JP2016117872A - 画像形成用セット、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像の光沢性が得られる画像形成用セットの提供。【解決手段】着色剤、水溶性有機溶剤、及び水を含有する水性インクと、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂の少なくともいずれか、水溶性有機溶剤、並びに水を含有する後処理液と、を有し、前記後処理液中の前記水溶性有機溶剤及び前記水の混合溶液における溶解パラメータが、前記水性インク中の前記水溶性有機溶剤及び前記水の混合溶液における溶解パラメータに対して、1.5(cal/cm3)1/2以上低い画像形成用セットである。【選択図】なし

Description

本発明は、画像形成用セット、画像形成装置、及び画像形成方法に関する。
インクジェット記録方式において、画像の光沢性を向上させるために、水性インクを吐出して形成した画像の表面に後処理液を付与することが知られている。
前記後処理液は、記録媒体に付与した前記水性インクを吐出して形成した画像を定着させた後に付与されるが、前記後処理液が水性インクを吐出して画像を形成した後、前記画像が未定着の状態で前記画像の表面に付与される場合もある。
前記後処理液には、樹脂やワックスなどの成分が含有されており、前記樹脂や前記ワックスが、前記水性インクを吐出して形成した画像の表面に均一な塗膜を形成することで画像の光沢性が付与される。しかし、前記水性インクを吐出して形成した画像が未定着の状態で前記画像の表面に前記後処理液を付与させると、前記後処理液が前記画像中に混ざり込んでしまい、前記画像の表面に均一な塗膜を形成できず、画像の光沢性が劣化するという問題がある。なお、未定着の状態とは、水性インクを吐出して形成した画像が、未乾燥であり、前記画像が固着していない状態をいう。
そのため、高速印字を実現するためにインク受容性粒子のインク吸液性に優れるインク中の水溶性有機溶剤の溶解パラメータ(以下、「SP値」と称することがある)とインク受容性粒子中の単量体成分のSP値との差が5未満であり、かつインク中の水溶性有機溶剤のSP値が17.5以下とする記録用の材料が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、水性インクのメンテナンス性に優れる、全質量に対して50質量%以上の水、及び全質量に対して5質量%以上の溶剤を含み、前記溶剤の50質量%以上がSP値27.5(MPa)1/2(13.4(cal/cm1/2)以下の溶剤であるインクセットが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
前記特許文献1は、後処理液の水溶性有機溶剤のSP値と、水性インク中の水溶性有機溶剤のSP値との差が小さく、水性インクを吐出して形成した画像が未定着の状態で後処理液を付与した場合、前記画像と前記後処理液とが混じりやすく、前記後処理液が前記画像の表面に均一な塗膜が形成されず画像の光沢性が得られないという問題がある。
なお、前記特許文献2は、実施例から水性インクとメンテナンス液のSP値の差を計算すると、0.05(cal/cm1/2以上1.13(cal/cm1/2以下と小さいため、水性インクを吐出して形成した画像と前記メンテナンス液とが混じりやすくなっており、仮に前記画像の表面に前記メンテナンス液を付与しても光沢性は得られず、また、前記特許文献2は、インクジェットヘッドのノズル面のメンテナンス性の向上を課題としており、光沢性の向上の課題について記載もない。
したがって、本発明は、画像の光沢性が得られる画像形成用セットを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の画像形成用セットは、着色剤、水溶性有機溶剤、及び水を含有する水性インクと、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂の少なくともいずれか、水溶性有機溶剤、並びに水を含有する後処理液と、を有し、前記後処理液中の前記水溶性有機溶剤及び前記水の混合溶液におけるSP値が、前記水性インク中の前記水溶性有機溶剤及び前記水の混合溶液におけるSP値に対して、1.5(cal/cm1/2以上低い。
なお、本発明において、有機溶剤が水溶性であるとは、例えば、純水と穏やかにかき混ぜた場合に、流動がおさまった後、二つの層に分離して存在しないことを意味する。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、画像の光沢性が得られる画像形成用セットを提供することができる。
図1は、本発明で用いられる画像形成装置の一例を表す模式図(側面説明図)である。 図2は、図1における制御部の概略ブロック説明図である。 図3は、本発明で用いられる画像形成装置のヘッドユニットにおけるヘッド配列の一例を示した模式図である。 図4は、図3のヘッドユニットに配列しているヘッドを示す模式図である。 図5は、本発明で用いられる画像形成装置で使用されるインクカートリッジの一例を示す図である。 図6は、図5のインクカートリッジのケース(外装)を含めた図である。
(画像形成用セット)
本発明の画像形成用セットは、水性インク、後処理液を含み、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
<水性インク>
前記水性インクとしては、着色剤、水溶性有機溶剤、及び水を含み、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
<<着色剤>>
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、水性インクにおいて公知の顔料及び染料を使用することができる。
前記着色剤としては、例えば、無機粒子をカーボンブラックで被覆した着色剤粒子、無機粒子を有機顔料で被覆した着色剤粒子、顔料が樹脂に含有されてなる着色剤粒子(樹脂被覆型顔料)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機粒子をカーボンブラックで被覆する方法としては、例えば、凝固、析出等による液中乾燥法、混合しながら機械的な力を加える乾燥混合法などが挙げられる。
前記無機粒子を有機顔料で被覆する方法としては、無機粒子の存在下で有機顔料を析出する方法、無機粒子と有機顔料を機械的に混合摩砕する方法などが挙げられる。前記有機顔料が、熱安定性に優れる場合には、化学的蒸着する方法などを用いることができる。また、前記無機粒子と前記有機顔料との間に、更に必要に応じて、ポリシロキサン、アルキルシランから生成されるオルガノシラン化合物層を設けることが好ましい。前記オルガノシラン化合物層を設けることにより、前記無機粒子と前記有機顔料との接着性を向上させることができる。
−無機粒子−
前記無機粒子としては、例えば、二酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化鉄、水酸化鉄、酸化スズなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機粒子の形状としては、アスペクト比が小さいものが好ましく、球状がより好ましい。また、前記無機粒子の表面にカラー着色剤を吸着させる場合には、前記無機粒子は無色透明又は白色が好ましく、黒色着色剤を吸着させる場合には、前記無機粒子は黒色が好ましい。
前記無機粒子の個数平均一次粒子径としては、7nm以上30nm以下が好ましく、7nm以上20nm以下がより好ましい。前記個数平均一次粒子径は、JIS Z8901−2006「試験用粉体及び試験用粒子」5.44粒子経分布(c)顕微鏡法に準拠し、振掛け法によって準備した試料を透過型電子顕微鏡で5万倍以上100万倍以下に拡大して観察した画像から100個以上の粒子を観察して算出される円相当径の算術平均値である。
−顔料−
前記顔料としては、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機顔料、有機顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−無機粒子を被覆する顔料−−
無機粒子を被覆する顔料としては、例えば、黒色用の無機顔料、黒色用の有機顔料、カラー用の有機顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記黒色用の無機顔料としては、例えば、カーボンブラックなどが挙げられる。
前記黒色用の有機顔料としては、例えば、アニリンブラックなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記カラー用の有機顔料としては、例えば、前記カラー用の有機顔料としては、例えば、アントラキノン、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジアゾ顔料、モノアゾ顔料、ピラントロン、ペリレン、複素環式イエロー、キナクリドン、(チオ)インジゴイドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、発色性の点から、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、モノアゾイエロー系顔料、ジアゾイエロー系顔料、複素環式イエロー顔料が好ましい。
前記フタロシアニン系顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4等の銅フタロシアニンブルー又はその誘導体;アルミニウムフタロシアニンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記キナクリドン系顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ48、C.I.ピグメントオレンジ49、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット42などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記モノアゾイエロー系顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー151などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ジアゾイエロー系顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記複素環式イエロー顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー138などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機粒子と、無機粒子を被覆する顔料との質量比(無機粒子:無機粒子を被覆する顔料)としては、3:1以上1:3以下が好ましく、3:2以上1:2以下がより好ましい。前記質量比(無機粒子:無機粒子を被覆する顔料)が、3:1以上1:3以下であると、発色性、及び着色力の低下、並びに透明性、及び色調を調整することができる。
前記無機粒子を前記顔料で被覆した着色剤としては、市販品を用いることができ、前記市販品としては、例えば、個数平均一次粒子径が小さい点から、戸田工業株式会社製のシリカ/カーボンブラック複合材料、シリカ/フタロシアニンC.I.ピグメントブルー15:3複合材料、シリカ/ジアゾイエロー複合材料、シリカ/キナクリドンC.I.ピグメントレッド122複合材料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の体積平均粒子径(D50)としては、10nm以上200nm以下が好ましく、20nm以上100nm以下がより好ましい。前記体積平均粒子径が、10nm以上であると、短時間で分散でき、かつインクの保存安定性を向上させることができ、200nm以下であると、画像彩度が良好であり、ノズル詰まりを抑制し、インクの吐出安定性を向上させることができる。なお、前記体積平均粒子径としては、粒度分布測定装置(商品名:マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)などを用いて測定することができる。
−−樹脂に被覆された顔料−−
前記樹脂に被覆された顔料としては、例えば、無機顔料、有機顔料などが挙げられる。
前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉、カーボンブラックなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カーボンブラックが好ましい。
前記樹脂に被覆された顔料である前記カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたものなどが挙げられる。
