JP2018123235A - インクジェット用捺染インク、インクジェット記録装置、及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット用捺染インク、インクジェット記録装置、及びインクジェット記録方法 Download PDF

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【課題】吐出安定性が良好であり、得られる捺染物において高い摩擦堅牢性及び洗濯堅牢性を得ることができ、かつ引っ張り時にひび割れを防止することができるインクジェット用捺染インクの提供。【解決手段】水、顔料、有機溶剤、及びポリカーボネートウレタン樹脂粒子を含有するインクジェット用捺染インクであって、前記有機溶剤が、グリセリンを含み、前記グリセリンの含有量が、前記有機溶剤全量に対して30質量%以上であり、かつ、前記インクジェット用捺染インク全量に対して5質量%以上であり、前記ポリカーボネートウレタン樹脂粒子が、ガラス転移温度が−25℃以上5℃以下であり、皮膜伸度が400%以上600%以下であり、皮膜強度が50MPaより大きく、含有量が前記インクジェット用捺染インク全量に対して8質量%以上であるインクジェット用捺染インクである。【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット用捺染インク、インクジェット記録装置、及びインクジェット記録方法に関する。
近年、インクジェット用インク技術の多様化が進んでおり、布帛(ふはく)に捺染するインクジェット用捺染インクの検討が盛んである。
前記インクジェット用捺染インクは、紙やフィルム用インクジェットインクに求められる特性以外に、着心地や摩擦堅牢性、洗濯堅牢性などが求められる。
そこで、皮膜伸度が400%〜1,000%、抗張力20N/mm〜50N/mmを有する水分散性樹脂を用いた捺染インクジェット用インクが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、皮膜伸度が650%〜1,200%、抗張力15N/mm〜55N/mmを有する水分散性樹脂を用い、ブロックイソシアネート系化合物を架橋剤として用いる捺染インクジェット用インクが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、ガラス転移点が−35℃〜10℃のポリウレタン樹脂、及びSP値が10(cal/cm1/2〜15.5(cal/cm1/2のポリオールを用いる捺染インクジェット用インクが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
またさらに、皮膜伸度が400%〜1,000%であり、かつ皮膜強度が20N/mm〜50N/mmである水分散性樹脂と皮膜伸度が100%〜400%である樹脂を含むオーバーコート剤との組合せである捺染インクジェット用インクセットが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
また、2−ピロリドン系溶剤を含むインクジェット捺染用のインクが提案されている(例えば、特許文献5参照)。
しかしながら、上記従来技術では、上記課題を解決するに至っていない。
そこで、本発明は、吐出安定性が良好であり、得られる捺染物において高い摩擦堅牢性及び洗濯堅牢性を得ることができ、かつ引っ張り時にひび割れを防止することができるインクジェット用捺染インクを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明のインクジェット用捺染インクは、水、顔料、有機溶剤、及びポリカーボネートウレタン樹脂粒子を含有するインクジェット用捺染インクであって、前記有機溶剤が、グリセリンを含み、前記グリセリンの含有量が、前記有機溶剤全量に対して30質量%以上であり、かつ、前記インクジェット用捺染インク全量に対して5質量%以上であり、前記ポリカーボネートウレタン樹脂粒子が、ガラス転移温度が−25℃以上5℃以下であり、皮膜伸度が400%以上600%以下であり、皮膜強度が50MPaより大きく、含有量が前記インクジェット用捺染インク全量に対して8質量%以上である。
本発明によると、吐出安定性が良好であり、得られる捺染物において高い摩擦堅牢性及び洗濯堅牢性を得ることができ、かつ引っ張り時にひび割れを防止することができるインクジェット用捺染インクを提供することができる。
図1は、シリアル型画像形成装置の一例を示す斜視説明図である。 図2は、図1の装置のメインタンクの一例を示す斜視説明図である。
(インクジェット用捺染インク)
本発明のインクジェット用捺染インク(以下、「インク」とも称することがある)は、水、顔料、有機溶剤、及びポリカーボネートウレタン樹脂粒子を含有するインクジェット用捺染インクであって、前記有機溶剤が、グリセリンを含み、前記グリセリンの含有量が、前記有機溶剤全量に対して30質量%以上であり、かつ、前記インクジェット用捺染インク全量に対して5質量%以上であり、前記ポリカーボネートウレタン樹脂粒子が、ガラス転移温度が−25℃以上5℃以下であり、皮膜伸度が400%以上600%以下であり、皮膜強度が50MPaより大きく、含有量が前記インクジェット用捺染インク全量に対して8質量%以上であり、更に必要に応じてその他の成分を含む。
