JP4229758B2 - 集水装置および濾過装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生活廃水、工業廃水、埋立余水、上水、海水等の幅広い分野における「水」を濾過する際に使用される濾過装置、およびこれを構成する際に用いられる集水装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、水を濾過媒体により濾過処理した後に、集水する装置としては、例えば、上部の頂壁近傍に多孔質体等にて形成された支持手段を備えた構成の集水装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
上記従来技術にかかる集水装置は、支持手段(特許文献1における「キャップ」に相当)を、その上部の頂壁近傍に載置して構成されており、通常、被処理流体(生活廃水、工業廃水、埋立余水、上水、海水等の幅広い分野における「水」)を砂等の濾過媒体で濾過した後に集水するために用いられる。また、この集水装置は、支持手段の上に載置された砂等の濾過媒体にごみ等が詰まって濾過能力が低下した場合、逆洗処理を行うことによりごみ等を除去することが可能な構成を有している。
【0004】
具体的には、集水装置の頂壁には貫通孔部(特許文献1における「オリフィス」に相当)が形成されている。この貫通孔部は、「集水時」には、重力の作用により支持手段を通過した濾過流体を集水装置内に通過流通させ、「逆洗時」には、集水装置内を介して供給される逆洗流体にて濾過媒体を洗浄すべく、逆洗流体を通過流通させる。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−326905号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術に係る集水装置は、以下のような問題を有していた。
【0007】
従来技術にかかる集水装置は、頂壁上に設けられたリブ上に、支持手段が載置されている。
すなわち、従来技術にかかる集水装置は、支持手段が、リブによって頂壁との間に所定の空間を有すべく構成されている。したがって、従来技術によれば、集水時あるいは逆洗時に、支持手段に対して流体からの圧力が作用した際に支持手段の撓みが大きくなり、隙間から濾過媒体が集水装置内に落下して濾過流体に混入したり、支持手段自体が破損しやすいという問題があった。
【0008】
また、従来技術にかかる集水装置は、頂壁近傍に、頂壁の上部平面を略覆うように一体的に形成された支持手段を有しており、この一体的に形成された支持手段は、上述の通り、頂壁上に設けられたリブ上に載置されている。
すなわち、従来技術によれば、流体からの圧力が作用する際に、リブと支持手段とが確実に接触していない部分等がある場合には、圧力作用時の支点と作用点との距離が大きくなる可能性があり、そのため、より大きなモーメントが発生して、支持手段の撓みが大きくなり、隙間から濾過媒体が集水装置内に落下して濾過流体に混入したり、支持手段自体が破損しやすいという問題があった。
【0009】
さらに、従来技術にかかる集水装置は、支持手段と、貫通孔部が形成された頂壁との間に所定空間が設けられているため、逆洗時において、貫通孔部からの逆洗流体が、支持手段の空隙率が高い所に集中して流通し、濾過媒体を均一に洗浄することが困難であるという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は上記従来技術に係る問題を解決するためになされたものであって、支持手段の破損を効果的に防止可能な集水装置を提供することを課題とする。また、本発明は、濾過媒体の逆洗を適切に実施可能な集水装置を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、上記課題を解決するための本発明は、頂壁に支持手段を載置可能な集水装置であって、前記頂壁に複数個の貫通孔部が形成されており、前記頂壁に、前記支持手段が直接的に載置可能であり、複数に分割された前記支持手段が、前記頂壁に載置可能であることを特徴としている。
【0012】
