JP2016108527A - 白色インク、インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、及び記録方法 - Google Patents

白色インク、インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、及び記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】記録媒体上に形成した白色画像を速やかに加熱乾燥させても、白色画像の白色度の低下を抑制することができる白色インクの提供。【解決手段】水と、水溶性有機溶剤と、中空樹脂粒子を含有する着色剤とを含み、前記水溶性有機溶剤が、240℃以下の沸点を有する一価アルコールと、240℃以下の沸点を有し、少なくとも1つの水酸基がアルカン鎖の末端以外に結合している炭素数4以上6以下のジオールとから選択される少なくとも1種を含み、前記一価アルコールと、前記ジオールとから選択される少なくとも1種の含有量が、水溶性有機溶剤全量に対して、75.0質量%以上である白色インクである。【選択図】なし

Description

本発明は、白色インク、インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、及び記録方法に関する。
従来より、透明記録媒体に白色を表現する場合や着色記録媒体にカラーインクで着色する場合、前記透明記録媒体の透明色やカラーインクの着色性を向上させるために前記着色記録媒体自体の着色を、比重が軽く沈降しにくい中空樹脂粒子を含有する白色インクで十分に隠蔽することが行われている。
しかし、前記中空樹脂粒子は、熱を加えることにより軟化したり、崩壊する場合があり、一旦崩壊すると良好な白色度を得ることができないという問題がある。
そのため、前記透明記録媒体の透明色や前記着色記録媒体の着色を隠蔽するための白色着色剤として中空微小球粒子を含有し、前記中空微小球粒子のシェルをポリマーで架橋することで高い耐熱性を得る耐熱性非着色インクが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前記耐熱性非着色インクは、前記中空微小球粒子のシェルをポリマーで架橋しているため、光の散乱が起こりにくくなり白色度が低下し、その結果、乾燥後の画像の白色度が低下するという問題がある。
本発明は、記録媒体上に形成した白色画像を速やかに加熱乾燥させても、白色画像の白色度の低下を抑制することができる白色インクを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の白色インクは、水と、水溶性有機溶剤と、中空樹脂粒子を含有する着色剤とを含み、前記水溶性有機溶剤が、240℃以下の沸点を有する一価アルコールと、240℃以下の沸点を有し、少なくとも1つの水酸基がアルカン鎖の末端以外に結合している炭素数4以上6以下のジオールとから選択される少なくとも1種を含み、前記一価アルコールと、前記ジオールとから選択される少なくとも1種の含有量が、水溶性有機溶剤全量に対して、75.0質量%以上である。
本発明によると、記録媒体上に形成した白色画像を速やかに加熱乾燥させても、白色画像の白色度の低下を抑制することができる白色インクを提供することができる。
図1は、本発明のインクカートリッジの一例を示す概略図である。 図2は、図1のインクジェットカートリッジのケースも含めた概略図である。 図3は、インクジェット記録装置の要部側面の説明図である。 図4は、図3の画像形成部を底面側から見た要部底面の説明図である。 図5は、図3のキャリッジを底面側から見た要部底面の説明図である。 図6は、インクジェット記録装置の制御部のブロック説明図である。 図7は、画像を重ねて記録するインクジェット記録方法の説明図である。
(白色インク)
本発明の白色インクは、水と、水溶性有機溶剤と、着色剤とを含み、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
<水溶性有機溶剤>
前記水溶性有機溶剤としては、例えば、240℃以下の沸点を有するものなどが挙げられる。
前記240℃以下の沸点を有する水溶性有機溶剤の沸点としては、240℃以下であり、205℃以下が好ましく、70℃以上205℃以下がより好ましい。前記沸点が、240℃以下であると、白色インクの乾燥性が良好で低エネルギーで塗膜を形成することができる。また、乾燥しやすいため、中空樹脂粒子の中空部に水溶性有機溶剤が残留しにくく、塗膜状態で中空状態となりやすいため、白色を発現することができる。
前記240℃以下の沸点を有する水溶性有機溶剤としては、例えば、240℃以下の沸点を有する一価アルコール;240℃以下の沸点を有し、少なくとも1つの水酸基がアルカン鎖の末端以外に結合している炭素数4以上6以下のジオールなどが挙げられ、更に必要に応じて、その他の溶剤成分を含有させることが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、240℃以下の沸点を有し、少なくとも1つの水酸基がアルカン鎖の末端以外に結合している炭素数4以上6以下のジオールが好ましい。
前記240℃以下の沸点を有する一価アルコールとしては、例えば、メタノール(沸点:65℃)、エタノール(沸点:78℃)、1−プロパノール(沸点:97℃)、2−プロパノール(沸点:83℃)、1−ブタノール(沸点:118℃)、2−ブタノール(沸点:99℃)、tert−ブタノール(沸点:82℃)、3−メトキシ−1−ブタノール(沸点:158℃)、tert−ペンタノール(沸点:102℃)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、記録した画像の白色度の点から、エタノール、2−プロパノールが好ましい。
前記240℃以下の沸点を有し、少なくとも1つの水酸基がアルカン鎖の末端以外に結合している炭素数4以上6以下のジオールの炭素数としては、4以上6以下であり、4以上5以下が好ましい。前記炭素数が、4以上6以下であることで、中空樹脂粒子の軟化の抑制、及び画像形成後の白色インクの乾燥性を向上させることができる。
前記240℃以下の沸点を有し、少なくとも1つの水酸基がアルカン鎖の末端以外に結合している炭素数4以上6以下のジオールとしては、アルコール性の水酸基の少なくとも1つがアルカン鎖の末端以外に結合しているものである。前記少なくとも1つの水酸基が、アルカン鎖の末端以外に結合していることにより、白色画像の白色度を向上させることができる。
前記240℃以下の沸点を有し、少なくとも1つの水酸基がアルカン鎖の末端以外に結合している炭素数4以上6以下のジオールとしては、例えば、1,2−ブタンジオール(沸点:194℃)、1,3−ブタンジオール(沸点:203℃)、2,3−ブタンジオール(沸点:183℃)、1,2−プロパンジオール(沸点:188℃)、3−メチル−1,3−ブタンジオール(沸点:203℃)、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(沸点:197℃)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、白色画像の白色度の点から、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオールが好ましく、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオールがより好ましい。
前記その他の溶剤成分としては、保湿性による吐出安定性の確保、画像形成後の白色インクの乾燥性、他の成分との混和性、記録媒体への定着性などを調節する点から、例えば、240℃以下の沸点を有し、少なくとも1つの水酸基がアルカン鎖の末端以外に結合している炭素数4以上6以下の240℃以下の沸点を有するジオール以外の多価アルコール化合物;多価アルコールアルキルエーテル化合物;多価アルコールアリールエーテル化合物;環状エーテル化合物;含窒素複素環化合物;アミン化合物;アミド化合物;含硫黄化合物;プロピレンカーボネート;炭酸エチレンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記少なくとも1つの水酸基がアルカン鎖の末端以外に結合している炭素数4以上6以下の240℃以下の沸点を有するジオール以外の多価アルコール化合物としては、例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、プロピルプロピレンジグリコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、保湿性による吐出安定性、及び他の成分との混和性の点から、グリセリンが好ましい。
前記多価アルコールアルキルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点:231℃)、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記多価アルコールアリールエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記環状エーテル化合物としては、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、テトラヒドロフラン化合物、テトラヒドロピラン化合物、クラウンエーテルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水溶性の点から、オキセタン化合物、テトラヒドロフラン化合物が好ましく、オキセタン化合物がより好ましい。
前記含窒素複素環化合物としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(沸点:202℃)、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン(沸点:245℃)、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記アミン化合物としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルモノエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、3−アミノプロピルジエチルアミンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記アミド化合物としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、β−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、β−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記含硫黄化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジグリコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記水溶性有機溶剤中の前記一価アルコール、及び前記ジオールの測定としては、例えば、示差熱天秤−光イオン化質量分析同時測定システム(商品名:Thermo Mass Photo、株式会社リガク製)、示差熱天秤−ガスクロマトグラフィ質量分析同時測定装置(商品名:TG−DTA/GC−MS、株式会社リガク製)などを用いることができる。
前記一価アルコールと、前記ジオールとから選択される少なくとも1種の含有量としては、水溶性有機溶剤全量に対して、75.0質量%以上であり、80質量%以上95質量%以下が好ましい。前記含有量が、75.0質量%以上であると、インクの加熱乾燥により240℃を超える沸点を有する水溶性有機溶剤が残留しても中空樹脂粒子の中空部が中空状態となりやすく、白色を発現することができる。
沸点が240℃を超える水溶性有機溶剤の含有量としては、水溶性有機溶剤全量に対して、13質量%以下であり、0質量%以上10.0質量%以下が好ましい。前記含有量が、13質量%以下であると、インクの加熱乾燥により240℃を超える沸点を有する水溶性有機溶剤が残留しても中空樹脂粒子の中空部が中空状態となりやすく、白色を発現することができる。
その他の溶剤成分の含有量としては、水溶性有機溶剤全量に対して、25質量%未満が好ましく、0質量%以上25質量%未満がより好ましく、0質量%以上15質量%以下が特に好ましい。前記含有量が、25質量%未満であると、乾燥時の加熱により中空樹脂粒子の形態が崩れることなく白色度を維持することができる。
<着色剤>
前記着色剤は、中空樹脂粒子を含有し、更に必要に応じてその他の着色成分を含有する。
−中空樹脂粒子−
前記中空樹脂粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、樹脂を殻とし、空気などの気体を内包するものが好ましい。
前記中空とは、物の中が空になっている構造のことをいい、具体的には、空気などの気体を内包できる空間、及び空気などの気体が常時通過できる穴の少なくともいずれかを有する構造をいう。前記中空樹脂粒子は、乾燥後の粒子内部の空気層と殻のポリマー層との屈折率の差による光散乱により、白色を示し不透明度に優れる。
前記中空樹脂粒子としては、白色インク中で沈殿、又は浮上分離しないことが望まれるため、前記水溶性有機溶剤の比重とほぼ同等の比重を有するものが好ましい。前記中空樹脂粒子は、白色インク中において、乾燥時には中空である部分は、水及び前記水溶性有機溶媒から主に構成されるビヒクル成分で満たされているため、前記中空樹脂粒子の比重はビヒクル成分とほぼ同一とみなすことができ、白色インク中における前記中空樹脂粒子の沈降を抑制することができる。なお、中空構造を有しない中実樹脂粒子を使用することもできるが、白色インク中の沈降を抑制するためには、前記中実樹脂粒子の比重をビヒクル成分に合わせる必要がある。この場合、前記中実樹脂粒子の樹脂組成の検討、及び重合(架橋)反応の制御、並びに粒径の制御を包括的に行う必要があるため、技術的障壁が高くなる。また、本発明では、240℃以下の沸点を有する一価アルコール、及び240℃以下の沸点を有し、少なくとも1つの水酸基がアルカン鎖の末端以外に結合している炭素数4以上6以下のジオールから選択される少なくとも1種の含有量が、水溶性有機溶媒全量に対して、75.0質量%以上であることで、前記中空樹脂粒子の中空部分が前記ビヒクル成分で満たされても、前記ビヒクル成分により中空樹脂粒子が膨潤して中空樹脂粒子の樹脂が軟化することを抑制でき、白色度を向上できる。
前記中空樹脂粒子の体積平均粒径(粒子外径)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.2μm以上1μm以下が好ましく、0.3μm以上0.8μm以下がより好ましく、0.3μm以上0.5μm以下が特に好ましい。前記体積平均粒径が、0.2μm以上1μm以下であると、白色画像の白色度、及びインクジェット記録装置内におけるインク流路やインクジェットヘッドでの詰まりの発生を抑制することができる。なお、前記体積平均粒径の測定としては、例えば、レーザー散乱/回折型の粒径測定装置を用いた方法などが挙げられる。
前記中空樹脂粒子の中空率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20%以上80%以下が好ましく、35%以上70%以下がより好ましい。前記中空率が、20%以上であると、印字した画像の白色度を向上することができ、80%以下であることで、前記中空樹脂粒子の粒径を小さく押さえることができるため、白色インク中での沈降を抑制することができる。
前記中空率の測定としては、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた方法などが挙げられる。なお、前記中空率は、前記中空樹脂粒子の外径と内径(中空部の直径)から球体と近似したときの容積の比であり、下記式(1)で表すことができる。
中空率(%)=(中空樹脂粒子の内部容積/中空樹脂粒子の容積)×100・・・式(1)
中空樹脂粒子の内部容積=4π/3×(中空樹脂粒子の内径)