本発明のインクジェット用捺染インクは、従来の皮膜伸度が400%〜1,000%、抗張力20N/mm〜50N/mmを有する水分散性樹脂を用いた捺染インクジェット用インクでは、前処理を行なわない場合には堅牢性が不十分であるという問題があり、皮膜伸度が650%〜1,200%、抗張力15N/mm〜55N/mmを有する水分散性樹脂を用い、ブロックイソシアネート系化合物を架橋剤として用いる捺染インクジェット用インクでは、架橋剤を添加するため、保管、及び運搬に温度管理に注意が必要であり、印刷中のインクの吐出安定性は不十分であるという問題があるという知見に基づくものである。
また、本発明のインクジェット用捺染インクは、従来のガラス転移点が−35℃〜10℃のポリウレタン樹脂、及びSP値が10(cal/cm1/2〜15.5(cal/cm1/2のポリオールを用いる捺染インクジェット用インクでは、前処理を行なわない場合には堅牢性が不十分であるという問題があり、皮膜伸度が400%〜1,000%であり、かつ皮膜強度が20N/mm〜50N/mmである水分散性樹脂と皮膜伸度が100%〜400%である樹脂を含むオーバーコート剤との組合せである捺染インクジェット用インクセットでは、オーバーコートの塗布が必要になり装置の大型化、操作の手順の増加が生じるという問題があるという知見に基づくものである。
さらに、本発明のインクジェット用捺染インクは、従来の2−ピロリドン系溶剤を含むインクジェット捺染用のインクでは、洗濯堅牢性及び摩擦堅牢性が不十分であるという問題があるという知見に基づくものである。
以下、インクに用いる有機溶剤、水、色材、樹脂、添加剤等について説明する。
<有機溶剤>
前記有機溶剤としては、グリセリンを含み、更に必要に応じてその他の有機溶剤を含む。
前記グリセリンは、水溶性有機溶剤の中でも比較的水との親和性が高く、水分の蒸発を抑制する効果が高い。また、比較的粘度が高いため、粘度調整にも有用である。
前記有機溶剤全量に対するグリセリンの含有量としては、30質量%以上であり、インクジェット用捺染インク全体の粘度の抑制、ノズル近傍における乾燥時の粘度上昇を抑制する点から、40質量%以上が好ましく、布帛に浸透後の乾燥性を向上させるために、95質量%以下が好ましい。
前記インクジェット用捺染インク全量に対するグリセリンの含有量としては、5質量%以上であり、6質量%以上が好ましく、インクジェット用捺染インク全体の粘度の抑制、ノズル近傍における乾燥時の粘度上昇を抑制する点から、30質量%以下が好ましい。前記インクジェット用捺染インク全量に対する含有量が、5質量%以上であると、ノズル近傍における乾燥抑制を向上できる。
本発明に使用する他の有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
他の水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
有機溶剤のインク中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<樹脂粒子>
前記樹脂粒子としては、ポリカーボネートウレタン樹脂粒子を含み、更に必要に応じてその他の樹脂粒子として第二の樹脂粒子を含む。
<<ポリカーボネートウレタン樹脂粒子>>
前記ポリカーボネートウレタン樹脂粒子は、耐摩耗性を向上できる。
前記ポリカーボネートウレタン樹脂粒子以外の樹脂粒子を用いた場合、捺染物の摩擦堅牢性が低くなりやすくなり本発明の効果を得ることができない。
前記ポリカーボネートウレタン樹脂粒子のガラス転移温度としては、−25℃以上5℃以下であり、−20℃以上5℃以下が好ましく、−20℃以上0℃以下がより好ましい。前記ガラス転移温度が、−25℃以上であると、繊維に対する浸透性が抑制され、にじみを抑制することができ、5℃以下であると、繊維に対して馴染みやすく、繊維の被覆率を高くすることができる。前記ガラス転移温度は、例えば、示差走査熱量測定装置(株式会社島津製作所製、DSC−60A)を用いて測定することができる。
前記ポリカーボネートウレタン樹脂粒子の皮膜伸度としては、400%以上600%以下であり、450%以上600%以下が好ましく、450%以上580%以下がより好ましい。前記皮膜伸度が、400%以上であると、特にTシャツなどの着衣に用いた場合に布帛の伸縮に対応しやすく、堅牢性が高くすることができ、600%以下であると、捺染インクの過剰な伸び、たるみを抑制し、自然な風合いを維持することができる。
前記ポリカーボネートウレタン樹脂粒子の皮膜強度としては、50MPaより大きく、52MPa以上58MPa以下がより好ましい。前記皮膜強度が、50MPaより大きいと、摩擦堅牢性、及び洗濯堅牢性を向上できる。
前記皮膜伸度、及び前記皮膜伸度は、以下のようにして測定することができる。
乾燥後の平均膜厚が500μmになるように、ポリテトラフルオロエチレンシート上にポリカーボネートウレタン樹脂粒子を塗布し、常温(25℃)で15時間乾燥し、さらに80℃で6時間乾燥後、120℃で20分間乾燥した後、ポリテトラフルオロエチレンシートから剥離して、水分散性樹脂フィルムを得る。
テンシロン万能試験機(装置名:RTC−1225A、株式会社オリエンテック製)を用いて、測定温度が20℃、測定スピードが200mm/minにて、得られた水分散性樹脂フィルムの皮膜伸度、及び皮膜強度を測定する。
なお、樹脂フィルムが破断するまでに伸長する長さを測定し、もとの長さに対するその割合をパーセントで表した値を皮膜伸度とする。皮膜強度は破断時の強度とする。
前記ポリカーボネートウレタン樹脂粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、市販品を使用することができる。前記市販品としては、例えば、商品名:タケラックW−6110(三井化学株式会社製、ガラス転移温度:−20℃、皮膜伸度:550、皮膜強度:55MPa、固形分濃度:31質量%)などが挙げられる。
