JP2011238045A - 事故状況記録システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の車両にそれぞれ設けられた自車両状況検出部25は、各車両の状況を自車両状況データとして検出する。事故状況記憶部53は、過去に発生した事故の発生前後の状況を事故状況データとして記憶する。事故発生推定部54が、自車両状況検出部25によって検出された自車両状況データが事故状況記憶部53に記憶されている事故状況データに合致すると判断すると、予備記録開始部55は、自車両に搭載された状況記録部24に自車両の周辺の状況の記録を開始させるとともに、他車両に搭載された状況記録部24に自車両の周辺の状況の記録を開始させる。
【選択図】図1
Description
しかしながら、上記特許文献1のシステムでは、自車両の挙動に異常が発生した状況、つまり、自車両が事故が発生する寸前の状況にならなければ、事故発生前後における車両の周辺の状況を記録することができない。
即ち、判断手段により自車両の状況が過去に発生した事故の発生前後の状況に合致するか否かを判断することで、自車両が事故が発生しやすい状況に直面しているか否かを推定する。そして、自車両が事故が発生しやすい状況に直面していることが推定される場合には、自車両の状況記録手段および他車両の状況記録手段の双方により自車両周辺の状況の記録(事故発生前の状況を含む)を開始する。これにより、事故が発生する寸前の状況にならなくとも、各車両が事故が起こりそうな状況になれば、当該車両の周辺の状況を記録(事故発生前の状況を含む)することができる。
このように道路設備を利用することで、自車両が事故が発生しやすい状況に直面しているか否かの推定を、例えば歩行者や自転車に関するデータ、信号機や踏切の遮断機などに関するデータをも加味して行うことができ、一層詳細な事故発生の推定処理が可能となる。また、各車両から送信される自車両状況データのみならず、道路設備から送信される車両状況データによっても、事故が発生しやすい状況に直面している車両を特定することができる。
以下、本発明の第1実施形態について図1から図8を参照しながら説明する。図1は、事故状況記録システム10の構成を概略的に示すブロック図である。事故状況記録システム10は、車載装置11と情報センター12とからなる。
車載装置11は、事故発生前後における車両の周辺の状況を記録するドライブレコーダとしての機能を有する。車載装置11は、複数の車両(例えば自動車など)にそれぞれ搭載され、制御部13、車載センサ部14、車載カメラ15、RTC(Real Time Clock)16、画像データ記憶部17、スピーカ18が接続された音声コントローラ19、マイク20から入力された音声を認識する音声認識装置21、通信部22などを備えている。また、制御部13には、ナビゲーション部23が接続されている。
車載センサ部14は、当該車載センサ部14を備える車両の状況を自車両状況データとして検出するものであり、少なくとも一般的に車両に設けられる車載センサを含む。この場合、車載センサ部14は、車両の速度を検出する車速センサ31、エンジンスロットルの開度を検出するスロットル開度センサ32、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルペダル開度センサ33、ステアリングの操作量を検出するステアリングセンサ34、ブレーキペダルの踏み込み量を検出するブレーキペダル開度センサ35、車両の向きを検出するヨーレートセンサ36、車輪の回転速度を検出する車輪速センサ37、車両の加速度を検出する加速度センサ38などからなる。
RTC16は、時刻および時間を設定する計時手段である。RTC16は、発信器(図示せず)が出力したクロックパルスのパルス数をカウントし、カウントしたカウント値が基準値に到達すると単位時間を示す単位時間信号を生成する。そして、RTC16は、生成した単位時間信号に基づいて端末時刻を生成する。
状況記録部24は、後述する事故発生時記録処理および予備記録処理において、車載カメラ15、画像処理部41、画像データ記憶部17などにより、当該状況記録部24を備える車両の周辺の状況を記録する。また、状況記録部24は、車両の走行中において、車載カメラ15、画像処理部41、画像データ記憶部17などから得られるデータ(車両の周辺の状況を示すデータ)を、周期的に画像データ記憶部17の揮発性メモリ(この場合、領域R0)にサイクリックに記録する。