中空樹脂粒子の容積=4π/3×(中空樹脂粒子の外径)
前記中空樹脂粒子の樹脂組成としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、架橋型スチレン−アクリル樹脂等のアクリル系樹脂;ウレタン系樹脂;マレイン系樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記中空樹脂粒子としては、特に制限はなく、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記市販品としては、例えば、スチレン−アクリル樹脂では、商品名:ローペイクOP−62(平均粒径:450nm、中空率:33%)、商品名:ローペイクOP−84J(平均粒径:550nm、中空率:20%)、商品名:ローペイクOP−91、商品名:ローペイクHP−1055(平均粒径:1000nm、中空率:55%)、商品名:ローペイクHP−91(平均粒径:1000nm、中空率:50%)、商品名:ローペイクULTRA(平均粒径:380nm、中空率:45%)(以上、ロームアンドハース社製);架橋型スチレン−アクリル樹脂では、商品名:SX−863(A)、商品名:SX−864(B)、商品名:SX−866(A)、商品名:SX−866(B)(平均粒径:300nm、中空率:30%)、商品名:SX−868(平均粒径:500nm)(以上、JSR株式会社製)、商品名:ローペイクULTRA E(平均粒径:380nm、中空率:45%)、商品名:ローペイクULTRA DUAL(平均粒径:380nm、中空率:45%)(以上、ロームアンドハース社製);変性スチレン−アクリル樹脂では、商品名:Nipol MH5055(平均粒径:500nm)、商品名:Nipol MH8101(平均粒径:1μm)(以上、日本ゼオン株式会社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記中空樹脂粒子のガラス転移温度としては、窒素雰囲気下で常温から昇温乾燥し、200℃で30分間乾燥させた前記中空樹脂粒子を冷却し、示差走査熱量計(DSC)にて常温から200℃まで5℃/minで昇温させることで測定することができる。
前記中空樹脂粒子の含有量としては、白色インク全量に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。前記含有量が、1質量%以上20質量%以下であると、白色画像の白色度を向上させることができる。
−その他の着色成分−
前記白色インクは主に白色であるが、前記その他の着色成分を添加して調色することができる。
前記その他の着色成分の色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色、カラー、白色などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、インクジェット記録方式では、記録により塗膜を厚くすることは難しいため、少量の白色インクで形成された薄い塗膜で十分な白色性を出す必要がある点から、白色度が上がり易いものを用いることが好ましい。
前記その他の着色成分の材料としては、例えば、顔料、染料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、耐候性の点から、顔料が好ましい。なお、色調調整の点から、前記顔料と前記染料を併用する場合、前記染料は、耐候性を劣化させない範囲内で使用することが好ましい。
−−顔料−−
前記顔料としては、例えば、無機顔料、有機顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記顔料の分散方法としては、例えば、自己分散性を付与した顔料(自己分散型顔料)を用いて分散する方法;顔料分散剤、高分子分散安定化剤、高分子分散安定化剤などを用いて顔料を分散された顔料分散体を用いる方法などが挙げられる。
前記自己分散型顔料としては、例えば、顔料の表面に少なくとも1種の親水基が直接、又は他の原子団を介して結合するように表面改質されたものなどが挙げられる。
前記自己分散型顔料の製造方法としては、顔料の表面に、特定の官能基(スルホン基、カルボキシル基等の官能基)を化学的に結合させる方法;次亜ハロゲン酸、次亜ハロゲン酸塩等を用いて湿式酸化処理する方法などが挙げられる。
前記自己分散型顔料を用いた白色インクとしては、乾燥後の再分散性に優れるため、長期間印字を休止し、インクジェットヘッドのノズル付近の白色インク中の水分が蒸発しても目詰まりを起こさず簡単なクリーニング動作を行うことで容易に良好な記録が行えるようになる。
前記自己分散型顔料としては、後述する界面活性剤及び浸透剤を組み合わせたときに、特に相乗効果が大きく、より信頼性の高い、高品位な画像を得ることができる。
前記自己分散型顔料としては、さらに、ポリマー微粒子に前記自己分散型顔料を懸濁させたポリマーエマルジョンとして使用することができる。前記ポリマーエマルジョンとは、ポリマー微粒子中に顔料を封入したものやポリマー微粒子の表面に顔料を吸着させたものをいう。
前記ポリマーエマルジョンとしては、全ての顔料が封入、吸着している必要はなく、本発明の効果を損なわない範囲で、エマルジョン中に前記自己分散型顔料を分散していてもよい。
前記ポリマーエマルジョンを形成するポリマーとしては、例えば、ビニル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリウレタン系ポリマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリマーはビニル系ポリマー及びポリエステル系ポリマーが好ましく、特開2000−53897号公報、特開2001−139849号公報に開示されているポリマーがより好ましい。
前記顔料分散剤のHLB値としては、10以上20以下が好ましい。
前記顔料分散剤としては、例えば、ノニオン性界面活性剤などが挙げられる。
前記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、アセチレングリコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン−β−ナフチルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテルが好ましい。
前記高分子分散安定化剤としては、例えば、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル共重合体、水溶性ポリウレタン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂などが挙げられる。
−−−無機顔料−−−
前記無機顔料としては、例えば、二酸化チタン、酸化銅、酸化鉄(C.I.ピグメントブラック11)、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、チタンイエロー、カーボンブラックなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、二酸化チタン、カーボンブラックが好ましく、沈降性を調整することで、二酸化チタンがより好ましい。
前記二酸化チタンの結晶形としては、例えば、正方晶系のルチル型、正方晶系のアナターゼ型、斜方晶系のブルッカイト型などが挙げられる。これらの中でも、屈折率が高く白色度が上がりやすい点から、ルチル型が好ましい。
前記二酸化チタンの個数平均一次粒径としては、100nm以上400nm以下が好ましく、200nm以上300nm以下がより好ましい。前記個数平均一次粒径が、100nm以上400nm以下であると、白色度が高く、可視光の散乱特性を向上させることができる。なお、前記二酸化チタンは、比重が高く沈降しやすいため、沈降性と白色度との点から、個数平均一次粒径を選定することが望ましい。
前記二酸化チタンの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、硫酸法、塩素法などが挙げられる。
前記二酸化チタンの粒子の表面処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、樹脂コート、アルミナコートなどが挙げられる。これらの中でも、前記二酸化チタンの触媒活性を抑制する点から、アルミナコートが好ましい。
前記二酸化チタンとしては、特に制限はなく、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、石原産業株式会社製、堺化学工業株式会社製、テイカ株式会社製、チタン工業株式会社製、富士チタン工業株式会社製、古河ケミカルズ株式会社製、デュポン株式会社製、トロノックス株式会社製、クロノス株式会社製、ミレニアム・インオーガニック・ケミカルズ株式会社製などが挙げられる。
前記カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記カーボンブラックの製造方法としては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法などが挙げられる。
前記カーボンブラックとしては、特に制限はなく、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、商品名:Regal(登録商標)、商品名:Black Pearls(登録商標)、商品名:Elftex(登録商標)、商品名:Monarch(登録商標)、商品名:Mogul(登録商標)、商品名:Vulcan(登録商標)、(以上、Cabot Corporation社製)などが挙げられる。
−−−有機顔料−−−
前記有機顔料としては、例えば、アルキレンビスメラミン系顔料、アゾ顔料、多環式顔料、レーキ顔料、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などが好ましい。
前記アルキレンビスメラミン系顔料としては、例えば、有機白色顔料である下記一般式(I)で示される化合物などが挙げられる。
Figure 2016108527
(ただし、一般式(I)中、Rは水素原子、或いは炭素数1以上4以下のアルキル基若しくは炭素数5以上7以下の飽和又は不飽和の脂環式基を表す。R〜Rは同一又は異なる水素原子、或いは炭素数1以上4以下の低級アルキル基を表し、R及びR、又はR及びRが窒素原子と共に複素環式基を形成してもよい。Xは、炭素数2以上3以下のアルキレン基を表す。)
前記一般式(I)中、Rとしては、例えば、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数5以上7以下の飽和又は不飽和の脂環式基などが挙げられる。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。
前記脂環式基としては、例えば、シクロヘキシル基などが挙げられる。
前記R、前記R、前記R、及び前記Rとしては、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。前記R及び前記R、又は前記R及び前記Rが窒素原子と共に複素環式基を形成してもよい。
前記複素環式基としては、例えば、ピペリジル基、モルホリノ基などが挙げられる。
前記Xとしては、例えば、エチレン基、プロピレン基などが挙げられる。
前記一般式(I)で示される化合物としては、前記R、前記R、前記R、前記R、及び前記Rが水素原子、前記Xがエチレン基である下記構造式(II)で示される化合物が好ましい。前記一般式(I)で示される化合物としては、特に制限はなく、市販品を用いることもでき、前記市販品としては、例えば、商品名:Shigenox OWP(ハッコールケミカル株式会社製)などが挙げられる。
Figure 2016108527
前記アルキレンビスメラミン系顔料の体積平均粒径としては、0.01μm以上0.3μm以下が好ましい。前記体積平均粒径が、0.01μm以上であると、粒径が染料に近づくことがなく、耐光性、及びフェザリングが悪化することがなく、0.3μm以下であると、吐出口の目詰まりやプリンター内のフィルターでの目詰まりが発生することがなく、吐出安定性を得ることができる。
前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ顔料、難溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1(アニリンブラック);C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、109、110、117、120、128、138、150、151、153、155、183、213、408;C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51;C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219;C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38;C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルー)、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63;C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−−染料−−
前記染料としては、例えば、酸性染料、食用染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、染料キレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水への溶解性と発色性の点から、酸性染料、食用染料、直接性染料が好ましく、酸性染料、直接性染料がより好ましい。
前記酸性染料及び前記食用染料としては、例えば、
C.I.アシッド・イエロー17、23、42、44、79、142;
C.I.アシッド・レッド1、8、13、14、18、26、27、35、37、42、52、82、87、89、92、97、106、111、114、115、134、186、249、254、289;
C.I.アシッド・ブルー9、29、45、92、249;
C.I.アシッド・ブラック1、2、7、24、26、94;
C.I.フード・イエロー2、3、4;
C.I.フード・レッド7、9、14;
C.I.フード・ブラック1、2
などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記直接性染料としては、例えば、
C.I.ダイレクト・イエロー1、12、24、26、33、44、50、120、132、142、144、86;
C.I.ダイレクト・レッド1、4、9、13、17、20、28、31、39、80、81、83、89、225、227;
C.I.ダイレクト・オレンジ26、29、62、102;
C.I.ダイレクト・ブルー1、2、6、15、22、25、71、76、79、86、87、90、98、163、165、199、202;
C.I.ダイレクト・ブラック19、22、32、38、51、56、71、74、75、77、154、168、171
などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記塩基性染料としては、例えば、
C.I.ベーシック・イエロー1、2、11、13、14、15、19、21、23、24、25、28、29、32、36、40、41、45、49、51、53、63、465、67、70、73、77、87、91;
C.I.ベーシック・レッド2、12、13、14、15、18、22、23、24、27、29、35、36、38、39、46、49、51、52、54、59、68、69、70、73、78、82、102、104、109、112;
C.I.ベーシック・ブルー1、3、5、7、9、21、22、26、35、41、45、47、54、62、65、66、67、69、75、77、78、89、92、93、105、117、120、122、124、129、137、141、147、155;
C.I.ベーシック・ブラック2、8
などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記反応性染料としては、例えば、
C.I.リアクティブ・ブラック3、4、7、11、12、17;
C.I.リアクテイブ・イエロー1、5、11、13、14、20、21、22、25、40、47、51、55、65、67;
C.I.リアクティブ・レッド1、14、17、25、26、32、37、44、46、55、60、66、74、79、96、97;
C.I.リアクティブ・ブルー1、2、7、14、15、23、32、35、38、41、63、80、95;
などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記分散染料としては、例えば、
C.I.Disperse Yellow3、5、7、33、42、54、64、79、82、83、93、99、100、119、122、124、126、160、199、204、237;
C.I.Disperse Orange3、13、29、30、54、55、66、73、118;
C.I.Disoerse Red1、17、50、54、56、60、65、72、73、88、91、92、93、110、126、127、135、143、145、153、154、156、154、167、177、207、258、283、311、323、348;
C.I.Disperse Violet1、4、26、28、35、38、43、77;
C.I.Disperse Blue3、7、56、60、73、79、81、91、94、96、102、106、128、139、146、148、149、165、183、186、187、197、201、205、207、214、257、266、268、291、341、354、358;
C.I.Disperse Brown1;
C.I.Disperse Black1
などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の体積平均粒径(D50)としては、300nm以上1μm以下が好ましく、300nm以上500nm以下がより好ましい。前記体積平均粒径が、300nm以上1μm以下であると、吐出安定性が向上し、ドットの着弾位置の正確性も向上することができる。なお、前記体積平均粒径としては、粒度分布測定装置(商品名:マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)などを用いて測定することができる。
前記着色剤の含有量としては、白色画像の白色度の点から、白色インク全量に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。前記含有量が、1質量%以上であると、白色画像の白色度が良好であり、白色インクが記録媒体の色に負けずに発色することができ、20質量%以下であると、白色インクの増粘を抑制し、吐出性を向上することができ、更に経済的にも好ましい。
前記その他の着色成分としては、例えば、The Color Index、第三版(The Society of Dyers and Colourists,1982)に記載されているものなどが挙げられる。
<水>
前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水;超純水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<その他の成分>
本発明の白色インクは、前記水、前記水溶性有機溶剤、及び前記着色剤以外にも通常のインクに用いられているその他の成分を含有することができる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、造膜性樹脂、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−界面活性剤−
前記界面活性剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤、前記顔料の分散目的以外の目的におけるノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。単独では白色インク中で容易に溶解しない場合でも、2種以上を併用することで可溶化され、安定に存在することができることもある。また、着色剤の種類、湿潤剤、水溶性有機溶剤の組合せによって、分散安定性を損なわない界面活性剤を選択することが好ましい。
前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、琥珀酸エステルスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記両性界面活性剤としては、例えば、アルキルジメチルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルアルキルアミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルジメチルアミンオキシド、ラウリルアミノプロピオン酸塩、ジメチルアルキル(ヤシ)ベタイン、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ラウリルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキシド、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド、ジメチルアルキル(ヤシ)ベタイン、ラウリルジメチルベタインなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に制限はなく、市販品を使用することができ、前記市販品としては、商品名:サーフィノール104、82、465、485、TG(以上、エアープロダクツ社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー及びこの硫酸エステル塩、フッ素系脂肪族系ポリマーエステルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記フッ素系界面活性剤としては、特に制限はなく、市販品を使用することもできる。前記市販品としては、例えば、商品名:サーフロンS−111、S−112、S−113、S121、S131、S132、S−141、S−145(旭硝子株式会社製);商品名:フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431、FC−4430(以上、スリーエムジャパン株式会社製);商品名:FT−110、250、251、400S(以上、ネオス株式会社製);商品名:ゾニールFS−62、FSA、FSE、FSJ、FSP、TBS、UR、FSO、FSO−100、FSN N、FSN−100、FS−300、FSK(以上、デュポン株式会社製)、ポリフォックスPF−136A、PF−156A、PF−151N(以上、OMNOVA社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水系界面活性剤として良好な性質を示す点から、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が好ましい。
前記ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記構造式で表されるポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物、などが挙げられる。
前記ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、市販品を用いることができる。前記市販品としては、例えば、商品名:KF−618、KF−642、KF−643(以上、信越化学工業株式会社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記界面活性剤の含有量としては、浸透性の効果を発揮する点から、白色インク全量に対して、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、市販されている多くのメディアに対応する点から、0.5質量%以上2質量%以下がより好ましい。前記含有量が、0.01質量%以上であると、浸透性の効果を向上することができ、5質量%以下であると、記録媒体への濡れ性が高くなることを抑制することができ、吐出安定性の低下やビーディングの発生などの問題を防止することができる。
−造膜性樹脂−
前記造膜性樹脂は、造膜性(画像形成性)に優れ、かつ高撥水性、高耐水性、及び高耐候性を備えて、高画像濃度(高発色性)を向上させるために含有される。
また、前記造膜性樹脂の体積平均粒径としては、10nm以上1,000nm以下が好ましく10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上50nm以下が特に好ましい。前記体積平均粒径が、10nm以上1,000nm以下であると、インクジェット記録装置に問題なく使用することができる。また、前記体積平均粒径が、10nm以上50nm以下であると、造膜性が高まり、強靭な造膜性樹脂の連続被膜が形成されるため、高い強度の印字物を得ることができる。なお、前記造膜性樹脂の体積平均粒径としては、例えば、粒度分析装置(商品名:マイクロトラック MODEL UPA9340、日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
前記造膜性樹脂としては、例えば、縮合系合成樹脂、付加系合成樹脂、天然高分子化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、縮合系合成樹脂が好ましい。
前記縮合系合成樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、アクリル−シリコーン樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリウレタン樹脂、アクリル−シリコーン樹脂、フッ素系樹脂が好ましい。
前記付加系合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、不飽和カルボン酸系樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記天然高分子化合物としては、例えば、セルロース化合物、ロジン化合物、天然ゴムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記造膜性樹脂としては、ホモポリマーとして使用されてもよく、また、コポリマーなどの複合系樹脂として使用してもよく、単相構造型、コアシェル型、及びパワーフィード型エマルジョンのいずれのものも使用することができる。
前記造膜性樹脂としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、商品名:マイクロジェルE−1002、E−5002(成分名:スチレン−アクリル系樹脂粒子、以上、日本ペイント株式会社製)、商品名:ボンコート4001(成分名:アクリル系樹脂粒子、DIC株式会社製)、商品名:ボンコート5454(成分名:スチレン−アクリル系樹脂粒子、DIC株式会社製)、商品名:SAE−1014(スチレン−アクリル系樹脂粒子、日本ゼオン株式会社製)、商品名:サイビノールSK−200(アクリル系樹脂粒子、サイデン化学株式会社製)、商品名:プライマルAC−22、AC−61(アクリル系樹脂粒子、ローム・アンド・ハース社製)、商品名:ナノクリルSBCX−2821、3689(アクリルシリコーン系樹脂粒子、東洋インキ株式会社製)、商品名:#3070(メタクリル酸メチル重合体樹脂粒子、御国色素株式会社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、定着性、及びインク安定性の点から、アクリル系樹脂、ウレタン樹脂が好ましい。
前記造膜性樹脂としては、前記白色インクをポスター、看板などの屋外向けの用途にも使用する場合は、長期耐候性に優れた塗膜を形成できることが必要であり、塗膜強度の点から、ポリウレタン樹脂粒子が好ましく、耐水性、耐熱性、耐摩耗性、耐候性の点から、ポリカーボネート系ウレタン樹脂がより好ましい。
前記ポリウレタン樹脂粒子としては、イソシアネート化合物と、ジオールとを反応させることにより合成することができる。
前記イソシアネート化合物としては、耐候性向上の点から、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートが好ましく、脂環式ジイソシアネートがより好ましい。
前記脂環式ジイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記脂環式ジイソシアネートの含有量としては、イソシアネート化合物全量に対して、60質量%以上が好ましい。
前記ポリカーボネート系ウレタン樹脂粒子としては、水性媒体中に分散させた樹脂エマルジョンの形態で添加することができる。
前記樹脂エマルジョン中の樹脂固形分としては、20質量%以上が好ましい。前記樹脂固形分が、20質量%以上であると、白色インク化する際の処方設計に問題は生じない。
前記ウレタン樹脂粒子の体積平均粒径としては、白色インク化した際の液保存安定性、及び吐出安定性の点から、10nm以上350nm以下が好ましい。なお、前記体積平均粒径としては、粒度分布測定装置(商品名:マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)などを用いて測定することができる。
前記ウレタン樹脂粒子としては、水性媒体中に分散させるにあたり、分散剤を利用した強制乳化型の樹脂エマルジョンを用いることもできる。しかし、塗膜に分散剤が残り、塗膜の強度が低下することがあるため、前記ウレタン樹脂粒子の分子構造中にアニオン性基を有する自己乳化型の樹脂エマルジョンが好ましい。
前記自己乳化型の樹脂の酸価としては、水分散性の点から、5mgKOH/g以上100mgKOH/g以下が好ましく、20mgKOH/g以上100mgKOH/g以下がより好ましく、20mgKOH/g以上50mgKOH/g以下が特に好ましい。前記酸価が、5mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であると、耐擦過性、及び耐薬品性を付与することができる。前記樹脂の酸価の測定は、JIS K−0070に準じて測定することができる。また、前記造膜性樹脂としては、水分散性の点から、アニオン性基で修飾されていることが好ましい。
前記アニオン性基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基などが挙げられる。前記アニオン性基を造膜性樹脂に修飾させる方法としては、例えば、前記アニオン性基を有するモノマーと反応させることなどが挙げられる。
前記ウレタン樹脂粒子の製造方法としては、特に制限はなく、従来公知の製造方法により得ることができる。
前記造膜性樹脂としては、高い耐熱性を有する点から、ポリカーボネート系ウレタン樹脂粒子を含有することで、記録後の加熱乾燥により、残留溶剤を低減させ接着性を向上させることができる。
前記ポリカーボネート系ウレタン樹脂粒子の最低造膜温度としては、室温以下でなくても良いが、加熱乾燥させる場合には、少なくとも加熱温度以下であることが好ましく、加熱温度より5℃以上低いことがより好ましい。例えば、加熱温度が60℃の場合は、樹脂の最低造膜温度としては、0℃以上55℃以下が好ましく、25℃以上55℃以下がより好ましい。前記最低造膜温度としては、低い方が造膜性に優れ、前記最低造膜温度が、前記造膜性樹脂のガラス転移温度よりも高いことで、十分な塗膜強度を得ることができる。
前記ポリカーボネート系ウレタン樹脂粒子としては、塗膜を形成したときの表面硬度が100N/mm以上であることが好ましい。前記表面硬度が、100N/mm以上であると、インクが強靭な塗膜を形成し、より強い耐擦過性を得ることができる。
