JP2011234211A - 無線機、無線通信システム及び通信制御方法 - Google Patents

無線機、無線通信システム及び通信制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】路側通信機などの無線機の時刻精度が低下した場合の対処を可能とする。
【解決手段】 本発明は、無線送信を行うことが可能な送信可能時間内において送信を行う無線機に関するものである。無線機は、前記無線機の時刻精度低下を検出する検出部と、前記検出部によって前記時刻精度低下が検出されると、送信を異常時送信モードで行うように制御をする送信制御部と、を備えている。前記送信制御部には、時刻精度低下に対処するために予め決められた送信方式が前記異常時送信モードとして設定されている。
【選択図】 図8

Description

本発明は、例えば、高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport System)の構成要素として好適な無線機、無線通信システム、及び、通信制御方法に関するものである。
近年、交通安全の促進や交通事故の防止を目的として、道路に設置されたインフラ装置からの情報を受信し、或いは車両同士で情報交換を行い、これらの情報を活用することで車両の安全性を向上させる高度道路交通システムが検討されている(例えば、特許文献1参照)。
かかる高度道路交通システムは、主として、インフラ側の無線通信装置である複数の路側通信機と、各車両に搭載される無線通信装置である複数の車載通信機とによって構成される。
この場合、各通信主体間で行う通信の組み合わせには、路側通信機同士が行う路路間通信と、路側通信機と車載通信機とが行う路車(又は車路)間通信と、車載通信機同士が行う車車間通信とが含まれる。
特許第2806801号公報
上記高度道路交通システムにおいては、車車間通信をはじめ、路車間通信や路路間通信及び路歩間通信も含め、これらの各通信の共存を図るに当たって、帯域を有効利用してどのような通信制御を行うかが課題となる。
そこで、限られた周波数帯域内で路路間、路車間及び車車間の各通信を行うべく、マルチアクセス(Multiple Access)が用いられることが検討されている。
このマルチアクセス方式としては、周波数分割多重(FDMA:Frequency Division Multiple Access )や符号分割多重(CDMA:Code Division Multiple Access)があるが、山間部などで少数の車載通信機のみでの通信も想定される車車間通信のマルチアクセス方式としては、例えばCSMA(Carrier Sense Multiple Access )に代表される自律的なランダムアクセス方式を採用するのが好ましい。
しかし、路側通信機が存在するエリアでは、路車間通信、路路間通信及び車車間通信が共存する。
この場合、インフラ側である路側通信機が取り扱う情報の優先度が高いのが一般的であることから、車車間通信よりも路車間通信や路路間通信が優先的に行われる仕組みが必要である。
このように、路側通信機の情報送信を優先的に行うためには、通信を行う時間を分割して路側通信機の送信専用の時間スロット(送信可能時間)を設ける、時分割多重(TDMA:Time Division Multiple Access)によるマルチアクセスが有効となる。
従って、例えば、交差点ごとに設置された複数の路側通信機群で構成される通信システムを想定すると、路側通信機が無線送信する路側からの無線送信専用のタイムスロットをTDMA方式で割り当て、残ったタイムスロットをCSMA方式による車車間通信に使用させるのが、合理的な通信システムになると考えられる。
また、一つのタイムスロットを複数の路側通信機で利用する場合、一つのタイムスロットは、複数の路側通信機に時分割によって割り当てられる。
この場合、各路側通信機からの送信タイミングを制御するため、各路側通信機は他の路側通信機との時刻同期機能を有している必要がある。
また、車車間通信が、路側からの無線送信専用のタイムスロット以外の時間帯でだけ行われるようにするため、車載通信機も、路側通信機が送信する時刻情報を基準にして、路側通信機に同期しておく必要がある。
車載通信機が、路側通信機に同期していないと、車載通信機は、通信すべきでない時刻(路側からの無線送信専用のタイムスロット内の時刻)に送信してしまい、路車間通信と電波干渉が生じる。
しかし、車載通信機が、路側通信機に同期していたとしても、同期元である路側通信機の時刻精度が低いと、車載通信機は、やはり、通信すべきでない時刻に送信してしまい、他の路車間通信の電波と干渉するおそれがある。
しかも、路側通信機の時刻精度が低いと、その路側通信機自身の路車間通信が、他の路側通信機の路車間通信に割り当てられた時刻に行われて、電波干渉が生じるおそれもある。
本発明は、このような問題に鑑み、路側通信機などの無線機の時刻精度が低下した場合の対処を可能とすることを目的とするものである。
(1)本発明は、無線送信を行うことが可能な送信可能時間内において送信を行う無線機であって、前記無線機の時刻精度低下を検出する検出部と、前記検出部によって前記時刻精度低下が検出されると、送信を異常時送信モードで行うように制御をする送信制御部と、を備え、前記送信制御部には、時刻精度低下に対処するために予め決められた送信方式が前記異常時送信モードとして設定されていることを特徴とする無線機である。
上記本発明によれば、時刻精度に対処するための送信方式を予め決めておけば、時刻精度低下時に、その送信方式を異常時送信モードとして実行することができ、時刻精度低下時の対処が可能となる。