事故発生時記録開始部26は、後述する事故発生時記録処理において、車両の挙動に異常が生じたことをトリガとして、当該事故発生時記録開始部26を備える車両の状況記録部24に当該車両の周辺の状況の記録を開始させる。
制御部51は、図示しないCPU、ROMおよびRAMを有するマイクロコンピュータを主体として構成されており、情報センター12の動作全般を制御する。情報センター12は、制御部51のCPUにおいて制御プログラムを実行することにより、事故発生推定部54、予備記録開始部55をソフトウェアによって仮想的に実現する。
事故状況記憶部53は、過去に発生した事故の発生前後の状況を事故状況データとして記憶する。つまり、事故状況記憶部53は、事故が発生しやすいパターンを特定するための各種情報を記憶するものである。この場合、事故状況記憶部53は、各種の項目(例えば、事故の発生時刻、事故発生前後における事故車両の車速、事故発生前後における事故車両周辺の車両の車速、事故発生前後における事故車両および事故車両周辺の車両の配置(位置関係)、事故発生時の天候、事故発生時の路面状況など)のデータを事故状況データとして記憶する。
予備記録開始部55は、後述する予備記録処理において、各車両に記録開始信号を送信することで、各車両に搭載された状況記録部24に各車両の周辺の状況の記録をそれぞれ開始させる。なお、この予備記録開始部55による記録は、後述するように、各車両が備える状況記録部24によって各車両の画像データ記憶部17の揮発性メモリに周期的に記録されたデータを画像データ記憶部17の不揮発性メモリに複写する処理を含む。
図4は、事故状況記録システム10による制御内容を示すフローチャートである。事故状況記録システム10は、車載装置11が搭載された各車両(自車両あるいは他車両)の走行中において、事故発生時記録処理(ステップA1)、予備記録処理(ステップA2)を並列的に実行する。また、事故状況記録システム10は、これら事故発生時記録処理および予備記録処理とは独立して、記録データ問合せ応答処理(ステップA3)を実行可能に構成されている。事故状況記録システム10は、これらステップA1〜A3の処理を繰り返し実行する。
図5は、事故発生時記録処理の内容を示すフローチャートである。車載装置11の制御部13は、当該車載装置11を搭載した車両の走行中において、車載カメラ15および画像処理部41によって得られた画像データを、画像データ記憶部17の揮発性領域にサイクリックに保存する(ステップB0)。また、車載装置11の制御部13は、車載センサ部14から入力される各種の検出データに基づいて、自車両(例えば、図3に示す車両A)の挙動に異常(例えば、急加速、急減速、急ハンドルなど)が生じたか否かを判断する(ステップB1)。そして、自車両Aの制御部13は、当該自車両Aの挙動に異常が生じたと判断すると(ステップB1:YES)、事故発生時記録開始部26によって、当該自車両Aの周辺に存在する他車両(例えば、図3に示す車両C)に記録開始信号を送信する(ステップB2)。そして、自車両Aの制御部13は、車載カメラ15による撮影を開始し、当該自車両Aの周辺の状況の記録(録画)を開始する(ステップB3)。なお、この記録処理は、過去に揮発性領域にサイクリックに保存した画像データ(映像データ)の不揮発性領域への記録(データの複写)も含む。自車両Aの制御部13は、車載カメラ15による録画を開始すると、所定の記録時間が経過したか否かを判断する(ステップB4)。そして、自車両Aの制御部13は、所定の記録時間が経過したと判断すると(ステップB4:YES)、車載カメラ15による記録(録画)を終了する(ステップB5)。
また、上記の説明では特に他車両Cについて説明したが、「他車両」には事故の相手方である他車両Bも含まれる。従って、他車両Bによる記録データも自車両Aに送信し事故記録データとして記憶することが可能である。
図6は、予備記録処理の内容を示すフローチャートである。この予備記録処理は、車両が事故が発生しやすい状況に直面している場合において当該車両の周辺の状況を記録するための処理である。つまり、実際に事故が発生していない場合であっても予備的に車両周辺の状況を記録する処理である。