前記有機顔料としては、例えば、黒色用の有機顔料、カラー用の有機顔料などが挙げられ、アゾ顔料、アゾメチン顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどが好ましい。これらの中でアゾ顔料、多環式顔料がより好ましい。
前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などが挙げられる。
前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料、ローダミンβレーキ顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記黒色用の有機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)化合物;銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属化合物、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記黒色用の有機顔料である前記カーボンブラックとしては、例えば、ファーネス法、チャネル法で製造されたものなどが挙げられる。
前記黒色用の有機顔料である前記カーボンブラックとしては、個数平均一次粒子径として15nm以上40nm以下が好ましく、BET法による比表面積として50m/g以上300m/g以下が好ましく、DBP吸油量として40ml/100g以上150ml/100g以下が好ましく、揮発分として0.5%以上10%以下が好ましく、pHとして2以上9以下が好ましい。
前記黒色用の有機顔料である前記カーボンブラックとしては、市販品を使用することができ、前記市販品としては、例えば、商品名:MA7、商品名:MA8、商品名:MA100等(以上、三菱化学株式会社製)、Raven1080、Raven1100等(コロンビヤン・カーボン日本株式会社製)、商品名:Mogul、商品名:Monarch 700、商品名:Monarch 800(以上、キャボット社製)などが挙げられる。
前記カラー用の有機顔料としては、例えば、イエローインクに使用できる顔料、マゼンタインクに使用できる顔料、シアンインクに使用できる顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記イエローインクに使用できる顔料としては、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー96などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、色調、及び耐光性の点から、C.I.ピグメントイエロー74が好ましい。
前記マゼンタインクに使用できる顔料としては、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントバイオレッド19、C.I.ピグメントレッド122などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、色調、及び耐光性の点から、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントバイオレッド19が好ましい。
前記シアンインクに使用できる顔料としては、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、色調、及び耐光性の点から、ピグメントブルー15:3が好ましい。
また、本発明で使用する各インクに含有される顔料としては、適宜合成したものを使用しても、市販品を使用してもよい。
−−樹脂被覆型顔料に用いる樹脂−−
前記樹脂被覆型顔料に用いる樹脂としては、例えば、アニオン性基含有有機高分子化合物などが挙げられる。
前記アニオン性基含有有機高分子化合物としては、アニオン性基を中和することにより、水に対する自己分散能や溶解能を付与することができるものであれば、特に制限はなく用いることができる。
前記アニオン性基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基などが挙げられる。これらの中でも、塩基性化合物で中和した際に優れた自己分散能や溶解能を示す点から、カルボキシル基が好ましい。
前記アニオン性基の酸価としては、30mgKOH/g以上150mgKOH/g以下が好ましく、50mgKOH/g以上150mgKOH/gがより好ましい。前記酸価が、30mgKOH/g以上であると、酸析して中和後の水への再分散性が良好であり、顔料の分散安定性を向上させることができ、150mgKOH/g以下であると、親水性が高くなりすぎることを防止し、印刷物の耐水性を向上させることができる。
前記アニオン性基含有有機高分子化合物の組成としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アミノ系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系高分子化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、(メタ)アクリル系樹脂が好ましく、必須成分として(メタ)アクリル酸と、前記(メタ)アクリル酸のアルキルエステル及び前記(メタ)アクリル酸のヒロドキシアルキルエステルの少なくともいずれかとを含有し、さらに必要に応じてスチレンを含有し、かつ、これらのアクリルモノマーとスチレンの含有量が80質量%以上であるアクリル系樹脂がより好ましい。なお、(メタ)アクリル系樹脂とは、メタクリル系樹脂、又はアクリル系樹脂をいい、(メタ)アクリル酸とは、メタクリル酸、又はアクリル酸をいう。
前記アクリル系樹脂としては、例えば、アニオン性基含有アクリルモノマーと、更に必要に応じて前記アニオン性基含有アクリルモノマーと共重合が可能な他のモノマーを加え溶媒中で重合して得ることができる。
前記アニオン性基含有アクリルモノマーとしては、例えば、カルボキシル基を有するアクリルモノマー、スルホン酸基を有するアクリルモノマー、ホスホン酸基を有するアクリルモノマーから選ばれる少なくとも1種のアニオン性基を含むアクリルモノマーなどが挙げられる。これらの中でも、カルボキシル基を有するアクリルモノマーが好ましい。また、カプセル層の耐溶剤性、及び耐久性の向上、並びに印刷物の耐摩擦性を高めるために、架橋性官能基を有するモノマーを用いることができる。
前記カルボキシル基を有するアクリルモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、エタアクリル酸、プロピルアクリル酸、イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、フマール酸などが挙げられる。
前記スルホン酸基を有するアクリルモノマーとしては、例えば、スルホエチルメタクリレート、ブチルアクリルアミドスルホン酸などが挙げられる。
前記ホスホン酸基を有するアクリルモノマーとしては、例えば、ホスホエチルメタクリレートなどが挙げられる。
前記アニオン性基含有有機高分子化合物としては、例えば、カルボキシル基含有スチレン−アクリル型共重合体などが挙げられる。
前記着色剤の含有量としては、水性インク全量に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、2質量%以上15質量%以下がより好ましい。
<<混合溶液>>
前記混合溶液としては、水溶性有機溶剤、及び水を含有してなる。前記混合溶液とは、水溶性有機溶剤、及び水を含有してなるものをいい、機能上、浸透剤、抑泡剤などに分類されるものも含むものをいう。
前記水性インク中の前記混合溶液の溶解パラメータ(Solubility Parameter、以下「SP値」ともいう)としては、18(cal/cm1/2以上22(cal/cm1/2以下が好ましく、19(cal/cm1/2以上21(cal/cm1/2以下がより好ましい。
前記水性インク中に含有される水溶性有機溶剤及び水の混合溶液におけるSP値としては、下記式(A)より算出することができる。
水性インク中の水溶性有機溶剤及び水の混合溶液におけるSP値(cal/cm1/2=[水溶性有機溶剤AのSP値×水溶性有機溶剤Aの体積分率] + [水溶性有機溶剤BのSP値×水溶性有機溶剤Bの体積分率] + ・・・ + [水溶性有機溶剤NのSP値×水溶性有機溶剤Nの体積分率]+ [水のSP値×水の体積分率] ・・・ 式(A)
前記SP値とは、どれだけ互いが溶けやすいかということを数値化したものをいう。前記SP値は、互いの分子間の引き合う力、すなわち凝集エネルギー密度CED(Cohesive Energy Density)の平方根で表される。なお、前記CEDとは、1mLのものを蒸発させるのに要するエネルギー量である。
前記SP値としては、Fedors法により下記式(B)を用いて計算することができる。
SP値(溶解パラメータ)=(CED値)1/2=(E/V)1/2 ・・・・・式(B)
前記式(B)において、Eは分子凝集エネルギー(cal/mol)、Vは分子容(cm/mol)であり、原子団の蒸発エネルギーをΔei、モル体積をΔviとした場合、下記式(C)、及び式(D)で示される。
E=ΣΔei ・・・・・式(C) V=ΣΔvi ・・・・・式(D)
SP値の計算方法は諸説あるが、本発明においては一般的に用いられているFedorsの方法を用いた。
前記計算方法、各原子団の蒸発エネルギーΔei及びモル体積Δviの諸データとしては、「接着の基礎理論」(井本稔著、高分子刊行会発行、第5章)に記載のデータを用いることができる。
また、−CF基などが示されていないものに関しては、R.F.Fedors,Polym.Eng.Sci.14,147(1974)を参照することができる。
なお、参考までに、式(B)で示されるSP値を(J/cm1/2に換算する場合には2.046を、SI単位(J/m1/2に換算する場合には、2,046を乗ずればよい。
なお、本発明において、前記水溶性有機溶剤及び前記水は、水性インク全量に対して、3質量%以上含有されているもののみ前記SP値の計算で考慮する。
前記混合溶液において、前記水溶性有機溶剤の含有量(質量%)と前記水の含有量(質量%)との質量比(水溶性有機溶剤/水)としては、0.5以上2以下が好ましく、0.8以上1.2以下がより好ましい。
−水溶性有機溶剤−
前記水溶性有機溶剤は、インクの乾燥防止、及び分散安定性の向上のために含有されている。
前記水溶性有機溶剤としては、例えば、多価アルコール化合物、多価アルコールアルキルエーテル化合物、多価アルコールアリールエーテル化合物、含窒素複素環化合物、アミド化合物、アミン化合物、含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレンなどが挙げられる。
前記多価アルコール化合物としては、例えば、グリセリン、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペトリオールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価アルコールアルキルエーテル化合物としては、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価アルコールアリールエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記含窒素複素環化合物としては、例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−プチロラクトンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミド化合物としては、例えば、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジエチルアセトアミドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミン化合物としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記含硫黄化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、溶解性と水分蒸発による噴射特性不良の防止、保存安定性、及び吐出安定性の点から、グリセリン、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオールが好ましい。
前記水溶性有機溶剤の含有量としては、水性インク全量に対して、20質量%以上50質量%以下が好ましく、25質量%以上35質量%以下がより好ましい。
−水−
前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水;超純水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、前記水のSP値としては、23.4(cal/cm1/2である。
前記水の含有量としては、水性インク全量に対して、60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。前記含有量が、60質量%以下であると、水が蒸発した際の後処理液の粘度上昇、ゲル化、不溶物の析出などを防止することができる。
