JP2011195610A - インクセット、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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【課題】インクジェット方式による画像記録での印刷画質の向上、特にカラー画像の形成において発色性が高く、ブリードの発生を抑制することができ、さらに定着性に優れたインクセット、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置を提供すること。
【解決手段】着色剤を含む少なくとも1つ以上のインクと、着色剤を含まない実質的に無色のインクをそれぞれ独立に備えているインクセットであって、前記着色剤を含むインクが、分子中に水酸基を有するポリウレタン化合物又はポリイソシアネート化合物のいずれか一方を含み、かつ前記着色剤を含まないインクが、これら化合物のうちのいずれかに対応するポリイソシアネート化合物又は分子中にポリイソシアネート化合物を含んでいることを特徴とするインクセット。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット方式による画像記録での印刷画質の向上、特にカラー画像の形成において発色性が高く、ブリードの発生を抑制することができ、さらに定着性に優れたインクセット、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置に関するものである。
インクジェットプリンターは、低騒音、低ランニングコストといった利点から目覚しく普及し、普通紙に印字可能なカラープリンタも市場に盛んに投入されるようになった。しかし、画像の色再現性、耐擦過性、耐久性、耐光性、画像の乾燥性、文字にじみ(フェザリング)、色境界にじみ(カラーブリード)、両面印刷性、吐出安定性など要求される全ての特性を満足することは非常に難しく、用途に応じて優先される特性から用いるインクを選択している。
インクジェット記録画像の高画質化については、様々なアプローチがされている。インクジェット記録に使用されるインクは水を主成分とし、これに着色剤及び目詰まり防止などの目的でグリセリンなどの湿潤剤を含有したものが一般的であるがゆえ、普通紙のような浸透速度の速い紙に印字する際には、インクが普通紙の内部や裏側まで浸透してしまうため、オフセット印刷、スクリーン印刷や電子写真などから出力される画像に較べると画像濃度や彩度が著しく低く見劣りのする画像になってしまうという欠点があった。
このような問題を解決するため、普通紙等の記録媒体表面にインクによる画像が形成された際にインク中の色材を定着するための材料を予め塗工した記録媒体や、表面に白色顔料や水溶性高分子を塗工した記録媒体が提案されている。例えば、特許文献1の特開2003−166183号公報では、インク受容層が分子中にシラノール基を有するポリウレタン樹脂を架橋剤にて架橋してなる樹脂層からなり、このインク受容層にインクジェット記録を行った後、樹脂層からなるオーバーコーティング層を形成する提案がなされている。しかし、このような方法は特殊な処理を施す必要があることから高価であるため、写真画像出力等の特殊な用途に限定され、広く普及するには至っていない。
そこで、普通紙などの一般的な記録媒体にも対応するため、記録媒体上に予め色材の凝集性を有する前処理液を噴射、あるいは塗布し、その部分にインクを噴射して印字するにより、普通紙においても画像濃度や彩度が高くできるインクジェット記録方法が提案されている。
該前処理液に含まれる凝集剤の種類は、色材の極性や分散方式により選定する必要がある。例えば、色材がアニオン性の界面活性剤や高分子分散剤により分散されている場合は、カチオン性微粒子や多価金属塩が強い凝集性を示す。特許文献2の特開2002−332437号公報では、インクがアニオン性若しくはカチオン性であり、かつ液体組成物が、該インクとは逆の極性に表面が帯電している微粒子が分散状態で含まれている水性の液体組成物を互いに接触させて画像を形成する方法が提案されている。しかし、凝集反応が速いことからインク滴が記録媒体の表面を浸透して広がる前に固定されてインクのドット径が広がらないため、色間のにじみ(カラーブリード)は有効に抑えることができるものの、画像の濃度や彩度はかえって低くなってしまうという場合がある。さらに、色材顔料成分が記録媒体の表面のみに留まり、記録媒体の内部まで浸透しないため、耐擦過性が著しく悪くなるという問題も抱えている。
我々は、このような問題について、長年検討をしてきた中で、樹脂で被覆された色材を含有する記録液、及び該色材と反応性を有する微粒子を含有する処理液とを組み合わせたインクセットを、以前に提案(特許文献3の特許第4001371号公報参照)している。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
すなわち、本発明は、インクジェット方式による画像記録での印刷画質の向上、特にカラー画像の形成において発色性が高く、ブリードの発生を抑制することができ、さらに定着性に優れたインクセット、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下のものを包含する。即ち、
(1)「着色剤を含む少なくとも1つ以上のインクと、着色剤を含まない実質的に無色のインクをそれぞれ独立に備えているインクセットであって、前記着色剤を含むインクが、分子中に水酸基を有するポリウレタン化合物又はポリイソシアネート化合物のいずれか一方を含み、かつ前記着色剤を含まないインクが、これら化合物のうちのいずれかに対応するポリイソシアネート化合物又は分子中にポリイソシアネート化合物を含んでいることを特徴とするインクセット。」
(2)「前記水酸基を有するポリウレタン化合物が自己乳化型のウレタン樹脂エマルジョンであることを特徴とする前記(1)項に記載のインクセット。」
(3)「前記水酸基を有するポリウレタン化合物をインク中少なくとも0.1重量%以上含有することを特徴とする前記(1)項又は(2)項に記載のインクセット。」
(4)「前記ポリイソシアネート化合物がノニオン性基を有する水分散性イソシアネート化合物であることを特徴とする前記(1)項乃至(3)項のいずれかに記載のインクセット。」
(5)「前記着色剤を含むインクがブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの4色からなることを特徴とする前記(1)項乃至(4)項のいずれか記載のインクセット。」
(6)「着色剤を含み、かつ、分子中に水酸基を有するポリウレタン化合物又はポリイソシアネート化合物のいずれか一方を含むインクで形成される画像域と同一もしくは該画像よりも広い範囲に、予め、着色剤を含まずかつ前記インク中のこれら化合物のうちのいずれかに対応するポリイソシアネート化合物又は分子中にポリイソシアネート化合物を含む実質的に無色のインクを記録媒体に付与しておくことを特徴とするインクジェット記録方法。」
(7)「前記着色剤を含むインク滴と前記着色剤を含まない実質的に無色のインクが液体状態で重なる際に、粘度上昇を伴うことを特徴とする前記(6)項に記載のインクジェット記録方法。」
(8)「前記(6)項又は(7)項に記載の記録方法を可能とするインクジェット記録装置。」
本発明によると、水酸基を有するポリウレタン化合物とポリイソシアネート化合物が架橋を引き起こし、記録媒体表面上で着色剤が凝集を引き起こすことにより、発色性が高く、ブリードの発生を抑制することができ、さらに定着性に優れた画像を形成することが可能になるインクセット、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置を提供することができる。
インクジェット記録装置のインクカートリッジ装填部のカバーを開いた状態の斜視説明図である。 インクジェット記録装置の全体構成を説明する概略構成図である。 本発明のインクジェットヘッドの一例を示す概略拡大図である。 本発明のインクジェット記録装置における前処理液塗布装置の一例を示す側面断面図である。 本発明のインクジェット記録装置における前処理液塗布装置の一例を示す側面断面図である。 本発明のインクカートリッジのインク袋の一例を示す概略図である。 図6のインク袋をカートリッジケース内に収容したインクカートリッジを示す概略図である。
インクセットにおける着色剤を含むインク、及び、着色剤を含まない実質的に無色のインク、に含まれる水酸基を有するポリウレタン化合物及びポリイソシアネート化合物は、互いに架橋可能な成分の組合せであれば特に限られるものではない。ただし、多くは架橋に例えば熱、光等のエネルギーが必要であり、その場合、装置が非常に高価で大きなものとなり、かつ耐熱性を有する被記録媒体を選ぶ必要がある。このことから架橋反応は可能な限り室温で迅速に進む組合せを選ぶ必要がある。
本発明における水性インクでは、特に自己乳化型のウレタン樹脂エマルジョンとノニオン性基を有する水分散性イソシアネート化合物の組合せが好ましい。
ポリウレタン化合物及びポリイソシアネート化合物としては以下のようなものが挙げられる。
[分子中に水酸基を有するポリウレタン化合物]
本発明で用いられるポリウレタンは、ポリイソシアネートと、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール等を重合させたものである。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリネオペンチルアジペート、ポリ−3−メチルペンチルアジペート、ポリエチレン/ブチレンアジペート、ポリネオペンチル/ヘキシルアジペート等が挙げられる。