車載装置11の制御部13は、当該車載装置11を搭載した車両(例えば、図7に示す自車両D)の走行中において、車載カメラ15および画像処理部41によって得られた画像データを、画像データ記憶部17の揮発性領域にサイクリックに保存する(ステップC0)。車載センサ部14やナビゲーション部23から入力される各種のデータを自車両状況データとして情報センター12に送信する(ステップC1)。この場合、制御部13は、車載センサ部14やナビゲーション部23から入力される全てのデータを情報センター12に送信するようにしてもよいし、一部のデータ(例えば、車速センサ31から入力される自車両の車速データや、ナビゲーション部23から入力される自車両の現在位置データなど)を情報センター12に送信するようにしてもよい。
なお、上記の説明では特に他車両Fについて説明したが、「他車両」には事故の相手方として推定される他車両Eも含まれる。従って、他車両Eによる記録データも自車両Dに送信し事故記録データとして記憶することが可能である。
図8は、記録データ問合せ応答処理の内容を示すフローチャートである。情報センター12の制御部51は、各車両にそれぞれ搭載された車載装置11の制御部13に、特定の事故に関する記録データの有無を問い合わせる問合せ信号を送信する(ステップD1)。この問合せ信号は、問合せ対象となる事故を特定するための情報(例えば、事故発生地点、事故発生時刻など)を含む。各車両の制御部13は、問合せ信号を受信すると(ステップD2:YES)、該当する記録データが画像データ記憶部17に記憶されているか否かを確認する(ステップD3)。各車両の制御部13は、該当する記録データが画像データ記憶部17に記憶されている場合には(ステップD3:YES)、当該記録データを情報センター12に送信する(ステップD4)。
なお、問合せ信号を自車両から他車両に送信し、当該問合せ信号を受信した他車両から該当する記録データを情報センター12あるいは自車両に収集する構成としてもよい。
また、事故状況記憶部53および事故発生推定部54を情報センター12に備えた。これにより、事故状況記憶部53を分散配置した構成とは異なり、事故状況データを1つの情報センター12において一元的に管理することができ、事故状況データの追加、修正、削除などの編集を容易に行うことができる。また、事故発生推定部54を分散配置した構成とは異なり、事故発生推定部54による判断処理を1つの情報センター12において一元的に実行することができ、各車両が事故が発生しやすい状況に直面しているか否かの推定結果に矛盾が生じることがない。従って、事故発生の推定処理を精度良く実行することができる。
次に、本発明の第2実施形態について図9および図10を参照しながら説明する。本実施形態は、道路インフラ設備(道路設備)を利用した点が上述の第1実施形態と異なる。以下、上述の第1実施形態と異なる点のみを説明する。図9には、本実施形態における道路インフラ設備60の構成を概念的に示している。
道路インフラ設備60は、制御部61、センサ部62、通信部63などを備えている。制御部61は、図示しないCPU、ROMおよびRAMを有するマイクロコンピュータを主体として構成されており、センサ部62による各種の検出データを通信部63を介して送信する機能を有する。センサ部62は、道路インフラ設備60の近傍を走行する車両の状況を車両状況データとして検出するものであり、この場合、カメラ71、ループコイル72、赤外線センサ73、超音波センサ74などからなる。カメラ71は、例えば交差点Pの信号機L(図10参照)や、図示しない道路標識、街灯、看板、カーブミラー、踏切の遮断機などに取り付けられ、道路上を走行する車両や、車両以外の対象物(例えば、図10に示す歩道上の歩行者w、自転車bなど)を撮影する。なお、カメラ71は、例えば左右方向あるいは上下方向に旋回可能に設け、撮影範囲を調節可能としてもよい。カメラ71は、画像処理部75に接続されており、撮影した画像を電気信号として出力する。画像処理部75は、カメラ71から得た電気信号に基づいて例えばJPEG形式やMPEG形式の画像データを作成する。ループコイル72は、道路の路面に埋め込まれており、道路上を走行する車両の流れ(車両の通行量、通行頻度、渋滞の程度などを示すデータ)を検出する。制御部61は、これらカメラ71による画像データおよびループコイル72の検出データに基づいて、主として車両の配置(位置関係)を測定することが可能である。
