JPH0975617A - 濾過装置及び濾過装置の清浄化方法 - Google Patents

濾過装置及び濾過装置の清浄化方法

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JPH0975617A
JPH0975617A JP8146908A JP14690896A JPH0975617A JP H0975617 A JPH0975617 A JP H0975617A JP 8146908 A JP8146908 A JP 8146908A JP 14690896 A JP14690896 A JP 14690896A JP H0975617 A JPH0975617 A JP H0975617A
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optical semiconductor
filter material
filter
semiconductor
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JP8146908A
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Inventor
Makoto Hayakawa
信 早川
Makoto Chikuni
真 千国
Atsushi Kitamura
厚 北村
Toshiya Watanabe
俊也 渡辺
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 濾過装置の濾過材の表面に付着した洗浄物を
逆洗することにより極めて短時間に効率よく除去し清浄
化することのできる濾過装置および濾過装置の清浄化方
法を提供する。 【解決手段】 濾過装置の濾過材の表面に光半導体を含
有する層を形成し、この濾過材と共に紫外線ランプを濾
過装置内に設置する。また、濾過装置に濾過材表面に濾
過方向とは逆の流体の流れ生じさせることのできる逆洗
配管とドレン配管を取り付ける。濾過装置の運転開始
後、濾過材表面に濾過流体内の固形物、異物、水垢等の
洗浄物が付着し濾過性能が低下してきた場合は、濾過材
表面に紫外線などをあて、光半導体を光励起して濾過材
表面を親水化する。次に濾過装置を濾過流体ラインから
切り放し、逆洗配管ラインとドレン配管ラインを生か
し、濾過材表面に濾過方向とは逆の流体の流れを生じさ
せる。これにより濾過材表面に付着した洗浄物を極めて
短時間に除去し濾過装置を清浄化し濾過性能を回復させ
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、濾過装置内に設置
した濾過材を通過させて流体内の固形物および異物、ま
たは水垢等を除去して流体を濾過する装置において、濾
過材の表面に付着する洗浄物質を濾過方向とは逆の流体
の流れによって極めて短時間に効率よく取り除いて清浄
化する手段を有する濾過装置およびその濾過装置の清浄
化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ある流体を商品として利用するときに、
これに固形物が含まれているとすれば食品の場合などは
味、こく、臭い、色、舌ざわりなどに影響を与えるので
この固形物を濾過により除去する必要がある。また、食
品に異物が含まれることは許されないのでこれを濾過し
除去する必要がある。食品以外であっても、使用流体に
異物が含まれているとすれば、配管系統およびこの流体
が流れる精密機器、回転機器に損傷を与える場合があ
る。外部から配管内部に異物が侵入する場合だけでな
く、配管自体の錆、溶接スパッター等が配管内部より脱
落する場合もある。継手部分の隙間などに蓄積した異物
がまとまって流れ出した場合などには影響が大きい。よ
って、同様にこの異物を濾過し除去する必要がある。
【0003】風呂、プールなどは使用されれば時間がた
つにつれ水の汚れが増し、感じのよい使用感および衛生
状態を保つためには水を濾過し浄化する必要がある。ま
た、長時間の使用により配管系統に水垢が溜まるのを防
ぐために、水垢を除去する必要がある。
【0004】ところが、長時間濾過を続けると濾過材に
除去物が付着し濾過性能が低下する。そのまま放置する
と濾過機能が充分果たせないだけでなく、濾過材の差圧
が増大し、破壊差圧を越えると濾過材は破壊する場合が
ある。よって、濾過材の濾過性能を回復し差圧を下げる