前記ポリカーボネートウレタン樹脂粒子の含有量としては、インクジェット用捺染インク全量に対して、8質量%以上であり、9質量%以上が好ましく、20質量%以下がより好ましい。前記含有量が、8質量%以上であると、繊維に対して十分な厚さを得ることができるため堅牢性を向上できる。繊維にポリカーボネートウレタン樹脂粒子が適度に浸透、及び被覆することにより、風合いや堅牢度を向上できる。
<<第二の樹脂粒子>>
インク中に含有する樹脂粒子の種類としては、本発明のポリカーボネートウレタン樹脂粒子の他に、目的に応じて、第二の樹脂粒子を適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いても良い。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な定着性、高い画像硬度を得る点から、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着性、インクの保存安定性の点から、インク全量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
インク中の固形分の粒径については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、吐出安定性、画像濃度などの画像品質を高くする点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上1000nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。固形分は樹脂粒子や顔料の粒子等が含まれる。粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
[質量比(グリセリン/ポリカーボネートウレタン樹脂粒子)]
前記グリセリンの含有量(質量%)と、前記ポリカーボネートウレタン樹脂粒子の含有量(質量%)との質量比(グリセリン/ポリカーボネートウレタン樹脂粒子)としては、0.8以上2.5以下が好ましく、1.0以上2.5以下がより好ましく、1.0以上1.5以下が特に好ましい。前記質量比(グリセリン/ポリカーボネートウレタン樹脂粒子)が、0.8以上2.5以下であると、堅牢性を向上できる。また、繊維に対する浸透性、及び接着性のバランスを向上できると考えられる。
<水>
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましい。
<色材>
色材としては特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。また、混晶を使用しても良い。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
前記顔料としては、樹脂に被覆されていることが好ましい。前記顔料が、樹脂に被覆されていることにより、摩擦堅牢性、及び洗濯堅牢性を向上でき、特に選択堅牢性に対して有効である。また、顔料が樹脂被覆されることによりポリカーボネートウレタン樹脂粒子との親和性が高くなり、繊維上での保持性を高くすることができる。
インク中の色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
顔料を分散してインクを得るためには、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加することで、水中に分散可能とする方法が挙げられる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能とする方法が挙げられる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<顔料分散体>
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
<添加剤>
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S−1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
一般式(S−1)
(但し、一般式(S−1)式中、m、n、a、及びbは、それぞれ独立に、整数を表わし、Rは、アルキレン基を表し、R’は、アルキル基を表す。)
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4〜16である化合物がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F−1)及び一般式(F−2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
一般式(F−1)
上記一般式(F−1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0〜10の整数が好ましく、nは0〜40の整数が好ましい。
一般式(F−2)
2n+1−CHCH(OH)CH−O−(CHCHO)−Y
