JP2021014516A - インク、インク収容容器、記録装置、及び記録方法 - Google Patents

インク、インク収容容器、記録装置、及び記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 インクにより形成される画像の耐擦過性を向上させる方法としては、例えば、インク中に樹脂を添加する方法が従来から知られている。しかしながら、樹脂を含有するインクを用いた場合であっても、階調記録法(グレースケールプリント)で印刷を行った際の中間階調で表される領域において画像が剥がれる耐擦過性(画像欠損性)の課題がある。【解決手段】 顔料、ウレタン樹脂、及びスチレンアクリル樹脂を含有するインクであって、前記インクの乾燥膜の破断点応力は、4.7N/mm2以上であるインク。【選択図】なし

Description

本発明は、インク、インク収容容器、記録装置、及び記録方法に関する。
インクジェット記録方式は、微細なノズルから少量のインク液滴を飛翔させて紙などの記録媒体に付着させて文字や画像を記録する方式であり、低騒音、プロセスが簡易、カラー化が容易であることから家庭用プリンターとして広く普及している。また、近年、インクジェット記録方式は、高速印刷可能である利点から、商用印刷用途や産業印刷用途としても使用されている。
これら用途に用いられるインクでは、画像品質、色相、彩度、光沢、耐擦過性、耐マーカー性などの向上が求められるが、特に耐擦過性の向上が強く求められる。インクにより形成される画像の耐擦過性を向上させる方法としては、例えば、インク中に樹脂を添加する方法が知られている。
特許文献1には、ポリウレタン樹脂と、スチレン−アクリル酸共重合体によって分散されてなるカーボンブラックを含有するインクジェット用インクが開示されている。
しかしながら、樹脂を含有するインクを用いた場合であっても、階調記録法(グレースケールプリント)で印刷を行った際の中間階調で表される領域において画像が剥がれる耐擦過性(画像欠損性)の課題がある。
請求項1に係る発明は、顔料、スチレンアクリル樹脂、及びウレタン樹脂を含有するインクであって、前記インクの乾燥膜の破断点応力は、4.7N/mm以上である。
本発明のインクは、階調記録法(グレースケールプリント)で印刷を行った際の中間階調で表される領域における画像欠損が抑制される優れた効果を奏する。
図1は、記録装置の一例を表す概略図である。 図2は、耐擦過性評価用冶具の一例を表す概略図である。 図3は、プレートの一例を表す概略図である。
以下、本発明の実施形態の一例について説明する。
<<インク>>
本実施形態のインクは、顔料、樹脂を含有し、必要に応じて、有機溶剤、水、界面活性剤等のその他の成分を含有することが好ましい。また、樹脂としては、ウレタン樹脂及びスチレンアクリル樹脂を含有し、必要に応じて、他の種類の樹脂を更に含有してもよい。
本実施形態のインクは、従来から知られている材料をインク中に添加するだけでは、十分な耐擦過性向上が望めない場合があることに関する知見に基づく。
十分な耐擦過性向上が望めない場合とは、特に限定されないが、一例として、インクの浸透性が低い低浸透性記録媒体に対して高速で階調記録法(グレースケールプリント)による印刷を行うような場合が挙げられる。低浸透性記録媒体への高速印刷では、インクが記録媒体内部に浸透しにくいため記録媒体表面に多く残り、また、印刷後に画像面への擦過が生じやすい高速搬送状態で記録媒体の巻き取りが発生する。そのため、インクにより形成される画像が巻き取り時等に欠損しないことを目的として、インクに要求される耐擦過性は高い。
また、十分な耐擦過性向上が望めない場合の別の例としては、階調記録法(グレースケールプリント)で印刷を行った場合が挙げられる。階調記録法(グレースケールプリント)で印刷を行った際の中間階調で表される領域は、多数のドットが合一して膜状になっているベタ画像部と異なり、ドット間に距離があるため、擦過の影響を受けやすい。そのため、インクにより形成される中間階調で表される画像が欠損しないことを目的として、インクに要求される耐擦過性は高い。
そして、耐擦過性を高めるために、具体的には、画像の力学特性の一例である破断点応力を制御できることが求められている。
インクを乾燥して得られる乾燥膜の23.5℃における破断点応力は、4.7N/mm以上であり、4.7N/mm以上6.0N/mm以下であることが好ましい。破断点応力が4.7N/mm以上であることで、インクにより形成される画像の耐久性が向上し、高い耐擦過性を示すようになる。なお、破断点応力を測定するために使用される乾燥膜は、インク8.0gを直径5cmのテフロンシャーレに入れて40℃の恒温槽内に12時間静置し、その後、120℃の恒温槽内で4時間乾燥させ、10mm×5mmの大きさに切り出すことで作製する。また、破断点応力は、一例として、以下の測定条件に従って測定されるが、同一の測定原理に基づいていれば他の測定条件に従ってもよい。
〔測定条件〕
・測定装置:卓上型精密万能試験機(オートグラフAGS−5kNX、株式会社島津製作所製)
・試験モード:シングル
・試験種類:引張
・ロードセル容量:50N