ためにはこの付着した物質を取り除く必要がある。付着
した物質を取り除くために流体を濾過方向とは逆方向に
流す方法を用いると、付着した物質をこの流体の流れの
力によってある程度まで取り除くことができるが、一部
は分離せず濾過材の表面に残存し濾過性能は完全には回
復しない。また、濾過材の表面に付着した物質は分離に
時間がかかるため逆流時間を長く取る必要がある。一般
的には濾過装置のケーシングの蓋を外し、濾過材を交換
したり、濾過材を濾過装置の外に取り出し通常より大き
い流量、流速で洗浄を行う方法が取られている。この作
業の間は本来の濾過作業が中断されることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
に鑑み、表面に光励起により親水化される光半導体を含
有する層を形成した濾過材と、光半導体を光励起しこの
濾過材の表面を親水化するための光源と、濾過方向とは
逆の流体の流れを生じさせる逆洗浄配管を有し、濾過材
の表面に付着した物質を効率的に極めて短時間に除去し
て清浄化し濾過性能を回復することのできる濾過装置お
よびこの濾過装置の清浄化方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】光半導体は光励起される
とその表面が高度に親水化される事実が発見された。光
半導体性チタニアを紫外線で光励起したところ、水との
接触角が10°以下、より詳しくは5°以下、特に約0
°になる程度に表面が高度に親水化されることが発見さ
れたのである。本発明は斯る新発見に基づくもので、濾
過材の表面が親水性を有するようにすれば、逆洗により
濾過材の表面に付着した洗浄物を効率的に極めて短時間
に除去し清浄化することができる。本発明において、濾
過材の表面は光半導体材料からなる光半導体性コーティ
ングによって被覆され層が形成されている。前記の課題
を達成するため本発明請求項1に記載の濾過装置は
(1)光半導体を含有した表面を有する層を形成した濾
過材と、(2)前記光半導体を光励起する光源と、
(1)前記濾過材を逆洗するための配管とを備えたこと
を特徴とする。紫外線などの光の照射によって光半導体
が光励起されることにより、濾過材表面が親水化され、
逆洗にした場合に濾過材表面に付着した洗浄物が極めて
容易に剥離し、濾過装置を効率的に極短時間に清浄化す
ることが可能となる。
【0007】 以上の課
題を達成するため本発明請求項2に記載の濾過装置は、
請求項1に記載の濾過装置を浴槽浄化用循環装置内の湯
垢除去に用いる。濾過材表面が親水化され、逆洗した場
合に濾過材表面に付着した湯垢等が極めて容易に剥離す
る。よって、濾過装置の効率的な極短時間における清浄
化が可能となる。以上の課題を達成するため本発明請求
項3に記載の濾過装置は、請求項1に記載の濾過装置を
醤油製造に用いる。醤油製造工程において醤油もろみを
濾過し、凝固物、微生物、挟雑物を分離する場合に、表
面を親水化することによって濾過材を逆洗した場合に濾
過材表面の付着物が極めて容易に剥離する。以上の課題
を達成するため本発明請求項4に記載の濾過装置は、請
求項1に記載の濾過装置を酒製造に用いる。酒製造工程
において原酒を濾過し、かすを分離した場合の濾過材表
面の付着物が、表面を親水化することによって濾過材を
逆洗した場合に極めて容易に剥離する。以上の課題を達
成するため本発明請求項5に記載の濾過装置の清浄化方
法は(1)光半導体を含有した表面を有する層を形成し
た濾過材を濾過装置に設置する工程と、(2)前記光半
導体を光源により光励起する工程と、(3)前記濾過材
を逆洗する工程とからなる。紫外線などの光の照射によ
って光半導体が光励起されることにより、濾過材表面が
親水化され、濾過材表面に付着した洗浄物が逆洗した場
合に極めて容易に剥離し、濾過装置の効率的な極短時間
における清浄化が可能となる。
【0008】
【作用】本発明において、濾過材の表面は光触媒半導体
材料からなる耐摩耗性の光半導体性コーティングによっ
て被覆されている。光半導体のバンドギャップエネルギ
より高いエネルギの波長を持った任意の光を充分な照度
で充分な時間照射すると、光半導体性コーティングの表
面つまり濾過材の表面は親水性を呈するに至る。光半導
体のバンドギャップエネルギより高いエネルギの光を照
射しなければ表面の親水化は起こらない。濾過装置内に
おいては、人工光源を設置し光半導体を光励起すること