<<その他の成分>>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、前記水性インクに使用することができるものであればよく、例えば、糖化合物、及びその誘導体;界面活性剤;抑泡剤;カルボキシル基含有樹脂;浸透剤;ポリマー粒子;pH調整剤;防腐防黴剤;防錆剤などが挙げられる。
−糖化合物、及びその誘導体−
前記糖化合物としては、耐乾燥性を向上させるために含有され、例えば、単糖化合物、二糖化合物、オリゴ糖化合物(三糖化合物、四糖化合物も含む)、多糖化合物、及びこれらの誘導体などが挙げられる。具体的には、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キロース、トレハロース、マントトリオースなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、多糖化合物とは、広義の糖をいい、α−シクロデキストリン、セルロース等の自然界に広く存在する物質を含むものをいう。 前記糖化合物の誘導体としては、例えば、前記糖化合物の還元糖、前記糖化合物の酸化糖類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、糖アルコールが好ましく、マルチトール、ソルビットがより好ましい。 前記糖化合物、及びその誘導体の含有量としては、水性インク全量に対して、0.1質量%以上40質量%以下が好ましく、0.5質量%以上30質量%以下がより好ましい。
−界面活性剤−
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、着色剤の種類や水溶性有機溶剤、浸透剤等の組み合わせによって、分散安定性を損なわない界面活性剤の中から目的に応じて適宜選択することができる。前記界面活性剤としては、特に記録媒体に記録する場合には、表面張力が低く、高いレベリング性の点から、フッ素系界面活性剤、シリコーン型界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、フッ素系界面活性剤が好ましい。
−−フッ素系界面活性剤−−
前記フッ素系界面活性剤としては、泡性が小さい点から、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルリン酸エステル塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記フッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、例えば、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)などのイオンが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、適宜合成したものを使用しても、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、旭硝子株式会社製のサーフロンシリーズ(S−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145);スリーエムジャパン株式会社製のフルラードシリーズ(FC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431);DIC株式会社製のメガファックシリーズ(F−470、F−1405、F−474);Dupont社製のZonyl TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR;ネオス株式会社製のFT−110、FT−250、FT−252、FT−400S、FT−150、FT−400SW;オムノバ社製のPF−151Nなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、下記式(i)で表されるフッ素系界面活性剤が好ましい。
Figure 2016117872
なお、前記式(i)のフッ素系界面活性剤は、パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びパーフルオロオクタン酸(PFOA)を含有しておらず、地球環境汚染の点から、優れている。
−−シリコーン型界面活性剤−−
前記シリコーン型界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高いpHでも分解しないものが挙げられ、具体的には、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンが好ましく、水系界面活性剤として良好な性質を示す点から、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものがより好ましい。
前記シリコーン型界面活性剤としては、例えば、ポリエーテル変性シリコーン型界面活性剤などが挙げられる。これらの中でも、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物が好ましい。
前記シリコーン型界面活性剤としては、適宜合成したものを使用しても、市販品を使用してもよい。
前記市販品としては、例えば、ビックケミー・ジャパン株式会社製、信越化学工業株式会社製、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製などが挙げられ、ポリエーテル変性シリコーン化合物としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKF−618、KF−642、KF−643などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−その他の界面活性剤−−
前記フッ素系界面活性剤及びシリコーン型界面活性剤以外のその他の界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、コハク酸エステルスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記アセチレングリコール系界面活性剤の市販品としては、例えば、エアープロダクツ株式会社製のサーフィノールシリーズ(104、82、465、485、TG)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミノピロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、ジヒドロエチルラウリルアミンオキシド、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド、ジメチルアルキル(ヤシ)ベタイン、ジメチルラウリルベタインなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記両性界面活性剤の市販品として、例えば、日光ケミカルズ株式会社製、日本エマルジョン株式会社製、株式会社日本触媒製、東邦化学工業株式会社製、花王株式会社製、株式会社ADEKA製、ライオン株式会社製、青木油脂工業株式会社製、三洋化成工業株式会社製のものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記界面活性剤としては、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、1種単独では水性インク中に容易に溶解しない場合でも、2種以上のものを混合することにより可溶化され、安定に存在することができる場合もある。
前記界面活性剤の含有量としては、水性インク全量に対して、0.01質量%以上4質量%以下が好ましく、0.1質量%以上1質量%以下がより好ましい。前記含有量が、0.01質量%以上であると、界面活性剤を添加した効果を十分に発揮することができ、4質量%以下であると、記録媒体への浸透性が適度に保たれ、必要以上に浸透することで発生する裏抜けなどの不具合を解消することができる。
−抑泡剤−
前記抑泡剤は、気泡が発生を抑制するために含有されている。
前記式(i)の化合物などを含む界面活性剤の界面活性能は非常に高く、また、一般的に使用されているシリコーン型抑泡剤を添加したとしても、一度気泡が発生してしまうと気泡が消えずに残留してしまい、不具合が発生するという問題がある。前記問題に対して、抑泡剤を含有することで、前記吐出ヘッドによって吐出する際に吐出不良などの発生を抑制することができる。
前記抑泡剤としては、例えば、N−オクチル−2−ピロリドン、2,4,7,9−テトラメチルデカン−4,7−ジオール、2,5,8,11−テトラメチルドデカン−5,8−ジオールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記抑泡剤の少なくとも1種と式(i)などの界面活性剤とを併用することにより、気泡の発生を抑えることができ、気泡による不具合を解消することができる。
前記抑泡剤の含有量としては、界面活性剤の含有量(質量%)及び抑泡剤の含有量(質量%)の合計量が、水性インク全量に対して、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。前記含有量が40質量%以下であると、水性インクの泡立ちを抑制することができる。
−カルボキシル基含有樹脂−
前記カルボキシル基含有樹脂は、後処理液中の架橋剤と反応し、記録媒体上での顔料の凝集を起こし、画像品質を向上させるために含有されている。また、後処理液が存在しない場合においても、前記カルボキシル基含有樹脂が含有されていることにより、耐擦過性を向上させることができる。
前記カルボキシル基含有樹脂としては、例えば、マレイン酸樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、アルキド樹脂、変性アルキド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記カルボキシル基含有樹脂としては、適宜合成したものを使用しても、市販品を使用してもよい。前記カルボキシル基含有樹脂の市販品としては、例えば、荒川化学工業株式会社製のマルキードシリーズ、ハリマ化成株式会社製のハリマックシリーズ、ハリフタールシリーズなどが挙げられる。
前記カルボキシル基含有樹脂の添加形態としては、着色剤である顔料をカルボキシル基含有樹脂で包含(マイクロカプセル化)した形態で添加してもよいし、着色剤を分散した形態で添加してもよい。
−浸透剤−
前記浸透剤としては、記録媒体への浸透速度を速めると共にブリードを防止するために含有されている。
前記浸透剤としては、炭素数8以上11以下のポリオール化合物、グリコールエーテル化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記浸透剤としては、記録媒体への浸透速度を速めると共にブリードを防止する効果を有し、水よりも高沸点であり、25℃の水中において、0.1質量%以上4.5質量%以下の溶解度を有する部分的に水溶性の化合物である。
前記炭素数8以上11以下のポリオール化合物としては、例えば、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記グリコールエーテル化合物としては、例えば、多価アルコールアルキルエーテル化合物、多価アルコールアリールエーテル化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールアルキルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールアリールエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記浸透剤の含有量としては、水性インク全量に対して、0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、0.5質量%以上5質量%以下がより好ましい。
−ポリマー粒子−
前記ポリマー粒子としては、造膜性を向上させるために含有されている。なお、造膜性とは、ポリマー粒子を水に分散させ水性エマルジョンの形態とした時、前記水性エマルジョンの水分を蒸発させていくと、樹脂皮膜が形成される性質をいう。
前記ポリマー粒子が含有されていると、水性インク中の揮発成分が蒸発した際に前記ポリマー粒子が皮膜を形成し、水性インク中の着色剤を強固に記録媒体に固着する役割を課すことができる。これにより、耐擦過性、及び耐水性に優れた画像を実現することができる。
前記ポリマー粒子の最低造膜温度としては、室温で皮膜を形成する点から、30℃以下が好ましく、10℃以下がより好ましい。なお、前記最低造膜温度とは、ポリマー粒子を水に分散させて得られたポリマーエマルジョンを、アルミニウム等の金属板の上に薄く流延し、温度を上げていった時に、透明な連続したフィルムが形成される最低の温度のことをいう。前記ポリマー粒子として、例えば、ミヨシ油脂株式会社製のランディPLシリーズなどが挙げられる。