(2)前記異常時送信モードは、時刻精度低下によって他の無線機に電波干渉を与えるのを回避するように送信を行うか、又は自機の時刻精度低下を他の無線機が把握するための情報を送信情報に含めて送信を行うモードであるのが好ましい。他の無線機に電波干渉を与えるのを回避するように送信すれば、時刻精度が低下していても、電波干渉の問題は生じない。また、自機の時刻精度低下を他の無線機が把握できれば、他の無線機側で自律的に時刻精度に対処することが期待できる。
(3)前記送信情報は、前記送信情報が無線機によって中継された中継回数を示す中継情報を含み、自機の時刻精度低下を他の無線機が把握するための前記情報は、前記中継情報が、実際の中継回数よりも大きな値に設定されたものであるのが好ましい。中継回数を実際よりも大きな値に設定しておけば、他の無線機において時刻精度が低いことを把握できる。しかも、この場合、時刻精度低下を示す情報用の領域を確保する必要がなく、通信データの増大化を防止できる。
(4)時刻精度低下によって他の無線機に電波干渉を与えるのを回避するように送信を行う前記モードは、自機の送信タイミングをキャリアセンスで決定して送信を行うモードであるのが好ましい。この場合、他の無線機が送信していないタイミングをキャリアセンスによって検出して、送信タイミングが決定されるため、時刻精度の低下は問題とならなくなる。
(5)前記検出部は、他の無線機から信号を受信した時刻と、当該信号を受信すべき本来的な時刻との差に基づいて、時刻精度低下を検出するものとすることができる。この場合、信号を受信すべき本来的な時刻との差に基づいて簡便に時刻精度低下を検出できる。
(6)前記無線機は、路側通信機が無線送信を行う送信可能時間以外において移動通信機がキャリアセンスによって送信タイミングを決定する無線通信システムにおける前記路側通信機であり、前記異常時送信モードは、第1異常時送信モードと、第2異常時送信モードとを含み、前記第1異常時送信モードは、自機の時刻精度低下を他の無線機が把握するための情報を送信情報に含めて送信を行うモードであり、前記第2異常時送信モードは、時刻精度低下によって他の無線機に電波干渉を与えるのを回避するように送信を行うモードであり、前記送信制御部は、前記時刻精度低下が検出されると、送信を第1異常時送信モードで行い、時刻精度が所定の閾値を超えて悪化していることが検出されると、前記第2異常時モードで行うのが好ましい。この場合、時刻精度の低下の度合いに応じた、段階的な対処が可能となる。
(7)他の観点からみた本発明は、無線送信を行うことが可能な送信可能時間において送信を行う路側通信機に対して、移動通信機が同期する無線システムであって、前記路側通信機の時刻精度低下を検出する検出部と、前記検出部によって前記路側通信機の前記時刻精度低下が検出されると、前記路側通信機の送信を異常時送信モードで行うように制御をする送信制御部と、を備え、前記送信制御部には、時刻精度低下に対処するために予め決められた送信方式が前記異常時送信モードとして設定されていることを特徴とする無線通信システムである。
(8)さらに他の観点からみた本発明は、無線送信を行うことが可能な送信可能時間において送信を行う無線機における通信制御方法であって、前記無線機の時刻精度低下が検出されると、前記無線機は、時刻精度低下に対処するために予め決められた送信方式で送信を行う異常時モードを実行するように制御することを特徴とする通信制御方法である。
本発明によれば、路側通信機などの無線機の時刻精度が低下した場合の対処が可能となる。
高度道路交通システムの全体構成を示す概略斜視図である。 高度道路交通システムの管轄エリアの一部を示す道路平面図である。 路側通信機と車載通信機の内部構成を示すブロック図である。 タイムスロットの一例を示す概念図である。 複数の路側通信機が同じスロットを共有する例を示す図である。 (a)は、送信フレームフォーマットを示し、(b)は拡張MACヘッダに含まれるデータ項目を示し、(c)は(b)に対応するタイムスロットの例を示す図である。 スロット情報が中継される様子を示す図である。 通信制御の手順を示すフローチャートである。 時刻精度の低下の検出方法の例を示す図である。 (a)は、通常送信モード及び第1異常時送信モードの送信方式を示し、(b)は、第2異常時送信モードの送信方式を示す図である。
〔システムの全体構成〕
図1は、本発明の実施形態に係る高度道路交通システム(ITS)の全体構成を示す概略斜視図である。なお、本実施形態では、道路構造の一例として、南北方向と東西方向の複数の道路が互いに交差した碁盤目構造を想定している。
図1に示すように、本実施形態の高度道路交通システムは、交通信号機1、路側通信機2、移動通信機としての車載通信機3(図2及び図3参照)、中央装置4、車載通信機3を搭載した車両5、及び、車両感知器や監視カメラ等よりなる路側センサ6を含む。
交通信号機1と路側通信機2は、複数の交差点Ji(図例では、i=1〜12)のそれぞれに設置されており、電話回線等の通信回線7を介してルータ8に接続されている。このルータ8は交通管制センター内の中央装置4に接続されている。
中央装置4は、自身が管轄するエリアに含まれる各交差点Jiの交通信号機1及び路側通信機2とLAN(Local Area Network)を構成している。従って、中央装置4は、各交通信号機1及び各路側通信機2との間で双方向通信が可能である。なお、中央装置4は、交通管制センターではなく道路上に設置してもよい。
路側センサ6は、各交差点Jiに流入する車両台数をカウントする等の目的で、管轄エリア内の道路の各所に設置されている。この路側センサ6は、直下を通行する車両5を超音波感知する車両感知器、或いは、道路の交通状況を時系列に撮影する監視カメラ等よりなり、感知情報S4や画像データS5は通信回線7を介して中央装置4に送信される。