ができる。後述するように、光半導体性コーティングが
シリカ配合チアニアからなる場合には、蛍光灯に含まれ
る微弱な紫外線でも容易に親水化することができる。ま
た、比較的微弱な光によっても親水性を維持し、或い
は、回復させることができる。例えば、チタニアの場合
には、親水性の維持と回復は、蛍光灯のような微弱な紫
外線でも充分に行うことができる。これは濾過材の表面
に洗浄物が付着して光をある程度弱めても表面を親水化
することができることを意味する。また、光励起により
光半導体性コーティングの表面が一旦高度に親水化され
たならば、濾過材を暗所に保持しても、表面の親水性は
ある程度の期間持続する。濾過作業の時間の経過に伴い
表面に除去物質が吸着され、次第に親水性を失った時に
は、再び光励起すれば前述の通り親水性は回復する。
【0009】 表面が親
水化された濾過材は、流体を濾過方向とは逆の方向に流
すことによって表面に付着した洗浄物を極めて短時間に
残留付着を残さずに除去することができる。濾過材表面
が油や脂肪で汚れた場合でも、油汚れは親水化された光
半導体性コーティングの表面から釈放され、容易に除去
される。光半導体性コーティングは非常に薄くしても親
水性を発現し、膜厚が数 n mのオーダーでも親水化が起
こる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の濾過装置について以下に
図面を参照にして説明する。図1は本発明の濾過装置を
湯垢除去のために用いた浴槽浄化用循環装置の構成説明
図である。浴槽1には浴槽水2が入っている。浴槽1の
所定の側面の下部には水の吸い込み口が設けてあり配管
を介してポンプ4へ繋がっている。ポンプ4入り口ライ
ンには仕切り弁15と集毛フィルター3が配置され髪の
毛等が除去される。集毛フィルター4はストレーナの役
割も果たしポンプ4を保護する。ポンプ4の下流側には
チェッキ弁16、仕切り弁5A,湯垢除去濾過装置13
が配置されている。必要であれば安全弁を取り付けると
よい。湯垢除去濾過装置13の下流配管にはさらに仕切
り弁5Bが取り付けられている。チェッキ弁16により
ポンプが停止した場合湯水が逆流し集毛フィルター3に
より除去された髪の毛等の異物が湯槽1に逆流するのを
防いでいる。仕切り弁5Bはさらに湯水循環配管11に
繋がれている。湯水循環配管11の最下流側には調節
17が取り付けられており、絞りを調整してポンプ4の
流量を調整する。湯垢除去濾過装置13の内部には濾過
材である湯垢除去濾過材エレメント12が一定のピッチ
で配置されている。湯垢除去濾過装置13の上部には室
が設けてありこの室内の上壁に紫外線ランプ9が取り付
ている。この室はランプ保護用カバーガラス10よって
湯垢除去濾過材エレメント12が入っている室と仕切ら
れている。紫外線ランプ9から発せられる紫外線が湯垢
除去濾過材エレメント12の表面に当たるようになって
いる。湯垢除去濾過装置13の側面上部には空気配管
7、底部には逆洗配管8が繋がれている。空気配管7は
濾過装置内に空気が滞留すると濾過性能に悪影響を与え
るので、必要に応じて空気をベントするために設けられ
ている。湯垢除去濾過装置13にバイパスラインを設け
ればポンプ4を停止することなく逆洗作業を行うことが
できる。
【0011】 湯垢除去
濾過材エレメント12には無定型シリカとアナターゼ型
酸化チタンからなる表面層が形成されている。このた
め、紫外線ランプ9を湯垢除去濾過材エレメント12表
面に照射すると、表面が親水性に維持される。紫外線ラ
ンプ9および湯垢除去濾過材エレメント12の配置を工
夫し濾過材エレメント12の全表面積に紫外線が当たる
ようにする。紫外線ランプ9を耐水または耐圧製とし濾
過材エレメント12と同じ室に配置することもできる。
湯垢除去濾過装置13の逆洗浄を行うためには上流側お
よび下流側にある仕切り弁5A,5Bを閉の状態にし湯
垢除去濾過装置13を湯水ラインから分離する。次に仕
切り弁5C,5Dを開にし逆洗配管8から逆洗水を流
し、ドレン配管から湯垢を含んだ水を排出する。逆洗水
は濾過材エレメント12の前表面に行き渡るようにす
る。これにより通常の濾過とは方向が逆の流体の流れが
生じ、濾過材表面が親水化されているので湯垢などの表
面の付着物が極めて容易に剥離する。浴槽浄化用循環装
置を1週間使用後、逆洗浄を行った。逆洗浄性は逆洗浄
開始1分後の濾過材内の湯垢の残存の程度を目視で行い