・制御動作:負荷
・コントロール:ストローク
・試験速度:50mm/分
・試験片形状:平板
・バッチ数:1
・サブバッチ数:1
破断点応力を上記範囲に調整する方法としては、特に限定されないが、例えば、後述する樹脂としてウレタン樹脂粒子及びスチレンアクリル樹脂粒子を用い、かつウレタン樹脂粒子として小粒径のものを選択することが挙げられる。小粒径のウレタン樹脂粒子が、ウレタン樹脂粒子より粒子径の大きい顔料やスチレンアクリル樹脂粒子の間の空間に入り込み各粒子間の密着性を向上させることで、乾燥膜の破断点応力が高い値を示し、耐擦過性を向上できる。また、ウレタン樹脂粒子のガラス転移温度Tgが−10℃以下であることで、顔料やスチレンアクリル樹脂粒子等の粒子間の密着性を向上させることができ、より乾燥膜の破断点応力が高い値を示し、耐擦過性を向上できる。
また、インク中において、ウレタン樹脂の含有量の顔料の含有量に対する質量比が0.55以上である場合においても、乾燥膜の破断点応力が高い値を示し、耐擦過性を向上できる。
このような、乾燥膜の破断点応力が高い値を示すインクを用いることで、特に、記録媒体としてインクの浸透性が低い低浸透性記録媒体に対して高速印刷を行うような場合などであっても、耐擦過性に優れた画像を得ることができる。
<樹脂>
本実施形態のインクは樹脂を含有する。樹脂としては、ウレタン樹脂及びスチレンアクリル樹脂を含有し、必要に応じて、他の種類の樹脂を更に含有してもよい。他の種類の樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、スチレン樹脂、ブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリルシリコーン樹脂などが挙げられる。
−ウレタン樹脂−
本実施形態のインクは、ウレタン樹脂を含有する。ウレタン樹脂は、乾燥したときに弾性が高いため、他の樹脂よりも画像の定着性に優れているので好ましい。ウレタン樹脂を含有し、破断点応力を上記範囲に調整することで、高速で搬送される記録媒体にインクを付与する場合においても、インクにより形成される画像の記録媒体に対する定着性が向上し、階調記録法(グレースケールプリント)で印刷を行った際の中間階調で表される領域において生じる画像剥がれ(画像欠損)を抑制することができる。なお、「高速で搬送される」場合とは、例えば、0.8m/秒以上の搬送速度である。また、「階調記録法(グレースケールプリント)で印刷を行った際の中間階調で表される領域」とは、例えば、階調記録法(グレースケールプリント)で印刷が行われた範囲内において、印刷面積に対して占めるインクドット面積の割合が40%以上90%以下の領域である。
ウレタン樹脂としては、適宣合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、スーパーフレックス420、スーパーフレックス420NS、スーパーフレックス460、スーパーフレックス460S、スーパーフレックス470、スーパーフレックス500M、スーパーフレックス650、スーパーフレックス740(第一工業製薬株式会社)、タケラックW6110(三井化学メムシー株式会社)などが挙げられる。
ウレタン樹脂のガラス転移温度Tgは、−10℃以下であることが好ましく、−30℃以上−10℃以下であることがより好ましい。ガラス転移温度Tgが−10℃以下であることで、顔料、スチレンアクリル樹脂粒子、及び記録媒体の間の密着性を向上させることができ、耐擦過性を向上させる。また、乾燥膜の破断点応力を上記の範囲に調整することが容易になる。
ウレタン樹脂は、樹脂エマルションであることが好ましい。樹脂エマルションとは、樹脂粒子が、水、インク等の水性媒体などに分散している状態を指し、樹脂粒子が固体、液体かは問わない。なお、水性媒体とは、水または親水性溶剤を成分として含むものを指す。
樹脂粒子を水中やインク等の水性媒体などに分散させる方法としては、分散剤を用いる強制乳化法や、アニオン性基を有する樹脂を使用する自己乳化法などが挙げられる。強制乳化法の場合、インクにより形成される画像に分散剤が残り、画像の強度を下げるおそれがあることから、自己乳化法を用いることが好ましい。
ウレタン樹脂を樹脂粒子として用いる場合、樹脂粒子の累積50%粒径(D50)は、10nm以上30nm以下であることが好ましい。10nm以上30nm以下のような小粒径のウレタン樹脂粒子をもちいることで、ウレタン樹脂粒子が、顔料、スチレンアクリル樹脂粒子、及び記録媒体の間の空間に入り込んで密着性を向上させることができ、耐擦過性を向上させる。また、乾燥膜の破断点応力を上記の範囲に調整することが容易になる。なお、累積50%粒径(D50)は、体積分布頻度が50%となる粒径であり、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
ウレタン樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、耐擦過性、インクの保存安定性、吐出安定性の点から、インク全量に対して、1.0質量%以上20.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下がより好ましく、2.0質量%以上6.0質量%以下が更に好ましい。
