JP2020001200A - 液体組成物、処理液、液体組成物付与装置、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本実施形態の液体組成物は、多価金属塩、及び有機溶剤を含み、必要に応じて水、及び界面活性剤などのその他の成分を含むことが好ましい。有機溶剤としては、プロピレングリコール、及び沸点が250℃以上の有機溶剤を含み、必要に応じて他の有機溶剤を含んでもよい。また、液体組成物の用途としては特に限定されないが、例えば、記録媒体に対して色材等を含有するインクが付与される前に、記録媒体に対して付与される処理液などであることが好ましい。なお、以降の説明において「液体組成物」を「処理液」と称する場合がある。
多価金属塩は、液体組成物がインクと接触したときに、インク中の色材との電荷的な作用によって会合し、色材の凝集体を形成させ、色材を液相から分離させて記録媒体に対する定着を促進させる。また、液体組成物中に多価金属塩を含有させることで、インク吸収性の低い記録媒体を用いたとしてもビーディングを抑制でき、高画質な画像を形成できる。また、多価金属塩は、カチオンポリマー等の凝集剤と異なり、液体組成物を記録媒体に付与した後であって、インクが付与されるまでの間において、液体組成物が付与された記録媒体の領域に部材が接触する場合であっても、その部材に液体組成物が付着することを抑制することができる。
また、多価金属塩は、液体組成物全量に対して3.0質量%以上含まれることが好ましく、5.5質量%以上含まれることがより好ましく、7.0質量%以上含まれることが更に好ましい。また、多価金属塩は、液体組成物全量に対して20.0質量%以下含まれることが好ましく、15.0質量%以下含まれることがより好ましく、14.0質量%以下含まれることが更に好ましい。多価金属塩の液体組成物全量に対する含有量が3.0質量%以上であるとビーディングの発生をより抑制することができる。また、含有量が20.0質量%以下であると液体組成物中において多価金属塩が析出して結晶化することをより抑制することができる。
有機溶剤としては、プロピレングリコール、及び沸点が250℃以上の有機溶剤である有機溶剤Aを含み、必要に応じて他の有機溶剤を含んでもよい。
本実施形態の液体組成物は、プロピレングリコールを含む。プロピレングリコールを含むことで、液体組成物を記録媒体に付与した後であって、インクが付与されるまでの間において、液体組成物が付与された記録媒体の領域に部材が接触する場合であっても、その部材に液体組成物が付着することを抑制することができる。これは、液体組成物がプロピレングリコールを含むことで、液体組成物が乾燥して形成される乾燥膜におけるタック力を低下させることができるためである。
なお、液体組成物を付与する対象の一例である記録媒体が低吸収性である場合や液体組成物が付与された記録媒体の領域に接触する部材の表面が60℃以上100℃以下に加熱されている場合などにおいて、部材に対する液体組成物の付着が顕著になる。従って、特にそのような場合に液体組成物にプロピレングリコールを含ませることが好ましい。
本実施形態の液体組成物は、沸点が250℃以上の有機溶剤である有機溶剤Aを含む。有機溶剤Aを含むことで、多価金属塩の液体組成物に対する溶解性を向上させることができ、液体組成物中における多価金属塩の結晶化を抑制することができる。また、有機溶剤Aの沸点は、260℃以上であることが好ましく、270℃以下であることがより好ましく、280℃以上であることが更に好ましく、290℃以上であることが特に好ましい。また、また、有機溶剤Aの沸点は、350℃以下であることが好ましく、300℃以下であることがより好ましい。
本実施形態の液体組成物は、プロピレングリコール、及び沸点が250℃以上の有機溶剤である有機溶剤A以外に、その他の有機溶剤を含むことができる。その他の有機溶剤としては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物類、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水などの純水、超純水などが挙げられる。これらは1種単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。水の含有量としては、液体組成物の全量に対して、65質量%以下が好ましく、30質量%以上50質量%以下がより好ましい。水の含有量が65質量%以下であると、水が蒸発した際の液体組成物の粘度上昇、ゲル化、不溶物の析出などの発生を抑制しやすい。
界面活性剤は、液体組成物の表面張力を下げ、各種記録媒体への濡れ性を向上させ、液体組成物をムラなく塗布することができる効果を有する。界面活性剤は、液体組成物を適度に濡れやすくすることによって、各種記録媒体に対する浸透速度を速めることができる。