本発明においては、前記支持手段は、その全面にて前記頂壁上に保持されることとなる。したがって、本発明によれば、「集水処理」および「逆洗処理」のいずれの場合であっても、濾過流体および逆洗流体からの圧力作用時に、前記支持手段に作用する応力が小さくなるため、前記支持手段に生ずる撓みが小さくって、前記支持手段における亀裂、破損等を効果的に防止することが可能となる。また、このように前記支持手段に生ずる撓み(隙間)が小さくなることによって、砂等の濾過媒体がその隙間から集水装置内に落下するおそれがなくなる。
【0013】
また、本発明にかかる集水装置においては、複数に分割された前記支持手段が、前記頂壁に載置可能である。
【0014】
この構成によれば、分割された複数の前記支持手段を用いることによって、前記支持手段の撓みを小さくして、その亀裂、破損等を効果的に防止すると共に、隙間から砂等の濾過媒体が集水装置内に落下することを防止することができる。
【0015】
また、本発明にかかる集水装置においては、前記頂壁の表面積と、前記貫通孔部全ての開孔面積との比が、以下の数1の関係を有する構成が好ましい。
【0016】
【数1】
S2/S1 = 0.5%〜2.5%
S1:頂壁の表面積
S2:貫通孔部全ての開孔面積
【0017】
この好ましい構成によれば、前記貫通孔部から逆洗流体を均等に噴出させることができる。一般的に多数の貫通孔部を通って流体が外(頂壁上)へ噴出する場合、噴出抵抗(圧力損失)が大きいほど、各貫通孔部からの噴出量が均等になることが知られている。しかし、この噴出抵抗が大きすぎると流体の噴出量が不足する。そこで、本発明の発明者は、鋭意研究の結果、頂壁の表面積S1と貫通孔部全ての開孔面積との比が、上記数1の関係を有する場合に、均等且つ効果的に逆洗流体を噴出可能であることに想到した。すなわち、S2/S1が0.5%よりも小さい場合には、前記貫通孔部を流れる逆洗流体の抵抗(圧力損失)が大きすぎて逆洗を正常に行うことができず、S2/S1が2.5%よりも大きい場合には、圧力損失が小さすぎて逆洗流体が均等に噴出しないため、上記数1の関係を有する構成が好ましいことが明らかとなった。
【0018】
また、本発明にかかる集水装置においては、断面が中空の柱形状である外殻体と、前記外殻体内に設けられた内殻体とを用いて構成されており、前記外殻体内部が、前記内殻体と前記頂壁との間に構成された第一流通部と、前記第一流通部を除く第二流通部とに区画され、前記第一流通部断面と前記第二流通部断面との面積比率が、以下の数2の関係を有する構成が好ましい。
【0019】
【数2】
A2/(A1+A2) = 0.5〜0.85
A1:第一流通部断面積
A2:第二流通部断面積
【0020】
この好ましい構成によれば、前記第一流通部断面積A1を流れる水の速度が低くなるため、圧力損失が小さくなる。また、圧力勾配も小さいため、前記貫通孔部から噴出される水の均等性が高まる。
【0021】
さらに、上記課題を解決するための本発明は、上述されたいずれかの集水装置と、前記集水装置の頂壁に直接載置された支持手段と、前記支持手段にて支持された濾過媒体とを備えた濾過装置であって、前記支持手段が、複数に分割された多孔質体を用いて構成されていることを特徴としている。
【0022】
このような構成にかかる濾過装置によれば、支持手段の強度向上を図ることが可能になると共に、支持手段の交換を容易に行うことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
【0028】
図1は、本発明の実施形態にかかる集水装置の概略図を示したものであり、具体的には、図1(a)は、本実施形態にかかる集水装置の上面図を示し、図1(b)は、本実施形態にかかる集水装置の側面図を示したものである。また、図2は、本実施形態にかかる集水装置(図1(b)参照)のII−II断面図を示したものである。さらに、図3は、本実施形態にかかる集水装置の概略斜視図を示したものである。また、図4は、本実施形態にかかる集水装置(多孔プレートを取り外した状態)の上面図を示したものである。
【0029】
本実施形態にかかる集水装置10は、図1〜図3に示すように構成されており、具体的には、その頂壁に直接的に複数の多孔プレート20(本発明の「支持手段」、「多孔質体」に相当)を載置して構成されている。
【0030】
集水装置10は、断面が略矩形の中空の柱形状(図2等参照)を有する外殻体11と、この外殻体11内に設けられた内殻体12とを用いて構成されている。この内殻体12は、外殻体11内部を、中央流通部13(本発明の「第二流通部」に相当)と、この中央流通部13の両側に位置する側方流通部14(本発明の「第一流通部」に相当)とに区画すべく設けられており、本実施形態においては、外殻体11内に略逆V字形断面を有すべく構成されている(図2、図3参照)。
