JP2010188225A - 沈降分離装置および原水の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
沈降分離装置において、原水の固液分離を容易に行うための装置を提供する。
【解決手段】
沈降分離装置において、原水の流入部近傍部にシート状膜を凝集フロック水の水流方向に並列させた状態で、かつシート状膜間に間隔を設けて多重展張した沈降分離装置および該装置を用いた原水の処理方法。
【選択図】図2
沈降分離装置において、原水の固液分離を容易に行うための装置を提供する。
【解決手段】
沈降分離装置において、原水の流入部近傍部にシート状膜を凝集フロック水の水流方向に並列させた状態で、かつシート状膜間に間隔を設けて多重展張した沈降分離装置および該装置を用いた原水の処理方法。
【選択図】図2
Description
本発明は、原水中の懸濁粒子を凝集フロック化し、固形粒子を重力によって固液分離させる装置およびその装置を用いた原水の処理方法に関する。
従来、原水中の懸濁粒子を自然沈降、又は凝集沈殿などで凝集粒子を沈降させる沈降分離装置としては種々のものが提案されている。
例えば沈降分離装置内に流れ方向に対して、傾斜板を設置する方法が提案されている。
また他の方法として流れ方向に対し直角にシート状膜等を展張する方法が提案されている。
例えば沈降分離装置内に流れ方向に対して、傾斜板を設置する方法が提案されている。
また他の方法として流れ方向に対し直角にシート状膜等を展張する方法が提案されている。
前記従来技術の傾斜板を設置する技術思想は、沈澱池内で面積を多面にして沈降条件を高めることを目的としたものである。
しかしながら沈澱池内で長期に使用すると、運転管理上の閉塞による洗浄行為によって装置を一時的にも停止させなければならず、効率低下となるので極力避けなければならない。
従来の傾斜板の設計思想は、沈澱池内に沈降面積を増加し、沈降した粒子が傾斜部を滑り落ちて、沈降効率を高める目的で使用されているにもかかわらず、実際は沈降粒子が傾斜部を滑り落ちないで堆積して、設計間隔を狭める場合があり、初期の目的である効果が減少していた。そのため今日では、沈降効率の最も高い沈澱池流入部の多粒子が流入する個所への設置を避けて、微細粒子が付着する沈澱池後段に傾斜板を設置しているのが現況である。
このことは初期の設計思想と異なり、本来の凝集沈降理論が欠落した技術不良の結果が効率の低下を招き、故に無駄なコストが発生している。
一般に上水道プロセスでは、凝集剤の過剰注入、不良凝集、アルミニウムイオンの残留、沈殿池の傾斜板が閉塞しやすい為というだけの理由で、凝集フロック数が多く異径粒子の相互干渉が働く部位の沈澱池の流入部に傾斜板設置がなされていない。言い換えれば閉塞を理由に、沈澱池の最も効果的な部位ではなく、沈澱池後段に微粒子の付着板として設置されている場合が多い。
従って近来は、凝集沈澱処理の不良処理の諸問題を補うために高度化装置等を付加して、高度化処理と称した方法を採用している。しかしながら最良の方法は、最小原理に基づき最大効果を得ることである。
従来は凝集剤の過剰使用によるコスト増、産業廃棄物の汚泥量の増加、高度化処理装置の導入、維持管理の煩雑などによる無駄な費用が発生する等の問題により、それが弊害となり、さらなる費用を要し、水道水のコストアップの要因となっている。
すなわち、当初、欧米の干渉沈降を骨格とした理論があり、それに基づき高速凝集沈澱装置が日本に導入されたことがある。しかしながら、今日では単一沈降を主体にした装置が主流であり、傾斜板の単一沈降理論が採用されているのが現況である。
しかしながら、原水の水質変化要因は温度、濁度、アルカリ度などの凝集要素があり、これは温度変化等によって種々変化するが、それを単一粒子的思想でとらえること自体、凝集処理の最適解でない事である。