仮に液体組成物の浸透性が低い場合には記録媒体表面付近に液体組成物が多く溜まり、インク中の色材と当接した際に、色材が過剰に凝集し、ドット径の減少によるベタ画像の埋まり不足が発生することがある。また、記録媒体表面に色材が過剰に溜まることによって、定着性低下などの不具合が発生することもある。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましい。シリコーン系界面活性剤としては、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S−1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F−1)及び一般式(F−2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR、キャプストーンFS−30、FS−31、FS−3100、FS−34、FS−35(いずれも、Chemours社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN−403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、Chemours社製のFS−3100、FS−34、FS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN−403Nが特に好ましい。
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
液体組成物の物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
液体組成物の25℃での粘度は、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
液体組成物の表面張力としては、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
液体組成物のpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
キャストコート紙に対して、23℃、湿度65%の環境下において、0.12mg/cm2となるように液体組成物を付与してから80℃で15秒加熱したとき、液体組成物を付与した領域におけるタック力は50mN以下であることが好ましく、45mN以下であることがより好ましい。また、タック力は低いほど好ましいが、10mN以上としてもよい。タック力が50mN以下であることにより、液体組成物を記録媒体に付与した後であって、インクが付与されるまでの間において、液体組成物が付与された記録媒体の領域に部材が接触する場合であっても、その部材に液体組成物が付着することを抑制することができる。
インクは、記録媒体に対して液体組成物が付与された後に、液体組成物が付与された領域に対し、必要に応じて付与される。インクは、目的に応じて、有機溶剤、水、色材、樹脂、及び界面活性剤などのその他の成分を含む。なお、水、界面活性剤などのその他の成分については、液体組成物と同様のものを使用することができるので、その説明を省略する。
使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
多価アルコール類の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等が挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテル類としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
多価アルコールアリールエーテル類としては、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等が挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
アミド類としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド等が挙げられる。
アミン類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。
含硫黄化合物類としては、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等が挙げられる。
その他の有機溶剤としては、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
色材としては特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。また、顔料として、混晶を使用しても良い。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー9,45,249、C.I.アシッドブラック1,2,24,94、C.I.フードブラック1,2、C.I.ダイレクトイエロー1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック3,4,35が挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加することで、水中に分散可能とする方法が挙げられる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能とする方法が挙げられる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