前記ポリカーボネート系ウレタン樹脂粒子の含有量としては、白色インク全量に対して、固形分換算で0.5質量%以上10質量%以下が好ましく、1質量%以上8質量%以下がより好ましく、3質量%以上8質量%以下が特に好ましい。前記含有量が、0.5質量%以上であると、前記着色剤に対して、十分に塗膜が形成され必要とする画像堅牢性が得られ、10質量%以下であると、粘度の上昇を抑制し、容易に吐出することができる。
前記造膜性樹脂の含有量としては、白色インク全量に対して、1質量%以上10質量%以下が好ましく、塗膜の平滑性、高い光沢度、基材への定着性、及び吐出性の点から、5質量%以上10質量%以下がより好ましい。前記含有量が、1質量%以上10質量%以下であると、定着性、及び白色インクの安定性を向上することができる。
−防腐防黴剤−
前記防腐防黴剤としては、例えば、1、2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、ぺンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウムなどが挙げられる。
−防錆剤−
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニイウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
−pH調整剤−
前記pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずにpHを所望の値に調整できるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記pH調整剤としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;第4級アンモニウム水酸化物;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン;水酸化アンモニウム;第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。
−白色インクの製造方法−
前記白色インクの製造方法としては、例えば、着色剤、水溶性有機溶剤、界面活性剤、浸透剤、水、及び必要に応じて、その他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、適宜撹拌混合して製造することができる。前記撹拌混合としては、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェイカー、超音波分散機、通常の撹拌羽を用いた撹拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機などを用いることができる。
−白色インクの物性−
前記白色インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、粘度、静的表面張力が下記の範囲であることが好ましい。
−−粘度−−
前記白色インクの粘度としては、25℃での吐出時が2mPa・s以上20mPa・s以下が好ましく、3mPa・s以上15mPa・s以下がより好ましい。前記粘度が、2mPa・s以上であると、白色インクの吐出時の残留振動が起こりにくくなり、駆動波形による吐出後の振動を抑制しやすく、短時間で次の吐出ができ、高速印字に好適に利用することができる。また、20mPa・s以下であると、吐出性を向上することができる。なお、使用環境温度に応じて粘度は変化するため、使用環境温度において前記粘度が上記範囲を満たすことが好ましい。粘度は、例えば、粘度計(商品名:RE−550L、東機産業株式会社製)を用いて測定することができる。
−−静的表面張力−−
前記静的表面張力としては、25℃で20mN/m以上40mN/m以下が好ましく、20mN/m以上35mN/m以下がより好ましい。前記静的表面張力が、20mN/m以上40mN/m以下であると、濡れ性が高くなり記録媒体上でのブリーディングを低減することができ、記録媒体表面でのドットの拡大が起こるため、発色性を向上することができる。また、20mN/m以上であると、インクジェットヘッドのノズルプレートに濡れすぎることがなく、メンテナンスによるワイピング斑によってノズル孔周辺の白色インクの染み出し及び濡れ性の不均一を引き起こしたり、並びに吐出曲がり、及び不吐出状態を引き起こしたりすることを防止することができる。
前記白色インクの吐出方式としては、例えば、インク流路内の前記白色インクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる、いわゆるピエゾ方式(例えば、特公平2−51734号公報参照);発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させる、いわゆるサーマル方式(例えば、特公昭61−59911号公報参照);インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、前記振動板と前記電極との間に発生させる静電力によって前記振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電方式(例えば、特開平6−71882号公報参照)などが挙げられる。
前記白色インクとしては、例えば、記録時、又は記録前後に、記録媒体及び前記白色インクを50℃以上200℃以下で加熱し、記録定着を促進する機能を有するプリンタなどに使用することもできる。
前記白色インクとしては、例えば、インクジェット用であることが好ましく、加熱乾燥用であることがより好ましい。
他の塗布方法としては、例えば、ブレードコート法、バーコート法、ロールコート法などが挙げられる。
(インクセット)
本発明のインクセットは、例えば、白色インクと中空樹脂粒子を含有しないインクとからなるインクセットなどが挙げられる。
−白色インクと中空樹脂粒子を含有しないインクとからなるインクセット−
白色インクと中空樹脂粒子を含有しないインクとからなるインクセットとしては、白色インク、及び中空樹脂粒子を含有しないインクを含有し、必要に応じてその他のインクを含有してなる。
白色インクと他のインクとを用いて、白色インクを塗布後、加熱記録による画像の定着を行い、白色インクによる塗膜上に、他のインクを塗布する場合、白色インク中の中空樹脂粒子が、他のインク中の溶剤の影響を受けて、前記中空樹脂粒子のガラス転移温度が低下し、透明化が引き起こされる傾向にある。前記透明化により、白色インクのよる塗膜の反射光量が減少することにより、前記塗膜上に形成された他のインクの着色が反射光を利用できないため、他のインクの発色が不十分となってしまう問題がある。
そこで、白色インクと中空樹脂粒子を含有しないインクとからなるインクセットを用いることにより、前記白色インクによる塗膜上に、前記中空樹脂粒子を含有しないインクを塗布しても白色インクによる塗膜の白色度が低下することを防止し、前記中空樹脂粒子を含有しないインクの発色の低下を抑制することができることを見出した。
前記白色インクとしては、本発明の白色インクと同様のものを用いることができる。
前記中空樹脂粒子を含有しないインクとしては、水、水溶性有機溶剤を含有し、必要に応じてその他の成分を含有してなり、中空樹脂粒子を含有しない。
前記水としては、本発明の白色インクに用いられる水と同様のものを用いることができる。
前記水溶性有機溶剤としては、本発明の白色インクに用いられる水溶性有機溶剤と同様のものを用いることができ、240℃以下の沸点を有し、少なくとも1つの水酸基がアルカン鎖の末端以外に結合している炭素数4以上6以下のジオールを含むことが好ましい。
前記240℃以下の沸点を有し、少なくとも1つの水酸基がアルカン鎖の末端以外に結合している炭素数4以上6以下のジオールとしては、白色インクで用いられる240℃以下の沸点を有し、少なくとも1つの水酸基がアルカン鎖の末端以外に結合している炭素数4以上6以下のジオールと同様のものを用いることができる。
240℃以下の沸点を有し、少なくとも1つの水酸基がアルカン鎖の末端以外に結合している炭素数4以上6以下のジオールの含有量としては、中空樹脂粒子を含有しないインク全量に対して、80質量%以上が好ましい。
前記その他の成分としては、例えば、着色剤、界面活性剤、造膜性樹脂、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤などが挙げられる。
前記着色剤としては、本発明の白色インクにおけるその他の着色成分と同一のものを用いることができる。
前記界面活性剤、前記造膜性樹脂、前記防腐防黴剤、前記防錆剤、及び前記pH調整剤としては、本発明の白色インクに用いられる界面活性剤、造膜性樹脂、防腐防黴剤、防錆剤、及びpH調整剤と同一のものを用いることができる。
(インクカートリッジ)
本発明のインクカートリッジは、前記白色インクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材などを有してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じて、その形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを少なくとも有するものなどが挙げられる。
次に、インクカートリッジについて、図1及び図2を参照して説明する。
ここで、図1は、前記インクカートリッジを示す概略図であり、図2は、図1のインクジェットカートリッジのケース200も含めた概略図である。
図1に示すように、インク注入口242から前記白色インクがインク袋241内に充填され、排気した後、前記インク注入口242は融着により閉じられる。
使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に、後述する本発明のインクジェット記録装置本体101の針が刺されて、前記白色インクがインクジェット記録装置本体101に供給される。インク袋241は、透気性の低いアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク袋241は、図2に示すように、通常、プラスチックス製のカートリッジケース244内に収容され、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。前記インクカートリッジ201は、前記白色インクを収容し、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いることができ、また、後述する本発明のインクジェット記録装置101に着脱可能に装着して用いることが好ましい。
(インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置)
前記インクジェット記録方法は、白色インクを飛翔させ記録媒体に付与するインク付与工程、画像を記録した前記記録媒体を加熱乾燥する加熱工程を少なくとも含み、前記加熱工程が、前記記録媒体を加熱する第1の加熱処理、前記記録媒体に温風を当てる第2の加熱処理を少なくとも含むことが好ましく、更に必要に応じて、適宜選択したその他の工程、例えば、刺激発生工程、制御工程などを含む。
前記インクジェット記録装置は、白色インクを飛翔させ記録媒体に付与するインク付与手段、画像を記録した前記記録媒体を加熱乾燥する加熱手段を少なくとも含み、前記加熱手段が、前記記録媒体を加熱する第1の加熱処理、前記記録媒体に温風を当てる第2の加熱処理を少なくとも含むことが好ましく、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、刺激発生手段、制御手段等を有してなる。
前記インクジェット記録方法としては、前記インクジェット記録装置により好適に実施することができ、インク付与工程としては、インク付与手段により好適に行うことができる。また、加熱工程における前記第1の加熱処理としては、加熱手段における第1の加熱処理、加熱工程における第2の加熱処理としては、加熱手段における第2の加熱処理により好適に行うことができる。その他の工程としては、その他の手段により好適に行うことができる。
<インク付与工程及びインク付与手段>
前記インク付与工程としては、前記白色インクに、刺激(エネルギー)を印加し、前記白色インクを飛翔させて記録媒体に画像を形成する工程である。
前記インク付与手段としては、前記白色インクに、刺激(エネルギー)を印加し、前記白色インクを飛翔させて記録媒体に画像を形成する手段である。
前記インク付与手段としては、特に制限はなく、例えば、インク吐出用の各種のノズルなどが挙げられる。
前記刺激(エネルギー)としては、例えば、前記刺激発生手段により発生させることができる。前記刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱(温度)、圧力、振動、光などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好ましい。
前記刺激発生手段としては、例えば、加熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライトなどが挙げられ、例えば、圧電素子等の圧電アクチュエータ;発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ;温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ;静電力を用いる静電アクチュエータなどが挙げられる。
本発明のインクセットである、白色インクと中空樹脂粒子を含有しないインクとからなるインクセットを用いる場合、前記白色インクを記録媒体に塗布する白色インク塗布工程と、前記白色インク塗布工程により、塗膜を形成後、前記塗膜上に中空樹脂粒子を含有しないインクを塗布する工程を有することが好ましい。前記白色インクの塗布量としては、前記中空樹脂粒子を含有しないインクの塗布量よりも多いことが好ましく、10g/m以上100g/m以下がより好ましい。なお、有機中空粒子を含有しないインクの塗布量とは、インク全色の合計の塗布量を意味する。
前記記録媒体に付与する前記白色インクの液滴の大きさとしては、例えば、3×10‐15以上40×10‐15以下(3pL以上40pL以下)が好ましい。
前記記録媒体に付与する前記白色インクの吐出噴射の速さとしては、5m/s以上20m/s以下が好ましい。
前記記録媒体に付与する前記白色インクの駆動周波数としては、1kHz以上が好ましい。
前記記録媒体に付与する前記白色インクにより得られる画像の解像度としては、60dpi以上が好ましく、150dpi以上がより好ましい。
前記インク付与手段としては、例えば、インクジェットヘッドなどが挙げられる。前記インクジェットヘッドとしては、例えば、液室部、流体抵抗部、振動板、及びノズル部材に、少なくとも一部にステンレス鋼(SUS)、シリコン、及びニッケルの少なくともいずれかを含む材料から形成されるものなどが挙げられる。
前記ステンレス鋼としては、幅広い液性のインクに対応でき熱伝導率も高いため、ステンレス鋼部材で構成された前記インクジェットヘッドは、温度調節性を向上することができる。
前記シリコンとしては、半導体技術、及び微小電気機械システム(Micro Electro Mechanical Systems:MEMS)技術を用いて加工することができるため、非常に微細でかつ高精度の加工をすることができる。
前記ニッケルとしては、電鋳技術を用いて、金属薄膜を製造することができるため、高精度の形状を作製することができる。
前記ニッケルとしては、酸性にすることで容易に溶けてしまうため、インク適応性が低い傾向にあるが、パラジウム等の合金にて電鋳することで高い耐久性を有し、かつ加工性に優れた金属薄膜部品を製造することができる。
前記インクジェットヘッドのノズルのノズル直径としては、50μm以下が好ましく、10μm以上30μm以下がより好ましい。
<加熱工程及び加熱手段>
前記インクジェット記録方法としては、白色インクが付与された記録媒体を加熱乾燥する加熱工程を有することが好ましい。
前記インクジェット記録装置としては、白色インクが付与された記録媒体を加熱乾燥する加熱手段を有することが好ましい。
前記インクジェット記録方法の加熱工程としては、第1の加熱処理を含むことが好ましく、さらに、第1の加熱処理の後に、第2の加熱処理を含むことがより好ましい。