なお、図1及び図2では、図示を簡略化するために、各交差点Jiに信号灯器が1つだけ描写されているが、実際の各交差点Jiには、互いに交差する道路の上り下り用として少なくとも4つの信号灯器が設置されている。
〔中央装置〕
中央装置4は、ワークステーション(WS)やパーソナルコンピュータ(PC)等よりなる制御部を有しており、この制御部は、路側通信機2、路側センサ6からの各種の交通情報の収集・処理(演算)・記録、信号制御及び情報提供を統括的に行う。
具体的には、中央装置4の制御部は、自身のネットワークに属する交差点Jiの交通信号機1に対して、同一道路上の交通信号機1群を調整する系統制御や、この系統制御を道路網に拡張した広域制御(面制御)を行うことができる。
また、中央装置4は、通信回線7を介してLAN側と接続された通信インタフェースである通信部を有しており、この通信部は、信号灯器の灯色切り替えタイミングに関する信号制御指令S1や、渋滞情報等を含む交通情報S2を所定時間ごとに交通信号機1及び路側通信機2に送信している(図1参照)。
信号制御指令S1は、前記系統制御や広域制御を行う場合の信号制御パラメータの演算周期(例えば、1.0〜2.5分)ごとに送信され、交通情報S2は、例えば5分ごとに送信される。
また、中央装置4の通信部は、各交差点Jiに対応する路側通信機2から、その通信機2が車載通信機3から受信した車両5の現在位置等を含む車両情報S3、車両通過時に生じるパルス信号よりなる車両感知器(図示せず)の感知情報S4、及び、監視カメラが撮影した道路のデジタル情報よりなる画像データS5等を受信しており、中央装置4の制御部は、これらの各種情報に基づいて前記系統制御や広域制御を実行する。
〔無線通信の方式等〕
図2は、上記高度道路交通システムの管轄エリアの一部を示す道路平面図である。
図2では、互いに交差する2つの道路の各々が上りと下りで片側1車線のものとして例示されているが、道路構造はこれに限られるものではない。
図2にも示すように、本実施形態の高度道路交通システムは、車載通信機3との間で無線通信が可能な複数の路側通信機2と、キャリアセンス方式で他の通信機2,3と無線通信を行う移動無線送受信機の一種である車載通信機3と備えた無線通信システムとしても機能している。
図1及び図2の例では、複数の路側通信機2は、それぞれ路側の交差点Jiごとに設置されていて、交通信号機1の支柱に取り付けられている。一方、車載通信機3は、道路を走行する車両5の一部又は全部に搭載されている。
車両5に搭載された各車載通信機3は、路側通信機2からのダウンリンク信号の到達範囲であるダウンリンクエリアAにおいてダウンリンク信号を受信可能である。
また、本実施形態では、車載通信機3の送信信号の到達距離は、路側通信機2のダウンリンク信号の到達距離以下であるとする。従って、各路側通信機2は、自装置のダウンリンクエリアAの範囲内を走行する車載通信機3との無線通信が可能である。
このように、本実施形態ITSでは、車載通信機3同士(車車間通信)の通信と、路側通信機2と車載通信機3との間(「路」から「車」への路車間通信と「車」から「路」への車路間通信との双方を含む。)の通信については、無線通信が用いられている。
また、隣接する路側通信機2同士の設置位置が比較的近く、互いのダウンリンクエリアAが重複(一部重複でも全部重複でもよい。)する場合には、その路側通信機2同士での無線通信(路路間通信)が可能である。
なお、前記した通り、交通管制センターに設けられた中央装置4は、各路側通信機2と有線での双方向通信が可能であるが、これらの間も無線通信であってもよい。
路側通信機2は、自身が無線送信するための専用のタイムスロット(図4の第1スロットT1)をTDMA方式で割り当てており、このタイムスロット以外の時間帯(図4の第2スロットT2)には、原則として、無線送信を行わない。
すなわち、路側通信機2用のタイムスロットT1以外の時間帯T2は、車載通信機3のためのCSMA方式による送信時間として開放されている。
また、路側通信機2は、自身の送信タイミングを制御するために他の路側通信機2との時刻同期機能を有している。
この路側通信機2の時刻同期は、例えば、自身の時計をGPS衛星から取得した時刻に合わせるGPS同期や、自身の時計を他の路側通信機2からの送信信号に合わせるエア同期等によって行うことができる。
〔路側通信機〕
図3は、路側通信機2と車載通信機3の内部構成を示すブロック図である。
路側通信機2は、無線通信のためのアンテナ20が接続された無線通信部(送受信部)21と、中央装置4と双方向通信する有線通信部22と、それらの通信制御を行うプロセッサ(CPU:Central Processing Unit)等よりなる制御部23と、制御部23に接続されたROMやRAM等の記憶装置よりなる記憶部24とを備えている。
路側通信機2は、さらに、GPS受信機25が接続されている。このGPS受信機25は、複数のGPS衛星(図示せず)から時刻情報などを含むGPS信号を受信することができる。また、GPS信号には、1秒ごとのパルス信号であるPPS(Pulse Per Second)信号が含まれており、このPPS信号に基づいて、自機2の時刻を補正したり、同期精度を測定したりできる。
路側通信機2の記憶部24は、制御部23が実行する通信制御のためのコンピュータプログラムや、各通信機2,3の通信機ID等を記憶している。
