JP2011235303A - ヘリカルスプライン型部品の転造法 - Google Patents
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Abstract
【課題】大量生産と短尺化が可能でコストダウンが図れると共に形状の自由度が高いヘリカルスプライン型部品の転造法を提供する。
【解決手段】ヘリックスR1、R2の方向が異なる二つのダイス部材12a,12bが重合一体化されてなる複数のダイス12を用いてインサートWAの頭部の外周面にV字状のヘリカルスプラインを創成する。
【選択図】図1
【解決手段】ヘリックスR1、R2の方向が異なる二つのダイス部材12a,12bが重合一体化されてなる複数のダイス12を用いてインサートWAの頭部の外周面にV字状のヘリカルスプラインを創成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、外周面にV字状のヘリカルスプラインが創成されたヘリカルスプライン型部品の転造法に関する。
私たちの身の回りには、射出や鋳造等の成形品にインサートが埋め込まれるインサート成型による加工品が溢れています。このインサート成型は、電化製品、携帯電話、パソコン、自動車、家具、趣味製品等樹脂でできた製品のねじ嵌合においては必ず用いられる成型方法であります(特許文献1参照)。例えば、図5Aに示すように、パソコンの樹脂製カバー100の射出成形時に、組み立て用のインサートWaが複数個(図示例では3個)埋め込まれる。また、図5Bに示すように、家庭用こたつの樹脂製足(の取付け部)101の射出成形時に、取り付け用のインサートWbが1個埋め込まれる。また、図5Cに示すように、家庭用ドアや扉の樹脂製把手102の射出成形時に、組み立て用のインサートWcが1個埋め込まれる。
ところで、上述した各種インサートにおいて、例えば、図4Aに示すように、その鍔付き本体103の外周面に異なった方向のヘリックスR1,R2が刻設されたヘリカルスプライン型のインサートWdや、図4Bに示すように、その鍔付き本体104の外周面にアヤメ状にローレット掛けRされたアヤメローレット型のインサートWeは、樹脂等成形品との接合(嵌合)強度が著しく高いのが、引き抜き試験やトルク試験で実証されている。
しかしながら、上述したようなヘリカルスプライン型のインサートWdやアヤメローレット型のインサートWeは、従来、転写及び切削加工で製造されていた。
そのため、切削加工後の洗浄、バリ取りが必要である等1個当たりの生産時間が長く、大量生産が不可能であることからコストアップを招来するという問題点があった。特に、加工素材にステンレスや合金鋼など加工しにくいものを使うと加工時間が延びるので、切削性(削り易さ)を重視して真鍮を主体とすると材料コストが高くなり、より一層のコストアップを招来するという不具合があった。
また、ヘリカルスプライン型のインサートWdにあっては、切削カッターの逃がし溝G(図4A参照)が必要であると共に、ヘリックスR1,R2の山頂を樹脂等成形品との引っ掛かりが良好なV字状には物理上加工できないことから、回転方向トルク、軸方向抜け荷重に対して耐えさせるための山形長さが必要以上に長くなり、長尺化によるコストデメリットが発生するという問題点もあった。
また、切削カッターを用いることから、ヘリックスの方向を変えるとかヘリックスアングルの変更が困難で、形状の自由度が低いという問題点もあった。
そこで、本発明は、大量生産と短尺化が可能でコストダウンが図れると共に形状の自由度が高いヘリカルスプライン型部品の転造法を提供することを目的とする。
斯かる目的を達成するための本発明に係るヘリカルスプライン型部品の転造法は、
ヘリックスの方向が異なる二つのダイス部材が重合一体化されてなる複数の転造ダイスを用いて素材の外周面にV字状のヘリカルスプラインを創成することを特徴とする。
ヘリックスの方向が異なる二つのダイス部材が重合一体化されてなる複数の転造ダイスを用いて素材の外周面にV字状のヘリカルスプラインを創成することを特徴とする。
また、
前記転造ダイスは丸ダイスであることを特徴とする。
前記転造ダイスは丸ダイスであることを特徴とする。
また、
前記丸ダイスは素材の外周面に周方向等間隔で3個配置されることを特徴とする。
前記丸ダイスは素材の外周面に周方向等間隔で3個配置されることを特徴とする。
また、
前記転造ダイスは平ダイスであることを特徴とする。
前記転造ダイスは平ダイスであることを特徴とする。
また、
前記素材は成形品に埋め込まれるインサートの素材であることを特徴とする。
前記素材は成形品に埋め込まれるインサートの素材であることを特徴とする。