インク中において、ウレタン樹脂の含有量の顔料の含有量に対する質量比は、0.55以上であることが好ましく、0.55以上1.50以下であることがより好ましい。0.55以上であることで、階調記録法(グレースケールプリント)で印刷を行った際の中間階調で表される領域において生じる画像剥がれ(画像欠損)を抑制することができ、記録媒体の搬送速度が0.8m/秒以上の高速印刷である場合や、記録媒体が低浸透性記録媒体である場合であっても、画像剥がれ(画像欠損)を抑制することができる。また、乾燥膜の破断点応力を上記の範囲に調整することが容易になる。
−スチレンアクリル樹脂−
本実施形態のインクは、スチレンアクリル樹脂を含有する。スチレンアクリル樹脂は、インクの乾燥過程において溶解して膜形成し、インクにより形成される画像の耐擦過性を向上させる。スチレンアクリル樹脂を含有し、破断点応力を上記範囲に調整することで、高速で搬送される記録媒体にインクを付与する場合においても、インクにより形成される画像の記録媒体に対する定着性が向上し、階調記録法(グレースケールプリント)で印刷を行った際の中間階調で表される領域において生じる画像剥がれ(画像欠損)を抑制することができる。
スチレンアクリル樹脂としては、適宣合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、KE−1062、VS−1063、YS−1274(星光PMC株式会社)、FS−201(日本ペイント・インダストリアルコーティングス社)、7QX−095(大成ファインケミカル株式会社)、ACRYCOTE AF−2006、ACRYCOTE AF−7800、ACRYCOTE AF−7802、ACRYCOTE AF−362、ACRYCOTE AP−1010M、ACRYCOTE AP−2352、ACRYCOTE AP−1354(株式会社 APEC社)などが挙げられる。
スチレンアクリル樹脂のガラス転移温度Tgは、60℃以上120℃以下が好ましく、70℃以上110℃以下がより好ましい。ガラス転移温度Tgが60℃以上120℃以下であることで画像濃度が向上する。
スチレンアクリル樹脂は、樹脂エマルションであることが好ましい。樹脂エマルションとは、樹脂粒子が、水、インク等の水性媒体などに分散している状態を指し、樹脂粒子が固体、液体かは問わない。なお、水性媒体とは、水または親水性溶剤を成分として含むものを指す。
樹脂粒子を水中やインク等の水性媒体などに分散させる方法としては、分散剤を用いる強制乳化法や、アニオン性基を有する樹脂を使用する自己乳化法などが挙げられる。強制乳化法の場合、インクにより形成される画像に分散剤が残り、画像の強度を下げるおそれがあることから、自己乳化法を用いることが好ましい。
スチレンアクリル樹脂を樹脂粒子として用いる場合、樹脂粒子の累積50%粒径(D50)は、40nm以上150nm以下であることが好ましく、50nm以上140nm以下であることが好ましい。40nm以上150nm以下のスチレンアクリル樹脂を用いることで、インクの乾燥過程においてスチレンアクリル樹脂が溶解して膜形成しやすくなり、インクにより形成される画像の耐擦過性を向上させる。なお、累積50%粒径(D50)は、体積分布頻度が50%となる粒径であり、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
スチレンアクリル樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、耐擦過性、インクの保存安定性、吐出安定性の点から、インク全量に対して、1.0質量%以上20.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下がより好ましく、2.0質量%以上6.0質量%以下が更に好ましい。
インク中において、スチレンアクリル樹脂の含有量の顔料の含有量に対する質量比は、0.5以上1.5以下であることが好ましく、0.6以上1.2以下であることがより好ましい。0.5以上1.5以下であることで、階調記録法(グレースケールプリント)で印刷を行った際の中間階調で表される領域において生じる画像剥がれ(画像欠損)を抑制することができ、記録媒体の搬送速度が0.8m/秒以上の高速印刷である場合や、記録媒体が低浸透性記録媒体である場合であっても、画像剥がれ(画像欠損)を抑制することができる。また、乾燥膜の破断点応力を上記の範囲に調整することが容易になる。
インク中において、スチレンアクリル樹脂の含有量のウレタン樹脂の含有量に対する質量比は、0.5以上2.0以下であることが好ましく、0.8以上1.5以下であることがより好ましい。0.5以上2.0以下であることで、階調記録法(グレースケールプリント)で印刷を行った際の中間階調で表される領域において生じる画像剥がれ(画像欠損)を抑制することができ、記録媒体の搬送速度が0.8m/秒以上の高速印刷である場合や、記録媒体が低浸透性記録媒体である場合であっても、画像剥がれ(画像欠損)を抑制することができる。また、乾燥膜の破断点応力を上記の範囲に調整することが容易になる。