路側通信機2の制御部23は、上記コンピュータプログラムを実行することで達成される機能部として、無線通信部21の送信タイミングを制御する送信制御部23Aと、各通信部21,22の受信データの中継処理を行うデータ中継部23Bと、路側通信機間で同期をとるために自己(以下、「自機」ともいう)2の時刻を補正する時刻補正部23Cと、自機2の時刻精度を検出する検出部23Dを有する。
路側通信機2のデータ中継部23Bは、有線通信部22が受信した中央装置4からの交通情報S2等を、いったん記憶部24に一時的に記憶させ、無線通信部21にブロードキャスト送信させる。
また、データ中継部23Bは、無線通信部21が受信した車両情報S3を、いったん記憶部24に一時的に記憶させ、有線通信部22を介して中央装置4に転送する。
路側通信機2の送信制御部23Aは、他の路側通信機(以下、「他機」ともいう)との間で時刻を同期させることで送信タイミングを揃えながら、自機2に割り当てられた所定のスロット番号iのタイムスロットT1(図4参照:以下、「スロットi」ということがある。)内において、所定の送信時間だけ無線送信を行う。
また、路側通信機2の記憶部24は、自機2からダウンリンク送信すべき情報量(送信データ量)に対応する送信時間と、その送信開始時刻とを記憶している。この送信開始時刻と送信時間は、自機2に割り当てられたタイムスロットT1内に収まるように、路側通信機2ごとに個別に設定される。
送信制御部23Aは、設定された送信時間長のダウンリンク信号を生成して、このダウ
ンリンク信号を設定された送信開始時刻に無線通信部21に送信させる。
路側通信機2の送信時間は、自機2に割り当てられたタイムスロットT1の継続時間(スロット長)の最大限に設定してもよいが、他の通信機2,3との同期ずれや受信側の情報処理時間等を考慮して、所定のマージン(例えば10μsオーダーのガードタイム)をもってスロット長よりもやや短めに設定されることが好ましい。
また、路側通信機2の送信時間は、自装置に割り当てられたスロット長の範囲内で任意の時間長さに設定可能であり、そのスロット長よりも大幅に短い時間(例えば、1/3や1/2)に設定することもできる。
なお、ダウンリンク信号の送信開始時刻と送信時間のうち、送信開始時刻については、自機2のスロット情報S6に含まれるスロットiの開始時刻に基づいて、各路側通信機2の送信制御部23Aが自律的に生成するようにしてもよい。
路側通信機2の送信制御部23Aは、スロット情報S6を含むダウンリンク信号を、無線通信部21にブロードキャスト送信させる。
車載通信機3は、スロット情報S6を含むダウンリンク信号を受信すると、そのスロット情報6に基づいて、第1スロットT1以外の時間帯(図4の第2スロットT2)を把握し、その時間帯T2においてCSMAにより無線送信を行う。
〔タイムスロットの内容〕
図4は、路車間通信のタイムスロットの一例を示す概念図である。
図4に示すように、路車間通信のタイムスロットは、第1スロットT1と第2スロットT2とを含み、これらの合計期間が一定のスロット周期Csで繰り返ようになっている。各スロット周期Csの第1スロットT1は、路側通信機2用のタイムスロットであり、この時間帯では路側通信機2による無線送信が許容される。
第1スロットT1にはスロット番号iが付されており、このスロット番号iは周期的にインクリメント(デクリメントであってもよい。)される。
また、第2スロットT2は、車載通信機3用のタイムスロットであり、この時間帯は車載通信機3による無線送信用として開放するため、路側通信機2の送信制御部23Aは、原則として、第2スロットT2では無線送信を行わない。
スロット番号iは、予め定められた所定数nとなると当初番号(図例ではi=1)に戻る。従って、n回分のスロット周期Csをメイン周期Cmとすると、各スロット番号i〜nの第1スロットT1はそのメイン周期Cmごとに1回ずつ生じる。
なお、各周期Cs,Cmの時間長やスロット周期Csの総数nについては、システム事業者が適宜設定することができるが、本実施形態では、一例として、Cs=10ms、Cm=100ms及びn=10とする。
図4において、スロット番号i=1〜3の第1スロットT1に記したドット●は、当該スロット番号iの第1スロットT1に無線送信する路側通信機2を示し、ドット●が複数あるスロット1,2は、複数の路側通信機2が共用していることを示す。
すなわち、図4の例では、スロット1を、交差点J1と交差点J11に設置された2つの路側通信機2が共用しており、スロット2を、交差点J2、交差点J9、交差点J10に設置された3つの路側通信機2が共用している。
その理由は、例えば図1の交差点J1と交差点J11のように、距離が離れた路側通信機2同士はダウンリンクエリアAが重複しておらず、1つの車載通信機3が複数の路側通信機2から同時にダウンリンク信号を受ける直接干渉(図6(a)参照)が生じないか、或いはその可能性が極めて低いことから、これらに同じスロットiを設定して各路側通信機2の送信時間が重複しても、車載通信機3が各路側通信機2からダウンリンク信号を適切に受信できるからである。
一方、1つの車載通信機3について上記直接干渉が発生し得る、比較的近い位置関係にある路側通信機2同士の場合は、スロット番号iを同じに設定して送信時間を重複させることはできない。
もっとも、直接干渉が発生し得る路側通信機2同士でも、図5に示すように、第1スロットT1内において時分割で送信時間をスケジューリングすれば、同じスロット番号iを共用することもできる。
すなわち、図5の例では、スロット1を、交差点J1と交差点J2に設置された2つの路側通信機2が時分割により共用しており、スロット2を、交差点J4と交差点J5に設置された2つの路側通信機2が時分割により共用しており、スロット3を、交差点J7と交差点J8に設置された2つの路側通信機2が時分割により共用しており、スロット4を、交差点J3と交差点J6に設置された2つの路側通信機2が時分割により共用している。