上記一般式(F−2)で表される化合物において、YはH、又はCnF2n+1でnは1〜6の整数、又はCHCH(OH)CH−CnF2n+1でnは4〜6の整数、又はCpH2p+1でpは1〜19の整数である。aは4〜14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR、キャプストーンFS−30、FS−31、FS−3100、FS−34、FS−35(いずれも、Chemours社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN−403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS−3100、FS−34、FS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN−403Nが特に好ましい。
インク中における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
<消泡剤>
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
<防錆剤>
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
<pH調整剤>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
<前処理液>
前処理液は、凝集剤、有機溶剤、水を含有し、必要に応じて界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等を含有しても良い。
有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤は、インクに用いる材料と同様の材料を使用でき、その他、公知の処理液に用いられる材料を使用できる。
凝集剤の種類は特に限定されず、水溶性カチオンポリマー、酸、多価金属塩等が挙げられる。
<後処理液>
後処理液は、透明な層を形成することが可能であれば、特に限定されない。後処理液は、有機溶剤、水、樹脂、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等、必要に応じて選択し、混合して得られる。また、後処理液は、記録媒体に形成された記録領域の全域に塗布しても良いし、インク像が形成された領域のみに塗布しても良い。
<記録媒体>
前記記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、布帛などが挙げられる。
前記布帛としては、例えば、綿、ポリエステル、及び綿と化学繊維の混紡、ナイロン、ポリアミド系繊維、絹、羊毛により製造された織物、網物、不織布などが挙げられる。
(インクジェット記録装置、及びインクジェット記録方法)
本発明のインクジェット記録装置は、水、顔料、有機溶剤、及びポリカーボネートウレタン樹脂粒子を含有するインクジェット用捺染インクと、前記インクジェット用捺染インクを吐出するインク吐出部とを有するインクジェット記録装置であって、前記有機溶剤が、グリセリンを含み、前記グリセリンの含有量が、前記有機溶剤全量に対して30質量%以上であり、かつ、前記インクジェット用捺染インク全量に対して5質量%以上であり、前記ポリカーボネートウレタン樹脂粒子が、ガラス転移温度が−25℃以上5℃以下であり、皮膜伸度が400%以上600%以下であり、皮膜強度が50MPaより大きく、含有量が前記インクジェット用捺染インク全量に対して8質量%以上であり、更に必要に応じてその他の手段を有する。
本発明のインクジェット記録方法は、水、顔料、有機溶剤、及びポリカーボネートウレタン樹脂粒子を含有するインクジェット用捺染インクをインク吐出部から吐出する吐出工程を含むインクジェット記録方法であって、前記有機溶剤が、グリセリンを含み、前記グリセリンの含有量が、前記有機溶剤全量に対して30質量%以上であり、かつ、前記インクジェット用捺染インク全量に対して5質量%以上であり、前記ポリカーボネートウレタン樹脂粒子が、ガラス転移温度が−25℃以上5℃以下であり、皮膜伸度が400%以上600%以下であり、皮膜強度が50MPaより大きく、含有量が前記インクジェット用捺染インク全量に対して8質量%以上であり、更に必要に応じてその他の工程を含む。
前記インクジェット用捺染インクとしては、本発明のインクジェット用捺染インクと同様のものを用いることができる。
前記インクジェット記録方法は、前記インクジェット記録装置により好適に実施することができる。
前記インクジェット記録装置としては、前処理装置を有さないことが好ましい。
前記インクジェット記録方法としては、前処理工程を含まないことが好ましい。
<<インク吐出部、及びインク吐出工程>>
前記インク吐出部は、インクジェット用捺染インクを吐出する部材である。
前記インク吐出工程は、インクジェット用捺染インクを吐出する工程である。
前記インク吐出工程は、前記インク吐出部により好適に実施することができる。
前記インク吐出部は、インクに、刺激を印加し、前記インクを吐出させることが好ましい。
前記インク吐出工程は、インクに、刺激を印加し、前記インクを吐出させることが好ましい。
前記刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱(温度)、圧力、振動、光、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適に挙げられる。