<顔料>
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。また、混晶を使用しても良い。具体的には、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。なお、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
なお、階調記録法(グレースケールプリント)で印刷を行った際の中間階調で表される領域において画像が剥がれる耐擦過性(画像欠損性)の課題は、カーボンブラックを用いた場合に顕著に生じる。従って、本実施形態のインク構成は、顔料としてカーボンブラックを含む場合に特に有効である。
顔料をインク中に分散させるためには、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して顔料を自己分散させる方法としては、例えば、顔料にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し、水中に分散させる方法である。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、例えば、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散させる方法である。これは、樹脂被覆顔料と言いかえることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、被覆されていない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、例えば、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等を使用することが可能である。竹本樹脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好滴に使用できる。分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
インク中における顔料の含有量は、インク全量に対して、1.0質量%以上10.0質量%以下が好ましく、4.0質量%以上、8.0質量%以下がより好ましい。含有量が上記範囲内であることで、階調記録法(グレースケールプリント)で印刷を行った際の中間階調で表される領域における画像剥がれを抑制することができる。
インク中における顔料の含有量、ウレタン樹脂の含有量、及びスチレンアクリル樹脂の含有量の和は、インクの全量に対して、10.0質量%以上20.0質量%以下であることが好ましく、15.0質量%以上17.0質量%以下であることがより好ましい。含有量の和が10.0質量%以上20.0質量%以下であることで、階調記録法(グレースケールプリント)で印刷を行った際の中間階調で表される領域における画像剥がれを抑制することができる。
インク中における顔料の累積50%粒径(D50)は、90nm以上120nm以下であることが好ましい。なお、累積50%粒径(D50)は、体積分布頻度が50%となる粒径であり、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
なお、顔料は、水や分散剤などと混合して顔料分散体とし、これを水や有機溶剤などの材料と混合することでインク製造に用いてもよい。
<有機溶剤>
有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物は、記録媒体として紙を用いた場合に、インクの浸透性を向上させることができる。
有機溶剤のインク中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、インク全量に対して、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<水>
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宣選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、インク全量に対して、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましい。シリコーン系界面活性剤としては、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S−1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
(但し、一般式(S−1)式中、m、n、a、及びbは、それぞれ独立に、整数を表わし、Rは、アルキレン基を表し、R’は、アルキル基を表す。)