制御部23は、上記の割り当てられるタイムスロットT1を基に、自機の送信タイミングに関する自スロット情報だけでなく、他機の送信タイミングに関する他スロット情報をも含めて、1つのスロット情報(総合スロット情報)S6に纏めて生成する。
図6(a)は、上記総合スロット情報S6を送信情報として含んだフレームフォーマットを示しており、図6(b)図6(b)は、上記総合スロット情報S6のデータ内容の一例を示す表であり、図6(c)はそのデータ内容に対応するタイムチャートである。
図6(a)に示すように、無線通信部21から送信されるダウンリンク信号のフレームは、MACヘッダ(802.11標準MACヘッダ)F1と、拡張MACヘッダF1と、ペイロード(データ本体部)F3と、を有している。なお、図6(a)において、プリアンブルやCRCは省略した。
上記総合スロット情報S6は、上記拡張MACヘッダに格納される。また、交通情報S2は、ペイロードF3に格納される。
図6(b)に示すように、総合スロット情報S6には、例えば次の内容が記される。
1) 1メイン周期Cmの長さ(例えば、100m秒)
2) 路車間で共有する現在時刻(例えば、30m秒)
3) スロット番号iのタイムスロットT1の開始時刻(ti)
4) スロット番号iのタイムスロットT1のスロット長(Li)
5) スロット情報の中継回数
なお、2)の現在時刻(時刻情報)と3)の開始時刻は、いずれも周期Cm内における相対時刻で表現される。このように、1周期Cmの長さをスロット情報S6に含めるようにすれば、例えば、現在時刻や各スロットの開始時刻を絶対時刻で表現する場合に比べて、スロット情報S6のビット数を低減することができる。
ここで、例えば、路側通信機2のID番号をjとし、そのID番号=jの路側通信機2が使用するスロット番号をi(図6の例では、i=1〜8)とし、当該ID番号=jの路側通信機2に割り当てられたスロット長をLijとする。また、自機2が使用するスロット番号iを仮に「1」とし、自機2のID番号jを仮に「1」とする。
この場合、スロット番号1のタイムスロットT1の開始時刻t1と、自機2に割り当てられたスロット長L11とが、自機の送信タイミングに関する「自スロット情報」となる。
また、他機2が使用するスロット番号iのタイムスロットSL1の開始時刻ti(i=1〜8)と、他機2に割り当てられたスロット長Lij(j≠1)とが、他装置の送信タイミングに関する「他スロット情報」となる。
そして、制御部23は、例えばスロット番号3(仮にi=3とする。)のタイムスロットT1に、複数の路側通信機2の送信時間を(時分割せずに)重複して割り当てる場合には、その複数の路側通信機2が使用する長短複数種類のスロット長のうちの最大値を選択し、この最大スロット長を、総合スロット情報S6のデータ項目4)における、スロット番号3のタイムスロットT1のスロット長L3に設定する。
従って、例えば、スロット番号3のタイムスロットSL1に重複して割り当てる路側通信機2が合計3つあり、そのスロット長の値がそれぞれ、L31=2ミリ秒、L32=3ミリ秒、L33=4ミリ秒である場合には、これらの最大値である4ミリ秒が、スロット番号3のタイムスロットT1のスロット長L3として設定される。
なお、制御部23は、自スロット情報のみから総合スロット情報を生成することもでき、この場合には、自装置のタイムスロットT1(スロット番号1)の開始時刻t1と、自装置のスロット長L11と同じ時間に設定されたスロット長L1が、前記データ項目3)及び4)に記載されることになる。
前記データ項目5)は、スロット情報S6が、中継された回数を示すものであり、最初に路側通信機2から送信される際には、中継装置=0がセットされている。図7に示すように、車載通信機3によって受信されたスロット情報S6は、路側通信機2からの信号を直接受信できない他の車載通信機3に転送すべく、車車間通信として車載通信機3から送信される。車載通信機3が受信したスロット情報S6が転送される際には、データ項目5)の中継回数は、インクリメント(+1)される。
〔車載通信機〕
図3に戻り、車載通信機3は、無線通信のためのアンテナ30に接続された通信部(送受信部)31と、この通信部31に対する通信制御を行うプロセッサ等よりなる制御部32と、この制御部32に接続されたROMやRAM等の記憶装置よりなる記憶部33とを備えている。
記憶部33は、制御部32が実行する通信制御のためのコンピュータプログラムや、各通信装置2,3の通信機ID等を記憶している。
車載通信機3の制御部32は、車車間通信のためのキャリアセンス方式(CSMA方式)による無線通信を通信部31に行わせるものであり、タイムスロットT1内での送信が禁止されているほかは、路側通信機2のような時分割多重方式での通信制御機能は有していない。
従って、車載通信機3の通信部31は、所定の搬送波周波数の受信レベルを常時感知しており、その値がある閾値以上である場合は無線送信を行わず、当該閾値未満になった場合にのみ無線送信を行うようになっている。
車載通信機3の制御部32は、前記コンピュータプログラムを実行することで達成される機能部として、通信部31の無線送信タイミングを制御する送信制御部32Aと、通信部31の受信データの中継処理を行うデータ中継部32Bと、路側通信機との間で同期をとるために自己3の時刻を補正する時刻補正部32Cとを有する。
車載通信機3の送信制御部32Aは、路側通信機2から取得したスロット情報S6に従って、自身に許容された無線送信の時間帯を設定し、この時間帯だけCSMA方式によって通信部31に無線送信を行わせる。