前記ポリマー粒子の体積平均粒子径としては、5nm以上200nm以下が好ましく、10nm以上100nm以下がより好ましい。なお、前記体積平均粒子径としては、粒度分布測定装置(商品名:マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)などを用いて測定することができる。
前記ポリマー粒子の構造としては、単粒子のものが挙げられる。例えば、エマルジョン粒子内にアルコキシシリル基を有すると、塗膜形成過程での水分蒸発によるエマルジョン同士の融着に伴って残存する水分と接触し、加水分解してシラノール基を形成する。また、シラノール基が残存するとアルコキシシリル基、又はシラノール同士が反応して、シロキサン結合による強固な架橋構造を形成することができる。前記ポリマー微粒子内に反応性の官能基を共存させると、硬化剤を添加しなくても、造膜時にそれらの官能基を反応させて網目構造を形成させることができる。
また、コア部と前記コア部を囲むシェル部からなるコアシェル構造を有するポリマー粒子を使用することもできる。なお、コアシェル構造とは、組成の異なる2種以上のポリマーが粒子中に相分離して存在する形態をいう。前記コアシェル構造を有するポリマー粒子としては、シェル部がコア部に完全に被覆している形態のみならず、コア部の一部を被覆しているものであってもよい。また、シェル部のポリマーの一部がコア粒子内にドメイン等を形成しているものであってもよい。更にコア部とシェル部の間に、更に一層以上の組成の異なる層を含む3層以上の多層構造を有するものであってもよい。
前記ポリマー粒子としては、不飽和ビニル単量体(不飽和ビニルポリマー)を重合触媒、及び乳化剤の存在下で水中において乳化重合する等の公知の方法により得ることができる。
前記ポリマー粒子の含有量としては、水性インク全量に対して、0.5質量%以上20質量%以下が好ましく、1質量%以上5質量%以下がより好ましい。
−pH調整剤−
前記無機粒子を前記着色剤で被覆した着色剤粒子(複合顔料粒子)は、アニオン性分散剤と共に水に混練分散する際に酸性を示す傾向が強くなる。水などの媒体に分散している複合顔料の表面は、アニオン系分散剤に包まれているため、負電荷を帯びているが、インク全体が酸性を示すことから、内部は正電荷を帯びており、粒子表面の負電荷が中和されやすい状態にある。前記状態では分散粒子は凝集し吐出不良を起こす原因となるため、pH調整剤を加えてアルカリ性に保つことにより分散状態を安定化させ、吐出を安定化させることが好ましい。
前記水性インクのpHとしては、9以上11以下であることが好ましい。前記pHが、9以上11以下とすることで、水性インク付与ユニットなどの部材の腐食を防止することができる。 前記pH調整剤は、顔料を分散剤と共に水に混練分散する際に加えるよりも、混練分散液に湿潤剤、浸透剤などの添加剤と共に加えることが好ましい。これは、pH調整剤によっては添加により分散を破壊する場合があるためである。
前記pH調整剤としては、例えば、アルコールアミン化合物、アルカリ金属水酸化物、アンモニウム水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属炭酸塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アルコールアミン化合物としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アルカリ金属水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アンモニウム水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第四級アンモニウム水酸化物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ホスホニウム水酸化物としては、例えば、第四級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。
前記アルカリ金属炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−防腐防黴剤−
前記防腐防黴剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−防錆剤−
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<後処理液>
前記後処理液は、画像の光沢性を向上させるために含有されている。
前記後処理液は、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂の少なくともいずれか、水溶性有機溶剤及び水の混合溶液を含み、更に必要に応じて、ワックス、自己架橋型樹脂、及びその他の成分を含有してなる。
<<混合溶液>>
前記混合溶液としては、水溶性有機溶剤、及び水を含有してなる。前記混合溶液とは、水溶性有機溶剤、及び水を含有してなるものをいい、機能上、浸透剤、抑泡剤などに分類されるものも含むものをいう。
前記後処理液中の前記混合溶液のSP値としては、10(cal/cm1/2以上30(cal/cm1/2以下が好ましく、12(cal/cm1/2以上19.0(cal/cm1/2以下がより好ましい。
前記後処理液中の前記水溶性有機溶剤及び前記水の前記混合溶液におけるSP値としては、前記水性インク中の前記水溶性有機溶剤及び前記水の前記混合溶液におけるSP値に対して、1.5(cal/cm1/2以上低く、7.5(cal/cm1/2以下低いことが好ましく、3.0(cal/cm1/2以上5.0(cal/cm1/2以下低いことがより好ましい。
前記後処理液中の前記水溶性有機溶剤及び前記水の前記混合溶液におけるSP値としては、前記水性インク中の前記水溶性有機溶剤及び前記水の前記混合溶液におけるSP値に対して、前記SP値が1.5(cal/cm1/2以上低いと、後処理液を定着した状態の画像の表面に付与した場合に画像の光沢性を得ることができ、さらに後処理液を未定着の状態の画像の表面に付与した場合でも、後処理液が前記未定着の画像に混ざり込むことを抑制し、後処理液が前記画像の表面に均一に塗膜を形成することができ、画像の光沢性を付与することができる。また、7.5(cal/cm1/2以下低いと、後処理液により形成される塗膜の膜厚が大きくなり、画像の耐擦過性を向上させることができる。なお、前記後処理液中の前記水溶性有機溶剤におけるSP値、前記水におけるSP値、並びに前記水溶性有機溶剤及び前記水の前記混合溶液におけるSP値は、前記水性インク中の前記水溶性有機溶剤におけるSP値、前記水におけるSP値、並びに前記水溶性有機溶剤及び前記水の前記混合溶液におけるSP値と同様に算出することができる。
なお、本発明において、前記水溶性有機溶剤及び前記水は、後処理液全量に対して、3質量%以上含有されているもののみ前記SP値の計算で考慮する。
前記混合溶液において、前記水溶性有機溶剤の含有量(質量%)と前記水の含有量(質量%)との質量比(水溶性有機溶剤/水)としては、0.5以上2以下が好ましく、0.8以上1.2以下がより好ましい。
−水溶性有機溶剤−
前記水溶性有機溶剤としては、例えば、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、下記式(I)で示される化合物、下記式(II)で示される化合物、及び下記式(III)で示される化合物などが好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記後処理液中に前記水溶性有機溶剤を含有することで、前記後処理液中の前記混合溶液におけるSP値を、前記水性インク中の前記混合溶液におけるSP値よりも低くすることができる。
Figure 2016117872
Figure 2016117872
Figure 2016117872
前記後処理液としては、例えば、記録ヘッドからの吐出する方法などが挙げられ、記録ヘッドからの吐出性やメンテナンス性の点から、前記水溶性有機溶剤の他に、温度23℃、相対湿度80%環境中の平衡水分量が30質量%以上である多価アルコール、下記一般式(IV)で示される化合物、下記一般式(V)で示される化合物、下記一般式(VI)で示される化合物を含有することが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
Figure 2016117872
前記式(IV)中、Rは炭素数1以上2以下のアルキル基を示し、Rは水素原子、炭素数1以上8以下のアルキル基、環状アルキル基又は芳香環を示す。
Figure 2016117872
前記式(V)中、Rは水素原子又は炭素数1以上2以下のアルキル基を示し、Rは炭素数1以上4以下のアルキル基を示す。
Figure 2016117872
前記式(VI)中、R及びRは炭素数1以上8以下のアルキル基を示す。
前記多価アルコールとしては、例えば、1,3−ブタンジオール(融点:203℃以上204℃以下、平衡水分量:35質量%)、1,2,3−ブタントリオール(融点:175℃/33hPa、平衡水分量:38質量%)、1,2,4−ブタントリオール(融点:190℃以上191℃以下/24hPa、平衡水分量:41質量%)、グリセリン(融点:290℃、平衡水分量:49質量%)、ジグリセリン(融点:270℃/20hPa、平衡水分量:38質量%)、ジエチレングリコール(融点:245℃、平衡水分量:43質量%)、トリエチレングリコール(融点:285℃、平衡水分量:39質量%)、テトラエチレングリコール(融点:324℃以上330℃以下、平衡水分量:37質量%)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、グリセリン、1,3−ブタンジオールが好ましい。
前記平衡水分量(%)としては、塩化カリウム/塩化ナトリウム飽和水溶液を用い、デシケーター内の温湿度を温度23±1℃、相対湿度80±3%に保ち、このデシケーター内に各水溶性有機溶剤を1gずつ秤量したシャーレを入れて24時間保管した後、平衡する水分量を測定し下記式(E)により算出した。
Figure 2016117872
前記後処理液の上記水溶性有機溶剤以外の水溶性有機溶剤、及び湿潤剤を併用することができる。具体的には、例えば、多価アルコール化合物、多価アルコールアルキルエーテル化合物、多価アルコールアリールエーテル化合物、含窒素複素環化合物、アミド化合物、アミン化合物、含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価アルコール化合物としては、例えば、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペトリオールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価アルコールアルキルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価アルコールアリールエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミン化合物としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記含硫黄化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水溶性有機溶剤の含有量としては、後処理液全量に対して、20質量%以上40質量%以下が好ましく、20質量%以上30質量%以下がより好ましい。前記含有量が、20質量%以上であると、後処理液中の水分が蒸発した際においても後処理液の流動性を確保することができ、30質量%以下であると、記録ヘッドで吐出するために必要な粘度に調整することができる。
−水−
前記水としては、前記水性インクと同様のものを用いることができる。
<<樹脂>>
前記樹脂は、画像の光沢性、及び画像の耐擦過性を向上させるために含有されている。
前記樹脂は、ウレタン樹脂、及びアクリル樹脂の少なくともいずれかを含み、さらに必要に応じてその他の樹脂を含有してなる。
前記樹脂としては、2種以上を併用する場合は、前記樹脂の体積平均粒子径が異なる少なくとも2種が好ましい。具体的には、前記水性インク中に用いられる着色剤の体積平均粒子径(D50)よりも、前記樹脂の体積平均粒子径(D50)が大きいものと、前記樹脂の体積平均粒子径(D50)が小さいものをそれぞれ少なくとも1種ずつ含有していることが好ましい。
前記水性インク中に用いられる着色剤の体積平均粒子径よりも、体積平均粒子径が小さい樹脂を使用した場合、着色剤間の小さい隙間にまで樹脂が入り込むことができ、画像の耐擦過性を向上させることができる。また、水性インクに用いられる着色剤の体積平均粒子径よりも体積平均粒子径が大きい樹脂を使用した場合、水性インクの表面に均一に塗膜を形成することで平滑性を向上し、画像の光沢性を向上させることができる。また、物理的に前記樹脂と記録媒体との結着性を向上させることができ、樹脂ごと取れてしまうことが生じにくくなり、耐擦過性を向上させることができる。前記樹脂の体積平均粒子径、及び成膜時の平滑性を制御することによって画像の光沢性を調整することができる。