前記インクの吐出の態様としては、例えば、インク流路内の前記インクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる、いわゆるピエゾ方式(例えば、特公平2−51734号公報参照);発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させる、いわゆるサーマル方式(例えば、特公昭61−59911号公報参照);インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、前記振動板と前記電極との間に発生させる静電力によって前記振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電方式(例えば、特開平6−71882号公報参照)などが挙げられる。
前記インクの液滴は、その大きさとしては、例えば、3pL以上40pL以下が好ましく、その吐出噴射の速さとしては、5m/s以上20m/s以下が好ましく、その駆動周波数としては、1kHz以上が好ましく、その解像度としては、300dpi以上が好ましい。
<記録装置、記録方法>
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、インクジェット記録装置(インクジェット捺印装置)などに好適に使用することができる。
本発明において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録装置、記録方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有しても良い。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、記録装置、記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
記録装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
この記録装置には、インクを吐出する部分だけでなく、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができるが、本発明のインクを用いれば前処理装置がなくても摩擦堅牢性、選択堅牢性を得ることができる。
前処理装置、後処理装置の一態様として、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)などのインクの場合と同様に、前処理液や、後処理液を有する液体収容部と液体吐出ヘッドを追加し、前処理液や、後処理液をインクジェット記録方式で吐出する態様がある。
前処理装置、後処理装置の他の態様として、インクジェット記録方式以外の、例えば、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法による前処理装置、後処理装置を設ける態様がある。
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
なお、樹脂粒子のガラス転移温度、皮膜伸度、及び皮膜強度は、以下のようにして測定した。
(ガラス転移温度)
前記ガラス転移温度は、示差走査熱量測定装置(株式会社島津製作所製、DSC−60A)を用いて測定した。
(皮膜伸度、及び皮膜強度)
乾燥後の平均膜厚が500μmになるように、ポリテトラフルオロエチレンシート上に水分散性樹脂粒子(樹脂粒子)を塗布し、常温(25℃)で15時間乾燥し、さらに80℃で6時間乾燥後、120℃で20分間乾燥した後、ポリテトラフルオロエチレンシートから剥離して、水分散性樹脂フィルムを得た。
テンシロン万能試験機(装置名:RTC−1225A、株式会社オリエンテック製)を用いて、測定温度が20℃、測定スピードが200mm/minにて、得られた水分散性樹脂フィルムの皮膜伸度、及び皮膜強度を測定した。
なお、樹脂フィルムが破断するまでに伸長する長さを測定し、もとの長さに対するその割合をパーセントで表した値を皮膜伸度とした。皮膜強度は破断時の強度とした。
(顔料分散体の調製例)
<界面活性剤分散型顔料分散体の調製>
カーボンブラック顔料(商品名:Monarch800、キャボット社製)15質量部、アニオン性界面活性剤(商品名:パイオニンA−51−B、竹本油脂株式会社製)2質量部、及びイオン交換水83質量部をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社KDL型、メディア:直径0.3mmジルコニアボール使用)で7時間循環分散して固形分濃度が15質量%であるブラック顔料分散液を得た。
(樹脂部分被覆型顔料分散体の調製例)
<樹脂部分被覆型顔料分散体の調製>
まず、ポリマー溶液の調製として、機械式撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lフラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー(東亜合成株式会社製、商品名:AS−6)4.0g、及びメルカプトエタノール0.4gを仕込み、65℃に昇温した。次にスチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスジメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。
滴下終了後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に、1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内に、メチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50質量%のポリマー溶液800gを得た。次にポリマー溶液の一部を乾燥し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(標準:ポリスチレン、溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したところ、質量平均分子量は15,000であった。