ポリラクトンポリオールとしては、ポリカプロラクトンジオール、ポリオメガヒドロキシカプロン酸ポリオール等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、プロパンジオール−(1,3)、ブタンジオール−(1,4)、ヘキサンジオール−(1,6)、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールのようなジオールとホスゲンと、ジフェニルカーボネートのようなジアリールカーボネート又はエチレンカーボネートやプロピレンカーボネートのような環状カーボネートとの反応から得られる生成物のような、公知のものが含まれる。
上述のポリエステル又はポリラクトンとホスゲン、ジアリールカーボネート又は環状カーボネートとから得られるポリエステルカーボネートもまた好適である。
上記の樹脂エマルジョンは、樹脂にイオン性基を導入することによって一層優れた水分散性を発現する。このようなイオン性基としては、スルホン酸基、カルボン酸基、硫酸基、リン酸基、ホスホン酸基及びホスフィン酸基、又はこれらのアルカリ金属塩基、アルカリ土類金属塩基、アンモニウム塩基、第1級〜第3級アミン基等が挙げられる。中でもカルボン酸アルカリ金属塩基、カルボン酸アンモニウム塩基、スルホン酸アルカリ金属塩基及びスルホン酸アンモニウム塩基が好ましく、特にスルホン酸アルカリ金属塩基及びスルホン酸アンモニウム塩基が水分散安定性の点で好ましい。イオン性基の導入は、樹脂合成時にイオン性基を有する単量体を添加することにより行われる。塩として好ましいのは、Li、K又はNa塩である。
ポリウレタン化合物はインク中少なくとも0.1重量%以上含有することが望ましい。0.1重量%含有すると、インクジェット方式による画像記録での印刷画質の向上、特にカラー画像の形成において発色性が高く、ブリードの発生を抑制することができ、さらに定着性に優れた画像記録が可能になる。
ポリイソシアネート化合物はポリウレタン化合物含有量の1/10程度が望ましい。
[ポリイソシアネート化合物]
本発明におけるポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート化合物、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート化合物、トルイレンジイソシアネート、フェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物、これらジイソシアネートの変性物(カルボジイミド、ウレトジオン、ウレトイミン含有変成物など)等が挙げられる。
ウレタン樹脂エマルジョンとしては、例えば、ボンディックシリーズ(DIC社製)、タケラックW、WSシリーズ(三井化学ポリウレタン社製)等が挙げられる。
水分散性イソシアネート化合物としては、バーノックDNWシリーズ(DIC社製)、タケネートWD、WBシリーズ(三井化学ポリウレタン社製)等が挙げられる。
[その余の要素]
次いで、本発明を実施するにあたって着色剤を含むインク及び着色剤を含まない実質的に無色のインクを構成する上述した以外の要素について説明する。
−着色剤−
本発明における着色剤としては顔料を用いる。顔料として特に限定はないが、例えば以下に挙げる顔料が好適に用いられる。また、これら顔料は複数種類を混合して用いても良い。
有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリレン系、イソインドレノン系、アニリンブラック、アゾメチン系、ローダミンBレーキ顔料、カーボンブラック等が挙げられる。
無機顔料として酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉が挙げられる。
ブラック顔料インクに使用されるカーボンブラックとしては、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックで、一次粒径が、15〜40ミリミクロン、BET法による比表面積が、50〜300平方メートル/g、DBP吸油量が、40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH値が2〜9を有するものが好ましい。このようなものとしては、例えば、No.2300、No.900、MCF−88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B(以上、三菱化学製)、Raven700、5750、5250、5000、3500、1255(以上、コロンビア製)、Regal400R、330R、660R、MogulL、Monarch700、800、880、900、1000、1100、1300、Monarch1400(以上、キャボット製)、カラーブラックFW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170、プリンテックス35、U、V、140U、140V、スペシャルブラック6、5、4A、4(以上、デグッサ製)等を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
カラー顔料の具体例を以下に挙げる。
イエローインクに使用できる顔料の例としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、2、3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、14、16、17、20、23、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、73、74、75、81、83(ジスアゾイエローHR)、86、93、95、97、98、100、101、104、108、109、110、114、117、120、125、128、129、137、138、139、147、148、150、151、153、154、155、166、168、180、185等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
マゼンタインクに使用できる顔料の例としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、7、9、12、17、22(ブリリアントファーストスカーレット)、23、31、38、48:1(パーマネントレッド2B(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B (Ca))、48:3(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、92、97、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(ジメチルキナクリドン)、123、146、149、166、168、170、172、175、176、178、179、180、184、185、190、192、193、202、209、215、216、217、219、220、223、226、227、228、238、240、254、255、272等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
シアンインクに使用できる顔料の例としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15(銅フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーG)、15:4、15:6(フタロシアニンブルーE)、16、17:1、22、56、60、63、64、バットブルー4、バットブルー60等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
中間色では、レッド、グリーン、ブルー用としてはC.I.ピグメントレッド177、194、224、C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、71、C.I.ピグメントバイオレット3、19、23、29、30、37、40、50、C.I.ピグメントグリーン7、36等が挙げられる。
これらの顔料のうち、ブラック顔料としては、カーボンブラックが好ましく、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックで、一次粒子が15nm〜40nm、BET吸着法による比表面積が50m/g〜300m/g、DBP吸油量が4ml/100g0〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH2〜9を有するものが使用され、pH6以下の酸性カーボンブラックが高濃度で特に好ましい。
カラー顔料としては、C.I.ピグメントイエロー13、17、55、74、93、97、98、110、128、139、147、150、151、154、155、180、185;C.I.ピグメントレッド122、202、209;C.I.ピグメントブルー15:3、15:4が特に好ましい。