ここで、本実施形態にかかる集水装置10は、図2に示された側方流通部14断面(第一流通部断面)(A1=A11+A12)と、中央流通部13断面(第二流通部断面)(A2)との面積比率(A2/(A1+A2))が、0.5〜0.85となるように、外殻体11中に内殻体12が設けられている。
【0031】
外殻体11は、集水装置10を、所定の箇所に配設する際に上方に位置する頂壁11aと、下方に位置する底壁11cと、頂壁11aおよび底壁11cを連接させる側壁11bとを用いて構成されている。
【0032】
また、本実施形態においては、頂壁11aの上方に側壁11bから延設して、第一リブ部15aが設けられており、さらに、頂壁11aの上面には、頂壁11aを複数の区画に分割すべく、複数の第二リブ部15bが設けられている。
本実施形態にかかる集水装置10は、図4に示すべく、これらのリブ部15a,15bにて、頂壁11a上面が複数の領域に区画され、この各区画領域のそれぞれに対して、多孔プレート20が直接的に載置される。つまり、図1および図2に示すように、集水装置10を構成する際には、頂壁11a上面に直接的に接触すべく、多孔プレート20が載置される。
【0033】
頂壁11aには、頂壁11aの上方部と左右の側方流通部14とを連通させるべく、複数の頂壁孔部11a1(本発明の「貫通孔部」に相当)が設けられており、図2に示す断面においては、左右の側方流通部14に対して、それぞれ三個の頂壁孔部11a1が設けられている。これらの頂壁孔部11a1は、図3および図4に示すように、頂壁11a上に、一定間隔で設けられており、本実施形態においては、頂壁11aの全表面積(S1)(本発明の「頂壁の表面積」に相当)と頂壁孔部11a1の全開孔面積(S2)(本発明の「貫通孔部全ての開孔面積」に相当)との比(S2/S1)が、0.5%〜2.5%程度に設定されている。また、例えば、頂壁孔部11a1のそれぞれの開孔径(直径)は2mm〜8mm程度に設定され、開孔数は100個/m2〜8000個/m2程度に設定され、ピッチは10mm〜100mm程度に設定されている。
【0034】
また、内殻体12には、中央流通部13と左右の側方流通部14とを連通させるべく、第一内殻孔部12a、第二内殻孔部12b、および第三内殻孔部12cが設けられている。
【0035】
第一内殻孔部12aは、その直径が9.4mmから23.4mm程度に形成され、内殻体12の長手方向に50mmから300mm間隔に設けられる構成が好ましい。この第一内殻孔部12aは、その直径が上記範囲よりも小さい場合(9.4mmよりも小さい場合)には流体抵抗が大きすぎて逆洗を行うことができなくなる。また、その直径が上記範囲よりも大きい場合(23.4mmよりも大きい場合)には流体抵抗が小さすぎて内殻体12の長手方向での逆洗流体の噴出量が不均等となる。よって、第一内殻孔部12aの直径は、上記範囲内に定めることが好ましい。さらに、内殻体12の長手方向における第一内殻孔部12aの開孔ピッチについては、例えば、そのピッチを上記範囲よりも短くすると(50mmよりも短くすると)、集水装置10を製造する際の費用がかさみ不経済であり、上方範囲よりも長くすると(300mmよりも長くすると)、内殻体12の長手方向における逆洗流体の噴出量が不均等となる。
【0036】
第三内殻孔部12cは、その直径が1.8mmから6.9mm程度に形成され、内殻体12の長手方向に50mmから300mm間隔に設けられる構成が好ましい。この第三内殻孔部12cについても、第一内殻孔部12aと同様に、その直径が上記範囲よりも小さいと(1.8mmよりも小さいと)流体抵抗が大きすぎて逆洗を行うことができなくなり、その直径が上記範囲よりも大きいと(6.9mmよりも大きいと)流体抵抗が小さすぎて内殻体12の長手方向での逆洗流体の噴出量が不均等となる。さらに、内殻体12の長手方向におけるピッチについても、第一内殻孔部12aと同様に、そのピッチを上記範囲よりも短くすると不経済となり、上方範囲よりも長くすると逆洗流体の噴出量が不均等となる。
【0037】