前記樹脂の体積平均粒子径(D50)は10nm以上300nm以下が好ましい。前記体積平均粒子径(D50)が、10nm以上であると、樹脂の粘度が高くなりすぎず、記録ヘッドでの吐出安定性を向上させることができ、300nm以下であると、樹脂による画像形成装置のノズル詰まりを抑制することができる。なお、前記体積平均粒子径としては、粒度分布測定装置(商品名:マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)などを用いて測定することができる。
前記後処理液中のウレタン樹脂及びアクリル樹脂の少なくともいずれかにおけるSP値としては、6(cal/cm1/2以上34(cal/cm1/2以下が好ましく、8(cal/cm1/2以上23(cal/cm1/2がより好ましい。
また、前記後処理液中のウレタン樹脂及びアクリル樹脂の少なくともいずれかにおけるSP値と、前記後処理液中の前記水溶性有機溶剤及び前記水の混合溶液におけるSP値との差が、4(cal/cm1/2以下が好ましい。なお、前記「後処理液中のウレタン樹脂及びアクリル樹脂の少なくともいずれかにおけるSP値と、後処理液中の水溶性有機溶剤及び水の混合溶液におけるSP値との差」とは、後処理液がウレタン樹脂を1種類又は複数種類含有する場合、アクリル樹脂を1種類又は複数種類含有する場合、或いはウレタン樹脂とアクリル樹脂をそれぞれ1種類又は複数種類有した上で併用する場合において、いずれか1種類の樹脂におけるSP値と、後処理液中の水溶性有機溶剤及び水の混合溶液におけるSP値との差を意味し、前記差の少なくとも1種が、4(cal/cm1/2以下であれば足りる。言い換えると、後処理液に含まれる全種類の樹脂におけるSP値と、後処理液中の水溶性有機溶剤及び水の混合溶液におけるSP値との差が、4(cal/cm1/2以下である必要はない。
前記後処理液中のウレタン樹脂及びアクリル樹脂の少なくともいずれかにおけるSP値と、後処理液中の前記水溶性有機溶剤及び前記水の混合溶液におけるSP値との差が、4(cal/cm1/2以下であると、画像光沢性を向上できる。
前記樹脂におけるSP値の算出方法としては、前記水溶性有機溶剤、前記水、及び前記混合溶液におけるSP値の算出方法とは異なり、濁点滴定法により測定される値であって、下記のK.W.SUH、J.M.CORBETTの式を用いて算出される。
樹脂のSP値={(Vml1/2×δ+(Vmh1/2×δ}/{(Vml1/2+(Vmh1/2
ここで、Vml、Vmh、δ及びδは、測定温度20℃において、樹脂0.5g(固形分)をアセトン10mLに溶解した中に、n−ヘキサンを加えたときの濁点における滴定量H(mL)と、測定温度20℃において、樹脂0.5g(固形分)をアセトン10mLに溶解した中に、脱イオン水を加えたときの濁点における滴定量D(mL)とを、下記式に適用することにより算出される値である。
ml=74.4×130.3/{(1−V)×130.3+V×74.4}
mh=74.4×18/{(1−V)×18+V×74.4}
=H/(10+H)
=D/(10+D)
δ=9.75×10/(10+H)+7.24×H/(10+H)
δ=9.75×10/(10+D)+23.43×D/(10+D)
なお、各溶剤の分子容(mL/mol)は、アセトン:74.4、n−ヘキサン:130.3、脱イオン水:18であり、各溶剤のSP値は、アセトン:9.75、n−ヘキサン:7.24、脱イオン水:23.43である。また、得られた樹脂のSP値の単位は(cal/cm1/2である。
−ウレタン樹脂−
前記ウレタン樹脂としては、分散安定性の点から、アニオン性自己乳化型のウレタン樹脂が好ましく、後処理液を画像形成部に付与した際の成膜性、強度、及び折り曲げ性の点から、アニオン性自己乳化型のエーテル型ウレタン樹脂がより好ましい。
前記ウレタン樹脂の酸価としては、10mgKOH/g以上100mgKOH/g以下が好ましく、25mgKOH/g以上80mgKOH/g以下がより好ましい。前記酸価が、10mgKOH/g以上であると、急激な凝集などが発生せず、均一な膜を形成することができ、100mgKOH/g以下であると、過剰な水の抱え込みを抑制することができ、均一な膜を形成すると共に画像の耐擦過性を向上することができる。なお、酸価とは、油脂又は蝋などの油脂類1g中に含まれる遊離脂肪酸及びその他の酸性物質を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数のことをいう。前記酸価の測定としては、油脂の酸価に応じた質量の油脂試料を測定し、中性したベンゼンアルコール溶液などに溶解させ、フェノールフタレインなどを指示薬としてアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定することで算出することができ、JIS K 0070−1992に準拠して測定することができる。
前記ウレタン樹脂のSP値としては、6(cal/cm1/2以上34(cal/cm1/2以下が好ましく、8(cal/cm1/2以上23(cal/cm1/2以下がより好ましい。
前記ウレタン樹脂のガラス転移点としては、−50℃以上150℃以下が好ましく、−10℃以上30℃以下がより好ましい。前記ガラス転移点が、−50℃以上であると、塗膜が柔らかすぎて画像の耐擦過性を低下させることがなく、150℃以下であれば十分な画像の耐擦過性を得ることができる。なお、前記ガラス転移点は、示差走査熱量計(DSC)またはTMA熱機械分析(TMA)により測定することができる。
前記ウレタン樹脂の最低造膜温度(MFT)としては、25℃以下が好ましい。前記最低造膜温度(MFT)が、25℃以下であると、画像が形成された記録媒体を加熱又は乾燥しなくても記録媒体繊維の結着が自動的に進行させることができる。なお、最低造膜温度とは、ウレタン樹脂粒子を水に分散させて得られた水性エマルジョン粒子をアルミニウムなどの金属板の上に薄く流延し、温度を上げていった時に透明な連続フィルムが形成される最低温度をいう。
前記ウレタン樹脂としては、市販品を使用することができ、前記市販品としては、例えば、三洋化成工業株式会社製のパーマリンシリーズ、三井化学株式会社製のW5661、XW−75−W932、株式会社NUC製のSF460Sなどが挙げられる。また、大成ファインケミカル株式会社製のWEM−3000などのように、水性ウレタン樹脂とアクリル樹脂をグラフト化したものを使用してもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−アクリル樹脂−
前記アクリル樹脂の中では、特に後処理液を画像形成部に付与した際の強度、光沢性の観点から、アクリルシリコーン型樹脂が好ましい。
前記アクリル樹脂のSP値としては、6(cal/cm1/2以上34(cal/cm1/2以下が好ましく、8(cal/cm1/2以上23(cal/cm1/2以下がより好ましい。
前記アクリル樹脂としては、市販品を使用することができ、前記市販品として信越化学工業株式会社製のKP−543、KP−545、KP−549;ダイセルファインケム株式会社製のAQ−914、AQ−ASi−91、AQ−4790などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記樹脂の含有量としては、後処理液全量に対して、10質量%以上40質量%以下が好ましく、20質量%以上30質量%以下がより好ましい。
<<ワックス>>
前記ワックスは、画像部に滑り性を付与するために含有されている。
前記ワックスとしては、成膜性、及び滑り性の点から、例えば、ポリエチレン型ワックス、カルナバワックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ワックスの融点としては、80℃以上140℃以下が好ましく、100℃以上140℃以下がより好ましい。前記融点が、80℃以上であると、室温環境下でもワックスが過剰に溶融又は凝固することが少なくなり、後処理液の保存安定性を維持することができ、140℃以下であると、室温環境下でもワックスが十分に溶融し、後処理液に滑り性を向上させることができる。
前記ワックスの体積平均粒子径(D50)は0.01μm以上であることが好ましく、0.01μm以上0.1μm以下がより好ましい。前記体積平均粒子径(D50)が、0.01μm以上であると、後処理液表面にワックス粒子が配向しやすくなり、後処理液に滑り性を付与することができる。なお、前記体積平均粒子径としては、粒度分布測定装置(商品名:マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)などを用いて測定することができる。
前記ポリエチレン型ワックスとしては、市販品を使用することができ、前記市販品として東邦化学工業株式会社製のハイテックシリーズ、ビックケミー・ジャパン株式会社製のAQUACERシリーズなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記カルナバワックスとしては、市販品を使用することができ、前記市販品として中京油脂株式会社製のセロゾール 524、トラソル CNなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ワックスの含有量としては、後処理液全量に対して、1質量%以上10質量%以下が好ましく、1質量%以上5質量%以下がより好ましい。
<<自己架橋型樹脂>>
前記自己架橋型樹脂は、水性インクと後処理液の間に架橋構造を形成させるために含有されてもよい。
前記自己架橋型樹脂としては、例えば、熱反応型樹脂などが挙げられる。
前記熱反応型樹脂としては、例えば、イソシアネート基を有する自己架橋型樹脂が挙げられる。前記イソシアネート基を有する自己架橋型樹脂は、ウレタン骨格にブロックイソシアネート基を有する熱反応型樹脂であり、熱によってイソシアネート基に結合しているブロック部が解離し活性イソシアネート基となり、前記活性イソシアネート基同士が自己架橋反応を起こして三次元網目構造を形成することができる。また、同時に前記活性イソシアネート基が後処理液中のウレタン樹脂とも反応を起こすことで三次元網目構造の鎖長が伸び、さらに密な三次元網目構造を形成することができる。
前記後処理液の付与後に熱による乾燥を行うことで、前記後処理液中に含有する自己架橋型樹脂中のイソシアネート基が活性化し、自己架橋及びウレタン樹脂と架橋することで三次元網目構造を形成することができる。そのため、水性インクを吐出して形成された画像が未定着の状態で、前記画像の表面に後処理液を付与しても、後処理液が前記画像に入り込みにくくなり、水性インク表面に均一な塗膜を形成することができ、画像の光沢性、及び画像の耐擦過性を向上させることができる。
前記イソシアネート基を有する自己架橋型樹脂としては、市販品を使用することができ、前記市販品としては、第一工業製薬株式会社製のエラストロンシリーズなどが挙げられる。
前記自己架橋型樹脂の他に、水性インク中のカルボキシル基含有樹脂と架橋反応する架橋剤を後処理液中に含有することで、前記と同様の三次元網目構造を形成することが可能となる。
前記架橋剤としては、反応性の点から、水溶性オキサゾリン基含有ポリマー、カルボジイミド基含有ポリマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水溶性オキサゾリン基含有ポリマーとしては、オキサゾリン基を有する樹脂、オキサゾリン基を表面に吸着させた微粒子などが挙げられる。
前記オキサゾリン基を有する樹脂としては、市販品を使用することができ、前記市販品としては、株式会社日本触媒製のK−2000シリーズ、WAシリーズ、RPSシリーズ、RASシリーズなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記オキサゾリン基を表面に吸着させた微粒子としては、有機微粒子であってもよく、無機微粒子であってもよい。前記有機微粒子としては、市販品を使用することができ、前記市販品としては、創研化学株式会社製のMEシリーズ、日本純薬株式会社製のジュリマーMBシリーズ、東芝シリコーン株式会社製のトスパールシリーズ、日本ペイント株式会社製のマイクロジェルシリーズ、旭硝子株式会社製のプルオンシリーズなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記無機微粒子としては、市販品を使用することができ、前記市販品としては、出光興産株式会社製のチタニアシリーズ、日本アエロジル株式会社製のアルミニウムオキサイドCなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記カルボジイミド基含有ポリマーとしては、市販品を使用することができ、前記市販品としては、日清紡ケミカル株式会社製のカルボジライトシリーズなどが挙げられる。
前記自己架橋型樹脂の含有量としては、後処理液全量に対して、1質量%以上10質量%以下が好ましく、2質量%以上4質量%以下がより好ましい。前記含有量が、1質量%以上であると、架橋反応による画像の光沢性、及び画像の耐擦過性を向上させることができ、10質量%以下であると、後処理液の粘度を適切に調整することができ、記録ヘッドからの吐出安定性を向上させることができる。
