下に保たれるようにした。
まず、表1〜4に示す処方に従って、水溶性有機溶剤A(日油社製 グリセリン)、水溶性有機溶剤B(東京化成工業社製 1,3−ブチレングリコール)、架橋剤A(フェノール樹脂:DIC社製 HP−700)、架橋剤B(エポキシ樹脂:阪本薬品工業社製 SR−PG)、架橋剤C(イソシアネート系樹脂:第一工業製薬社製 エラストロン E−37)、架橋剤D(ジアルデヒド系樹脂:DIC社製 BECKAMINE NS−11)、架橋剤E(メラミン樹脂:DIC社製 WATERSOL S−695)、架橋剤F(ウレア樹脂:DIC社製 BECKAMINE P−138)、架橋剤G(ベンゾグアナミン系樹脂:DIC社製 SUPAR BECKAMINE TD−126)、界面活性剤、消泡剤を1時間攪拌し均一に混合した。
次に、pH調整剤、水を加えて更に1時間攪拌し均一に混合した。その後、調製例1で得た[水性顔料分散体]を加えて更に1時間攪拌し均一に混合した。この混合物を平均孔径0.8μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにより加圧濾過し、粗大粒子やゴミを除去して実施例及び比較例のインクを得た。なお、インクにおいて着色剤は、調製例1で得た水性顔料分散体中の着色剤固形分が8質量%となるような割合で添加している。
なお、本発明にて使用した着色剤の平均粒子径は、日機装株式会社製のマイクロトラックUPA−150を用い、測定サンプル中の固形分濃度(質量濃度)が0.01質量%になるように純水で希釈したサンプルを用いて測定した結果、120nmであった。なお、ここで言う平均粒子径とは、50%平均粒子径(D50)を意味する。
まず、表1〜4に示す処方に従って、水溶性有機溶剤C(東京化成工業社製 1,3−ブチレングリコール)、水溶性有機溶剤D(構造式(7)の化合物:東京化成工業社製 1−プロポキシ−2−プロパノール)、フッ素系樹脂A(フッ素系樹脂(1):東亜合成社製 ザフロンSZ−10)、フッ素系樹脂B(フッ素系樹脂(2)と:東亜合成社製 XCS2010)、フッ素系樹脂C(フッ素系樹脂(3):東亜合成社製 ザフロン FC−275)、ポリエチレン系ワックスエマルジョン(BYK社製 AQUACER−515)、パラフィン系ワックスエマルジョン(BYK社製 AQUACER−537)、カルナバワックス(中京油脂社製 セロゾール524)、フッ素系界面活性剤(ダイキン社製 ユニダイン DSN−403N)を1時間攪拌し均一に混合した。
次に、架橋促進剤A(楠本化成社製 NACURE 2500)、架橋促進剤B(楠本化成社製 NACURE5076)、アクリル系樹脂(ダイセルファインケム社製 AQ914)、ウレタン系樹脂(中央理化工業社製 SU−100N)、水を加えて更に1時間攪拌し均一に混合した。この混合物を平均孔径0.8μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにより加圧濾過し、粗大粒子やゴミを除去して実施例及び比較例の処理液を得た。
インクを液体吐出用装置(リコー社製のIPSIO GXe5500)により記録媒体(三菱製紙社製 パールコート(紙厚保:73.3g/m2))へ吐出させる前または後に、各比較例及び実施例の処理液を処理液吐出装置(リコー社製のIPSIO GXe5500)により前記記録媒体へ吐出させた。インクと処理液の吐出後、温風及びドラムヒーターにて90℃2分乾燥させて印字サンプルを得た。
処理液をインクの後に吐出させる場合、インクの吐出後1.5秒後に処理液を吐出させた。
処理液の膜厚は処理液の付着量を変えることで調整した。
印字チャートはドットパターンで形成された3cm四方のベタ画像(画像光沢度、インク定着性、膜厚測定で使用)、15cm四方のベタ画像(静摩擦係数、動摩擦係数測定で使用)を使用した。
上記印刷サンプルは以下の方法により諸特性を評価した。
評価結果を表1〜4に示す。
(画像光沢度:60°光沢)
ドットパターンで形成された3cm四方のベタ画像のベタ部を、コニカミノルタ社製の色彩色差計(CR−400)にて測定した。画像光沢度の数値が高いほど、画像の光沢度が良好である。
なお、画像光沢度の値は、印字部の画像光沢度から非印字部の画像光沢度の値を引いた数値を示す。
ドットパターンで形成された3cm四方のベタ画像のベタ部を、東洋精機製作所社製のクロックメーターに布を貼り付けて擦り、擦過後の布へのインクの転写濃度を、X−Rite社製の分光側色濃度計(939)で測定した。転写濃度が小さいほど、画像の定着性が良好である。
ドットパターンで形成された3cm四方のベタ画像のベタ部を、KEYENCE社製のレーザー顕微鏡(VK−8550)にて測定した。
ドットパターンで形成された15cm四方のベタ画像のベタ部を、新東科学社製のHEIDON 14−Dに未使用の記録媒体を貼り付けて以下測定条件にて擦り、その際の最大摩擦係数を測定した。最大摩擦係数が小さいほど、滑り性が良好である。
※測定条件
荷重 :100g
移動速度 :1200mm/min
測定時間 :0〜3000μs
ドットパターンで形成された15cm四方のベタ画像のベタ部を、新東科学社製のHEIDON 14−Dに未使用の記録媒体を貼り付けて以下測定条件にて擦り、その際の平均摩擦係数を測定した。平均摩擦係数が小さいほど、滑り性が良好である。