得られたポリマー溶液28g、カーボンブラック(商品名:Monarch800、キャボット社製)26g、1mol/L水酸化カリウム溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及びイオン交換水30gを十分に撹拌した。その後、3本ロールミル(株式会社ノリタケカンパニー製、商品名:NR−84A)を用いて20回混練した。得られたペーストをイオン交換水200gに投入し、十分に撹拌した後、エバポレーターを用いてメチルエチルケトン、及び水を留去し、黒色の樹脂部分被覆型顔料分散体160gを得た。そして、最後に、この樹脂部分被覆型顔料分散体を平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターを用いてろ過し、フィルターでろ過した後、40℃にて樹脂部分被覆型顔料分散体の水分を蒸発させ、顔料濃度が18.0質量%になるように調整し、樹脂部分被覆型顔料分散体を得た。得られた樹脂部分被覆型顔料分散体5μL中に存在する粗大粒子数をAccuSizer780(Particle Sizing Systems社製)により測定したところ、粒子径0.5μm以上の粗大粒子数が1.3×10個、1.0μm以上の粗大粒子数が8.9×10個であった。樹脂で部分被覆されたカーボンブラックにおける樹脂の含有率は、35質量%であった。
(実施例1)
界面活性剤分散型顔料分散体7.00質量%、ポリカーボネートウレタン樹脂粒子(商品名:タケラックW−6110、三井化学株式会社製、ガラス転移温度:−20℃、皮膜伸度:550%、皮膜強度:55MPa、固形分濃度:31質量%)8.00質量%、グリセリン(日油株式会社製)7.00質量%、3−メチル−1,3−ブタンジオール(株式会社クラレ製)14.00質量%、防腐剤としてProxcel GXL(ロンザジャパン株式会社製)0.05質量%、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール(東京化成工業株式会社製)2.00質量%、界面活性剤として商品名:ゾニールFS−300(DuPont社製)0.50質量%、及び純水を合計が100質量%となるように残量を添加混合し、30分間撹拌して、インクジェット用捺染インクを得た。
(実施例2〜5及び比較例1〜9)
実施例1において、組成を下記表1〜3に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、インクジェット用捺染インクを得た。
次に、以下のようにして、「洗濯堅牢性」、「摩擦堅牢性」、「引っ張り時のひび割れ」、及び「吐出安定性」を評価した。結果を下記表1〜3に示す。
[捺染物の作製]
布帛として綿100%の白色Tシャツ(商品名:ヘビーウェイト無地Tシャツ5.6oz、トムス株式会社製)を用いて、テキスタイルプリンタ(装置名:MMP813BT、マスターマインド社製)にインクを導入し、インクジェット用捺染インクで印刷を行った。印刷条件は1,440dpi×720dpi、80mm×80mmのベタ印刷とした。印刷した布帛は160℃にて1分間の熱処理を行い、乾燥させ、捺染物を得た。
(洗濯堅牢性)
JIS L0844に基づいて、全自動洗濯機(装置名:ASW−45A1型、三洋電機株式会社製)を用いて、各捺染物を10回洗濯し、変退色グレースケールを用いて、退色の度合いを目視にて確認し、下記評価基準に基づいて、「洗濯堅牢性」を評価した。
−評価基準−
A:5級
B:4級以上5級未満
C:3級以上4級未満
D:3級未満
(摩擦堅牢性)
JIS L0849に規定の方法に従い、I型試験機を用いて試験を行った。乾摩擦は
JIS L0849に規定される乾燥試験、湿摩擦はJIS L0849に規定される湿
潤試験に則って試験し、汚染グレースケールを用いて汚染の度合いを目視にて確認し、下記評価基準に基づいて、「摩擦堅牢性」を評価した。
A:4級以上5級以下
B:3級以上4級未満
C:2級以上3級未満
D:2級未満
(引っ張り時のひび割れ)
捺染物を上下左右に手で引っ張ったときのひび割れ発生の有無を目視にて確認し、下記評価基準に基づいて、「引っ張り時のひび割れ」を評価した。
−評価基準−
A:ひび割れが発生しない
B:若干ひび割れが発生する
C:明らかにひび割れが発生する。
(吐出安定性)
前記捺染物の作製にて、印刷条件は1,440dpi×720dpi、180mm×200mmの50%グレーベタ印刷として、連続して10枚のTシャツ(捺染物)を印刷した。10枚を印刷する間に発生したノズル詰まりの回数をカウントした。
なお、前記表1〜3において、成分の商品名、及び製造会社名については下記の通りである。また、前記表1〜3中の樹脂粒子の含有量は、固形分換算値である。
・タケラックW−6110:三井化学株式会社製、ガラス転移温度:−20℃、皮膜伸度:550%、皮膜強度:55MPa、固形分濃度:31質量%
・タケラックWS−6021:三井化学株式会社製、ガラス転移温度:−60℃、皮膜伸度:750%、皮膜強度:50MPa、固形分濃度:30質量%
・ス−パーフレックス460:第一工業製薬株式会社製、ガラス転移温度:−21℃、皮膜伸度:750%、皮膜強度:25MPa、固形分濃度:38質量%