<<その他の成分>>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、前記後処理液に使用することができるものであればよく、例えば、界面活性剤;抑泡剤;pH調整剤;防腐防黴剤;防錆剤などが挙げられる。
−界面活性剤−
前記界面活性剤は、前記後処理液の表面張力を下げるために含有されている。
前記界面活性剤を含有することで、記録媒体に対して適度に濡れやすくなり、記録媒体への浸透速度を早めることができ、画像の耐擦過性、ブリード等の不具合を改善することができる。
前記界面活性剤としては、例えば、フルオロアルキル基を有する界面活性剤などが挙げられる。前記フルオロアルキル基を有する界面活性剤としては、例えば、下記式(i)で示される化合物、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリエーテル変性シロキサンコポリマーなどが挙げられる。
Figure 2016117872
なお、上記式(i)で示される化合物はパーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びパーフルオロオクタン酸(PFOA)を含有しておらず、地球環境汚染の点から優れている。
前記式(i)で示される化合物としては、市販品を使用することができ、前記市販品としては、商品名:ユニダイン DSN−403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられる。
前記界面活性剤の含有量としては、後処理液全量に対して、0.01質量%以上4質量%以下が好ましく、0.1質量%以上1質量%以下がより好ましい。前記含有量が、0.01質量%以上であると、界面活性剤を添加した効果を十分に発揮することができ、4質量%以下であると、記録媒体への浸透性が適度に保たれ、必要以上に浸透することで発生する裏抜けなどの不具合を解消することができる。
−抑泡剤−
前記抑泡剤としては、水性インクに用いられる抑泡剤と同様のものを用いることができる。
−pH調整剤−
前記pH調整剤としては、水性インクに用いられるpH調整剤と同様のものを用いることができる。
<<記録媒体>>
前記記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、汎用印刷用紙などを好適に使用することができる。
(インクカートリッジ)
前記カートリッジは、前記後処理液、及び前記水性インクを容器内に収容したものであり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材などを有してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質などを適宜選択することができ、例えば、プラスチック製容器、アルミニウムラミネートフィルム等で形成されたインク袋等を有するものなどが挙げられる。
次に、インクカートリッジについて、図5及び図6を参照して説明する。ここで、図5は、本発明のインクカートリッジの一例を示す図であり、図6は図5のインクカートリッジのケース(外装)を含めた図である。
インクは図5に示すように、インク注入口242からインク袋241内に充填され、排気した後、前記インク注入口242を融着により閉じる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に装置本体の針を刺して装置にインクを供給する。インク袋241は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク袋241は、図6に示すように、通常プラスチック製のカートリッジケース244内に収容され、インクカートリッジ240として、画像形成装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
また、前記インクカートリッジ240に、インクの代わりに処理液を入れ、処理液用のカートリッジとして用いれば、インクカートリッジと同様に、各種画像形成装置に着脱可能に装着して用いることができる。
(画像形成方法、及び画像形成装置)
前記画像形成方法は、刺激を印加し、前記水性インクを吐出して記録媒体に画像を記録する画像形成工程と、前記水性インクを吐出された面上に後処理液を付与する後処理工程と、を有する。
前記画像形成装置は、刺激を印加し、前記水性インクを吐出して記録媒体に画像を記録する画像形成手段と、前記水性インクが吐出された面上に後処理液を付与する後処理手段と、を有する。
<画像形成工程及び画像形成手段>
前記画像形成工程は、前記水性インクに、刺激を印加し、前記水性インクを吐出して画像を形成する工程である。
前記画像形成手段は、前記水性インクに、刺激を印加し、前記水性インクを吐出して画像を形成する手段である。
前記刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱(温度)、圧力、振動、光、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適に挙げられる。
前記画像形成用セットに用いられるインクの吐出の態様としては、例えば、インク流路内の前記インクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる、いわゆるピエゾ方式(例えば、特公平2−51734号公報参照);発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させる、いわゆるサーマル方式(例えば、特公昭61−59911号公報参照);インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、前記振動板と前記電極との間に発生させる静電力によって前記振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電方式(例えば、特開平6−71882号公報参照)などが挙げられる。
前記吐出させる前記インクの液滴は、その大きさとしては、例えば、3pl以上40pl以下が好ましく、その吐出噴射の速さとしては、5m/s以上20m/s以下が好ましく、その駆動周波数としては、1kHz以上が好ましく、その解像度としては、300dpi以上が好ましい。
<処理液塗布手段、及び処理液塗布工程>
前記処理液工程としては、前記水性インクが吐出された面上に前記後処理液を均一に付与する付与方法を用いればよく、特に制限はない。
前記処理液手段としては、前記水性インクが吐出された面上に前記後処理液を均一に付与する付与手段を用いればよく、特に制限はない。
前記付与方法としては、例えば、インクジェット法、ブレードコート法、グラビアコート法、グラビアオフセットコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、Uコンマコート法、AKKUコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、4本乃至5本ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法などが挙げられる。
前記後処理工程、及び前記後処理手段は、水性インクを吐出して形成された画像の面上が充分定着されている前記画像に対して行っても、未定着の画像の面上に対して行っても、画像の光沢性を向上させることができる。なお、処理を施した記録媒体に対し、必要に応じて乾燥工程、及び乾燥手段を設けることが好ましい。前記乾燥工程、及び乾燥手段としては、ロールヒーター、ドラムヒーターや温風により記録媒体を乾燥することができる。
前記乾燥の温度としては、水性インク中に含まれる水溶性有機溶剤の種類や量、及び添加する樹脂エマルジョンの最低造膜温度に応じて変更することができ、さらに記録する記録媒体の種類に応じても変更することができる。
前記乾燥の温度としては、乾燥性、及び造膜温度の点から、高いことが好ましく、40℃以上120℃以下がより好ましく、50℃以上90℃以下が特に好ましい。前記加熱温度が、40℃以上120℃以下であると、記録媒体の熱によるダメージを防止し、インクヘッドが温まることによる不吐出が生じることを抑制することができる。
前記後処理工程における画像形成装置用後処理液の記録媒体へのウエット付着量は、0.1g/m以上30.0g/m以下の範囲を達成するものであることが好ましく、0.2g/m以上10.0g/m以下がより好ましい。 前記ウエット付着量が、0.1g/m以上であると、画像品質(画像濃度、彩度、カラーブリード、文字滲み及び白ポチ)を向上させることができ、30.0g/m以下であると、普通紙としての風合いが損なわれることを防止し、カールが発生を抑制することができる。
前記画像形成装置は、記録媒体の表面に水性インクを吐出して画像を形成する画像形成手段と、後処理液を貯留する貯留手段と、前記画像形成手段による画像形成の後に、前記水性インクの表面に対して処理を行う後処理手段とを備えている。また、画像形成手段は少なくともインク付与手段を有し、必要に応じてその他の手段、例えば、刺激発生手段、制御手段等を有する。
図1に、本発明に係る画像形成装置の一例の模式図(側面説明図)を示す。
画像形成装置101には、水性インクを吐出するヘッドを集積したヘッドユニット110K、110C、110M、110Yと、後処理液を吐出するヘッドユニット151、それぞれのヘッドユニットに対応し、ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンスユニット111K、111C、111M、111Y、図示しないメンテナンスユニット、インクを供給するインクカートリッジ107K、107C、107M、107Y、及び図示しない後処理液カートリッジ、カートリッジからのインクを一部貯蔵し、ヘッドに適切な圧力でインクを供給するサブインクタンク108K、108C、108M、108Y、図示しない後処理液のサブタンクを備えている。
また、記録媒体114を吸引ファン120によって吸着し搬送する搬送ベルト113、搬送ベルト113を支える搬送ローラ119、121、搬送ベルト113が適切な張力を保つようにコントロールするテンションローラ115、搬送ベルト113が適切な平面性を保つためのプラテン124及びプラテンローラー118、記録媒体114を吸着するための静電帯電を与える帯電ローラ116、記録媒体114を押さえる排紙コロ117、排紙した記録媒体114をストックしておく排紙トレイ104からなる排紙機構、印写する記録媒体114をストックする給紙トレイ103、給紙トレイより一枚ずつ記録媒体114を送り出す分離パッド112及び122、送られてきた記録媒体114を帯電ベルトに確実に吸着させるカウンターローラ123、手差しにて給紙した場合に用いられる手差しトレイ105からなる給紙機構を有している。
さらに、メンテナンス後に排出される廃液を回収する廃液タンク109や、装置を操作し装置状態を表示することができる操作パネル106も備えている。
各ヘッドユニットのノズル列は、記録媒体114の搬送方向に直行するように配列されており、記録領域以上の長さのノズル列を形成している。給紙トレイから記録媒体114が分離コロにて一枚に分離され、加圧コロにて搬送ベルトに密着されることで搬送ベルト上に固定され、ヘッドユニット下を通過する際に記録媒体に液滴を吐出することで、高速に液滴にて記録媒体にパターンニングができ、分離爪にて搬送ベルトから分離され、排紙ローラと排紙コロにて支えられて排紙トレイに記録物が排出される。なお、水性インクのヘッドユニットと後処理液のヘッドユニットは隣接しており、水性インクが吐出後1秒間後から3秒間後の間に後処理液が水性インクの表面に吐出される。
また、熱風送風ファン150により、後処理液及び水性インクが付着した記録媒体を加温することによって、乾燥促進により画像の耐擦過性を向上させることができる。なお、乾燥工程を記録後の記録媒体に対して熱風ファンにて行っているが、乾燥工程は記録前又は記録前後の記録媒体に対して行っても良いし、その方式も熱風ファンだけではなく、加熱ローラなどの手段及びそれらの手段を併用してもよい。
図3は、前記画像形成装置のヘッドユニットにおけるヘッド配列の一例を示した模式図である。
前記ヘッドユニットはヘッド外周部材160にヘッド154A〜154Lを固定しており、ヘッドはノズルの一部が重複するように交互に配置されている。
図4は、図3のヘッドユニットに配列しているヘッドを示す模式図で、各ヘッドには、ノズルプレート201にノズル200が設けられており、ヘッドとヘッド外周部材との間には充填剤202にて密閉されており、ノズル面側からの隙間をなくしている。
次に、図1に示す画像形成装置の制御部の概要について、図2を参照して説明する。なお、図2は、図1における制御部の概略ブロック説明図である。
