JP5975276B2 - 運転管理装置、デマンドレスポンス制御発動時の電力実測値補正方法 - Google Patents
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Description
この電力需要予測を行う技術としては、例えば、下記の特許文献1の技術がある。この特許文献1の技術では、過去の同時刻における電力の平均需要量を算出し、この平均需要量と実際の需要量との偏差を算出し、平均需要量と偏差を基本とする予測式を推定して需要量を予測している。
このような予測を行う方法としては、過去の電力需要データを使って当日において予測をするのが一般的である。
これにより、DR制御によって削減された消費電力を考慮し、DR制御が発動されなかった場合の電力実測値を推定することができるので、補正された電力実測値を予測に用いることが可能となる。
図1は、この発明の一実施形態による運転管理装置を含むスマートグリッドシステムの構成を示す概略ブロック図である。
スマートグリッドシステムとは、太陽光発電などの分散型電源と電力会社からの集中型電源とを組み合わせ、需要と供給のバランスをリアルタイムに調整することで効率的な電力供給を行うように構築された電力受給システムである。
また、図1に示すスマートグリッドシステムは、電力の需要家が所有する設備である。そのうえで、同図に示すスマートグリッドシステムの需要家は、電力会社から買電するにあたりデマンド契約を結んでいることを前提とする。つまり、定められた単位時間による計測期間(デマンド時限、例えば30分)あたりの設備等において使用される需要電力を計測し、計測した複数の需要電力のうち最も大きい需要電力に応じて契約電力(デマンド目標値)とこれに応じた料金が設定される。
このため、需要家は、デマンド時限ごとの買電電力がデマンド目標値を越えないようにする必要がある。本実施形態のスマートグリッドシステムは、デマンド時限ごとの買電電力がデマンド目標値を越えないように負荷および電源設備を制御するデマンドレスポンス制御(DR制御)機能を備える。
運転管理装置4、負荷出力制御装置5および電源出力制御装置6は、DR制御に対応する機能を実現する装置である。
作業設備2は、施設内に設けられる各種の作業用機器である。作業用機器には、例えば、コンピュータ、照明機器、OA(Office Automation)機器等がある。
電源設備3は、発電機や蓄電池、買電電源等を有しており、発電電力、蓄電電力および買電電力などによる電力を、負荷である空調熱源設備1や作業設備2に供給する。また、電源設備3は、供給電力に余裕がある状態においては、発電電力や買電電力を蓄電池に蓄積する。
また、記憶部41は、予測用データとして、過去の日時における天気予報データ、電力負荷パターンデータ等も記憶する。
また、予測データ管理部42は、予測部43によって予測された需要予測値を記憶部41に記憶する。需要予測値とは、予測部43が予測することによって算出した結果である予測対象の日時毎の電力需要の予測値である。
この予測値としては、例えば、将来の一定期間(例えば1日(24時間))における一定間隔の時間帯(例えばデマンド時限)ごとに空調熱源機が必要とする熱量である空調熱負荷予測値を空調熱負荷予測用データに基づいて予測する。空調熱負荷予測用データには、例えば、天気予報データや負荷電力パターンデータや電力実測値等がある。この電力実測値として、予測データ管理部42から供給される電力実測値や電力需要推定値や、天気予報データ、電力負荷パターンデータが用いられる。負荷電力パターンデータは、負荷設備(空調熱源設備1や作業設備2)における機器毎の消費電力について時間経過に応じたパターンである。負荷電力パターンは、利用する対象の設備(例えば部屋)、設備を利用する人数、そこで利用される負荷(コンピュータや照明、OA機器)、空調、季節、その日の気温、湿度、日当たり等の様々な状況に応じて決まる。
また、予測部43は、将来の一定期間における一定間隔の時間帯ごとに空調システムに含まれる空調システム機器の各々が消費する電力である空調システム機器消費電力予測値を空調システム機器消費電力予測用データに基づいて予測する。
また、予測部43は、将来の一定期間における一定間隔の時間帯ごとに発電装置が出力する電力である発電電力予測値を発電電力予測用データに基づいて予測する。
