JP2011235250A - ウェッジワイヤースクリーン装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウェッジワイヤーのスリットの目幅が、０．２ミリ（２００ミクロン）以下であっても、スクリーン表面を流れる原液や廃水の表面張力によってスリットが塞がれることがなく、固液分離性能を低下させることのないウェッジワイヤースクリーン装置を提供する。
【解決手段】断面形状が楔形の金属線材からなるウェッジワイヤー２を多数並列して、ウェッジワイヤー２間に所定寸法のスリットＳが設けられているウェッジワイヤースクリーン装置１であって、ウェッジワイヤー２の全面が親水性塗料５でコーティングされていること。親水性塗料５は、珪酸ナトリウム、酸化アルミ、酸化チタンと水を主成分とする無機質塗料が好ましい。該親水性塗料５は、１９０℃〜２２０℃の焼付け塗装によりウェッジワイヤー２の全面にコーティングされる。
【選択図】図２

Description

本発明は、ウェッジワイヤーを用いたスクリーン装置に関するものである。
断面形状が楔形の金属線材からなるウェッジワイヤーを多数並列して、各ウェッジワイヤー間に所定寸法のスリットが設けられているスクリーンを用いた固液分離装置は、下水処理場における浮遊物の除去、紙パルク工業、食品工業、繊維工業、化学工業などの各種産業廃水の処理工程や原液の固液分離など、種々の産業分野において使用されている。
ウェッジワイヤーを用いたスクリーン装置におけるウェッジワイヤー間のスリットの目幅は０．５ミリ（５００ミクロン）が一般的であるが、スクリーン裏面の各ウェッジワイヤーの側面に固形物が付着成長して、スリットに目詰りが生じ、固液分離性能を低下させるという難点がある。
このようなスクリーンの目詰りを防止するため、スクリーン裏面からウェッジワイヤー間にブラシを進入させてスクリーンのスリットを清掃する目詰り防止装置を備えたものは知られている（特許文献１〜３参照）。
上記した従来のブラシによる目詰り防止装置を備えたウェッジワイヤースクリーンであっても、スリットの目幅が０．２ミリ（２００ミクロン）以下になると、スクリーンの表面を流れる原液や廃水の表面張力によってスリットが塞がれて目詰りし、固液分離性能が著しく低下して、液体を十分に分離除去できないという問題があった。このため、固形粒子が小さい原液や廃水の固液分離に適用することは困難であるとされていた。
本発明の課題は、上記問題点を解決し、ウェッジワイヤーのスリットの目幅が、０．２ミリ（２００ミクロン）以下であっても、スクリーン表面を流れる原液や廃水の表面張力によってスリットが塞がれることがなく、固液分離性能を低下させることのないウェッジワイヤースクリーン装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、断面形状が楔形の金属線材からなるウェッジワイヤーを多数並列して、前記ウェッジワイヤー間に所定寸法のスリットが設けられているウェッジワイヤースクリーン装置であって、前記ウェッジワイヤーの全面が親水性塗料でコーティングされていることを特徴とする。
前記親水性塗料は、珪酸ナトリウム、酸化アルミ、酸化チタンと水を主成分とする無機質塗料が好ましい。
前記親水性塗料は、１９０℃〜２２０℃の焼付け塗装により前記ウェッジワイヤーの全面にコーティングされる。
本発明のウェッジワイヤースクリーン装置は、前記ウェッジワイヤー間の前記スリットの目幅が１００ミクロン〜３００ミクロンで、前記親水性塗料のコーティングによる塗膜厚みが５ミクロン〜２０ミクロンで実施することが好適である。
上記構成を有する本発明よれば、ウェッジワイヤースクリーン表面を流れる原液や廃水の液膜層が、前記ウェッジワイヤーにコーティングされている前記親水性塗料の親水作用によって剥離されるので、前記液膜層の表面張力が弱められ、前記ウェッジワイヤー間のスリットが前記液膜層によって塞がれるのを効果的に防止して、前記スリットを液体が容易に通過し分離される。したがって、前記ウェッジワイヤースクリーンのスリットの目幅が１００ミクロン〜３００ミクロンの幅狭であっても、原液又は廃水の液分が前記スリットを容易に通過して分離され、従来のウェッジワイヤースクリーンでは困難とされていた固形粒子が微細な原液又は廃水の固液分離が可能となった。
