JP2011239528A - 需要電力制御装置および需要電力制御方法 - Google Patents

需要電力制御装置および需要電力制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】デマンド時限内の平均需要電力を適切に予測し、デマンド時限内の平均需要電力を目標値以内に抑えることを支援する。
【解決手段】需要電力制御装置が、定められた計測期間毎に計測される複数の需要電力の実績値のうちで最大となる需要電力の目標値を予め記憶し、複数の計測期間のうち実績値の計測対象である計測対象期間における実績値の計測が開始される時点より前の時点で、計測対象期間における需要電力の予測値を算出し、算出した予測値と、目標値とを比較して、予測値が目標値を超える場合、予測値と目標値との差を算出し、算出した差に応じて、計測対象期間における需要電力を減少させる警告を出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、定められた計測期間毎に計測される需要電力の実績値のうちで最大となる需要電力を制御する技術に関する。
供給電力によって動作する設備機器を備える施設等に電力を供給する電力供給者は、供給対象の需要家の施設等において年間で最も多く使用する電力の量に応じた供給設備を用意する必要がある。そこで、複数の需要家の施設等に対する費用の負担を公平にするために、定められた計測期間(デマンド時限)毎の施設等の需要電力(デマンド)を計測し、計測した複数の需要電力のうち最も大きい需要電力(最大需要電力)に応じて契約電力が決定されることがある。例えば、供給対象の施設における30分単位の平均需要電力の実績値を計測し、1ヶ月間の平均需要電力の実績値のうち最大の値をその月の最大需要電力とし、その月の最大需要電力とその前11ヶ月の最大需要電力のうちいずれか大きい値を超えないような値が契約電力として決定される。
この場合、最大需要電力は同時に使用する設備機器が多ければ多いほど大きくなるため、設備機器の使用時間帯をずらすことなどにより最大需要電力を減少させることができる。そこで、このような最大需要電力を減少させることを目的としたデマンドコントロール装置が提供されている(例えば、特許文献1、2)。デマンドコントロール装置は、例えば図7に示すように、デマンド時限の開始時(例えば、T1の時点)から需要電力の実績値の計測を開始し、実績値を取得した時点(例えば、T1+m0の時点)で、取得した需要電力に基づいてデマンド時限終了時(例えば、T2の時点)までの平均需要電力の推定値を算出する。そして、デマンドコントロール装置は、平均需要電力の推定値が定められたデマンドの目標値を超える場合には、例えば、ブザーによる警告音を出力するなどの電力制御処理を行う。需要家は、このような警告音を聞いて、電力を使用する設備機器を停止させることなどにより、デマンド時限内の平均需要電力を目標値以内に抑えることができる。
特開昭62−18926号公報 特開平11−215700号公報
しかしながら、上述のようなデマンドコントロール装置では、デマンド時限内の需要電力の実績値に基づいてデマンド時限終了時までの平均需要電力の推定値を算出するため、時々刻々と変化する需要電力に応じた適切な電力制御ができない場合があると考えられる。例えば、急速に需要電力が上昇したような場合には、推定値の算出処理や電力制御処理が需要電力の急上昇に間に合わない場合があると考えられる。あるいは、デマンド時限における前半には需要電力が小さく、後半において電力が使用された場合には、電力制御処理による制御期間が短くなるため需要電力の低減効果が小さくなることがあると考えられる。また、デマンド時限の開始時に実績値の計測を開始した後、ある程度の時間が経過してある程度の実測値が計測されるまでは、デマンド時限終了時の平均需要電力の推定値を精度良く算出することはできない。そこで、より適切に平均需要電力を予測し、効率的な電力制御を行うことが望ましい。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、デマンド時限内の平均需要電力を適切に予測し、デマンド時限内の平均需要電力を目標値以内に抑えることを支援する需要電力制御装置および需要電力制御方法を提供する。