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4〜16である化合物がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。 これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F−1)及び一般式(F−2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
上記一般式(F−1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0〜10の整数が好ましく、nは0〜40の整数が好ましい。
上記一般式(F−2)で表される化合物において、YはH、又はCmF2m+1でmは1〜6の整数、又はCHCH(OH)CH−CmF2m+1でmは4〜6の整数、又はCpH2p+1でpは1〜19の整数である。nは1〜6の整数である。aは4〜14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR、キャプストーンFS−30、FS−31、FS−3100、FS−34、FS−35(いずれも、Chemours社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN−403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS−3100、FS−34、FS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN−403Nが特に好ましい。
インク中における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
<消泡剤>
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
<防錆剤>
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
<pH調整剤>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
<インクの物性>
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
インク中の固形分の粒径については、特に制限はなく、目的に応じて適宣選択することができる。吐出安定性、画像濃度などの画像品質を高くする点から、インク中の固形分の粒径の最大頻度が最大個数換算で20nm以上1,000nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。固形分には樹脂粒子や顔料が含まれる。粒径は、粒度分析装置(ナノトラックWave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
<<記録媒体>>
記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、汎用印刷紙などが挙げられる。
特に、本実施形態において効果が得られる記録媒体としては、支持体と、支持体の少なくとも一方の面側に設けられた塗工層とを有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる記録媒体などが挙げられる。
支持体と塗工層を有する記録媒体においては、25℃において動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の記録媒体への転移量は、2mL/m以上35mL/m以下が好ましい。また、25℃において動的走査吸液計にて測定した接触時間400msにおける純水の記録媒体への転移量は、3mL/m以上40mL/m以下が好ましい。接触時間100ms及び400msにおける純水の記録媒体に対する転移量が上記範囲である記録媒体としては、例えば、インク吸収性が低いコート紙等の低浸透性記録媒体が挙げられる。そのため、これら記録媒体では、他の種類の記録媒体に比べて、耐擦過性の課題が生じやすく、より本実施形態のインクを適用する意義が大きい。なお、接触時間100ms及び400msにおける純水の記録媒体への転移量は、いずれも記録媒体の塗工層を有する側の面において測定することができる。
ここで、動的走査吸収液計(dynamic scanning absorptometer;DSA,紙パ技協誌、第48巻、1994年5月、第88頁〜92頁、空閑重則)は、極めて短時間における吸液量を正確に測定できる装置である。動的走査吸液計は、吸液の速度をキャピラリー中のメニスカスの移動から直読する、試料を円盤状とし、この上で吸液ヘッドをらせん状に走査する、予め設定したパターンに従って走査速度を自動的に変化させ、1枚の試料で必要な点の数だけ測定を行う、という方法によって測定を自動化したものである。
紙試料への液体供給を行う液体供給ヘッドはテフロン(登録商標)管を介してキャピラリーに接続され、キャピラリー中のメニスカスの位置は光学センサで自動的に読み取られる。具体的には、動的走査吸液計(K350シリーズD型、協和精工株式会社製)を用いて、純水又はインクの転移量を測定することができる。