評価した。その結果、濾過材内に湯垢の残存は認められ
なかった。濾過材エレメントをフィルタータイプとする
こともできる。この場合はエレメントは光半導体を担持
したフィルターとなる。本発明は、他に乳製品製造装
置、浄水装置、し尿処理装置、プール清浄装置などにも
利用できる。
【0012】 以下に本
発明の濾過材の表面の層の形成について説明する。光半
導体の粒子を焼結することにより光半導体性コーティン
グを濾過材である基材の表面に固定することができる。
或いは、無定形の光半導体前駆体の薄膜を基材の表面に
固定し、加熱して結晶化させることにより、光活性のあ
る光半導体に変換してもよい。基材がプラスチックスの
ような非耐熱性の材料で形成されている場合や基材が塗
料で塗装されている場合には、光触媒を含有する耐光酸
化性塗料を表面に塗布し硬化させることにより、光触媒
性コーティングを形成することができる。
【0013】 本発明の
光半導体性コーティングに使用する光半導体としては、
チタニア(TiO2 )が最も好ましい。チタニアは、無
害であり、化学的に安定であり、かつ、安価に入手可能
である。更に、チタニアはバンドギャップエネルギが高
く、従って、光励起には紫外線を必要とし、光励起の過
程で可視光を吸収しないので、補色成分による発色が起
こらない。従って、ガラスのような透明部材にコーティ
ングするのに特に適している。
【0014】 チタニア
としてはアナターゼとルチルのいづれも使用することが
できる。アナターゼ型チタニアの利点は、非常に細かな
微粒子を分散させたゾルを市場で容易に入手することが
でき、非常に薄い薄膜を容易に形成することができるこ
とである。他方、ルチル型チタニアは、高温で焼結する
ことができ、強度と耐摩耗性に優れた被膜が得られると
いう利点がある。ルチル型チタニアはアナターゼ型より
も伝導帯準位が低いが、光半導体による親水化の目的に
使用することができる。基材をチタニアからなる光半導
体性コーティングで被覆し、チタニアを紫外線によって
光励起すると、光半導体作用によって水が水酸基(OH
- )の形で表面に化学吸着され、その結果、表面が親水
性になると考えられる。
【0015】 本発明の
光半導体性コーティングに使用可能な他の光半導体とし
ては、ZnO,SnO2 ,SrTiO3 ,WO3 ,Bi
2 3 ,Fe2 3 のような金属酸化物がある。これら
の金属酸化物は、チタニアと同様に、表面に金属元素と
酸素が存在するので、表面水酸基(OH- )を吸着しや
くこれにより表面が親水性を有すると考えられる。光半
導体の粒子を金属酸化物の層内に配合することにより光
半導体性コーティングを形成してもよい。特に、シリカ
又は酸化錫に光半導体を配合した場合には、表面を高度
に親水化することができる。光半導体性コーティングの
膜厚について言えば、光半導体性コーティングが薄けれ
ば薄いほど基材の透明度を確保することができる。更
に、膜厚を薄くすれば光半導体性コーティングの耐摩耗
性が向上する。光半導体性コーティングの表面に、更
に、親水化可能な耐摩耗性又は耐食性の保護層や他の機
能膜を設けてもよい。
【0016】 基材が金
属、セラミックス、ガラスのような耐熱性の材料で形成
されている場合には、水との接触角が0°になる程度の
超親水性を呈する耐摩耗性に優れた光触媒性コーティン
グを形成する好ましいやり方の1つは、先ず基材の表面
を無定形チタニアで被覆し、次いで焼成により無定形チ
タニアを結晶性チタニア(アナターゼ又はルチル)に相
変化させることである。水との接触角が0°になる程度
の超親水性を呈する耐摩耗性に優れた光触媒性コーティ
ングを形成する他の好ましいやり方は、チタニアとシリ
カとの混合物からなる光触媒性コーティングを基材の表
面に形成することである。チタニアとシリカとの合計に
対するシリカの割合は、5〜90モル%、好ましくは1
0〜70モル%、より好ましくは10〜50モル%にす
ることができる。
【0017】 水との接
触角が0°になる程度の超親水性を呈する耐摩耗性に優
れた光半導体性コーティングを形成する更に他の好まし
いやり方は、チタニアと酸化錫との混合物からなる光触
媒性コーティングを基材の表面に形成することである。
チタニアと酸化錫との合計に対する酸化錫の割合は、1
〜95重量%、好ましくは1〜50重量%にすることが
できる。水との接触角が0°になる程度の超親水性を呈
する光半導体性コーティングを形成する更に他の好まし