上述した課題を解決するために、本発明は、定められた複数の計測期間毎に計測される需要電力の実績値のうちで最大となる需要電力の目標値が予め定められて記憶される目標値記憶部と、複数の計測期間のうち実績値の計測対象である計測対象期間における実績値の計測が開始される時点より前の時点で、計測対象期間における需要電力の予測値を算出する予測値算出部と、予測値算出部によって算出された予測値と、目標値とを比較して、予測値が目標値を超える場合、予測値と目標値との差を算出する予測差算出部と、予測差算出部によって算出された差に応じて、計測対象期間における需要電力を減少させる警告を出力する電力制御部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明は、計測対象期間において、需要電力の実績値を計測する計測部と、計測部によって計測された実績値と、目標値とを比較して、実績値が目標値を超える場合、実績値と目標値との差を算出する実績差算出部と、を備え、電力制御部は、実績差算出部によって算出された差に応じて、計測対象期間における需要電力を減少させる警告を出力することを特徴とする。
また、本発明は、計測期間に計測される需要電力は、複数の設備機器の需要電力の合計であり、差に応じて予め定められた優先順位と、複数の設備機器のうち需要電力を減少させる設備機器とが対応付けられて予め記憶されている優先順位記憶部を備え、電力制御部は、差に応じた優先順位に対応付けられた設備機器における需要電力を減少させる警告を出力することを特徴とする。
また、本発明は、定められた複数の計測期間毎に計測される需要電力の実績値のうちで最大となる需要電力の目標値が予め定められて記憶される目標値記憶部を備えた需要電力制御装置が、複数の計測期間のうち実績値の計測対象である計測対象期間における実績値の計測が開始される時点より前の時点で、計測対象期間における需要電力の予測値を算出するステップと、算出した予測値と、目標値とを比較して、予測値が目標値を超える場合、予測値と目標値との差を算出するステップと、算出した差に応じて、計測対象期間における需要電力を減少させる警告を出力するステップと、を備えることを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、需要電力制御装置が、定められた計測期間毎に計測される複数の需要電力の実績値のうちで最大となる需要電力の目標値を予め記憶し、複数の計測期間のうち実績値の計測対象である計測対象期間における実績値の計測が開始される時点より前の時点で、計測対象期間における需要電力の予測値を算出し、算出した予測値と、目標値とを比較して、予測値が目標値を超える場合、予測値と目標値との差を算出し、算出した差に応じて、計測対象期間における需要電力を減少させる警告を出力するようにしたので、計測対象期間内の実績値が得られるより前の時点で算出された予測値に基づいて警告を出力することができ、計測期間内の平均需要電力をより適切に予測し、効率的な電力制御を行うことが可能となる。
本発明の一実施形態による需要電力制御システムの構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による需要電力の制御対象である施設の例を示す図である。 本発明の一実施形態によるDR処理タイミングの例を示す図である。 本発明の一実施形態による優先順位テーブルのデータ例を示す図である。 本発明の一実施形態による予測モードのDR処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による実績モードのDR処理の例を示すフローチャートである。 従来技術によるDR処理タイミングの例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態による需要電力制御システム1の構成を示すブロック図である。需要電力制御システム1は、需要電力制御装置10と、複数の設備機器20(設備機器20−1、設備機器20−2、設備機器20−3、・・・)とを備えている。需要電力制御装置10は、複数の設備機器20が設置された需要家の施設等における需要電力を監視してデマンドコントロールを行うコンピュータ装置である。ここで、複数の設備機器20(設備機器20−1、設備機器20−2、設備機器20−3、・・・)は、それぞれが異なる機器であるが、需要電力制御装置10による制御対象である点で共通するため、特に区別して説明する必要がない場合には設備機器20として説明する。