接触時間100ms及び接触時間400msにおける転移量としては、それぞれの接触時間の近隣の接触時間における転移量の測定値から補間により求めることができる。
−支持体−
支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、木材繊維主体の紙、木材繊維及び合成繊維を主体とした不織布のようなシート状物質などが挙げられる。
支持体の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50μm〜300μmが好ましい。また、支持体の坪量は、45g/m〜290g/mが好ましい。
−塗工層−
塗工層は、顔料、バインダー(結着剤)を含有し、更に必要に応じて、界面活性剤、その他の成分を含有する。
顔料としては、無機顔料、もしくは無機顔料と有機顔料を併用したものを用いることができる。無機顔料としては、例えば、カオリン、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、非晶質シリカ、チタンホワイト、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、クロライトなどが挙げられる。無機顔料の添加量は、バインダー100質量部に対し50質量部以上が好ましい。
有機顔料としては、例えば、スチレン−アクリル共重合体粒子、スチレン−ブタジエン共重合体粒子、ポリスチレン粒子、ポリエチレン粒子等の水溶性ディスパージョンがある。有機顔料の添加量は、塗工層の全顔料100質量部に対し2質量部〜20質量部が好ましい。
バインダーとしては、水性樹脂を使用することが好ましい。水性樹脂としては、水溶性樹脂及び水分散性樹脂の少なくともいずれかを好適に用いることができる。水溶性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アセタール変性ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエステルとポリウレタンなどが挙げられる。
塗工層に必要に応じて含有される界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アニオン活性剤、カチオン活性剤、両性活性剤、非イオン活性剤のいずれも使用することができる。
塗工層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、支持体上に塗工層を構成する液を含浸又は塗布する方法により行うことができる。塗工層を構成する液の付着量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、固形分で、0.5g/m〜20g/mが好ましく、1g/m〜15g/mがより好ましい。
<<記録物>>
記録物は、記録媒体と、記録媒体上に付与された本実施形態のインクにより形成された印刷層と、を有する。印刷層は、本実施形態のインクが付与され、乾燥することで形成される層なので、上記のウレタン樹脂及びスチレンアクリル樹脂を含有することが好ましい。
<<インク収容容器>>
インク収容容器は、本実施形態のインクを収容するインク収容部を備え、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材を有してもよい。
インク収容容器は、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク収容部を有するもの、インクカートリッジ、大容量のインクタンクなどが好適である。
<<記録方法>>
記録方法は、インクを付与するインク付与工程を有し、必要に応じて、付与されたインクを乾燥させるための乾燥工程を有することが好ましい。なお、インク付与工程において、インクは記録媒体に対して付与されることが好ましい。
<インク付与工程>
インクを付与する方法としては、インクジェット法、ブレードコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などが挙げられるが、インクジェット法が好ましい。
<乾燥工程>
付与されたインクを乾燥させる乾燥工程としては、例えば、記録媒体等のインクが付与された面に直接高温の風を与える温風装置と、記録媒体のインクが付与された反対の面に熱を与える加熱装置と、が挙げられる。温風装置からは100℃以上140℃以下の風が20m/分で付与されることが好ましく、加熱装置からは100℃以上140℃以下の熱が付与されることが好ましい。なお、温風装置と、加熱装置の両方を同時に備えることがより好ましい。
<<記録装置>>
本実施形態のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。なお、記録装置とは、記録媒体に対してインクや前処理液等の各種処理液を吐出することが可能な装置である。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分(インク付与手段の一例)だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録装置は、加熱手段及び/又は乾燥手段を有しても良い。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印刷面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、記録装置は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