要するに原水水質の変動要因に対しては、活性粒子密度を濃くして干渉沈降で対応する事が好ましい。
この多粒子を形成するのに従来の欧米技術は機械的循環や、上向流による装置で行っていたが、干渉沈降ゾーンを維持する運転方法が難易であった。活性フロックを通水中に粒子層として懸垂させ、溜め込み、横流れでスラッジブランケットを自然形成させれば、原水水質の変動にも対応する活性フロック群が十分安定した処理をすることが可能となる。単一沈降では一過性の粒子でも、凝集フロックとして干渉沈降層で再使用すること(粒子濁度を高めれば懸垂し、ろ過層となる)によって、活性粒子によるろ過効果を有することとなる。この単一沈降と干渉沈降の違いは、前者は、球形単一粒子の静止沈降の条件を前提とするもので、水処理の多岐にわたる粒子沈降ではそのような条件設定はされにくい。一方後者は多様な変化要素によっても粒子間距離が相互に干渉できる濃度になることから効果的に凝集沈降させることができる。
例えれば、単一沈降と干渉沈降とは、単発銃と散弾銃以上の違いがある。
即ち、干渉沈降は単位時間と単位面積当たり、粒子数が多いほど粒子相互の接触回数は多いのである。単一沈降は粒子間距離が遠く、粒子の接触回数は少ない。その反対の干渉沈降は前述したように接触頻度が多いために、固液分離が容易に行え、清澄度が高まる。
この干渉沈降は、宇宙銀河の星々が衝突・合体をくり返し行って銀河になった生い立ちと同じである。
本発明は、自然流−横流れの中で、簡単に粒子群を懸垂させ連続沈降層を形成し、処理を安定させ、コストダウンを目的とした処理方法である。
すなわち、本発明は、干渉沈降理論を応用した技術である。本発明は、干渉沈降を主体とした沈殿地であり、沈澱池流入部に活性多粒子が多い粒子層とした高速沈澱池である。水処理の問題は、従来のように、単一沈降でとらえる日本的思想は、凝集沈澱処理の主理論から外れ、原理的要素が欠落している。本発明のように一度形成した凝集フロックを再活用するには、干渉沈降の状態を水中に出来るだけ長く保持し、できればクラウド(雲海状)の層として、水中に懸垂させることが必要である。すなわち、欧米の主技術思想を日本の自然河川の低濁度原水に適したように改善することによって干渉沈降ゾーンを沈殿池内に保持することができる。このことによって今日の凝集沈澱の諸問題を解決すことができる。
従来法は、長期間使用すると、間隔部が閉塞するため初期設計条件を満たさない欠点と沈殿池内に傾斜板を固定しているために、堆積した凝集フロックの重量負荷が沈殿池躯体構造体に掛り、必要以上に強固な沈殿池構造体の強度が必要となるなどの本質的欠点があった。
また従来のようにシート状膜等を流れに対し直角に展張すると、干渉域(横流れのスラッジブランケット)を設ける事はできるが、更に固液分離を促進させて清澄水を得るには、粒子間の密度を濃くした多粒子層を水中に停滞させる干渉域(横流れのスラッジブランケット)を流れ方向に対して長く形成させ、接触頻度を増す必要がある。
そこで本発明者は、簡易な設備によって既設傾斜板の閉塞や躯体構造の問題点を解消する沈降分離装置の改善方法として、例えば沈殿池流入部近傍に整流可能な抵抗体を設けて、懸濁粒子や凝集フロックの濃度を高める事を可能とする長い干渉域(横流れのスラッジブランケット)を自然形成する事によって、多粒子との接触頻度を高め、かつ水中にできるだけ長く保持する多粒子接触・ろ過による固液分離が容易に行える装置を完成するに至った。
しかしながら沈澱池内で長期に使用すると、運転管理上の閉塞による洗浄行為によって装置を一時的にも停止させなければならず、効率低下となるので極力避けなければならない。