前記インクジェット記録装置の加熱手段としては、第1の加熱部材を有することが好ましく、さらに、第1の加熱部材に加えて、第2の加熱部材を有することが好ましい。
<<加熱工程における第1の加熱処理及び加熱手段における第1の加熱部材>>
前記インクジェット記録方法としては、白色インクを飛翔付与させた記録媒体を、白色インクの定着乾燥を促すために加熱工程において第1の加熱処理を設けることができる。
また、白色インクと中空樹脂粒子を含有しないインクとからなるインクセットにおいても、白色インクを飛翔付与させた記録媒体を、白色インクの定着乾燥を促すために加熱工程において第1の加熱処理を設けることができる。
加熱手段における前記第1の加熱部材としては、例えば、赤外線乾燥装置、マイクロ波乾燥装置、ロールヒーター、ドラムヒーターなどが挙げられる。
加熱工程における前記第1の加熱処理及び加熱手段における第1の加熱部材を設けることで、記録媒体に、白色インク付着直後の乾燥定着を促進し、白色インクの塗膜面上の移動を抑制することができる。これにより、ビーディング及びブリーディングを抑制し、記録媒体への印字性及び画質を向上させることができ、また、乾燥を促進することで白色インクの成分中の樹脂成分が被膜形成しやすくなり、記録直後の定着性を向上させることができる。
前記記録中の乾燥定着を促進させるには、印字前に記録媒体を加熱しておくか、印字中に加熱する必要がある。加熱温度としては、加熱状態の記録媒体が、インク吐出ヘッド下で40℃以上70℃以下が好ましい。前記加熱温度が、40℃以上であると、記録媒体上の白色インクの蒸発が促進されビーディングを抑制することができ、70℃以下であると、前記インクジェットヘッドまで暖まってしまい、吐出ノズルが乾燥することで不吐出が生じることを抑制することができる。また、前記中空樹脂粒子は白色インク中の成分の影響によって軟化温度がガラス転移温度より低下しており、加熱温度が70℃以下であると、ダメージを受けてしまい中空形状を失ってしまうことを防止することができる。また、前記加熱温度が、上記範囲内であると、カラーブリードやドット融合のない良好な画像を得るとともに、前記中空樹脂粒子の形状を維持させることで白色を示す良好な画像を形成することができる。
加熱工程における前記第1の加熱処理における加熱時間は、10秒間以上600秒間以下が好ましい。
また、インク吐出ヘッド近傍の加熱温度としては、ヘッドノズル部のメニスカスを乾燥させ吐出性を悪化させてしまう点から、インクジェットヘッド下で40℃以上60℃以下がより好ましい。前記加熱としては、加熱工程における前記第1の加熱処理において行うことができる。加熱工程における前記第1の加熱処理としては、印字条件で加熱状態を変更することが好ましく、急な加熱に用いる電力を賄うためにもキャパシタを併用することがより好ましい。
前記加熱温度としては、白色インク中に含まれる水溶性有機溶媒の種類及び量、並びに添加する水分散樹脂の最低造膜温度に応じて変更することができ、更に印刷する記録媒体の種類に応じても変更することができる。前記加熱温度としては、乾燥性、及び水分散樹脂の造膜温度の点から、高いことが好ましい。
鋭意検討した結果、前記中空樹脂粒子がダメージを受けないためには、前記中空樹脂粒子のガラス転移温度より30℃以上低い温度となるように加熱することが中空形状を維持するために必要であることを見出した。前記温度以下の加熱温度とすることで、前記中空樹脂粒子が軟化することを抑制し、加熱工程における第2の加熱処理で急激に中空樹脂粒子の形状が破壊され、中空の無い塗膜となってしまい白色を示さない状態となることを防止することができる。また、白色インクと中空樹脂粒子を含有しないインクセットにおいても、上記と同様の理由から、白色インク塗布後の第1の加熱処理における加熱温度が、中空樹脂粒子のガラス転移温度より30℃以上低いことが好ましい。
加熱工程における前記第1の加熱処理において、加熱温度が70℃以下であると、記録媒体へのダメージを抑制することができ、また、前記水分散樹脂によっても耐熱性に差があるが、特に塩化ビニール製のフィルムなどにおいて、加熱温度が高いと熱収縮を起こしてしまい画像だけでなく記録媒体の形状に異常を来すことを抑制することができる。
また、記録後にも加熱手段における第2の加熱処理により加熱する乾燥工程を伴っていても良く、塗膜の乾燥を促進させて白色インクの定着を促すことができる。記録後の加熱においても加熱によって前記中空樹脂粒子がダメージを受けないために前記中空樹脂粒子のガラス転移温度より30℃以上低い温度となるように加熱を行うことが好ましい。
<<加熱工程における第2の加熱処理及び加熱手段における第2の加熱部材>>
前記インクジェット記録方法においては、加熱工程における前記第1の加熱処理後の記録媒体の白色インクの定着乾燥を促すために加熱工程における第2の加熱処理を設けることができる。
また、白色インクと中空樹脂粒子を含有しないインクとからなるインクセットにおいても、加熱工程における前記第1の加熱処理後の記録媒体の白色インクの定着乾燥を促すために加熱工程における第2の加熱処理を設けることができる。
加熱工程における前記第2の加熱処理の加熱手段における第2の加熱部材としては、例えば、空気を加熱する熱発生源が電熱線のような抵抗加熱方式、IHヒータのような誘導加熱方式、高周波誘導加熱のような誘電加熱方式、電子レンジのようなマイクロ波加熱方式、ハロゲンヒータのような赤外線加熱方式などが挙げられる。前記赤外線加熱方式としては、例えば、ニクロム線発熱体、ハロゲンランプ、ハロゲンヒータ、セラミックヒータ等の様々な熱源が挙げられ、複雑な形状を取ることができる。
前記熱源で暖まった空気をモータとファンから構成されるブロワーにより温風を送風させ、加熱工程における第1の加熱処理において乾燥されている記録媒体上の白色インクの乾燥定着を促進させ、記録媒体に完全に定着させることができる。
前記温風で白色インクを乾燥することで、記録媒体の表面から白色インクに含まれる水、水溶性有機溶剤などの蒸気を除去することができ、風無く加熱するより効果的に乾燥することができる。加熱工程における前記第2の加熱処理において、白色インク成分中の樹脂成分が被膜形成しやすくなり、中空樹脂粒子中の溶媒成分の乾燥を促進させ、定着性の向上、及び白色発現を向上させることができる。
前記温風の温度としては、特に制限はなく、送風による白色インク中の溶媒の揮発が促進されればよいが、水等の気化熱による塗膜温度の低下が起こりやすく、塗膜温度の低下を抑制するためにも加熱工程における第1の加熱処理の加熱温度以上の温度の温風を当てることが好ましく、40℃以上100℃以下がより好ましく、50℃以上80℃以下が特に好ましい。上記温度であると、乾燥性を向上し、中空樹脂粒子の形状を維持することができる。
加熱工程における前記第2の加熱処理における加熱時間は、60秒間以上1,800秒間以下が好ましい。
加熱手段における前記第2の加熱部材を使用するに当たって鋭意検討した結果、加熱工程における前記第1の加熱処理において、白色インク中の水溶性有機溶剤の含有量としては、20質量%以下となるように乾燥することで、加熱工程における前記第2の加熱処理において、前記中空樹脂粒子の形状を維持して乾燥することができることを見出した。前記含有量が、20質量%以下であると、前記水溶性樹脂粒子の影響による前記中空樹脂粒子の軟化が抑制され、温風の熱でも中空樹脂粒子の形状が維持することができる。
前記白色インク中の水溶性有機溶剤の含有量の分析方法としては、例えば、熱重量分析による重量減少から計算する方法、ガスクロマトグラフィーによる揮発成分の定量分析、液体クロマトグラフィーによる溶解成分の定量分析、赤外吸収スペクトルのATR法による官能基からの定量分析、NMRによるH、13Cからの構造からの定量分析などが挙げられる。
加熱手段における前記第2の加熱部材としては、記録媒体の裏面からの加熱部材を併用してもよい。前記記録媒体の裏面からの加熱部材を設けることにより、乾燥性が向上し、温風の温度を下げることができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータなどの機器が挙げられる。
−インクジェット記録装置−
以下、本発明のインクジェット記録装置について図面を参照して説明する。
まず、本発明に係るインクジェット記録装置について図3、図4、及び図5を参照して説明する。なお、図3は、インクジェット記録装置の要部側面の説明図であり、図4は、図3の画像形成部2を底面側から見た要部底面の説明図であり、図5は、図3のキャリッジ23を底面側から見た要部底面の説明図である。
前記インクジェット記録装置は、シリアル型インクジェット記録装置であり、図3に示すように、インクジェット記録装置本体の内部に画像形成部2、搬送機構部5、インクカートリッジ30、インクジェット記録ヘッド24などを有し、インクジェット記録装置本体の側方の送り出し部4から記録媒体10を送り出し、搬送機構部5によって記録媒体10を水平方向に間歇的に搬送しながら、画像形成部2によって垂直方向下方に向けて液滴を吐出させて所要の画像を記録した後、送り出しローラー62に這わせて記録媒体の方向を変え、画像が記録された記録媒体10を送り出しての巻き取り部7に記録媒体10を巻き取り回収する。
ここで、画像形成部2は、図4に示すように、左右の側板11L、11R間に横架した主ガイド部材21及び従ガイド部材22で、インクジェットヘッド24を搭載したキャリッジ23を摺動自在に保持し、主走査モータ25によって、駆動プーリ26と従動プーリ27間に渡したタイミングベルト28を介して主走査方向に移動走査する。
キャリッジ23には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、ホワイト(W)の各色のインク滴を吐出するための液体吐出ヘッドからなるインクジェットヘッド24a、24b、24c、24d、24e(区別しないときは上記のとおり「インクジェット記録ヘッド24」という。)を、複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、滴吐出方向を垂直方向下方に向けて装着している。
なお、インクジェットヘッド24を構成する液体吐出ヘッドとしては、圧電素子等の圧電アクチュエータ;発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ;温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ;静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段として備えたものなどを使用できる。
また、キャリッジ23には、インクと反応することでインクの定着性を高める定着液を吐出する液体吐出ヘッドなども搭載できる。
また、キャリッジ23には、インクジェット記録ヘッド24の各ノズル列に対応して各色のインクを供給するためのヘッドタンク29が搭載され、前記ヘッドタンク29には、装置本体に着脱自在に装着される各色のインクカートリッジ30(メインタンク)からインクが供給される。
なお、インクジェット記録ヘッド24は滴吐出方向を垂直方向下方向としているので、液垂れを防止するために負圧を形成する必要があり、ヘッドタンク29はバッファタンクとしての機能と共に負圧維持機能を有している。
また、キャリッジ23の主走査方向に沿って両側板11L、11R間に、所定のパターンを形成したエンコーダスケール121を張装し、キャリッジ23にはエンコーダスケール121のパターンを読取る透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ(不図示)を設け、これらのエンコーダスケール121とエンコーダセンサによってキャリッジ23の移動を検知するリニアエンコーダ(主走査エンコーダ)123を構成している。
また、キャリッジ23の走査方向一方側の非印字領域には、インクジェットヘッド24のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構9を配置している。
前記維持回復機構9には、インクジェットヘッド24の各ノズル面をキャピングするための各キャップ92a、92b、92c、92d、92e(区別しないときは「キャップ92」という。)と、ノズル面をワイピングするワイパ部材(ワイパブレード)93と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け94などを備えている。
記録用の記録媒体10は、送り出し部4の送り出し用紙管41に巻き取られており、搬送機構部5の上下の送り込みローラ対51、52の間に送り込まれた後、第1のプラテン53に沿って、送り出しローラ62に這わされ、巻き取り部7の巻き取り用紙管71に固定し、巻き取り用紙管71をモータにて回転させることで巻き取られる。
また、送り込みローラ52の軸52aにはコードホイール154を取り付け、このコードホイール154に形成したパターンを検出する透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ155を設けて、前記コードホイール154と前記エンコーダセンサ155によって送り込みローラの回転量及び回転角度を検出するロータリエンコーダ(送り込みエンコーダ)156を構成している。
同様に、送り出しローラ62の軸62aにはコードホイール157を取り付け、前記コードホイール157に形成したパターンを検出する透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ158を設けて、これらのコードホイール157とエンコーダセンサ158によって送り出しローラの回転量及び回転角度を検出するロータリエンコーダ(送り出しエンコーダ)159を構成している。
送り込みローラ51と巻き取り部7の回転量は同一、又は巻き取り部を少し多めになるように制御し、第1のプラテン53上の記録媒体10に搬送方向に対してテンションが掛かるようにし、記録媒体10の浮きが起こらないようにしている。
以上のように構成した前記インクジェット記録装置においては、送り出し部4から記録媒体10が一スキャンに応じた搬送量ごと水平方向に送り出される。インクジェットヘッド24による記録領域に対応して第1のプラテン53が配置されており、第1のプラテン53にヒータが組み込まれており記録媒体10を記録面裏面から加熱することができる。第1のプラテン53は記録媒体10を加熱する。
そこで、キャリッジ23を移動させながら記録信号に応じてインクジェットヘッド24を駆動することにより、停止している記録媒体10に対して上方から下方に向けてインク滴を吐出して1行分を記録し、記録媒体10を所定量搬送後、次の行の記録を行い、記録が終了した記録媒体10は、記録エリアから排出される。排出された記録媒体10は、記録面に対し送風ファン82と加熱ヒータ81からなる温風部8によって温風を当てられ加熱される。また送風ファン82に対向して第2のプラテン83が設置されており記録媒体10が温風によって撓まないようにしている。前記第2のプラテン83にもヒータが組み込まれており、記録された記録媒体10の裏面から加熱し、前記記録媒体10の乾燥を促進させる。記録媒体10が温風部8と接触しないために記録面に非接触で乾燥させ、巻き取り部7にて巻き取られる。
そして、ヘッドタンク29内のインクジェット記録用インクの残量ニアエンドが検知されると、インクタンク30から所要量のインクジェット記録用インクがヘッドタンク29に補給される。インクジェットヘッド24のノズルの維持回復を行うときには、キャリッジ23をホーム位置である維持回復機構9に対向する位置に移動して、キャップ92によるキャッピングを行ってノズルからの吸引排出を行うノズル吸引、画像形成に寄与しない液滴を吐出する空吐出などの維持回復動作を行うことにより、安定した液滴吐出による画像形成を行うことができる。
次に、前記インクジェット記録装置の制御部の概要について図6のブロック説明図を参照して説明する。
前記制御部500は、前記インクジェット記録装置全体の制御を司るCPU501と、前記CPU501に本発明に係る制御(処理)を実行させるプログラムを含む各種プログラム、その他の固定データを格納するROM502と、記録データ等を一時格納するRAM503と、前記インクジェット記録装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換え可能な不揮発性メモリ504と、記録データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他インクジェット記録装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC505などを備えている。