記録装置の一例について図1を参照して説明する。図1は、記録装置の一例を表す概略図である。記録装置1は、記録媒体10にインクを付与することで記録媒体10に画像を形成する装置である。記録装置1は、給紙手段11と、インクを付与する手段12と、乾燥手段13と、熱および圧力を加える手段14と、巻取り手段15と、を有する。記録媒体10は、ロール状に丸められて給紙手段11にセットされており、給紙手段11から給紙された記録媒体10を巻取り手段15で巻き取ることで搬送方向(図1の矢印16、及び矢印17で示す方向)に搬送される。インクを付与する手段12は、給紙手段11から矢印16の方向に給紙された記録媒体10に対してインクを付与して画像を形成する手段であり、シングルパス方式のインクジェットラインヘッドで構成されたヘッドユニットである。乾燥手段13は、記録媒体10のインクを付与されていない面に接触して加熱を行うヒートドラムであり、加熱温度は、例えば、100℃以上140℃以下に設定されている。熱および圧力を加える手段14は、記録媒体10上のインクを付与されて形成された画像と接触する手段であって、記録媒体10に熱および圧力を加える。加えられる圧力は、例えば、0.005kgf/cm以上0.015kgf/cm以下に設定されている。また、加えられる温度は、例えば、100℃以上140℃以下に設定されている。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
<顔料分散体の調製>
東海カーボン社製のカーボンブラック:シーストSP(SRF−LS)100gを、2.5g/Lの次亜塩素酸ナトリウム溶液3000mLに添加し、温度60℃、速度300rpmで攪拌し、10時間反応させて酸化処理を行い、カーボンブラックの表面にカルボン酸基が付与された顔料を得た。この反応液を濾過し、濾別したカーボンブラックを水酸化ナトリウム溶液で中和し、限外濾過を行った。
次いで、顔料分散体とイオン交換水を用いて透析膜による限外濾過を行い、更に、超音波分散を行って、顔料固形分を20質量%に濃縮した累積50%粒径(D50)が100nmのブラック顔料分散体を得た。
<ウレタン樹脂の準備>
ウレタン樹脂エマルションとして、以下の三種類を用いた。
・スーパーフレックス150(第一工業製薬社製、累積50%粒径(D50):30nm、ガラス転移温度Tg:40℃)
・スーパーフレックス150HS(第一工業製薬社製、累積50%粒径(D50):80nm、ガラス転移温度Tg:32℃)
・タケラックW−6110(三井化学株式会社製、累積50%粒径(D50):30nm、ガラス転移温度Tg:−10℃)
<スチレンアクリル樹脂の準備>
スチレンアクリル樹脂エマルションとして、以下の三種類を用いた。
・モビニール5450(日本合成化学社製、累積50%粒径(D50):50nm、ガラス転移温度Tg:80℃)
・モビニール6600(日本合成化学社製、累積50%粒径(D50):140nm、ガラス転移温度Tg:103℃)
・モビニール6969D(日本合成化学社製、累積50%粒径(D50):100nm、ガラス転移温度Tg:71℃)
<インクの調整>
(実施例1〜4、比較例1〜8)
表1に記載の処方の混合物を撹拌し、0.5μmポリプロピレンフィルターにて濾過することにより実施例1〜4、比較例1〜8のインクを作製した。なお、表1に記載の各数値の単位は「質量%」である。また、表1に記載の顔料分散体、ウレタン樹脂、及びスチレンアクリル樹脂に関する添加量の各数値は固形分量を表す。
なお、表1において、成分の商品名及び製造会社名については下記の通りである。
・フッ素系界面活性剤(FS−300、DuPont社製)
・防腐剤(プロキセルLV、ロンザジャパン社製)
[破断点応力の測定]
実施例1〜4、比較例1〜8のインクを用いて乾燥膜を作製し、その乾燥膜の23.5℃における破断点応力を測定した。破断点応力を測定するために使用される乾燥膜は、インク8.0gを直径5cmのテフロンシャーレに入れて40℃の恒温槽内に12時間静置し、その後、120℃の恒温槽内で4時間乾燥させ、10mm×5mmの大きさに切り出すことで作製した。また、破断点応力は、以下の測定条件に従って測定した。結果を表1に示す。
〔測定条件〕
・測定装置:卓上型精密万能試験機(オートグラフAGS−5kNX、株式会社島津製作所製)
・試験モード:シングル
・試験種類:引張
・ロードセル容量:50N
・制御動作:負荷
・コントロール:ストローク
・試験速度:50mm/分
・試験片形状:平板
・バッチ数:1
・サブバッチ数:1
[中間階調領域における耐擦過性評価]
上記実施例1〜4、比較例1〜8で作製したインクを用いて階調記録法(グレースケールプリント)で印刷を行った際の中間階調で表される領域における耐擦過性(画像欠損性)について評価した。