車載通信機3のデータ中継部32Bは、通信部31が受信した受信フレームから所定のデータを抽出し、抽出したデータを送信フレームに含めて同通信部31に送信させる中継処理を行うことができる。
例えば、データ中継部32Bは、路側通信機2のダウンリンク信号から交通情報S3や
他の車両5の車両情報(ペイロードF3)S3を抽出し、抽出したデータをペイロードF3に含む送信フレームを生成して通信部31に送信させる。
また、データ中継部32Bは、路側通信機2のダウンリンク信号や他の車両5から受信
した受信フレームにスロット情報S6(拡張MACフレームF1)が含まれている場合には、そのスロット情報S6を抽出して記憶部33に一時的に記憶させるとともに、そのスロット情報S6を送信フレームの拡張MACフレームとしてセットして通信部31に送信させる。また、中継の際には、前述のように、スロット情報S6の中継回数(図6(b)のデータ項目5))がインクリメントされる。
なお、車載通信機3が、複数の路側通信機2から送信された複数のスロット情報S6を受信した場合には、最も少ない中継回数で届いたスロット情報S6を、時刻精度が最も高いと判断し、そのスロット情報S6を選択する。
本実施形態では、車載通信機3の制御部32は、他の車両5(車載通信機3)から直接
受信した車両情報S3や、路側通信機2から受信した他の車両5の車両情報S3に基づいて、右直衝突や出合い頭衝突等を回避する安全運転支援制御を行うことができる。
〔路側通信機と車載通信機との間の同期方法〕
本実施形態の無線通信システムでは、路側通信機2が、自機2の時計部(図示省略)に基づく現在時刻(図6のデータ項目2)を含むスロット情報S6を、車載通信機3に送信し、それを受信した車載通信機3が、路側通信機2の現在時刻と自己3の現在時刻との差を補正値Taとして求める。車載通信機3の時刻補正部32Cは、その補正値Taほど、自己3の時計部(図示省略)を補正し、路側通信機2との間で時刻を合わせて同期をとる。路側通信機2と車載通信機3との間で同期をとることで、車載通信機3が、自身に許容された無線送信の時間帯でだけ、通信を行うことができる。
つまり、車載通信機3自身の判断で、自身に許容された無線送信の時間帯でだけ通信を行おうとしても、車載通信機3自身の時計部の時刻が路側通信機2と一致していなければ、実際には許容されていない時間帯で車載通信機3が通信を行う可能性がある。
これに対し、本実施形態では、路側通信機の同期精度が損なわれた場合にも、適切に通信を行うことが可能である。
〔路側通信機間の同期方法〕
本実施形態の無線通信システムでは、路側通信機2から車載通信機3へ送信されるダウンリンク信号(スロット情報S6)は、ブロードキャスト送信されるため、車載通信機3以外の他の路側通信機2も受信可能である。
路側通信機2から現在時刻(図6のデータ項目2)を含むスロット情報S6を受信した他の路側通信機2は、送信元の路側通信機2の現在時刻と自己2の現在時刻との差を補正値Taとして求め、その補正値Taほど、自己2の時計部(図示省略)を補正し、時刻を合わせて同期をとる。路側通信機2間で同期をとることで、一つのタイムスロットT1を複数の路側通信機2によって時分割で共有する場合に、当該複数の路側通信機2が重複した時間帯に送信を行うことを防止できる。
また、路側通信機2間の同期は、上記の方法(路路間通信によるエア同期)によるほか、GPS受信機25によって受信したGPS信号に基づいて行うGPS同期であっても良い。
上記の路路間通信によるエア同期においては、例えば一方の路側通信機2がGPS同期を行っているが、他方の路側通信機2がGPSを搭載していない場合に特に有効である。
[時刻精度の検出と対応]
図8は、路側通信機2の送信制御部23Aが、時刻精度の検出に関連して行う通信制御の手順を示している。
送信制御部23Aは、自機2の時刻精度を測定する等して判定した結果(ステップS1)、時刻精度が良好である場合には、通常送信モード(ステップS2)で送信を行うよう制御する。何らかの原因で、路側通信機2の時刻精度が低下した場合、送信制御部23Aは、異常時送信モード(ステップS3,S4)で送信を行うようモード切替制御をする。
時刻精度の測定は、他の路側通信機2からの受信信号に基づいて行ったり、GPS衛星からのPPS信号に基づいて行ったりすることができる。
例えば、自機2が把握する各タイムスロットの開始時刻が、t=0ms、t=10ms、t=20ms、t=40ms・・・であるのに対し、自機2が実際に他の路側通信機2から受信した信号の開始時刻が、上記した本来の開始時刻からずれている場合がある。図9(a)では、i=4のタイムスロットだけ実際の開始時刻がずれているが、他のタイムスロットについては実際の開始時刻と本来の開始時刻との間に、ずれがない。この場合、i=4のタイムスロットが割り当てられている路側通信機2の時刻精度が低下していると判断できる。
i=4のタイムスロットが割り当てられている他の路側通信機2の時刻精度低下を検出した路側通信機2は、当該他の路側通信機2に対して、時刻精度が低下している旨、及び必要であれば、そのずれ量(誤差)t1を通知する。この通知を受けた他の路側通信機2は、その通知に基づいて、時刻精度が低下しているとの判定(検出)を行う(ステップS1)。
また、自機2が把握する各タイムスロットの開始時刻が、t=0ms、t=10ms、t=20ms、t=40ms・・・であるのに対し、自機2が実際に他の路側通信機2から受信した信号の開始時刻が、図9(b)に示すように、全スロットについて一様にずれている場合には、時刻精度が低下しているのは自機であると判定(検出)する(ステップS1)。