また、インクジェットヘッド24を駆動制御するためのデータ転送手段、駆動信号発生手段を含むインクジェットヘッド駆動制御部508と、キャリッジ23側に設けたインクジェットヘッド24を駆動するためのインクジェットヘッドドライバ(インクジェットヘッドIC)509を備えている。
キャリッジ23を移動走査する主走査モータ25を駆動制御するためのキャリッジユニット移動モータ駆動制御部510を備えている。
さらに、記録前の記録媒体10を巻き取っている送り出し用紙管41を回転させ記録媒体10の送り出しを行う送り出し部モータ523や、記録媒体10を記録部に送り込むために送り込みローラ51を回転させ位置を保持する送り込みモータ522や、記録部から記録媒体を送り出す送り出しローラ62を回転させ位置を保持する送り出しモータ521や、送り出された記録媒体を巻き取る巻き取り用紙管71を回転させる巻き取り部モータ524、これらのモータを駆動制御する媒体搬送モータ駆動制御部520を備えている。
また、制御部500には、前記インクジェット記録装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル514が接続されている。
前記制御部500は、ホスト側とのデータ、及び信号の送受を行うためのホストI/F506を備えており、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト600側から、ケーブル、又はネットワークを介してホストI/F506で受信する。
そして、前記制御部500のCPU501は、ホストI/F506に含まれる受信バッファ内の記録データを読み出して解析し、ASIC505にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行い、前記記録データをインクジェットヘッド駆動制御部508からインクジェットヘッドIC509に転送する。なお、画像出力するためのドットパターンデータの作製はホスト600側のプリンタドライバ601で行っている。
前記インクジェットヘッド駆動制御部508は、上述した記録データをシリアルデータで転送するとともに、この記録データの転送及び転送の確定などに必要な転送クロックやラッチ信号、制御信号などをインクジェットヘッドIC509に出力する以外にも、ROMに格納されている駆動パルスのパターンデータをD/A変換するD/A変換器及び電圧増幅器、電流増幅器等で構成される駆動信号生成部を含み、1の駆動パルス、又は複数の駆動パルスで構成される駆動信号をインクジェットヘッドIC509に対して出力する。
前記インクジェットヘッドIC509は、シリアルに入力されるインクジェットヘッド24の1行分に相当する記録データに基づいてインクジェットヘッド駆動制御部508から与えられる駆動信号を構成する駆動パルスを選択的にインクジェットヘッド24の液滴を吐出させるエネルギーを発生する駆動素子(例えば、圧電素子)に対して印加することでインクジェットヘッド24を駆動する。
このとき、駆動信号を構成する駆動パルスを選択することによって、例えば、大滴、中滴、小滴など滴量の異なる液滴を吐出させて大きさの異なるドットを打ち分けることができる。
I/O513は、主走査エンコーダ123、送り込みエンコーダ156、送り出しエンコーダ159、インクジェット記録装置に装着されている各種のセンサ515からの情報を取得し、プリンタの制御に必要な情報を抽出し、インクジェットヘッド駆動制御部508やキャリッジユニット移動モータ駆動制御部510、媒体搬送モータ駆動制御部520、維持回復ユニット駆動制御部534、インク供給ユニット駆動制御部535、加熱ユニット制御部540の制御に使用する。
前記センサ515は、記録媒体10の位置を検出するためのキャリッジ23に設けられた光学センサ(媒体センサ)160や、機内の温度、湿度を監視するためのサーミスタ、各機体カバーの開閉を検出するためのインターロックスイッチなどがあり、I/O513は様々のセンサ情報を処理することができる。
例えば、前記CPU501は、主走査エンコーダ123を構成するエンコーダセンサ(不図示)からの検出パルスをサンプリングして得られる速度検出値及び位置検出値と、予め格納した速度・位置プロファイルから得られる速度目標値及び位置目標値とに基づいて主走査モータ25に対する駆動出力値(制御値)を算出してキャリッジユニット移動モータ駆動制御部510を介してキャリッジユニット移動モータ25を駆動する。
同様に、送込みエンコーダ156を構成するエンコーダセンサ155からの検出パルスをサンプリングして得られる速度検出値及び位置検出値と、予め格納した速度・位置プロファイルから得られる速度目標値及び位置目標値とに基づいて送り込みモータ522に対する駆動出力値(制御値)を算出して媒体搬送モータ駆動制御部520を介して送り込みモータ522を駆動する。 また同様にして送り出しエンコーダ159からの検出パルスに基づいて、媒体搬送モータ駆動制御部520を介して送り出しモータ521を駆動する。
また、前記制御部500は、維持回復ユニット駆動部534を介して、維持モータ91を駆動して、維持回復機構9のキャップ92をインクジェットヘッド24のノズル面に対して進退移動させ、ワイパ部材93を移動させ、吸引ポンプを駆動する。
また、インク供給ユニット駆動制御部535を介して供給モータ31を駆動させ、供給ポンプを動作させることで、インクタンク30からヘッドタンク29へのインクの送液、又はヘッドタンク29からインクタンク30へのインクの逆送を行う。
加熱ユニットは、I/O513からのセンサ515の情報に応じて、プラテン用加熱ヒータ541を制御し第1のプラテン53の温度を調整する。また温風乾燥部についても同様に温度と風量はセンサ515にて検知して、温風用加熱ヒータ542を制御し加熱ヒータ81の温度を変化させ、温風用ファンモータ543を制御し送風ファン82を回転させて風を発生させる。
エンコーダセンサや媒体搬送モータ駆動制御部520に異常を検知した場合、加熱ユニット制御部540からプラテン用加熱ヒータ541や温風用加熱ヒータ542の出力を弱くする、又は停止することで加熱を停止し、記録媒体10への熱の蓄積を抑制する。また、温風用ファンモータ543を駆動させることで送風ファン82を回転させ、温風用加熱ヒータ542の冷却と記録媒体の冷却を進めて安全に停止させる。
前記インクジェット記録装置においては、インクカートリッジ201中のインクジェット用インクを使い切ったときには、インクカートリッジ201における筐体を分解して内部のインク袋241だけを交換することができる。
なお、キャリッジ23が走査するシリアル型(シャトル型)インクジェット記録装置に適用した例で説明したが、ライン型ヘッドを備えたライン型インクジェット記録装置にも同様に適用することができる。ライン型インクジェット記録装置の場合には、マルチパスで記録できない代わりに、記録経路に複数同一色のインクジェットヘッドを配列することでシリアル型インクジェット記録装置のマルチパス記録と同様の効果を得ることができ、画像記録スキャンの数の増加に応じて非多孔質基材の表面温度を下げる代わりに、同一色のラインヘッドが増えることに伴って表面温度を下げることで、記録物の画質を向上させることができる。
図7は、画像を重ねて記録するインクジェット記録方法の説明図である。図7に示すように、まず、インクジェットヘッド701の長手方向の下半分のノズルを用いて、記録媒体700にインクを付与し、記録画像702を記録後、インクジェットヘッド701の長手方向の半分の長さ分だけ記録媒体700を送り出し、インクジェットヘッド701の長手方向の下半分のノズルを用いて、上記と同様にして記録媒体700にインクを付与し、記録画像704を記録し、また、同時にインクジェットヘッド701の長手方向の上半分のノズルにより、前記記録画像702上に他のインクを付与し他のインクによる記録画像703を記録する。この操作を繰り返すことにより重ね合せ画像705を好適に形成することができる。
本発明のインクジェット記録装置、及びインクジェット記録方法は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機などに特に好適に適用することができる。
<インクジェット記録物>
前記インクジェット記録物は、記録媒体上に、本発明の白色インクを用いて形成された画像を有する。
前記記録媒体としては、特に制限はなく、例えば、普通紙、光沢紙、特殊紙、布などが挙げられる。本発明の白色インクとしては、透明フィルムや着色記録媒体に適用される場合に、特に良好な発色を備えた画像を提供することができる。
前記透明フィルムとしては、例えば、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリスチレンフィルム等のプラスチック素材からなるものなどが挙げられる。
前記着色記録媒体としては、例えば、着色された紙、着色された前記透明フィルム、生地、衣服、セラミックなどが挙げられる。なお、カラー印字の際にインクより前に前記白色インクで印字することによって、記録媒体の色を白に揃えることができ、インクの発色を向上させることができる。
以下に、本発明の実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、実施例及び比較例において示す「部」は、特に明示しない限り、「質量部」を示す。なお、水溶性有機溶剤全量とは、その他の成分から持ち込まれる水溶性有機溶剤成分も包含する意味である。
<白色インクの製造例>
−二酸化チタン水分散体の調製−
分散容器に、高純水30.8g、分散剤(商品名:DISPERBYK−190、ビックケミー・ジャパン株式会社製)1.2gを入れ、軽く撹拌して均一にした後、二酸化チタン(商品名:GTR−100、堺化学工業株式会社製、一次粒径:260nm、結晶形:ルチル型、水分散用有機処理品)12.0gを加え、水冷しながら超音波ホモジナイザー(商品名:US−300T、株式会社日本精機製作所製、チップ:φ26)により200μAで1時間処理し、平均孔径5μmのセルロースアセテートメンブランフィルター(商品名:ミニザルト17594K、ザルトリウス社製)で濾過して、固形分30質量%の二酸化チタン水分散体を得た。体積平均粒径(D50)は352nmであった。前記体積平均粒径(D50)は、粒度分布測定装置(商品名:マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)を用いて測定した。
−ウレタン樹脂粒子の調製−
−−ウレタン樹脂粒子の調製1−−
撹拌機、還流冷却管、及び温度計を挿入した反応容器に、1,6−ヘキサンジオールとジメチルカーボネートとを反応させた反応生成物であるポリカーボネートジオール1,500g、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)220g、及びN−メチルピロリドン(NMP)1,347gを窒素気流下で仕込み、60℃に加熱して2,2−ジメチロールプロピオン酸を溶解させた。
次いで、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを1,445g、ジブチルスズジラウリレート(触媒)を2.6g加えて90℃まで加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー溶液1を得た。
次いで、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー溶液1を80℃まで冷却し、トリエチルアミン149gを添加し、混合した混合物の中から4,340gを抜き出して、強撹拌しつつ水5,400g、及びトリエチルアミン15gの混合溶液の中に加えた。
次いで、氷1,500gを投入し、35質量%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液626gを加えて鎖延長反応を行い、固形分濃度が30質量%となるように溶媒を留去して、ウレタン樹脂粒子分散液Aを得た。
−−ウレタン樹脂粒子の調製2−−
撹拌機、還流冷却管、及び温度計を挿入した反応容器に、1,6−ヘキサンジオールとジメチルカーボネートとを反応させた反応生成物であるポリカーボネートジオール1,500g、ポリオキシエチレン鎖含有ジオール(商品名:DHD1000S、三井化学株式会社製)254g、及びアセトン600gを窒素気流下で仕込み、混合溶解させた。
次いで、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを390g、オクチル酸第一錫(触媒)を0.7g加えて55℃まで加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー溶液2を得た。
次いで、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー溶液2にアセトン860gを加え混合し30℃まで冷却した。
次いで、イオン交換水4,000gをゆっくりと添加し、プレポリマーの水分散体を得た。
次いで、35質量%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液148gを加えて前記プレポリマーの鎖延長反応を行った。その後、水の量を調整することで、固形分濃度が30質量%となるようにアセトンを留去して、ウレタン樹脂粒子分散液Bを得た。
(実施例1)
−白色インクの調製−
3−メチル−1,3−ブタンジオール(沸点:203℃)29質量%、2−ピロリドン(沸点:245℃)1質量%、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル(沸点:231℃)1質量%、フッ素系界面活性剤(商品名:FS−300、デュポン社製、有効成分40質量%)0.25質量%、消泡剤(商品名:エンバイロジェムAD01、エアープロダクツ社製)0.5質量%、抗菌剤(成分名:1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン、商品名:PROXEL GXL、アーチ・ケミカルズ・ジャパン株式会社製)0.05質量%、イオン交換水(残量)をビーカに加え、スターラーにて15分間撹拌を行い均一に混合し混合液を得た。次に、前記混合液に前記ウレタン樹脂粒子分散液A(固形分濃度:30質量%、N−メチル−2−ピロリドン(沸点202℃)11質量%)33質量%を添加し、15分間撹拌後、中空樹脂粒子としての架橋型スチレン−アクリル樹脂A(商品名:ローペイクULTRA E、ローム・アンド・ハース社製、有効成分:30質量%)30質量%を添加し30分間撹拌した。その後、孔径5μmのセルロースアセテートメンブランフィルター(商品名:ミニザルト17594K、ザルトリウス社製)にて加圧濾過し、粗大粒子を除去した。以上より、実施例1の白色インクを作製した。なお、前記中空樹脂粒子のガラス転移温度は、窒素雰囲気下で常温から昇温乾燥し、200℃で30分間乾燥させた前記中空樹脂粒子を冷却し、示差走査熱量計(DSC)にて常温から200℃まで5℃/minで昇温させることで測定した。
(実施例2〜12及び比較例1〜6)
実施例2〜12及び比較例1〜6について、表1〜表3に記載の組成、及び含有量に変更した以外は、実施例1と同様にして、白色インクを作製した。表1〜3に実施例1〜12及び比較例1〜6の組成及び含有量を示す。
Figure 2016108527
Figure 2016108527
Figure 2016108527
なお、表1〜表3において、略号などについては下記の通りの内容を示す。
*1:商品名:ローペイクULTRA E(ローム・アンド・ハース社製、有効成分:30質量%)
*2:商品名:ローペイクULTRA DUAL(ローム・アンド・ハース社製、有効成分:30質量%)
*3:商品名:SX868B(JSR株式会社製、有効成分:20.3質量%)
*4:商品名:Nipol MH8101(日本ゼオン株式会社製、有効成分:26.5質量%)
*5:商品名:FS−300(デュポン社製)