運転計画作成部44は、運転計画として、空調熱源機運転計画と空調システム機器運転計画と電源設備運転計画を作成する。
空調熱源機運転計画は、1日における一定間隔の時間帯(デマンド時限)ごとに、空調熱負荷と加算熱量(空調熱源機が製造する製造熱量と蓄熱槽が放熱する放熱量の和)が等しくなるように空調熱源機の運転状態を表す情報である。
空調システム機器運転計画は、消費電力がピークであるとして予測された時間を基準とし、外調機、空調機、パッケージ空調機ごとに、停止期間やその直前の準備運転期間等を考慮した運転状態を表す情報である。準備運転期間は、外調機、空調機、パッケージ空調機等を消費電力低減のため一旦停止する場合、その停止期間において快適性が失われないように、予冷運転や予熱運転を行う期間である。
電源設備運転計画は、1日における一定間隔の時間帯ごとに負荷設備(空調熱源設備1と作業設備2)に電力を供給するにあたり、第1発電機、第2発電機、蓄電池および買電電源の各々から出力させる電力量の割り振りの内訳を表した情報である。
運転計画作成部44は、空調熱源機運転計画、空調システム機器運転計画および電源設備運転計画を作成するため、例えば数理計画法のアルゴリズムに従ってコンピュータ処理によって生成する。
電源出力制御装置6は、運転管理装置4が作成した空調熱源機運転計画に基づいて、一定間隔の時間帯ごとに、第1発電機、第2発電機、蓄電池および買電電源から負荷設備(空調熱源設備1、作業設備2)へ供給する電力を制御する。
日付は、電力実測値が測定された日であり、時間は、その測定された時間を表している。
8月4日18時においては、DR制御が発動していなく、需要予測値がa5(kW)、電力実測値がb5(kW)であり、DR補正係数平均値、電力需要推定値については情報が記憶されていない。
また、8月5日については、まだ到来していなく、予測を行うタイミングも到来していないので、DR発動情報が「0」であり、需要予測値、電力実測値、DR補正係数平均値、電力需要推定値も「−」である。
まず、予測データ管理部42の判定部421は、予測部43から、電力需要の予測に用いる対象期間が指定されるとともに、予測用データ取得の要求があると(ステップS10)、指定された予測使用日に含まれる日時に対応する電力実測値を記憶部41から読み出す(ステップS11)。そして、判定部421は、読み出した各電力実績値に対応付けられたDR発動情報がDR制御が発動されたことを表しているか否かを判定する(ステップS13)。
DR発動情報がDR制御が発動されたことを表していない場合には、そのDR発動情報に対応付けられた電力実測値を予測用データとして予測部43へ出力する(ステップS18)。ここでは、この他に必要な予測用データも記憶部41から読み出され出力される。
一方、DR発動情報が、DR制御が発動されたことを表している場合、補正部422は、その電力実測値にDR補正係数平均値が対応づけて記憶されているか否かを判定する(ステップS14)。
このようにして、補正係数算出部423は、DR制御が行われた日時におけるDR補正係数平均値を算出し、記憶部41に記憶する。ここでは、11時と12時のDR補正係数平均値を算出したが、例えば、8月3日及び4日の13時、8月3日及び4日の14時においてもDR制御が行われていた場合には、同様に、DR補正係数平均値を算出し、記憶部41に記憶する。
また、実測値補正部424は、8月3日12時について、電力実測値b2にDR補正係数平均値c3を乗じて補正された電力実測値を算出し、8月4日12時について、電力実測値b4にDR補正係数平均値c3を乗じて補正された電力実測値を算出し、これらの平均値を得ることで、8月3日と8月4日における12時の電力需要推定値d2を算出し、記憶部41に記憶し、予測用データとして予測部43へ供給する。
なお、次回の予測を行う場合には、記憶部41に記憶されたDR補正係数平均値と電力需要推定値を消去し、新たな予測使用日に応じて新たに算出する。