制御部300は、装置全体の制御を司るCPU301と、CPU301が実行するプログラム、本発明において使用する所定インク吐出に対するノズル面汚染度合の値及びノズル面汚染許容閾値、駆動波形データ、その他の固定データを格納するROM302と、画像データ等を一時格納するRAM303と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリ(NVRAM)304と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC305とを備えている。
また、前記制御部300はホスト側とのデータ、信号の送受を行うためのホストI/F306と、記録ヘッド154の圧力発生手段を駆動制御するための駆動波形を生成するヘッド駆動制御部307と、記録媒体搬送モータ309を駆動するための記録媒体搬送モータ駆動制御部308と、ヘッドユニット(キャリッジ)移動モータ311を駆動するための維持ユニット移動モータ駆動制御部312と、インク経路の電磁弁315を開閉制御するためのインク経路バルブ制御部314、キャップ吸引モータ317やインク供給モータ318の駆動を制御する送液吸引モータ駆動制御部316と、搬送ベルト113の移動量及び移動速度に応じた検知信号を出力するエンコーダや、環境温度及び環境湿度(何れか一方でもよい)を検出するセンサ323からの検知信号、サブインクタンクのインク量検知信号、図示しない各種センサからの検知信号を入力するためのI/O322などを備えている。この制御部300には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル106が接続されている。
制御部300は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナ等の画像読み取り装置、デジタルカメラ等の撮像装置等のホスト側からの印刷データ等をケーブル或いはネットを介してホストI/F306で受診する。
そして、CPU301は、ホストI/F306に含まれる受信バッファ内に印刷データを読み出して解析し、ASIC305にて必要な画像処理、データの並び替えを行い、記録ヘッド154のヘッド幅の1ページ分に相当する画像データ(ドットパターンデータ)を、クロック信号に同期して、ヘッド駆動制御部307に送出する。なお、画像出力するためのドットパターンデータの生成は、例えば、ROM302にフォントデータを格納して行ってもよいし、ホスト側のプリンタドライバで画像データをビットマップデータに展開してこの装置に転送するようにしてもよい。
ヘッド駆動制御部307は、ページ単位で入力される記録ヘッド154の1ページ分に相当する画像データ(ドットパターンデータ)に基づいて選択的に記録ヘッド154の圧力発生手段に印加して記録ヘッド154を駆動する。
以下に、本発明の実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、表中において、SP値の単位は「(cal/cm1/2」であり、水性インク及び後処理液における各成分の量の単位は「質量%」である。
(実施例1)
<水性インク>
<<アニオン性基含有スチレン−アクリル系共重合体の調製>>
攪拌装置、滴下装置、温度センサー及び上部に窒素導入装置を有する還流装置を取り付けた反応容器を有する自動重合反応装置(重合試験機DSL−2AS型、轟産業株式会社製)の反応容器にメチルエチルケトンを550g仕込み、攪拌しながら反応容器内を窒素置換した。反応容器内を窒素雰囲気に保ちながら80℃で加温した後、滴下装置によりメタクリル酸−2−ヒドロキシエチルを75.0g、メタクリル酸を77.0g、スチレンを80.0g、メタクリル酸ブチルを150.0g、アクリル酸ブチルを98.0g、メタクリル酸メチルを20.0g、及び「パーブチル(登録商標)O」(日油株式会社製)を40.0gの混合溶液を4時間かけて滴下した。滴下終了後、更に同温度で15時間反応を継続させて、酸価:100(JIS K 0070−1992に記載の方法で測定実施)、重量平均分子量:21,000(D5280 LCS M−PDA、株式会社島津製作所製にて測定実施)、ガラス転移点:31℃(STA7200、株式会社日立ハイテクサイエンス製にて測定実施)のアニオン性基含有スチレン−アクリル系共重合体Aのメチルエチルケトン溶液を得た。反応終了後、前記メチルエチルケトンの一部を減圧留去し、不揮発分を50%に調整したアニオン性基含有スチレン−アクリル系共重合体A溶液を得た。
<<水性顔料分散体の調製>>
冷却用ジャケットを備えた混合槽にカーボンブラック(商品名:Raven1080、コロンビヤン・カーボン日本株式会社製)を800gと、前記アニオン性基含有スチレン−アクリル系共重合体A溶液を200g、10%水酸化ナトリウム水溶液を143g、メチルエチルケトンを100g、及び水1,957gを仕込み、攪拌混合した。混合液を直径0.3mmのジルコニアビーズを充填した分散装置(商品名:SCミルSC100、三井鉱山株式会社製)に通し、循環方式(分散装置より出た分散液を混合槽に戻す方式)により6時間分散した。分散装置の回転数は2,700回転/分とし、冷却用ジャケットには冷水を通して分散液温度が40℃以下に保たれるようにした。分散終了後、混合槽より分散原液を抜き取り、次に、水10,000gで混合槽、及び分散装置流路を洗浄し、分散原液と合わせて希釈分散液を得た。ガラス製蒸留装置に希釈分散液を入れ、メチルエチルケトンの全量と水の一部を留去した。室温まで冷却後、攪拌しながら10%塩酸を滴下してpH4.5に調整した後、固形分をヌッチェ式濾過装置で濾過、水洗した。ケーキを容器に取り、20%水酸化カリウム水溶液を200g加えた後、ディスパ(商品名:TKホモディスパー、プライミクス株式会社製)にて分散し、更に水を加えて不揮発分を調製して、不揮発分20%のカーボンブラックが水酸化カリウム中で中和されたカルボキシル基含有スチレン−アクリル系共重合体で被覆された複合粒子として水性媒体中に分散した水性顔料分散体を得た。
<<水性インク1の調製>>
ロジン変性マレイン酸樹脂(カルボキシル基含有樹脂)2.0g、グリセリン(水溶性有機溶剤、SP値:16.38(cal/cm1/2)20.0g、1,3−ブタンジオール(水溶性有機溶剤、SP値:12.75(cal/cm1/2)10.0g、式(i)で示される化合物(フッ素系界面活性剤)0.4g、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール(pH調整剤)0.2g、ベンゾトリアゾール(防腐防錆剤)0.1g、及び水(SP値:23.4(cal/cm1/2)58.1gを1時間攪拌し均一に混合した。次に、N−オクチル−2−ピロリドン(抑泡剤)1.2gを加えてさらに1時間攪拌し均一に混合した。その後、前記水性顔料分散体の固形分換算で8.0gを加えてさらに1時間攪拌し均一に混合した。この混合物を平均孔径0.8μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにより加圧濾過し、粗大粒子やゴミを除去して水性インク1を得た。水性インク1の組成及び含有量を表1に示す。
なお、本発明にて使用した着色剤の体積平均粒子径(D50)は、日機装株式会社製のマイクロトラックUPA−150を用い、測定サンプル中の固形分濃度(質量濃度)が0.01質量%になるように純水で希釈したサンプルを用いて測定した結果、120nmであった。
Figure 2016117872
<後処理液>
−後処理液の調製1−
水溶性有機溶剤A(グリセリン、SP値:16.38(cal/cm1/2)2.5g、水溶性有機溶剤B(3−メトキシ−1−ブタノール、SP値:9.98(cal/cm1/2)27.5g、エーテル型ウレタン樹脂A(商品名:パーマリン UA00、三洋化成工業株式会社製、体積平均粒子径(D50):400nm)30.0g、ポリエチレン型ワックスエマルジョンB(商品名:ノプコート PEM−17、サンノプコ株式会社製、融点:105℃)5.0g、イソシアネート基含有樹脂(商品名:エラストロン E−37、第一工業製薬株式会社製)2.0g、式(i)で示される化合物0.4g、N−オクチル−2−ピロリドン2.0g、オクタンジオール2.0g、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール0.2g、ベンゾトリアゾール0.1g、及びイオン交換水(SP値:23.4(cal/cm1/2)29.1gを1時間攪拌し均一に混合して実施例1で用いる後処理液Aを得た。
得られた水性インク1及び後処理液Aを用いて、画像形成用セットとした。
(実施例2〜29及び比較例1〜4)
実施例2〜29及び比較例1〜4について、表2〜表8に記載の水性インク及び後処理液の組成、並びに含有量に変更した以外は、実施例1と同様にして、水性インク及び後処理液の画像形成用セットとした。表2〜表8に実施例1〜29及び比較例1〜4の組成及び含有量を示す。
<画像形成方法>
実施例1〜29及び比較例1〜4で用いられる水性インクを画像形成装置(商品名:IPSIO GXe5500、株式会社リコー製)により記録媒体(商品名:OKトップコート+、王子製紙株式会社製)へ吐出させた後、ドットパターンで形成された3cm四方の未定着のベタ画像を形成し、1.5秒後に実施例1〜29及び比較例1〜4で用いられる後処理液を前記画像形成装置により前記水性インクを吐出して形成した画像の表面へ吐出させた。その後、温風及びドラムヒーターにて90℃で2分間乾燥させて定着画像を得た。なお、実施例29においては、前記乾燥を行わなかった。前記画像について、以下の方法により諸特性を評価した。
<<画像の光沢性>>
ドットパターンで形成された3cm四方のベタ画像のベタ部を、色彩色差計(商品名:CR−400、コニカミノルタ株式会社製)にて画像光沢度(60°光沢)を測定した。画像光沢度の数値が高いほど、画像の光沢性が良好である。なお、画像光沢度が30%以上であると実用上問題なく使用することができる。
<<画像の耐擦過性>>
前記画像の3cm四方のベタ画像のベタ部を、摩擦試験機(商品名:クロックメーター、株式会社東洋精機製作所製)に布を貼り付けて擦り、擦過後の布へのインクの転写濃度を、分光測色濃度計(商品名:X−Rite939、X−Rite社製)で測定した。転写濃度が小さいほど、画像の耐擦過性が良好である。なお、転写濃度が0.20未満であると実用上問題なく使用することができる。
<<保存安定性>>
実施例1〜29及び比較例1〜4で用いられる後処理液を70℃の恒温槽に2週間放置し、初期粘度と保存後の粘度との差(粘度上昇レベル)を、下記評価基準に基づき、「保存安定性」を評価した。なお、下記評価基準が「○」であると実用上問題なく使用することができる。なお、初期粘度、及び保存後の粘度は、TV−22形粘度計(東機産業株式会社製)を用いて25℃で測定した。
−評価基準−
○:初期粘度と保存後の粘度との差が±5%以内
△:初期粘度と保存後の粘度との差が±5%超±10%以内
×:初期粘度と保存後の粘度との差が±10%超
<<吐出安定性>>
前記画像の3cm四方のベタ画像のベタ部を印字した後、記録ヘッドにキャップをしない状態で30分間放置し、その後再度同画像を記録させて、不吐出のノズル数を測定し、以下の評価基準に基づき、「吐出安定性」を評価した。なお、下記評価基準が「△」以上であると実用上問題なく使用することができる。
−評価基準−
○:不吐出無し
△:不吐出ノズル数が5ch未満
×:不吐出ノズル数が5ch以上
Figure 2016117872
Figure 2016117872
Figure 2016117872
Figure 2016117872
Figure 2016117872
Figure 2016117872
Figure 2016117872
なお、表2〜表8中の「後処理液中のウレタン樹脂及び/又はアクリル樹脂のSP値(I)」は、ウレタン樹脂が2種以上含有されている場合、又はウレタン樹脂が1種以上及びアクリル樹脂が併用されている場合は、後処理液中のウレタン樹脂及び/又はアクリル樹脂のSP値(I)と後処理液中の混合溶液のSP値(II)との差が最も小さくなるいずれか1種のウレタン樹脂又はアクリル樹脂のSP値を示す。
また、表2〜表8において、略号などについては下記の通りの内容を示す。
*水溶性有機溶剤A:グリセリン(SP値:16.38(cal/cm1/2、阪本薬品工業株式会社製)
*水溶性有機溶剤B:3−メトキシ−1−ブタノール(SP値:9.98(cal/cm1/2、東京化成工業株式会社製)
*水溶性有機溶剤C:3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(SP値:8.87(cal/cm1/2、東京化成工業株式会社)
*水溶性有機溶剤D:ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル(SP値:9.84(cal/cm1/2、東京化成工業株式会社)
*水溶性有機溶剤E:ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル(SP値:9.44(cal/cm1/2、東京化成工業株式会社)
*水溶性有機溶剤F:トリプロピレングリコールメチルエーテル(SP値:9.77(cal/cm1/2、東京化成工業株式会社)
*水溶性有機溶剤G:下記式(I)で表される化合物(SP値:7.80(cal/cm1/2、商品名:ハイソルブ MDPOM、東邦化学工業株式会社製)