・ス−パーフレックス460S:第一工業製薬株式会社製、ガラス転移温度:−25℃、皮膜伸度:900%、皮膜強度:30MPa、固形分濃度:38質量%
・ス−パーフレックス470:第一工業製薬株式会社製、ガラス転移温度:−31℃、皮膜伸度:640%、皮膜強度:40MPa、固形分濃度:38質量%
・ス−パーフレックス150:第一工業製薬株式会社製、ガラス転移温度:40℃、皮膜伸度:330%、皮膜強度:45MPa、固形分濃度:30質量%
・ス−パーフレックス840:第一工業製薬株式会社製、ガラス転移温度:5℃、皮膜伸度:690%、皮膜強度:40MPa、固形分濃度:27質量%
・ボンタイターHUX−380:株式会社ADEKA製、ガラス転移温度:−5℃〜−35℃、皮膜伸度:500%、皮膜強度38MPa、固形分濃度:38質量%
・グリセリン:日油株式会社製
・3−メチル−1,3−ブタンジオール:株式会社クラレ製
・Proxcel GXL:ロンザジャパン株式会社製
・2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール:東京化成工業株式会社製
・ゾニールFS−300:DuPont社製
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 水、顔料、有機溶剤、及びポリカーボネートウレタン樹脂粒子を含有するインクジェット用捺染インクであって、
前記有機溶剤が、グリセリンを含み、
前記グリセリンの含有量が、前記有機溶剤全量に対して30質量%以上であり、かつ、前記インクジェット用捺染インク全量に対して5質量%以上であり、
前記ポリカーボネートウレタン樹脂粒子が、ガラス転移温度が−25℃以上5℃以下であり、皮膜伸度が400%以上600%以下であり、皮膜強度が50MPaより大きく、含有量が前記インクジェット用捺染インク全量に対して8質量%以上であることを特徴とするインクジェット用捺染インクである。
<2> 前記顔料が、樹脂により被覆されている前記<1>に記載のインクジェット用捺染インクである。
<3> 前記ポリカーボネートウレタン樹脂粒子の皮膜強度が、52MPa以上58MPa以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載のインクジェット用捺染インクである。
<4> 前記グリセリンの含有量(質量%)と、前記ポリカーボネートウレタン樹脂粒子の含有量(質量%)との質量比(グリセリン/ポリカーボネートウレタン樹脂粒子)が、1.0以上2.5以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載のインクジェット用捺染インクである。
<5> 前記質量比(グリセリン/ポリカーボネートウレタン樹脂粒子)が、1.0以上1.5以下である前記<4>に記載のインクジェット用捺染インクである。
<6> 前記グリセリンの含有量が、有機溶剤全量に対して95質量%以下である前記<1>から<5>のいずれかに記載のインクジェット用捺染インクである。
<7> 前記グリセリンの含有量が、有機溶剤全量に対して40質量%以上である前記<1>から<6>のいずれかに記載のインクジェット用捺染インクである。
<8> 前記グリセリンの含有量が、前記インクジェット用捺染インク全量に対して6質量%以上である前記<1>から<7>のいずれかに記載のインクジェット用捺染インクである。
<9> 前記グリセリンの含有量が、前記インクジェット用捺染インク全量に対して30質量%以下である前記<1>から<8>のいずれかに記載のインクジェット用捺染インクである。
<10> 前記ポリカーボネートウレタン樹脂粒子の含有量が、前記インクジェット用捺染インク全量に対して9質量%以上である前記<1>から<9>のいずれかに記載のインクジェット用捺染インクである。
<11> 前記ポリカーボネートウレタン樹脂粒子の含有量が、前記インクジェット用捺染インク全量に対して20質量%以下である前記<1>から<10>のいずれかに記載のインクジェット用捺染インクである。
<12> 水、顔料、有機溶剤、及びポリカーボネートウレタン樹脂粒子を含有するインクジェット用捺染インクと、前記インクジェット用捺染インクを吐出するインク吐出部とを有するインクジェット記録装置であって、
前記有機溶剤が、グリセリンを含み、
前記グリセリンの含有量が、前記有機溶剤全量に対して30質量%以上であり、かつ、前記インクジェット用捺染インク全量に対して5質量%以上であり、
前記ポリカーボネートウレタン樹脂粒子が、ガラス転移温度が−25℃以上5℃以下であり、皮膜伸度が400%以上600%以下であり、皮膜強度が50MPaより大きく、含有量が前記インクジェット用捺染インク全量に対して8質量%以上であることを特徴とするインクジェット記録装置である。
<13> 前処理装置を有さない前記<12>に記載のインクジェット記録装置である。
<14> 前記顔料が、樹脂により被覆されている前記<12>から<13>のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
<15> 前記ポリカーボネートウレタン樹脂粒子の皮膜強度が、52MPa以上58MPa以下である前記<12>から<14>のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
<16> 前記グリセリンの含有量(質量%)と、前記ポリカーボネートウレタン樹脂粒子の含有量(質量%)との質量比(グリセリン/ポリカーボネートウレタン樹脂粒子)が、1.0以上2.5以下である前記<12>から<15>のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