いやり方は、未硬化の若しくは部分的に硬化したシリコ
ーン(オルガノポリシロキサン)又はシリコーンの前駆
体からなる塗膜形成要素に光半導体の粒子を分散させて
なる塗料用組成物を用いることである。
【0018】 この塗料
用組成物を基材の表面に塗布し、塗膜形成要素を硬化さ
せた後、光半導体を光励起すると、シリコーン分子のケ
イ素原子に結合した有機基は光半導体の光半導体作用に
より水酸基に置換され、光半導体性コーティングの表面
は超親水化される。このやり方には、幾つかの利点があ
る。光半導体含有シリコーン塗料は常温又は比較的低温
で硬化させることができるので、プラスチックスのよう
な非耐熱性の材料で形成されている基材にも適用するこ
とができる。光半導体を含有したこの塗料用組成物は、
表面の超親水化を要する既存の基材に、刷毛塗り、スプ
レーコーティング、ロールコーティングなどにより必要
に応じ何時でも塗布することができる。光半導体の光励
起による超親水化は、太陽光のような光源でも容易に行
うことができる。
【0019】 更に、鋼
板のような塑性加工可能な基材に塗膜を形成した場合に
は、塗膜を硬化させた後、光励起する前に、鋼板を必要
に応じ容易に塑性加工することができる。光励起前に
は、シリコーン分子のケイ素原子には有機基が結合して
おり、従って塗膜は充分な可撓性を備えているので、塗
膜を損傷させることなく容易に鋼板を塑性加工すること
ができる。塑性加工後には、光触媒を光励起すればシリ
コーン分子のケイ素原子に結合した有機基は光半導体作
用により水酸基に置換され、塗膜の表面は超親水化され
る。よって、濾過装置のケーシングとしても使用可能で
ある。光半導体含有シリコーン塗料はシロキサン結合を
有するので、光半導体の光酸化作用に対する充分な対抗
性を有する。光半導体含有シリコーン塗料からなる光半
導体性コーティングの更に他の利点は、表面が一旦超親
水化された後には、暗所に保持しても長期間超親水性を
維持し、かつ、蛍光灯のような照明灯の光でも超親水性
を回復することである。よって、光源として耐水性蛍光
灯を濾過装置内部に設置することも可能である。
【0020】また、光半導体性コーティングにはAg,
Cu,Znのような金属をドーピングすることができ
る。光半導体にAg,Cu,又はZnをドーピングする
ためには、光半導体粒子の懸濁液にこれらの金属の可溶
性塩を添加し、得られた溶液を用いて光半導体性コーテ
ィングを形成することができる。或いは、光半導体性コ
ーティングを形成後、これらの金属の可溶性塩を塗布
し、光照射により光還元析出させてもよい。Ag、C
u、又はZnでドーピングされた光半導体性コーティン
グは、表面に付着した細菌を死滅させることができる。
更に、この光半導体性コーティングは、黴、藻、苔のよ
うな微生物の成長を抑制する。従って、濾過装置の濾過
材の表面を長期間にわたって清浄に維持することができ
る。
【0021】また、光半導体性コーティングには、更
に、Pt,Pd,Rh,Ru,Os,Irのような白金
族金属をドーピングすることができる。これらの金属
も、同様に、光還元析出や可溶性塩の添加により光半導
体にドーピングすることができる。光半導体を白金族金
属でドーピングすると、光半導体の酸化還元活性を増強
させることができ、表面に付着した汚染物質を分解する
ことができる。紫外線光源としては、蛍光灯、白熱電
灯、メタルハライドランプ、水銀ランプのような照明灯
を使用することができる。
【0022】光励起は、表面の水との接触角が約10°
以下、好ましくは約5°以下、特に約0°になるまで行
い、或いは行わせることができる。一般には、0.00
1mW/cm2 の紫外線照度で光励起すれば、数日で水
との接触角が約0°になるまで超親水化することができ
る。地表に降り注ぐ太陽光に含まれる紫外線の照度は約
0.1〜1mW/cm2 である。現象的には太陽光にさ
らせばより短時間で表面を超親水化することができると
いえる。
【0023】光半導体性コーティングがチタニア含有シ
リコーンで形成されている場合には、シリコーン分子の
ケイ素原子に結合した表面有機基が充分な量だけ水酸基
に置換されるに充分な照度で光半導体を光励起するのが
好ましい。このため現象的には最も有利な方法は、太陽
光を利用することであるといえる。表面が一旦高度に親
水化された後は、親水性は光照射がなくても持続する。
再び光照射にさらされる度に親水性は回復され、維持さ
れる。本発明の光半導体性コーティングで被覆された濾