*6:商品名:エンバイロジェムAD01(エアープロダクツ社製)
*7:商品名:Proxel GXL(アーチ・ケミカルズ・ジャパン株式会社製)
次に、作製した白色インク1〜18を用いて、下記の評価を行った。
(実施例13〜39及び比較例7〜21)
−白色画像の白色度−
作製した白色インク1〜9、及び白色インク13〜17を透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にドクターブレード(東洋精機製作所製、ウェット膜厚:25μm)を用いて、成膜し、表4に示す加熱温度で600秒間加熱し、その後、乾燥器(商品名:マルチオーブンMOV−300S、アズワン株式会社製)の自然対流モードを用いて表4に示す乾燥温度で1,800秒間乾燥させ白色インク塗膜を得た。
その後、室温(25℃)で成膜し、そのまま4日間室温(25℃)で十分に乾燥させた白色画像の白色度(明度:L*)に対する、表4に示す加熱温度及び乾燥温度で乾燥させた塗膜における白色画像の白色度(明度:L*)の差(ΔL*=(室温成膜及び室温乾燥後の明度:L*)−(表4に示す加熱乾燥後の明度:L*))から以下の評価基準に基づき、白色画像の白色度を評価した。結果を表4に示す。前記明度の測定は、記録したPETフィルムの下に市販の黒紙を敷いた状態で、印字した部分を分光測色濃度計(商品名:X−Rite939、エックスライト株式会社製)を用いて測定した。
[評価基準]
A : ΔL*が5未満
B : ΔL*が5以上10未満
C : ΔL*が10以上
Figure 2016108527
実施例13〜39の本発明の白色インクを表4の加熱乾燥温度で乾燥させた場合、着色剤である中空樹脂粒子は、加熱乾燥をしても白色画像の白色度の低下が抑制されていることが分かる。比較例7〜21の白色画像の白色度は、成膜や乾燥時の加熱により白色度の低下が、実施例13〜39の白色画像の白色度の低下よりも大きいことが分かる。これは、水溶性有機溶剤により中空樹脂粒子が軟化し中空形態を維持できずに潰れてしまい、光の散乱が起こりにくくなってしまったためであると考えられる。
(実施例40〜48、及び比較例22〜26)
−インクジェット記録方法による白色画像の白色度−
外装を外し、背面マルチ手差しフィーダーを取り付けたインクジェットプリンター(商品名:IPSiO GXe3300、株式会社リコー製)のインクジェットヘッドを含めたインク供給経路に純水を通液することで洗浄し、排出される洗浄液が着色しなくなるまで十分に通液した。次に、前記洗浄液を装置から排出し、評価用インクジェット記録装置とした。また、白色インク1〜9及び白色インク13〜17を5Pa以上10Pa以下の減圧条件で、30分間撹拌することで白色インク中の気体を脱気した。その後、インクカートリッジに充填し評価用インクカートリッジとした。前記インクジェットプリンターに充填動作を行わせ、全ノズルに白色インクが充填され異常画像が出ないことを確認した。インクジェットプリンターの設定は、プリンタ添付のドライバで光沢紙きれいモード選択後、ユーザー設定でカラーマッチングoffを印字モードとした。前記印字モードで記録媒体上へのベタ画像の白色インク付着量が20g/mとなるようにインクジェットヘッドの駆動電圧を変更することで吐出量を調整した。
PPC普通紙(商品名:マイペーパー、株式会社リコー製)上に両面テープで固定した透明PETフィルム(商品名:エステルフィルムE5100、東洋紡株式会社製)を背面マルチ手差しフィーダーから給紙し、Microsoft Word2003にて作製した50mm×50mmのベタ画像を、前記透明PETフィルム上にインクジェット記録した。
その後、室温(25℃)で印字し、そのまま4日間室温(25℃)で十分に乾燥させた塗膜における白色画像の白色度(明度:L*)に対する、印字後すぐに70℃の恒温槽に30分間入れ、加熱乾燥した塗膜における白色画像の白色度(明度:L*)の差(ΔL*=(室温成膜及び室温乾燥後のL*)−(表5に示す加熱乾燥後のL*))から以下の評価基準に基づき、白色画像の白色度を評価した。前記明度の測定は、印字したPETフィルムの下に市販の黒紙を敷いた状態で、印字した部分を分光測色濃度計(商品名:X−Rite939、エックスライト株式会社製)を用いて測定した。評価結果を表5に示す。
[評価基準]
A : ΔL*値が5未満
B : ΔL*値が5以上10未満
C : ΔL*値が10以上
−−白色インクの乾燥性−−
前記乾燥後の塗膜面を指の腹で擦ることで剥離状態を確認し、下記評価基準に基づき、白色インクの乾燥性を評価した。
[評価基準]
A: 塗膜が剥がれない
B: 塗膜の一部が剥がれ、指に白色インクが転写する
C: 塗膜が剥がれて無くなる
−−吐出安定性−−
吐出状態を確認した後、ヘッドノズル面をキャップで保護して2週間放置した。2週間放置後に吐出動作を行い、吐出状態を確認して、下記評価基準に基づき、白色インクの吐出安定性を評価した。
[評価基準]
A: 問題なく全ノズルから吐出する
B: 吐出しないノズルが存在するが、維持回復動作を行うと回復できる
C: 吐出しないノズルが存在し、維持回復動作を行っても回復しない
Figure 2016108527
前記表5の結果から、インクジェット記録方法による白色画像の白色度においても、本発明の白色インクは、インクジェット記録後に加熱乾燥を行っても、室温乾燥と同等の白色度を有することが分かった。
<インクセットの製造例>
−顔料分散液の調製−
−−シアン顔料分散液の調製例1−−
シアン顔料(ピグメントブルー15:3、商品名:LIONOL BLUE FG−7351、東洋インキ株式会社製)15部、アニオン性界面活性剤(商品名:パイオニンA−51−B、竹本油脂株式会社製)2部、及びイオン交換水83部を混合した後、ディスクタイプのビーズミル(KDL型、株式会社シンマルエンタープライゼス社製、メディア:直径0.3mmジルコニアボール使用)で7時間循環分散して、シアン顔料分散液(全固形分:17質量%、顔料固形分:15質量%)を得た。
−−マゼンタ顔料分散液の調製例2−−
シアン顔料を、マゼンタ顔料(ピグメントレッド122、商品名:トナーマゼンタEO02、クラリアントジャパン株式会社製)に変更した以外は、シアン顔料分散液の調製例1と同様にして、マゼンタ顔料分散液(全固形分:17質量%、顔料固形分:15質量%)を得た。
−−イエロー顔料分散液の調製例3−−
シアン顔料を、イエロー顔料(ピグメントイエロー74、商品名:ファーストイエロー531、大日精化工業株式会社製)に変更した以外は、シアン顔料分散液の調製例1と同様にして、イエロー顔料分散液(全固形分:17質量%、顔料固形分:15質量%)を得た。
−−ブラック顔料分散液の調製例4−−
シアン顔料を、ブラック顔料(カーボンブラック、商品名:Black Pearls 1000、キャボット社製)に変更した以外は、シアン顔料分散液の調製例1と同様にして、ブラック顔料分散液(全固形分:17質量%、顔料固形分:15質量%)を得た。
−カラーインク及び中空樹脂粒子を含有しないインクの調製−
−−シアンインク(Cy−1)の調製例1−−
シアン顔料分散液20部、水性ポリウレタン樹脂粒子分散液(固形分:25質量%)ハイドラン HW−340 (平均粒径:35nm、DIC株式会社製)24部、フッ素系界面活性剤(商品名:FS−300、デュポン社製)2部、1,4−ブタンジオール12部、1,2−プロパンジオール10部、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル10部、グリセリン8部、エンバイロジェムAD01 (エアープロダクツ社製)0.5部、イオン交換水(残量)、及びProxel GXL(アーチ・ケミカルズ・ジャパン株式会社製)0.1部を混合攪拌後、0.2μmポリプロピレンフィルターにて濾過し、シアンインクを得た。
−シアンインク(Cy−1、及びCy−2)、マゼンタインク(Ma−1、Ma−2、Ma−3、及びMa−4)、イエローインク(Ye−1、Ye−2、及びYe−3)、並びにブラックインク(Bk−1、Bk−2、及びBk−3)の調製例2〜11−
表7及び表8に記載の組成、及び含有量に変更した以外は、シアンインク(Cy−1)の調製例1と同様にして、シアンインク(Cy−1、及びCy−2)、マゼンタインク(Ma−1、Ma−2、Ma−3、及びMa−4)、イエローインク(Ye−1、Ye−2、及びYe−3)、並びにブラックインク(Bk−1、Bk−2、及びBk−3)を得た。表7及び表8にシアンインク(Cy−1、及びCy−2)、マゼンタインク(Ma−1、Ma−2、Ma−3、及びMa−4)、イエローインク(Ye−1、Ye−2、及びYe−3)、並びにブラックインク(Bk−1、及びBk−2)の調製例2〜11を示す。
Figure 2016108527
Figure 2016108527
なお、表6及び表7において、略号などについては下記の通りの内容を示す。
*5:商品名:FS−300(デュポン社製)
*6:商品名:エンバイロジェムAD01(エアープロダクツ社製)
*7:商品名:Proxel GXL(アーチ・ケミカルズ・ジャパン株式会社製)
*8:商品名:ハイドランHW−340(DIC株式会社製)
−白色インクとカラーインクとからなるインクセット−
(実施例49)
実施例1で得た白色インク1と、調製例1で得たシアンインク(Cy−1)とを有するインクセットを作製した。
(実施例50〜84、及び比較例27〜50)
白色インク1、及びシアンインク(Cy−1)を、表8〜表14に記載の白色インク、及びカラーインクに変更した以外は、実施例49と同様にして、インクセットを作製した。表8〜14に実施例49〜84及び比較例27〜50のインクセットを示す。
次に、作製した実施例49〜84及び比較例27〜50のインクセットを用いて、下記の評価を行った。
−−白色画像の白色度−−
外装を外し、背面マルチ手差しフィーダーを取り付けたインクジェットプリンター(商品名:IPSiO GXe3300、株式会社リコー製)のインクジェットヘッドを含めたインク供給経路に純水を通液することで洗浄し、排出される洗浄液が着色しなくなるまで十分に通液した。次に、前記洗浄液を装置から排出し、評価用インクジェット記録装置とした。また、各インクセットのインクを5Pa以上10Pa以下の減圧条件で、30分間攪拌することで各インク中の気体を脱気した。その後、インクカートリッジに充填し評価用インクカートリッジとした。前記インクジェットプリンターに充填動作を行わせ、全ノズルにインクが充填され異常画像が出ないことを確認した。インクジェットプリンターの設定は、プリンタ添付のドライバで光沢紙きれいモード選択後、ユーザー設定でカラーマッチングoffを印字モードとした。前記印字モードで記録媒体上へのベタ画像のインク付着量が20g/mとなるようにインクジェットヘッドの駆動電圧を変更することで吐出量を調整した。
PPC普通紙(商品名:マイペーパー、株式会社リコー製)上に両面テープで固定した透明PETフィルム(商品名:エステルフィルムE5100、東洋紡株式会社製)を背面マルチ手差しフィーダーから給紙し、Microsoft Word2003にて作製した50mm×50mmのカラーインク単色のベタ画像を、前記透明PETフィルム上にインクジェット記録した。
その後、70℃の恒温槽で30分間乾燥させた後、前記カラーインク単色のベタ画像上に、50mm×50mmの白色インクのベタ画像を記録して、70℃の恒温槽で30分間乾燥させた。前記ベタ画像を記録した透明PETフィルムのベタ画像記録側に市販の黒紙又は白紙を敷き、分光測色濃度計(商品名:X−Rite939、エックスライト株式会社製)を用いて記録部分の色相をPETフィルム側から測定し、バックグラウンドが黒紙及び白紙のときの色相差(ΔE)を算出し、下記の評価基準に基づき、白色度を評価した。結果を表8〜14に示した。
−評価基準−
A:ΔEが5未満
B:ΔEが5以上10未満
C:ΔEが10以上
Figure 2016108527
Figure 2016108527
Figure 2016108527
Figure 2016108527
Figure 2016108527
Figure 2016108527
Figure 2016108527
表8〜表14の結果から、本発明のインクセットにおいて、白色インクを用いると、記録後の加熱乾燥工程を経ても、着色剤である中空樹脂粒子が形態を維持し、白色画像の白色度の低下を抑制できるため、バックグラウンドの色の違いによる記録部分の色相変化の影響を受けないことが分かった。
−白色インクと中空樹脂粒子を含有しないインクとからなるインクセット−
(実施例85)
実施例10で得た白色インク10と、調製例5で得た中空樹脂粒子を含有しないシアンインク(Cy−2)とを有するインクセットを作製した。
(実施例86〜89、及び比較例51〜55)
白色インク10、及びシアンインク(Cy−2)を、表15及び表16に記載の白色インク、及び中空樹脂粒子を含有しないインクに変更した以外は、実施例85と同様にして、インクセットを作製した。表15及び16に実施例85〜89及び比較例51〜55のインクセットを示す。
次に、作製した実施例85〜89及び比較例51〜55のインクセットを用いて、下記の評価を行った。
−−乾燥性、及び着色度−−
インクジェットヘッド(商品名:MH5440、株式会社リコー製)を備えた図3の構成の装置を用いて評価を行った。インクジェットマットコート紙へ1,200dpi×1,200dpiとなる解像度でベタ画像を記録したとき、インクジェットマットコート紙への白色インク塗布量が30g/m、及び中空樹脂粒子を含有しないインクの塗布量が15g/mとなるようにヘッドの駆動電圧を変更することで吐出量を調整した。このときのベタ画像への付着量を100%として、記録画像を重ね合せることで400%まで付着量を増やして評価を行った。また、記録する記録媒体としてPPC普通紙(商品名:マイペーパー、株式会社リコー製)上に両面テープで固定した透明PETフィルム(商品名:エステルフィルムE5100、東洋紡株式会社製)を使用し、出力画像は1,200dpi×1,200dpi、印字速度は0.15mm/secとなるようにインクジェットヘッドの駆動周波数を変更し記録速度を調整した。
図7に示すインクジェット記録方法を用いて、記録ヘッドの長手方向の下半分のノズルを利用して、白色インクで50mm×50mmのベタ画像を記録し、記録後にインクジェットヘッドの長手方向の半分の長さだけ記録媒体を送り出した。次に、インクジェットヘッドの下半分を利用して白色インクで上記と同様にしてベタ画像を記録すると同時に、インクジェットヘッドの長手方向の上半分のノズルを利用して白色インクにより形成された前記ベタ画像上に中空樹脂粒子を含有しないインクで50mm×50mmのベタ画像を記録した。このとき、中空樹脂粒子を含む白色インクと中空樹脂粒子を含まないインクは同一スキャン内において同一箇所、及び隣接箇所に着弾しないように記録を行った。
次に、温風温度70℃、温風の風量10m/m/sec、記録中の加熱乾燥時間を含めて15分間とし、加熱乾燥させ、下記の評価基準に基づき、「乾燥性」、及び「着色度」を評価した。なお、加熱乾燥の温度はフィルム表面の温度を設定温度とし、東亜電器モールド型表面センサーMF−O−Kを接触させて計測した。温風温度も同様に温風出口での風の温度を測定した。
−−−乾燥性−−−
得られた画像に対して、画像面を人差し指の腹で軽く擦ることで剥離状態を確認し、画像の「乾燥性」を評価した。結果を表16及び17に示した。
−−−−評価基準−−−−
A:画像が剥がれない
B:画像の一部が剥がれ、人差し指にインクが転写する
C:画像が剥がれて無くなってしまう
−−−着色度−−−
前記ベタ画像を記録した透明PETフィルムのベタ画像記録側に市販の黒紙又は白紙を敷き、分光測色濃度計(商品名:X−Rite939、エックスライト株式会社製)を用いて記録部分の色相をPETフィルム側から測定し、バックグラウンドが黒紙及び白紙のときの色相差(ΔE)を算出し、下記の評価基準に基づき、着色度を評価した。結果を表16及び17に示した。
−−−−評価基準−−−−
A:ΔEが10未満
B:ΔEが10以上20未満
C:ΔEが20以上30未満
D:ΔEが30以上
Figure 2016108527
Figure 2016108527
表15及び表16の結果から、白色インクと中空樹脂粒子を含有しないインクとを用いた場合でも、中空樹脂粒子を含有しないインクの発色を向上できることが分かった。