通信部63は、例えば無線の通信回線39を経由して情報センター12との間でデータ通信を行う。なお、通信部63は、通信回線39を介して車載装置11との間でもデータ通信が可能である。
なお、本実施形態では、道路インフラ設備60に制御部61を設けず、センサ部62の各構成要素(カメラ71など)にそれぞれ通信部63を設ける構成としてもよい。
本発明は、上述した各実施形態にのみ限定されるものではなく、例えば次のように変形または拡張することができる。
事故発生推定部54は、事故発生の推定処理を、過去に揮発性メモリに記録されたデータと事故状況データとを比較することで行うようにしてもよい。
事故状況記憶部53および事故発生推定部54を車載装置11に備える構成、即ち、車載装置11のみで事故状況記録システム10を構成するいわゆるスタンドアロン構成としてもよい。この場合、事故状況記憶部53に記憶する事故状況データは、例えば情報センター12からのデータ配信により最新の内容に更新する構成とするとよい。
記録データ問合せ応答処理において、特定の事故に関する記録データの有無を問い合わせる問合せ信号を、例えば事故に関する情報を収集するために警察が事故現場周辺に設置する看板から発信し、その看板の周辺を走行する車両から該当する記録データを収集する構成としてもよい。
また、車載装置11を搭載する各車両から走行履歴データ(少なくとも、走行時刻および走行位置を特定できるデータ)を収集し、当該走行履歴データに基づいて事故発生前後に事故発生現場周辺を走行した車両を特定し、当該車両から該当する記録データを収集する構成としてもよい。
Claims (6)
- 複数の車両にそれぞれ搭載され、各車両の周辺の状況を記録する状況記録手段と、
前記複数の車両にそれぞれ設けられ、各車両の状況を自車両状況データとして検出する自車両状況検出手段と、
過去に発生した事故の発生前後の状況を事故状況データとして記憶する事故状況記憶手段と、
前記自車両状況検出手段によって検出された前記自車両状況データが前記事故状況記憶手段に記憶されている前記事故状況データに合致するか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段が前記自車両状況データが前記事故状況データに合致すると判断した場合に、自車両に搭載された前記状況記録手段に当該自車両の周辺の状況の記録を開始させるとともに、他車両に搭載された前記状況記録手段に前記自車両の周辺の状況の記録を開始させる記録開始手段と、
を備えることを特徴とする事故状況記録システム。 - 前記複数の車両との間でそれぞれ通信を行う情報センターをさらに備え、
前記事故状況記憶手段および前記判断手段を前記情報センターに備えることを特徴とする請求項1に記載の事故状況記録システム。 - 道路設備に設けられ、当該道路設備の近傍を走行する車両の状況を車両状況データとして検出する車両状況検出手段をさらに備え、
前記判断手段は、前記車両状況検出手段によって検出された前記車両状況データが前記事故状況記憶手段に記憶されている前記事故状況データに合致するか否かを判断することを特徴とする請求項1または2に記載の事故状況記録システム。 - 揮発性メモリと不揮発性メモリからなる画像データ記憶手段を備え、
前記状況記録手段は、前記車両の周辺の状況を周期的に前記揮発性メモリに記録し、
前記記録開始手段による記録は、前記状況記録手段によって前記揮発性メモリに周期的に記録されたデータを前記不揮発性メモリに複写する処理を含むように構成したことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の事故状況記録システム。 - 前記画像データ記憶手段は、自車両に関するデータを記憶する領域を大きく設定し、他車両に関するデータを記憶する領域を小さく設定したことを特徴とする請求項4に記載の事故状況記録システム。
- 前記画像データ記憶手段は、事故に関するデータを記憶する領域に格納可能なデータ件数を多く設定し、前記判断手段が前記自車両状況データが前記事故状況データに合致すると判断した場合に各車両の前記状況記録手段が記録する予備記録データを記憶する領域に格納可能なデータ件数を少なく設定したことを特徴とする請求項4または5に記載の事故状況記録システム。
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