前記顔料の平均粒径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、10nm〜150nmが好ましく、20nm〜100nmがより好ましく、30nm〜80nmが更に好ましい。前記平均粒径が150nmを超えると、印写画像の彩度が低下するのみならずインク保存時の増粘凝集や印写時のノズルの詰まりが生じやすくなることがある。一方、顔料の平均粒径が10nm未満であると、耐光性が低下するのみならず保存安定性も悪化する傾向がある。
前記顔料の平均粒径は、例えば日機装株式会社製のマイクロトラックUPA−150を用い、測定サンプル中の顔料濃度(質量濃度)が0.01質量%になるように純水で希釈したサンプルを用い、粒子屈折率1.51、粒子密度1.4g/cm、溶媒パラメーターは純水のパラメーターを用い、23℃で測定した 50%平均粒径(D50)を意味する。
インク中の顔料濃度は、2〜15重量%が好ましく、3〜12重量%がより好ましく、4〜10重量%が更に好ましい。顔料濃度が2重量%未満では、着色力が不十分なため画像の鮮やかさに劣る傾向があり、15重量%を超えるとインクの保存安定性が低下するのみならず、画像がくすむ傾向がある。
−分散剤−
以上に挙げた顔料は高分子分散剤や界面活性剤を用いて水性媒体に分散させることでインクジェット用記録液とすることができる。このような顔料を分散させるための分散剤としては、通常の水溶性樹脂や水溶性界面活性剤を用いることができる。
水溶性樹脂の具体例としては、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上の単量体からなるブロック共重合体、あるいはランダム共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。これらの水溶性樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶なアルカリ可溶型樹脂であり、これらの中でも重量平均分子量3000〜20000のものが、インクジェット用記録液に用いた場合に、分散液の低粘度化が可能であり、かつ分散も容易であるという利点があるので特に好ましい。
高分子分散剤と自己分散型顔料を同時に使うことは、適度なドット径を得られるため好ましい組み合わせである。その理由は明らかでないが、以下のように考えられる。
高分子分散剤を含有することで記録紙への浸透が抑制される。その一方で、高分子分散剤を含有することで自己分散型顔料の凝集が抑えられるため、自己分散型顔料が横方向にスムーズに拡がることができる。そのため、広く薄くドットが拡がり、理想的なドットが形成できると考えられる。
また、本発明で分散剤として使用できる水溶性界面活性剤の具体例としては、一般にノニオン性、アニオン性、両性に分類され、顔料種別あるいはインク処方に応じて適宜選択して用いる。
ノニオン性界面活性剤としてはポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−α−ナフチルエーテル、ポリオキシエチレン−β−ナフチルエーテル、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル、ポリオキシエチレンモノスチリルナフチルエーテル、ポリオキシエチレンジスチリルナフチルエーテル、が挙げられる。また、これらの界面活性剤のポリオキシエチレンの一部をポリオキシプロピレンに置き換えたポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体等の界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の芳香環を有する化合物をホルマリン等で縮合させた界面活性剤も使用できる。
ノニオン系界面活性剤のHLBは12〜19.5のものが好ましく、13〜19のものがより好ましい。HLBが12未満では界面活性剤の分散媒へのなじみが悪いため分散安定性が悪化する傾向があり、HLBが19.5を超えると界面活性剤が顔料に吸着しにくくなるため、やはり分散安定性が悪化する傾向がある。
アニオン性界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルカルボン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、メラニンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、スルホコハク酸アルキル二塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸二塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、N−アシルアミノ酸塩、アシル化ペプチド、石鹸などが挙げられる。
また、顔料は親水性基を有する樹脂によって被覆し、マイクロカプセル化することで、分散性を与えることもできる。
水不溶性の顔料を有機高分子類で被覆してマイクロカプセル化する方法としては、従来公知のすべての方法を用いることが可能である。従来公知の方法として、化学的製法、物理的製法、物理化学的方法、機械的製法などが挙げられる。具体的には、
・界面重合法(2種のモノマーもしくは2種の反応物を、分散相と連続相に別々に溶解しておき、両者の界面において両物質を反応させて壁膜を形成させる方法);
・in−situ重合法(液体または気体のモノマーと触媒、もしくは反応性の物質2種を連続相核粒子側のどちらか一方から供給して反応を起こさせ壁膜を形成させる方法);
・液中硬化被膜法(芯物質粒子を含む高分子溶液の滴を硬化剤などにより、液中で不溶化して壁膜を形成する方法);
・コアセルベーション(相分離)法(芯物質粒子を分散している高分子分散液を、高分子濃度の高いコアセルベート(濃厚相)と希薄相に分離させ、壁膜を形成させる方法);
・液中乾燥法(芯物質を壁膜物質の溶液に分散した液を調製し、この分散液の連続相が混和しない液中に分散液を入れて、複合エマルションとし、壁膜物質を溶解している媒質を徐々に除くことで壁膜を形成させる方法);
・融解分散冷却法(加熱すると液状に溶融し常温では固化する壁膜物質を利用し、この物質を加熱液化し、その中に芯物質粒子を分散し、それを微細な粒子にして冷却し壁膜を形成させる方法);
・気中懸濁被覆法(粉体の芯物質粒子を流動床によって気中に懸濁し、気流中に浮遊させながら、壁膜物質のコーティング液を噴霧混合させて、壁膜を形成させる方法);
・スプレードライング法(カプセル化原液を噴霧してこれを熱風と接触させ、揮発分を蒸発乾燥させ壁膜を形成させる方法);
・酸析法(アニオン性基を含有する有機高分子化合物類のアニオン性基の少なくとも一部を塩基性化合物で中和することで水に対する溶解性を付与し色材と共に水性媒体中で混練した後、酸性化合物で中性または酸性にし有機化合物類を析出させ色材に固着せしめた後に中和し分散させる方法);
・転相乳化法(水に対して分散能を有するアニオン性有機高分子類と色材とを含有する混合体を有機溶媒相とし、前記有機溶媒相に水を投入するかもしくは、水に前記有機溶媒相を投入する方法)、などが挙げられる。
マイクロカプセルの壁膜物質を構成する材料として使用される有機高分子類(樹脂)としては、例えば、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリウレア、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、多糖類、ゼラチン、アラビアゴム、デキストラン、カゼイン、タンパク質、天然ゴム、カルボキシポリメチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリスチレン、(メタ)アクリル酸の重合体または共重合体、(メタ)アクリル酸エステルの重合体または共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アルギン酸ソーダ、脂肪酸、パラフィン、ミツロウ、水ロウ、硬化牛脂、カルナバロウ、アルブミンなどが挙げられる。
これらの中ではカルボン酸基またはスルホン酸基などのアニオン性基を有する有機高分子類を使用することが可能である。また、ノニオン性有機高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレートまたはそれらの(共)重合体)、2−オキサゾリンのカチオン開環重合体などが挙げられる。特に、ポリビニルアルコールの完全ケン化物は、水溶性が低く、熱水には解け易いが冷水には解けにくいという性質を有しており特に好ましい。
また、マイクロカプセルの壁膜物質を構成する有機高分子類の量は、有機顔料またはカーボンブラックなどの水不溶性の色材に対して1重量%以上20重量%以下である。有機高分子類の量を上記の範囲にすることによって、カプセル中の有機高分子類の含有率が比較的低いために、有機高分子類が顔料表面を被覆することに起因する顔料の発色性の低下を抑制することが可能となる。有機高分子類の量が1重量%未満ではカプセル化の効果を発揮しづらくなり、逆に20重量%を越えると、顔料の発色性の低下が著しくなる。さらに他の特性などを考慮すると有機高分子類の量は水不溶性の色材に対し5〜10重量%の範囲が好ましい。
すなわち、色材の一部が実質的に被覆されずに露出しているために発色性の低下を抑制することが可能となり、また、逆に、色材の一部が露出せずに実質的に被覆されているために顔料が被覆されている効果を同時に発揮することが可能となるのである。また、本発明に用いる有機高分子類の数平均分子量としては、カプセル製造面などから、2000以上であることが好ましい。ここで「実質的に露出」とは、例えば、ピンホール、亀裂などの欠陥などに伴う一部の露出ではなく、意図的に露出している状態を意味するものである。