Figure 2016117872
*水溶性有機溶剤Hは下記式(II)で示される化合物(SP値:8.10(cal/cm1/2、商品名:ハイソルブ BDM、東邦化学工業株式会社製)
Figure 2016117872
*水溶性有機溶剤Iは下記式(III)で表される化合物(SP値:7.40(cal/cm1/2、商品名:ハイソルブ MTPOM、東邦化学工業株式会社製)
Figure 2016117872
*エーテル型ウレタン樹脂A:商品名:パーマリン UA00(三洋化成工業株式会社製、体積平均粒子径(D50):400nm)
*エーテル型ウレタン樹脂B:商品名:SU−100N(中央理化工業株式会社製、体積平均粒子径(D50):84nm)
*エーテル型ウレタン樹脂C:商品名:W5661(三井化学株式会社製、体積平均粒子径(D50):11nm)
*エーテル型ウレタン樹脂D:商品名:XW−75−W932(三井化学株式会社製、体積平均粒子径(D50):8nm)
*アクリルシリコン系樹脂:商品名:AQ914(ダイセルファインケム社製、体積平均粒子径(D50):120nm)
*ポリエチレン型ワックスエマルジョンA:商品名:ノプコマル MS−40(サンノプコ株式会社製、融点:79℃)
*ポリエチレン型ワックスエマルジョンB:商品名:ノプコート PEM−17(サンノプコ株式会社製、融点=105℃)
*ポリエチレン型ワックスエマルジョンC:商品名:ハイテック E−6314(東邦化学工業株式会社製、融点:137℃)
*カルナバワックス:商品名:セロゾール 524(中京油脂株式会社製、融点:83℃)
*イソシアネート基含有樹脂:商品名:エラストロン E−37、第一工業製薬株式会社製)
*フッ素系界面活性剤である下記式(i)で示される化合物(商品名:ユニダイン DSN−403N)、ダイキン工業株式会社製)
Figure 2016117872
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 着色剤、水溶性有機溶剤、及び水を含有する水性インクと、
ウレタン樹脂及びアクリル樹脂の少なくともいずれか、水溶性有機溶剤、並びに水を含有する後処理液と、を有し、
前記後処理液中の前記水溶性有機溶剤及び前記水の混合溶液における溶解パラメータが、前記水性インク中の前記水溶性有機溶剤及び前記水の混合溶液における溶解パラメータに対して、1.5(cal/cm1/2以上低いことを特徴とする画像形成用セットである。
<2> 後処理液中の水溶性有機溶剤及び水の混合溶液における溶解パラメータが、水性インク中の水溶性有機溶剤及び水の混合溶液における溶解パラメータに対して、7.5(cal/cm1/2以下低い前記<1>に記載の画像形成用セットである。
<3> 後処理液中のウレタン樹脂及びアクリル樹脂の少なくともいずれかにおける溶解パラメータと、後処理液中の水溶性有機溶剤及び水の混合溶液における溶解パラメータとの差が、4(cal/cm1/2以下である前記<1>から<2>に記載の画像形成用セットである。
<4> 後処理液中の水溶性有機溶剤が、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、下記式(I)で示される化合物、下記式(II)で示される化合物、及び下記式(III)で示される化合物から選択される少なくとも1種であり、
前記後処理液中の前記水溶性有機溶剤の含有量が、後処理液全量に対して、20質量%以上40質量%以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載の画像形成用セットである。
Figure 2016117872
Figure 2016117872
Figure 2016117872
<5> 後処理液中のウレタン樹脂及びアクリル樹脂の少なくともいずれかの含有量が、後処理液全量に対して、10質量%以上40質量%以下であり、
前記ウレタン樹脂が、アニオン性自己乳化型のエーテル型ウレタン樹脂であり、
前記アクリル樹脂が、アクリルシリコーン型樹脂である前記<1>から<4>のいずれかに記載の画像形成用セットである。
<6> 後処理液中のウレタン樹脂及びアクリル樹脂の少なくともいずれかが、体積平均粒子径が異なる少なくとも2種であり、
前記ウレタン樹脂及び前記アクリル樹脂の少なくともいずれか1種の体積平均粒子径が、水性インク中の着色剤の体積平均粒子径に対して、大きく、
前記ウレタン樹脂及び前記アクリル樹脂の少なくともいずれか他の1種の体積平均粒子径が、水性インク中の着色剤の体積平均粒子径に対して、小さい前記<1>から<5>のいずれかに記載の画像形成用セットである。
<7> 後処理液が、ワックスをさらに含有し、
前記ワックスが、ポリエチレン型ワックスエマルジョン及びカルナバワックスの少なくともいずれかであり、かつ融点が、80℃以上140℃以下であり、
前記ワックスの含有量が、後処理液全量に対して、1質量%以上10質量%以下である前記<1>から<6>のいずれかに記載の画像形成用セットである。
<8> 後処理液が、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂の少なくともいずれかと架橋する自己架橋型樹脂をさらに含有し、
前記自己架橋型樹脂が、イソシアネート基含有樹脂であり、
前記自己架橋型樹脂の含有量が、後処理液全量に対して、1質量%以上10質量%以下である前記<1>から<7>のいずれかに記載の画像形成用セットである。
<9> 水性インクが、フッ素系界面活性剤をさらに含有する前記<1>から<8>のいずれかに記載の画像形成用セットである。
<10> 水性インク中の水溶性有機溶剤及び水の混合溶液における溶解パラメータが、18(cal/cm1/2以上22(cal/cm1/2以下である前記<1>から<9>のいずれかに記載の画像形成用セットである。
<11> 後処理液中の前記水溶性有機溶剤及び前記水の混合溶液における溶解パラメータが、10(cal/cm1/2以上30(cal/cm1/2以下である前記<1>から<10>のいずれかに記載の画像形成用セットである。
<12> 後処理液中の水溶性有機溶剤及び水の混合溶液における溶解パラメータが、水性インク中の水溶性有機溶剤及び水の混合溶液における溶解パラメータに対して、3.0(cal/cm1/2以上5.0(cal/cm1/2以下低い前記<1>から<11>にいずれかに記載の画像形成用セットである。
<13> 水性インク中の混合溶液における水溶性有機溶剤の含有量(質量%)と、水の含有量(質量%)との質量比(水溶性有機溶剤/水)が、0.5以上2以下である前記<1>から<12>にいずれかに記載の画像形成用セットである。
<14> 後処理液中の混合溶液における水溶性有機溶剤の含有量(質量%)と、水の含有量(質量%)との質量比(水溶性有機溶剤/水)が、0.5以上2以下である前記<1>から<13>にいずれかに記載の画像形成用セットである。
<15> ウレタン樹脂の最低造膜温度が、25℃以下である前記<1>から<14>にいずれかに記載の画像形成用セットである。
<16> フッ素系界面活性剤が、下記式(i)で表される化合物である前記<9>から<15>にいずれかに記載の画像形成用セットである。
Figure 2016117872
<17> 前記<1>から<16>のいずれかに記載の画像形成用セットを用いた画像形成装置であって、
記録媒体に水性インクを吐出して画像を形成する画像形成手段と、前記記録媒体の前記水性インクが吐出された面上に後処理液を付与する後処理手段とを有することを特徴とする画像形成装置である。
<18> 前記後処理手段後に、記録媒体を乾燥させる乾燥手段を有する前記<17>に記載の画像形成装置である。
<19> 前記<1>から<16>のいずれかに記載の画像形成用セットを用いた画像形成方法であって、
記録媒体に水性インクを吐出して画像を形成する画像形成工程と、前記記録媒体の前記水性インクが吐出された面上に後処理液を付与する後処理工程とを含むことを特徴とする画像形成方法である。
<20> 水性インクを吐出した1秒間後から3秒間後の間に後処理液を付与する前記<19>に記載の画像形成方法である。
前記<1>から<16>のいずれかに記載の画像形成用セット、前記<17>から<18>のいずれかに記載の画像形成装置、前記<19>から<20>に記載の画像形成方法は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、画像形成用セット、画像形成装置、及び画像形成方法は、画像の光沢性が得られる画像形成用セット、画像形成装置、及び画像形成方法を提供することを目的とする。
特許第4525778号公報 特許第5398401号公報

Claims (11)

  1. 着色剤、水溶性有機溶剤、及び水を含有する水性インクと、
    ウレタン樹脂及びアクリル樹脂の少なくともいずれか、水溶性有機溶剤、並びに水を含有する後処理液と、を有し、
    前記後処理液中の前記水溶性有機溶剤及び前記水の混合溶液における溶解パラメータが、前記水性インク中の前記水溶性有機溶剤及び前記水の混合溶液における溶解パラメータに対して、1.5(cal/cm1/2以上低いことを特徴とする画像形成用セット。
  2. 後処理液中の水溶性有機溶剤及び水の混合溶液における溶解パラメータが、水性インク中の水溶性有機溶剤及び水の混合溶液における溶解パラメータに対して、7.5(cal/cm1/2以下低い請求項1に記載の画像形成用セット。
  3. 後処理液中のウレタン樹脂及びアクリル樹脂の少なくともいずれかにおける溶解パラメータと、後処理液中の水溶性有機溶剤及び水の混合溶液における溶解パラメータとの差が、4(cal/cm1/2以下である請求項1から2のいずれかに記載の画像形成用セット。
  4. 後処理液中の水溶性有機溶剤が、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、下記式(I)で示される化合物、下記式(II)で示される化合物、及び下記式(III)で示される化合物から選択される少なくとも1種であり、
    前記後処理液中の前記水溶性有機溶剤の含有量が、後処理液全量に対して、20質量%以上40質量%以下である請求項1から3のいずれかに記載の画像形成用セット。
    Figure 2016117872
    Figure 2016117872
    Figure 2016117872
  5. 後処理液中のウレタン樹脂及びアクリル樹脂の少なくともいずれかの含有量が、後処理液全量に対して、10質量%以上40質量%以下であり、
    前記ウレタン樹脂が、アニオン性自己乳化型のエーテル型ウレタン樹脂であり、
    前記アクリル樹脂が、アクリルシリコーン型樹脂である請求項1から4のいずれかに記載の画像形成用セット。
  6. 後処理液中のウレタン樹脂及びアクリル樹脂の少なくともいずれかが、体積平均粒子径が異なる少なくとも2種であり、
    前記ウレタン樹脂及び前記アクリル樹脂の少なくともいずれか1種の体積平均粒子径が、水性インク中の着色剤の体積平均粒子径に対して、大きく、
    前記ウレタン樹脂及び前記アクリル樹脂の少なくともいずれか他の1種の体積平均粒子径が、水性インク中の着色剤の体積平均粒子径に対して、小さい請求項1から5のいずれかに記載の画像形成用セット。
  7. 後処理液が、ワックスをさらに含有し、
    前記ワックスが、ポリエチレン型ワックスエマルジョン及びカルナバワックスの少なくともいずれかであり、かつ融点が、80℃以上140℃以下であり、
    前記ワックスの含有量が、後処理液全量に対して、1質量%以上10質量%以下である請求項1から6のいずれかに記載の画像形成用セット。
  8. 後処理液が、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂の少なくともいずれかと架橋する自己架橋型樹脂をさらに含有し、
    前記自己架橋型樹脂が、イソシアネート基含有樹脂であり、
    前記自己架橋型樹脂の含有量が、後処理液全量に対して、1質量%以上10質量%以下である請求項1から7のいずれかに記載の画像形成用セット。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の画像形成用セットを用いた画像形成装置であって、
    記録媒体に水性インクを吐出して画像を形成する画像形成手段と、前記記録媒体の前記水性インクが吐出された面上に後処理液を付与する後処理手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  10. 後処理手段後に、記録媒体を乾燥させる乾燥手段を有する請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 請求項1から8のいずれかに記載の画像形成用セットを用いた画像形成方法であって、
    記録媒体に水性インクを吐出して画像を形成する画像形成工程と、前記記録媒体の前記水性インクが吐出された面上に後処理液を付与する後処理工程とを含むことを特徴とする画像形成方法。

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