時刻精度の測定をPPS信号に基づいて行う場合、図9(c)に示すように、1秒間隔で到来するはずの、PPS信号が、自機2の時計部による時刻を基準とすると1秒間隔で到来しない場合に、自機2の時刻精度が低下していると判定(検出)を行うことができる(ステップS1)。
時刻精度が良い場合(ステップS1で検出された時刻誤差t1が、第1の閾値未満である場合)の送信モードである通常通信モードでは、路側通信機2の送信について前述したとおりの送信が行われる。つまり、路側通信機2は、自機2に割り当てられたタイムスロットT1において、図6(b)に示すようなスロット情報を含む送信情報が送信される。なお、前述のとおり、スロット情報には、現在時刻(時刻情報)と、中継回数(中継情報)とが、含まれている。路側通信機2が送信する場合、車載通信機3による中継回数が0回であることを示すべく、中継回数は、「0」にセットされている。
路側通信機2から通常送信モードで送信されると、車載通信機3は、送信情報に含まれる現在時刻(時刻情報)に基づいて、路側通信機2の時刻と一致させるように同期処理を行う。すなわち、路側通信機2と車載通信機3の同期が確立される。
時刻精度が悪い場合(ステップS1で検出された時刻誤差t1が、第1の閾値以上である場合)の送信モードである異常時送信モードとして、第1異常時送信モード(ステップS3)と、第2異常時送信モード(ステップS4)の2種類が送信制御部23Aに設定されている。
これらの異常時送信モードは、時刻精度低下時用に、通常送信モードとは異なる送信方式として予め決められているものであり、送信制御部23Aは、時刻精度低下時に、通常送信モードから異常時送信モードへモード切替を行うよう構成されている。つまり、このモード切替機能によって、時刻精度低下への対処を行うための枠組みが提供される。
第1異常時送信モードは、自機2の時刻精度低下を車載通信機3が把握するための情報(時刻精度低下情報)を追加的に送信情報に含めて送信を行うモード(送信方式)である。第1異常時送信モードが、通常送信モードと異なる点は、時刻精度低下情報が送信情報に含まれる点のみであり、その他の点は、通常送信モードと共通している。
第1異常時モードの路側通信機1から送信された送信情報を受信した車載通信機3(又は他の路側通信機2)は、送信情報に、時刻精度低下情報が含まれることを検出すると、その送信情報の送信元の路側通信機2に対して同期するのを中止する。なお、同期を中止した車載通信機3は、更に他の路側通信機2の時刻精度に問題がなければ、当該他の路側通信機2に同期すればよい。
時刻精度低下情報を送信情報に含める場合、図6(a)に示すフレーム構造中(特に、拡張MACヘッダF2又はペイロードF3)に、時刻精度低下情報用のフィールドを確保しても良いが、フレームが大きくならないように、拡張MACヘッダF2に既に含まれている時刻情報(図6のデータ項目2))や中継回数(図6のデータ項目5))を利用することができる。
時刻情報を利用する場合、例えば時刻情報が、32ビットで構成されている場合、その32ビット中の1ビットを、時刻精度低下の有無を示すフラグとして使用すればよい。
中継回数を利用する場合、実際の中継回数よりも大きな値に設定すればよい。路側通信機2が送信情報を送信する際、通常送信モードでは、中継回数=0に設定されるが、第1異常時モードでは、例えば、中継回数=15に設定して路側通信機2から送信させてもよい。車載通信機3は、最も少ない中継回数で届いたスロット情報S6を選択するよう構成されているため、中継回数が非常に多いスロット情報S6は、車載通信機3において選択されなくなる。このため、車載通信機3が、第1異常時モードの路側通信機2に同期するのを回避できる。
また、車載通信機3では、中継回数が所定の基準回数よりも大きいと、中継に伴う時刻誤差の蓄積によって、受信した時刻情報(現在時刻)は信頼すべきでないと判断して、受信した時刻情報に基づく同期を行わないように構成されている。
したがって、路側通信機2が、所定の基準回数よりも多い回数(例えば、15回)を中継回数として設定しておけば、車載通信機3による同期を回避できる。
第2異常時送信モードは、時刻精度低下によって他の路側通信機に電波干渉を与えるのを回避するように送信を行うモードである。一つのスロットを複数の路側通信機2によって時分割により共用する場合、複数の路側通信機2のうちのいずれかの路側通信機2の時刻精度が低下すると、他の路側通信機2と送信時間が重なり、電波干渉が生じるおそれがある。そこで、図10(b)に示すように、第2異常時送信モードの路側通信機2は、自機2に割り当てられたタイムスロットT1を放棄して、CSMA(キャリアセンス方式)にて送信を行う。
つまり、図10(a)に示すように、通常送信モード(及び第1異常時送信モード)の路側通信機2は、タイムスロットT1内で送信を行うのに対し、第2異常時送信モードの路側通信機2は、図10(b)に示すように、車載通信機3用の時間帯T2において、キャリアセンスにより、送信タイミングを決定する。換言すると、第2異常時送信モードの路側通信機2は、車載通信機3と同様の方式によって通信を行う。これにより、他の路側通信機2と送信時間が重なることを防止できる。
本実施形態では、前記第2異常時送信モードは、ステップS1で検出された時刻誤差t1が、第1の閾値よりもさらに大きい第2の閾値を超えた場合、すなわち、時刻精度が大幅に悪化した場合に、実行される。時刻精度が多少悪化した程度である場合(第1の閾値<時刻誤差t1<第2の閾値)には、第1異常時送信モードによって、車載通信機3による同期を回避するだけでもよいが、時刻精度が大幅に悪化した場合(第2の閾値<時刻誤差t1)には、路側通信機2同士の電波干渉も問題となるため、第2異常時送信モードに移行するのが好ましい。