※測定条件
荷重 : 100g
移動速度 : 1200mm/min
測定時間 : 500〜3000μs
表中の比較例1〜3、実施例3などより、着色剤、架橋剤、及び水を含有するインクと、水酸基を有するフッ素系樹脂、及び水を含有する処理液を有するインクセットとすることで、画像光沢、インク定着性、摩擦係数などが向上することが示される。
表中の実施例1、4及び5などより、水酸基を有するフッ素系樹脂が前記のフッ素系樹脂(1)、フッ素系樹脂(2)及びフッ素系樹脂(3)であることで、画像光沢、インク定着性、摩擦係数などが向上することが示される。
表中の実施例6〜9などより、水酸基を有するフッ素系樹脂の処理液中における含有量が1質量%以上20質量%以下であることで、画像光沢、インク定着性、摩擦係数などが向上することが示される。
表中の実施例1、10〜15などより、架橋剤がフェノール樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネート樹脂、ジアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレア樹脂、ベンゾグアナミン樹脂のいずれかであることで、画像光沢、インク定着性、摩擦係数などが向上することが示される。
表中の実施例2、8、18〜19などより、水酸基を有するフッ素系樹脂の架橋剤に対する含有量の質量比率が、架橋剤の含有量を1とした場合に、4以上10以下であることで、画像光沢、インク定着性、摩擦係数などが向上することが示される。
表中の実施例1及び20などより、処理液中に更に架橋促進剤を含有することで、画像光沢、インク定着性、摩擦係数などが向上することが示される。
表中の実施例1などより、処理液中に更にフッ素系界面活性剤を含有することで、画像光沢、インク定着性、摩擦係数などが向上することが示される。
表中の実施例1及び21などより、処理液中の更にアクリル系樹脂又はウレタン系樹脂を含有することで、画像光沢、インク定着性、摩擦係数などが向上することが示される。
表中の実施例1及び24などより、処理液をインクの吐出前または後に吐出することで、画像光沢、インク定着性、摩擦係数などが向上することが示される。
表中の実施例1及び25などより、インク及び処理液を乾燥させる乾燥工程を有することで、画像光沢、インク定着性、摩擦係数などが向上することが示される。
表中の実施例26〜29などより、処理液の膜厚が0.1μm以上3μm以下であることで、画像光沢、インク定着性、摩擦係数などが向上することが示される。
2 画像記録層
3 処理層
4 樹脂含有層
10 記録物
101 液体吐出装置
103 給紙トレイ
104 排紙トレイ
105 手差しトレイ
106 操作パネル
107K インクカートリッジ
107C インクカートリッジ
107M インクカートリッジ
107Y インクカートリッジ
108K サブインクタンク
108C サブインクタンク
108M サブインクタンク
108Y サブインクタンク
109 廃液タンク
110K ヘッドユニット
110C ヘッドユニット
110M ヘッドユニット
110Y ヘッドユニット
111K メンテナンスユニット
111C メンテナンスユニット
111M メンテナンスユニット
111Y メンテナンスユニット
112 分離パッド
113 搬送ベルト
114 記録媒体
115 テンションローラ
116 帯電ローラ
117 排紙コロ
118 プラテンローラ
119 搬送ローラ
120 吸引ファン
121 搬送ローラ
122 分離パッド
123 カウンターローラ
124 プラテン
130 水性記録用インク
134 可動ブレード
135 処理液
136 塗布ローラ
137 汲み上げローラ
138 膜圧制御ローラ
139 塗布用カウンターローラ
140 処理液貯蔵タンク
150 熱風送風ファン
154A〜L 記録ヘッド
160 外周部材
200 ノズル
201 ノズルプレート
202 充填剤
240 インクカートリッジ
241 インク袋
242 インク注入口
243 インク排出口
244 カートリッジケース
300 制御部
301 CPU
302 ROM
303 RAM
304 不揮発性メモリ(NVRAM)
305 ASIC
306 ホストI/F
307 ヘッド駆動制御部
308 記録媒体搬送モータ駆動制御部
309 記録媒体搬送モータ
310 ヘッドユニット移動モータ駆動制御部
311 ヘッドユニット(キャリッジ)移動モータ
312 維持ユニット移動モータ駆動制御部
313 維持ユニット移動モータ
314 インク経路バルブ制御部
315 電磁弁
316 送液吸引モータ駆動制御部
317 キャップ吸引モータ
318 インク供給モータ
322 I/O
323 センサ
401 塗布ローラ
402 膜圧制御ローラ
Claims (17)
- 着色剤、架橋剤、及び水を含有するインクと、水酸基を有するフッ素系樹脂、及び水を含有する処理液とを有するインクセットであって、