過材を濾過装置に設置するに際しては、光半導体性コー
ティングを予め親水化しておくのが望ましい。
【0024】無定型シリカ層の形成するため、エタノー
ルの溶媒86重量部に、テトラエトキシシランSi(O
2 5 4(和光純薬、大阪)6重量部と純水6重量
部とテトラエトキシシランの加水分解抑制剤として36
%塩酸2重量部を加えて混合し、シリカコーティング溶
液を調整した。混合により溶液は発熱するので、混合液
を約1時間放置冷却した。この溶液をフローコーティン
グ法により10cm四角の基材に塗布し、80℃の温度
で乾燥させた。乾燥に伴い、テトラエトキシシランは加
水分解を受けて先ずシラノールSi(OH)4 になり、
続いてシラノールの脱水縮重合により無定形シリカの薄
膜が基材の表面に形成された。
【0025】次に、シリカ配合チタニヤからなる光半導
体層を形成するため、テトラエトキシシラン(和光純
薬)0.69gとアナターゼ型チタニアゾル(日産化
学、TA−15、平均粒径0.01μm)1.07gと
エタノール29.88gと純水0.36gを混合し、コ
ーティング溶液を調整した。このコーティング溶液をス
プレーコーティング法により鏡の表面に塗布した。この
鏡を約20分間約150℃の温度に保持することによ
り、テトラエトキシシランを加水分解と脱水縮重合に付
し、アナターゼ型チタニア粒子が無定形シリカのバイン
ダーで結着されたコーティングを基材の表面に形成し
た。チタニアとシリカの重量比は1であった。
【0026】
【発明の効果】本発明の濾過装置によれば、紫外線など
の光源により濾過材表面の光半導体を光励起することに
より、濾過材表面を親水化させることができる。濾過材
表面が親水化されれば、濾過材表面に濾過方向とは逆の
方向の逆洗浄水を流すことにより、濾過材表面に付着し
た洗浄物を極めて容易に除去し、濾過装置を極短時間に
効率的に清浄化することができる。よって、濾過材表面
への洗浄物の付着により濾過装置の濾過性能が低下して
も、極短時間の逆洗浄により、濾過装置を分解して濾過
材を取り替えたり、濾過材を取り出して洗浄したりする
ことなく、濾過性能を回復させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の濾過装置を湯垢除去のために用いた
浴槽浄化用循環装置の構成説明図。
【符号の説明】
1・・・湯槽 2・・・湯槽水 3・・・ポンプ 4・・・集毛フィルタ
ー 5A,5B,5C,5D・・・仕切り弁 6・・・空気弁 7・・・空気配管 8・・・逆洗配管 9・・・紫外線ランプ 10・・・保護用カバーガラス 11・・・湯水循環
配管 12・・・湯垢除去濾過材エレメント 13・・・湯垢除去濾過装置 14・・・ ドレン配
管 15・・・仕切り弁 16・・・チェッキ
弁 17・・・調節弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北村 厚 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 渡辺 俊也 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)光半導体を含有した表面を有する層
    を形成した濾過材と、(2)前記光半導体を光励起する
    光源と、(3)前記濾過材を逆洗するための配管とを備
    えたことを特徴とする濾過装置。
  2. 【請求項2】 浴槽浄化用循環装置内の湯垢除去に用い
    られる請求項1に記載の濾過装置。
  3. 【請求項3】 醤油製造に用いられる請求項1に記載の
    濾過装置。
  4. 【請求項4】 酒製造に用いられる請求項1に記載の濾
    過装置。
  5. 【請求項5】(1)光半導体を含有した表面を有する層
    を形成した濾過材を濾過装置に設置する工程と、(2)
    前記光半導体を光励起する工程と、(3)前記濾過材を
    逆洗する工程とからなる濾過装置の清浄化方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011235250A (ja) * 2010-05-12 2011-11-24 Srm Technical Development Co Ltd ウェッジワイヤースクリーン装置

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