従来の傾斜板の設計思想は、沈澱池内に沈降面積を増加し、沈降した粒子が傾斜部を滑り落ちて、沈降効率を高める目的で使用されているにもかかわらず、実際は沈降粒子が傾斜部を滑り落ちないで堆積して、設計間隔を狭める場合があり、初期の目的である効果が減少していた。そのため今日では、沈降効率の最も高い沈澱池流入部の多粒子が流入する個所への設置を避けて、微細粒子が付着する沈澱池後段に傾斜板を設置しているのが現況である。
このことは初期の設計思想と異なり、本来の凝集沈降理論が欠落した技術不良の結果が効率の低下を招き、故に無駄なコストが発生している。
一般に上水道プロセスでは、凝集剤の過剰注入、不良凝集、アルミニウムイオンの残留、沈殿池の傾斜板が閉塞しやすい為というだけの理由で、凝集フロック数が多く異径粒子の相互干渉が働く部位の沈澱池の流入部に傾斜板設置がなされていない。言い換えれば閉塞を理由に、沈澱池の最も効果的な部位ではなく、沈澱池後段に微粒子の付着板として設置されている場合が多い。
従って近来は、凝集沈澱処理の不良処理の諸問題を補うために高度化装置等を付加して、高度化処理と称した方法を採用している。しかしながら最良の方法は、最小原理に基づき最大効果を得ることである。
従来は凝集剤の過剰使用によるコスト増、産業廃棄物の汚泥量の増加、高度化処理装置の導入、維持管理の煩雑などによる無駄な費用が発生する等の問題により、それが弊害となり、さらなる費用を要し、水道水のコストアップの要因となっている。
すなわち、当初、欧米の干渉沈降を骨格とした理論があり、それに基づき高速凝集沈澱装置が日本に導入されたことがある。しかしながら、今日では単一沈降を主体にした装置が主流であり、傾斜板の単一沈降理論が採用されているのが現況である。
しかしながら、原水の水質変化要因は温度、濁度、アルカリ度などの凝集要素があり、これは温度変化等によって種々変化するが、それを単一粒子的思想でとらえること自体、凝集処理の最適解でない事である。
要するに原水水質の変動要因に対しては、活性粒子密度を濃くして干渉沈降で対応する事が好ましい。
この多粒子を形成するのに従来の欧米技術は機械的循環や、上向流による装置で行っていたが、干渉沈降ゾーンを維持する運転方法が難易であった。活性フロックを通水中に粒子層として懸垂させ、溜め込み、横流れでスラッジブランケットを自然形成させれば、原水水質の変動にも対応する活性フロック群が十分安定した処理をすることが可能となる。単一沈降では一過性の粒子でも、凝集フロックとして干渉沈降層で再使用すること(粒子濁度を高めれば懸垂し、ろ過層となる)によって、活性粒子によるろ過効果を有することとなる。この単一沈降と干渉沈降の違いは、前者は、球形単一粒子の静止沈降の条件を前提とするもので、水処理の多岐にわたる粒子沈降ではそのような条件設定はされにくい。一方後者は多様な変化要素によっても粒子間距離が相互に干渉できる濃度になることから効果的に凝集沈降させることができる。
例えれば、単一沈降と干渉沈降とは、単発銃と散弾銃以上の違いがある。
即ち、干渉沈降は単位時間と単位面積当たり、粒子数が多いほど粒子相互の接触回数は多いのである。単一沈降は粒子間距離が遠く、粒子の接触回数は少ない。その反対の干渉沈降は前述したように接触頻度が多いために、固液分離が容易に行え、清澄度が高まる。
この干渉沈降は、宇宙銀河の星々が衝突・合体をくり返し行って銀河になった生い立ちと同じである。
本発明は、自然流−横流れの中で、簡単に粒子群を懸垂させ連続沈降層を形成し、処理を安定させ、コストダウンを目的とした処理方法である。