前記架橋剤が、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネート樹脂、ジアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレア樹脂、ベンゾグアナミン樹脂のいずれかであり、
前記水酸基を有するフッ素系樹脂が下記〔1〕、〔2〕又は〔3〕のフッ素系樹脂であり、
前記水酸基を有するフッ素系樹脂と前記架橋剤とが架橋反応可能であることを特徴とするインクセット。
〔1〕下記一般式(1)で表される構造単位、下記一般式(2)で表される構造単位、及び下記一般式(3)で表される構造単位を有するフッ素系樹脂
〔2〕前記フッ素系樹脂が、下記一般式(1)で表される構造単位、下記一般式(2)で表される構造単位、及び下記一般式(4)で表される構造単位を有するフッ素系樹脂
〔3〕前記フッ素系樹脂が、下記一般式(1)で表される構造単位、下記一般式(5)で表される構造単位、下記一般式(6)で表される構造単位、下記一般式(7)で表される構造単位、下記一般式(8)で表される構造単位を有するフッ素系樹脂
- 前記水酸基を有するフッ素系樹脂の前記処理液中における含有量が1質量%以上20質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のインクセット。
- 前記架橋剤の前記インク中における含有量が0.1質量%以上5質量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクセット。
- 前記水酸基を有するフッ素系樹脂の前記架橋剤に対する質量比率が、前記架橋剤を1とした場合に、4以上10以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクセット。
- 前記処理液中に更に架橋促進剤を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のインクセット。
- 前記処理液中に更にフッ素系界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のインクセット。
- 前記処理液中に更にアクリル系樹脂またはウレタン系樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のインクセット。
- 前記処理液中に更にポリエチレン系ワックス、パラフィン系ワックス、カルナバワックスのいずれかを含有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のインクセット。
- インクと処理液とを有するインクセットを用いて画像を形成する画像形成工程と、前記画像形成工程後に処理液を前記画像の一部又は全体に接するように吐出する処理工程を有する画像形成方法であって、前記インクセットとして請求項1乃至8のいずれかに記載のインクセットを用いることを特徴とする画像形成方法。
- 前記インク及び前記処理液を乾燥させる乾燥工程を有することを特徴とする請求項9に記載の画像形成方法。
- 着色剤を含有する画像記録層と、前記画像記録層に接する、架橋剤と水酸基を有するフッ素系樹脂との架橋反応によって形成された三次元的な網目構造を有する層とを有し、
前記三次元的な網目構造を有する層が下記〔1〕、〔2〕又は〔3〕のフッ素系樹脂を含むことを特徴とする記録物。
〔1〕下記一般式(1)で表される構造単位、下記一般式(2)で表される構造単位、及び下記一般式(3)で表される構造単位を有するフッ素系樹脂
〔2〕前記フッ素系樹脂が、下記一般式(1)で表される構造単位、下記一般式(2)で表される構造単位、及び下記一般式(4)で表される構造単位を有するフッ素系樹脂
〔3〕前記フッ素系樹脂が、下記一般式(1)で表される構造単位、下記一般式(5)で表される構造単位、下記一般式(6)で表される構造単位、下記一般式(7)で表される構造単位、下記一般式(8)で表される構造単位を有するフッ素系樹脂
- 前記三次元的な網目構造を有する層の上に更にアクリル系樹脂またはウレタン系樹脂を含有する層を有する請求項11に記載の記録物。
- 前記アクリル系樹脂またはウレタン系樹脂を含有する層がポリエチレン系ワックス、パラフィン系ワックス、カルナバワックスのいずれかを含有することを特徴とする請求項12に記載の記録物。
- 60°光沢が10以上であることを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載の記録物。
- 100g荷重、移動速度1200mm/min、測定時間0μs〜3000μsの条件下における最大摩擦係数(静摩擦係数)が1.5以下であることを特徴とする請求項11乃至14のいずれかに記載の記録物。
- 100g荷重、移動速度1200mm/min、測定時間500μs〜3000μsの条件下における平均摩擦係数(動摩擦係数)が0.8以下であることを特徴とする請求項11乃至15のいずれかに記載の記録物。
- 前記三次元的な網目構造を有する層の膜厚が0.1μm以上3μm以下であることを特徴とする請求項11乃至16のいずれかに記載の記録物。
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