さらに、色材として自己分散性の顔料である有機顔料または自己分散性のカーボンブラックを用いれば、カプセル中の有機高分子類の含有率が比較的低くても、顔料の分散性が向上するために、十分なインクの保存安定性を確保することが可能となるので本発明にはより好ましい。
なお、マイクロカプセル化の方法によって、それに適した有機高分子類を選択することが好ましい。例えば、界面重合法による場合は、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリビニルピロリドン、エポキシ樹脂などが適している。in−situ重合法による場合は、(メタ)アクリル酸エステルの重合体または共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミドなどが適している。液中硬化法による場合は、アルギン酸ソーダ、ポリビニルアルコール、ゼラチン、アルブミン、エポキシ樹脂などが適している。コアセルベーション法による場合は、ゼラチン、セルロース類、カゼインなどが適している。また、微細で、且つ均一なマイクロカプセル化顔料を得るためには、勿論前記以外にも従来公知のカプセル化法すべてを利用することが可能である。
マイクロカプセル化の方法として転相法または酸析法を選択する場合は、マイクロカプセルの壁膜物質を構成する有機高分子類としては、アニオン性有機高分子類を使用する。転相法は、水に対して自己分散能または溶解能を有するアニオン性有機高分子類と、自己分散性有機顔料または自己分散型カーボンブラックなどの色材との複合物または複合体、あるいは自己分散性有機顔料または自己分散型カーボンブラックなどの色材、硬化剤およびアニオン性有機高分子類との混合体を有機溶媒相とし、該有機溶媒相に水を投入するか、あるいは水中に該有機溶媒相を投入して、自己分散(転相乳化)化しながらマイクロカプセル化する方法である。上記転相法において、有機溶媒相中に、記録液用のビヒクルや添加剤を混入させて製造しても何等問題はない。特に、直接記録液用の分散液を製造できることからいえば、記録液の液媒体を混入させる方がより好ましい。
一方、酸析法は、アニオン性基含有有機高分子類のアニオン性基の一部または全部を塩基性化合物で中和し、自己分散性有機顔料または自己分散型カーボンブラックなどの色材と、水性媒体中で混練する工程および酸性化合物でpHを中性または酸性にしてアニオン性基含有有機高分子類を析出させて、顔料に固着する工程とからなる製法によって得られる含水ケーキを、塩基性化合物を用いてアニオン性基の一部または全部を中和することによりマイクロカプセル化する方法である。このようにすることによって、微細で顔料を多く含むアニオン性マイクロカプセル化顔料を含有する水性分散液を製造することができる。
また、上記に挙げたようなマイクロカプセル化の際に用いられる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルキルアルコール類;ベンゾール、トルオール、キシロールなどの芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;クロロホルム、二塩化エチレンなどの塩素化炭化水素類;アセトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;メチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類などが挙げられる。なお、上記の方法により調製したマイクロカプセルを遠心分離または濾過などによりこれらの溶剤中から一度分離して、これを水および必要な溶剤とともに撹拌、再分散を行い、目的とする本発明に用いることができる記録液を得る。以上の如き方法で得られるカプセル化顔料の平均粒径は50nm〜180nmであることが好ましい。
−浸透剤−
浸透剤をインクに添加することで、表面張力が低下し、紙等の記録媒体にインク滴が着弾した後の記録媒体中への浸透が速くなるため、フェザリングやカラーブリードを軽減することができる。浸透剤としては主に界面活性剤が用いられ、親水基の極性によりノニオン性、アニオン性、両性に分類される。また、疎水基の構造により、フッ素系、シリコーン系、アセチレン系等に分類される。
本発明における適正な表面張力の範囲としては20〜35mN/mである。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオール、グリコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、アセチレングリコールなどが挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物等が挙げられる。一般にフッ素系化合物として市販されているものを挙げると、サーフロンS−111、S−112、S−113、S121、S131、S132、S−141、S−144、S−145(旭硝子社製)、フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431、FC−4430(住友スリーエム社製),メガファックF−470、F−1405、F474(DIC社製)、ゾニールFS−300、FSN、FSN−100、FSO、FSO−100(デュポン社製)、エフトップEF−351、352、801、802(ジェムコ社製)、FT−250、251(ネオス社製)、PF−151N,PF−136A、PF−156A(OMNOVA社製)などが挙げられる。これらの中でも、Dupont社製のFSO、FSO−100、FSN、FSN−100、FS−300が良好な印字品質、保存性を提供でき好ましい。
シリコーン系界面活性剤としては、ポリエーテル変性シリコーン化合物が挙げられる。
ポリエーテル変性シリコーン化合物は、ポリシロキ酸の側鎖にポリエーテル基を導入した側鎖型(ペンダント型)、ポリシロキサンの片末端にポリエーテル基を導入した片末端型、両端に導入した両末端型(ABA型)、ポリシロキサンの側鎖と両末端の両方にポリエーテル基を導入した側鎖両末端型、ポリエーテル基を導入したポリシロキサン(A)と未導入のポリシロキサン(B)を繰返し結合したABn型、枝分かれしたポリシロキサンの末端にポリエーテル基を導入した枝分かれ型等に分類することができる。本発明では特に限定はないが、ポリシロキサンの側鎖にポリエーテル基を導入した構造を有する側鎖型(ペンダント型)であることが好ましい。
一般に市販されているものとして、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−618,KF−6011、KF−6015、KF−6004(信越化学工業社製)、SF−3771、SF−8427、SF−8428、SH−3749、SH−8400、FZ−2101、FZ−2104、FZ−2118、FZ−2203、FZ−2207、L−7604(東レ・ダウコーニング社製)、BYK−345、BYK−346、BYK−348(ビッグケミー・ジャパン社製)等を挙げることができる。
アセチレングリコール系の界面活性剤としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどのアセチレングリコール系等が挙げられる。例えばサーフィノール104、82、465、485、TG(エアープロダクツ社製)を用いることができる。
界面活性剤を浸透剤としてインクへ添加する場合の添加量は、0.05〜5重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3重量%である。
本発明のインクでは、2種類以上の界面活性剤を併用してもよい。また、浸透性向上のため、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール等の炭素数8〜11のポリオールを併用してもよい。
−水溶性有機溶剤(湿潤剤)−
本発明のインクは水又は親水性有機溶媒を液媒体として使用するが、インクの乾燥を防止するため(湿潤剤として)、及び分散安定性を向上するためなどの目的で、水溶性有機溶剤を含有させる。水溶性有機溶剤の例としては、以下のようなものが挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は複数混合して使用してもよい。
グリセリン、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミイダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類(これらのアミンを使用する場合には、前記ウレタン樹脂エマルジョンとの組合せが望ましい)、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等である。
上記水溶性有機溶剤に加えて他の湿潤剤を用いてもよく、そのような湿潤剤としては、糖を含有するものが好ましい。糖類の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類及び四糖類を含む)及び多糖類が挙げられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオースなどが挙げられる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。