第二内殻孔部12bは、第三内殻孔部12cより20mmから150mm下方に設けることが好ましい。第二内殻孔部12bと第三内殻孔部12cとの間隔が、上記範囲よりも小さい場合には逆洗流体の噴出が不均一となり、上記範囲よりも大きい場合には噴出抵抗が大きすぎて逆洗を効果的に実施できなくなる。
また、この第二内殻孔部12bは、その直径が4.4mmから22mm程度に形成され、内殻体12の長手方向に50mmから300mm間隔に設けられる構成が好ましい。そして、この第二内殻孔部12bについても、他の内殻孔部12a,12cと同様に、その直径が上記範囲よりも小さいと(4.4mmよりも小さいと)流体抵抗が大きすぎて逆洗を行うことができなくなり、その直径が上記範囲よりも大きいと(22mmよりも大きいと)流体抵抗が小さすぎて内殻体12の長手方向での逆洗流体の噴出量が不均等となる。加えて、内殻体12の長手方向におけるピッチについても、他の内殻孔部12a,12cと同様に、そのピッチを上記範囲よりも短くすると不経済となり、上方範囲よりも長くすると逆洗流体の噴出量が不均等となる。
【0038】
上記のように、各内殻孔部12a,12b,12cの関係が定められているのは、「逆洗処理」の際に、中央流通部13から内殻体12(に設けられた各内殻孔部12a,12b,12c)を介して側方流通部14に流通される流体の圧力分布を、頂壁11全面において均一化させるためである。
【0039】
なお、本実施形態においては、上述したように、三つの内殻孔部12a,12b,12cを内殻体12の長手方向に同様の間隔にて設けた場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、必要に応じて、二つあるいは四つ以上の内殻孔部を内殻体12の長手方向に均一に設けてもよい。
【0040】
また、図3に示すように、本実施形態においては、側壁11b上方に設けられた第一リブ部15aと、頂壁11a上面に複数設けられた第二リブ部15bとで区画された各領域のそれぞれに対して、各区画領域と略同様の大きさに形成された多孔プレート20が載置されている。各多孔プレート20は、頂壁11aに対して、それぞれボルト21を用いて固定されており、具体的には、各多孔プレート20の四隅にボルト21を設けて、頂壁11aに取り付けられている。
【0041】
さらに、本実施形態にかかる集水装置10に直載される多孔プレート20は、例えば、直径数mmのビーズを多数接合して構成されている。このビーズとしては、ポリオレフィン等のプラスチックの他、セラミック、焼結金属等が使用可能である。
【0042】
本実施形態にかかる集水装置10は、以上のように構成されており、「集水処理」および「逆洗処理」の際には、次のように機能する。
【0043】
本実施形態にかかる集水装置10は、上述したように、頂壁11aに濾過媒体の支持手段たる多孔プレート20を配設して構成されており、「集水処理」は、重力の作用によって砂等の濾過媒体を透過した濾過流体が、多孔プレート20、および頂壁11aに貫通すべく形成された頂壁孔部11a1を介して側方流通部14内に導入され、さらに、内殻体12に貫通すべく形成された内殻孔部12a,12b,12cを介して、側方流通部14から中央流通部13内に導入されることによって行われる。
【0044】
すなわち、本実施形態において、重力によって濾過媒体を透過した濾過流体は、多孔プレート20、頂壁孔部11a1、および内殻孔部12a,12b,12cを介して、中央流通部13内に導入される。そして、この濾過流体は、中央流通部13に接続された配管等(図示省略)を介して、所定箇所に搬送される。
【0045】
濾過媒体には、濾過処理に伴い、被処理流体中に含まれていたゴミ、埃等の異物が詰まるため、必要に応じて、所定時間毎に洗浄処理を行う必要がある。そのため、本実施形態にかかる集水装置10は、濾過媒体の「逆洗処理」を行う場合にも使用される。
【0046】
すなわち、本実施形態の「逆洗処理」は、中央流通部13に接続された配管等を介して、中央流通部13内に、気体あるいは液体等の流体(以下「逆洗流体」ともいう。)を流通させ、この逆洗流体を、中央流通部13から、内殻体12、頂壁11a、および多孔プレート20を介して濾過媒体に噴出させる。具体的には、中央流通部13内に導入された逆洗流体が、内殻孔部12a,12b,12c、頂壁孔部11a1、および頂壁11a表面に直接的に配設された多孔プレート20を介して濾過媒体に噴出され、この噴出された逆洗流体によって、濾過媒体に詰まっていた異物が取り除かれる。