図2は、需要電力制御システム1による需要電力の制御対象である施設の例を示す図である。需要電力制御装置10は、例えば夜間電力により室内を冷却する空調設備が備える複数の設備機器20の需要電力を制御する。例えば、冷凍機である設備機器20−1と、水槽である設備機器20−2と、フロア内に設置された空調機である20台の設備機器20(設備機器20−3、設備機器20−4、設備機器20−5、設備機器20−6、・・・)とを備えている。制御対象の施設には、このような複数の設備機器20を動作させる複数の制御対象機器30が存在する。例えば、設備機器20−1は、圧縮機、1次ポンプ30−1を備えている。圧縮機には50kWの電力が供給され、1次ポンプには5kWの電力が供給される。2次ポンプ30−2は、設備機器20−2に貯留された水を、空調機である複数の設備機器20に供給する。2次ポンプ30−2には、5kWの電力が供給される。複数の冷水バルブ30(冷水バルブ30−4、冷水バルブ30−6、冷水バルブ30−8、冷水バルブ30−10、・・・)は、2次ポンプ30−2から供給される冷水を空調機である設備機器20に供給する。空調機である複数の設備機器20(設備機器20−3、設備機器20−4、設備機器20−5、設備機器20−6、・・・)は、それぞれにファン(ファン30−3、ファン30−5、ファン30−7、ファン30−9、・・・)を備えており、ファンには2kWの電力が供給される。ここで、空調機である設備機器20は、供給される冷水に基づく冷風を、二重床内に給気した後、室内に吹き出す床吹き出し空調を行う。
図1に戻り、需要電力制御装置10は、目標値記憶部11と、計測部12と、予測値算出部13と、予測差算出部14と、実績差算出部15と、優先順位記憶部16と、電力制御部17とを備えている。
目標値記憶部11には、定められた複数の計測期間(デマンド時限)毎に計測される需要電力の実績値のうちで最大となる需要電力(最大需要電力)の目標値が予め定められて記憶される。
計測部12は、計測対象期間であるデマンド時限において、需要電力の実績値を計測する。ここで、計測部12は、制御対象のフロアにおいて電力を使用する機器(冷凍機である設備機器20−1、2次ポンプ30−2、ファン30−3、・・・)によって使用された電力を計測し、デマンド時限の終了時における平均需要電力の推定値を算出する。例えば、図3に示すように、T1、T2、T3、T4、・・・の時点をそれぞれデマンド時限の区切り時点とする。ここで、デマンド時限をX分(例えば、30分)とすると、T2はT1+X分であり、T3はT2+X分であり、T4はT3+X分である。計測部12は、このようなデマンド時限内の定められた一定時間(例えば、3分)毎に、需要電力の実績値を計測し、平均需要電力の推定値を算出する。
また、計測部12は、計測した使用電力の実績値である運転データを、後述する優先順位記憶部16に記憶させる。
予測値算出部13は、連続する複数の計測期間のうち実績値の計測対象である計測対象期間における実績値の計測が開始される時点より前の時点で、計測対象期間における需要電力の予測値を算出する。例えば、図3において、予測値算出部13は、T1とT2との間のデマンド時限における計測が開始されるT1の時点より定められた時間(例えば、T1−T0−Y分)前の時点(T0+Y分)において、T1とT2との間のデマンド時限における平均需要電力の予測値を算出する。ここで、予測値の算出方法としては、たとえば特許文献(特開2006−78009号公報)に示されるようなニューラルネットワークモデルを使用した方法を適用することができる。例えば、外気温、湿度、風速、風量、空調運転時間、曜日、季節などに応じて需要電力をモデル化して予測値を算出する。予測値算出部13による予測差の算出処理は、例えば、連続する各デマンド時限のそれぞれ一定時間(例えば、3〜5分)前に実行される。このため、例えばデマンド時限が30分であれば、予測値算出部13による予測値の算出処理は1日に48回実行される。
予測差算出部14は、予測値算出部13によって算出された予測値と、目標値記憶部11に記憶された目標値とを比較して、予測値が目標値を超える場合、予測値と目標値との差を算出する。予測差算出部14が算出した差は、電力制御処理(DR(デマンド・レスポンス)処理)により減少させることが必要な需要電力の量を示すDR必要量である。