分散剤として、竹本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
顔料分散体に対し、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
インク中に含有する樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いても良い。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
記録媒体としては、特に制限なく用いることができ、普通紙、光沢紙、特殊紙、布などを用いることもできるが、低浸透性基材(低吸収性記録媒体または低吸収性基材とも称する)に対して特に好適に用いることができる。
低浸透性基材とは、水透過性、吸収性、又は吸着性が低い表面を有する基材を意味し、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれる。低浸透性基材としては、商業印刷に用いられるコート紙や、古紙パルプを中層、裏層に配合して表面にコーティングを施した板紙のような記録媒体等が挙げられる。このように低浸透性の記録媒体を用いた場合、液体組成物を記録媒体に付与した後であって、インクが付与されるまでの間において、液体組成物が付与された記録媒体の領域にローラ等の部材が接触するとき、その部材に液体組成物が付着しやすくなる。そのため、低吸収性の記録媒体に対して本願の液体組成物を使用することで、部材に対する液体組成物の付着を抑制することができるので好ましい。
低浸透性基材としては、例えば、支持体と、支持体の少なくとも一方の面側に設けられた表面層と、を有し、更に必要に応じてその他の層を有するコート紙などの記録媒体が挙げられる。
支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、木材繊維主体の紙、木材繊維及び合成繊維を主体とした不織布のようなシート状物質などが挙げられる。
支持体の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50μm〜300μmが好ましい。 また、支持体の坪量は、45g/m2〜290g/m2が好ましい。
表面層は、顔料、バインダー(結着剤)を含有し、更に必要に応じて、界面活性剤、その他の成分を含有する。
顔料としては、無機顔料、もしくは無機顔料と有機顔料を併用したものを用いることができる。無機顔料としては、例えば、カオリン、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、非晶質シリカ、チタンホワイト、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、クロライトなどが挙げられる。無機顔料の添加量は、バインダー100質量部に対し50質量部以上が好ましい。
有機顔料としては、例えば、スチレン−アクリル共重合体粒子、スチレン−ブタジエン共重合体粒子、ポリスチレン粒子、ポリエチレン粒子等の水溶性ディスパージョンがある。有機顔料の添加量は、表面層の全顔料100質量部に対し2質量部〜20質量部が好ましい。
バインダーとしては、水性樹脂を使用することが好ましい。水性樹脂としては、水溶性樹脂及び水分散性樹脂の少なくともいずれかを好適に用いることができる。水溶性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アセタール変性ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエステルとポリウレタンなどが挙げられる。
表面層に必要に応じて含有される界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アニオン活性剤、カチオン活性剤、両性活性剤、非イオン活性剤のいずれも使用することができる。
表面層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、支持体上に表面層を構成する液を含浸又は塗布する方法により行うことができる。表面層を構成する液の付着量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、固形分で、0.5g/m2〜20g/m2が好ましく、1g/m2〜15g/m2がより好ましい。
画像形成方法は、上記の液体組成物を記録媒体に対して付与する液体組成物付与工程と、記録媒体の液体組成物が付与された領域にインクを付与するインク付与工程と、を有することが好ましい。