【0047】
なお、逆洗流体としては、通常、濾過流体が用いられ、何等かの気体を逆洗流体として使用する場合であっても、その気体と、気体によって逆流する濾過流体とが逆洗流体として作用することとなる。
【0048】
さて、本実施形態にかかる集水装置10は、以上のように構成され機能するため、次のような効果を得ることができる。
【0049】
まず、本実施形態にかかる集水装置10においては、支持手段を成す多孔プレート20が、頂壁11aに直接的に載置されている。
したがって、本実施形態によれば、多孔プレート20は、その全面にて頂壁11a上に保持されることとなって、「集水処理」および「逆洗処理」のいずれの場合であっても、濾過流体および逆洗流体からの圧力作用時における多孔プレート20に生ずる撓みが小さくなり、多孔プレート20の破損を効果的に防止することが可能となる。また、多孔プレート20と集水装置10の頂壁11aとの隙間から濾過媒体が集水装置10内に落下して、濾過流体に濾過媒体が混入することがない。
【0050】
また、本実施形態においては、支持手段たる多孔プレート20が、頂壁11a上に複数設けられているため、仮に、多孔プレート20に撓み等があっても、従来技術のように支持手段が一体的に構成された場合と比較すれば、多孔プレート20に生ずるモーメント等は、大幅に削減される。
したがって、本実施形態によれば、分割された複数の多孔プレート20を用いることによって、支持手段(多孔プレート20)の撓みを小さくして、その破損を効果的に防止することができる。また、多孔プレート20と集水装置10の頂壁11aとの隙間から濾過媒体が集水装置10内に落下して濾過流体に濾過媒体が混入することがさらに防止される。
【0051】
さらに、本実施形態においては、上述した通り、支持手段たる多孔プレート20が頂壁11aに直接的に配設されているため、「逆洗処理」の際に、逆洗流体が、多孔プレート20を介して濾過媒体に略均一に噴出されることとなる。
すなわち、本実施形態によれば、頂壁11aと多孔プレート20との間には、従来のような空間が設けられていないため、逆洗流体が、支持手段の空隙率が高い所に集中することはなく、頂壁孔部11a1の分布状態に応じて、逆洗流体が濾過媒体に略均一に噴出されることとなる。
【0052】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0053】
例えば、上記実施形態においては、集水装置10が、平板状の多孔プレート20を有する構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。したがって、例えば、濾過媒体が頂壁孔部11a1から落下しない程度の大きさを有する場合には、特に多孔プレート等を配置せずに集水装置を構成してもよい。
【0054】
また、上記実施形態においては、集水装置10を構成する際に用いられる多孔プレート20の開孔寸法等は特に説明しなかったが、これは何等かの寸法に限定されるものではなく、多孔プレートの表面積、濾過媒体の大きさ等に基づいて適宜設定可能である。したがって、多孔プレートの表層部、裏層部、および中層部(表層部と裏層部との間に設けられた層)の開孔寸法をそれぞれ(あるいは一つ以上)異なるように設定してもよい。例えば、表層部および裏層部の開孔寸法を大寸法(例えば、500μm〜5000μm)とし、中層部の開孔寸法を小寸法(例えば、150μm〜1500μm)としてもよい。かかる構成によれば、多孔プレートが三層構造を有することとなるため、大寸法層部で大きい気泡を作って逆洗効果等を高めると共に、小寸法層部(中層部)で濾過媒体の落下を防止することができる。
【0055】
また、上記実施形態においては、集水装置に多孔プレート20(支持手段)を載置した場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。
したがって、例えば、図5に示すような構成の集水装置としてもよい。
【0056】
ここで、図5は、他の実施形態にかかる集水装置の断面図(上記実施形態における図2に相当する断面図)を示したものである。この図5に示された実施形態にかかる集水装置10’は、図1等にて説明された集水装置10と略同様であって、基本的には、その頂壁の構成のみが異なる。そこで、以下においては、図1等にて説明した実施形態と異なる部分について、主に説明する。