<17> 水、顔料、有機溶剤、及びポリカーボネートウレタン樹脂粒子を含有するインクジェット用捺染インクをインク吐出部から吐出する吐出工程を含むインクジェット記録方法であって、
前記有機溶剤が、グリセリンを含み、
前記グリセリンの含有量が、前記有機溶剤全量に対して30質量%以上であり、かつ、前記インクジェット用捺染インク全量に対して5質量%以上であり、
前記ポリカーボネートウレタン樹脂粒子が、ガラス転移温度が−25℃以上5℃以下であり、皮膜伸度が400%以上600%以下であり、皮膜強度が50MPaより大きく、含有量が前記インクジェット用捺染インク全量に対して8質量%以上であることを特徴とするインクジェット記録方法である。
<18> 前処理工程を含まない前記<17>に記載のインクジェット記録方法である。
<19> 前記顔料が、樹脂により被覆されている前記<17>から<18>のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
<20> 前記ポリカーボネートウレタン樹脂粒子の皮膜強度が、52MPa以上58MPa以下である前記<17>から<19>のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
<21> 前記グリセリンの含有量(質量%)と、前記ポリカーボネートウレタン樹脂粒子の含有量(質量%)との質量比(グリセリン/ポリカーボネートウレタン樹脂粒子)が、1.0以上2.5以下である前記<17>から<20>のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
前記<1>から<11>のいずれかに記載のインクジェット用捺染インク、前記<12>から<16>のいずれかに記載のインクジェット記録装置、及び前記<17>から<21>のいずれかに記載のインクジェット記録方法は、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
特開2009−30014号公報 特開2009−215506号公報 特開2009−96914号公報 特開2010−150453号公報 特開2014−148564号公報
400 画像形成装置(インクジェット記録装置)

Claims (7)

  1. 水、顔料、有機溶剤、及びポリカーボネートウレタン樹脂粒子を含有するインクジェット用捺染インクであって、
    前記有機溶剤が、グリセリンを含み、
    前記グリセリンの含有量が、前記有機溶剤全量に対して30質量%以上であり、かつ、前記インクジェット用捺染インク全量に対して5質量%以上であり、
    前記ポリカーボネートウレタン樹脂粒子が、ガラス転移温度が−25℃以上5℃以下であり、皮膜伸度が400%以上600%以下であり、皮膜強度が50MPaより大きく、含有量が前記インクジェット用捺染インク全量に対して8質量%以上であることを特徴とするインクジェット用捺染インク。
  2. 前記顔料が、樹脂により被覆されている請求項1に記載のインクジェット用捺染インク。
  3. 前記ポリカーボネートウレタン樹脂粒子の皮膜強度が、52MPa以上58MPa以下である請求項1から2のいずれかに記載のインクジェット用捺染インク。
  4. 前記グリセリンの含有量(質量%)と、前記ポリカーボネートウレタン樹脂粒子の含有量(質量%)との質量比(グリセリン/ポリカーボネートウレタン樹脂粒子)が、1.0以上2.5以下である請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット用捺染インク。
  5. 水、顔料、有機溶剤、及びポリカーボネートウレタン樹脂粒子を含有するインクジェット用捺染インクと、前記インクジェット用捺染インクを吐出するインク吐出部とを有するインクジェット記録装置であって、
    前記有機溶剤が、グリセリンを含み、
    前記グリセリンの含有量が、前記有機溶剤全量に対して30質量%以上であり、かつ、前記インクジェット用捺染インク全量に対して5質量%以上であり、
    前記ポリカーボネートウレタン樹脂粒子が、ガラス転移温度が−25℃以上5℃以下であり、皮膜伸度が400%以上600%以下であり、皮膜強度が50MPaより大きく、含有量が前記インクジェット用捺染インク全量に対して8質量%以上であることを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 前処理装置を有さない請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 水、顔料、有機溶剤、及びポリカーボネートウレタン樹脂粒子を含有するインクジェット用捺染インクをインク吐出部から吐出する吐出工程を含むインクジェット記録方法であって、
    前記有機溶剤が、グリセリンを含み、
    前記グリセリンの含有量が、前記有機溶剤全量に対して30質量%以上であり、かつ、前記インクジェット用捺染インク全量に対して5質量%以上であり、
    前記ポリカーボネートウレタン樹脂粒子が、ガラス転移温度が−25℃以上5℃以下であり、皮膜伸度が400%以上600%以下であり、皮膜強度が50MPaより大きく、含有量が前記インクジェット用捺染インク全量に対して8質量%以上であることを特徴とするインクジェット記録方法。
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