液体組成物を記録媒体に対して付与する方法としては、例えば、液体吐出方式、塗布方式などが挙げられる。
なお、加熱工程は、ロールヒーター、ドラムヒーター、温風などの公知の加熱手段により記録媒体を加熱して記録媒体に付与された液体組成物を乾燥させる工程であって、加熱手段による加熱温度は、60℃以上であることが好ましく、100℃以下であることが好ましい。
インクは、液体組成物が付与された後の記録媒体に付与される。また、インクは、記録媒体の液体組成物が付与された領域に対して付与される。
インクを記録媒体に対して付与する方法としては、インクジェット法、ブレードコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などが挙げられるが、インクジェット法が好ましい。
画像形成装置は、液体組成物が収容された液体組成物収容手段と、収容された液体組成物を記録媒体に対して付与する液体組成物付与手段と、液体組成物が付与された領域にインクを付与するインク付与手段と、を有することが好ましい。
図1に示す画像形成装置101は、インク付与手段の一例であって、インクを吐出するヘッドを集積した複数のヘッドユニット110K、110C、110M、110Yと、それぞれのヘッドユニットに対応し、ヘッドのメンテナンスを行う複数のメンテナンスユニット111K、111C、111M、111Yと、インク収容手段の一例であって、インクを収容し且つ供給する複数のインクカートリッジ107K、107C、107M、107Yと、インクカートリッジから供給されるインクの一部を貯蔵し、ヘッドに適切な圧力でインクを供給する複数のサブインクタンク108K、108C、108M、108Yと、を有する。
また、画像形成装置101は、記録媒体114を吸引ファン120によって吸着し搬送する搬送ベルト113と、搬送ベルト113を支える搬送ローラ119、121と、搬送ベルト113が適切な張力を保つようにコントロールするテンションローラ115と、搬送ベルト113が適切な平面性を保つためのプラテン124、及びプラテンローラー118と、記録媒体114を吸着するための静電帯電を与える帯電ローラ116と、記録媒体114を押さえる排紙コロ117と、排紙した記録媒体114をストックしておく排紙トレイ104を有する排紙機構と、画像形成する記録媒体114をストックする給紙トレイ103と、給紙トレイより一枚ずつ記録媒体114を送り出す分離パッド112、122と、送られてきた記録媒体114を帯電ベルトに確実に吸着させるカウンターローラ123と、手差しにて給紙した場合に用いられる手差しトレイ105と、を有する。
また、画像形成装置101は、メンテナンス後に排出される廃液を回収する廃液タンク109と、装置を操作し装置状態を表示することができる操作パネル106と、有する。
記録媒体114は、給紙トレイから分離コロにより一枚に分離され、加圧コロにて搬送ベルトに密着されることで搬送ベルト上に固定され、ヘッドユニット下を通過する際に液滴を吐出されることで、液滴により形成されるドットの集合体である画像を形成され、分離爪にて搬送ベルトから分離され、排紙ローラと排紙コロに支えられて排紙トレイに排出される。
何れの方式を用いても液体組成物を任意の位置に任意の量だけ塗布することができる。
攪拌装置、滴下装置、温度センサー及び上部に窒素導入装置を有する還流装置を取り付けた反応容器を備えた自動重合反応装置(轟産業社製:重合試験機DSL−2AS型)の反応容器に、メチルエチルケトンを550g仕込み、攪拌しながら反応容器内を窒素置換した。反応容器内を窒素雰囲気に保ちながら80℃に加温した後、滴下装置によりメタクリル酸−2−ヒドロキシエチルを75.0g、メタクリル酸を77.0g、スチレンを80.0g、メタクリル酸ブチルを150.0g、アクリル酸ブチルを98.0g、メタクリル酸メチルを20.0g及び「パーブチル(登録商標)O」(日本油脂社製)40.0gの混合溶液を4時間かけて滴下した。滴下終了後、更に同温度で15時間反応を継続させて、酸価100、重量平均分子量21,000、Tg(計算値)31℃のアニオン性基含有スチレン−アクリル系共重合体Aのメチルエチルケトン溶液を得た。反応終了後、メチルエチルケトンの一部を減圧留去し、不揮発分を50%に調整した共重合体A溶液を得た。
−顔料分散体1の調製−
冷却用ジャケットを備えた混合槽に、カーボンブラック(商品名:Raven1080、コロンビヤンカーボン日本株式会社製)を1,000g、共重合体A溶液を800g、10%水酸化ナトリウム水溶液を143g、メチルエチルケトンを100g、及び水を1,957g仕込み、撹拌混合した。混合液を、直径0.3mmのジルコニアビーズを充填した分散装置(三井鉱山株式会社製:SCミルSC100)に通し、循環方式(分散装置より出た分散液を混合槽に戻す方式)により6時間分散した。分散装置の回転数は2,700回転/分間とし、冷却用ジャケットには冷水を通して分散液温度が40℃以下に保たれるようにした。分散終了後、混合槽より分散原液を抜き取り、次いで、水10,000gで混合槽及び分散装置流路を洗浄し、分散原液と合わせて希釈分散液を得た。ガラス製蒸留装置に希釈分散液を入れ、メチルエチルケトンの全量と水の一部を留去した。室温まで冷却後、撹拌しながら10%塩酸を滴下してpH4.5に調整した後、固形分をヌッチェ式濾過装置(日本化学機械製造社製、加圧濾過機)で濾過、水洗した。ケーキを容器に取り、20%水酸化カリウム水溶液200gを加えた後、ディスパ(特殊機化工業株式会社製、TKホモディスパー)にて分散し、更に水を加えて不揮発分を調整して、不揮発分20質量%のカーボンブラックが水酸化カリウム中で中和されたカルボキシル基含有スチレン−アクリル系共重合体で被覆された複合粒子として水性媒体中に分散した顔料分散体1を得た。