すなわち、本発明は、干渉沈降理論を応用した技術である。本発明は、干渉沈降を主体とした沈殿地であり、沈澱池流入部に活性多粒子が多い粒子層とした高速沈澱池である。水処理の問題は、従来のように、単一沈降でとらえる日本的思想は、凝集沈澱処理の主理論から外れ、原理的要素が欠落している。本発明のように一度形成した凝集フロックを再活用するには、干渉沈降の状態を水中に出来るだけ長く保持し、できればクラウド(雲海状)の層として、水中に懸垂させることが必要である。すなわち、欧米の主技術思想を日本の自然河川の低濁度原水に適したように改善することによって干渉沈降ゾーンを沈殿池内に保持することができる。このことによって今日の凝集沈澱の諸問題を解決すことができる。
従来法は、長期間使用すると、間隔部が閉塞するため初期設計条件を満たさない欠点と沈殿池内に傾斜板を固定しているために、堆積した凝集フロックの重量負荷が沈殿池躯体構造体に掛り、必要以上に強固な沈殿池構造体の強度が必要となるなどの本質的欠点があった。
また従来のようにシート状膜等を流れに対し直角に展張すると、干渉域(横流れのスラッジブランケット)を設ける事はできるが、更に固液分離を促進させて清澄水を得るには、粒子間の密度を濃くした多粒子層を水中に停滞させる干渉域(横流れのスラッジブランケット)を流れ方向に対して長く形成させ、接触頻度を増す必要がある。
そこで本発明者は、簡易な設備によって既設傾斜板の閉塞や躯体構造の問題点を解消する沈降分離装置の改善方法として、例えば沈殿池流入部近傍に整流可能な抵抗体を設けて、懸濁粒子や凝集フロックの濃度を高める事を可能とする長い干渉域(横流れのスラッジブランケット)を自然形成する事によって、多粒子との接触頻度を高め、かつ水中にできるだけ長く保持する多粒子接触・ろ過による固液分離が容易に行える装置を完成するに至った。
すなわち、本発明は、沈砂池、横流式沈殿池、放射流式沈殿池、シックナー、クラリファイヤー等の沈降分離装置の流入部近傍部に、シート状膜を原水または凝集フロック水を含む原水の水流方向に並列させ、かつ間隔を設けて多重展張することを特徴とする沈降分離装置に関する。
本発明の沈降分離装置は、原水または凝集フロック水の少なくとも流入部近傍部にシート状膜の設置によって干渉域が設けられ、それによって凝集フロック水中の固形粒子の成長を促すことができるので固液分離が容易に行える。またシート状膜を水流方向に展張するので、水の流れを乱すことが少なく、装置内の初期整流を持続し、かつ長期間の使用においてシート状膜に固形粒子が蓄積したとしても、シート状膜間の間隔部が固形粒子によって閉塞することもない為、運転上のトラブルがなく、メンテナンスの必要がない。
さらにシート状膜との間に間隔を設けて連接し、並列に多重展張することで、シート状膜の両側面近傍の面の抵抗を受け易い遅い流れとなり、多面積抵抗体となり沈降条件の要素が整う。このシート状膜の設置部位は沈降分離装置の原水の流入部近傍部の他、該装置全体に設けてもよく、また沈降分離装置の手前のフロック形成装置に設けてもよい。
本発明におけるシート状膜の表面水域では、流体抵抗により流れが遅滞し、流体中の粒子は多粒子化して密度を増して、群れ化が生じる。並列されたシート状膜の抵抗体は延長方向に全体抵抗が増し、側壁からの圧力により、粒子密度が増加し、粒子が接触し合う干渉域と成り、固形粒子を成長させ、固形粒子による多粒子接触の頻度が増し、干渉・ろ過効果が得られ、精密な固液分離が容易に行なえる。
本発明は、人為的な運転操作ではなく最適な流体抵抗が粒子密度を増加・接触させることによって、薬注量の削減や後段のろ過装置や、凝集不良によるアルミニウムイオンの残留等の問題も解消される。
従来のような高速沈殿池の特徴と原理は、前述したように、多粒子が接触・相互干渉して凝集沈降が行われている。
多粒子ゆえに、原水変動にも同一薬注で処理され、装置がコンパクトで清澄水が得られるが反面、運転操作が難解で現在使用例が少ない。
このように日本のような河川濁質が低濁度であると、多粒子を形成することが困難であるために、運転操作が簡単な単一沈降方式の装置が主流となっているが凝集理論からすれば欧米に比べ技術的に欠陥がある。