実績差算出部15は、計測部12によって計測された実績値に基づく平均需要電力の推定値と、目標値記憶部11に記憶された目標値とを比較して、推定値が目標値を超える場合、推定値と目標値との差を算出する。実績差算出部15が算出した差は、DR処理により減少させることが必要な需要電力の量を示すDR必要量である。実績差算出部15は、デマンド時限内に、一定時間毎(例えば、3分)に実績差の算出処理を行う。
優先順位記憶部16には、予測差算出部14または実績差算出部15によって算出されたDR必要量に応じて予め定められた優先順位と、複数の設備機器20のうち供給電力を減少させる設備機器20である供給減少対象機器とが対応付けられた優先順位テーブルが予め記憶されている。図4は、優先順位記憶部16に記憶されている優先順位テーブルのデータ例を示す図である。運転実績データは、動作している設備機器20の需要電力等の実績値が計測部12によって計測され記憶される情報である。例えば、設備機器20−1に設けられる圧縮機、1次ポンプ30−1は、(50kW+5kW=)55kWの電力を使用している。2次ポンプ30−2は、5kWの電力を使用している。空調機である複数の設備機器20に設けられる複数のファン30は、(2kW×20台=)40kWの電力を使用している。合計動力は、供給減少対象機器の使用電力の合計値である。単体DR効果は、対応する優先順位における制御によって削減できる需要電力の量である。累計DR効果は、優先順位1からその優先順位までの制御によって削減できる需要電力の累計量である。
優先順位(1〜5)は、数が大きくなるほど、目標値と予測値または実績値との差が大きいことを示し、対応付けられた供給減少対象機器における需要電力の減少量は大きくなる。ここでは、優先順位毎に供給電力に変化のある項目には、「▼」の記号を付している。例えば、優先順位1においては、圧縮機、1次ポンプ30−1の需要電力を、100%から70%に減少させる。これにより、(55(kW)×30(%)=)16.5kWの需要電力が減少する。優先順位2においては、圧縮機、1次ポンプ30−1への需要電力を遮断し、70%から0%に減少させる。これにより、(55(kW)×70(%)=)38.5kWの需要電力が減少する。このように、圧縮機の容量を削減しても、水槽に冷熱が残っている間は、室内側の温熱環境には影響を及ぼさないと考えられる。
優先順位3においては、複数の冷水バルブの半数を閉じる。これにより、2次ポンプ30−2の負荷電力が半数になると考えられるため、(5kW×2=)2.5kWの需要電力が減少する。このように冷水バルブを閉じても、床吹き出し空調によるスラブが冷やされているため、ファンにより送風していれば室内環境の悪化を最低限に食い止められると考えられる。ここでは、千鳥配列の複数の空調機をローテーションさせるように冷水バルブの開閉を行う。優先順位4においては、全ての冷水バルブを閉じる。これにより、2次ポンプ30−2の負荷電力が0になるため、22.5kWの需要電力が減少する。優先順位5において、全てのファンを停止させると、20.0kWの需要電力が減少する。
このように、電力の供給対象である設備機器20毎に、需要電力を減少させる優先順位を予め設定しておくことで、施設の室内環境に対して影響を与えないように需要電力を減少させることができる。例えば、DR処理の対象機器として、他の設備機器20への影響が少ない空調設備への電力供給を減少させる場合、室内に対する冷却能力をできるだけ下げないように、冷凍機における圧縮機やポンプ、空調機が連動して動作している空調設備における需要電力を系統立てて減少させることが可能となる。
電力制御部17は、予測差算出部14によって算出されたDR必要量または実績差算出部15によって算出されたDR必要量に応じた優先順位に対応付けられて優先順位記憶部16に記憶されている供給減少対象機器を読み出し、デマンド時限における需要電力を減少させる警告を出力する。ここでは、例えば需要電力制御装置10が、警告音を出力するブザーや情報を表示するディスプレイ(表示部)を備えるようにして、警告音にブザーを出力させるとともに、DR必要量に応じた供給減少対象機器の情報をディスプレイに表示させるようにしても良い。または、DR必要量に応じた供給減少対象機器である設備機器20に対して、需要電力を減少または停止する制御信号を送信するようにしても良い。
このように、電力制御部17は、従来のDR処理のように、デマンド時限中にのみ目標値の超過を判定して残時間にDR処理を実行するものではなく、デマンド時限以前に算出される予測値による予測モードのDR処理と、デマンド時限中に算出される推定値による実績モードのDR処理との双方を行うものである。すなわち、予測モードのDR処理により、デマンド時限の開始と同時にDR処理を開始することが可能になるとともに、予測値と実績値がずれた場合には、実績モードのDR処理により補正することができる。