−インク1の調製−
グリセリン(関東化学社製)22.0質量%、1,3−ブタンジオール(東京化成工業社製)11.0質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(東京化成工業社製)2.0質量%、界面活性剤(商品名:E1010、日信化学工業株式会社製)2.0質量%、2,4,7,9−テトラメチルデカン−4,7−ジオール1.1質量%、プロキセルLV(アビシア社製)0.1質量%、2−アミノ−2−エチル−1、3−プロパンジオール0.5質量%、及びイオン交換水を1時間撹拌し均一に混合し、ロジン変性マレイン酸樹脂(ハリマ化成社製:ハリマックR−100)2.0質量%を加えて更に1時間撹拌し均一に混合した後、顔料分散体1を固形分量が8.0質量%になるように加えて更に1時間撹拌し均一に混合した。この混合物を平均孔径が0.8μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにより加圧濾過し、粗大粒子やゴミを除去してインク1を得た。
得られたインク1の静的表面張力を、ウイルヘルミー型表面張力計CBVP−Z(協和界面科学株式会社製)を用い、23℃、55%RHの環境において測定したところ22mN/mであった。
インク1の調製において、下記表1の組成に変更した以外は、インク1の調製と同様にして、インク2を得た。また、インク1と同様に静的表面張力を測定したところ35mN/mであった。なお、表1における組成の各数字の単位は「質量%」である。
−液体組成物の調製−
グリセリン(関東化学社製)22.5質量%、プロピレングリコール(ADEKA社製)6.0質量%、硫酸マグネシウム・7水和物(昭和化学社製)22.5質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(東京化成工業社製)0.2質量%、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(商品名:エマルゲン103、花王株式会社製)0.1質量%、2-アミノ-2-エチル-1、3-プロパンジオール(東京化成工業社製)0.3質量%、プロキセルLV(アビシア社製)0.1質量%、ベンゾトリアゾール(城北化学工業社製)0.1質量%、及びイオン交換水を加えて合計を100質量%とし、1時間撹拌して均一に混合し、実施例1の液体組成物1を得た。
−液体組成物2〜16の調製−
液体組成物1の調製において、下記表2、3の組成に変更した以外は、液体組成物1の調整と同様にして、実施例2〜7の液体組成物2〜7、比較例1〜9の液体組成物8〜16を得た。なお、表2、3における組成の各数字の単位は「質量%」である。
また、液体組成物1と同様にして、実施例2〜7の液体組成物2〜7、比較例1〜9の液体組成物8〜16のタック力を測定した。結果を表2、3に示す。
なお、表2、3の各種計算結果は、硫酸マグネシウムのモル質量を120.37g/mol、硫酸マグネシウム・7水和物のモル質量を246.47g/molとして求めた。
・トリエチレングリコール(三協化学社製)
・エチレングリコール(三協化学社製)
・1,3−プロパンジオール(東京化成工業社製)
・1,2−ブタンジオール(東京化成工業社製)
上記実施例1〜7、比較例1〜9で作製した液体組成物1〜16の付着性を評価した。キャストコート紙であるエスプリ C157g/m2(日本製紙グループ社製)に対し、23℃、湿度65%の環境下において、バーコーターを用いて液体組成物を0.12mg/cm2付与し、その後80度で15秒加熱した。次に、キャストコート紙の液体組成物を付与した領域に対し、80℃のアルミニウム製の金属板を100kgf/m2で30秒間押圧しながら接触させた。その後、金属板に対する液体組成物の付着性を下記の評価基準に基づいて評価した。結果を表4に示す。評価がB以上である場合を実用可能であると評価した。
(評価基準)
A:付着なし
B:1つ付着あり
C:2つ以上付着あり
上記実施例1〜7、比較例1〜9で作製した液体組成物1〜16の結晶化を評価した。直径27mmの蓋なしのシャーレに、液体組成物を3.0g入れて、室温24℃、湿度44%の環境で結晶が発生するまで静置した。液体組成物の結晶化を下記の評価基準に基づいて評価した。結果を表4に示す。評価がB以上である場合を実用可能であると評価した。なお、「結晶が発生する」こととは、視認可能な結晶が発生することを示し、例えば、最長部の長さが0.1mm以上である結晶が発生することを示す。