また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール〔一般式HOCH(CHOH)nCHOH(n=2〜5の整数)〕、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ酸などが挙げられる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としては、D−ソルビトール、ソルビタン、マルチトール、エリスリトール、ラクチトール、キシリトールなどが挙げられる。
特に、本発明においては、グリセリン、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオールを用いると、保存安定性、及び吐出安定性に優れたインクを作製することができる。
顔料と湿潤剤の比は、ヘッドからのインクの吐出安定性に大きな影響がある。顔料固形分比率が高いのに湿潤剤の配合量が少ないと、ノズルのインクメニスカス付近の水分蒸発が進み吐出不良をもたらす。
湿潤剤の配合量はインク全体の10〜50重量%程度とする。インク中の湿潤剤総重量に対する着色剤と樹脂エマルジョンの総重量の比は0.5〜12.5が好ましく、より好ましくは1.0〜6.0、最も好ましくは2.0〜5.0の範囲である。この範囲にあるインクは、乾燥性や保存試験や信頼性試験が非常に良好である。
−樹脂エマルジョン−
本発明のインクは、十分定着性は確保されているが、更なる画像耐擦過性向上及び着色剤に顔料を用いた場合の保存安定性向上の目的で樹脂エマルジョンを添加してもよい。画像耐擦過性の向上には、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂のエマルジョンが好ましく、保存安定性の向上にはウレタン樹脂のエマルジョンが特に好ましい。しかし、画像耐擦過性向上と保存安定性向上を同時に達成できる樹脂エマルジョンは少ないため、2種類の樹脂エマルジョンを併用することもできる。これらの樹脂エマルジョンは市販のものを必要に応じて適宜選択して用いることができる。
前記樹脂エマルジョンとしては、例えば、J−450、J−734、J−7600、J−352、J−390、J−7100、J−741、J74J、J−511、J−840、J−775、HRC−1645、HPD−71(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、いずれも、ジョンソンポリマー社製)、UVA383MA(アクリル−シリコーン系樹脂エマルジョン、BASF社製)、AP4710(アクリル−シリコーン系樹脂エマルジョン、昭和高分子社製)、W−615、W−6020、W−6061、W−5661(ウレタン系樹脂エマルジョン、いずれも三井化学ポリウレタン社製)、FE4300、FE4500、FE4400(フッ素樹脂エマルジョン、いずれも旭硝子社製)などが挙げられる。
前記樹脂エマルジョンは2種以上を併用してもよく、樹脂エマルジョンの組み合わせを適切なものとすることで、インクの保存性を確保しつつ画質、画像耐久性も上げることができる。
前記樹脂エマルジョンの含有量は、前記インクジェットインク中、樹脂固形分として0.1質量%〜20質量%が好ましく、0.1質量%〜10質量%がより好ましい。前記含有量が0.1質量%未満であると、記録媒体へ着弾した後、樹脂が顔料を覆う量が不十分で、耐擦過効果が小さく、20質量%より多いと、インクの粘度が高すぎてインクジェット方式での印字が困難になる傾向がある。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えば、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
前記消泡剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばシリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点でシリコーン系消泡剤が好ましい。
前記防腐防黴剤としては、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、等が挙げられる。
前記pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響をおよぼさずにpHを7以上に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて任意の物質を使用することができる。該pH調整剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物;水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、などが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、りん系酸化防止剤、などが挙げられる。
本発明のインクジェットインクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
前記粘度は、25℃で、5mPa・s〜20mPa・sが好ましく、6mPa・s〜15mPa・sがより好ましい。前記粘度が20mPa・sを超えると、吐出安定性の確保が困難になることがある。
前記表面張力としては、25℃で、20mN/m〜40mN/mが好ましい。前記表面張力が、20mN/m未満であると、記録媒体上での滲みが顕著になり、安定した噴射が得られないことがあり、40mN/mを超えると、記録媒体へのインク浸透が十分に起らず、乾燥時間の長時間化を招くことがある。
前記pHとしては、例えば、7〜10が好ましい。
−インクジェット記録装置−
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機などに好適に使用することができる。また、特にフッ素系シランカップリング剤を含む撥インク層、又はシリコーン樹脂を含む撥インク層を有するインクジェットヘッドを備えた記録装置に対してもヘッド固着を生じないという優れた特性を有する。
以下、実施例でも用いたインクジェット記録装置について概要を説明する。
図1に示すインクジェット記録装置は、装置本体(101)と、装置本体(101)に装着した用紙を装填するための給紙トレイ(102)と、装置本体(101)に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ(103)と、インクカートリッジ装填部(104)とを有する。インクカートリッジ装填部(104)の上面には、操作キーや表示器などの操作部(105)が配置されている。インクカートリッジ装填部(104)は、インクカートリッジ(200)の脱着を行うための開閉可能な前カバー(115)を有している。(111)は上カバー、(112)は前カバーの前面である。
装置本体(101)内には、図2、図3に示すように、左右の側板(不図示)に横架したガイド部材であるガイドロッド(131)とステー(132)とで、キャリッジ(133)を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ(不図示)によって、図3の矢印で示す方向に移動走査する。
キャリッジ(133)には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個のインクジェット記録用ヘッドからなる記録ヘッド(134)の複数のインク吐出口を、主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド(134)を構成するインクジェット記録用ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、インクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどが使用できる。
また、キャリッジ(133)には、記録ヘッド(134)に各色のインクを供給するための各色のサブタンク(135)を搭載している。サブタンク(135)には、インク供給チューブ(不図示)を介して、インクカートリッジ装填部(104)に装填された本発明のインクカートリッジ(200)から、本発明のインクセットに係るインクが供給されて補充される。
一方、給紙トレイ(103)の用紙積載部(圧板)(141)上に積載した用紙(142)を給紙するための給紙部として、用紙積載部(141)から用紙(142)を1枚づつ分離給送する半月コロ〔給紙コロ(143)〕、及び給紙コロ(143)に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド(144)を備え、この分離パッド(144)は給紙コロ(143)側に付勢されている。
この給紙部から給紙された用紙(142)を記録ヘッド(134)の下方側で搬送するための搬送部として、用紙(142)を静電吸着して搬送するための搬送ベルト(151)と、給紙部からガイド(145)を介して送られる用紙(142)を搬送ベルト(151)との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ(152)と、略鉛直上方に送られる用紙(142)を略90°方向転換させて搬送ベルト(151)上に倣わせるための搬送ガイド(153)と、押さえ部材(154)で搬送ベルト(151)側に付勢された先端加圧コロ(155)とが備えられ、また、搬送ベルト(151)表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ(156)が備えられている。