本発明は低濁度な原水でも、通水中に干渉域が形成され、粒子が遅滞するために、多粒子の接触・ろ過効果が得られる。そして干渉沈降濃度に人為操作をせずに、最適な状態で運転することができるので、これほど安価な処理はない。
本発明におけるシート状膜の表面水域では、流体抵抗により流れが遅滞し、流体中の粒子は多粒子化して密度を増して、群れ化が生じる。並列されたシート状膜の抵抗体は延長方向に全体抵抗が増し、側壁からの圧力により、粒子密度が増加し、粒子が接触し合う干渉域と成り、固形粒子を成長させ、固形粒子による多粒子接触の頻度が増し、干渉・ろ過効果が得られ、精密な固液分離が容易に行なえる。
本発明は、人為的な運転操作ではなく最適な流体抵抗が粒子密度を増加・接触させることによって、薬注量の削減や後段のろ過装置や、凝集不良によるアルミニウムイオンの残留等の問題も解消される。
従来のような高速沈殿池の特徴と原理は、前述したように、多粒子が接触・相互干渉して凝集沈降が行われている。
多粒子ゆえに、原水変動にも同一薬注で処理され、装置がコンパクトで清澄水が得られるが反面、運転操作が難解で現在使用例が少ない。
このように日本のような河川濁質が低濁度であると、多粒子を形成することが困難であるために、運転操作が簡単な単一沈降方式の装置が主流となっているが凝集理論からすれば欧米に比べ技術的に欠陥がある。
本発明は低濁度な原水でも、通水中に干渉域が形成され、粒子が遅滞するために、多粒子の接触・ろ過効果が得られる。そして干渉沈降濃度に人為操作をせずに、最適な状態で運転することができるので、これほど安価な処理はない。
本発明の沈降分離装置は、特に原水中に凝集フロック水を添加した場合、そこに設けられたシート状膜とシート状膜の間を水が通り抜けて行き、その時シート状膜両表面近傍は、凝集フロック水中の固形粒子を流体抵抗の圧力によって、固形粒子の濃度を高める干渉滞として、多粒子化と成るので、粒子の相互干渉がされて密度が濃くなり、干渉滞の小さい粒子も大きな粒子も互いに影響を及ぼし、干渉し合いながら停滞し、それによって形成された粒子層のスラッジブランケットが水中で保持され暫時成長し、粒子が肥大化して沈降する。本発明で云う「凝集フロック水」とは原水中の懸濁粒子を凝集操作によって団粒化した水を云う。この凝集フロック水は、予め原水に凝集剤を添加して調整してもよいが、沈降分離装置の流出部から分取した処理済みの処理水でもよい。
本発明の沈降分離装置内で形成されるスラッジブランケットは凝集フロックが原水中に懸垂した大きなちぎれにくい雲塊状のもので、凝集フロックを塊状に停滞させ、粒子ろ過層となる。
更に、凝集フロックの塊状な固形粒子塊は流圧に押され濃度を濃くして、確固たる粒子ろ過層として、沈降速度が遅くなることから、新たな固形粒子と接触を繰り返して成長させ、流水中の固形粒子を接触・ろ過する。
また、本発明方法にあっては凝集不良によるアルミニウムイオンを、流水中に固形粒子と接触・ろ過させて取り除くことができる。
本発明の沈降分離装置内で形成されるスラッジブランケットは凝集フロックが原水中に懸垂した大きなちぎれにくい雲塊状のもので、凝集フロックを塊状に停滞させ、粒子ろ過層となる。
更に、凝集フロックの塊状な固形粒子塊は流圧に押され濃度を濃くして、確固たる粒子ろ過層として、沈降速度が遅くなることから、新たな固形粒子と接触を繰り返して成長させ、流水中の固形粒子を接触・ろ過する。
また、本発明方法にあっては凝集不良によるアルミニウムイオンを、流水中に固形粒子と接触・ろ過させて取り除くことができる。
次に本発明を図面を参照しながら説明する。