(試験例1〜6)
−第1の加熱処理及び第2の加熱処理の温度における影響の評価−
作製した白色インク11について、上記で説明した図3に示すインクジェット記録装置を用いて、インクジェットヘッドに商品名:RICOH MH5440(株式会社リコー製)を用いて、下記の評価を行った。また、白色インクの吐出量は、インクジェットマットコート紙(商品名:スーパーファイン紙KA4250SFR、セイコーエプソン株式会社製)に、1200dpi×1200dpiとなる解像度でベタ画像を記録し、重ね打ちを含めて白色インク付着量が60g/mとなるようにインクジェットヘッドの駆動電圧を変更することで調整した。さらに、記録する記録媒体として透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(商品名:エステルフィルムE5100、東洋紡株式会社製)を使用し、記録速度は0.15mm/secとなるようにヘッドの駆動周波数を調整し、表6に示す第1の加熱処理における温度条件下で記録した。その後、表6に示す第2の加熱処理における温度で、温風を当てることで白色インクを乾燥させ、記録物を得た。
なお、各加熱工程での温度は、透明PETフィルム表面の温度を設定温度とし、モールド型表面センサー(商品名:MF−O−K、東亜電器株式会社製)を接触させて計測した。温風温度も同様に温風出口での風の温度を測定した。また、温風加熱時の第2のプラテンには温風温度と同じ温度になるように加熱するように設定した。温風の風量は10m/m/secとなるように設定した。加熱乾燥は記録中の加熱時間を含めて15分間とし、温風時間は15分間で行った。
−−白色画像の白色度−−
前記記録物について、室温(25℃)で記録し、そのまま4日間室温(25℃)で十分に乾燥させた白色画像の白色度(明度:L*)に対する、表6に示す条件下で加熱乾燥させた前記記録物の白色画像の白色度(明度:L*)の差(ΔL*=(室温成膜及び室温乾燥後のL*)−(加熱乾燥後のL*))から以下の評価基準に基づき、白色画像の白色度を評価した。前記明度の測定は、記録したPETフィルムの下に市販の黒紙を敷いた状態で、印字した部分を分光測色濃度計(商品名:X−Rite939、エックスライト株式会社製)を用いて測定した。
[評価基準]
A: ΔL*値が70以上
B: ΔL*値が60以上70未満
C: ΔL*値が60未満
−−塗膜中の水分含有量及び水溶性有機溶媒の含有量の測定−−
第1の加熱処理後の白色インク塗膜をスパチュラにて剥ぎ取り、熱重量測定・示差熱分析装置(商品名:ThermoPlus、株式会社リガク製)を用いて、熱重量変化(TG)データから水溶性有機溶媒成分の重量を算出し、白色インク単体の溶剤重量との相対値(%)で示した。熱重量測定・示差熱分析装置で白色インク約15mgを窒素雰囲気下で10K/minで300℃まで昇温させ、TGデータを得た。水溶性有機溶媒成分の重量は、白色インク単体のTGデータから水分量Siw(%)、及び水溶性有機溶媒総量Sio(%)と一致する減少量を示す温度Tw(℃)、To(℃)を求め、白色インク塗膜のTGデータからTwにおける重量Wsw(mg)、Toにおける重量Wso(mg)を出し、以下の式で白色インク塗膜の水分量、水溶性有機溶媒の含有量を求めた。
水分量=Wsw×(100−Siw−Sio)/Wso
水溶性有機溶媒の含有量=(Wsw−Wso)×(100−Siw−Sio)/Wso
−−白色インクの乾燥性−−
前記乾燥後の白色インク塗膜面を指の腹で擦ることで剥離状態を確認し、下記評価基準に基づき白色インクの乾燥性を評価した。
[評価基準]
A: 塗膜が剥がれない
B: 塗膜の一部が剥がれ、指に白色インクが転写する
C: 塗膜が剥がれて無くなる
−−吐出安定性−−
吐出状態を確認した後、ヘッドノズル面をキャップで保護して2週間放置した。2週間放置後に吐出動作を行い、吐出状態を確認して、下記評価基準に基づき、白色インクの吐出安定性を評価した。
[評価基準]
A: 問題なく全ノズルから吐出する
B: 吐出しないノズルが存在するが、維持回復動作を行うと回復できる
C: 吐出しないノズルが存在し、維持回復動作を行っても回復しない
Figure 2016108527
表17から明らかなように、試験例1〜4は、加熱乾燥した場合でも、白色画像の白色度に優れることが分かる。また、試験例1〜4は、吐出安定性についても良好であった。一方、試験例5及び6では、白色度が劣っていた。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 水と、水溶性有機溶剤と、中空樹脂粒子を含有する着色剤とを含み、
前記水溶性有機溶剤が、240℃以下の沸点を有する一価アルコールと、240℃以下の沸点を有し、少なくとも1つの水酸基がアルカン鎖の末端以外に結合している炭素数4以上6以下のジオールとから選択される少なくとも1種を含み、
前記一価アルコールと、前記ジオールとから選択される少なくとも1種の含有量が、水溶性有機溶剤全量に対して、75.0質量%以上であることを特徴とする白色インクである。
<2> インクジェット用である前記<1>に記載の白色インクである。
<3> 240℃を超える沸点を有する水溶性有機溶剤の含有量が、水溶性有機溶剤全量に対して、13質量%以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載の白色インクである。
<4> 少なくとも1つの水酸基がアルカン鎖の末端以外に結合している炭素数4以上6以下のジオールが、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、及び2−メチル−2,4−ペンタンジオールから選択される少なくとも1種である前記<1>から<3>のいずれかに記載の白色インクである。
<5> 中空樹脂粒子の体積平均粒径が、0.2μm以上1μm以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載の白色インクである。
<6> 中空樹脂粒子の中空率が、30%以上95%以下である前記<1>から<5>のいずれかに記載の白色インクである。
<7> 中空樹脂粒子が、スチレン−アクリル樹脂である前記<1>から<6>のいずれかに記載の白色インクである。
<8> 中空樹脂粒子の含有量が、1質量%以上30質量%以下である前記<1>から<7>のいずれかに記載の白色インクである。
<9> 造膜性樹脂をさらに含有する前記<1>から<8>のいずれかに記載の白色インクである。
<10> 造膜性樹脂の体積平均粒径が、10nm以上1,000nm以下である前記<1>から<9>のいずれかに記載の白色インクである。
<11> 造膜性樹脂が、ポリウレタン樹脂である前記<1>から<10>のいずれかに記載の白色インクである。
<12> 造膜性樹脂の含有量が、1質量%以上10質量%以下である前記<1>から<11>のいずれかに記載の白色インクである。
<13> 加熱乾燥用である前記<1>から<12>のいずれかに記載の白色インクである。
<14> 水、水溶性有機溶剤、及び中空樹脂粒子を含有する着色剤を含有する白色インクと、水、及び水溶性有機溶剤を含有し、中空樹脂粒子を含有しないインクと、からなるインクセットにおいて、
前記白色インク中の水溶性有機溶剤が、240℃以下の沸点を有し、少なくとも1つの水酸基がアルカン鎖の末端以外に結合している炭素数4以上6以下のジオールを含み、
前記白色インク中の前記ジオールの含有量が、前記白色インク中の水溶性有機溶剤の全量に対して、80質量%以上であり、
中空樹脂粒子を含有しないインク中の水溶性有機溶剤が、240℃以下の沸点を有し、少なくとも1つの水酸基がアルカン鎖の末端以外に結合している炭素数4以上6以下のジオールを含み、
前記中空樹脂粒子を含有しないインク中の前記ジオールの含有量が、前記中空樹脂粒子を含有しないインク中の水溶性有機溶剤の全量に対して、80質量%以上であることを特徴とするインクセットである。
<15> 前記<1>から<13>のいずれかに記載の白色インクを容器中に収容したことを特徴とするインクカートリッジである。
<16> 前記<1>から<13>のいずれかに記載のインクジェット用である白色インクを飛翔させて記録媒体に画像を記録するインク付与手段と、
画像を記録した前記記録媒体を加熱乾燥する加熱手段と、を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置である。
<17> 加熱手段が、記録媒体を40℃以上70℃以下で加熱する第1の加熱部材と、
記録媒体に温風を当てる第2の加熱部材と、をこの順に有する前記<16>に記載のインクジェット記録装置である。
<18> 第2の加熱部材の温風温度が、第1の加熱部材の加熱温度を超える前記<17>に記載のインクジェット記録装置である。
<19> 第1の加熱部材の加熱温度が、中空樹脂粒子のガラス転移温度より、30℃以上低い前記<17>から<18>のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
<20> 第1の加熱部材後の白色インク中の水溶性有機溶剤の含有量が、20質量%以下である前記<17>から<19>のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
<21> 前記<1>から<13>のいずれかに記載のインクジェット用である白色インクを飛翔させて記録媒体に画像を記録するインク付与工程と、
画像を記録した前記記録媒体を加熱乾燥する加熱工程と、を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法である。
<22> 加熱工程が、記録媒体を40℃以上70℃以下で加熱する第1の加熱処理と、
前記記録媒体に温風を当てる第2の加熱処理と、をこの順に含む前記<21>に記載のインクジェット記録方法である。
<23> 第2の加熱処理の温風温度が、第1の加熱処理の加熱温度を超える前記<22>に記載のインクジェット記録方法である。
<24> 第1の加熱処理の加熱温度が、中空樹脂粒子のガラス転移温度より、30℃以上低い前記<22>から<23>のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
<25> 第1の加熱処理後の白色インク中の水溶性有機溶剤の含有量が、20質量%以下である前記<22>から<24>のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
<26> 前記<14>に記載のインクセットを用いて記録媒体に画像を記録する記録方法であって、
白色インクを記録媒体に塗布する第一の塗布工程と、有機中空粒子を含有しないインクを、白色インク塗膜上に塗布する第二の塗布工程とをこの順に有することを特徴とする記録方法である。
<27> 記録媒体への白色インクの塗布量が、前記記録媒体への有機中空粒子を含有しないインクの塗布量より多い前記<26>に記載の記録方法である。
<28> 第一の塗布工程と、第二の塗布工程との間に、白色インクが付与された記録媒体を加熱する加熱工程を有し、
前記加熱工程における加熱温度が、白色インク中の中空樹脂粒子のガラス転移温度より、30℃以上低い前記<26>から<27>のいずれかに記載の記録方法である。
前記<1>から<13>のいずれかに記載の白色インク、前記<14>に記載のインクセット、前記<16>から<20>のいずれかに記載のインクジェット記録装置、前記<21>から<25>のいずれかに記載のインクジェット記録方法、及び前記<26>から<28>のいずれかに記載の記録方法は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、白色インク、インクセット、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、及び記録方法は、記録媒体上に形成した白色画像を速やかに加熱乾燥させても、白色画像の白色度の低下を抑制することができる白色インク、インクセット、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、及び記録方法を提供することを目的とする。
前記<15>に記載のインクカートリッジは、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、インクカートリッジは、記録媒体上に形成した白色画像を速やかに加熱乾燥させても、白色画像の白色度の低下を抑制することができる白色インクを収容できるインクカートリッジを提供することを目的とする。
特許第4015043号公報
30、201 インクカートリッジ
101 インクジェット記録装置

Claims (10)

  1. 水と、水溶性有機溶剤と、中空樹脂粒子を含有する着色剤とを含み、
    前記水溶性有機溶剤が、240℃以下の沸点を有する一価アルコールと、240℃以下の沸点を有し、少なくとも1つの水酸基がアルカン鎖の末端以外に結合している炭素数4以上6以下のジオールとから選択される少なくとも1種を含み、
    前記一価アルコールと、前記ジオールとから選択される少なくとも1種の含有量が、水溶性有機溶剤全量に対して、75.0質量%以上であることを特徴とする白色インク。
  2. 240℃を超える沸点を有する水溶性有機溶剤の含有量が、水溶性有機溶剤全量に対して、13質量%以下である請求項1に記載の白色インク。
  3. 少なくとも1つの水酸基がアルカン鎖の末端以外に結合している炭素数4以上6以下のジオールが、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、及び2−メチル−2,4−ペンタンジオールから選択される少なくとも1種である請求項1から2のいずれかに記載の白色インク。
  4. 水、水溶性有機溶剤、及び中空樹脂粒子を含有する着色剤を含有する白色インクと、水、及び水溶性有機溶剤を含有し、中空樹脂粒子を含有しないインクと、からなるインクセットにおいて、
    前記白色インク中の水溶性有機溶剤が、240℃以下の沸点を有し、少なくとも1つの水酸基がアルカン鎖の末端以外に結合している炭素数4以上6以下のジオールを含み、
    前記白色インク中の前記ジオールの含有量が、前記白色インク中の水溶性有機溶剤の全量に対して、80質量%以上であり、
    中空樹脂粒子を含有しないインク中の水溶性有機溶剤が、240℃以下の沸点を有し、少なくとも1つの水酸基がアルカン鎖の末端以外に結合している炭素数4以上6以下のジオールを含み、
    前記中空樹脂粒子を含有しないインク中の前記ジオールの含有量が、前記中空樹脂粒子を含有しないインク中の水溶性有機溶剤の全量に対して、80質量%以上であることを特徴とするインクセット。
  5. 請求項1から3のいずれかに記載の白色インクを容器中に収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
  6. 請求項1から3のいずれかに記載の白色インクを飛翔させて記録媒体に付与するインク付与手段と、
    前記白色インクが付与された前記記録媒体を加熱乾燥する加熱手段と、を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  7. 加熱手段が、記録媒体を40℃以上70℃以下で加熱する第1の加熱部材と、
    前記記録媒体に温風を当てる第2の加熱部材と、をこの順に有する請求項6に記載のインクジェット記録装置。
  8. 第2の加熱部材の温風温度が、第1の加熱部材の加熱温度を超える請求項7に記載のインクジェット記録装置。
  9. 請求項4に記載のインクセットを用いて記録媒体に画像を記録する記録方法であって、
    白色インクを記録媒体に塗布する第1の塗布工程と、有機中空粒子を含有しないインクを、白色インク塗膜上に塗布する第2の塗布工程と、をこの順に含むことを特徴とする記録方法。
  10. 第1の塗布工程と、第2の塗布工程との間に、白色インクが付与された記録媒体を加熱する加熱工程を含み、
    前記加熱工程における加熱温度が、白色インク中の中空樹脂粒子のガラス転移温度より、30℃以上低い請求項9に記載の記録方法。
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