搬送ベルト(151)は無端状ベルトであり、搬送ローラ(157)とテンションローラ(158)との間に張架されて、ベルト搬送方向に周回可能である。この搬送ベルト(151)は、例えば、抵抗制御を行っていない厚さ40μm程度の樹脂材、例えば、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。搬送ベルト(151)の裏側には、記録ヘッド(134)による印写領域に対応してガイド部材(161)が配置されている。なお、記録ヘッド(134)で記録された用紙(142)を排紙するための排紙部として、搬送ベルト(151)から用紙(142)を分離するための分離爪(171)と、排紙ローラ(172)及び排紙コロ(173)とが備えられており、排紙ローラ(172)の下方に排紙トレイ(103)が配されている。
装置本体(101)の背面部には、両面給紙ユニット(181)が着脱自在に装着されている。両面給紙ユニット(181)は、搬送ベルト(151)の逆方向回転で戻される用紙(142)を取り込んで反転させて再度、カウンタローラ(152)と搬送ベルト(151)との間に給紙する。なお、両面給紙ユニット(181)の上面には手差し給紙部(182)が設けられている。
このインクジェット記録装置においては、給紙部から用紙(142)が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙(142)は、ガイド(145)で案内され、搬送ベルト(151)とカウンタローラ(152)との間に挟まれて搬送される。更に先端を搬送ガイド(153)で案内されて先端加圧コロ(155)で搬送ベルト(151)に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ(156)によって搬送ベルト(157)が帯電されており、用紙(142)は、搬送ベルト(151)に静電吸着されて搬送される。そこで、キャリッジ(133)を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド(134)を駆動することにより、停止している用紙(142)にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙(142)を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙(142)の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙(142)を排紙トレイ(103)に排紙する。
そして、サブタンク(135)内のインクの残量ニアーエンドが検知されると、インクカートリッジ(200)から所要量のインクがサブタンク(135)に補給される。
このインクジェット記録装置においては、本発明のインクカートリッジ(200)中のインクを使い切ったときには、インクカートリッジ(200)における筐体を分解して内部のインク袋だけを交換することができる。また、インクカートリッジ(200)は、縦置きで前面装填構成としても、安定したインクの供給を行うことができる。したがって、装置本体(101)の上方が塞がって設置されているような場合、例えば、ラック内に収納したり、あるいは装置本体(101)の上面に物が置かれているような場合でも、インクカートリッジ(200)の交換を容易に行うことができる。
なお、ここでは、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)インクジェット記録装置に適用した例で説明したが、ライン型ヘッドを備えたライン型インクジェット記録装置にも同様に適用することができる。
次に、着色剤を含まない実質的に無色のインクを記録媒体に付与(以後、前処理とよぶ)し、着色剤を含まない実質的に無色のインクが乾燥固化する前に、着色剤を含むインクで画像を記録するため方法について、図4の本発明の画像記録方法を実現するための装置の具体例で説明する。図4の前処理液付与装置例は、インクジェット記録用ヘッドを走査して画像形成するタイプの記録装置である。
図4の前処理付与及びインクジエット記録装置において、記録媒体(6)は給紙ローラ(7)によって送り出され付与ローラ(4)とカウンタローラ(5)によって前処理液容器(42)内に充填された前処理液(1)が記録媒体に均一に薄く付与される。前処理液は汲み上げローラ(3)によって汲み上げられ、膜厚制御ローラ(2)によって付与ローラ(4)に均一に付与される。記録媒体は前処理液を付与されながらインクジェット記録ヘッド(20)のある記録走査部まで送られる。前処理液付与動作の終了部(図4中A部)から記録走査開始部(図4中B部)までの用紙経路の長さは記録媒体の送り方向の長さより長く設定されているので記録媒体が記録走査開始部に到達した時点では前処理液の付与を完全に終了することができる。この場合、前処理液の付与は、インクジェット記録ヘッド(20)が印字のための走査を開始し、記録媒体(6)が間欠的に搬送される前に実施できるため、記録媒体の搬送速度が一定の状態で連続的に付与でき、ムラのない均一な付与が可能となる。なお、図4の装置例では前処理の必要な記録媒体は下段のカセットから、必要のないか処理されては困る記録媒体は上段のカセットから供給するようになっているため、記録媒体搬送経路を長く設けるのに好都合である。
図5は、本発明の画像記録方法を実現するための装置の別の具体例である。図5の装置例も、インクジェット記録用ヘッドを走査して画像形成するタイプの記録装置である。図4の装置に比べ、コンパクトな装置構成とした例である。記録媒体(6)は給紙ローラ7によって送り出され付与ローラ(4)とカウンタローラ(5)によって前処理液容器(42)内に充填された前処理液(1)が記録媒体に均一に薄く付与される。前処理液は汲み上げローラ(3)によって汲み上げられ、膜厚制御ローラ(2)によって付与ローラ(4)に均一に付与されている。記録媒体は前処理液を付与されながらインクジェット記録ヘッド(20)のある記録走査部を通過し、用紙が前処理液の塗布を完了するまで送られ、用紙が前処理液の付与を完了した時点で再び用紙先頭が記録走査開始位置に至るまで戻される。付与完了は、例えば、前処理液付与装置の出口近傍に、公知の記録媒体検知手段(不図示)を設けることにより検出することができる。この検知手段は必ずしも必要が無く、あらかじめ記録媒体の長さの情報をコントローラにインプットし、モータの回転数を制御することにより、記録媒体の搬送ローラの外周の送り量を記録媒体の長さに対応するようなシステム構成としてもよい。
前処理液が付与された記録媒体は、前処理液が乾燥固化する前に、再び記録走査位置に搬送されているが、この際には、インクジエット記録ヘッド(20)の走査とタイミングを合わせて、間欠的に搬送される。記録媒体を戻すとき送られてきた経路と同じ経路を戻すと用紙の後端が前処理液付与装置に逆進入することになり塗りムラや汚れ、用紙ジャムなどの不具合が起こるが、用紙を戻すときは記録媒体ガイド(31)で方向を切り替える。即ち、記録媒体に前処理液を付与した後、記録媒体を逆送する時には、記録媒体ガイド(31)を図の点線の位置に、ソレノイドやモータなどの公知の手段で移動せしめる。これにより、記録媒体は、記録媒体ガイド(34)の位置に搬送されるので、記録媒体を汚したり、ジャムが生じることを防止できる。
次に図6、7のインクカートリッジについて説明する。インクカートリッジ(200)は、インク注入口(242)からインク袋(241)内に充填され、排気した後、該インク注入口(242)は融着により閉じられる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口(243)に装置本体の針を刺して装置に供給される。
インク袋(241)は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク袋(241)は、通常、プラスチック製のカートリッジケース(244)内に収容され、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
−インクジェット記録方法−
本発明におけるインクジェット記録方法は、上記インクジェット記録装置を使用して実現可能であるが、より効果的に行うためには、着色剤を含むインクで形成される画像と同一もしくは該画像よりも広い範囲に予め着色剤を含まない実質的に無色のインクを記録媒体に付与しておく必要がある。これによりポリウレタン化合物とイソシアネート化合物の液体状態からの粘度上昇を伴う架橋を確実なものとなり、発色性が高く、ブリードの発生を抑制することができ、さらに定着性に優れた画像の形成が可能となる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、配合量の「部」は全て「重量部」である。
以下の記載に従って、着色剤を含まない実質的に無色のインク1〜3および着色剤を含むインク1〜6を作製した。
<無色のインク1>
ウレタン樹脂エマルジョンW−5661(三井化学ポリウレタン社製、固形分35%)
8.6部
ジエチレングリコール 10部
2−ピロリドン 15部
イオン交換水 66.4部
上記の成分を混合攪拌した後、孔径0.8μmのフィルターで濾過して無色のインク1を得た。