次に、図面を参照して、需要電力制御システム1の動作例を説明する。図5は、需要電力制御装置10による予測モードのDR処理の動作例を示すフローチャートである。予測値算出部13は、デマンド時限(例えば、図3におえるT2とT3との間)が開始される時点(例えば、T2)より前の時点(例えば、T2−Y分)において、T2とT3(T2+X)分の間の平均需要電力の予測値を算出する(ステップS1)。予測差算出部14は、目標値記憶部11に記憶されている最大需要電力の目標値を読み出す(ステップS2)。そして、予測差算出部14は、予測値が、目標値を超えるか否かを判定する(ステップS3)。ここで、予測差算出部14が、予測値は目標値を超えないと判定すれば(ステップS3:NO)、電力制御部17はDR処理を実行しない。
ステップS3において、予測差算出部14が、予測値は目標値を超えると判定すれば(ステップS3:YES)、予測値と目標値との差を、DR必要量として算出する(ステップS4)。そして、計測部12が、その時点での各設備機器20の運転実績データを取得し、優先順位記憶部16に記憶させる(ステップS5)。電力制御部17は、優先順位記憶部16に記憶された優先順位テーブルから、DR必要量に応じた優先順位に対応付けられた供給減少対象機器を読み出す(ステップS6)。そして、電力制御部17は、T2からT3(T2+X分)の間に、ステップS6において決定された供給減少対象機器に対するDR処理を実行する(ステップS7)。
図6は、需要電力制御装置10による実績モードのDR処理の動作例を示すフローチャートである。需要電力制御装置10は、実績値に基づくDR処理をデマンド開始時間以降に実行するが、電力の実績値が取得できるまでの一定時間である不感時間帯(m0分)の間はDR処理を実行しない(ステップS11)。実績差算出部15は、m分間隔で実績差を算出することとし(ステップS12)、自身の計時機能から取得する時間が、T+Y(Y=Y+m)分である場合に(ステップS13)、実績モードのDR処理を行う。まず、計測部12は、設備機器20の需要電力の実績値に基づく平均需要電力の推定値を算出する(ステップS14)。実績差算出部15は、目標値記憶部11に記憶されている最大需要電力の目標値を読み出す(ステップS15)。そして、実績差算出部15は、推定値が、目標値を超えるか否かを判定する(ステップS16)。ここで、実績差算出部15が、推定値は目標値を超えないと判定すれば(ステップS16:NO)、電力制御部17はDR処理を実行しない。
ステップS16において、実績差算出部15が、推定値は目標値を超えると判定すれば(ステップS16:YES)、電力制御部17は、推定値と目標値との差を、DR必要量として算出する(ステップS17)。そして、計測部12は、その時点での各設備機器20の運転実績データを取得し、優先順位記憶部16に記憶させる(ステップS18)。そして、電力制御部17は、優先順位記憶部16に記憶された優先順位テーブルから、DR必要量に応じた優先順位に対応付けられた供給減少対象機器を読み出す(ステップS19)。そして、電力制御部17は、T+YからT+X分の間に、ステップS19において決定された供給減少対象機器に対するDR処理を実行する(ステップS20)。
以上説明したように、本実施形態によれば、デマンド時限内における需要電力の実績値が計測されるよりも前に、ニューラルネットワークモデルなどにより算出した平均需要電力の予測値に基づいてDR処理を行うことが可能になる。すなわち、従来のようにデマンド時限内における需要電力の実績値を計測した後に、平均需要電力の推定値を算出してDR処理を行うことに比べてDR処理時間を多く取れるため、需要電力の削減効果が大きくなる。例えば、従来はデマンド時限の開始時点(T1)から、需要電力の実測値が取得される一定時間(T1+m0)後からでなければDR処理を実行することができなかったが、本実施形態によれば、デマンド時限の開始時点(T1)からDR処理を精度良く開始することができる。
なお、本実施形態では、予測値算出部13は、デマンド時限の一定時間前毎に、ニューラルネットワークモデルによる予測値の算出処理を行う例を示したが、例えば、1日1回、デマンド時限間隔(X分)毎の24時間分の予測値を算出し、記憶しておくようにしても良い。