(評価基準)
A:結晶が発生するまでの時間が200時間以上
B:結晶が発生するまでの時間が100時間以上、200時間未満
C:結晶が発生するまでの時間が100時間未満
上記作製したインク1〜2、及び実施例1〜7、比較例1〜9で作製した液体組成物1〜16を用いて形成した画像におけるビーディング性を評価した。まず、キャストコート紙であるエスプリ C157g/m2(日本製紙グループ社製)に対し、23℃、湿度65%の環境下において、バーコーターを用いて液体組成物を0.12mg/cm2付与した。次に、上記作製したインクをインクジェットプリンター(装置名:IPSiO GXe5500、株式会社リコー製)に充填し、記録媒体の液体組成物を付与した領域に対してベタ画像を印刷し、80℃で2分間加熱乾燥させた。ベタ画像の濃度ムラ(ビーディング)を光学顕微鏡で40倍に拡大して観察し、下記の評価基準に基づいて評価した。結果を表5に示す。評価がB以上である場合を実用上好ましいと評価した。
(評価基準)
A:ビーディングは観察されない
B:ビーディングが僅かに観察される
C:ビーディングがかなり観察される
107K、107C、107M、107Y インクカートリッジ
110K、110C、110M、110Y ヘッドユニット
114 記録媒体
130 塗布機構
135 液体組成物収容タンク
136 塗布ローラ
200 ローラ
Claims (13)
- 多価金属塩、プロピレングリコール、及び沸点が250℃以上の有機溶剤である有機溶剤A、を含有する液体組成物であって、
前記プロピレングリコールの含有量は、前記多価金属塩の含有量に対して、質量基準で0.50以上1.10以下であり、
前記有機溶剤Aの含有量は、前記多価金属塩の含有量に対して、質量基準で2.00以上4.30以下である液体組成物。 - 前記有機溶剤Aは、グリセリンである請求項1に記載の液体組成物。
- 前記多価金属塩の含有量は、前記液体組成物の全量に対して、5.5質量%以上14.0質量%以下である請求項1又は2に記載の液体組成物。
- 前記プロピレングリコールの含有量は、前記多価金属塩の含有量に対して、質量基準で0.56以上0.85以下である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液体組成物。
- 前記有機溶剤Aの含有量は、前記多価金属塩の含有量に対して、質量基準で3.00以上4.30以下である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液体組成物。
- 記録媒体に対してインクが付与される前に、前記記録媒体に対して付与される処理液であって、
前記液体組成物は、多価金属塩、プロピレングリコール、及び沸点が250℃以上の有機溶剤である有機溶剤A、を含有し、
前記プロピレングリコールの含有量は、前記多価金属塩の含有量に対して、質量基準で0.50以上1.10以下であり、
前記有機溶剤Aの含有量は、前記多価金属塩の含有量に対して、質量基準で2.00以上4.30以下である処理液。 - 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液体組成物を収容した液体組成物収容手段と、前記液体組成物を記録媒体に付与する液体組成物付与手段と、を有する液体組成物付与装置。
- 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液体組成物を収容した液体組成物収容手段と、前記液体組成物を記録媒体に付与する液体組成物付与手段と、前記記録媒体の前記液体組成物を付与された領域に対してインクを付与するインク付与手段と、を有する画像形成装置。
- 請求項8に記載の画像形成装置の前記記録媒体の搬送経路において、前記液体組成物付与手段が設けられた位置および前記インク付与手段が設けられた位置の間に、前記液体組成物を付与された領域に接触する部材を有する画像形成装置。
- 前記部材は、ローラである請求項9に記載の画像形成装置。
- 前記部材の表面温度は、60℃以上100℃以下である請求項9又は10に記載の画像形成装置。
- 前記記録媒体は、支持体と、前記支持体の少なくとも一方の面側に設けられた塗工層と、を有し、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の前記記録媒体への転移量が2ml/m2以上35ml/m2以下であり、かつ接触時間400msにおける純水の前記記録媒体への転移量が3ml/m2以上40ml/m2以下である請求項8乃至11のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液体組成物を記録媒体に付与する液体組成物付与工程と、インクを前記液体組成物が付与された領域に対して付与するインク付与工程と、を有する画像形成方法。
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