<無色のインク2>
ポリイソシアネート化合物WD−725(三井化学ポリウレタン社製) 0.3部
ジエチレングリコール 10部
2−ピロリドン 15部
イオン交換水 74.7部
上記の成分を混合攪拌した後、孔径0.8μmのフィルターで濾過して無色のインク2を得た。
<無色のインク3>
ポリイソシアネート化合物WD−720(三井化学ポリウレタン社製) 0.3部
ジエチレングリコール 10部
ノニオン系界面活性剤EP5035(日本触媒社製) 1部
イオン交換水 88.7部
上記の成分を混合攪拌した後、孔径0.8μmのフィルターで濾過して無色のインク3を得た。
<無色のインク4>
ポリイソシアネート化合物WD−725(三井化学ポリウレタン社製) 0.01部
ジエチレングリコール 10部
2−ピロリドン 15部
イオン交換水 74.99部
上記の成分を混合攪拌した後、孔径0.8μmのフィルターで濾過して無色のインク4を得た。
(顔料分散液1の作製)
カーボンブラックNipex60(デグサ社製) 15部
下記構造式(1)で表される分散剤 5部
イオン交換水 80部
Figure 2011195610
上記分散剤を水に加えて溶解し、続いて顔料を混合・攪拌して充分に湿潤したところで、φ0.5mmジルコニアビーズを充填した混練装置:ダイノーミルKDL A型(WAB社製)を用いて、2000rpmで60分間混練を行なった。次いで、ミルベースを取り出し、1μmのフィルターで濾過して、顔料濃度15%のブラック顔料分散液Bk1を得た。
(イエロー分散液Y1の作製)
カーボンブラックをC.I.ピグメントイエロー74(クラリアントジャパン社製HANSA Yellow 5GX01)変えた他は全く上記と同様にして、イエロー分散液Y1を作製した。
(マゼンタ分散液M1の作製)
カーボンブラックをC.I.ピグメントレッド122(チバスペシャリティケミカル社製Jet Magenta DMQ)に変えた他は全く上記と同様にして、マゼンタ分散液M1を作製した。
(シアン分散液C1の作製)
カーボンブラックをC.I.ピグメントブルー15:4(BASFジャパン社製HELIOGEN Blue D7107)に変えた他は全く上記と同様にして、シアン分散液C1を作製した。
(顔料分散液2の作製)
−ポリマーの合成−
(ポリマー原料1)
スチレン 11.2部
アクリル酸 2.8部
ラウリルメタクリレート 12.0部
ポリエチレングリコールメタクリレート 4.0部
スチレンマクロマーAS−6(東亜合成社製) 4.0部
メルカプトエタノール 0.4部
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管及び滴下ロートを備えた1Lフラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、上記原料1を仕込み、65℃に昇温した。
(ポリマー原料2)
スチレン 100.8部
アクリル酸 25.2部
ラウリルメタクリレート 108.0部
ポリエチレングリコールメタクリレート 36.0部
ヒドロキシエチルメタクリレート 60.0部
スチレンマクロマーAS−6(東亜合成社製) 36.0部
メルカプトエタノール 3.6部
アゾビスジメチルバレロニトリル 2.4部
メチルエチルケトン 18.0部
次いで、上記原料2の混合溶液を2.5時間かけて昇温したフラスコ内に滴下した。
滴下終了後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8部と、メチルエチルケトン18.0部の混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8部を添加し、更に1時間熟成した。
反応終了後、フラスコ内に、メチルエチルケトン364.0部を添加し、濃度が50%のポリマー(ビニル樹脂)溶液800部を得た。
このポリマー溶液を含む下記の材料を用いて分散体を作成した。即ち顔料とポリマー溶液を十分に攪拌した後、3本ロールミル(ノリタケカンパニー社製:NR−84A)を用いて20回混練した。得られたペーストをイオン交換水200部に投入し、十分に攪拌した後、エバポレーターを用いてメチルエチルケトンと水を留去し、顔料濃度15%のブラック分散液Bk2を得た。
(分散体材料)
カーボンブラックNipex60(デグサ社製) 26.0部
ポリマー溶液 28.0部
1mol/L水酸化カリウム水溶液 13.6部
メチルエチルケトン 20.0部
イオン交換水 30.0部
(イエロー分散液Y2の作製)
カーボンブラックをC.I.ピグメントイエロー74(クラリアントジャパン社製HANSA Yellow 5GX01)に変えた他は全く上記と同様にして、イエロー分散液Y2を作製した。
(マゼンタ分散液M2)
カーボンブラックをC.I.ピグメントレッド122(チバスペシャリティケミカル社製Jet Magenta DMQ)に変えた他は全く上記と同様にして、マゼンタ分散液M2を作製した。
(シアン分散液C2の作製)
カーボンブラックをC.I.ピグメントブルー15:4(BASFジャパン社製HELIOGEN Blue D7107)に変えた他は全く上記と同様にして、シアン分散液C2を作製した。
<インク1>
上記ブラック分散液Bk1 40.0部
ウレタン樹脂エマルジョンW−5661(三井化学ポリウレタン社製、固形分35%)
8.6部
ノニオン系界面活性剤EP5035(日本触媒社製) 1.0部
グリセリン 14.0部
1,3−ブタンジオール 14.0部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.5部
トリエタノールアミン 0.2部
防腐防黴剤LV(アーチケミカルズジャパン社製) 0.1部
イオン交換水 19.6部
上記の成分を混合攪拌した後、孔径0.8μmのフィルターで濾過してブラックインクBk1を得た。
また上記ブラック分散液Bk1の代わりにイエロー分散液Y1に変えた他は全く上記と同様にして、イエローインクY1を作製した。
また上記ブラック分散液Bk1の代わりにマゼンタ分散液M1に変えた他は全く上記と同様にして、マゼンタインクM1、を作製した。
また上記ブラック分散液Bk1の代わりにシアン分散液C1に変えた他は全く上記と同様にして、シアンインクC1を作製した。
<インク2>
上記ブラック分散液Bk1 40.0部
ポリイソシアネート化合物WD−725(三井化学ポリウレタン社製) 0.3部
ノニオン系界面活性剤EP5035(日本触媒社製) 1.0部
グリセリン 14.0部
1,3−ブタンジオール 14.0部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.5部
トリエタノールアミン 0.2部
防腐防黴剤LV(アーチケミカルズジャパン社製) 0.1部
イオン交換水 27.9部
上記の成分を混合攪拌した後、孔径0.8μmのフィルターで濾過してブラックインクBk2を得た。
また上記ブラック分散液Bk1の代わりにイエロー分散液Y1に変えた他は全く上記と同様にして、イエローインクY2を作製した。
また上記ブラック分散液Bk1の代わりにマゼンタ分散液M1に変えた他は全く上記と同様にして、マゼンタインクM2を作製した。
また上記ブラック分散液Bk1の代わりにシアン分散液C1に変えた他は全く上記と同様にして、シアンインクC2を作製した。
<インク3>
上記ブラック分散液Bk2 40.0部
ウレタン樹脂エマルジョンW−6061(三井化学ポリウレタン社製、固形分30%)
10.0部
フッ素系界面活性剤FS−300(デュポン社製、固形分40%) 1.3部
グリセリン 15.0部
3−メチル−1,3−ブタンジオール 15.0部
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 2.5部
トリエタノールアミン 0.2部
プロキセルLV(防腐防黴剤、アーチケミカルズジャパン社製) 0.1部
イオン交換水 15.9部
上記の成分を混合攪拌した後、孔径0.8μmのフィルターで濾過してブラックインクBk3を得た。
また上記ブラック分散液Bk2の代わりにイエロー分散液Y2に変えた他は全く上記と同様にして、イエローインクY3を作製した。
また上記ブラック分散液Bk2の代わりにマゼンタ分散液M2に変えた他は全く上記と同様にして、マゼンタインクM3、を作製した。
また上記ブラック分散液Bk2の代わりにシアン分散液C2に変えた他は全く上記と同様にして、シアンインクC3を作製した。
<インク4>
上記ブラック分散液Bk2 40.0部
ポリイソシアネート化合物WD−725(三井化学ポリウレタン社製) 0.3部
フッ素系界面活性剤FS−300(デュポン社製、固形分40%) 1.3部
グリセリン 15.0部
3−メチル−1,3−ブタンジオール 15.0部
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 2.5部
トリエタノールアミン 0.2部
プロキセルLV(防腐防黴剤、アーチケミカルズジャパン社製) 0.1部
イオン交換水 25.6部
上記の成分を混合攪拌した後、孔径0.8μmのフィルターで濾過してブラックインクBk4を得た。
また上記ブラック分散液Bk2の代わりにイエロー分散液Y2に変えた他は全く上記と同様にして、イエローインクY4を作製した。
また上記ブラック分散液Bk2の代わりにマゼンタ分散液M2に変えた他は全く上記と同様にして、マゼンタインクM4を作製した。
また上記ブラック分散液Bk2の代わりにシアン分散液C2に変えた他は全く上記と同様にして、シアンインクC4を作製した。