本発明に係るヘリカルスプライン型部品の転造法によれば、転造ダイスを用いて素材の外周面にV字状のヘリカルスプラインを創成することができるので、切粉の発生が無くバリ取りが不要であるため、1個当たりの生産時間が短く(例えば1個20秒程度の切削加工に対し1個1秒程度)、大量生産が可能であることからコストダウンが図れる。また、安価な素材(一般構造用圧延鋼材等)を使用でき、より一層のコストダウンが図れる。また、切削カッターの逃がし溝G(図4A参照)が不要であるので部品の短尺化によるコストメリットが得られる。また、ヘリックスの方向を変えるとかヘリックスアングルの変更が転造ダイスの変更により容易で、形状の自由度が高い。
また、成形品に埋め込まれるインサートに適用することで、方向が異なる二つのヘリックスによる山頂を樹脂等成形品との引っ掛かりが良好なV字状に加工することができることから、回転方向トルク、軸方向抜け荷重に対して耐えさせるための山形長さを最小限に抑えられ、インサートの短尺化によるコストメリットが得られる。
以下、本発明に係るヘリカルスプライン型部品の転造法を実施例により図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の実施例1を示すヘリカルスプライン型のインサートの転造法の平面図、図2Aは同じくヘリカルスプライン型のインサートの側面図、図2Bは同じくヘリックスの方向が異なるヘリカルスプライン型のインサートの側面図である。
図2A及び図2Bに示すように、本インサート(ヘリカルスプライン型部品)WAは、鍔10a付きの筒状本体(インサート素材)10の内周面に雌ねじ11が形成され、パソコンの樹脂製カバー100(図5A参照)等の射出成形時に、組み立て用インサートとして埋め込まれるようになっている。
そして、前記射出成形時にインサートとして埋め込まれる前に、本インサートWAの筒状本体10の外周面には、後述する転造加工により、V字状に異なった方向のヘリックスR1、R2が創成される。ヘリックスR1は左ねじれ(LH)で、ヘリックスR2は右ねじれ(RH)であり、図2AのインサートWAと図2BのインサートWAとはヘリックス方向の組み合わせが逆なだけでヘリックスアングル(HA)は同じである。
図1に示すように、前記ヘリックスR1、R2は、ヘリックスR1、R2の方向が異なる二つの円盤状のダイス部材12a,12bが重合一体化されてなる複数個(図示例ではインサートWAの点対称位置に、各々の対向するヘリックスR1、R2を一致させて2個配置される)のローラダイス(丸ダイス)12を用いて転造される。尚、二つのダイス部材12a,12bの重合一体化にあたっては、互いの図示しないキー溝の位相を合わせた後、ボルト等で結合されるが、その他の接合手段を用いてもよい。
尚、図1中13は、図示しない転造盤のダイス用主軸(図1中1点鎖線参照)にそれぞれ回転不能に貫通固定されるダイス部材12a,12bの貫通孔である。図1中矢印で示すインサート用主軸の回転に伴うインサートWAの回転下で二つのローラダイス12が図1中矢印で示す主軸の回転と送り(押し付け)により、所望のヘリカルスプライン型のインサートWAが転造されるのである。
このようにして本実施例では、新規なローラダイス12を用いて転造加工により所望のヘリカルスプライン型のインサートWAを製造するようにしたので、切粉の発生が無くバリ取りが不要であるため、1個当たりの生産時間が短く、大量生産が可能であることからコストダウンが図れる。また、安価な素材を使用でき、より一層のコストダウンが図れる。また、切削カッターの逃がし溝G(図4A参照)が不要であるので部品の短尺化によるコストメリットが得られる。また、ヘリックスR1、R2の方向を変えるとかヘリックスアングル(HA)の変更がローラダイス12の変更により容易で、形状の自由度が高い。
また、方向が異なる二つのヘリックスR1、R2による山頂を樹脂等成形品との引っ掛かりが良好なV字状に加工することができることから、回転方向トルク、軸方向抜け荷重に対して耐えさせるための山形長さを最小限に抑えられ、インサートWAの短尺化によるコストメリットが得られる。
尚、本発明者等により、所要の試験片により、本インサートWAの引き抜き試験やトルク試験を行った結果、引き抜き試験ではアヤメローレット型のインサートに対して1.36倍の実測数値が出て、トルク試験では切削加工によるヘリカルスプライン型のインサートと同等以上の実測数値が出ていることが実証されている。
また、上記実施例において、ローラダイス12を、インサートWAの本体外周面に周方向等間隔で3個配置すると、薄肉のインサート本体でも変形を回避しつつ高精度に加工することができるので好適である。
図3Aは本発明の実施例2を示すヘリカルスプライン型のボルトの転造法の平面図、図3Bは同じくヘリカルスプライン型のボルトの転造法の正面図である。