図1は、沈降分離装置Pの側断面図である。1は原水(凝集フロック水を含む原水)の流入部(管)、2は流入樋、3は流出樋、4はシート状膜を示す。シート状膜4は沈降分離装置Pの流入部(流入樋)近傍に、原水の水流方向5に対してほぼ平行に展張する。このシート状膜4は、隣接して展張された、シート状膜との間に間隔を設けて並列させて多重展張する。各シート状膜4間の間隔幅は、沈降分離装置の大きさ、原水の水質、流入量、流速、シート状膜4の材質等によって適宜決定すればよい。
このシート状膜4は、通常複数枚を間隔を空けずに、または間隔を設けて連接して設置することが好ましい。連接するシート状膜4の連接する枚数は、沈降分離装置の大きさ、原水の水質、流入量、流速の他、シート状膜4の材質等によって適宜決定する。
このように連接されたシート状膜4を原水の流れと並列させた状態で適宜の間隔を設けて多重展張する。
シート状膜4としては、シート、板状体、穴あきシート、ネット、モール、すだれ状体、金網等種々のものが使用できる。
図1は、沈降分離装置Pの側断面図である。1は原水(凝集フロック水を含む原水)の流入部(管)、2は流入樋、3は流出樋、4はシート状膜を示す。シート状膜4は沈降分離装置Pの流入部(流入樋)近傍に、原水の水流方向5に対してほぼ平行に展張する。このシート状膜4は、隣接して展張された、シート状膜との間に間隔を設けて並列させて多重展張する。各シート状膜4間の間隔幅は、沈降分離装置の大きさ、原水の水質、流入量、流速、シート状膜4の材質等によって適宜決定すればよい。
このシート状膜4は、通常複数枚を間隔を空けずに、または間隔を設けて連接して設置することが好ましい。連接するシート状膜4の連接する枚数は、沈降分離装置の大きさ、原水の水質、流入量、流速の他、シート状膜4の材質等によって適宜決定する。
このように連接されたシート状膜4を原水の流れと並列させた状態で適宜の間隔を設けて多重展張する。
シート状膜4としては、シート、板状体、穴あきシート、ネット、モール、すだれ状体、金網等種々のものが使用できる。
シート状膜4を構成する素材としては、金属類、硬質合成樹脂等からなる剛性素材或いは、ゴム、軟質合成樹脂等からなる柔性素材のいずれも使用し得る。
シート状膜4の連接方法としては、図3に示すようにロープ6で連結してもよいが、図4に示すようにシート状膜4の上部にフロート7を設け、このフロート7を適宜の手段を用いて連結してもよい。
シート状膜4の展張方法としては、例えば図2に示すように、原水(または凝集フロック水を含む原水)の流入部近傍にロープR、R´を沈降分離装置内を流れる水流方向に対しほぼ直角の方向に展張し、その間に、例えば図3或いは図4に示すような、連続したシート状膜4を展張すればよい。
4・・・・シート状膜
6・・・・ロープ
7・・・・フロート
6・・・・ロープ
7・・・・フロート
Claims (2)
- 沈降分離装置において、水流方向に並列させた状態でシート状膜体を少なくとも原水流入部近傍部に、間隔を設けて水面下に多重展張することを特徴とする沈降分離装置。
- 請求項1の沈降分離装置において、その流入部に、凝集フロック水を含有した原水を導入することを特徴とする原水の処理方法。
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---|---|---|---|
JP2009032590A JP2010188225A (ja) | 2009-02-16 | 2009-02-16 | 沈降分離装置および原水の処理方法 |
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- 2009-02-16 JP JP2009032590A patent/JP2010188225A/ja active Pending
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