【0057】
すなわち、本実施形態にかかる集水装置10’は、断面が略矩形の中空の柱形状を有する外殻体40と、この外殻体40内に設けられた内殻体12’とを用いて構成されている。また、内殻体12’は、先に説明した実施形態と同様に、外殻体40内部を、中央流通部13’と、この中央流通部13’の両側に位置する側方流通部14’とに区画すべく設けられており、外殻体40内に略逆V字形断面を有すべく構成されている。
【0058】
また、外殻体40は、集水装置10’を所定箇所に配設する際に、上方に位置する頂壁41と、下方に位置する底壁43と、頂壁41および底壁43を略矩形状に連接させる側壁42とを用いて構成されている。そして、本実施形態においては、頂壁41が多孔質体を用いて構成されている。具体的には、先の実施形態にて説明した多孔プレートと同様の性質を有すべく、頂壁41が構成されている。
【0059】
本実施形態にかかる集水装置10’は、以上のように構成されているため、支持手段を別に設けることなく、支持手段の分だけ逆洗流体の抵抗(圧力損失)を小さくすることが可能となる。
また、このような構成の集水装置10’を用いれば、濾過装置を低く(小さく)構成することができる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、支持手段の破損を効果的に防止可能な集水装置を得ることができる。また、本発明によれば、支持手段および濾過媒体の逆洗処理を適切に実施可能な、いわゆる支持手段および濾過媒体に対する均一な逆洗処理を実現可能な集水装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる集水装置の概略図である。図1(a)は、本実施形態にかかる集水装置の上面図であり、図1(b)は、本実施形態にかかる集水装置の側面図である。
【図2】図1(b)のII−II断面図である。
【図3】本発明の実施形態にかかる集水装置の概略斜視図である。
【図4】本発明の実施形態にかかる集水装置を成す濾過用ブロックの上面図である。
【図5】本発明の他の実施形態にかかる集水装置の断面図である。
【符号の説明】
10、10’…集水装置
11…外殻体
11a…頂壁
11a1…頂壁孔部
11b…側壁
11c…底壁
12、12’…内殻体
12a…第一内殻孔部12a
12b…第二内殻孔部12b
12c…第三内殻孔部12c
13、13’…中央流通部
14、14’…側方流通部
15a…第一リブ部
15b…第二リブ部
20…多孔プレート
21…ボルト
40…外殻体
41…頂壁
42…側壁
43…底壁
Claims (4)
- 頂壁に支持手段を載置可能な集水装置であって、
前記頂壁に複数個の貫通孔部が形成されており、
前記頂壁に、前記支持手段が直接的に載置可能であり、複数に分割された前記支持手段が、前記頂壁に載置可能であることを特徴とする集水装置。 - 前記頂壁の表面積と、前記貫通孔部全ての開孔面積との比が、以下の数式の関係を有する請求項1に記載の集水装置。
S2/S1 = 0.5%〜2.5%
S1:頂壁の表面積
S2:貫通孔部全ての開孔面積 - 断面が中空の柱形状である外殻体と、前記外殻体内に設けられた内殻体とを用いて構成されており、
前記外殻体内部が、前記内殻体と前記頂壁との間に構成された第一流通部と、前記第一流通部を除く第二流通部とに区画され、前記第一流通部断面と前記第二流通部断面との面積比率が、以下の数式の関係を有する請求項1または2に記載の集水装置。
A2/(A1+A2) = 0.5〜0.85
A1:第一流通部断面積
A2:第二流通部断面積 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の集水装置と、前記集水装置の頂壁に直接載置された支持手段と、前記支持手段にて支持された濾過媒体とを備えた濾過装置であって、
前記支持手段が、複数に分割された多孔質体を用いて構成されていることを特徴とする濾過装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003143724A JP4229758B2 (ja) | 2003-05-21 | 2003-05-21 | 集水装置および濾過装置 |
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