また、本実施形態では、需要電力制御装置10が計測部12を備えるとして説明したが、計測部12は、需要電力制御装置10の外部のコンピュータ装置に備えられるようにしても良い。あるいは、例えば需要電力の制御対象の施設に、需要電力を制御する既存の制御システムが備えられている場合、需要電力制御装置10の電力制御部17が、既存の制御システムに供給減少対象機器の情報を送信し、制御システムによって需要電力を減少させるようにしても良い。
また、本実施形態による需要電力制御装置10は、いわゆるスマートグリッドにおける負荷制御に適用するようにしても良い。このようなスマートグリッドでは、太陽光発電や風力発電など、自然エネルギーによる発電の有効利用が図られる。太陽光発電や風力発電などによる発電量は気候等の影響を受けて変化するため、施設等における電力使用量を柔軟に調整することが要求される。例えば、リアルタイムな最大需要電力の変更が要求されることも考えられる。本実施形態による需要電力制御装置10は、このような場合に柔軟に電力使用量を調整するためにも利用できる。
なお、本発明における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより需要電力の制御を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
1 需要電力制御システム
10 需要電力制御装置
11 目標値記憶部
12 計測部
13 予測値算出部
14 予測差算出部
15 実績差算出部
16 優先順位記憶部
17 電力制御部
20 設備機器
30 制御対象機器

Claims (4)

  1. 定められた複数の計測期間毎に計測される需要電力の実績値のうちで最大となる前記需要電力の目標値が予め定められて記憶される目標値記憶部と、
    前記複数の計測期間のうち前記実績値の計測対象である計測対象期間における前記実績値の計測が開始される時点より前の時点で、前記計測対象期間における需要電力の予測値を算出する予測値算出部と、
    前記予測値算出部によって算出された前記予測値と、前記目標値とを比較して、前記予測値が前記目標値を超える場合、前記予測値と前記目標値との差を算出する予測差算出部と、
    前記予測差算出部によって算出された前記差に応じて、前記計測対象期間における前記需要電力を減少させる警告を出力する電力制御部と、
    を備えることを特徴とする需要電力制御装置。
  2. 前記計測対象期間において、前記需要電力の実績値を計測する計測部と、
    前記計測部によって計測された前記実績値と、前記目標値とを比較して、前記実績値が前記目標値を超える場合、前記実績値と前記目標値との差を算出する実績差算出部と、を備え、
    前記電力制御部は、前記実績差算出部によって算出された前記差に応じて、前記計測対象期間における前記需要電力を減少させる警告を出力する
    ことを特徴とする請求項1に記載の需要電力制御装置。
  3. 前記計測期間に計測される前記需要電力は、複数の設備機器の需要電力の合計であり、
    前記差に応じて予め定められた優先順位と、前記複数の設備機器のうち需要電力を減少させる設備機器とが対応付けられて予め記憶されている優先順位記憶部を備え、
    前記電力制御部は、前記差に応じた前記優先順位に対応付けられた前記設備機器における需要電力を減少させる警告を出力する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の需要電力制御装置。
  4. 定められた複数の計測期間毎に計測される需要電力の実績値のうちで最大となる前記需要電力の目標値が予め定められて記憶される目標値記憶部を備えた需要電力制御装置が、
    前記複数の計測期間のうち前記実績値の計測対象である計測対象期間における前記実績値の計測が開始される時点より前の時点で、前記計測対象期間における需要電力の予測値を算出するステップと、
    算出した前記予測値と、前記目標値とを比較して、前記予測値が前記目標値を超える場合、前記予測値と前記目標値との差を算出するステップと、
    算出した前記差に応じて、前記計測対象期間における前記需要電力を減少させる警告を出力するステップと、
    を備えることを特徴とする需要電力制御方法。
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