しかも、前記ウェッジワイヤーの表面に前記親水性塗料をコーティングするだけであるから、製造コストの点でもすぐれている。
本発明に係るウェッジワイヤースクリーンの一部分を示す斜視図である。 本発明に係るウェッジワイヤースクリーン装置の要部拡大断面図である。
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。
図１は、本発明によるウェッジワイヤースクリーン１の一部分を示しており、断面形状が楔形のステンレス鋼線材からなるウェッジワイヤー２の楔形尖端部２ａを支持ロッド３にスポット溶接して幅広面部２ｂを表面とするウェッジワイヤースクリーン１が形成され、各ウェッジワイヤー２の間には所定寸法のスリットＳを有するように構成されている。該スリットＳは、固液分離する原液又は廃水などに含まれる固形粒子の大きさによって設定するが、従来のウェッジワイヤースクリーンの標準的なスリット（５００ミクロン）に比較して、かなり小さく設定され、１００ミクロン〜３００ミクロンとする。
上記ウェッジワイヤースクリーン１を構成したのち、各ウェッジワイヤー２の全面に親水性塗料５がコーティングされる。
親水性塗料５は、珪酸ナトリウム、酸化アルミ、酸化チタンと水を主成分とする無機質塗料で、１９０℃〜２２０℃の焼付け塗装により各ウェッジワイヤー２の全面にコーティングされていて、コーティングの被膜厚みは５ミクロン〜２０ミクロンが好適である。
図２は、上記したウェッジワイヤースクリーン１を傾斜して設置した固液分離装置の要部を示しており、原液（被処理液）１０は矢印Ａに示すようにウェッジワイヤースクリーン１の傾斜表面に沿って供給される。ウェッジワイヤースクリーン１の表面を流れる原液１０に含まれる粒子の大きい固形物（汚物）１１はウェッジワイヤースクリーン１の表面に沿って流れ落ちて排出され、原液１０中の液分（水）１２と微小粒子の固形物はスリットＳを通過して分離排出される。このとき、ウェッジワイヤー２の表面にコーティングされている親水性塗料５の親水作用によって、ウェッジワイヤースクリーン１の表面に形成される原液１０の液層膜が剥離され、剥離点１３によってその表面張力が弱められる。したがって、前記液層膜の表面張力によってスリットＳが塞がれるのを防止でき、原液１０中の液分（水）１２がスムーズにスリットＳを通過して分離される。
なお、図２に示されているように、スリットＳの目詰まりを防止するため、前述した従来装置と同様に、ウェッジワイヤースクリーン１の裏面からウェッジワイヤー２間にブラシ７を進入させてウェッジワイヤースクリーン１のスリットＳを清掃する目詰まり防止装置を付設すると、より効果的である。
１ ウェッジワイヤースクリーン
２ ウェッジワイヤー
２ａ ウェッジワイヤー２の楔形尖端部
２ｂ ウェッジワイヤー２の幅広面部
３ 支持ロッド
Ｓ スリット
５ 親水性塗料
７ ブラシ
１０ 原液（被処理液）
１１ 原液１０中の固形物（汚物）
１２ 原液１０中の液分（水）
１３ 剥離点
実公昭６４−４４１８号公報 実公昭５４−４５５７５号公報 特公昭５９−３９１６６号公報

Claims (4)

  1. 断面形状が楔形の金属線材からなるウェッジワイヤーを多数並列して、前記ウェッジワイヤー間に所定寸法のスリットが設けられているウェッジワイヤースクリーン装置であって、
    前記ウェッジワイヤーの表面が親水性塗料でコーティングされていることを特徴とするウェッジワイヤースクリーン装置。
  2. 前記親水性塗料が、珪酸ナトリウム、酸化アルミ、酸化チタンと水を主成分とする無機質塗料である請求項１記載のウェッジワイヤースクリーン装置。
  3. 前記親水性塗料が、１９０℃〜２２０℃の焼付け塗装により前記ウェッジワイヤーの全面にコーティングされている請求項１又は２記載のウェッジワイヤースクリーン装置。
  4. 前記ウェッジワイヤー間の前記スリットの目幅が１００ミクロン〜３００ミクロンで、前記親水性塗料のコーティングによる塗膜厚みが５ミクロン〜２０ミクロンである請求項１ないし３のいずれかに記載のウェッジワイヤースクリーン装置。
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