<インク5>
インク1のからウレタン樹脂エマルジョンW−5661の添加量を0.3部とし、その差分をイオン交換水とした他はインク1と全く同様にしてそれぞれブラックインクBk5、イエローインクY5、マゼンタインクM5、シアンインクC5を作製した。
<インク6>
インク2からポリイソシアネート化合物WD−725を除き、その分をイオン交換水とした他はインク2と全く同様にしてそれぞれブラックインクBk6、イエローインクY6、マゼンタインクM6、シアンインクC6を作製した。
<インク7>
インク4からポリイソシアネート化合物WD−725を除き、その分をイオン交換水とした他はインク4と全く同様にしてそれぞれブラックインクBk7、イエローインクY7、マゼンタインクM7、シアンインクC7を作製した。
表1に示した無色のインク及びインクの組み合わせで市販のコピー用紙に記録を行った。使用したインクジェット記録装置としては、前述した図1〜図3の構造のプリンターIPSiO G707(リコー製)を用いた。
表1に示した無色のインク及びインクの組み合わせで市販のコピー用紙に記録を行った。使用したインクジェット記録装置としては、前述した図1〜図3の構造のプリンターIPSiO G707(リコー製)を用いた。
表1に示した無色のインク及びインクの組み合わせで市販のコピー用紙に記録を行った。使用したインクジェット記録装置としては、前述した図1〜図3の構造のプリンターIPSiO G707(リコー製)を用いた。
表1に示した無色のインク及びインクの組み合わせで市販のコピー用紙に記録を行った。使用したインクジェット記録装置としては、前述した図1〜図3の構造のプリンターIPSiO G707(リコー製)を用いた。
表1に示した無色のインク及びインクの組み合わせで市販のコピー用紙に記録を行った。使用したインクジェット記録装置としては、前述した図1〜図3の構造のプリンターIPSiO G707(リコー製)を用いた。
表1に示した無色のインク及びインクの組み合わせで市販のコピー用紙に記録を行った。使用したインクジェット記録装置としては、前述した図1〜図3の構造のプリンターIPSiO G707(リコー製)を用いた。
[比較例1]
表1に示した無色のインク及びインクの組み合わせで市販のコピー用紙に記録を行った。使用したインクジェット記録装置としては、前述した図1〜図3の構造のプリンターIPSiO G707(リコー製)を用いた。
[比較例2]
表1に示した無色のインク及びインクの組み合わせで市販のコピー用紙に記録を行った。使用したインクジェット記録装置としては、前述した図1〜図3の構造のプリンターIPSiO G707(リコー製)を用いた。
[比較例3]
表1に示した無色のインク及びインクの組み合わせで市販のコピー用紙に記録を行った。使用したインクジェット記録装置としては、前述した図1〜図3の構造のプリンターIPSiO G707(リコー製)を用いた。
[比較例4]
表1に示した無色のインク及びインクの組み合わせで市販のコピー用紙に記録を行った。使用したインクジェット記録装置としては、前述した図1〜図3の構造のプリンターIPSiO G707(リコー製)を用いた。
[比較例5]
表1に示した無色のインク及びインクの組み合わせで市販のコピー用紙に記録を行った。使用したインクジェット記録装置としては、前述した図1〜図3の構造のプリンターIPSiO G707(リコー製)を用いた。
[比較例6]
表1に示した無色のインク及びインクの組み合わせで市販のコピー用紙に記録を行った。使用したインクジェット記録装置としては、前述した図1〜図3の構造のプリンターIPSiO G707(リコー製)を用いた。
Figure 2011195610
(評価)
上記実施例1〜6及び比較例1〜6の各インクについて以下の評価を行った。
[評価1:記録濃度]
試験用紙としてマイペーパー(リコー製)を用い、ワンパスでべた画像を印字した。乾燥後、反射型カラー分光測色濃度計(X−Rite製)を用いて測定し、下記の評価基準で判定した。
〔評価基準〕
(ブラック)
○:1.25以上
△:1.15以上1.25未満
×:1.15未満
(シアン)
○:1.05以上
△:1.00以上1.05未満
×:1.00未満
(マゼンタ)
○:0.95以上
△:0.90以上0.95未満
×:0.90未満
(イエロー)
○:0.85以上
△:0.80以上0.85未満
×:0.80未満
[評価2:カラーブリード]
マゼンタ、シアン、イエローのカラーインクのベタ画像部中にブラックインクの文字を印字する印刷パターンを用い、試験用紙としてマイペーパー(リコー製)とPODグロス100(王子製紙社製)を用いて印字を行った。印字条件は100%duty、記録密度は300dpi、ワンパス印字とした。 カラーインクとブラックインク間のカラーブリード(にじみ)を目視にて、下記の評価基準で判定した。
〔評価基準〕
:カラーブリードの発生がなく、黒文字が鮮明に認識できる。
△:カラーブリードが若干発生し、黒文字が少しにじむ。
×:カラーブリードが発生し、黒文字がかなりにじむ。
[評価3:耐擦過性」
試験用紙としてマイペーパー(リコー製)を用いて画像サンプルを作成し、25℃50Rh%の環境で24時間以上放置乾燥させた印字部分をクロックメーターCM−1(東洋精機製)を用い、白綿布を荷重900gで5往復摩擦し、下記の評価基準で判定した。
〔評価基準〕
○:目視で画像脱落がほとんどなく、画像周囲の汚れが少ない
△:目視で画像脱落が少ないが、画像周囲に汚れがある
×:目視で画像脱落および画像周囲の汚れが著しい
上記評価結果を表2に示す。
Figure 2011195610
1 前処理液
2 膜厚制御ローラ
3 汲み上げローラ
4 塗布ローラ
5 カウンタローラ
6 用紙
7 給紙ローラ
8 給紙トレイ
11、12、13、14、15、16 用紙送りローラ
17 用紙
18 給紙ローラ
20 記録ヘッド
21 インクカートリッジ
22 キャリッジ軸
23 キャリッジ
31 用紙ガイド
32、33 用紙送りローラ
34 用紙戻しガイド
42 前処理液容器
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
105 操作部
111 上カバー
112 前カバーの前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙載置部
142 用紙
143 給紙コロ
144 分離パッド
145 ガイド
151 搬送ベルト
152 カウンタローラ
153 搬送ガイド
154 押さえ部材
155 加圧コロ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 テンションローラ
161 ガイド部材
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
182 手差し給紙部
200 カートリッジ
241 収容袋
242 注入口
243 排出口
244 カートリッジケース
特開2003−166183号公報 特開2002−332437号公報 特許第4001371号公報

Claims (8)

  1. 着色剤を含む少なくとも1つ以上のインクと、着色剤を含まない実質的に無色のインクをそれぞれ独立に備えているインクセットであって、前記着色剤を含むインクが、分子中に水酸基を有するポリウレタン化合物又はポリイソシアネート化合物のいずれか一方を含み、かつ前記着色剤を含まないインクが、これら化合物のうちのいずれかに対応するポリイソシアネート化合物又は分子中にポリイソシアネート化合物を含んでいることを特徴とするインクセット。
  2. 前記水酸基を有するポリウレタン化合物が自己乳化型のウレタン樹脂エマルジョンであることを特徴とする請求項1記載のインクセット。
  3. 前記水酸基を有するポリウレタン化合物をインク中少なくとも0.1重量%以上含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクセット。
  4. 前記ポリイソシアネート化合物がノニオン性基を有する水分散性イソシアネート化合物であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクセット。
  5. 前記着色剤を含むインクがブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの4色からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載のインクセット。
  6. 着色剤を含み、かつ、分子中に水酸基を有するポリウレタン化合物又はポリイソシアネート化合物のいずれか一方を含むインクで形成される画像域と同一もしくは該画像よりも広い範囲に、予め、着色剤を含まずかつ前記インク中のこれら化合物のうちのいずれかに対応するポリイソシアネート化合物又は分子中にポリイソシアネート化合物を含む実質的に無色のインクを記録媒体に付与しておくことを特徴とするインクジェット記録方法。
  7. 前記着色剤を含むインク滴と前記着色剤を含まない実質的に無色のインクが液体状態で重なる際に、粘度上昇を伴うことを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記請求項6又は7に記載の記録方法を可能とするインクジェット記録装置。
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