なお、第2異常時送信モードにおいても、第1異常時送信モードと同様に、時刻精度低下情報を送信してもよい。
また、異常時送信モードは、2種類設ける必要はなく、いずれか一方だけでもよい。つまり、第2異常時送信モードは、時刻精度が大幅に悪化した場合だけでなく、時刻誤差が多少悪化した程度の場合にも実行することができる。
今回開示した各実施形態は本発明の例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、上記実施形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と、その構成と均等な意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
例えば、上記実施形態では、路路間通信が無線で行われることを前提としたが、路側通信機2と車載通信機3との無線通信帯域を十分に確保するため、路路間通信には無線通信の帯域が割り当てられない場合もあり得る。
そこで、路側通信機2同士が有線通信部22による通信が可能である場合には、その間の総合スロット情報S6の交換を有線通信で行うようにしてもよい。
更に、上記実施形態の高度道路交通システムおいて、車載通信機3の代わりに或いは車載通信機3に加えて、歩行者等が携帯する通信機(携帯通信端末)を用いることもできる。もっとも、この場合には、その携帯通信端末が、上記実施形態の車載通信機3の場合と同様に、路側通信機2の送信時間(第1スロットSL1)中においては無線送信を行わないという規約に従う必要がある。
1 交通信号機
2 路側通信機
3 車載通信機(移動通信機)
4 中央装置
5 車両
21 無線通信部(送信部)
22 有線通信部
23 制御部
23A 送信制御部
23B データ中継部
23C 時刻補正部
24C 時刻精度検出部
24 記憶部
S6 スロット情報
T1 第1スロット(タイムスロット)
T2 第2スロット(タイムスロット)

Claims (8)

  1. 無線送信を行うことが可能な送信可能時間内において送信を行う無線機であって、
    前記無線機の時刻精度低下を検出する検出部と、
    前記検出部によって前記時刻精度低下が検出されると、送信を異常時送信モードで行うように制御をする送信制御部と、
    を備え、
    前記送信制御部には、時刻精度低下に対処するために予め決められた送信方式が前記異常時送信モードとして設定されている
    ことを特徴とする無線機。
  2. 前記異常時送信モードは、時刻精度低下によって他の無線機に電波干渉を与えるのを回避するように送信を行うか、又は自機の時刻精度低下を他の無線機が把握するための情報を送信情報に含めて送信を行うモードである
    請求項1記載の無線機。
  3. 前記送信情報は、前記送信情報が無線機によって中継された中継回数を示す中継情報を含み、
    自機の時刻精度低下を他の無線機が把握するための前記情報は、前記中継情報が、実際の中継回数よりも大きな値に設定されたものである
    請求項2記載の無線機。
  4. 時刻精度低下によって他の無線機に電波干渉を与えるのを回避するように送信を行う前記モードは、自機の送信タイミングをキャリアセンスで決定して送信を行うモードである
    請求項2又は3記載の無線機。
  5. 前記検出部は、他の無線機から信号を受信した時刻と、当該信号を受信すべき本来的な時刻との差に基づいて、時刻精度低下を検出する
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の無線機。
  6. 前記無線機は、路側通信機が無線送信を行う送信可能時間以外において移動通信機がキャリアセンスによって送信タイミングを決定する無線通信システムにおける前記路側通信機であり、
    前記異常時送信モードは、第1異常時送信モードと、第2異常時送信モードとを含み、
    前記第1異常時送信モードは、自機の時刻精度低下を他の無線機が把握するための情報を送信情報に含めて送信を行うモードであり、
    前記第2異常時送信モードは、時刻精度低下によって他の無線機に電波干渉を与えるのを回避するように送信を行うモードであり、
    前記送信制御部は、前記時刻精度低下が検出されると、送信を第1異常時送信モードで行い、時刻精度が所定の閾値を超えて悪化していることが検出されると、前記第2異常時モードで行う
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の無線機。
  7. 無線送信を行うことが可能な送信可能時間において送信を行う路側通信機に対して、移動通信機が同期する無線システムであって、
    前記路側通信機の時刻精度低下を検出する検出部と、
    前記検出部によって前記路側通信機の前記時刻精度低下が検出されると、前記路側通信機の送信を異常時送信モードで行うように制御をする送信制御部と、を備え、
    前記送信制御部には、時刻精度低下に対処するために予め決められた送信方式が前記異常時送信モードとして設定されている
    ことを特徴とする無線通信システム。
  8. 無線送信を行うことが可能な送信可能時間において送信を行う無線機における通信制御方法であって、
    前記無線機の時刻精度低下が検出されると、前記無線機は、時刻精度低下に対処するために予め決められた送信方式で送信を行う異常時モードを実行するように制御する
    ことを特徴とする通信制御方法。
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