印刷には図1に示されるインクジェットプリンタを用い、Lumi Art Gross130g/m(コート紙、Stora Enso社製)の記録媒体にインクによる印刷を行った。なお、インクジェットプリンタの乾燥手段13における加熱温度は100℃であり、熱および圧力を加える手段14における加熱温度及び加えられる圧力はそれぞれ100℃、0.010kgf/cmであり、記録媒体の搬送速度は0.8m/秒であった。また、インクによる印刷は、階調記録法(グレースケールプリント)で実施し、具体的には、印刷面積に対して占めるインクドット面積の割合が75%になるように設定した。
乾燥させた記録媒体のインクを付与した面に対し、専用の冶具を接触させることで、中間階調領域における耐擦過性評価を行う。まず、専用の冶具である耐擦過性評価用冶具に関して、図2及び図3を用いて説明する。図2は、耐擦過性評価用冶具の一例を表す概略図である。図3は、耐擦過性評価用冶具の部分構成であるプレートの一例を表す概略図である。
図2に示す通り、耐擦過性評価用冶具20は、記録媒体に接するプレート21、平行移動装置に取り付ける固定部25を有する取付機構24、プレート21を取付機構24に固定させる固定板22と固定用ネジ23により構成されており、プレート21と記録媒体との接触角度αは23°に調整した。
また、図3に示す通り、プレート21の寸法は、Y1−Y2方向の長さbが25mm、Z1−Z2方向においてY2側の幅cが15mm、Z1−Z2方向においてY1側には、半径150mmの曲線部を有している。なお、図3では表示されてないが、プレートの厚さは0.5mmである。また、プレート21の材料はSUS420J2である。
上記冶具は、一定の移動速度、一定の荷重で評価するため、荷重変動型摩擦摩耗試験機(装置名:HHS2000、新東科学株式会社製)に取り付けられて、移動速度1.0m/秒、荷重300gの条件下で画像欠損性評価を行う。
画像欠損性の評価については、下記の評価基準に基づいて行った。結果を表1に示す。評価がB以上である場合を実用上好ましいと評価した。
〔評価基準〕
A:評価跡に画像欠損が発生しない
B:評価跡が黒くなっている(中間階調領域における画像を形成するインクが、画像を形成しない部分にまで伸び、摩擦摩耗試験を行った部分が行っていない部分に比べて黒く見える状態)
C:評価跡が白くなっている(中間階調領域における画像を形成するインクが削れ、記録媒体の色が見えている状態)
1 記録装置
10 記録媒体
11 給紙手段
12 インクを付与する手段
13 乾燥手段
14 熱および圧力を加える手段
15 巻取り手段
16 記録媒体の搬送方向
17 記録媒体の搬送方向
20 画像欠損性評価用冶具
21 プレート
22 固定板
23 固定用ネジ
24 取付機構
25 固定部
α 接触角度
a、b、c プレートの寸法
特開2012−214712号公報

Claims (12)

  1. 顔料、ウレタン樹脂、及びスチレンアクリル樹脂を含有するインクであって、
    前記インクの乾燥膜の破断点応力は、4.7N/mm以上であるインク。
  2. 前記ウレタン樹脂のガラス転移温度Tgは、−10℃以下である請求項1に記載のインク。
  3. 前記ウレタン樹脂の含有量の前記顔料の含有量に対する質量比は、0.55以上である請求項1又は2に記載のインク。
  4. 前記ウレタン樹脂は、樹脂粒子の状態で前記インク中に含有されている請求項1から3のいずれか一項に記載のインク。
  5. 前記ウレタン樹脂の累積50%粒径(D50)は、10nm以上30nm以下である請求項4に記載のインク。
  6. 前記スチレンアクリル樹脂は、樹脂粒子の状態で前記インク中に含有されている請求項1から5のいずれか一項に記載のインク。
  7. 前記ウレタン樹脂及び前記スチレンアクリル樹脂は、樹脂粒子の状態で前記インク中に含有されており、
    前記ウレタン樹脂の累積50%粒径(D50)は、前記顔料及び前記スチレンアクリル樹脂の累積50%粒径(D50)より小さい請求項1から6のいずれか一項に記載のインク。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載のインクが収容されたインク収容容器。
  9. 請求項8に記載のインク収容容器と、収容された前記インクを記録媒体に付与するインク付与手段と、を有する記録装置。
  10. 前記記録媒体は、支持体と、前記支持体の少なくとも一方の面側に設けられた塗工層と、を有し、動的走査吸液計により測定した接触時間100msにおける純水の前記塗工層への転移量が、2mL/m以上3.1mL/m以下であり、かつ前記接触時間400msにおける純水の前記塗工層への転移量が、3mL/m以上4.9mL/m以下である請求項9に記載の記録装置。
  11. 前記記録媒体の搬送速度は、0.8m/秒以上である請求項9又は10に記載の記録装置。
  12. 請求項1から7のいずれか一項に記載のインクを記録媒体に付与するインク付与工程を有する記録方法。
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