需要予測値は、一般に、過去における電力実測値とその時の気温、湿度、風向き等の気候や施設内において活動する人の数、空調による負荷や照明等の負荷の利用状況等を基に算出される。そのため、ある環境(気温、湿度、風向き等の気候や施設内において活動する人の数、空調による負荷や照明等の負荷の利用状況等)において、本来ならば電力実測値としてある値が得られるが、DR制御が発動すると、その本来の値よりも低い電力実測値が得られてしまう。そうすると、DR制御を発動しなかった場合に実際に消費されたであろう電力実測値から離れてしまうため、その時の電力実測値を今後の予測用データとして用いることができない。
例えば、DR制御を発動したことにより、このときの電力実測値を利用できないこととなった場合には、DR制御が発動されていない期間のデータを利用することとなる。そうすると、例えば、予測を行う対象日の1日前から3日前までのデータを利用したい場合であっても、この1日前から3日前までDR制御が発動されていると、この間のデータを利用することができない。そのため、DR制御が発動されていない期間、例えば2週間前のデータ等を利用しようとすると、それらの日と予測日とにおいて、需要が変わってしまっている可能性が高くなる。例えば、最近新たなコンピュータを設置したり、人事異動によって人の配置の変化や業務内容の変化により設備負荷の利用状況が大きく変わる場合がある。そのため、できるだけ直近のデータも含めより多くのデータを基に電力需要予測を行うことが望まれており、DR制御が発動された日時における電力実測値も利用したいという要望がある。すなわち、できるだけ最近のデータも用い、予測対象日となるべく近い環境(状態、気象条件等)を反映した電力需要予測を行うことが望まれている。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
2 作業設備
3 電源設備
4 運転管理装置
5 負荷出力制御装置
6 電源出力制御装置
41 記憶部
42 予測データ管理部
43 予測部
44 運転計画作成部
421 判定部
422 補正部
423 補正係数算出部
424 実測値補正部
Claims (3)
- 施設において使用された電力の実測値である電力実測値に基づいて電力需要の予測を行う運転管理装置であって、
デマンドレスポンス制御が行われた過去の日時を含む所定の期間における、前記電力実測値と前記施設において使用される電力が予測された値である需要予測値とについて時間毎に記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された過去の日時であって電力需要の予測に用いる日である予測使用日のデマンドレスポンス制御が行われた日時における前記需要予測値と前記電力実測値との比であるDR補正係数を前記デマンドレスポンス制御が行われた日時毎に算出し、前記デマンドレスポンス制御が行われた複数の日の同じ時間の前記DR補正係数の平均値であるDR補正係数平均値を算出する補正係数算出部と、
前記算出されたDR補正係数平均値を前記デマンドレスポンス制御が行われた日時の電力実測値に乗じて予測対象日の前記時間における電力実測値を補正する実測値補正部と
を有することを特徴とする運転管理装置。 - 前記実測値補正部は、前記デマンドレスポンス制御が行われた時間毎に、前記電力実測値の補正を行うことを特徴とする請求項1記載の運転管理装置。
- 施設において使用された電力の実測値である電力実測値に基づいて電力需要の予測を行う運転管理装置におけるデマンドレスポンス制御発動時の電力実測値補正方法であって、
補正係数算出部が、デマンドレスポンス制御が行われた過去の日時を含む所定の期間における、前記電力実測値と前記施設において使用される電力が予測された値である需要予測値とについて時間毎に記憶する記憶部に記憶された過去の日時であって電力需要の予測に用いる日である予測使用日のデマンドレスポンス制御が行われた日時における前記需要予測値と前記電力実測値との比であるDR補正係数を前記デマンドレスポンス制御が行われた日時毎に算出し、前記デマンドレスポンス制御が行われた複数の日の同じ時間の前記DR補正係数の平均値であるDR補正係数平均値を算出し、
実測値補正部が、前記算出されたDR補正係数平均値を前記デマンドレスポンス制御が行われた日時の電力実測値に乗じて予測対象日の前記時間における電力実測値を補正する
ことを特徴とするデマンドレスポンス制御発動時の電力実測値補正方法。
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