これは、実施例1におけるローラダイス12に代えて、ヘリックスR1、R2の方向が異なる二つの平板状のダイス部材14a,14bが重合一体化されてなる固定側のフラットダイス(平ダイス)14と、ヘリックスR1、R2の方向が異なる二つの平板状のダイス部材15a,15bが重合一体化されてなる移動側のフラットダイス(平ダイス)15とを、ボルト(ヘリカルスプライン型部品)WBの頭部における点対称位置に、各々の対向するヘリックスR1、R2を一致させて配置して、ボルトWBの頭部外周面にV字状に異なった方向のヘリックスR1、R2を創成するようにした例である。尚、図中Xは固定側のフラットダイス14における食付き部で、Yは平行部、Zは逃げ部である。
この実施例によれば、実施例1におけるインサートWAの固有の作用・効果以外は実施例1と同様の作用・効果が得られる。
尚、本発明は上記各実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、ヘリックスアングル(HA)の変更やインサートWAにおける鍔付きを廃止する等各種変更が可能であることはいうまでもない。また、ローラダイス12を用いてボルトWBの頭部外周面にV字状に異なった方向のヘリックスR1、R2を創成しても良いし、フラットダイス14,15を用いてインサートWAの本体外周面にV字状に異なった方向のヘリックスR1、R2を創成しても良い。
本発明に係るヘリカルスプライン型部品の転造法は、射出成形品に適用して好適である。
10 筒状本体
10a 鍔
12a,12b 円盤状のダイス部材
12 ローラダイス
13 貫通孔
14a,14b 平板状のダイス部材
14 固定側のフラットダイス
15a,15b 平板状のダイス部材
15 移動側のフラットダイス
R1、R2 ヘリックス
WA インサート
WB ボルト
10a 鍔
12a,12b 円盤状のダイス部材
12 ローラダイス
13 貫通孔
14a,14b 平板状のダイス部材
14 固定側のフラットダイス
15a,15b 平板状のダイス部材
15 移動側のフラットダイス
R1、R2 ヘリックス
WA インサート
WB ボルト
Claims (5)
- ヘリックスの方向が異なる二つのダイス部材が重合一体化されてなる複数の転造ダイスを用いて素材の外周面にV字状のヘリカルスプラインを創成することを特徴とするヘリカルスプライン型部品の転造法。
- 前記転造ダイスは丸ダイスであることを特徴とする請求項1に記載のヘリカルスプライン型部品の転造法。
- 前記丸ダイスは素材の外周面に周方向等間隔で3個配置されることを特徴とする請求項2に記載のヘリカルスプライン型部品の転造法。
- 前記転造ダイスは平ダイスであることを特徴とする請求項1に記載のヘリカルスプライン型部品の転造法。
- 前記素材は成形品に埋め込まれるインサートの素材であることを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載のヘリカルスプライン型部品の転造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010107870A JP2011235303A (ja) | 2010-05-10 | 2010-05-10 | ヘリカルスプライン型部品の転造法 |
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JP2010107870A Pending JP2011235303A (ja) | 2010-05-10 | 2010-05-10 | ヘリカルスプライン型部品の転造法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108188313A (zh) * | 2017-11-29 | 2018-06-22 | 江阴市永兴机械制造有限公司 | 一种大直径外花键二次冷挤压成形工艺 |
Citations (4)
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JPS5085756A (ja) * | 1973-12-07 | 1975-07-10 | ||
JPH0385139U (ja) * | 1989-04-21 | 1991-08-28 | ||
JPH04129540U (ja) * | 1991-05-22 | 1992-11-26 | 株式会社工進精工所 | 転造機 |
JPH0691337A (ja) * | 1992-09-16 | 1994-04-05 | O S G Kk | 回転軸のストッパ付ヘリカルスプライン形成方法及びその転造工具 |
-
2010
- 2010-05-10 JP JP2010107870A patent/JP2011235303A/ja active Pending
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